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特開2024-165816自動改札システム、自動改札方法、および自動改札プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165816
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】自動改札システム、自動改札方法、および自動改札プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20241121BHJP
【FI】
G07B15/00 501
G07B15/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082331
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 正行
(72)【発明者】
【氏名】横田 俊介
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA03
3E127BA59
3E127CA02
3E127DA02
3E127DA06
3E127DA17
3E127DA30
3E127DA44
3E127FA03
3E127FA17
(57)【要約】
【課題】自動改札機のドアの開閉を制御することにより、自動改札機または駅構内での事故発生を防止することができる技術を提供する。
【解決手段】実施形態に係る自動改札システム機であって、自動改札機の媒体リーダにより読み取られた媒体情報を取得する媒体情報取得部と、媒体情報に基づいて旅客が通行可能かどうかを認証する媒体認証部と、旅客を認証できない場合であっても、所定の条件を満たす場合、自動改札機のドアを開けたままにするように制御する通行制御部と、を備える。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動改札機の媒体リーダにより読み取られた媒体情報を取得する媒体情報取得部と、
前記媒体情報に基づいて旅客が通行可能かどうかを認証する媒体認証部と、
前記旅客を認証できない場合であっても、所定の条件を満たす場合、前記自動改札機のドアを開けたままにするように制御する通行制御部と、
を備える、自動改札システム。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記媒体情報が、旅客が交通弱者であることを示す交通弱者フラグを含む場合である、請求項1に記載の自動改札システム。
【請求項3】
前記通行制御部は、前記自動改札機が備えるディスプレイに通行不可である旨の情報を表示し、音声で通行できないことを前記交通弱者である旅客に知らせるように制御する、請求項2に記載の自動改札システム。
【請求項4】
前記所定の条件は、駅構内の混雑状況を示す混雑指標が所定の閾値を超えており、且つ、前記駅構内から前記旅客が退出しようとする場合である、請求項1に記載の自動改札システム。
【請求項5】
前記通行制御部は、前記自動改札機が備えるディスプレイに通行不可である旨の情報を表示するが、音声で通行できないことを前記旅客に知らせないように制御する、請求項4に記載の自動改札システム。
【請求項6】
前記混雑指標が前記所定の閾値を超えている場合、前記通行制御部は、前記旅客が駅構内に入場しようとする受け入れ速度を低減させるように制御する、請求項4に記載の自動改札システム。
【請求項7】
前記自動改札システムは、前記自動改札機に接続された中央サーバをさらに備え、
前記中央サーバは、前記媒体情報取得部および前記媒体認証部を備える、請求項1に記載の自動改札システム。
【請求項8】
媒体情報に含まれる媒体IDに紐付けられたネガリストを記憶する記憶部をさらに備え、
前記媒体認証部が媒体情報に含まれる媒体IDがネガリストに存在すると判定した場合、通行制御部は、所定の条件を満たす場合であってもドアを閉じるように制御する、請求項1に記載の自動改札システム。
【請求項9】
旅客のパーソナル情報を記憶した記憶部をさらに備え、
通行制御部は、前記パーソナル情報に基づいてドアを開けたままにする時間を変更する、請求項1に記載の自動改札システム。
【請求項10】
前記所定の条件は、前記媒体情報に含まれるカード種別が交通弱者を示す場合である、請求項1に記載の自動改札システム。
【請求項11】
媒体リーダにより読み取られた、媒体情報を取得する媒体情報取得部と、
前記媒体情報に基づいて旅客が通行可能かどうかを認証する媒体認証部と、
前記旅客を認証できない場合であっても、前記媒体情報が、旅客が交通弱者であることを示す交通弱者フラグを含む場合、前記自動改札機のドアを開けたままにするように制御する通行制御部と、
を備える自動改札機。
【請求項12】
装置のプロセッサが実行する自動改札方法であって、
自動改札機の媒体リーダにより読み取られた媒体情報を取得することと、
前記媒体情報に基づいて旅客が通行可能かどうかを認証することと、
前記旅客を認証できない場合であっても、所定の条件を満たす場合、前記自動改札機のドアを開けたままにするように制御することと、
を備える、自動改札方法。
【請求項13】
装置のプロセッサによって実行させるための命令を備える自動改札プログラムであって、前記命令は、
自動改札機の媒体リーダにより読み取られた媒体情報を取得することと、
前記媒体情報に基づいて旅客が通行可能かどうかを認証することと、
前記旅客を認証できない場合であっても、所定の条件を満たす場合、前記自動改札機のドアを開けたままにするように制御することと、
