(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165789
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】形状推定装置
(51)【国際特許分類】
G01S 13/02 20060101AFI20241121BHJP
G01S 7/02 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G01S13/02
G01S7/02 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082283
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(71)【出願人】
【識別番号】592032636
【氏名又は名称】学校法人トヨタ学園
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤峰 悠介
(72)【発明者】
【氏名】近藤 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】大薮 弘和
(72)【発明者】
【氏名】秋田 時彦
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AC02
5J070AC06
5J070AC19
5J070AD02
5J070AF03
5J070AK13
(57)【要約】
【課題】静止物体の形状を低処理負荷で且つ高精度に推定する。
【解決手段】第2マップ生成部20は、第1座標系を第2座標系に座標変換することにより、第1座標系を有する第1反射強度マップM1から、第2座標系を有する第2反射強度マップM2を生成する。そして、推定部24は、複数の第2反射強度マップM2に基づいて生成された反射強度蓄積マップMsから、静止物体82の形状を表す物体形状マップMfを推定する。従って、相対距離Rrと相対速度Vrとに対する反射強度Pwの分布を示す第1反射強度マップM1から、二次元の座標位置に対する反射強度Pwの分布を示す第2反射強度マップM2を得ることができる。すなわち、センサ部12に対する方位を推定する方位推定処理を行うことなく、静止物体82の形状推定の基になる第2反射強度マップM2を得ることができる。そのため、静止物体82の形状推定を低処理負荷で実施することが可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体(80)に搭載される形状推定装置であって、
前記移動体に設けられ、前記移動体の周囲へ電磁波である送信波(Sw)を発信すると共に、該送信波が反射して生じた反射波(Rw)を受信するセンサ部(12)と、
前記送信波と前記反射波とに基づき、前記センサ部に対する相対距離(Rr)と前記センサ部に対する相対速度(Vr)とに対する前記反射波の信号強度(Pw)の分布を示す第1反射強度マップ(M1)を生成することを、繰り返し行う第1マップ生成部(16)と、
前記移動体の速度(Ve)と前記移動体の位置(Xe、Ye)とを知得するエゴモーション知得部(18)と、
前記第1反射強度マップの前記相対距離と前記相対速度とを表す第1座標系(CT1)を、二次元の座標位置(X、Y)を表す第2座標系(CT2)に、前記移動体の速度と前記移動体の位置とを用いて座標変換することにより、前記座標位置に対する前記信号強度の分布を示す第2反射強度マップ(M2)を前記第1反射強度マップから生成することを、繰り返し行う第2マップ生成部(20)と、
前記第2マップ生成部が生成した複数の前記第2反射強度マップのそれぞれにおける前記信号強度を基に所定の算出規則に従って得られる信号強度関連値を前記第2反射強度マップの前記座標位置毎に算出し、該座標位置に対する前記信号強度関連値の分布を示す反射強度蓄積マップ(Ms)を生成する反射強度蓄積マップ生成部(22)と、
教師あり学習によって学習されたニューラルネットワークの学習済みモデル(32)によって、前記移動体の周囲に存在し静止している物体(82)の形状を表す物体形状マップ(Mf)を前記反射強度蓄積マップから推定する推定部(24)とを備える、形状推定装置。
【請求項2】
前記反射強度蓄積マップの前記座標位置に対する前記信号強度関連値は該座標位置毎に、複数の前記第2反射強度マップにおける前記座標位置毎の前記信号強度のうちの最大値とされる、請求項1に記載の形状推定装置。
【請求項3】
前記学習済みモデルは、畳み込みニューラルネットワークのエンコーダ(32a)とデコーダ(32b)とを有する構成になっている、請求項1または2に記載の形状推定装置。
【請求項4】
前記センサ部は、予め定められた物体検知領域(As)内において前記物体の存在を検知できるように前記移動体に取り付けられ、
前記物体検知領域は、前記第1座標系の前記相対距離が零になる位置(R0p)を通り且つ前記移動体の前後方向(D1)と上下方向(D3)とに平行な仮想平面(PLv)に対し前記移動体の左右方向(D2)の一方側へ拡がり、前記左右方向の他方側へは及んでおらず、
前記第2反射強度マップの全ての前記座標位置は前記物体検知領域に入る、請求項1または2に記載の形状推定装置。
【請求項5】
前記センサ部は、予め定められた物体検知領域(As)内において前記物体の存在を検知できるように前記移動体に取り付けられ、
前記物体検知領域は、前記第1座標系の前記相対距離が零になる位置(R0p)を通り且つ前記移動体の前後方向(D1)と上下方向(D3)とに平行な仮想平面(PLv)に対し前記移動体の左右方向(D2)の一方側へ拡がった一方側領域(A1)と、前記一方側領域よりも狭く前記仮想平面に対し前記左右方向の他方側へ拡がった他方側領域(A2)とを有し、
前記第2反射強度マップの全ての前記座標位置は、前記仮想平面を基準に前記他方側領域を前記左右方向の前記一方側へ反転して得られる反転他方側領域(A2r)を前記一方側領域から除いた領域(Am)に入る、請求項1または2に記載の形状推定装置。
【請求項6】
前記センサ部は、前記送信波を発信する1つまたは複数の送信アンテナ素子(121)と前記反射波を受信する1つまたは複数の受信アンテナ素子(122)とをそれぞれ有し、
前記1つまたは複数の送信アンテナ素子は水平方向(Dh)には並んでおらず、
前記1つまたは複数の受信アンテナ素子も前記水平方向には並んでいない、請求項1または2に記載の形状推定装置。
【請求項7】
