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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016581
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】表示装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/04 20060101AFI20240131BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20240131BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20240131BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20240131BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20240131BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20240131BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20240131BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240131BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
H05B33/04
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/12 B
H05B33/22 Z
H05B33/02
H05B33/10
G09F9/30 365
G09F9/30 309
G09F9/00 338
G09F9/30 349Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118818
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】羽成 淳
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC23
3K107DD39
3K107DD88
3K107DD89
3K107DD92
3K107DD93
3K107DD96
3K107EE48
3K107EE49
3K107EE50
3K107GG06
3K107GG12
3K107GG37
5C094AA38
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA07
5C094DA13
5C094DA15
5C094DB02
5C094EA07
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB01
5C094FB02
5C094FB15
5C094HA05
5C094HA08
5G435AA13
5G435AA14
5G435BB05
5G435CC09
5G435HH14
5G435KK05
5G435LL04
5G435LL07
5G435LL08
5G435LL17
(57)【要約】
【課題】 信頼性を向上させることが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】 一実施形態に係る表示装置は、基板と、画素を含む表示領域において前記基板の上方に配置された下電極と、前記下電極と重なる開口を有するリブと、前記表示領域において前記リブの上に配置された隔壁と、前記下電極に対向する上電極および前記下電極と前記上電極の電位差に応じて発光する有機層を含む薄膜と、無機材料で形成され、前記薄膜および前記隔壁を覆う第1封止層と、無機材料で形成され、前記第1封止層の上に配置された第2封止層と、前記基板の端部と前記表示領域の間の周辺領域に配置された複数の凸部を含むダム構造と、を備えている。前記薄膜の端部は、前記ダム構造と前記表示領域の間に位置している。前記第2封止層は、前記薄膜の端部を覆うとともに、前記ダム構造の少なくとも一部を覆っている。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
画素を含む表示領域において前記基板の上方に配置された下電極と、
前記下電極と重なる開口を有するリブと、
前記表示領域において前記リブの上に配置された隔壁と、
前記下電極に対向する上電極と、前記下電極と前記上電極の電位差に応じて発光する有機層とを含む薄膜と、
無機材料で形成され、前記薄膜および前記隔壁を覆う第1封止層と、
無機材料で形成され、前記第1封止層の上に配置された第2封止層と、
前記基板の端部と前記表示領域の間の周辺領域に配置された複数の凸部を含むダム構造と、
を備え、
前記薄膜は、前記表示領域および前記周辺領域に配置され、
前記周辺領域における前記薄膜の端部は、前記ダム構造と前記表示領域の間に位置し、
前記第2封止層は、前記薄膜の端部を覆うとともに、前記ダム構造の少なくとも一部を覆っている、
表示装置。
【請求項2】
前記第2封止層の上に配置された第1樹脂層をさらに備え、
前記薄膜の端部は、前記基板の厚さ方向において前記第1樹脂層と重なっている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
無機材料で形成され、前記第1樹脂層の上に配置された第3封止層をさらに備え、
前記第1樹脂層の端部は、前記第2封止層および前記第3封止層で覆われている、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第3封止層は、前記第2封止層のうち前記ダム構造を覆う部分と接触している、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第3封止層の上に配置された第2樹脂層をさらに備え、
前記第2封止層、前記第3封止層および前記第2樹脂層の端部の位置が揃っている、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記ダム構造は、前記表示領域を囲っている、
請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記周辺領域に配置され、前記薄膜で覆われた導電層をさらに備え、
前記隔壁および前記導電層の各々は、導電性を有する下部と、前記下部の側面から突出した上部と、を有している、
請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記薄膜の端部は、前記導電層の端部と前記ダム構造の間に位置し、
前記導電層の端部により前記薄膜が分断されている、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記薄膜の端部は、前記導電層の端部と前記表示領域の間に位置している、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
前記周辺領域に配置された給電線をさらに備え、
前記導電層は、前記給電線および前記隔壁と電気的に接続されている、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項11】
前記上電極は、前記隔壁に接触し、
前記給電線は、前記導電層および前記隔壁を介して前記上電極に共通電圧を供給する、
請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記凸部は、第1有機絶縁層と、前記第1有機絶縁層を覆う第2有機絶縁層とを含む、
