(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165935
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/537 20140101AFI20241121BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20241121BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20241121BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20241121BHJP
【FI】
A63F13/537
A63F13/58
A63F13/69
A63F13/55
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082536
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】松本 健児
(72)【発明者】
【氏名】井上 精太
(72)【発明者】
【氏名】山本 百華
(57)【要約】
【課題】ゲームで利用するパラメータについて、現在どのようなパラメータが利用されているのかを、ゲームプレイの進行中に、視覚的に容易に確認可能な情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理システムを提供すること。
【解決手段】複数種類の第1パラメータのうち、少なくとも1種類の第1パラメータを、ゲームにおいて利用される利用パラメータとして決定し、利用パラメータのうち、第1条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第1描画設定として特定し、利用パラメータのうち、第2条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第2描画設定として特定し、上記ゲームにおいて、仮想空間における第1の所定範囲を第1描画設定と第2描画設定とに基づいて描画する。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを実行可能な情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、
複数種類のパラメータのうち、少なくとも1種類のパラメータを、前記ゲームにおいて利用される利用パラメータとして決定する利用パラメータ決定手段、
前記利用パラメータのうち、第1条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第1描画設定として特定する第1描画設定特定手段、
前記利用パラメータのうち、第2条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第2描画設定として特定する第2描画設定特定手段、
前記ゲームにおいて、仮想空間における第1の所定範囲を、前記第1描画設定と前記第2描画設定とに基づいて描画する描画手段、
として前記コンピュータを機能させる、情報処理プログラム。
【請求項2】
前記第1描画設定特定手段は、前記第1条件を満たす前記利用パラメータの種類に対応するテクスチャを特定することで、前記第1描画設定を特定し、
前記第2描画設定特定手段は、前記第2条件を満たす前記利用パラメータの種類に対応するテクスチャを特定することで、前記第2描画設定を特定する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記第1描画設定特定手段は、前記第2条件を満たす前記利用パラメータの種類に対応するテクスチャを、当該第1条件に対応付けられる第1テクスチャ群から特定することで、前記第1描画設定を特定し、
前記第2描画設定特定手段は、前記第2条件を満たす前記利用パラメータの種類に対応するテクスチャを、当該第2条件に対応付けられる第2テクスチャ群から特定することで、前記第2描画設定を特定する、請求項2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記第1描画設定特定手段は、前記利用パラメータとして決定されたパラメータの数が最も高い利用パラメータを、前記第1条件を満たすものとして扱い、
前記第2描画設定特定手段は、前記利用パラメータとして決定されたパラメータの数が2番目に高い利用パラメータを、前記第2条件を満たすものとして扱う、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記利用パラメータ決定手段は、前記利用パラメータをユーザの操作に基づいて決定する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記利用パラメータ決定手段は、前記ゲームにおいて利用される仮想アイテムに基づいて、当該仮想アイテムに対応する前記パラメータを前記利用パラメータとして決定する、請求項5に記載の情報処理プログラム
【請求項7】
前記ゲームの進行に応じて、前記仮想アイテムのうち少なくとも1つを前記ユーザに対して付与する仮想アイテム付与手段、として前記コンピュータを更に機能させる、請求項6に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記描画手段は、ユーザの操作に基づいて設定される前記第1の所定範囲を、前記第1描画設定と前記第2描画設定とに基づいて描画する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記描画手段は、前記ユーザの操作に関わらず設定される第2の所定範囲を、前記第1描画設定および前記第2描画設定とは異なる第3描画設定に基づいて描画する、請求項8に記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記ゲームは、前記ユーザに対応するキャラクタオブジェクトを前記仮想空間内で制御可能なゲームであり、
前記キャラクタオブジェクトが少なくとも前記第1の所定範囲内にいる場合、当該キャラクタオブジェクトの状態を変更する状態変更手段として前記コンピュータを更に機能させる、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記ユーザの色覚補助の使用に関する設定を当該ユーザの操作に基づき設定する色覚補助設定手段として前記コンピュータを更に機能させ、
前記描画手段は、前記ユーザの色覚補助を使用する設定が有効である場合、前記第1描画設定および前記第2描画設定に関わらず、前記第1の所定範囲を第4描画設定に基づいて描画する、請求項1に記載の情報処理プログラム
【請求項12】
複数種類のパラメータのうち、少なくとも1種類のパラメータを、前記ゲームにおいて利用される利用パラメータとして決定する利用パラメータ決定手段、
前記利用パラメータのうち、第1条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第1描画設定として特定する第1描画設定特定手段、
前記利用パラメータのうち、第2条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第2描画設定として特定する第2描画設定特定手段、
前記ゲームにおいて、仮想空間における第1の所定範囲を、前記第1描画設定と前記第2描画設定とに基づいて描画する描画手段、
とを備える、情報処理システム。
【請求項13】
情報処理装置のコンピュータに実行させる情報処理方法であって、
前記コンピュータに、
複数種類のパラメータのうち、少なくとも1種類のパラメータを、前記ゲームにおいて利用される利用パラメータとして決定させ、
前記利用パラメータのうち、第1条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第1描画設定として特定させ、
前記利用パラメータのうち、第2条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第2描画設定として特定させ、
前記ゲームにおいて、仮想空間における第1の所定範囲を、前記第1描画設定と前記第2描画設定とに基づいて描画させる、情報処理方法。
【請求項14】
複数種類のパラメータのうち、少なくとも1種類のパラメータを、前記ゲームにおいて利用される利用パラメータとして決定する利用パラメータ決定手段、
前記利用パラメータのうち、第1条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第1描画設定として特定する第1描画設定特定手段、
前記利用パラメータのうち、第2条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第2描画設定として特定する第2描画設定特定手段、
前記ゲームにおいて、仮想空間における第1の所定範囲を、前記第1描画設定と前記第2描画設定とに基づいて描画する描画手段、
とを備える、情報処理装置。
【請求項15】
ゲームを実行可能な情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、
少なくとも3種類のパラメータのうち、少なくとも1種類のパラメータを、前記ゲームにおいて利用される利用パラメータとして決定する利用パラメータ決定手段、
