(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165984
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241121BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082634
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】515324349
【氏名又は名称】前田 充宏
(72)【発明者】
【氏名】矢沢 稔
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】前田 充宏
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】取引の利益を分配することができる。
【解決手段】商品又はサービスに紐付けて商品又はサービスに係る受益権を表すNFTであって、1つのツリー構造を形成するNFTを発行するNFT発行部と、NFTのオーナーが得た商品又はサービスに係る経済的利益を取得する利益取得部と、経済的利益を得たオーナーに対して第1の報賞を付与するとともに、オーナーが所持するNFTの親となるNFTのオーナーに対して第2の報賞を付与する報賞付与部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品又はサービスに紐付けて前記商品又はサービスに係る受益権を表すNFTであって、1つのツリー構造を形成する前記NFTを発行するNFT発行部と、
前記NFTのオーナーが得た前記商品又はサービスに係る経済的利益を取得する利益取得部と、
前記経済的利益を得た前記オーナーに対して第1の報賞を付与するとともに、前記オーナーが所持する前記NFTの親となる前記NFTのオーナーに対して第2の報賞を付与する報賞付与部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記報賞付与部は、前記経済的利益を得た前記オーナーが所持する前記NFTの祖先の前記NFTのオーナーのそれぞれに対して前記第2の報賞を付与すること、
を特徴とする、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記経済的利益は売上であり、
前記報賞付与部は、前記売上の一定割合を、前記経済的利益を得た前記オーナーが所持する前記NFTの祖先の前記NFTの数で割って、前記第2の報賞を決定すること、
を特徴とする、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
商品又はサービスに紐付けて前記商品又はサービスに係る受益権を表すNFTであって、1つのツリー構造を形成する前記NFTを発行するステップと、
前記NFTのオーナーが得た前記商品又はサービスに係る経済的利益を取得するステップと、
前記経済的利益を得た前記オーナーに対して第1の報賞を付与するとともに、前記オーナーが所持する前記NFTの親となる前記NFTのオーナーに対して第2の報賞を付与するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
商品又はサービスに紐付けて前記商品又はサービスに係る受益権を表すNFTであって、1つのツリー構造を形成する前記NFTを発行するステップと、
前記NFTのオーナーが得た前記商品又はサービスに係る経済的利益を取得するステップと、
前記経済的利益を得た前記オーナーに対して第1の報賞を付与するとともに、前記オーナーが所持する前記NFTの親となる前記NFTのオーナーに対して第2の報賞を付与するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルコンテンツの所有権情報をブロックチェーン上に記録することが行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くの利害関係者に分配を行うことは難しい。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、取引の利益を分配することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、商品又はサービスに紐付けて前記商品又はサービスに係る受益権を表すNFTであって、1つのツリー構造を形成する前記NFTを発行するNFT発行部と、前記NFTのオーナーが得た前記商品又はサービスに係る経済的利益を取得する利益取得部と、前記経済的利益を得た前記オーナーに対して第1の報賞を付与するとともに、前記オーナーが所持する前記NFTの親となる前記NFTのオーナーに対して第2の報賞を付与する報賞付与部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、取引の利益を分配することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】管理サーバ2及びECサイト4を構成するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態の情報処理システムにおける処理の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