請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記給電線は、それぞれ金属材料で形成された第1部分および第2部分を含み、
前記第1有機絶縁層は、前記基板の厚さ方向において前記第1部分と前記第2部分の間に位置している、
請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記複数の凸部のうち隣り合う2つの凸部の間に配置された配線をさらに備え、
前記配線は、前記第2封止層によって覆われている、
請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
基板と、
画素を含む表示領域において前記基板の上方に配置された下電極と、
前記下電極と重なる開口を有するリブと、
前記表示領域において前記リブの上に配置された隔壁と、
前記下電極に対向する上電極と、前記下電極と前記上電極の電位差に応じて発光する有機層とを含む薄膜と、
無機材料で形成され、前記薄膜および前記隔壁を覆う第1封止層と、
無機材料で形成され、前記第1封止層の上に配置された第2封止層と、
を備え、
前記隔壁は、下部と、前記下部の側面から突出した上部と、を有し、
前記薄膜および前記第1封止層は、前記上部の上に位置する端部を有し、
前記第2封止層は、前記薄膜および前記第1封止層の端部を覆っている、
表示装置。
【請求項16】
前記第2封止層は、前記上部に接触している、
請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
基板の端部と画素を含む表示領域との間の周辺領域に複数の凸部を含むダム構造を形成し、
前記表示領域において前記基板の上方に下電極を形成し、
前記下電極と重なる開口を有するリブを形成し、
前記表示領域において前記リブの上に隔壁を形成し、
前記下電極に対向する上電極と、前記下電極と前記上電極の電位差に応じて発光する有機層とを含み、前記ダム構造と前記表示領域の間に端部が位置する薄膜を形成し、
前記薄膜および前記隔壁を覆う第1封止層を無機材料によって形成し、
前記第1封止層、前記薄膜の端部および前記ダム構造を覆う第2封止層を無機材料によって前記基板の全体に形成する、
表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記第2封止層の上に位置し、前記ダム構造によって端部が堰き止められた第1樹脂層を形成し、
前記第1樹脂層および前記第2封止層を覆う第3封止層を無機材料によって前記基板の全体に形成し、
前記第3封止層の上に位置し、前記ダム構造によって端部が堰き止められた第2樹脂層を形成する、
請求項17に記載の表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記第2樹脂層をマスクとして、前記第2封止層および前記第3封止層のうち前記第2樹脂層から露出した部分をエッチングにより除去する、
請求項18に記載の表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記エッチングの前、前記複数の凸部の全てが前記第2封止層によって覆われており、
前記エッチングの後、前記複数の凸部の少なくとも1つが前記第2封止層から露出する、
請求項19に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を適用した表示装置が実用化されている。この表示素子は、下電極と、下電極を覆う有機層と、有機層を覆う上電極とを備えている。
【0003】
上記のような表示装置を製造するにあたり、信頼性を向上させる技術が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-195677号公報
【特許文献2】特開2004-207217号公報
【特許文献3】特開2008-135325号公報
【特許文献4】特開2009-32673号公報
【特許文献5】特開2010-118191号公報
【特許文献6】国際公開第2018/179308号
【特許文献7】米国特許出願公開第2022/0077251号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、信頼性を向上させることが可能な表示装置およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る表示装置は、基板と、画素を含む表示領域において前記基板の上方に配置された下電極と、前記下電極と重なる開口を有するリブと、前記表示領域において前記リブの上に配置された隔壁と、前記下電極に対向する上電極および前記下電極と前記上電極の電位差に応じて発光する有機層を含む薄膜と、無機材料で形成され、前記薄膜および前記隔壁を覆う第1封止層と、無機材料で形成され、前記第1封止層の上に配置された第2封止層と、前記基板の端部と前記表示領域の間の周辺領域に配置された複数の凸部を含むダム構造と、を備えている。前記薄膜は、前記表示領域および前記周辺領域に配置されている。前記周辺領域における前記薄膜の端部は、前記ダム構造と前記表示領域の間に位置している。前記第2封止層は、前記薄膜の端部を覆うとともに、前記ダム構造の少なくとも一部を覆っている。
【0007】
実施形態の他の観点によれば、表示装置は、基板と、画素を含む表示領域において前記基板の上方に配置された下電極と、前記下電極と重なる開口を有するリブと、前記表示領域において前記リブの上に配置された隔壁と、前記下電極に対向する上電極および前記下電極と前記上電極の電位差に応じて発光する有機層を含む薄膜と、無機材料で形成され、前記薄膜および前記隔壁を覆う第1封止層と、無機材料で形成され、前記第1封止層の上に配置された第2封止層と、を備えている。前記隔壁は、下部と、前記下部の側面から突出した上部と、を有している。前記薄膜および前記第1封止層は、前記上部の上に位置する端部を有している。前記第2封止層は、前記薄膜および前記第1封止層の端部を覆っている。
【0008】
実施形態に係る表示装置の製造方法においては、基板の端部と画素を含む表示領域との間の周辺領域に複数の凸部を含むダム構造を形成し、前記表示領域において前記基板の上方に下電極を形成し、前記下電極と重なる開口を有するリブを形成し、前記表示領域において前記リブの上に隔壁を形成し、前記下電極に対向する上電極と、前記下電極と前記上電極の電位差に応じて発光する有機層とを含み、前記ダム構造と前記表示領域の間に端部が位置する薄膜を形成し、前記薄膜および前記隔壁を覆う第1封止層を無機材料によって形成し、前記第1封止層、前記薄膜の端部および前記ダム構造を覆う第2封止層を無機材料によって前記基板の全体に形成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る表示装置の構成例を示す図である。
図2図2は、副画素のレイアウトの一例を示す図である。
図3図3は、図2中のIII-III線に沿う表示装置の概略的な断面図である。
図4図4は、隔壁とその近傍を拡大した概略的な断面図である。
図5図5は、第1実施形態に係る表示装置の概略的な平面図である。
図6図6は、第1実施形態に係る表示装置の他の要素を示す概略的な平面図である。
図7図7は、図5において鎖線枠VIIで囲った領域の拡大図である。
図8図8は、図7におけるXIII-XIII線に沿う表示装置の概略的な断面図である。
図9図9は、図8に示した導電層の端部近傍の概略的な断面図である。
図10図10は、第1実施形態に係る表示装置の製造工程の一部を示す概略的な断面図である。
図11図11は、図10に続く製造工程を示す概略的な断面図である。
図12図12は、図11に続く製造工程を示す概略的な断面図である。
図13図13は、図12に続く製造工程を示す概略的な断面図である。
