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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165791
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20241121BHJP
   G06Q 30/0283 20230101ALI20241121BHJP
【FI】
G06Q50/30
G06Q30/0283 492
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082285
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】田辺 孝由樹
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB01
5L049BB01
5L049CC42
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】交通機関を乗り合わせる場合に各ユーザの運賃を公平にする技術を提供する。
【解決手段】処理部220は、第1通常運賃と第1相乗り区間割合とを乗算した第1相乗り区間通常運賃と、第2通常運賃と第2相乗り区間割合とを乗算した第2相乗り区間通常運賃とを算出する。処理部220は、第1相乗り区間通常運賃を相乗り人数で除算してからシステム利用料を積算した第1相乗り区間運賃と、第2相乗り区間通常運賃を相乗り人数で除算してからシステム利用料を積算した第2相乗り区間運賃とを算出する。処理部220は、第1通常運賃から第1相乗り区間通常運賃を減算した第1相乗り区間外運賃と、第2通常運賃から第2相乗り区間通常運賃を減算した第2相乗り区間外運賃とを算出する。処理部220は、第1相乗り区間運賃と第1相乗り区間外運賃とを加算した第1運賃と、第2相乗り区間運賃と第2相乗り区間外運賃とを加算した第2運賃とを算出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザに対する第1出発地から第1目的地への第1経路を取得するステップと、
第2ユーザに対する第2出発地から第2目的地への第2経路を取得するステップと、
前記第1経路と前記第2経路の共通部分であって、かつ前記第1ユーザと前記第2ユーザが相乗り可能な相乗り区間を取得するステップと、
前記第1経路において前記相乗り区間がしめる割合である第1相乗り区間割合と、前記第2経路において前記相乗り区間がしめる割合である第2相乗り区間割合とを算出するステップと、
前記第1経路の距離をもとにした第1通常運賃と、前記第2経路の距離をもとにした第2通常運賃とを算出するステップと、
前記第1通常運賃と前記第1相乗り区間割合とを乗算した第1相乗り区間通常運賃と、前記第2通常運賃と前記第2相乗り区間割合とを乗算した第2相乗り区間通常運賃とを算出するステップと、
前記第1相乗り区間通常運賃を相乗り人数で除算してからシステム利用料を積算した第1相乗り区間運賃と、前記第2相乗り区間通常運賃を前記相乗り人数で除算してから前記システム利用料を積算した第2相乗り区間運賃とを算出するステップと、
前記第1通常運賃から前記第1相乗り区間通常運賃を減算した第1相乗り区間外運賃と、前記第2通常運賃から前記第2相乗り区間通常運賃を減算した第2相乗り区間外運賃とを算出するステップと、
前記第1相乗り区間運賃と前記第1相乗り区間外運賃とを加算した第1運賃と、前記第2相乗り区間運賃と前記第2相乗り区間外運賃とを加算した第2運賃とを算出するステップと、
を備える処理方法。
【請求項2】
第1ユーザに対する第1出発地から第1目的地への第1経路を取得するステップと、
第2ユーザに対する第2出発地から第2目的地への第2経路を取得するステップと、
前記第1経路と前記第2経路の共通部分であって、かつ前記第1ユーザと前記第2ユーザが相乗り可能な相乗り区間を取得するステップと、
前記第1経路において前記相乗り区間がしめる割合である第1相乗り区間割合と、前記第2経路において前記相乗り区間がしめる割合である第2相乗り区間割合とを算出するステップと、
前記第1経路の距離をもとにした第1通常運賃と、前記第2経路の距離をもとにした第2通常運賃とを算出するステップと、
前記第1通常運賃と前記第1相乗り区間割合とを乗算した第1相乗り区間通常運賃と、前記第2通常運賃と前記第2相乗り区間割合とを乗算した第2相乗り区間通常運賃とを算出するステップと、
前記第2相乗り区間通常運賃を相乗り人数で除算してからシステム利用料を積算した第2相乗り区間運賃とを算出するステップと、
前記第1相乗り区間通常運賃と前記第2相乗り区間運賃との安い方を第1相乗り区間運賃として取得するステップと、
前記第1通常運賃から前記第1相乗り区間通常運賃を減算した第1相乗り区間外運賃と、前記第2通常運賃から前記第2相乗り区間通常運賃を減算した第2相乗り区間外運賃とを算出するステップと、
前記第1相乗り区間運賃と前記第1相乗り区間外運賃とを加算した第1運賃と、前記第2相乗り区間運賃と前記第2相乗り区間外運賃とを加算した第2運賃とを算出するステップと、
を備える処理方法。
【請求項3】
前記第1運賃に第1クーポン額を反映させるステップと、
前記第2運賃に第2クーポン額を反映させるステップとをさらに備える請求項1または2に記載の処理方法。
【請求項4】
前記第1相乗り区間通常運賃から前記第1相乗り区間運賃を減算した相乗りクーポン額を算出するステップと、
前記第1相乗り区間通常運賃で決済してから、前記相乗りクーポン額を還元するステップとをさらに備える請求項1または2に記載の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、処理技術に関し、特に交通機関の運賃を決定する処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電車、バス等の交通機関を利用する際の運賃精算のために非接触型IC(Integrated Circuit)を備えた端末装置が使用される。このような端末装置を運賃精算だけではなく、降車案内にも利用することが望まれる。そのために、端末装置は、乗車停留所コードと降車停留所コードをバス車両の精算手段に送信し、精算手段は、運行経路と停留所コードを予め記憶しており、受信した降車停留所コードが運行経路に含まれていない場合に端末装置に警告する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-276940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
交通機関の1つであるタクシーは、見知らぬ他人が乗り合わせることを想定していない。タクシーによる運搬効率、ユーザが支払うべき金額の低下を考慮すると、見知らぬ他人であっても複数のユーザを乗り合わさせることが好ましい。複数のユーザが乗り合わせる場合に、各ユーザの運賃を公平にすることが求められる。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のユーザが交通機関を乗り合わせる場合に各ユーザの運賃を公平にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の処理方法は、第1ユーザに対する第1出発地から第1目的地への第1経路を取得するステップと、第2ユーザに対する第2出発地から第2目的地への第2経路を取得するステップと、第1経路と第2経路の共通部分であって、かつ第1ユーザと第2ユーザが相乗り可能な相乗り区間を取得するステップと、第1経路において相乗り区間がしめる割合である第1相乗り区間割合と、第2経路において相乗り区間がしめる割合である第2相乗り区間割合とを算出するステップと、第1経路の距離をもとにした第1通常運賃と、第2経路の距離をもとにした第2通常運賃とを算出するステップと、第1通常運賃と第1相乗り区間割合とを乗算した第1相乗り区間通常運賃と、第2通常運賃と第2相乗り区間割合とを乗算した第2相乗り区間通常運賃とを算出するステップと、第1相乗り区間通常運賃を相乗り人数で除算してからシステム利用料を積算した第1相乗り区間運賃と、第2相乗り区間通常運賃を相乗り人数で除算してからシステム利用料を積算した第2相乗り区間運賃とを算出するステップと、第1通常運賃から第1相乗り区間通常運賃を減算した第1相乗り区間外運賃と、第2通常運賃から第2相乗り区間通常運賃を減算した第2相乗り区間外運賃とを算出するステップと、第1相乗り区間運賃と第1相乗り区間外運賃とを加算した第1運賃と、第2相乗り区間運賃と第2相乗り区間外運賃とを加算した第2運賃とを算出するステップと、を備える。
