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特開2024-165764営農情報管理方法、営農情報管理システム、および、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165764
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】営農情報管理方法、営農情報管理システム、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20241121BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082246
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】小島 右資
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】ユーザのニーズに応じた態様で営農情報を管理する。
【解決手段】営農情報管理方法は、圃場で作業する作業装置の稼働情報を含む装置情報を取得することと、装置情報に基づいて、圃場での農作業に関する営農情報を生成することと、営農情報についての権限を有する1以上のユーザのうち、営農情報の利用状況が第1条件を満たさない対象ユーザを決定することと、決定した対象ユーザに対して、対象ユーザの営農情報についての権限をダウングレードすることを警告する警告情報を出力することと、警告情報を出力した対象ユーザの前記権限をダウングレードすることと、を含む。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場で作業する作業装置の稼働情報を含む装置情報を取得することと、
前記装置情報に基づいて、前記圃場での農作業に関する営農情報を生成することと、
前記営農情報についての権限を有する1以上のユーザのうち、前記営農情報の利用状況が第1条件を満たさない対象ユーザを決定することと、
決定した前記対象ユーザに対して、前記対象ユーザの前記営農情報についての前記権限をダウングレードすることを警告する警告情報を出力することと、
前記警告情報を出力した前記対象ユーザの前記権限をダウングレードすることと、
を含む、
営農情報管理方法。
【請求項2】
前記警告情報を出力した後、前記対象ユーザの前記営農情報の利用状況が第2条件を満たすか否かを決定することを更に含み、
前記権限をダウングレードすることが、前記利用状況が前記第2条件を満たさないと決定した場合に、前記対象ユーザの前記権限をダウングレードすることを含む、
請求項1に記載の営農情報管理方法。
【請求項3】
前記対象ユーザを決定することが、前記1以上のユーザのうち、前記営農情報を管理するサーバへ最後にアクセスしてからの期間が第1期間より長いユーザを、前記第1条件を満たさない前記対象ユーザとして決定することを含む、
請求項1に記載の営農情報管理方法。
【請求項4】
前記装置情報を取得することが、1以上のユーザにそれぞれ対応する作業装置に搭載された通信端末が所定の通信手段を用いて送信する、前記稼働情報を含む装置情報を取得することを含み、
前記ダウングレードすることが、前記対象ユーザに対応する前記作業装置に搭載された前記通信端末から前記通信手段を用いて出力される前記装置情報のデータ量又は送信頻度のうち少なくとも一方を低減することを含む、
請求項1に記載の営農情報管理方法。
【請求項5】
前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記作業装置に搭載された前記通信端末を用いて、前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記作業装置の状態を示す状態情報を含む前記稼働情報を継続的に取得することを更に含み、
前記ダウングレードすることが、前記対象ユーザに対応する前記作業装置の前記状態情報を取得する頻度を低減することを含む、
請求項4に記載の営農情報管理方法。
【請求項6】
前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記作業装置に搭載された前記通信端末を用いて、前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記作業装置の位置を示す位置情報を含む前記稼働情報を継続的に取得することを更に含み、
前記ダウングレードすることが、前記対象ユーザに対応する前記作業装置の前記位置情報を取得する頻度を低減することを含む、
請求項4に記載の営農情報管理方法。
【請求項7】
前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記作業装置に搭載された前記通信端末を用いて、前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記作業装置で発生したイベントを示すイベント情報を含む前記装置情報を取得することを更に含み、
前記ダウングレードすることが、前記対象ユーザに対応する前記作業装置のイベント情報に含まれるデータ量を低減することを含む、
請求項4に記載の営農情報管理方法。
【請求項8】
前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記作業装置に搭載された前記通信端末を用いて、前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記作業装置に関する第1種類の情報と、第2種類の情報と、を含む前記装置情報を取得することを更に含み、
前記ダウングレードすることが、送信される前記装置情報に前記第2種類の情報が含まれないようにすることを含む、
請求項4に記載の営農情報管理方法。
【請求項9】
前記営農情報を管理するサーバを用いて、1以上のユーザにそれぞれ対応する作業装置に搭載された通信端末が所定の通信手段を用いて送信する装置情報を取得することと、
取得した前記装置情報に基づいて、前記サーバが前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記営農情報を更新することと、
を更に含み、
前記ダウングレードすることが、前記対象ユーザに対応する前記作業装置に搭載された前記通信端末から前記サーバに前記装置情報を送信する前記所定の通信手段を無効化することを含む、
請求項1に記載の営農情報管理方法。
【請求項10】
圃場で作業する作業装置の稼働情報を含む装置情報を取得する情報取得部と、
前記装置情報に基づいて、前記圃場での農作業に関する営農情報を生成する情報管理部と、
前記営農情報についての権限を有する1以上のユーザのうち、前記営農情報の利用状況が条件を満たさない対象ユーザを決定する対象決定部と、
決定した前記対象ユーザに対して、前記対象ユーザの前記営農情報についての前記権限をダウングレードすることを警告する警告情報を出力する情報出力部と、
前記警告情報を出力した後、前記対象ユーザの前記権限をダウングレードする権限設定部と、
を備える、
営農情報管理システム。
【請求項11】
コンピュータに、
圃場で作業する作業装置の稼働情報を含む装置情報を取得することと、
前記装置情報に基づいて、前記圃場での農作業に関する営農情報を生成することと、
前記営農情報についての権限を有する1以上のユーザのうち、前記営農情報の利用状況が条件を満たさない対象ユーザを決定することと、
決定した前記対象ユーザに対して、前記対象ユーザの前記営農情報についての前記権限をダウングレードすることを警告する警告情報を出力することと、
前記警告情報を出力した後、前記対象ユーザの前記権限をダウングレードすることと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、営農情報管理方法、営農情報管理システム、および、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
農業の情報化に伴い、農業を営む際の参考になり得る営農情報をユーザに提供する技術が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、作業装置が出力する稼働情報に基づいて圃場で作業装置が作業する効率を算定し、算定結果に基づいて作業が完了する推定時間に関する情報をユーザに提供する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-168500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、圃場での農作業に関わるユーザには、営農情報を積極的に利用する者も、そのような情報を必要とせず閲覧を行わない者も存在する。ところが、特許文献1の技術では、ユーザのニーズの程度にかかわらず同一の基準で収集された稼働情報に基づいてユーザに提供される情報が生成される。一般に、圃場で作業装置から収集した情報に基づく営農情報を管理するためには通信やデータの保存等にコストを要するところ、従来技術を用いて営農用の情報を管理すると、不要なコストが発生する恐れがあった。
【0006】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、ユーザのニーズに応じた態様で営農用の情報を管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
上記課題を解決するための実施形態に係る営農情報管理方法は、圃場で作業する作業装置(40)の稼働情報を含む装置情報を取得することと、装置情報に基づいて、圃場での農作業に関する営農情報(D3)を生成することと、営農情報(D3)についての権限を有する1以上のユーザのうち、営農情報(D3)の利用状況が第1条件を満たさない対象ユーザを決定することと、決定した対象ユーザに対して、対象ユーザの営農情報(D3)についての権限をダウングレードすることを警告する警告情報(WI1)を出力することと、警告情報(WI1)を出力した対象ユーザの権限をダウングレードすることと、を含む。
【0009】
上記課題を解決するための実施形態に係る営農情報管理システム(1)は、圃場での農作業に関する営農情報(D3)についての権限を有する1以上のユーザのうち、営農情報(D3)の利用状況が第1条件を満たさない対象ユーザを決定する対象決定部(130)と、決定した対象ユーザに対して、対象ユーザの営農情報(D3)についての権限をダウングレードすることを警告する警告情報(WI1)を出力する情報出力部(150)と、警告情報(WI1)を出力した対象ユーザの権限をダウングレードする権限設定部(140)と、を備える。
【0010】
