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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165952
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】チャイルドシート用カバー、自転車
(51)【国際特許分類】
   B62J 1/16 20060101AFI20241121BHJP
   B62J 1/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B62J1/16 Z
B62J1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082573
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000112978
【氏名又は名称】ブリヂストンサイクル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】杉本 浩一朗
(57)【要約】
【課題】チャイルドシート用カバーの盗難の発生を抑制することが可能な技術を提供する。
【解決手段】本開示の一実施形態に係るチャイルドシート用カバー1は、自転車100のチャイルドシート200を覆う後カバー部10と、後カバー部10から下方に延びるベルト部14と、ベルト部14の先端に設けられる環状部14aと、後カバー部10にベルト本体部15aを介して取り付けられ、ベルト部14を先端から通過させる形でベルト部14と連結されるバックル部15bと、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車のチャイルドシートを覆う本体部と、
前記本体部から延びるベルト部と、
前記ベルト部の先端に設けられる環状部と、を備える、
チャイルドシート用カバー。
【請求項2】
前記環状部は、前記ベルト部の先端が折り返された状態で基端側の部分と連結されるように形成されている、
請求項1に記載のチャイルドシート用カバー。
【請求項3】
前記環状部は、所定の結束帯を挿通させることが可能な程度の大きさを有する、
請求項2に記載のチャイルドシート用カバー。
【請求項4】
前記ベルト部は、前記自転車に取り付けられる、
請求項1乃至3の何れか一項に記載のチャイルドシート用カバー。
【請求項5】
前記本体部に取り付けられ、前記ベルト部を先端から通過させる形で前記ベルト部と連結されるバックル部を備える、
請求項4に記載のチャイルドシート用カバー。
【請求項6】
前記ベルト部は、チャイルドシートカバー、前記自転車、又は前記チャイルドシートの構成要素との関係によって外側から視認できないように配置される、
請求項1乃至3の何れか一項に記載のチャイルドシート用カバー。
【請求項7】
チャイルドシートと、
請求項1乃至3の何れか一項に記載のチャイルドシート用カバーと、を備える、
自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チャイルドシート用カバー等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、チャイルドシート用カバーをベルトとバックルによって自転車に固定する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-32815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、チャイルドシート用カバーの盗難対策には言及されていない。
【0005】
そこで、上記課題に鑑み、チャイルドシート用カバーの盗難の発生を抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示の一実施形態では、
自転車のチャイルドシートを覆う本体部と、
前記本体部から延びるベルト部と、
前記ベルト部の先端に設けられる環状部と、を備える、
チャイルドシート用カバーが提供される。
【0007】
また、本開示の他の実施形態では、
チャイルドシートと、
上記のチャイルドシート用カバーと、を備える、
自転車が提供される。
【発明の効果】
【0008】
上述の実施形態によれば、チャイルドシート用カバーの盗難の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】開口部の閉状態におけるチャイルドシート用カバーの一例を示す前方斜視図である。
図2】開口部の閉状態におけるチャイルドシート用カバーの一例を示す左側面図である。
図3】開口部の閉状態におけるチャイルドシート用カバーの一例を示す後方斜視図である。
図4】開口部の開状態におけるチャイルドシート用カバーの一例を示す前方斜視図である。
図5】脱落防止機構部の構造の一例を示す後面図である。
図6】脱落防止機構部のベルト部同士の連結構造の一例を示す斜視図である。
