IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東北電力株式会社の特許一覧

特開2024-165890発電計画作成プログラム、発電計画作成方法及び発電計画作成装置
<>
  • 特開-発電計画作成プログラム、発電計画作成方法及び発電計画作成装置 図1
  • 特開-発電計画作成プログラム、発電計画作成方法及び発電計画作成装置 図2
  • 特開-発電計画作成プログラム、発電計画作成方法及び発電計画作成装置 図3
  • 特開-発電計画作成プログラム、発電計画作成方法及び発電計画作成装置 図4
  • 特開-発電計画作成プログラム、発電計画作成方法及び発電計画作成装置 図5
  • 特開-発電計画作成プログラム、発電計画作成方法及び発電計画作成装置 図6
  • 特開-発電計画作成プログラム、発電計画作成方法及び発電計画作成装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165890
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】発電計画作成プログラム、発電計画作成方法及び発電計画作成装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20241121BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082467
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000222037
【氏名又は名称】東北電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蘇武 安吾
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】インバランスリスクの最小化のための最適な発電計画を作成する発電計画作成プログラム、発電計画作成方法及び発電計画作成装置を提供する。
【解決手段】コンピュータに、特定日の気象予測データを取得し、気象予測データを入力として発電量を出力する発電量予測モデルを用いて、特定日における発電量の予測値を算出する発電量予測ステップと、特定日の気象予測データ及び広域予備率を取得して、気象予測データ及び広域予備率を入力としてインバランス単価を出力するインバランス単価予測モデルを用いて、インバランス単価の予測値を算出するインバランス単価予測ステップと、インバランス単価予測ステップにおいて算出されたインバランス単価の予測値に基づいて、発電量予測ステップにおいて算出された発電量の予測値に補正を加えて発電計画値を算出して発電計画を作成する発電計画作成ステップとを実行させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定日の気象予測データを取得し、気象予測データを入力として発電量を出力する発電量予測モデルを用いて、前記特定日における発電量の予測値を算出する発電量予測ステップと、
前記特定日の気象予測データ及び広域予備率を取得して、気象予測データ及び広域予備率を入力としてインバランス単価を出力するインバランス単価予測モデルを用いて、インバランス単価の予測値を算出するインバランス単価予測ステップと、
前記インバランス単価予測ステップにおいて算出された前記インバランス単価の予測値に基づいて、前記発電量予測ステップにおいて算出された前記発電量の予測値に補正を加えて発電計画値を算出して発電計画を作成する発電計画作成ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする発電計画作成プログラム。
【請求項2】
前記インバランス単価予測ステップは、
前記特定日の前日時点の前記特定日の気象予測データ及び1日単位の前記広域予備率を基に、前記特定日の前記インバランス単価を予測する前日予測ステップと、
前記特定日の電気の約定価格の情報をさらに取得して、前記特定日の当日時点の前記特定日の気象予測データ、所定分単位の前記広域予備率及び前記約定価格を基に、前記特定日の前記インバランス単価を予測する当日予測ステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の発電計画作成プログラム。
【請求項3】
前記発電計画作成ステップは、前記特定日における発電量の予測値から前記特定日におけるインバランス量を予測し、予測した前記インバランス量と前記インバランス単価との積ができるだけ小さくなるように前記発電量の予測値を補正して前記発電計画値を算出することを特徴とする請求項1に記載の発電計画作成プログラム。
【請求項4】
特定日の気象予測データを取得し、気象予測データを入力として発電量を出力する発電量予測モデルを用いて、前記特定日における発電量の予測値を算出する発電量予測工程と、
前記特定日の気象予測データ及び広域予備率を取得して、気象予測データ及び広域予備率を入力としてインバランス単価を出力するインバランス単価予測モデルを用いて、インバランス単価の予測値を算出するインバランス単価予測工程と、
前記インバランス単価予測工程において算出した前記インバランス単価の予測値に基づいて、前記発電量予測工程において算出した前記発電量の予測値に補正を加えて発電計画値を算出して発電計画を作成する発電計画作成工程と
を実行することを特徴とする発電計画作成方法。
【請求項5】
気象予測データを入力として、発電量を出力する発電量予測モデルと、