上記課題を解決するための実施形態に係るプログラム(P1)は、コンピュータ(10)に、圃場で作業する作業装置(40)の稼働情報を含む装置情報を取得することと、装置情報に基づいて、圃場での農作業に関する営農情報(D3)を生成することと、営農情報(D3)についての権限を有する1以上のユーザのうち、営農情報(D3)の利用状況が第1条件を満たさない対象ユーザを決定することと、決定した対象ユーザに対して、対象ユーザの営農情報(D3)についての権限をダウングレードすることを警告する警告情報(WI1)を出力することと、警告情報(WI1)を出力した対象ユーザの権限をダウングレードすることと、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上記の実施形態によれば、ユーザのニーズに応じた態様で営農用の情報を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態における営農情報管理システムの構成を示す模式図である。
図2】一実施形態におけるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
図3】一実施形態におけるユーザ端末の構成を示すブロック図である。
図4】一実施形態における作業装置の構成を示すブロック図である。
図5】一実施形態における営農情報管理システムの機能構成を示すブロック図である。
図6】一実施形態におけるユーザ情報の例を示す図である。
図7】一実施形態における権限情報の例を示す図である。
図8】一実施形態における営農情報管理システムが実行する処理を示すフローチャートである。
図9A】一実施形態における営農情報管理システムが実行する処理を示すフローチャートである。
図9B】一実施形態における営農情報管理システムが実行する処理を示すフローチャートである。
図10】一実施形態における営農情報管理システムが実行する処理を説明するための図である。
図11A】一実施形態における営農情報管理システムが実行する処理を示すフローチャートである。
図11B】一実施形態における営農情報管理システムが実行する処理を示すフローチャートである。
図12】一実施形態における営農情報管理システムが実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
以下、実施形態に係る営農情報管理システムについて、図を参照して説明する。図1に示すように、営農情報管理システム1は、サーバ装置10と、1以上のユーザ端末20と、1以上の作業装置40にそれぞれ搭載された通信端末30と、を含む。サーバ装置10と、1以上のユーザ端末20と、1以上の通信端末30と、はネットワークNTを介して互いに通信可能である。ネットワークNTは、例えばインターネットである。また、通信端末30は、測位衛星GPからの測位信号を受信し得る。
【0014】
1以上の作業装置40はそれぞれ、特定のユーザの所有もしくはユーザの管理の下で稼働し、圃場内を移動して作業を行う。作業装置40の例として、例えば、コンバイン、田植え機、作業機械を牽引するトラクター、及び、農薬を散布するドローンなどが挙げられる。通信端末30は、作業装置40の位置及び状態のうち少なくとも一方を表す装置情報をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、各ユーザに対応する作業装置40に搭載された通信端末30が出力した装置情報に基づいて、そのユーザに提供される営農情報を作成及び更新する。営農情報とは、農業生産活動が適切に行われているかを様々な観点から管理するために使用可能な情報である。サーバ装置10は、ユーザ端末20を用いてユーザがサーバ装置10の営農情報にアクセスしたことに応じて、作成した営農情報をユーザ端末20に配信する。ユーザは、例えば、ユーザ端末20に表示された営農情報を閲覧して、圃場における作物の栽培状況を分析し得る。
【0015】
営農情報を管理するサーバ装置10は、営農情報に関する複数の権限レベルのうち、何れかのレベルに対応する権限を、1以上のユーザのそれぞれに対して付与する。サーバ装置10は、例えば最後のアクセスから所定期間経過した場合など、ユーザの営農情報の利用状況が所定の条件を満たさない場合、当該ユーザに対応するユーザ端末20に、当該ユーザの権限をダウングレードする旨の警告情報を出力する。警告情報出力後さらに所定期間経過後もサーバ装置10へのアクセスがない場合など、当該ユーザの利用状況が所定の条件を満たさない場合、サーバ装置10は当該ユーザの権限をダウングレードする。権限をダウンロードしたことに応じて、サーバ装置10は、当該ユーザに対応する作業装置40に搭載された通信端末30が装置情報を出力する頻度及びデータ量のうち少なくとも一方が低減されるように、通信端末30を制御する。このため、本実施形態の営農情報管理システム1は、営農情報を利用するニーズが高いユーザに対して相対的に詳細な営農情報を提供すると共に、営農情報を管理するコストを低減することができる。
【0016】
営農情報管理システム1の構成を説明する。営農情報管理システム1に含まれるサーバ装置10は、図2に示すように、入出力装置12と、演算装置14と、通信装置16と、記憶装置18と、を備える。サーバ装置10は、例えば、サーバ機能を有するコンピュータである。あるいは、サーバ装置10は、クラウドによって実現された仮想サーバであってもよい。
【0017】
入出力装置12には、演算装置14が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置12は、演算装置14が処理を実行した結果を出力する。入出力装置12は、様々な入力デバイス及び出力デバイス、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置12は省略されてもよい。
【0018】
通信装置16は、ネットワークNTと通信可能に接続され、ネットワークNTを介してサーバ装置10の外部の装置(例えば、ユーザ端末20及び通信端末30)との通信を行う。通信装置16は、ユーザ端末20及び通信端末30から取得した情報を演算装置14に転送する。また、演算装置14が生成した情報をユーザ端末20及び通信端末30に転送する。通信装置16は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などのデータ通信機能を有する種々のインタフェースデバイスを含む。
【0019】
記憶装置18は、本実施形態のサーバ装置10が後述する処理を実行するための様々なデータ及び命令を含むプログラムP1等を記憶する。記憶装置18は、これらのデータ及び命令を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。プログラムP1は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体M1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよい。または、記憶媒体M1は、プログラムP1を記憶した外部のサーバの記憶装置であってもよい。この場合、プログラムP1はサーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供され得る。
【0020】
演算装置14は、後述する処理の少なくとも一部を実行するための命令及びデータを含むプログラムP1を記憶装置18から読み出して実行する。演算装置14は、例えば、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)を含む。
【0021】
営農情報管理システム1に含まれるユーザ端末20は、図3に示すように、入出力装置22と、演算装置24と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。ユーザ端末20は、例えば、タブレットやスマートフォンといったモバイル機器である。なお、ユーザ端末20は据え置き型のパーソナルコンピュータや、ノート型のコンピュータであってもよい。
【0022】
入出力装置22には、演算装置24が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置22は、演算装置24が処理を実行した結果を出力する。入出力装置22は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、スピーカー、タッチパネルなどを含む。また、ユーザ端末20がパーソナルコンピュータである場合などには、入出力装置22はキーボード、マウス、マイク、ディスプレイ等を含み得る。
【0023】
通信装置26は、ネットワークNTと通信可能に接続され、ネットワークNTを介してユーザ端末20の外部の装置(例えば、サーバ装置10)との通信を行う。通信装置26は、サーバ装置10から取得した情報を演算装置24に転送する。また、演算装置24が生成した情報をサーバ装置10に転送する。通信装置26は、例えば、無線LAN(Local Area Network)やセルラーネットワークなどの無線通信に用いられる送受信機といった、通信機能を有する種々のインタフェースデバイスを含む。
【0024】
記憶装置28は、本実施形態の営農情報管理システム1が後述する処理を実行するための様々なデータ及び命令を含むプログラムP2等を記憶する。記憶装置28は、これらのデータ及び命令を記憶する非一時的記憶媒体として用いられる。プログラムP2は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体M2に記録されたコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。または、記憶媒体M2は、プログラムP2を記憶した外部のサーバの記憶装置であってもよい。この場合、プログラムP2はサーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供され得る。
【0025】
演算装置24は、後述する処理の少なくとも一部を実行するための命令及びデータを含むプログラムP2を記憶装置28から読み出して実行する。例えば、演算装置24は、中央演算処理装置(CPU)などを含む。
【0026】
作業装置40は、図4に示すように、制御装置42と、キースイッチ44と、通信端末30と、を含む。キースイッチ44は、例えば、キーを挿入した後、回転させるユーザ操作に応答して、作業装置40のオン状態とオフ状態とを切り替える。例えば作業装置40がエンジンを搭載した車両である場合には、キースイッチ44は作業装置の図示しないエンジンをオンオフする。作業装置40が電気で駆動する車両である場合には、キースイッチ44は作業装置の電源をオンオフする。キースイッチ44は、作業装置40のエンジンのオンオフ状態が変更されたときに、当該変更後のオンオフ状態を示す電気信号を制御装置42に送信する。
【0027】
制御装置42は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)を含む。制御装置42は、所定期間(例えば1秒ごと)に、作業装置40が有する図示しない各種センサから作業装置40の状態を表す状態情報を取得する。制御装置42が取得する状態情報は、作業装置40の状態を表す情報、例えば作業装置40の速度、操舵角、エンジン回転数、各種クラッチのオンオフ状態などを含む。作業装置40が作業機械を牽引する車両、例えばトラクターであるとき、状態情報には、作業機械に動力を伝達するときのPTO(power take-off)回転数、作業機械の姿勢を示すヒッチ高さやリフトアーム角度などの情報が含まれてもよい。更に、作業装置40が農作物を収穫する作業機械を牽引する車両であるとき、状態情報には、収穫した農作物の量(例えば、重量)の情報が含まれてもよい。取得された状態情報は、通信端末30に出力される。