前記利用パラメータのうち、第1条件を満たす利用パラメータがある場合、当該利用パラメータの種類に対応するテクスチャを第1テクスチャとして特定する第1テクスチャ特定手段、
前記利用パラメータのうち、第2条件を満たす利用パラメータがある場合、当該利用パラメータの種類に対応するテクスチャを第2テクスチャとして特定する第2テクスチャ特定手段、
前記ゲームにおいて、仮想空間における所定範囲を、前記第1テクスチャおよび前記第2テクスチャを用いて描画する描画手段、
として前記コンピュータを機能させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム処理における描画処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲームで利用するパラメータを変更して遊ぶゲームが知られている(例えば、特許文献1)。当該パラメータとして、例えば、プレイヤキャラクタに装備させる装備アイテム等がある。この場合、装備アイテムを変更することで、プレイヤキャラクタの性能を変更させることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームにおいては、複数種類のパラメータ(装備アイテム等)の中から、複数のパラメータを選んで利用することも可能であった。
【0005】
しかし、ゲームによっては、上記ゲームに利用するパラメータとして選択したパラメータがどのパラメータであるのかを、ゲームプレイ中の画面から瞬時に確認・判断することが難しい場合があった。例えば、上記のような装備アイテムそのものが非常に小さいサイズのものである等で、ゲームのプレイ画面において視認できないようなものである場合を想定する。この場合、例えば、ユーザは、プレイヤキャラクタの移動操作等を一旦止めて、ステータス画面等の装備確認用の画面を別途表示しなければ、装備しているアイテム等を確認できない場合があった。
【0006】
それ故に、本開示の目的は、ゲームで利用するパラメータについて、現在どのようなパラメータが利用されているのかを、ゲームプレイの進行中に視覚的に容易に確認可能な情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0008】
(構成1)
構成1は、ゲームを実行可能な情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムである。当該プログラムは、コンピュータを、複数種類のパラメータのうち、少なくとも1種類のパラメータを、ゲームにおいて利用される利用パラメータとして決定する利用パラメータ決定手段、利用パラメータのうち、第1条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第1描画設定として特定する第1描画設定特定手段、利用パラメータのうち、第2条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第2描画設定として特定する第2描画設定特定手段、上記ゲームにおいて、仮想空間における第1の所定範囲を、第1描画設定と第2描画設定とに基づいて描画する描画手段、として機能させる。
【0009】
上記構成例によれば、複数パラメータの中から現在利用されているパラメータについて、所定条件を満たすパラメータの種類に対応する第1描画設定と第2描画設定とを特定して、これらを用いた描画処理を行う。これにより、どのようなパラメータを現在利用しているのかについて、ユーザが視覚的に容易に把握できる。
【0010】
(構成2)
構成2は、上記構成1において、第1描画設定特定手段は、第1条件を満たす利用パラメータの種類に対応するテクスチャを特定することで、第1描画設定を特定し、第2描画設定特定手段は、第2条件を満たす利用パラメータの種類に対応するテクスチャを特定することで、第2描画設定を特定してもよい。
【0011】
上記構成例によれば、パラメータの種類に応じたテクスチャを特定し、2つのテクスチャを合成して描画する。これにより、テクスチャ画像という視覚的にわかりやすい要素を用いて、利用中のパラメータをユーザに把握させることができる。
【0012】
(構成3)
構成3は、上記構成2において、第1描画設定特定手段は、第2条件を満たす利用パラメータの種類に対応するテクスチャを、当該第1条件に対応付けられる第1テクスチャ群から特定することで、第1描画設定を特定してもよい。また、第2描画設定特定手段は、第2条件を満たす前記利用パラメータの種類に対応するテクスチャを、当該第2条件に対応付けられる第2テクスチャ群から特定することで、第2描画設定を特定してもよい。
【0013】
上記構成例によれば、第1描画設定と第2描画設定とでテクスチャグループを分けるため、開発段階におけるテクスチャ画像の管理が容易になり、開発負荷を軽減できる。
【0014】
(構成4)
構成4は、上記構成1~3のいずれかにおいて、第1描画設定特定手段は、上記利用パラメータとして決定されたパラメータの数が最も高い利用パラメータを、第1条件を満たすものとして扱い、第2描画設定特定手段は、利用パラメータとして決定されたパラメータの数が2番目に高い利用パラメータを、第2条件を満たすものとして扱ってもよい。
【0015】
上記構成例によれば、例えば、複数の第1パラメータを利用パラメータとして用いている場合、その利用数の大小に基づいて、描画設定を特定する。これにより、利用度の高い第1パラメータに応じた描画が行われる。そのため、ユーザは、どの第1パラメータを数多く利用しているのか、容易に把握することが可能となる。
【0016】
(構成5)
構成5は、上記構成1~4のいずれかにおいて、利用パラメータ決定手段は、利用パラメータをユーザ操作に基づいて決定してもよい。
【0017】
上記構成例によれば、利用パラメータはユーザによって決定される。そのため、ユーザ自身が選択した利用パラメータがどのような内容であるのかを、ユーザに視覚的に把握させやすくなる。
【0018】
(構成6)
構成6は、上記構成5において、利用パラメータ決定手段は、ゲームにおいて利用される仮想アイテムに基づいて、当該仮想アイテムに対応するパラメータを利用パラメータとして決定してもよい。
【0019】
上記構成例によれば、例えば装備アイテム等の仮想アイテムという形で、利用パラメータをユーザに選択させることができる。これにより、利用パラメータをユーザに選択させる際に、ユーザにわかりやすい概念を用いて利用パラメータを選択させることができ、ユーザの利便性を向上できる。
【0020】
(構成7)
構成7は、上記構成6において、情報処理プログラムは、ゲームの進行に応じて、仮想アイテムのうち少なくとも1つをユーザに対して付与する仮想アイテム付与手段として前記コンピュータを更に機能させてもよい。
【0021】
上記構成例によれば、ゲーム進行に応じて仮想アイテムの所有数を増やすことが可能となる。そして、ユーザが所有する複数の仮想アイテムのうち、どれを利用パラメータとして用いているのかを視覚的にわかりやすくユーザに伝えることができる。
【0022】
(構成8)
構成8は、上記構成1において、描画手段は、ユーザの操作に基づいて設定される第1の所定範囲を、第1描画設定と第2描画設定とに基づいて描画してもよい。
【0023】
(構成9)
構成9は、上記構成8において、描画手段は、ユーザの操作に関わらず設定される第2の所定範囲を、第1描画設定および第2描画設定とは異なる第3描画設定に基づいて描画してもよい。
【0024】
上記構成例によれば、ユーザによって決定された第1の所定範囲と、ユーザ操作に関わらず設定された第2の所定範囲との描画内容を異ならせることができ、ユーザが両者を区別しやすいようにすることができる。
【0025】
(構成10)
構成10は、上記構成1において、上記ゲームは、ユーザに対応するキャラクタオブジェクトを仮想空間内で制御可能なゲームであってもよい。そして、キャラクタオブジェクトが少なくとも第1の所定範囲内にいる場合、当該キャラクタオブジェクトの状態を変更させてもよい。
【0026】
上記構成例によれば、例えば第1の所定範囲内ではユーザに有利な効果を発生するようキャラクタオブジェクトの状態を変更でき、ゲームの興趣性を向上できる。
【0027】
(構成11)
構成11は、上記構成1~10のいずれかにおいて、ユーザの色覚補助の使用に関する設定を当該ユーザの操作に基づき設定する色覚補助設定手段としてコンピュータを更に機能させてもよい。そして、ユーザの色覚補助を使用する設定が有効である場合、第1描画設定および第2描画設定に関わらず、第1の所定範囲を第4描画設定に基づいて描画してもよい。
【0028】
上記構成例によれば、色覚補助機能を利用する場合は、予め用意された描画設定を用いて描画できる。
【発明の効果】
【0029】
本実施形態によれば、どのようなパラメータを現在利用しているのかを、ゲームプレイの進行中に容易に視認させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】ゲーム装置2のハードウェア構成を示すブロック図
【
図11】ゲーム装置2の記憶部22に記憶されるデータの一例
【
図12】装備チップ対応テーブル510のデータ構成の一例
【
図13】本実施形態にかかるゲーム処理の詳細を示すフローチャート
【
図14】ステージ準備処理の詳細を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、一実施形態について説明する。