気象予測データ及び広域予備率を入力として、インバランス単価を出力するインバランス単価予測モデルと、
特定日の気象予測データを取得して前記発電量予測モデルを用いて前記特定日における発電量の予測値を算出する発電量予測部と、
前記特定日の気象予測データ及び広域予備率を取得して前記特定日におけるインバランス単価の予測値を算出するインバランス単価予測部と、
前記インバランス単価を基に前記発電量の予測値に補正を加えて発電計画値を算出して発電計画を作成する発電計画作成部と
を備えたことを特徴とする発電計画作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電計画作成プログラム、発電計画作成方法及び発電計画作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力自由化に伴い、発電事業者や小売電気事業者が事業を行う上で、電気の安定供給やコストの削減を目的として、バランシンググループを取り入れた運用が注目されている。バランシンググループとは、複数の小売電気事業者が1つのグループを形成し、また複数の発電者が1つのグループを形成し、それぞれが地域の送配電会社と1つの託送供給契約を結ぶ制度である。
【0003】
バランシンググループを適切に運用するために、事業者が販売又は調達する発電元の発電量を正しく予測することが要求される。特に太陽光や風力発電については、気象予報に基づいた予測が行われる。発電量の予測は、日々の需要運用に合わせて毎日行われ、電力広域的運営推進機関に提出する発電販売/需要調達計画を作成するために、遅くとも実需要の前日朝の段階で発電量を予測する必要がある。
【0004】
バランシンググループ運用のための発電量予測の方法として、専門の事業者が、気象予報、衛星写真及び発電設備諸元等に基づいて発電量の予測を行うシステムやサービスを提供している。このような発電量の予測の情報を提供するサービスの中には、アンサンブル的手法により予測の不確実性を考慮したサービスも存在する。バランシンググループの運用事業者は、専門の事業者から提供される発電量の予測に基づいて、最適な計画値を作成することが望まれる。
【0005】
他にも、バランシンググループ運用の技術として、発電量データを取得する遠隔計測機器が備わった分散電源の発電量を推定し、遠隔機器が備わった分散電源と備わっていない分散電源との発電量の相関係数を算出して遠隔機器が備わっていない分散電源の発電量を推定する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-184637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来は、バランシンググループの運用において、専門の事業者が、気象予報、衛星写真及び発電設備諸元等に基づいて発電量の予測を行うシステムやサービスを提供している。ただし、例えば太陽光発電や風力発電量の予測は誤差が発生することが前提であることから発電量の予測には誤差が生じる。そして、発電量の予測の誤差により計画値と実績値との差であるインバランスが発生する。発電量に対して実績需要が不足する状態は不足インバランスと呼ばれ、計画した発電量に対して実績需要が過多となる状態は余剰インバランスと呼ばれる。バランシンググループの運用事業者にとって、不足インバランスはコスト増のリスクであり、余剰インバランスは販売機会損失のリスクとなる。また、一般送配電事業者にとっても、不足インバランスはエリア需要ひっ迫のリスクであり、余剰インバランスは再生可能エネルギーの出力抑制のリスクとなる。したがって、バランシンググループの運用事業者は、実需給の電気の価値にあたるインバランス単価やエリア需要を適切に予測しながら、予測された発電量を調整して計画値を作成することが望ましい。
【0008】
この点、提供された発電量の予測値を基に、運用者の経験と勘に頼って需給のひっ迫の度合いを加味して発電計画を作成する従来の方法では、発電計画の良し悪しが作成者の能力に左右されるため、インバランスリスクの最小化のための最適な発電計画を作成することが困難であった。
【0009】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、インバランスリスクの最小化のための最適な発電計画を作成する発電計画作成プログラム、発電計画作成方法及び発電計画作成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の開示する発電計画作成プログラム、発電計画作成方法及び発電計画作成装置の一つの態様において、コンピュータに、特定日の気象予測データを取得し、気象予測データを入力として発電量を出力する発電量予測モデルを用いて、前記特定日における発電量の予測値を算出する発電量予測ステップと、前記特定日の気象予測データ及び広域予備率を取得して、気象予測データ及び広域予備率を入力としてインバランス単価を出力するインバランス単価予測モデルを用いて、インバランス単価の予測値を算出するインバランス単価予測ステップと、前記インバランス単価予測ステップにおいて算出された前記インバランス単価の予測値に基づいて、前記発電量予測ステップにおいて算出された前記発電量の予測値に補正を加えて発電計画値を算出して発電計画を作成する発電計画作成ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0011】
1つの側面では、本発明は、インバランスリスクの最小化のための最適な発電計画を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、発電計画作成装置のブロック図である。
