(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165879
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】吸収度把握方法、ガラスの製造方法、及びガラス製造システム
(51)【国際特許分類】
G01N 31/00 20060101AFI20241121BHJP
G01N 21/80 20060101ALI20241121BHJP
G01N 21/77 20060101ALI20241121BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20241121BHJP
G01N 31/22 20060101ALI20241121BHJP
B01D 53/14 20060101ALI20241121BHJP
C03B 1/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G01N31/00 E
G01N21/80
G01N21/77 A
G01N21/27 A
G01N31/22 122
B01D53/14 100
C03B1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082449
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000178826
【氏名又は名称】日本山村硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】山本 柱
(72)【発明者】
【氏名】堀 詩織
【テーマコード(参考)】
2G042
2G059
4D020
4G014
【Fターム(参考)】
2G042AA01
2G042BA02
2G042BA07
2G042BB05
2G042CA01
2G042CB01
2G042DA02
2G042DA08
2G042FA02
2G042FA11
2G059AA01
2G059AA05
2G059BB01
2G059CC04
2G059DD15
2G059EE02
2G059EE13
2G059FF12
2G059KK04
2G059MM01
4D020AA03
4D020BA01
4D020BA02
4D020BA08
4D020BA30
4D020BB01
4D020CA01
4D020DA02
4D020DB20
4G014AA00
(57)【要約】
【課題】二酸化炭素を吸収する吸収剤における二酸化炭素の吸収度を容易かつ的確に把握できる吸収度把握方法、ガラスの製造方法、及びガラス製造システムの提供を目的とした。
【解決手段】二酸化炭素を吸収する吸収剤における二酸化炭素の吸収度を把握する吸収度把握方法であって、前記吸収剤として、二酸化炭素を吸収する化合物、及び二酸化炭素との反応により色が変化する変色材料を含むものが用いられ、所定の波長を有する光源の下において前記吸収剤を撮影して得られる撮影画像を構成する前記吸収剤を含む領域の色情報に基づいて、二酸化炭素に係る前記吸収度を把握すること、を特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素を吸収する吸収剤における二酸化炭素の吸収度を把握する吸収度把握方法であって、
前記吸収剤として、二酸化炭素を吸収する化合物、及び二酸化炭素との反応により色が変化する変色材料を含むものが用いられ、
所定の波長を有する光源の下において前記吸収剤を撮影して得られる撮影画像を構成する前記吸収剤を含む領域の色情報に基づいて、二酸化炭素に係る前記吸収度を把握すること、を特徴とする吸収度把握方法。
【請求項2】
前記撮影画像を構成する前記吸収剤を含む領域のカラーチャンネルの一部に係る情報に基づいて、二酸化炭素に係る前記吸収度を把握すること、を特徴とする請求項1に記載の吸収度把握方法。
【請求項3】
前記変色材料として、二酸化炭素の吸収に伴って白色から紫色に変色するものが用いられ、
前記撮影画像を構成する前記吸収剤を含む領域に係るRGB色モデルを構成するカラーチャンネルのうち、Gチャンネル、及びBチャンネルのいずれか一方又は双方に係る情報に基づいて、二酸化炭素に係る前記吸収度を把握すること、を特徴とする請求項1又は2に記載の吸収度把握方法。
【請求項4】
二酸化炭素を吸収する吸収剤を活用したガラスの製造方法であって、
前記吸収剤として、カルシウム、ナトリウム、及びケイ素の少なくともいずれかを含む化合物、及び二酸化炭素との反応により色が変化する変色材料を含むものが用いられ、
前記吸収剤に二酸化炭素が吸収されたものを吸収剤由来原料として準備する吸収剤由来原料準備工程と、
前記吸収剤由来原料をなす前記吸収剤における二酸化炭素の吸収度を把握する吸収度把握工程と、
ガラスを製造するためのガラス原料を構成するカルシウム成分、ナトリウム成分、及びケイ素成分の一部又は全部として前記吸収剤由来原料を含む前記ガラス原料を準備するガラス原料準備工程と、
前記ガラス原料準備工程において準備された前記ガラス原料を加熱溶解した溶解物とする加熱溶解工程と、
前記溶解物を成形してガラス製品とするガラス成形工程と、
を含む工程を経てガラス製品を形成するものであり、
前記ガラス原料準備工程において、前記吸収度把握工程において把握された前記吸収度に基づいて、前記ガラス原料における前記吸収剤由来原料の配合量が決定され、
前記吸収度把握工程において、所定の波長を有する光源の下において前記吸収剤を撮影して得られる撮影画像を構成する前記吸収剤を含む領域の色情報に基づいて、二酸化炭素に係る前記吸収度が把握されること、を特徴とするガラスの製造方法。
【請求項5】
前記吸収度把握工程において、前記撮影画像を構成する前記吸収剤を含む領域のカラーチャンネルの一部に係る情報に基づいて、二酸化炭素に係る前記吸収度を把握すること、を特徴とする請求項4に記載のガラスの製造方法。
【請求項6】
前記変色材料として、二酸化炭素の吸収に伴って白色から紫色に変色するものが用いられ、
前記吸収度把握工程において、前記撮影画像を構成する前記吸収剤を含む領域に係るRGB色モデルを構成するカラーチャンネルのうち、Gチャンネル、及びBチャンネルに係る情報のいずれか一方又は双方に基づいて、二酸化炭素に係る前記吸収度を把握すること、を特徴とする請求項4又は5に記載のガラスの製造方法。
【請求項7】
前記吸収剤が、カルシウムを含む化合物として水酸化カルシウムを含むものとされること、を特徴とする請求項4又は5に記載のガラスの製造方法。
【請求項8】
カルシウム、ナトリウム、及びケイ素の少なくともいずれかを含む化合物、及び二酸化炭素との反応により色が変化する変色材料を含み、二酸化炭素を吸収する吸収剤を活用してガラスを製造するためのガラス製造システムであって、
前記吸収剤に二酸化炭素が吸収されたものを吸収剤由来原料として準備する吸収剤由来原料準備部と、
前記吸収剤由来原料をなす前記吸収剤における二酸化炭素の吸収度を把握する吸収度把握部と、
ガラスを製造するためのガラス原料を構成するカルシウム成分、ナトリウム成分、及びケイ素成分の一部又は全部として前記吸収剤由来原料を含む前記ガラス原料を準備するガラス原料準備部と、