前記第1座標系を前記第2座標系に座標変換することとは、前記第2反射強度マップに含まれる複数の前記座標位置から選択された座標位置である選択座標位置(Xw、Yw)と前記移動体の速度と前記移動体の位置とを用いて所定の算出式(F3、F4、F11、F12)から前記第1座標系の前記相対距離と前記相対速度とを算出し、該算出した前記相対距離と前記相対速度とに対する前記第1反射強度マップの前記信号強度を、前記第2反射強度マップでの前記選択座標位置に対する前記信号強度とすることを、前記第2反射強度マップの前記座標位置毎に行うことである、請求項1または2に記載の形状推定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の形状を推定する形状推定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば非特許文献1には、車載のレーダにより物体の形状を推定する技術が開示されている。具体的に、非特許文献1では、深層学習により予め生成された推定器を用い、位置とレーダが受信する反射波の信号強度である反射強度との対応を示す反射強度マップから、物体の形状を推定する手法が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】F. E. Nowruzi; D. Kolhatkar; P. Kapoor; F. Al Hassanat; E. J. Heravi; R. Laganiere; J. Rebut; W. Malik, Deep Open Space Segmentation using Automotive Radar, 2020 IEEE MTT-S International Conference on Microwaves for Intelligent Mobility (ICMIM)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した非特許文献1に記載の技術では、反射強度マップを生成する際、レーダの複数のアンテナの受信信号から方位推定処理を行う必要があり、処理負荷が高いという課題がある。また、複数のアンテナ素子が必要であるためコストが高くなるという課題もある。
【0005】
そこで、発明者らは、例えばレーダでは相対速度を観測できることに着目した。詳しく言うと、自車両の周囲に存在する静止物体の、自車両に対する相対速度は、自車両に設けられたレーダの位置と静止物体のうち送信波を反射する反射点とを結んだ直線が自車両の進行方向に対して成す角度と、自車両の速度とで決まる。そのため、自車両の速度と上記相対速度とが既知であれば、静止物体の反射点の位置を特定することができる。このことに発明者らは着目した。
【0006】
一方で、レーダによって得られる相対速度から変換した位置に対する反射強度の分布は、レーダの信号の広がりのため一般的には物体の形状推定には向かないが、深層学習を用いた形状推定であれば、信号の広がりも含めて学習されるので、相対速度を利用した物体の形状推定が可能である。発明者らの詳細な検討の結果、以上のようなことが見出された。
【0007】
上記点に鑑み、本発明は、レーダ等であるセンサ部に対する相対距離と相対速度とに対する反射強度の分布がセンサ部からの信号に基づいて得られることを利用して、静止している物体の形状を低処理負荷で且つ高精度に推定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の形状推定装置は、
移動体(80)に搭載される形状推定装置であって、
移動体に設けられ、移動体の周囲へ電磁波である送信波(Sw)を発信すると共に、その送信波が反射して生じた反射波(Rw)を受信するセンサ部(12)と、
送信波と反射波とに基づき、センサ部に対する相対距離(Rr)とセンサ部に対する相対速度(Vr)とに対する反射波の信号強度(Pw)の分布を示す第1反射強度マップ(M1)を生成することを、繰り返し行う第1マップ生成部(16)と、
移動体の速度(Ve)と移動体の位置(Xe、Ye)とを知得するエゴモーション知得部(18)と、
第1反射強度マップの相対距離と相対速度とを表す第1座標系(CT1)を、二次元の座標位置(X、Y)を表す第2座標系(CT2)に、移動体の速度と移動体の位置とを用いて座標変換することにより、座標位置に対する信号強度の分布を示す第2反射強度マップ(M2)を第1反射強度マップから生成することを、繰り返し行う第2マップ生成部(20)と、
第2マップ生成部が生成した複数の第2反射強度マップのそれぞれにおける信号強度を基に所定の算出規則に従って得られる信号強度関連値を第2反射強度マップの座標位置毎に算出し、その座標位置に対する信号強度関連値の分布を示す反射強度蓄積マップ(Ms)を生成する反射強度蓄積マップ生成部(22)と、
教師あり学習によって学習されたニューラルネットワークの学習済みモデル(32)によって、移動体の周囲に存在し静止している物体(82)の形状を表す物体形状マップ(Mf)を反射強度蓄積マップから推定する推定部(24)とを備える。
【0009】
このようにすれば、相対距離と相対速度とに対する反射波の信号強度(すなわち、反射強度)の分布を示す第1反射強度マップから、二次元の座標位置に対する反射強度の分布を示す第2反射強度マップを得ることができる。すなわち、センサ部に対する方位を推定する方位推定処理を行うことなく、静止物体の形状推定の基になる第2反射強度マップを得ることができる。そのため、静止物体の形状推定を低処理負荷で実施することが可能である。
【0010】
そして、反射強度蓄積マップは、逐次生成された複数の第2反射強度マップに基づいて生成されるので、反射強度蓄積マップでは、形状推定対象の静止物体の輪郭に対応した反射強度の分布状態を際立たせることができる。そして、この反射強度蓄積マップが、静止物体の形状推定を実施する推定部の入力として用いられる。従って、例えば反射強度蓄積マップではなく第2反射強度マップが推定部の入力として用いられる場合と比較して、静止物体の形状を高精度に推定することが可能である。
【0011】
なお、出願書類中の各欄において、各要素に括弧付きの参照符号が付されている場合がある。この場合、参照符号は、同要素と後述する実施形態に記載の具体的構成との対応関係の単なる一例を示すものであるにすぎない。よって、本発明は、参照符号の記載によって、何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態において、形状推定装置の機能的な概略構成を示したブロック図である。
【
図2】第1実施形態において、センサ部の物体検知領域を模式的に示した図である。
【
図3】
図2のIII方向の矢視図であって、センサ部を単体で模式的に示した正面図である。
【
図4】第1実施形態において、形状推定装置が有する電子制御装置が実行する制御処理を示したフローチャートである。
【
図5】
図4のステップS102で生成される第1反射強度マップを模式的に示した図である。
【
図6】
図5に示された相対距離および相対速度のそれぞれと、静止物体上の反射点の座標位置との関係を説明するための図である。
【
図7】
図4のステップS104で生成される第2反射強度マップを模式的に示した図である。
【
図8】
図4のステップS104で実行されるサブルーチンを示したフローチャートである。
【
図9】
図4のステップS105で生成される反射強度蓄積マップを模式的に示した図である。
【
図10】
図4のステップS105で実行されるサブルーチンを示したフローチャートである。
【
図11】第1実施形態において、反射強度蓄積マップから物体形状マップを推定するために用いられるニューラルネットワークの学習済みモデルの構成を模式的に示した図である。
【
図12A】第1実施形態において、学習済みモデルの学習に用いられる複数セットの教師データに含まれる1セットの教師データのうちの一方である反射強度蓄積マップの一例を示した図である。
【
図12B】第1実施形態において、上記1セットの教師データのうちの他方である正解形状マップの一例、すなわち、