を備える、自動改札プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、自動改札システム、自動改札方法、および自動改札プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動改札機において、ICカード等の媒体を翳して旅客が通行する際、通行不可と判定されると、自動改札機が備えるドアが閉まり、旅客が通行するのを阻止する。
【0003】
例えば、特許文献1では、旅客の種別に応じて、ドアの開閉のタイミングを制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-134799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
障害者、幼児、幼児同伴、高齢者、妊婦等を含む交通弱者が、通行不可となり、ドアが閉まると、交通弱者が転倒またはドアに当たることによる打撲等の事故が発生する危険がある。
【0006】
また、鉄道等の交通機関の遅延、運転見合わせ等により、駅構内に旅客が滞留している場合、転倒事故、旅客同士のトラブル等が発生する危険がある。
【0007】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、自動改札機のドアの開閉を制御することにより、自動改札機または駅構内での事故発生を防止することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る自動改札システムは、自動改札機の媒体リーダにより読み取られた媒体情報を取得する媒体情報取得部と、前記媒体情報に基づいて旅客が通行可能かどうかを認証する媒体認証部と、前記旅客を認証できない場合であっても、所定の条件を満たす場合、前記自動改札機のドアを開けたままにするように制御する通行制御部と、を備えるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態に係る自動改札システムの構成例を示す概念図である。
図2図2は、第1の実施形態における自動改札機のハードウェア構成およびソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る中央サーバのハードウェア構成およびソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態における自動改札処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図5図5は、第1の実施形態の第1の変形例における自動改札処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図6図6は、第2の実施形態に係る自動改札システムの構成例を示す概念図である。
図7図7は、第2の実施形態における中央サーバのハードウェア構成およびソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、第2の実施形態における自動改札処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら自動改札システム、自動改札方法、および自動改札プログラムについて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0011】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る自動改札システム10の構成例を示す概念図である。
自動改札システム10は、例えば、鉄道または新交通等の交通機関における入出場の制御を行うためのシステムである。しかしながら、自動改札システム10は、ライブ会場、イベント会場等の入出場にも適用可能なのは勿論である。
【0012】
図1に示すように、自動改札システム10は、自動改札機20、中央サーバ30等を備える。自動改札機20は、媒体リーダ21、ドア22、およびセンサ23等を有する。
【0013】
自動改札機20は、通路を通過(入場または出場)しようとする旅客(利用者)に対して通行を許可するかどうかを制御する。自動改札機20は、例えば、駅等の改札口に1つまたは複数設置される。例えば、自動改札機20はそれぞれ、利用者を通行させる通路を形成する。また、自動改札機20は、ネットワークを介してまたは有線で中央サーバ30と接続可能であり、中央サーバ30との間で各種情報を送受信する。
【0014】
自動改札機20を利用する旅客は、旅客が所持する媒体を用いて自動改札機20を通行する旅客である。ここで、媒体は、磁気券、ICカード乗車券、2次元コード、EMV対応クレジットカード、等であって良い。また、本実施形態における旅客は、高齢者、障害者、妊婦、幼児、幼児同伴等を含む交通弱者であって良い。また、交通弱者は、高齢者、障害者、幼児、幼児同伴、妊婦等を介護または介助する介護者または介助者を含んで良い。
【0015】
媒体リーダ21は、旅客が利用する媒体を読み取るためのリーダである。図1の例では、媒体リーダ21は、通路の最も上流側に配置される。ここで、上流とは、旅客が通路に入る側を上流とし、通路から出る側を下流とする。図1では、媒体リーダが1つのみである例を示しているが、自動改札機20は、複数の媒体リーダ21を備えて良い。媒体リーダ21は、媒体から媒体情報を読み取る。例えば、媒体リーダ21は、ICカード乗車券から媒体情報を読み取るリーダであって良い。また、読み取られた媒体情報は、中央サーバ30に送信されて良い。
【0016】
本実施形態では、媒体から媒体情報を読み取るとは、例えば、媒体が磁気券であれば、所定の投入口に投入された磁気券から媒体情報を読み取ることを指し、2次元コード、ICカード、またはEMV対応クレジットカードであれば、2次元コード、ICカードまたはEMV対応クレジットカードが媒体リーダに翳され、翳された2次元コード、ICカードまたはEMV対応クレジットカードから媒体情報を読み取ることを指す。
【0017】