【0032】
[情報処理装置のハードウェア構成]
まず、本実施形態にかかる情報処理を実行するための情報処理装置について説明する。当該情報処理装置は、例えばスマートフォン、据置型または携帯型のゲーム装置、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末等である。また、本実施形態にかかる情報処理は、上記のようなゲーム装置等と、所定のサーバとから構成されるゲームシステムにも適用可能である。本実施形態では、据置型ゲーム装置(以下、単にゲーム装置と呼ぶ)を情報処理装置の一例として説明する。
【0033】
図1は、本実施形態に係るゲーム装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。ゲーム装置2は、プロセッサ21を備える。プロセッサ21は、ゲーム装置2において実行される各種の情報処理を実行する情報処理部であって、例えば、CPU(Central Processing Unit)のみから構成されてもよいし、CPU機能、GPU(Graphics Processing Unit)機能等の複数の機能を含むSoC(System-on-a-chip)から構成されてもよい。プロセッサ21は、記憶部22に記憶される情報処理プログラム(例えば、ゲームプログラム)を実行することによって、各種の情報処理を実行する。なお、記憶部22は、例えば、フラッシュメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の内部記憶媒体であってもよいし、図示しないスロットに装着される外部記憶媒体等を利用する構成でもよい。
【0034】
また、ゲーム装置2は、ゲーム装置2が他のゲーム装置2や所定のサーバ装置と無線通信を行うための無線通信部23を備える。当該無線通信としては、例えば、インターネット通信や近距離無線通信が用いられる。
【0035】
また、ゲーム装置2は、ゲーム装置2がコントローラ4と有線または無線通信を行うためのコントローラ通信部24を備える。
【0036】
また、ゲーム装置2には、画像音声出力部25を介して表示部5(例えば、テレビ等)が接続される。プロセッサ21は、(例えば、上記の情報処理の実行によって)生成した画像や音声を、画像音声出力部25を介して表示部5に出力する。
【0037】
次に、コントローラ4について説明する。図示は省略するが、本実施形態のコントローラ4は、縦長の形状のハウジングを有しており、縦長となる向きで把持されることが可能である。当該ハウジングは、縦長となる向きで把持される場合に片手で把持可能な形状および大きさをしている。
【0038】
コントローラ4は、方向入力デバイスの一例であるアナログスティック42を少なくとも1つ備える。当該アナログスティック42は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。ユーザは、アナログスティック42を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(および、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。また、コントローラ4は、各種操作ボタンを含むボタン部43を備える。例えば、コントローラ4は、上記ハウジングの主面上に複数個の操作ボタンを備えていてもよい。
【0039】
また、コントローラ4は、慣性センサー44を備える。具体的には、コントローラ4は、慣性センサー44として、加速度センサー、角速度センサーを備えている。本実施形態においては、加速度センサーは、所定の3軸方向に沿った加速度の大きさを検出する。また、角速度センサーは、所定の3軸回りの角速度を検出する。
【0040】
また、コントローラ4は、上記コントローラ通信部24と有線または無線通信を行うための通信部41も備える。上記アナログスティック42に対する方向入力内容、ボタン部43の押下状態を示す情報、および、慣性センサー44による各種の検出結果は、適宜のタイミングで繰り返し通信部41へ出力され、ゲーム装置2に送信される。
【0041】
[本実施形態で想定するゲームについて]
次に、本実施形態で実行される処理について説明する。まず、本実施形態で想定するゲームの概要を説明する。本実施形態で想定するゲームは、ユーザが上記コントローラ4を操作して仮想空間内のキャラクタを制御して行うゲームである。
図2に、本実施形態に係るゲーム画面の一例を示す。
図2では、3人称視点で3次元の仮想空間が描画されたゲーム画面が示されている。ユーザは、当該仮想空間内でプレイヤキャラクタを操作して、仮想空間内の所定範囲をインクで塗ることができる。具体的には、ユーザはプレイヤキャラクタを操作することで描画イベントを発生させて、仮想空間の地面等を塗ることができる。本実施形態では、「インク銃によるインク弾の発射」が当該描画イベントであるとする。当該インク弾の発射により、プレイヤキャラクタの位置を起点としてそこからプレイヤキャラクタが向いている方向にインク弾を発射したときのインク弾の着弾位置を含む所定範囲に、所定の色のインクが塗られる。
図3に、所定範囲が所定の色のインクで塗られた画面の一例を示す。
図3では、プレイヤキャラクタの前方の地面の一部が所定の色のインクで塗られた様子を示している。以下、プレイヤキャラクタが発射したインク弾によって塗られた当該所定の色のことを「プレイヤカラー」と呼ぶ。また、プレイヤカラーとして用いる色に関しては、後述する。また、以下では、当該インクが塗られた領域のことを「塗り領域」と呼ぶ。
【0042】
ここで、上記塗り領域の効能について簡単に説明する。プレイヤキャラクタが上記塗り領域内に位置している場合は、プレイヤキャラクタは有利な効果を受けることができる。例えば、当該塗り領域内では、プレイヤキャラクタの移動速度が速くなる。また、例えば壁面にインクが塗られている場合は、塗り領域内を移動することで、壁面を登るようなことも可能である。なお、当該有利な効果を受けるための条件として、プレイヤキャラクタの状態を変更させることを条件としてもよい。例えば、当該塗り領域内にプレイヤキャラクタがいるときに、所定の操作を行うことでプレイヤキャラクタを「変身」させることができるようにしてもよい。当該変身によって、プレイヤキャラクタの画像を、異なる外観のキャラクタの画像に変更してもよい。そして、変身している間だけ、塗り領域内における有利な効果を受けることができるようにしてもよい。
【0043】
また、仮想空間内には、プレイヤキャラクタの他、図示は省略するが敵キャラクタも存在している。敵キャラクタも、仮想空間内を移動し、プレイヤキャラクタと同様に、地面等を敵キャラクタに対応した所定の色(以下、エネミーカラーと呼ぶ)で塗ることができる。エネミーカラーで塗られた塗り領域では、プレイヤキャラクタにとって不利な効果が発生し得る。例えば、プレイヤキャラクタの移動速度が低下したり、ダメージを受けたりする。
【0044】
本ゲームは、上記のような仮想空間で、インクで所定範囲を塗ったり、敵キャラクタを倒したりしながら、ステージクリアを目指すゲームである。また、ステージをクリアした際、クリア報酬として、ユーザは、後述する「装備チップ」と呼ばれるアイテムを得ることができる。
【0045】
[インクによる塗りの表現について]
次に、本実施形態で上記のようなインクによる塗りを表現するための描画処理の概要を説明する。まず、仮想空間内に構築されるステージは、大きく分けて、ステージポリゴンメッシュ(以下、ステージメッシュと呼ぶ)、コリジョンメッシュ(以下、コリジョンと呼ぶ)で構成されている。ステージメッシュは、ステージの地形(地面、壁、天井)を構成するポリゴンメッシュである。ステージメッシュは、最終的には後述のテクスチャが貼られて描画される。コリジョンは、上記キャラクタやインク弾等の接触判定に用いられる要素である。本実施形態では、コリジョンの形状は、ステージメッシュと同じ形状であるとする。また、上記ステージメッシュおよびコリジョンは、全く同じ位置に重ねて配置されるとする。また、コリジョンとステージメッシュの座標の対応関係についても、両者が全く同じ位置に重ねて配置されている場合を想定した対応関係が予め定義されているとする。例えば、ステージメッシュにおける座標Aとコリジョンにおける座標Aとが同じ座標値になるような対応関係が定義されているとする。なお、当該コリジョンは、配置はされるが描画はされない要素である。
【0046】
また、ステージメッシュの描画に用いられるテクスチャとして、ステージテクスチャと塗りテクスチャいう要素がある。ステージテクスチャは、ステージの地形の表面を描画するためのテクスチャである。当該ステージメッシュの各頂点とステージテクスチャのUV座標との対応関係については予め定義されている。また、塗りテクスチャは、上記インク弾によってインクで塗られた塗り領域を表現するためのテクスチャである。上記ステージメッシュおよびコリジョンの各頂点と塗りテクスチャのUV座標との対応関係については、予め定義されている。当該塗りテクスチャは、初期値としては透明なテクスチャである。いわば、初期状態では、ステージメッシュ全体が透明な塗りテクスチャに覆われているような関係となる。そして、後述の処理で、当該塗りテクスチャの一部の色情報が上記プレイヤカラーで更新される。当該塗りテクスチャの一部は、上記塗り領域に対応する領域である。そして、上記ステージテクスチャよりも塗りテクスチャが優先されるようにしてステージメッシュが描画されることで、地面等がインクで塗られた様子が表現される。いわば、ステージテクスチャに塗りテクスチャを被せたような態様でステージメッシュが描画される。