図12Aの反射強度蓄積マップと共に上記1セットの教師データを構成する正解形状マップの一例を示した図である。
【
図13】第2実施形態のセンサ部を単体で模式的に示した正面図であって、
図3に相当する図である。
【
図14】第3実施形態のセンサ部を単体で模式的に示した正面図であって、
図3に相当する図である。
【
図15】第4実施形態において、センサ部の物体検知領域を模式的に示した図であって、
図2に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、各実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0014】
(第1実施形態)
図1、
図2に示すように、本実施形態の形状推定装置10は、移動体である車両80に搭載される装置である。そして、形状推定装置10は、センサ部12と電子制御装置14とを備えている。形状推定装置10は、車両80の停止中または走行中に、センサ部12から電波を車両80の周囲へ放射させることにより、車両80の周囲に存在し静止している物体82の形状、すなわち車両80の周囲に存在する静止物体82の形状を推定する。
【0015】
なお、
図2および後述の
図3に表示された両端矢印はそれぞれ、形状推定装置10が搭載される車両80の向きを示す。すなわち、
図2および
図3では、車両80の前後方向である車両前後方向D1と、車両80の左右方向である車両左右方向D2と、車両80の上下方向である車両上下方向D3とがそれぞれ両端矢印で示されている。これらの方向D1、D2、D3は互いに交差する方向、厳密に言えば互いに垂直な方向である。また、
図3では、水平方向Dhも両端矢印で示されている。車両前後方向D1と車両左右方向D2はそれぞれ、水平方向Dhのうちの1つの方向である。
【0016】
センサ部12は、車両80の一部分に固定されるセンサ装置である。
図1~
図3に示すように、センサ部12は、例えばFCM方式のミリ波レーダ装置である。その「FCM」とは、「Fast Chirp Modulation」の略である。
すなわち、センサ部12は、車両80の周囲へ電磁波である送信波Swを発信すると共に、その送信波Swが反射して生じた反射波Rwを受信する。そのために、センサ部12は、送信アンテナ素子121と、受信アンテナ素子122と、送信波Swの発信および反射波Rwの受信に関わる電気信号を処理する不図示の信号処理回路などを有している。
【0017】
また、センサ部12は、その送信波Swの発信および反射波Rwの受信を行うと共に、送信波Swを表す送信波信号と反射波Rwを表す反射波信号とを例えば電子制御装置14へ出力する。
【0018】
送信アンテナ素子121は、送信波Swを発信するアンテナ素子であり、受信アンテナ素子122は、反射波Rwを受信するアンテナ素子である。本実施形態のセンサ部12が有する送信アンテナ素子121の数は1つであり、センサ部12が有する受信アンテナ素子122の数も1つである。従って、センサ部12は、複数の送信アンテナ素子121が水平方向Dhに並んだ構成を備えておらず、複数の受信アンテナ素子122が水平方向Dhに並んだ構成も備えていない。例えば、本実施形態では、単一の送信アンテナ素子121と単一の受信アンテナ素子122とが水平方向Dhに並んで配置されている。
【0019】
また、センサ部12は、例えば、車両80のうち車両前後方向D1の前側かつ車両左右方向D2の一方側(具体的には、左側)に偏って配置されている。そして、センサ部12は、そのセンサ部12の物体検知領域Asが車両80に対する車両左右方向D2の左側のみに拡がるように車両80に取り付けられている。要するに、センサ部12は、センサ部12の正面を車両左右方向D2の左側に向けて車両80に取り付けられている。
【0020】
なお、センサ部12の物体検知領域Asとは、センサ部12が送信波Swの送信および反射波Rwの受信によって、静止物体82や移動している物体などの被検知物体の存在を検知することができる最大範囲である。そして、車両80に対するセンサ部12の物体検知領域Asの相対的な位置関係は、センサ部12の仕様と車両80におけるセンサ部12の取付け向きとによって決まる。
【0021】
電子制御装置14は、図示しないCPU、RAM、ROM、不揮発性リライタブルメモリ等を備えた車載マイクロコンピュータとしての構成を有している。すなわち、電子制御装置14は、非遷移的実体的記録媒体であるROMまたは不揮発性リライタブルメモリなどの記録媒体に格納されたコンピュータプログラムを読み出して実行する。このコンピュータプログラムが実行されることで、コンピュータプログラムに対応する方法が実行される。すなわち、電子制御装置14は、そのコンピュータプログラムに従って種々の制御処理を実行する。
【0022】
そして、電子制御装置14は、第1マップ生成部16とエゴモーション知得部18と第2マップ生成部20と反射強度蓄積マップ生成部22と推定部24とを、電子制御装置14の各機能を実行する機能部として有している。また、電子制御装置14は、RAMなどの記録媒体である蓄積部26も有している。
【0023】
図4は、電子制御装置14が実行する制御処理を示したフローチャートである。電子制御装置14は、
図4のステップS101~S106に亘る処理を1サイクルとして、そのステップS101~S106に亘る処理を所定の周期で繰り返し実行する。
【0024】
図4に示すように、電子制御装置14は、まず、ステップS101にて、センサ部12に送信波Swを発信させると共に反射波Rwを受信させる。例えば、センサ部12は、送信波Swの発信と反射波Rwの受信とを行う送受信処理を複数回実行し、送信波Swを示す電気信号と反射波Rwを示す電気信号とを電子制御装置14へ出力する。
図4のステップS101の次はステップS102へ進む。
【0025】
ステップS102では、第1マップ生成部16は、センサ部12から、送信波Swを示す電気信号と反射波Rwを示す電気信号とを受け取る。そして、第1マップ生成部16は、その送信波Swと反射波Rwとに基づいた
図5の第1反射強度マップM1を生成する。その第1反射強度マップM1は、
図5に示すように、センサ部12に対する相対距離Rrとセンサ部12に対する相対速度Vrとに対する反射波Rwの信号強度Pwの分布を示すマップである。
【0026】
なお、本実施形態の説明では、反射波Rwの信号強度Pwは反射強度Pwとも称される。また、センサ部12に対する相対距離Rrとは、厳密に言えば、センサ部12に含まれるセンサ原点R0(
図2参照)に対する相対距離Rrであり、センサ部12に対する相対速度Vrとは、厳密に言えば、センサ原点R0に対する相対速度Vrである。そのセンサ原点R0では相対距離Rrは「Rr=0」になる。
【0027】
例えば、第1マップ生成部16は、送信波Swを示す電気信号と反射波Rwを示す電気信号とに基づき、2回のFFT処理等である周波数解析処理を行うことにより第1反射強度マップM1を得る。FFT処理という記載中の「FFT」とは、「Fast Fourier Transform」の略である。
図4のステップS102の次はステップS103へ進む。
【0028】