図2図2は、発電量の推定値に対する補正の一例を示す図である。
図3図3は、実施例に係る発電計画作成装置による発電計画作成処理のフローチャートである。
図4図4は、実施例に係る発電量予測部による発電量予測処理のフローチャートである。
図5図5は、実施例に係るインバランス単価予測部によるインバランス単価予測処理のフローチャートである。
図6図6は、実施例に係る発電計画作成部による発電計画作成処理のフローチャートである。
図7図7は、発電計画作成装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願の開示する発電計画作成プログラム、発電計画作成方法及び発電計画作成装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する発電計画作成プログラム、発電計画作成方法及び発電計画作成装置が限定されるものではない。
【実施例0014】
図1は、発電計画作成装置のブロック図である。発電計画作成装置1は、気象予測データを用いて所定時刻における発電量の予測値を算出し、気象予測データ及び広域予備率のデータ等を用いて所定時刻におけるインバランス単価の予測値を算出する。そして、発電計画作成装置1は、算出した発電量の予測値及びインバランス単価の予測値を用いて、所定時刻における発電計画を作成する。発電計画作成装置1は、バランシンググループ毎もしくは特定のバランシンググループについての発電計画を生成する。発電計画作成装置1は、インバランス単価の変動に合わせて30分毎に発電計画を生成することが可能である。
【0015】
発電計画作成装置1は、気象予測データ提供システム2、広域予備率情報提供システム3及び約定価格提供システム4に接続される。
【0016】
気象予測データ提供システム2は、全国5Kmメッシュの日射量及び風速等を含む気象予測データを提供する。気象予測データ提供システム2は、少なくとも朝3時の気象予測データを毎日提供する。
【0017】
広域予備率情報提供システム3は、広域機関により管理されるシステムである。広域予備率情報提供システム3は、30分単位の広域予備率を毎日提供する。また、広域予備率情報提供システム3は、1日単位の週間広域予備率を毎週提供する。
【0018】
ここで、広域予備率について簡単に説明する。一般配電事業者の供給区域が、エリアと呼ばれる。エリアに対する電力供給の運用として、エリアとエリアとを結ぶ連系線に空き容量がある場合に、複数のエリアがまとめて一体的に運用される。広域ブロックとは、この一体的に運用されている複数エリアのまとまりを指す。そして、広域予備率とは、広域ブロックにおける予備率である。予備率は、使用電力に対する供給予備力の割合であり、電力需要に対して供給余力の余裕がどの程度あるかを示す情報である。すなわち、広域予備率とは、一体的に運用されている複数エリアにおいて、電力需要に対して供給余力の余裕がどの程度あるかを示す情報である。
【0019】
約定価格提供システム4は、電力取引所で決定された電気の約定価格を30分単位で毎日提供する。本実施例では、約定価格提供システム4は、翌日に発電または販売する電力を売買する市場で決定された約定価格を提供する。
【0020】
発電計画作成装置1は、図1に示すように、発電計画作成部11、出力部12、発電量予測モデル13、発電量予測部14、インバランス単価予測部15、インバランス単価予測モデル16及びデータベース17を有する。
【0021】
データベース17は、過去の気象予測のデータを保持する。また、データベース17は、過去の各日の気象予測に対応する発電実績のデータを保持する。また、データベース17は、過去の各日の週間広域予備率及び過去の30分単位の広域予備率、並びに、過去の各日の週間広域予備率に対するインバランス単価のデータ及び過去の30分単位の広域予備率に対するインバランス単価のデータを保持する。さらに、データベース17は、過去の各日の30分単位の約定価格のデータを保持する。
【0022】
発電量予測モデル13は、気象予測データを入力として、24時間を30分毎分割した48コマ毎の発電量の予測値を出力する機械学習モデルである。発電量予測モデル13は、使用する機械学習のアルゴリズムに特に制限はない。例えば、発電量予測モデル13は、機械学習のアルゴリズムとしてLight-GBM(Light Gradient Boosting Machine Learning)(登録商標)を用いることができる。発電量予測モデル13は、発電量を予測対象とする複数の予測地点のそれぞれについて存在する。
【0023】
インバランス単価予測モデル16は、前日予測用と当日予測用との2つが存在する。前日予測用のインバランス単価予測モデル16は、気象予測データ及び週間広域予備率のデータから作成される入力データに対して、48コマ毎のインバランス単価の予測値を出力する機械学習モデルである。また、当日予測用のインバランス単価予測モデル16は、気象予測データ、30分単位の広域予備率のデータ及び約定価格から作成される入力データに対して、48コマ毎のインバランス単価の予測値を出力する機械学習モデルである。インバランス単価予測モデル16も、使用する機械学習のアルゴリズムに特に制限はなく、例えばLight-GBMを用いることができる。インバランス単価は、発電計画の作成対象とするバランシンググループが属するエリア毎に存在する。
【0024】
