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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165950
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】チャイルドシート用カバー
(51)【国際特許分類】
   B62J 1/16 20060101AFI20241121BHJP
   B62J 1/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B62J1/16 Z
B62J1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082570
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000112978
【氏名又は名称】ブリヂストンサイクル株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503356451
【氏名又は名称】株式会社大久保製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】杉本 浩一朗
(72)【発明者】
【氏名】萩藤 紘行
(57)【要約】
【課題】自転車のチャイルドシート用カバーについて、開口部を覆う開閉可能なカバー部のユーザによる開閉に関する操作性を向上させることが可能な技術を提供する。
【解決手段】本開示の一実施形態に係るチャイルドシート用カバー1は、自転車100のチャイルドシート200への乗員の乗車用の開口部OPと、開口部OPを覆うと共に、開口部OPを開閉可能な前カバー部20と、チャイルドシート200の上を覆う上カバー部30と、前カバー部20に設けられる連結部27と、上カバー部30に設けられ、開口部OPの閉状態で連結部27と連結可能な連結部33と、を備え、上カバー部30は、連結部27及び連結部33の非連結状態において、連結状態の場合より前カバー部20に対して上方に位置する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車のチャイルドシートに対する乗員の乗降用の開口部と、
前記開口部を覆うと共に、前記開口部を開閉可能な第1のカバー部と、
前記チャイルドシートの上を覆う第2のカバー部と、
前記第1のカバー部に設けられる第1の連結部と、
前記第2のカバー部に設けられ、前記開口部の閉状態で前記第1の連結部と連結可能な第2の連結部と、を備え、
前記第2のカバー部は、前記第1の連結部及び前記第2の連結部の非連結状態において、連結状態の場合より前記第1のカバー部に対して上方に位置する、
チャイルドシート用カバー。
【請求項2】
前記第2のカバー部は、前記第1の連結部及び前記第2の連結部の連結状態が解除されると、前記第1のカバー部に対して上方に移動する、
請求項1に記載のチャイルドシート用カバー。
【請求項3】
前記第1の連結部及び前記第2の連結部の連結状態において、前記第2のカバー部を前記第1のカバー部から上に離れる方向に付勢する付勢部材を備える、
請求項2に記載のチャイルドシート用カバー。
【請求項4】
前記第1のカバー部と水平方向で対向する位置で前記チャイルドシートを覆う第3のカバー部を備え、
前記第2のカバー部は、前記第3のカバー部に固定され、
前記付勢部材は、前記第3のカバー部に内蔵される弾性変形が可能な芯材を含む、
請求項3に記載のチャイルドシート用カバー。
【請求項5】
前記付勢部材は、前記第2のカバー部に内蔵される弾性変形が可能な芯材を含む、
請求項3又は4に記載のチャイルドシート用カバー。
【請求項6】
前記第2のカバー部は、前記第1の連結部及び前記第2の連結部の非連結状態において、連結状態の場合より前記第1のカバー部に対して上方に位置することにより、前記第1のカバー部の開閉動作の軌跡と重ならない、
請求項1乃至4の何れか一項に記載のチャイルドシート用カバー。
【請求項7】
前記第1の連結部は、前記第1のカバー部の上端部の表面で横向きに開口を有するフック形状を有し、
前記第2の連結部は、前記第2のカバー部から延びるベルト部材と、前記ベルト部材の先端に設けられ、前記ベルト部材の厚みよりも大きく且つフック形状の折り返しの前後の対向する部位同士の間隔よりも大きい厚みを有する抜け止め部とを有し、
前記第1の連結部のフック形状の開口から前記ベルト部材が上下に通過するように挿入されることにより、前記抜け止め部が前記フック形状に対する抜け止めとして機能し、前記第1の連結部及び前記第2の連結部が連結される、
請求項1乃至4の何れか一項に記載のチャイルドシート用カバー。
【請求項8】
前記抜け止め部は、前記ベルト部材の先端部が折り返され、折り返しの重なる部分が固着さられることにより形成される部位である、
請求項7に記載のチャイルドシート用カバー。
【請求項9】
前記第1のカバー部は、固定軸を中心に回転による開閉可能であり、
前記フック形状の開口は、前記固定軸に近づく向きに開放されている、
請求項7に記載のチャイルドシート用カバー。
【請求項10】
前記第2のカバー部の下端部は、前記第1の連結部及び前記第2の連結部の連結状態において、前記第1のカバー部の上端部に外側から被さるように配置される、
請求項1乃至4の何れか一項に記載のチャイルドシート用カバー。
【請求項11】
前記開口部と水平方向で隣接する第4のカバー部を備え、
