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特開2024-165855情報提供装置、情報提供方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165855
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04815 20220101AFI20241121BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241121BHJP
   H04L 51/52 20220101ALI20241121BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20241121BHJP
   H04L 67/00 20220101ALN20241121BHJP
【FI】
G06F3/04815
G06Q50/10
H04L51/52
G06T19/00 300A
H04L67/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082403
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小柴 聡
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B050AA10
5B050BA09
5B050BA18
5B050BA20
5B050CA01
5B050EA26
5B050FA02
5B050FA05
5B050FA17
5E555AA27
5E555AA64
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA08
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BB08
5E555BC04
5E555BD08
5E555BE17
5E555CA12
5E555CB12
5E555CB31
5E555CC05
5E555CC26
5E555DA08
5E555DB32
5E555DB51
5E555DC09
5E555DC14
5E555EA07
5E555FA00
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】仮想空間におけるアバターのユーザー同士のコミュニケーションを促進することが可能である情報提供装置、情報提供方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報提供装置は、仮想空間における第1アバターの視線を検出する視線検出部と、視線の先に居る第2アバターを検出するアバター検出部と、第1アバターを特定する情報を、第2アバターのユーザーに提供する特定情報提供部とを備える。第1アバターを特定する情報は、第1アバターから出力された矢印もしくは枠の画像、第1アバターを示す矢印の画像、又は、第1アバターの輪郭の強調画像である。情報提供装置は、第2アバターを注視している第1アバターが居ることを、第2アバターのユーザーに通知する通知部を更に備えてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間における第1アバターの視線を検出する視線検出部と、
前記視線の先に居る第2アバターを検出するアバター検出部と、
前記第1アバターを特定する情報を、前記第2アバターのユーザーに提供する特定情報提供部と
を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記第1アバターを特定する情報は、前記第1アバターから出力された矢印もしくは枠の画像、前記第1アバターを示す矢印の画像、又は、前記第1アバターの輪郭の強調画像である、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記第2アバターを注視している前記第1アバターが居ることを、前記第2アバターのユーザーに通知する通知部を更に備える、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項4】
情報提供装置が実行する情報提供方法であって、
仮想空間における第1アバターの視線を検出するステップと、
前記視線の先に居る第2アバターを検出するステップと、
前記第1アバターを特定する情報を、前記第2アバターのユーザーに提供するステップと
を含む情報提供方法。
【請求項5】
コンピューターに、
仮想空間における第1アバターの視線を検出する手順と、
前記視線の先に居る第2アバターを検出する手順と、
前記第1アバターを特定する情報を、前記第2アバターのユーザーに提供する手順と
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
