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特開2024-165916監視制御システム、監視制御方法、および監視制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165916
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】監視制御システム、監視制御方法、および監視制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
G05B23/02 301T
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082506
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】米田 宏生
(72)【発明者】
【氏名】竹長 裕恵
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA06
3C223BA03
3C223CC02
3C223DD03
3C223EB01
3C223GG01
3C223HH02
3C223HH03
3C223HH05
3C223HH08
(57)【要約】
【課題】監視画面を切り換えて表示する際の監視画面の候補について、監視画面を閲覧するユーザが、候補とされた根拠を把握した上で監視画面を選択することを可能とする監視制御システムを得ること。
【解決手段】監視制御システムは、監視および制御の対象の状況を示すデータを提示する監視画面を、監視画面を閲覧するユーザによる操作に従って順次切り換えて表示する表示部14と、監視画面である第1の監視画面からの切り換えによって第1の監視画面の次に表示される監視画面である第2の監視画面の候補としてユーザに推薦する1つ以上の候補画面を選定し、選定された候補画面を示す情報と、候補画面をユーザに推薦する根拠を示す根拠情報とを算出する候補画面根拠算出部12と、候補画面の表示と根拠情報の表示とを含む第1の監視画面を生成し、第1の監視画面の情報を表示部14へ出力する画面生成部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視および制御の対象の状況を示すデータを提示する監視画面を、前記監視画面を閲覧するユーザによる操作に従って順次切り換えて表示する表示部と、
前記監視画面である第1の監視画面からの切り換えによって前記第1の監視画面の次に表示される前記監視画面である第2の監視画面の候補として前記ユーザに推薦する1つ以上の候補画面を選定し、選定された前記候補画面を示す情報と、前記候補画面を前記ユーザに推薦する根拠を示す根拠情報とを算出する候補画面根拠算出部と、
前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示とを含む前記第1の監視画面を生成し、前記第1の監視画面の情報を前記表示部へ出力する画面生成部と、を備える
ことを特徴とする監視制御システム。
【請求項2】
前記候補画面根拠算出部は、前記対象と前記対象について表示された前記監視画面とを示す監視対象情報と、前記監視画面が切り換えられたときにおける切り換え前の前記監視画面と切り換え後の前記監視画面とを示す操作履歴情報と、前記ユーザの属性と前記ユーザによって閲覧された前記監視画面とを示すユーザ特性情報と、を学習させたモデルを用いて、前記第1の監視画面を示す情報から、前記候補画面を選定するとともに前記根拠情報を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の監視制御システム。
【請求項3】
前記表示部は、前記第1の監視画面において、複数の前記候補画面の各々についての前記候補画面および前記根拠情報を順次自動的に切り換えて表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の監視制御システム。
【請求項4】
前記表示部は、前記第1の監視画面において、複数の前記候補画面の各々についての前記候補画面および前記根拠情報を一覧表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の監視制御システム。
【請求項5】
前記候補画面根拠算出部は、前記第1の監視画面の次に表示される可能性の大きさを表す評価値を算出し、前記評価値に基づいて前記候補画面を選定し、
前記画面生成部は、前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示と前記評価値の表示とを含む前記第1の監視画面を生成する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の監視制御システム。
【請求項6】
前記第1の監視画面において前記ユーザによって選択された前記候補画面が前記第2の監視画面として表示された際に、前記表示部は、前記ユーザによって選択された前記候補画面が前記第2の監視画面として適切か否かについての前記ユーザによる評価を示す情報を、前記第2の監視画面において受け付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の監視制御システム。
【請求項7】
前記表示部は、前記第1の監視画面に表示された前記候補画面が前記第2の監視画面の候補として適切か否かについての前記ユーザによる評価を示す情報を、前記第1の監視画面において受け付け、かつ、前記第2の監視画面の候補として適切ではないと評価された前記候補画面について、前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示とを前記第1の監視画面から削除する
ことを特徴とする請求項1に記載の監視制御システム。
【請求項8】
前記候補画面根拠算出部は、前記ユーザによる評価を示す情報が組み入れられた処理によって前記候補画面を選定する
ことを特徴とする請求項6または7に記載の監視制御システム。
【請求項9】
コンピュータにより、監視および制御の対象の状況を示すデータを提示する監視画面を、前記監視画面を閲覧するユーザによる操作に従って順次切り換えて表示する監視制御方法であって、
前記監視画面である第1の監視画面からの切り換えによって前記第1の監視画面の次に表示される前記監視画面である第2の監視画面の候補として、前記ユーザに推薦する1つ以上の候補画面を選定し、選定された前記候補画面を示す情報と、前記候補画面を前記ユーザに推薦する根拠を示す根拠情報とを算出するステップと、
前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示とを含む前記第1の監視画面を生成し、前記第1の監視画面の情報を出力するステップと、
前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示とを含む前記第1の監視画面を表示するステップと、を含む
ことを特徴とする監視制御方法。
【請求項10】
選定された前記候補画面を示す情報と前記根拠情報とを算出する前記ステップでは、前記対象と前記対象について表示された前記監視画面とを示す監視対象情報と、前記監視画面が切り換えられたときにおける切り換え前の前記監視画面と切り換え後の前記監視画面とを示す操作履歴情報と、前記ユーザの属性と前記ユーザによって閲覧された前記監視画面とを示すユーザ特性情報と、を学習させたモデルを用いて、前記第1の監視画面を示す情報から、前記候補画面を選定するとともに前記根拠情報を算出する
ことを特徴とする請求項9に記載の監視制御方法。
【請求項11】
前記第1の監視画面を表示する前記ステップでは、前記第1の監視画面において、複数の前記候補画面の各々についての前記候補画面および前記根拠情報を順次自動的に切り替えて表示する
ことを特徴とする請求項9に記載の監視制御方法。
【請求項12】
前記第1の監視画面を表示する前記ステップでは、前記第1の監視画面において、複数の前記候補画面の各々についての前記候補画面および前記根拠情報を一覧表示する
ことを特徴とする請求項9に記載の監視制御方法。
【請求項13】
選定された前記候補画面を示す情報と前記根拠情報とを算出する前記ステップでは、前記第1の監視画面の次に表示される可能性の大きさを表す評価値を算出し、前記評価値に基づいて前記候補画面を選定し、
前記第1の監視画面を生成し前記第1の監視画面の情報を出力する前記ステップでは、前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示と前記評価値の表示とを含む前記第1の監視画面を生成する
ことを特徴とする請求項9から12のいずれか1つに記載の監視制御方法。
【請求項14】
前記第1の監視画面において前記ユーザによって選択された前記候補画面が前記第2の監視画面として表示された際に、前記ユーザによって選択された前記候補画面が前記第2の監視画面として適切か否かについての前記ユーザによる評価を示す情報を、前記第2の監視画面において受け付けるステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項9に記載の監視制御方法。
【請求項15】
前記第1の監視画面に表示された前記候補画面が前記第2の監視画面の候補として適切か否かについての前記ユーザによる評価を示す情報を、前記第1の監視画面において受け付けるステップと、
前記第2の監視画面の候補として適切ではないと評価された前記候補画面について、前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示とを前記第1の監視画面から削除するステップと、をさらに含む