図14図14は、図13に続く製造工程を示す概略的な断面図である。
図15図15は、図14に続く製造工程を示す概略的な断面図である。
図16図16は、第1実施形態に係る表示装置に適用し得る第1変形例を示す概略的な断面図である。
図17図17は、第1実施形態に係る表示装置に適用し得る第2変形例を示す概略的な断面図である。
図18図18は、第2実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
図19図19は、第2実施形態に係る表示装置に適用し得る第1変形例を示す概略的な断面図である。
図20図20は、第2実施形態に係る表示装置に適用し得る第2変形例を示す概略的な断面図である。
図21図21は、第3実施形態に係る表示装置の概略的な平面図である。
図22図22は、図21において鎖線枠XXIIで囲った領域の拡大図である。
図23図23は、図22におけるXXIII-XXIII線に沿う表示装置の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
いくつかの実施形態について図面を参照しながら説明する。
開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載する。X軸に沿った方向を第1方向Xと称し、Y軸に沿った方向を第2方向Yと称し、Z軸に沿った方向を第3方向Zと称する。第3方向Zは、第1方向Xと第2方向Yを含む平面に対して法線方向である。また、第1方向Xと第2方向Yを含む平面と平行に各種要素を見ることを平面視という。
【0012】
各実施形態に係る表示装置は、表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を備える有機エレクトロルミネッセンス表示装置であり、テレビ、パーソナルコンピュータ、車載機器、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話端末等に搭載され得る。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る表示装置DSPの構成例を示す図である。表示装置DSPは、絶縁性の基板10の上に、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAの周辺の周辺領域SAとを有している。基板10は、ガラスであってもよいし、可撓性を有する樹脂フィルムであってもよい。
【0014】
本実施形態においては、平面視における基板10の形状が長方形である。ただし、基板10の平面視における形状は長方形に限らず、正方形、円形あるいは楕円形などの他の形状であってもよい。
【0015】
表示領域DAは、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。画素PXは、複数の副画素SPを含む。一例では、画素PXは、赤色の副画素SP1、緑色の副画素SP2および青色の副画素SP3を含む。なお、画素PXは、副画素SP1,SP2,SP3とともに、あるいは副画素SP1,SP2,SP3のいずれかに代えて、白色などの他の色の副画素SPを含んでもよい。
【0016】
副画素SPは、画素回路1と、画素回路1によって駆動される表示素子DEとを備えている。画素回路1は、画素スイッチ2と、駆動トランジスタ3と、キャパシタ4とを備えている。画素スイッチ2および駆動トランジスタ3は、例えば薄膜トランジスタにより構成されたスイッチング素子である。
【0017】
画素スイッチ2のゲート電極は、走査線GLに接続されている。画素スイッチ2のソース電極およびドレイン電極の一方は信号線SLに接続され、他方は駆動トランジスタ3のゲート電極およびキャパシタ4に接続されている。駆動トランジスタ3において、ソース電極およびドレイン電極の一方は電源線PLおよびキャパシタ4に接続され、他方は表示素子DEに接続されている。
【0018】
表示素子DEは、発光素子としての有機発光ダイオード(OLED)である。例えば、副画素SP1は赤色の波長域の光を放つ表示素子DEを備え、副画素SP2は緑色の波長域の光を放つ表示素子DEを備え、副画素SP3は青色の波長域の光を放つ表示素子DEを備えている。
【0019】
なお、画素回路1の構成は図示した例に限らない。例えば、画素回路1は、より多くの薄膜トランジスタおよびキャパシタを備えてもよい。
【0020】
図2は、副画素SP1,SP2,SP3のレイアウトの一例を示す図である。図2の例においては、副画素SP1と副画素SP2が第2方向Yに並んでいる。さらに、副画素SP1,SP2がそれぞれ副画素SP3と第1方向Xに並んでいる。
【0021】
副画素SP1,SP2,SP3がこのようなレイアウトである場合、表示領域DAには、副画素SP1,SP2が第2方向Yに交互に配置された列と、複数の副画素SP3が第2方向Yに繰り返し配置された列とが形成される。これらの列は、第1方向Xに交互に並ぶ。
【0022】
なお、副画素SP1,SP2,SP3のレイアウトは図2の例に限られない。他の一例として、各画素PXにおける副画素SP1,SP2,SP3が第1方向Xに順に並んでいてもよい。
【0023】
表示領域DAには、リブ5および隔壁6が配置されている。リブ5は、副画素SP1,SP2,SP3においてそれぞれ画素開口AP1,AP2,AP3を有している。図2の例においては、画素開口AP2が画素開口AP1よりも大きく、画素開口AP3が画素開口AP2よりも大きい。
【0024】
隔壁6は、隣り合う副画素SPの境界に配置され、平面視においてリブ5と重なっている。隔壁6は、第1方向Xに延びる複数の第1隔壁6xと、第2方向Yに延びる複数の第2隔壁6yとを有している。複数の第1隔壁6xは、第2方向Yに隣り合う画素開口AP1,AP2の間、および、第2方向Yに隣り合う2つの画素開口AP3の間にそれぞれ配置されている。第2隔壁6yは、第1方向Xに隣り合う画素開口AP1,AP3の間、および、第1方向Xに隣り合う画素開口AP2,AP3の間にそれぞれ配置されている。
【0025】
図2の例においては、第1隔壁6xおよび第2隔壁6yが互いに接続されている。これにより、隔壁6は全体として画素開口AP1,AP2,AP3を囲う格子状である。隔壁6は、リブ5と同様に副画素SP1,SP2,SP3において開口を有するということもできる。
【0026】
副画素SP1は、画素開口AP1とそれぞれ重なる下電極LE1、上電極UE1および有機層OR1を備えている。副画素SP2は、画素開口AP2とそれぞれ重なる下電極LE2、上電極UE2および有機層OR2を備えている。副画素SP3は、画素開口AP3とそれぞれ重なる下電極LE3、上電極UE3および有機層OR3を備えている。図2の例においては、上電極UE1および有機層OR1の外形が一致し、上電極UE2および有機層OR2の外形が一致し、上電極UE3および有機層OR3の外形が一致している。
【0027】
下電極LE1、上電極UE1および有機層OR1は、副画素SP1の表示素子DE1を構成する。下電極LE2、上電極UE2および有機層OR2は、副画素SP2の表示素子DE2を構成する。下電極LE3、上電極UE3および有機層OR3は、副画素SP3の表示素子DE3を構成する。
【0028】
下電極LE1は、コンタクトホールCH1を通じて副画素SP1の画素回路1(図1参照)に接続されている。下電極LE2は、コンタクトホールCH2を通じて副画素SP2の画素回路1に接続されている。下電極LE3は、コンタクトホールCH3を通じて副画素SP3の画素回路1に接続されている。
【0029】
図2の例において、コンタクトホールCH1,CH2は、第2方向Yに隣り合う画素開口AP1,AP2の間の第1隔壁6xと全体的に重なっている。コンタクトホールCH3は、第2方向Yに隣り合う2つの画素開口AP3の間の第1隔壁6xと全体的に重なっている。他の例として、コンタクトホールCH1,CH2,CH3の少なくとも一部が第1隔壁6xと重なっていなくてもよい。