ドア22は、自動改札機20に設置され、利用者の通行を許可しない場合、物理的に利用者の通行を阻止する。
【0018】
センサ23は、自動改札機20の通路に向けて設置され、自動改札機20の通路に進入してくる旅客の通路内での位置、および進行方向を検知する。例えば、センサ23は、検知した旅客の位置および進行方向についての情報を含む位置情報を生成して良い。
【0019】
中央サーバ30は、自動改札機20と有線または無線により接続される。そして、中央サーバ30は、駅の構内、駅の管理室等に設置される。また、中央サーバ30は、自動改札機20から受信した各種情報により、媒体の認証を行うことができる。
【0020】
(構成)
次に、第1の実施形態に係る自動改札システム10の自動改札機20の構成について説明する。
【0021】
図2は、第1の実施形態における自動改札機20のハードウェア構成およびソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、自動改札機20は、制御部201と、記憶部202と、通信インタフェース203と、インタフェース204と、を備える。
【0022】
制御部201は、自動改札機20における各種動作を制御する。制御部201は、中央処理ユニット(CPU)などのハードウェアプロセッサを備える。
【0023】
記憶部202は、記憶媒体である。記憶部202は、例えばHDDまたはSSD等の随時書き込みおよび読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部202は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。また、記憶部202は、自動改札機20が取得した各種情報を記憶してもよい。
【0024】
通信インタフェース203は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース203は、ネットワークを通じて、中央サーバ30または自動改札機20を監視する監視盤等を含む外部装置と有線または無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース203は、制御部201の制御の下、中央サーバ30および外部装置との間で通信を行い、各種情報を送受信することができる一般的な通信モジュールを含んでよい。
【0025】
インタフェース204は、媒体リーダ21、ドア22、センサ23、および出力部24との間で各種情報を送受信可能にするインタフェースである。インタフェース204は、通信インタフェース203と一体であっても良い。
【0026】
媒体リーダ21は、自動改札機20が起動すると同時に起動する。媒体リーダ21は、制御部201により、受け付け状態または停止状態となる。受け付け状態は、媒体から媒体情報を読み取り可能な状態であり、停止状態は、媒体から媒体情報を読み取りできない状態を指す。例えば、受け付け状態である場合、これらの媒体リーダ21は、緑または青などの色で点灯し、媒体から媒体情報を読み取り可能であることを利用者に通知しても良い。一方、停止状態である場合、媒体リーダは、消灯または赤で点灯し、旅客に媒体から媒体情報が読み取れないことを通知する。例えば、媒体情報は、媒体ID、入場駅、チャージ額等を含む。
【0027】
媒体リーダ21は、磁気券投入口、磁気券読み取り部、および磁気券排出口等を備え、磁気券である媒体から媒体情報を読み取っても良い。例えば、媒体(磁気券)を読み取れる場合、磁気券投入口に設けられたシャッタを開け、磁気券の投入が可能であることを旅客に示す。一方、媒体(磁気券)が読み取れない場合、磁気券投入口に設けられたシャッタを閉じ、磁気券の投入ができないことを旅客に示す。
【0028】
ドア22は、自動改札機20の通路側の側面に配置される。ドア22は、制御部201の指示に応じて、開閉する。例えば、ドア22が閉じることにより、利用者の通行を物理的に阻止する。
【0029】
センサ23は、自動改札機20の通路側の側面に配置される。図1では、例として2つのセンサのみ示しているが、自動改札機20は、より多くのセンサ、例えば数十個のセンサを有していて良い。センサ23は、通路内の旅客の位置、旅客の高さ、および進行方向を検出し、旅客が通路内のどの位置にいるかを示す位置情報を制御部201に出力して良い。また、センサ23は、旅客が通路内から出たか等を検知して良い。この場合、位置情報は、旅客が通路から出たことを示す情報を含んで良い。
【0030】
出力部24は、旅客に各種情報を伝えるために配置される。例えば、出力部24は、ディスプレイ、スピーカ、ランプ等を含んで良い。例えば、旅客の通行を許可する場合、出力部24に含まれるディスプレイに通行を許可する旨の情報を表示し、ランプを緑または青色に点灯させて良い。一方、旅客の通行が許可されない場合、出力部24に含まれるディスプレイに通行ができない旨の情報を表示し、ランプを赤色に点灯させて良い。また、出力部24に含まれるスピーカを用いて通行が許可されていない旨を音声で旅客に伝えて良い。
【0031】
制御部201は、媒体情報取得部2011と、媒体認証部2012と、通行制御部2013と、位置検出部2014と、送受信制御部2015と、を備える。
【0032】
媒体情報取得部2011は、媒体リーダ21が読み取った媒体情報を取得する。また、媒体情報は、上述した情報(媒体ID、入場駅、チャージ額等)に加えて、旅客が交通弱者であることを示す交通弱者フラグを含んで良い。当該交通弱者フラグは、旅客が交通弱者である、高齢者、障害者、幼児、幼児同伴、妊婦等であることを示す情報を含んで良い。ここで、交通弱者フラグは、券売機、或いは係員が扱う機器等により、媒体に予め登録された情報であって良い。
【0033】