【0007】
本開示の別の態様もまた、処理方法である。この方法は、第1ユーザに対する第1出発地から第1目的地への第1経路を取得するステップと、第2ユーザに対する第2出発地から第2目的地への第2経路を取得するステップと、第1経路と第2経路の共通部分であって、かつ第1ユーザと第2ユーザが相乗り可能な相乗り区間を取得するステップと、第1経路において相乗り区間がしめる割合である第1相乗り区間割合と、第2経路において相乗り区間がしめる割合である第2相乗り区間割合とを算出するステップと、第1経路の距離をもとにした第1通常運賃と、第2経路の距離をもとにした第2通常運賃とを算出するステップと、第1通常運賃と第1相乗り区間割合とを乗算した第1相乗り区間通常運賃と、第2通常運賃と第2相乗り区間割合とを乗算した第2相乗り区間通常運賃とを算出するステップと、第2相乗り区間通常運賃を相乗り人数で除算してからシステム利用料を積算した第2相乗り区間運賃とを算出するステップと、第1相乗り区間通常運賃と第2相乗り区間運賃との安い方を第1相乗り区間運賃として取得するステップと、第1通常運賃から第1相乗り区間通常運賃を減算した第1相乗り区間外運賃と、第2通常運賃から第2相乗り区間通常運賃を減算した第2相乗り区間外運賃とを算出するステップと、第1相乗り区間運賃と第1相乗り区間外運賃とを加算した第1運賃と、第2相乗り区間運賃と第2相乗り区間外運賃とを加算した第2運賃とを算出するステップと、を備える。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、複数のユーザが交通機関を乗り合わせる場合に各ユーザの運賃を公平にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1に係る処理システムの処理の一例の概要を示す図である。
図2図1の処理システムの構成を示す図である。
図3図2の処理システムによる処理手順を示すシーケンス図である。
図4図2の記憶部に記憶されるテーブルのデータ構造を示す図である。
図5図3に続く処理手順を示すシーケンス図である。
図6図6(a)-(f)は、図2の処理部における相乗り可能の判定処理の概要を示す図である。
図7図7(a)-(b)は、図2の記憶部に記憶されるデータベースのデータ構造を示す図である。
図8図5に続く処理手順を示すシーケンス図である。
図9図9(a)-(b)は、図2の記憶部に記憶される別のデータベースのデータ構造を示す図である。
図10】実施例2に係る処理システムによる処理手順を示すシーケンス図である。
図11図10に続く処理手順を示すシーケンス図である。
図12図11に続く処理手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
本開示を具体的に説明する前に、概要を述べる。実施例1は、交通事業者に対する運賃と、サービス事業者に対するサービス利用額(クーポン)とを連携させて、最終的な運行料金を決定する処理システムに関する。交通事業者の一例はタクシー事業者である。ここで、運賃とは、ユーザがタクシーに乗車して移動した場合に乗車距離に応じて決められる金額である。また、運行料金とは、運賃をもとに決められる金額であり、かつユーザがタクシー事業者に対して支払うべき最終的な金額である。
【0012】
これまで、タクシー事業者とサービス拠点とは連携していないので、ユーザがタクシーを利用してサービス拠点を利用する場合、ユーザがタクシー事業者に支払うべき運行料金は運賃に等しい。また、ユーザは、サービス拠点のサービス事業者にサービス利用額を支払っている。つまり、運賃とサービス利用額の支払いは個別になされている。サービス拠点を利用する際の運行料金が安くなれば、ユーザはサービス拠点を利用する頻度が高くなる可能性がある。また、サービス拠点を利用する頻度が高くなると、サービス拠点におけるサービス利用額が増加する可能性がある。これを実現するために、本実施例では、ユーザがタクシーを利用してサービス拠点を利用する場合に、サービス事業者がクーポンを発行する。また、運行料金は、運賃からクーポンの金額を差し引くことによって決められる。つまり、サービス事業者、運賃の一部を負担する。
【0013】
このような処理システムにおいて、タクシーによる運搬効率、運行料金の低下を考慮すると、見知らぬ他人であっても複数のユーザがタクシーを乗り合わさせることが好ましい。そのような状況において、各ユーザの運賃を公平にすることが求められる。第1ユーザが乗車する第1経路と、第2ユーザが乗車する第2経路のうち、共通した部分において第1ユーザと第2ユーザは相乗り可能である。相乗り可能な区間(以下、「相乗り区間」という)における運賃を折半することによって、第1ユーザの運賃と第2ユーザの運賃とを決定可能である。
【0014】
一方、タクシーの運賃は、一般的に初乗り運賃に(距離)加算運賃を加えることによって決定される。また、初乗り運賃と加算運賃とでは、距離に対する金額が異なる。そのため、第1経路の距離と第2経路の距離が異なる場合、相乗り区間に対する初乗り運賃の影響も異なる。前述のように相乗り区間における運賃を折半する場合、第1ユーザの運賃と第2ユーザの運賃とでは、相乗り区間に対する初乗り運賃の影響が異なる。相乗り区間に対する初乗り運賃の影響が異なる場合、各ユーザの運賃は公平とはいえない。各ユーザの運賃を公平にするために、本実施例では、相乗り区間に対する初乗り運賃の影響を等しくするように運賃を決定する。
【0015】
図1は、処理システム1000の処理の一例の概要を示す。ここでは、第1ユーザ10aが第1出発地20aから第1目的地22aまで第1経路24aに沿ってタクシー60に乗車して移動する場合を想定する。また、第2ユーザ10bが第2出発地20bから第2目的地22bまで第2経路24bに沿ってタクシー60に乗車して移動することも想定される。説明を明瞭にするために第1目的地22aと第2目的地22bは同一であるとする。さらに、第1経路24aと第2経路24bは相乗り区間26において共通であり、第1ユーザ10aと第2ユーザ10bは相乗り区間26においてタクシー60を相乗りする。
【0016】
このような状況をさらに詳しく説明すると、第1ユーザ10aは、第1出発地20aにおいてタクシー60に乗車する。タクシー60は、第1出発地20aから第1経路24aに沿って移動し第2出発地20bに到着する。第2ユーザ10bは、第2出発地20bにおいてタクシー60に乗車する。タクシー60は、第2出発地20bから第1経路24a(第2経路24b)に沿って移動し第1目的地22a(第2目的地22b)に到着する。ここで、第2出発地20bから第1目的地22a(第2目的地22b)への第1経路24aの一部(第2経路24b)が相乗り区間26である。第1ユーザ10aと第2ユーザ10bは第1目的地22a(第2目的地22b)においてタクシー60から降車する。このような状況において、処理システム1000は、第1ユーザ10aの運賃と第2ユーザ10bとの運賃とを公平になるように決定する。運賃の決定については後述する。
【0017】
さらに、第1目的地22a(第2目的地22b)には、例えばサービス拠点が存在する。サービス拠点は、サービス事業者によって運営されるサービスの提供施設である。サービス拠点は、例えば、病院、薬局、学校、塾、習い事の教室、レストラン、食事処、喫茶店、スーパーマーケット、ショッピングモール、観光スポット、観光施設、フィットネス、ジム、健康管理センタ、人間ドック、美容室、理容院、美術館、科学館、ゴルフ場、映画館、シアター、スタジアム、ホール、展示場、ボーリング、カラオケ、老人ホーム、介護施設、ホテル、旅館、宿泊施設、温泉施設、ダーツ場、コンビニ、銀行、郵便局、金融機関、遊園地、動物園、水族館、テーマパーク、カルチャーセンターである。
【0018】
