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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165805
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】バッテリパック
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/48 20060101AFI20241121BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241121BHJP
   H02H 5/04 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H01M10/48 P
H02J7/00 Y
H02H5/04 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082304
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003502
【氏名又は名称】弁理士法人芳野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 保生
(72)【発明者】
【氏名】小山 和晃
(72)【発明者】
【氏名】堀田 龍彦
(72)【発明者】
【氏名】永守 由子
(72)【発明者】
【氏名】木村 亮太
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB02
5G503DA08
5G503EA08
5G503FA06
5H030AA10
5H030AS08
5H030FF22
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】単体でバッテリの内部抵抗劣化の度合を簡便に診断できるバッテリパックを提供すること。
【解決手段】バッテリパック40は、筐体41と、バッテリ50と、バッテリ50の正極51とモータジェネレータ2との間の第1配線174およびバッテリ50の負極52とモータジェネレータ2との間の第2配線175の少なくともいずれかに設けられ第1配線174および第2配線175の少なくともいずれかの開閉を行うコンタクタ75と、第1配線174に接続された第3配線176と、第2配線175に接続された第4配線54と、第3配線176の端部に接続されるとともに筐体41に設けられ、バッテリ50の内部抵抗を測定する測定機器の一方の端子に接続される第1端子53と、第4配線177の端部に接続されるとともに筐体41に設けられ、測定機器の他方の端子に接続される第2端子54と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッドシステムに搭載されるバッテリパックであって、
筐体と、
前記筐体の内部に設けられ、前記ハイブリッドシステムのモータジェネレータに電力を供給するバッテリと、
前記バッテリの正極と前記モータジェネレータとの間の第1配線および前記バッテリの負極と前記モータジェネレータとの間の第2配線の少なくともいずれかに設けられ前記第1配線および前記第2配線の少なくともいずれかの開閉を行うコンタクタと、
前記第1配線に接続された第3配線と、
前記第2配線に接続された第4配線と、
前記第3配線の端部に接続されるとともに前記筐体に設けられ、前記バッテリの内部抵抗を測定する測定機器の一方の端子に接続される第1端子と、
前記第4配線の端部に接続されるとともに前記筐体に設けられ、前記測定機器の他方の端子に接続される第2端子と、
を備えたことを特徴とするバッテリパック。
【請求項2】
前記コンタクタは、
前記第1配線に設けられ前記第1配線の開閉を行う第1コンタクタと、
前記第2配線に設けられ前記第2配線の開閉を行う第2コンタクタと、
を含み、
前記第3配線は、前記正極と前記第1コンタクタとの間における前記第1配線に接続され、
前記第4配線は、前記負極と前記第2コンタクタとの間における前記第2配線に接続されたことを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項3】
前記第1端子および前記第2端子のそれぞれは、前記筐体の外面に付設されたことを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項4】
前記第1端子および前記第2端子のそれぞれは、前記外面から外側に向かって突出したことを特徴とする請求項3に記載のバッテリパック。
【請求項5】
前記第3配線に設けられ、過電流が前記第3配線に流れると前記第3配線を遮断するヒューズをさらに備えたことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のバッテリパック。
【請求項6】
