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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165770
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】調査ボーリング工法
(51)【国際特許分類】
   E02D 1/00 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
E02D1/00
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082254
(22)【出願日】2023-05-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000170646
【氏名又は名称】国土防災技術株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(71)【出願人】
【識別番号】591140813
【氏名又は名称】株式会社カテックス
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩之
(72)【発明者】
【氏名】田中 賢治
(72)【発明者】
【氏名】武藤 光
【テーマコード(参考)】
2D043
【Fターム(参考)】
2D043AA00
2D043BA10
(57)【要約】
【課題】地盤の空洞・空隙の存在を低コストで精度よく調査できる調査ボーリング工法を提供する。
【解決手段】調査目的とする地盤1に第1口径D1の第1孔11をボーリング削孔し、調整された時間で硬化する注入材料2を前記第1孔11に無圧で注入し、前記第1孔11と同芯で、前記第1口径D1より大きい第2口径D2で、前記第1孔11の周囲をコアボーリング削孔し、前記コアボーリング削孔したコアを第1サンプルS1として採取する。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調査目的とする地盤に第1口径の第1孔をボーリング削孔し、
調整された時間で硬化する注入材料を前記第1孔に無圧で注入し、
前記第1孔と同芯で、前記第1口径より大きい第2口径で、前記第1孔の周囲をコアボーリング削孔し、
前記コアボーリング削孔したコアを第1サンプルとして採取する調査ボーリング工法。
【請求項2】
前記コアを取り出した第2孔に、当該第2孔の口径に応じた口径の筒状ケーシングを挿入して設置し、
前記筒状ケーシングに、ボーリングロッドをガイドするセンターライザーを挿入して設置し、
前記センターライザーによりガイドされた前記ボーリングロッドを用いて、前記第2孔の底面に前記第1口径の第3孔をボーリング削孔し、
前記注入材料を前記第3孔に無圧で注入し、
前記第3孔と同芯で、前記第1口径より大きい第2口径で、前記第3孔の周囲をコアボーリング削孔し、
前記コアボーリング削孔したコアを第2サンプルとして採取する請求項1に記載の調査ボーリング工法。
【請求項3】
前記調整された時間で硬化する注入材料に代えて又は加えて、水分により発泡する発泡ウレタン系の注入材料を前記第1孔に注入する請求項1又は2に記載の調査ボーリング工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調査ボーリング工法に関し、特に地盤の空洞・空隙を可視化する調査ボーリング工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地盤に存在する自然由来又は人工的な空洞や空隙を調査する方法として、(1)コアボーリングを実施し、コアレスの区間やボーリングの回転トルクの掘削データから空洞・空隙の存在を類推する方法、(2)電磁波探査(浅層の場合)又は電気探査(深層の場合)による比抵抗値から空洞・空隙の存在を類推する方法(たとえば、特許文献1参照)、(3)凍結コアサンプリング工法により地盤を凍結させ、コアサンプリングすることにより空洞・空隙の存在を目視確認する方法などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-32455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の調査方法(1)及び(2)は、空洞・空隙の存在を回転トルクや比抵抗値から類推するので、正確性に欠けるという問題がある。また、上記従来の調査方法(3)は非常に高価になるという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、地盤の空洞・空隙の存在を低コストで精度よく可視化し、調査できる調査ボーリング工法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、調査目的とする地盤に第1口径の第1孔をボーリング削孔し、