ことを特徴とする請求項9に記載の監視制御方法。
【請求項16】
選定された前記候補画面を示す情報と前記根拠情報とを算出する前記ステップでは、前記ユーザによる評価を示す情報が組み入れられた処理によって前記候補画面を選定する
ことを特徴とする請求項14または15に記載の監視制御方法。
【請求項17】
監視および制御の対象の状況を示すデータを提示する監視画面である第1の監視画面からの切り換えによって前記第1の監視画面の次に表示される前記監視画面である第2の監視画面の候補として、前記監視画面を閲覧するユーザに推薦する1つ以上の候補画面を選定し、選定された前記候補画面を示す情報と、前記候補画面を前記ユーザに推薦する根拠を示す根拠情報とを算出するステップと、
前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示とを含む前記第1の監視画面を生成し、前記第1の監視画面の情報を出力するステップと、
前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示とを含む前記第1の監視画面を表示するステップと、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする監視制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視画面を表示する監視制御システム、監視制御方法、および監視制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
施設の監視および制御を行う監視制御システムにおいて、監視画面を閲覧するユーザは、表示される監視画面を切り換えることによって、監視に必要なデータを確認する。従来、監視画面を切り換える際における監視画面の選択を支援する技術が提案されている。
【0003】
特許文献1には、現在表示されている画面の次の表示対象の候補とされる候補画面について、画面選択の操作履歴に基づいて、選択される可能性についての評価を行い、評価が高い方からある一定数の候補画面からの候補画面の選択を受け付ける表示画面制御装置が開示されている。特許文献1の技術によると、評価に基づいて候補画面が絞り込まれることによって、候補画面の選択が容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-316783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術が監視制御システムに適用される場合、監視画面を閲覧するユーザは、評価に基づいて提示された候補画面の中から、次に表示する監視画面とする候補画面を選択する。しかしながら、特許文献1の技術では、提示された候補画面について、次の表示対象の候補とされた根拠を把握することができないため、根拠を把握した上で候補画面を選択することができないという問題があった。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、監視画面を切り換えて表示する際の監視画面の候補について、監視画面を閲覧するユーザが、候補とされた根拠を把握した上で監視画面を選択することを可能とする監視制御システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる監視制御システムは、監視および制御の対象の状況を示すデータを提示する監視画面を、監視画面を閲覧するユーザによる操作に従って順次切り換えて表示する表示部と、監視画面である第1の監視画面からの切り換えによって第1の監視画面の次に表示される監視画面である第2の監視画面の候補としてユーザに推薦する1つ以上の候補画面を選定し、選定された候補画面を示す情報と、候補画面をユーザに推薦する根拠を示す根拠情報とを算出する候補画面根拠算出部と、候補画面の表示と根拠情報の表示とを含む第1の監視画面を生成し、第1の監視画面の情報を表示部へ出力する画面生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示にかかる監視制御システムによると、監視画面を切り換えて表示する際の監視画面の候補について、監視画面を閲覧するユーザが、候補とされた根拠を把握した上で監視画面を選択することが可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1にかかる監視制御システムの構成例を示す図
図2】実施の形態1にかかる監視制御装置の構成例を示す図
図3】実施の形態1にかかる監視制御装置により表示される監視画面の例を示す図
図4】実施の形態1にかかる監視制御装置による候補画面および根拠情報の表示について説明するための図
図5】実施の形態1にかかる監視制御システムにおいて蓄積される監視対象情報の例を示す図
図6】実施の形態1にかかる監視制御システムにおいて蓄積される操作履歴情報の例を示す図
図7】実施の形態1にかかる監視制御システムにおいて蓄積されるユーザ特性情報の例を示す図
図8】実施の形態1にかかる監視制御装置が有する表示画面管理部の構成例を示す図
図9】実施の形態1にかかる監視制御システムの動作手順の例を示すフローチャート
図10】実施の形態1にかかる監視制御装置が有する候補画面情報取得部の第1の動作手順の例を示すフローチャート
図11】実施の形態1にかかる監視制御装置が有する候補画面情報取得部の第2の動作手順の例を示すフローチャート
図12】実施の形態1にかかる監視制御装置が有する画面生成部の動作手順の例を示すフローチャート
図13】実施の形態2における候補画面および根拠情報の表示について説明するための図
図14】実施の形態2にかかる監視制御装置が有する画面生成部の動作手順の例を示すフローチャート
図15】実施の形態1または2の第1の変形例における候補画面、根拠情報、および評価値の表示例を示す図
図16】実施の形態1または2の第1の変形例における表示画面管理部の構成例を示す図
図17】実施の形態1または2の第2の変形例における監視画面の表示例を示す図
図18】実施の形態1または2の第3の変形例において表示されるプレビューウィンドウの例を示す図
図19】実施の形態1または2にかかる監視制御装置のハードウェア構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施の形態にかかる監視制御システム、監視制御方法、および監視制御プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる監視制御システム1の構成例を示す図である。監視制御システム1は、複数の監視制御装置2と、データベースサーバ3と、処理サーバ4とを備える。
【0012】
各監視制御装置2は、施設の監視および制御を行う。各監視制御装置2による監視および制御の対象である施設は、例えば、浄水場、河川監視施設、道路監視施設、またはビル設備監視施設等である。各監視制御装置2は、施設に設置されている複数の機器の各々へ制御信号を送信することによって、複数の機器の各々を制御する。また、各監視制御装置2は、複数の機器の各々の状態を示すデータを受信し、複数の機器の各々の状態についての表示を行う。各監視制御装置2は、監視画面により、複数の機器の各々の状態を可視化させる。監視画面は、監視および制御の対象である施設の状況を示すデータを提示する画面である。各監視制御装置2は、監視画面を閲覧するユーザによる操作に従って監視画面を順次切り換えて表示する。監視制御システム1は、ユーザによる監視画面の選択を支援するサービスを提供する。ユーザは、各監視制御装置2により監視画面を閲覧する者であって、施設の管理者またはオペレータ等である。
【0013】
データベースサーバ3および処理サーバ4は、クラウド環境に構築される。クラウド環境は、クラウドサービスプラットフォームにおいて提供されるコンピュータ資源を含む。データベースサーバ3および処理サーバ4の各々は、例えば、1つ以上のクラウドサーバによって構成される。クラウドサーバは、クラウド環境に構築されるサーバである。データベースサーバ3は、監視制御システム1により扱われる各種情報を蓄積する。処理サーバ4は、監視制御システム1により扱われる各種情報を処理する。
【0014】
各監視制御装置2は、ネットワークを介してデータベースサーバ3および処理サーバ4の各々に通信可能に接続されている。ネットワークは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。ネットワークは、LAN(Local Area Network)でも良い。
【0015】
図2は、実施の形態1にかかる監視制御装置2の構成例を示す図である。図2には、監視制御装置2と、データベースサーバ3に格納されるデータベースとを示す。
【0016】
監視制御装置2は、通信部11と、候補画面根拠算出部12と、表示画面管理部13と、表示部14と、画面情報保持部15とを備える。なお、監視制御システム1が有する複数の監視制御装置2の各々は、図2に示す監視制御装置2と同様の構成を備えるものとする。
【0017】
通信部11は、監視制御装置2の外部の装置との通信を行う。通信部11は、データベースサーバ3との間における情報の送受信と、処理サーバ4との間における情報の送受信とを行う。また、通信部11は、施設の複数の機器の各々へ制御信号を送信する。通信部11は、施設から送信される、複数の機器の各々の状態を示すデータを受信する。監視制御装置2は、受信されたデータに基づいて監視画面を表示する。なお、複数の機器の各々の状態を示すデータを処理するための構成と、施設へ送信される制御信号を生成するための構成とについては、図示および説明を省略する。
【0018】