【0028】
また制御装置42は、キースイッチ44から作業装置40のエンジンのオンオフ状態が変更されたことを示す電気信号を受信したときに、当該エンジンのオンオフ状態の変更イベントが発生したことを示す信号を通信端末30に出力する。また、制御装置42は、各種センサが異常値を検出した時に、当該異常値を示す信号を通信端末30に出力する。
【0029】
通信端末30は、例えば、作業装置40の内部に固定された、通信機能を有するコンピュータである。通信端末30は、入出力装置32と、演算装置34と、通信装置36と、記憶装置38と、測位装置39と、を備える。
【0030】
入出力装置32には、演算装置34が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置32は、演算装置34が処理を実行した結果を出力する。入出力装置32は、作業装置40の制御装置42と通信可能に接続され、制御装置42が出力する状態情報を取得する。また、入出力装置32は、例えば、スピーカー、タッチパネル、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイといった様々な入力装置及び出力装置を含んでいてもよい。
【0031】
通信装置36は、ネットワークNTと通信可能に接続され、ネットワークNTを介して通信端末30の外部の装置(例えば、サーバ装置10)との通信を行う。通信装置36は、サーバ装置10から取得した情報を演算装置34に転送する。また、演算装置34が生成した情報をサーバ装置10に転送する。通信装置36は、例えば、セルラーネットワークや無線LANの送受信機といった、無線通信機能を有する種々のインタフェースデバイスを含む。本実施形態では、通信装置36のサーバ装置10への通信手段は、サーバ装置10の管理者が通信業者と契約し、契約料及び通信料金を支払うことにより維持されている。言い換えると、通信装置36がネットワークNTを介してサーバ装置10にデータを送受信するために、例えば1か月ごとに、セルラーネットワーク又は無線LANによる通信手段を提供する通信業者に対する契約料が発生する。更に、契約料に代えて、あるいはこれに加えて、ネットワークNTを介して通信装置36がサーバ装置10とデータを送受信する際に、データ量に応じた通信料金が発生する場合がある。
【0032】
記憶装置38は、本実施形態の営農情報管理システム1が後述する処理を実行するための様々なデータ及び命令を含むプログラムP3を記憶する。記憶装置38は、これらのデータ及び命令を記憶する非一時的記憶媒体として用いられる。プログラムP3は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体M3に記録されたコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。または、記憶媒体M3は、プログラムP3を記憶した外部のサーバの記憶装置であってもよい。この場合、プログラムP3はサーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供され得る。
【0033】
測位装置39は、通信端末30が搭載されている作業装置40の位置を測定する。測位装置39は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機であり、図1に示す測位衛星GPから測位信号を受信して、圃場を移動する各時刻における作業装置40の位置を測定する。あるいは、測位装置39は量子コンパスを用いた自己位置推定によって作業装置40の位置を測定してもよい。
【0034】
図4の演算装置34は、後述する処理の少なくとも一部を実行するための命令及びデータを含むプログラムP3を記憶装置38から読み出して実行する。例えば、演算装置34は、中央演算処理装置(CPU)などを含む。
【0035】
次に、営農情報管理システム1の機能について、図5を参照して説明する。通信端末30は、図4の演算装置34がプログラムP3を実行することにより、サンプリング部310、出力部320、設定更新部330、及び、情報記憶部340の機能を実現する。情報記憶部340は、設定情報D4を記憶する。
【0036】
設定情報D4は、その通信端末30が、自身が搭載された作業装置40に関する装置情報を取得し、サーバ装置10へ出力するルールを示す。例えば、設定情報D4は、後述する権限情報D2(図7参照)の各行のうち、その通信端末30が搭載された作業装置40のユーザに付与された権限レベルの行と同様の情報を含む。
【0037】
図5に戻って、通信端末30のサンプリング部310は、後述するように、設定情報D4が示す周期及びタイミングで、作業装置40の制御装置42から、作業装置40の状態を示す状態情報を取得する。また、設定情報D4が示す周期及びタイミングで、作業装置40の位置を示す位置情報を取得する。
【0038】
通信端末30の出力部320は、後述するように、設定情報D4が示すルールに基づいてサンプリング部310が取得した装置情報を、設定情報D4が示すルールに基づいてサーバ装置10へ出力する。上述したように、本実施形態の出力部320は、図4の通信装置36が有する、サーバ装置10の管理者が通信コストを負担する通信手段を用いて装置情報をサーバ装置10へ送信する。
【0039】
通信端末30の設定更新部330は、サーバ装置10の権限設定部140が出力した、ダウングレード又はアップグレード後の権限レベルに対応する設定情報に基づき、情報記憶部340が記憶する設定情報D4を更新する。
【0040】
営農情報管理システム1のサーバ装置10は、図2の演算装置14がプログラムP1を実行することにより、図5に示す情報取得部110、情報管理部120、対象決定部130、権限設定部140、情報出力部150、及び、情報記憶部160の各機能を実現する。情報記憶部160は、後述するユーザ情報D1、権限情報D2、及び、営農情報D3を、後述する処理の開始前に予め記憶している。
【0041】
営農情報D3は、後述するように、各ユーザに対応する作業装置40の圃場内での作業装置40の移動軌跡を表す情報を含む。あるいは、営農情報D3は、各ユーザに対応する作業装置40の作業内容、例えば作業装置40が収穫した作物の収穫量を表す情報を含んでいてもよい。更に、営農情報D3は、最後にキーオフ状態に移行した際の作業装置40の位置、各ユーザに対応する作業装置40の現在位置、及び、当該作業装置40の通算稼働時間を示す情報を含んでいてもよい。営農情報D3は、各ユーザに対応する作業装置40に搭載された通信端末30が出力する装置情報に基づいて更新される、各ユーザに個別に対応する個別営農情報を含む。
【0042】
ユーザ情報D1は、例えば図6に示すように、サーバ装置10が管理する1以上のユーザについて、各ユーザに付与された営農情報D3についての権限レベルを含むユーザ管理のために必要な情報を格納している。図6の例では、ユーザ情報D1の「ユーザID」は、1以上のユーザのそれぞれを示す識別子を示す。「権限」は、複数の権限レベルのうち、そのユーザに設定された権限のレベルを示す。
【0043】
図6の例では、ユーザ情報D1の「通信端末」は、そのユーザに対応する作業装置40に搭載された、そのユーザに対応する通信端末30を示す。ユーザ情報D1の「通信端末」、サーバ装置10がそのユーザに対応する通信端末30と通信を確立するために用いられるデバイス識別子であってもよい。また「送信先」は、ユーザ端末20に後述する警告情報を送信する際の、情報の送信先を示す。「送信先」は、例えば、そのユーザのメールアドレスを示す。また、ユーザ情報D1の「情報アドレス」は、情報記憶部160における、そのユーザに対応する個別営農情報の位置を示す。
【0044】
ユーザ情報D1は、そのユーザが自らに対応する個別営農情報を利用する程度を示す情報を含む。図6の例では、ユーザ情報D1の「最終アクセス」は、そのユーザがサーバ装置10に最後にアクセスした時刻(例えば、日付)を示す。また、ユーザ情報D1の「警告日」は、そのユーザが自らに対応する個別営農情報を利用する程度が所定の条件以下であるため、個別営農情報に関する権限がダウングレードされ得ることを警告する警告情報を、そのユーザのユーザ端末20に出力した時刻(図6の例では、日付)を示す。
【0045】
図5に示す権限情報D2は、レベルが低くなるほどそのユーザに対応する個別営農情報の管理コストが低くなるように、ユーザに付与され得る複数レベルの権限のそれぞれにおける個別営農情報の管理ルールを示す情報を含む。図7の例では、権限情報D2の各行は、「権限レベル」の数値で示されている最高のレベル3から最低のレベル0までの4段階のレベルの権限における個別営農情報の管理ルールを定義している。
【0046】
図7の例では、権限情報D2の各行は、複数の権限レベルのそれぞれについて、そのレベルの権限を有するユーザに対応する個別営農情報を更新するために、そのユーザに対応する通信端末30が、稼働情報と、キーオフ時の位置情報と、複数種類のイベント情報と、を含む装置情報を取得し、サーバ装置10へ出力するルールを定義している。なお、稼働情報は、キーオン時の位置情報及び状態情報を含む、作業装置40の状態を示す情報である。また、イベント情報には、後述する起動イベント情報、停止イベント情報、及び、緊急イベント情報が含まれる。
【0047】
権限情報D2は、作業装置40がキーオフ状態からキーオン状態になったときに通信端末30が送信する起動イベント情報について、各権限レベルにおける出力の可否に関するルールを定義する情報を含む。例えば図7の権限情報D2の「起動発報」は、その権限レベルのユーザに対応する通信端末30が起動イベント情報を取得し、サーバ装置10へ出力する場合には「〇」を、起動イベント情報の取得及び出力を行わない場合には「×」を示す。
【0048】
権限情報D2は、作業装置40がキーオン状態からキーオフ状態に移行した時に通信端末30が送信する停止イベント情報について、各権限レベルにおける出力の可否に関するルールを定義する情報を含む。例えば図7の権限情報D2の「停止発報」は、その権限レベルのユーザに対応する通信端末30が停止イベント情報を取得し、サーバ装置10へ出力する場合には「〇」が、停止イベント情報の取得及び出力を行わない場合には「×」が設定されている。
【0049】
権限情報D2は、作業装置40がキーオン状態にある間に、通信端末30が継続的に取得する稼働情報について、各権限レベルにおける取得及び出力の頻度、出力のタイミング、及び、出力時のデータ量に関するルールを定義する情報を含む。なお、稼働情報は、作業装置40の位置を示す位置情報と、作業装置40の状態を示す状態情報と、を含む。例えば、図7の権限情報D2の「稼働情報サンプリング周期」は、その権限レベルのユーザに対応する通信端末30が、作業装置40の稼働情報を取得する際のサンプリング周期を定義している。なお、その権限レベルにおいては通信端末30がサンプリング及び出力を行わない場合には、「稼働情報サンプリング周期」に「×」が設定されている。なお本実施形態では、稼働情報のうち、位置情報はサンプリング後に随時出力される一方、状態情報は情報記憶部340に一時保存され、キーオフ状態に移行したタイミングで一斉に送信される。