前記ガラス原料準備部において準備された前記ガラス原料を加熱溶解した溶解物とする加熱溶解部と、
前記溶解物を成形する成形部と、
を備えており、
前記ガラス原料準備部において、前記吸収度把握部において把握された前記吸収度に基づいて、前記ガラス原料における前記吸収剤由来原料の配合量を決定し、
前記吸収度把握部において、所定の波長を有する光源の下において前記吸収剤を撮影して得られる撮影画像を構成する前記吸収剤を含む領域の色情報に基づいて、二酸化炭素に係る前記吸収度を把握すること、特徴とするガラス製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収度把握方法、ガラスの製造方法、及びガラス製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大気中から二酸化炭素を回収する技術として、DAC(Direct Air Capture)等の技術が注目を集めている。DACは、大気中の二酸化炭素を直接捕捉し、除去する技術である。二酸化炭素を吸収するための吸収剤(以下、「二酸化炭素吸収剤」とも称す)は、大別して、物理的吸収剤、化学吸収剤、生物学的吸収剤からなる3つのタイプに分類される。DACにおいて、二酸化炭素吸収剤は、重要な役割を担っている。そのため、近年、二酸化炭素の吸収効率の向上等を目的として、例えば下記特許文献1に開示されて二酸化炭素吸収剤のようなものが開発されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、本発明者らは、上述したDAC等において使用された使用済みの二酸化炭素吸収剤について、有効利用できないかとの知見に至った。また、本発明者らがさらに鋭意検討したところ、例えば、二酸化炭素吸収剤として、カルシウム、ナトリウム、及びケイ素の少なくともいずれかを含む化合物が用いられる場合には、使用済みの二酸化炭素吸収剤をガラス原料として活用して、ガラスの製造に活用できるのではないかとの知見に至った。
【0005】
しかしながら、使用済みであるとして回収される二酸化炭素吸収剤のほとんどは、当該吸収剤をなす化合物の全量が二酸化炭素と反応している訳ではない。具体的には、本発明者らが、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)からなる二酸化炭素吸収剤をガラス原料として活用すべく、使用済みとして回収された二酸化炭素吸収剤について分析を行ったところ、二酸化炭素との反応により炭酸カルシウム(CaCO3)に変化したものと、二酸化炭素と反応することなく水酸化カルシウムのまま残存しているものとの混合物の状態担っていることが見いだされた。また、使用済みとして回収された二酸化炭素吸収剤によって、炭酸カルシウム及び水酸化カルシウムの混合比にバラツキが発生する可能性が十分に考えられる。そのため、使用済みであるとして回収される二酸化炭素吸収剤を、当該吸収剤をなす化合物の全量が二酸化炭素と反応しているものと仮定してガラス原料として活用してしまうと、カルシウム成分の過不足が生じ、ガラスの製造品質が安定しないとの知見に至った。また、使用済みの二酸化炭素吸収剤を、ガラスの製造以外の用途に活用する場合についても、同様の問題が生じることが想定される。
【0006】
上述した問題を解決する方法として、使用済みであるとして回収された二酸化炭素吸収剤のそれぞれについて、二酸化炭素の吸収度を化学的分析等の手法により分析する方法が考えられる。しかしながら、工業的に物品を生産する現場において使用済みの二酸化炭素吸収剤を活用することを想定すると、回収された二酸化炭素吸収剤ごとに化学的分析等の方法で二酸化炭素の吸収度を分析する方法は現実的ではない。従って、使用済みの二酸化炭素吸収剤の活用を促進するためには、当該二酸化炭素吸収剤における二酸化炭素の吸収度を容易かつ適確に把握できる方法の提供が不可欠であるとの知見に至った。
【0007】
そこで本発明は、二酸化炭素を吸収する吸収剤における二酸化炭素の吸収度を容易かつ的確に把握できる吸収度把握方法、ガラスの製造方法、及びガラス製造システムの提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の吸収度把握方法は、二酸化炭素を吸収する吸収剤における二酸化炭素の吸収度を把握する吸収度把握方法であって、前記吸収剤として、二酸化炭素を吸収する化合物、及び二酸化炭素との反応により色が変化する変色材料を含むものが用いられ、所定の波長を有する光源の下において前記吸収剤を撮影して得られる撮影画像を構成する前記吸収剤を含む領域の色情報に基づいて、二酸化炭素に係る前記吸収度を把握すること、を特徴とするものである。
【0009】
本発明の吸収度把握方法は、所定の波長を有する光源の下で吸収剤を撮影して得られる撮影画像において、吸収剤を含む領域の色情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度を把握することができる。そのため、本発明の吸収度把握方法は、二酸化炭素の吸収度を化学的分析等の手法により分析する方法等を採用する場合と比べて、吸収剤における二酸化炭素の吸収度を容易かつ適確に把握できる。
【0010】
(2)本発明の吸収度把握方法は、前記撮影画像を構成する前記吸収剤を含む領域のカラーチャンネルの一部に係る情報に基づいて、二酸化炭素に係る前記吸収度を把握するものであると良い。
【0011】
本発明の吸収度把握方法は、上記(2)のような構成とすることにより、二酸化炭素の吸収に伴う色の変化が顕著に現れるカラーチャンネルに係る情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度を把握できる。これにより、本発明の吸収度把握方法は、二酸化炭素に係る吸収度をより一層適確に把握することができる。
【0012】
ここで、本発明者らが二酸化炭素の吸収に伴って白色から紫色に変色する変色材料を含む吸収剤について鋭意検討したところ、撮影画像において吸収剤を含む領域に係るRGB色モデルを構成するカラーチャンネルのうち、Gチャンネル、及びBチャンネルに係るカラーチャンネルにおいて、二酸化炭素の吸収に伴う色の変化が顕著に現れることが見いだされた。
【0013】
(3)かかる知見に基づけば、本発明の吸収度把握方法は、前記変色材料として、二酸化炭素の吸収に伴って白色から紫色に変色するものが用いられ、前記撮影画像を構成する前記吸収剤を含む領域に係るRGB色モデルを構成するカラーチャンネルのうち、Gチャンネル、及びBチャンネルのいずれか一方又は双方に係る情報に基づいて、二酸化炭素に係る前記吸収度を把握するものであると良い。
【0014】
本発明の吸収度把握方法は、上記(3)のような構成とすることにより、二酸化炭素の吸収に伴う色の変化度合いを精度良く把握し、二酸化炭素に係る吸収度を適確に把握することができる。
【0015】
