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特開2024-16597宅配ボックス、この宅配ボックスを用いた宅配システム、及び受領確認情報担持体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016597
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】宅配ボックス、この宅配ボックスを用いた宅配システム、及び受領確認情報担持体
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/124 20060101AFI20240131BHJP
   A47G 29/122 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
A47G29/124
A47G29/122 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118841
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】397025266
【氏名又は名称】株式会社東京ボックス
(74)【代理人】
【識別番号】100076831
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 捷雄
(72)【発明者】
【氏名】磯貝 敏
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100CA02
3K100CA11
3K100CA45
(57)【要約】
【課題】ショートして故障する虞がなく且つバッテリを備えずに施錠及び開錠することの可能な宅配ボックスを提供する。
【解決手段】宅配ボックス10は、前部側を開口させたところの箱状を呈した収容容器11と、収容容器11の前部側に開閉可能に取り付けられた蓋体16と、蓋体16と収容容器11との間に設けられた機械式の施錠装置18と、を有する。蓋体16の内側には、開口部22Pを有し且つ施錠装置18の鍵24を収容する収容部22が設けられている。蓋体16には、開口部22Pに対応する位置に、鍵24を投入可能な投入口20が形成されている。施錠装置18は、常時開放状態にあるが、鍵24を用いることによって施錠されるように構成されている。宅配ボックス10は、機械式の施錠装置18を有するので、ショートして故障する虞がなく且つバッテリを備えずに施錠及び開錠することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部側を開口させたところの箱状を呈した収容容器と、
前記収容容器の前部側に開閉可能に取り付けられた蓋体と、
前記蓋体と前記収容容器との間に設けられた機械式の施錠装置と、
を有し、
前記蓋体の内側には、開口部を有し且つ施錠された前記施錠装置を開錠するための鍵を収容する収容部が設けられ、
前記蓋体には、前記開口部に対応する位置に、前記鍵を投入可能な投入口が形成され、
前記施錠装置は、常時開放状態にあるが、前記鍵を用いることによって施錠されるように構成されている、
宅配ボックス。
【請求項2】
前記収容容器の後部側に設けられ、被取付体に対する取付手段を更に備える請求項1に記載の宅配ボックス。
【請求項3】
前記取付手段は、少なくとも1つの磁石、複数の取付ネジ、又は、複数の釘であることを特徴とする、請求項2に記載の宅配ボックス。
【請求項4】
前部側及び後部側を開口させたところの角柱を呈した収容容器と、
前記収容容器の前記前部側に開閉可能に取り付けられた第1の蓋体と、
前記第1の蓋体と前記収容容器との間に設けられ、被操作部を備えた機械式の第1の施錠装置と、
前記収容容器の前記後部側に開閉可能に取り付けられた第2の蓋体と、
前記第2の蓋体と前記収容容器との間に設けられた機械式の第2の施錠装置と、
を有し、
前記第1の施錠装置は、常時開放状態にあるが、前記被操作部に対して所定の操作がされることで施錠されるように構成され、
前記第2の施錠装置は、常時施錠状態にあるが、鍵を用いることによって開錠されるように構成されている、
宅配ボックス。
【請求項5】
前記収容容器は、
前部側を開口させたところの箱状を呈した第1の収容体と、
前記第1の収容体の前記前部側に配置され、前記第1の収容体に対し嵌縮可能に配置された角柱を呈した第2の収容体と、
を含み、
前記宅配ボックスは、前記第1の収容体と前記第2の収容体との間に設けたスライドガイド機構を更に備える、
請求項1又は請求項4に記載の宅配ボックス。
【請求項6】
前記宅配ボックスは、支柱又はスライド門扉に支持される、請求項1又は請求項4に記載の宅配ボックス。
【請求項7】
請求項1又は請求項4に記載の宅配ボックスを用いた宅配システムであって、
宅配業者が宅配物を宅配ボックスに収容したことを示す第1の情報を、受取人通信装置に送信する宅配業者サーバと、
前記宅配業者サーバに、受取人により前記宅配物が受領されたこと示す第2の情報を送信する前記受取人通信装置と、
を備える宅配システム。
【請求項8】
前記宅配業者サーバは、前記受取人通信装置に前記第1の情報を電子メールで送信し、前記受取人通信装置は、前記宅配業者サーバに前記第2の情報を電子メールで送信する、請求項7に記載の宅配システム。
【請求項9】
前第1の情報には、前記宅配物を宅配ボックスに収容したことを示す文及び前記宅配業者の名称が含まれ、
前記第2の情報には、前記宅配物を受領したことを示す文及び前記受取人の氏名が含まれる、請求項7に記載の宅配システム。
【請求項10】
宅配ボックスに収容可能な大きさの受領確認情報担持体であって、
前記宅配ボックスに宅配物が収容された場合、宅配業者により、前記宅配ボックスに収容され、
受取人により前記宅配物が受領されたことを確認するための情報が担持される領域が設けられている、
受領確認情報担持体。
【請求項11】
前記受領確認情報担持体は、板、用紙、又は、はがきである、請求項10に記載の受領確認情報担持体。
【請求項12】
前記宅配物が受領されたことを確認するための情報には、前記宅配物を受領したことを示す文及び前記受取人の氏名が含まれる、請求項10又は請求項11に記載の受領確認情報担持体。
【請求項13】
前部側を開口させたところの箱状を呈した収容容器と、
前記収容容器の前部側に開閉可能に取り付けられた蓋体と、
前記蓋体と前記収容容器との間に設けられた、鍵が挿入可能な摘みを備えた機械式の施錠装置と、
を有し、
前記施錠装置は、常時開放状態にあるが、前記鍵が非挿入の状態で前記摘みが所定方向に回転されると前記蓋体と前記収容容器とを施錠し且つ前記摘みを回転不能とすると共に、前記鍵が挿入されると前記摘みが回転可能となり且つ前記蓋体と前記収容容器とを開錠可能となるように、構成されている、
宅配ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宅配物の受取人が不在であっても宅配物を受け取り、安全に保管できる安価な宅配ボックス、この宅配ボックスを介して宅配物が受領されたことの確認ができる宅配システム及び受領確認情報担持体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内部に宅配物が収容可能な宅配ボックスとして、下記の特許文献1に記載されたものが公知である。特許文献1に示すように、従来、玄関先などに設置され、配達された宅配物を居住者が不在の場合でも中に収容しておき、居住者が任意な時に取り出せるようになっているロッカー型の設備である宅配ボックスが提案されている。こうした宅配ボックスが設けられている場合には、宅配業者の宅配員は、宅配物の配達先が不在であっても、宅配物を宅配ボックスに収容した上で、暗証番号などを設定して施錠し、これを不在伝票などに記載して、配達先のポストなどに投函しておく。そうすると、宅配物の受取人が帰宅した場合には、かかる不在伝票に基づき、受取人は、宅配物が届けられた事と、宅配ボックスの開錠のための暗証番号などを知ることができるため、宅配ボックスを開錠して、宅配物を受け取れるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3231280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の宅配ボックスは、宅配時に宅配業者が暗証番号を設定して施錠し、宅配物の受け取り時に受取人が暗証番号を入力して開錠する電気式の施錠装置を備えるので、施錠装置は、雨等を受けるとショートして故障したり、バッテリが無くなると、宅配ボックスを施錠及び開錠することができなかったりする問題があった。
【0005】
また、宅配業者は、宅配物が受取人により受領されたことを確認することができない。
【0006】