候補画面根拠算出部12は、表示部14にて表示される監視画面の候補としてユーザに推薦する1つ以上の候補画面を選定し、選定された候補画面を示す情報と、候補画面をユーザに推薦する根拠を示す根拠情報とを算出する。候補画面根拠算出部12は、候補画面を示す情報と根拠情報とを表示画面管理部13へ出力する。
【0019】
表示画面管理部13は、監視画面の情報を管理する。表示画面管理部13は、候補画面を示す情報と根拠情報とに基づいて、候補画面の表示と根拠情報の表示とを含む監視画面を生成する。表示画面管理部13は、生成された監視画面の情報を表示部14へ出力する。表示部14は、監視画面の情報に基づいて、監視画面を表示する。表示部14は、ユーザによる操作に従って監視画面を順次切り換えて表示する。
【0020】
画面情報保持部15は、監視画面の情報を保持する。画面情報保持部15が保持する監視画面の情報は、監視画面のレイアウトを示す情報である。表示画面管理部13は、監視画面の情報を画面情報保持部15から読み出し、読み出された情報を基に、施設から監視制御装置2へ送信されるデータが反映された監視画面を生成する。すなわち、表示画面管理部13は、監視画面を表示するための処理を実行する。また、表示画面管理部13は、候補画面とされる監視画面の情報を画面情報保持部15から読み出し、候補画面と根拠情報とを表示するための処理を実行する。
【0021】
次に、候補画面の表示と根拠情報の表示とを含む監視画面について説明する。図3は、実施の形態1にかかる監視制御装置2により表示される監視画面20の例を示す図である。監視制御装置2は、監視画面20の上に立ち上げられるプレビューウィンドウ21において候補画面と根拠情報とを表示する。図3に示す例では、プレビューウィンドウ21は、監視画面20の右上に表示される。なお、監視画面20におけるプレビューウィンドウ21の位置と、監視画面20に対するプレビューウィンドウ21の大きさとは、任意であるものとする。
【0022】
プレビューウィンドウ21は、候補画面が表示される候補画面表示領域22と、根拠情報を示す文字列が表示される根拠情報表示領域23とを有する。候補画面表示領域22に表示される候補画面は、現在表示されている監視画面20の次に表示される監視画面20の候補として候補画面根拠算出部12が選定した候補画面である。1つの例として、候補画面根拠算出部12は、監視画面20にデータが表示される施設に類似する施設において利用頻度が高い監視画面20を候補画面として選定する。
【0023】
根拠情報表示領域23には、選定された候補画面について、次に表示される監視画面20としてユーザに推薦する根拠が文章により表示される。候補画面根拠算出部12は、根拠の内容を示す根拠情報を算出する。1つの例として、根拠情報表示領域23には、「現在監視している施設と監視対象規模という観点で類似しているため、利用頻度の高い上記画面の表示をお勧めします。」といった文章が表示される。
【0024】
候補画面根拠算出部12は、1つ以上の候補画面を選定する。すなわち、候補画面根拠算出部12により選定される候補画面は、1つであっても複数であっても良い。複数の候補画面が選定される場合、候補画面根拠算出部12は、各候補画面についての根拠情報を算出する。
【0025】
図4は、実施の形態1にかかる監視制御装置2による候補画面および根拠情報の表示について説明するための図である。表示部14は、現在表示されている監視画面20である第1の監視画面において、複数の候補画面の各々についての候補画面および根拠情報を順次自動的に切り換えて表示する。図4には、候補画面根拠算出部12により3つの候補画面が選定された場合において、候補画面ごとにプレビューウィンドウ21の表示が切り換えられる様子を模式的に表している。表示部14は、第1の監視画面の表示の開始と同時に、プレビューウィンドウ21の表示も開始する。
【0026】
ここで、候補画面根拠算出部12により選定された3つの候補画面を、第1の候補画面、第2の候補画面、および第3の候補画面とする。表示部14は、あらかじめ設定された時間が経過するごとに、プレビューウィンドウ21における表示を、第1の候補画面の表示と、第2の候補画面の表示と、および第3の候補画面の表示とに順次切り換える。第1の候補画面を表示するプレビューウィンドウ21には、第1の候補画面についての根拠情報が表示される。第2の候補画面を表示するプレビューウィンドウ21には、第2の候補画面についての根拠情報が表示される。第3の候補画面を表示するプレビューウィンドウ21には、第3の候補画面についての根拠情報が表示される。表示部14は、第1の候補画面、第2の候補画面、および第3の候補画面の順に表示を切り換えた後、再び第1の候補画面からの表示の切り換えを繰り返す。ユーザは、候補画面および根拠情報が順次自動的に切り換えられることによって、選定された候補画面と候補画面の根拠とを容易に確認することができる。
【0027】
監視制御装置2では、プレビューウィンドウ21における表示形態として、単一表示と全表示とを選択可能であるものとする。単一表示とは、候補画面根拠算出部12により選定された候補画面を1つずつプレビューウィンドウ21に表示する表示形態である。図3に示す例は、単一表示の例である。全表示とは、候補画面根拠算出部12により選定された候補画面を一括して同時にプレビューウィンドウ21に表示する表示形態である。全表示については、後述する実施の形態2において説明する。
【0028】
プレビューウィンドウ21には、候補画面の表示形態を切り換える際に押下されるボタン24が表示されている。図3に示すように、単一表示での表示が行われているときには、ボタン24には「全表示」と表示されている。「全表示」と表示されているボタン24をユーザが押下することによって、表示部14は、候補画面の表示形態を単一表示から全表示へ切り換える。
【0029】
プレビューウィンドウ21には、プレビューウィンドウ21を閉じる際に押下されるボタン25が表示されている。ボタン25をユーザが押下することによって、表示部14は、プレビューウィンドウ21を閉じる。プレビューウィンドウ21が閉じられた後には、監視画面20の再読み込みが行われた際に、表示部14は、プレビューウィンドウ21を再度表示する。
【0030】
ユーザは、プレビューウィンドウ21に表示されている候補画面をクリックすることによって、その候補画面を、現在表示されている第1の監視画面の次に表示する監視画面20である第2の監視画面に指定することができる。表示部14は、現在表示されている監視画面20から、第2の監視画面に指定された候補画面である監視画面20へ、表示を遷移させる。または、ユーザは、監視画面20に表示されているメニューから、次に表示する監視画面20を選択することもできる。
【0031】
このように、候補画面根拠算出部12は、監視画面20である第1の監視画面からの切り換えによって第1の監視画面の次に表示される監視画面20である第2の監視画面の候補としてユーザに推薦する1つ以上の候補画面を選定し、選定された候補画面を示す情報と、候補画面をユーザに推薦する根拠を示す根拠情報とを算出する。表示部14は、候補画面の表示と根拠情報の表示とを含む第1の監視画面を表示する。
【0032】
候補画面根拠算出部12は、監視対象である施設についての情報である監視対象情報と、監視制御装置2への操作の履歴を示す操作履歴情報と、ユーザの特定を示すユーザ特性情報とを活用して、画面情報保持部15から候補画面を抽出する。1つの例として、候補画面根拠算出部12は、人工知能(Artificial Intelligence:AI)を用いて、候補画面の抽出と根拠情報の算出とを行う。候補画面根拠算出部12が用いるAIは、候補画面を抽出した根拠を示すことが可能な機械学習アルゴリズムであって、いわゆる説明可能なAIである。
【0033】
監視制御装置2の通信部11は、監視制御装置2により取得された監視対象情報と、監視制御装置2により取得された操作履歴情報と、監視制御装置2により取得されたユーザ特性情報とをデータベースサーバ3へ送信する。データベースサーバ3は、監視制御装置2から送信された監視対象情報、操作履歴情報、およびユーザ特性情報を受信する。データベースサーバ3は、受信された監視対象情報を監視対象データベースに格納する。データベースサーバ3は、受信された操作履歴情報を操作履歴データベースに格納する。データベースサーバ3は、受信されたユーザ特性情報をユーザ特性データベースに格納する。これにより、監視対象データベースには、監視制御システム1内の各監視制御装置2の監視対象情報が蓄積される。操作履歴データベースには、監視制御システム1内の各監視制御装置2の操作履歴情報が蓄積される。ユーザ特性データベースには、監視制御システム1内の各監視制御装置2のユーザ特性情報が蓄積される。
【0034】
処理サーバ4は、データベースサーバ3から監視対象情報と操作履歴情報とユーザ特性情報とを読み出す。処理サーバ4は、監視対象情報と操作履歴情報とユーザ特性情報とを学習することによって、第1の監視画面から、第1の監視画面の次に表示される第2の監視画面を推論するためのモデルを生成する。処理サーバ4は、生成されたモデルを監視制御システム1内の各監視制御装置2へ送信する。各監視制御装置2の候補画面根拠算出部12は、処理サーバ4によって生成されたモデルを用いて、候補画面の抽出と根拠情報の算出とを行う。なお、モデルを生成するための学習アルゴリズムにはどのようなものが用いられても良い。ここでは、学習アルゴリズムの詳細についての説明は省略する。
【0035】
上記説明では、監視制御システム1内の処理サーバ4によりモデルを生成することとしたが、モデルは、監視制御システム1の外部の装置によって生成されても良い。または、モデルは、監視制御システム1内の処理サーバ4以外の装置によって生成されても良い。モデルは、例えば、監視制御装置2において生成されても良い。