仮想空間において、各アバターを介してユーザー同士がコミュニケーションすることがある。また、仮想空間に構築された仮想店舗(購買環境)では、来店した客アバターに対して、店員アバターが接客することがある。特許文献1には、仮想店舗に来店した客アバターのユーザーの購買意欲を向上されることを目的とした処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-187859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実空間での人間の表現力と比較して、コンピューターグラフィックスのアバターの表現力は限定的である。例えば、実空間での人間同士のコミュニケーションでは、相手の視線を知ることが望ましい。しかしながら仮想空間では、アバターのユーザーが仮想空間のどこを見ているのかという情報(視線情報)を、そのアバターの例えば眼球の向きを用いて忠実に表現することは難しい。このように、仮想空間におけるアバターのユーザー同士のコミュニケーションを促進することが難しいという問題がある。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、仮想空間におけるアバターのユーザー同士のコミュニケーションを促進することが可能である情報提供装置、情報提供方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、仮想空間における第1アバターの視線を検出する視線検出部と、前記視線の先に居る第2アバターを検出するアバター検出部と、前記第1アバターを特定する情報を、前記第2アバターのユーザーに提供する特定情報提供部とを備える情報提供装置である。
【0007】
本発明の一態様は、情報提供装置が実行する情報提供方法であって、仮想空間における第1アバターの視線を検出するステップと、前記視線の先に居る第2アバターを検出するステップと、前記第1アバターを特定する情報を、前記第2アバターのユーザーに提供するステップとを含む情報提供方法である。
【0008】
本発明の一態様は、コンピューターに、仮想空間における第1アバターの視線を検出する手順と、前記視線の先に居る第2アバターを検出する手順と、前記第1アバターを特定する情報を、前記第2アバターのユーザーに提供する手順とを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、仮想空間におけるアバターのユーザー同士のコミュニケーションを促進することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態における、仮想空間提供システムの構成例を示す図である。
図2】第1実施形態における、客アバターの視線を表す画像の表示例を示す図である。
図3】第1実施形態における、オブジェクトに関する情報の表示例を示す図である。
図4】第1実施形態における、情報提供装置の動作例を示すフローチャートである。
図5】第1実施形態の第1変形例における、複数の客アバターの各視線を表す画像の表示例を示す図である。
図6】第1実施形態の第2変形例における、客アバターの視線を表す画像の表示例を示す図である。
図7】第2実施形態における、仮想空間提供システムの構成例を示す図である。
図8】第2実施形態における、店員アバターを注視している客アバターのユーザーに提供される画像の例を示す図である。
図9】第2実施形態における、接客が必要な客アバターを特定する情報の第1表示例を示す図である。
図10】第2実施形態における、接客が必要な客アバターを特定する情報の第2表示例を示す図である。
図11】第2実施形態における、接客が必要な客アバターを特定する情報の第3表示例を示す図である。
図12】第2実施形態における、情報提供装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における、仮想空間提供システム1aの構成例を示す図である。仮想空間提供システム1aは、仮想空間を構築し、構築された仮想空間を各ユーザーに提供するシステムである。仮想空間に構築される環境は、特定の種別の環境に限定されない。以下では、一例として仮想店舗(購買環境)が、仮想空間に構築される。
【0012】
仮想空間提供システム1aは、1台以上の第1ユーザー端末2と、1台以上の第2ユーザー端末3と、情報提供装置4aと、通信回線5とを備える。通信回線5は、例えば、インターネットである。
【0013】
第1ユーザー端末2は、通信部21と、制御部22と、操作部23と、表示部24とを備える。第2ユーザー端末3は、通信部31と、制御部32と、操作部33と、表示部34とを備える。情報提供装置4aは、通信部41と、記憶部42と、制御部43aとを備える。制御部43aは、構築部411と、視線検出部412と、視線情報提供部413と、オブジェクト検出部414と、オブジェクト情報提供部415とを備える。
【0014】
第1ユーザー端末2は、情報処理端末であり、例えばパーソナルコンピューターである。第1ユーザー端末2は、第1ユーザーによって操作される。第1ユーザーは、仮想店舗に来店した客アバターのユーザーである。
【0015】
通信部21は、通信回線5を介して、情報提供装置4aと通信する。通信部21は、例えば、情報提供装置4aによって仮想空間に構築された仮想店舗の構造データを、情報提供装置4aから取得する。また、通信部21は、その仮想店舗における各アバター及び各オブジェクト(各商品等)のデータを、情報提供装置4aから取得する。
