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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165794
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】調理機
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
H05B6/12 303
H05B6/12 324
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082289
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】591190128
【氏名又は名称】株式会社下村漆器店
(74)【代理人】
【識別番号】100153268
【弁理士】
【氏名又は名称】吉原 朋重
(72)【発明者】
【氏名】下村 昭夫
【テーマコード(参考)】
3K151
【Fターム(参考)】
3K151AA01
3K151AA03
3K151BA11
3K151BA95
3K151CA48
3K151CA56
3K151CA61
3K151CA63
(57)【要約】
【課題】
遠隔操作によって食材の加熱・調理を行う場合であっても、調理現場の状況把握を行い、食材の加熱・調理によるリスクを低減させる。
【解決手段】
複数の食器を各食器に対応させて配置される電磁誘導コイルが発する電磁波を利用して個別に電磁誘導加熱し食器内に配置される食材の調理を行う調理機であって、各電磁誘導コイルに流す電流の大きさを時系列情報として規定する食材の調理を行うための加熱制御規則情報を、通信ネットワークを介して他装置から取得する手段と、調理機が備える入力装置における、加熱制御規則情報の実行を許可する操作を受け付ける手段と、実行許可操作の受付処理が行われた後、加熱制御規則情報に基づき、電磁誘導コイルに電流を流すことによって食器を電磁誘導加熱し食材の調理を行う手段と、を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状体上の所定の位置に載置される複数の食器を前記板状体下かつ各前記食器に対応させて配置される電磁誘導コイルが発する電磁波を利用して個別に電磁誘導加熱し前記各食器内に配置される食材の調理を行う調理機であって、
各前記電磁誘導コイルに流す電流の大きさを時系列情報として規定する前記食材の調理を行うための加熱制御規則情報を、通信ネットワークを介して他装置から取得する制御情報取得手段と、
当該調理機が備える入力装置における、前記加熱制御規則情報の実行を許可する操作を受け付ける許可操作受付手段と、
前記許可操作受付手段による受付処理が行われた後、前記加熱制御規則情報に基づき、前記各電磁誘導コイルに電流を流すことによって前記各食器を電磁誘導加熱し前記食材の調理を行う調理手段と、を有することを特徴とする調理機。
【請求項2】
前記許可操作受付手段が、前記加熱制御規則情報を実行する意思の確認用ボタンを押下する操作を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の調理機。
【請求項3】
前記制御情報取得手段が、遠隔地に位置する情報処理装置から送信される前記加熱制御規則情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の調理機。
【請求項4】
前記加熱制御規則情報において該加熱制御規則情報が実行されるべき時刻が規定され、前記許可操作受付手段による受付処理が行われず、前記実行されるべき時刻が到来した場合、
前記調理手段が、前記加熱制御規則情報に基づく調理処理を行わないことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の調理機。
【請求項5】
前記加熱制御規則情報において該加熱制御規則情報が実行されるべき時刻が規定され、前記実行されるべき時刻の前に、前記許可操作受付手段による受付処理が行われている場合のみ、
前記調理手段が、前記加熱制御規則情報に基づく調理処理を行うことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の調理機。
【請求項6】
板状体上の所定の位置に載置される複数の食器を前記板状体下かつ各前記食器に対応させて配置される電磁誘導コイルが発する電磁波を利用して個別に電磁誘導加熱し前記各食器内に配置される食材の調理を行う調理機を使用する調理方法であって、
制御情報取得手段が、各前記電磁誘導コイルに流す電流の大きさを時系列情報として規定する前記食材の調理を行うための加熱制御規則情報を、通信ネットワークを介して他装置から取得するステップと、
許可操作受付手段が、前記調理機が備える入力装置における、前記加熱制御規則情報の実行を許可する操作を受け付けるステップと、
調理手段が、前記許可操作受付手段による受付処理が行われた後、前記加熱制御規則情報に基づき、前記各電磁誘導コイルに電流を流すことによって前記各食器を電磁誘導加熱し前記食材の調理を行うステップと、を含む調理方法。
【請求項7】
