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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165873
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】要保護者監視システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20241121BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20241121BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20241121BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B25/00 510M
G08B21/02
H04M11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082435
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】517410523
【氏名又は名称】株式会社ミマモルメ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 秀治
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5K201
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA08
5C086DA33
5C087AA03
5C087AA25
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD05
5C087EE07
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5C087GG02
5C087GG20
5C087GG66
5C087GG67
5K201BA02
5K201BA19
5K201CA04
5K201CC04
5K201CC10
5K201EC06
5K201ED04
5K201EE08
(57)【要約】
【課題】要保護者の正確な位置を把握できると共に、汎用性の高い要保護者監視システムを実現する。
【解決手段】要保護者監視システム100は、要保護者Kが利用する、又は利用することが予想される経路Rに設けられ、当該経路Rを通行する要保護者Kを撮像する撮像装置5を備える。要保護者監視システム100は、撮像装置5により撮像された要保護者Kの生体情報Inbを解析する解析部11と、解析部11により解析された解析生体情報Inaとデータベース4に登録された登録生体情報Inrとを照合して、個人を認証する認証部12と、認証部12により認証された要保護者Kの個人情報Ink、及び要保護者Kを撮像した撮像装置5の位置情報を、指定端末3に通知する通知部13と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
要保護者を監視するための要保護者監視システムであって、
予め指定された指定端末と、
前記要保護者が利用する、又は利用することが予想される経路に設けられ、当該経路を通行する前記要保護者を撮像する撮像装置と、
前記要保護者の個人情報及び生体情報が登録されたデータベースと、
前記撮像装置により撮像された前記要保護者の前記生体情報を解析する解析部と、
前記解析部により解析された前記生体情報である解析生体情報と、前記データベースに登録された前記生体情報である登録生体情報とを照合して、個人を認証する認証部と、
前記認証部により認証された前記要保護者の前記個人情報、及び前記要保護者を撮像した前記撮像装置の位置情報を、前記指定端末に通知する通知部と、を備える、要保護者監視システム。
【請求項2】
前記生体情報には、前記要保護者の歩容情報、体格情報、及び顔情報の少なくとも1つの情報が含まれ、
前記データベースには、前記要保護者の各々に関する前記生体情報が前記登録生体情報として蓄積され、
前記認証部は、前記データベースに蓄積された最新の前記登録生体情報を用いて個人を認証する、請求項1に記載の要保護者監視システム。
【請求項3】
前記認証部は、前記撮像装置により撮像された前記要保護者の個人の特定に加えて、前記解析生体情報と前記登録生体情報とに基づいて、当該要保護者の健康状態を推定し、
前記通知部は、前記認証部により推定された前記要保護者の前記健康状態を、健康情報として前記指定端末に通知する、請求項2に記載の要保護者監視システム。
【請求項4】
前記撮像装置は、前記要保護者が利用する施設の出入口に配置され、
前記解析部は、前記撮像装置により撮像された前記要保護者の前記出入口での移動方向を解析するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の要保護者監視システム。
【請求項5】
前記認証部は、前記出入口に配置された前記撮像装置によって撮像された人物に関する前記解析生体情報が、前記データベースに登録された前記登録生体情報の何れとも一致しない場合には、当該解析生体情報を認証不能情報と判断し、
