(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165835
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20241121BHJP
B60W 30/00 20060101ALI20241121BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241121BHJP
【FI】
G01C21/26 C
B60W30/00
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082368
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】諸橋 草太
【テーマコード(参考)】
2F129
3D241
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129AA03
2F129DD63
2F129EE83
2F129EE84
2F129EE90
2F129GG17
2F129GG18
3D241BA60
3D241CC03
3D241CC08
3D241CC17
3D241CE04
3D241CE05
5L049CC17
5L050CC17
(57)【要約】
【課題】利用者が移動体に乗って観光又は町巡りをするときに、より充実した支援を行うことができる情報処理方法を提供する。
【解決手段】利用者12が移動体40aに乗って目標到着時刻までに主目的地に到着することを支援するコンピュータによる情報処理方法であって、複数の施設のそれぞれの施設情報31、移動体40aの現在地32b及び移動速度32cに関する移動体情報32、目的地情報33、並びに、現在時刻を取得するステップS10及びS12と、取得した情報に基づいて、移動体40aが、複数の施設のうちの少なくとも一つを経由したうえで目標到着時刻33cまでに主目的地に到着できるか否かを判断するステップS13と、到着できると判断した施設を副目的地として決定するステップS14と、副目的地を移動体40aに通知するステップS16とを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が移動体に乗って目標到着時刻までに主目的地に到着することを支援するコンピュータによる情報処理方法であって、
複数の施設のそれぞれの識別情報、地理的位置及び訪問時の所要時間に関する施設情報、前記移動体の現在地及び移動速度に関する移動体情報、前記主目的地の地理的位置及び前記目標到着時刻に関する目的地情報、並びに、現在時刻を取得するステップと、
前記施設情報、前記移動体情報、前記目的地情報及び前記現在時刻に基づいて、前記移動体が、前記複数の施設のうちの少なくとも一つを経由したうえで前記目標到着時刻までに前記主目的地に到着できるか否かを判断するステップと、
前記判断するステップにおいて到着できると判断した施設を副目的地として決定するステップと、
前記副目的地に対応する施設の識別情報を前記移動体に通知するステップとを含む、
情報処理方法。
【請求項2】
前記判断するステップでは、前記現在時刻に、前記移動体が前記現在地から施設まで移動するのに要する第一移動時間、前記施設の前記所要時間、及び、前記移動体が前記施設から前記主目的地まで移動するのに要する第二移動時間を加算して得られる予想到着時刻が前記目標到着時刻に達しない場合に、前記移動体が前記目標到着時刻までに前記主目的地に到着できると判断する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
さらに、前記副目的地に対応する施設の識別情報を前記移動体に通知した回数を、前記識別情報に関連付けて記憶するステップを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
さらに、前記副目的地が前記移動体の経由地として決定された場合に、経由地として決定された回数を前記副目的地に対応する施設の識別情報に関連付けて記憶するステップを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
さらに、前記副目的地が前記移動体の経由地として決定され、かつ、前記副目的地において前記利用者による支払いが発生した場合に、前記利用者によって支払われた金額を前記副目的地に対応する施設の識別情報に関連付けて記憶するステップを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記決定するステップでは、前記複数の施設のうち、前記移動体が施設に寄るために生じる移動距離に対応するコストが低い施設を優先して前記副目的地として決定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記取得するステップでは、さらに、前記利用者の嗜好に関する利用者情報を取得し、
前記決定するステップでは、前記複数の施設のうち、前記利用者情報に含まれる前記利用者の嗜好にマッチする施設を優先して前記副目的地として決定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記施設情報は、さらに、前記副目的地に対応する施設の識別情報を前記移動体に通知したことに対する対価である広告料に関する広告料情報を含み、
前記決定するステップでは、前記複数の施設のうち、前記広告料情報に含まれる前記広告料の高い施設を優先して前記副目的地として決定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記移動体情報は、複数の移動体の集まりをグループとした場合に、前記移動体が属するグループの属性に関するグループ情報を含み、
前記決定するステップでは、前記複数の施設のうち、前記グループ情報に含まれる前記グループの属性に合った施設を優先して前記副目的地として決定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記施設情報は、さらに、前記複数の施設のそれぞれの混雑度に関する混雑情報を含み、
前記決定するステップでは、前記複数の施設のうち、前記混雑情報に含まれる前記混雑度の低い施設を優先して前記副目的地として決定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記施設情報は、さらに、前記複数の施設のそれぞれの属性に関する施設属性情報を含み、
前記決定するステップでは、前記複数の施設のうち、前記現在時刻と前記施設属性情報に含まれる前記属性とがマッチする施設を優先して前記副目的地として決定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項12】
利用者が移動体に乗って目標到着時刻までに主目的地に到着することを支援する情報処理装置であって、
プロセッサと、メモリとを備え、
前記メモリは、複数の施設のそれぞれの識別情報、地理的位置及び訪問時の所要時間に関する施設情報と、プログラムとを記憶し、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶された前記プログラムを用いて、
前記施設情報、前記移動体の現在地及び移動速度に関する移動体情報、前記主目的地の位置及び前記目標到着時刻に関する目的地情報、並びに、現在時刻を取得する手順と、
前記施設情報、前記移動体情報、前記目的地情報及び前記現在時刻に基づいて、前記移動体が、前記複数の施設のうちの少なくとも一つを経由したうえで前記目標到着時刻までに前記主目的地に到着できるか否かを判断する手順と、
前記判断する手順において到着できると判断した施設を副目的地として決定する手順と、
前記副目的地に対応する施設の識別情報を前記移動体に通知する手順とを実行する、
情報処理装置。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか1項に記載の情報処理方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、利用者が移動体に乗って目標到着時刻までに主目的地に到着することを支援するコンピュータによる情報処理方法、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ロボット技術を用いたパーソナルモビリティであるロボティックモビリティ等の自律走行車が開発され、様々な観点で利用者を支援する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、利用者との待ち合わせ場所に待ち合わせ時刻までに到達し、かつ、最小費用を達成する自律走行車が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、観光又は町巡りの用途で自律走行車を利用した場合には、利用者への支援が十分とはいえないという問題がある。