【0030】
図3は、図2中のIII-III線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。上述の基板10の上に回路層11が配置されている。回路層11は、図1に示した画素回路1、走査線GL、信号線SLおよび電源線PLなどの各種回路や配線を含む。詳しくは後述するが、回路層11は、第1有機絶縁層34(図8参照)も含む。
【0031】
回路層11は、第2有機絶縁層12により覆われている。第2有機絶縁層12は、回路層11により生じる凹凸を平坦化する平坦化膜として機能する。図3の断面には表れていないが、上述のコンタクトホールCH1,CH2,CH3は第2有機絶縁層12に設けられている。
【0032】
下電極LE1,LE2,LE3は、第2有機絶縁層12の上に配置されている。リブ5は、第2有機絶縁層12および下電極LE1,LE2,LE3の上に配置されている。下電極LE1,LE2,LE3の端部は、リブ5により覆われている。
【0033】
隔壁6は、リブ5の上に配置された導電性を有する下部61と、下部61の上に配置された上部62とを含む。上部62は、下部61よりも大きい幅を有している。これにより、図3においては上部62の両端部が下部61の側面よりも突出している。このような隔壁6の形状は、オーバーハング状ということもできる。
【0034】
有機層OR1は、画素開口AP1を通じて下電極LE1を覆っている。上電極UE1は、有機層OR1を覆い、下電極LE1と対向している。有機層OR2は、画素開口AP2を通じて下電極LE2を覆っている。上電極UE2は、有機層OR2を覆い、下電極LE2と対向している。有機層OR3は、画素開口AP3を通じて下電極LE3を覆っている。上電極UE3は、有機層OR3を覆い、下電極LE3と対向している。
【0035】
図3の例においては、有機層OR1の上にキャップ層CP1が配置され、有機層OR2の上にキャップ層CP2が配置され、有機層OR3の上にキャップ層CP3が配置されている。キャップ層CP1,CP2,CP3は、それぞれ有機層OR1,OR2,OR3が発する光の光学特性を調整する。
【0036】
有機層OR1、上電極UE1およびキャップ層CP1の一部は、上部62の上に位置している。当該一部は、有機層OR1、上電極UE1およびキャップ層CP1の他の部分と離間している。同様に、有機層OR2、上電極UE2およびキャップ層CP2の一部は上部62の上に位置し、当該一部は有機層OR2、上電極UE2およびキャップ層CP2の他の部分と離間している。さらに、有機層OR3、上電極UE3およびキャップ層CP3の一部は上部62の上に位置し、当該一部は有機層OR3、上電極UE3およびキャップ層CP3の他の部分と離間している。
【0037】
以下の説明においては、有機層OR1、上電極UE1およびキャップ層CP1を含む積層体を薄膜FL1と呼び、有機層OR2、上電極UE2およびキャップ層CP2を含む積層体を薄膜FL2と呼び、有機層OR3、上電極UE3およびキャップ層CP3を含む積層体を薄膜FL3と呼ぶことがある。
【0038】
副画素SP1,SP2,SP3には、第1封止層SE11,SE12,SE13がそれぞれ配置されている。第1封止層SE11は、キャップ層CP1や副画素SP1の周囲の隔壁6を連続的に覆っている。第1封止層SE12は、キャップ層CP2や副画素SP2の周囲の隔壁6を連続的に覆っている。第1封止層SE13は、キャップ層CP3や副画素SP3の周囲の隔壁6を連続的に覆っている。
【0039】
図3の例においては、副画素SP1,SP3の間の隔壁6上の有機層OR1、上電極UE1、キャップ層CP1および第1封止層SE11と、当該隔壁6上の有機層OR3、上電極UE3、キャップ層CP3および第1封止層SE13とが離間している。また、副画素SP2,SP3の間の隔壁6上の有機層OR2、上電極UE2、キャップ層CP2および第1封止層SE12と、当該隔壁6上の有機層OR3、上電極UE3、キャップ層CP3および第1封止層SE13とが離間している。
【0040】
第1封止層SE11,SE12,SE13は、第2封止層SE2により覆われている。第2封止層SE2は、第1樹脂層RS1により覆われている。第1樹脂層RS1は、第3封止層SE3により覆われている。さらに、第3封止層SE3は、第2樹脂層RS2により覆われている。第2封止層SE2、第3封止層SE3、第1樹脂層RS1および第2樹脂層RS2は、少なくとも表示領域DAの全体に連続的に設けられ、その一部が周辺領域SAにも及んでいる。
【0041】
表示装置DSPは、第2樹脂層RS2の上に配置された偏光板などの光学素子やカバーガラスをさらに備えてもよい。これら光学素子やカバーガラスは、例えば透明な接着材によって第2樹脂層RS2に接着される。
【0042】
第1有機絶縁層34および第2有機絶縁層12は、有機絶縁材料で形成されている。リブ5、第1封止層SE11,SE12,SE13、第2封止層SE2および第3封止層SE3は、例えばシリコン窒化物(SiNx)などの無機材料で形成されている。リブ5、第1封止層SE11,SE12,SE13、第2封止層SE2および第3封止層SE3は、シリコン酸化物(SiOx)やシリコン酸窒化物(SiON)で形成されてもよし、シリコン窒化物層、シリコン酸化物層およびシリコン酸窒化物層のうちの少なくとも2つの積層体であってもよい。第1樹脂層RS1および第2樹脂層RS2は、例えばアクリル樹脂などの樹脂材料(有機絶縁材料)で形成されている。
【0043】
下電極LE1,LE2,LE3は、例えば銀(Ag)で形成された中間層と、この中間層の上面および下面をそれぞれ覆う一対の導電性酸化物層とを有している。各導電性酸化物層は、例えばITO(IndiumTin Oxide)、IZO(IndiumZinc Oxide)またはIGZO(IndiumGallium Zinc Oxide)などの透明な導電性酸化物で形成することができる。
【0044】
上電極UE1,UE2,UE3は、例えばマグネシウムと銀の合金(MgAg)などの金属材料で形成されている。例えば、下電極LE1,LE2,LE3はアノードに相当し、上電極UE1,UE2,UE3はカソードに相当する。
【0045】
有機層OR1,OR2,OR3は、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロッキング層、発光層、正孔ブロッキング層、電子輸送層および電子注入層の積層構造を有している。有機層OR1,OR2,OR3は、複数の発光層を含むいわゆるタンデム構造を有してもよい。
【0046】
キャップ層CP1,CP2,CP3は、例えば、透明な複数の薄膜の多層体によって形成されている。多層体は、複数の薄膜として、無機材料によって形成された薄膜および有機材料によって形成された薄膜を含んでもよい。また、これらの複数の薄膜は、互いに異なる屈折率を有している。多層体を構成する薄膜の材料は、上電極UE1,UE2,UE3の材料とは異なり、また、第1封止層SE11,SE12,SE13の材料とも異なる。なお、キャップ層CP1,CP2,CP3は省略されてもよい。
【0047】
隔壁6の下部61は、例えばアルミニウム(Al)によって形成されている。下部61は、アルミニウム-ネオジム(AlNd)などのアルミニウム合金によって形成されてもよいし、アルミニウム層とアルミニウム合金層の積層構造を有してもよい。さらに、下部61は、アルミニウム層またはアルミニウム合金層の下に、アルミニウムやアルミニウム合金とは異なる金属材料で形成された薄膜を有してもよい。このような薄膜は、例えばモリブデン(Mo)によって形成することができる。
【0048】