前記データベースには、前記認証不能情報が、前記登録生体情報とは別に登録される、請求項4に記載の要保護者監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、要保護者を監視するための要保護者監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
このような要保護者監視システムの一例が、特許第5891468号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示される符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示されたシステムでは、要保護者としての子供(K)に所持させる近距離無線端末(2)と、保護者としての親(P)に所持させる保護者用端末(5)と、子供(K)が向かう目的地までの経路の近傍に設置等された複数の基地局端末(3a,3b)と、が用いられる。
【0004】
基地局端末(3a,3b)は、例えば半径20メートル以内に接近した近距離無線端末(2)を検出する機能を有していると共に、GPS機能により自らの位置情報を取得可能に構成されている。基地局端末(3a,3b)は、近距離無線端末(2)を検出した場合に、GPS機能を有していない近距離無線端末(2)の代わりに、自らの位置情報を保護者用端末(5)に通知したりする。これにより、近距離無線端末(2)を所持する子供(K)の位置を、誤差20メートル以内で把握することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5891468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に開示されたシステムでは、子供(K)の位置情報のみを把握できるに留まり、また、当該位置情報には上述の通り誤差がある。さらに、特許文献1に開示されたシステムでは、高価な端末を子供(K)に所持させないようにするため、GPS機能を有していない比較的安価な近距離無線端末(2)が用いられている。しかしながら、比較的安価であるとはいえ、近距離無線端末(2)は特許文献1に開示されたシステムにおいて必須であり、これがなければ要保護者を監視するシステムとしての体を成さない。
【0007】
上記実情に鑑みて、要保護者の正確な位置を把握できると共に、汎用性の高い要保護者監視システムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
要保護者を監視するための要保護者監視システムであって、
予め指定された指定端末と、
前記要保護者が利用する、又は利用することが予想される経路に設けられ、当該経路を通行する前記要保護者を撮像する撮像装置と、
前記要保護者の個人情報及び生体情報が登録されたデータベースと、
前記撮像装置により撮像された前記要保護者の前記生体情報を解析する解析部と、
前記解析部により解析された前記生体情報である解析生体情報と、前記データベースに登録された前記生体情報である登録生体情報とを照合して、個人を認証する認証部と、
前記認証部により認証された前記要保護者の前記個人情報、及び前記要保護者を撮像した前記撮像装置の位置情報を、前記指定端末に通知する通知部と、を備える。
【0009】
本構成によれば、撮像装置により撮像された画像に基づいて要保護者の生体情報を解析し、解析された解析生体情報と、予めデータベースに登録された登録生体情報と、を照合することで、個人を特定する。そして、特定された要保護者の個人情報と、当該要保護者を撮像した撮像装置の位置情報とを、指定端末に通知する。これにより、指定端末の使用者は、要保護者の位置を正確に把握することが可能となる。また、従来のように要保護者の位置を特定するための機器を、要保護者に所持させる必要がない。さらに、撮像装置により撮像された画像や要保護者の生体情報は、要保護者の位置を特定する以外にも、利用価値が高い。以上のように、本構成によれば、要保護者の正確な位置を把握できると共に、汎用性が高い要保護者監視システムを実現することができる。
【0010】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】システム構成図
図2】撮像装置の設置箇所を示す図
図3】生体情報の一例を示す図
図4】蓄積される生体情報を示す図
図5】要保護者の移動方向を示す図
図6】認証不能情報が登録されるデータベースを示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
要保護者監視システムは、要保護者を監視するためのシステムである。以下、要保護者監視システムの実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1に示すように、要保護者監視システム100は、管理サーバ1を備えている。管理サーバ1は、要保護者監視システム100が有する主要なソフトウェアやプログラムを実行するように構成されている。
【0014】
要保護者監視システム100は、予め指定された指定端末3と、要保護者Kが利用する、又は利用することが予想される経路Rに設けられ、当該経路Rを通行する要保護者Kを撮像する撮像装置5と、を備えている。
【0015】