前記第4配線に設けられ、過電流が前記第4配線に流れると前記第4配線を遮断するヒューズをさらに備えたことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のバッテリパック。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッドシステムに搭載されるバッテリパックに関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンとモータとバッテリとを併用するハイブリッドシステムは、低公害化と化石燃料の省資源化との要求に伴って、産業機械や自動車等のために開発されている。ハイブリッドシステムは、例えば化石燃料を使用し動力を発生する内燃式エンジンと、内燃式エンジンを補助するモータと、モータに電力を供給する例えばリチウムイオン電池等のバッテリと、を備えている。
【0003】
ハイブリッドシステムでは、例えばリチウムイオン電池を含むバッテリパックが、モータを駆動するための電源として用いられている。リチウムイオン電池では、長期の保管や長期の使用によって内部抵抗が増加し、放電時の電圧降下量が増加していく内部抵抗劣化が生ずる。内部抵抗劣化が生ずると、ECU(Electronic Control Unit:エレクトロニック・コントロール・ユニット)が電圧範囲を抑えるために出力制限を行う場合がある。
【0004】
特許文献1には、リチウム二次電池の閉回路時の充電終止電圧と充電後の開回路時の電圧の組、および閉回路時の放電終止電圧と放電後の開回路時の電圧の組の少なくともいずれかの組を検出し、検出された電圧の組より判定値を算出し、判定値と、あらかじめ記憶した基準値と、を比較した結果に基づき、リチウム二次電池の劣化度合いを推定するリチウム二次電池の劣化検出方法および劣化検出器が開示されている。しかし、特許文献1に記載された劣化検出方法および劣化検出器では、閉回路時の充電終止電圧と充電後の開回路時の電圧の組、および閉回路時の放電終止電圧と放電後の開回路時の電圧の組の少なくともいずれかの組を検出する必要があり、充電あるいは放電を可能にする放電用抵抗等が必要になる。そのため、例えばDC/DCコンバータ等の放電用抵抗を設けることなく、バッテリパック単体でバッテリの内部抵抗劣化の度合を簡便に診断することは困難である。
【0005】
特許文献2には、放電中の供試蓄電池の内部インピーダンスを測定し、放電終止電圧直前の内部インピーダンスの急激な立ち上がりにおける最大値が良品蓄電池の内部インピーダンスの最大値より大きいことから供試蓄電池の劣化を判定する蓄電池の劣化判定方法が開示されている。しかし、特許文献2に記載された蓄電池の劣化判定方法では、特許文献1と同様に、放電用抵抗等としての負荷が必要になる。そのため、バッテリパック単体でバッテリの内部抵抗劣化の度合を簡便に診断することは困難である。
【0006】
特許文献3には、二次電池と、二次電池の内部インピーダンスを所定周期の交流電圧により測定する回路と、回路の測定した内部インピーダンス値が所定値以上のとき警報を発する警報回路とを具えた二次電池の容量終止警報方式が開示されている。しかし、特許文献3に記載された二次電池は、ハイブリッドシステムに搭載されるバッテリパックのバッテリ(すなわちリチウムイオン電池の組電池)ではない。ハイブリッドシステムに搭載されるバッテリパックには、例えばコンタクタなどの種々の電気機器が含まれるため、二次電池の内部インピーダンスの測定に基づく劣化診断をリチウムイオン電池の組電池に適用するためには、改善の余地がある。
【0007】
以上より、ハイブリッドシステムに搭載されるバッテリパックについて、バッテリパック単体でバッテリの内部抵抗劣化の度合を簡便に診断できることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008-192607号公報
【特許文献2】特開平09-134742号公報
【特許文献3】特開昭63-157080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、単体でバッテリの内部抵抗劣化の度合を簡便に診断できるバッテリパックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、ハイブリッドシステムに搭載されるバッテリパックであって、筐体と、前記筐体の内部に設けられ、前記ハイブリッドシステムのモータジェネレータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリの正極と前記モータジェネレータとの間の第1配線および前記バッテリの負極と前記モータジェネレータとの間の第2配線の少なくともいずれかに設けられ前記第1配線および前記第2配線の少なくともいずれかの開閉を行うコンタクタと、前記第1配線に接続された第3配線と、前記第2配線に接続された第4配線と、前記第3配線の端部に接続されるとともに前記筐体に設けられ、前記バッテリの内部抵抗を測定する測定機器の一方の端子に接続される第1端子と、前記第4配線の端部に接続されるとともに前記筐体に設けられ、前記測定機器の他方の端子に接続される第2端子と、を備えたことを特徴とするバッテリパックである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、単体でバッテリの内部抵抗劣化の度合を簡便に診断できるバッテリパックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係るバッテリパックが搭載されたハイブリッドシステムを表すブロック図である。