【0050】
権限情報D2は、作業装置40のセンサが異常値を検出した際に通信端末30が出力する緊急イベント情報について、各権限レベルにおける出力時のデータ量及び出力の可否に関するルールを定義する情報を含む。図7の権限情報D2の「緊急発報」は、その権限レベルのユーザに対応する通信端末30が緊急イベント情報を取得し、サーバ装置10へ出力する際に緊急イベント情報に含まれる内容を定義している。なお、その権限レベルにおいては通信端末30がサンプリング及び出力を行わない場合には、「緊急発報」に「×」が設定されている。
【0051】
装置情報は、作業装置40がキーオフ状態である間の作業装置40の位置を示すキーオフ時の位置情報を含む。このことに応じて、図7の権限情報D2の「キーオフ時サンプリング周期」は、その権限レベルのユーザに対応する通信端末30がキーオフ時の位置情報を取得し、サーバ装置10へ出力する際のルールを定義している。「キーオフ時サンプリング周期」の具体的な内容については後述する。
【0052】
実施形態では、権限情報D2の「通信」は、その権限レベルのユーザに対応する作業装置40に搭載された通信端末30が、サーバ装置10と通信する通信手段を使用可能であるかを示す。図7の権限情報D2では、権限レベル1~3のユーザに対応する通信端末30が通信手段を使用可能であることに応じて、対応する行において「通信」が「〇」に設定されている。一方、権限レベル0のユーザに対応する通信端末30が通信手段を使用ができないように設定されていることに応じて、対応する行において「通信」が「×」に設定されている。
【0053】
図5のサーバ装置10の情報取得部110は、後述する処理に必要な情報を、情報記憶部160から取得する。また、情報取得部110は、例えば、ユーザ端末20が出力するアクセス情報、及び、通信端末30が出力する装置情報を取得する。情報取得部110は、取得した情報を情報管理部120、対象決定部130、権限設定部140、情報出力部150、及び、情報記憶部160に提供する。
【0054】
情報管理部120は、後述するように、情報取得部110が取得したアクセス情報、及び、装置情報に基づいて、ユーザ情報D1及び営農情報D3を更新する。
【0055】
対象決定部130は、後述するように、1以上のユーザのうち、対応する営農情報D3の利用状況が第1条件を満たさず、ユーザ権限のダウングレードについての警告をすべき対象ユーザを決定する。また対象決定部130は、後述するように、1以上のユーザのうち、営農情報D3の利用状況が所定の第2条件を満たさず、ユーザ権限をダウングレードすべき対象ユーザを決定する。更に、対象決定部130は、後述するように、1以上のユーザのうち、現在の権限レベルが最大レベル(例えば、3レベル)よりも低く、かつ、営農情報D3の利用状況が第1条件又は第2条件を満たす、ユーザの権限をアップグレードすべき対象ユーザを決定する。
【0056】
権限設定部140は、後述するように、対象決定部130が決定したダウングレードの対象ユーザの権限をダウングレードする。例えば、権限設定部140は、ダウングレード後の権限レベルに対応する設定情報(例えば、設定情報D4)を、ダウングレードの対象ユーザに対応する作業装置40に搭載された通信端末30に出力する。また、権限設定部140は、後述するように、対象決定部130が決定したアップグレードの対象ユーザの権限をアップグレードする。例えば、権限設定部140は、アップグレードした後の権限レベルに対応する設定情報(例えば、設定情報D4)を、対象ユーザに対応する作業装置40に搭載された通信端末30に出力する。
【0057】
情報出力部150は、後述するように、ユーザ端末20に対して情報を出力する。例えば、情報出力部150は、対象決定部130が決定した対象ユーザに対応するユーザ端末20に、権限をダウングレードすることを示す警告情報を出力する。また例えば、情報出力部150は、ユーザ端末20からの営農情報へのアクセス要求を示す情報に応じて、営農情報D3のうち、そのユーザに対応する個別営農情報を当該ユーザ端末20に出力する。
【0058】
ユーザ端末20は、図3の演算装置24がプログラムP2を実行することにより、図5に示す表示部210とアクセス部220の機能を実現する。
【0059】
表示部210は、後述するように、サーバ装置10が出力する情報を、ユーザに識別可能に表示する。例えば、表示部210は、サーバ装置10が出力する警告情報、及び、個別営農情報を表示する。
【0060】
アクセス部220は、後述するように、サーバ装置10が管理する営農情報D3へユーザ端末20のユーザがアクセスするために必要な情報を、サーバ装置10に対して送受信する。
【0061】
営農情報管理システム1が実行する処理について説明する。営農情報管理システム1のユーザ端末20は、図3の入出力装置22を用いて営農情報D3を閲覧する旨のユーザ操作を受け付けたことに応じて、図8の処理を開始する。
【0062】
図8の処理では、まずステップS1002において、アクセス部220が、営農情報D3、特にそのユーザ端末20のユーザに対応する個別営農情報を利用するために、サーバ装置10へのログインを要求するログイン要求情報をサーバ装置10へ出力する。ここで、ログイン要求情報は、そのユーザ端末20のユーザを示す識別子を示す情報(例えば、図6に示すユーザ情報D1の「ユーザID」に格納された情報)を含む。
【0063】
次に、図8のステップS1003において、サーバ装置10の情報取得部110が、ステップS1002で出力されたログイン要求情報を取得する。
【0064】
次に、ステップS1004において、情報管理部120が、ステップS1003で取得したログイン要求情報に含まれる識別子が示すユーザが、営農情報D3にアクセスするアクセス権限を有しているか否かを決定する。例えば、情報管理部120は、ユーザ情報D1にその識別子が示すユーザを示す情報が含まれない、あるいは、例えば、図6のユーザ情報D1の「権限」においてそのユーザについて登録された権限レベルが0である場合に、当該ユーザが営農情報D3にアクセスするアクセス権限を有さないと決定する(ステップS1004:NO)。この場合、情報管理部120は図8の処理を終了する。
【0065】
一方、図8のステップS1004において、情報管理部120は、ユーザ情報D1にその識別子が示すユーザを示す情報が含まれ、かつ、例えば、図6のユーザ情報D1の「権限」において1レベル以上の権限がそのユーザについて登録されている場合に、当該ユーザが営農情報D3にアクセスするアクセス権限を有すると決定する(ステップS1004:YES)。この場合、処理はステップS1006に移行される。
【0066】
次に、図8のステップS1006において、情報出力部150が、営農情報D3の少なくとも一部(例えば、ユーザ端末20のユーザに対応する個別営農情報)を、ステップS1002でログイン要求情報を出力したユーザ端末20へ出力する。例えば、情報出力部150は、営農情報D3のうち、ステップS1003で取得したログイン要求情報が示すユーザに対応する個別営農情報を、ユーザ端末20へ出力する。
【0067】
次に、ステップS1008において、ユーザ端末20の表示部210が、営農情報を表示する。例えば、表示部210は、入出力装置22の画面上に、ステップS1006で出力された営農情報D3の少なくとも一部(例えば、ユーザ端末20のユーザに対応する個別営農情報)を表示する。
【0068】
次に、ステップS1010において、情報管理部120が、ユーザ情報D1を更新する。例えば、情報管理部120は、図6のユーザ情報D1のうち、ステップS1003で取得したログイン要求情報が示すユーザの利用状況に関する情報(例えば、「最終アクセス」の情報)を、今回の図8の処理によってユーザが営農情報D3を利用したことに基づいて更新する。本実施形態では、情報管理部120は、図6のユーザ情報D1のうち、ユーザに対応する行の「最終アクセス」の部分を、現在時刻(例えば日付)を示すように更新する。
【0069】
図8のステップS1010が終わると、図8の処理は終了される。
【0070】
図8の処理とは別に、営農情報管理システム1のサーバ装置10は、所定の周期ごと(例えば、1日ごと)に図9A及び図9Bの処理を開始する。
【0071】
図9Aの処理では、まずステップS2002において、サーバ装置10の情報取得部110が、ユーザ情報D1を取得する。例えば、情報取得部110は、情報記憶部160から、図8の処理で更新されたユーザ情報D1を取得する。
【0072】
次に、ステップS2004において、対象決定部130が、警告の対象となる対象ユーザが存在するか否か決定する。ステップS2004では、対象決定部130が、ステップS2002で取得したユーザ情報D1に登録された1以上のユーザのうち、図6のユーザ情報D1のうちユーザの利用状況に関する情報(例えば、「最終アクセス」の情報)が示す利用状況が、設定により定められた第1条件を満たさない対象ユーザが存在するか決定する。本実施形態では、そのユーザが現在時刻から以前の所定期間(例えば1か月)までに、そのユーザが一度でもサーバ装置10へログインしていることを第1条件とする。例えば、対象決定部130は、「最終アクセス」が示す、ユーザが最後に営農情報D3へのアクセスのためにサーバ装置10にログインした時刻から所定時間(例えば、1か月)ログインしていないユーザが存在する場合、そのユーザを、第1条件を満たさない警告の対象ユーザとして決定する。
【0073】
図9AのステップS2004では、対象決定部130がユーザ情報D1に登録された1以上のユーザのうちに警告の対象ユーザが存在すると決定すると(ステップS2004;YES)、処理はステップS2006に移行する。一方、対象決定部130が警告の対象ユーザが存在しないと決定すると(ステップS2004;NO)、処理は後述するステップS2010にスキップされる。
【0074】
ステップS2006では、情報出力部150が、警告の対象ユーザのユーザ端末20に警告情報を出力する。例えば、情報出力部150は、ステップS2002で取得した、図6のユーザ情報D1のうち、対象ユーザに対応する行の「送信先」が示すユーザ端末20に、警告情報を出力する。警告情報は、例えば、直近の一か月間サーバ装置10にログインしていないなど、当該ユーザの営農情報D3の利用状況が第1条件を満たしておらず、今後の利用状況が後述の第2条件を満たさない場合には、ユーザの営農情報D3についての権限がダウングレードされることを、当該ユーザに示す情報を含む。例えば、「送信先」がユーザのメールアドレスを示す場合、情報出力部150は、そのメールアドレスに対して、権限がダウングレードされることを、当該ユーザに警告する文面を含む電子メールを出力する。情報出力部150は、ステップS2006において更に、対象ユーザに対応するユーザ端末20に、図6のユーザ情報D1のうち対象ユーザに対応する行の「警告日」を、警告情報を出力した時刻(例えば、日付)を示すように更新する。
【0075】