要保護者Kは、保護が必要な者を意味する。例えば要保護者Kとして、子供、老人、或いは、障害者などが挙げられる。本実施形態では、要保護者Kが、子供、特に小学生以下の子供である場合を例示する。
【0016】
指定端末3は、予め指定された指定者Pが所持する端末である。指定者Pとしては、要保護者Kの保護者P30や、本システムの管理者または管理者に準ずる者(以下、単に「管理者P31」という。)が挙げられる。管理者P31の一例として、職員室の職員を挙げることができる。指定端末3としては、パソコン、スマートフォン、タブレットなど、様々な形態の端末を使用することができる。以下では、保護者P30が所持するための指定端末3を「保護者端末30」と称し、管理者P31が所持するための指定端末3を「管理者端末31」と称する。
【0017】
撮像装置5は、経路Rの各所に設置されている。例えば図2に示すように、要保護者Kの自宅から施設6までの経路Rの各所に、撮像装置5が設置されている。本実施形態では、要保護者Kが子供であり、施設6は、学校や塾、或いは習い事の通い先などである。図示の例では、施設6は、学校とされている。また、経路Rは、通学路とされている。
【0018】
撮像装置5としては、経路Rを撮像する防犯カメラを利用することができる。防犯カメラを街中に設置している自治体などと連携して、要保護者監視システム100を運用することができる。従って、本システムの導入に要する設備投資の費用を抑えることができる。なお、デパートや遊園地などの各種施設に設置された防犯カメラを利用することもできる。この場合、各種施設の管理者などと連携して、要保護者監視システム100を運用することができる。
【0019】
図1に示すように、要保護者監視システム100は、要保護者Kの個人情報Ink及び生体情報Inbが登録されたデータベース4を備えている。
【0020】
要保護者Kの個人情報Inkには、要保護者Kの氏名や住所などの情報が含まれる。要保護者Kが子供である場合には、個人情報Inkには、要保護者Kの学年、クラス、学籍番号などの情報がさらに含まれていてよい。
【0021】
要保護者Kの生体情報Inbは、生物固有の情報である。詳細は後述するが、本実施形態において、生体情報Inbには、歩容情報、体格情報、顔情報などの情報が含まれる。また、生体情報Inbには、声紋情報、目の虹彩情報などの情報が含まれていてもよい。
【0022】
要保護者監視システム100は、撮像装置5により撮像された要保護者Kの生体情報Inbを解析する解析部11を備えている。また、要保護者監視システム100は、解析部11により解析された生体情報Inbである解析生体情報Inaと、データベース4に登録された生体情報Inbである登録生体情報Inrと、を照合して、個人を認証する認証部12を備えている。さらに、要保護者監視システム100は、認証部12により認証された要保護者Kの個人情報Ink、及び要保護者Kを撮像した撮像装置5の位置情報In5(図2参照)を、指定端末3に通知する通知部13を備えている。
【0023】
すなわち、撮像装置5により撮像された画像に基づいて要保護者Kの生体情報Inbを解析し、解析された解析生体情報Inaと、予めデータベース4に登録された登録生体情報Inrと、を照合することで、個人を特定することができる。そして、特定された要保護者Kの個人情報Inkと、当該要保護者Kを撮像した撮像装置5の位置情報In5とを、指定端末3に通知することで、指定端末3の使用者(例えば保護者P30)は、要保護者Kの位置を正確に把握することが可能となる。また、従来のように要保護者Kの位置を特定するための機器を、要保護者Kに所持させる必要がない。
【0024】
通知部13による情報の通知は、指定端末3に対して自動的に行われる。或いは、指定端末3から問い合わせがあった場合に、通知部13が当該指定端末3に情報を通知するようにしてもよい。すなわち、通知部13は、能動的または受動的に、要保護者Kの個人情報Ink及び撮像装置5の位置情報In5を指定端末3に通知する。
【0025】
本実施形態では、解析部11、認証部12、及び通知部13は、管理サーバ1が備える機能部とされる。換言すれば、管理サーバ1は、要保護者Kの生体情報Inbを解析する解析部11と、解析生体情報Inaと登録生体情報Inrとを照合して個人を認証する認証部12と、認証部12により認証された要保護者Kの個人情報Ink、及び要保護者Kを撮像した撮像装置5の位置情報In5を指定端末3に通知する通知部13と、を備えている。
【0026】
図1に示すように、本実施形態では、要保護者監視システム100は、連携サーバ2を更に備えている。連携サーバ2は、独自のソフトウェアやプログラムを実行するように構成されている。管理サーバ1と連携サーバ2とがAPI(Application Programming Interface)連携を行うことで、両サーバのソフトウェアやプログラムを共有している。例えば、連携サーバ2が独自に持つソフトウェアサービス或いはプログラムとして、要保護者Kの情報を保護者P30に配信する「ミマモルメ」を採用することができる(「ミマモルメ」は株式会社ミマモルメの登録商標である。)。なお、要保護者監視システム100は、1つ又は2つ以上の連携サーバ2を備えていてもよい。
【0027】
本実施形態では、通知部13は、要保護者Kの個人情報Ink、及び要保護者Kを撮像した撮像装置5の位置情報In5を、連携サーバ2を介して指定端末3(保護者端末30及び管理者端末31)に通知する。