【0016】
制御部22は、第1ユーザー端末2の各機能部の動作を制御する。制御部22の一部又は全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)を有するメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、ソフトウェアとして実現される。
【0017】
操作部23は、キーボード、マウス又はタッチパネル等の操作デバイスを有する。操作部23がタッチパネルである場合、操作部23は、表示部24と一体でもよい。操作部23は、第1ユーザーによって操作される。第1ユーザーは、操作部23を操作することによって、表示部24に表示された仮想店舗における客アバターを操作する。
【0018】
表示部24は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスを有する。表示部24は、ディスプレイモニターでもよいし、VR(Virtual Reality)ヘッドセット(ヘッドマウントディスプレイ)でもよいし、VRゴーグルでもよい。表示部24は、情報提供装置4aによって仮想空間に構築された仮想店舗を表示する。また、表示部24は、仮想店舗における各アバター及び各オブジェクトを、例えば客アバターの視野で表示する。
【0019】
表示部24は、視線検出デバイス(視線入力デバイス)を備えてもよい。表示部24が視線検出デバイスを備えている場合、視線検出デバイスは、第1ユーザーの視線(視野)の検出結果を、通信部21を用いて、視線情報提供部413に送信する。
【0020】
第2ユーザー端末3は、情報処理端末であり、例えばパーソナルコンピューターである。第2ユーザー端末3は、第2ユーザーによって操作される。第2ユーザーは、例えば、仮想店舗の店員アバターのユーザーである。
【0021】
通信部31は、通信回線5を介して、情報提供装置4aと通信する。通信部31は、例えば、情報提供装置4aによって仮想空間に構築された仮想店舗の構造データを、情報提供装置4aから取得する。また、通信部31は、その仮想店舗における各アバター及び各オブジェクト(各商品等)のデータを、情報提供装置4aから取得する。
【0022】
制御部32は、第2ユーザー端末3の各機能部の動作を制御する。制御部32の一部又は全部は、CPU等のプロセッサが、不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)を有するメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、ソフトウェアとして実現される。
【0023】
操作部33は、キーボード、マウス又はタッチパネル等の操作デバイスを有する。操作部33がタッチパネルである場合、操作部33は、表示部34と一体でもよい。操作部33は、第2ユーザーによって操作される。第2ユーザーは、操作部33を操作することによって、表示部34に表示された仮想店舗における店員アバターを操作する。
【0024】
表示部34は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスを有する。表示部34は、ディスプレイモニターでもよいし、VRヘッドセット(ヘッドマウントディスプレイ)でもよいし、VRゴーグルでもよい。表示部34は、情報提供装置4aによって仮想空間に構築された仮想店舗を表示する。また、表示部34は、仮想店舗における各アバター及び各オブジェクトを、例えば店員アバターの視野で表示する。
【0025】
情報提供装置4aは、情報処理装置であり、例えばサーバーである。情報提供装置4aは、所定のデータフォーマットに基づいて、仮想空間を構築する。情報提供装置4aは、一例として仮想店舗を、仮想空間に構築する。また、情報提供装置4aは、各アバター及び各オブジェクト(各商品等)を、仮想店舗において構築する。情報提供装置4aは、構築された仮想空間等を、リアルタイムで各ユーザーに提供する。
【0026】
通信部41は、通信回線5を介して、第1ユーザー端末2と通信する。例えば、通信部41は、第1ユーザー端末2の識別情報を、第1ユーザー端末2から取得する。通信部41は、仮想空間等のデータを、第1ユーザー端末2に送信する。通信部41は、通信回線5を介して、第2ユーザー端末3と通信する。例えば、通信部41は、第2ユーザー端末3の識別情報を、第2ユーザー端末3から取得する。通信部41は、仮想空間等のデータを、第2ユーザー端末3に送信する。
【0027】
記憶部42は、各種のデータと、プログラムとを記憶する。各種のデータとは、例えば、ユーザー情報(例えば、仮想店舗の常連であるか否か等の属性情報)と、仮想店舗の構造データと、商品データ(商品の形状及びテクスチャのデータ)と、オブジェクトに関する情報(例えば、商品の説明情報)と、各アバターの座標と、各アバターの操作データとである。
【0028】
制御部43aは、情報提供装置4aの各機能部の動作を制御する。制御部43aの一部又は全部は、CPU等のプロセッサが、不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)を有するメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、ソフトウェアとして実現される。