調整された時間で硬化する注入材料を前記第1孔に無圧で注入し、
前記第1孔と同芯で、前記第1口径より大きい第2口径で、前記第1孔の周囲をコアボーリング削孔し、
前記コアボーリング削孔したコアを第1サンプルとして採取することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1孔を削孔し、注入材料を注入したのち第2孔を削孔してサンプルを採取するだけなので、地盤の空洞・空隙の存在を低コストで精度よく可視化し、調査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る調査ボーリング工法の一実施の形態を示す断面図(その1)である。
図2】本発明に係る調査ボーリング工法の一実施の形態を示す断面図(その2)である。
図3】本発明に係る調査ボーリング工法の一実施の形態を示す断面図(その3)である。
図4】本発明に係る調査ボーリング工法の一実施の形態を示す断面図(その4)である。
図5】本発明に係る調査ボーリング工法の一実施の形態を示す断面図(その5)である。
図6】本発明に係る調査ボーリング工法の一実施の形態を示す断面図(その6)である。
図7】本発明に係る調査ボーリング工法の一実施の形態を示す断面図(その7)である。
図8】本発明に係る調査ボーリング工法の一実施の形態を示す断面図(その8)である。
図9図1のIX-IX線に沿う断面図である。
図10図5のX-X線に沿う断面図である。
図11図4のXI-XI線に沿う断面図である。
図12図6のXII-XII線に沿う断面図である。
図13図6のXIII-XIII線に沿う断面図である。
図14図8のXIV-XIV線に沿う断面図である。
図15】本発明に係る調査ボーリング工法の他の実施の形態を示す断面図(その1)である。
図16】本発明に係る調査ボーリング工法の他の実施の形態を示す断面図(その2)である。
図17】本発明に係る調査ボーリング工法の他の実施の形態を示す断面図(その3)である。
図18】本発明に係る調査ボーリング工法の他の実施の形態を示す断面図(その4)である。
図19】本発明に係る調査ボーリング工法の他の実施の形態を示す断面図(その5)である。
図20】本発明に係る調査ボーリング工法の他の実施の形態を示す断面図(その6)である。
図21】本発明に係る調査ボーリング工法の他の実施の形態を示す断面図(その7)である。
図22】本発明に係る調査ボーリング工法の他の実施の形態を示す断面図(その8)である。
図23】本発明に係る調査ボーリング工法の他の実施の形態を示す断面図(その9)である。
図24】本発明に係る調査ボーリング工法の他の実施の形態を示す断面図(その10)である。
図25】本発明に係る調査ボーリング工法の他の実施の形態を示す断面図(その11)である。
図26】本発明に係る調査ボーリング工法の他の実施の形態を示す断面図(その12)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
《第1実施形態》
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態例を説明する。図1図8は、本発明に係る調査ボーリング工法の一実施の形態を示す断面図、図9は、図1のIX-IX線に沿う断面図、図10は、図5のX-X線に沿う断面図、図11は、図4のXI-XI線に沿う断面図、図12は、図6のXII-XII線に沿う断面図、図13は、図6のXIII-XIII線に沿う断面図、図14は、図8のXIV-XIV線に沿う断面図である。
【0010】