ステップS103では、エゴモーション知得部18は、車両80の速度Veである自車速Veと、車両80の位置である自車位置とを知得する。例えば、エゴモーション知得部18は、自車速Veを、車両80に設けられた
図1の車速センサ84から知得する。また、エゴモーション知得部18は、車両80のステアリングの舵角および自車速Veなどから自車位置を算出することで知得してもよいし、車両80に設けられたナビゲーションシステムから自車位置を知得してもよい。
【0029】
なお、自車位置とは、厳密に言えば、
図6に示すように、車両80のうちその車両80の代表位置を示す自車位置原点E0の位置である。例えば、後述の第2座標系CT2では、自車位置原点E0の位置である自車位置は、自車位置原点E0の座標位置Xe、Yeになる。従って、以下の説明では、自車位置は自車位置Xe、Yeと記載されることがある。
図4のステップS103の次はステップS104へ進む。
【0030】
ステップS104では、第2マップ生成部20は、エゴモーション知得部18が知得した自車速Veおよび自車位置Xe、Yeと、第1マップ生成部16が生成した第1反射強度マップM1とに基づいて、
図7の第2反射強度マップM2を生成する。
【0031】
詳細には、第2マップ生成部20は、
図5の第1反射強度マップM1の相対距離Rrと相対速度Vrとを表す第1座標系CT1を、二次元の座標位置X、Yを表す第2座標系CT2に、自車速Veと自車位置Xe、Yeとを用いて座標変換する。この座標変換により、第2マップ生成部20は、第1反射強度マップM1から
図7の第2反射強度マップM2を生成する。
【0032】
図7に示すように、その第2反射強度マップM2は、第2座標系CT2の座標位置X、Yに対する反射強度Pwの分布を示すマップである。そして、その第2座標系CT2は、例えば横軸が座標位置Xを示し縦軸が座標位置Yを示す直交座標系であり、水平方向Dhに拡がる座標系である。また、第2座標系CT2は、車両80が移動しても動かない固定された座標系である。
【0033】
例えば、第2反射強度マップM2は、第2座標系CT2の座標位置X、Yを示す複数の座標点それぞれに相当するグリッド30を有し、第2反射強度マップM2では、その複数のグリッド30それぞれに対し反射強度Pwが記憶されている。
図7に示す反射強度Pw11~Pw47は、各グリッド30に記憶された反射強度Pwの大きさをそれぞれ表している。
【0034】
なお、このステップS104で生成される第2反射強度マップM2は、その第2反射強度マップM2が占める領域全体が
図2のセンサ部12の物体検知領域Asと同一の領域またはその物体検知領域Asの範囲内の領域になるように形成される。別言すれば、本実施形態では、車両80周りの領域のうち、第2反射強度マップM2の配置対象となりうる領域であるマップ対象領域Amは、物体検知領域Asと同じになる。要するに、第2反射強度マップM2の全ての座標位置X、Yはセンサ部12の物体検知領域Asに入る。なぜなら、センサ部12が被検知物体の存在を検知できない領域では反射強度Pwを特定できないからである。
【0035】
また、
図2の物体検知領域Asに言及すると、その物体検知領域Asは、
図2に示した仮想平面PLvに対し車両左右方向D2の一方側(具体的には、左側)へ拡がり、車両左右方向D2の他方側へは及んでいない。その仮想平面PLvは、
図2、
図5、
図6に示すように、第1座標系CT1の相対距離Rrが零になる位置R0pすなわちセンサ原点R0の位置R0pを通り、且つ車両前後方向D1と車両上下方向D3とに平行に形成される。例えば
図2に示すように、物体検知領域Asは、センサ原点R0の位置R0pから車両左右方向D2の左側へ離れるほどその位置R0pを中心とした周方向に拡がるように、扇形状または略扇形状に形成されている。
【0036】
ここで、上記したように第1座標系CT1が第2座標系CT2へ座標変換されるので、その第1座標系CT1と第2座標系CT2との関係を説明する。
図6に示すように、送信波Swを反射する静止物体82上の反射点Prを1つ選択する。この場合、第2座標系CT2において反射点Prの座標位置Xw、Ywは、下記式F1、式F2から算出される。そして、その式F1、式F2から下記式F3、式F4が導出される。
【数1】
【数2】
【0037】
なお、上記式F1~式F4において、Xwは横軸方向の反射点Prの座標位置Xであり、Ywは縦軸方向の反射点Prの座標位置Yであり、Xeは横軸方向の自車位置原点E0の座標位置Xであり、Yeは縦軸方向の自車位置原点E0の座標位置Yである。また、Xrpは、自車位置原点E0からセンサ原点R0までの横軸方向の距離であって定数であり、Yrpは、自車位置原点E0からセンサ原点R0までの縦軸方向の距離であって定数である。また、Xrは、センサ原点R0を基準とした横軸方向の反射点Prの座標位置、すなわちセンサ原点R0から反射点Prまでの横軸方向の距離である。また、Yrは、センサ原点R0を基準とした縦軸方向の反射点Prの座標位置、すなわちセンサ原点R0から反射点Prまでの縦軸方向の距離である。
【0038】
また、
図6から判るように、下記式F5、式F6、式F7が成立し、下記式F7から下記式F8が導出される。更に、下記式F5、式F6、式F8から下記式F9、式F10が導出される。
【数3】
【数4】
【数5】
【0039】
なお、上記式F5~式F10において、Rrは、
図6に示すセンサ原点R0から反射点Prまでの距離、すなわち
図5に示された相対距離Rrである。また、θは、
図6のセンサ原点R0と反射点Prとを結ぶ線分が横軸方向に対して成す角度であり、Veは自車速Veであり、Vrは、センサ原点R0に対する反射点Prの相対速度、すなわち
図5に示された相対速度Vrである。
【0040】
そして、上記式F9、式F10から下記式F11、式F12が導出される。
【数6】
【0041】
なお、式F12中のsign関数は、カッコ内の「Yr/Xr」が正の数であれば「+1」を与え、「Yr/Xr」が負の数であれば「-1」を与え、「Yr/Xr」が零であれば「0」を与える関数である。
【0042】
上記したように、式F3、式F4、式F11、式F12が得られる。そのため、自車速Veと自車位置Xe、Yeとが既知であれば、
図6の第2座標系CT2における反射点Prの座標位置Xw、Ywは、その反射点Prの相対距離Rrと相対速度Vrとの組み合わせに変換することができる。別言すると、第2座標系CT2における反射点Prの座標位置Xw、Ywは、
図5の第1座標系CT1における相対距離Rrと相対速度Vrとに変換することができる。
【0043】
上記した式F3、式F4、式F11、式F12が得られていることを踏まえて、具体的に、ステップS104では、第2マップ生成部20は
図8のサブルーチンを実行し、これにより
図5の第1反射強度マップM1から
図7の第2反射強度マップM2を生成する。
【0044】
図8のステップS201では、第2マップ生成部20は、第2反射強度マップM2の全てのグリッド30に対し反射強度Pwを記憶したか否か、言い換えると、その全てのグリッド30に対し反射強度Pwを格納したか否かを判定する。
【0045】
ステップS201において、第2反射強度マップM2の全てのグリッド30に対し反射強度Pwを格納することが完了したと判定された場合には、
図8のサブルーチンは終了し、