図7】脱落防止機構部のベルト部同士の連結構造の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
【0011】
[チャイルドシート用カバーの概要]
まず、図1図4を参照して、本実施形態に係るチャイルドシート用カバー1の概要について説明する。
【0012】
図1は、開口部OPの閉状態におけるチャイルドシート用カバー1の一例を示す前方斜視図である。図2は、開口部OPの閉状態におけるチャイルドシート用カバー1の一例を示す左側面図である。図3は、開口部OPの閉状態におけるチャイルドシート用カバー1の一例を示す後方斜視図である。図4は、開口部OPの開状態におけるチャイルドシート用カバー1の一例を示す前方斜視図である。
【0013】
以下、図1図4に示すように、本明細書では、自転車100における前、後、左、右、上、及び下の方向を基準として説明を行う場合がある。
【0014】
チャイルドシート用カバー1は、チャイルドシート200の周囲を覆うように設けられる。チャイルドシート用カバー1は、チャイルドシート200に取り付けられる。例えば、チャイルドシート用カバー1は、ナイロンやポリエステル等の化学繊維の糸が織り込まれることにより形成される生地等を中心に用いて製造される。
【0015】
尚、図1図4に示すように、チャイルドシート200は、自転車100のサドル110の後方で且つ後輪120の荷台130の上に搭載され、背もたれ部210と、座面部220と、足置き部230と、持ち手部240とを含む。
【0016】
図1図4に示すように、チャイルドシート用カバー1は、後カバー部10と、前カバー部20と、上カバー部30と、足元カバー部40と、連結部50とを含む。
【0017】
図4に示すように、後カバー部10及び上カバー部30によって、チャイルドシート200の乗員である子供の乗降用の開口部OPが形成されると共に、前カバー部20が可動部として、開口部OPを開閉可能なように動作する。以下、前カバー部20によって開口部OPが閉じられた状態を「開口部OPの閉状態」と称し、前カバー部20によって開口部OPが閉じられていない状態を「開口部OPの開状態」と称する。
【0018】
後カバー部10は、チャイルドシート200の後方及び後側の左右の側方を覆う。後カバー部10は、本体部11と、脱落防止機構部13と、連結部12とを含む。
【0019】
本体部11は、例えば、チャイルドシート200の背もたれ部210の背面に沿うようにしてチャイルドシート200の後方及び後側の左右の側方を覆う。本体部11の上端部は、上カバー部30の本体部31に固定される。
【0020】
連結部12は、本体部11における開口部OPに隣接する左右の外縁部11aのうちの左側の外縁部11aにおける上下方向の中央部に設けられる。連結部12は、開口部OPの閉状態において、前カバー部20の連結部25と連結可能である。これにより、ユーザは、連結部12及び連結部25の連結に関する操作によって、後カバー部10に対して前カバー部20を連結することができる。
【0021】
脱落防止機構部13は、本体部11の下端部に設けられる。脱落防止機構部13は、自転車100に取り付けられる。これにより、脱落防止機構部13は、チャイルドシート用カバー1とチャイルドシート200との連結状態が何等かの理由で解除されてしまった場合であっても、チャイルドシート用カバー1が自転車100から脱落してしまうような事態の発生を抑制することができる。
【0022】
前カバー部20は、チャイルドシート200の前方及び前側の側方を覆う形で、チャイルドシート用カバー1の開口部OPを覆う。前カバー部20は、本体部21と、透明部22と、固定部23,24と、連結部25と、フラップ部26と、連結部27とを含む。
【0023】
本体部21は、例えば、上面視で、チャイルドシート200の前方から左右の側方に亘って、前に凸の曲面状に覆うことにより、チャイルドシート200の前方及び前側の側方を覆う。本体部21には、チャイルドシート200の乗員の目線の高さを中心とする上下方向の範囲に開口部が設けられる。
【0024】
透明部22は、本体部21の上記の開口部に取り付けられる。これにより、チャイルドシート200の乗員からの外部への視野を確保しつつ、外部からチャイルドシート用カバー1の内部への走行風等の侵入を抑制することができる。透明部22は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC:Poly Vinyl Chloride)製である。
【0025】
固定部23,24は、透明部22を本体部21に固定する。具体的には、固定部23は、透明部22の上端部を本体部21に固定し、固定部24は、透明部の左端部及び下端部を本体部21に固定する。例えば、図1図2に示すように、固定部23は、透明部22の上端部に設けられる線ファスナであり、固定部24は、透明部22の左端部及び下端部に設けられるスナップボタンである。これにより、固定部23,24は、透明部22を本体部21に対して部分的に着脱可能な態様で固定することができる。固定部24は、透明部22の左端部に加えて、右端部にも設けられてもよい。また、透明部22は、固定部23,24による固定が解除されることにより、本体部21に対して完全に分離可能なように構成されていてもよい。