本発明は、上記事実に鑑みなされたもので、ショートして故障する虞がなく且つバッテリを備えずに施錠及び開錠することの可能な宅配ボックス、この宅配ボックスを介して宅配物が受領されたことの確認ができる宅配システム、及び受領確認情報担持体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本願の請求項1に係る宅配ボックスは、前部側を開口させたところの箱状を呈した収容容器と、前記収容容器の前部側に開閉可能に取り付けられた蓋体と、前記蓋体と前記収容容器との間に設けられた機械式の施錠装置と、を有し、前記蓋体の内側には、開口部を有し且つ施錠された前記施錠装置を開錠するための鍵を収容する収容部が設けられ、前記蓋体には、前記開口部に対応する位置に、前記鍵を投入可能な投入口が形成され、前記施錠装置は、常時開放状態にあるが、前記鍵を用いることによって施錠されるように構成されている。
【0008】
本願の請求項2に係る宅配ボックスは、請求項1において、前記収容容器の後部側に設けられ、被取付体に対する取付手段を更に備える。
【0009】
本願の請求項3に係る宅配ボックスでは、請求項2において、前記取付手段は、少なくとも1つの磁石、複数の取付ネジ、又は、複数の釘であることを特徴とする。
【0010】
本願の請求項4に係る宅配ボックスは、前部側及び後部側を開口させたところの角柱を呈した収容容器と、前記収容容器の前記前部側に開閉可能に取り付けられた第1の蓋体と、前記第1の蓋体と前記収容容器との間に設けられ、被操作部を備えた機械式の第1の施錠装置と、前記収容容器の前記後部側に開閉可能に取り付けられた第2の蓋体と、前記第2の蓋体と前記収容容器との間に設けられた機械式の第2の施錠装置と、を有し、前記第1の施錠装置は、常時開放状態にあるが、前記被操作部に対して所定の操作がされることで施錠されるように構成され、前記第2の施錠装置は、常時施錠状態にあるが、鍵を用いることによって開錠されるように構成されている。
【0011】
本願の請求項5に係る宅配ボックスは、請求項1又は請求項4において、前記収容容器は、前部側を開口させたところの箱状を呈した第1の収容体と、前記第1の収容体の前記前部側に配置され、前記第1の収容体に対し嵌縮可能に配置された角柱を呈した第2の収容体と、を含み、前記宅配ボックスは、前記第1の収容体と前記第2の収容体との間に設けたスライドガイド機構を更に備える。
【0012】
本願の請求項6に係る宅配ボックスでは、請求項1又は請求項4において、前記宅配ボックスは、支柱又はスライド門扉に支持される。
【0013】
本願の請求項7に係る宅配システムは、請求項1又は請求項4に記載の宅配ボックスを用いた宅配システムであって、宅配業者が宅配物を宅配ボックスに収容したことを示す第1の情報を、受取人通信装置に送信する宅配業者サーバと、前記宅配業者サーバに、受取人により前記宅配物が受領されたこと示す第2の情報を送信する前記受取人通信装置と、を備える。
【0014】
本願の請求項8に係る宅配システムでは、請求項7において、前記宅配業者サーバは、前記受取人通信装置に前記第1の情報を電子メールで送信し、前記受取人通信装置は、前記宅配業者サーバに前記第2の情報を電子メールで送信する。
【0015】
本願の請求項9に係る宅配システムでは、請求項7において、前第1の情報には、前記宅配物を宅配ボックスに収容したことを示す文及び前記宅配業者の名称が含まれ、前記第2の情報には、前記宅配物を受領したことを示す文及び前記受取人の氏名が含まれる。
【0016】
本願の請求項10に係る受領確認情報担持体は、宅配ボックスに収容可能な大きさの受領確認情報担持体であって、前記宅配ボックスに宅配物が収容された場合、宅配業者により、前記宅配ボックスに収容され、受取人により前記宅配物が受領されたことを確認するための情報が担持される領域が設けられている。
【0017】
本願の請求項11に係る受領確認情報担持体では、請求項10において、前記受領確認情報担持体は、板、用紙、又は、はがきである。
【0018】
本願の請求項12に係る受領確認情報担持体では、請求項10又は請求項11において、前記宅配物が受領されたことを確認するための情報には、前記宅配物を受領したことを示す文及び前記受取人の氏名が含まれる。
本願の請求項13に係る宅配ボックスは、前部側を開口させたところの箱状を呈した収容容器と、前記収容容器の前部側に開閉可能に取り付けられた蓋体と、前記蓋体と前記収容容器との間に設けられた、鍵が挿入可能な摘みを備えた機械式の施錠装置と、を有し、前記施錠装置は、常時開放状態にあるが、前記鍵が非挿入の状態で前記摘みが所定方向に回転されると前記蓋体と前記収容容器とを施錠し且つ前記摘みを回転不能とすると共に、前記鍵が挿入されると前記摘みが回転可能となり且つ前記蓋体と前記収容容器とを開錠可能となるように、構成されている。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、ショートして故障する虞がなく且つバッテリを備えずに施錠及び開錠することの可能な宅配ボックスを提供することができる。
【0020】
請求項2の発明によれば、宅配ボックスを被取付体に取り付けることができる。
【0021】
請求項3の発明によれば、取付手段は、少なくとも1つの磁石、複数の取付ネジ、又は、複数の釘であるので、宅配ボックスを、被取付体に固定することができる。
【0022】
請求項4の発明によれば、ショートして故障する虞がなく且つバッテリを備えずに施錠及び開錠することの可能な宅配ボックスを提供することができる。
【0023】
請求項5の発明によれば、収容空間を大きくしたり小さくしたりすることができる。
【0024】
請求項6の発明によれば、宅配ボックスを支柱又はスライド門扉に支持することができる。
【0025】
請求項7の発明によれば、宅配ボックスを介して宅配物が受領されたことの確認ができる。
【0026】
請求項8の発明によれば、宅配ボックスを介して宅配物が収容されたこと、及び、受取人により宅配物が受領されたことを迅速に知らせることができる。
【0027】
請求項9の発明によれば、宅配ボックスを介して宅配物が収容されたこと、及び、受取人により宅配物が受領されたことの各々の内容を明確に示すことができる。
【0028】
請求項10の発明によれば、宅配ボックスを介して宅配物が受領されたことの確認ができる。
【0029】
請求項11の発明によれば、宅配ボックスに収容し易い、又は、受取人により宅配物が受領されたことを迅速に知らせることができる。
【0030】
請求項12の発明によれば、受取人により宅配物が受領されたことの内容を明確に示すことができる。
請求項13の発明によれば、ショートして故障する虞がなく且つバッテリを備えずに施錠及び開錠することの可能な宅配ボックスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】実施例1の荷物の宅配システムのハードウェア構成及びタイミングチャートを示す図である。
図2】実施例1の収容空間を最大限縮小した宅配ボックスの全体斜視図である。
図3】蓋体が開放され且つ収容空間を最大限縮小した宅配ボックスの全体斜視図である。
図4】蓋体が開放され且つ収容空間を最大限拡張した宅配ボックスの全体斜視図である。
図5】(a)は、第1の収容体に対して第2の収容体がスライド移動することをガイドするためのスライドガイド機構の斜視図であり、(b)は、当該スライドガイド機構の断面図である。
図6】実施例1の収容空間を最大限縮小した宅配ボックスを後方から見た全体斜視図である。
図7】実施例2の宅配ボックスを宅配業者用の第1の蓋体側から見た全体斜視図である。
図8】宅配業者用の第1の蓋体を施錠する第1の施錠装置のロック機構を示す全体斜視図であり、(a)は、当該ロック機構の開錠状態を示し、(b)は、当該ロック機構の施錠状態を示す図である。
図9】実施例2の宅配ボックスを受取人用の第2の蓋体側から見た全体斜視図である。
図10】受取人用の第2の蓋体を施錠する第2の施錠装置のロック機構を示す全体斜視図であり、(a)は、当該ロック機構の開錠状態を示し、(b)は、当該ロック機構の施錠状態を示す図である。
図11】実施例2の宅配ボックスの取り付け機構を示す斜視図であり、(a)は、支柱の上部に備え付ける場合の取り付け機構を示し、(b)は、スライド門扉に備え付ける場合の取り付け機構を示す図である。
図12】受領確認情報担持体を示す図である。
図13】(a)は、変形例の施錠装置を示した図であり、(b)は、摘みの回転に伴って回転板体が回転する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0033】
本願明細書並びに特許録請求の範囲に記載された宅配業者通信装置、受取人通信装置、収容容器(第1の収容体、第2の収容体)、蓋体、施錠装置(第1の施錠装置、第2の施錠装置)、スライドガイド機構、受領確認情報担持体等の用語は、実施例に挙げた形態や構造に限定されない。以下に記載したものよりさらに広い概念を包含している。
【実施例0034】
図1図6を参照して本発明の実施例1を詳細に説明する。
【0035】