図4のフローチャートのステップS105へ進む。その一方で、第2反射強度マップM2の全てのグリッド30に対し反射強度Pwを格納することが未だ完了していないと判定された場合には、ステップS202へ進む。
【0046】
ステップS202では、第2マップ生成部20は、第2反射強度マップM2の全てのグリッド30のうち、反射強度Pwが未だ格納されていないグリッド30を1つ選択する。その選択されたグリッド30は選択グリッド30aと称される。ステップS202の次はステップS203へ進む。
【0047】
ステップS203では、第2マップ生成部20は、第2反射強度マップM2における選択グリッド30aの座標位置X、Yを
図6の反射点Prの座標位置Xw、Ywとして、所定の算出式である上記式F3、式F4、式F11から
図5の相対距離Rrを算出する。このとき、エゴモーション知得部18が知得した自車位置Xe、Yeが用いられる。
図8のステップS203の次はステップS204へ進む。
【0048】
ステップS204では、第2マップ生成部20は、第2反射強度マップM2における選択グリッド30aの座標位置X、Yを
図6の反射点Prの座標位置Xw、Ywとして、所定の算出式である上記式F3、式F4、式F12から
図5の相対速度Vrを算出する。このとき、エゴモーション知得部18が知得した自車速Veと自車位置Xe、Yeとが用いられる。なお、ステップS203、S204で用いられる上記式F3、式F4の座標位置Xw、Yw、要するに選択グリッド30aの座標位置X、Yは、第2反射強度マップM2に含まれる複数の座標位置X、Yから選択された選択座標位置であると言える。
図8のステップS204の次はステップS205へ進む。
【0049】
ステップS205では、第2マップ生成部20は、
図5の第1反射強度マップM1から、ステップS203で算出した相対距離RrとステップS204で算出した相対速度Vrとに対する反射強度Pwを知得する。そして、第2マップ生成部20は、その知得した反射強度Pwを、
図7の第2反射強度マップM2の選択グリッド30aに格納する。言い換えると、第2マップ生成部20は、その知得した反射強度Pwを、第2反射強度マップM2において、選択グリッド30aの座標位置X、Yに対する反射強度Pwとして記憶する。
図8のステップS205の次はステップS201へ戻る。
【0050】
このように
図8のステップS201~S205の処理が繰り返し実行されることで、上記した
図5の第1反射強度マップM1の第1座標系CT1が
図7の第2反射強度マップM2の第2座標系CT2へ座標変換される。すなわち、第2反射強度マップM2を生成するために第1座標系CT1を第2座標系CT2に座標変換することとは、
図8のステップS202~S205の処理を第2反射強度マップM2の全ての座標位置X、Yに対し座標位置X、Y毎に行うことである。
【0051】
なお、ステップS104で生成された
図7の第2反射強度マップM2は、
図1に示すように、後述のステップS105の終了後に電子制御装置14の蓄積部26に記憶される。そして、その蓄積部26は、その蓄積部26に記憶された第2反射強度マップM2のうち最新のNサイクル分の第2反射強度マップM2を蓄える。その「Nサイクル分」とは、
図4のステップS101~S106に亘る一連の処理を1サイクルとしたNサイクル分であるので、蓄積部26に蓄えられる第2反射強度マップM2の数はNである。
【0052】
その一方で、新たな第2反射強度マップM2が蓄積部26に記憶される毎に、最新のNサイクル分よりも古い第2反射強度マップM2は蓄積部26から順次廃棄される。
【0053】
上記「Nサイクル分」という記載中の「N」は正の整数である。この第2反射強度マップM2のNサイクル分である記憶限度は、例えば、蓄積部26の記憶容量以下になるように、且つ古すぎる第2反射強度マップM2が後述の反射強度蓄積マップMsの生成に用いられないように予め定められている。
【0054】
図4に戻り、ステップS105では、反射強度蓄積マップ生成部22は、蓄積部26に蓄えられたNサイクル分の第2反射強度マップM2を読み込むと共に、直前のステップS104で生成された第2反射強度マップM2を知得する。そして、反射強度蓄積マップ生成部22は、そのNサイクル分の第2反射強度マップM2と直前のステップS104で生成された第2反射強度マップM2とである複数の第2反射強度マップM2に基づいて、
図9の反射強度蓄積マップMsを生成する。従って、本実施形態では、反射強度蓄積マップMsの基になる第2反射強度マップM2の数は、N+1になる。なお、反射強度蓄積マップMsが有する第2座標系CT2と、反射強度蓄積マップMsの基になる複数の第2反射強度マップM2がそれぞれ有する第2座標系CT2は何れも同一である。
【0055】
詳細には、反射強度蓄積マップ生成部22は、第2マップ生成部20が生成した複数の第2反射強度マップM2の座標位置X、Y毎の反射強度Pwを基に所定の算出規則に従って、第2反射強度マップM2の座標位置X、Y毎に反射強度関連値Psを算出する。この反射強度関連値Psは本開示の信号強度関連値に対応する。そして、反射強度蓄積マップ生成部22は、その算出した反射強度関連値Psを、反射強度蓄積マップMsの座標位置X、Y毎に、第2反射強度マップM2と同じ座標位置X、Yに対応付けて逐次記憶する。
【0056】
このようにして、反射強度蓄積マップ生成部22は、複数の第2反射強度マップM2から
図9の反射強度蓄積マップMsを生成する。従って、その反射強度蓄積マップMsは、第2反射強度マップM2と同じ第2座標系CT2を有し、その第2座標系CT2の座標位置X、Yに対する反射強度関連値Psの分布を示すマップになる。
【0057】
なお、上記所定の算出規則は、反射強度蓄積マップMsの座標位置X、Yに対する反射強度関連値Psを、その座標位置X、Y毎に、反射強度蓄積マップMsの基になる複数の第2反射強度マップM2における座標位置X、Y毎の反射強度Pwのうちの最大値にすることである。
【0058】
例えば、反射強度蓄積マップMsは、第2反射強度マップM2と同様に、第2座標系CT2の座標位置X、Yを示す複数の座標点それぞれに相当するグリッド30を有している。但し、反射強度蓄積マップMsでは、第2反射強度マップM2と異なり、複数のグリッド30それぞれに対し反射強度Pwではなく反射強度関連値Psが記憶されている。
図9に示す反射強度関連値Ps11~Ps47は、各グリッド30に記憶された反射強度関連値Psの大きさをそれぞれ表している。
【0059】
具体的に、
図4のステップS105では、反射強度蓄積マップ生成部22は
図10のサブルーチンを実行し、これにより複数の第2反射強度マップM2から
図9の反射強度蓄積マップMsを生成する。
【0060】
図10のステップS301では、反射強度蓄積マップ生成部22は、反射強度蓄積マップMsが有するグリッド30毎に記憶される反射強度関連値Psの算出を、全てのグリッド30において完了したか否かを判定する。
【0061】
ステップS301では、反射強度蓄積マップMsの全てのグリッド30において反射強度関連値Psの算出が完了したと判定された場合には、
図10のサブルーチンは終了し、
図4のフローチャートのステップS106へ進む。その一方で、反射強度関連値Psを全てのグリッド30において算出することが未だ完了していないと判定された場合には、ステップS302へ進む。