なお、変色材料には、二酸化炭素の吸収に伴って白色から紫色に変色するもののほか、赤色から青色に変色するもの、白色から赤色に変色するもの、白色から黄色に変色するもの、白色から白色以外の色に変色するもの、白色から緑色に変色するもの等、各種の色変化を起こすものが存在している。そのため、変色材料が二酸化炭素の吸収に伴ってどのように色が変化するのかに応じて、RGB色モデルを構成するカラーチャンネルから最適なものを選択し、選択されたカラーチャンネルに係る情報に基づいて二酸化炭素に係る吸収度を把握するようにすると良い。例えば、赤色から青色に変色するものの場合はBチャンネル、白色から赤色に変色するものの場合はRチャンネル、白色から黄色に変色するものの場合はGチャンネル、白色から緑色に変色するものの場合はGチャンネルを選択し、当該カラーチャンネルに係る情報に基づいて二酸化炭素に係る吸収度を把握するようにすると良い。
【0016】
(4)本発明のガラスの製造方法は、二酸化炭素を吸収する吸収剤を活用したガラスの製造方法であって、前記吸収剤として、カルシウム、ナトリウム、及びケイ素の少なくともいずれかを含む化合物、及び二酸化炭素との反応により色が変化する変色材料を含むものが用いられ、前記吸収剤に二酸化炭素が吸収されたものを吸収剤由来原料として準備する吸収剤由来原料準備工程と、前記吸収剤由来原料をなす前記吸収剤における二酸化炭素の吸収度を把握する吸収度把握工程と、ガラスを製造するためのガラス原料を構成するカルシウム成分、ナトリウム成分、及びケイ素成分の一部又は全部として前記吸収剤由来原料を含む前記ガラス原料を準備するガラス原料準備工程と、前記ガラス原料準備工程において準備された前記ガラス原料を加熱溶解した溶解物とする加熱溶解工程と、前記溶解物を成形してガラス製品とするガラス成形工程と、を含む工程を経てガラス製品を形成するものであり、前記ガラス原料準備工程において、前記吸収度把握工程において把握された前記吸収度に基づいて、前記ガラス原料における前記吸収剤由来原料の配合量が決定され、前記吸収度把握工程において、所定の波長を有する光源の下において前記吸収剤を撮影して得られる撮影画像を構成する前記吸収剤を含む領域の色情報に基づいて、二酸化炭素に係る前記吸収度が把握されるものである。
【0017】
本発明のガラスの製造方法は、吸収剤由来原料準備工程において準備された吸収剤由来原料について、吸収度把握工程において二酸化炭素の吸収度を把握したうえ、ガラス原料準備工程において、吸収度把握工程で把握された吸収度に基づいて吸収剤由来原料の配合量を決定し、ガラス原料として吸収剤由来原料を活用するものである。これにより、本発明のガラスの製造方法は、吸収剤由来原料をガラス原料として活用しつつ、カルシウム成分、ナトリウム成分、及びケイ素成分の過不足を生じることなく、安定した製造品質でガラスを製造することができる。
【0018】
また、本発明のガラスの製造方法は、吸収度把握工程において、所定の波長を有する光源の下で吸収剤を撮影して得られる撮影画像において、吸収剤を含む領域の色情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度を把握することができる。そのため、本発明のガラスの製造方法は、二酸化炭素の吸収度を化学的分析等の手法により分析する方法等を採用して二酸化炭素に係る吸収度を把握する場合と比べて、吸収度把握工程において吸収剤における二酸化炭素の吸収度を容易かつ適確に把握できる。
【0019】
(5)本発明のガラスの製造方法は、前記吸収度把握工程において、前記撮影画像を構成する前記吸収剤を含む領域のカラーチャンネルの一部に係る情報に基づいて、二酸化炭素に係る前記吸収度を把握するものであると良い。
【0020】
本発明のガラスの製造方法は、上記(5)のような構成とすることにより、二酸化炭素の吸収に伴う色の変化が顕著に現れるカラーチャンネルに係る情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度を把握できる。これにより、本発明のガラスの製造方法によれば、二酸化炭素に係る吸収度をより一層適確に把握し、安定した製造品質でガラスを製造することができる。
【0021】
(6)本発明のガラスの製造方法は、前記変色材料として、二酸化炭素の吸収に伴って白色から紫色に変色するものが用いられ、前記吸収度把握工程において、前記撮影画像を構成する前記吸収剤を含む領域に係るRGB色モデルを構成するカラーチャンネルのうち、Gチャンネル、及びBチャンネルのいずれか一方又は双方に係る情報に基づいて、二酸化炭素に係る前記吸収度を把握するものであると良い。
【0022】
本発明のガラスの製造方法は、上記(6)のような構成とすることにより、二酸化炭素の吸収に伴う色の変化度合いを精度良く把握し、二酸化炭素に係る吸収度を適確に把握することができる。これにより、本発明のガラスの製造方法によれば、二酸化炭素に係る吸収度をより一層適確に把握し、安定した製造品質でガラスを製造することができる。
【0023】
(7)本発明のガラスの製造方法は、前記吸収剤が、カルシウムを含む化合物として水酸化カルシウムを含むものとされるものであると良い。
【0024】
本発明のガラスの製造方法は、上記(7)のような構成とすることにより、吸収剤由来原料をガラス原料におけるカルシウム成分をなすものとして活用しつつ、カルシウム成分の過不足を生じることなく、安定した製造品質でガラスを製造することができる。
【0025】
(8)本発明のガラス製造システムは、カルシウム、ナトリウム、及びケイ素の少なくともいずれかを含む化合物、及び二酸化炭素との反応により色が変化する変色材料を含み、二酸化炭素を吸収する吸収剤を活用してガラスを製造するためのものであって、前記吸収剤に二酸化炭素が吸収されたものを吸収剤由来原料として準備する吸収剤由来原料準備部と、前記吸収剤由来原料をなす前記吸収剤における二酸化炭素の吸収度を把握する吸収度把握部と、ガラスを製造するためのガラス原料を構成するカルシウム成分、ナトリウム成分、及びケイ素成分の一部又は全部として前記吸収剤由来原料を含む前記ガラス原料を準備するガラス原料準備部と、前記ガラス原料準備部において準備された前記ガラス原料を加熱溶解した溶解物とする加熱溶解部と、前記溶解物を成形する成形部と、を備えており、前記ガラス原料準備部において、前記吸収度把握部において把握された前記吸収度に基づいて、前記ガラス原料における前記吸収剤由来原料の配合量を決定し、前記吸収度把握部において、所定の波長を有する光源の下において前記吸収剤を撮影して得られる撮影画像を構成する前記吸収剤を含む領域の色情報に基づいて、二酸化炭素に係る前記吸収度が把握すること、を特徴とするものである。
【0026】
本発明に係るガラス製造システムは、吸収剤由来原料準備部において準備された吸収剤由来原料について、吸収度把握部において二酸化炭素の吸収度を把握したうえ、ガラス原料準備部において、吸収度把握部で把握された吸収度に基づいて吸収剤由来原料の配合量を決定し、ガラス原料として吸収剤由来原料を活用することができる。これにより、本発明のガラス製造システムは、吸収剤由来原料をガラス原料として活用しつつ、カルシウム成分、ナトリウム成分、及びケイ素成分の過不足を生じることなく、安定した製造品質でガラスを製造することができる。
【0027】