前記第4のカバー部における前記開口部と隣接する外縁部の上端部は、前記第2のカバー部に固定されると共に、上に向かって前記開口部の左右方向の幅が広がるように傾斜している、
請求項10に記載のチャイルドシート用カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チャイルドシート用カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自転車のチャイルドシート用カバーについて、チャイルドシートへの乗車用の開口部を覆うカバー部がその一端部の軸を中心にして開口部を開閉可能に動作する構造が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-122706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、開口部を開閉可能なカバー部は、開口部の閉状態において、チャイルドシートの上方を覆うカバー部と当接している。そのため、例えば、開口部の開閉時に開閉動作を行うカバー部が上方のカバー部に引っ掛かる場合があり、その結果、ユーザによる開口部の開閉操作の操作性を悪化させる可能性がある。
【0005】
そこで、上記課題に鑑み、自転車のチャイルドシート用カバーについて、開口部を覆う開閉可能なカバー部のユーザによる開閉に関する操作性を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示の一実施形態では、
自転車のチャイルドシートに対する乗員の乗降用の開口部と、
前記開口部を覆うと共に、前記開口部を開閉可能な第1のカバー部と、
前記チャイルドシートの上を覆う第2のカバー部と、
前記第1のカバー部に設けられる第1の連結部と、
前記第2のカバー部に設けられ、前記開口部の閉状態で前記第1の連結部と連結可能な第2の連結部と、を備え、
前記第2のカバー部は、前記第1の連結部及び前記第2の連結部の非連結状態において、連結状態の場合より前記第1のカバー部に対して上方に位置する、
チャイルドシート用カバーが提供される。
【発明の効果】
【0007】
上述の実施形態によれば、自転車のチャイルドシート用カバーについて、開口部を覆う開閉可能なカバー部のユーザによる開閉に関する操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】開口部の閉状態におけるチャイルドシート用カバーの一例を示す前方斜視図である。
図2】開口部の閉状態におけるチャイルドシート用カバーの一例を示す左側面図である。
図3】開口部の閉状態におけるチャイルドシート用カバーの一例を示す後方斜視図である。
図4】開口部の開状態におけるチャイルドシート用カバーの一例を示す前方斜視図である。
図5】前カバーと後カバーとの連結構造の一例を示す図である。
図6】前カバーと後カバーとの連結操作の手順の一例を示す図である。
図7】上カバーと前カバーとの連結構造の一例を示す図である。
図8】上カバーと前カバーとの連結が解除された状態を示す側面図である。
図9】上カバー及び後カバーの構造の一例を示す後面図である。
図10】後カバーの開口部付近の構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
【0010】
[チャイルドシート用カバーの概要]
まず、図1図4を参照して、本実施形態に係るチャイルドシート用カバー1の概要について説明する。
【0011】
図1は、開口部OPの閉状態におけるチャイルドシート用カバー1の一例を示す前方斜視図である。図2は、開口部OPの閉状態におけるチャイルドシート用カバー1の一例を示す左側面図である。図3は、開口部OPの閉状態におけるチャイルドシート用カバー1の一例を示す後方斜視図である。図4は、開口部OPの開状態におけるチャイルドシート用カバー1の一例を示す前方斜視図である。
【0012】
以下、図1図4に示すように、本明細書では、自転車100における前、後、左、右、上、及び下の方向を基準として説明を行う場合がある。
【0013】
チャイルドシート用カバー1は、チャイルドシート200の周囲を覆うように設けられる。チャイルドシート用カバー1は、チャイルドシート200に取り付けられる。例えば、チャイルドシート用カバー1は、ナイロンやポリエステル等の化学繊維の糸が織り込まれることにより形成される生地等を中心に用いて製造される。
【0014】
尚、図1図4に示すように、チャイルドシート200は、自転車100のサドル110の後方で且つ後輪120の荷台130の上に搭載され、背もたれ部210と、座面部220と、足置き部230と、持ち手部240とを含む。
【0015】
図1図4に示すように、チャイルドシート用カバー1は、後カバー部10と、前カバー部20と、上カバー部30と、足元カバー部40と、連結部50とを含む。
【0016】
図4に示すように、後カバー部10及び上カバー部30によって、チャイルドシート200の乗員である子供の乗降用の開口部OPが形成されると共に、前カバー部20が可動部として、開口部OPを開閉可能なように動作する。以下、前カバー部20によって開口部OPが閉じられた状態を「開口部OPの閉状態」と称し、前カバー部20によって開口部OPが閉じられていない状態を「開口部OPの開状態」と称する。
【0017】
後カバー部10は、チャイルドシート200の後方及び後側の左右の側方を覆う。後カバー部10は、本体部11と、脱落防止機構部12と、連結部13とを含む。
【0018】
本体部11は、例えば、チャイルドシート200の背もたれ部210の背面に沿うようにしてチャイルドシート200の後方及び後側の左右の側方を覆う。本体部11の上端部は、上カバー部30の本体部31に固定される。