【0026】
連結部25は、本体部21の裏面の左端部の上下方向の中央部に設けられる。連結部25は、開口部OPの閉状態において、後カバー部10の連結部12と連結可能である。
【0027】
フラップ部26は、連結部25よりも若干右側の部分において、本体部21の裏面から飛び出すように設けられる。フラップ部26は、開口部OPの閉状態において、前カバー部20と後カバー部10との間の隙間からの水や異物等の侵入を抑制する。
【0028】
連結部27は、本体部21の表側の面(以下、単に「表面」)の上端部の左右方向の中央部に設けられる。連結部27は、開口部OPの閉状態において、上カバー部30の連結部33と連結可能である。これにより、ユーザは、連結部27及び連結部33の連結操作によって、上カバー部30に対して前カバー部20を連結させることができる。
【0029】
上カバー部30は、チャイルドシート200の上方を覆う。上カバー部30は、本体部31と、庇部32と、連結部33とを含む。
【0030】
本体部31は、例えば、上に凸の曲面状にチャイルドシート200の上方を覆う。即ち、本体部31は、キャップ形状を有してよい。本体部31の後部は、後カバー部10の上端部に固定される。
【0031】
庇部32は、キャップ形状の本体部31の前部の下端から前方に飛び出すように設けられる。
【0032】
連結部33は、本体部31における前部下端の左右方向の中央部の裏面に設けられる。連結部33は、開口部OPの閉状態において、前カバー部20の連結部27と連結可能である。
【0033】
足元カバー部40は、前カバー部20の下端部に取り付けられ、足置き部230の前後及び外側の側方を覆う。例えば、足元カバー部40は、スナップボタンによって、前カバー部20に連結される。
【0034】
連結部50は、チャイルドシート用カバー1の右側で後カバー部10及び前カバー部20を連結する。例えば、図3に示すように、連結部50は、後カバー部10及び前カバー部20の右側の合わせ部分に沿って上下に延びる線ファスナである。線ファスナは、後カバー部10の右側の前端部に上下方向に並べられるエレメントと、前カバー部20の右側の後端部に上下方向に並べられるエレメントと、スライダとを含む。スライダは、後カバー部10側のエレメントに固定的に連結されていてもよいし、前カバー部20側のエレメントに固定的に連結されていてもよい。これにより、前カバー部20は、連結部50としての線ファスナの部分を固定軸として、後カバー部10に対して回転するように開口部OPの開閉動作を行うことができる。また、ユーザは、スライダを操作し、連結部50としての線ファスナを、後カバー部10側のエレメント群と前カバー部20側のエレメントとに分離することにより、後カバー部10から前カバー部20を取り外すことができる。
【0035】
[脱落防止機構部の詳細]
次に、図1図4に加えて、図5図7を参照して、脱落防止機構部13の詳細について説明する。
【0036】
図5は、脱落防止機構部13の構造の一例を示す後面図である。図6は、脱落防止機構部13のベルト部14,15同士の連結構造の一例を示す斜視図である。図7は、脱落防止機構部13のベルト部14,15同士の連結構造の一例を示す断面図である。
【0037】
図5図7に示すように、脱落防止機構部13は、ベルト部14,15を含む。
【0038】
図5に示すように、ベルト部14は、後カバー部10の右寄りの下端部から下方に垂れ下がるように設けられ、ベルト部15は、後カバー部10の左寄りの下端部から下方に垂れ下がるように設けられる。例えば、ベルト部14,15は、チャイルドシート用カバー1がチャイルドシート200に取り付けられた状態で、互いに同じような前後位置に配置されるように後カバー部10に配置される。
【0039】
ベルト部14は、チャイルドシート200の下方且つ自転車100の荷台130の下を通過し、左右の反対側のベルト部15に余裕を以て連結可能な程度の比較的長い長さに設定される。
【0040】
ベルト部14の先端には、環状に形成されるループ形状を有する環状部14aが設けられる。環状部14aは、ベルト部14の先端が折り返された状態で基端側と連結される(例えば、縫い付けや溶着により連結される)ことにより形成されている。
【0041】
ベルト部15は、ベルト本体部15aと、バックル部15bとを含む。
【0042】
ベルト本体部15aは、後カバー部10の左寄りの下端部から下方に垂れ下がるように設けられる。本例では、ベルト本体部15aの長さは、ベルト部14よりも短い。
【0043】