次に、図9AのステップS2008において、対象ユーザのユーザ端末20の表示部210が、警告情報を表示する。例えば、表示部210は、ステップS2006で出力された警告情報を、入出力装置22を用いて、ユーザに認識可能な態様で表示する。一例として、表示部210は、ユーザ端末20のユーザのメールアドレスに送信された警告する文面を含む電子メールを表示する。
【0076】
次に、図9AのステップS2010において、対象決定部130が、ダウングレードの対象となる対象ユーザが存在するか否か決定する。ステップS2010では、対象決定部130が、ステップS2002で取得したユーザ情報D1に登録された1以上のユーザのうち、警告情報を出力した対象ユーザであり、かつ、図6のユーザ情報D1のうちユーザの利用状況に関する情報(例えば、「最終アクセス」の情報)が示す利用状況が、設定により定められた第2条件を満たさない対象ユーザが存在するか決定する。本実施形態では、そのユーザが警告情報出力の後所定期間(例えば1週間)経過する前に、そのユーザが一度でもサーバ装置10へログインしていることを第2条件とする。例えば、対象決定部130は、「最終アクセス」が示すそのユーザが最後にサーバ装置10へログインした時刻が、ユーザ情報D1の「警告日」が示す警告情報を出力した時より前であり、かつ、警告情報を出力した時が現在時刻よりも所定時間(例えば、1週間)以前であるユーザが存在する場合、そのユーザを、第2条件を満たさないダウングレードの対象ユーザとして決定する。
【0077】
図9AのステップS2010において、対象決定部130がダウングレードの対象ユーザが存在すると決定すると(ステップS2010;YES)、処理はステップS2012に移行される。一方、対象決定部130がダウングレードの対象ユーザが存在しないと決定すると(ステップS2010;NO)、処理は後述するステップS2016にスキップされる。
【0078】
ステップS2012では、権限設定部140が、ダウングレードの対象ユーザの権限をダウングレードする処理として、対象ユーザに対応する通信端末30にダウングレードしたユーザ権限に対応する設定情報を出力する。例えば、権限設定部140は、情報記憶部160が記憶する図7の権限情報D2のうち、ステップS2010で決定したダウングレードの対象ユーザのダウングレード後の権限レベルに対応する行が示す、通信端末30が装置情報を取得しサーバ装置10へ出力するルールを示す情報を、出力すべき設定情報として決定する。例えば、権限設定部140は、権限情報D2のうち、ステップS2002で取得した図6のユーザ情報D1のうちダウングレードの対象ユーザに対応する行の「権限」の部分が示す対象ユーザの現在の権限レベルより1段階低い権限レベルに対応する行を、設定情報として決定してもよい。権限設定部140は、通信装置16を用いて、決定した設定情報を、ユーザ情報D1のうち対象ユーザに対応する行の「ユーザ端末」が示す通信端末30に出力する。
【0079】
権限設定部140は、ステップS2012において更に、ダウングレードの対象ユーザの権限をダウングレードする処理として、図6のユーザ情報D1のうち対象ユーザに対応する行の「権限」を、ダウングレード後の権限レベルに対応するように更新する。その後、処理は図9AのステップS2014に移行される。
【0080】
次に、図9AのステップS2014において、ダウングレードの対象ユーザに対応する通信端末30の設定更新部330が設定情報を更新する。例えば、設定更新部330は、情報記憶部340が記憶するダウングレード前のユーザの権限レベルに対応する設定情報D4を、ステップS2012において出力されたダウングレード後の権限レベルに対応する設定情報によって更新する。その後、処理は図9BのステップS2016に移行される。
【0081】
次に、ステップS2016において、対象決定部130が、アップグレードの対象となる対象ユーザが存在するか否か決定する。ステップS2016では、対象決定部130が、ステップS2002で取得した図6のユーザ情報D1に登録された1以上のユーザのうち、「権限」が示すユーザの権限レベルが最大レベル(例えば、レベル3)よりも低く、かつ図6のユーザ情報D1のうちユーザの利用状況に関する情報(例えば、「最終アクセス」の情報)が示す利用状況が、上述の第1条件及び第2条件のいずれかを満たす対象ユーザが存在するか決定する。例えば、対象決定部130は、「最終アクセス」が示すそのユーザが最後にサーバ装置10へログインした時刻と現在時刻の差が第1条件に対応する時間(例えば、1か月)よりも短いユーザが存在する場合、そのユーザを、アップグレードの対象ユーザとして決定する。あるいは、対象決定部130は、現在時刻が「警告日」が示す日の後であり、「最終アクセス」が示すそのユーザが最後にサーバ装置10へログインした時刻と現在時刻の差が第2条件に対応する時間(例えば、1週間)よりも短いユーザが存在する場合、そのユーザを、アップグレードの対象ユーザとして決定する。
【0082】
図9BのステップS2016において、対象決定部130がアップグレードの対象ユーザが存在すると決定すると(ステップS2016;YES)、処理はステップS2018に移行される。一方、対象決定部130がアップグレードの対象ユーザが存在しないと決定すると(ステップS2016;NO)、処理は後述するステップS2022にスキップされる。
【0083】
ステップS2018では、権限設定部140が、アップグレードの対象ユーザの権限をアップグレードする処理として、対象ユーザに対応する通信端末30にアップグレードしたユーザ権限に対応する設定情報を出力する。例えば、権限設定部140は、情報記憶部160が記憶する図7の権限情報D2のうち、ステップS2016で決定したアップグレードの対象ユーザのアップグレード後の権限レベルに対応する行が示す、通信端末30が装置情報を取得しサーバ装置10へ出力するルールを示す情報を、出力すべき設定情報として決定する。例えば、権限設定部140は、権限情報D2のうち、最大レベル(レベル3)に対応する行の情報を、出力すべき設定情報として決定する。あるいは、権限設定部140は、ステップS2002で取得した図6のユーザ情報D1のうちアップグレードの対象ユーザに対応する行の「権限」の部分が示す対象ユーザの現在の権限レベルより1段階高い権限レベルに対応する行を、出力すべき設定情報として決定してもよい。権限設定部140は、通信装置16を用いて、決定した設定情報を、ユーザ情報D1のうち対象ユーザに対応する行の「ユーザ端末」が示す通信端末30に出力する。
【0084】
権限設定部140は、ステップS2018において更に、アップグレードの対象ユーザの権限をアップグレードする処理として、図6のユーザ情報D1のうち対象ユーザに対応する行の「権限」を、アップグレード後の権限レベルに対応するように更新する。更に、権限設定部140は、ステップS2018において、図6のユーザ情報D1のうち対象ユーザに対応する行の「警告日」に登録された情報を削除してもよい。その後、処理は図9BのステップS2020に移行される。
【0085】
次に、ステップS2020において、アップグレードの対象ユーザに対応する通信端末30の設定更新部330が設定情報を更新する。例えば、設定更新部330は、情報記憶部340が記憶するアップグレード前のユーザの権限レベルに対応する設定情報D4を、ステップS2018において出力されたアップグレード後の権限レベルに対応する設定情報によって更新する。その後、処理はステップS2022に移行される。
【0086】
ステップS2022において、対象決定部130は、通信無効化の対象ユーザが存在するか決定する。例えば、対象決定部130は、今回実行されたステップS2018において図7の権限情報D2の「通信」が「×」である権限レベル0まで権限がダウングレードされたユーザがいる場合、そのユーザを、通信無効化の対象ユーザとして決定する。
【0087】
図9BのステップS2022において対象決定部130が通信無効化の対象ユーザが存在すると決定すると(ステップS2022;YES)、処理はステップS2024に移行する。一方、対象決定部130が通信無効化の対象ユーザが存在しないと決定すると(ステップS2022;NO)、図9A及び図9Bの処理は終了される。
【0088】
図9BのステップS2024では、権限設定部140が、通信無効化の対象ユーザに対応する通信端末30がサーバ装置10へ情報を出力するための通信手段を無効化する処理を実行する。例えば、権限設定部140は、入出力装置12を用いて、サーバ装置10の管理者に当該ユーザに対応する通信端末30の通信手段を提供している通信業者に、当該通信手段に係る契約を解除する手続きをとるように促す情報を表示してもよい。あるいは、権限設定部140は、サーバ装置10の通信装置16に、当該通信端末30からのデータの受信を拒否する旨のコマンドを送ってもよい。権限設定部140がステップS2024の処理を行った後、図9A及び図9Bの処理は終了される。
【0089】
図9AのステップS2002~ステップS2004の処理により、図10に示すように、ユーザ端末20からの最終ログインLI1から所定期間(例えば、1か月)ログインがない場合(NI1)には、サーバ装置10はそのユーザ端末20へ警告情報WI1を出力する。ここで現在のユーザ端末20のユーザの権限が最大レベル(レベル3)であった場合、図9AのステップS2010~ステップS2014の処理により、警告情報WI1の出力後、ユーザ端末20から所定期間以内のログインLI2があったときには(分岐1a)、ダウングレードされた設定情報は送信されず、当該ユーザの権限は最大レベルに維持される。一方、ユーザ端末20から所定期間以内のログインがない状態(NL2)が続いた場合(分岐1b)、レベル2にダウングレードされた設定情報SI2が通信端末30に出力され、これにより当該ユーザの権限はレベル2にダウングレードされる。
【0090】
現在のユーザ端末20のユーザの権限がレベル2であった場合、警告情報WI1の出力後、ユーザ端末20から所定期間以内のログインLI3があったときには(分岐2a)、レベル3に対応する設定情報SI3が通信端末30へ出力され、当該ユーザの権限は最大レベルにアップグレードされる。一方、ユーザ端末20から所定期間以内のログインがない状態(NL3)が続いた場合(分岐2b)、レベル1に対応する設定情報SI4が通信端末30に出力され、これにより当該ユーザの権限はレベル1にダウングレードされる。
【0091】
現在のユーザ端末20のユーザの権限がレベル1であった場合、警告情報WI1の出力後、ユーザ端末20から所定期間以内のログインLI4があったときには(分岐3a)、レベル3の設定情報SI5が通信端末30へ出力され、当該ユーザの権限は最大レベルにアップグレードされる。一方、ユーザ端末20から所定期間以内のログインがない状態(NL4)が続いた場合(分岐3b)、レベル0に対応する設定情報SI6が通信端末30に出力され、これにより当該ユーザの権限はレベル0にダウングレードされる。この場合、図9BのステップS2024において、当該通信端末30の通信手段を無効化する処理が実行される。
【0092】
図9A及び図9Bの処理とは別に、搭載されている作業装置40がキーオン状態である場合には、1以上のユーザに対応する通信端末30はそれぞれ、所定の周期ごと(例えば、1秒ごと)に図11A及び図11Bの処理を開始する。