【0047】
[装備チップについて]
次に、上記装備チップに関して説明する。装備チップとは、プレイヤキャラクタに装備させるための仮想アイテムである。より正確には、装備チップは上記インク銃に装着可能なアイテムであるが、ここでは、インク銃もプレイヤキャラクタの一部とみなし、プレイヤキャラクタの装備品の一種であるとして説明する。上記のように、装備チップは、ステージのクリア報酬としてユーザに付与される。その他、ステージ内に配置されている「宝箱」等から装備チップを入手することも可能である。
【0048】
装備チップには複数の種類がある。本実施形態では、装備チップが6種類ある場合を例に説明する。また、プレイヤキャラクタには、装備チップ用の装備枠が10枠設けられている場合を例として説明する。また、以下の説明では、6種類の装備チップの個々の種類について表記する場合、A~Fのアルファベットを用いて、「装備チップA」~「装備チップF」という表記を用いる。
【0049】
装備チップをプレイヤキャラクタに装備させると、プレイヤキャラクタの性能を向上できる。本実施形態では、向上する性能は6種類に分類されており、それぞれ、上記装備チップの6種類のいずれかの種類と対応付けられている。本実施形態では、当該向上する性能の分類の一例として、以下の6つの分類を例に説明する。すなわち、「近距離攻撃性能」、「遠距離攻撃性能」、「移動性能」、「防御性能」、「運性能」、「回復性能」の6つであるとする。また、性能と装備チップとの対応関係については、上記の記載順で、装備チップAから装備チップFに対応付けられているとする。なお、本実施形態では、各装備チップにおける性能の向上値は同じ値であるとする。他の実施形態では、各装備チップにおける性能の向上値が異なっていてもよい。
【0050】
また、上記装備チップは、同じ種類の装備チップを複数個装備することも可能である。そのため、装備個数が多いほど、対応する性能をより大きく向上できる。例えば、装備チップA(近距離攻撃性能)を4つ、装備チップB(遠距離攻撃性能)を3つ、装備チップF(回復性能)を1つ、のように装備できる。この場合は、近距離攻撃性能、遠距離攻撃性能、回復性能のそれぞれが向上するが、中でも、近距離攻撃性能の向上度が一番大きいことになる。そのため、10の装備枠の中で、どの種類の装備チップをどのくらい装備させるかによって、プレイヤキャラクタの性能、換言すれば、戦闘能力面での個性を変化させることが可能である。例えば、近距離攻撃重視型や回復重視型等、プレイヤキャラクタの個性を、装備チップの組み合わせによって変えることができる。
【0051】
ここで、上記装備チップをプレイヤキャラクタに装備させるタイミングについて補足する。本実施形態では、上記ステージプレイの開始前に、装備選択用の画面が表示される。ユーザは、当該画面において所定の操作を行うことで、ユーザが所持している装備チップの中から所定の装備チップをプレイヤキャラクタに装備させることができる。装備チップの装備が終わり、装備選択用の画面を終了させることで、上記ステージに係るプレイが開始される。なお、本実施形態では、ステージのプレイ中においては、装備チップは変更できないものとする。
【0052】
ところで、本実施形態における装備チップは、上記のようにインク銃に装着させるものを想定している。この点について、上記
図2で示したようなゲームプレイ中の画面(以下、通常のプレイ画面と呼ぶこともある)において、現在どの装備チップをどのくらい装備しているのかが、視覚的に把握しにくいという側面がある。例えば、インク銃のサイズが小さいため、視認しにくい場合がある。また、例えば、装備チップがインク銃の内部に装着されるものである場合は、外部からは視認できない。このような場合、例えば、現在の装備内容の詳細が確認できるステータス画面を表示させることで、現在装備中の装備チップを確認することが考えられる。ただ、ステージのプレイ中に、このようなステータス画面を表示する場合、例えばプレイヤキャラクタの移動や攻撃等の行動を一旦止めて、ステータス画面を表示する操作を行うことが考えられる。この場合、プレイヤキャラクタの行動を一時的に止めてしまうような状況にもなり得るが、ユーザによってはこのような状況を避けたいと考える場合がある。例えば、アクションゲーム等において、リアルタイムで敵キャラクタと戦っているような状況下では、プレイヤキャラクタの行動を止めると「隙き」を作ってしまうことになるため、ステータス画面を表示する余裕がないという局面もあり得る。そこで、本実施形態では、このような点に関してユーザの利便性をより向上するために、通常のプレイ画面においても、現在装備中の装備チップがどのような内容であるのかを、視覚的にある程度把握しやすいようにする。
【0053】
[装備チップとプレイヤカラーについて]
上記のように、通常のプレイ画面においても、現在装備中の装備チップ内容をユーザに視覚的に把握しやすくすべく、本実施形態では、上記塗り領域に塗られるプレイヤカラーを、装備チップの装備状態に応じて異ならせる。具体的には、まず、装備中の装備チップのうち、装備個数が最も多い装備チップ(以下、「装備数第1位の装備チップ」と呼ぶ)の種類と、2番目に装備個数が多い装備チップ(以下、「装備数第2位の装備チップ」と呼ぶ)の種類が判別される。次に、装備数第1位の装備チップの種類に基づいて「プライマリカラー」が決定される。更に、装備数第2位の装備チップの種類に基づいて「セカンダリカラー」が決定される。そして、上記プレイヤカラーを、当該プライマリカラーおよびセカンダリカラーに基づいた内容に設定して、上記塗り領域が描画される。
【0054】
上記プライマリカラーおよびセカンダリカラーに関してより具体的に説明する。本実施形態では、プライマリカラーに対応するテクスチャデータ(以下、プライマリテクスチャと呼ぶ)と、セカンダリカラーに対応するテクスチャデータ(以下、セカンダリテクスチャと呼ぶ)がそれぞれ予め用意されている。
図4に、プライマリテクスチャの一例を示し、
図5に、セカンダリテクスチャの一例を示す。本実施形態では、装備チップが6種類である例で説明しているため、プライマリテクスチャおよびセカンダリテクスチャも、各種類に対応付けられた6つのテクスチャが用意されている。
図4および
図5では、このうちの3つだけを示している。それぞれ、左から順に、装備チップA~装備チップCに対応するプライマリテクスチャの/セカンダリテクスチャの例である。
【0055】
プライマリテクスチャは、プレイヤカラーのベースとなる色として用いられる。そのため、プライマリテクスチャは、所定の単色で構成される画像データとなっている。一方、セカンダリテクスチャは、塗り領域において「模様」として認識できるような内容である。本実施形態では、セカンダリテクスチャは、線で構成された模様を示すテクスチャであり、例えば背景を白(または透明色)、線を黒とした2値画像である。
【0056】
上記塗り領域には、上記プライマリテクスチャとセカンダリテクスチャを合成した内容が描画される。
図6~
図8に、塗り領域に描画されるプレイヤカラーの一例を示す。
図6は、装備数第1位の装備チップが「装備チップA」で、装備数第2位の装備チップが「装備チップB」の場合の例である。この場合は、装備チップAに対応したプライマリテクスチャがベース色として用いられ、これに装備チップBに対応するセカンダリテクスチャが合成された画像がプレイヤカラーとして描画されている。
【0057】
また、
図7は、装備数第1位の装備チップが「装備チップB」で、装備数第2位の装備チップが「装備チップA」の場合の例である。この場合は、装備チップBに対応したプライマリテクスチャに、装備チップAに対応するセカンダリテクスチャが合成された画像が描画されている。
【0058】
また、装備中の装備チップが1種類だけの場合、例えば、装備チップAを10個装備していた場合は、塗り領域は、
図8のように描画され得る。1種類の装備チップしか装備していない場合、プライマリテクスチャ、セカンダリテクスチャ共に、この1種類のチップに対応したものが用いられる。
図8の例では、共に、装備チップAに対応するプライマリテクスチャ、セカンダリテクスチャが合成された画像が描画されている。
【0059】
上記のように、装備チップの装備状況に応じて、塗り領域に塗られるプレイヤカラーの内容が変化する。
図9および
図10に、本実施形態に係る処理を反映したゲーム画面の一例を示す。これらの図で示されるように、同じ場面で同じ箇所にインク弾を撃った場合でも、そのときの装備チップの装備状況が異なれば、塗り領域として描画される色および模様も異なることになる。そのため、ユーザは、塗り領域の画像を視認することで、ある程度、現在の装備チップの装備状況を把握することができる。つまり、ユーザは、上記装備用の画面を表示する操作等の特段の操作を行わずとも、通常のプレイ画面において通常のゲームの進行上で行う操作(本例ではインク弾の発射操作)を行っているだけで、現在の装備状況をある程度把握できる。いわば、プレイヤキャラクタの移動やインク弾発射等の操作に係る手を止めることなく、現在、どの種類の装備チップを多く使っているのかを視覚的に把握しやすくなる。そのため、ユーザは、装備確認のためにプレイヤキャラクタの行動を一時的に止めることなくプレイが継続でき、ユーザの利便性の向上に繋がる。
【0060】
