(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165860
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/30 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
B60Q1/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082411
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】本谷 祐哉
(72)【発明者】
【氏名】森田 圭司
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA34
3K339BA22
3K339CA26
3K339GB22
(57)【要約】
【課題】リアバンパーに設けられた開口部からリフレックスリフレクタを外方に臨ませる車両用灯具において、リフレックスリフレクタを正面視以外の方向から見たときのリフレックスリフレクタの視認面積を確保することを可能とした車両用灯具を提供する。
【解決手段】リアバンパー101に設けられた開口部2からリフレックスリフレクタ3を外方に臨ませる車両用灯具1であって、リフレックスリフレクタ3は、開口部2よりも後方に位置し、且つ、開口部2よりも大きい面積を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアバンパーに設けられた開口部からリフレックスリフレクタを外方に臨ませる車両用灯具であって、
前記リフレックスリフレクタは、前記開口部よりも後方に位置し、且つ、前記開口部よりも大きい面積を有することを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記リアバンパーを正面側から見た正面視において、前記リフレックスリフレクタの輪郭よりも内側に前記開口部が位置することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記開口部は、前記リアバンパーの車幅方向の両コーナー部に付与されるスラント形状に合わせて、前記リアバンパーの車幅方向の内側よりも外側が後退する方向に向かって湾曲又は傾斜した形状を有し、
前記リフレックスリフレクタは、前記リアバンパーの上下方向に対して平行となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記リフレックスリフレクタは、前記リアバンパーの車幅方向に対して平行となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記開口部は、前記リアバンパーの上下方向に対して前方に傾斜して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両後方に設けられたリアバンパーの開口部からリフレックスリフレクタを外方に臨ませる車両用灯具がある(例えば、下記特許文献1を参照。)。
【0003】
リフレックスリフレクタは、後方の車両から照射される光を後方の車両に向けて反射することによって、リフレックスリフレクタの発光面を視認させ、後方の車両に前方の車両の存在を周知させるためのものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の車両用灯具では、リアバンパーに設けられた開口部を小さくした場合に、この開口部の形状に合わせてリフレックスリフレクタの発光面も小さくなる。
【0006】
さらに、リアバンパーを正面側から見た正面視に対して、正面視以外の方向からリアバンパーを見たときに、リアバンパーの開口部から臨むリフレックスリフレクタの一部がリアバンパーに隠れることによって、リフレックスリフレクタの視認面積が小さくなってしまう。
【0007】
このため、従来の車両用灯具では、リフレックスリフレクタを正面視以外の方向から見たときに、法規的に必要なリフレックスリフレクタの視認面積を確保できなくなることがあった。
【0008】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、車両後方に設けられたリアバンパーの開口部からリフレックスリフレクタを外方に臨ませる車両用灯具において、リフレックスリフレクタを正面視以外の方向から見たときのリフレックスリフレクタの視認面積を確保することを可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 リアバンパーに設けられた開口部からリフレックスリフレクタを外方に臨ませる車両用灯具であって、
前記リフレックスリフレクタは、前記開口部よりも後方に位置し、且つ、前記開口部よりも大きい面積を有することを特徴とする車両用灯具。
〔2〕 前記リアバンパーを正面側から見た正面視において、前記リフレックスリフレクタの輪郭よりも内側に前記開口部が位置することを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔3〕 前記開口部は、前記リアバンパーの車幅方向の両コーナー部に付与されるスラント形状に合わせて、前記リアバンパーの車幅方向の内側よりも外側が後退する方向に向かって湾曲又は傾斜した形状を有し、
前記リフレックスリフレクタは、前記リアバンパーの上下方向に対して平行となるように配置されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔4〕 前記リフレックスリフレクタは、前記リアバンパーの車幅方向に対して平行となるように配置されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔5〕 前記開口部は、前記リアバンパーの上下方向に対して前方に傾斜して設けられていることを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、車両後方に設けられたリアバンパーの開口部からリフレックスリフレクタを外方に臨ませる車両用灯具において、リフレックスリフレクタを正面視以外の方向から見たときのリフレックスリフレクタの視認面積を確保することを可能とした車両用灯具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車両用灯具を備えた車両を示す背面図である。
【
図2】
図1に示す車両用灯具を前方側から見た斜視図である。
【
図3】
図1に示す車両用灯具を側方側から見た斜視図である。
【
図4】
図1に示す車両用灯具を下方側から見た斜視図である。
【
図5】