【0006】
そこで、本開示は、利用者が移動体に乗って観光又は町巡りをするときに、より充実した支援を行うことができる情報処理方法、情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の一形態に係る情報処理方法は、利用者が移動体に乗って目標到着時刻までに主目的地に到着することを支援するコンピュータによる情報処理方法であって、複数の施設のそれぞれの識別情報、地理的位置及び訪問時の所要時間に関する施設情報、前記移動体の現在地及び移動速度に関する移動体情報、前記主目的地の地理的位置及び前記目標到着時刻に関する目的地情報、並びに、現在時刻を取得するステップと、前記施設情報、前記移動体情報、前記目的地情報及び前記現在時刻に基づいて、前記移動体が、前記複数の施設のうちの少なくとも一つを経由したうえで前記目標到着時刻までに前記主目的地に到着できるか否かを判断するステップと、前記判断するステップにおいて到着できると判断した施設を副目的地として決定するステップと、前記副目的地に対応する施設の識別情報を前記移動体に通知するステップとを含む。
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の一形態に係る情報処理装置は、利用者が移動体に乗って目標到着時刻までに主目的地に到着することを支援する情報処理装置であって、プロセッサと、メモリとを備え、前記メモリは、複数の施設のそれぞれの識別情報、地理的位置及び訪問時の所要時間に関する施設情報と、プログラムとを記憶し、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された前記プログラムを用いて、前記施設情報、前記移動体の現在地及び移動速度に関する移動体情報、前記主目的地の位置及び前記目標到着時刻に関する目的地情報、並びに、現在時刻を取得する手順と、前記施設情報、前記移動体情報、前記目的地情報及び前記現在時刻に基づいて、前記移動体が、前記複数の施設のうちの少なくとも一つを経由したうえで前記目標到着時刻までに前記主目的地に到着できるか否かを判断する手順と、前記判断する手順において到着できると判断した施設を副目的地として決
定する手順と、前記副目的地に対応する施設の識別情報を前記移動体に通知する手順とを実行する。
【0009】
上記目的を達成するために、本開示の一形態に係るプログラムは、上記情報処理方法に含まれるステップをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、利用者が移動体に乗って観光又は町巡りをするときに、より充実した支援を行うことができる情報処理方法、情報処理装置及びプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る移動体管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る移動体管理システムによる寄り道の提案手順を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、
図2に示される手順を説明するための地図の例を示す図である。
【
図4】
図4は、情報処理装置から移動体に通知された副目的地の表示例を示す図である。
【
図5A】
図5Aは、2以上の副目的地を経由地とする場合の副目的地の決定方法を説明するための地図の例を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、2以上の副目的地を経由地とする場合の副目的地の決定方法の他の例を説明するための地図の例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る移動体管理システムによる利用者の支払情報の管理手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、移動体管理システムの記憶部において副目的地に関連付けて格納される各種情報の例を示す図である。
【
図8A】
図8Aは、情報処理装置が決定した副目的地を優先度に応じて絞り込んだ後に移動体に通知する手法を示すフローチャートである。
【
図8B】
図8Bは、情報処理装置が決定した副目的地を優先度に依存する態様で移動体に通知する手法を示すフローチャートである。
【
図8C】
図8Cは、情報処理装置が決定した全ての副目的地の通知を受けた移動体において優先度に応じて提示する手法を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、移動体管理システムにおいて「距離コスト」を優先パラメータとして用いて利用者に副目的地を提示する場合の詳細な処理を説明する図である。
【
図10】
図10は、移動体管理システムにおいて「利用者の嗜好とのマッチ度」を優先パラメータとして用いて利用者に副目的地を提示する場合の特徴的な処理を示す図である。
【
図11】
図11は、移動体管理システムにおいて「広告料」を優先パラメータとして用いて利用者に副目的地を提示する場合の特徴的な処理を示す図である。
【
図12】
図12は、移動体管理システムにおいて「グループ属性とのマッチ度」を優先パラメータとして用いて利用者に副目的地を提示する場合の特徴的な処理を示す図である。
【
図13】
図13は、移動体管理システムにおいて「混雑度」を優先パラメータとして用いて利用者に副目的地(つまり、施設)を提示する場合の特徴的な処理を示す図である。
【
図14】
図14は、移動体管理システムにおいて「現在時刻とのマッチ度」を優先パラメータとして用いて利用者に副目的地(つまり、施設)を提示する場合の特徴的な処理を示す図である。
【
図15】
図15は、移動体管理システムにおいて利用者に副目的地を提示する場合の提示例を示す図である。
【
図16】
図16は、移動体が備える端末装置による施設の予約に関する処理を説明する図である。
【
図17】
図17は、実施の形態の変形例に係る移動体管理システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(発明者が得た知見)
利用者が移動体に乗って観光又は町巡りをするときに、必ずしも、利用者は、観光又は町巡りをする場所の地理に関して詳しい知識を有しているとは限らない。そのために、発明者は、利用者に対して有益な観光案内又は観光巡りの提案をする方法がないかを鋭意検討した。その結果、移動体と通信するサーバを活用することで、利用者が移動体に乗り、目的地と目標到着時刻とが明らかになった時点で、目的地への経路において寄り道しても時間的に余裕のある施設を利用者に提示することで、より充実した支援を実現できると考案するに至った。
【0013】
より詳しくは、第1態様に係る情報処理方法は、利用者が移動体に乗って目標到着時刻までに主目的地に到着することを支援するコンピュータによる情報処理方法であって、複数の施設のそれぞれの識別情報、地理的位置及び訪問時の所要時間に関する施設情報、前記移動体の現在地及び移動速度に関する移動体情報、前記主目的地の地理的位置及び前記目標到着時刻に関する目的地情報、並びに、現在時刻を取得するステップと、前記施設情報、前記移動体情報、前記目的地情報及び前記現在時刻に基づいて、前記移動体が、前記複数の施設のうちの少なくとも一つを経由したうえで前記目標到着時刻までに前記主目的地に到着できるか否かを判断するステップと、前記判断するステップにおいて到着できると判断した施設を副目的地として決定するステップと、前記副目的地に対応する施設の識別情報を前記移動体に通知するステップとを含む。
【0014】
これにより、コンピュータによる情報処理方法によって、移動体が目標到着時刻までに主目的地に到着できる範囲で寄り道できる施設が副目的地として決定され、移動体に通知される。よって、利用者は、時間的に安心して、通知された副目的地を経由地として選択し、副目的地を観光又は町巡り(以下、「観光等」ともいう)をした後に目標到着時刻までに主目的地に到着できる。その結果、利用者への支援が充実化されるだけでなく、副目的地に立ち寄って観光等した利用者が副目的地で購買等をすることで副目的地での消費が促進され、町興しや経済活性化にもつながる。さらに、移動体を用いた利用者による無駄な移動を減らすことによって、移動体の消費電力が低減される。