第1ユーザ10aと第2ユーザ10bがサービス拠点を予約した場合に、サービス事業者は、予約に対するクーポン(以下、「予約クーポン」という)を発行する。また、第1ユーザ10aと第2ユーザ10bがサービス拠点を利用した場合に、サービス事業者は、利用に対するクーポン(以下、「利用クーポン」という)を発行する。例えば、予約クーポンの金額は、一定の金額として予め定められる。また、第1ユーザ10aに対する利用クーポンの金額は、第1ユーザ10aがサービス拠点において支払った金額に応じて決定され、第2ユーザ10bに対する利用クーポンの金額は、第2ユーザ10bがサービス拠点において支払った金額に応じて決定される。
【0019】
処理システム1000は、第1ユーザ10a(第2ユーザ10b)がサービス拠点に向かう場合に、タクシー60の運賃から予約クーポンの金額を差し引くことによって運行料金を決定する。処理システム1000は、第1ユーザ10a(第2ユーザ10b)がサービス拠点から出て行く場合に、タクシー60の運賃から利用クーポンの金額を差し引くことによって運行料金を決定する。
【0020】
図2は、処理システム1000の構成を示す。処理システム1000は、端末装置100と総称される第1端末装置100a、第2端末装置100b、サービス事業者端末装置110、タクシー端末装置112、タクシー管制端末装置114、バス端末装置116、バスチケット販売所端末装置118、処理装置200を含む。処理装置200は、通信部210、処理部220、記憶部230を含む。
【0021】
第1端末装置100aは第1ユーザ10a(図1)に使用され、第2端末装置100bは第2ユーザ10b(図1)に使用される。端末装置100は、例えば、スマートフォンであり、無線通信により処理装置200と通信可能である。
【0022】
サービス事業者端末装置110、タクシー端末装置112、タクシー管制端末装置114、バス端末装置116、バスチケット販売所端末装置118は、例えば、スマートフォンであり、無線通信により処理装置200と通信可能である。これらは、使用者が異なるとともに、処理システム1000のために実行するアプリケーションが異なる。サービス事業者端末装置110はサービス事業者の担当者に使用され、タクシー端末装置112はタクシー60の運転手に使用され、タクシー管制端末装置114はタクシー事業者の管制の担当者に使用される。バス端末装置116はバスの運転手に使用され、バスチケット販売所端末装置118はバス事業者のチケット販売所の担当者に使用される。バス事業者を含んだ処理については後述する。
【0023】
処理装置200は、処理システム1000のための処理を実行可能なコンピュータである。処理装置200の通信部210は、第1端末装置100a、第2端末装置100b、サービス事業者端末装置110、タクシー端末装置112、タクシー管制端末装置114、バス端末装置116、バスチケット販売所端末装置118と通信可能である。処理部220は、通信部210を介して第1端末装置100a~バスチケット販売所端末装置118の少なくとも1つから受信した信号をもとに、処理システム1000のための処理を実行する。処理部220は、処理システム1000のための処理を実行する際に、記憶部230に記憶された情報を使用してもよい。また、処理部220は、通信部210を介して第1端末装置100a~バスチケット販売所端末装置118の少なくとも1つに信号を送信する。
【0024】
処理システム1000のための処理を説明するために、以下では、図3から図8も使用する。処理システム1000では、第1ユーザ10aを識別するためのユーザID(以下、「第1ユーザID」という)と、第2ユーザ10bを識別するためのユーザID(以下、「第2ユーザID」という)と、サービス事業者を識別するためのサービス事業者IDがそれぞれ設定される。
【0025】
図3は、処理システム1000による処理手順を示すシーケンス図である。第1ユーザ10aは第1端末装置100aを使用してサービス事業者の利用を予約する。予約は、インターネットを介してサービス事業者のサーバ(図示せず)に対してなされてもよいし、サービス事業者端末装置110を使用する担当者との通話によってなされてもよい。サービス事業者のサーバまたはサービス事業者端末装置110は、予約によって第1ユーザ10aの予約の情報を生成する。第1ユーザ10aの予約の情報は、第1ユーザID、サービス事業者ID、予約日時を含む。サービス事業者のサーバとサービス事業者端末装置110は、予約の情報を共有する。サービス事業者端末装置110は、予約の情報を受けつけると、第1ユーザ10aに対する予約クーポンを発行する(S10)。前述のごとく、予約クーポンの金額は一定の金額として予め定められる。サービス事業者端末装置110は予約クーポンの発行の通知を処理装置200に送信する(S12)。予約クーポンの発行の通知には、第1ユーザID、サービス事業者ID、予約クーポンの金額が含まれる。
【0026】
処理装置200の通信部210は、予約クーポンの発行の通知をサービス事業者端末装置110から受信する。処理部220は、通信部210が予約クーポンの発行の通知を受信すると、第1ユーザ10aに対する予約クーポンを発行する(S14)。予約クーポンには、発行元であるサービス事業者ID、受取先である第1ユーザID、予約クーポンの金額が紐付けられる。処理部220は、予約クーポンの情報を記憶部230に記憶する。通信部210は、処理部220において発行された予約クーポンを第1端末装置100aに送信する(S16)。
【0027】
第1端末装置100aは、予約クーポンを処理装置200から受信すると、予約クーポンを記憶する。第1ユーザ10aは、第1端末装置100aを使用して処理装置200にアクセスしてタクシーの予約を実行する(S18)とともに、タクシーの予約の情報を処理装置200に送信する(S20)。タクシーの予約の情報には、第1ユーザID、乗車時間帯、第1出発地20a、第1目的地22aが含まれる。乗車時間帯は例えば「11:00」のように示され、第1出発地20aと第1目的地22aは例えば緯度と経度によって示される。
【0028】
処理装置200の通信部210は、タクシーの予約の情報を第1端末装置100aから受信する。処理部220は、通信部210が受信したタクシーの予約の情報から、第1ユーザID、乗車時間帯、第1出発地20a、第1目的地22aの情報を取得することによって予約を受けつける(S22)。処理部220は、予約を受けつけると、第1ユーザID、乗車時間帯、第1出発地20a、第1目的地22aの情報を記憶部230に記憶するとともに、記憶部230に記憶されたテーブルを参照しながら相乗りのためのマッチングを開始する(S24)。
【0029】
図4は、記憶部230に記憶されるテーブルのデータ構造を示す。マッチングは、テーブルにおける「1」、「2」、「3」の順になされる。処理部220は、「1:先の予約受付がある」か否かを確認する。先の予約受付の有無は、他のユーザ10に対するユーザID、乗車時間帯、出発地、目的地の情報が記憶部230に記憶されているか否かで判定する。1:先の予約受付がある場合に、処理部220は、当該先の予約受付のユーザ10と「2:相乗り可能である」か否かを確認する。2:相乗り可能である場合に、処理部220は、「3:相乗り承諾が得られた」か否かを確認する。3:相乗り承諾が得られた場合に、処理部220は相乗りを決定する。一方、先の予約受付がない場合、または相乗り可能でない場合、または相乗り承諾が得られない場合、処理部220は、相乗りしないことを決定する。図3に戻る。
【0030】
ここでは、第1ユーザ10aのタクシー予約よりも先の予約受付がないので、処理部220は相乗りしないことを決定する。処理部220は、第1ユーザIDに対応づけられた第1ユーザ10aの運賃を計算する(S26)。具体的に説明すると、処理部220は、第1ユーザ10aの第1出発地20aから第1目的地22aに至る経路の候補を複数生成し、複数の経路の候補のうちの1つを第1経路24aとして選択する。ここで、複数の経路の候補の生成には公知の技術が使用されればよい。また、複数の経路の候補のそれぞれの乗車距離の中から、例えば、最短の乗車距離を有する経路の候補が選択されればよい。つまり、処理部220は、第1ユーザ10aに対する第1出発地20aから第1目的地22aへの第1経路24aを取得する。
【0031】