また、本発明のガラス製造システムは、吸収度把握部において、所定の波長を有する光源の下で吸収剤を撮影して得られる撮影画像において、吸収剤を含む領域の色情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度を把握することができる。そのため、本発明のガラス製造システムは、二酸化炭素の吸収度を化学的分析等の手法により分析する方法等を採用して二酸化炭素に係る吸収度を把握する場合と比べて、吸収度把握部において吸収剤における二酸化炭素の吸収度を容易かつ適確に把握できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、上述した課題を解決可能な吸収度把握方法、及びガラスの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態に係るガラス製造システムを示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るガラスの製造方法を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の実施例に係る未反応吸収剤に係るサンプルについて行った熱重量示差熱分析(TG-DTA)の結果を示すグラフである。
【
図4】本発明の実施例に係る反応後吸収剤に係るサンプルについて行った熱重量示差熱分析(TG-DTA)の結果を示すグラフである。
【
図5】(a)~(d)はそれぞれ、本発明の実施例に係る未反応吸収剤、及び反応後吸収剤に係るサンプルを並べ、波長が365nmの紫外光、波長が254nmの紫外光、透過光、可視光の光源のもとで撮影して得られた撮影画像である。
【
図6】本発明の実施例に係る吸収剤のサンプルにおける炭酸カルシウムの含有量と二酸化炭素の吸収期間との関係に係るグラフや、二酸化炭素の吸収期間と吸収度指標αとの関係を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態に係る吸収度把握方法、及びガラスの製造方法と、ガラスの製造方法を実現するために利用されるガラス製造システム10について説明する。
【0031】
≪ガラス製造システム10について≫
続いて、
図1を参照しつつ、ガラス製造システム10の構成について説明する。
図1に示すように、ガラス製造システム10は、吸収剤由来原料準備部20、吸収度把握部30、ガラス原料準備部40、加熱溶解部50、及び成形部60を備えている。
【0032】
吸収剤由来原料準備部20は、吸収剤に二酸化炭素が吸収されたものを吸収剤由来原料として準備するための工程(吸収剤由来原料準備工程)を行うためのものである。本実施形態では、吸収剤由来原料をなす吸収剤として、二酸化炭素を吸収する化合物、及び変色材料を含むものが準備される。また、吸収剤由来原料をなす吸収剤として、吸収剤を構成する化合物として、二酸化炭素を吸収可能なものを含むものが準備される。本実施形態では、吸収剤をガラスの製造に活用することから、吸収剤由来原料として、カルシウム、ナトリウム、及びケイ素の少なくともいずれかを含む化合物を含む吸収剤が準備される。具体的には、カルシウムを含む化合物として水酸化カルシウムを含むもの等が、吸収剤由来原料をなす吸収剤として準備される。
【0033】
また、吸収剤由来原料として準備される吸収剤に含まれる変色材料は、二酸化炭素との反応が進行するのに伴って色が変化するものとされている。変色材料には、例えば、酸塩基指示薬、酸化還元指示薬、吸着指示薬、TLC呈色指示薬、検出用の試薬等が好適に利用できる。
【0034】
具体的には、変色材料として酸塩基指示薬を用いる場合には、例えば、エチルバイオレット、メチルバイオレット、ピクリン酸、o-クレゾールレッド、チモールブルー(TB、二段階変色)、2,4-ジニトロフェノール、コンゴーレッド、メチルオレンジ(MO)、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー(BPB)、ブロモクレゾールグリーン(BCG)、メチルレッド(MR)、リトマス、メチルパープル、ブロモクレゾールパープル、クロロフェノールレッド、ブロモチモールブルー(BTB)、p-ニトロフェノール、ニュートラルレッド、フェノールレッド(PR)、p-ナフトールフタレイン、クレゾールレッド、チモールブルー、フェノールフタレイン(PP)、チモールフタレイン、アリザリンイエローR、1,3,5-トリニトロベンゼン等が好適に利用できる。
【0035】
変色材料として酸化還元指示薬を用いる場合には、フェノサフラニン、インジゴテトラスルホン酸、メチレンブルー、ジフェニルアミン、ジフェニルベンジジン、ジフェニルアミンスルホン酸、5,6-ジメチルフェナントロリン鉄(II)、(5,6-ジメチルフェロイン)、エリオグラウシンA、5-メチルフェナントロリン鉄(II)、(5-メチルフェロイン)、フェナントロリン鉄(II)、(フェロイン)、5-ニトロフェナントロリン鉄(II)、(ニトロフェロイン)等が好適に利用できる。変色材料として吸着指示薬を用いる場合には、フルオレセイン、エオシン、トリン、メチルバイオレッド、オルトクロムT、ブロモフェノールブルー等が好適に利用できる。
【0036】
変色材料としてTLC呈色指示薬を用いる場合には、ヨウ素、アニスアルデヒド、リンモリブデン酸、過マンガン酸カリウム、ニンヒドリン、2,4-ジニトロフェニルヒドラジン、ブロモクレゾールグリーン、モリブデン酸セリウムアンモニウム、バニリン、塩化マンガン等が好適に利用できる。
【0037】
変色材料として検出用試薬を用いる場合には、石灰水、ヨウ素液、フェーリング試薬、ベネジクト液、塩化コバルト、硝酸銀水溶液、ネスラー試薬、インジゴカーミン液等が好適に利用できる。
【0038】
吸収度把握部30は、吸収剤由来原料をなす吸収剤における二酸化炭素の吸収度を把握するための工程(吸収度把握工程)を行うためのものである。吸収度把握部は、所定の波長を有する光源の下において吸収剤を撮影して得られる撮影画像を構成する吸収剤を含む領域の色情報に基づいて二酸化炭素に係る吸収度を把握する吸収度把握方法を実行することができる。
【0039】
具体的には、吸収度把握部30は、所定の波長を有する光源の下において吸収剤を撮影して得られる撮影画像のうち、吸収剤を含む領域の画像について、RGB、CMYK、Lab、HSLなどの色モデルを構成するカラーチャンネルに係る情報(カラーチャンネル情報)と、二酸化炭素に係る吸収度との相関関係について、予め規定したテーブルやグラフ、マップ等からなるデータベース(吸収度把握用データベース)を備えている。吸収度把握部30は、分析対象となる吸収剤由来原料をなす吸収剤について、所定の波長を有する光源の下において撮影して撮影画像を取得し、当該撮影画像において吸収剤を含む領域についてカラーチャンネル情報を導出する。吸収度把握部30は、このようにして導出されたカラーチャンネル情報と、吸収度把握用データベースとに基づき、吸収剤由来原料をなす吸収剤における二酸化炭素の吸収度を把握する。
【0040】
例えば、上述した吸収剤由来原料準備部20において、カルシウムを含む化合物である水酸化カルシウムを含むとともに、エチルバイオレットを変色材料として含む吸収剤を吸収剤由来原料として準備する場合には、二酸化炭素の吸収前において白色を呈する吸収剤が、二酸化炭素の吸収度に応じて紫色に変色していく。
【0041】