【0019】
脱落防止機構部12は、本体部11の下端部に設けられる。脱落防止機構部12は、自転車100に取り付けられる。これにより、脱落防止機構部12は、チャイルドシート用カバー1とチャイルドシート200との連結状態が何等かの理由で解除されてしまった場合であっても、チャイルドシート用カバー1が自転車100から脱落してしまうような事態の発生を抑制することができる。
【0020】
連結部13は、本体部11における開口部OPに隣接する左右の外縁部11aのうちの左側の外縁部11aにおける上下方向の中央部に設けられる。連結部13は、開口部OPの閉状態において、前カバー部20の連結部25と連結可能である。これにより、ユーザは、連結部13及び連結部25の連結に関する操作によって、後カバー部10に対して前カバー部20を連結することができる。
【0021】
前カバー部20は、チャイルドシート200の前方及び前側の側方を覆う形で、チャイルドシート用カバー1の開口部OPを覆う。前カバー部20は、本体部21と、透明部22と、固定部23,24と、連結部25と、フラップ部26と、連結部27とを含む。
【0022】
本体部21は、例えば、上面視で、チャイルドシート200の前方から左右の側方に亘って、前に凸の曲面状に覆うことにより、チャイルドシート200の前方及び前側の側方を覆う。本体部21には、チャイルドシート200の乗員の目線の高さを中心とする上下方向の範囲に開口部が設けられる。
【0023】
透明部22は、本体部21の上記の開口部に取り付けられる。これにより、チャイルドシート200の乗員からの外部への視野を確保しつつ、外部からチャイルドシート用カバー1の内部への走行風等の侵入を抑制することができる。透明部22は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC:Poly Vinyl Chloride)製である。
【0024】
固定部23,24は、透明部22を本体部21に固定する。具体的には、固定部23は、透明部22の上端部を本体部21に固定し、固定部24は、透明部の左端部及び下端部を本体部21に固定する。例えば、図1図2に示すように、固定部23は、透明部22の上端部に設けられる線ファスナであり、固定部24は、透明部22の左端部及び下端部に設けられるスナップボタンである。これにより、固定部23,24は、透明部22を本体部21に対して部分的に着脱可能な態様で固定することができる。固定部24は、透明部22の左端部に加えて、右端部にも設けられてもよい。また、透明部22は、固定部23,24による固定が解除されることにより、本体部21に対して完全に分離可能なように構成されていてもよい。
【0025】
連結部25は、本体部21の裏面の左端部の上下方向の中央部に設けられる。連結部25は、開口部OPの閉状態において、後カバー部10の連結部13と連結可能である。
【0026】
フラップ部26は、連結部25よりも若干右側の部分において、本体部21の裏面から飛び出すように設けられる。フラップ部26は、開口部OPの閉状態において、前カバー部20と後カバー部10との間の隙間からの水や異物等の侵入を抑制する(後述の図6参照)。
【0027】
連結部27は、本体部21の表側の面(以下、単に「表面」)の上端部の左右方向の中央部に設けられる。連結部27は、開口部OPの閉状態において、上カバー部30の連結部33と連結可能である。これにより、ユーザは、連結部27及び連結部33の連結操作によって、上カバー部30に対して前カバー部20を連結させることができる。
【0028】
上カバー部30は、チャイルドシート200の上方を覆う。上カバー部30は、本体部31と、庇部32と、連結部33とを含む。
【0029】
本体部31は、例えば、上に凸の曲面状にチャイルドシート200の上方を覆う。即ち、本体部31は、キャップ形状を有してよい。本体部31の後部は、後カバー部10の上端部に固定される。
【0030】
庇部32は、キャップ形状の本体部31の前部の下端から前方に飛び出すように設けられる。
【0031】
連結部33は、本体部31における前部下端の左右方向の中央部の裏面に設けられる。連結部33は、開口部OPの閉状態において、前カバー部20の連結部27と連結可能である。
【0032】
足元カバー部40は、前カバー部20の下端部に取り付けられ、足置き部230の前後及び外側の側方を覆う。例えば、足元カバー部40は、スナップボタンによって、前カバー部20に連結される。
【0033】
連結部50は、チャイルドシート用カバー1の右側で後カバー部10及び前カバー部20を連結する。例えば、図3に示すように、連結部50は、後カバー部10及び前カバー部20の右側の合わせ部分に沿って上下に延びる線ファスナである。線ファスナは、後カバー部10の右側の前端部に上下方向に並べられるエレメントと、前カバー部20の右側の後端部に上下方向に並べられるエレメントと、スライダとを含む。スライダは、後カバー部10側のエレメントに固定的に連結されていてもよいし、前カバー部20側のエレメントに固定的に連結されていてもよい。これにより、前カバー部20は、連結部50としての線ファスナの部分を固定軸として、後カバー部10に対して回転するように開口部OPの開閉動作を行うことができる。また、ユーザは、スライダを操作し、連結部50としての線ファスナを、後カバー部10側のエレメント群と前カバー部20側のエレメントとに分離することにより、後カバー部10から前カバー部20を取り外すことができる。
【0034】
[前カバー部と後カバー部との連結に関する構造]