【0093】
図11Aの処理では、まずステップS3002において、サンプリング部310が設定情報D4を取得する。例えば、サンプリング部310は、情報記憶部340が記憶する、そのユーザの現在の権限レベルに対応する設定情報D4を取得する。
【0094】
次に、ステップS3004において、サンプリング部310は、その作業装置40のユーザがサーバ装置10へ装置情報を出力するための通信権限を有しているか決定する。例えば、サンプリング部310は、ステップS3002で取得した設定情報D4の「通信」が「〇」になっているなど、現在の権限レベルで通信装置36が有する通信手段が使用可能である場合には、通信権限を有していると決定する(ステップS3004;YES)。この場合、処理はステップS3006に移行される。一方、設定情報D4の「通信」が「×」になっているなど、現在の権限レベルで通信装置36が有する通信手段が使用不能である場合には、通信権限を有していないと決定する(ステップS3004;NO)。この場合、図11A及び図11Bの処理は終了する。
【0095】
次に、図11AのステップS3006において、サンプリング部310は、現在の時刻がサンプリング時刻であるか否か決定する。例えば、サンプリング部310は、作業装置40の起動時刻、又は、以前の図11A及び図11Bの処理において最後にステップS3006でサンプリング時刻と決定した時刻から、ステップS3002で取得した設定情報D4の「稼働情報サンプリング周期」が示す期間が経過している場合に、サンプリング部310は現在が稼働情報をサンプリングすべきサンプリング時刻であると決定する(ステップS3006;YES)。この場合、処理はステップS3008に移行される。
【0096】
例えば、ユーザの権限レベルが3又は2である場合、設定情報D4が図7の権限情報D2の1行目又は2行目に対応するので、「稼働情報サンプリング周期」は「1分」又は「10分」である。この場合、サンプリング部310は、現在時刻を、「稼働情報サンプリング周期」が示す1分又は10分の期間ごとに、現在時刻を稼働情報のサンプリング時刻と決定する。一方、ユーザの権限レベルが1レベルである場合、設定情報D4が図7の権限情報D2の3行目に対応するので、「稼働情報サンプリング周期」は「×」であり、サンプリング部310はステップS3006において、現在時刻は常にサンプリング時刻ではないと決定する(ステップS3006;NO)。また、サンプリング部310は、ステップS3006において、作業装置40の起動時刻、又は、最後にステップS3006でサンプリング時刻と決定した時刻から、設定情報D4の「稼働情報サンプリング周期」が示す期間が経過していない場合にも、現在がサンプリング時刻では無いと決定する(ステップS3006;NO)。ステップS3006でサンプリング時刻では無いと決定すると、図11A及び図11Bの処理は終了される。
【0097】
図11AのステップS3008では、サンプリング部310が作業装置40の状態を示す状態情報を取得する。例えば、サンプリング部310は、作業装置40の制御装置42から、作業装置40の状態情報を取得する。例えば、作業装置40が農作物を収穫する作業機械を牽引する車両であるとき、サンプリング部310は、収穫した農作物の量(例えば、重量)の情報が含まれる状態情報を取得してもよい。
【0098】
次に、図11AのステップS3010において、サンプリング部310が位置情報を取得する。例えば、サンプリング部310は、図4の測位装置39を用いて、作業装置40の現在の位置を示す位置情報を取得する。
【0099】
次に、図11BのステップS3012において、出力部320が装置情報を出力する。例えば、出力部320は、ステップS3010で取得した位置情報と、現在ステップS3012を実行している通信端末30を示す識別子の情報と、を含む装置情報を通信装置36が有する通信手段を用いてサーバ装置10へ出力する。また、出力部320は、図11AのステップS3008で取得した状態情報を、情報記憶部340に一時的に保存する。記憶された状態情報を出力する処理については後述する。
【0100】
次に、図11BのステップS3014において、サーバ装置10の情報取得部110が、ステップS3012で出力された装置情報を取得する。
【0101】
次に、ステップS3016において、情報管理部120が営農情報D3を更新する。例えば、情報管理部120は、図6のユーザ情報D1に登録されたユーザのうち、ユーザ情報D1の「通信端末」がステップS3014で取得した装置情報に含まれる通信端末30の識別子と一致するユーザを決定する。そして、情報管理部120は、決定したユーザに対応する個別営農情報を、ステップS3014で取得した装置情報に基づいて更新する。例えば、情報管理部120は、装置情報に含まれる位置情報に基づいて、個別営農情報に含まれる作業装置40の軌跡を示す情報と、現在位置を示す情報と、を更新する。
【0102】
情報管理部120がステップS3016を実行すると、図11A及び図11Bの処理は終了する。
【0103】
図11A及び図11Bの処理により営農情報管理システム1は、稼働情報がサンプリング及び出力される頻度を、ユーザの利用状況に応じて変更することができる。そのため、営農情報管理システム1は、営農情報D3へのニーズが所定の基準より高いユーザについては頻繁にサンプリングされる稼働情報により更新される精密な個別営農情報を提供し得る一方、そうでないユーザの個別営農情報を管理するために必要なコストを低減することができる。
【0104】
なお、搭載されている作業装置40がキーオフ状態である場合には、通信端末30のサンプリング部310は、設定情報D4の「キーオフ時サンプリング周期」が示す周期(例えば、ユーザの権限レベルがレベル3である場合には12時間、レベル2である場合には24時間、レベル1である場合には1週間)毎に、現在の作業装置40の位置を示す情報を取得する。そして、出力部320が、取得したキーオフ時の位置情報を、装置情報としてサーバ装置10へ出力する。サーバ装置10の情報管理部120は、出力されたキーオフ時の位置情報に基づき、営農情報D3のうち、その通信端末30のユーザの個別営農情報の、作業装置40の位置を示す情報を更新する。なお、ユーザの権限レベルが0である場合には、サンプリング部310はキーオフ時の位置情報を取得せず、出力部320はキーオフ時の位置情報を含む装置情報を出力しない。
【0105】
ユーザにとってキーオフ状態の作業装置40の位置情報は、例えば搬送車に搬送されている作業装置40の現状把握や、盗難防止に活用可能である。営農情報管理システム1は、営農情報D3のうちキーオフ状態の作業装置40の現在位置に関する情報を、営農情報D3へのニーズが所定の基準より高いユーザについては頻繁に更新し、そうでないユーザの情報については更新頻度を低下させることで、ユーザのニーズに応じた態様で営農情報D3を管理し得る。
【0106】
図11A及び図11Bの処理とは別に、1以上のユーザに対応する通信端末30はそれぞれ、搭載されている作業装置40の制御装置42が、イベントが発生したことを示す信号を通信端末30へ出力したことに応じて、図12の処理を開始する。例えば、作業装置40のオンオフ状態の変更を示す信号、及び、各種センサが異常値を検出したことを示す信号を制御装置42が通信端末30へ出力した場合に、イベントが発生したとして、図12の処理が開始される。
【0107】
図12の処理では、まずステップS4002において、サンプリング部310が図11AのステップS3002と同様に設定情報D4を取得する。
【0108】
次に、ステップS4004において、サンプリング部310は、その作業装置40のユーザがサーバ装置10へ装置情報を出力するための通信権限を有しているか決定する。サンプリング部310は、現在の権限レベルで通信装置36が有する通信手段が使用可能である場合には、通信権限を有していると決定する(ステップS4004;YES)。この場合、処理はステップS4006に移行される。一方、通信権限を有していないと決定する(ステップS4004;NO)と、図12の処理は終了される。
【0109】
次に、図12のステップS4006において、サンプリング部310は、発生したイベントの内容を示すイベント情報を取得する。このとき、サンプリング部310は、ステップS4002で取得したユーザの現在の権限レベルに対応する設定情報D4が示すルールに基づいて、発生したイベントの内容を示すイベント情報を取得する。なお、ステップS4006において起動イベント情報、停止イベント情報、及び、緊急イベント情報を含む複数種類のイベント情報のいずれかを取得した場合に、ステップS4006~ステップS4012において実行される具体的な処理については後述する。
【0110】
次に、ステップS4008において、出力部320が装置情報を出力する。例えば出力部320は、ステップS4006において取得したイベントを示すイベント情報と、現在ステップS4008を実行している通信端末30を示す識別子の情報と、を含む装置情報を、通信装置36が有する通信手段を用いてサーバ装置10へ出力する。
【0111】
次に、ステップS4010において、サーバ装置10の情報取得部110が、ステップS4008で出力されたイベント情報を含む装置情報を受信する。
【0112】
次に、ステップS4012において、情報管理部120が営農情報D3を更新する。例えば、情報管理部120は、図6のユーザ情報D1に登録されたユーザのうち、ユーザ情報D1の「通信端末」がステップS4010で取得した装置情報に含まれる通信端末30の識別子と一致するユーザを決定する。そして、情報管理部120は、営農情報D3のうち、決定したユーザに対応する個別営農情報を、ステップS4010で取得した装置情報に基づいて更新する。
【0113】
情報管理部120がステップS4012を実行すると、図12の処理は終了する。
【0114】
例えば、ステップS4006において、作業装置40の制御装置42が、作業装置40のエンジンがキーオフ状態からキーオン状態へ移行したイベントの発生を示す信号を出力した場合、サンプリング部310は、ステップS4002で取得した設定情報D4の「起動発報」が示す情報に基づいて、作業装置40が起動イベント情報を取得するか否かを決定する。
【0115】
図7の権限情報D2において、「起動発報」は、その権限レベルにおいて起動イベント情報を出力すべき場合に「〇」が、出力すべきでない場合に「×」が設定されている。現在のユーザの権限レベルが、図7の権限情報D2の4行目において「起動発報」が起動イベント情報の出力が行われないことを示す「×」に設定されるレベルである場合には、設定情報D4の「起動発報」も「×」であるため、サンプリング部310は起動イベント情報を取得しない。この場合、図12の処理は終了される。なお、図7の例では、「起動発報」が「×」に設定されているのは「通信」が「×」に設定されているレベル0のみであるため、図12のステップS4004でNOと決定されるため、この処理は発生しないが、レベル0以外でも「起動発報」が「×」に設定されている場合にはこの限りではない。
【0116】