【0015】
また、第2態様に係る情報処理方法は、前記判断するステップでは、前記現在時刻に、前記移動体が前記現在地から施設まで移動するのに要する第一移動時間、前記施設の前記所要時間、及び、前記移動体が前記施設から前記主目的地まで移動するのに要する第二移動時間を加算して得られる予想到着時刻が前記目標到着時刻に達しない場合に、前記移動体が前記目標到着時刻までに前記主目的地に到着できると判断する、第1態様に係る情報処理方法である。これにより、施設ごとに、訪問時の所要時間も勘案したうえで、移動体が目標到着時刻までに主目的地に到着できる範囲で寄り道できる施設が副目的地として決定される。よって、利用者は、寄り道した副目的地で観光等したうえで、確実に目標到着時刻までに主目的地に到着できる。
【0016】
また、第3態様に係る情報処理方法は、さらに、前記副目的地に対応する施設の識別情報を前記移動体に通知した回数を、前記識別情報に関連付けて記憶するステップを含む、第1又は第2態様に係る情報処理方法である。これにより、副目的地として施設を移動体に通知した回数が施設に関連付けて記憶される。よって、施設を副目的地として利用者に提示した回数に依存させて、利用者への副目的地の提示に対する対価(ロイヤリティ)等
を決定することができ、利用者への支援サービスのビジネスが活性化され得る。
【0017】
また、第4態様に係る情報処理方法は、さらに、前記副目的地が前記移動体の経由地として決定された場合に、経由地として決定された回数を前記副目的地に対応する施設の識別情報に関連付けて記憶するステップを含む、第1~第3態様のいずれかに係る情報処理方法である。これにより、施設が経由地として採用された回数が施設に関連付けて記憶される。よって、施設が経由地として採用された回数に依存させて、利用者への副目的地の提示による実効性に対する対価等を決定することができ、利用者への支援サービスのビジネスが活性化され得る。
【0018】
また、第5態様に係る情報処理方法は、さらに、前記副目的地が前記移動体の経由地として決定され、かつ、前記副目的地において前記利用者による支払いが発生した場合に、前記利用者によって支払われた金額を前記副目的地に対応する施設の識別情報に関連付けて記憶するステップを含む、第1~第4態様のいずれかに係る情報処理方法である。これにより、施設において利用者が支払った金額が施設に関連付けて記憶される。よって、利用者が支払った金額に依存させて、利用者への副目的地の提示による実効性に対する対価等を決定することができ、利用者への支援サービスのビジネスが活性化され得る。
【0019】
また、第6態様に係る情報処理方法は、前記決定するステップでは、前記複数の施設のうち、前記移動体が施設に寄るために生じる移動距離に対応するコストが低い施設を優先して前記副目的地として決定する、第1~第5態様のいずれかに係る情報処理方法である。これにより、距離コストの低い施設が優先して副目的地に決定される。よって、距離コストの低い施設が経由地として決定される確率が高くなり、距離コストを抑えた利用者への有益な支援が促進され得る。
【0020】
また、第7態様に係る情報処理方法は、前記取得するステップでは、さらに、前記利用者の嗜好に関する利用者情報を取得し、前記決定するステップでは、前記複数の施設のうち、前記利用者情報に含まれる前記利用者の嗜好にマッチする施設を優先して前記副目的地として決定する、第1~第6態様のいずれかに係る情報処理方法である。これにより、利用者の嗜好にマッチする施設が優先して副目的地に決定される。よって、利用者の嗜好にマッチする施設が経由地として決定される確率が高くなり、利用者の利便性が向上され得る。
【0021】
また、第8態様に係る情報処理方法は、前記施設情報は、さらに、前記副目的地に対応する施設の識別情報を前記移動体に通知したことに対する対価である広告料に関する広告料情報を含み、前記決定するステップでは、前記複数の施設のうち、前記広告料情報に含まれる前記広告料の高い施設を優先して前記副目的地として決定する、第1~第7態様のいずれかに係る情報処理方法である。これにより、広告料の高い施設が優先して副目的地に決定される。よって、広告料の高い施設が経由地として決定される確率が高くなり、利用者への支援サービスのビジネスが活性化され得る。
【0022】
また、第9態様に係る情報処理方法は、前記移動体情報は、複数の移動体の集まりをグループとした場合に、前記移動体が属するグループの属性に関するグループ情報を含み、
前記決定するステップでは、前記複数の施設のうち、前記グループ情報に含まれる前記グループの属性に合った施設を優先して前記副目的地として決定する、第1~第8態様のいずれかに係る情報処理方法である。これにより、グループの属性に合った施設が優先して副目的地に決定される。よって、グループの属性に合った施設が経由地として決定される確率が高くなり、複数の移動体による団体行動の利便性が向上され得る。
【0023】
また、第10態様に係る情報処理方法は、前記施設情報は、さらに、前記複数の施設の
それぞれの混雑度に関する混雑情報を含み、前記決定するステップでは、前記複数の施設のうち、前記混雑情報に含まれる前記混雑度の低い施設を優先して前記副目的地として決定する、第1~第9態様のいずれかに係る情報処理方法である。これにより、混雑度の低い施設が優先して副目的地に決定される。よって、混雑度の低い施設が経由地として決定される確率が高くなり、観光地での混雑度が抑制され得る。
【0024】
また、第11態様に係る情報処理方法は、前記施設情報は、さらに、前記複数の施設のそれぞれの属性に関する施設属性情報を含み、前記決定するステップでは、前記複数の施設のうち、前記現在時刻と前記施設属性情報に含まれる前記属性とがマッチする施設を優先して前記副目的地として決定する、第1~第10態様のいずれかに係る情報処理方法である。これにより、現在時刻と施設の属性とがマッチする施設が優先して副目的地に決定される。よって、現在時刻と施設の属性とがマッチする施設が経由地として決定される確率が高くなり、利用者の利便性が向上され得る。
【0025】
また、第12態様に係る情報処理装置は、利用者が移動体に乗って目標到着時刻までに主目的地に到着することを支援する情報処理装置であって、プロセッサと、メモリとを備え、前記メモリは、複数の施設のそれぞれの識別情報、地理的位置及び訪問時の所要時間に関する施設情報と、プログラムとを記憶し、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された前記プログラムを用いて、前記施設情報、前記移動体の現在地及び移動速度に関する移動体情報、前記主目的地の位置及び前記目標到着時刻に関する目的地情報、並びに、現在時刻を取得する手順と、前記施設情報、前記移動体情報、前記目的地情報及び前記現在時刻に基づいて、前記移動体が、前記複数の施設のうちの少なくとも一つを経由したうえで前記目標到着時刻までに前記主目的地に到着できるか否かを判断する手順と、前記判断する手順において到着できると判断した施設を副目的地として決定する手順と、前記副目的地に対応する施設の識別情報を前記移動体に通知する手順とを実行する。また、第13態様に係るプログラムは、情報処理方法に含まれるステップをコンピュータに実行させる。
【0026】
これにより、情報処理装置又はプログラムを実行するコンピュータによって、移動体が目標到着時刻までに主目的地に到着できる範囲で寄り道できる施設が副目的地として決定され、移動体に通知される。よって、利用者は、時間的に安心して、通知された副目的地を経由地として選択し、副目的地を観光等した後に目標到着時刻までに主目的地に到着できる。その結果、利用者への支援が充実化されるだけでなく、副目的地に立ち寄って観光等した利用者が副目的地で購買等をすることで副目的地での消費が促進され、町興しや経済活性化にもつながる。さらに、移動体を用いた利用者による無駄な移動を減らすことによって、移動体の消費電力が低減される。
【0027】
(実施の形態)
以下、本開示の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示す。以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置位置接続形態、ステップ、ステップの順序、表示例等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0028】