次に、図1図4に加えて、図5図6を参照して、前カバー部20と後カバー部10との連結に関する構造の詳細について説明する。
【0035】
図5は、前カバー部20と後カバー部10との連結に関する構造の一例を示す図である。図6は、前カバー部20と後カバー部10との連結に関する操作の手順の一例を示す図である。具体的には、図6は、前カバー部20と後カバー部10との連結に関する操作の手順を示す図6A~6Cを含む。
【0036】
図5に示すように、連結部13は、上下に貫通する貫通穴を有する。例えば、連結部13は、平紐状の部材の両端が本体部11における左側の前端部(外縁部11a)の上下方向の中央部に固定されることにより、上下に貫通する貫通穴が形成されるループ形状を有する。また、連結部13は、樹脂製や金属製の環状部材(例えば、円環状またはD環状に形成される部材)の貫通穴が上下方向に貫通するように外縁部11aに固定されることで形成されてもよい。
【0037】
連結部25は、上述の如く、本体部21の裏面における左端部の上下方向の中央部に設けられる。連結部25は、フック部25aと、当接部25bとを含む。
【0038】
フック部25aは、下向きに開口を有するフック形状を有する部材である。
【0039】
当接部25bは、フック部25aの基端部からフック部25aの先端部に向けて延びるように設けられ、フック部25aの先端部に当接する。
【0040】
例えば、フック部25a及び当接部25bは、一体成形される樹脂製であり、弾性変形が可能である。そのため、ユーザは、フック部25a及び当接部25bの少なくとも一方を弾性変形させることによって、フック部25aと当接部25bとの間に隙間を作り出すことができる。よって、図5に示すように、ユーザは、フック部25a及び当接部25bの間の隙間を通じて、フック部25aをループ形状の連結部13に引っ掛けて、連結部13及び連結部25を連結させることができる。
【0041】
このように、本例では、連結部25及び連結部13は、それぞれ、前カバー部20の左側の後端部、及び後カバー部10の左側の前端部(外縁部11a)の上下方向の全範囲のうちの中央部の1か所のみに設けられる。これにより、開口部OPの閉状態で対向する、前カバー部20及び後カバー部10における、開口部OPの閉状態で面している部分の上下方向の中央部の1箇所のみで、前カバー部20及び後カバー部10の連結に関する操作を完結させることができる。そのため、チャイルドシート用カバー1は、前カバー部20と後カバー部10との連結に関する操作性を向上させることができる。また、本例では、上下に貫通するループ形状の連結部13に対して、連結部25のフック部25aが引っ掛けられることにより、前カバー部20と後カバー部10とが連結される。これにより、ユーザは、前カバー部20と後カバー部10との連結に関する操作を容易に行うことができ、前カバー部20と後カバー部との連結に関する操作性をより向上させることができる。
【0042】
また、図5に示すように、連結部25は、フック部25a及び当接部25bが当接していることで、フック部25a及び当接部25bの間にループ形状の連結部13を保持することができる。そのため、連結部13と連結部25との連結状態がユーザの意図とは関係なく解除されてしまうような事態を抑制することができる。
【0043】
また、図2に示すように、連結部27及び連結部33の連結状態において、上カバー部30の本体部31の前側の下端部は、前カバー部20の本体部21の上端部の外側、即ち、前側から被さるように配置されてもよい。これにより、連結部13及び連結部25の連結状態において、前カバー部20のガタツキを抑制することができる。
【0044】
また、前カバー部20の本体部21の表面及び裏面の生地の間には芯材が内蔵されてもよい。芯材は、例えば、PC(ポリカーボネート:Polycarbonate)製の棒状の部材やシート状のベルポーレンである。例えば、芯材は、本体の外縁に沿うように配置される。これにより、本体部21は、ある程度の剛性を有し、その結果、自身で形状を保持し易くなる。そして、開口部OPの閉状態においても、前カバー部20は、単独で連結部13及び連結部25の補助を受けることなく、その形状を保持し、チャイルドシート用カバー1の内部に適切な広さの空間を確保することができる。
【0045】
また、図4に示すように、本体部21の裏面には、持ち手部240が連結されていてもよい。例えば、持ち手部240は、本体部21の裏面のベルト状の部材によって、本体部21の裏面に連結される。これにより、持ち手部240は、本体部21を裏側から支持することができる。そのため、本体部21は、持ち手部240の作用により、自身で形状を保持し易くなる。そして、開口部OPの閉状態においても、前カバー部20は、その形状を保持し、チャイルドシート用カバー1の内部に適切な広さの空間を確保することができる。
【0046】
尚、持ち手部240は、チャイルドシート200の乗員の前の空間を左右に亘るように設けられる。そして、持ち手部240は、一端部がチャイルドシート200の本体側の座面部220の左端部付近の連結部241に対して着脱可能に構成され、他端部がヒンジ242によってチャイルドシート200の本体側の座面部220の右端部に連結される。これにより、連結部241と持ち手部240の一端部との連結が解除されることで、持ち手部240は、前カバー部20の本体部21に連結された状態でも、前カバー部20の開閉動作に連動して、ヒンジ242の軸周りに回転することができる。
【0047】