なお、プレイヤカラーは装備内容に応じて変化し得るが、上記エネミーカラーについては、本実施形態では、固定の色が用いられるものとする。例えば、エネミーカラーとして、黒色が用いられる。そして、当該黒色は、プレイヤカラーとして用いられないものとする。プレイヤキャラクタによる塗り領域と敵キャラクタによる塗り領域とを区別しやすくするためである。
【0061】
[本実施形態のゲーム処理の詳細]
次に、
図11~
図16を参照して、本実施形態における処理についてより詳細に説明する。
【0062】
[使用データについて]
まず、本実施形態で用いられる各種データに関して説明する。
図11は、ゲーム装置2の記憶部22に記憶される各種データの一例を示すメモリマップである。ゲーム装置2の記憶部22には、ゲームプログラム501、ステージデータ502、装備チップマスタ507、プライマリテクスチャ群データ508、セカンダリテクスチャ群データ509、装備チップ対応テーブル510、プレイヤキャラクタデータ511、オブジェクトデータ512、所有アイテムデータ513、操作データ514等が記憶される。
【0063】
ゲームプログラム501は、本実施形態に係るゲーム処理を実行するためのプログラムである。具体的には、後述する
図13のフローチャートで示す処理を実行するためのプログラムである。
【0064】
ステージデータ502は、上記ステージの構成を定義したデータである。ステージデータ502には、ステージメッシュデータ503、コリジョンデータ504、ステージテクスチャデータ505、塗りテクスチャデータ506が少なくとも含まれている。なお、
図11では、ステージデータ502が1つだけの場合を示しているが、複数のステージがあれば、それぞれに対応するステージデータ502が記憶されてもよい。
【0065】
ステージメッシュデータ503は、上記ステージメッシュに関するデータである。ステージメッシュデータ503には、ステージを構成するポリゴンメッシュの情報や、仮想空間内における配置位置や向きを定義した情報等が含まれる。また、ポリゴンメッシュの情報には、ステージの形状を表す頂点情報や、各頂点に割り当てるステージテクスチャのUV座標を指定する情報が含まれている。
【0066】
コリジョンデータ504は、上記のようなコリジョンの形状と、上記仮想空間内における配置位置や向きを定義したデータである。本実施形態では、上記のようにステージメッシュと同じ位置に配置されるものとする。
【0067】
ステージテクスチャデータ505は、上記のようなステージメッシュの表面に貼り付けるテクスチャのデータである。
【0068】
塗りテクスチャデータ506は、上述した塗りテクスチャに対応するデータである。本実施形態では、初期値として透明なテクスチャが設定されている。また、上記コリジョンの表面の座標と、塗りテクスチャにおけるUV座標との対応関係については予め定義済みであるとする。
【0069】
装備チップマスタ507は、上記装備チップの内容を定義したデータである。各種類のチップについて、向上する能力値等を定義したデータである。
【0070】
プライマリテクスチャ群データ508は、上述したプライマリテクスチャのデータである。本例では6種類のプライマリテクスチャを用いるため、プライマリテクスチャ群データ508には、6つのプライマリテクスチャ画像データが含まれている。また、各画像データには、各画像を特定するための識別子として、後述するプライマリテクスチャ識別子552が割り振られている。
【0071】
セカンダリテクスチャ群データ509は、上述したセカンダリテクスチャのデータである。プライマリテクスチャと同様に、6つのセカンダリテクスチャ画像データがセカンダリテクスチャ群データ509に含まれている。また、各画像データには、後述するセカンダリテクスチャ識別子553が割り振られている。
【0072】
装備チップ対応テーブル510は、上記装備チップの種類と、プライマリテクスチャと、セカンダリテクスチャとの対応関係を定義したテーブル形式のデータである。
図12に、装備チップ対応テーブル510のデータ構成の一例を示す。
図12に示すように、装備チップ対応テーブル510は、装備チップ種類551、プライマリテクスチャ識別子552、セカンダリテクスチャ識別子553を有する。装備チップ種類551は、上記6種類の装備チップのいずれかを示す。プライマリテクスチャ識別子552、および、セカンダリテクスチャ識別子553は、装備チップ種類551で特定される装備チップの種類に対応づけられたプライマリテクスチャ画像データおよびセカンダリテクスチャ画像データを特定するための識別子である。
【0073】
図11に戻り、次に、プレイヤキャラクタデータ511は、プレイヤキャラクタに関するデータである。プレイヤキャラクタデータ511には、プレイヤキャラクタの外観を示す情報(例えば、3Dモデル情報等)、現在装備している装備チップを示す装備品情報、動作制御のための情報(例えば、位置、向き、移動速度、アニメーションデータ等)、等が含まれている。
【0074】
オブジェクトデータ512は、上記プレイヤキャラクタ以外の各種オブジェクトに関するデータである。例えば、敵キャラクタや、障害物等のその他の各種オブジェクトについて定義したデータである。オブジェクトデータ512には、オブジェクト毎について、その外観を示すデータや、動作制御に用いる各種パラメータ等が含まれている。
【0075】
所有アイテムデータ513は、上記装備チップを含む、ユーザが所有しているゲーム内アイテムを示すデータである。
【0076】
操作データ514は、プレイヤがコントローラ4に対して行った操作内容を示すデータである。所定の時間間隔でコントローラ4からプロセッサ21に送信されるデータであり、各種ボタンの押下状態を示す情報やアナログスティックに対する入力内容を示す情報等が含まれている。
【0077】
その他、図示は省略するが、ゲーム処理に必要な各種データも記憶部22に適宜記憶される。
【0078】
次に、本実施形態におけるゲーム処理の詳細を説明する。以下の説明では主に、上記インク弾の射撃による塗りの描画に関する処理について説明し、その他の各種ゲーム処理については、詳細な説明は省略する。また、本実施形態では、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された上記プログラムを読み込んで実行することにより、以下に示すフローチャートが実現される。なお、当該フローチャートは、処理過程の単なる一例にすぎない。そのため、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。また、変数の値や、判定ステップで利用される閾値も、単なる一例であり、必要に応じて他の値を採用してもよい。
【0079】
[プロセッサ21が実行する処理の詳細]
図13は、本実施形態に係るゲーム処理を示すフローチャートである。当該処理は、例えばユーザが所定のステージのプレイ開始操作を行ったことに応じて開始される。
【0080】
[使用装備の選択]
図13において、まず、ステップS1で、プロセッサ21は、ステージのプレイ開始に先立って、使用する装備をユーザに選択させるための処理を実行する。具体的には、プロセッサ21は、上述したような装備変更用の画面を表示する。次に、プロセッサ21は、ユーザの操作に基づいて、プレイヤキャラクタに所定の装備チップを装備させる処理を行う。更に、プロセッサ21は、指定された装備内容について、プレイヤキャラクタデータ511における装備品情報として反映する。そして、プロセッサ21は、装備変更画面の終了操作に応じて、次の処理に進む。
【0081】
[ステージの準備処理]
次に、ステップS2で、プロセッサ21は、ステージ準備処理を実行する。
図14は、当該ステージ準備処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS11で、プロセッサ21は、ステージデータ502を、例えばゲームカートリッジ等から記憶部22に読み込む。次に、ステップS12で、プロセッサ21は、読み込んだステージデータ502に基づき、上記ステージメッシュおよびコリジョンを仮想空間内に配置して、プレイの対象となるステージを構築する。
【0082】
次に、ステップS13で、プレイヤキャラクタおよび敵キャラクタ等各種キャラクタオブジェクトを所定の位置に配置する。
【0083】
次に、ステップS14で、プロセッサ21は、プレイヤキャラクタデータ511の装備品情報に基づき、プレイヤキャラクタに装備されている装備チップの種類および装備個数を判別する。
【0084】
次に、ステップS15で、プロセッサ21は、上記装備チップ対応テーブル510を参照し、上記装備チップの種類および装備個数に基づいて、プライマリテクスチャおよびセカンダリテクスチャを決定する。具体的には、まず、プロセッサ21は、上記装備数第1位の装備チップ種類551と、装備数第2位の装備チップ種類551を特定する。次に、プロセッサ21は、装備数第1位の装備チップ種類551に対応付けられているプライマリテクスチャ識別子552および装備数第2位の装備チップ種類551に対応付けられているセカンダリテクスチャ識別子553を特定する。そして、プロセッサ21は、当該特定したプライマリテクスチャ識別子552に基づき、プライマリテクスチャとして用いるテクスチャ画像をプライマリテクスチャ群データ508から特定する。同様に、プロセッサ21は、当該特定したセカンダリテクスチャ識別子553に基づき、セカンダリテクスチャとして用いるテクスチャ画像をセカンダリテクスチャ群データ509から特定する。なお、装備数第1位の装備チップの種類が複数ある場合は、プレイヤキャラクタに装備させた順に基づいて、プライマリテクスチャおよびセカンダリテクスチャを決定する。具体的には、装備した順番が最も先の装備チップの種類を装備数第1位の装備チップの種類として扱い、その次の順番で装備した装備チップの種類を装備数第2位の装備チップの種類として扱う。