図1に示す車両用灯具の構成を示す正面図である。
【
図6】
図5中に示す線分A-Aによる車両用灯具の断面図である。
【
図7】
図5中に示す線分B-Bによる車両用灯具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0013】
本発明の一実施形態として、例えば
図1~
図7に示す車両用灯具1について説明する。
【0014】
なお、
図1は、車両用灯具1を備えた車両100を示す背面図である。
図2は、車両用灯具1を斜め前方側から見た斜視図である。
図3は、車両用灯具1を斜め側方側から見た斜視図である。
図4は、車両用灯具1を斜め下方側から見た斜視図である。
図5は、車両用灯具1の構成を示す正面図である。
図6は、
図5中に示す線分A-Aによる車両用灯具1の断面図である。
図7は、
図5中に示す線分B-Bによる車両用灯具1の断面図である。
【0015】
本実施形態の車両用灯具1は、
図1に示すように、車両100の後端に取り付けられるリアバンパー101の車幅方向の両側に、リフレックスリフレクタ3及びリアフォグランプ51を備えている。リフレックスリフレクタ3及びリアフォグランプ51は、それぞれリアバンパー101の車幅方向の両側に左右対称に設けられている。
【0016】
リフレックスリフレクタ3は、リアバンパー101に設けられた開口部2から外方に臨むように配置されている。
【0017】
リアフォグランプ51は、リフレックスリフレクタ3の下方に位置して、リアバンパー101に設けられた開口部52から外方に臨むように配置されている。
【0018】
また、開口部2と開口部52とは、互いの外形が1つの連続した開口部を形成するように、互いに隣接して設けられている。すなわち、これら2つの開口部2,52とは、1つの開口部を上側と下側とに分割した形状を有している。
【0019】
リフレックスリフレクタ3及びリアフォグランプ51は、ブラケット102を介してリアバンパー101の背面側から開口部2及び開口部52の周囲に取り付けられている。
【0020】
また、ブラケット102には、リフレックスリフレクタ3の正面側を覆うアウターレンズ103が取り付けられている。
【0021】
さらに、リアバンパー101には、開口部2,52の前方を切り欠く凹部104が設けられている。
【0022】
本実施形態の車両用灯具1において、開口部2は、
図2~
図5に示すように、リアバンパー101の両コーナー部に付与されるスラント形状に合わせて、このリアバンパー101の車幅方向の内側よりも外側が後退する方向に向かって湾曲又は傾斜(本実施形態では湾曲)した形状を有している。また、開口部2は、リアバンパー101の上下方向に対して前方に傾斜して設けられている。
【0023】
リフレックスリフレクタは、
図2~
図7に示すように、開口部2よりも後方に位置し、且つ、開口部2よりも大きい面積を有している。また、リアバンパー101を正面側から見た正面視において、リフレックスリフレクタ3の輪郭よりも内側に開口部2が位置している。
【0024】
リフレックスリフレクタ3は、
図6に示すように、リアバンパー101の上下方向に対して平行となるように配置されている。また、リフレックスリフレクタ3は、
図7に示すように、リアバンパー101の車幅方向に対して平行且つ車高方向に対して平行となるように配置されている。
【0025】
以上のような構成を有する本実施形態の車両用灯具1では、後方の車両から照射される光を後方の車両に向けて反射することによって、リフレックスリフレクタ3の発光面を視認させ、後方の車両に前方の車両の存在を周知させることが可能である。
【0026】
本実施形態の車両用灯具1では、上述したリフレックスリフレクタ3が開口部2よりも後方に位置し、且つ、リフレックスリフレクタ3が開口部2よりも大きい面積を有している。
【0027】
すなわち、
図6に示すように、リフレックスリフレクタ3の高さ寸法T3は、開口部2の高さ寸法T2よりも大きくなっている。また、
図7に示すように、リフレックスリフレクタ3の幅寸法W3は、開口部2の幅寸法W2よりも大きくなっている。
【0028】
これにより、リアバンパー101を正面視以外の方向から見たときに、リアバンパー101の開口部2を通して視認されるリフレックスリフレクタ3の視認面積が小さくなること防ぐことが可能である。
【0029】
すなわち、本実施形態の車両用灯具1では、
図2に示すリアバンパー101の正面側から
図3に示すリアバンパー101の側面側へと、開口部2を通して視認されるリフレックスリフレクタ3の車幅方向の視認角が大きくなった場合でも、
図8に示すように、開口部2を通して視認されるリフレックスリフレクタ3の視認範囲Eを確保することが可能である。
【0030】
同様に、
図2に示すリアバンパー101の正面側から
図4に示すリアバンパー101の下面側へと、開口部2を通して視認されるリフレックスリフレクタ3の上下方向の視認角が大きくなった場合でも、
図7に示すように、開口部2を通して視認されるリフレックスリフレクタ3の視認範囲E確保することが可能である。
【0031】
したがって、本実施形態の車両用灯具1では、リアバンパー101に設けられた開口部2を小さくした場合でも、開口部2を通してリフレックスリフレクタ3を正面視以外の方向から見たときに、法規的に必要なリフレックスリフレクタ3の視認面積を十分に確保することが可能である。
【0032】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0033】
例えば、上記車両用灯具1では、実際の車両100のデザイン等に合わせて、上記開口部2及びリフレックスリフレクタ3の形状などを適宜変更することが可能である。
【0034】
また、上記車両用灯具1では、上述したブラケット102を介してリフレックスリフレクタ3及びリアフォグランプ51がリアバンパー101の背面側から開口部2,52の周囲に取り付けられた構成となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではない。
【0035】
すなわち、リフレックスリフレクタ3は、このリフレックスリフレクタ3を保持する部材と共に、リアバンパー101の背面側から開口部2の周囲に取り付けられた構成であればよい。
【0036】
したがって、上述したブラケット102以外にも、例えばエクステンションなどのリア側の車両用灯具を構成する部品等を介してリアバンパー101に取り付けられた構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0037】
1…車両用灯具 2…開口部 3…リフレックスリフレクタ 51…リアフォグランプ 52…開口部 100…車両 101…リアバンパー