図6に示すように、フラップ部26は、基端が本体部21の裏面における連結部25よりも若干右側の部分に固定され、そこから遊端(先端)が本体部21の左側外縁に向けて延びるように設けられる。そして、フラップ部26は、開口部OPの閉状態において、本体部11の左側の前端部(外縁部11a)に沿って上下に延びるように設けられる。これにより、本体部21の左側の一部を二重構造にすることができると共に、本体部21の裏面とフラップ部26に挟まれる位置に連結部25を配置することができる。
【0048】
図6A,6Bに示すように、ユーザは、連結部13及び連結部25の非連結状態において、フラップ部26を本体部11の左側の外縁部11aの内側(右側)に差し込むように前カバー部20を移動させる。そして、図6Cに示すように、ユーザは、フラップ部26が本体部11の左側の外縁部11aの内側にある状態で連結部25の位置を連結部13の位置に合わせるように前カバー部20を移動させることで、連結部13及び連結部25を連結させることができる。そのため、フラップ部26は、後カバー部10の本体部11と前カバー部20の本体部21との合わせ部分の隙間をチャイルドシート用カバー1の内側で覆うことができる。よって、フラップ部26は、後カバー部10と前カバー部20との間の隙間からの水や異物等の侵入を抑制することができる。
【0049】
このように、本例では、フラップ部26は、後カバー部10と前カバー部20との合わせ部分の隙間をチャイルドシート用カバー1の内側で覆うことができる。そのため、チャイルドシート用カバー1は、ループ形状の連結部13、及びフック部25aによる前カバー部20と後カバー部10との間の簡素な連結に関する構造を採用しつつ、その間の隙間からの水や異物等の侵入を抑制できる。
【0050】
[上カバー部と前カバー部との連結に関する構造]
次に、図1図6に加えて、図7図10を参照して、上カバー部30と前カバー部20との連結に関する構造について説明する。
【0051】
図7は、上カバー部30と前カバー部20との連結に関する構造の一例を示す図である。具体的には、図7は、上カバー部30と前カバー部20との連結状態を表す図7Aと、上カバー部30と前カバー部20との非連結状態を表す図7Bとを含む。図8は、上カバー部30と前カバー部20との連結が解除された状態を示す側面図である。図9は、上カバー部30及び後カバー部10の構造の一例を示す後面図である。図10は、後カバー部10の開口部OP付近の構造の一例を示す図である。具体的には、図10は、後カバー部10の開口部OP付近の構造の一例を示す斜視図としての図10Aと、後カバー部10の開口部OP付近の構造の一例を示す正面図としての図10Bとを含む。
【0052】
尚、図7では、便宜的に、庇部32の描画が省略されている。
【0053】
図7に示すように、連結部27は、上述の如く、本体部21の表面における上端部の左右方向の中央部に設けられる。連結部27は、水平方向の左向きに開口27aを持ち、折り返しの前後の部位同士が前後で対向するフック形状を有する。フック形状は、折り返しの前後の部位同士の間の間隔が非常に狭くなるように、具体的には、ベルト状の部材を挟み込むことが可能な程度に狭くなるように設定される。
【0054】
連結部33は、上述の如く、本体部31の裏面における下端部の左右方向の中央部に設けられる。連結部33は、本体部31の裏面から下方に延びるように設けられるベルト状の部材であり、先端部には、抜け止め部33aが設けられる。抜け止め部33aの厚みは、ベースのベルト部材の厚みよりも厚く、且つ、フック形状の折り返しの前後の対向する部位同士の間隔よりも厚くなるように設定される。これにより、ユーザは、図7Aに示すように、連結部33のベルト状の部材の抜け止め部33aより基端側を連結部27のフック形状の開口27aにスライドさせるように差し込むことができる。その結果、抜け止め部33aが連結部33の下部に引っ掛かる形で連結部33の連結部27に対する抜け止めとして機能し、ユーザは、連結部27及び連結部33を連結させ、前カバー部20を上カバー部30に対して連結させることができる。
【0055】
図7に示すように、抜け止め部33aは、例えば、連結部33のベースのベルト状の部材の先端が折り返され、折り返しの重なる部分が縫い付けられることにより形成される部位である。また、図7に示すように、抜け止め部33aは、連結部33のベースのベルト状の部材の先端が折り返されると共に、折り返された先端の一部が舌状部33bとして余るように折り返しの重なる部分が縫い付けられることによって形成されてもよい。これにより、図7Aに示すように、舌状部33bがフック形状の連結部27に引っ掛かる。そのため、連結部33は、連結部27との連結状態をより確実に実現且つ維持することができる。
【0056】
尚、抜け止め部33aは、折り返しの重なる部分が任意の方法で固着されることにより形成されてよい。例えば、ベルト状の部材が樹脂製の場合、折り返しの重なる部分が溶着されてもよい。
【0057】
例えば、開口部OPの閉状態において、連結部27及び連結部33が連結状態にある一方で、連結部13及び連結部25が非連結状態にある場合、何等かの外力によって、連結部50を固定軸として前カバー部20が開動作しそうになる可能性がある。この際、前カバー部20が上カバー部30に対して右側に移動しようとすることで、フック形状の連結部27が右側に移動しようとする。その結果、ベルト状の連結部33は、連結部27のフック形状の開口27a側とは反対側、即ち、折り返しのある奥側に相対的に移動しようとする。そして、ベルト状の連結部33は、フック形状の連結部27の最奥部より先には相対的に移動することができない。そのため、例えば、ユーザが連結部13及び連結部25の連結操作を忘れてしまった場合であっても、チャイルドシート用カバー1は、連結部27及び連結部33の作用によって、前カバー部20の開動作の発生を抑制することができる。