【0036】
次に、監視対象情報、操作履歴情報、およびユーザ特性情報の詳細について説明する。図5は、実施の形態1にかかる監視制御システム1において蓄積される監視対象情報の例を示す図である。監視対象情報は、監視および制御の対象である施設と、施設について表示された監視画面20とを示す情報である。
【0037】
図5に示される監視対象情報には、監視対象施設、施設分野、監視対象規模、監視対象機器数、取得信号点数、および利用頻度の高い画面、の各項目の情報が含まれる。監視対象施設の項目は、監視制御装置2による監視および制御の対象である施設の施設名を表す。以下、監視制御装置2による監視および制御の対象である施設を、監視対象施設とも称する。施設分野の項目は、監視対象施設の分野を表す。監視対象規模の項目は、監視対象施設の面積を表す。監視対象機器数の項目は、監視対象施設における監視および制御の対象である機器の数を表す。取得信号点数の項目は、監視対象施設から監視制御装置2が取得する信号の数を表す。利用頻度の高い画面の項目は、監視制御装置2において監視対象施設について利用される頻度が高い監視画面20の名称を表す。図5に示す例では、利用頻度の高い画面の項目には、利用される頻度が高い上位3件の監視画面20の名称が示されている。
【0038】
なお、図5において、「AA画面」などと表される名称は、監視画面20のフォーマットに付与される名称とする。フォーマットとは、例えば、水量の推移を表す棒グラフ、電流の推移を表す曲線グラフなどのように、データが示す状態量とデータの見せ方とを定義するものである。
【0039】
画面情報保持部15に保持される監視画面20の情報は、フォーマットを示す情報であるものとする。表示画面管理部13は、画面情報保持部15から読み出される監視画面20の情報データに示されるフォーマットにデータを組み合わせることにより、具体的なデータが反映された監視画面20を生成する。
【0040】
各監視対象施設の監視画面20に使用可能な複数のフォーマットには、複数の分野において共通して使用可能なフォーマットが含まれるものとする。このため、互いに異なる分野の施設同士において共通の名称を持つ監視画面20が利用される場合がある。
【0041】
図6は、実施の形態1にかかる監視制御システム1において蓄積される操作履歴情報の例を示す図である。操作履歴情報は、監視画面20が切り換えられたときにおける切り換え前の監視画面20と切り換え後の監視画面20とを示す情報である。
【0042】
図6に示される操作履歴情報には、遷移前画面、遷移先画面、遷移回数、平均遷移前滞在時間、ユーザ権限、およびユーザID(IDentifier)の各項目の情報が含まれる。遷移前画面の項目は、監視画面20が切り換えられたときにおける切り換え前の監視画面20、すなわち、遷移前の監視画面20の名称を表す。遷移先画面の項目は、監視画面20が切り換えられたときにおける切り換え後の監視画面20、すなわち遷移先の監視画面20の名称を表す。遷移回数の項目は、遷移前画面の項目に示される監視画面20から遷移先画面の項目に示される監視画面20への遷移が行われた回数を表す。平均遷移前滞在時間の項目は、遷移前画面の項目に示される監視画面20の表示が継続された時間の平均を表す。
【0043】
ユーザ権限の項目は、監視画面20の切り換えを操作したユーザの権限を表す。ユーザ権限の情報は、ユーザの属性の1つを表す情報といえる。ユーザ権限の項目における管理者とは、監視制御装置2の管理者であって、例えば施設の管理者である。ユーザ権限の項目における監視者とは、監視制御装置2により施設を監視するオペレータである。ユーザ権限の項目における制御者とは、監視制御装置2により施設を制御するオペレータである。ユーザIDの項目は、監視画面20の切り換えを操作したユーザのユーザIDを表す。ユーザIDは、ユーザの識別子である。
【0044】
図7は、実施の形態1にかかる監視制御システム1において蓄積されるユーザ特性情報の例を示す図である。ユーザ特性情報は、ユーザの属性とユーザによって閲覧された監視画面20とを示す情報である。
【0045】
図7に示されるユーザ特性情報には、ユーザ権限、ユーザID、平均利用時間、最終ログイン時刻、および利用頻度の高い画面の各項目の情報が含まれる。ユーザ権限の項目は、監視画面20を閲覧したユーザの権限を表す。ユーザIDの項目は、監視画面20を閲覧したユーザのユーザIDを表す。平均利用時間の項目は、ユーザIDの項目に示されるユーザが監視画面20を閲覧した時間の平均である。図7に示す例では、平均利用時間の項目は、午前(AM)の平均利用時間の項目と、午後(PM)の平均利用時間の項目とに分けられている。
【0046】
最終ログイン時刻の項目は、ユーザIDの項目に示されるユーザが監視画面20の閲覧のために監視制御装置2へ最後にログインした時刻を表す。利用頻度の高い画面の項目は、ユーザIDの項目に示されるユーザにより利用される頻度が高い監視画面20の名称を表す。図7に示す例では、利用頻度の高い画面の項目には、利用される頻度が高い上位3件の監視画面20の名称が示されている。
【0047】
候補画面根拠算出部12は、監視対象情報と操作履歴情報とユーザ特性情報とを学習させたモデルを用いて、第1の監視画面を示す情報から、候補画面を選定するとともに根拠情報を算出する。候補画面根拠算出部12は、第1の監視画面を示す情報をモデルに入力することによって、候補画面IDと根拠情報とをモデルから出力させる。候補画面IDは、候補画面として選定された監視画面20の画面IDである。画面IDは、画面情報保持部15に情報が保持される監視画面20に付される識別子である。
【0048】
監視対象情報の学習により、候補画面根拠算出部12は、監視制御装置2による監視および制御の対象である施設と類似する施設を監視および制御する他の監視制御装置2において利用頻度が高い監視画面20を候補として列挙することができる。操作履歴情報の学習により、候補画面根拠算出部12は、第1の監視画面からの切り換えによって表示され易い監視画面20を候補として列挙することができる。ユーザ特性情報の学習により、候補画面根拠算出部12は、第1の監視画面からの切り換えを操作するユーザと似た特性を持つユーザによる利用頻度が高い監視画面20を候補として列挙することができる。
【0049】
なお、モデルを生成するための学習には、図5図6、および図7に示される全ての項目の情報が使用されるとは限らないものとする。モデルを生成するための学習において、図5図6、および図7に示される全ての項目の情報のうち、一部の項目の情報は除外されても良い。例えば、ユーザ個人による切り換えの傾向を学習の対象から除外するために、図6に示されるユーザIDの情報と、図7に示されるユーザIDの情報とは、学習に使用される情報から除外することとしても良い。
【0050】
監視対象情報、操作履歴情報、およびユーザ特性情報の各々には、上記の項目の情報以外の情報が含まれていても良い。また、監視対象情報、操作履歴情報、およびユーザ特性情報の各々は、上記の項目の情報のうち一部の項目の情報が除外されていても良い。例えば、ユーザ特性情報には、ユーザの属性を示す情報として、ユーザの年代、現在の職務の経験年数、または、現在の担当の担当年数などの情報が含まれても良い。これらの情報が学習される情報に含められることで、第1の監視画面からの切り換えを操作するユーザと似た特性を持つユーザによる利用頻度が高い監視画面20をより精度良く選定することが可能となる。
【0051】
次に、表示画面管理部13の構成について説明する。図8は、実施の形態1にかかる監視制御装置2が有する表示画面管理部13の構成例を示す図である。図8には、表示画面管理部13と、候補画面根拠算出部12と、表示部14と、画面情報保持部15とを示している。
【0052】
表示画面管理部13は、画面生成部16と、候補画面情報取得部17とを備える。画面生成部16は、候補画面の表示と根拠情報の表示とを含む第1の監視画面を生成し、第1の監視画面の情報を表示部14へ出力する。候補画面情報取得部17は、候補画面として選定された監視画面20の情報を画面情報保持部15から取得し、取得された情報である候補画面の情報を画面生成部16へ出力する。
【0053】
候補画面根拠算出部12は、第1の監視画面の情報をモデルに入力することによって、候補画面IDと根拠情報とを算出する。候補画面根拠算出部12は、候補画面IDと根拠情報とを画面生成部16へ出力する。また、候補画面根拠算出部12は、候補画面IDを候補画面情報取得部17へ出力する。
【0054】
候補画面情報取得部17は、候補画面情報取得部17へ入力された候補画面IDにより示される監視画面20を画面情報保持部15から検索する。候補画面情報取得部17は、検索により特定された監視画面20の情報である候補画面の情報を、画面情報保持部15から取得する。候補画面情報取得部17は、候補画面IDと、候補画面の情報とを画面生成部16へ出力する。
【0055】
画面生成部16は、候補画面根拠算出部12から画面生成部16へ入力された候補画面IDと、候補画面情報取得部17から画面生成部16へ入力された候補画面IDとを照合する。画面生成部16は、候補画面IDが互いに一致した場合に、候補画面IDとともに候補画面根拠算出部12から画面生成部16へ入力された根拠情報と、候補画面IDとともに候補画面情報取得部17から画面生成部16へ入力された候補画面の情報とを結合する。また、画面生成部16は、第1の監視画面として表示する監視画面20の情報を画面情報保持部15から読み出す。
【0056】