エチルバイオレットを変色材料として含む場合は、RGB色モデルを構成するカラーチャンネルのうち、Gチャンネル、及びBチャンネルに係るカラーチャンネル情報において顕著な変化が現れる。また、UV-A(波長400nm~315nm)に分類される紫外光を照射することにより、UV-B(波長315nm~280nm)やUV-C(波長280nm~200nm)に分類される紫外光を照射した場合よりも、色の違いが顕著となる。さらに詳細には、本発明者らが検討したところ、365nmの紫外光を照射したところ、254nmの紫外光を照射した場合と比較して、色の違いが顕著に現れることが確認された。そのため、エチルバイオレットを変色材料として含む吸収剤を用いる場合には、吸収度把握用データベースとして、UV-A(波長400nm~315nm)に分類される紫外光(本実施形態では、波長365nmの紫外光)を照射した場合におけるGチャンネル、及びBチャンネルに係るカラーチャンネル情報のいずれか一方又は双方に係る情報と、二酸化炭素に係る吸収度との相関関係について、予め規定したテーブルやグラフ、マップ等からなる吸収度把握用データベースが準備される。吸収度把握部30は、分析対象となる吸収剤由来原料をなす吸収剤について、UV-A(400nm~315nm)に分類される紫外光(本実施形態では、波長365nmの紫外光)を照射して撮影した撮影画像における吸収剤を含む領域に関して、Gチャンネル、及びBチャンネルのいずれか一方又は双方に係るカラーチャンネル情報のいずれか一方又は双方に係る情報を導出する。吸収度把握部30は、このようにして導出されたカラーチャンネル情報と、吸収度把握用データベースとに基づき、吸収剤由来原料をなす吸収剤における二酸化炭素の吸収度を把握する。
【0042】
ガラス原料準備部40は、ガラス製品を形成するためのガラス原料を準備するための工程(ガラス原料準備工程)を行うためのものである。ガラス原料準備部40は、吸収剤由来原料準備部20において準備された吸収剤由来原料を用い、ガラス製品の製造に必要な原料を調合するものである。ガラス原料準備部40は、吸収度把握工程において把握された吸収度に基づいて、ガラス原料における吸収剤由来原料の配合量を決定しつつ、珪砂、ソーダ灰、石灰等、ガラス製品を形成するために必要な原料を適正な配合比になるように調合して準備する。
【0043】
加熱溶解部50は、ガラス原料準備部40において準備された吸収剤由来原料を含むガラス原料を加熱溶解して溶解物とする工程(加熱溶解工程)を行うものである。加熱溶解部50は、例えばシーメンス型の連続炉などの大規模なガラス溶解炉や、光学炉や手吹き炉などの小規模なタンク型のバッチ式溶解炉などによって構成すると良い。
【0044】
成形部60は、加熱溶解部50においてガラス原料を溶解して得られた溶解物を溶解炉から取り出して、成形して徐冷する工程(ガラス成形工程)を行うためのものである。成形部60は、例えばガラスびんなどの形態のガラス製品Gや、ガラス製品Gの原料として用いることが可能なカレットの形態とすることができる。
【0045】
≪ガラスの製造方法について≫
以下、本実施形態に係るガラスの製造方法について、吸収度把握方法に言及しつつ説明する。本実施形態のガラスの製造方法は、二酸化炭素を吸収する吸収剤を活用してガラスを製造するものである。本実施形態のガラスの製造方法においては、ガラス原料として活用される吸収剤について、二酸化炭素の吸収度を化学的分析によらずに把握する吸収度把握方法が用いられる。従って、以下の説明においては、
図2に係るフローチャートを参照しつつ本実施形態のガラスの製造方法についての説明を行うことにより、吸収度把握方法についても併せて説明することとする。
【0046】
(ステップ1:吸収剤由来原料準備工程)
本実施形態に係るガラスの製造方法では、先ずステップ1に係る吸収剤由来原料準備工程において、吸収剤に二酸化炭素が吸収されたものを吸収剤由来原料として準備する。本実施形態では、吸収剤由来原料として、カルシウム、ナトリウム、及びケイ素の少なくともいずれかを含む化合物を含む吸収剤が準備される。具体的には、カルシウムを含む化合物として水酸化カルシウムを含むもの等が、吸収剤由来原料をなす吸収剤として準備される。また、本実施形態では、吸収剤由来原料として、二酸化炭素との反応が進行するのに伴って色が変化する変色材料を含む吸収剤が準備される。具体的には、吸収剤由来原料準備工程では、例えば、カルシウムを含む化合物として水酸化カルシウムを含むとともに、エチルバイオレットを変色材料として含む吸収剤が吸収剤由来原料として準備される。
【0047】
(ステップ2:吸収度把握工程)
上述した吸収剤由来原料準備工程において吸収剤由来原料が準備されると、ステップ2に係る吸収度把握工程において、吸収剤由来原料をなす吸収剤における二酸化炭素の吸収度を把握する処理が行われる。吸収度把握工程では、所定の波長を有する光源の下において吸収剤を撮影して得られる撮影画像を構成する吸収剤を含む領域の色情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度を把握する方法(吸収度把握方法)により、二酸化炭素の吸収度が把握される。例えば、上述のようにエチルバイオレットを変色材料として含む吸収剤が吸収剤由来原料として準備された場合には、分析対象となる吸収剤由来原料をなす吸収剤について、UV-A(400nm~315nm)に分類される紫外光(本実施形態では、波長365nmの紫外光)を照射して撮影した撮影画像する。その後、当該撮影画像において、吸収剤を含む領域に関して、Gチャンネル、及びBチャンネルのいずれか一方又は双方に係るカラーチャンネル情報のいずれか一方又は双方に係る情報を導出する。吸収度把握工程においては、このようにして導出されたカラーチャンネル情報と、予め規定されている吸収度把握用データベースとに基づき、吸収剤由来原料をなす吸収剤における二酸化炭素の吸収度を把握する。
【0048】
(ステップ3:ガラス原料準備工程)
ガラス原料準備工程は、ガラス製品を形成するためのガラス原料を準備するための工程である。ガラス原料準備工程は、上述したガラス製造システム10のガラス原料準備部40において行われる。ガラス原料準備工程は、上述したステップ2に係る吸収度把握工程において二酸化炭素の吸収度が把握された状態にある吸収剤(吸収剤由来原料)を用い、ガラス製品の製造に必要な原料を調合する工程である。ガラス原料準備工程においては、
吸収剤由来原料をなす吸収剤に含まれているカルシウム成分、ナトリウム成分、及びケイ素成分の量に応じて、珪砂、ソーダ灰、石灰等、ガラス製品を形成するために必要な原料を適正な配合比になるように調合することにより、ガラス原料が準備される。例えば、カルシウムを含む化合物として水酸化カルシウムを含むものが、吸収剤由来原料をなす吸収剤とされる場合には、カルシウム成分の一部として、吸収剤由来原料をなす吸収剤が活用される。
【0049】
ここで、吸収剤由来原料をなす吸収剤に含まれているカルシウム成分や、ナトリウム成分、及びケイ素成分の量は、吸収剤をなす化合物と二酸化炭素との反応の進行具合(吸収度)、すなわち吸収剤として元々準備されていた化合物の全量に対して、どれだけの化合物が二酸化炭素と反応したのかによって変動する。すなわち、吸収剤由来原料には、二酸化炭素と未反応である未吸収の化合物(未吸収化合物)と、二酸化炭素との反応により元の化合物とは異なる化合物(炭酸塩)に変化した化合物(吸収済化合物)とが混在している。
【0050】