記憶部230は乗車距離と運賃との対応関係を予め記憶しており、処理部220は、記憶部230に記憶された対応関係を参照して、第1経路24aを単独で乗車した場合の通常運賃(以下、「第1通常運賃」という)を算出する。通常運賃は、初乗り運賃に加算運賃を加えた運賃である。つまり、処理部220は、第1経路24aの距離をもとにした第1通常運賃を算出する。処理部220は、第1ユーザIDに対応づけて、第1経路24a、第1通常運賃を記憶部230に記憶する。
【0032】
第1ユーザ10aは、第1端末装置100aを操作して、既に記憶した予約クーポンを読み取る(S28)。第1端末装置100aは予約クーポンを処理装置200に送信する(S30)。
【0033】
処理装置200の通信部210は、予約クーポンを第1端末装置100aから受信する。処理部220は、通信部210において受信した予約クーポンからサービス事業者ID、第1ユーザID、予約クーポンの金額を取得する。処理部220は、予約クーポンの第1ユーザIDと、第1通常運賃の第1ユーザIDとが一致する場合、予約クーポンの金額を記憶部230に記憶させるとともに、第1通常運賃から予約クーポン等の金額を差し引くことによって運行料金(以下、「第1運行料金」という)を確定する(S32)。予約クーポン以外に差し引く金額については後述する。処理部220は、第1ユーザIDに対応づけて、第1運行料金を記憶部230に記憶する。通信部210は、第1運行料金を第1端末装置100aに送信する(S34)。
【0034】
第1端末装置100aは第1運行料金を処理装置200から受信する。第1端末装置100aは第1運行料金をディスプレイに表示する(S36)。第1ユーザ10aは、ディスプレイに表示された第1運行料金を確認して、第1運行料金による決済を実行するための決済情報を第1端末装置100aに入力する(S38)。第1端末装置100aは、決済情報を処理装置200に送信する(S40)。決済情報には、第1ユーザID、第1運行料金が含まれる。
【0035】
処理装置200の通信部210は決済情報を受信する。処理部220は、通信部210が受信した決済情報から第1ユーザID、第1運行料金を取得し、第1運行料金による決済を実行する(S42)。決済には公知の技術が使用されればよい。処理装置200の通信部210は、処理部220が決済した後に、タクシー端末装置112に対してタクシー予約の要求を送信する(S44)。タクシー予約の要求には、第1ユーザID、第1出発地20a、第1目的地22a、第1経路24a、乗車時間帯の情報が含まれる。
【0036】
タクシー端末装置112は、タクシー予約の要求を処理装置200から受信する(S46)。タクシー端末装置112は、タクシー予約の要求に含まれた情報をディスプレイに表示する。タクシーの乗員は、表示された情報を確認して配車可能であると判断した場合、タクシー端末装置112を操作して配車を決定する(S48)。タクシー端末装置112は、配車の情報を第1端末装置100aに送信する(S50)。配車の情報には、タクシー端末装置112のID、タクシー60の自動車登録番号標に示された番号、第1出発地20aへの到着予定時刻が含まれる。第1端末装置100aは配車の情報を受信する。
【0037】
タクシーの乗員は、配車可能でないと判断した場合、タクシー端末装置112を操作して配車拒否を決定する。タクシー端末装置112は配車拒否の情報を処理装置200に送信する。処理装置200の通信部210は、配車拒否の情報を受信すると、別のタクシー端末装置112に対してタクシー予約の要求を送信し、これまでの処理が繰り返される。タクシー60の配車は、タクシー端末装置112に対して直接なされず、タクシー管制端末装置114(図2)を介してなされてもよい。
【0038】
図5は、図3に続く処理手順を示すシーケンス図である。第2ユーザ10bは第2端末装置100bを使用してサービス事業者の利用を予約する。予約は、前述の通りになされる。サービス事業者のサーバまたはサービス事業者端末装置110は、予約によって第2ユーザ10bの予約の情報を生成する。第2ユーザ10bの予約の情報は、第2ユーザID、サービス事業者ID、予約日時を含む。サービス事業者のサーバとサービス事業者端末装置110は、予約の情報を共有する。サービス事業者端末装置110は、予約の情報を受けつけると、第2ユーザ10bに対する予約クーポンを発行する(S100)。サービス事業者端末装置110は予約クーポンの発行の通知を処理装置200に送信する(S102)。予約クーポンの発行の通知には、第2ユーザID、サービス事業者ID、予約クーポンの金額が含まれる。
【0039】
処理装置200の通信部210は、予約クーポンの発行の通知をサービス事業者端末装置110から受信する。処理部220は、通信部210が予約クーポンの発行の通知を受信すると、第2ユーザ10bに対する予約クーポンを発行する(S104)。予約クーポンには、発行元であるサービス事業者ID、受取先である第2ユーザID、予約クーポンの金額が紐付けられる。処理部220は、予約クーポンの情報を記憶部230に記憶する。通信部210は、処理部220において発行された予約クーポンを第2端末装置100bに送信する(S106)。
【0040】
第2端末装置100bは、予約クーポンを処理装置200から受信すると、予約クーポンを記憶する。第2ユーザ10bは、第2端末装置100bを使用して処理装置200にアクセスしてタクシーの予約を実行する(S108)とともに、タクシーの予約の情報を処理装置200に送信する(S110)。タクシーの予約の情報には、第2ユーザID、乗車時間帯、第2出発地20b、第2目的地22bが含まれる。
【0041】
処理装置200の通信部210は、タクシーの予約の情報を第2端末装置100bから受信する。処理部220は、通信部210が受信したタクシーの予約の情報から、第2ユーザID、乗車時間帯、第2出発地20b、第2目的地22bの情報を取得することによって予約を受けつける(S112)。処理部220は、予約を受けつけると、第2ユーザID、乗車時間帯、第2出発地20b、第2目的地22bの情報を記憶部230に記憶するとともに、記憶部230に記憶されたテーブルを参照しながら相乗りのためのマッチングを開始する(S114)。
【0042】
前述のごとく、マッチングは、記憶部230に記憶されるテーブルに示された順番に従ってなされる。まず、処理部220は、「1:先の予約受付がある」か否かを確認する。処理部220は、第1ユーザ10aに対する情報が記憶部230に記憶されているので、先の予約受付があることを確認する。
【0043】
次に、処理部220は、第2ユーザ10bが第1ユーザ10aと「2:相乗り可能である」か否かを確認する。そのために、処理部220は、第2ユーザ10bの出発地(図1の第2出発地20b)から目的地(図1の第2目的地22b)に至る経路の候補を複数生成し、複数の経路の候補のうちの1つを第2経路24bとして選択する。ここで、複数の経路の候補の生成、第2経路24bの選択は前述のとおりなされる。つまり、処理部220は、第2ユーザ10bに対する第2出発地20bから第2目的地22bへの第2経路24bを取得する。
【0044】
処理部220は、記憶部230から第1経路24aを取得し、第1経路24aと第2経路24bの共通部分を特定する。この共通部分は、第1ユーザ10aと第2ユーザ10bが相乗り可能な「相乗り区間」である。また、処理部220は、相乗り区間の距離を第2経路24bの距離で除算することによって、第2経路24bにおいて相乗り区間がしめる割合である第2相乗り区間割合を算出する。
【0045】
処理部220は、第1目的地22aから第1出発地20aに向かうベクトル(以下、「第1ベクトル」という)を特定するとともに、第2目的地22bから第2出発地20bに向かうベクトル(以下、「第2ベクトル」という)を特定する。処理部220は、第1ベクトルと第2ベクトルとのなす角度を経路間角度として取得する。
【0046】
処理部220は、第2相乗り区間割合が75%以上であり、かつ経路間角度が90度以下である場合に、第2ユーザ10bが第1ユーザ10aと相乗り可能であることを確認する。一方、第2相乗り区間割合が75%以上でない場合、または経路間角度が90度以下でない場合、処理部220は、第2ユーザ10bが第1ユーザ10aと相乗り可能でないことを確認する。
【0047】