図2】電流がバッテリからモータジェネレータに向かって流れたときのバッテリの電圧変動の挙動例を示すグラフである。
図3】劣化度合と、充放電時の電圧変化量および出力と、の関係を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るバッテリパックが搭載されたハイブリッドシステムを表すブロック図である。
図1に表したハイブリッドシステム10は、エンジン1と、モータジェネレータ2と、バッテリパック40と、を備える。
【0015】
エンジン1は、例えばターボチャージを有する過給式の高出力な3気筒エンジンや4気筒エンジン等の多気筒ディーゼルエンジンである。但し、エンジン1は、ディーゼルエンジンに限定されるわけではない。エンジン1は、ECU(Electronic Control Unit:エレクトロニック・コントロール・ユニット)150を有する。ECU150は、エンジン1の動作を制御するとともに、例えばCAN(Controller Area Network)によりモータジェネレータ2と通信を行いモータジェネレータ2を制御する。
【0016】
モータジェネレータ2は、ハイブリッドシステム10が搭載される産業機械等の発進時や加速時などパワーが必要な時に、バッテリパック40から供給される電力により稼動しエンジン1をサポートする。なお、ハイブリッドシステム10は、例えばフォークリフト等の建設機械およびトラクタ等の農業機械を含む産業機械等に搭載される。また、モータジェネレータ2は、回生ブレーキなどを利用し、ハイブリッドシステム10が搭載される産業機械等の運動エネルギーを電気エネルギーに変換して発電する。モータジェネレータ2は、インバータを内蔵している。但し、インバータは、必ずしもモータジェネレータ2に内蔵されていなくともよく、モータジェネレータ2とは別体として設けられていてもよい。
【0017】
バッテリパック40は、バッテリ50と、BMU(Battery Management Unit:バッテリ・マネージメント・ユニット)85と、を有する。バッテリ50は、モータジェネレータ2の駆動電源として設けられ、モータジェネレータ2に電力を供給する。バッテリ50は、正極端子51と、負極端子52と、を有する。本実施形態の正極端子51は、本発明の「正極」の一例である。本実施形態の負極端子52は、本発明の「負極」の一例である。バッテリ50としては、例えば48Vの高電圧型のリチウムイオン電池(LiB)などが挙げられる。但し、バッテリ50は、リチウムイオン電池に限定されるわけではない。また、バッテリ50の電圧は、48Vに限定されるわけではなく、48V以上であってもよい。
【0018】
モータジェネレータ2は、バッテリ50の正極端子51に接続された正極配線174に接続されている。正極配線174は、バッテリ50の正極端子51とモータジェネレータ2とを電気的に接続する配線である。正極配線174は、本発明の「第1配線」の一例である。また、モータジェネレータ2は、バッテリ50の負極端子52に接続された負極配線175に接続されている。負極配線175は、バッテリ50の負極端子52とモータジェネレータ2とを電気的に接続する配線である。負極配線175は、本発明の「第2配線」の一例である。
【0019】
バッテリパック40は、正極側コンタクタ75と、負極側コンタクタ76と、電流値検出部65と、をさらに有する。なお、バッテリパック40は、必ずしも正極側コンタクタ75および負極側コンタクタ76の両方を有していなくともよく、正極側コンタクタ75だけを有していてもよく、負極側コンタクタ76だけを有していてもよい。以下の説明では、バッテリパック40が正極側コンタクタ75および負極側コンタクタ76の両方を有する場合を例に挙げる。
【0020】
正極側コンタクタ75は、本発明の「第1コンタクタ」の一例であり、バッテリ50の正極端子51とモータジェネレータ2との間における電気回路すなわち正極配線174に設けられている。正極側コンタクタ75は、信号線181によりECU150に電気的に接続されており、ECU150から信号線181を通して送信される制御信号に基づいて正極配線174の開閉を行う。
【0021】
なお、正極側コンタクタ75は、BMU85に電気的に接続されていてもよい。この場合には、正極側コンタクタ75は、BMU85から送信される制御信号に基づいて正極配線174の開閉を行う。
【0022】
負極側コンタクタ76は、本発明の「第2コンタクタ」の一例であり、バッテリ50の負極端子52とモータジェネレータ2との間における電気回路すなわち負極配線175に設けられている。負極側コンタクタ76は、信号線182によりBMU85に電気的に接続されており、BMU85から信号線182を通して送信される制御信号に基づいて負極配線175の開閉を行う。