図1は、実施の形態に係る移動体管理システム10の構成を示すブロック図である。移動体管理システム10は、利用者が移動体に乗って目標到着時刻までに主目的地に到着することを支援するシステムであり、管理の対象となる移動体40a~40c、及び、移動体40a~40cと通信ネットワーク11を経て接続されるサーバである情報処理装置20で構成される。なお、本図の左下には、一人の利用者12が一台の移動体40aを利用するケース例が代表的に図示されているが、移動体管理システム10では、複数の利用者
による複数の移動体40a~40cの利用が並行して管理される。
【0029】
移動体40a~40cは、利用者を乗せて目標到着時刻までに主目的地に到着するように移動する車であり、本実施の形態では、利用者による手動の運転操作と自律走行の両方の機能を備えるロボティックモビリティである。なお、移動体40a~40cは、必ずしも、自律走行の機能を備える必要はない。移動体40a~40cのそれぞれは、同一の構成を備え、センサ部41、本体部42、移動機構部43、及び、端末装置50を備える。以下、代表的に、移動体40aを中心に説明する。
【0030】
センサ部41は、障害物を検出したり、追随のために他の移動体を検出したりするセンサであり、例えば、レーザレンジファインダ、カメラである。
【0031】
移動機構部43は、移動体40aを走行させる機構であり、バッテリ、インバータ回路、モータ、車輪、操舵機構、ブレーキ機構等で構成される。
【0032】
本体部42は、移動体40aの本体であり、各種構造物(躯体、手押し用ハンドル、荷物置き、追従用反射板、操舵及びブレーキのための操作部等)、及び、移動機構部43を制御するコントローラを含む。コントローラは、操作部、センサ部41及び端末装置50からの指示に従って移動機構部43を制御することによって移動体40aを手動走行又は自律走行させる。
【0033】
端末装置50は、移動体40aに搭載され、情報処理装置20との通信及び利用者12との対話を行うことで本体部42を介して移動機構部43を制御したりするコンピュータ装置であり、情報処理装置20と通信するための無線通信インタフェース等の通信部51、タッチパネル等の入力部52、メモリ等の記憶部55、ディスプレイ等の表示部54、それら周辺装置と接続されて制御するプロセッサ等を含む処理部53等で構成される。
【0034】
なお、端末装置50は、利用者12と対話しながら移動体40aを誘導走行させる機能だけでなく、カーナビゲーション機能、通信ネットワーク11を介してインターネット上のwebサイトにアクセスする機能、一般的なコンピュータ装置としての機能、及び、スマートフォンとしての機能等も有する。
【0035】
情報処理装置20は、利用者12が移動体40aに乗って目標到着時刻までに主目的地に到着することを支援するコンピュータ装置であり、処理部21、通信部22、及び、記憶部30を備える。
【0036】
通信部22は、通信ネットワーク11を介して移動体40a~40cと通信する通信インタフェースである。
【0037】
記憶部30は、施設情報31、移動体情報32、目的地情報33、利用者情報34、地
図36等のデータを保持しており、例えば、ハードディスク又は不揮発性メモリ等である。なお、記憶部30には、これらのデータだけでなく、処理部21が有するプロセッサが実行するプログラムが格納されてもよい。また、後述の変形例で説明するが、記憶部30に保持されるデータは、通信ネットワーク11を介して接続される複数のサーバに分散して保持及び管理されてもよい。
【0038】
施設情報31は、利用者12が移動体40aに乗って立ち寄る可能性がある複数の施設のそれぞれについての情報であり、施設ごとの情報として、施設ID31a、地理的位置31b、所要時間31c、広告料情報31d、混雑情報31e、施設属性情報31fを含む。施設ID31aは、施設をユニークに識別する識別子である。地理的位置31bは、
施設の地理的位置である。所要時間31cは、施設において利用者が必要となる訪問時間(観光時間、食事時間等)である。広告料情報31dは、情報処理装置20が副目的地に対応する施設の識別情報を移動体に通知したことに対する対価である。混雑情報31eは、施設の混雑度を示す情報である。施設属性情報31fは、施設の属性を示す情報であり、例えば、食事(カフェ/ランチ/ディナー等)/観覧(昼向き/夜向き等)の属性を示す。
【0039】
移動体情報32は、移動体40a~40cのそれぞれについての情報であり、移動体ごとの情報として、移動体ID32a、現在地32b、移動速度32c、グループ情報32d、利用者ID32eを含む。移動体ID32aは、移動体をユニークに識別する識別子である。現在地32bは、移動体の現在の地理的位置であり、対応する移動体から通知される。移動速度32cは、移動体の速度であり、予め設定される、あるいは、対応する移動体から通知される。グループ情報32dは、複数の移動体の集まりである移動体の団体を識別する情報である。利用者ID32eは、移動体を利用する利用者の利用者IDである。
【0040】
目的地情報33は、移動体40aで移動する目的地についての利用者ごとの情報であり、利用者ごとの情報として、目的地ID33a、主目的地33b、目標到着時刻33c、副目的地33dを含む。目的地ID33aは、目的地をユニークに識別する識別子である。主目的地33bは、主目的地となる施設の施設IDである。目標到着時刻33cは、主目的地に到着すべき時刻である。副目的地33dは、副目的地となる施設の施設IDである。なお、副目的地とは、主目的地への経路における寄り道として情報処理装置20が提案した目的地(つまり、施設)である。
【0041】
利用者情報34は、利用者のそれぞれについての情報であり、利用者ごとの情報として、利用者ID34a、属性34b、嗜好34cを含む。利用者ID34aは、利用者をユニークに識別する識別子である。属性34bは、利用者の属性であり、例えば、年齢、性別、来訪回数等である。嗜好34cは、利用者の嗜好であり、例えば、趣味、好きな食事等である。
【0042】
地
図36は、利用者の観光先又は町巡り先となり得る地図の情報であり、施設情報31が示す施設に関する情報(施設ID31a、地理的位置31b等)も含んでいる。
【0043】
処理部21は、記憶部30等に保持されたプログラムを実行するプロセッサであり、カレンダ・タイマ等を有し、記憶部30に保持された情報を参照し、通信部22を介して移動体40a~40cと通信することで、利用者12が移動体40aに乗って目標到着時刻33cまでに主目的地33bに到着することを支援する。より詳しくは、処理部21は、施設情報31、移動体40aの現在地32b及び移動速度32cに関する移動体情報32、主目的地の位置及び目標到着時刻33cに関する目的地情報33、並びに、現在時刻を取得する手順と、施設情報31、移動体情報32、目的地情報33及び現在時刻に基づいて、移動体40aが、複数の施設のうちの少なくとも一つを経由したうえで目標到着時刻33cまでに主目的地に到着できるか否かを判断する手順と、判断する手順において到着できると判断した施設を副目的地として決定する手順と、副目的地に対応する施設の施設ID31aを移動体40aに通知する手順とを実行する。
【0044】
次に、以上のように構成された本実施の形態に係る移動体管理システム10の特徴的な動作について説明する。
【0045】
図2は、実施の形態に係る移動体管理システム10による寄り道の提案手順を示すフローチャートである。ここでは、移動体40aが目標到着時刻までに主目的地に到着できる範囲で寄り道できる施設が副目的地として決定されて移動体40aに通知されるという寄り道の提案手順が示されている。
図3は、
図2に示される手順を説明するための地図の例を示す図である。
【0046】
まず、情報処理装置20では、処理部21は、記憶部30から、移動体40aの現在地32b及び移動速度32cに関する移動体情報32、主目的地33b及び目標到着時刻33cに関する目的地情報33、並びに、現在時刻を取得する(S10)。
【0047】
次に、処理部21は、地
図36を参照することで、地
図36において移動体40aの現在地32b及び主目的地33bを含む一定範囲に含まれる複数の施設を寄り道の候補として特定し、特定した複数の施設のそれぞれについて、以下の処理(S11~S15)を繰り返す。なお、候補として特定される施設の数が、1以下の場合であっても、その数だけ、以下の処理(S11~S15)を行う(あるいは、行わない)。
【0048】