この処理を説明するために、ここでは、図6(a)-(g)も使用する。図6(a)-(f)は、処理部220における相乗り可能の判定処理の概要を示す。図6(a)は、第1経路24aと第2経路24bの一例であり、図1と同様に示される。図6(a)において第2相乗り区間割合は「100%」である。図6(b)は、図6(a)の第1経路24aに対する第1ベクトル30aと、第2経路24bに対する第2ベクトル30bとを示す。図6(b)において第1ベクトル30aと第2ベクトル30bのなす角度θ1は90度以下である。そのため、図6(a)の第1経路24aと第2経路24bに対して、処理部220は相乗り可能であると判定する。
【0048】
図6(c)は、第1経路24aと第2経路24bの別の一例である。図6(c)では、第1目的地22aと第2目的地22bとが異なる位置に配置される。図6(c)において第2相乗り区間割合は「75%」よりも小さい。図6(d)は、図6(c)の第1経路24aに対する第1ベクトル30aと、第2経路24bに対する第2ベクトル30bとを示す。図6(d)において第1ベクトル30aと第2ベクトル30bのなす角度θ1は90度以下である。そのため、図6(c)の第1経路24aと第2経路24bに対して、処理部220は相乗り可能でないと判定する。
【0049】
図6(e)は、第1経路24aと第2経路24bのさらに別の一例である。図6(e)では、第2経路24bは屈曲した形状を有する。図6(e)において第2相乗り区間割合は「75%」よりも小さい。図6(f)は、図6(e)の第1経路24aに対する第1ベクトル30aと、第2経路24bに対する第2ベクトル30bとを示す。図6(f)において第1ベクトル30aと第2ベクトル30bのなす角度θ2は90度より大きい。そのため、図6(e)の第1経路24aと第2経路24bに対して、処理部220は相乗り可能でないと判定する。図5に戻る。
【0050】
次に、処理部220は、第2ユーザ10bと第1ユーザ10aから「3:相乗り承諾」が得られたか否かを確認する。処理部220は、第1ユーザ10aに対して第2ユーザ10bとの相乗りの承諾を確認するための信号(以下、「相乗り確認」という)を生成する。相乗り確認には、第2ユーザID、第2出発地20b、第2目的地22b、第2経路24bの情報が含まれる。通信部210は相乗り確認を第1端末装置100aに送信する(S116)。
【0051】
第1端末装置100aは相乗り確認を処理装置200から受信する。第1端末装置100aは、相乗り確認に含まれた第2ユーザID、第2出発地20b、第2目的地22b、第2経路24bの情報のうちの少なくとも1つをディスプレイに表示し、第2ユーザ10bとの相乗りを承諾するかを第1ユーザ10aに問い合わせる。第1ユーザ10aは第1端末装置100aを操作することによって相乗りを承諾する(S118)。第1端末装置100aは、相乗り承諾を受けつけた場合、相乗り承諾を示す信号(以下、「相乗り承諾」という)を処理装置200に送信する(S120)。相乗り承諾には、第1ユーザID、第2ユーザIDが含まれる。処理装置200の通信部210が相乗り承諾を第1端末装置100aから受信すると、処理部220は、第1ユーザ10aの相乗りの承諾を確認する。
【0052】
処理部220は、第2ユーザ10bに対して第1ユーザ10aとの相乗りの承諾を確認するための相乗り確認を生成する。相乗り確認には、第1ユーザID、第1出発地20a、第1目的地22a、第1経路24aの情報が含まれる。通信部210は相乗り確認を第2端末装置100bに送信する(S122)。
【0053】
第2端末装置100bは相乗り確認を処理装置200から受信する。第2端末装置100bは、相乗り確認に含まれた第1ユーザID、第1出発地20a、第1目的地22a、第1経路24aの情報のうちの少なくとも1つをディスプレイに表示し、第1ユーザ10aとの相乗りを承諾するかを第2ユーザ10bに問い合わせる。第2ユーザ10bは第2端末装置100bを操作することによって相乗りを承諾する(S124)。第2端末装置100bは、相乗り承諾を受けつけた場合、相乗り承諾を処理装置200に送信する(S126)。相乗り承諾には、第2ユーザID、第1ユーザIDが含まれる。処理装置200の通信部210が相乗り承諾を第2端末装置100bから受信すると、処理部220は、第2ユーザ10bの相乗りの承諾を確認する。処理部220は、第1ユーザ10aと第2ユーザ10bの相乗りの承諾を確認することによって、第1ユーザ10aと第2ユーザ10bとのマッチングを確定する(S128)。
【0054】
マッチングを確定すると、処理部220は、第1ユーザ10aと第2ユーザ10bの相乗り時の運賃を計算する(S130)。ここでは、運賃の計算を説明するために、図7(a)-(b)も使用する。図7(a)-(b)は、記憶部230に記憶されるデータベースのデータ構造を示す。図7(a)-(b)のそれぞれのテーブルの上段には第1ユーザ10aに関する情報が示され、下段には第2ユーザ10bに関する情報が示される。
【0055】
図7(a)における第1ユーザ10aに対する「乗車時間帯」は、前述のタクシー予約の情報から取得される。第1ユーザ10aに対する「乗車距離(見通し)」は第1経路24aを選択する際に取得される。第1ユーザ10aに対する「乗車距離(実績)」は、現時点において取得されずに第1ユーザ10aが降車したタイミングで取得される。第1ユーザ10aに対する「通常運賃」は前述の第1通常運賃である。第1ユーザ10aに対する「相乗り区間距離」は、「2:相乗り可能である」か否かを確認する際に取得される。
【0056】
第1ユーザ10aに対する「相乗り区間割合」は、第1経路24aにおいて相乗り区間がしめる割合である割合(以下、「第1相乗り区間割合」ともいう)である。第1相乗り区間割合は、処理部220において、相乗り区間の距離を第1経路24aの距離で除算することにより算出される。第1ユーザ10aに対する「相乗り区間外割合」は、第1経路24aにおいて相乗り区間以外がしめる割合である割合(以下、「第1相乗り区間外割合」ともいう)である。第1相乗り区間外割合は、処理部220において、1から第1相乗り区間割合を減算することにより算出される。第1ユーザ10aに対する「システム利用料」は処理システム1000を使用するための料金であり、例えば「1.3」のように予め定められる。
【0057】
図7(a)における第2ユーザ10bに対する「乗車時間帯」も、前述のタクシー予約の情報から取得される。第2ユーザ10bに対する「乗車距離(見通し)」は第2経路24bを選択する際に取得される。第2ユーザ10bに対する「乗車距離(実績)」は、現時点において取得されずに第2ユーザ10bが降車したタイミングで取得される。第2ユーザ10bに対する「通常運賃」は、第2経路24bを単独で乗車した場合の通常運賃(以下、「第2通常運賃」という)である。第2通常運賃は、前述の第1通常運賃と同様に、記憶部230に予め記憶された乗車距離と運賃との対応関係をもとに処理部220により算出される。第2ユーザ10bに対する「相乗り区間距離」も、「2:相乗り可能である」か否かを確認する際に取得される。
【0058】
第2ユーザ10bに対する「相乗り区間割合」は、「2:相乗り可能である」か否かを確認する際に取得された第2相乗り区間割合である。第2ユーザ10bに対する「相乗り区間外割合」は、第2経路24bにおいて相乗り区間以外がしめる割合である割合(以下、「第2相乗り区間外割合」ともいう)である。第2相乗り区間外割合は、処理部220において、1から第2相乗り区間割合を減算することにより算出される。第2ユーザ10bに対する「システム利用料」も処理システム1000を使用するための料金であり、例えば「1.3」のように予め定められる。
【0059】
図7(b)における「相乗り区間通常運賃」には、次のように算出した値が入力される。処理部220は、第1ユーザ10aに対して、第1通常運賃と第1相乗り区間割合とを乗算した結果(以下、「第1相乗り区間通常運賃」という)を算出する。また、処理部220は、第2ユーザ10bに対して、第2通常運賃と第2相乗り区間割合とを乗算した結果(以下、「第2相乗り区間通常運賃」という)を算出する。
【0060】
「相乗り区間運賃」には、次のように算出した値が入力される。その際、「相乗り人数」に示された値、例えば「2」が使用される。処理部220は、第1ユーザ10aに対して、第1相乗り区間通常運賃を相乗り人数で除算してからシステム利用料を積算した結果(以下、「第1相乗り区間運賃」を算出する。また、処理部220は、第2ユーザ10bに対して、第2相乗り区間通常運賃を相乗り人数で除算してからシステム利用料を積算した結果(以下、「第2相乗り区間運賃」という)を算出する。