【0023】
なお、負極側コンタクタ76は、ECU150に電気的に接続されていてもよい。この場合には、負極側コンタクタ76は、ECU150から送信される制御信号に基づいて負極配線175の開閉を行う。
【0024】
BMU85は、信号線183によりバッテリ50に電気的に接続されており、バッテリ50から信号線183を通して送信される信号に基づいてバッテリ50の電圧値を検出する。具体的には、BMU85は、BMU85自体に内蔵された内部回路を用いて、バッテリ50に内蔵された各セルの電圧値を検出し、各セルの電圧値の総和をバッテリ50の電圧値として検出する。BMU85は、バッテリ50の状態を監視しており、バッテリ50から信号線183を通して送信される信号に基づいてバッテリ50の異常を検出することができる。例えば、BMU85は、バッテリ50から信号線183を通して送信される信号に基づいてバッテリ50の電圧値を検出し、過充電異常および過放電異常を検出する。
【0025】
BMU85は、信号線184により電流値検出部65に電気的に接続されており、信号線184を通して電流値検出部65から電流値を取得する。電流値検出部65は、正極配線174に設けられており、正極配線174を流れる電流値を検出する。つまり、BMU85は、正極配線174を流れる電流値を、信号線184を通して電流値検出部65から取得する。BMU85は、信号線184を通して電流値検出部65から取得した電流値に基づいて過電流異常を検出する。あるいは、BMU85は、CMU(Cell Management Unit:セル・マネージメント・ユニット;図示せず)から取得したセル温度に基づいて過温度異常を検出する。
【0026】
また、BMU85は、信号線193によりECU150に電気的に接続され、ECU150から信号線193を通して送信される制御信号に基づいて負極側コンタクタ76を制御する。ECU150およびBMU85は、例えばCANにより互いに通信し互いの状態を監視する。
【0027】
ここで、リチウムイオン電池などの二次電池では、長期の保管や長期の使用によって内部抵抗が増加し、放電時の電圧降下量が増加していく内部抵抗劣化が生ずる。これについて、図面を参照して以下に説明する。
【0028】
図2は、電流がバッテリからモータジェネレータに向かって流れたときのバッテリの電圧変動の挙動例を示すグラフである。
図3は、劣化度合と、充放電時の電圧変化量および出力と、の関係を表すグラフである。
【0029】
図2に表したように、電流がバッテリ50からモータジェネレータ2へ向かって所定時間だけ流れると、BMU85により検出されるバッテリ50の電圧値が降下する。つまり、バッテリ50の放電時に、バッテリ50において電圧降下が生ずる。そして、例えば金属化合物がバッテリ50の負極に付着することによりバッテリ50の内部抵抗が増大しバッテリ50の内部抵抗劣化が生ずると、図2に表した矢印のように、放電時の電圧降下量が増加する。
【0030】
そして、図3に表したように、バッテリ50の内部抵抗劣化が生じ、充放電時の電圧変化量(すなわち、図2の説明では放電時の電圧降下量)が閾値以上になると、ECU150が電圧範囲を抑えるために出力制限を行う場合がある。
【0031】
ここで、リチウムイオン電池などの二次電池の一般的な劣化検出方法として、例えばDC/DCコンバータおよび負荷などの放電用抵抗を用いる方法が挙げられる。しかし、このような劣化検出方法では、放電用抵抗が必要になるため、バッテリパック単体でバッテリの内部抵抗劣化の度合を簡便に診断することは困難である。また、ハイブリッドシステム10に搭載されるバッテリパック40のバッテリ50は、必要な電圧(前述した例では48V)を得るために複数のセルが直列に接続された組電池として設けられる。そのため、前述したように、バッテリパック40は、バッテリ50だけではなく、正極側コンタクタ75、負極側コンタクタ76および電流値検出部65などの種々の電気機器を有する。そのため、劣化検出方法によっては、正極側コンタクタ75、負極側コンタクタ76および電流値検出部65の少なくともいずれかの抵抗成分が入ることがあり、バッテリパック単体でバッテリの内部抵抗劣化の度合を簡便に診断することは困難である。
【0032】
これに対して、図1に表したように、本実施形態に係るバッテリパック40は、第3配線176と、第4配線177と、第1端子53と、第2端子54と、をさらに有する。第3配線176は、一方の端部において正極配線174に接続されている。具体的には、第3配線176は、一方の端部において、バッテリ50の正極端子51と、正極側コンタクタ75と、の間における正極配線174に接続されている。図1に表したバッテリパック40では、第3配線176は、一方の端部において、バッテリ50の正極端子51と、電流値検出部65と、の間における正極配線174に接続されている。
【0033】