【0062】
ステップS302では、反射強度蓄積マップ生成部22は、反射強度蓄積マップMsの全てのグリッド30のうち、反射強度関連値Psが未だ算出されていないグリッド30、すなわち反射強度関連値Psが未だ格納されていないグリッド30を1つ選択する。その選択されたグリッド30は選択グリッド30aと称される。ステップS302の次はステップS303へ進む。
【0063】
ステップS303では、反射強度蓄積マップ生成部22は、反射強度蓄積マップMsの基になる複数の第2反射強度マップM2のそれぞれから、選択グリッド30aの座標位置X、Yと同じ座標位置X、Yに対する反射強度Pwを抽出する。そして、反射強度蓄積マップ生成部22は、その抽出した複数の反射強度Pwのうちの最大値である反射強度最大値を算出する。
図10のステップS303の次はステップS304へ進む。
【0064】
ステップS304では、反射強度蓄積マップ生成部22は、ステップS303で算出した反射強度最大値を、
図9の反射強度蓄積マップMsの選択グリッド30aに格納する。この選択グリッド30aに格納される反射強度最大値が反射強度関連値Psである。言い換えると、反射強度蓄積マップ生成部22は、ステップS303で算出した反射強度最大値を、反射強度蓄積マップMsにおいて、選択グリッド30aの座標位置X、Yに対する反射強度関連値Psとして記憶する。
図10のステップS304の次はステップS301へ戻る。
【0065】
このように
図10のステップS301~S304の処理が繰り返し実行されることで、
図9の反射強度蓄積マップMsが生成される。
【0066】
図4に戻り、ステップS106では、推定部24は、
図11のニューラルネットワークの学習済みモデル32によって、ステップS105で得られた反射強度蓄積マップMsから物体形状マップMfを推定する。その物体形状マップMfの推定に用いられるニューラルネットワークの学習済みモデル32は推定部24に含まれ、教師あり学習によって学習されたニューラルネットワークの学習済みモデルである。また、
図11に示すように、このステップS106で得られる物体形状マップMfとは、車両80の周囲に存在する静止物体82の形状を表すマップである。
図4のステップS106の次はステップS101へ戻る。
【0067】
なお、
図11に示された反射強度蓄積マップMsは、座標位置X、Y毎の反射強度関連値Psがその反射強度関連値Psの大きさに対応した色彩で表されたものである。例えば
図11の反射強度蓄積マップMsは、反射強度関連値Psが大きいほど赤色が濃くなり、反射強度関連値Psが小さいほど青色が濃くなるように表示されたものであるが、
図11ではモノクロ表示とされている。なお、
図11の「Conv.」は「Convolution」の略であり、「DeConv.」は「DeConvolution」の略であり、「ReLU」は「Rectified Linear Unit」の略である。
【0068】
図11の学習済みモデル32は、畳み込みニューラルネットワークとして構成されている。具体的に、その学習済みモデル32は、第1層321から第15層335までの複数層321~335を有する層構成を備えている。第1層321は、反射強度蓄積マップMsが入力される入力層であり、400×400のノード数のものを1枚有する構成となっている。
【0069】
第2層322は、400×400のノード数のものを42枚有する構成となっている。そして、第2層322は、第1層321に対し第1の演算処理Caを行うことにより算出される。その第1の演算処理Caとは、11×11のサイズのカーネルを用いた畳み込み演算を行ってから、活性化関数であるReLUを用いた演算を行うことである。
【0070】
第3層323と第4層324はそれぞれ、200×200のノード数のものを42枚有する構成となっている。第3層323は、第2層322に対し第2の演算処理Cbを行うことにより算出される。その第2の演算処理Cbとは、11×11のサイズのカーネルを用いたマックスプーリング処理を行うことである。また、第4層324は、第3層323に対し第1の演算処理Caを行うことにより算出される。
【0071】
第5層325と第6層326はそれぞれ、100×100のノード数のものを42枚有する構成となっている。第5層325は、第4層324に対し第2の演算処理Cbを行うことにより算出される。また、第6層326は、第5層325に対し第1の演算処理Caを行うことにより算出される。
【0072】
第7層327と第8層328はそれぞれ、50×50のノード数のものを42枚有する構成となっている。第7層327は、第6層326に対し第2の演算処理Cbを行うことにより算出される。また、第8層328は、第7層327に対し第1の演算処理Caを行うことにより算出される。
【0073】
第9層329は、25×25のノード数のものを42枚有する構成となっている。そして、第9層329は、第8層328に対し第2の演算処理Cbを行うことにより算出される。
【0074】
第10層330は、50×50のノード数のものを42枚有する構成となっており、第9層329に対し第3の演算処理Ccを行うことにより算出される。その第3の演算処理Ccとは、22×22のサイズのカーネルを用いた逆畳み込み演算を行ってから、活性化関数であるReLUを用いた演算を行うことである。
【0075】
第11層331は、100×100のノード数のものを42枚有する構成となっており、第12層332は、200×200のノード数のものを42枚有する構成となっている。第11層331は第10層330に対し第3の演算処理Ccを行うことにより算出され、第12層332は第11層331に対し第3の演算処理Ccを行うことにより算出される。
【0076】
第13層333は、400×400のノード数のものを42枚有する構成となっており、第14層334は、400×400のノード数のものを5枚有する構成となっている。第13層333は第12層332に対し第3の演算処理Ccを行うことにより算出され、第14層334は第13層333に対し第4の演算処理Cdを行うことにより算出される。その第4の演算処理Cdとは、1×1のサイズのカーネルを用いた畳み込み演算を行うことである。
【0077】
第15層335は、物体形状マップMfを出力する出力層であり、400×400のノード数のものを5枚有する構成となっている。そして、第15層335は、第14層334に対し第5の演算処理Ceを行うことにより算出される。その第5の演算処理Ceとは、ソフトマックス処理を行うことである。
【0078】
また、上記した第1層321から第9層329までは、畳み込みニューラルネットワークのエンコーダ32aになっている。そして、第9層329から第15層335までは、畳み込みニューラルネットワークのデコーダ32bになっている。
【0079】
ここで、学習済みモデル32の作成方法について説明する。学習済みモデル32は、形状推定装置10ではない他の学習モデル作成装置によって予め作成される。
【0080】
例えば、学習モデル作成装置が学習済みモデル32に学習させ学習済みモデル32を作成する際には、反射強度蓄積マップMsと、その反射強度蓄積マップMsに対応する正解形状マップMaとを1セットとした教師データが複数用意される。その1セットの教師データのうちの一方である反射強度蓄積マップMsの一例は