表示部14は、候補画面の表示形態を示す表示形態情報を画面生成部16へ出力する。画面生成部16は、画面生成部16へ入力された表示形態情報に示される表示形態による候補画面および根拠情報の表示を、第1の監視画面に組み合わせる。これにより、画面生成部16は、候補画面の表示と根拠情報の表示とを含む第1の監視画面を生成する。
【0057】
画面生成部16は、候補画面の表示と根拠情報の表示とを含む第1の監視画面の情報、すなわち、プレビューウィンドウ21を含む監視画面20であるプレビューウィンドウ付き監視画面の情報と、候補画面IDとを表示部14へ出力する。表示部14は、プレビューウィンドウ付き監視画面を表示する。表示部14へ入力される候補画面IDは、監視画面20に表示されたプレビューウィンドウ21において候補画面がクリックされた際に、遷移先の監視画面20にてさらに候補画面と根拠情報とを表示するために利用される。
【0058】
候補画面がクリックされた際に、表示部14は、クリックされた候補画面の候補画面IDを候補画面情報取得部17へ出力する。候補画面情報取得部17は、候補画面情報取得部17へ入力された候補画面IDを候補画面根拠算出部12へ出力する。候補画面根拠算出部12は、候補画面IDにより示される監視画面20とともに表示する候補画面を選定する。
【0059】
次に、監視制御システム1の動作について説明する。図9は、実施の形態1にかかる監視制御システム1の動作手順の例を示すフローチャートである。
【0060】
ステップS1において、データベースサーバ3は、監視対象情報と、操作履歴情報と、ユーザ特性情報とを取得する。データベースサーバ3は、監視制御システム1内の各監視制御装置2から送信される監視対象情報と操作履歴情報とユーザ特性情報とを取得する。処理サーバ4は、データベースサーバ3から監視対象情報と操作履歴情報とユーザ特性情報とを取得し、第1の監視画面から、第1の監視画面の次に表示される第2の監視画面を推論するためのモデルを生成する。処理サーバ4は、生成されたモデルを監視制御システム1内の各監視制御装置2へ送信する。
【0061】
ステップS2において、監視制御装置2の候補画面根拠算出部12は、候補画面IDと、候補画面を推薦する根拠を示す根拠情報とを算出する。候補画面根拠算出部12は、処理サーバ4によって生成されたモデルを用いて、候補画面IDと根拠情報とを算出する。候補画面を選定するとは、候補画面IDを算出することを意味するものとする。
【0062】
候補画面情報取得部17は、ステップS2において算出された候補画面IDに基づいて、候補画面の情報を画面情報保持部15から取得する。候補画面情報取得部17は、候補画面の情報を画面生成部16へ出力する。候補画面根拠算出部12は、ステップS2において算出された根拠情報を画面生成部16へ出力する。ステップS3において、画面生成部16は、候補画面の情報と根拠情報とを基に、候補画面のプレビューウィンドウ21を含む監視画面20を生成する。
【0063】
画面生成部16は、プレビューウィンドウ付き監視画面の情報を表示部14へ出力する。ステップS4において、表示部14は、候補画面のプレビューウィンドウ21を含む監視画面20を表示する。以上により、監視制御システム1は、図9に示す手順による動作を終了する。監視制御システム1は、プレビューウィンドウ21にて表示されている候補画面がクリックされると、ステップS2からステップS4の動作を繰り返す。
【0064】
図10は、実施の形態1にかかる監視制御装置2が有する候補画面情報取得部17の第1の動作手順の例を示すフローチャートである。第1の動作手順は、候補画面根拠算出部12により候補画面が選定されたときの動作手順とする。ここで説明する例では、候補画面根拠算出部12によりn個の候補画面が選定されたものとする。「n」は2以上の整数とする。また、監視制御装置2での処理においてn個の候補画面を識別するために設定される番号を「i」とする。
【0065】
ステップS11において、候補画面情報取得部17は、候補画面根拠算出部12からn個の候補画面IDを取得する。ステップS12において、候補画面情報取得部17は、「i」に1を設定する。候補画面情報取得部17は、ステップS13においてi番目の候補画面IDの候補画面の情報を画面情報保持部15から取得すると、ステップS14において「i」をインクリメントする。
【0066】
ステップS15において、候補画面情報取得部17は、i≦nを満たすか否かを判定する。i≦nを満たす場合(ステップS15,Yes)、候補画面情報取得部17は、手順をステップS13に戻す。一方、i≦nを満たさない場合(ステップS15,No)、候補画面情報取得部17は、ステップS16において、n個の候補画面の各々の情報を画面生成部16へ出力する。以上により、候補画面情報取得部17は、図10に示す手順による動作を終了する。
【0067】
図11は、実施の形態1にかかる監視制御装置2が有する候補画面情報取得部17の第2の動作手順の例を示すフローチャートである。第2の動作手順は、プレビューウィンドウ21において候補画面がクリックされたときの動作手順とする。
【0068】
ステップS21において、候補画面情報取得部17は、クリックされた候補画面の候補画面IDを取得する。ステップS22において、候補画面情報取得部17は、ステップS21にて取得された候補画面IDを候補画面根拠算出部12へ出力する。
【0069】
候補画面情報取得部17から候補画面根拠算出部12へ入力された候補画面IDは、次に表示される監視画面20の画面IDである。候補画面根拠算出部12は、候補画面情報取得部17から候補画面根拠算出部12へ入力された候補画面IDをモデルへ入力することにより、次に表示される監視画面20のプレビューウィンドウ21に表示させる候補画面の候補画面IDと根拠情報とを算出する。候補画面根拠算出部12は、算出された候補画面IDを候補画面情報取得部17へ出力する。これにより、ステップS23において、候補画面情報取得部17は、次に表示される監視画面20のプレビューウィンドウ21に表示させる候補画面の候補画面IDを取得する。
【0070】
ステップS24において、候補画面情報取得部17は、ステップS23において取得された候補画面IDに基づいて、次に表示される監視画面20のプレビューウィンドウ21に表示させる候補画面の情報を取得し、候補画面の情報を画面生成部16へ出力する。候補画面情報取得部17は、図10に示す第1の動作手順により、候補画面の情報を画面情報保持部15から取得し、候補画面の情報を画面生成部16へ出力する。以上により、候補画面情報取得部17は、図11に示す手順による動作を終了する。
【0071】
図12は、実施の形態1にかかる監視制御装置2が有する画面生成部16の動作手順の例を示すフローチャートである。ここで説明する例では、候補画面根拠算出部12によりn個の候補画面が選定されたものとする。
【0072】
ステップS31において、画面生成部16は、n個の候補画面IDと、根拠情報と、候補画面の情報と、表示形態情報とを取得する。候補画面IDは、候補画面根拠算出部12と候補画面情報取得部17との各々から画面生成部16へ入力される。根拠情報は、候補画面根拠算出部12から画面生成部16へ入力される。表示形態情報は、表示部14から画面生成部16へ入力される。また、メインの表示である監視画面20の情報を画面情報保持部15から取得する。
【0073】
ステップS32において、画面生成部16は、「i」に1を設定する。ステップS33において、画面生成部16は、i番目の候補画面IDを基に候補画面の情報と根拠情報とを結合させ、候補画面と根拠情報とを示すプレビューウィンドウ21が付された監視画面20を生成する。ステップS34において、画面生成部16は、「i」をインクリメントする。
【0074】
ステップS35において、画面生成部16は、i≦nを満たすか否かを判定する。i≦nを満たす場合(ステップS35,Yes)、画面生成部16は、手順をステップS33に戻す。一方、i≦nを満たさない場合(ステップS35,No)、画面生成部16は、ステップS36において、n個の候補画面を表示させるプレビューウィンドウ21を含む監視画面20の情報を表示部14へ出力する。以上により、画面生成部16は、図12に示す手順による動作を終了する。
【0075】
実施の形態1によると、候補画面根拠算出部12は、第1の監視画面からの切り換えによって第1の監視画面の次に表示される第2の監視画面の候補としてユーザに推薦する1つ以上の候補画面を選定し、選定された候補画面を示す情報と、候補画面をユーザに推薦する根拠を示す根拠情報とを算出する。画面生成部16は、候補画面の表示と根拠情報の表示とを含む第1の監視画面を生成し、第1の監視画面の情報を表示部14へ出力する。ユーザは、表示部14にて提示される候補画面が推薦された根拠を、明確に把握することができる。
【0076】
候補画面が推薦された根拠を明確に把握できることで、遷移先の監視画面20をユーザが検討する時間を短縮させることができ、ユーザの操作効率を向上させることができる。また、例えば、監視画面20を閲覧する際の操作に不慣れなユーザは、候補画面が推薦された根拠を把握することで、監視画面20を表示すべきタイミング等を学ぶことができる。候補画面が推薦された根拠を把握できることで、推薦された候補画面が次に表示させる監視画面20として適切であるか否かを判断することもできる。推薦された候補画面が次に表示させる監視画面20として適切でないことが根拠情報から判明した場合、適切ではない候補画面への切り換えを防ぐこともできる。
【0077】
以上により、実施の形態1にかかる監視制御システム1によると、監視画面20を切り換えて表示する際の監視画面20の候補について、監視画面20を閲覧するユーザが、候補とされた根拠を把握した上で監視画面20を選択することが可能となる、という効果を奏する。
【0078】
実施の形態2.