前記許可操作受付手段が、前記加熱制御規則情報を実行する意思の確認用ボタンを押下する操作を受け付けることを特徴とする請求項6に記載の調理方法。
【請求項8】
前記制御情報取得手段が、遠隔地に位置する情報処理装置から送信される前記加熱制御規則情報を取得することを特徴とする請求項6又は7に記載の調理方法。
【請求項9】
前記加熱制御規則情報において該加熱制御規則情報が実行されるべき時刻が規定され、前記許可操作受付手段による受付処理が行われず、前記実行されるべき時刻が到来した場合、
前記調理手段が、前記加熱制御規則情報に基づく調理処理を行わないことを特徴とする請求項6乃至8の何れか一に記載の調理方法。
【請求項10】
前記加熱制御規則情報において該加熱制御規則情報が実行されるべき時刻が規定され、前記実行されるべき時刻の前に、前記許可操作受付手段による受付処理が行われている場合のみ、
前記調理手段が、前記加熱制御規則情報に基づく調理処理を行うことを特徴とする請求項6乃至9の何れか一に記載の調理方法。
【請求項11】
コンピューターに、請求項6乃至10の何れか一に記載の方法を実行させるための調理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電磁誘導コイルが発する電磁波を利用して食器を電磁誘導加熱し、食器内の食材を調理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で開示されるような遠隔調理システムの技術がある。特許文献1に開示される遠隔調理システム1は、調理制御装置100、1つ以上の調理機200を含み、ユーザー端末430と調理制御装置100、調理制御装置100と調理機200は相互に有線又は無線の通信ネットワーク420を介して接続される。調理機200は、食材240を加熱し食事の調理を行う装置であり、調理制御装置100は、調理機200で行われる調理の実行指示を行う装置である。調理機200は、地理的に離れた場所に位置する調理制御装置100から通知される制御指示に基づいて調理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6456982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、遠隔操作によって調理機が食材の加熱・調理を行い、調理機付近に人がいない場合、遠隔地において調理現場の状況把握が出来ず、加熱・調理に基づく火災等が引き起こされる可能性が有るという問題点があった。また、調理機付近に人がいなければ、万が一、加熱・調理に基づく火災等が発生した場合、適切な対応を行うことができないという問題点もある。
【0005】
加えて、上記の従来技術では、通信ネットワークを介した遠隔操作によって調理機に食材の加熱・調理を行わせる場合、不正アクセスによる調理機の遠隔操作によって、発火・爆発等、故意の危険行為を可能にしてしまうという問題点もある。
【0006】
そこで本発明では、上記問題点を鑑み、遠隔操作によって食材の加熱・調理を行う場合であっても、調理現場の状況把握を行い、食材の加熱・調理によるリスクを低減させる調理機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示する調理機の一形態は、板状体上の所定の位置に載置される複数の食器を前記板状体下かつ各前記食器に対応させて配置される電磁誘導コイルが発する電磁波を利用して個別に電磁誘導加熱し前記各食器内に配置される食材の調理を行う調理機であって、各前記電磁誘導コイルに流す電流の大きさを時系列情報として規定する前記食材の調理を行うための加熱制御規則情報を、通信ネットワークを介して他装置から取得する制御情報取得手段と、当該調理機が備える入力装置における、前記加熱制御規則情報の実行を許可する操作を受け付ける許可操作受付手段と、前記許可操作受付手段による受付処理が行われた後、前記加熱制御規則情報に基づき、前記各電磁誘導コイルに電流を流すことによって前記各食器を電磁誘導加熱し前記食材の調理を行う調理手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
開示する調理機は、遠隔操作によって食材の加熱・調理を行う場合であっても、調理現場の状況把握を行い、食材の加熱・調理によるリスクを低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係る遠隔調理システムの概要を示す図である。
図2】本実施の形態に係る板状体及び板状体上に載置される食器の一例を示す図である。
図3】本実施の形態に係る板状体上面の一例を示す図である。
図4】本実施の形態に係る調理機における板状体載置部位の透視図の一例である。
図5】本実施の形態に係る調理機における電磁誘導加熱の原理を説明する図である。
図6】本実施の形態に係る調理機の機能ブロック図である。
図7】本実施の形態に係る加熱制御規則情報の一例を示す図である。
図8】本実施の形態に係る調理機のハードウエア構成例を示す図である。
図9】本実施の形態に係る調理機による基本処理(その1)の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】本実施の形態に係る調理機による基本処理(その2)の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係る調理機の動作原理)