図1には、実施例1の荷物(即ち、宅配物)の宅配システムのハードウェア構成及びタイミングチャートが示されている。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。図1に示すように、実施例1の宅配システムは、宅配員端末101と、宅配業者サーバ102と、受取人通信装置104と、を備える。
【0036】
宅配業者サーバ102は、CPU102A、メモリ102B、記憶装置102C、通信インタフェース102D、入力装置102E、出力装置102Fを備える。記憶装置102Cは、各種のデータや後述する第1の情報の送信プログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース102Dは、通信ネットワークに接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタなどである。入力装置102Eは、データを入力する、例えば、タッチパネル、キーボード、マウスなどである。出力装置102Fは、データを出力する、例えば、ディスプレイなどである。
【0037】
宅配員端末101及び受取人通信装置104は、宅配業者サーバ102と同様の構成であるので、その説明を省略する。なお、受取人通信装置104の記憶装置104Cは、後述する第2の情報の送信プログラムを記憶する。
【0038】
次に、図2図6を参照して本発明の実施例1の宅配ボックス10を詳細に説明する。図2には、収容空間を最大限縮小した宅配ボックス10の全体斜視図が示され、図3には、蓋体が開放され且つ収容空間を最大限縮小した宅配ボックス10の全体斜視図が示され、図4には、蓋体が開放され且つ収容空間を最大限拡張した宅配ボックス10の全体斜視図が示されている。
【0039】
図2図4に示すように、宅配ボックス10は、前部側を開口させたところの箱状を呈した収容容器11と、収容容器11の前部側に開閉可能に取り付けられた蓋体16と、蓋体16と収容容器11との間に設けられた機械式の施錠装置18と、を有する。
【0040】
蓋体16の内側には、開口部22Pを有し且つ施錠された施錠装置18を開錠するための鍵24を収容する収容部22が設けられている。
【0041】
蓋体16には、開口部22Pに対応する位置に、鍵24を投入可能な投入口20が形成されている。図示していないが、投入口20の周囲、例えば、上には、鍵24を投入口20に投入することを示すメッセージが記載されている。メッセージは、例えば、「カギをかけたらこちらに入れてください。」等である。
【0042】
施錠装置18は、常時開放状態にあるが、鍵24を用いることによって施錠されるように構成されている。
【0043】
図3及び図4に示すように、収容容器11は、前部側を開口させたところの箱状を呈した第1の収容体12と、第1の収容体12の前部側に配置され、第1の収容体12に対し嵌縮可能に配置された角柱を呈した第2の収容体14と、を含む。
【0044】
ここで、第1の収容体12の前部側は、第1の収容体12の後面部12B(図6も参照)と対向する側の位置である。
【0045】
第1の収容体12と第2の収容体14との内部の収容空間に荷物が収容可能である。
【0046】
第1の収容体12及び第2の収容体14は、薄板(例えば、鉄板)で形成されている。
【0047】
図3及び図4に示すように、第1の収容体12は、前部側から見て右側、上側、左側、及び下側の4つの側部12S1~12S4と、後面部12B(図6も参照)を備える。
【0048】
第2の収容体14は、前部側から見て右側、上側、左側、及び下側の4つの側部14S1~14S4と、前部側から見て右側、上側、及び左側の3つのフランジ14F1~14F3を備える。具体的には、横長矩形状の薄板を角柱状に形成することにより4個の側面14S1~14S4を形成し、この中の3個の側面14S1~14S3の各々の前側を、宅配ボックス10の中側に90°折り曲げることにより、3個のフランジ14F1~14F3(図3及び図4参照)を形成している。下側の側部14S4には、施錠装置18の後述する開放規制部材18Lが回転して挿入することにより係合するための貫通孔14Kが形成されている。
【0049】
蓋体16は、図1に示す基準状態において、横長矩形状の薄板の前部側から見て右側、下側、及び左側の端部を若干の長さだけ後側に折り曲げた折り曲げ部16S1、16S2、16S3と、折り曲げ部16S1、16S2、16S3以外の部分の前面部16Tと、を備える。蓋体16の前面部16Tの中央下部(図2参照)には、取っ手16Pが取り付けられている。
【0050】
蓋体16の折り曲げ部16S1~16S3の外周は、第2の収容体14の側部14S1、14S4、14S3の外周より若干大きい。よって、蓋体16が第2の収容体14の前部側を閉じると、前面部16Tの内面は、3個のフランジ14F1~14F3に当接すると共に、蓋体16の折り曲げ部16S1~16S3の内面は、第2の収容体14の側部14S1、14S4、14S3の前部側に当接する。
【0051】
上記基準状態において、蓋体16の右側の折り曲げ部16S1及び左側の折り曲げ部16S3の各々の上部(図2参照)が、軸16P(例えば、ピン)を介して、第2の収容体14の右側の側部14S1及び左側の側部14S3の前側上部に、回転可能に取り付けられている。
【0052】
蓋体16の前面部16Tの上部中央には、収容状態表示部材28を保持する保持部26が設けられている。なお、収容状態表示部材28は、例えば、プレート(鉄製等)である。収容状態表示部材28の表面28fには、荷物を宅配ボックス10に収容したことを示すメッセージが記載されている。メッセージは、例えば、「品物をお届けしました」などである。収容状態表示部材28の裏面には何も記載されていない。よって、保持部26には、裏面が外部から認識されるように収容状態表示部材28が保持され、後述するように、宅配員は、荷物を宅配ボックス10に収容した場合、収容状態表示部材28の表面28fが外部から認識されるように収容状態表示部材28を、保持部26に保持させる。収容状態表示部材28の表面28fに上記メッセージが記載され、収容状態表示部材28の裏面には何も記載されていない。よって、収容状態表示部材28が、表面28fが外部から認識されるように、保持部26に保持されると、受取人は、宅配ボックス10に荷物が収容されていることを理解する。逆に、収容状態表示部材28が、裏面が外部から認識されるように、保持部26に保持されると、受取人は、宅配ボックス10に荷物が収容されていないことを理解する。収容状態表示部材28は、荷物が収容されている又はされていないという状態を表示する。
【0053】
収容状態表示部材28の表面28fに上記メッセージが記載されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、収容状態表示部材28の表面28fにも何も記載しないが、裏面は、蓋体16の前面部16Tと同じ色とし、表面28fは、前面部16Tとは異なる色、例えば、補色(反対色)としてもよい。受取人は、蓋体16の前面部16Tに前面部16Tとは異なる色があること、結果、荷物が収容されていることを認識することができる。
【0054】
蓋体16と収容容器11との間、具体的には、蓋体16の前面部16Tの内面の下部中央(図2参照)には、施錠装置18が装着されている。なお、図3及び図4では、施錠装置18は、回転した蓋体16の前面部16Tの内面の上部中央に位置している。
【0055】
施錠装置18は、開放規制部材18Lを有する。施錠装置18は、鍵24が挿入されると、開放規制部材18Lが回転可能になると共に、鍵24が抜き去られると、開放規制部材18Lが回転不可能となるように、構成される。
【0056】
蓋体16の下側(図3及び図4では上側に位置する)の折り曲げ部16S2には、開放規制部材18Lが回転して挿入することにより係合するための貫通孔16Kが形成されている。
【0057】
蓋体16が第2の収容体14の前部側を閉じると(図2参照)、蓋体16の折り曲げ部16S2の内面は、第2の収容体14の側部14S4の前側を覆い、当該側部14S4の前側の下側に位置すると共に、当該側部14S4の貫通孔14Kは、蓋体16の折り曲げ部16S2の貫通孔16Kの上側に位置する。よって、この状態では、開放規制部材18Lは、貫通孔14K及び貫通孔16Kに挿入されることが可能である。
【0058】
第2の収容体14の内側(図3参照)は、第1の収容体12の外側に隣接する。よって、第2の収容体14の内寸は、第1の収容体12の外寸より大きい。
【0059】
図5(a)には、第1の収容体12に対して第2の収容体14がスライド移動することをガイドするためのスライドガイド機構15Lの斜視図が示され、図5(b)には、当該スライドガイド機構15Lの断面図が示されている。図3図5に示すように、宅配ボックス10は、第2の収容体14が、第1の収容体12の外側に隣接した状態で、第1の収容体12に対して相対的にスライド移動できるようにするための一対のスライドガイド機構15R、15Lが設けられている。一方のスライドガイド機構15Rは、第1の収容体12の側部12S1及び第2の収容体14の側部14S1に設けられ、他方のスライドガイド機構15Lは、第1の収容体12の側部12S3及び第2の収容体14の側部14S3に設けられている。スライドガイド機構15R、15Lは同様の構成であるので、以下、スライドガイド機構15Lを説明し、スライドガイド機構15Rの説明を省略する。