例えば、カルシウムを含む化合物として水酸化カルシウムを含むものが吸収剤とされる場合には、以下の反応式により、水酸化カルシウムと二酸化炭素とが反応する。これにより、水酸化カルシウムが、炭酸カルシウムに変化する。この場合において、吸収剤由来原料には、未吸収化合物である水酸化カルシウムと、吸収済化合物である炭酸カルシウムとが混在した状態になっている。吸収剤由来原料における水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの配合比は、吸収剤をなす化合物である水酸化カルシウムと二酸化炭素との反応の進行具合(吸収度)、すなわち元々準備されていた水酸化カルシウムの全量に対して、どれだけの化合物が二酸化炭素と反応したのかによって変動する。
【0051】
Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O
【0052】
上述のようにして、吸収剤由来原料が未吸収化合物と吸収済化合物との混合物となっていることから、未吸収化合物と吸収済化合物との混合比、すなわち二酸化炭素の吸収度を把握したうえで吸収剤由来原料の配合量を決めなければ、ガラス原料におけるカルシウム成分、ナトリウム成分、及びケイ素成分の量に過不足が生じてしまう。そこで、ガラス原料準備工程においては、吸収度把握工程において把握された吸収度に基づいて、吸収剤由来原料を構成する未吸収化合物と吸収済化合物との混合比を割り出し、その結果に基づいて吸収剤由来原料の他に調合する珪砂、ソーダ灰、石灰等の量を決定して混合する。このようにしてガラス原料の準備が完了すると、製造工程がステップ4の加熱溶解工程に進められる。
【0053】
(ステップ4:加熱溶解工程)
加熱溶解工程は、ステップ3のガラス原料準備工程において準備されたガラス原料を加熱溶解して溶解物とする工程である。加熱溶解工程は、上述したガラス製造システム10の加熱溶解部50において行われる。加熱溶解工程は、加熱溶解部50が備える溶解炉に対してガラス原料を投入して溶解させることにより行われる。加熱溶解工程においてガラス原料の溶解が行われると、工程がステップ5のガラス成形工程に進められる。
【0054】
(ステップ5:ガラス成形工程)
ガラス成形工程は、ステップ4の加熱溶解工程において得られたガラス原料の溶解物を成形する工程である。例えば、ガラスびんに成形する場合は、ガラス原料の溶解物を金型に導入して成形する。また、ガラスびん以外の形状にガラス成形する場合には、当該成型物に応じて適宜の形状に成形される。例えば、アクセサリやガラス工芸品とする場合には、ガラス原料の溶融物をガラス(常温)にした後、当該ガラスをさらにバーナー(バーナーワーク)や電気炉(石膏型で溶融する「キャスティング法」)等の手法により、ガラスに熱を加えることにより溶融しなおし、目的の形に成形する。また、このようにしてガラス成形した後、徐冷することにより、ガラス製品とする。ガラス成形工程は、上述したガラス製造システム10の成形部60において行われる。これにより、本実施形態に係るガラスの製造方法が完了する。
【実施例0055】
続いて、上記実施形態において説明した吸収度把握方法に係る実施例について説明する。本実施例においては、二酸化炭素を吸収する化合物として水酸化カルシウムを含むとともに、エチルバイオレットを変色材料として含む吸収剤を準備した。本実施例では、当該吸収剤について、二酸化炭素を吸収させる前のもの(以下、「未反応吸収剤」とも称す)と、二酸化炭素を100時間に亘って吸収させた後のもの(以下、「反応後吸収剤」とも称す)をサンプルとした。当該サンプルについて、熱重量示差熱分析(TG-DTA)を行うことにより、吸収剤による二酸化炭素の吸収反応前後における重量減少から二酸化炭素等の吸収量を測定した。その結果を、
図3及び
図4に示すとともに、以下の表1にまとめた。
【0056】
【0057】
図3のグラフから分かるように、未反応吸収剤については、昇温に伴って先ず水分の揮発に相当する重量減少が生じ、その後さらに昇温すると二酸化炭素の発生に伴う大きな重量減少が生じることが見いだされた。また、
図4のグラフから分かるように、反応後吸収剤については、昇温に伴って先ず水分系、及びOH系の物質に起因すると考えられる重量減少が生じ、その後さらに昇温すると二酸化炭素の発生に伴う大きな重量減少が生じることが見いだされた。これらのグラフに基づいて、未反応吸収剤、及び反応後吸収剤についての組成を分析したところ、表1のような結果となった。
【0058】
表1を参照して分かるように、未反応吸収剤については、水酸化カルシウムが87.49%、炭酸カルシウムが12.23%の割合で含まれていることが判明した。一方、100時間に亘って二酸化炭素を吸収させた反応後吸収剤については、水酸化カルシウムが28.22%に減少しているのに対し、炭酸カルシウムが69.92%まで増加していることが判明した。これにより、未反応吸収剤を二酸化炭素が含まれる雰囲気下(本実施例では大気雰囲気下)に配置することにより、未反応吸収剤に含まれていた水酸化カルシウムが二酸化炭素との反応により、経時的に炭酸カルシウムに変化していくことが見いだされた。
【0059】
続いて、本実施例では、上述した未反応吸収剤、及び反応後吸収剤に係るサンプルについて、複数の光源で撮影し、撮影画像のカラーコードを測定する試験を行った。具体的には、光源として、UV-A(波長400nm~315nm)に分類される波長が365nmの紫外光、UV-C(波長280nm~200nm)に分類される波長が254nmの紫外光、透過光、可視光の4種類の光源のもと、未反応吸収剤、及び反応後吸収剤に係るサンプルを並べて配置し、サンプルから所定距離(本実施例では200[mm])離れた位置からデジタルカメラにより撮影を行った。これにより、
図5に示すような撮影画像を取得した。
【0060】
また、上述した撮影により得られた撮影画像において吸収剤が含まれている領域を所定の大きさ(本実施例では30px角)の大きさで切り出し、当該領域について平均化する処理を行った。具体的には、Adobe社製のPhotoshop(登録商標)にて、前述のようにして切り出した画像について平均化処理を行ったうえ、スポイトツールによりカラーサンプリングを行うことによりRGBに係る色モデルを構成するカラーチャンネル情報(RGB値)を取得した。その結果、表2のような結果が得られた。
【0061】
【0062】
ここで、RGB値については、R、G、及びBに係るカラーチャンネルについて、それぞれ0から255の256段階(256階調)で表すものであるが、本実施例では、直感的に把握しやすくするために、RGB値をなすカラーチャンネルについて百分率による表現に換算した値(百分率換算値X)に変換した。また、本実施例においてサンプルとした吸収剤は、二酸化炭素との反応により白色系から濃い色に変化するため、百分率換算値Xは小さくなる傾向にある。一方、二酸化炭素の吸収度を示す指標としては、二酸化炭素との反応が進むほど数値が大きくなるものである方が直感的に理解しやすい。そのため、本実施例では、前述のようにして導出した百分率換算値Xに基づいて、吸収度を示す指標(吸収度指標α)を100-X(α=100-X)として規定し、当該吸収度指標αを導出した。さらに、二酸化炭素を100時間に亘って吸収させた後の反応後吸収剤に係る吸収度指標αから、未反応吸収剤に係る吸収度指標αを差し引いた値を調べた。その結果を表3に示す。