【0058】
図7A,7Bに示すように、上カバー部30の本体部31の前部は、連結部27及び連結部33の非連結状態において、連結状態の場合よりも前カバー部20に対して上方に位置する。これにより、前カバー部20の開閉動作時に、前カバー部20の上端部が上カバー部30の前部に接触しにくくなる。そのため、チャイルドシート用カバー1は、前カバー部20のユーザによる開閉に関する操作性を向上させることができる。
【0059】
また、図8に示すように、上カバー部30の前部は、連結部27及び連結部33の非連結状態において、上カバー部30の本体部31の前部と、前カバー部20の本体部21の上端部との間には、隙間GPが設けられてもよい。これにより、チャイルドシート用カバー1は、前カバー部20の開閉動作の軌跡と上カバー部30の前部とが重ならないようにすることができる。そのため、チャイルドシート用カバー1は、前カバー部20のユーザによる開閉操作に関する操作性をより向上させることができる。
【0060】
例えば、図9に示すように、後カバー部10の本体部11における背もたれ部210の後側の部分には、表面及び裏面の間に弾性変形可能な芯材14,15が内蔵される。
【0061】
芯材14は、本体部11における背もたれ部210の後側の部分において、左右対称に1つずつ設けられる。芯材14は、上下方向に延びるように配置される。芯材14は、例えば、POM(ポリオキシメチレン:Polyoxymethylene)製の棒状の部材である。芯材15は、本体部11における背もたれ部210の後側の部分において、2つの芯材14の上端部同士の間で左右に延びるように設けられる。芯材15は、例えば、シート状のベルポーレンである。これにより、連結部27及び連結部33の連結に関する操作がされる際に、ユーザが上カバー部30の前部を下方に引き下げることによって、上カバー部30に固定される本体部11の芯材14,15が弾性変形する。芯材14,15は、チャイルドシート200の背もたれ部210によって、全体での前方への移動が規制される一方で、上端部付近での部分的な変形が許容されるからである。そのため、連結部27及び連結部33の連結状態において、上カバー部30には、芯材14,15が自然な形状に戻ろうとする弾性力によって、上カバー部30の前部を上方に引き上げる形の付勢力が働く。その結果、連結部27及び連結部33の連結状態がユーザによって解除されると、その付勢力によって、ユーザの操作に依らず、上カバー部30の前部が上方に移動する。よって、チャイルドシート用カバー1は、前カバー部20のユーザによる開閉操作に関する操作性をより向上させることができる。
【0062】
また、図9に示すように、上カバー部30の本体部31の下端部には、全周に亘って弾性変形可能な環状の芯材34が内蔵されてもよい。芯材34は、例えば、POM製の棒状の部材である。これにより、連結部27及び連結部33の連結に関する操作がされる際に、ユーザが上カバー部30の前部を下方に引き下げることによって、芯材34が弾性変形する。本体部31の前部が引き下げられる際に、後カバー部10の本体部11と連結される本体部31の後部の移動が規制されるからである。そのため、連結部27及び連結部33の連結状態において、上カバー部30には、芯材34が自然な形状に戻ろうとする弾性力によって、上カバー部30の前部を上方に引き上げる形の付勢力が働く。その結果、連結部27及び連結部33の連結状態がユーザによって解除されると、その付勢力によって、ユーザの操作に依らず、上カバー部30の前部が上方に移動する。よって、チャイルドシート用カバー1は、前カバー部20のユーザによる開閉操作に関する操作性をより向上させることができる。
【0063】
図10に示すように、後カバー部10における本体部11の前端の外縁部11aには、その上端部と下端部との間に亘って芯材16が内蔵される。これにより、開口部OPの開状態において、開口部OPの形状が崩れ、その結果、乗員の乗降の際に乗員と後カバー部10や上カバー部30とが接触してしまうような事態を抑制することができる。そのため、チャイルドシート200への乗降性を向上させることができる。
【0064】
また、左右の外縁部11aの上端部には、チャイルドシート用カバー1がチャイルドシート200に取り付けられた状態において、上に向かって開口部OPの左右方向の幅が広がる方向に傾斜する傾斜部17が設けられる。これにより、連結部27及び連結部33の連結のためにユーザが上カバー部30の前部を下方に引き下げる際に、外縁部11aの上端部が傾倒し、後カバー部10の外形が崩れてしまうような事態の発生を抑制することができる。
【0065】
例えば、外縁部11aにおける傾斜部17が設けられる上端部と、その上端部より下の部分との間で、芯材16は、分割される。また、外縁部11aにおける傾斜部17が設けられる上端部と、その上端部より下の部分との間で、芯材16には、折り目がつけられていてもよい。これにより、外縁部11aの上端部のみを開口部OPの左右方向の幅が広がる方向に傾斜させ易くなると共に、上カバー部30の前部を下方に引き下げた際に、外縁部11aの上端部を傾倒させ易くなる。
【0066】
[他の実施形態]
次に、他の実施形態について説明する。
【0067】
上述の実施形態には、適宜変形や変更が加えられてもよい。
【0068】