【0029】
構築部411は、記憶部42に記憶された空間データ等に基づいて、仮想空間等をリアルタイムで構築する。仮想空間における各アバターの位置及び向きは、各アバターのユーザーによる操作データに基づいて決定される。アバター等の3次元モデルのデータフォーマットは、特定のデータフォーマットに限定されないが、例えば、VRM(Virtual Reality Modeling Language)である。
【0030】
VRMでは、アバターの視線を制御するための関数として、例えば、「LookAt」が定義されている。関数「LookAt」を用いて、注視点(座標)が指定されることによって、その注視点にアバターの向き及び視線を合わせることができる。
【0031】
視線検出部412は、仮想空間における客アバター(第1アバター)の視線を検出する。視線情報提供部413は、客アバターの視線の情報を、店員アバター(第2アバター)のユーザーに提供する。例えば、視線情報提供部413は、客アバターの視線を表す矢印画像を、通信部41を用いて、第2ユーザー端末3の表示部34に表示させる。
【0032】
オブジェクト検出部414は、客アバターの視線の先に在るオブジェクト(例えば、商品)を、座標計算に基づいて検出する。オブジェクト情報提供部415は、検出されたオブジェクトに関する情報(例えば、客アバターが注視している商品の説明情報)を、記憶部42から取得する。オブジェクト情報提供部415は、オブジェクトに関する情報を、店員アバターのユーザーに提供する。例えば、オブジェクト情報提供部415は、客アバターが注視している商品の説明情報を、通信部41を用いて、第2ユーザー端末3の表示部34に表示させる。
【0033】
図2は、第1実施形態における、客アバター101の視線を表す画像の表示例(店員アバターの視野)を示す図である。図2に例示された画像は、第2ユーザー端末3の表示部34に表示される。来店した客アバター101に対して、店員アバター102が接客する。第1実施形態における矢印画像201は、客アバター101の視線を矢印で表す画像である。商品画像301は、仮想店舗に陳列されている複数の商品のうちの商品の画像の一例である。図2では、客アバター101のユーザーが商品画像301を注視しているので、客アバター101と商品画像301とを結ぶように、矢印画像201が描画されている。
【0034】
なお、客アバター101のユーザーの視線が客アバター101の後方に向いている場合には、その視線の向きに基づいて、矢印画像201が客アバター101の後方に向いてもよい。
【0035】
図3は、第1実施形態における、オブジェクトに関する情報の表示例(店員アバターの視野)を示す図である。オブジェクトは、例えば、陳列された商品である。図3に例示された画像は、第2ユーザー端末3の表示部34に表示される。表示領域302は、所定の情報が表示される領域である。所定の情報とは、例えば、オブジェクトに関する情報である。オブジェクトに関する情報とは、例えば、客アバター101が注視している商品の説明情報である。
【0036】
オブジェクト検出部414は、例えば客アバター101の注視点の座標に基づいて、客アバター101の視線の先に在る商品画像301を検出する。オブジェクト情報提供部415は、検出された商品画像301の商品に関する情報を、記憶部42から取得する。オブジェクト情報提供部415は、取得された商品画像301の商品に関する情報を、表示領域302を用いて、店員アバター102のユーザーに提供する。
【0037】
オブジェクト情報提供部415は、客アバター101の属性情報を、記憶部42から取得してもよい。属性情報は、例えば、常連であるか否かを表す情報と、商品の閲覧履歴(注視動作の履歴)を表す情報とである。オブジェクト情報提供部415は、客アバター101の属性情報を、表示領域302を用いて、店員アバター102のユーザーに提供してもよい。これによって、客アバター101の属性情報に基づいて、店員アバター102は客アバター101に対して効果的な接客をすることができる。
【0038】
次に、情報提供装置4aの動作例を説明する。
図4は、第1実施形態における、情報提供装置4aの動作例を示すフローチャートである。視線検出部412は、仮想空間における客アバター101の視線を検出する(ステップS101)。視線情報提供部413は、客アバター101の視線の情報を、店員アバター102のユーザーに提供する(ステップS102)。
【0039】
以上のように、視線検出部412は、仮想空間(例えば、仮想店舗)における客アバター101(第1アバター)の視線を、例えば客アバター101の操作データ(注視点の座標等)に基づいて検出する。視線検出部412は、客アバター101の視線の情報として、客アバター101のユーザーの視線情報を、第2ユーザー端末3の視線検出デバイスから取得してもよい。視線情報提供部413は、客アバター101の視線の情報(例えば、矢印画像201)を、店員アバター102(第2アバター)のユーザーに提供する。
【0040】