媒体認証部2012は、媒体認証ができたかどうかを判定する。媒体認証部2012は、媒体情報記憶部2021に記憶された媒体情報に基づいて旅客の通行が可能かどうか、すなわち認証可能かどうかを判定する。なお、媒体情報に基づく媒体認証は、一般的な方法であれば良いため、ここでの詳細な説明は省略する。また、認証可能であると判定した媒体認証部2012は、認証承認信号を出力する。一方、認証できないと判定した媒体認証部2012は、認証不承認信号を出力する。
【0034】
通行制御部2013は、通常モードで動作する場合、ドア22を閉じる、或いはドア22を開けるように制御する。認証不承認信号を受信した場合、通行制御部2013は、ドア閉信号をドア22に送信し、ドア22を閉じるように制御し、利用者の通行を物理的に阻止する。逆に認証承認信号を受信した場合、通行制御部2013は、ドア22を開けるように制御し、旅客を通行させる。一方、ドア開モードで動作する場合、通行制御部2013は、所定の条件を満たす場合に、認証不承認信号を受信した場合であってもドア22を開けたままにするように制御する。所定の条件の詳細については後述する。
【0035】
位置検出部2014は、旅客が通路から退出したかどうかを判定する。例えば、位置検出部2014は、センサ23から取得した位置情報に基づいて、旅客が通路から退出したかどうかを判定する。
【0036】
送受信制御部2015は、必要に応じて、中央サーバ30に媒体情報、位置情報等を送信する。さらに、送受信制御部2015は、中央サーバ30からの各種情報を受信する。
【0037】
また、記憶部202は、媒体情報記憶部2021を備える。媒体情報記憶部2021は、媒体情報取得部2011が取得した媒体情報を記憶するために用いられる。また、媒体情報記憶部2021は、媒体認証部2012が認証する際に使用する媒体IDに紐付けられた参照情報等を含んで良い。
【0038】
ここで、参照情報は、ネガリスト等を含む。ネガリストは、いわゆるクレジットカード作成申請の審査時に用いられる多重債務者等のブラックリストとは別の防犯セキュリティ用途に用いられるリストである。ネガリストはクレジットカードの利用が止められている利用者(旅客)および不正通行が疑われる旅客を通行不可とするリストである。この参照情報は、中央サーバ30の外部装置から中央サーバに周期的に(例えば、毎朝の定時に)配信される。そして、自動改札機20の制御部201は、中央サーバから定期的に配信される参照情報を取得し、媒体情報記憶部2021に記憶させる。
【0039】
図3は、第1の実施形態に係る中央サーバ30のハードウェア構成およびソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、中央サーバ30は、制御部301と、記憶部302と、通信インタフェース303と、入出力部304と、を備える。
【0040】
制御部301は、中央サーバ30における各種動作を制御する。制御部301は、中央処理ユニット(CPU)などのハードウェアプロセッサを備える。
【0041】
例えば、制御部301は、自動改札機20の制御部201で説明した動作と同じ動作を実行することが可能である。例えば、制御部301は、後述する通信インタフェース303を通じて、自動改札機20が取得した各種情報を取得して良い。そして、制御部301は、自動改札機20の制御部201が備える各部を備えていて良い。
【0042】
例えば、制御部301は、媒体情報取得部3011と、媒体認証部3012と、通行制御部3013と、位置検出部3014と、送受信制御部3015と、を備える。これらの各部は、自動改札機20の制御部201が備える各部と同様の動作をすることが可能である。そのため、重複した詳細な説明を省略する。
【0043】
記憶部302は、記憶媒体である。記憶部302は、例えばHDDまたはSSD等の随時書き込みおよび読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部302は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。また、記憶部302は、中央サーバ30が取得した各種情報を記憶してもよい。
【0044】
通信インタフェース303は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース303は、ネットワークを通じて、自動改札機20または中央サーバ30を管理する管理者の管理端末等を含む外部装置と有線または無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース303は、制御部301の制御の下、自動改札機20および外部装置との間で通信を行い、各種情報を送受信することができる一般的な通信モジュールを含んでよい。
【0045】
入出力部304は、入力部として、例えば、中央サーバ30の管理者が各種情報を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含む。さらに入出力部304は、出力部として、中央サーバ30から管理者に提示するべき出力データを表示するディスプレイや、それを印刷するプリンタ等を含む。すなわち、入出力部304は、中央サーバ30を管理する管理者からの各種情報の入力を受け付け、且つ管理者に対して各種情報を表示することが可能である。
【0046】
記憶部302は、媒体情報記憶部3021を備える。この媒体情報記憶部3021は、自動改札機20の記憶部202の媒体情報記憶部2021と同様の情報を記憶するために用いられる。すなわち、媒体情報記憶部3021は、媒体情報に加えて、参照情報を記憶するために用いられる。さらに、媒体情報記憶部3021は、媒体IDに紐付けられたパーソナル情報を有していても良い。パーソナル情報は、旅客が幼児、幼児同伴、障害者、高齢者、妊婦等のどの交通弱者に該当するのかの具体的な情報であって良い。
【0047】
(動作)
図4は、第1の実施形態における自動改札処理手順の一例を示すシーケンス図である。