商品又はサービスに紐付けて前記商品又はサービスに係る受益権を表すNFTであって、1つのツリー構造を形成する前記NFTを発行するNFT発行部と、
前記NFTのオーナーが得た前記商品又はサービスに係る経済的利益を取得する利益取得部と、
前記経済的利益を得た前記オーナーに対して第1の報賞を付与するとともに、前記オーナーが所持する前記NFTの親となる前記NFTのオーナーに対して第2の報賞を付与する報賞付与部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
前記報賞付与部は、前記経済的利益を得た前記オーナーが所持する前記NFTの祖先の前記NFTのオーナーのそれぞれに対して前記第2の報賞を付与すること、
を特徴とする、項目1に記載の情報処理システム。
[項目3]
前記経済的利益は売上であり、
前記報賞付与部は、前記売上の一定割合を、前記経済的利益を得た前記オーナーが所持する前記NFTの祖先の前記NFTの数で割って、前記第2の報賞を決定すること、
を特徴とする、項目2に記載の情報処理システム。
[項目4]
商品又はサービスに紐付けて前記商品又はサービスに係る受益権を表すNFTであって、1つのツリー構造を形成する前記NFTを発行するステップと、
前記NFTのオーナーが得た前記商品又はサービスに係る経済的利益を取得するステップと、
前記経済的利益を得た前記オーナーに対して第1の報賞を付与するとともに、前記オーナーが所持する前記NFTの親となる前記NFTのオーナーに対して第2の報賞を付与するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目5]
商品又はサービスに紐付けて前記商品又はサービスに係る受益権を表すNFTであって、1つのツリー構造を形成する前記NFTを発行するステップと、
前記NFTのオーナーが得た前記商品又はサービスに係る経済的利益を取得するステップと、
前記経済的利益を得た前記オーナーに対して第1の報賞を付与するとともに、前記オーナーが所持する前記NFTの親となる前記NFTのオーナーに対して第2の報賞を付与するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システムでは、商品(商品、サービス等を含む。)に紐付くNFTが発行される。発行されるNFTは、商品の取引(本実施形態では、販売を想定するが、貸与やリース、交換などであってもよい。)に係る受益権を標章する。以下、本実施形態において商品に紐付けて発行されるNFTは受益権NFTという。受益権NFTはツリー構造を構成する。受益権NFTのメタデータに親の受益権NFTを特定する情報(例えば、NFT-ID)が設定され得る。商品の取引に関する経済的利益が発生した場合に、当該経済的利益を得た行動に係るユーザ(受益権NFTのオーナー)と、当該ユーザが所有する受益権NFTの祖先(ツリー構造における先代以前のユーザー)の受益権NFTのオーナーとに対して報賞が付与される。経済的利益は、例えば、売上や粗利などの利益とすることができる。経済的利益を得る行動は、例えば、販売や賃貸、リース、交換などである。報賞は、何らかの経済的な価値であればよく、例えば、金銭(法定通貨であってもよいし、仮想通貨であってもよい。)やポイントなどとすることができる。報賞の量(報賞額)は、一定額であってもよいし、得られた経済的利益の額に応じた額(例えば、経済的利益の額に対する一定割合)であってもよい。また、報賞額は、分配対象となる受益権NFTの数に応じて変化させてもよい(例えば、売上の一定割合を、受益権NFTの数で割るなど)し、分配対象となる受益権NFTの数を問わずに決定するようにしてもよい。また、報賞額は、ツリー構造の階層に応じて異なる額又は割合としてもよい。本実施形態では、商品はデジタルコンテンツであり、経済的利益は売上(システム使用料等を減じた額)であり、経済的利益を得る行動は販売であり、報賞は金銭であり、報賞額は、売上に対する所定割合(事前に設定される。)を、受益権NFTの数で割った額とする。
【0012】
<システムの概要>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の情報処理システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0013】
管理サーバ2は、ECサイト4とも通信可能に接続される。ECサイト4は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。ECサイト4は、オンラインショッピングの機能を有し、本実施形態では、デジタルコンテンツを販売することを想定する。