このように、客アバター101の視線が可視化される。ここで、客アバター101の視線を表す矢印画像201の表示は、店員アバター102のユーザーによって客アバター101の画像がクリックされるごとに(表示又は非表示のきっかけがあるごとに)、オン又はオフされてもよい。また、客アバター101のユーザーによる操作に基づいて、客アバター101の矢印画像201の表示は、強制的にオフされてもよい。これによって、視線を可視化されたくない第1ユーザーは客アバター101の視線が可視化されないようにすることができる。
【0041】
店員アバター102のユーザーは客アバター101がどの商品を見ているのかが分かるので、店員アバター102は、客アバター101から話しかけられることを待つことなく、客アバター101に声をかけ易い。これによって、仮想空間におけるアバターのユーザー同士のコミュニケーションを促進することが可能である。
【0042】
オブジェクト検出部414は、注視点の座標と、客アバター101の座標と、オブジェクトの座標とに基づいて、客アバター101の視線の先に在るオブジェクト(例えば、商品)を検出してもよい。オブジェクト情報提供部415は、そのオブジェクトに関する情報を、店員アバター102のユーザーに提供する。
【0043】
店員アバター102のユーザーは客アバター101が見ている商品に関する情報を容易に入手できるので、店員アバター102は、商品に関する話題について、客アバター101に声をかけ易い。これによって、仮想空間におけるアバターのユーザー同士のコミュニケーションを促進することが可能である。
【0044】
(第1実施形態の第1変形例)
第1実施形態の第1変形例では、複数のアバターの各矢印画像が多様に表示される点が、第1実施形態との主な差分である。第1実施形態の第2変形例では、第1実施形態との差分を中心に説明する。
【0045】
図5は、第1実施形態の第1変形例における、複数の客アバターの各視線を表す画像の表示例(店員アバターの視野)を示す図である。矢印画像203は、客アバター103の視線を矢印で表す画像である。客アバター101の矢印画像201は、同じ方向(同じ注視点)を注視している時間が長いほど線が太くなるように表示される。客アバター103の矢印画像203についても同様である。
【0046】
客アバター101の矢印画像201は、同じ方向を注視している時間の長さに応じて色が変わるように表示されてもよい。客アバター103の矢印画像203についても同様である。
【0047】
客アバター101の矢印画像201は、同じ方向を注視している時間の長さに応じて線種が変わるように表示されてもよい。客アバター103の矢印画像203についても同様である。
【0048】
以上のように、複数の客アバターの各視線が可視化される。これによって、魅力的な何か(例えば、魅力的な商品)が在りそうな方向を各アバターのユーザーに容易に分からせることが可能である。ここで、各視線が単に可視化されるのではなく、複数のアバターの各矢印画像の太さ等が多様に可視化されてもよい。
【0049】
(第1実施形態の第2変形例)
第1実施形態の第2変形例では、視線を表す画像一例として枠画像である点が、第1実施形態との主な差分である。第1実施形態の第2変形例では、第1実施形態との差分を中心に説明する。
【0050】
図6は、第1実施形態の第2変形例における、客アバター101の視線(視野)を表す画像の表示例を示す図である。図6に例示された画像は、第2ユーザー端末3の表示部34に表示される。図6では、来店した客アバター101に対して、店員アバター102が接客している。枠画像202は、客アバター101の視線(視野)をおおまかに表す画像の一例である。図6では、客アバター101のユーザーが商品画像301を注視しているので、客アバター101と商品画像301とを結ぶように、枠画像202が描画されている。
【0051】
以上のように、客アバター101の視線の情報は、視線(視野)を表す枠の画像でもよい。枠の画像は、例えば、客アバター101の顔から出力されたように描画される。枠の形状は、例えば、四角錐又は円錐である。これによって、客アバターのユーザーが注視している範囲(視野)を店員アバター102のユーザーが特定し易いので、店員アバター102は、客アバター101から話しかけられることを待つことなく、客アバター101に声をかけ易い。これによって、仮想空間におけるアバターのユーザー同士のコミュニケーションを促進することが可能である。
【0052】
(第2実施形態)
第2実施形態では、店員アバター102を注視している客アバター101を特定する情報が店員アバター102のユーザーに提供される点が、第1実施形態との主な差分である。第2実施形態では第1実施形態との差分を中心に説明する。
【0053】
図7は、第2実施形態における、仮想空間提供システム1bの構成例を示す図である。仮想空間提供システム1bは、仮想空間を構築し、構築された仮想空間を各ユーザーに提供するシステムである。仮想空間提供システム1bは、1台以上の第1ユーザー端末2と、1台以上の第2ユーザー端末3と、情報提供装置4bと、通信回線5と、通知用端末6とを備える。情報提供装置4bは、通信部41と、記憶部42と、制御部43bとを備える。制御部43bは、構築部411と、視線検出部412と、アバター検出部416と、通知部417と、特定情報提供部418とを備える。