自動改札機20の制御部201および中央サーバ30の制御部301がそれぞれ、記憶部202および記憶部302に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このシーケンスの動作が実現される。
【0048】
最初に、自動改札機20に進入してくる旅客を、センサ23等が検知し、センサ情報を制御部201に出力すると、このシーケンスが開始される。或いは、このシーケンスは、媒体リーダ21が媒体を検知することにより開始しても良い。
【0049】
なお、本実施形態における旅客は、交通弱者であるとする。すなわち、旅客は、高齢者、障害者、幼児、幼児同伴、妊婦等である。
【0050】
ステップST101で、媒体情報取得部2011は、媒体リーダ21が読み取った媒体情報を取得する。例えば、旅客が媒体を読み取らせようとすると、媒体リーダ21は、媒体を検知し、媒体から媒体情報を読み取る。そして、媒体リーダ21は、読み取った媒体情報を媒体情報取得部2011に出力する。媒体情報取得部2011は、取得した媒体情報を媒体情報記憶部2021に記憶させて良い。ここで、本実施形態では、媒体情報は、旅客が交通弱者であることを示す交通弱者フラグを含むとする。
【0051】
ステップST102で、送受信制御部2015は、媒体情報を中央サーバ30に送信する。送受信制御部2015は、通信インタフェース203を通じて、自動改札機20を識別する改札機IDおよび媒体情報を中央サーバ30に送信する。中央サーバ30の制御部301は、受信した媒体情報を媒体情報記憶部3021に記憶させて良い。
【0052】
ステップST103で、中央サーバ30の媒体認証部3012は、媒体情報記憶部3021に記憶された媒体情報に基づいて認証可能かどうかを判定する。例えば、媒体認証部3012は、媒体情報に基づいて旅客の通行が可能かどうか、すなわち、認証可能かどうかを判定する。認証可能であると判定した場合、送受信制御部3015は、認証承認信号を自動改札機20に送信する。
【0053】
認証承認信号を受信した自動改札機20の制御部201は、通行制御部2013に認証承認信号を出力する。通行制御部2013は、ドア22を開けるように制御し、旅客を通行させる。また、制御部201は、出力部24に含まれるディスプレイに旅客の通行が許可された旨等を表示し、出力部24に含まれるランプの色を青または緑等に点灯させるようにして良い。
【0054】
一方、認証できないと判定した場合、媒体認証部3012は、通行制御部3013に認証不承認信号を出力する。
【0055】
なお、媒体IDに紐付けられたネガリストが存在することによって認証できないと判定した場合、媒体認証部3012は、ネガリストによる認証不成功の信号を送受信制御部3015に出力する。送受信制御部3015は、ドア閉信号を自動改札機20に送信する。自動改札機20の通行制御部2013は、ドア22を閉め、旅客の通行を阻止する。すなわち、媒体情報に交通弱者フラグを含む場合であっても、旅客の通行を阻止する。
【0056】
ここで、ステップST103の処理は、自動改札機20で実行しても良い。例えば、媒体情報に含まれる媒体ID、入場駅、チャージ額等に基づく認証が可能かどうかの判定は、自動改札機20の媒体認証部2012が実行しても良い。この場合、ステップST102の処理は省略して良い。一方で、認証できないと判定した場合に、送受信制御部2015は、認証不承認信号、改札機ID、および媒体情報を中央サーバ30に送信して良い。
【0057】
ステップST104で、認証不承認信号を受信した通行制御部3013は、媒体情報に交通弱者を示す交通弱者フラグが含まれるかどうかを判定する。すなわち、通行制御部3013は、旅客を認証できない場合であっても所定の条件を満たすかどうかを判定する。本実施形態において、旅客が交通弱者であるため、媒体情報は、交通弱者フラグを含む、すなわち、所定の条件を満たす。そのため、通行制御部3013は、自動改札機20のドア22を開けたままにするように制御する必要があると判定する。そこで、通行制御部3013は、ドアを開けたままにするように制御することを示すドア開モード情報を含む認証不承認信号を送受信制御部3015に出力する。
【0058】
また、通行制御部2013は、媒体情報に含まれる媒体IDに紐付けられたパーソナル情報に基づいて旅客がどのような交通弱者であるかを判定して良い。そして、当該判定結果を承認不承認信号に含めても良い。
【0059】
ステップST105で、送受信制御部3015は、認証不承認信号を自動改札機20に送信する。送受信制御部315は、改札機IDに基づいて、媒体情報を送信した自動改札機20に認証不承認信号を送信する。
【0060】
ステップST106で、通行制御部2013は、ドア22を開けたままにするように制御する。ドア開モード情報を含む認証不承認信号を受信した通行制御部2013は、ドア22にドア開信号を出力し、ドア開モードで動作するように制御する。そして、通行制御部2013は、出力部24に含まれるディスプレイに通行ができない旨の情報を表示し、ランプを赤色に点灯させる。さらに、通行制御部2013は、出力部24に含まれるスピーカ等を用いて音声で旅客に対して通行できない旨を知らせて良い。すなわち、制御部201は、旅客が通行できない旨を出力部24のディスプレイおよび音声を用いて通知するものの、ドア22は、開けたままにするように制御する。
【0061】
なお、通行制御部2013は、認証不承認信号にパーソナル情報に基づいた判定結果が含まれている場合、判定結果に応じてドア22を開けている時間、開けたままにする時間を変更して良い。例えば、高齢者または障害者などの交通弱者は、歩く速度が幼児、幼児同伴、または妊婦と比較して遅いため、これらの交通弱者よりも開けたままにする時間を長くするように通行制御部2013が制御しても良い。すなわち、通行制御部2013は、パーソナル情報に基づいてドアを開けたままにする時間を変更する。さらに、通行制御部2013は、当該判定結果に応じて、駅係員に通知を実施しても良い。