実施の形態2では、候補画面根拠算出部12により選定された候補画面を全表示により表示する例について説明する。図13は、実施の形態2における候補画面および根拠情報の表示について説明するための図である。
【0079】
実施の形態2において、表示部14は、現在表示されている監視画面20である第1の監視画面において、複数の候補画面の各々についての候補画面および根拠情報を一覧表示する。図13には、候補画面根拠算出部12により3つの候補画面が選定された場合における一覧表示の例を示す。
【0080】
全表示の場合において監視画面20の上に表示されるプレビューウィンドウ30は、3つの候補画面の各々についての表示領域31を有する。各表示領域31は、候補画面が表示される候補画面表示領域22と、根拠情報を示す文字列が表示される根拠情報表示領域23とを有する。なお、監視画面20におけるプレビューウィンドウ30の位置と、監視画面20に対するプレビューウィンドウ30の大きさとは、任意であるものとする。
【0081】
プレビューウィンドウ30には、候補画面の表示形態を切り換える際に押下されるボタン32が表示される。図13に示すように、全表示での表示が行われているときには、ボタン32には「単一表示」と表示されている。「単一表示」と表示されているボタン32をユーザが押下することによって、表示部14は、候補画面の表示形態を全表示から図3に示すような単一表示へ切り換える。
【0082】
プレビューウィンドウ30には、プレビューウィンドウ30を閉じる際に押下されるボタン33が表示されている。ボタン33をユーザが押下することによって、表示部14は、プレビューウィンドウ30を閉じる。プレビューウィンドウ30が閉じられた後には、監視画面20の再読み込みが行われた際に、表示部14は、プレビューウィンドウ30を再度表示する。
【0083】
次に、全表示の場合における画面生成部16の動作について説明する。図14は、実施の形態2にかかる監視制御装置2が有する画面生成部16の動作手順の例を示すフローチャートである。ここで説明する例では、候補画面根拠算出部12によりn個の候補画面が選定されたものとする。
【0084】
ステップS41において、画面生成部16は、図12に示すステップS31の場合と同様に、n個の候補画面IDと、根拠情報と、候補画面の情報と、表示形態情報とを取得する。
【0085】
ステップS42において、画面生成部16は、「i」に1を設定する。ステップS43において、画面生成部16は、(i+1)番目の候補画面IDを基に候補画面の情報と根拠情報とを結合させ、(i+1)番目の候補画面についての結合させた情報を、i番目の候補画面についての結合させた情報の後に追加する。ステップS44において、画面生成部16は、「i」をインクリメントする。
【0086】
ステップS45において、画面生成部16は、i<nを満たすか否かを判定する。i<nを満たす場合(ステップS45,Yes)、画面生成部16は、手順をステップS43に戻す。一方、i<nを満たさない場合(ステップS45,No)、画面生成部16は、ステップS46において、n個の候補画面についての結合させた情報を基に、候補画面と根拠情報との一覧を示すプレビューウィンドウ30が付された監視画面20を生成する。以上により、画面生成部16は、図14に示す手順による動作を終了する。
【0087】
ユーザは、複数の候補画面の各々についての候補画面および根拠情報を一覧表示することで、選定された候補画面と候補画面の根拠とを容易に確認することができる。なお、図13には、プレビューウィンドウ30において3つ全ての候補画面を一括して同時に表示する例を示している。表示部14は、候補画面根拠算出部12により選定された全ての候補画面を、プレビューウィンドウ30内でのスクロール、またはプレビューウィンドウ30内でのページ遷移といった操作により表示可能としても良い。
【0088】
次に、実施の形態1または2の変形例について説明する。ここでは、第1から第3の変形例について説明する。
【0089】
第1の変形例において、候補画面根拠算出部12は、第1の監視画面の次に表示される可能性の大きさを表す評価値を算出し、評価値に基づいて候補画面を選定する。また、画面生成部16は、候補画面の表示と根拠情報の表示と評価値の表示とを含む第1の監視画面を生成する。
【0090】
第1の監視画面から第1の監視画面の次に表示される第2の監視画面を推論するためのモデルは、監視画面20ごとの評価値を算出し、評価値に基づいて第2の監視画面を推論するモデルとする。候補画面根拠算出部12は、第1の監視画面の情報をモデルに入力することによって、候補画面IDと根拠情報と評価値とを算出する。
【0091】
図15は、実施の形態1または2の第1の変形例における候補画面、根拠情報、および評価値の表示例を示す図である。図15には、単一表示のプレビューウィンドウ21において候補画面、根拠情報、および評価値が表示される例を示す。ここでは、評価値は、0%から100%までの数値により表され、数値が大きいほど、次に表示される可能性が大きいことを表すものとする。
【0092】
図15に示す例では、根拠情報が表示される根拠情報表示領域23に「推奨率:80%」の文字列が追加されている。根拠情報表示領域23に表示される推奨率とは、評価値を表すものとする。すなわち、プレビューウィンドウ21にて表示されている候補画面の評価値が80%と算出されたことを表す。なお、図13に示すプレビューウィンドウ30の場合、各表示領域31の根拠情報表示領域23に、表示領域31に表示されている候補画面の評価値が表示される。第1の変形例によると、ユーザは、次に表示される可能性の大きさを評価値から把握して、候補画面を選択することができる。
【0093】
図16は、実施の形態1または2の第1の変形例における表示画面管理部13の構成例を示す図である。図16に示す構成は、図8に示す構成と同様である。図16に示す構成では、候補画面根拠算出部12から画面生成部16へ評価値の情報が出力され、画面生成部16から表示部14へ評価値の情報が出力される点が、図8に示す場合とは異なる。
【0094】
候補画面根拠算出部12は、評価値を算出し、評価値の情報を画面生成部16へ出力する。画面生成部16は、候補画面の表示と根拠情報の表示と評価値の表示とを含むプレビューウィンドウ21,30が付された監視画面20の情報を表示部14へ出力する。これにより、表示部14は、候補画面の表示と根拠情報の表示と評価値の表示とを含む第1の監視画面を表示する。第1の変形例によると、ユーザは、次に表示される可能性の大きさを評価値から把握して、候補画面を選択することができる。
【0095】
次に、第2の変形例について説明する。第2の変形例では、表示部14は、第1の監視画面においてユーザによって選択された候補画面が第2の監視画面として表示された際に、表示部14は、ユーザによって選択された候補画面が第2の監視画面として適切か否かについてのユーザによる評価を示す情報を、第2の監視画面において受け付ける。
【0096】
図17は、実施の形態1または2の第2の変形例における監視画面20の表示例を示す図である。図17に示す監視画面20は、プレビューウィンドウ21,30において候補画面がクリックされて、第1の監視画面からの切り換えによって表示された第2の監視画面の例である。
【0097】
図17に示す監視画面20には、選択欄40が表示されている。選択欄40は、現在表示されている監視画面20、すなわちユーザによって選択された候補画面が第2の監視画面として適切であるか否かについての、ユーザによる評価の入力を受け付ける。選択された候補画面が第2の監視画面として適切であると評価する場合、ユーザは、選択欄40のうち「〇」をクリックする。一方、選択された候補画面が第2の監視画面として適切ではないと評価する場合、ユーザは、選択欄40のうち「×」をクリックする。これにより、表示部14は、ユーザによる評価を示す情報を取得する。なお、監視画面20における選択欄40の位置と、監視画面20に対する選択欄40の大きさとは、任意であるものとする。ユーザによる評価を示す情報を受け付ける表示要素は、選択欄40に限られず、任意であるものとする。
【0098】
表示部14は、ユーザによる評価を示す情報を候補画面根拠算出部12へ送信する。候補画面根拠算出部12は、ユーザによる評価を示す情報が組み入れられた処理によって候補画面を選定する。すなわち、候補画面根拠算出部12は、ユーザによる評価を、候補画面を選定する処理に反映させる。
【0099】