【0011】
図1乃至5を用いて、本実施の形態に係る調理機100を含む遠隔調理システムの概要について説明する。図1は、遠隔調理システムを構成する調理機100と情報処理装置290との関係を分かり易く示した図である。
【0012】
図1で示すように、遠隔調理システムは、情報処理装置290、1つ以上の調理機100を含み、情報処理装置290と調理機100は、有線又は無線の通信ネットワーク280を介して接続される。調理機100は、食材240を加熱し食事の調理を行う装置であり、情報処理装置290は、調理機100で行われる調理の実行指示を行う装置である。
【0013】
調理機100は、地理的に離れた場所に位置する情報処理装置290から通知される制御指示250に基づいて調理を行う。なお、食材240は、生の状態のものであっても良く、調理済みの食材又は調理済みの食材を冷凍した状態のものであっても良い。
【0014】
図2で示すように、調理機100は、配膳トレイ210を上に載せて使用し、配膳トレイ210上に複数の食器220を載置させ、配膳トレイ210下かつ各食器220に対応させ配置される電磁誘導コイル230が発する電磁波を利用して各食器220を電磁誘導加熱し、各食器220内に設置された食材240の調理を行う。
【0015】
図3で示すように、配膳トレイ210上には、各食器220を載置させる位置が分かるように目印215が付されている。また、図4で示すように、調理機100は、配膳トレイ210の下であって、配膳トレイ210上の各食器220を載置させる位置を示す目印215の下位置に、各食器220を電磁誘導加熱するための電磁誘導コイル230を備えている。
【0016】
また、配膳トレイ210上に載置される食器220は、陶製の器の下面に誘導加熱可能な磁性体が貼付される形態や、2層構造で構成され、このうち内側層が誘導加熱可能で且つ熱伝導率の高いステンレス等の金属で形成され、外側層が高い耐熱性を有するとともに内側層よりも熱伝導率の低い樹脂で形成される形態である。なお、配膳トレイ210上に載置される食器220は、誘導加熱可能な食器であれば、これら以外の形態であっても良い。
【0017】
図5で示すように、渦巻状のコイルである電磁誘導コイル230に高周波の電流を流すと、電磁誘導の法則に従って電磁誘導コイル230の周辺に磁力線が発生し、磁力線が食器(金属)を通過するときに、食器220の内部に無数の渦電流を発生させる。渦電流が流れるとき、食器220内の金属において電気抵抗熱が発生し、この熱を利用して食器220に配置された食材240の調理を行う。なお、食器220の温度の調整は、電磁誘導コイル230に流す電流の大きさを変化させることにより行う。
【0018】
次に、図6及び7を用いて、調理機100の動作原理について説明する。図6で示すように、調理機100は、制御情報取得手段110、許可操作受付手段120、調理手段130を有する。
【0019】
先に説明したように、調理機100は、配膳トレイ(板状体)210上の所定の位置215に載置される複数の食器220を、配膳トレイ(板状体)210下かつ各食器220に対応させて配置される電磁誘導コイル230が発する電磁波を利用して個別に電磁誘導加熱し各食器220内に配置される食材240の調理を行う。
【0020】
制御情報取得手段110は、各電磁誘導コイル230に流す電流の大きさを時系列情報として規定する、食材240の調理を行うための加熱制御規則情報250を、通信ネットワーク280を介して、他の情報処理装置290から取得する。
【0021】
図7には加熱制御規則情報250の一例を示す。図7で示すように、加熱制御規則情報250は、調理機100が備える電磁誘導コイル230に電流を流し始めた時点からの時間(時刻)と電磁誘導コイル230に流す電流の大きさとの関係を規定する情報である。図7では電磁誘導コイル230に流す電流の大きさを最大出力の何%という指標で規定しているが、絶対値で規定する形態であっても他の相対値で規定する形態であっても良く、特に規定方法は限定しない。
【0022】
加熱制御規則情報250は、加熱制御規則情報250が実行されるべき時刻(後述する調理手段130による調理処理の開始時刻)が規定される形態としても良い。また、加熱制御規則情報250は、調理処理の終了予定時刻が規定され、当該時刻から調理処理に要する時間を加味して、調理処理の開始時刻が規定される形態としても良い。
【0023】
通信ネットワーク280は、有線通信ネットワーク又は無新通信ネットワークの何れの形態であっても良く、例えば、インターネット等の公衆通信網でも良く、ローカルエリアネットワークであっても良い。
【0024】
情報処理装置290は、遠隔地(地理的に離れた場所)に設置され、通信ネットワーク280を介して、調理機100に対し、調理機100が実行すべき制御指示250を通知するための装置である。
【0025】
許可操作受付手段120は、調理機100が備える入力装置460における、加熱制御規則情報250の実行を許可する操作を受け付ける。許可操作受付手段120の一形態は、加熱制御規則情報250を実行する意思の確認用ボタンを押下する操作を受け付ける。
【0026】