また、第3配線176は、他方の端部において第1端子53に接続されている。第1端子53は、バッテリパック40の筐体41に設けられている。例えば、図1に表したように、第1端子53は、筐体41の外面411に付設され、筐体41の外面411から外側に向かって突出している。第1端子53は、バッテリ50の内部抵抗を測定する測定機器(図示せず)の一方の端子に接続される。バッテリ50の内部抵抗を測定する測定機器としては、例えばバッテリテスタなどが挙げられる。
【0034】
第4配線177は、一方の端部において負極配線175に接続されている。具体的には、第4配線177は、一方の端部において、バッテリ50の負極端子52と、負極側コンタクタ76と、の間における負極配線175に接続されている。また、第4配線177は、他方の端部において第2端子54に接続されている。第2端子54は、バッテリパック40の筐体41に設けられている。例えば、図1に表したように、第2端子54は、筐体41の外面411に付設され、筐体41の外面411から外側に向かって突出している。第2端子54は、バッテリ50の内部抵抗を測定する測定機器の他方の端子に接続される。前述したように、バッテリ50の内部抵抗を測定する測定機器としては、例えばバッテリテスタなどが挙げられる。
【0035】
例えば、バッテリテスタ(図示せず)は、一方の端子において第1端子53に接続され、他方の端子において第2端子54に接続され、1kHzの周波数の交流定電流を第3配線176および第4配線177を通してバッテリ50に与えて、バッテリテスタが有する交流電圧計の電圧値からバッテリ50の内部抵抗を算出する。
【0036】
図1に表したように、バッテリパック40は、ヒューズ95をさらに備える。ヒューズ95は、第3配線176に設けられ、過電流が第3配線176に流れると第3配線176を遮断する。これにより、仮に第3配線176および第4配線177が互いに接触し、バッテリ50と第3配線176と第4配線177とにより構成される電気回路に過電流が流れた場合であっても、ヒューズ95は、第3配線176を遮断することによりバッテリパック40の電気回路を保護することができる。
【0037】
ヒューズ95は、第3配線176の代わりに第4配線177に設けられてもよい。あるいは、ヒューズ95は、第3配線176および第4配線177の両方に設けられてもよい。この場合であっても、ヒューズ95は、第3配線176および第4配線177の少なくともいずれかを遮断することによりバッテリパック40の電気回路を保護することができる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態に係るバッテリパック40によれば、第1端子53は、バッテリ50の内部抵抗を測定する測定機器の一方の端子に接続される。また、第2端子54は、バッテリ50の内部抵抗を測定する測定機器の他方の端子に接続される。そして、バッテリテスタなどの測定機器が第1端子53および第2端子54に接続され、例えば1kHzの周波数の交流定電流を第3配線176および第4配線177を通してバッテリ50に与えることにより、交流電圧計の電圧値からバッテリ50の内部抵抗を算出することができる。これにより、本実施形態に係るバッテリパック40は、例えばDC/DCコンバータおよび負荷などの放電用抵抗を必要とせず、バッテリパック40単体でバッテリ50の内部抵抗劣化の度合を簡便に診断することができる。
【0039】
また、第3配線176が、一方の端部において、バッテリ50の正極端子51と、正極側コンタクタ75(図1に表したバッテリパック40では電流値検出部65)と、の間における正極配線174に接続されている。第4配線177が、一方の端部において、バッテリ50の負極端子52と、負極側コンタクタ76と、の間における負極配線175に接続されている。そのため、正極側コンタクタ75、負極側コンタクタ76および電流値検出部65の抵抗成分が入ることを抑え、すなわち正極側コンタクタ75、負極側コンタクタ76および電流値検出部65の抵抗成分による影響を抑え、バッテリパック40単体でバッテリ50の内部抵抗劣化の度合を簡便に診断することができる。
【0040】
本実施形態に係るバッテリパック40は、常時高電圧を検知できるサービスポートとしての第1端子53および第2端子54を有するため、バッテリパック40の生産工程だけではなく、バッテリパック40がハイブリッドシステム10に搭載され市場に提供された後であっても、バッテリパック40単体でバッテリ50の内部抵抗劣化の度合を簡便に診断可能とする。
【0041】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
【符号の説明】
【0042】
1:エンジン、 2:モータジェネレータ、 10:ハイブリッドシステム、 40:バッテリパック、 41:筐体、 50:バッテリ、 51:正極端子、 52:負極端子、 53:第1端子、 54:第2端子、 65:電流値検出部、 75:正極側コンタクタ、 76:負極側コンタクタ、 85:BMU、 95:ヒューズ、 150:ECU、 174:正極配線、 175:負極配線、 176:第3配線、 177:第4配線、 181:信号線、 182:信号線、 183:信号線、 184:信号線、 193:信号線、 411:外面


図1
図2
図3