まず、処理部21は、記憶部30から、当該施設の施設情報31を取得する(S12)。
【0049】
次に、処理部21は、取得した施設情報31、及び、ステップS10で取得している移動体情報32、目的地情報33及び現在時刻に基づいて、移動体40aが、当該施設を経由したうえで目標到着時刻33cまでに主目的地33bに到着できるか否かを判断する(S13)。
【0050】
その結果、到着できると判断した場合には(S13でYes)、処理部21は、当該施設を副目的地として決定し、決定した副目的地を記憶部30の目的地情報33における副目的地33dとして追加的に登録する(S14)。
【0051】
候補となる複数の施設のそれぞれについて上記処理(S11~S15)を終えると、処理部21は、記憶部30の目的地情報33に登録された全ての副目的地33dに対応する施設(つまり、当該施設)の施設ID31aを、通信部22を介して移動体40aに通知する(S16)。
【0052】
なお、上記判断ステップS13の詳細は、本図の右側に示される通りである。つまり、処理部21は、まず、移動体40aが現在地32bから当該施設まで移動するのに要する第一移動時間を算出する(S13a)。具体的には、処理部21は、地
図36を参照することで得た現在地32bから当該施設までの道のりに対して移動速度32cで除することで、第一移動時間を算出する。
【0053】
次に、処理部21は、記憶部30から当該施設の所要時間31cを取得する(S13b)。
【0054】
さらに、処理部21は、移動体40aが当該施設から主目的地33bまで移動するのに要する第二移動時間を算出する(S13b)。具体的には、処理部21は、地
図36を参照することで得た当該施設から主目的地33bまでの道のりに対して移動速度32cで除することで、第二移動時間を算出する。
【0055】
そして、処理部21は、現在時刻に、上記ステップで算出又は取得した第一移動時間、所要時間、及び、第二移動時間を加算することで予想到着時刻を算出し(S13d)、算出した予想到着時刻が目標到着時刻33cよりも前であるか否かを判断する(S13e)。予想到着時刻が目標到着時刻33cよりも前である場合に(S13eでYes)、移動体40aが目標到着時刻33cまでに主目的地に到着できると判断し、ステップS14に進み、一方、予想到着時刻が目標到着時刻33cよりも前ではない場合に(S13eでNo)、移動体40aが目標到着時刻33cまでに主目的地に到着できないと判断し、ステップS15に進む。なお、上記ステップS13a~S13dの実行順は、入れ替わってもよい。
【0056】
このようにして情報処理装置20から移動体40aに通知された副目的地33d(つまり、副目的地33dに対応する施設ID31a)は、移動体40aの端末装置50の通信部51で受信され、端末装置50の表示部54に表示される。なお、
図2に示されるフローチャートでは、全ての副目的地が決定された後に、全ての副目的地がまとめて移動体40aに通知されたが、この手順に限られず、副目的地が決定される都度、副目的地が移動体40aに通知されてもよい。
【0057】
図4は、情報処理装置20から移動体40aに通知された副目的地33dの表示例を示す図である。ここでは、AR(拡張現実)により、移動体40aが備えるカメラで撮影された前方の景色を背景とし、その背景に重ねて、副目的地としての2つの施設に関する情報を表示した例が示されている。
【0058】
図4に示される例では、2つの副目的地33dに対応する2つの施設ID31aを受信した移動体40aの処理部53は、受信した2つの施設ID31aのそれぞれについての情報を、表示部54に表示する。このとき、処理部53は、記憶部55に格納された施設情報データベース(図示せず)あるいは通信ネットワーク11を介してアクセスできる他の施設情報データベース(図示せず)を参照することで得た施設ID31aの施設に関する詳細な情報(名称、飲食店等の種別、外観写真、おすすめ情報、所要時間、営業時間、第3者の口コミ情報等)を、センサ部41で得た前方の景色に重畳させる形態で、表示部54に表示する。なお、施設に関する詳細な情報は、情報処理装置20が副目的地を移動体40aに通知する際に合わせて通知してもよい。
【0059】
このような表示に対して、処理部53は、利用者12が表示部54にタッチする等して選択した一つの施設を経由地として決定し、決定した経由地を示す施設ID31aを記憶部55に格納し、情報処理装置20に通知する。そして、処理部53は、決定した施設ID31aを経由地として、主目的地33bまで、利用者12による運転操作を優先しつつ、自律走行によって利用者12を誘導しながら、移動体40aを走行させる。なお、表示部54に表示された副目的地(つまり、施設)から利用者12が一つの施設を経由地として選択する行為を、以下、「寄り道の決定」、あるいは、「寄り道決定」ともいう。
【0060】
このようにして、利用者12は、「寄り道決定」により、時間的に安心して、副目的地を経由地として選択し、副目的地を観光等した後に目標到着時刻までに主目的地に到着できる。
【0061】
なお、上記説明では、情報処理装置20は、一つの副目的地を経由地とすることを前提として副目的地を決定したが、2以上の副目的地を経由地として決定してもよい。
【0062】
図5Aは、2以上の副目的地を経由地とする場合の副目的地の決定方法を説明するための地図の例を示す図である。2以上の副目的地を経由地とする場合には、例えば、情報処理装置20は、第1経由地として選択された副目的地(
図5Aの例では、「施設1」)及びその副目的地の予想到着時刻を、それぞれ、一時的に、主目的地及び目標到着時刻とし、
図2に示されるフローチャートに従って第2経由地の候補となる副目的地(
図5Aの例では、「施設2」)を決定してもよい。つまり、現在地から第1経由地として決定された副目的地(
図5Aの例では、「施設1」)への途上で寄り道できる副目的地(
図5Aの例では、「施設2」)を第2経由地の候補として決定してもよい。
【0063】
あるいは、情報処理装置20は、第1経由地として選択された副目的地(
図5Aの例では、「施設1」)及びその副目的地の予想到着時刻を、それぞれ、一時的に、現在地及び現在時刻とし、
図2に示されるフローチャートに従って第2経由地の候補となる副目的地(
図5Aの例では、「施設3」)を決定してもよい。つまり、第1経由地として決定された副目的地(
図5Aの例では、「施設1」)から主目的地(
図5Aの例では、「主目的地」)への途上で寄り道できる副目的地(
図5Aの例では、「施設3」)を第2経由地の候補として決定してもよい。
【0064】
図5Bは、2以上の副目的地を経由地とする場合の副目的地の決定方法の他の例を説明するための地図の例を示す図である。2以上の副目的地を経由地とする別の方法として、例えば、情報処理装置20は、2以上の施設(
図5Bの例では、「施設1」及び「施設2」)を統合して一つの施設(
図5Bの例では、「統合された施設」)として取り扱い、統合後の施設を対象として、
図2に示されるフローチャートに従って副目的地を決定してもよい。このとき、2以上の施設(
図5Bの例では、「施設1」及び「施設2」)それぞれの地理的位置を包含する領域を統合後の施設(
図5Bの例では、「統合された施設」)の地理的位置とし、2以上の施設(
図5Bの例では、「施設1」及び「施設2」)それぞれの所要時間及びその間の移動時間を合わせた時間を、統合後の施設(
図5Bの例では、「統合された施設」)の所要時間とする。そして、統合後の施設(
図5Bの例では、「統合された施設」)が経由地として決定された場合には、移動体40aは、統合後の施設に含まれる個別の複数の施設(
図5Bの例では、「施設1」及び「施設2」)のそれぞれを立ち寄るように利用者12を誘導して走行する。
【0065】
図6は、実施の形態に係る移動体管理システム10による利用者12の支払情報の管理手順を示すフローチャートである。
【0066】
利用者12が施設において土産品を購入したり展示館に入場したりすることによって購買行動をした場合に(S20)、その支払いに関する情報である支払情報が、施設に設置された端末装置(図示せず)、利用者12が所持する携帯端末(図示せず)、又は、移動体40aの端末装置50から通信ネットワーク11を介して、情報処理装置20にアップロードされる(S21)。支払情報には、課金額、購買行動をした施設の施設ID、購買行動をした利用者の利用者ID等が含まれる。アップロードされた支払情報を受け取った情報処理装置20では、処理部21は、受け取った支払情報を記憶部30に保存し、管理する(S22)。