隔壁6の上部62は、例えばチタン(Ti)などの金属材料で形成された薄膜と、ITOなどの導電性酸化物で形成された薄膜との積層構造を有している。上部62は、チタンなどの金属材料の単層構造を有してもよい。また、上部62は、第1封止層SE11,SE12,SE13とは異なる無機材料の単層構造を有してもよい。
【0049】
隔壁6には、共通電圧が供給されている。この共通電圧は、下部61の側面に接触した上電極UE1,UE2,UE3にそれぞれ供給される。下電極LE1,LE2,LE3には、副画素SP1,SP2,SP3がそれぞれ有する画素回路1を通じて画素電圧が供給される。
【0050】
下電極LE1と上電極UE1の間に電位差が形成されると、有機層OR1の発光層が赤色の波長域の光を放つ。下電極LE2と上電極UE2の間に電位差が形成されると、有機層OR2の発光層が緑色の波長域の光を放つ。下電極LE3と上電極UE3の間に電位差が形成されると、有機層OR3の発光層が青色の波長域の光を放つ。
【0051】
図4は、副画素SP1,SP3の境界に配置された隔壁6とその近傍を拡大した概略的な断面図である。この図においては、基板10、回路層11、第1樹脂層RS1、第3封止層SE3および第2樹脂層RS2を省略している。
【0052】
有機層OR1、上電極UE1およびキャップ層CP1は、蒸着によって形成され、第1封止層SE11とともにパターニングされている。有機層OR1、上電極UE1およびキャップ層CP1を含む薄膜FL1の端部FL1aは、上部62の上に位置している。第1封止層SE11の端部SE11aも上部62の上に位置している。端部FL1aは、第1封止層SE11によって覆われていない。
【0053】
同様に、有機層OR3、上電極UE3およびキャップ層CP3は、蒸着によって形成され、第1封止層SE13とともにパターニングされている。有機層OR3、上電極UE3およびキャップ層CP3を含む薄膜FL3の端部FL3aは、上部62の上に位置している。第1封止層SE13の端部SE13aも上部62の上に位置している。端部FL3aは、第1封止層SE13によって覆われていない。
【0054】
端部FL1aと端部FL3aは、隙間を介して離間している。端部SE11aと端部SE13aは、隙間を介して離間している。第2封止層SE2は、表示領域DAの全体に連続的に設けられており、端部FL1a,FL3a,SE11a,SE13aを覆っている。さらに、第2封止層SE2は、端部FL1aと端部FL3aの間の隙間、および、端部SE11aと端部SE13aの間の隙間を満たし、上部62に接触している。
【0055】
なお、副画素SP1,SP2の間の隔壁6とその近傍の構成や、副画素SP2,SP3の間の隔壁6とその近傍の構成は、図4の例と同様である。
【0056】
続いて、周辺領域SAに適用し得る構造につき説明する。
図5は、表示装置DSPの概略的な平面図である。表示装置DSPは、周辺領域SAに配置される要素として、第1ゲート駆動回路GD1、第2ゲート駆動回路GD2、セレクタ回路STおよび端子部Tを備えている。第1ゲート駆動回路GD1、第2ゲート駆動回路GD2およびセレクタ回路STは、それぞれ画素回路1に信号を供給する駆動回路の一例であり、図3に示した回路層11に含まれる。
【0057】
第1ゲート駆動回路GD1および第2ゲート駆動回路GD2は、図1に示した走査線GLに走査信号を供給する。端子部Tには、例えばフレキシブル回路基板が接続される。セレクタ回路STは、このフレキシブル回路基板から入力される映像信号を図1に示した信号線SLに供給する。
【0058】
基板10は、端部10a,10b,10c,10dを有している。端部10a,10bは、第2方向Yと平行に延びている。端部10c,10dは、第1方向Xと平行に延びている。
【0059】
図5の例においては、第1ゲート駆動回路GD1が表示領域DAと端部10aの間に配置され、第2ゲート駆動回路GD2が表示領域DAと端部10bの間に配置され、セレクタ回路STおよび端子部Tが表示領域DAと端部10cの間に配置されている。
【0060】
さらに、表示装置DSPは、周辺領域SAに配置された導電層CL(ドット模様を付した部分)およびダム構造DS(斜線模様を付した部分)を備えている。図5の例においては、導電層CLが表示領域DAを囲っている。また、ダム構造DSが表示領域DAおよび導電層CLを囲っている。導電層CLおよびダム構造DSは、部分的に重なっている。例えば、ダム構造DSは、図2に示した第1樹脂層RS1および第2樹脂層RS2を堰き止める役割を担う。
【0061】
導電層CLは、表示領域DAに配置された隔壁6と接続されている。導電層CLは、第1ゲート駆動回路GD1、第2ゲート駆動回路GD2およびセレクタ回路STと平面視において重なっている。
【0062】
導電層CLは、必ずしも表示領域DAを囲う形状を有する必要はない。例えば、表示領域DAと端部10cの間や、表示領域DAと端部10dの間に導電層CLが配置されていなくてもよい。
【0063】
周辺領域SAには、有機層ORs、上電極UEs、キャップ層CPsおよび第1封止層SE1が配置されている。有機層ORsは、有機層OR1,OR2,OR3のいずれかと同じ材料で同じプロセスにより形成されている。上電極UEsは、上電極UE1,UE2,UE3のいずれかと同じ材料で同じプロセスにより形成されている。キャップ層CPsは、キャップ層CP1,CP2,CP3のいずれかと同じ材料で同じプロセスにより形成されている。第1封止層SE1は、封止層SE11,SE12,SE13のいずれかと同じ材料で同じプロセスにより形成されている。一例では、有機層ORs、上電極UEs、キャップ層CPsおよび第1封止層SE1は、それぞれ有機層OR1、上電極UE1、キャップ層CP1および第1封止層SE11と同じ材料で同じプロセスにより形成されている。
【0064】
図5の例において、有機層ORs、上電極UEs、キャップ層CPsおよび第1封止層SE1は、平面視において導電層CLと重なっている。一方で、有機層ORs、上電極UEs、キャップ層CPsおよび第1封止層SE1は、平面視においてダム構造DSとは重なっていない。
【0065】
図6は、周辺領域SAに配置される他の要素を示す概略的な平面図である。周辺領域SAには、給電線PW(斜線模様を付した部分)および中継配線RL(ドット模様を付した部分)が配置されている。
【0066】
図6においては給電線PWおよび中継配線RLが表示領域DAを囲っているが、この例に限られない。給電線PWおよび中継配線RLは、部分的に重なっている。
【0067】
給電線PWは、端部10cの近傍に位置する一対のパッドPDを有している。これらパッドPDは、端子部Tと電気的に接続されている。給電線PWには、端子部Tおよび各パッドPDを通じて共通電圧が供給される。さらに、給電線PWの共通電圧は、中継配線RLに供給される。
【0068】
図7は、図5において鎖線枠VIIで囲った領域の拡大図である。図8は、図7におけるXIII-XIII線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。図7においてドット模様を付した領域が導電層CLおよび隔壁6(第1隔壁6xおよび第2隔壁6y)に相当する。導電層CLおよび隔壁6は、同じ材料で同じ製造プロセスにより一体的に形成されている。
【0069】
図7および図8に示すように、ダム構造DSは、複数の凸部R1,R2,R3,R4を有している。例えば、凸部R1,R2,R3,R4は、図5に示したダム構造DSの平面形状に沿って形成された枠状である。すなわち、凸部R1は表示領域DAを囲い、凸部R2は凸部R1を囲い、凸部R3は凸部R2を囲い、凸部R4は凸部R3を囲う。なお、ダム構造DSが有する凸部の数は4つに限定されず、3つ以下または5つ以上であってもよい。
【0070】