【0060】
図5に示すように、スライドガイド機構15Lは、第1の収容体12の側部12S3及び第2の収容体14の側部14S3の各面に沿って配置されたガイド部15Aと、ガイド部15Aから第2の収容体14の側部14S3に向けて折り曲げた折り曲げ部15Bと、を備える。
【0061】
ガイド部15Aには、第1の収容体12の側部12S3及び第2の収容体14の側部14S3の各面に沿ってスライドガイド長孔15Kが形成される。第1の収容体12の側部12S3には、スライドガイド長孔15Kに係合するガイド片12Pが設けられる。
【0062】
折り曲げ部15Bの先端は第2の収容体14の側部14S3に固定されている。折り曲げ部15Bの、側部14S3に垂直な方向の長さは、第1の収容体12の側部12S3の厚さより若干長い。よって、ガイド部15Aと側部14S3との間に第1の収容体12が位置した状態で、第1の収容体12に対して第2の収容体14がスライド移動することができる。
【0063】
上記のように第1の収容体12の側部12S3には、スライドガイド長孔15Kに係合するガイド片12Pが設けられる。よって、第2の収容体14が、第1の収容体12の外側に隣接した状態で、第1の収容体12に対して相対的にスライド移動する場合、第1の収容体12の側部12S3のガイド片12Pがスライドガイド長孔15Kに係合した状態で、第2の収容体14がスライドガイド長孔15Kの長手方向にガイドされて移動する。
【0064】
第2の収容体14が第1の収容体12に対して相対的に前方向にスライド移動し、第1の収容体12の側部12S3のガイド片12Pがスライドガイド長孔15Kの後側の端まで到達すると、第2の収容体14は、第1の収容体12に対して相対的に前方向にスライド移動することができなくなる。この状態が、図4に示す、収容空間が最大の状態である。
【0065】
スライドガイド機構15Lの折り曲げ部15Bの先端と、第2の収容体14の側部14S3の前側の端との間の距離は、第2の収容体14の側部14S4の前側の端と、側部14S4の貫通孔14Kとの間の距離より長い。第2の収容体14が第1の収容体12に対し後方向に移動し、第1の収容体の側部12S3が折り曲げ部15Bに位置すると、これ以上、第2の収容体14を第1の収容体12に対し後方向に移動させることできない。よって、側部14S4の貫通孔14Kは、第1の収容体12の側部12S4により、覆われることがない。よって、施錠装置18の開放規制部材18Lが貫通孔14Kに係合することを第1の収容体12の側部12S4が邪魔することを防止することができる。
【0066】
上記のように第1の収容体の側部12S3が折り曲げ部15Bに位置し、これ以上、第2の収容体14を第1の収容体12に対し後方向に移動させることできない状態が、図3に示す、収容空間が最小の状態である。
【0067】
図6には、実施例1の収容空間を最大限縮小した宅配ボックス10を後方から見た全体斜視図が示されている。図6に示すように、宅配ボックス10は、収容容器11の第1の収容体12の後部12B側には、図示しない被取付体に対する取付手段30を備える。よって、宅配ボックス10を被取付体に取り付けることができる。
【0068】
被取付体は、玄関のドア、または家の壁または塀である。取付手段30は、被取付体が磁性体である場合は、少なくとも1つの磁石であり、被取付体が磁性体でない場合は、複数の取付ネジ、或は複数の釘である。なお、図6に示す例は、被取付体は、磁性体のドアであり、取付手段30は、第1の収容体12の後面部12Bに取り付けられた上下左右に1個、合計4個の磁石である。取付手段30をフック等で構成し、宅配ボックス10を被取付体に引っ掛けるようにしてもよいが、取付手段30が、磁石、取付ネジ、或は釘である場合には、宅配ボックス10を被取付体に固定することができる。
【0069】
次に、実施例1の作用を説明する。実施例1は、宅配代金を先払いする場合と、宅配代金を後払いする場合と、に適用できる。ここで、「宅配代金の先払い」とは、荷物の宅配を依頼するときに、宅配依頼者が宅配代金を支払うことを言う。なお、これは、所謂、「発払い」又は「元払い」ともいう。「宅配代金の後払い」とは、荷物が宅配された後に宅配業者から送られた請求書に基づき、受取人が宅配代金を支払うことを言う。以下では、宅配代金を後払いする場合を例にとり説明する。なお、実施例1では、宅配代金を、荷物を受け取るときに受取人が支払う「宅配代金の同時払い」には適用されない。なお、「宅配代金の同時払い」は、所謂、「着払い」ともいう。
【0070】
受取人は、宅配ボックス10を、取付手段30により、玄関のドア等の被取付体に、宅配ボックス10の下側に空間が生ずるように、一定の高さに取り付けておく。
【0071】
また、受取人は、施錠装置18を開錠しておく。施錠装置18が開錠の状態の場合では、例えば、図3に示すように、開放規制部材18Lは、長手方向が水平方向に一致するように、位置する。よって、開放規制部材18Lの先端部は、蓋体16の折り曲げ部16S2の貫通孔16Kと第2の収容体14の側部14S4の貫通孔14Kとには挿入されていない。よって、蓋体16は、第2の収容体14に対して、開放されることができる。
【0072】
そして、受取人は、蓋体16の内側の収容部22に鍵24を収容させておく。
【0073】
なお、受取人は、宅配ボックス10の第2の収容体14及び第1の収容体12の内部の収容空間を、図2及び図3に示すように、最大限縮小しておいても、図4に示すように、最大限拡張しておいてもよい。
【0074】
蓋体16の前面部16Tの上部中央に設けられている保持部26には、裏面が外部から認識されるように、収容状態表示部材28が保持される。
【0075】
荷物の宅配員は、宅配の際、蓋体16を、第2の収容体14に対して、開く。具体的には、宅配員は、蓋体16の下側の折り曲げ部16S2を上側に持ち上げる。これにより、蓋体16は、軸16Pを中心に回転し、図3又は図4に示すように、折り曲げ部16S2が上側に位置する。よって、収容部22の開口部22Pが下側になり、鍵24が開口部22Pを介して、落下する。宅配員は、落下した鍵24を受け取っておく。
【0076】
宅配員は、第2の収容体14及び第1の収容体12の内部の収容空間に荷物を置こうとする。
【0077】
収容空間が、例えば、最大限縮小されており(図2及び図3)、荷物の大きさが当該縮小された収容空間には収容できない大きさの場合、宅配員は、第2の収容体14を、例えば、図4に示すように、収容空間が最大限拡張されるまで、前方向に引き出す。第2の収容体14の移動は、スライドガイド機構15R、15Lにより、ガイドされる。即ち、図5に示すように、第2の収容体14が、ガイド片12Pがスライドガイド長孔15Kに係合した状態で移動する。
【0078】
第2の収容体14が第1の収容体12に対して相対的に前方向にスライド移動し、第1の収容体12の側部12S3のガイド片12Pがスライドガイド長孔15Kの後側の端まで到達すると、第2の収容体14は、第1の収容体12に対して相対的に前方向にスライド移動することができなくなり、収容空間は最大限拡張される。
【0079】
荷物の宅配員は、収容空間に荷物を置く。
【0080】
荷物を収容空間に置いた宅配員は、蓋体16により収容空間を閉じる。具体的には、宅配員は、蓋体16の折り曲げ部16S2を下側に戻す。これにより、蓋体16は、軸16Pを中心に回転し、図2に示すように、折り曲げ部16S2が、第2の収容体14の側部14S4の下側に位置する。
【0081】
宅配員は、鍵24を施錠装置18に挿入して回転させる。これにより、開放規制部材18Lが、蓋体16の折り曲げ部16S2の貫通孔16Kと、第2の収容体14の側部14S4の貫通孔14Kと、に挿入される。開放規制部材18Lが貫通孔16Kと貫通孔14Kとに挿入されると、蓋体16を開放しようとしても、貫通孔16Kと貫通孔14Kとに挿入されている開放規制部材18Lにより、蓋体16の開方向の移動(即ち、開放)が規制され、蓋体16を開放することができない(即ち、施錠状態)。
【0082】
このように施錠装置18を施錠すると、宅配員は、鍵24を、蓋体16の前面部16Tに形成された投入口20に投入する。投入口20に投入された鍵24は、収容部22の開口部22Pを介して、収容部22に収容される。これにより、鍵24は、荷物を次回宅配する際に、利用可能となる。
【0083】
宅配員は、荷物を宅配ボックス10に収容した場合、収容状態表示部材28の表面28fが外部から認識されるように、収容状態表示部材28を保持部26に保持させる。よって、受取人は、収容状態表示部材28の表面28fのメッセージ(例えば、「品物をお届けしました」)を見ると、荷物が宅配ボックス10に収容されたことを知ることができる。