【0061】
「相乗り区間外運賃」には、次のように算出した値が入力される。処理部220は、第1通常運賃から第1相乗り区間通常運賃を減算した結果(以下、「第1相乗り区間外運賃」という)を算出する。処理部220は、第1通常運賃と第1相乗り区間外割合とを乗算した結果として「第1相乗り区間外運賃」を算出してもよい。処理部220は、第2通常運賃から第2相乗り区間通常運賃を減算した結果(以下、「第2相乗り区間外運賃」という)を算出する。
【0062】
「相乗り計算後運賃」は、相乗りを考慮した場合の運賃である。「相乗り計算後運賃」には、次のように算出した値が入力される。処理部220は、第1相乗り区間運賃と第1相乗り区間外運賃とを加算した結果(以下、「第1運賃」という)を算出する。また、処理部220は、第2相乗り区間運賃と第2相乗り区間外運賃とを加算した結果(以下、「第2運賃」という)を算出する。例えば、第1ユーザ10aは、第1経路24aを単独で乗車した場合、第1通常運賃「840円」を支払う。一方、第1ユーザ10aは、第1経路24aの相乗り区間で第2ユーザ10bと相乗りし、残りを単独で乗車した場合、第1運賃「742円」を支払う。つまり、相乗りすることによって運賃が低下する。図7(b)の残りは後述して図5に戻る。以上の処理により運賃が確定される(S132)。
【0063】
第2ユーザ10bは、第2端末装置100bを操作して、既に記憶した予約クーポンを読み取る(S134)。第2端末装置100bは予約クーポンを処理装置200に送信する(S136)。
【0064】
処理装置200の通信部210は、予約クーポンを第2端末装置100bから受信する。処理部220は、通信部210において受信した予約クーポンからサービス事業者ID、第2ユーザID、予約クーポンの金額を取得する。処理部220は、予約クーポンの第2ユーザIDと、第2運賃の第2ユーザIDとが一致する場合、予約クーポンの金額を記憶部230のデータベースに記憶させる。
【0065】
処理部220は、相乗りする場合における第1ユーザ10aと第2ユーザ10bの運行料金(以下、それぞれ「第1運行料金」、「第2運行料金」という)を確定する(S138)。図7(b)における「時間帯割引額」は乗車時間帯に応じて予め定められた割引額を示し、「サービス事業者クーポン割引額」は、サービス事業者端末装置110により発行されたクーポン、例えば予約クーポンによる割引額を示す。第1ユーザ10aに対するサービス事業者クーポン割引額を「第1クーポン額」と呼ぶ場合、第2ユーザ10bに対するサービス事業者クーポン割引額は「第2クーポン額」と呼ばれる。また、乗車時間帯に応じて加算がなされる場合、「時間帯割引額」は正の値として示される。「割引総額」は、時間帯割引額とサービス事業者クーポン割引額との合計額を示す。一例として、第1ユーザ10aに対する割引総額は「-300円」であり、第2ユーザ10bに対する割引総額は「-200円」である。
【0066】
「運行料金」は運賃に割引額を反映させた金額である。処理部220は、第1運賃に、第1ユーザ10aの割引総額を反映させることによって第1運行料金を算出する。また、処理部220は、第2運賃に、第2ユーザ10bの割引総額を反映させることによって第2運行料金を算出する。
【0067】
この第1運行料金は「相乗り時の第1運行料金」である。相乗り時の第1運行料金は、例えば、第1運賃「742円」-300円より「442円」である。一方、前述のごとく、処理装置200は、第1ユーザ10aが単独で乗車することを前提として第1運行料金(以下、「単独時の第1運行料金」ともいう)による決済を既に済ませている。単独時の第1運行料金は、例えば、第1通常運賃「840円」-300円より「540円」である。つまり、第1ユーザ10aが単独乗車から相乗り乗車に変更したことによって、第1運行料金が「540円」から「442円」に下がる。処理部220は、第1ユーザ10aに対する決済を済ませているので、この差額を「相乗りクーポン額」として第1ユーザ10aに還元する。処理部220は、単独時の第1運行料金から相乗り時の第1運行料金を減算した相乗りクーポン額を算出する。これは、第1相乗り区間通常運賃から第1相乗り区間運賃を減算した相乗りクーポン額を算出することに相当する。図7に戻る。通信部210は、第2運行料金を第2端末装置100bに送信する(S140)。
【0068】
第2端末装置100bは第2運行料金を処理装置200から受信する。第2端末装置100bは第2運行料金をディスプレイに表示する(S142)。第2ユーザ10bは、ディスプレイに表示された第2運行料金を確認して、第2運行料金による決済を実行するための決済情報を第2端末装置100bに入力する(S144)。第2端末装置100bは、決済情報を処理装置200に送信する(S146)。決済情報には、第2ユーザID、第2運行料金が含まれる。
【0069】
処理装置200の通信部210は決済情報を受信する。処理部220は、通信部210が受信した決済情報から第1ユーザID、第2運行料金を取得し、第2運行料金による決済を実行する(S148)。決済には公知の技術が使用されればよい。処理装置200の通信部210は、処理部220が決済した後に、タクシー端末装置112に対してタクシー予約の要求を送信する(S150)。タクシー予約の要求には、第2ユーザID、第2出発地20b、第2目的地22b、第2経路24b、乗車時間帯の情報が含まれる。さらに、タクシー予約の要求には、第1ユーザID、第1ユーザ10aとの相乗りを示す情報も含まれる。
【0070】
タクシー端末装置112は、タクシー予約の要求を処理装置200から受信する(S152)。タクシー端末装置112は、タクシー予約の要求に含まれた情報をディスプレイに表示する。タクシーの乗員は、表示された情報をもとに、第1ユーザ10aとの相乗りを認識し、タクシー端末装置112を操作して配車を決定する(S154)。タクシー端末装置112は、配車の情報を第2端末装置100bに送信する(S156)。配車の情報には、タクシー端末装置112のID、タクシー60の自動車登録番号標に示された番号、第2出発地20bへの到着予定時刻が含まれる。第2端末装置100bは配車の情報を受信する。処理装置200の通信部210は、相乗りクーポンを第1端末装置100aに送信する(S158)。つまり、処理装置200は、第1ユーザ10aに対して、第1相乗り区間通常運賃で決済してから、相乗りクーポン額を還元する。第1端末装置100aは相乗りクーポンを受信し、相乗りクーポンを記憶する。
【0071】
図8は、図5に続く処理手順を示すシーケンス図である。第1端末装置100aを所持した第1ユーザ10aは第1出発地20aでタクシー60に乗車する(S200)。タクシー60は第1出発地20aから第2出発地20bに移動する。第2端末装置100bを所持した第2ユーザ10bは第2出発地20bでタクシー60に乗車する(S202)。
【0072】
第1端末装置100aを所持した第1ユーザ10aが乗車したタクシー60は第1目的地22aに到着する(S204)。タクシー60の乗員はサービス事業者端末装置110を操作して降車完了の情報を入力する(S206)。降車完了の情報には第1ユーザIDが含まれる。タクシー端末装置112は降車完了の情報を処理装置200に送信する(S208)。処理装置200の通信部210は降車完了の情報を受信する。処理部220は、通信部210が受信した降車完了の情報から第1ユーザIDを取得し、記憶部230に記憶されたデータベースを参照しながら、第1ユーザ10aに対する降車完了処理を実行する(S210)。例えば、処理部220は、記憶部230に記憶された第1ユーザ10aに関する情報に降車完了のフラグを追加する。
【0073】
第2端末装置100bを所持した第2ユーザ10bが乗車したタクシー60は第2目的地22bに到着する(S212)。タクシー60の乗員はサービス事業者端末装置110を操作して降車完了の情報を入力する(S214)。降車完了の情報には第2ユーザIDが含まれる。タクシー端末装置112は降車完了の情報を処理装置200に送信する(S216)。処理装置200の通信部210は降車完了の情報を受信する。処理部220は、通信部210が受信した降車完了の情報から第2ユーザIDを取得し、記憶部230に記憶されたデータベースを参照しながら、第2ユーザ10bに対する降車完了処理を実行する(S218)。例えば、処理部220は、記憶部230に記憶された第2ユーザ10bに関する情報に降車完了のフラグを追加する。第1端末装置100aを所持した第1ユーザ10aはタクシー60から降車し(S220)、第2端末装置100bを所持した第2ユーザ10bもタクシー60から降車する(S222)。