尚、ベルト本体部15aとベルト部14との長さの相対関係は、任意であってよく、ベルト本体部15aを相対的に長くしベルト部14を相対的に短くしてもよい。但し、図示する一例のように、ベルト本体部15aの長さをベルト部14の長さよりも短くすることで、後述するバックル部15bを自転車100の荷台130の下に通過させなくてもよくなる。このため、ベルト本体部15aの長さは、ベルト部14の長さより短くすることがより好ましい。
【0044】
バックル部15bは、ベルト本体部15aの先端に取り付けられる。バックル部15bは、ベルト部14と連結される。バックル部15bは、例えば、樹脂製である。
【0045】
図5に示すように、ベルト部14は、チャイルドシート200が載置される荷台130の下を右から左に通過しベルト部15と連結される。これにより、脱落防止機構部13のベルト部14,15は、荷台130との関係で上下方向の移動、及び前後方向の移動が規制される形で、自転車100に取り付けられる。そのため、脱落防止機構部13は、チャイルドシート用カバー1の自転車100からの脱落を抑制することができる。
【0046】
図6図7に示すように、バックル部15bは、2つの梁部15b1と、2つの梁部15b2と、1つの梁部15b3とを含む。
【0047】
2つの梁部15b1は、同じ長さを有し、互いに平行に且つ端部の位置が揃うように配置される。2つの梁部15b2は、同じ長さを有し、それぞれが2つの梁部15b1の同じ側の端部同士を接続するようにして、互いに平行に配置される。このように、対向して配置される梁部15b1、及び対向して配置される2つの梁部15b2の組み合わせによって、矩形状のバックルの外形が形成される。
【0048】
梁部15b3は、2つの梁部15b2の間において、2つの梁部15b1の間を連結するようにして、2つの梁部15b2と平行に配置される。ベルト本体部15aは、梁部15b3に連結される。具体的には、図7に示すように、ベルト本体部15aの先端が折り返されることにより形成されるループ状の部分に梁部15b3が挿通されると共に、ベルト本体部15aの先端がベルト本体部15aの基端側の部分に縫い付けや溶着等によって連結される。
【0049】
図7に示すように、ベルト部14は、その先端が、下の梁部15b2と梁部15b3との間を右から左に通過し、梁部15b3と上の梁部15b2との間を左から右に通過し、梁部15b2の上を右から左に通過し、梁部15b3と下の梁部15b2との間をベルト部14の基端側より下を通過する形で下方に引き出される。これにより、ベルト部14は、ベルト部15のバックル部15bに連結される。
【0050】
下方に引き出されるベルト部14の先端の環状部14aには、結束バンド300を挿通することができる。そのため、例えば、図7に示すように、ユーザは、結束バンド300を環状部14aに挿通し、ベルト部14の先端部と基端側の部分とを結束バンド300によって一体として結束することができる。これにより、結束バンド300を切断しない限り、ベルト部14とバックル部15bとの連結状態を解除することができない。その結果、チャイルドシート用カバー1の盗難の発生を抑制することができる。また、ユーザは、結束バンド300を用いて、ベルト部14の先端部と基端側の部分とを結束するだけでよく、容易に盗難対策を行うことができる。また、例えば、ワイヤロック等の大掛かりな盗難対策品を用いる場合に比して、チャイルドシート用カバー1の美観を損なうような懸念も生じにくくなる。
【0051】
このように、本例では、脱落防止機構部13のベルト部14の先端に環状部14aを設けられる。これにより、脱落防止機構部13は、チャイルドシート用カバー1の脱落防止機能に加えて、盗難防止機能を果たすことができる。
【0052】
[他の実施形態]
次に、他の実施形態について説明する。
【0053】
上述の実施形態には、適宜変形や変更が加えられてもよい。
【0054】
例えば、上述の実施形態では、環状部14aは、バックル部15bに対するベルト部14の連結を阻害しない限り、ベルト部14と別の部品として構成され、ベルト部14の先端に取り付けられてもよい。
【0055】
また、上述の実施形態やその変形・変更の例では、結束バンド300とは別の種類の結束部材が用いられることにより、ベルト部14の先端部と基端側の部分とが結束されてもよい。
【0056】
また、上述の実施形態では、チャイルドシート用カバー1は、脱落防止機能と盗難対策とを別の構成要素によって実現してもよい。即ち、チャイルドシート用カバー1は、脱落防止機構部13とは別の構成要素によって、盗難対策が可能に構成されてもよい。具体的には、チャイルドシート用カバー1は、脱落防止機構部13とは別に、後カバー部10から延びるベルト部と、後カバー部10に取り付けられ、ベルト部の先端が連結されるバックル部とを有してもよい。この場合、脱落防止機構部13におけるベルト部14の先端の環状部14aは省略され、環状部14aと同様の機能の環状部が盗難対策用のベルト部の先端に設けられる。以下、脱落防止機構部13と別に設けられる盗難対策用のこれらの構成要素を包括的に「盗難対策機構部」と称する。
【0057】