【0067】
このような支払情報の活用例の一つとして、情報処理装置20の処理部21は、アップロードされてきた支払情報と記憶部30の目的地情報33に含まれる副目的地33dとを照合し、アップロードされてきた支払情報が、情報処理装置20が利用者12に提案した副目的地に対応する施設での購買行動に対応することが判明した場合に、その支払情報を、
図7に示されるように、副目的地と関連付けて格納しておき、利用者12に副目的地を提案したことに対する対価(つまり、ロイヤリティ)の算出に用いることができる。
【0068】
図7は、移動体管理システム10の記憶部30において副目的地33dに関連付けて格納される各種情報の例を示す図である。ここでは、各種情報として、副目的地33dに対応する施設の施設ID31aを移動体40aに通知した回数(
図7の「通知した回数」)、副目的地33dが移動体40aの経由地として決定(つまり、「寄り道決定」)された回数(
図7の「経由地として決定された回数」)、副目的地33dが移動体40aの経由地として決定(つまり、「寄り道決定」)され、かつ、副目的地33dにおいて利用者12による支払いが発生した場合の支払情報に含まれる課金額(
図7の「経由地で支払われた金額」)の例が示されている。
【0069】
このような副目的地33dに関連付けられた各種情報に基づいて決定されるロイヤリティが移動体管理システム10を運営する事業者に支払われることで、移動体管理システム10の事業が活性化される。
【0070】
また、このような移動体管理システム10による副目的地の提案によって訪問者数が増加するという恩恵を受けることから、施設で物品又はサービスを提供する者は、移動体管理システム10を利用して来訪してきた利用者12に対して、提供する物品又はサービスの料金をディスカウントすることができる。これにより、利用者12は、移動体管理システム10を利用することによる恩恵(つまり、ディスカウント)を享受できる。このような好循環によって、移動体管理システム10の利用人口が増加し、副目的地に立ち寄って観光等した利用者が副目的地で購買等をすることで副目的地での消費が促進され、町興しや経済活性化にもつながる。
【0071】
次に、移動体40aの利用者12に寄り道の候補としての副目的地(つまり、施設)を提示する際の優先処理について、
図8A~
図14を用いて説明する。
【0072】
本実施の形態に係る移動体管理システム10では、移動体40aの利用者12に寄り道の候補として施設(つまり、副目的地)を提示する際の優先処理として、
図8A~
図8Cに示される3つ手法が準備されており、適宜、選択又は事前の設定によって、いずれかの手法が採用される。
【0073】
図8Aは、情報処理装置20が決定した副目的地を優先度に応じて絞り込んだ後に移動体に通知する手法(一つ目の手法)を示すフローチャートである。
【0074】
まず、情報処理装置20は、ユーザからの指示等によって、一つ以上の優先パラメータを決定しておく(S30)。優先パラメータとは、施設ごとに算出又は設定される優先度の種類を示す情報であり、
図8Aに示されるように、「距離コスト」、「利用者の嗜好とのマッチ度」、「広告料」、「グループ属性とのマッチ度」、「混雑度」、及び、「現在時刻とのマッチ度」等を優先度とするパラメータが含まれる。「距離コスト」は、移動体40aが施設に寄るために生じる移動距離に対応するコストである。「利用者の嗜好とのマッチ度」は、利用者12の嗜好と施設の属性とのマッチ度である。「広告料」は、副目的地として施設ID31aを移動体40aに通知したことに対する対価である。「グループ属性とのマッチ度」は、移動体40aが属するグループの属性と施設の属性とのマッチ度である。「混雑度」は、施設での人の混み具合である。「現在時刻とのマッチ度」は、現在時刻と施設の属性とのマッチ度である。
【0075】
次に、情報処理装置20において、処理部21は、
図2に示されるフローチャートに従って決定した全ての副目的地のうち、上記ステップS30で決定した優先パラメータが示す優先度に従って、移動体に通知する副目的地を決定して絞り込む(S31)。例えば、処理部21は、優先パラメータが示す優先度が上位から3つに含まれる施設に対応する副目的地に絞り込む。
【0076】
最後に、処理部21は、絞り込んだ副目的地に対応する施設の施設ID31aを移動体40aに通知する(S32)。例えば、処理部21は、優先パラメータが示す優先度の降順又は昇順で、上記ステップS31で絞り込んだ副目的地に対応する施設の施設ID31aを移動体40aに通知する。
【0077】
この手法によれば、副目的地に対応する施設の施設ID31aを受信した移動体40aでは、端末装置50は、優先度の高い施設の施設情報だけを表示部54に提示できる。ま
た、優先度の降順又は昇順で施設ID31aを受信した場合には、端末装置50は、優先度の高い施設がより目立つように、優先度の高い施設情報を表示部54に提示できる。
【0078】
図8Bは、情報処理装置20が決定した副目的地を優先度に依存する態様で移動体に通知する手法(二つ目の手法)を示すフローチャートである。
【0079】
まず、情報処理装置20は、ユーザからの指示等によって、優先パラメータを決定しておく(S40)。次に、情報処理装置20において、処理部21は、
図2に示されるフローチャートに従って副目的地を決定する(S41)。
【0080】
最後に、処理部21は、上記ステップS41で決定した全ての副目的地を優先度に応じた態様で移動体40aに通知する(S42)。具体的には、処理部21は、上記ステップS41で決定した全ての副目的地のそれぞれに対して優先パラメータが示す優先度を付加し、付加した優先度と共に副目的地(つまり、施設の施設ID31a)を移動体40aに通知する。あるいは、処理部21は、優先パラメータが示す優先度の降順又は昇順で、全ての副目的地(つまり、施設の施設ID31a)を移動体40aに通知する。
【0081】
この手法によれば、副目的地(つまり、施設の施設ID31a)を受信した移動体40aでは、端末装置50は、優先度の高い施設の施設情報だけを抽出し、抽出した施設情報だけを表示部54に提示したり、優先度の高い施設がより目立つようにしたりして、施設情報を表示部54に提示したりできる。
【0082】
図8Cは、情報処理装置20が決定した全ての副目的地の通知を受けた移動体において優先度に応じて提示する手法(三つ目の手法)を示すフローチャートである。
【0083】
まず、移動体40aにおいて、端末装置50は、利用者12等からの指示等によって、優先パラメータを決定しておく(S50)。次に、端末装置50は、情報処理装置20から、情報処理装置20において決定された全ての副目的地に対応する施設の施設ID31aを受信する(S51)。
【0084】
最後に、端末装置50では、処理部53は、施設の施設ID31aのそれぞれについて、優先パラメータが示す優先度を決定し、決定した優先度に応じて、施設情報を表示部54に提示する(S52)。具体的には、端末装置50は、必要に応じて情報処理装置20にアクセスして記憶部30を参照することで、受信した施設の施設ID31aのそれぞれについて、優先度を決定し、決定した優先度に応じて、施設情報を表示部54に表示する。例えば、端末装置50は、優先度の高い3つの施設情報だけを表示部54に提示する。
【0085】
以下、優先パラメータの具体的な種類ごとに、移動体管理システム10における詳細な処理を説明する。
【0086】
図9は、移動体管理システム10において「距離コスト」を優先パラメータとして用いて利用者12に副目的地(つまり、施設)を提示する場合の詳細な処理を説明する図である。より詳しくは、
図9の(a)は、「距離コスト」を優先パラメータとして用いて利用者12に副目的地(つまり、施設)を提示する場合の特徴的な処理を示す。
図9の(b)は、「距離コスト」の意味を説明するための地図の例を示す図である。
【0087】
「距離コスト」は、移動体40aが施設に寄るために生じる移動距離に対応するコストであり、例えば、
図9の(b)に示されるように、寄り道しない経路上における施設に最も近い地点と施設との直線距離で算出される。このような「距離コスト」は、予め、又は、必要となる都度、地
図36を参照することで算出され、施設情報31の施設属性情報31fに登録され、参照される。
【0088】
図9の(a)に示されるように、このケースでは、上述した
図8A~