【0084】
宅配員は、荷物を宅配ボックス10に置くと、図1に示す宅配員端末101の入力装置を操作し、宅配員端末101から宅配業者サーバ102に、受取人宅に荷物を宅配したことを示す情報を電子メールで送信する。受取人宅に荷物を宅配したことを示す情報には、受取人の住所及び氏名、荷物の情報、及び宅配した日時が含まれる。受取人宅に荷物を宅配したことを示す情報を受信した宅配業者サーバ102は、第1の情報送信プログラムに従って、ステップ112で、受取人宅に荷物を宅配したことを示す情報に基づいて、宅配業者が荷物を宅配ボックス10に収容したことを示す第1の情報を、受取人通信装置104に送信する。
【0085】
ここで、第1の情報には、荷物を宅配ボックス10に収容したことを示す文及び前記宅配業者の名称が含まれる。具体的には、図1に示すように、第1の情報は、例えば、「2022年06月01日に、荷物を宅配ボックス10に収容しました。宅配業者名(〇〇〇〇)」等である。第1の情報には更に、荷物を確認しましたら、受取人により荷物が受領されたこと示す後述する第2の情報を送信(即ち、返信)することを依頼する情報を含むようにしてもよい。
【0086】
宅配業者サーバ102は、受取人通信装置104に第1の情報を電子メールで送信する。荷物の宅配を依頼した依頼人は、宅配依頼書に、荷物の情報、受取人の氏名及び住所、受取人通信装置104の電子メールのアドレスを記載する。宅配業者の集荷員の図示しない集荷員端末は、宅配依頼書に記載されたこれらの情報を、読み取り且つ宅配業者サーバ102に送信する。宅配業者サーバ102は、記憶装置102Cに、荷物の情報、受取人の氏名及び住所、受取人通信装置104の電子メールのアドレスを対応して記憶する。よって、宅配業者サーバ102は、受取人通信装置104に第1の情報を電子メールで送信することができる。宅配業者サーバ102は、第1の情報を電子メールで送信することができることに限定されず、電子メール以外、例えば、チャット又はWebメールで送信してもよい。
【0087】
第1の情報を電子メールで受信した受取人通信装置104は、当該電子メールを受信したことを、出力装置104Fを介して出力する。受取人は、電子メールを確認し、荷物が宅配ボックス10に収容されたことを知る。
【0088】
ところで、受取人は、収容部22に収容されている鍵24とは異なるが、施錠装置18を開錠させるための別の鍵を持っている。そこで、荷物の受取人が宅配ボックス10から荷物を取り出す場合には、当該別の鍵を用いて施錠装置18を開錠する。よって、蓋体16を開くことができる。
【0089】
受取人は、蓋体16を開き、荷物を宅配ボックス10から取り出す。そして、上記のように、受取人は、施錠装置18を開錠しておく。
【0090】
受取人は、受取人通信装置104に、受取人により荷物が受領されたこと示す第2の情報を、宅配業者サーバ102に送信させるように、受取人通信装置104の入力装置104Eを操作する。これにより、受取人通信装置104は、第2の情報送信プログラムに従って、ステップ114で、受取人により荷物が受領されたこと示す第2の情報を、宅配業者サーバ102に送信する。これにより、宅配業者サーバ102は、受取人により荷物が受領されたことを確認することができる。当該確認ができた宅配業者サーバ102は、受取人通信装置104に、支払い手続きメールを送信する。支払い手続きメールには、請求書の他に、支払方法、例えば、コンビニ払い、銀行振り込み、クレジットカード決済等を受取人が選択できるように案内する情報が含まれる。そこで、受取人は、当該請求書に基づき、自身が選択した支払方法で、宅配代金を支払う。
【0091】
第2の情報には、荷物を受領したことを示す文及び受取人の氏名が含まれる。具体的には、図1に示すように、第2の情報には、「確かに荷物を受領しました。受取人住所 東京都世田谷区〇〇 1-2-3 受取人名 〇〇 〇〇」である。
【0092】
受取人通信装置104は、宅配業者サーバ102に第2の情報を電子メールで送信する。受取人通信装置104は、第2の情報を、電子メールで送信することに限定されず、電子メール以外、例えば、チャット又はWebメールで送信してもよい。
【0093】
以上説明したように、実施例1では、宅配ボックス10は蓋体16と収容容器11との間に設けられた機械式の施錠装置18を有するので、ショートして故障する虞がなく且つバッテリを備えずに施錠及び開錠することの可能な宅配ボックス10を提供することができる。
【0094】
また、実施例1の宅配ボックス10の収容容器11は、第1の収容体12と、第1の収容体12の前部側に配置され、第1の収容体12に対し嵌縮可能に配置された角柱を呈した第2の収容体と、を含む。よって、実施例1の宅配ボックス10は、収容空間を大きくしたり小さくしたりすることができる。
【0095】
上記実施例1では、受取人通信装置104は、受取人により荷物が受領されたこと示す第2の情報を宅配業者サーバ102に送信するので、宅配業者は、宅配ボックス10を介して荷物が受取人により受領されたことの確認ができる。
【0096】
また、宅配業者サーバ102は、受取人通信装置104に第1の情報を電子メールで送信し、受取人通信装置104は、宅配業者サーバ102に第2の情報を電子メールで送信する。よって、実施例1では、配ボックスを介して荷物が収容されたこと、及び、受取人により荷物が受領されたことを迅速に知らせることができる。
【0097】
更に、宅配業者サーバ102が受取人通信装置104に送信する第1の情報には、荷物を宅配ボックス10に収容したことを示す文及び前記宅配業者の名称が含まれ、受取人通信装置104が宅配業者サーバ102に送信する第2の情報には、荷物を受領したことを示す文及び受取人の氏名が含まれる。よって、実施例1では、宅配ボックス10を介して荷物が収容されたこと、及び、受取人により荷物が受領されたことの各々の内容を明確に示すことができる。
【0098】
なお、荷物の宅配員は、宅配ボックス10の収容容器11の内部の収容空間に荷物を置く。よって、受取人が不在であっても荷物を宅配することができる。
【0099】
以上説明した実施例1では、収容容器11は、第1の収容体12と第2の収容体とを含むが、本発明はこれに限定されない。収容容器11は、1つの収容体で構成しても、3以上の複数の収容体で構成してもよい。例えば、収容容器11を3個の収容体で構成した場合、収容容器11は、前部側を開口させたところの箱状を呈した第1の収容体12と、第1の収容体12の前部側に配置され、第1の収容体12に対し嵌縮可能に配置された角柱を呈した第2の収容体14と、第2の収容体14の前部側に配置され、第2の収容体14に対し嵌縮可能に配置された角柱を呈した第3の収容体と、を含むように、構成されてもよい。
【0100】
また、実施例1では、蓋体16の下側の折り曲げ部16S2を上側に持ち上げることにより、蓋体16を、第2の収容体14に対して、開くようにしている。本発明はこれに限定されない。例えば、軸16P(例えば、図2参照)を、第1に、下側に取り付け、蓋体16の上端側を下方向に下げたり、第2に、右側又は左側に取り付け、右方向又は左方向に回転させたりすることにより、蓋体16を開けるようにしてもよい。
【0101】
更に、実施例1では、第2の収容体14の下部の4隅にキャスターを取り付けると共に、宅配ボックス10を、キャスターが地面につくように、被取付体に取り付け、キャスターにより、第2の収容体14のスライド移動を補助するようにしてもよい。
【0102】
以上説明した実施例1の宅配システムは、宅配ボックスとして上記宅配ボックス1を利用しているが、本発明はこれに限定されず、宅配ボックス10以外の宅配ボックスでもよい。
【実施例0103】
次に、図7図11を参照して本発明の実施例2を詳細に説明する。実施例2は、実施例1の宅配ボックス10に代えて、以下に説明する宅配ボックス50を利用する点で、実施例1と相違する。よって、実施例2の宅配システムは、実施例1と同様の構成であるが、宅配ボックスとして、以下に説明する宅配ボックス50を利用する。宅配システムの作用及び効果は前述した実施例1と同様であるので、その説明を省略する。なお、実施例2も、宅配代金を先払いする場合と、宅配代金を後払いする場合と、に適用できる。
【0104】
図7には、実施例2の宅配ボックス50を宅配業者用の第1の蓋体54側からを見た全体斜視図が示されている。図9には、実施例2の宅配ボックス50を、受取人用の第2の蓋体60側から見た全体斜視図が示されている。
【0105】
図7に示すように、実施例2の宅配ボックス50は、前部側及び後部側を開口させたところの角柱を呈した収容容器52と、収容容器52の前部側に開閉可能に取り付けられた第1の蓋体54と、第1の蓋体54と収容容器52との間に設けられ、被操作部56Aを備えた機械式の第1の施錠装置56と、を有する。
【0106】
第1の施錠装置56は、常時開放状態にあるが、被操作部56Aに対して所定の操作がされることで施錠されるように構成されている。