【0028】
図2に示すように、撮像装置5は、要保護者Kの自宅から施設6までの経路Rの各所に設置されている。上述のように、撮像装置5として、街中に設置された防犯カメラを利用することができる。
【0029】
本実施形態では、撮像装置5は、要保護者Kが利用する施設6の出入口60に配置されている。詳細には、複数の撮像装置5のうち少なくとも一部の撮像装置5が、施設6の出入口60に配置されている。本実施形態では、出入口60は、学校の校門、又は、校舎の玄関である。本例では、出入口60としての学校の校門に、撮像装置5が配置されている。
【0030】
上述のように、本開示に係る要保護者監視システム100では、要保護者Kの個人の認証に、要保護者Kの生体情報Inbを用いる。すなわち、生体認証を行って、要保護者Kの個人を特定する。
【0031】
図3に示すように、本実施形態では、生体情報Inbには、要保護者Kの歩容情報、体格情報、及び顔情報の少なくとも1つの情報が含まれている。認証部12による認証に、生体情報Inbとして歩容情報を用いる場合には、認証部12は歩容認証を行う。認証部12による認証に、生体情報Inbとして体格情報を用いる場合には、認証部12は体格認証を行う。認証部12による認証に、生体情報Inbとして顔情報を用いる場合には、認証部12は顔認証を行う。これらの認証方法は、従来公知であり、本開示に係る要保護者監視システム100においても公知の方法を用いることができる。
【0032】
データベース4には、対象となる全ての要保護者Kに関する生体情報Inbが登録されている。図3に示す例では、「Aさん」、「Bさん」、「Cさん」それぞれの生体情報Inbが登録されている。具体的には、「Aさん」、「Bさん」、「Cさん」それぞれの歩容情報、体格情報、及び顔情報が、データベース4に登録されている。
【0033】
認証部12は、撮像装置5により撮像された要保護者Kに基づいて解析部11が解析した解析生体情報Inaと、データベース4に登録された登録生体情報Inrと、を照合する。認証部12は、生体情報Inbとして歩容情報を用いて、解析生体情報Inaと登録生体情報Inrとを照合し、歩容認証を行うと好適である。歩容認証は、個々人の歩き方の特徴に基づいて認証を行うものである。撮像装置5による撮像角度が不適切であることで要保護者Kの顔が見えない場合や、撮像装置5と要保護者Kとの距離が遠いことで画像中の要保護者Kが小さい場合などでも、歩き方の特徴は把握し易い。そのため、撮像装置5による撮像条件が悪い場合であっても、歩容認証を行うことにより、適切に個人を特定することができる。もちろん、歩容認証に加えて、体格認証や顔認証などの他の認証を併せて行ってもよい。これにより、より高精度に個人を特定することができる。
【0034】
ここで、要保護者Kが成長の早い子供である場合には、成長した子供の生体情報Inb(解析生体情報Ina)と、以前より登録されている登録生体情報Inrとを照合しても、両者が一致しない可能性があり、認証ミスを起こす可能性がある。
【0035】
図4に示すように、本実施形態では、データベース4には、要保護者Kの各々に関する生体情報Inbが登録生体情報Inrとして蓄積される。図4では、「Aさん」を例として挙げている。そして、認証部12は、データベース4に蓄積された最新の登録生体情報Inrを用いて個人を認証する。これにより、解析生体情報Inaと登録生体情報Inrとが一致しないような認証ミスを回避することができる。本実施形態では、解析部11による解析の都度、解析された生体情報Inbが登録生体情報Inrとしてデータベース4に蓄積される。
【0036】
説明を加えると、要保護者Kが学校に通学する子供である場合、要保護者Kは、ほとんど毎日同じ経路Rを通行して学校へ向かう。そのため、要保護者Kの生体情報Inbは、ほとんど毎日、解析部11によって解析されると共にデータベース4に蓄積される。子供の成長がいくら早いと言っても、子供の生体情報Inb(歩容情報、体格情報、顔情報)が、1日あるいは数日で、認証ミスが起こるほど変化することはない。そのため、認証部12が、歩容認証、体格認証、顔認証の何れの認証を行う場合であっても、データベース4に蓄積された最新の登録生体情報Inrを用いて個人を認証することで、正確に個人を特定することができる。このような構成により、例えば小学校6年間で、要保護者Kの生体情報Inbを自動的に更新していくと共に適切に個人を特定することができる。また、データベース4に登録された各人の生体情報Inbを、新たに測定して大々的に入れ替える必要もない。
【0037】
本開示に係る要保護者監視システム100は、撮像装置5による画像を用いて個人の認証を行うため、汎用性の高いシステムを実現できる。以下、詳細に説明する。
【0038】
撮像装置5による画像では、要保護者Kの動きについても把握することができる。本実施形態では、解析部11は、撮像装置5により撮像された要保護者Kの出入口60での移動方向を解析するように構成されている。これにより、要保護者Kが施設6に入ったこと、或いは、要保護者Kが施設6から出たことを把握することができる。すなわち、本実施形態のように、撮像装置5が学校の校門(施設6の出入口60)に配置されている構成では、要保護者Kとしての子供が登校したか、或いは下校したかを把握することができる。
【0039】