本実施形態の調査ボーリング工法は、図1及び図2に示すように、調査目的とする地盤1に第1口径D1の第1孔11をボーリング削孔し(以下、第1工程ともいう。)、次いで、図3及び図4に示すように、調整された時間で硬化する注入材料2を第1孔11に無圧で注入し(以下、第2工程ともいう。)、次いで、図5及び図6に示すように、第1孔11と同芯で、且つ第1口径D1より大きい第2口径D2で、第1孔11の周囲をコアボーリング削孔し(以下、第3工程ともいう。)、最後に図7及び図8に示すように、コアボーリング削孔したコアを第1サンプルS1として採取する(以下、第4工程ともいう。)。そして、このようにして採取した第1サンプルS1を目視で観察することにより、調査目的の地盤に空洞や空隙が存在するか否かを精査する。以下、各工程について詳述する。
【0011】
図1及び図2に示す第1工程においては、調査目的とする地盤1に第1口径D1の第1孔11をボーリング削孔する。特に限定はされないが、外径φが46mmの第1ダブルコアチューブ3を図示しないボーリング機に装着し、当該ボーリング機を用いて、図1及び図2に示すように、たとえば削孔径(=第1口径D1)が46mm,第1削孔深度DP1が1mの第1孔11を削孔する。地盤1に第1孔11が削孔された状態を図3に示す。図1図7において、符号Lは空洞又は空隙が存在する地層(空洞層)を示す。なお、削孔深度は特に限定されず、所望の深さで削孔すればよいが、地盤の地下水位が高く、孔壁が自立しない場合には、削孔深度を短くすることが好ましい。
【0012】
第1孔11の削孔に用いた第1ダブルコアチューブ3は、図9の断面図に示すように、筒状のインナコアチューブ31と、同じく筒状のアウタコアチューブ32とを有し、これらインナコアチューブ31とアウタコアチューブ32との間に削孔水(本実施形態では水など)が循環し、先端に削孔ビットが設けられたボーリング工具である。
【0013】
続く図3及び図4に示す第2工程においては、上述した第1工程で削孔された第1孔11に、調整された時間で硬化する注入材料2を無圧で注入する。ここで用いられる注入材料2は、所望の時間で硬化する液体状、ゼリー状又はゲル状の、無機材料又は有機材料を例示することができる。調査目的とする地盤1の内部に注入するため、有害物質を含まないことが好ましい。また、注入材料2を注入した後に更なる第3工程があるので、硬化時間が柔軟に調整可能である材料が好ましい。
【0014】
さらに、調査にて採取されるのはごく限られた範囲(たとえば後述する第2口径のφ86mm程度)であるため、地盤1に浸透し過ぎない粘性であることが好ましい。特に限定されないが、地盤1の接地抵抗低減剤として広く用いられ、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム等を添加した水ガラスに酸を反応させて生成した膠化性のシリカゲルに増量剤を加えた商品名チコーゲル(日本地工株式会社製)などを例示することができる。
【0015】
上記注入材料2は、図3に示すように、注入材料2が収容された容器21を用いて自然落下させるなど、注入圧力をゼロ又はゼロに近づけて注入する。これにより、第1孔11に注入された注入材料2が、空洞又は空隙が存在する空洞層L以外の地層に浸入することが抑制されるので、空洞層Lとそれ以外の地層とを簡単に視認することができる。また、注入材料2を無圧で注入することにより、材料の使用量を必要最小限に抑えることもできる。
【0016】
また、注入材料2としては、上述した調整された時間で硬化する注入材料2に代えて又は加えて、水分により発泡する発泡ウレタン系の注入材料2を用いてもよい。この種の注入材料2は、地盤の地下水位が高く、第1孔11の孔壁が自立しない場合に用いると、地盤に含まれる水分によって注入材料2が発泡し、第1孔11の孔壁を硬化させることができるので好ましい。
【0017】
第1孔11に注入材料2が充填された状態を図4及び図11に示す。図4に示すように第1孔11に注入材料2が充填されたら、注入材料2が硬化して充分な強度を発現するまで待機する。
【0018】
続く図5及び図6に示す第3工程においては、第1孔11と同芯で、且つ第1口径D1より大きい第2口径D2で、第1孔11の周囲をコアボーリング削孔する。特に限定はされないが、外径φが86mmの第2ダブルコアチューブ4を図示しないボーリング機に装着し、当該ボーリング機を用いて、図5及び図6に示すように、たとえば削孔径(=第2口径D2)が86mm,第1削孔深度DP1が1mの第2孔12を削孔する。なお、第1サンプルS1としてのコアが採取された後の第2孔12を図7に示す。
【0019】
第2孔12の削孔に用いた第2ダブルコアチューブ4は、図10の断面図に示すように、筒状のインナコアチューブ41と、同じく筒状のアウタコアチューブ42とを有し、これらインナコアチューブ41とアウタコアチューブ42との間に削孔水(本実施形態では水など)が循環し、先端に削孔ビットが設けられたボーリング工具である。インナコアチューブ41に第1サンプルS1となるコアが抱え持たれる。