インバランス単価は、調整力の限界的なkWh価格又は需給ひっ迫時補整インバランス料金のどちらか高い方が選択される。日常的には、インバランス単価は、調整力の限界的なkWh価格となる。インバランス料金の算定に用いる調整力の限界的なkWh価格は、広域運用された調整力の最も高い値が用いられる。また、調整力の広域運用は15分単位で実施されるため、48コマのそれぞれのコマのインバランス料金は、前半15分と後半15分との限界的なkWh価格を調整力の指令値で平均荷重して算出される。ただし、太陽光や風力出力抑制時や、火力発電等の発電機の抑制時や、ブラックアウト発生時といった特定条件の場合には、予め決められたインバランス単価が適用される。すなわち、インバランス単価予測モデル16は、実際には以上の手順にしたがって決定される各コマのインバランス単価を、気象予測データ及び広域予備率のデータ等から予測する。
【0025】
発電量予測部14は、発電量を予測する複数の予測地点の情報を予め有する。発電量予測モデル13の学習実行時には、発電量予測部14は、予測地点毎の過去の気象予測データ及び過去の気象予測に対応する発電実績のデータをデータベース17から取得する。そして、発電量予測部14は、取得した過去の気象予測のデータ及び過去の気象予測に対応する発電実績のデータを教師データとして、予測地点毎の発電量予測モデル13のそれぞれの学習を実行しパラメータチューニングを行う。この際、発電量予測部14は、気象予測データに特徴量エンジニアリング処理を施して、時間差分や、移動平均や、カテゴリ分け等といった特徴量を抽出して入力データを生成し、その入力データを用いて学習を実行する。また、パラメータチューニングには、エンジニアの手作業が加えられる場合もある。これにより、発電量予測部14は、学習済みの発電量予測モデル13を生成する。
【0026】
また、発電量予測部14は、毎日3時の全国の気象予測データを気象予測データ提供システム2から取得する。そして、実際の発電計画作成時に、発電量予測部14は、取得した気象予測データを用いて、各予測地点の発電量の前日予測及び当日予測を行う。
【0027】
具体的には、発電量予測部14は、全国の気象予測データから各予測地点の気象予測データを抽出する。ここで、前日予測の場合、発電量予測部14は、実需給前日の3時時点のデータを抽出する。また、当日予測の場合、発電量予測部14は、実需給当日の3時時点のデータを抽出する。
【0028】
次に、発電量予測部14は、抽出した気象予測データに対して特徴量エンジニアリング処理を施して入力データを生成する。例えば、発電量予測部14は、時間差分や、移動平均や、カテゴリ分け等を特徴量として入力データを生成する。そして、発電量予測部14は、生成した入力データを学習済みの発電量予測モデル13に入力して、その出力値を取得する。次に、発電量予測部14は、予測地点毎の発電量予測モデル13からのそれぞれの出力値に対して、例えばマイナス値を0にする等の微調整を加える。その後、発電量予測部14は、微調整した予測地点毎の発電量予測モデル13からのそれぞれの出力値をバランシンググループ単位で集約して発電量の予測値を作成する。そして、発電量予測部14は、発電量の予測値を発電計画作成部11へ出力する。
【0029】
インバランス単価予測部15は、インバランス単価を予測するエリア及びその代表地点の情報を予め有する。インバランス単価予測モデル16の学習実行時に、インバランス単価予測部15は、各エリアの代表地点それぞれの過去の気象予測データをデータベース17から取得する。また、インバランス単価予測部15は、過去の週間広域予備率に対するインバランス単価の情報及び過去の30分単位の広域予備率に対するインバランス単価の情報をデータベース17から取得する。さらに、インバランス単価予測部15は、過去の30分単位の電気の約定価格をデータベース17から取得する。
【0030】
インバランス単価予測部15は、取得した過去の気象予測データに時間差分や、移動平均や、カテゴリ分け等といった特徴量エンジニアリング処理を施して、気象予測データの特徴量を抽出する。次に、インバランス単価予測部15は、気象予測データの特徴量と週間広域予備率とを統合処理して入力データを生成する。そして、インバランス単価予測部15は、生成した入力データ及びそれに対応するインバランス単価を教師データとして、エリア毎の前日予測用のインバランス単価予測モデル16のそれぞれの学習を実行しパラメータチューニングを行う。
【0031】
また、インバランス単価予測部15は、気象予測データの特徴量と週間広域予備率及び約定価格とを統合処理して入力データを生成する。そして、インバランス単価予測部15は、生成した入力データ及びそれに対応するインバランス単価を教師データとして、エリア毎の当日予測用のインバランス単価予測モデル16のそれぞれの学習を実行しパラメータチューニングを行う。ここで、パラメータチューニングには、エンジニアの手作業が加えられる場合もある。これにより、インバランス単価予測部15は、学習済みの前日予測用及び当日予測用のインバランス単価予測モデル16を生成する。
【0032】
また、インバランス単価予測部15は、毎日3時の全国の気象予測データを気象予測データ提供システム2から取得する。また、インバランス単価予測部15は、30分単位の広域予備率のデータを広域予備率情報提供システム3から毎日取得する。また、インバランス単価予測部15は、週間広域予備率のデータを広域予備率情報提供システム3から毎週取得する。さらに、インバランス単価予測部15は、30分単位の電気の約定価格を約定価格提供システム4から毎日取得する。
【0033】