【0062】
ステップST107で、位置検出部2014は、位置情報を取得する。位置検出部2014は、センサ23から位置情報を取得する。
【0063】
ステップST108で、送受信制御部2015は、通信インタフェース203を通じて、位置情報および改札機IDを中央サーバ30に送信する。
【0064】
ステップST109で、位置検出部3014は、位置情報に基づいて旅客の位置を判定する。例えば、旅客が通路内にいると判定された場合、処理はステップST107に戻って良い。一方、旅客がそのまま進んで自動改札機20を通過した、或いは上流側に戻って自動改札機20から退出したと判定した場合、位置検出部3014は、通常モードに戻ることを示す通常モード情報を送受信制御部3015に出力する。
【0065】
ステップST110で、送受信制御部3015は、通信インタフェース303を通じて、通常モード情報を自動改札機20に送信する。送受信制御部3015は、改札機IDに基づいて位置情報を送信した自動改札機20に通常モード情報を送信する。通常モード情報を受信した制御部201の通行制御部2013は、ドア22を開け続けるドア開モードから通常モードに戻ることになる。
【0066】
ここで、ステップST109の処理は、自動改札機20の位置検出部2014が実行しても良い。この場合、ステップST108およびステップST110は、省略することが可能である。例えば、位置情報に基づいて旅客が通路から退出したことを判定した場合、位置検出部2014は、通常モード情報を通行制御部2013に出力する。そして、通常モード情報を受信した通行制御部2013は、ドア開モードから通常モードに戻る。
【0067】
(第1の実施形態の作用効果)
以上説明した第1の実施形態によれば、媒体から取得した媒体情報に交通弱者フラグを含み、且つ当該媒体を所持する旅客が通行できないと判定された場合、通行制御部2013は、ドア22を開けたままにするように制御する。これにより、ドア22が旅客に当たって転倒する、或いは怪我をする等の事故を防止することができる。これにより、交通弱者は、安全に自動改札機20を通行することができる。
【0068】
[第1の実施形態の第1の変形例]
第1の実施形態の第1の変形例では、第1の実施形で説明した処理を全ての処理を自動改札機20が実施する場合について詳細に説明する。そのため、自動改札機20等の構成は、第1の実施形態と同じであればよいため、重複した説明を省略する。
【0069】
(動作)
図5は、第1の実施形態の第1の変形例における自動改札処理手順の一例を示すシーケンス図である。
自動改札機20の制御部201が記憶部202に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このシーケンスの動作が実現される。
【0070】
ステップST101、ステップST107、およびステップST109は、図4を参照して説明したステップST101、ステップST107、およびステップST109と同じで良い。そのためここでの重複した説明を省略する。
【0071】
ステップST103で、自動改札機20の媒体認証部2012は、媒体情報記憶部2021に記憶された媒体情報に基づいて認証可能かどうかを判定する。例えば、媒体認証部2012は、媒体情報に基づいて旅客の通行が可能かどうか、すなわち、認証可能かどうかを判定する。認証可能であると判定した場合、媒体認証部2012は、認証承認信号を自動改札機20に出力する。
【0072】
また、第1の実施形態で説明したのと同様に、媒体IDに紐付けられたネガリストが存在することによって認証できないと判定した場合、媒体認証部3012は、ネガリストによる認証不成功の信号を通行制御部2013に出力する。当該信号を受信した通行制御部2013は、ドア22を閉め、旅客の通行を阻止する。すなわち、媒体情報に交通弱者フラグを含む場合であっても、旅客の通行を阻止する。
【0073】
ステップST104で、通行制御部2013は、媒体情報に交通弱者を示す交通弱者フラグが含まれるかどうかを判定する。すなわち、通行制御部2013は、旅客を認証できない場合であっても所定の条件を満たすかどうかを判定する。本実施形態において、旅客が交通弱者であるため、媒体情報は、交通弱者フラグを含む、すなわち、所定の条件を満たす。そのため、通行制御部3013は、自動改札機20のドア22を開けたままにするように制御する必要があると判定する。
【0074】
ステップST106で、通行制御部2013は、ドア22を開けたままにするように制御する。通行制御部2013は、ドア22にドア開信号を出力し、ドア開モードで動作するように制御する。その他の動作は、ステップST106と同様であって良い。
【0075】
(第1の実施形態の第1の変形例の作用効果)
以上説明した第1の実施形態の第1の変形例によれば、媒体から取得した媒体情報に交通弱者フラグを含み、且つ当該媒体を所持する旅客が通行できないと自動改札機20のみで判定する。これにより、中央サーバ30を介さずに自動改札機20のみでドア22が旅客に当たって転倒する、或いは怪我をする等の事故を防止することができる。
【0076】
[第1の実施形態の第2の変形例]
第1の実施形態の第2の変形例では、媒体情報が交通弱者フラグを含まない場合である。このような場合、中央サーバ30の記憶部302に、媒体の媒体IDに紐付けられた、交通弱者フラグに対応する個人情報を含むとする。個人情報は、旅客が交通弱者かどうかを示す情報である。
【0077】
上記のような場合、自動改札機20および中央サーバ30の構成は、第1の実施形態と同じであるため、重複した説明を省略する。ただし、記憶部302は、媒体IDに対応付けられた交通弱者フラグを記憶しているものとする。