一方、現在のユーザの権限レベルが、権限情報D2の1行目~3行目において「起動発報」が「〇」に設定されるレベル1~レベル3のいずれかである場合には、設定情報D4の対応箇所も「〇」であるため、サンプリング部310は起動イベント情報を取得する。この場合、サンプリング部310は、キーオン状態に移行したことを示す情報と、キーオン状態に移行した時刻を示す情報と、現在の作業装置40の位置情報と、を含む起動イベント情報を取得する。
【0117】
この場合、次に図12のステップS4008において、出力部320が起動イベント情報を含む装置情報を出力し、ステップS4010において、サーバ装置10の情報取得部110が、ステップS4008で出力された起動イベント情報を含む装置情報を受信する。そして、ステップS4012において情報管理部120は、決定したユーザに対応する個別営農情報の作業装置40の状態を示す部分を、キーオン状態にあることを示すように更新する。
【0118】
例えば、ステップS4006において、作業装置40の制御装置42が、作業装置40のエンジンがキーオン状態からキーオフ状態へ移行したイベントの発生を示す信号を出力した場合、サンプリング部310は、ステップS4002で取得した設定情報D4の「停止発報」が示す情報に基づいて、作業装置40が停止イベント情報を取得するか否かを決定する。
【0119】
例えば、現在のユーザの権限レベルが、図7の権限情報D2の4行目において「停止発報」が起動イベント情報の出力が行われないことを示す「×」に設定されるレベルである場合には、設定情報D4の「起動発報」も「×」であるため、サンプリング部310は起動イベント情報を取得しない。この場合、図12の処理は終了される。なお、図7の例では、「停止発報」が「×」に設定されているのは「通信」が「×」に設定されているレベル0のみであるため、図12のステップS4004でNOと決定されるため、この処理は発生しないが、レベル0以外でも「停止発報」が「×」に設定されている場合にはこの限りではない。
【0120】
一方、現在のユーザの権限レベルが、権限情報D2の1行目~3行目において「停止発報」が「〇」に設定されるレベル1~レベル3のいずれかである場合には、設定情報D4の対応箇所も「〇」であるため、サンプリング部310は停止イベント情報を取得する。この場合、サンプリング部310は、キーオフ状態に移行したことを示す情報と、キーオフ状態に移行した時刻を示す情報と、現在の作業装置40の位置情報と、を含む停止イベント情報を取得する。
【0121】
この場合、次に図12のステップS4008において、出力部320が停止イベント情報を含む装置情報を出力する。停止イベント情報を出力する際に、出力部320は、図11BのステップS3012において情報記憶部340に一時保管された複数の状態情報を、装置情報として更にサーバ装置10へ出力する。この際、ステップS3006においてサンプリング時刻と決定される頻度(図7の権限情報D2の「稼働情報サンプリング周期」が示すサンプリング周期によって定まる頻度)が多いほど一時保存された状態情報の数が多くなるため、出力される装置情報のデータ量が多くなる。
【0122】
その後、ステップS4010において、サーバ装置10の情報取得部110が、ステップS4008で出力された停止イベント情報と、状態情報と、を含む装置情報を受信する。そして、ステップS4012において情報管理部120は、停止イベント情報及び状態情報に基づいて、営農情報D3を更新する。例えば、情報管理部120は、ユーザに対応する個別営農情報の作業装置40の状態を示す部分を、キーオフ状態にあることを示すように更新する。また、情報管理部120は個別営農情報に、停止時の作業装置40の位置を示す情報を加えてもよい。更に情報管理部120は、最後に起動イベント情報を含む装置情報を受信してから停止イベント情報を含む装置情報を受信するまでの時間に基づいて、個別営農情報のうち作業装置40の累計稼働時間を示す部分を更新してもよい。ユーザは、個別営農情報のうちの累計稼働時間を閲覧することで、作業装置40のメンテナンスの時期を予測できる。
【0123】
更に、ステップS4012において情報管理部120は、状態情報が収穫した農作物の量を示す情報を含む場合、情報管理部120は、個別営農情報のうちその日収穫された量を示す部分を、状態情報に基づいて更新してもよい。
【0124】
例えば、ステップS4006において、作業装置40の制御装置42が、作業装置40の種々のセンサが異常値を感知したことを示す信号を出力した場合、サンプリング部310は、ステップS4002で取得した設定情報D4の「緊急発報」が示す情報に基づいて、発生した異常イベントを示す緊急イベント情報を取得するか否かを決定する。
【0125】
図7の権限情報D2において、「緊急発報」は、その権限レベルにおいて、異常値を感知した時刻の前後の状態を示す状態情報を含む緊急イベント情報を出力すべき場合に「前後データ有」が、異常値を感知した時刻の前後の状態を示す状態情報を含まない緊急イベント情報を出力すべき場合に「前後データ無」が、緊急イベント情報を含む装置情報を出力すべきでない場合に「×」が設定されている。
【0126】
現在のユーザの権限レベルが、図7の権限情報D2の3~4行目において「緊急発報」が緊急イベント情報の出力が行われないことを示す「×」に設定されるレベル1~レベル0である場合には、設定情報D4の「緊急発報」も「×」であるため、サンプリング部310は緊急イベント情報を取得しない。この場合、図12の処理は終了される。
【0127】
現在のユーザの権限レベルが、図7の権限情報D2の1行目において「緊急発報」に「前後データ有」が設定されるレベル3である場合には、設定情報D4の「緊急発報」も「前後データ有」であるため、サンプリング部310は、異常値を感知した時刻の直前直後の状態情報を含む緊急イベント情報を取得する。この場合、サンプリング部310は、異常値を感知したことを示す情報と、当該異常値を示す情報と、現在の作業装置40の位置情報と、異常値を感知した時刻を示す情報と、異常値の発生の直前及び直後の状態情報と、を含む緊急イベント情報を取得する。
【0128】
現在のユーザの権限レベルが、図7の権限情報D2の2行目において「緊急発報」が、前後の状態情報無しで取得すべきことを示す「前後データ無」に設定されるレベル2である場合には、設定情報D4の「緊急発報」も「前後データ無」であるため、サンプリング部310は前後の状態情報を含まない緊急イベント情報を取得する。この場合、サンプリング部310は、異常値を感知したことを示す情報と、当該異常値を示す情報と、現在の作業装置40の位置情報と、異常値を感知した時刻を示す情報と、を含む緊急イベント情報を取得する。
【0129】
そして、図12のステップS4008において、出力部320は、取得した緊急イベント情報を含む装置情報をサーバ装置10へ出力し、ステップS4010において、サーバ装置10の情報取得部110が当該装置情報を取得する。この場合、ステップS4008で取得した緊急イベント情報が前後の状態情報無しである場合には、前後の状態情報がある場合よりも出力される装置情報のデータ量が少ない。
【0130】
次に、ステップS4012において情報管理部120は、そのユーザに対応する個別営農情報に、センサが異常値を感知したことと、異常値を検出した位置及び時刻と、異常値と、を示す緊急情報を追加する。また、緊急イベント情報に緊急発生時の前後の状態情報が含まれる場合、当該緊急情報に、前後の状態情報を追加する。ユーザは、緊急情報を閲覧することで、作業装置40で発生した異常について具体的な内容を把握することができる。
【0131】
以上説明したように、本実施形態の営農情報管理システム1は、営農情報D3を利用状況が第1条件を満たさない対象ユーザに対して、今後の利用状況が第2条件を満たさない場合にはその権限をダウングレードする旨の警告情報を表示する。そのため、営農情報管理システム1は、権限をダウングレードする前に予めユーザに告知することで、不意打ちで権限をダウングレードすることを避けることができる。また、営農情報管理システム1は、対象ユーザの営農情報D3の利用状況が第2条件を満たさない場合には、その権限をダウングレードする。そのため営農情報管理システム1は、ユーザの利用ニーズに応じた態様で営農情報D3を管理することで、利用ニーズが高いユーザに精密な個別営農情報を提供すると共に、情報を管理するコストを低減することができる。
【0132】
(変形例)
実施形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。
【0133】
例えば、通信端末30のサンプリング部310、出力部320、設定更新部330、及び、情報記憶部340といった機能の少なくとも一部は、作業装置40の制御装置42が有していてもよい。あるいは、サーバ装置10の情報取得部110、情報管理部120、対象決定部130、権限設定部140、情報出力部150、及び、情報記憶部160は、のうち1以上は、2以上のコンピュータによって分散して実現されてもよい。あるいは、上記サーバ装置10の機能のうち1以上を、ユーザ端末20が有していてもよい。一例として、営農情報管理システム1が特定の1ユーザの個別営農情報のみを管理している場合には、サーバ装置10の機能の全てをユーザ端末20が有していてもよい。
【0134】
また、上述の説明では、第1条件を満たさない警告の対象ユーザの例として、ユーザがサーバ装置10に所定期間(例えば1か月)ログインしていないユーザを例に挙げて説明した。しかし、営農情報管理システム1の対象決定部130は、例えば直前の所定期間(例えば3か月)の間に、サーバ装置10にアクセスした回数が所定回数(例えば、5回以内)未満であるユーザを、第1条件を満たさない対象ユーザとして決定してもよい。この場合、図8のステップS1010において、情報管理部120がユーザ情報D1にアクセスした時刻を示す情報を記録し、対象決定部130が図9AのステップS2004において現在から所定期間以内のログイン回数が所定回数未満であるユーザを、対象ユーザとして決定してもよい。あるいは、第1条件は、直前の所定期間(例えば3か月)の間に、そのユーザの個別営農情報を取得したデータ量が所定量(例えば、1メガバイト)未満であるユーザを、第1条件を満たさない対象ユーザとして決定してもよい。また、第2条件についても同様に、アクセス頻度やデータ量といった、最終ログイン日以外の指標を用いてもよい。
【0135】
また、上記の実施形態では、営農情報管理システム1は、第1条件を満たさない警告の対象ユーザのユーザ端末20へ警告情報を出力した後、更に第2条件を満たさない対象ユーザの権限をダウングレードした。しかしこれに限らず、営農情報管理システム1は、第1条件を満たさない対象ユーザのユーザ端末20へ警告情報を出力すると同時に、当該対象ユーザの権限を1レベルダウングレードしてもよい。この場合、図9AのステップS2006において情報出力部150が、「利用状況が第1条件を満たさなかったため権限をダウングレードしました。権限を元に戻すには、所定期間内に利用状況が第3条件を満たす必要があります」といった内容の警告情報を出力する処理を行った直後に、権限設定部140がステップS2012で説明したダウングレードした設定情報を出力する処理を実行してもよい。
【0136】