そして、前日予測の場合、インバランス単価予測部15は、全国の気象予測データから予測対象エリアの代表地点の実需給前日の3時時点のデータを抽出する。次に、インバランス単価予測部15は、抽出した気象予測データに対して特徴量エンジニアリング処理を施して気象予測データの特徴量を抽出する。さらに、インバランス単価予測部15は、気象予測データの特徴量と週間広域予備率とを統合処理して入力データを作成する。次に、インバランス単価予測部15は、生成した各予測対象エリアの入力データそれぞれを予測対象エリア毎の学習済みの前日予測用のインバランス単価予測モデル16に入力する。そして、インバランス単価予測部15は、予測対象エリア毎の前日予測用のインバランス単価予測モデル16からの出力値を取得する。次に、インバランス単価予測部15は、予測対象エリア毎の前日予測用のインバランス単価予測モデル16からの出力値に対して微調整を加えてインバランス単価の前日予測の予測値を作成する。その後、インバランス単価予測部15は、インバランス単価の前日予測の予測値を発電計画作成部11へ出力する。
【0034】
また、当日予測の場合、インバランス単価予測部15は、全国の気象予測データから予測対象エリアの代表地点の実需給前日の3時時点のデータを抽出する。次に、インバランス単価予測部15は、抽出した気象予測データに対して特徴量エンジニアリング処理を施して気象予測データの特徴量を抽出する。さらに、インバランス単価予測部15は、気象予測データの特徴量、週間広域予備率及び約定価格を統合処理して入力データを作成する。次に、インバランス単価予測部15は、生成した各予測対象エリアの入力データそれぞれを予測対象エリア毎の学習済みの当日予測用のインバランス単価予測モデル16に入力する。そして、インバランス単価予測部15は、予測対象エリア毎の当日予測用のインバランス単価予測モデル16からの出力値を取得する。次に、インバランス単価予測部15は、予測対象エリア毎の当日予測用のインバランス単価予測モデル16からの出力値に対して微調整を加えてインバランス単価の当日予測の予測値を作成する。その後、インバランス単価予測部15は、インバランス単価の当日予測の予測値を発電計画作成部11へ出力する。
【0035】
ここで、本実施例では、前日予測用と当日予測用との2つのインバランス単価予測モデル16を用いたが、これらをまとめて1つのインバランス単価予測モデル16とすることも可能である。その場合、前日予測時には、入力データにおける約定価格を固定値とする等により予測を行うこと可能となる。
【0036】
発電計画作成部11は、48コマ毎の発電量の予測値の入力を発電量予測部14から受ける。また、発電計画作成部11は、48コマ毎のインバランス単価の予測値の入力をインバランス単価予測部15から受ける。
【0037】
そして、発電計画作成部11は、インバランスによる経済的損失及び機会損失をできる限り減らすように発電量の予測値を補正して発電計画値として発電計画を作成する。すなわち、発電計画作成部11は、発電量の予測値からインバランス量の予測値を算出する。そして、発電計画作成部11は、(発電量実績×発電単価)と(発電量実績×発電単価±インバランス量×インバランス単価)との差額をできるだけ小さくするように発電量の予測値を補正する。言い換えれば、発電計画作成部11は、インバランス量とインバランス単価との積が小さくなるように発電量の予測値を補正して発電計画値を算出する。
【0038】
より具体的には、発電計画作成部11は、以下のような原理に基づき発電量の予測値の補正を行う。バランシンググループの運用事業者にとって、インバランス単価が高い時間帯で不足インバランスを出してしまうと大きな損失が出てしまう。一方、一般送配電事業者にとって、インバランス単価が高い時間帯はエリア需給および上げ調整力がひっ迫しているため、バランシンググループの運用事業者が不足インバランスを出してしまった場合はより系統ひっ迫になってしまう。そこで、インバランス単価の予測値が高い場合、発電計画作成部11は、予測された発電量をやや下げて発電計画値を作成する。
【0039】
また、発電計画値を低めに作成することは余剰インバランス傾向になり、これはインバランスがゼロの場合の本来販売できる電気の量と比較して機会損失になる可能性がある。そのため、発電計画作成部11は、電気の販売収入とインバランスリスクを比較してより経済的な方をベースとして発電計画値を決定する。さらに、極端にインバランス単価が高騰していない場合、発電計画作成部11は、インバランスが発生しないように発電量の予測値を発電計画値とする。その後、発電計画作成部11は、算出した発電計画値を用いて作成した発電計画を出力部12へ出力する。
【0040】
図2は、発電量の推定値に対する補正の一例を示す図である。例えば、図2におけるケース#1の場合、インバランス単価が他のケースに比べて高い。そこで、発電計画作成部11は、発電量の予測値を低めに補正して発電計画値を作成する。また、ケース#2の場合、インバランス単価が他のケースに比べて低く且つインバランス量も他のケースに比べて小さい。そこで、発電計画作成部11は、発電量の予測値を発電計画値とする。また、ケース#3の場合、インバランス単価が他のケースに比べて大きく且つインバランス単価が他のケースに比べて低い、そこで、発電計画作成部11は、電気の販売収入を重視して発電量の予測値を高めに補正して発電計画値を作成する。また、ケース#4の場合、不足インバランスであり且つインバランス単価も各ケースの中間程度である。そこで、発電計画作成部11は、損失を抑えるように、発電量の予測値を低めに補正して発電計画値を作成する。また、ケース#5の場合、インバランス単価が他のケースに比べて高いが、余剰インバランスの状態である。そこで、発電計画作成部11は、不足インバランスにならないように、発電量の予測値を発電計画値とする。