【0085】
次に、ステップS16で、プロセッサ21は、上記構築された仮想空間を仮想カメラで撮像した画像に基づいて生成したゲーム画像を、表示部5に表示する。なお、上記のように塗りテクスチャは初期状態では透明なテクスチャであるため、この時点では、ステージメッシュについては、実質的にステージテクスチャのみが用いられているような描画が行われることになる。その後、プロセッサ21は、ステージ準備処理を終了する。これにより、ステージプレイが開始されることになる。
【0086】
図13に戻り、次に、ステップS3で、プロセッサ21は、操作データ514を取得する。続くステップS4で、プロセッサ21は、各種のキャラクタオブジェクトの動作制御を行う。具体的には、まず、プロセッサ21は、操作データ514に基づき、プレイヤキャラクタの動作制御(移動やインク弾の射撃動作等)を行う。また、インク弾の射撃操作が行われた場合は、インク弾を出現させる処理も実行する。また、プロセッサ21は、敵キャラクタの動作制御や、発射されたインク弾の移動制御等の処理も適宜実行する。
【0087】
次に、ステップS5で、プロセッサ21は、プレイヤキャラクタが発射したインク弾が上記コリジョンに衝突したか否かを判定する、つまり、プロセッサ21は、着弾の発生を検出する処理を行う。当該判定の結果、着弾が発生していない場合は(ステップS5でNO)、後述のステップS7に処理が進められる。
【0088】
[塗りの処理]
一方、着弾が発生した場合は(ステップS5でYES)、ステップS6で、プロセッサ21は、塗り処理を実行する。
図15は、当該塗り処理の詳細を示すフローチャートである。
図15において、まず、ステップS21で、プロセッサ21は、コリジョン上における着弾座標を特定する。
【0089】
次に、ステップS22で、プロセッサ21は、コリジョン上において、上記塗り領域に相当する領域を決定する。例えば、液体が拡がったような形状パターンを予め何パターンか用意しておき、プロセッサ21は、この中からランダムで一つを選択する。そして、上記着弾位置が中心に来るように当該形状パターンを配置することで、プロセッサ21は、当該塗り領域に相当する領域を決定する。
【0090】
次に、ステップS23で、プロセッサ21は、上記コリジョン上における領域に対応する塗りテクスチャ上の領域(UV座標範囲)を、塗り領域として特定する。
【0091】
次に、ステップS24で、プロセッサ21は、上記プライマリテクスチャおよびセカンダリテクスチャからそれぞれ色情報を取得する。続いて、プロセッサ21は、当該取得した色情報を合成してプレイヤカラーとして決定する。そして、プロセッサ21は、上記塗りテクスチャ上における塗り領域の色情報を当該プレイヤカラーで更新する。すなわち、プライマリテクスチャとセカンダリテクスチャとを合成して、塗り領域に貼り付けるような描画設定が行われる。
【0092】
その後、プロセッサ21は、塗り処理を終了する。
【0093】
[その他の各種処理]
図13に戻り、次に、ステップS7で、その他のゲーム処理を実行する。具体的には、プロセッサ21は、敵キャラクタが発射したインク弾について、着弾判定と上記のような塗り処理を適宜実行する。これにより、上記塗りテクスチャの一部がエネミーカラーで塗られるような結果となる。また、その他、例えば、ステージ内に配置されている宝箱オブジェクトを開封する操作が行われた場合は、プロセッサ21は、所定の装備チップをユーザに付与するための処理を実行する。
【0094】
[描画処理]
次に、ステップS8で、プロセッサ21は、描画処理を実行する。
図16は、当該描画処理の詳細を示すフローチャートである。
図16において、まず、ステップS31で、プロセッサ81は、ステージメッシュを構成する全てのポリゴンについて描画したか否かを判定する。まだ全て描画していない場合は(ステップS31でNO)、ステップS32で、プロセッサ81は、まだ描画していないポリゴンから、次に描画対象とする描画対象ポリゴンを選択する。
【0095】
次に、ステップS33で、プロセッサ21は、現在の描画対象ポリゴンについて、そのポリゴンに対応する画素(ピクセル)の全てを描画したか否かを判定する。当該判定の結果、描画対象ポリゴンに係る全ての画素を描画していれば(ステップS33でYES)、上記ステップS31に戻り、処理が繰り返される。一方、全ての画素をまだ描画していない場合は(ステップS33でNO)、ステップS34で、プロセッサ21は、未描画の画素から、次の描画対象とする描画対象画素を選択する。
【0096】
次に、ステップS35で、プロセッサ21は、上記描画対象画素に対応するステージテクスチャ内のUV座標の色情報を取得する。具体的には、プロセッサ21は、まず、ステージメッシュの頂点情報に対応するステージテクスチャのUV座標を特定する。そして、プロセッサ21は、当該UV座標にかかる色情報を取得する。
【0097】
次に、ステップS36で、プロセッサ21は、上記描画対象画素に対応する塗りテクスチャ内のUV座標の色情報を取得する。そして、プロセッサ21は、特定したUV座標の色情報を取得する。上記のように、塗りテクスチャの色情報(プレイヤカラー)は、上記装備チップの装備状況に応じた色が設定されている。
【0098】
次に、ステップS37で、プロセッサ21は、上記ステージテクスチャおよび塗りテクスチャのそれぞれから取得したUV座標の色をブレンドすることで、描画対象画素の描画色を決定する。この際、ステージテクスチャの色よりも塗りテクスチャの色のほうが優先して描画されるようにブレンドが行われる。いわば、ステージテクスチャに塗りテクスチャをかぶせるようにして描画色が決定される。本実施形態では、ブレンド率でいうと、ステージテクスチャの色が0%の割合で、塗りテクスチャの色が100%の割合で描画されるようなブレンドが行われるものとする。この後、各種のライティング処理等が行われて、ステージメッシュに係るピクセルの最終的な描画色が決定される。そして、プロセッサ21は、当該描画色を用いて描画対象画素を描画する。その後、上記ステップS33に戻り、処理が繰り返される。
【0099】
一方、上記ステップS31の判定の結果、ステージメッシュを構成する全てのポリゴンについて描画が終わっていれば(ステップS31でYES)、ステップS38で、プロセッサ21は、プレイヤキャラクタ等の各種オブジェクトを描画する。
【0100】
次に、ステップS39で、プロセッサ21は、上記のような描画によって生成された仮想空間の画像に、必要に応じてUI部分の画像等を合成して最終的なゲーム画像を生成し、映像信号として出力する。その後、プロセッサ21は、描画処理を終了する。
【0101】
[ゲーム終了判定]
図13に戻り、次に、ステップS9で、プロセッサ21は、現在プレイ中のステージのプレイを終了する条件が満たされたか否かを判定する。満たされていない場合は(ステップS9でNO)、上記ステップS3に戻り、処理が繰り返される。満たされた場合は(ステップS9でYES)、プロセッサ21は、当該ゲーム処理を終了する。この際、ステージクリア報酬として、所定の装備チップをユーザに付与する処理も適宜実行される。すなわち、プロセッサ21は、所有アイテムデータ513を更新する処理も適宜実行する。
【0102】
以上で、本実施形態のゲーム処理の詳細説明を終了する。
【0103】
上記のように、本実施形態では、装備チップの装備状況に応じた描画設定を、プレイヤキャラクタの所定の行動の結果(本例ではインク射撃による塗り領域の描画)について視覚的に反映している。これにより、ゲームプレイの進行中に、別途の装備確認画面等を表示することなく、どのような装備を現在利用しているのかをユーザが容易に把握できる。
【0104】
[変形例]
なお、上記実施形態では、プレイヤキャラクタに装備させる上記装備チップをユーザが手動で選択するという例を挙げた。他の実施形態では、このような手動での選択に加えて、自動で選択するように構成してもよい。例えば、ステージ毎に、「推奨される装備チップ」が予め定義されていてもよい。そして、このような装備チップをユーザが所有していれば、ステージプレイの開始前に、自動的にプレイヤキャラクタに装備させてもよい。そして、上述したような描画処理を行うことで、手動選択の場合であれば、ユーザ自身が選んだ装備チップが何であったのかをプレイ中に容易に確認できる。また、自動選択の場合であれば、どのような装備チップが自動的に選ばれたのかをユーザが容易に把握できる。
【0105】
また、上記実施形態では、プレイヤキャラクタに装備させる「アイテム」として「装備チップ」という例を挙げた。他の実施形態では、このような「アイテム類」に限らず、例えば、プレイヤキャラクタが使用する「スキル」や「魔法」等を複数の中から選択させてもよい。そして、選択したスキル等を使用したときのエフェクト画像等について、上記選択内容に応じて、上述したようなプライマリテクスチャとセカンダリテクスチャを決定し、これらを用いてエフェクト画像等を描画してもよい。
【0106】