図12Aに示され、その教師データのうちの他方である正解形状マップMaの一例は
図12Bに示されている。
図12Aの反射強度蓄積マップMsは、
図11の反射強度蓄積マップMsの表示と同様の方法で反射強度関連値Psが色彩によって表示されたものであるが、
図12Aではモノクロ表示とされている。
【0081】
正解形状マップMaとは、その正解形状マップMaと共に1セットの教師データになる反射強度蓄積マップMsから導き出される静止物体82の正解形状AFを示すように予め構成された物体形状マップMfである。確認的に述べるが、静止物体82の正解形状AFとは、反射強度蓄積マップMsから推定された形状ではなく、反射強度蓄積マップMsからの推定以外の他の方法によって予め求められた静止物体82の正しい形状である。
【0082】
その正解形状マップMaの正解形状AFの取得方法に限定はないが、例えば、その正解形状AFは、静止物体82の写真撮影によって得られてもよい。或いは、その正解形状AFは、静止物体82に対しLiDARでレーザ照射することによって得られたレーザ点群を使って自動プログラムまたは手動のトレース作業により得られてもよい。上記「LiDAR」とは、「Light Detection And Ranging」の略である。
【0083】
そして、学習モデル作成装置は、予め用意された複数セットの教師データを用いて、誤差逆伝播法等により、学習済みモデル32の学習(すなわち、教師あり学習)を行う。この学習の結果、学習済みモデル32に相当するニューラルネットワークの重み等が決定される。
【0084】
上述したように、本実施形態によれば、第2マップ生成部20は、
図5の第1座標系CT1を
図7の第2座標系CT2に座標変換することにより、
図5の第1反射強度マップM1から
図7の第2反射強度マップM2を生成する。そして、推定部24は、複数の第2反射強度マップM2に基づいて生成された反射強度蓄積マップMsから、静止物体82の形状を表す物体形状マップMfを推定する。
【0085】
従って、相対距離Rrと相対速度Vrとに対する反射強度Pwの分布を示す第1反射強度マップM1から、二次元の座標位置X、Yに対する反射強度Pwの分布を示す第2反射強度マップM2を得ることができる。すなわち、センサ部12に対する方位を推定する方位推定処理を行うことなく、静止物体82の形状推定の基になる第2反射強度マップM2を得ることができる。そのため、静止物体82の形状推定を低処理負荷で実施することが可能である。
【0086】
そして、反射強度蓄積マップMsは、逐次生成された複数の第2反射強度マップM2に基づいて生成されるので、反射強度蓄積マップMsでは、形状推定対象の静止物体82の輪郭に対応した反射強度Pwの分布状態を際立たせることができる。要するに、反射強度蓄積マップMsでは、第2反射強度マップM2との比較で、静止物体82の形状に関わる情報量を増やすことができる。そして、その反射強度蓄積マップMsが、静止物体82の形状推定を実施する推定部24の入力として用いられる。従って、例えば反射強度蓄積マップMsではなく第2反射強度マップM2が推定部24の入力として用いられる場合と比較して、静止物体82の形状を高精度に推定することが可能である。
【0087】
(1)また、本実施形態によれば、反射強度蓄積マップMsの座標位置X、Yに対する反射強度関連値Psは、その座標位置X、Y毎に、反射強度蓄積マップMsの基になる複数の第2反射強度マップM2における座標位置X、Y毎の反射強度Pwのうちの最大値とされる。従って、例えば反射強度関連値Psが上記座標位置X、Y毎に反射強度Pwの相加平均値などの平均値とされる場合と比較して、車両80の移動に伴ってセンサ部12から見え隠れする静止物体82の形状を反射強度関連値Psに反映させやすい。そのため、静止物体82の形状推定を高精度に実施しやすいというメリットがある。
【0088】
(2)また、本実施形態によれば、
図11の学習済みモデル32は、畳み込みニューラルネットワークのエンコーダ32aとデコーダ32bとを有する構成になっている。従って、静止物体82の形状推定に適したニューラルネットワークの構成を実現することができる。
【0089】
(3)また、本実施形態によれば、
図2のセンサ部12の物体検知領域Asは、
図2に示した仮想平面PLvに対し車両左右方向D2の一方側(具体的には、左側)へ拡がり、車両左右方向D2の他方側へは及んでいない。その仮想平面PLvは、第1座標系CT1の相対距離Rrが零になる位置R0pすなわちセンサ原点R0の位置R0pを通り、且つ車両前後方向D1と車両上下方向D3とに平行に形成される。
【0090】
そのため、静止物体82上の反射点Prが物体検知領域As内の何れの位置にあっても、
図5の第1反射強度マップM1の相対距離Rrと相対速度Vrとが定まれば、その反射点Prの座標位置X、Yは一意に定まる。そして、本実施形態では、第2反射強度マップM2の全ての座標位置X、Yはセンサ部12の物体検知領域Asに入る。つまり、
図5の相対距離Rrと相対速度Vrとが定まれば、
図7の第2反射強度マップM2の座標位置X、Yが一意に定まる。従って、処理負荷を低く抑えて、
図5の第1反射強度マップM1から
図7の第2反射強度マップM2を生成することが可能である。
【0091】
(4)また、本実施形態によれば、センサ部12が有する送信アンテナ素子121の数は1つであり、センサ部12が有する受信アンテナ素子122の数も1つである。すなわち、センサ部12は、複数の送信アンテナ素子121が水平方向Dhに並んだ構成を備えておらず、複数の受信アンテナ素子122が水平方向Dhに並んだ構成も備えていない。
【0092】
従って、反射点Prの方位を推定する演算処理を行うことなく
図5の第1反射強度マップM1を基に静止物体82の形状推定を行う上で、送信アンテナ素子121および受信アンテナ素子122の構成を過不足のない構成にすることが可能である。例えば安価なセンサ部12を用いて、静止物体82の形状推定を行うことができる。
【0093】
(5)また、本実施形態によれば、
図4のステップS104において第1座標系CT1を第2座標系CT2に座標変換することとは、具体的には、次の処理を、第2反射強度マップM2の全グリッド30にわたってそのグリッド30の座標位置X、Y毎に行うことである。すなわち、その処理では、第2反射強度マップM2の全てのグリッド30のうち、反射強度Pwが未だ格納されていないグリッド30、すなわち選択グリッド30aが1つ選択される。次に、第1座標系CT1の相対距離Rrと相対速度Vrとが、その選択グリッド30aの座標位置X、Yと自車速Veと自車位置Xe、Yeとを用いて上記式F3、式F4、式F11、式F12から算出される。そして、その算出された相対距離Rrと相対速度Vrとに対する第1反射強度マップM1の反射強度Pwが、第2反射強度マップM2での選択グリッド30aの座標位置X、Yに対する反射強度Pwとして記憶される。
【0094】
従って、第1座標系CT1から第2座標系CT2に座標変換するための演算負荷を低く抑えることが可能である。
【0095】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の実施形態の説明においても同様である。