要保護者Kとしての子供は、下校しようと思って一度校門(出入口60)から出たにも関わらず、忘れ物に気づいてもう一度校門に入るようなこともしばしばある。そのため、校門付近の子供の現在位置が保護者P30に通知されるだけでは、自分の子供が下校したかどうかが明確には分からない。さらに言えば、子供が校門を「通過」した旨の通知があったことで子供が下校しているものと思い込んでいる保護者P30は、帰宅時間になっても子供が帰って来ないことに不安に駆られることがあり得る。しかし実際には、子供は校門を外から内に「通過」しただけであり、下校をしていない場合があり得る。
【0040】
この点、本実施形態によれば、要保護者Kとしての子供が校門(出入口60)を通過した方向を把握できることにより、保護者P30は、自分の子供が下校したか否かが明確に分かるようになる。なお、解析部11によって解析された要保護者Kの移動方向の情報は、通知部13によって指定端末3に通知されるとよい。
【0041】
本実施形態では、認証部12は、出入口60に配置された撮像装置5によって撮像された人物に関する解析生体情報Inaが、データベース4に登録された登録生体情報Inrの何れとも一致しない場合には、当該解析生体情報Inaを認証不能情報Innと判断する。
【0042】
そして、図6に示すように、データベース4には、上記の認証不能情報Innが、登録生体情報Inrとは別に登録される。出入口60に配置された撮像装置5によって撮像された人物、本実施形態では学校の校門に配置された撮像装置5によって撮像された人物が、データベース4に登録された登録生体情報Inrの何れとも一致しない生体情報Inbを持つ者である場合には、当該人物は学校の関係者ではない可能性があり、不審者の可能性がある。このような場合に、当該人物に関する解析生体情報Inaを認証不能情報Innとして登録生体情報Inrとは別に登録しておくことで、保護者P30や管理者P31と情報を共有することができる。通知部13は、保護者P30や管理者P31が所持する指定端末3に、不審者出没情報を通知するようにしてもよい。或いは、この認証不能情報Innを警察などの行政機関に提供するようにしてもよい。これにより、警察などの行政機関を巻き込んで、より安全性の高い要保護者監視システム100を実現することが可能となる。
【0043】
本開示に係る要保護者監視システム100は、要保護者Kの生体情報Inbを用いて個人の認証を行うため、汎用性の高いシステムを実現できる。以下、説明する。
【0044】
詳細な図示は省略するが、本実施形態では、認証部12は、撮像装置5により撮像された要保護者Kの個人の特定に加えて、解析生体情報Inaと登録生体情報Inrとに基づいて、当該要保護者Kの健康状態を推定する。そして、通知部13は、認証部12により推定された要保護者Kの健康状態を、健康情報Inhとして指定端末3に通知する。要保護者Kの健康状態の推定は、例えば、要保護者Kの歩容(歩き方)や顔の表情などに基づいて行うことができる。例えば、要保護者Kの歩容(歩き方)がいつもと違っていたり、要保護者Kの顔の表情がいつもと違っていたりする場合に、要保護者Kの健康状態がいつもと違う状態であると判断する。
【0045】
上記構成により、撮像装置5により撮像された画像を利用して、要保護者Kの位置を特定する以外にも、要保護者Kの健康状態を把握することができる。また、要保護者Kの健康状態が健康情報Inhとして指定端末3に通知されるため、指定端末3の使用者である保護者P30や管理者P31に要保護者Kの健康状態を知らせることができる。
【0046】
〔その他の実施形態〕
次に、その他の実施形態について説明する。
【0047】
(1)上記の実施形態では、データベース4には、要保護者Kの各々に関する生体情報Inbが、解析の都度、登録生体情報Inrとして蓄積される例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、例えば、予め定められた期間で、定期的に生体情報Inbをデータベース4に蓄積するようにしてもよい。
【0048】
(2)上記の実施形態では、認証部12が、要保護者Kの健康状態を推定する例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、認証部12は、健康状態の推定機能を有していなくてもよい。
【0049】
(3)上記の実施形態では、データベース4の登録生体情報Inrと一致しない解析生体情報Inaを認証不能情報Innとして、登録生体情報Inrとは別にデータベース4に登録する例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、認証不能情報Innはデータベース4に登録されなくてもよい。
【0050】
(4)上記の実施形態では、解析部11、認証部12、及び通知部13は、管理サーバ1が備える機能部とされる例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、解析部11、認証部12、及び通知部13は、管理サーバ1とは別に設けられていてもよい。例えば、解析部11は、撮像装置5の機能部として構成されていてもよい。
【0051】
(5)上記の実施形態では、要保護者監視システム100が、連携サーバ2を備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、要保護者監視システム100は、連携サーバ2を備えていなくてもよい。