【0020】
図6のXII-XII線に沿う断面を図12に示し、同じく図6のXIII-XIII線に沿う断面を図13に示す。図12に示す空洞層Lが存在しない削孔深度においては、中心の注入材料2と外周の第2ダブルコアチューブ4との間には、地盤1と同じ地層が存在する。これに対し、図13に示す空洞層Lが存在する削孔深度においては、中心の注入材料2と外周の第2ダブルコアチューブ4との間には、注入材料2が浸入した地層2aが存在する。
【0021】
最後の図7及び図8に示す第4工程においては、第2ダブルコアチューブ4を引き上げ、インナコアチューブ41に抱え持たれたコアを第1サンプルS1として採取する。図8に採取された第1サンプルS1の断面を示し、図7に第1サンプルS1が採取された後の第2孔12を示す。採取した第1サンプルS1は、直径がインナコアチューブ41の内径で、長さが第1削孔深度DP1の円筒形状の塊状物であり、調査目的の地盤に空洞や空隙が存在するか否かの調査に供され、目視による観察が行われる。
【0022】
図14は、第1サンプルS1の一部であるXIV-XIV線に沿う断面図である。同図に示す空洞層Lが存在する削孔深度においては、第1サンプルS1の外周層には、注入材料2が浸入した地層2aが存在することになる。したがって、採取した第1サンプルS1をそのまま目視観察するだけで、どの第1削孔深度DP1に空洞層Lが存在するかを簡単に確認することができる。このような目視観察による確認は、ボーリング熟練者などの技量を必要としない。また、電磁波探査、電気探査又は地中レーダー探査などの間接的調査と組み合わせることで、短時間、低コストで、精度よく調査することができる。
【0023】
《第2実施形態》
上述した第1実施形態は、第1削孔深度DP1の第1サンプルS1を採取した例であるが、これに続けて、第2孔12を利用して第1削孔深度DP1より深い地層の第2サンプルS2を採取することもできる。図15図26は、本発明に係る調査ボーリング工法の他の実施の形態を示す断面図である。
【0024】
本実施形態の調査ボーリング工法では、上述した第1実施形態と同様の第1工程~第4工程を実施することで、第1削孔深度DP1から第2削孔深度DP2までの第2サンプルS2を採取する。このとき、図7に示す第2孔12にボーリング工具を支持する手段を設けると、より一層正確に削孔することができる。そのため、本実施形態では、図15及び図16に示すように、第1サンプルS1を取り出した第2孔12に、当該第2孔12の口径に応じた口径の筒状ケーシング5を挿入して設置し(第5工程)、次いで、図17及び図18に示すように、筒状ケーシング5に、ボーリングロッドをガイドするセンターライザー6を挿入して設置し(第6工程)、次いで、図19及び図20に示すように、センターライザー6によりガイドされたボーリングロッドを用いて、第2孔12の底面に第1口径D1の第3孔13をボーリング削孔し(第7工程)、次いで、図21及び図22に示すように、注入材料2を第3孔13に無圧で注入し(第8工程)、次いで、図23及び図24に示すように、第3孔13と同芯で、第1口径D1より大きい第2口径D2で、第3孔13の周囲をコアボーリング削孔し(第9工程)、最後に、図25及び図26に示すように、コアボーリング削孔したコアを第2サンプルS2として採取する(第10工程)。以下、各工程について詳述する。
【0025】
まず、図15及び図16に示す第5工程においては、図5図6に示す第3工程にて削孔した第2孔12を補強するため、当該第2孔12の第2口径D2に応じた口径の筒状ケーシング5を第2孔12に挿入する。特に限定されないが、第2口径D2がφ86mmである場合に、内径がφ90.2mm,外径がφ101.6mm,板厚tが5.7mmの鋼製の筒状ケーシング5を用いることができる。図16に示すように、第2孔12の第2口径D2よりわずかに大きい口径の筒状ケーシング5を挿入することで、第2孔12の孔壁が強固に補強される。
【0026】