加熱制御規則情報250の実行を許可する操作は、調理機100周辺に操作者がいなければ行うことができず、調理機100の周辺に操作者を配置することによって、調理現場の状況把握を行い、加熱・調理に基づく火災等が引き起こされる可能性を低減させる。また、万が一、加熱・調理に基づく火災等が発生した場合であっても、調理現場に操作者がいるので、その対応を行うことができる。
【0027】
仮に、通信ネットワーク290を介した調理機100の遠隔操作において、不正アクセスによる調理機100の遠隔操作が行われた場合であっても、調理現場に操作者がいるので、発火・爆発等、故意の危険行為を未然に防止することができる。
【0028】
調理手段130は、許可操作受付手段120による実行許可操作の受付処理が行われた後、加熱制御規則情報250に基づき、各電磁誘導コイル230に電流を流すことによって各食器220を電磁誘導加熱し、各食器220内に配置される食材240の調理を行う。
【0029】
調理手段130は、許可操作受付手段120による実行許可操作の受付処理が行われた後でなければ、加熱制御規則情報250に基づく調理処理を行わない。上記した調理機100の通信ネットワーク280を介した遠隔操作による様々なリスク事象の発生を防止するためである。
【0030】
調理手段130による加熱制御規則情報250に基づく調理処理とは、加熱制御規則情報250において定められる各位置・各時刻における電流を電磁誘導コイル230に流す処理のことである。この調理処理によって、各食器220が電磁誘導加熱され、各食器220内に設置された食材240の加熱・調理が行われる。
【0031】
加熱制御規則情報250において加熱制御規則情報250が実行されるべき時刻が規定され、許可操作受付手段120による受付処理が行われずに当該時刻が到来した場合、調理手段130は、加熱制御規則情報250に基づく調理処理を行わない。これによって、調理機100の遠隔操作により発生するリスクの低減が図られる。
【0032】
また、加熱制御規則情報250において加熱制御規則情報250が実行されるべき時刻が規定され、当該時刻の前に、許可操作受付手段120による受付処理が行われている場合のみ、調理手段130は、加熱制御規則情報250に基づく調理処理を行う。これによって、調理機100の遠隔操作により発生するリスクの低減が図られる。
【0033】
上記した動作原理に基づいて、調理機100は、遠隔操作によって食材の加熱・調理を行う場合であっても、調理現場の状況把握を行い、食材の加熱・調理によるリスクを低減させる。
(本実施の形態に係る調理機のハードウエア構成)
【0034】
図8を用いて、調理機100のハードウエア構成例について説明する。図8は、調理機制御装置100のハードウエア構成の一例を示す図である。図8で示すように、調理機100は、CPU(Central Processing Unit)410、ROM(Read-Only Memory)420、RAM(Random Access Memory)430、補助記憶装置440、通信I/F450、入力装置460、表示装置470、記憶媒体I/F480を有する。
【0035】
CPU410は、ROM420に記憶されたプログラムを実行する装置であり、RAM430に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、調理機100全体を制御する。ROM420は、CPU410が実行するプログラムやデータを記憶している。RAM430は、CPU410でROM420に記憶されたプログラムを実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。
【0036】
補助記憶装置440は、基本ソフトウエアであるOS(Operating System)や本実施の形態に係るアプリケーションプログラムなどを、関連するデータとともに記憶する装置である。補助記憶装置440は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどである。
【0037】
通信I/F450は、有線・無線LAN(Local Area Network)、インターネットなどの通信ネットワーク280に接続し、通信機能を提供する他装置290とデータの授受を行うためのインターフェースである。
【0038】
入力装置460は、キーボード、許可操作受付手段120など調理機100にデータ入力を行うための装置である。表示装置(出力装置)470は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される装置であり、調理機100が有する機能をユーザーが利用する際や各種設定を行う際のユーザインターフェースとして機能する装置である。記憶媒体I/F480は、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリなどの記憶媒体490とデータの送受信を行うためのインターフェースである。
【0039】
調理機100が有する各手段は、CPU410が、ROM420又は補助記憶装置440に記憶された各手段に対応するプログラムを実行することにより実現される形態としても良い。また、調理機100が有する各手段は、当該各手段に関する処理がハードウエアとして実現される形態としても良い。また、通信I/F450を介して外部サーバー装置から本発明に係るプログラムを読み込ませたり、記憶媒体I/F480を介して記憶媒体490から本発明に係るプログラムを読み込ませたりして、調理機100に当該プログラムを実行させる形態としても良い。