【0014】
管理サーバ2は、ブロックチェーンネットワーク3とも通信可能に接続される。ブロックチェーンネットワーク3は、複数のノード(コンピュータ)により構成され、台帳データを分散して管理することができる。分散台帳は、いわゆるブロックチェーンの仕組みにより改ざん困難に管理される。なお、ブロックチェーンによる分散台帳管理の仕組みについては一般的なものを採用するものとしてここでは詳細な説明を省略する。ブロックチェーンネットワーク3は、例えば、イーサリアムなどにより構築することができる。
【0015】
ユーザ端末1は、ユーザが操作するコンピュータである。ユーザ端末1は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどとすることができる。
【0016】
管理サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0017】
イーサリアムなどのブロックチェーンネットワーク3によって発行可能なトークン(イーサリアムトークン)としては、ファンジブルトークンと、ノンファンジブルトークン(非代替性トークン;NFT;Non Fungible Token)とがある。NFTは、ファンジブルトークンとは異なり、代替性を有さないトークンである。NFTは、他のNFTと区別される独自の価値を有することができる。このため、NFTは、他のNFTとの区別を可能にするための固有の識別子(NFT-ID)を有する。NFTは、例えば、ERC(Ethereum Request for Comments)721規格に従って発行されたトークンである。ERC721規格に準拠したNFTは、NFT-721トークンとも呼ばれる。本実施形態では、一例として、NFTは、NFT-721トークンであることを想定する。NFTは、ファンジブルトークンと同様に、ブロックチェーンネットワーク3上において取引可能である。NFTの取引履歴は、ブロックチェーンネットワーク3において記録される。ブロックチェーンネットワーク3の分散台帳では、NFTの所有者(オーナー)及び所有履歴も記録される。
【0018】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ2及びECサイト4を構成するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、ブロックチェーンネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現されうる。また、各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現されうる。
【0019】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、NFT発行部211と、利益取得部212と、報賞付与部213と、を備える。
【0020】
<機能部>
NFT発行部211は、商品に係る受益権を表す受益権NFTを発行する。NFT発行部211は、商品に紐付けて受益権NFTを発行する。受益権NFTに紐付く商品は、特定の1つの商品であってもよいが、本実施形態では、特定の種類の商品であることを想定する。上述したとおり、受益権NFTは、1つのツリー構造を形成する。受益権NFTには、ツリー構造における親となる他の受益権NFTを特定する情報(例えば、NFT-ID)が設定される。親を示すNFT-IDは、受益権NFTのメタデータに設定されうる。ツリー構造におけるルートとなる受益権NFTには、親のNFT-IDに、例えばNULL値など、親がないことを示す情報を設定することができる。NFT発行部211は、例えば、既存のユーザ(受益権NFTのオーナー)から、子とするユーザ及び商品の指定を受け付け、当該商品に紐付く受益権NFTをミントし、ミントした受益権NFTを、指定されたユーザのウォレットに入れるようにトランザクションを発行(スマートコントラクトにより実行することができる。)することができる。
【0021】
利益取得部212は、受益権NFTのオーナーが得た経済的利益を取得する。経済的利益は、商品の販売益(売上であってもよいし、利益であってもよい。)であってよい。利益取得部212は、例えば、ECサイト4から、ECサイト4において販売された商品を特定する情報と、販売額(又は販売額から出品料などを減じた粗利などであってもよい。)と、当該商品を出品したユーザを特定する情報とを取得することができる。また、利益取得部212は、ユーザから受益権NFTを特定する情報と、取得した経済的利益とを取得するようにしてもよい。
【0022】