また、上記実施形態では、プライマリテクスチャは、プライマリテクスチャ群データ508から選び、セカンダリテクスチャはセカンダリテクスチャ群データ509から選ぶという例を挙げた。つまり、「ベース色用のテクスチャグループ」と、「模様用のテクスチャグループ」というような、選択する母体となるテクスチャのグループがそれぞれ異なっている例を挙げた。他の実施形態では、1つのテクスチャグループの中から、プライマリテクスチャおよびセカンダリテクスチャを選択する構成としてもよい。例えば、上記のような、「ベースとなる色」と「模様」というものではなく、単色のテクスチャ画像が複数含まれている単一のテクスチャグループから、異なる色のテクスチャ画像をプライマリテクスチャおよびセカンダリテクスチャとして選択してもよい。そして、選択されたプライマリテクスチャに係る「色」と、セカンダリテクスチャに係る「色」とを合成した色を上記プレイヤカラーとして設定してもよい。
【0107】
また、上記実施形態では、プライマリテクスチャとセカンダリテクスチャの2つのテクスチャを特定し、これらを組み合わせて上記プレイヤカラーを決定する例を挙げた。他の実施形態では、1つのテクスチャだけを用いるような構成でもよい。例えば、1つのテクスチャについて、異なる2つの描画設定によって描画内容を調整して用いてもよい。そして、この描画設定の内容(組み合わせ)を、上記装備チップの装備状況に応じて変更してもよい。描画設定の例としては、第1の描画設定として「色」を設定し、第2の描画設定として「輝度」を設定してもよい。一例として、赤色の単色テクスチャ画像を用いる場合を想定する。すなわち、第1の描画設定として「赤色」のテクスチャ画像が特定された場合を想定する。この場合でも、装備チップの装備状況によって第2の描画設定が変わり、異なる輝度で「赤色」が描画され得る。その結果、「明るい赤」「暗い赤」のように、視覚的に異なる色として認識されるような描画処理が行われてもよい。また、描画設定に関しては、上記輝度の他、例えば「高さ」の情報(いわゆるハイトマップ)等を用いてもよい。これにより、インクが塗られた箇所に高低差をつけることでインクの粘性等を表現しつつ、装備状況に応じて、この高低差を異ならせるようにしてもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、エネミーカラーに関しては、黒色に固定する場合を例としてあげた。この点、他の実施形態では、プレイヤカラーの内容に応じて、エネミーカラーの内容を決定してもよい。すなわち、プレイヤカラーとの見分けがつきやすい色となるようにエネミーカラーを動的に変更してもよい。例えば、プライマリテクスチャとセカンダリテクスチャの組み合わせ内容に応じた所定の色をエネミーカラーとして予め定義しておいてもよい。そして、プライマリテクスチャとセカンダリテクスチャが決定される度に、すなわち、装備内容が変更される毎に、その組み合わせに応じてエネミーカラーを選択してもよい。
【0109】
また、他の実施形態では、ゲーム処理に色覚補助機能を実装してもよい。例えば、所定の設定画面で、「色覚補助」のオンオフが設定できるようにしてもよい。そして、色覚補助機能がオンに設定されている場合は、上述した装備チップの装備状況にかかわらず、色覚補助用に予め定義されている所定の色(描画設定)に基づいて上記プレイヤカラーを決定してもよい。
【0110】
また、上記実施形態では、「プライマリテクスチャ」、「セカンダリテクスチャ」の決定に関して、装備チップの装備個数に基づいて判断する例を示した。他の実施形態では、装備個数ではなく、装備チップによって向上したパラメータのトータルの向上値や、向上率の高さに基づいて、「プライマリテクスチャ」、「セカンダリテクスチャ」を決定してもよい。この場合でも、ユーザは、現在の装備内容について、視覚的に、ある程度容易に把握できる。
【0111】
また、上記「プライマリテクスチャ」、「セカンダリテクスチャ」の決定に関して、上記の例では、装備個数の大小に基づいて判断する例を挙げていた。そして、装備している装備チップの種類が1種類だけの場合には、「プライマリテクスチャ」、「セカンダリテクスチャ」の双方とも、当該装備チップの種類に対応したテクスチャを用いる例を挙げた。この点、他の実施形態では、次のように処理してもよい。すなわち、所定のテクスチャ画像を「デフォルトカラー」として予め定義しておく。そして、プレイヤキャラクタには、当該デフォルトカラーに対応する装備チップを「1つだけ」、常に装備している状態としてもよい。また、当該デフォルトカラーに対応する制御チップは、ユーザからは見えず、また、装備の取り外しもできないものとする。いわば、ユーザは関与できない内部的な装備チップという扱いである。そして、例えば装備チップの種類が1種類だけの場合は、セカンダリテクスチャとして、当該デフォルトカラーに係るテクスチャ画像を用いてもよい。より具体的には、装備チップを1種類だけ装備している場合であって、2つ以上の装備チップを装備していれば、「1つだけ」しか装備していないデフォルトカラーの装備チップは、必然的に「装備数第2位の装備チップ」になる。また、装備チップを1つだけ装備している場合は、双方とも「装備数第1位の装備チップ」となるが、この場合は、デフォルトカラーの装備チップを「装備数第2位の装備チップ」として扱うようにすればよい。また、装備チップを1つも装備していない場合は、当該デフォルトカラーのテクスチャ画像を「プライマリテクスチャ」および「セカンダリテクスチャ」として用いればよい。
【0112】
また、上記「プライマリテクスチャ」、「セカンダリテクスチャ」の決定に関して、上記の例では、第1の条件(装備個数が最も多い)を満たすと、第2の条件(2番目に装備個数が多い)は満たさないような関係を例示していた。換言すれば、「プライマリテクスチャ」および「セカンダリテクスチャ」の決定に用いる判断条件として、排他的な関係になるような条件を例示していた。この点、当該判断条件は、このような排他的な関係となる条件に限るものではない。他の実施形態では、第1の条件を満たしつつ、第2の条件も満たすこともあり得るような条件を用いてもよい。この場合、例えば、装備チップAと装備チップBが双方とも第1の条件と第2の条件を満たすような状況では、プライマリテクスチャとセカンダリテクスチャに係る装備チップの種類が重複しないように、ランダムで選択するようにしてもよい。つまり、プライマリテクスチャとセカンダリテクスチャが異なる種類の装備チップに対応したものとなるように決定してもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、地面や壁等の地形をインクで塗るという例を説明したが、他の実施形態では、上記のような塗りを行う対象は地形に限らず、仮想空間内の所定範囲であればどのような範囲を対象としてもよい。例えば移動する所定のオブジェクト(の表面)を対象としてもよい。
【0114】
また、上記実施形態においては、一連のゲーム処理を単一のゲーム装置2で実行される場合を説明した。他の実施形態においては、上記一連の処理が複数の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて実行されてもよい。例えば、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの一部の処理がサーバ側装置によって実行されてもよい。更には、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの主要な処理がサーバ側装置によって実行され、当該端末側装置では一部の処理が実行されてもよい。また、上記情報処理システムにおいて、サーバ側のシステムは、複数の情報処理装置によって構成され、サーバ側で実行するべき処理を複数の情報処理装置が分担して実行してもよい。また、いわゆるクラウドゲーミングの構成としてもよい。例えば、ゲーム装置2は、ユーザの操作を示す操作データを所定のサーバに送り、当該サーバにおいて各種ゲーム処理が実行され、その実行結果が動画・音声としてゲーム装置2にストリーミング配信されるような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0115】
2 ゲーム装置
4 コントローラ
5 表示部
21 プロセッサ
22 記憶部
23 無線通信部
24 コントローラ通信部
25 画像音声出力部
【手続補正書】
【提出日】2024-06-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
【
図1】ゲーム装置2のハードウェア構成を示すブロック図
【
図11】ゲーム装置2の記憶部22に記憶されるデータの一例
【
図12】装備チップ対応テーブル510のデータ構成の一例
【
図13】本実施形態にかかるゲーム処理の詳細を示すフローチャート
【
図14】ステージ準備処理の詳細を示すフローチャート
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0094】
[描画処理]
次に、ステップS8で、プロセッサ21は、描画処理を実行する。
図16は、当該描画処理の詳細を示すフローチャートである。
図16において、まず、ステップS31で、プロセッサ
21は、ステージメッシュを構成する全てのポリゴンについて描画したか否かを判定する。まだ全て描画していない場合は(ステップS31でNO)、ステップS32で、プロセッサ
21は、まだ描画していないポリゴンから、次に描画対象とする描画対象ポリゴンを選択する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0111】