例えば、凸部R1,R2,R3,R4のうち隣り合う2つの間隔は、凸部R1,R2,R3,R4のそれぞれの幅よりも大きい。一例として、凸部R1,R2,R3,R4のそれぞれの幅は15~25μmであり、凸部R1,R2,R3,R4のうち隣り合う2つの間隔は25~35μmである。また、凸部R1,R2,R3,R4のそれぞれの高さは3~4μmである。
【0071】
図8の例において、回路層11は、無機絶縁層31,32,33と、上述の第1有機絶縁層34と、金属層41,42,43とを備えている。無機絶縁層31は、基板10を覆っている。金属層41は、無機絶縁層31の上に配置され、無機絶縁層32により覆われている。金属層42は、無機絶縁層32の上に配置され、無機絶縁層33により覆われている。第1有機絶縁層34は、無機絶縁層33の上に配置されている。金属層43は、第1有機絶縁層34の上に配置され、第2有機絶縁層12により覆われている。
【0072】
無機絶縁層31,32,33は、例えばシリコン窒化物およびシリコン酸化物などの無機材料で形成されている。金属層41,42,43は、例えばモリブデン(Mo)、タングステン(W)、モリブデンタングステン合金(MoW)、アルミニウム(Al)および銅(Cu)などの金属材料の単層構造または積層構造を有している。
【0073】
第1ゲート駆動回路GD1は、金属層41,42,43や半導体層によって形成されている。図5に示した第2ゲート駆動回路GD2およびセレクタ回路STや、図1に示した画素回路1も同様に、金属層41,42,43や半導体層によって形成されている。また、図1に示した走査線GLは金属層41によって形成され、図1に示した信号線SLは金属層42によって形成されている。
【0074】
凸部R1,R2,R3,R4は、無機絶縁層33の上に配置されている。リブ5は、周辺領域SAにも配置されている。図8の例においては、ダム構造DSにリブ5が配置されていない。
【0075】
図8の例において、凸部R1,R2,R3,R4は、第1有機絶縁層34で形成された部分と、第2有機絶縁層12で形成された部分とを含む。第2有機絶縁層12で形成された部分は、第1有機絶縁層34で形成された部分を覆っている。このように、2つの有機絶縁層で凸部R1,R2,R3,R4を形成することにより、1つの有機絶縁層で形成する場合に比べて凸部R1,R2,R3,R4の高さを増すことができる。
【0076】
導電層CLは、周辺領域SAにおいてリブ5を覆っている。導電層CLは、図3および図4に示した隔壁6と同じく下部61および上部62を含む。
【0077】
図7および図8に示すように、導電層CLは、ダム構造DSと重なっていない。導電層CLの端部CLaは、凸部R1と表示領域DAの間に位置している。
【0078】
図8の例において、給電線PWは、金属層42によって形成された第1部分P1と、金属層43によって形成された第2部分P2とを有している。第2部分P2は、第1部分P1に接触している。例えば、図6に示した給電線PWのうち、パッドPDは第1部分P1によって形成され、表示領域DAを囲う部分は少なくとも第2部分P2によって形成されている。
【0079】
第1部分P1は、凸部R1の第1有機絶縁層34の下方に位置している。第2部分P2は、凸部R1の第1有機絶縁層34の上に位置し、第2有機絶縁層12によって覆われている。すなわち、第3方向Z(基板10の厚さ方向、あるいは基板10に対して法線方向)において、凸部R1の第1有機絶縁層34は、第1部分P1と第2部分P2の間に位置している。
【0080】
中継配線RLは、大部分が第2有機絶縁層12の上に配置され、リブ5によって覆われている。例えば、中継配線RLは、下電極LE1,LE2,LE3と同じ材料で同じ製造プロセスにより形成されている。
【0081】
中継配線RLは、第1コンタクト部CN1において給電線PWに接続され、第2コンタクト部CN2において導電層CLに接続されている。これにより、導電層CLには、中継配線RLを介して給電線PWの共通電圧が供給される。さらに、導電層CLの共通電圧は表示領域DAの隔壁6および上電極UE1,UE2,UE3に供給される。
【0082】
第1コンタクト部CN1は、凸部R1の近傍に設けられている。第1コンタクト部CN1においては、中継配線RLが給電線PWの第2部分P2に接触している。第1コンタクト部CN1は、例えば図6の平面図において給電線PWと中継配線RLが重なった領域に相当し、表示領域DAを囲っている。ただし、第1コンタクト部CN1は、表示領域DAの周囲の少なくとも1か所において途切れていてもよい。
【0083】
図8に示すように、第2コンタクト部CN2においては、リブ5に開口が形成されている。導電層CLは、当該開口を通じて中継配線RLに接触している。リブ5の開口は、図7に示す第2コンタクト部CN2の全域に及んでもよい。また、第2コンタクト部CN2においてリブ5に複数の開口が分散して設けられてもよい。
【0084】
図7に示すように、第2コンタクト部CN2は、平面視において第1コンタクト部CN1と表示領域DAの間に位置している。導電層CLの端部CLaは、平面視において第1コンタクト部CN1と第2コンタクト部CN2の間に位置している。
【0085】
図7においては、有機層ORs、上電極UEs、キャップ層CPsおよび第1封止層SE1が配置される領域を鎖線で示している。また、図8においては有機層ORs、上電極UEsおよびキャップ層CPsを含む積層体を薄膜FLとして示している。実際には上電極UEsが有機層ORsを覆い、キャップ層CPsが上電極UEsを覆っている。第1封止層SE1は、薄膜FLを覆っている。
【0086】
図8に示すように、薄膜FLは、導電層CLを覆っている。図7に示すように、薄膜FLの端部FLaおよび第1封止層SE1の端部SE1aの平面視における位置は、略一致している。端部FLa,SE1aは、ダム構造DSと表示領域DAの間に位置している。また、端部FLa,SE1aは、導電層CLの端部CLaとダム構造DSの間に位置している。端部FLa,SE1aは、例えば第1コンタクト部CN1と平面視において重なっている。
【0087】
図8に示すように、周辺領域SAにも第2封止層SE2、第3封止層SE3、第1樹脂層RS1および第2樹脂層RS2が形成されている。第2封止層SE2は、薄膜FLの端部FLaおよび第1封止層SE1の端部SE1aを覆っている。
【0088】
さらに、第2封止層SE2は、ダム構造DSの一部を覆っている。具体的には、図8の例においては、第2封止層SE2が凸部R1,R2,R3を覆い、凸部R4を覆っていない。第2封止層SE2の端部SE2aは、凸部R3の上に位置している。第2封止層SE2は、凸部R1,R2,R3の第2有機絶縁層12、給電線PWの第2部分P2のうち凸部R1,R2の間に位置する部分、および、無機絶縁層33のうち凸部R2,R3の間に位置する部分と接触している。
【0089】
第1樹脂層RS1の端部RS1aは、薄膜FLの端部FLaおよび1封止層SE1の端部SE1aよりも基板10の端部10a寄りに位置している。図8の例においては、端部RS1aが凸部R1付近に位置している。端部FLa,SE1a,CLaは、第3方向Z(基板10の厚さ方向、あるいは基板10に対して法線方向)において第1樹脂層RS1と重なっている。
【0090】
第3封止層SE3は、第1樹脂層RS1を全体的に覆っている。さらに、第3封止層SE3は、第2封止層SE2のうちダム構造DSを覆う部分と接触している。このような構成においては、第1樹脂層RS1の端部RS1aが第2封止層SE2および第3封止層SE3で覆われる。第3封止層SE3の端部SE3aの位置は、第2封止層SE2の端部SE2aの位置と略一致している。
【0091】
第2樹脂層RS2は、第3封止層SE3を全体的に覆っている。第2樹脂層RS2の端部RS2aの位置は、第3封止層SE3の端部SE3aの位置と略一致している。このように、図8の例においては、端部SE2a、端部SE3aおよび端部RS2aの位置が揃っている。