【0054】
通信部41は、通信回線5を介して、第1ユーザー端末2と通信する。通信部41は、通信回線5を介して、第2ユーザー端末3と通信する。例えば、通信部41は、店員アバター102を注視している客アバター101が居る場合、客アバター101を特定する情報を、特定情報提供部418による制御に基づいて、第2ユーザー端末3に送信する。客アバター101を特定する情報は、例えば、客アバター101から出力された矢印画像もしくは枠画像、客アバター101を示す矢印の画像、又は、客アバター101の輪郭の強調画像である。
【0055】
通信部41は、通信回線5を介して、通知用端末6と通信する。例えば、通信部41は、店員アバター102を注視している客アバター101が居ることを、通知部417による制御に基づいて、通知用端末6に通知する。
【0056】
視線検出部412は、仮想空間に構築された仮想店舗に来店した客アバター101の視線を、例えば客アバター101の操作データ(注視点の座標等)に基づいて検出する。アバター検出部416は、例えば、注視点の座標と店員アバター102の座標との一致に基づいて、客アバター101の視線の先に居る店員アバター102を検出する。
【0057】
通知部417は、店員アバター102を注視している客アバター101が居る場合、店員アバター102を注視している客アバター101が居ることを、通信部41及び通知用端末6を用いて、店員アバター102のユーザーに通知する。
【0058】
特定情報提供部418は、店員アバター102を注視している客アバター101を特定する情報を、店員アバター102のユーザーに提供する。例えば、一定時間以上又は所定頻度で客アバター101が店員アバター102に視線を向けている場合、特定情報提供部418は、客アバター101を特定する情報を、店員アバター102のユーザーに提供する。このように、特定情報提供部418は、接客が必要な客アバターを特定する情報を、店員アバター102のユーザーに提供する。
【0059】
通知用端末6は、情報処理端末であり、例えばスマートフォンである。通知用端末6は、第2ユーザーによって操作される。第2ユーザーは、通知用端末6を携帯してもよい。通知用端末6は、店員アバター102を注視している客アバター101が居ることが通知部417から通知された場合、例えば警告音及び振動を出力する。
【0060】
図8は、第2実施形態における、店員アバター102を注視している客アバター101のユーザーに提供される画像(客アバターの視野)の例を示す図である。図8に例示された画像は、第1ユーザー端末2の表示部24に表示される。図8では、来店した客アバター101に対して、店員アバター102が未だ接客していない。客アバター101は、例えば一定時間以上、店員アバター102に視線を向ける。
【0061】
図9は、第2実施形態における、接客が必要な客アバターを特定する情報の第1表示例(店員アバターの視野)を示す図である。図9に例示された画像は、第2ユーザー端末3の表示部34に表示される。来店した客アバター101に対して、店員アバター102は未だ接客していない。第2実施形態における矢印画像201は、客アバター101の視線を矢印で表す画像であり、接客が必要な客アバター101を矢印で特定する画像である。図9では、客アバター101のユーザーが店員アバター102を注視しているので、客アバター101と店員アバター102とを結ぶように、矢印画像201が描画されている。矢印画像201が店員アバター102に一定時間以上又は所定頻度で向いているので、接客が必要な客アバター101の存在を、店員アバター102のユーザーは知ることができる。
【0062】
図10は、第2実施形態における、接客が必要な客アバターを特定する情報の第2表示例(店員アバターの視野)を示す図である。図10に例示された画像は、第2ユーザー端末3の表示部34に表示される。来店した客アバター101に対して、店員アバター102は未だ接客していない。輪郭画像204は、接客が必要な客アバター101を輪郭に基づいて特定する画像である。図10では、客アバター101のユーザーが店員アバター102を注視しているので、客アバター101の輪郭が強調されている。例示された輪郭画像204のように客アバター101の輪郭が強調されているので、接客が必要な客アバター101の存在を、店員アバター102のユーザーは知ることができる。
【0063】
図11は、第2実施形態における、接客が必要な客アバターを特定する情報の第3表示例(店員アバターの視野)を示す図である。図11に例示された画像は、第2ユーザー端末3の表示部34に表示される。来店した客アバター101に対して、店員アバター102は未だ接客していない。矢印画像205は、客アバター101を示す矢印の画像であり、接客が必要な客アバター101を矢印で特定する画像である。図11では、客アバター101を示すように、矢印画像205が描画されている。矢印画像205が客アバター101を示しているので、接客が必要な客アバター101の存在を、店員アバター102のユーザーは知ることができる。
【0064】
次に、情報提供装置4bの動作例を説明する。