【0041】
図1に戻って説明を続ける。出力部12は、発電計画の入力を発電計画作成部11から受ける。そして、出力部12は、発電計画をモニタ等に出力して、利用者に通知する。他にも、出力部12は、バランシンググループの運用事業者の端末へ送信して、バランシンググループの運用事業者に発電計画を提供してもよい。
【0042】
図3は、実施例に係る発電計画作成装置による発電計画作成処理のフローチャートである。次に、図3を参照して、本実施例に係る発電計画作成装置1による発電計画作成処理の流れを説明する。
【0043】
発電量予測部14は、予測地点毎の過去の気象予測のデータ及び過去の気象予測に対応する発電実績のデータをデータベース17から取得する。そして、発電量予測部14は、取得した過去の気象予測のデータ及び過去の気象予測に対応する発電実績のデータを教師データとして、予測地点毎の発電量予測モデル13のそれぞれの学習を実行しパラメータチューニングを行う(ステップS1)。
【0044】
インバランス単価予測部15は、各エリアの代表地点それぞれの過去の気象予測のデータをデータベース17から取得する。また、インバランス単価予測部15は、過去の週間広域予備率に対するインバランス単価の情報及び過去の30分単位の広域予備率に対するインバランス単価の情報をデータベース17から取得する。さらに、インバランス単価予測部15は、過去の30分単位の電気の約定価格をデータベース17から取得する。そして、インバランス単価予測部15は、取得した過去の気象予測のデータ及び週間広域予備率とそれに対応するインバランス単価とを教師データとして、エリア毎の前日予測用のインバランス単価予測モデル16のそれぞれの学習を実行しパラメータチューニングを行う(ステップS2)。
【0045】
発電量予測部14は、毎日3時の全国の気象予測データを気象予測データ提供システム2から取得する。そして、実需給前日に、発電量予測部14は、実需給前日の3時時点の気象予測データから作成した入力データと発電量予測モデル13とを用いて、各予測地点の発電量の前日予測を行う(ステップS3)。
【0046】
インバランス単価予測部15は、毎日3時の全国の気象予測データを気象予測データ提供システム2から取得する。また、インバランス単価予測部15は、週間広域予備率のデータを広域予備率情報提供システム3から毎週取得する。そして、実需給前日に、インバランス単価予測部15は、実需給前日の3時時点の気象予測データ及び週間広域予備率から作成した入力データと前日予測用のインバランス単価予測モデル16とを用いてインバランス単価の前日予測を実行する(ステップS4)。
【0047】
発電計画作成部11は、実需給前日に、前日予測による発電量の予測値の入力を発電量予測部14から受ける。また、発電計画作成部11は、前日予測によるインバランス単価の予測値の入力をインバランス単価予測部15から受ける。そして、発電計画作成部11は、前日予測による発電量の予測値及びインバランス単価の予測値を用いて、(発電量実績×発電単価)と(発電量実績×発電単価±インバランス量×インバランス単価)との差額をできるだけ小さくするように発電量の予測値を補正して発電計画値として前日の発電計画を作成する。出力部12は、発電計画作成部11により作成された前日の発電計画をモニタ等に出力する(ステップS5)。
【0048】
次に、実需給当日に、発電量予測部14は、実需給当日の3時時点の気象予測データから作成した入力データと発電量予測モデル13とを用いて、各予測地点の発電量の当日予測を行う(ステップS6)。
【0049】
また、インバランス単価予測部15は、毎日3時の全国の気象予測データを気象予測データ提供システム2から取得する。また、インバランス単価予測部15は、30分単位の広域予備率のデータを広域予備率情報提供システム3から毎日取得する。また、インバランス単価予測部15は、30分単位の電気の約定価格を約定価格提供システム4から毎日取得する。そして、実需給当日に、インバランス単価予測部15は、実需給当日の3時時点の気象予測データ、広域予備率のデータ及び約定価格から作成した入力データと当日予測用のインバランス単価予測モデル16とを用いてインバランス単価の当日予測を実行する(ステップS7)。
【0050】
発電計画作成部11は、実需給当日に、当日予測による発電量の予測値の入力を発電量予測部14から受ける。また、発電計画作成部11は、当日予測によるインバランス単価の予測値の入力をインバランス単価予測部15から受ける。そして、発電計画作成部11は、当日予測による発電量の予測値及びインバランス単価の予測値を用いて、(発電量実績×発電単価)と(発電量実績×発電単価±インバランス量×インバランス単価)との差額をできるだけ小さくするように発電量の予測値を補正して発電計画値として当日の発電計画を作成する。出力部12は、発電計画作成部11により作成された当日の発電計画をモニタ等に出力する(ステップS8)。
【0051】
図4は、実施例に係る発電量予測部による発電量予測処理のフローチャートである。次に、図4を参照して、本実施例に係る発電量予測部14による発電量予測処理の流れを説明する。図4のフローにおける各処理は、図3のフローのステップS3及びS6で実行される処理の一例にあたる。
【0052】
発電量予測部14は、朝3時の全国の気象予測データを気象予測データ提供システム2から取得する(ステップS101)。ここで、前日予測の場合、発電量予測部14は、実需給前日の3時時点のデータを取得する。また、当日予測の場合、発電量予測部14は、実需給当日の3時時点のデータを取得する。