【0092】
図9は、導電層CLの端部CLa近傍の概略的な断面図である。導電層CLは、図4に示した隔壁6と同様に、下部61および上部62を有している。
【0093】
端部CLaにおいて、上部62は、下部61の側面よりも突出している。すなわち、端部CLaにおける導電層CLの形状は、隔壁6と同じくオーバーハング状である。
【0094】
このような形状の導電層CLの上に薄膜FL(有機層ORs、上電極UEsおよびキャップ層CPs)を形成すると、図9に示すように、端部CLaにおいて薄膜FLが分断される。第1封止層SE1は、導電層CLの上下にそれぞれ位置する有機層ORs、上電極UEsおよびキャップ層CPsを覆うとともに、下部61の側面も覆っている。
【0095】
なお、図7および図8においては表示領域DAと基板10の端部10aの間の構造に着目したが、表示領域DAと端部10bの間、表示領域DAと端部10cの間、および、表示領域DAと端部10dの間にも同様の構造を適用できる。
【0096】
続いて、表示装置DSPの製造方法について説明する。
図10乃至図15は、表示装置DSPの製造工程の一部を示す概略的な断面図である。表示装置DSPの製造に際しては、先ず基板10の上に画素回路1、ゲート駆動回路GD1,GD2、セレクタ回路STおよび給電線PWを含む回路層11が形成される。回路層11の形成の後、第2有機絶縁層12が回路層11の上に形成される。
【0097】
第2有機絶縁層12および回路層11の第1有機絶縁層34を形成する際に、これら有機絶縁層12,34がそれぞれパターニングされて、図10に示すように凸部R1,R2,R3,R4を含むダム構造DSが周辺領域SAに形成される。
【0098】
その後、図3に示した下電極LE1,LE2,LE3および図8に示した中継配線RLが形成され、これらの上にリブ5が形成される。さらに、隔壁6および導電層CLが形成される。
【0099】
次に、副画素SP1に有機層OR1、上電極UE1およびキャップ層CP1を含む薄膜FL1と第1封止層SE11が形成され、副画素SP2に有機層OR2、上電極UE2およびキャップ層CP2を含む薄膜FL2と第1封止層SE12が形成され、副画素SP3に有機層OR3、上電極UE3およびキャップ層CP3を含む薄膜FL3と第1封止層SE13が形成される。薄膜FL1,FL2,FL3の形成順は特に限定されないが、一例では薄膜FL3が最初に形成され、薄膜FL2が次に形成され、薄膜FL1が最後に形成される。
【0100】
図10に示す薄膜FL(有機層ORs、上電極UEs、キャップ層CPs)および第1封止層SE1は、例えば最後に形成される薄膜FL1および第1封止層SE11と同じ材料で同じプロセスにより形成される。薄膜FL1および第1封止層SE1は、同一のマスクを用いてドライエッチングやウェットエッチングによりパターニングされる。そのため、図10に示すように薄膜FLの端部FLaと第1封止層SE1の端部SE1aとが揃う。
【0101】
薄膜FL,FL1,FL2,FL3を構成する各層(有機層、上電極およびキャップ層)は、蒸着によって形成される。第1封止層SE1,SE11,SE12,SE13は、例えばCVD(ChemicalVapor Deposition)によって形成される。
【0102】
薄膜FLおよび第1封止層SE1の形成の後、図11に示すように、薄膜FLの端部FLaを覆う第2封止層SE2が形成される。この時点において、第2封止層SE2は基板10の全体に形成されており、ダム構造DSの凸部R1,R2,R3,R4を全て覆っている。
【0103】
第1封止層SE1の形成の後、図12に示すように第1樹脂層RS1が形成される。第1樹脂層RS1は、例えばインクジェット方式により形成される。凸部R1,R2,R3,R4により生じる第2封止層SE2の凹凸によって、硬化前の第1樹脂層RS1の拡がりが抑制される。図12においては、第1樹脂層RS1の端部RS1aが凸部R1によって堰き止められている。
【0104】
第1樹脂層RS1の形成の後、図13に示すように第1樹脂層RS1を覆う第3封止層SE3が形成される。この時点において、第3封止層SE3は基板10の全体に形成されており、第1樹脂層RS1から露出した第2封止層SE2も覆っている。
【0105】
第3封止層SE3の形成の後、図14に示すように第2樹脂層RS2が形成される。第2樹脂層RS2は、例えば第1樹脂層RS1と同じくインクジェット方式により形成される。凸部R1,R2,R3,R4により生じる第3封止層SE3の凹凸によって、硬化前の第2樹脂層RS2の拡がりが抑制される。図14においては、第2樹脂層RS2の端部RS2aが凸部R3によって堰き止められている。
【0106】
次に、図15に示すように、第2封止層SE2および第3封止層SE3のうち第2樹脂層RS2から露出した部分がエッチングにより除去される。これにより、図8に示した構造の表示装置DSPを得ることができる。当該エッチングは、例えばドライエッチングであり、第2樹脂層RS2がマスクとして利用される。
【0107】
当該エッチングにより、第2封止層SE2の端部SE2aおよび第3封止層SE3の端部SE3aがそれぞれ第2樹脂層RS2の端部RS2aと揃う。当該エッチング前には図14に示すように全ての凸部R1,R2,R3,R4が第2封止層SE2および第3封止層SE3によって覆われていたが、当該エッチングの後には図15に示すように凸部R3の一部や凸部R4が第2封止層SE2および第3封止層SE3から露出する。
【0108】
以上の本実施形態においては、周辺領域SAに配置された薄膜FLの端部FLaがダム構造DSと表示領域DAの間に位置している。さらに、第2封止層SE2が端部FLaを覆うとともに、ダム構造DS(凸部R1,R2,R3,R4)を直接覆っている。
【0109】
薄膜FLは蒸着によって形成されるため、下地と良好な密着性を発揮しない可能性がある。そのため、仮に薄膜FLがダム構造DSに及んでいる場合、表示装置DSPの周縁部の密着強度が低下し得る。また、薄膜FLがダム構造DSに及んでいると、薄膜FLの端部FLaを通じて水分が浸入する可能性もある。この水分がゲート駆動回路GD1,GD2、セレクタ回路ST、給電線PW、画素回路1および表示素子DE1,DE2,DE3などに到達すると、表示装置DSPの動作不良が生じ得る。
【0110】
これに対し、本実施形態においては、薄膜FLがダム構造DSに及んでいないため、第2封止層SE2がダム構造DSと接触する。第2封止層SE2は、例えばCVDによって形成され、蒸着で形成される薄膜FLよりも下地との密着性に優れる。そのため、表示装置DSPの周縁部の密着強度が向上する。また、本実施形態においては薄膜FLの端部FLaが第2封止層SE2によって覆われているため、薄膜FLを通じた水分浸入を抑制することができる。このように、本実施形態に係る表示装置DSPの構成によれば、表示装置DSPの信頼性を高めることができる。
【0111】
図4に示したように、第2封止層SE2は、表示領域DAにおいても薄膜FL1,FL2,FL3の端部や隔壁6を覆っている。これにより、表示素子DE1,DE2,DE3や画素回路1への水分浸入を一層良好に抑制することが可能である。
【0112】
本実施形態においては、第1樹脂層RS1の上に第3封止層SE3が配置され、第1樹脂層RS1の端部RS1aが第2封止層SE2および第3封止層SE3で覆われている。このような構成であれば、第1樹脂層RS1が全体的に無機材料で形成された第2封止層SE2および第3封止層SE3で覆われ、第1樹脂層RS1への水分浸入を抑制することができる。さらに、第3封止層SE3は第2封止層SE2のうちダム構造DSを覆う部分と接触している。第3封止層SE3は、例えばCVDによって形成されるため、第2封止層SE2との密着性に優れている。これにより、表示装置DSPの周縁部の密着強度がさらに向上する。