例えば、上述の実施形態の前カバー部20と後カバー部10との連結に関する構造についての技術内容は、開口部OPを覆うカバー部が上下方向に開閉動作を行うチャイルドシート用カバーに適用されてもよい。具体的には、開口部OPを覆うカバー部が上下方向に開閉動作を行うチャイルドシートについて、開口部OPを覆うカバー部と、開口部OPに隣接するカバー部との連結に関する構造について、上述の技術内容が適用されてもよい。
【0069】
同様に、上述の実施形態の前カバー部20と後カバー部10との連結に関する構造についての技術内容は、開口部OPがチャイルドシート200の前方ではなく、側方に位置するチャイルドシート用カバーに適用されてもよい。具体的には、開口部OPがチャイルドシート200の側方にあるチャイルドシート用カバーについて、開口部OPを覆うカバー部と、開口部OPに隣接するカバー部との連結に関する構造について、上述の技術内容が適用されてもよい。
【0070】
また、上述の実施形態の上カバー部30と前カバー部20との連結に関する構造についての技術内容は、開口部OPを覆うカバー部が上下方向に開閉動作を行うチャイルドシート用カバーに適用されてもよい。具体的には、開口部OPを覆うカバー部が上下方向に開閉動作を行うチャイルドシートについて、チャイルドシート200の上部を覆うカバー部と、開口部OPを覆うカバー部との連結に関する構造について、上述の技術内容が適用されてもよい。
【0071】
同様に、上述の実施形態の上カバー部30と前カバー部20との連結に関する構造についての技術内容は、開口部OPがチャイルドシート200の前方ではなく、側方に位置するチャイルドシート用カバーに適用されてもよい。具体的には、開口部OPがチャイルドシート200の側方にあるチャイルドシート用カバーについて、チャイルドシート200の上部を覆うカバー部と、開口部OPを覆うカバー部との連結に関する構造について、上述の技術内容が適用されてもよい。
【0072】
[作用]
次に、本実施形態に係るチャイルドシート用カバーの作用について説明する。
【0073】
本実施形態では、チャイルドシート用カバーは、開口部と、第1のカバー部と、第2のカバー部と、第1の連結部と、第2の連結部と、を備える。開口部は、例えば、上述の開口部OPである。第1のカバー部は、例えば、上述の前カバー部20である。第2のカバー部は、例えば、上述の上カバー部30である。第1の連結部は、例えば、連結部27である。第2の連結部は、例えば、上述の連結部33である。具体的には、開口部は、自転車のチャイルドシートに対する乗員の乗降用である。自転車は、例えば、上述の自転車100である。チャイルドシートは、例えば、上述のチャイルドシート200である。また、第1のカバー部は、開口部を覆うと共に、開口部を開閉可能である。また、第2のカバー部は、チャイルドシートの上を覆う。また、第1の連結部は、第1のカバー部に設けられる。また、第2の連結部は、第2のカバー部に設けられ、開口部の閉状態で第1の連結部と連結可能である。そして、第2のカバー部は、第1の連結部及び第2の連結部の非連結状態において、連結状態の場合より第1のカバー部に対して上方に位置する。
【0074】
これにより、第1のカバー部の開閉動作時に、第1のカバー部の上端部が第2のカバー部に対して接触しにくくなる。そのため、チャイルドシート用カバーは、開口部を覆う開閉可能なカバー部のユーザによる開閉に関する操作性を向上させることができる。
【0075】
また、本実施形態では、第2のカバー部は、第1の連結部及び第2の連結部の連結状態が解除されると、第1のカバー部に対して上方に移動してもよい。
【0076】
これにより、ユーザの操作に依らず、第1の連結部及び第2の連結部の連結状態の解除に応じて、第1のカバー部の開閉動作時にその上端部が第2のカバー部に対して接触しにくい状態を実現することができる。そのため、チャイルドシート用カバーは、開口部を覆う開閉可能なカバー部のユーザによる開閉に関する操作性をより向上させることができる。
【0077】
また、本実施形態では、チャイルドシート用カバーは、付勢部材を備えてもよい。付勢部材は、例えば、上述の芯材14,15である。具体的には、付勢部材は、第1の連結部及び第2の連結部の連結状態において、第2のカバー部を第1のカバー部から上に離れる方向に付勢してもよい。
【0078】
これにより、チャイルドシート用カバーは、付勢部材の作用によって、第1の連結部及び第2の連結部の連結状態が解除に合わせて、第2のカバー部を第1のカバー部から上に離れるように移動させることができる。
【0079】
また、本実施形態では、チャイルドシート用カバーは、第3のカバー部を備えてもよい。第3のカバー部は、例えば、上述の後カバー部10である。具体的には、第3のカバー部は、第1のカバー部と水平方向で対向する位置でチャイルドシートを覆う。また、第2のカバー部は、第3のカバー部に固定される。そして、付勢部材は、第3のカバー部に内蔵される弾性変形が可能な芯材を含んでもよい。芯材は、例えば、上述の芯材14,15である。
【0080】
これにより、チャイルドシート用カバーは、第3のカバー部の芯材の作用によって、第1の連結部及び第2の連結部の連結状態が解除に合わせて、第2のカバー部を第1のカバー部から上に離れるように移動させることができる。
【0081】
また、本実施形態では、付勢部材は、第2のカバー部に内蔵される弾性変形が可能な芯材を含んでもよい。芯材は、例えば、芯材34である。
【0082】
これにより、チャイルドシート用カバーは、第2のカバー部の芯材の作用によって、第1の連結部及び第2の連結部の連結状態が解除に合わせて、第2のカバー部を第1のカバー部から上に離れるように移動させることができる。