【0107】
図9に示すように、宅配ボックス50は、収容容器52の後部側に開閉可能に取り付けられた第2の蓋体60と、第2の蓋体60と収容容器52との間に設けられた機械式の第2の施錠装置62と、を有する。
【0108】
第2の施錠装置62は、常時施錠状態にあるが、鍵62B(図10も参照)を用いることによって開錠されるように構成されている。
【0109】
ここで、収容容器52の前部側は、図7に示すように、収容容器52に対して第1の蓋体54が設けられた側である。収容容器52の後部側は、図9に示すように、収容容器52に対して第2の蓋体60が設けられた側である。
【0110】
収容容器52は、角柱を呈するように、前部側(図7参照)から見て右側、上側、左側、及び下側の側部52S1、52S2、52S3、54S4を備える。
【0111】
左側の側部52S3の前側には、横長矩形状の薄板の前側の端から第1の長さの位置で90°右側に折り曲げ、折り曲げられた部分を当該端から第2の長さ(<第1の長さ)の位置で、90°後側(第2の蓋体60側)に折り曲げて形成された第1の折り曲げ部52S31と第2の折り曲げ部52S32とを有する。当該側部52S3の後側(図9参照)は側部52S3の前側と同様であるので、その説明を省略する。例えば、第1の長さは、6cm、第2の長さは、3cmである。なお、第1の長さ及び第2の長さは、これらに限定されない。例えば、第1の長さは、7cm、第2の長さは、3.5cmなどでもよい。
【0112】
右側の側部52S1は、左側の側部52S3と同様である。具体的には、側部52S1の前側には、横長矩形状の薄板の前側の端から第1の長さの位置で90°左側に折り曲げ、折り曲げられた部分を当該端から第2の長さ(<第1の長さ)の位置で、90°後側(第2の蓋体60側)に折り曲げて形成された第1の折り曲げ部52S11と第2の折り曲げ部52S12とを有する。当該側部52S1の後側(図9参照)は側部52S1の前側と同様であるので、その説明を省略する。
【0113】
下側の側部52S4の前側(図7参照)には、横長矩形状の薄板の前側の端から第3の長さの位置で90°上側に折り曲げ、上側に折り曲げられた部分を当該端から第4の長さ(<第3の長さ)の位置で、90°後側(第2の蓋体60側)に折り曲げ、後側に折り曲げられた部分を当該端から第5の長さ(<第4の長さ)の位置で、90°上側に折り曲げて形成された第1の折り曲げ部52S41、第2の折り曲げ部52S42、及び第3の折り曲げ部52S43を有する。当該側部52S4の後側は側部52S4の前側と同様であるので、その説明を省略する。例えば、第3の長さは、9cm、第4の長さは、6cm、第5の長さは、3cmである。なお、第3の長さ~第5の長さは、これらに限定されない。例えば、第3の長さは、12cm、第4の長さは、8cm、第5の長さは、4cmなどでもよい。
【0114】
上側の側部52S2は、下側の側部52S4と同様であるので、その説明を省略する。
【0115】
図7に示すように、第1の蓋体54は、横長矩形状の薄板の右側、上側、左側、及び下側の端部を若干の長さだけ後側に折り曲げた折り曲げ部54S1、54S2、54S3、54S4と、折り曲げ部54S1、54S2、54S3、54S4以外の部分の前面部54S5と、を備える。第1の蓋体54の前面部54S5の左側中央には、取っ手54Pが取り付けられている。
【0116】
第1の蓋体54は、上側の軸54P(例えば、ピン)と図示しない下側の軸とを介して、側部52S2、52S4に回転可能に取り付けられている。
【0117】
第1の蓋体54が、軸54Pを介して回転し、収容容器52の前部側を閉じると、第1の蓋体54の折り曲げ部54S1~54S4はそれぞれ、側部52S1の第2の折り曲げ部52S12、側部52S2の第2の折り曲げ部(図示しない)、側部52S3の第2の折り曲げ部52S32、側部52S4の第2の折り曲げ部52S42に当接する。第1の蓋体54の折り曲げ部54S2、54S4の先端(宅配ボックス50の内側に向く端)は、側部52S2の第3の折り曲げ部(図示しない)、側部52S4の第3の折り曲げ部52S43に当接する。
【0118】
第1の蓋体54の左側の折り曲げ部54S3には、貫通孔54Kが形成されている。収容容器52の左側の側部52S3の第2の折り曲げ部52S32には、貫通孔52Kが形成されている。貫通孔54K及び貫通孔52Kは同じ大きさで同じ高さに形成されている。
【0119】
第1の蓋体54の前面部54S5には、貫通孔54FKが形成されている。
【0120】
図8には、第1の蓋体54を施錠する第1の施錠装置56のロック機構を示す全体斜視図が示され、図8(a)は、当該ロック機構の開錠状態を示し、図8(b)は、当該ロック機構の施錠状態を示す図が示されている。
【0121】
図8に示すように、第1の施錠装置56は、第1の蓋体54の前面部54S5の内面に固定された支持部材56Fに、貫通孔56FLを介して左右方向に移動可能に支持された押出部材56Bを備えている。押出部材56Bは、円柱(棒)に構成してもよい。支持部材56Fには、前面部54S5側に、前面部54S5に形成された貫通孔54FKに対応する位置に、貫通孔54FKと同じ大きさの貫通孔56FKが形成されている。押出部材56Bには被操作部56Aが取り付けられており、被操作部56Aは、支持部材56Fの貫通孔56FKと前面部54S5の貫通孔54FKを介して外部に露出している。
【0122】
押出部材56Bの先端56B1側には、係止部材56Hが、前面部54S5に固定された軸56Gを中心に回転(揺動)可能に取り付けられている。係止部材56Hは、下側(一端側)が軸56Gに回転可能に取り付けられた揺動部材56H1と、揺動部材56H1の上側(他端)に接続する開放規制部材56H2と、を備える。
【0123】
押出部材56Bの後端側には、バネ受け部材56B2が取り付けられている。バネ受け部材56B2は、キャップ状又は板状に構成してもよい。押出部材56Bの後端側には、バネ受け部材56B2と支持部材56Fとの間に、バネ56Dが、バネ受け部材56B2と支持部材56Fとの間を自由に移動できるように、取り付けられている。バネ受け部材56B2の大きさは、バネ56Dの断面より大きい。バネ受け部材56B2は、バネ56Dを受けること、即ち、バネ56Dの右側への移動を止めることができる。
【0124】
バネ56Dが伸縮していない状態(図8(a)参照)では、押出部材56Bは右側に位置する。押出部材56Bの先端56B1には、係止部材56Hの揺動部材56H1の上側端が接触している。開放規制部材56H2は、貫通孔54Kと貫通孔52Kとには係合していない。
【0125】
バネ56Dが伸縮していない状態(図8(a)参照)で、被操作部56Aが左方向(方向F)に移動すると、これに伴い、押出部材56Bが左側に移動する。押出部材56Bの左側への移動により、押出部材56Bの先端56B1が、係止部材56Hの揺動部材56H1の上側端を左方向に押し出す。これにより、係止部材56Hが軸56Gを中心に左方向に回転し、開放規制部材56H2が、貫通孔54Kと貫通孔52Kとに係合する。これにより、第1の蓋体54は、収容容器52から離れることができない。即ち、第1の蓋体54が収容容器52から開放されることが規制される。つまり、第1の蓋体54は、閉じた状態に維持される(施錠状態)。
【0126】
図9に示すように、第2の蓋体60は、後側から見て、横長矩形状の薄板の右側、上側、左側、及び下側の端部を若干の長さだけ後側に折り曲げた折り曲げ部60S1、60S2、60S3、60S4と、折り曲げ部60S1、60S2、60S3、60S4以外の部分の前面部60S5と、を備える。第2の蓋体60の前面部60S5の左側中央には、取っ手60Pが取り付けられている。
【0127】
第2の蓋体60は、上側の軸60P(例えば、ピン)と図示しない下側の軸とを介して、側部52S2、52S4に回転可能に取り付けられている。
【0128】
第2の蓋体60が、軸60Pを介して回転し、収容容器52の後部側を閉じると、第2の蓋体60の折り曲げ部60S1~60S4はそれぞれ、側部52S3の第2の折り曲げ部52S32、側部52S2の第2の折り曲げ部(図示しない)、側部52S1の第2の折り曲げ部52S12、側部52S4の第2の折り曲げ部52S42に当接する。第2の蓋体60の折り曲げ部60S2、60S4の先端(宅配ボックス50の内側に向く端)は、側部52S2の第3の折り曲げ部(図示しない)、側部52S4の第3の折り曲げ部52S43に当接する。
【0129】
第2の蓋体60の左側の折り曲げ部60S3には、貫通孔60Kが形成されている。収容容器52の側部52S1の第2の折り曲げ部52S12には、貫通孔52Lが形成されている。貫通孔60K及び貫通孔52Lは同じ大きさで同じ高さに形成されている。
【0130】
図10には、受取人用の第2の蓋体60を施錠する第2の施錠装置62のロック機構を示す全体斜視図が示されている。図10(a)には、当該ロック機構の開錠状態が示され、図10(b)には、当該ロック機構の施錠状態が示されている。