【0078】
動作は、図4を参照して説明した動作とステップST104を除いて同じであって良い。
【0079】
ステップST104で、通行制御部3013は、記憶部302を参照して、媒体情報に含まれる媒体IDに紐付けられた交通弱者かどうかを示す情報(交通弱者フラグ)が記憶されているかどうかを判定すれば良い。
【0080】
また、通行制御部3013は、第1の実施形態で説明したのと同様に、媒体情報に含まれる媒体IDに紐付けられたパーソナル情報に基づいて旅客がどのような交通弱者であるかを判定して良い。そして、当該判定結果を承認不承認信号に含めても良い。
【0081】
(第1の実施形態の第2の変形例の作用効果)
以上説明した第1の実施形態の第2の変形例によれば、媒体が媒体情報フラグを含まなくとも媒体IDに基づいて、中央サーバ30は、旅客が交通弱者かどうかを判定することができる。これにより、交通弱者である旅客が通行できないと判定されたとしても、通行制御部2013は、ドア22を開けたままにするように制御する。これにより、ドア22が旅客に当たって転倒する、或いは怪我をする等の事故を防止することができる。
【0082】
[第2の実施形態]
図6は、第2の実施形態に係る自動改札システム10の構成例を示す概念図である。
【0083】
自動改札システム10は、自動改札機20、中央サーバ30、および構内カメラ40を備える。
【0084】
構内カメラ40は、駅構内の任意の場所に設置され、駅構内の混雑状況を検知するカメラである。例えば、構内カメラ40は、駅構内を撮影し、撮影画像から駅構内がどの程度混雑しているのかを示す混雑指標を算出することが可能である。ここで、指標の算出方法は、一般的な方法であれば良いため、ここでの詳細な説明を省略する。また、構内カメラ40は、算出した混雑指標を自動改札機20または中央サーバ30に送信することが可能である。なお、構内カメラ40は、駅構内を撮影した撮影画像を中央サーバ30に送信しても良い。また、図6では、構内カメラ40は、1つのみを示しているが、駅構内に複数の構内カメラ40が配置されて良いのは勿論である。
【0085】
(構成)
次に第2の実施形態に係る自動改札システム10の中央サーバ30の構成について説明する。ここで、第2の実施形態において、自動改札機20の構成は、第1の実施形態と同じであるため、重複した説明を省略する。
【0086】
図7は、第2の実施形態における中央サーバ30のハードウェア構成およびソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、制御部301が混雑指標取得部3016を備える点で第1の実施形態と異なる。
【0087】
混雑指標取得部3016は、構内カメラ40から混雑指標を受信する。上述したように、構内カメラ40は、構内を撮影し、撮影画像から旅客がどの程度滞留しているのかを示す混雑指標を算出し、算出した混雑指標を中央サーバ30に送信する。なお、混雑指標取得部3016は、構内カメラ40が撮影した撮影画像から混雑指標を算出しても良い。
【0088】
(動作)
図8は、第2の実施形態における自動改札処理手順の一例を示すシーケンス図である。
自動改札機20の制御部201および中央サーバ30の制御部301がそれぞれ、記憶部202および記憶部302に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このシーケンスの動作が実現される。
【0089】
最初に、鉄道等を含む交通機関が何らかの理由により遅延している、或いは運転を見合わせているとする。この場合、旅客は、駅構内に多く滞留することになる。そこで、自動改札機20は、駅構内から出ようとしている旅客がスムーズに出ることができるようにする必要がある。このシーケンスは、そのような状況で開始して良い。
【0090】
ステップST201で、制御部301の混雑指標取得部3016は、構内カメラ40から混雑指標を受信する。構内カメラ40は、構内を撮影し、撮影画像から旅客がどの程度滞留しているのかを示す混雑指標を算出する。そして、構内カメラ40は、算出した混雑指標を中央サーバ30に送信する。なお、混雑指標取得部3016は、混雑指標を取得できれば良いため、構内カメラ40から混雑指標を取得するだけに限られない。例えば、駅構内に配置されたセンサ等の情報に基づいて混雑指標を取得しても良い。
【0091】
ステップST202で、通行制御部3013は、混雑指標が所定の閾値を超えているかどうかを判定する。混雑指標が所定の閾値を超えている、すなわち、所定の条件を満たす場合、通行制御部3013は、ドア開モード情報を送受信制御部3015に出力する。一方、混雑指標が所定の閾値を超えていない場合、処理は、ステップST201に戻って良い。すなわち、構内カメラ40から混雑指標を再度受信することになる。
【0092】
ステップST203で、送受信制御部3015は、ドア開モード情報を自動改札機20に送信する。
【0093】
なお、ステップST203の代わりに、駅係員が監視盤等を用いて、自動改札機20にドア開モード情報を送信するようにしても良い。この場合、ステップST201およびステップST202は、省略可能である。
【0094】
ステップST204で、通行制御部2013は、ドア22を開けたままになるように制御する。例えば、ドア開モード情報を受信した通行制御部2013は、構内から出場する旅客が、認証できない(通行不可)と判定されたとしても、所定の条件を満たす(すなわち、混雑指標が所定の閾値を超えている)ため、ドア開信号をドア22に出力し、ドア開モードで動作するように制御する。また、通行制御部2013は、音声により旅客が立ち止まってしまうことを防止するため、出力部24が備えるスピーカ等による音声案内をしなくて良い。例えば、通行制御部2013は、出力部24のディスプレイに本来通行不可ではあるが、駅構内が混雑しているため、通していること、および、後で駅員または券売機等で対応する旨の情報を表示するようにして良い。なお、通行制御部2013は、認証できていないことを示すため、ランプを赤に点灯させても良い。