【0074】
これまでの説明において、ユーザ10がサービス拠点を予約または利用した場合に、サービス事業者端末装置110(サービス事業者)は予約クーポンまたは利用クーポンを発行している。予約クーポンまたは利用クーポンはタクシー60の運賃を値引きするために使用される。一方、ユーザ10がバスを利用した場合に、バス端末装置116またはバスチケット販売所端末装置118(バス事業者)はバスクーポンを発行してもよい。バスクーポンは、予約クーポンまたは利用クーポンと同様にタクシー60の運賃を値引きするために使用される。
【0075】
これまで、処理部220における第1運賃と第2運賃の計算は図7(a)-(b)のようになされていたが、これに限定されない。ここでは、処理部220における第1運賃と第2運賃の計算の別の例を図9(a)-(b)を使用しながら説明する。図9(a)-(b)は、記憶部230に記憶される別のデータベースのデータ構造を示す。図9(a)-(b)のそれぞれのテーブルの上段には第1ユーザ10aに関する情報が示され、下段には第2ユーザ10bに関する情報が示される。図9(a)、つまり「乗車時間帯」、「乗車距離(見通し)」、「乗車距離(実績)」、「通常運賃」、「相乗り区間割合」、「相乗り区間外割合」、「システム利用料」については図7(a)と同一である。また、図9(b)の「相乗り区間通常運賃」についても図7(b)と同一である。
【0076】
図9(b)における「相乗り区間運賃」には、次のように算出した値が入力される。その際、「相乗り人数」に示された値、例えば「2」が使用される。処理部220は、第2ユーザ10bに対して、第2相乗り区間通常運賃を相乗り人数で除算してからシステム利用料を積算した結果(以下、「第2相乗り区間運賃」という)を算出する。また、処理部220は、第1ユーザ10aに対して、第1相乗り区間通常運賃と第2相乗り区間運賃との安い方を第1相乗り区間運賃として取得する。これは、基本的に第1相乗り区間運賃を第2相乗り区間運賃と同一の金額にするが、第1相乗り区間運賃の上限値を第1相乗り区間通常運賃とするための処理である。
【0077】
「相乗り区間外運賃」は図7(b)と同一であり、「相乗り計算後運賃」は図7(b)と同様に算出される。「時間帯割引額」、「サービス事業者クーポン割引額」、「割引総額」は図7(b)と同一であり、「運行料金」は図7(b)と同様に算出される。
【0078】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、その他のLSI(Large Scale Integration)で実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0079】
本実施例によれば、第1相乗り区間通常運賃を相乗り人数で除算してからシステム利用料を積算した第1相乗り区間運賃と、第2相乗り区間通常運賃を相乗り人数で除算してからシステム利用料を積算した第2相乗り区間運賃とを算出するので、相乗り区間に対する初乗り運賃の影響を公平にできる。また、相乗り区間に対する初乗り運賃の影響が公平になるので、複数のユーザが交通機関を乗り合わせる場合に各ユーザの運賃を公平にできる。また、第1相乗り区間通常運賃と第2相乗り区間運賃との安い方を第1相乗り区間運賃として取得するので、第1相乗り区間運賃が第2相乗り区間運賃と等しい場合、複数のユーザが交通機関を乗り合わせる場合に各ユーザの運賃を公平にできる。また、第1相乗り区間通常運賃と第2相乗り区間運賃との安い方を第1相乗り区間運賃として取得するので、第1相乗り区間運賃が第1相乗り区間通常運賃より高くなることを回避できる。
【0080】
また、第1運賃に第1クーポン額を反映させて第1運行料金を算出し、第2運賃に第2クーポン額を反映させて第2運行料金を算出するので、運行料金を運賃よりも安くできる。また、運行料金が運賃よりも安くなるので、タクシーの利用を促進できる。また、第1相乗り区間通常運賃から第1相乗り区間運賃を減算した相乗りクーポン額を算出し、第1相乗り区間通常運賃で決済してから、相乗りクーポン額を還元するので、決済を早急に実行できる。
【0081】
(実施例2)
次に実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様の処理システムに関する。実施例1における第1ユーザと第2ユーザは配車前に決済を済ませている。そのため、処理装置は、第1ユーザに対する単独乗車時の運賃と相乗り乗車時の運賃との差額を相乗りクーポンにより精算する。一方、実施例2における第1ユーザと第2ユーザは降車時に決済を済ませる。そのため、処理装置は、第1ユーザに対する相乗り乗車時の運賃により決済する。実施例2に係る処理システム1000は、図1図2と同様のタイプである。ここでは、実施例1との差異を中心に説明する。
【0082】
図10は、処理システム1000による処理手順を示すシーケンス図である。ステップ300からステップ316は、図3のステップ10からステップ26と同一である。処理装置200の処理部220は、計算した第1ユーザ10aの運賃、つまり第1通常運賃を確定する(S318)。通信部210は、第1通常運賃を第1端末装置100aに送信する(S320)。第1端末装置100aは第1通常運賃を処理装置200から受信する。第1端末装置100aは第1通常運賃をディスプレイに表示する(S322)。第1ユーザ10aは、ディスプレイに表示された第1通常運賃を確認して、第1端末装置100aを操作してタクシー予約を確定する(S324)。第1端末装置100aは、タクシー予約の確定を知らせるための信号(以下、「予約確定」という)を処理装置200に送信する(S326)。予約確定には、第1ユーザID、第1通常運賃が含まれる。
【0083】
処理装置200の通信部210は予約確定を受信する。処理部220は、通信部210が受信した予約確定から第1ユーザID、第1通常運賃を取得し、第1通常運賃によるタクシー予約確定を決定する(S328)。処理装置200の通信部210は、処理部220がタクシー予約を確定した後に、タクシー端末装置112に対してタクシー予約の要求を送信する(S330)。タクシー予約の要求には、第1ユーザID、第1出発地20a、第1目的地22a、第1経路24a、乗車時間帯の情報が含まれる。ステップ332からステップ336は、図3のステップ46からステップ50と同一である。
【0084】
図11は、図10に続く処理手順を示すシーケンス図である。ステップ400からステップ432は、図5のステップ100からステップ132と同一である。通信部210は、計算した第2ユーザ10bの運賃、つまり第2運賃を第2端末装置100bに送信する(S434)。第2端末装置100bは第2運賃を処理装置200から受信する。第2端末装置100bは第2運賃をディスプレイに表示する(S436)。第2ユーザ10bは、ディスプレイに表示された第2運賃を確認して、第2端末装置100bを操作してタクシー予約を確定する(S438)。第2端末装置100bは予約確定を処理装置200に送信する(S440)。予約確定には、第2ユーザID、第2運賃が含まれる。
【0085】
処理装置200の通信部210は予約確定を受信する。処理部220は、通信部210が受信した予約確定から第2ユーザID、第2運賃を取得し、第2運賃によるタクシー予約確定を決定する(S442)。処理装置200の通信部210は、処理部220がタクシー予約を確定した後に、タクシー端末装置112に対してタクシー予約の要求を送信する(S444)。タクシー予約の要求には、第2ユーザID、第2出発地20b、第2目的地22b、第2経路24b、乗車時間帯の情報が含まれる。ステップ446からステップ450は、図5のステップ152からステップ156と同一である。
【0086】
図12は、図11に続く処理手順を示すシーケンス図である。第1端末装置100aを所持した第1ユーザ10aは第1出発地20aでタクシー60に乗車する(S500)。タクシー60は第1出発地20aから第2出発地20bに移動する。第2端末装置100bを所持した第2ユーザ10bは第2出発地20bでタクシー60に乗車する(S502)。