図8Cのいずれかの手法によって「距離コスト」を優先度とし、優先度が高い(つまり、「距離コスト」が低い)副目的地(つまり、施設)が優先して、移動体40aの端末装置50に提示される(S90)。この優先パラメータによれば、「距離コスト」が寄り道しない場合の経路に依存することから、移動体40aの現在地に依存して優先された副目的地が移動体40aの端末装置50に提示されることとなる(S91)。より詳しくは、移動体40aの現在地から主目的地までの方向上にある施設が優先して提示されることとなる。
【0089】
なお、「距離コスト」の算出においては、地
図36における各ノードに重み付けされてもよい(S92)。例えば、目抜き通り以外の通りの重みを大きくしてもよい。これにより、混雑回避、店側へのサービス価値を訴求できる。また、施設へ向かう方向が現在地から主目的地に向かう方向と逆方向になる場合、つまり、Uターンが必要となる場合には、「距離コスト」に閾値を設けてもよい。これにより、算出される「距離コスト」が一定範囲内の優先度をもつ副目的地が決定され、活用され易い値となる。
【0090】
また、上述したロイヤリティに寄り道の総「距離コスト」を反映させてもよい(S93)。例えば、寄り道の距離が長ければロイヤリティを多くしてもよい。
【0091】
図10は、移動体管理システム10において「利用者の嗜好とのマッチ度」を優先パラメータとして用いて利用者12に副目的地(つまり、施設)を提示する場合の特徴的な処理を示す図である。
【0092】
ここで用いられる「利用者の嗜好とのマッチ度」は、利用者12の嗜好と施設の属性とのマッチ度であり、予め、又は、必要となる都度、情報処理装置20の記憶部30に保持された利用者情報34の嗜好34c及び施設情報31の施設属性情報31fを参照することで算出され、あるいは、利用者から入力される情報を参照することで算出される(S100)。そして、「利用者の嗜好とのマッチ度」は、情報処理装置20の記憶部30における施設情報31の施設属性情報31f等に登録され、参照される。
【0093】
このケースでは、上述した
図8A~
図8Cのいずれかの手法によって「利用者の嗜好とのマッチ度」を優先度とし、優先度が高い(つまり、「利用者の嗜好とのマッチ度」が高い)副目的地(つまり、施設)が優先して、移動体40aの端末装置50に提示される(S101)。ここで、利用者情報34の嗜好には、例えば、利用者の好み、気分等が含まれる。一方、施設情報31の施設属性情報31fには、例えば、食事(イートイン/テイクアウト、カフェ/ランチ等)/観光(ウォークスルー/移動体利用可否等)の属性等が含まれる。なお、このような施設属性情報31fが示す属性に対応する嗜好を利用者12が入力してもよい。
【0094】
「利用者の嗜好とのマッチ度」の算出では、具体的には、次のような情報を用いて優先度が決定され、優先度に基づく提示が行われる(S102)。つまり、利用者情報34の嗜好として、来訪回数、年齢、性別、それらの嗜好から予想される単価等が用いられる。例えば、家族連れ(つまり、子供をグループ情報としてもつ場合)なら、テーマパークとのマッチ度を高い値に算出し、来訪回数が1回目なら観光施設の属性をもつ施設を優先してマッチ度を高い値に算出する。なお、施設属性情報31fが示す属性に対応する嗜好を利用者12が入力してもよいし、情報処理装置20に登録された利用者情報34の嗜好34cが参照されてもよい。
【0095】
図11は、移動体管理システム10において「広告料」を優先パラメータとして用いて
利用者12に副目的地(つまり、施設)を提示する場合の特徴的な処理を示す図である。
【0096】
ここで用いられる「広告料」は、副目的地として施設ID31aを移動体40aに通知したことに対する対価であり、予め、情報処理装置20の記憶部30における施設情報31の広告料情報31dに登録され、参照される(S110)。
【0097】
このケースでは、上述した
図8A~
図8Cのいずれかの手法によって「広告料」を優先度とし、優先度が高い(つまり「広告料」が高い)副目的地(つまり、施設)が優先して、移動体40aの端末装置50に提示される(S111)。これにより、広告料として得られるロイヤリティが高くなる施設が優先して利用者12に提示され、移動体管理システム10の運営へのインセンティブが高まる。
【0098】
図12は、移動体管理システム10において「グループ属性とのマッチ度」を優先パラメータとして用いて利用者12に副目的地(つまり、施設)を提示する場合の特徴的な処理を示す図である。
【0099】
ここで用いられる「グループ属性とのマッチ度」は、移動体40aが属するグループの属性と施設の属性とのマッチ度であり、予め、又は、必要となる都度、例えば、情報処理装置20の記憶部30に保持された移動体情報32のグループ情報32d及び施設情報31の施設属性情報31fを参照することで算出される。そして、「グループ属性とのマッチ度」は、情報処理装置20の記憶部30における施設情報31の施設属性情報31f等に登録され、参照される。
【0100】
このケースでは、上述した
図8A~
図8Cのいずれかの手法によって「グループ属性とのマッチ度」を優先度とし、優先度が高い(つまり、「グループ属性とのマッチ度」が高い)副目的地(つまり、施設)が優先して、移動体40aの端末装置50に提示される(S120)。これにより、例えば、施設属性情報31fが示す施設のキャパシティ情報と、グループ情報32dが示す移動体の数とを照合することで、団体としての複数の移動体が入れる場合にだけ、その施設が副目的地として利用者12に提示される(S121)。
【0101】
ここで、移動体のグループ情報は、情報処理装置20の記憶部30におけるグループ情報32dとして保持されてもよいし、移動体40aに保持されてもよい。つまり、親機のみだけでなく、親機と子機とを含めて、保持されてもよい(S122)。これにより、移動体40a(つまり、エッジ)でグループ情報を保持することで、移動体40aと情報処理装置20との間の通信が切れた場合であってもグループ情報を失ってしまうことが回避される。
【0102】
また、「グループ属性とのマッチ度」を用いた利用者12への副目的地(つまり、施設)の提示により、施設オファーが可能なる(S123)。つまり、施設側から、施設に入れたい人数を情報処理装置20に通知し、情報処理装置20において、グループ情報が一致する移動体へ施設情報を送信して提示させることができる。
【0103】
図13は、移動体管理システム10において「混雑度」を優先パラメータとして用いて利用者12に副目的地(つまり、施設)を提示する場合の特徴的な処理を示す図である。
【0104】
ここで用いられる「混雑度」は、施設での人の混み具合であり、一定周期、あるいは、「混雑度」の変化があった時に、施設からアップロードされる(S130)。これにより、情報処理装置20の記憶部30における施設情報31の混雑情報31eに「混雑度」が登録され、参照される。
【0105】
このケースでは、上述した
図8A~
図8Cのいずれかの手法によって「混雑度」を優先度とし、優先度が高い(つまり、「混雑度」が低い)副目的地(つまり、施設)が優先して、移動体40aの端末装置50に提示される(S131)。
【0106】
このとき、「混雑度」が低い施設に割引情報(クーポン等)を付与してもよい(S132)。ここで、割引情報の付与は、時間限定であってもよい。時間限定は、例えば、他の移動体からの予約が入るまでの時間であってもよいし、移動体以外の利用者で施設のキャパシティが埋まるまでの時間であってもよい。これにより、割引情報を活用して、施設での「混雑度」を制御することが可能になる。
【0107】
図14は、移動体管理システム10において「現在時刻とのマッチ度」を優先パラメータとして用いて利用者12に副目的地(つまり、施設)を提示する場合の特徴的な処理を示す図である。
【0108】
ここで用いられる「現在時刻とのマッチ度」は、現在時刻と施設の属性とのマッチ度であり、現在時刻と情報処理装置20の記憶部30における施設情報31の施設属性情報31fとを照合することで算出される。
【0109】
このケースでは、上述した
図8A~
図8Cのいずれかの手法によって「現在時刻とのマッチ度」を優先度とし、優先度が高い(つまり、「混雑度」が低い)副目的地(つまり、施設)が優先して、移動体40aの端末装置50に提示される(S140)。
【0110】
例えば、現在時刻が昼時ならランチ施設、現在時刻が15時付近ならカフェ施設というように、一日における時刻に応じて利用者にとって利便性の高い施設が副目的地として提示される(S141)。つまり、情報処理装置20の記憶部30における施設情報31の施設属性情報31fとして、食事(具体的には、カフェ/ランチ/ディナー等)/観光(具体的には、昼向き/夜向き等)の属性を持たせることで、現在時刻に対応する施設の提示が可能になる。