【0095】
一方、構内に入場しようとする旅客に対して、通行制御部2013は、旅客が通行する毎にドア22を閉じる、或いは、次客の受付可能となるまでの時間を延ばす、すなわち、旅客から媒体を読み取った後、停止状態から受け付け状態になるまで時間を遅延させるように媒体リーダ21を制御する等して良い。すなわち、通行制御部2013は、旅客が駅構内に入場しようとする受け入れ速度を低減させるように制御する。また、通行不可となる旅客に対しては通常通り、ドア22を閉じるように制御して良い。
【0096】
上述したように、所定の条件を満たす(混雑指標が所定の閾値を超えている)場合、駅構内から出ていく旅客は、本来通行不可となるような状況であっても通行させるようにドア22を開けたままにするように制御する。こうすることにより、旅客は、駅構内からスムーズに出場することが可能となる。一方、構内に入場しようとする旅客の受け入れ速度を低減させることにより、通常よりも駅構内に入場できる旅客の数を低減させる。これにより、駅構内に滞留している旅客の数を低減することが可能となる。
【0097】
なお、閾値は、複数の閾値を備えていても良い。混雑指標が第1の閾値を超えた場合、第1の実施形態で説明したのと同様に、交通弱者のみを本来通行不可であるにもかかわらずドア22を開けたままにするように制御する。そして、混雑指標が第1の閾値よりも大きな第2の閾値を超えた場合、上述したように、全ての旅客に対して本来通行不可となるような状況であっても通行させるようにドア22を開けたままにするように制御して良い。
【0098】
その後、鉄道等を含む交通機関の遅延が解消する、運転を再開する等により、駅構内に滞留している旅客の数が減少したとする。
【0099】
ステップST205で、混雑指標取得部3016は、構内カメラ40から混雑指標を受信する。ステップST201と同様に、構内カメラ40は、構内を撮影し、撮影画像から旅客がどの程度滞留しているのかを示す混雑指標を算出する。そして、構内カメラ40は、算出した混雑指標を中央サーバ30に送信する。
【0100】
ステップST206で、通行制御部3013は、混雑指標が所定の閾値を超えているかどうかを判定する。上述したように、駅構内に滞留している旅客が減少しているため、通行制御部3013は、混雑指標が所定の閾値未満となっていると判定する。そこで、通行制御部3013は、通常モード情報を送受信制御部3015に出力する。
【0101】
ステップST207で、送受信制御部3015は、通常モード情報を自動改札機20に送信する。
【0102】
なお、ステップST207の代わりに、駅係員が監視盤等を用いて、自動改札機20に通常モード情報を送信するようにしても良い。この場合、ステップST205およびステップST206は、省略可能である。
【0103】
通常モード情報を受信した通行制御部2013は、通常の状態、すなわち、通行不可と判定された旅客に対してドア22を閉めるように制御する。なお、第1の実施形態で説明したように、交通弱者に対してはドア22を開けたままにするように制御して良い。
【0104】
(第2の実施形態の作用効果)
以上説明した第2の実施形態によれば、交通機関が遅延または運転見合わせ等の理由により、駅構内に多数の旅客が滞留している場合、自動改札機20は、駅構内から退出しようとする旅客が通行不可であってもドア22を開けたままにするように制御する。また、駅構内に入場しようとする旅客に対しては旅客ごとにドア22を閉じるように制御する。このように、駅構内からの出場をしやすくする一方、駅構内への入場を遅くするように制御することにより、駅構内に滞留している旅客の数を低減させるようにする。こうすることにより、駅構内での転倒事故、旅客同士のトラブル等の発生を抑制することができる。
【0105】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ステップST103とステップST104は、自動改札機20または中央サーバ30で同時に実施して良い。すなわち、媒体認証を実施するとともに、媒体情報が交通弱者フラグを含むかどうか判定して良い。
【0106】
さらに本実施形態では、交通弱者フラグを用いた例を説明したが、交通弱者フラグの代わりに、媒体情報に含まれるカード種別を用いて交通弱者かどうかを判定しても良い。ここで、カード種別は、旅客が通常の旅客である、或いは、障害者、幼児、幼児同伴、または高齢者であるかを示す情報である。すなわち、所定の条件が、媒体情報に含まれるカード種別が交通弱者であることを示すことであって良い。 要するに、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良く、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0107】
10…自動改札システム
20…自動改札機
21…媒体リーダ
22…ドア
23…センサ
24…出力部
30…中央サーバ
40…構内カメラ
201…制御部
2011…媒体情報取得部
2012…媒体認証部
2013…通行制御部
2014…位置検出部
2015…送受信制御部
202…記憶部
2021…媒体情報記憶部
203…通信インタフェース
204…インタフェース
301…制御部
3011…媒体情報取得部
3012…媒体認証部
3013…通行制御部
3014…位置検出部
3015…送受信制御部
3016…混雑指標取得部
302…記憶部
3021…媒体情報記憶部
303…通信インタフェース
304…入出力部
315…送受信制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8