また、上記「プライマリテクスチャ」、「セカンダリテクスチャ」の決定に関して、上記の例では、装備個数の大小に基づいて判断する例を挙げていた。そして、装備している装備チップの種類が1種類だけの場合には、「プライマリテクスチャ」、「セカンダリテクスチャ」の双方とも、当該装備チップの種類に対応したテクスチャを用いる例を挙げた。この点、他の実施形態では、次のように処理してもよい。すなわち、所定のテクスチャ画像を「デフォルトカラー」として予め定義しておく。そして、プレイヤキャラクタには、当該デフォルトカラーに対応する装備チップを「1つだけ」、常に装備している状態としてもよい。また、当該デフォルトカラーに対応する装備チップは、ユーザからは見えず、また、装備の取り外しもできないものとする。いわば、ユーザは関与できない内部的な装備チップという扱いである。そして、例えば装備チップの種類が1種類だけの場合は、セカンダリテクスチャとして、当該デフォルトカラーに係るテクスチャ画像を用いてもよい。より具体的には、装備チップを1種類だけ装備している場合であって、2つ以上の装備チップを装備していれば、「1つだけ」しか装備していないデフォルトカラーの装備チップは、必然的に「装備数第2位の装備チップ」になる。また、装備チップを1つだけ装備している場合は、双方とも「装備数第1位の装備チップ」となるが、この場合は、デフォルトカラーの装備チップを「装備数第2位の装備チップ」として扱うようにすればよい。また、装備チップを1つも装備していない場合は、当該デフォルトカラーのテクスチャ画像を「プライマリテクスチャ」および「セカンダリテクスチャ」として用いればよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを実行可能な情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、
複数種類のパラメータのうち、少なくとも1種類のパラメータを、前記ゲームにおいて利用される利用パラメータとして決定する利用パラメータ決定手段、
前記利用パラメータのうち、第1条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第1描画設定として特定する第1描画設定特定手段、
前記利用パラメータのうち、第2条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第2描画設定として特定する第2描画設定特定手段、
前記ゲームにおいて、仮想空間における第1の所定範囲を、前記第1描画設定と前記第2描画設定とに基づいて描画する描画手段、
として前記コンピュータを機能させる、情報処理プログラム。
【請求項2】
前記第1描画設定特定手段は、前記第1条件を満たす前記利用パラメータの種類に対応するテクスチャを特定することで、前記第1描画設定を特定し、
前記第2描画設定特定手段は、前記第2条件を満たす前記利用パラメータの種類に対応するテクスチャを特定することで、前記第2描画設定を特定する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記第1描画設定特定手段は、前記第1条件を満たす前記利用パラメータの種類に対応するテクスチャを、当該第1条件に対応付けられる第1テクスチャ群から特定することで、前記第1描画設定を特定し、
前記第2描画設定特定手段は、前記第2条件を満たす前記利用パラメータの種類に対応するテクスチャを、当該第2条件に対応付けられる第2テクスチャ群から特定することで、前記第2描画設定を特定する、請求項2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記第1描画設定特定手段は、前記利用パラメータとして決定されたパラメータの数が最も高い利用パラメータを、前記第1条件を満たすものとして扱い、
前記第2描画設定特定手段は、前記利用パラメータとして決定されたパラメータの数が2番目に高い利用パラメータを、前記第2条件を満たすものとして扱う、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記利用パラメータ決定手段は、前記利用パラメータをユーザの操作に基づいて決定する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記利用パラメータ決定手段は、前記ゲームにおいて利用される仮想アイテムに基づいて、当該仮想アイテムに対応する前記パラメータを前記利用パラメータとして決定する、請求項5に記載の情報処理プログラム
【請求項7】
前記ゲームの進行に応じて、前記仮想アイテムのうち少なくとも1つを前記ユーザに対して付与する仮想アイテム付与手段、として前記コンピュータを更に機能させる、請求項6に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記描画手段は、ユーザの操作に基づいて設定される前記第1の所定範囲を、前記第1描画設定と前記第2描画設定とに基づいて描画する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記描画手段は、前記ユーザの操作に関わらず設定される第2の所定範囲を、前記第1描画設定および前記第2描画設定とは異なる第3描画設定に基づいて描画する、請求項8に記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記ゲームは、ユーザに対応するキャラクタオブジェクトを前記仮想空間内で制御可能なゲームであり、
前記キャラクタオブジェクトが少なくとも前記第1の所定範囲内にいる場合、当該キャラクタオブジェクトの状態を変更する状態変更手段として前記コンピュータを更に機能させる、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
ユーザの色覚補助の使用に関する設定を当該ユーザの操作に基づき設定する色覚補助設定手段として前記コンピュータを更に機能させ、
前記描画手段は、前記ユーザの色覚補助の使用に関する設定が有効である場合、前記第1描画設定および前記第2描画設定に関わらず、前記第1の所定範囲を第4描画設定に基づいて描画する、請求項1に記載の情報処理プログラム
【請求項12】
複数種類のパラメータのうち、少なくとも1種類のパラメータを、ゲームにおいて利用される利用パラメータとして決定する利用パラメータ決定手段、
前記利用パラメータのうち、第1条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第1描画設定として特定する第1描画設定特定手段、
前記利用パラメータのうち、第2条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第2描画設定として特定する第2描画設定特定手段、
前記ゲームにおいて、仮想空間における第1の所定範囲を、前記第1描画設定と前記第2描画設定とに基づいて描画する描画手段、
とを備える、情報処理システム。
【請求項13】
情報処理装置のコンピュータに実行させる情報処理方法であって、
前記コンピュータに、
複数種類のパラメータのうち、少なくとも1種類のパラメータを、ゲームにおいて利用される利用パラメータとして決定させ、
前記利用パラメータのうち、第1条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第1描画設定として特定させ、
前記利用パラメータのうち、第2条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第2描画設定として特定させ、
前記ゲームにおいて、仮想空間における第1の所定範囲を、前記第1描画設定と前記第2描画設定とに基づいて描画させる、情報処理方法。
【請求項14】
複数種類のパラメータのうち、少なくとも1種類のパラメータを、ゲームにおいて利用される利用パラメータとして決定する利用パラメータ決定手段、
前記利用パラメータのうち、第1条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第1描画設定として特定する第1描画設定特定手段、
前記利用パラメータのうち、第2条件を満たす利用パラメータの種類に対応する描画設定を第2描画設定として特定する第2描画設定特定手段、
前記ゲームにおいて、仮想空間における第1の所定範囲を、前記第1描画設定と前記第2描画設定とに基づいて描画する描画手段、
とを備える、情報処理装置。
【請求項15】
ゲームを実行可能な情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、
少なくとも3種類のパラメータのうち、少なくとも1種類のパラメータを、前記ゲームにおいて利用される利用パラメータとして決定する利用パラメータ決定手段、
前記利用パラメータのうち、第1条件を満たす利用パラメータがある場合、当該利用パラメータの種類に対応するテクスチャを第1テクスチャとして特定する第1テクスチャ特定手段、
前記利用パラメータのうち、第2条件を満たす利用パラメータがある場合、当該利用パラメータの種類に対応するテクスチャを第2テクスチャとして特定する第2テクスチャ特定手段、
前記ゲームにおいて、仮想空間における所定範囲を、前記第1テクスチャおよび前記第2テクスチャを用いて描画する描画手段、
として前記コンピュータを機能させる、情報処理プログラム。