【0113】
本実施形態においては、第3封止層SE3が第2樹脂層RS2によって覆われている。これにより、無機材料で形成された第3封止層SE3が保護される。さらに、表示装置DSPの上面を平坦化することができる。
【0114】
さらに、本実施形態に係る表示装置DSPの製造方法においては、第2樹脂層RS2をマスクとして第2封止層SE2および第3封止層SE3の一部が除去される。これにより、エッチングのためのマスクをレジストで形成する場合に比べ、表示装置DSPの製造工程数を低減することが可能である。
【0115】
なお、図8においては第1樹脂層RS1が凸部R1によって堰き止められ、第2樹脂層RS2が凸部R3によって堰き止められる構成を例示した。しかしながら、以下の図16および図17に示すように、第1樹脂層RS1の端部RS1aおよび第2樹脂層RS2の端部RS2aの位置は、図8の例に限られない。
【0116】
図16は、第1実施形態に係る表示装置DSPに適用し得る第1変形例を示す概略的な断面図である。図16の例においては、第1樹脂層RS1が凸部R1を超えて凸部R2に達している。第1樹脂層RS1の端部RS1aは、凸部R2付近に位置している。
【0117】
図17は、第1実施形態に係る表示装置DSPに適用し得る第2変形例を示す概略的な断面図である。図17の例においては、第2樹脂層RS2が凸部R3を超えて凸部R4に達している。第2樹脂層RS2の端部RS2aは、凸部R4付近に位置している。
【0118】
表示装置DSPは、必ずしも周辺領域SAの全体にわたり図8図16および図17のいずれかの構成を備える必要はない。例えば、表示装置DSPは、図8図16および図17のいずれかの構成を有する部分と、図8図16および図17の他のいずれかの構成を有する部分とを備えてもよい。
【0119】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。特に言及しない構成は第1実施形態と同様である。
図18は、第2実施形態に係る表示装置DSPの概略的な断面図である。本実施形態において、表示装置DSPは、ダム構造DSに配置された配線LNを備えている。
【0120】
図18の例においては、凸部R2,R3の間に2本の配線LNが配置されている。例えば、これら配線LNの一方は表示装置DSPの各部に高電源電圧(Pvdd)を供給する電源線であり、他方は各部に低電源電圧(Pvss)を供給する電源線である。ただし、配線LNの種類は電源線に限られない。また、配線LNの数は2本に限られない。
【0121】
配線LNは、例えば金属層42によって形成され、無機絶縁層33、第2封止層SE2、第3封止層SE3および第2樹脂層RS2によって覆われている。配線LNは、金属層41によって形成されてもよいし、金属層43によって形成されてもよい。また、配線LNは、金属層41,42,43のうち少なくとも2つを含む積層構造を有してもよい。
【0122】
なお、図18においては第1樹脂層RS1が凸部R1によって堰き止められ、第2樹脂層RS2が凸部R3によって堰き止められている。ただし、第1樹脂層RS1の端部RS1aおよび第2樹脂層RS2の端部RS2aの位置は、図18の例に限られない。
【0123】
図19は、第2実施形態に係る表示装置DSPに適用し得る第1変形例を示す概略的な断面図である。図19の例においては、第1樹脂層RS1が凸部R1を超えて凸部R2に達している。第1樹脂層RS1の端部RS1aは、凸部R2付近に位置している。
【0124】
図20は、第2実施形態に係る表示装置DSPに適用し得る第2変形例を示す概略的な断面図である。図20の例においては、第2樹脂層RS2が凸部R3を超えて凸部R4に達している。第2樹脂層RS2の端部RS2aは、凸部R4付近に位置している。図20の構成において、複数の配線LNの少なくとも1本が凸部R3,R4の間に配置されてもよい。
【0125】
本実施形態のようにダム構造DSに配線LNを設けることで、ダム構造DSを有効に活用することができる。これにより、配線LNをダム構造DSと重ならない位置に設ける場合に比べ、周辺領域SAを小さくすることが可能である。
【0126】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。特に言及しない構成は第1実施形態と同様である。
図21は、第3実施形態に係る表示装置DSPの概略的な平面図である。図22は、図21において鎖線枠XXIIで囲った領域の拡大図である。図23は、図22におけるXXIII-XXIII線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。
【0127】
図21に示すように、本実施形態においては薄膜FL(有機層ORs、上電極UEsおよびキャップ層CPs)の端部FLaおよび第1封止層SE1の端部SE1aが導電層CLと平面視において重なっている。すなわち、端部FLa,SE1aは、導電層CLの端部CLaと表示領域DAの間に位置している。図21の例においては、端部FLa,SE1aが全周にわたり導電層CLと重なっているが、端部FLa,SE1aと導電層CLが重ならない部分が存在してもよい。
【0128】
図22に示すように、端部FLa,SE1aは、導電層CLの端部CLaと第2コンタクト部CN2の間に位置している。端部FLa,SE1aは、第2コンタクト部CN2と表示領域DAの間に位置してもよい。
【0129】
図23に示すように、端部FLa,SE1aは、導電層CLの上に位置している。上述の各実施形態と同様に、端部FLa,SE1aは、第1樹脂層RS1の下方に位置し、第2封止層SE2によって覆われている。
【0130】
図23の例においては、第1樹脂層RS1の端部RS1aが凸部R1によって堰き止められ、第2樹脂層RS2の端部RS2aが凸部R3によって堰き止められている。端部RS1aは、図16の例と同じく凸部R2によって堰き止められてもよい。端部RS2aは、図17の例と同じく凸部R4によって堰き止められてもよい。また、図18に示した配線LNがダム構造DSに配置されてもよい。
【0131】
本実施形態の構成であっても、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態においては、導電層CLとダム構造DSの間の領域で全体的に第2封止層SE2がリブ5に接触する。これにより、第2封止層SE2とリブ5の密着性を高めることができる。
【0132】
以上、本発明の実施形態として説明した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に属する。
【0133】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0134】
また、上述の各実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0135】
DSP…表示装置、DA…表示領域、SA…周辺領域、PX…画素、SP1,SP2,SP3…副画素、LE1,LE2,LE3…下電極、UE1,UE2,UE3,UEs…上電極、OR1,OR2,OR3,ORs…有機層、CP1,CP2,CP3,CPs…キャップ層、SE11,SE12,SE13,SE1…第1封止層、SE2…第2封止層、SE3…第3封止層、RS1…第1樹脂層、RS2…第2樹脂層、CL…導電層、PW…給電線、RL…中継配線、DS…ダム構造、R1,R2,R3,R4…凸部、CN1…第1コンタクト部、CN2…第2コンタクト部、1…画素回路、5…リブ、6…隔壁、10…基板、12…有機絶縁層、61…隔壁の下部、62…隔壁の上部。
図1
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