【0096】
図13に示すように、本実施形態では、第1実施形態と異なり、センサ部12は複数の受信アンテナ素子122を有している。具体的に、センサ部12が有する受信アンテナ素子122の数は2つである。この複数の受信アンテナ素子122は、水平方向Dhには並んでおらず、車両上下方向D3に並んでいる。
【0097】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0098】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0099】
図14に示すように、本実施形態では、第1実施形態と異なり、センサ部12は複数の送信アンテナ素子121を有している。具体的に、センサ部12が有する送信アンテナ素子121の数は2つである。この複数の送信アンテナ素子121は、水平方向Dhには並んでおらず、車両上下方向D3に並んでいる。
【0100】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0101】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0102】
図15に示すように、本実施形態では、車両80に対するセンサ部12の取付け向きが第1実施形態と異なっている。
【0103】
具体的に、本実施形態のセンサ部12は、センサ部12の正面を車両左右方向D2の左側かつ車両前後方向D1の斜め前側に向けて車両80に取り付けられている。そのため、センサ部12の物体検知領域Asは、
図15の仮想平面PLvに対し車両左右方向D2の一方側(具体的には、左側)へ拡がった一方側領域A1と、仮想平面PLvに対し車両左右方向D2の他方側へ拡がった他方側領域A2とを有している。そして、その他方側領域A2は一方側領域A1よりも狭い。なお、
図15の仮想平面PLvは、
図2の仮想平面PLvと同じく、センサ原点R0の位置R0pを通り、且つ車両前後方向D1と車両上下方向D3とに平行である。
【0104】
本実施形態のマップ対象領域Amは、
図15の仮想平面PLvを基準に他方側領域A2を車両左右方向D2の一方側(具体的には、左側)へ反転して得られる反転他方側領域A2rを一方側領域A1から除いた領域とされる。従って、本実施形態のマップ対象領域Amは、センサ部12の物体検知領域Asのうちの一部分になり、物体検知領域Asよりも狭くなる。なお、本実施形態でも第1実施形態と同様に、第2反射強度マップM2は、その第2反射強度マップM2の全ての座標位置X、Yがそのマップ対象領域Amに入るように形成される。
【0105】
(1)上述したように、本実施形態によれば、センサ部12の物体検知領域Asは、
図15の仮想平面PLvに対し車両左右方向D2の一方側へ拡がった一方側領域A1と、仮想平面PLvに対し車両左右方向D2の他方側へ拡がった他方側領域A2とを有している。また、その他方側領域A2は一方側領域A1よりも狭い。また、マップ対象領域Amは、仮想平面PLvを基準に他方側領域A2を車両左右方向D2の一方側へ反転して得られる反転他方側領域A2rを一方側領域A1から除いた領域とされる。そして、第2反射強度マップM2の全ての座標位置X、Yはそのマップ対象領域Amに入る。
【0106】
そのため、
図5の第1反射強度マップM1の相対距離Rrと相対速度Vrとが定まれば、
図7の第2反射強度マップM2の座標位置X、Yが一意に定まる。従って、処理負荷を低く抑えて、
図5の第1反射強度マップM1から
図7の第2反射強度マップM2を生成することが可能である。
【0107】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0108】
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態または第3実施形態と組み合わせることも可能である。
【0109】
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態では、
図7に示すように、第2反射強度マップM2は、矩形状の二次元領域を占めるように形成されているが、これは一例であり、第2反射強度マップM2を判りやすく説明するためである。その第2反射強度マップM2が占める二次元領域の形状に限定はなく、例えば扇形状または略扇形状になっていても差し支えない。このことは、
図9の反射強度蓄積マップMsについても同様である。
【0110】
(2)上述の各実施形態では、
図4のステップS105で採用される算出規則は、反射強度蓄積マップMsの反射強度関連値Psを座標位置X、Y毎に、複数の第2反射強度マップM2における座標位置X、Y毎の反射強度Pwのうちの最大値にすることである。しかしながら、これは一例である。例えば、上記算出規則は、座標位置X、Y毎の反射強度関連値Psをそれぞれ、複数の第2反射強度マップM2における座標位置X、Y毎の反射強度Pwの相加平均値または加重平均値にすることであっても差し支えない。例えば、座標位置X、Y毎の反射強度関連値Psが反射強度Pwの加重平均値とされる場合には、その反射強度Pwを有する第2反射強度マップM2が新しいほど、加重平均での重みが大きくされるのが好ましい。
【0111】
(3)上述の各実施形態では、
図7等に示された第2座標系CT2は、車両80が移動しても動かない固定された座標系であるとされているが、これは一例である。反射強度蓄積マップMsの基になる全ての第2反射強度マップM2で第2座標系CT2が同一になっていれば、第2座標系CT2は、固定された座標系でなくてもよい。
【0112】
(4)上述の各実施形態では、例えば
図2に示すセンサ部12はミリ波レーダ装置であるが、これは一例である。
図5に示す相対距離Rrと相対速度Vrとに対する反射強度Pwの分布を得ることが可能であれば、そのセンサ部12は、例えばLiDARなど、レーダ装置以外の他のセンサであっても差し支えない。
【0113】
(5)上述の各実施形態において、電子制御装置14は独立した装置である必要はなく、車載制御装置の機能的な一部分としてその車載制御装置に含まれる制御部であっても差し支えない。
【0114】
(6)なお、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
【0115】
また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
【0116】
また、本開示に記載の電子制御装置14及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の電子制御装置14及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の電子制御装置14及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【符号の説明】
【0117】
12 センサ部
16 第1マップ生成部
18 エゴモーション知得部
20 第2マップ生成部
22 反射強度蓄積マップ生成部
24 推定部
M1 第1反射強度マップ
M2 第2反射強度マップ
Ms 反射強度蓄積マップ
Mf 物体形状マップ