(本実施の形態に係る調理機による処理例)
(1)調理機100による基本処理(その1)
【0040】
図9を用いて、調理機100による基本処理(その1)の流れについて説明する。図9は、調理機100による基本処理(その1)の流れを示すフローチャートである。
【0041】
S10で制御情報取得手段110が、通信ネットワーク280を介して他の情報処理装置290から、加熱制御規則情報250を取得する。図7で示すように、加熱制御規則情報250は、調理機100が備える電磁誘導コイル230に電流を流し始めた時点からの時間(時刻)と電磁誘導コイル230に流す電流の大きさとの関係を規定する情報である。
【0042】
図7では電磁誘導コイル230に流す電流の大きさを最大出力の何%という指標で規定しているが、絶対値で規定する形態であっても他の相対値で規定する形態であっても良く、特に規定方法は限定しない。
【0043】
S20で許可操作受付手段120が、調理機100が備える入力装置460における、加熱制御規則情報250の実行を許可する操作を受け付ける。例えば、許可操作受付手段120は、加熱制御規則情報250を実行する意思の確認用ボタンを押下する操作を受け付ける。
【0044】
加熱制御規則情報250の実行を許可する操作は、調理機100周辺に操作者がいなければならず、調理機100の周辺に操作者を配置することによって、調理現場の状況把握を行い、加熱・調理に基づく火災等が引き起こされる可能性が低減させる。また、万が一、加熱・調理に基づく火災等が発生した場合であっても、調理現場に操作者がいるので、その対応を行うことができる。
【0045】
仮に、通信ネットワーク290を介した調理機100の遠隔操作において、不正アクセスによる調理機100の遠隔操作が行われた場合であっても、調理現場に操作者がいるので、発火・爆発等、故意の危険行為を未然に防止することができる。
【0046】
S30で調理手段130が、S20における実行許可操作の受付処理が行われた後、S10において受け付けた加熱制御規則情報250に基づき、各電磁誘導コイル230に電流を流すことによって各食器220を電磁誘導加熱し、食材240の調理を行う。
【0047】
上記した処理によって、調理機100は、遠隔操作によって食材の加熱・調理を行う場合であっても、調理現場の状況把握を行い、食材の加熱・調理によるリスクを低減させる。
(2)調理機100による基本処理(その2)
【0048】
図9を用いて、調理機100による基本処理(その2)の流れについて説明する。図9は、調理機100による基本処理(その2)の流れを示すフローチャートである。
ここでは、加熱制御規則情報250において、調理手段130によって加熱制御規則情報250が実行されるべき時刻が規定されている場合を想定する。
【0049】
S110において、調理手段130によって加熱制御規則情報250が実行されるべき時刻が到来している場合(S110でYes)、処理はS120へ移行する。
【0050】
S120において、許可操作受付手段120が、調理機100が備える入力装置460における、加熱制御規則情報250の実行を許可する操作を既に受け付けている場合(S120でYes)、処理はS130へ移行する。例えば、S120において許可操作受付手段120が、加熱制御規則情報250を実行する意思の確認用ボタンを押下する操作を既に受け付けている場合(S120でYes)、処理はS130へ移行する。
【0051】
なお、S120において許可操作受付手段120が、調理機100が備える入力装置460における、加熱制御規則情報250の実行を許可する操作を未だ受け付けていない場合(S120でNo)、実行許可操作が行われるまで、調理機100の処理は停止する。
【0052】
S130で調理手段130が、S10において受け付けた加熱制御規則情報250に基づき、各電磁誘導コイル230に電流を流すことによって各食器220を電磁誘導加熱し、食材240の調理を行う。
【0053】
上記した処理によって、調理機100は、遠隔操作によって食材の加熱・調理を行う場合であっても、調理現場の状況把握を行い、食材の加熱・調理によるリスクを低減させる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0055】
100 調理機
110 制御情報取得手段
120 許可操作受付手段
130 調理手段
210 板状体
215 板状体上の目印
220 食器
230 電磁誘導コイル
240 食材
250 加熱制御規則情報
260 加熱制御規則情報が実行されるべき時刻
270 加熱制御規則情報の実行許可操作
280 通信ネットワーク
290 情報処理装置
410 CPU
420 ROM
430 RAM
440 補助記憶装置
450 通信インターフェース
460 入力装置
470 出力装置
480 記憶媒体インターフェース
490 記憶媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10