また、ユーザの権限をアップグレードする処理は、上記の実施形態とは異なっていてもよい。例えば、情報管理部120は、図8のステップS1002において取得したログイン要求情報を出力したユーザ端末20のユーザが有する権限が最大レベルではなかった場合、ステップS1010においてそのユーザの権限レベルをアップグレードする処理を行ってもよい。
【0137】
また、対象決定部130は、上述の第1条件及び第2条件とは異なる第3条件(例えば、直前の1か月以内の間のアクセス回数が3回以上であること)を満たすユーザを、アップグレードすべき対象ユーザとして決定してもよい。例えば、対象決定部130は、図9AのステップS2012において、ユーザ権限が最大レベルでないユーザのうち、第3条件を満たすユーザを、アップグレードの対象ユーザとして決定しよい。
【0138】
また、例えば権限設定部140は、図9AのステップS2012において対象ユーザの権限をアップグレードする処理として、図6のユーザ情報D1のうち当該対象ユーザに対応する行の「警告日」の情報をクリアしてもよい。この場合、図9BのステップS2016において、対象決定部130は、現在時刻と「警告日」が示す日の比較をする必要なく、「最終アクセス」が示すそのユーザが最後にサーバ装置10へログインした時刻と現在時刻の差が第2条件に対応する時間(例えば、1週間)よりも短いユーザが存在する場合、そのユーザを、アップグレードの対象ユーザとして決定してよい。
【0139】
また、稼働情報を出力する処理は、上記実施形態とは異なっていてもよい。例えば、図11BのステップS3012において、出力部320は状態情報を情報記憶部340に一時記憶する代わりに、位置情報と同時に状態情報をサーバ装置10へ出力してもよい。この場合、ステップS3016において情報管理部120が、位置情報に加えて状態情報に基づいて個別営農情報を更新してもよい。
【0140】
また、上記の実施形態では、営農情報管理システム1は、対象ユーザの権限を1レベルダウングレードするたびに警告情報をユーザ端末20へ出力した。しかしこれに限らず、1度警告情報を出力し、その後権限をダウングレードした対象ユーザに対しては、2度目以降に第2条件を満たさなかった場合には警告情報を出力せず権限をダウングレードしてもよい。
【0141】
更に、上記実施形態で説明したユーザ情報D1、権限情報D2、営農情報D3、及び、設定情報D4のデータ構成は一例であり、これらの情報は上記で説明した情報とは異なる情報を有していてもよい。例えば、装置情報が、上記で説明した稼働情報、イベント情報、キーオフ時の位置情報とは異なる情報を含む場合には、これに対応して権限情報D2及び設定情報D4が、当該異なる情報をサンプリング部310が取得し、出力部320が出力するルールを定める情報を含んでいてもよい。
【0142】
また、対象ユーザの権限をダウングレードすることは、当該ユーザに対応する通信端末30が装置情報を取得及び出力するルールを変更することに限られない。例えば、権限設定部140は、権限をダウングレードする対象ユーザに対応する個別営農情報のデータ量を低減することで、その対象ユーザの個別営農情報を管理するコストを低減してもよい。この場合、権限情報D2は、各権限レベルのユーザに対応する個別営農情報の最大容量を定義していてもよい。
【0143】
以上において説明した実施の形態は一例であり、各実施の形態で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。さらに、必要となる機能を実現できれば、実施の形態で説明した一部の機能を省略してもよい。
【0144】
(付記)
各実施の形態で記載した営農情報管理方法と、営農情報管理システムと、プログラムとは以下のように言うことができる。
【0145】
第1の態様に係る営農情報管理方法は、
圃場で作業する作業装置の稼働情報を含む装置情報を取得することと、
前記装置情報に基づいて、前記圃場での農作業に関する営農情報を生成することと、
前記営農情報についての権限を有する1以上のユーザのうち、前記営農情報の利用状況が第1条件を満たさない対象ユーザを決定することと、
決定した前記対象ユーザに対して、前記対象ユーザの前記営農情報についての前記権限をダウングレードすることを警告する警告情報を出力することと、
前記警告情報を出力した前記対象ユーザの前記権限をダウングレードすることと、
を含む。
【0146】
第2の態様に係る営農情報管理方法は、第1の態様に係る営農情報管理方法であって、
前記警告情報を出力した後、前記対象ユーザの前記営農情報の利用状況が第2条件を満たすか否かを決定することを更に含み、
前記権限をダウングレードすることが、前記利用状況が前記第2条件を満たさないと決定した場合に、前記対象ユーザの前記権限をダウングレードすることを含む。
【0147】
第3の態様に係る営農情報管理方法は、第1又は第2の態様に係る営農情報管理方法であって、
前記対象ユーザを決定することが、前記1以上のユーザのうち、前記営農情報を管理するサーバへ最後にアクセスしてからの期間が第1期間より長いユーザを、前記第1条件を満たさない前記対象ユーザとして決定することを含む。
【0148】
第4の態様に係る営農情報管理方法は、第1~第3の態様のいずれかに係る営農情報管理方法であって、
前記装置情報を取得することが、1以上のユーザにそれぞれ対応する作業装置に搭載された通信端末が所定の通信手段を用いて送信する、前記稼働情報を含む装置情報を取得することを含み、
前記ダウングレードすることが、前記対象ユーザに対応する前記作業装置に搭載された前記通信端末から前記通信手段を用いて出力される前記装置情報のデータ量又は送信頻度のうち少なくとも一方を低減することを含む。
【0149】
第5の態様に係る営農情報管理方法は、第4の態様に係る営農情報管理方法であって、
前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記作業装置に搭載された前記通信端末を用いて、前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記作業装置の状態を示す状態情報を含む前記稼働情報を継続的に取得することを更に含み、
前記ダウングレードすることが、前記対象ユーザに対応する前記作業装置の前記状態情報を取得する頻度を低減することを含む。
【0150】
第6の態様に係る営農情報管理方法は、第4又は第5の態様に係る営農情報管理方法であって、
前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記作業装置に搭載された前記通信端末を用いて、前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記作業装置の位置を示す位置情報を含む前記稼働情報を継続的に取得することを更に含み、
前記ダウングレードすることが、前記対象ユーザに対応する前記作業装置の前記位置情報を取得する頻度を低減することを含む。
【0151】
第7の態様に係る営農情報管理方法は、第4~第6の態様のいずれかに係る営農情報管理方法であって、
前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記作業装置に搭載された前記通信端末を用いて、前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記作業装置で発生したイベントを示すイベント情報を含む前記装置情報を取得することを更に含み、
前記ダウングレードすることが、前記対象ユーザに対応する前記作業装置のイベント情報に含まれるデータ量を低減することを含む。
【0152】
第8の態様に係る営農情報管理方法は、第4~第7の態様のいずれかに係る営農情報管理方法であって、
前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記作業装置に搭載された前記通信端末を用いて、前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記作業装置に関する第1種類の情報と、第2種類の情報と、を含む前記装置情報を取得することを更に含み、
前記ダウングレードすることが、送信される前記装置情報に前記第2種類の情報が含まれないようにすることを含む。
【0153】
第9の態様に係る営農情報管理方法は、第1~第8の態様のいずれかに係る営農情報管理方法であって、
前記営農情報を管理するサーバを用いて、1以上のユーザにそれぞれ対応する作業装置に搭載された通信端末が所定の通信手段を用いて送信する装置情報を取得することと、
取得した前記装置情報に基づいて、前記サーバが前記1以上のユーザのそれぞれに対応する前記営農情報を更新することと、
を更に含み、
前記ダウングレードすることが、前記対象ユーザに対応する前記作業装置に搭載された前記通信端末から前記サーバに前記装置情報を送信する前記所定の通信手段を無効化することを含む。
【0154】
第10の態様に係る営農情報管理システムは、
圃場で作業する作業装置の稼働情報を含む装置情報を取得する情報取得部と、
前記装置情報に基づいて、前記圃場での農作業に関する営農情報を生成する情報管理部と、
前記営農情報についての権限を有する1以上のユーザのうち、前記営農情報の利用状況が条件を満たさない対象ユーザを決定する対象決定部と、
決定した前記対象ユーザに対して、前記対象ユーザの前記営農情報についての前記権限をダウングレードすることを警告する警告情報を出力する情報出力部と、
前記警告情報を出力した後、前記対象ユーザの前記権限をダウングレードする権限設定部と、
を備える。
【0155】
第11の態様に係るプログラムは、コンピュータに、
圃場で作業する作業装置の稼働情報を含む装置情報を取得することと、
前記装置情報に基づいて、前記圃場での農作業に関する営農情報を生成することと、
前記営農情報についての権限を有する1以上のユーザのうち、前記営農情報の利用状況が条件を満たさない対象ユーザを決定することと、
決定した前記対象ユーザに対して、前記対象ユーザの前記営農情報についての前記権限をダウングレードすることを警告する警告情報を出力することと、
前記警告情報を出力した後、前記対象ユーザの前記権限をダウングレードすることと、
を実行させる。
【符号の説明】
【0156】
1…営農情報管理システム
10…サーバ装置
12…入出力装置
14…演算装置
16…通信装置
18…記憶装置
110…情報取得部
120…情報管理部
130…対象決定部
140…権限設定部
150…情報出力部
160…情報記憶部
20…ユーザ端末
22…入出力装置
24…演算装置
26…通信装置
28…記憶装置
210…表示部
220…アクセス部
30…通信端末
32…入出力装置
34…演算装置
36…通信装置
38…記憶装置
39…測位装置
310…サンプリング部
320…出力部
330…設定更新部
340…情報記憶部
40…作業装置
42…制御装置
44…キースイッチ
NT…ネットワーク
GP…測位衛星
M1、M2、M3…記憶媒体
P1、P2、P3…プログラム
D1…ユーザ情報
D2…権限情報
D3…営農情報
D4…設定情報
WI1…警告情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12