【0131】
図9に示すように、第2の蓋体60と収容容器52との間に、具体的には、第2の蓋体60の前面部60S5の内面には、第2の施錠装置62が装着されている。第2の施錠装置62は、開放規制部材62Aを有する。図10に示すように、第2の施錠装置62は、鍵62Bが挿入されると、開放規制部材62Aが回転可能になると共に、鍵62Bが抜き去られると、開放規制部材62Aが回転不可能となるように、構成される。
【0132】
第2の施錠装置62に鍵62Bが挿入され、開放規制部材62Aが、回転し、図10(b)に示すように、第2の蓋体60の左側の折り曲げ部60S3の貫通孔60Kと、収容容器52の右側の側部52S1の第2の折り曲げ部52S12の貫通孔52Lと、に挿入されると、第2の蓋体60を開けようとしても、第2の蓋体60は、貫通孔60K及び貫通孔52Lに挿入されている開放規制部材62Aにより、第2の蓋体60の開方向の移動が規制され、第2の蓋体60を開放することができない(施錠状態)。
【0133】
図11には、実施例2の宅配ボックス50の取り付け機構を示す斜視図が示されている。なお、図11では、取っ手54Pは省略されている。図11(a)には、宅配ボックス50を支柱70の上部に備え付ける場合の取り付け機構が示されている。
【0134】
図11(a)に示すように、宅配ボックス50は、支柱70に支持されている。具体的には、支柱70の下端が支持台72に支持され、支柱70の上端は、宅配ボックス50の側部52S4に固定された接続板74に固定されている。これにより、宅配ボックス50を支柱に支持することができる。なお、宅配ボックス50を、複数(例えば、4本)の支柱70で支持するようにしてもよい。
【0135】
次に、実施例2の宅配ボックス50の動作を説明する。
【0136】
受取人は、支柱70に支持された状態の宅配ボックス50を、玄関のドアの付近、または家の壁または塀の付近に配置する。
【0137】
また、受取人は、第1の施錠装置56を開錠しておく(図8(a)参照)。第1の施錠装置56が開錠の状態の場合では、例えば、図8(a)に示すように、係止部材56Hの開放規制部材56H2が、第1の蓋体54の左側の折り曲げ部54S3の貫通孔54Kと、収容容器52の左側の側部52S3の第2の折り曲げ部52S32の貫通孔52Kと、に係合していない。よって、第1の蓋体54は、収容容器52に対して、開くことができる。
【0138】
荷物の宅配員は、宅配の際、第1の蓋体54を、収容容器52に対して、開く。具体的には、宅配員は、第1の蓋体54の折り曲げ部54S3を右に回転する。
【0139】
宅配員は、収容容器52の内部の収容空間に荷物を置く。
【0140】
荷物を収容空間に置いた宅配員は、第1の蓋体54を、収容容器52に対して、閉じる。
【0141】
宅配員は、第1の施錠装置56の被操作部56Aを左方向(方向F)に移動する。被操作部56Aが左方向(方向F)に移動すると、これに伴い、押出部材56Bが左側に移動する。押出部材56Bの左側への移動により、図8(b)に示すように、押出部材56Bの先端56B1が、係止部材56Hの揺動部材56H1の上側端を左方向に押し出す。これにより、係止部材56Hが軸56Gを中心に左方向に回転し、開放規制部材56H2が、第1の蓋体54の左側の折り曲げ部54S3の貫通孔54Kと、収容容器52の左側の側部52S3の第2の折り曲げ部52S32の貫通孔52Kと、に係合する。これにより、第1の蓋体54は、収容容器52から離れることができない、即ち、閉じた状態に維持される。
【0142】
ところで、受取人は、第2の施錠装置62を開錠させるための鍵62B(図10参照)を持っている。そこで、受取人が宅配ボックス50から荷物を取り出す場合には、鍵62Bを用いて第2の施錠装置62を開錠する。よって、第2の蓋体60を開くことができる。
【0143】
受取人は、第2の蓋体60を開き、荷物を宅配ボックス50から取り出す。上記のように、受取人は、第1の施錠装置56の被操作部56Aを右方向(方向Fと逆方向)に移動し、開放規制部材56H2を、貫通孔54Kと貫通孔52Kとから離脱させ、第1の施錠装置56を開錠しておく(図8(a)参照)。
【0144】
以上説明したように、実施例2の宅配ボックス50は、第1の蓋体54と収容容器52との間に設けられた機械式の第1の施錠装置56と、第2の蓋体60と収容容器52との間に設けられた機械式の第2の施錠装置62とを有する。よって、実施例2は、ショートして故障する虞がなく且つバッテリを備えずに施錠及び開錠することの可能な宅配ボックスを提供することができる。
【0145】
以上説明した実施例2の宅配ボックス50は、前部側及び後部側を開口させたところの角柱を呈した収容容器52を備えるが、本発明はこれに限定されない。収容容器を、複数の収容体で構成してもよい。収容容器を、実施例1のように2個の収容体で構成して、実施例1の変形例のように3個の収容体で構成してもよい。例えば、収容容器を3個の収容体で構成した場合、収容容器52は、前部側を開口させたところの箱状を呈した第1の収容体と、第1の収容体の前部側に配置され、第1の収容体12に対し嵌縮可能に配置された角柱を呈した第2の収容体と、第2の収容体の前部側に配置され、第2の収容体に対し嵌縮可能に配置された角柱を呈した第3の収容体と、を含む。
【0146】
実施例2では、宅配ボックス50は、支柱70に支持されている(図11(a)参照)。本発明はこれに限定されず、図11(b)に示すように、宅配ボックス50は、第1の挟み部材80Aと第2の挟み部材80Bとによりスライド門扉90の上端に固定されてもよい。宅配ボックス50をスライド門扉に支持することができる。
【0147】
また、実施例2では、第1の蓋体54及び第2の蓋体60を右側に回転することにより、開くようにしている。本発明はこれに限定されない。例えば、第1の蓋体54及び第2の蓋体60を、上方向に又は下方向に回転したり、左方向に回転させたりすることにより、開けるようにしてもよい。
【実施例0148】
次に、図12を参照して、実施例3を詳細に説明する。なお、宅配ボックスとして実施例2の宅配ボックス50を例にとり、実施例3を説明する。
【0149】
前述した実施例1では、受取人による荷物の受領確認を、電子メールを介して行っている。
【0150】
これに対し、実施例3では、受領確認を、受領確認情報担持体150を用いて行う。受領確認情報担持体150は、例えば、折り曲げることができる用紙である。その他、板(木製、プラスチック製等)などでもよい。折り曲げることができる用紙である受領確認情報担持体150は、板等に比べると、宅配ボックス50に収容し易い。
【0151】
図12には、受領確認情報担持体150が示されている。
【0152】
受領確認情報担持体150は、宅配ボックス50に収容可能な大きさの用紙である。受領確認情報担持体150は、宅配ボックス50に荷物が収容された場合、宅配業者により、宅配ボックス50に収容される。
【0153】
受領確認情報担持体150には、宅配業者が荷物を宅配ボックス50に収容したことを示す情報が担持される領域150Aが設けられている。宅配業者が荷物を宅配ボックス50に収容したことを示す情報には、荷物を宅配ボックスに収容したことを示す文及び宅配業者の名称が含まれる。具体的には、領域150Aには、例えば、「2022年06月01日に、荷物を宅配ボックスに収容しました。宅配業者名(〇〇〇〇)」が記載される。
【0154】
受領確認情報担持体150には、受取人により荷物が受領されたことを確認するための情報が担持される領域150Bが設けられている。荷物が受領されたことを確認するための情報には、荷物を受領したことを示す文及び受取人の氏名である。具体的には、領域150Bには、「確かに荷物を受領しました。受取人住所 東京都世田谷区〇〇 1-2-3 受取人名 〇〇 〇〇」が記載される。領域150Bには、印鑑が押される。
【0155】
次に、実施例3の作用を説明する。実施例3も、宅配代金を先払いする場合と、宅配代金を後払いする場合と、に適用できる。以下では、宅配代金を後払いする場合を例にとり説明する。
【0156】
実施例2のように、荷物の宅配員は、宅配ボックス50の収容容器52の内部の収容空間に荷物を置く。
【0157】
宅配員は、荷物を宅配ボックス50に置くと、受領確認情報担持体150の領域150Aに、例えば、「2022年06月01日に、荷物を宅配ボックスに収容しました。宅配業者名(〇〇〇〇)」と記載する。宅配員は、領域150Aにこのように記載すると、受領確認情報担持体150を、荷物と共に、宅配ボックス50に収容する。
【0158】
なお、実施例1のように、宅配員端末101と、宅配業者サーバ102と、受取人通信装置104と、を備え、宅配員は、荷物を宅配ボックス50の中に収容する、宅配員端末101を介して、宅配業者サーバ102に、宅配員が荷物を宅配ボックスに収容したことを示す第1の情報を、受取人通信装置104に送信させるようにしてもよい。
【0159】