図12は、第2実施形態における、情報提供装置4bの動作例を示すフローチャートである。視線検出部412は、仮想空間における客アバター101の視線を検出する(ステップS201)。アバター検出部416は、視線の先に居る店員アバター102を検出する(ステップS202)。通知部417は、客アバター101を注視している第1アバターが居ることを、第2アバターのユーザーに通知する(ステップS203)。特定情報提供部418は、客アバター101を特定する情報を、店員アバター102のユーザーに提供する(ステップS204)。
【0065】
以上のように、視線検出部412は、仮想空間(例えば、仮想店舗)における客アバター101(第1アバター)の視線を、例えば客アバター101の操作データ(注視点の座標等)に基づいて検出する。視線検出部412は、客アバター101の視線の情報として、客アバター101のユーザーの視線情報(視線の検出結果)を、第2ユーザー端末3の視線検出デバイスから取得してもよい。アバター検出部416は、客アバター101の視線の先に居る店員アバター102(第2アバター)を検出する。特定情報提供部418は、店員アバター102を注視している客アバター101を特定する情報(例えば、矢印画像201、輪郭画像204、又は、矢印画像205)を、店員アバター102のユーザーに提供する。
【0066】
このように、客アバター101が店員アバター102に視線を向けた場合、接客が必要な客アバター101を特定する情報が、店員アバター102のユーザーに提供される。店員アバター102にいちいち話しかけなくても、店員アバター102にアイコンタクトするだけで、客アバター101は接客を受けることが可能である。これによって、仮想空間におけるアバターのユーザー同士のコミュニケーションを促進することが可能である。
【0067】
また、接客が必要な客アバターが居る場合、通知用端末6が警告音等を出力するので、第2ユーザー端末3のユーザー(第2ユーザー)は表示部34を常時監視する必要がない。
【0068】
(ハードウェア構成)
各実施形態における情報提供装置の各機能部のうちの一部又は全部は、CPU等のプロセッサが、不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)を有するメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、ソフトウェアとして実現される。プログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク又はソリッド・ステート・ドライブ(SSD: Solid State Drive)等の記憶装置などの非一時的な記録媒体である。通信部は、他の通信装置(不図示)との間の通信を実行する。
【0069】
各実施形態における情報提供装置の各機能部のうちの一部又は全部は、例えば、LSI(Large Scale Integrated circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いた電子回路(electronic circuit又はcircuitry)を含むハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0070】
なお、上述した実施形態において、上記のような形態で実施されるプログラムは、単一の装置に依存するものでもよいし、プログラムをコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行することによって所定の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューターシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0071】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に記憶したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0072】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、仮想空間(メタバース空間)を各ユーザーに提供するサーバーに適用可能である。
【符号の説明】
【0074】
1a,1b…仮想空間提供システム、2…第1ユーザー端末、3…第2ユーザー端末、4a,4b…情報提供装置、5…通信回線、6…通知用端末、21…通信部、22…制御部、23…操作部、24…表示部、31…通信部、32…制御部、33…操作部、34…表示部、41…通信部、42…記憶部、43a,43b…制御部、101…客アバター、102…店員アバター、103…客アバター、201…矢印画像、202…枠画像、203…矢印画像、204…輪郭画像、205…矢印画像、301…商品画像、302…表示領域、411…構築部、412…視線検出部、413…視線情報提供部、414…オブジェクト検出部、415…オブジェクト情報提供部、416…アバター検出部、417…通知部、418…特定情報提供部
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