【0053】
次に、発電量予測部14は、全国の気象予測データから各予測地点の気象予測データを抽出する(ステップS102)。
【0054】
次に、発電量予測部14は、抽出した気象予測データを特徴量エンジニアリング処理して入力データを生成する(ステップS103)。
【0055】
そして、発電量予測部14は、生成した各予測地点の入力データそれぞれを予測地点毎の発電量予測モデル13に入力して、予測地点毎の発電量予測モデル13からのそれぞれの出力値を取得する(ステップS104)。
【0056】
次に、発電量予測部14は、予測地点毎の発電量予測モデル13からのそれぞれの出力値に対して微調整を加える(ステップS105)。
【0057】
その後、発電量予測部14は、微調整した予測地点毎の発電量予測モデル13からのそれぞれの出力値をバランシンググループ単位で集約して発電量の予測値を作成する(ステップS106)。
【0058】
図5は、実施例に係るインバランス単価予測部によるインバランス単価予測処理のフローチャートである。次に、図5を参照して、実施例に係るインバランス単価予測部15によるインバランス単価予測処理の流れを説明する。図5のフローにおける各処理は、図3のフローのステップS4及びS7で実行される処理の一例にあたる。
【0059】
インバランス単価予測部15は、朝3時の全国の気象予測データを気象予測データ提供システム2から取得する(ステップS201)。ここで、前日予測の場合、インバランス単価予測部15は、実需給前日の3時時点のデータを取得する。また、当日予測の場合、インバランス単価予測部15は、実需給当日の3時時点のデータを取得する。
【0060】
次に、インバランス単価予測部15は、全国の気象予測データから予測対象エリアの代表地点の気象予測データを抽出する(ステップS202)。
【0061】
次に、インバランス単価予測部15は、抽出した気象予測データに対して特徴量エンジニアリング処理を実施して特徴量を抽出する(ステップS203)。
【0062】
ここで、インバランス単価予測部15は、当日予測か否かを判定する(ステップS204)。
【0063】
当日予測の場合(ステップS204:肯定)、インバランス単価予測部15は、30分単位の広域予備率のデータを広域予備率情報提供システム3から取得する(ステップS205)。
【0064】
また、インバランス単価予測部15は、30分単位の電気の約定価格を約定価格提供システム4から取得する(ステップS206)。
【0065】
これに対して、当日予測の場合(ステップS204:否定)、インバランス単価予測部15は、週間広域予備率のデータを広域予備率情報提供システム3から取得する(ステップS207)。
【0066】
そして、インバランス単価予測部15は、気象予測データの特徴量と取得した各データとを統合処理して入力データを作成する(ステップS208)。
【0067】
次に、インバランス単価予測部15は、生成した入力データを学習済みの予測対象エリア毎のインバランス単価予測モデル16に入力して、予測対象エリア毎のインバランス単価予測モデル16からの出力値を取得する(ステップS209)。
【0068】
その後、インバランス単価予測部15は、予測対象エリア毎のインバランス単価予測モデル16からの出力値に対して微調整を加えてインバランス単価の予測値を作成する(ステップS210)。
【0069】
図6は、実施例に係る発電計画作成部による発電計画作成処理のフローチャートである。次に、図6を参照して、実施例に係る発電計画作成部11によるインバランス単価予測処理の流れを説明する。図6のフローにおける各処理は、図3のフローのステップS5及びS8で実行される処理の一例にあたる。ここでは、発電計画作成部11は、インバランス量が低いか否かを判定するための第1閾値及びインバランス量が高いか否かを判定するための第2閾値を有する。第1閾値は、例えば発電量に対して5%とすることができる。また、第2閾値は、例えば発電量に対して20%とすることができる。また、発電計画作成部11は、インバランス単価が高いか否かを判定するための単価閾値を有する。単価閾値は、例えば、20円とすることができる。
【0070】
発電計画作成部11は、発電量の予測値の入力を発電量予測部14から受ける(ステップS301)。
【0071】
また、発電計画作成部11は、インバランス単価の予測値の入力をインバランス単価予測部15から受ける(ステップS302)。
【0072】
次に、発電計画作成部11は、インバランス量が第1閾値以下か否かを判定する(ステップS303)。インバランス量が第1閾値以下の場合(ステップS303:肯定)、発電計画作成部11は、発電量の予測値を発電計画値として発電計画を作成する(ステップS304)。
【0073】
これに対して、インバランス量が第1閾値より大きい場合(ステップS303:否定)、発電計画作成部11は、インバランス量が第2閾値以上か否かを判定する(ステップS305)。インバランス量が第2閾値以上の場合(ステップS305:肯定)、発電計画作成部11は、発電量の予測値に対して上げる補正を加えて発電計画値として発電計画を作成する(ステップS306)。
【0074】
これに対して、インバランス量が第2閾値未満の場合(ステップS305:否定)、発電計画作成部11は、インバランス単価が単価閾値以上か否かを判定する(ステップS307)。
【0075】
インバランス単価が単価閾値以上の場合(ステップS307:肯定)、発電計画作成部11は、余剰インバランスか否かを判定する(ステップS308)。