【0063】
【0064】
図5や、表2、表3を参照して分かるように、UV-Aに分類される365nmの紫外光を照射すると、UV-Cに分類される254nmの紫外光を照射した場合や、可視光、透過光を照射した場合に比べて、未反応吸収剤及び反応済薬剤の色の違いが顕著に分かることが見いだされた。また、RGB値については、R(赤)のものと比べて、B(青)、G(緑)のものにおいて大きく差が現れることが見いだされた。従って、UV-Aに分類される365nmの紫外光を照射した状態において吸収剤の画像を撮影し、これにより得られた撮影画像について、B及びGのいずれか一方又は双方に係るカラーチャンネル情報を取得することにより、二酸化炭素を吸収することによる吸収剤の色の変化を感度良く把握できるとの知見が得られた。
【0065】
また、上述した知見に基づき、炭酸カルシウムの含有量と吸収度指標αとの相関関係を調べた。その結果、炭酸カルシウムの含有量と二酸化炭素の吸収期間との関係に係るグラフや、二酸化炭素の吸収期間と吸収度指標αとの関係を示すテーブルは、
図6のようになった。
【0066】
具体的には、表1に示すように、上述した熱重量示差熱分析(TG-DTA)による分析によれば、二酸化炭素を100時間に亘って吸収させた後の反応後吸収剤は、炭酸カルシウムを69.92%含有している。また、この反応後吸収剤について、365nmの紫外光を照射して撮影した撮影画像を構成するBチャンネルに係る吸収度指標αは54.5%に相当する。これに対し、可視光を照射して撮影した撮影画像を構成するBチャンネルに係る吸収度指標αは29.0%に相当する。
【0067】
一方、二酸化炭素の吸収を行う前の未反応吸収剤は、炭酸カルシウムを12.23%含有している。また、この未反応吸収剤について、365nmの紫外光を照射して撮影した撮影画像を構成するBチャンネルに係る吸収度指標αは20.4%に相当する。これに対し、可視光を照射して撮影した撮影画像を構成するBチャンネルに係る吸収度指標αは24.7%に相当する。
【0068】
上述したデータに基づき、
図6に係るグラフやテーブルを作成したところ、365nmの紫外光を照射した撮影画像のBチャンネルに係る吸収度指標αを用いた方が、可視光を照射した撮影画像のBチャンネルに係る吸収度指標αを用いた場合に比べて、二酸化炭素の吸収度(二酸化炭素と吸収剤との反応度)の違いが、吸収度指標αの違いとして明確に表れることが見いだされた。また、
図6のように、二酸化炭素の吸収度に係るテーブルやグラフ、マップ等からなるデータベースを規定しておく等することにより、カラーチャンネルに係る情報から、吸収剤における二酸化炭素の吸収度を適確に把握できるとの知見が得られた。
【0069】
≪作用効果≫
上述した実施形態や実施例において例示した吸収度把握方法や、ガラスの製造方法、ガラス製造システムは、以下の(a)~(h)のような特徴的構成を備えている。これにより、以下に記載のような特有の効果を奏することができる。
【0070】
(a)上記実施形態及び実施例において例示した吸収度把握方法は、二酸化炭素を吸収する吸収剤における二酸化炭素の吸収度を把握する吸収度把握方法であって、吸収剤として、二酸化炭素を吸収する化合物、及び二酸化炭素との反応により色が変化する変色材料を含むものが用いられ、所定の波長を有する光源の下において吸収剤を撮影して得られる撮影画像を構成する吸収剤を含む領域の色情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度を把握するものである。
【0071】
上述した吸収度把握方法は、所定の波長を有する光源の下で吸収剤を撮影して得られる撮影画像において、吸収剤を含む領域の色情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度を把握することができる。そのため、上述した吸収度把握方法は、二酸化炭素の吸収度を化学的分析等の手法により分析する方法等を採用する場合と比べて、吸収剤における二酸化炭素の吸収度を容易かつ適確に把握できる。
【0072】
(b)上記実施形態及び実施例において例示した吸収度把握方法は、撮影画像を構成する吸収剤を含む領域のカラーチャンネルの一部に係る情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度を把握するものである。
【0073】
上述した吸収度把握方法は、上記(b)のような構成とすることにより、二酸化炭素の吸収に伴う色の変化が顕著に現れるカラーチャンネルに係る情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度を把握できる。これにより、上述した吸収度把握方法は、二酸化炭素に係る吸収度をより一層適確に把握することができる。
【0074】
(c)上記実施形態及び実施例において例示した吸収度把握方法は、変色材料として、二酸化炭素の吸収に伴って白色から紫色に変色するものが用いられ、撮影画像を構成する吸収剤を含む領域に係るRGB色モデルを構成するカラーチャンネルのうち、Gチャンネル、及びBチャンネルのいずれか一方又は双方に係る情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度を把握するものである。
【0075】
上述した吸収度把握方法は、上記(c)のような構成とすることにより、二酸化炭素の吸収に伴う色の変化度合いを精度良く把握し、二酸化炭素に係る吸収度を適確に把握することができる。
【0076】
なお、変色材料には、二酸化炭素の吸収に伴って白色から紫色に変色するもののほか、赤色から青色に変色するもの、白色から赤色に変色するもの、白色から黄色に変色するもの、白色から白色以外の色に変色するもの、白色から緑色に変色するもの等、各種の色変化を起こすものが存在している。そのため、変色材料が二酸化炭素の吸収に伴ってどのように色が変化するのかに応じて、RGB色モデルを構成するカラーチャンネルから最適なものを選択し、選択されたカラーチャンネルに係る情報に基づいて二酸化炭素に係る吸収度を把握するようにすると良い。例えば、赤色から青色に変色するものの場合はBチャンネル、白色から赤色に変色するものの場合はRチャンネル、白色から黄色に変色するものの場合はGチャンネル、白色から緑色に変色するものの場合はGチャンネルを選択し、当該カラーチャンネルに係る情報に基づいて二酸化炭素に係る吸収度を把握するようにすると良い。
【0077】
(d)上記実施形態及び実施例において例示したガラスの製造方法は、二酸化炭素を吸収する吸収剤を活用したガラスの製造方法であって、吸収剤として、カルシウム、ナトリウム、及びケイ素の少なくともいずれかを含む化合物、及び二酸化炭素との反応により色が変化する変色材料を含むものが用いられ、吸収剤に二酸化炭素が吸収されたものを吸収剤由来原料として準備する吸収剤由来原料準備工程と、吸収剤由来原料をなす吸収剤における二酸化炭素の吸収度を把握する吸収度把握工程と、ガラスを製造するためのガラス原料を構成するカルシウム成分、ナトリウム成分、及びケイ素成分の一部又は全部として吸収剤由来原料を含むガラス原料を準備するガラス原料準備工程と、ガラス原料準備工程において準備されたガラス原料を加熱溶解した溶解物とする加熱溶解工程と、溶解物を成形してガラス製品Gとするガラス成形工程と、を含む工程を経てガラス製品Gを形成するものであり、ガラス原料準備工程において、吸収度把握工程において把握された吸収度に基づいて、ガラス原料における吸収剤由来原料の配合量が決定され、吸収度把握工程において、所定の波長を有する光源の下において吸収剤を撮影して得られる撮影画像を構成する吸収剤を含む領域の色情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度が把握されるものである。