【0083】
また、本実施形態では、第2のカバー部は、第1の連結部及び第2の連結部の非連結状態において、連結状態の場合より第1のカバー部に対して上方に位置することにより、第1のカバー部の開閉動作の軌跡と重ならなくてもよい。
【0084】
これにより、第1のカバー部の開閉動作時に、第1のカバー部の上端部が第2のカバー部に接触しないようにすることができる。そのため、チャイルドシート用カバーは、開口部を覆う開閉可能なカバー部のユーザによる開閉に関する操作性をより向上させることができる。
【0085】
また、本実施形態では、第1の連結部は、第1のカバー部の上端部の表面で横向きに開口を有するフック形状を有してもよい。開口は、例えば、上述の開口27aである。また、第2の連結部は、第2のカバー部から延びるベルト部材と、ベルト部材の先端に設けられ、ベルト部材の厚みよりも大きく且つフック形状の折り返しの前後の対向する部位同士の間隔よりも大きい厚みを有する抜け止め部とを有してもよい。抜け止め部は、例えば、上述の抜け止め部33aである。そして、第1の連結部のフック形状の開口からベルト部材が上下に通過するように挿入されることにより、抜け止め部がフック形状に対する抜け止めとして機能し、第1の連結部及び第2の連結部が連結されてもよい。
【0086】
これにより、ユーザは、第1の連結部におけるフック形状の開口から第2の連結部におけるベルト部材を挿入することにより、第1の連結部及び第2の連結部を容易に連結させることができる。そのため、チャイルドシート用カバーは、第1の連結部及び第2の連結部の連結に関する操作性を向上させることができる。
【0087】
また、本実施形態では、抜け止め部は、ベルト部材の先端部が折り返され、折り返しの重なる部分が固着されることにより形成される部位であってもよい。例えば、抜け止め部は、上述の抜け止め部33aのように、ベルト部材の先端部が折り返されると共に、折り返された先端の一部が舌状部として余るように、折り返しの前後が縫い付けられることにより形成されてもよい。舌状部は、例えば、上述の舌状部33bである。そして、舌状部がフック形状の下端に引っ掛かるようにして、第1の連結部及び第2の連結部が連結されてもよい。
【0088】
これにより、チャイルドシート用カバーは、ベルト部材の先端部の折り返しによって、第2の連結部の抜け止め機能を実現することができる。
【0089】
また、本実施形態では、第1のカバー部は、固定軸を中心に回転による開閉可能であってもよい。固定軸は、例えば、上述の連結部50である。そして、フック形状の開口は、固定軸に近づく向きに開放されていてもよい。
【0090】
これにより、第1の連結部及び第2の連結部の連結状態において、固定軸を中心に第1のカバー部が回転しようとしても、第2の連結部のベルト部材が第1の連結部に対して相対的に開口と反対側に移動することになる。その結果、チャイルドシート用カバーは、第1の連結部及び第2の連結部の連結状態において、第1のカバー部の開閉動作が制限することができる。そのため、チャイルドシート用カバーの安全性を向上させることができる。
【0091】
また、本実施形態では、第2のカバー部の下端部は、第1の連結部及び第2の連結部の連結状態において、第1のカバー部の上端部に外側から被さるように配置されてもよい。
【0092】
これにより、第2のカバー部は、第1のカバー部の上端部を保持することができる。そのため、チャイルドシート用カバーは、第1の連結部及び第2の連結部の連結状態での第2のカバー部による第1のカバー部の上端部の保持を実現しつつ、第1のカバー部の開閉に関する操作性の向上を図ることができる。
【0093】
また、本実施形態では、チャイルドシート用カバーは、第4のカバー部を備えてもよい。第4のカバー部は、例えば、上述の後カバー部10である。具体的には、第4のカバー部は、開口部と水平方向で隣接する。そして、第4のカバー部における開口部と隣接する外縁部の上端部は、第2のカバー部に固定されると共に、上に向かって開口部の水平方向の中央部から離れるように傾斜していてもよい。外縁部は、例えば、上述の外縁部11aである。例えば、外縁部には、上述の外縁部11aのように、芯材が内蔵されてもよい。芯材は、例えば、上述の芯材16である。そして、芯材は、外縁部の上端部と、その上端部より下の部分との間で分割されている、又は、折り目がつけられていてもよい。
【0094】
これにより、第1の連結部及び第2の連結部の連結状態において、その非連結状態の場合よりも第2のカバー部が下方に位置する場合に、第4のカバー部における開口部と隣接する外縁部の上端部が開口部に近づく方向の傾倒するような事態の発生を抑制できる。そのため、チャイルドシート用カバー1は、第4のカバー部の開口部と隣接する外縁部の開口部に近づく方向への傾倒による第4のカバー部の外形の崩れを抑制することができる。
【0095】
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 チャイルドシート用カバー
10 後カバー部
11 本体部
11a 外縁部
13 連結部
14 芯材
15 芯材
16 芯材
17 傾斜部
20 前カバー部
25 連結部
25a フック部
25b 当接部
26 フラップ部
27 連結部
27a 開口
30 上カバー部
33 連結部
33a 抜け止め部
33b 舌状部
50 連結部
100 自転車
200 チャイルドシート
240 持ち手部
241 連結部
242 ヒンジ
GP 隙間
OP 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10