表示部14は、適切との評価がなされた候補画面については、適切な推薦が行われたことを示す情報を候補画面の情報に紐付けて候補画面根拠算出部12へ送信する。候補画面根拠算出部12は、適切な推薦が行われたことを示す情報が紐付けられた候補画面については、適切な推薦が行われた際と同様の切り換えの際に、当該候補画面の評価値を大きくさせる。一方、表示部14は、適切ではないとの評価がなされた候補画面については、適切ではない推薦が行われたことを示す情報を候補画面の情報に紐付けて候補画面根拠算出部12へ送信する。候補画面根拠算出部12は、適切ではない推薦が行われたことを示す情報が紐付けられた候補画面については、適切ではない推薦が行われた際と同様の切り換えの際に、当該候補画面の評価値を小さくさせる。これにより、監視制御装置2は、第2の監視画面として適切な候補画面をより精度良く選定することが可能となる。
【0100】
次に、第3の変形例について説明する。第3の変形例では、表示部14は、第1の監視画面に表示された候補画面が第2の監視画面の候補として適切か否かについてのユーザによる評価を示す情報を、第1の監視画面において受け付け、かつ、第2の監視画面の候補として適切ではないと評価された候補画面について、候補画面の表示と根拠情報の表示とを第1の監視画面から削除する。
【0101】
図18は、実施の形態1または2の第3の変形例において表示されるプレビューウィンドウ21の例を示す図である。図18には、単一表示のプレビューウィンドウ21の例を示す。プレビューウィンドウ21には、選択欄41が表示されている。選択欄41は、プレビューウィンドウ21に表示されている候補画面が第2の監視画面の候補として適切であるか否かについての、ユーザによる評価の入力を受け付ける。プレビューウィンドウ21に表示されている候補画面が第2の監視画面の候補として適切であると評価する場合、ユーザは、選択欄41のうち「〇」をクリックする。一方、プレビューウィンドウ21に表示されている候補画面が第2の監視画面の候補として適切ではないと評価する場合、ユーザは、選択欄41のうち「×」をクリックする。これにより、表示部14は、ユーザによる評価を示す情報を取得する。
【0102】
表示部14は、選択欄41のうち「〇」がクリックされた場合、現在表示している候補画面の表示を維持する。一方、表示部14は、選択欄41のうち「×」がクリックされた場合、現在表示している候補画面をプレビューウィンドウ21から削除する。表示部14は、「×」がクリックされた候補画面以外の候補画面をプレビューウィンドウ21にて表示する。なお、プレビューウィンドウ21における選択欄41の位置と、プレビューウィンドウ21に対する選択欄41の大きさとは、任意であるものとする。ユーザによる評価を示す情報を受け付ける表示要素は、選択欄41に限られず、任意であるものとする。
【0103】
表示部14は、図13に示すような全表示のプレビューウィンドウ30では、図18に示す選択欄41と同様の選択欄41を各表示領域31に表示する。ユーザは、各表示領域31の選択欄41をクリックすることによって、一覧表示されている各候補画面について適切であるか否かの評価を入力する。表示部14は、選択欄41のうち「〇」がクリックされた候補画面については、プレビューウィンドウ30での表示を維持する。一方、表示部14は、選択欄41のうち「×」がクリックされた候補画面については、プレビューウィンドウ30から削除する。
【0104】
単一表示および全表示のいずれの場合も、表示部14は、適切との評価がなされた候補画面については、第2の変形例の場合と同様に、適切な推薦が行われたことを示す情報を候補画面の情報に紐付けて候補画面根拠算出部12へ送信する。表示部14は、適切ではない推薦が行われたことを示す情報が紐付けられた候補画面については、第2の変形例の場合と同様に、適切ではない推薦が行われたことを示す情報を候補画面の情報に紐付けて候補画面根拠算出部12へ送信する。候補画面根拠算出部12は、第2の変形例の場合と同様に、ユーザによる評価を示す情報が組み入れられた処理によって候補画面を選定する。これにより、監視制御装置2は、第2の監視画面として適切な候補画面をより精度良く選定することが可能となる。
【0105】
第2の変形例または第3の変形例では、モデルを生成する際の学習において、ユーザによる評価を示す情報を含めることとしても良い。例えば、ユーザによる評価を示す情報を監視制御装置2から処理サーバ4へ送信することによって、処理サーバ4は、ユーザによる評価を示す情報を取得する。処理サーバ4は、監視対象情報と操作履歴情報とユーザ特性情報とユーザによる評価を示す情報とを学習することによって、第1の監視画面から、第1の監視画面の次に表示される第2の監視画面を推論するためのモデルを生成する。候補画面根拠算出部12は、ユーザによる評価を示す情報を含めた学習によって生成されたモデルを用いて候補画面IDと根拠情報とを算出する。これにより、候補画面根拠算出部12は、ユーザによる評価を示す情報が組み入れられた処理によって候補画面を選定することができる。
【0106】
次に、実施の形態1または2にかかる監視制御装置2のハードウェア構成について説明する。図19は、実施の形態1または2にかかる監視制御装置2のハードウェア構成例を示す図である。監視制御装置2は、処理回路50と通信装置51と入力装置54と表示装置55とを備えるコンピュータシステムにより実現される。処理回路50は、プロセッサ52およびメモリ53を備える。処理回路50は、プロセッサ52がソフトウェアを実行する回路である。
【0107】
監視制御装置2の候補画面根拠算出部12および表示画面管理部13は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ53に格納される。処理回路50では、メモリ53に記憶されたプログラムである監視制御プログラムをプロセッサ52が読み出して実行することにより、候補画面根拠算出部12および表示画面管理部13の各機能を実現する。すなわち、処理回路50は、監視制御装置2の処理が結果的に実行されることになる監視制御プログラムを格納するためのメモリ53を備える。また、監視制御プログラムは、監視制御装置2の手順および方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
【0108】
プロセッサ52は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、またはDSP(Digital Signal Processor)である。メモリ53は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクまたはDVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。監視制御装置2の画面情報保持部15は、メモリ53により実現される。監視制御装置2の通信部11は、通信装置51により実現される。
【0109】
入力装置54は、ユーザにより操作され、情報が入力される装置である。入力装置54は、例えば、キーボード、マウス、キーパッド、またはタッチパネルなどを含む。表示装置55は、情報を表示する装置である。表示装置55は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイである。表示部14は、表示装置55により実現される。
【0110】
なお、監視制御装置2は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路を含んでいても良い。監視制御プログラムは、CD(Compact Disc)-ROM、DVD-ROMなどの記録媒体に格納され、各実施の形態を実現させるために記録媒体が提供されても良い。
【0111】
監視制御装置2は、2つ以上の装置で構成されても良い。監視制御装置2が2つ以上の装置で構成される場合、2つ以上の装置の各々は、例えば、図19と同様のハードウェア構成を有する。なお、2つ以上の装置間の通信は、通信装置51を介して行われる。
【0112】
以上の各実施の形態に示した構成は、本開示の内容の一例を示すものである。各実施の形態の構成は、別の公知の技術と組み合わせることが可能である。各実施の形態の構成同士が適宜組み合わせられても良い。本開示の要旨を逸脱しない範囲で、各実施の形態の構成の一部を省略または変更することが可能である。
【0113】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0114】
(付記1)
監視および制御の対象の状況を示すデータを提示する監視画面を、前記監視画面を閲覧するユーザによる操作に従って順次切り換えて表示する表示部と、