【0078】
上述したガラスの製造方法は、吸収剤由来原料準備工程において準備された吸収剤由来原料について、吸収度把握工程において二酸化炭素の吸収度を把握したうえ、ガラス原料準備工程において、吸収度把握工程で把握された吸収度に基づいて吸収剤由来原料の配合量を決定し、ガラス原料として吸収剤由来原料を活用するものである。これにより、上述したガラスの製造方法は、吸収剤由来原料をガラス原料として活用しつつ、カルシウム成分、ナトリウム成分、及びケイ素成分の過不足を生じることなく、安定した製造品質でガラスを製造することができる。
【0079】
また、上述したガラスの製造方法は、吸収度把握工程において、所定の波長を有する光源の下で吸収剤を撮影して得られる撮影画像において、吸収剤を含む領域の色情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度を把握することができる。そのため、上述したガラスの製造方法は、二酸化炭素の吸収度を化学的分析等の手法により分析する方法等を採用して二酸化炭素に係る吸収度を把握する場合と比べて、吸収度把握工程において吸収剤における二酸化炭素の吸収度を容易かつ適確に把握できる。
【0080】
(e)上記実施形態及び実施例において例示したガラスの製造方法は、吸収度把握工程において、撮影画像を構成する吸収剤を含む領域のカラーチャンネルの一部に係る情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度を把握するものである。
【0081】
上述したガラスの製造方法は、上記(e)のような構成とすることにより、二酸化炭素の吸収に伴う色の変化が顕著に現れるカラーチャンネルに係る情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度を把握できる。これにより、上述したガラスの製造方法によれば、二酸化炭素に係る吸収度をより一層適確に把握し、安定した製造品質でガラスを製造することができる。
【0082】
(f)上記実施形態及び実施例において例示したガラスの製造方法は、変色材料として、二酸化炭素の吸収に伴って白色から紫色に変色するものが用いられ、吸収度把握工程において、撮影画像を構成する吸収剤を含む領域に係るRGB色モデルを構成するカラーチャンネルのうち、Gチャンネル、及びBチャンネルのいずれか一方又は双方に係る情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度を把握するものである。
【0083】
上述したガラスの製造方法は、上記(f)のような構成とすることにより、二酸化炭素の吸収に伴う色の変化度合いを精度良く把握し、二酸化炭素に係る吸収度を適確に把握することができる。これにより、上述したガラスの製造方法によれば、二酸化炭素に係る吸収度をより一層適確に把握し、安定した製造品質でガラスを製造することができる。
【0084】
(g)上記実施形態及び実施例において例示したガラスの製造方法は、吸収剤が、カルシウムを含む化合物として水酸化カルシウムを含むものとされるものである。
【0085】
上述したガラスの製造方法は、上記(g)のような構成とすることにより、吸収剤由来原料をガラス原料におけるカルシウム成分をなすものとして活用しつつ、カルシウム成分の過不足を生じることなく、安定した製造品質でガラスを製造することができる。
【0086】
(h)上記実施形態及び実施例において例示したガラス製造システム10は、カルシウム、ナトリウム、及びケイ素の少なくともいずれかを含む化合物、及び二酸化炭素との反応により色が変化する変色材料を含み、二酸化炭素を吸収する吸収剤を活用してガラスを製造するためのものであって、吸収剤に二酸化炭素が吸収されたものを吸収剤由来原料として準備する吸収剤由来原料準備部20と、吸収剤由来原料をなす吸収剤における二酸化炭素の吸収度を把握する吸収度把握部30と、ガラスを製造するためのガラス原料を構成するカルシウム成分、ナトリウム成分、及びケイ素成分の一部又は全部として吸収剤由来原料を含むガラス原料を準備するガラス原料準備部40と、ガラス原料準備部40において準備されたガラス原料を加熱溶解した溶解物とする加熱溶解部50と、溶解物を成形する成形部60と、を備えており、ガラス原料準備部40において、吸収度把握部30において把握された吸収度に基づいて、ガラス原料における吸収剤由来原料の配合量を決定し、吸収度把握部30において、所定の波長を有する光源の下において吸収剤を撮影して得られる撮影画像を構成する吸収剤を含む領域の色情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度が把握すること、を特徴とするものである。
【0087】
本発明に係るガラス製造システム10は、吸収剤由来原料準備部20において準備された吸収剤由来原料について、吸収度把握部30において二酸化炭素の吸収度を把握したうえ、ガラス原料準備部40において、吸収度把握部30で把握された吸収度に基づいて吸収剤由来原料の配合量を決定し、ガラス原料として吸収剤由来原料を活用することができる。これにより、上述したガラス製造システム10は、吸収剤由来原料をガラス原料として活用しつつ、カルシウム成分、ナトリウム成分、及びケイ素成分の過不足を生じることなく、安定した製造品質でガラスを製造することができる。
【0088】
また、上述したガラス製造システム10は、吸収度把握部30において、所定の波長を有する光源の下で吸収剤を撮影して得られる撮影画像において、吸収剤を含む領域の色情報に基づいて、二酸化炭素に係る吸収度を把握することができる。そのため、上述したガラス製造システム10は、二酸化炭素の吸収度を化学的分析等の手法により分析する方法等を採用して二酸化炭素に係る吸収度を把握する場合と比べて、吸収度把握部30において吸収剤における二酸化炭素の吸収度を容易かつ適確に把握できる。
【0089】
上述した実施形態や実施例において例示した吸収度把握方法や、ガラスの製造方法、ガラス製造システムは、本発明の一例を示したものに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、例えば上述した(a)~(h)に係る構成を上記実施形態等において例示したものとは異なるものとしたり、(a)~(h)に含まれる構成に加えて、あるいは(a)~(h)に含まれる構成に代えて他の構成を備えたものとしたり、一部の構成を省略した構成としたりしても良い。
本発明は、二酸化炭素を吸収する吸収剤における吸収度の把握や、当該吸収剤をガラスの製造をはじめとする各種の用途において有効活用するために好適に適用可能である。