【0052】
(6)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0053】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記実施形態の概要について説明する。
【0054】
要保護者を監視するための要保護者監視システムであって、
予め指定された指定端末と、
前記要保護者が利用する、又は利用することが予想される経路に設けられ、当該経路を通行する前記要保護者を撮像する撮像装置と、
前記要保護者の個人情報及び生体情報が登録されたデータベースと、
前記撮像装置により撮像された前記要保護者の前記生体情報を解析する解析部と、
前記解析部により解析された前記生体情報である解析生体情報と、前記データベースに登録された前記生体情報である登録生体情報とを照合して、個人を認証する認証部と、
前記認証部により認証された前記要保護者の前記個人情報、及び前記要保護者を撮像した前記撮像装置の位置情報を、前記指定端末に通知する通知部と、を備える。
【0055】
本構成によれば、撮像装置により撮像された画像に基づいて要保護者の生体情報を解析し、解析された解析生体情報と、予めデータベースに登録された登録生体情報と、を照合することで、個人を特定する。そして、特定された要保護者の個人情報と、当該要保護者を撮像した撮像装置の位置情報とを、指定端末に通知する。これにより、指定端末の使用者は、要保護者の位置を正確に把握することが可能となる。また、従来のように要保護者の位置を特定するための機器を、要保護者に所持させる必要がない。さらに、撮像装置により撮像された画像や要保護者の生体情報は、要保護者の位置を特定する以外にも、利用価値が高い。以上のように、本構成によれば、要保護者の正確な位置を把握できると共に、汎用性が高い要保護者監視システムを実現することができる。
【0056】
前記生体情報には、前記要保護者の歩容情報、体格情報、及び顔情報の少なくとも1つの情報が含まれ、
前記データベースには、前記要保護者の各々に関する前記生体情報が前記登録生体情報として蓄積され、
前記認証部は、前記データベースに蓄積された最新の前記登録生体情報を用いて個人を認証する、と好適である。
【0057】
本構成によれば、例えば要保護者が成長の早い子供である場合であっても、子供の成長に伴って蓄積された登録生体情報に基づいて個人を特定することができる。従って、認証ミスを回避し易く、また、データベースに登録された各人の生体情報を、新たに測定して大々的に入れ替える必要もない。
【0058】
前記認証部は、前記撮像装置により撮像された前記要保護者の個人の特定に加えて、前記解析生体情報と前記登録生体情報とに基づいて、当該要保護者の健康状態を推定し、
前記通知部は、前記認証部により推定された前記要保護者の前記健康状態を、健康情報として前記指定端末に通知する、と好適である。
【0059】
本構成によれば、撮像装置により撮像された画像を利用して、要保護者の位置を特定する以外にも、要保護者の健康状態を把握することができる。また、要保護者の健康状態が健康情報として指定端末に通知されるため、指定端末の使用者に要保護者の健康状態を知らせることができる。例えば、要保護者の健康状態が良好でない場合には、迅速な措置を行い易い。
【0060】
前記撮像装置は、前記要保護者が利用する施設の出入口に配置され、
前記解析部は、前記撮像装置により撮像された前記要保護者の前記出入口での移動方向を解析するように構成されている、と好適である。
【0061】
本構成によれば、要保護者の現在位置が施設の出入口であること以外にも、要保護者が施設に入ったこと、或いは、施設から出たことを把握することが可能となる。例えば、施設が学校である場合には、要保護者が登校したか下校したかを、容易に把握することが可能となる。
【0062】
前記認証部は、前記出入口に配置された前記撮像装置によって撮像された人物に関する前記解析生体情報が、前記データベースに登録された前記登録生体情報の何れとも一致しない場合には、当該解析生体情報を認証不能情報と判断し、
前記データベースには、前記認証不能情報が、前記登録生体情報とは別に登録される、と好適である。
【0063】
本構成によれば、関係者以外の者が施設の出入口付近にいる場合に、その者の生体情報を認証不能情報としてデータベースに登録することができる。この場合、指定端末に不審者出没情報を通知したり、認証不能情報を警察などの行政機関に提供するなどしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本開示に係る技術は、要保護者を監視するための要保護者監視システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0065】
100 :要保護者監視システム
3 :指定端末
4 :データベース
5 :撮像装置
In5 :位置情報
6 :施設
60 :出入口
11 :解析部
12 :認証部
13 :通知部
P30 :保護者
K :要保護者
Ink :個人情報
Inb :生体情報
Ina :解析生体情報
Inr :登録生体情報
Inn :認証不能情報
Inh :健康情報
R :経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6