前記監視画面である第1の監視画面からの切り換えによって前記第1の監視画面の次に表示される前記監視画面である第2の監視画面の候補として前記ユーザに推薦する1つ以上の候補画面を選定し、選定された前記候補画面を示す情報と、前記候補画面を前記ユーザに推薦する根拠を示す根拠情報とを算出する候補画面根拠算出部と、
前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示とを含む前記第1の監視画面を生成し、前記第1の監視画面の情報を前記表示部へ出力する画面生成部と、を備える
ことを特徴とする監視制御システム。
(付記2)
前記候補画面根拠算出部は、前記対象と前記対象について表示された前記監視画面とを示す監視対象情報と、前記監視画面が切り換えられたときにおける切り換え前の前記監視画面と切り換え後の前記監視画面とを示す操作履歴情報と、前記ユーザの属性と前記ユーザによって閲覧された前記監視画面とを示すユーザ特性情報と、を学習させたモデルを用いて、前記第1の監視画面を示す情報から、前記候補画面を選定するとともに前記根拠情報を算出する
ことを特徴とする付記1に記載の監視制御システム。
(付記3)
前記表示部は、前記第1の監視画面において、複数の前記候補画面の各々についての前記候補画面および前記根拠情報を順次自動的に切り換えて表示する
ことを特徴とする付記1または2に記載の監視制御システム。
(付記4)
前記表示部は、前記第1の監視画面において、複数の前記候補画面の各々についての前記候補画面および前記根拠情報を一覧表示する
ことを特徴とする付記1または2に記載の監視制御システム。
(付記5)
前記候補画面根拠算出部は、前記第1の監視画面の次に表示される可能性の大きさを表す評価値を算出し、前記評価値に基づいて前記候補画面を選定し、
前記画面生成部は、前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示と前記評価値の表示とを含む前記第1の監視画面を生成する
ことを特徴とする付記1から4のいずれか1つに記載の監視制御システム。
(付記6)
前記第1の監視画面において前記ユーザによって選択された前記候補画面が前記第2の監視画面として表示された際に、前記表示部は、前記ユーザによって選択された前記候補画面が前記第2の監視画面として適切か否かについての前記ユーザによる評価を示す情報を、前記第2の監視画面において受け付ける
ことを特徴とする付記1から5のいずれか1つに記載の監視制御システム。
(付記7)
前記表示部は、前記第1の監視画面に表示された前記候補画面が前記第2の監視画面の候補として適切か否かについての前記ユーザによる評価を示す情報を、前記第1の監視画面において受け付け、かつ、前記第2の監視画面の候補として適切ではないと評価された前記候補画面について、前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示とを前記第1の監視画面から削除する
ことを特徴とする付記1から5のいずれか1つに記載の監視制御システム。
(付記8)
前記候補画面根拠算出部は、前記ユーザによる評価を示す情報が組み入れられた処理によって前記候補画面を選定する
ことを特徴とする付記6または7に記載の監視制御システム。
(付記9)
コンピュータにより、監視および制御の対象の状況を示すデータを提示する監視画面を、前記監視画面を閲覧するユーザによる操作に従って順次切り換えて表示する監視制御方法であって、
前記監視画面である第1の監視画面からの切り換えによって前記第1の監視画面の次に表示される前記監視画面である第2の監視画面の候補として、前記ユーザに推薦する1つ以上の候補画面を選定し、選定された前記候補画面を示す情報と、前記候補画面を前記ユーザに推薦する根拠を示す根拠情報とを算出するステップと、
前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示とを含む前記第1の監視画面を生成し、前記第1の監視画面の情報を出力するステップと、
前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示とを含む前記第1の監視画面を表示するステップと、を含む
ことを特徴とする監視制御方法。
(付記10)
選定された前記候補画面を示す情報と前記根拠情報とを算出する前記ステップでは、前記対象と前記対象について表示された前記監視画面とを示す監視対象情報と、前記監視画面が切り換えられたときにおける切り換え前の前記監視画面と切り換え後の前記監視画面とを示す操作履歴情報と、前記ユーザの属性と前記ユーザによって閲覧された前記監視画面とを示すユーザ特性情報と、を学習させたモデルを用いて、前記第1の監視画面を示す情報から、前記候補画面を選定するとともに前記根拠情報を算出する
ことを特徴とする付記9に記載の監視制御方法。
(付記11)
前記第1の監視画面を表示する前記ステップでは、前記第1の監視画面において、複数の前記候補画面の各々についての前記候補画面および前記根拠情報を順次自動的に切り替えて表示する
ことを特徴とする付記9または10に記載の監視制御方法。
(付記12)
前記第1の監視画面を表示する前記ステップでは、前記第1の監視画面において、複数の前記候補画面の各々についての前記候補画面および前記根拠情報を一覧表示する
ことを特徴とする付記9または10に記載の監視制御方法。
(付記13)
選定された前記候補画面を示す情報と前記根拠情報とを算出する前記ステップでは、前記第1の監視画面の次に表示される可能性の大きさを表す評価値を算出し、前記評価値に基づいて前記候補画面を選定し、
前記第1の監視画面を生成し前記第1の監視画面の情報を出力する前記ステップでは、前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示と前記評価値の表示とを含む前記第1の監視画面を生成する
ことを特徴とする付記9から12のいずれか1つに記載の監視制御方法。
(付記14)
前記第1の監視画面において前記ユーザによって選択された前記候補画面が前記第2の監視画面として表示された際に、前記ユーザによって選択された前記候補画面が前記第2の監視画面として適切か否かについての前記ユーザによる評価を示す情報を、前記第2の監視画面において受け付けるステップをさらに含む
ことを特徴とする付記9から13のいずれか1つに記載の監視制御方法。
(付記15)
前記第1の監視画面に表示された前記候補画面が前記第2の監視画面の候補として適切か否かについての前記ユーザによる評価を示す情報を、前記第1の監視画面において受け付けるステップと、
前記第2の監視画面の候補として適切ではないと評価された前記候補画面について、前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示とを前記第1の監視画面から削除するステップと、をさらに含む
ことを特徴とする付記9から13のいずれか1つに記載の監視制御方法。
(付記16)
選定された前記候補画面を示す情報と前記根拠情報とを算出する前記ステップでは、前記ユーザによる評価を示す情報が組み入れられた処理によって前記候補画面を選定する
ことを特徴とする付記14または15に記載の監視制御方法。
(付記17)
監視および制御の対象の状況を示すデータを提示する監視画面である第1の監視画面からの切り換えによって前記第1の監視画面の次に表示される前記監視画面である第2の監視画面の候補として、前記監視画面を閲覧するユーザに推薦する1つ以上の候補画面を選定し、選定された前記候補画面を示す情報と、前記候補画面を前記ユーザに推薦する根拠を示す根拠情報とを算出するステップと、
前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示とを含む前記第1の監視画面を生成し、前記第1の監視画面の情報を出力するステップと、
前記候補画面の表示と前記根拠情報の表示とを含む前記第1の監視画面を表示するステップと、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする監視制御プログラム。
【符号の説明】
【0115】
1 監視制御システム、2 監視制御装置、3 データベースサーバ、4 処理サーバ、11 通信部、12 候補画面根拠算出部、13 表示画面管理部、14 表示部、15 画面情報保持部、16 画面生成部、17 候補画面情報取得部、20 監視画面、21,30 プレビューウィンドウ、22 候補画面表示領域、23 根拠情報表示領域、24,25,32,33 ボタン、31 表示領域、40,41 選択欄、50 処理回路、51 通信装置、52 プロセッサ、53 メモリ、54 入力装置、55 表示装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図16
図17
図18
図19