報賞付与部213は、経済的利益を得たオーナーに対して第1の報賞を付与するとともに、オーナーが所持するNFTの親となるNFTのオーナーに対して第2の報賞を付与する。報賞付与部213は、経済的利益を得たオーナーが所持するNFTの祖先のNFTのオーナーのそれぞれに対して第2の報賞を付与することができる。報賞付与部213は、例えば、売上の一定割合を、経済的利益を得たオーナーが所持するNFTの祖先のNFTの数で割って、第2の報賞を決定することができる。報賞付与部213は、例えば、売上に依らずに祖先のNFTのオーナーに対して第2の報賞を付与してもよい。この場合に、受益権NFTからの階層に応じて異なる量の第2の報賞を付与してよい。例えば、受益権NFTからの階層が近いNFTのオーナー(例えば、受益権NFTの親のNFTのオーナー)の方に、受益権NFTからの階層が遠いNFTのオーナー(例えば、受益権NFTの親の親のNFTのオーナー)よりも多くの量の第2の報賞を付与することができる。
【0023】
<動作>
図4は、本実施形態の情報処理システムにおける処理の流れを説明する図である。
【0024】
管理サーバ2は、商品に紐付けて受益権NFTを発行する(S301)。管理サーバ2は、商品の取引に係る経済的利益が生じたことを検出する(S302)。管理サーバ2は、例えば、ユーザから商品の販売等が行われたこと及び経済的利益の入力を受け付けるようにしてもよいし、ECサイト4から販売された商品と、その商品を出品しているユーザと、販売価格もしくは利益とを取得するようにしてもよい。管理サーバ2は、当該ユーザが受益権NFTを所有していることを確認する(S303)。なお、受益権NFTを所有していないユーザが商品を販売できないように、例えば、ECサイト4における販売前に、ECサイト4からのリクエストに応じて出品者が受益権NFTを所有していることを確認するようにしてもよい。管理サーバ2は、受益権NFTのメタデータに設定されている親のNFTを特定し、親のNFTのメタデータを参照して親の親のNFTを特定し、同様にして受益権NFTの祖先のNFTを特定することができる(S304)。管理サーバ2は、特定したNFTのオーナーに対して、報賞(定額であってもよいし、経済的利益の一部としてもよいし、任意のルールにより決定してもよい。)を付与する(S305)。管理サーバ2は、受益権NFTのオーナーに対して、経済的利益に応じた価値(例えば、経済的利益から報賞や手数料などを減じた値としてもよいし、経済的利益に対する所定割合としてもよい。)を与える(S306)。例えば、ECサイト4から商品販売に係る決済金額がシステム運営者の金融機関の口座に振り込まれるようにしておき、管理サーバ2は、システム運営者の口座から、受益権NFTのオーナーに経済的利益に応じた価値(法定通貨であってもよいし、仮想通貨であってもよいし、ポイントなどであってもよい。)を支払うとともに、受益権NFTの祖先のNFTのオーナーに報賞を付与することができる。
【0025】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0026】
例えば、本実施形態では所定の種類の商品又はサービスを販売することを想定したが、所定の一次創作物に基づく二次創作物の取引(販売、賃貸、リース、交換など)に適用することもできる。この場合、受益権NFTのオーナーは一次創作物(人物やキャラクターなどのIP)に基づく二次創作を行う権利が許諾され、受益権NFTには一次創作物を特定する情報を紐付けることができる。受益権NFTのメタデータに、一次創作物を特定する情報を設定するようにしてもよい。受益権NFTを所有しているユーザが二次創作物を販売した場合に、当該受益権NFTの祖先の受益権NFTのオーナーにも報賞を与えるようにすることができる。例えば、あるコンテンツ(IP)に関して、当該コンテンツをプリントしたTシャツを販売したユーザ(Tシャツユーザ)が所有する受益権NFTに、当該コンテンツをプリントしたマグカップを販売したユーザ(マグカップユーザ)が所有する受益権NFTが親として設定されていた場合に、Tシャツの販売益に応じて、マグカップユーザにも報賞が与えられる。
【0027】
また、一次創作物に関する受益権を有するユーザに対しても報賞を与えるようにしてもよい。この場合、NFT発行部211は、一次創作物に係る受益権を標章するNFT(一次創作受益権NFT)を発行するようにしてもよい。NFT発行部211は、一次創作物を特定する情報と、一次創作物受益権NFTを特定する情報とに紐付けて受益権NFTを発行することができる。受益権NFTのメタデータには、一次創作物を特定する情報及び/又は一次創作物受益権NFTを特定する情報を設定するようにしてもよい。この場合、受益権NFTのオーナーであるユーザが、一次創作物に基づく二次創作物の販売等により経済的利益を得た場合に、受益権NFTの祖先の受益権NFTのオーナーに報賞を与えるとともに、一次創作物受益権NFTのオーナーに対しても報賞を与えることができる。ここで、受益権NFTの祖先の受益権NFTのオーナーに対する報賞と、一次創作物受益権NFTのオーナーに対する報賞とは異なる内容及び/又は量であってよい。
【符号の説明】
【0028】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
3 ブロックチェーンネットワーク
4 ECサイト