また、盗難対策機構部のベルト部の先端は、バックル部に連結されるのに代えて、自転車100やチャイルドシート200の所定の部位に連結されてもよい。この場合、盗難対策機構部のバックル部は省略されてもよい。
【0058】
また、盗難対策機構部のベルト部は、バックル部との連結により自転車100に取り付けられるのに代えて、チャイルドシート200に取り付けられるように構成されてもよい。
【0059】
また、チャイルドシート用カバー1の盗難対策を兼ねる脱落防止機構部13や盗難対策機構部は、外側から視認できないように配置されてもよい。例えば、脱落防止機構部13や盗難防止機構部が配置されるチャイルドシート用カバー1の後側の下端部を覆うスカート状の部材が設けられる。また、開口部OPの閉状態において、脱落防止機構部13や盗難対策機構部を覆うように前カバー部20や足元カバー部40が設けられてもよい。これにより、チャイルドシート用カバー1を盗難しようとする悪意の第三者が盗難対策の箇所を容易に発見することができず、その結果、チャイルドシート用カバーの盗難抑制効果を向上させることができる。また、盗難対策の箇所が視認できないことから、チャイルドシート用カバー1の美観を損なうような事態を抑制することができる。
【0060】
また、上述の盗難対策を兼ねる脱落防止機構部13や盗難対策機構部は、開口部OPを覆うカバー部が上下方向に開閉動作を行うチャイルドシート用カバーに適用されてもよい。
【0061】
同様に、上述の盗難対策を兼ねる脱落防止機構部13や盗難対策機構部は、開口部OPがチャイルドシート200の前方ではなく、側方に位置するチャイルドシート用カバーに適用されてもよい。
【0062】
[作用]
次に、本実施形態に係るチャイルドシート用カバーの作用について説明する。
【0063】
本実施形態では、チャイルドシート用カバーは、本体部と、ベルト部と、環状部と、を備える。チャイルドシート用カバーは、例えば、上述のチャイルドシート用カバー1である。本体部は、例えば、上述の後カバー部10である。ベルト部は、例えば、上述のベルト部14である。環状部は、例えば、上述の環状部14aである。具体的には、本体部は、自転車のチャイルドシートを覆う。自転車は、例えば、上述の自転車100である。ベルト部は、本体部から延びる。そして、環状部は、ベルト部の先端に設けられる。
【0064】
これにより、ユーザは、ベルト部をチャイルドシート用カバー、チャイルドシート、或いは、自転車に設けられる所定の部位に引っ掛けて折り返した状態で、環状部に結束部材を挿通させる形で、ベルト部の先端部と基端側の部分とを結束することができる。そのため、簡易な構成によって、チャイルドシート用カバー1の盗難の発生を抑制することができる。
【0065】
また、本実施形態では、環状部は、ベルト部の先端が折り返された状態で基端側の部分と連結されるように形成されていてもよい。
【0066】
これにより、チャイルドシート用カバーは、環状部を簡易な構成によって実現することができる。
【0067】
また、本実施形態では、環状部は、所定の結束帯を挿通させることが可能な程度の大きさを有していてもよい。所定の結束帯は、例えば、結束バンド300である。
【0068】
これにより、ユーザは、結束帯を環状部に挿通させる形で、ベルト部の先端部と基端側の部分とを結束することができる。
【0069】
また、本実施形態では、ベルト部は、自転車に取り付けられてもよい。
【0070】
これにより、チャイルドシート用カバーは、盗難対策機能とチャイルドシート用カバーの脱落防止機能とを共通の構成要素によって実現することができる。
【0071】
また、本実施形態では、チャイルドシート用カバーは、バックル部を備えてもよい。バックル部は、例えば、上述のバックル部15bである。具体的には、バックル部は、本体部に取り付けられ、ベルト部を先端から通過させる形でベルト部と連結される。
【0072】
これにより、ユーザは、ベルト部とバックル部とを連結させることによって、ベルト部を自転車に取り付けることができる。
【0073】
また、本実施形態では、ベルト部は、チャイルドシートカバー、自転車、又はチャイルドシートの構成要素との関係によって外側から視認できないように配置されてもよい。
【0074】
これにより、悪意の第三者が盗難対策の箇所を容易に発見することができない。そのため、チャイルドシート用カバーの盗難抑制効果を向上させることができる。
【0075】
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 チャイルドシート用カバー
10 後カバー部
13 脱落防止機構部
14 ベルト部
14a 環状部
15 ベルト部
15a ベルト本体部
15b バックル部
15b1,15b2,15b3 梁部
20 前カバー部
30 上カバー部
40 足元カバー部
50 連結部
100 自転車
130 荷台
200 チャイルドシート
300 結束バンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7