【0087】
第1端末装置100aを所持した第1ユーザ10aが乗車したタクシー60は第1目的地22aに到着する(S504)。タクシー端末装置112は、処理装置200から受信した第1運賃が示された画面(以下、「決済画面」という)をディスプレイに表示する(S506)。第1ユーザ10aは、第1端末装置100aを操作して、既に記憶した予約クーポンを提示する(S508)。第1端末装置100aは予約クーポンをタクシー端末装置112に送信する(S510)。端末装置100が非接触型ICを搭載し、サービス事業者端末装置110は非接触型ICリーダに接続されることによって、端末装置100から非接触型ICリーダを介してサービス事業者端末装置110に予約クーポンが送信されてもよい。タクシー端末装置112は、予約クーポンを受信すると、予約クーポンを読み取る(S512)。タクシー端末装置112は、予約クーポンを処理装置200に送信する(S514)。
【0088】
処理装置200の通信部210は、予約クーポンをタクシー端末装置112から受信する。処理部220は、通信部210において受信した予約クーポンからサービス事業者ID、第1ユーザID、予約クーポンの金額を取得する。処理部220は、予約クーポンの第1ユーザIDと、第1運賃の第1ユーザIDとが一致する場合、第1運行料金を計算し、第1運行料金を確定する(S516)。処理部220は、第1運行料金により決済を実行する(S518)。処理部220は、決済を実行すると、第1ユーザIDを取得し、記憶部230に記憶されたデータベースを参照しながら、第1ユーザ10aに対する降車完了処理を実行する(S520)。例えば、処理部220は、記憶部230に記憶された第1ユーザ10aに関する情報に降車完了のフラグを追加する。第1端末装置100aを所持した第1ユーザ10aはタクシー60から降車する(S522)。
【0089】
第2端末装置100bを所持した第2ユーザ10bが乗車したタクシー60は第2目的地22bに到着する(S524)。タクシー端末装置112は、処理装置200から受信した第2運賃が示された画面(以下、「決済画面」という)をディスプレイに表示する(S526)。第2ユーザ10bは、第2端末装置100bを操作して、既に記憶した予約クーポンを提示する(S528)。第2端末装置100bは予約クーポンをタクシー端末装置112に送信する(S530)。タクシー端末装置112は、予約クーポンを受信すると、予約クーポンを読み取る(S532)。タクシー端末装置112は、予約クーポンを処理装置200に送信する(S534)。
【0090】
処理装置200の通信部210は、予約クーポンをタクシー端末装置112から受信する。処理部220は、通信部210において受信した予約クーポンからサービス事業者ID、第2ユーザID、予約クーポンの金額を取得する。処理部220は、予約クーポンの第2ユーザIDと、第2運賃の第2ユーザIDとが一致する場合、第2運行料金を計算し、第2運行料金を確定する(S536)。処理部220は、第2運行料金により決済を実行する(S528)。処理部220は、決済を実行すると、第2ユーザIDを取得し、記憶部230に記憶されたデータベースを参照しながら、第2ユーザ10bに対する降車完了処理を実行する(S540)。例えば、処理部220は、記憶部230に記憶された第2ユーザ10bに関する情報に降車完了のフラグを追加する。第2端末装置100bを所持した第2ユーザ10bはタクシー60から降車する(S542)。
【0091】
本実施例によれば、降車のタイミングで決済を実行するので、単独乗車から相乗り乗車に変わった場合でも精算を不要にできる。また、単独乗車から相乗り乗車に変わった場合でも精算が不要になるので、処理を簡易にできる。
【0092】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。
(項目1)
第1ユーザに対する第1出発地から第1目的地への第1経路を取得するステップと、
第2ユーザに対する第2出発地から第2目的地への第2経路を取得するステップと、
前記第1経路と前記第2経路の共通部分であって、かつ前記第1ユーザと前記第2ユーザが相乗り可能な相乗り区間を取得するステップと、
前記第1経路において前記相乗り区間がしめる割合である第1相乗り区間割合と、前記第2経路において前記相乗り区間がしめる割合である第2相乗り区間割合とを算出するステップと、
前記第1経路の距離をもとにした第1通常運賃と、前記第2経路の距離をもとにした第2通常運賃とを算出するステップと、
前記第1通常運賃と前記第1相乗り区間割合とを乗算した第1相乗り区間通常運賃と、前記第2通常運賃と前記第2相乗り区間割合とを乗算した第2相乗り区間通常運賃とを算出するステップと、
前記第1相乗り区間通常運賃を相乗り人数で除算してからシステム利用料を積算した第1相乗り区間運賃と、前記第2相乗り区間通常運賃を前記相乗り人数で除算してから前記システム利用料を積算した第2相乗り区間運賃とを算出するステップと、
前記第1通常運賃から前記第1相乗り区間通常運賃を減算した第1相乗り区間外運賃と、前記第2通常運賃から前記第2相乗り区間通常運賃を減算した第2相乗り区間外運賃とを算出するステップと、
前記第1相乗り区間運賃と前記第1相乗り区間外運賃とを加算した第1運賃と、前記第2相乗り区間運賃と前記第2相乗り区間外運賃とを加算した第2運賃とを算出するステップと、
を備える処理方法。
【0093】
(項目2)
第1ユーザに対する第1出発地から第1目的地への第1経路を取得するステップと、
第2ユーザに対する第2出発地から第2目的地への第2経路を取得するステップと、
前記第1経路と前記第2経路の共通部分であって、かつ前記第1ユーザと前記第2ユーザが相乗り可能な相乗り区間を取得するステップと、
前記第1経路において前記相乗り区間がしめる割合である第1相乗り区間割合と、前記第2経路において前記相乗り区間がしめる割合である第2相乗り区間割合とを算出するステップと、
前記第1経路の距離をもとにした第1通常運賃と、前記第2経路の距離をもとにした第2通常運賃とを算出するステップと、
前記第1通常運賃と前記第1相乗り区間割合とを乗算した第1相乗り区間通常運賃と、前記第2通常運賃と前記第2相乗り区間割合とを乗算した第2相乗り区間通常運賃とを算出するステップと、
前記第2相乗り区間通常運賃を相乗り人数で除算してからシステム利用料を積算した第2相乗り区間運賃とを算出するステップと、
前記第1相乗り区間通常運賃と前記第2相乗り区間運賃との安い方を第1相乗り区間運賃として取得するステップと、
前記第1通常運賃から前記第1相乗り区間通常運賃を減算した第1相乗り区間外運賃と、前記第2通常運賃から前記第2相乗り区間通常運賃を減算した第2相乗り区間外運賃とを算出するステップと、
前記第1相乗り区間運賃と前記第1相乗り区間外運賃とを加算した第1運賃と、前記第2相乗り区間運賃と前記第2相乗り区間外運賃とを加算した第2運賃とを算出するステップと、
を備える処理方法。
【0094】
(項目3)
前記第1運賃に第1クーポン額を反映させるステップと、
前記第2運賃に第2クーポン額を反映させるステップとをさらに備える項目1または2に記載の処理方法。
【0095】
(項目4)
前記第1相乗り区間通常運賃から前記第1相乗り区間運賃を減算した相乗りクーポン額を算出するステップと、
前記第1相乗り区間通常運賃で決済してから、前記相乗りクーポン額を還元するステップとをさらに備える項目1から3のいずれか1項に記載の処理方法。
【0096】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0097】
10 ユーザ、 20 出発地、 22 目的地、 24 経路、 26 相乗り区間、 30 ベクトル、 60 タクシー、 100 端末装置、 110 サービス事業者端末装置、 112 タクシー端末装置、 114 タクシー管制端末装置、 116 バス端末装置、 118 バスチケット販売所端末装置、 200 処理装置、 210 通信部、 220 処理部、 230 記憶部、 1000 処理システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12