【0111】
また、施設の営業時間を施設属性情報31fとして登録しておくことで、施設の営業時間と現在時刻とを照合したうえで、照合結果に依存して、施設を提示してもよい(S142)。これにより、例えば、閉店の迫った施設を提示対象から外すことができる。
【0112】
図15は、移動体管理システム10において利用者12に副目的地(つまり、施設)を提示する場合の提示例を示す図である。ここには、移動体40aの端末装置50の表示部54に副目的地として表示される施設情報の表示例が複数(つまり、4つ)、示されている。
【0113】
図15の(a)は、「広告料」に応じた大きさで施設情報を提示する例を示す。
【0114】
図15の(b)は、現在地から見て建物の影に隠れた施設をその方向に表示する例を示す。
【0115】
図15の(c)は、アバターを用いて施設情報を提示する例を示す。このとき、客引き等の音声を自動再生してもよい。
【0116】
図15の(d)は、建物の位置に応じて施設情報を提示する例を示す。このとき、ヘッドアップディスプレイのイメージで施設情報を提示してもよいし、建物に被らないように施設情報を提示してもよいし、建物の輪郭に沿って施設情報を提示してもよい。これによって、単なるARだけでなく、表示部54を注視することに価値が生まれ得る。
【0117】
図16は、移動体40aが備える端末装置50による施設の予約に関する処理を説明する図である。
【0118】
端末装置50は、施設の予約に関して、次の支援機能を有する(S160)。つまり、端末装置50は、利用者12が寄り道を決定した時点で、情報処理装置20を介した通信、あるいは、情報処理装置20を介しない直接の通信によって、施設を管理するサーバ装置(図示せず)に対して、利用者が施設を利用することの予約を入れる。具体的には、端末装置50は、寄り道を決定した後に、端末装置50が有するカーナビゲーション機能を用いて、施設への到着予想時間を取得し、取得した到着予想時間及び利用者情報を、施設を管理するサーバ装置(図示せず)に向けて送信する。これによって、施設側では、移動体40aの移動中に、利用者12を迎える準備をしておくことができる。なお、寄り道の決定後に、利用者12は、端末装置50を介して、施設を管理するサーバ装置(図示せず)に対して、事前の注文をすることもできる。
【0119】
また、端末装置50は、利用者による「寄り道決定」と「施設詳細閲覧」とを分けて認識してもよい(S162)。例えば、「寄り道決定」と「施設詳細閲覧」とで、ロイヤリティに差を設ける。具体的には、端末装置50は、「施設詳細閲覧」が行われた場合には、閲覧した施設の広告料と若干の所定料金とを利用者12に課金し、一方、「寄り道決定」が行われた場合には、それらの料金に、さらに、決定した施設の利用料金も加算して利用者12に課金する。これにより、ロイヤリティの処理が自動化されるとともに、利用者12による支払処理も自動化され、利便性が向上される。
【0120】
なお、本実施の形態では、情報処理装置20は、1台のコンピュータ装置(つまり、サーバ)で実現されたが、通信ネットワーク11を介して接続される複数のコンピュータ装置(つまり、サーバ)に分散して実現されてもよい。
【0121】
図17は、実施の形態の変形例に係る移動体管理システム10aの構成を示すブロック図である。移動体管理システム10aは、利用者が移動体に乗って目標到着時刻までに主目的地に到着することを支援するシステムであり、管理の対象となる移動体40a~40c、及び、移動体40a~40cと通信ネットワーク11を経て接続される3つのサーバ(つまり、処理サーバ25、施設情報サーバ26、及び、移動体情報サーバ27)で構成される。本変形例では、実施の形態における情報処理装置20の機能が、3つサーバ(つまり、処理サーバ25、施設情報サーバ26、及び、移動体情報サーバ27)に分散して実現されている。
【0122】
つまり、処理サーバ25は、実施の形態における情報処理装置20が備える処理部21の機能を行うプログラム及びプロセッサを含むコンピュータ装置であり、情報処理装置20が備える処理部21の機能を有する処理部25a、及び、通信ネットワーク11を介した通信を行う通信部25bを備える。
【0123】
施設情報サーバ26は、実施の形態における情報処理装置20が備える記憶部30に保持された施設情報31及び地
図36を保持し管理するコンピュータ装置であり、施設情報31及び地
図36についての入出力及び管理を行うプログラム及びプロセッサを含む処理部26a、及び、通信ネットワーク11を介した通信を行う通信部26bを備える。
【0124】
移動体情報サーバ27は、実施の形態における情報処理装置20が備える記憶部30に保持された移動体情報32、目的地情報33及び利用者情報34を保持し管理するコンピュータ装置であり、移動体情報32、目的地情報33及び利用者情報34についての入出力及び管理を行うプログラム及びプロセッサを含む処理部27a、及び、通信ネットワーク11を介した通信を行う通信部27bを備える。
【0125】
なお、移動体管理システム10aを構成する装置として、移動体管理システム10aを構成する各装置と通信する端末装置(つまり、施設に設置された端末装置、利用者が所持する端末装置等)が加わってもよい。
【0126】
本変形例のように、実施の形態における情報処理装置20が、複数のサーバの分散構成で実現されても、実施の形態と同様の機能が発揮される。
【0127】
なお、本変形例では、施設情報サーバ26によって施設情報31及び地
図36が管理され、移動体情報サーバ27によって移動体情報32、目的地情報33及び利用者情報34が管理されたが、サーバと管理される情報との対応関係ははこれに限られず、各情報が別の分散形態のサーバで管理されてもよい。つまり、実施の形態における情報処理装置20が有する処理部21及び記憶部30の分散形態は、本変形例に限られず、他の形態で分散させてもよい。
【0128】
以上、本開示に係る情報処理方法、情報処理装置及びプログラムについて、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態及び変形例に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態及び変形例に施したものや、実施の形態及び変形例における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本開示の範囲内に含まれる。
【0129】
例えば、本開示に係る情報処理方法、情報処理装置及びプログラムは、実施の形態における情報処理装置20、変形例における処理サーバ25、施設情報サーバ26、移動体情報サーバ27に係るものだけでなく、実施の形態及び変形例における移動体40a~40cに係るものであってもよい。
【0130】
また、情報処理装置20等の処理部21、25a、26a及び27aは、プログラム及びプロセッサを含んだが、GA(Gate Array)等の専用の電子回路で実現されてもよい。
【0131】
また、プログラムは、コンピュータ読み取り可能なDVD等の非一時的な記録媒体に格納されて流通されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本開示は、利用者が移動体に乗って目標到着時刻までに主目的地に到着することを支援するコンピュータによる情報処理方法、情報処理装置及びプログラムとして、例えば、サーバ装置及びロボティックモビリティとして、利用できる。
【符号の説明】
【0133】
10、10a 移動体管理システム
11 通信ネットワーク
12 利用者
20 情報処理装置
21、25a、26a、27a 処理部
22、25b、26b、27b 通信部
25 処理サーバ
26 施設情報サーバ
27 移動体情報サーバ
30 記憶部
31施設情報
31a 施設ID
31b 地理的位置
31c 所要時間
31d 広告料情報
31e 混雑情報
31f 施設属性情報
32 移動体情報
32a 移動体ID
32b 現在地
32c 移動速度
32d グループ情報
32e 利用者ID
33 目的地情報
33a 目的地ID
33b 主目的地
33c 目標到着時刻
33d 副目的地
34 利用者情報
34a 利用者ID
34b 属性
34c 嗜好
36 地図
40a~40c 移動体
41 センサ部
42 本体部
43 移動機構部
50 端末装置
51 通信部
52 入力部
53 処理部
54 表示部
55 記憶部