続く図17及び図18に示す第6工程においては、筒状ケーシング5に、第1ダブルコアチューブ3などのボーリングロッドをガイドするセンターライザー6を挿入して設置する。本実施形態のセンターライザー6は、第1ダブルコアチューブ3により第3孔13を削孔する際の当該第1ダブルコアチューブ3の芯出しを行うものである。そのため、センターライザーは、第1ダブルコアチューブ3の外径に応じた内径とされると共に、図17に示すように筒状ケーシング5の内面に離散的に当接する凸部61が円周方向に等配で設けられている。図18に示すように、センターライザー6が筒状ケーシング5に挿入され、その凸部61が筒状ケーシング5の内面に当接することにより、センターライザー6が筒状ケーシング5と同心円上に配置される。
【0027】
続く図19及び図20に示す第7工程においては、上述した第1工程と同様に、第2孔12の底面に、第1口径D1の第1孔11をボーリング削孔する。特に限定はされないが、外径φが46mmの第1ダブルコアチューブ3を図示しないボーリング機に装着し、センターライザー6にてガイドしつつ、当該ボーリング機を用いて、たとえば削孔径(=第1口径D1)が46mm,第2削孔深度DP2が1mの第3孔13を削孔する。地盤1の第2孔12の下に第3孔13が削孔された状態を図20に示す。
【0028】
続く図21及び図22に示す第8工程においては、上述した第7工程で削孔された第3孔13に、調整された時間で硬化する注入材料2を無圧で注入する。ここで用いられる注入材料2は、上述した第1実施形態で用いられる注入材料2と同じである。第3孔13に注入材料2が充填された状態を図22に示す。図22に示すように第3孔13に注入材料2が充填されたら、注入材料2が硬化して充分な強度を発現するまで待機する。
【0029】
続く図23及び図24に示す第9工程においては、第3孔13と同芯で、且つ第1口径D1より大きい第2口径D2で、第3孔13の周囲をコアボーリング削孔する。特に限定はされないが、センターライザー6を取り外したのち、外径φが86mmの第2ダブルコアチューブ4を図示しないボーリング機に装着し、当該ボーリング機を用いて、図23及び図24に示すように、たとえば削孔径(=第2口径D2)が86mm,第2削孔深度DP2が1mの第4孔14を削孔する。なお、第2サンプルS2としてのコアが採取された後の第4孔14を図25に示す。
【0030】
最後の図25及び図26に示す第10工程においては、第2ダブルコアチューブ4を引き上げ、インナコアチューブ41に抱え持たれたコアを第2サンプルS2として採取する。図26に採取された第2サンプルS2の断面を示し、図25に第2サンプルS2が採取された後の第4孔14を示す。採取した第2サンプルS2は、直径がインナコアチューブ41の内径で、長さが第2削孔深度DP2の円筒形状の塊状物であり、調査目的の地盤に空洞や空隙が存在するか否かの調査に供され、目視による観察が行われる。
【0031】
なお、図25に示す第4孔14の底面からさらに深い部分のサンプルを採取する場合は、以上の第5工程から第10工程を繰り返す。
【符号の説明】
【0032】
1…地盤
11…第1孔
12…第2孔
13…第3孔
14…第4孔
2…注入材料
21…容器
2a…注入材料が浸入した地層
3…第1ダブルコアチューブ
31…インナコアチューブ
32…アウタコアチューブ
4…第2ダブルコアチューブ
41…インナコアチューブ
42…アウタコアチューブ
5…筒状ケーシング
6…センターライザー
S1…第1サンプル
S2…第2サンプル
D1…第1口径
D2…第2口径
DP1…第1削孔深度
DP2…第2削孔深度
L…空洞層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【手続補正書】
【提出日】2023-07-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
調査目的とする地盤に第1口径の第1孔をボーリング削孔し、
調整された時間で硬化する注入材料を前記第1孔に無圧で注入して無圧の状態で硬化させ
前記第1孔と同芯で、前記第1口径より大きい第2口径で、前記第1孔の周囲をコアボーリング削孔し、
前記コアボーリング削孔したコアを第1サンプルとして採取する調査ボーリング工法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、調査目的とする地盤に第1口径の第1孔をボーリング削孔し、
調整された時間で硬化する注入材料を前記第1孔に無圧で注入して無圧の状態で硬化させ
前記第1孔と同芯で、前記第1口径より大きい第2口径で、前記第1孔の周囲をコアボーリング削孔し、
前記コアボーリング削孔したコアを第1サンプルとして採取することによって上記課題を解決する。