【0076】
余剰インバランスの場合(ステップS308:肯定)、発電計画作成部11は、発電量の予測値を発電計画値として発電計画を作成する(ステップS304)。
【0077】
余剰インバランスでない場合(ステップS308:否定)、発電計画作成部11は、発電計画作成部11は、発電量の予測値に対して下げる補正を加えて発電計画値として発電計画を作成する(ステップS309)。
【0078】
一方、インバランス単価が単価閾値未満の場合(ステップS307:否定)、発電計画作成部11は、不足インバランスか否かを判定する(ステップS310)。
【0079】
不足インバランスの場合(ステップS310:肯定)、発電計画作成部11は、発電計画作成部11は、発電量の予測値に対して下げる補正を加えて発電計画値として発電計画を作成する(ステップS309)。
【0080】
不足インバランスでない場合(ステップS310:否定)、発電計画作成部11は、発電計画作成部11は、発電量の予測値に対して上げる補正を加えて発電計画値として発電計画を作成する(ステップS306)。
【0081】
以上に説明したように、本実施例に係る発電計画作成装置は、機械学習モデルを用いて気象予測データを入力として48コマ毎の発電量を予測する。この発電量の予測により、発電計画作成装置は、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーによる発電量を予測することができる。また、発電計画作成装置は、機械学習モデルを用いて、気象予測データ及び広域予備率を入力として前日予測のインバランス単価を予測し、気象予測データ、広域予備率及び約定価格を入力として当日予測のインバランス単価を予測する。そして、発電計画作成装置は、発電量の予測値及びインバランス単価の予測値を用いて、インバランスによる経済的損失及び機会損失をできる限り減らすように発電計画を作成する。
【0082】
これにより、太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギー発電を含む発電量の予測機能に加えて、インバランス単価を考慮した発電計画値を算出することができる。したがって、バランシンググループの運用事業者及び一般配電事業者にとって最適となる発電計画を作成することが可能となる。また、一般配電事業者が広域調達する調整力の限界的なkWh価格を用いたインバランス単価の算出方法に対応した、インバランス単価の予測が可能となる。また、実需給前日時点の広域機関提出用の計画値の策定に加えて、当日の実需給に近い情報に基づいて、さらに高精度の発電量のインバランス単価を予測して計画値を更新して提供することができる。このように、インバランスリスクの最小化のための最適な発電計画を作成することが可能となる。
【0083】
(ハードウェア構成)
図7は、発電計画作成装置のハードウェア構成図である。発電計画作成装置1は、例えば、図7に示すようなハードウェア構成を有する。すなわち、発電計画作成装置1は、CPU(Central Processing Unit)91、メモリ92、ハードディスク93及びネットワークインタフェース94を有する。CPU91は、バスを介してメモリ92、ハードディスク93及びネットワークインタフェース94と接続される。
【0084】
ネットワークインタフェース94は、発電計画作成装置1と外部装置との通信インタフェースである。ネットワークインタフェース94は、例えば、気象予測データ提供システム2、広域予備率情報提供システム3及び約定価格提供システム4とCPU91との間の通信を中継する。
【0085】
ハードディスク93は、補助記憶装置である。ハードディスク93は、データベース17の機能を実現することができる。ハードディスク93は、発電量予測モデル13及びインバランス単価予測モデル16を格納してもよい。また、ハードディスク93は、図1に例示した発電計画作成部11、出力部12、発電量予測部14及びインバランス単価予測部15の各部の機能を実現するためのプラグラムを含む各種プログラムを格納する。
【0086】
メモリ92は、主記憶装置である。メモリ92は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)を使用することができる。
【0087】
CPU91は、ハードディスク93から各種プログラムを読み出してメモリ92に展開して実行する。これにより、CPU91は、図1に例示した発電計画作成部11、出力部12、発電量予測部14及びインバランス単価予測部15の機能を実現する。
【0088】
また、発電計画作成装置1は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施例と同様の機能を実現することもできる。なお、ここでいうプログラムは、特定の発電計画作成装置1によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0089】
このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【符号の説明】
【0090】
1 発電計画作成装置
2 気象予測データ提供システム
3 広域予備率情報提供システム
4 約定価格提供システム
11 発電計画作成部
12 出力部
13 発電量予測モデル
14 発電量予測部
15 インバランス単価予測部
16 インバランス単価予測モデル
17 データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7