受取人は、荷物を宅配ボックス50から取り出す。受取人は、荷物を宅配ボックス50から取り出すと、受領確認情報担持体150の領域150Bに、「確かに荷物を受領しました。受取人住所 東京都世田谷区〇〇 1-2-3 受取人名 〇〇 〇〇」を記載し、領域150Bに、印鑑を押す又はサインをする。そして、受取人は、受領確認情報担持体150を、宅配ボックス50に置く。これにより、宅配員は、次回の宅配の際に、前回の宅配の際の受領確認情報担持体150を回収する。受領確認情報担持体150を回収した宅配員は、受取人により荷物が受領されたことを確認することができる。実施例1のように、宅配員端末101と、宅配業者サーバ102と、受取人通信装置104と、を備える場合には、宅配員は、宅配員端末101を介して、宅配業者サーバ102に、受取人により荷物が受領されたことを知らせる。宅配業者サーバ102は、受取人通信装置104に、上記支払い手続きメールを送信する。受取人は、上記のように、当該請求書に基づき、上記のように自身が選択した支払方法で、宅配代金を支払う。これに対し、宅配員端末101と、宅配業者サーバ102と、受取人通信装置104と、を備えない場合には、宅配員は、宅配ボックス50に請求書を置く。受取人は、当該請求書に基づき宅配代金を支払う。
【0160】
以上説明したように、実施例3では、受取人は、荷物を受領すると、受領確認情報担持体150の領域150Bに、受取人により荷物が受領されたことを確認するための情報を記載する。配員は、次回の宅配の際に、前回の宅配の際の受領確認情報担持体150を回収する。よって、実施例3では、宅配業者は、宅配ボックスを介して荷物が受領されたことの確認ができる。
【0161】
また、実施例3では、宅配業者が荷物を宅配ボックス50に収容したことを示す情報に、荷物を宅配ボックスに収容したことを示す文及び宅配業者の名称が含まれ、荷物が受領されたことを確認するための情報には、荷物を受領したことを示す文及び受取人の氏名が含まれる。よって、実施例3では、宅配ボックスを介して荷物が収容されたこと、及び、受取人により荷物が受領されたことの各々の内容を明確に示すことができる。
【0162】
更に、実施例3では、荷物の宅配員は、宅配ボックス50の収容容器52の内部の収容空間に荷物を置く。よって、実施例3では、ショートして故障する虞がなく且つバッテリを備えずに施錠及び開錠することの可能な宅配ボックスを介して荷物が受領されたことの確認ができる。
【0163】
実施例3では、上記のように、宅配員は、宅配の際に、受領確認情報担持体150を宅配ボックス50に置き、受取人は、荷物を宅配ボックス50から取り出すと、受領確認情報担持体150を、宅配ボックス50に置く。これにより、宅配員は、次回の宅配の際に、前回の宅配の際の受領確認情報担持体150を回収する。本発明はこれに限定されない。例えば、受領確認情報担持体150をはがきとする。はがきの表面には、宅配業者の住所及び名称が記載され、はがきの裏面には、領域150A及び領域150Bを設ける。
【0164】
実施例2のように、荷物の宅配員は、宅配ボックス50の収容容器52の内部の収容空間に荷物を置く。宅配員は、荷物を宅配ボックス50に置くと、受領確認情報担持体150の領域150Aに、例えば、「2022年06月01日に、荷物を宅配ボックスに収容しました。宅配業者名(〇〇〇〇)」と記載する。宅配員は、領域150Aにこのように記載すると、受領確認情報担持体150を、荷物と共に、宅配ボックス50の中に収容する。
【0165】
受取人は、荷物を宅配ボックス50から取り出す。受取人は、荷物を宅配ボックス50から取り出すと、受領確認情報担持体150の域150Bに、「確かに荷物を受領しました。受取人住所 東京都世田谷区〇〇 1-2-3 受取人名 〇〇 〇〇」を記載し、領域150Bに、印鑑を押す又はサインをする。そして、受取人は、はがきである受領確認情報担持体150を宅配業者宛てに郵送する。よって、宅配業者は、次回の宅配まで、前回の受領確認を待たなくともよい。
【0166】
以上説明した実施例3では、宅配ボックスとして、実施例2の宅配ボックス50を例にとり説明したが、本発明はこれに限定されず、実施例1の宅配ボックス10でも、これらの宅配ボックス以外の宅配ボックスでもよい。
【0167】
実施例1では、宅配業者サーバ102は、宅配業者が荷物を宅配ボックスに収容したことを示す第1の情報を受取人通信装置104に送信し、受取人通信装置104は、受取人により荷物が受領されたこと示す第2の情報を宅配業者サーバ102に送信する。本発明はこれに限定されない。例えば、宅配業者サーバ102は、実施例3の受領確認情報担持体150の領域150A及び領域150Bの各テキストデータを含む受領確認情報担持データを受取人通信装置104に送信する。但し、領域150Bの「印」に代えて、チェックボックスを備える。受取人は、チェックボックスにチェックを入れ、受取人通信装置104は、当該受領確認情報担持データを宅配業者サーバ102に送信する。これにより、宅配業者は、宅配ボックスを介して荷物が受領されたことの確認ができると共に、受取人が領域150Bの内容を入力する手間を省略することができる。
【0168】
実施例1では、施錠装置18は、鍵24が挿入されると、開放規制部材18Lが回転可能になると共に、鍵24が抜き去られると、開放規制部材18Lが回転不可能となるように、構成されている。本発明はこれに限定されない。例えば、図13に示す施錠装置6を用いてもよい。図13(a)に示すように、施錠装置6は、常時開放状態にあるが、施錠装置6の被操作部、例えば、摘み6aに対して所定の操作がされると、施錠され、鍵6bを用いることによって開錠されるように構成されている。より詳細には、施錠装置6は、鍵6bが挿入可能に構成された摘み6aと、回転板体6fと、摘み6aの回転に伴って回転すると共に、鍵6bが非挿入の状態で摘み6aが右(又は左)方向に所定角度回転すると、摘み6aを回転不能にし、且つ、回転不能な状態の摘み6aに鍵6bが挿入されると、摘み6aを左(又は右)方向に回転可能にする施錠部6eと、摘み6aの回転に回転板体6fを連動させる連動部6gと、を備える。回転板体6fは、所謂、止め金である。
【0169】
施錠部6eは筒体6cに回転可能に収容される。筒体6cは、蓋体16(図2も参照)の前面部16Tに挿入され、筒体6cの外周にはネジ山が形成され、ナット6d1及びナット6d2により、前面部16Tに固定される。連動部6gは、例えば、ナットである。
【0170】
施錠部6eの先端(図13(a)の右側方向)には、回転板体6fが挿入され、回転板体6fは、連動部6gにより、施錠部6eに固定されている。回転板体6fは施錠部6eに固定されているので、摘み6aの回転に伴って施錠部6eが回転すると、回転板体6fも同方向に回転する。
【0171】
蓋体16が第2の収容体14の前部側を閉じると(図2参照)、蓋体16の折り曲げ部16S2の内面は、第2の収容体14の側部14S4の前側を覆い、当該側部14S4の前側の下側に位置すると共に、当該側部14S4の貫通孔14Kは、蓋体16の折り曲げ部16S2の貫通孔16Kの上側に位置する(図13(a)参照)。
【0172】
施錠装置6は、蓋体16の所定位置に、装着されている。所定の位置は、摘み6aが回転不能な状態の場合、回転板体6fの先端部が、貫通孔14K及び貫通孔16Kを介して、外部に露出する位置(図13(b)実線参照)である。
【0173】
上記のように宅配員は、荷物を宅配ボックス10に収容し、蓋体16を閉じ(図2参照)、摘み6aに対して所定の操作をして、施錠装置6を施錠する、即ち、回転板体6fの先端部を、貫通孔14K及び貫通孔16Kを介して、外部に露出させる(図13b実線参照)。受取人は、鍵6bを用いて、施錠装置6を開錠する。
【0174】
図13に示す施錠装置6を用いる場合には、蓋体16の内側に収容部22を設けたり、蓋体16に投入口20を形成したり、する必要はない。
【0175】
実施例2の宅配ボックス50でも第1の施錠装置56に代えて、図13に示す施錠装置6を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0176】
本発明は、以上のように構成したので、宅配ボックスを介して宅配物が受領されたことの確認ができる宅配システム、宅配システムに利用される宅配ボックス、及び受領確認情報担持体を提供できるものである。
【符号の説明】
【0177】
10 宅配ボックス
11 収容容器
12 第1の収容体
14 第2の収容体
15R、15L スライドガイド機構
16 蓋体
18 施錠装置
20 投入口
22P 開口部
24 鍵
22 収容部
30 取付手段
50 宅配ボックス
52 収容容器
54 第1の蓋体
56A 被操作部
56 第1の施錠装置
60 第2の蓋体
62 第2の施錠装置
90 スライド門扉
101 宅配員端末
102 宅配業者サーバ
104 受取人通信装置
150 受領確認情報担持体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13