(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165990
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】N式トータルシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20241121BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023091965
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】523205935
【氏名又は名称】中田 誠
(72)【発明者】
【氏名】中田 誠
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】女性の健康や美容、心理学的要素などに関連する諸問題への対処から改善までを主たるテーマとし、究極においては「美」と「充実した人生」を追求する女性をサポートすることを課題としている。
【解決手段】双方向的に送受信するセンターと端末、端末に付帯する収容機器や測定器器によって対象を測定、検出し、これに基づくデータを解析し、薬剤やサービスを処方し、ユーザーに送付し付随する一連のサービスを実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センターと端末は双方向的に送受信する手段を備え、前記端末と、これに付帯する収容機器や測定器器のいずれかひとつは身体の皮膚(外面表層及び外皮内層)、女性特有の膣外皮(内壁面層、内層筋肉などを含む)を対象として光学的、生物学的、化学的測定や検出などを実施する手段を備え、前記各種測定、検出に基づくデータを解析する手段を備え、前記解析に基づいて薬剤やサービスを処方する手段を備え、前記処方によって配合、調剤されたスキンケアバルクを適正に管理する手段を備え、ユーザーに送付する配送システムに移管する手段を備え、これに付随する一連のサービスを実行し、あるいは指示する手段を備え、前記手段や機能がシステムを構成する手段を備え、前記すべての一連のフローを前記端末とセンターとの交信によって実行する手段を備えることを特徴とする総合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
「人生100年時代」と云われ、日本では現時点で50歳の人の余命が50年を超えるとされている。一般の医学的知見によれば、ホルモンの量は生後50年分ともいわれ、50歳を過ぎた女性のホルモン不足が女性の更年期障害などを起こすとの見解もある。
本発明はこうした状況にある女性の健康や美容に関わる技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
類似のシステムはない。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、女性の健康や美容、心理学的要素などに関連する諸問題への対処から改善までを主たるテーマとし、究極においては「美」を追求する女性をサポートすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
顔、身体の皮膚(外面表層及び外皮内層)、女性特有の膣外皮(内面壁層、内層筋肉などを含む)を対象として光学的、生物学的、化学的測定や検出などを実施し、各種測定、検出に基づく処方によって配合、調剤されたスキンケアバルクを適正に管理し、ユーザーに配送することや、これに付随するサービスなど、全ての事項はデータセンターとのやりとりも含めてスマホのアプリで利用可能なものとして実施する。
心理的影響や効果を無視することができないことも近年の知見では指摘されていることから、これらに配慮したイベントなどもシステムのフローの中で構成要素として採用されている。
【実施例0005】
本発明の実施例のひとつを説明する。
図1の1は顔、身体の皮膚(外面表層及び外皮内層)、女性の膣外皮(外面表層)及び当該部の内層筋肉などであり、光学的、生物学的、化学的、物理学的測定や検出などを実施する対象(物)、2は前記光学的、生物学的、化学的、物理学的測定などや検出を行う際に使用される(検査や検出の機能を備える)機器(測定機器)などであり(容器や収納部などに充填される)試料や薬剤などを含む。3は前記機器や測定器など(前記試料や薬剤などの収納機器や収納部を含む。)を格納する保管機器、4は前記測定器または保管機器の少なくともいずれかのひとつと双方向的に送受信する手段を備えるセンター、前記センターは前記測定器や保管機器と適宜に分担し本発明のシステムを運用するのに必要とされるすべての機能と手段を備えている。
【0006】
「美」は身体の健康を基礎とし、健康体によって得られる肌の状態がベースとなるが、心理的な効果も注目されるようになっている。ストレスによって体調(健康状態など)を乱すことは医学的にも認知されてはいるが、いわゆるストレスと総称されるものの原因は多種多様であって、各種の原因を各様に個別に解消し除くことは困難を極める。本発明はストレスを概括し、別の視点から改善することを全体フローの要素のひとつとしている。「美」を追求するとのモチベーションを高めることによって、その反射的効果として(一定の)ストレスを軽減することは社会通念としても期待できる。動物とのコミニュケーションや笑顔がストレスを軽減する効果があることは臨床心理学においても認められているようである。
本発明は、そうした観点から、漠然としたものではなく、より具体的に明確な根拠に基づいて「美」を志向する意識を形成しモチベーションを高めることで、少なくとも「美」に関わる阻害要因としてのストレスを除くことを効果のひとつとしている。
【0007】
本発明におけるフロー(有意的に連続する機能や手段によって組み立てられるシステムの一連の流れ)は「美」と健康に関わる基礎データを収集し活用することによって構成されている。本発明の実施例のひとつとして下記に示す、光量などの調整機能を備えるLED照明機器、AIによる画像処理や分析機能と連携する画像撮影を実行するカメラなどによって以下に例示する測定項目などを実施し、これによって得られたデータを資料として美容学、生理学、心理学的処方を適用するのが望ましく、前記処方が適切に(理想的に)実施されていることを前提としてAIによるシミュレーション(前記各測定器などによって蓄積した過去から現在に至るデータの内容、統計をもとに、当該対象(者)がどのように「美」を獲得するかをスタート時点でのシミュレーション)を行い、仮想現実(VR)を介在して(本プログラムを遂行するための強力な動機となる)成功のイメージを実感させることで、ユーザーの「美」へのモチベーションを高める。
【0008】
測定項目を以下に例示するが、項目の類別や数、量、精度などは測定の目的に沿うものであれば任意であり、測定機器も当該時点において最適であるとされるものであれば良い。肌のキメ、シワの深さと部位及び当該面における長さの総計、外観(色相・彩度・明度)、二次反射(透明感・表皮の下からの反射)、皮脂や保水性などの付随的要因による艶、潤い、乾燥、ハリ、汚れを主因とするニキビ、シミの濃さと当該面における面密度、毛穴の大きさと色、その他、瞳の間の距離等を基準にした、顔全周囲の長さや面積を測定し、太っていく傾向か、痩せていく傾向かを現行の標準的知見に基づいて判断する。その他、当該学術分野の進歩に伴う知見の要請による素肌の健康など、任意の基準による評価に関わる項目について測定するのが望ましく任意である。
【0009】
実施例のひとつとして測定値の精度を向上させ、比較可能なものとするために、測定時の環境を整合する広義のキャリブレーションを実施する。
光量、色温度は測定器機が備える条件の一部を構成するものとして、測定に際して対象(物)に当射される照明のキャリブレーションを行うのが望ましい。(更に周囲の光量、色温度についても測定器機の一部を構成するものとして、これのキャリブレーションを実施する。)また具体的には照明機器の電源をオンにし、周囲の環境に合わせて対象(物)に当射される照明のキャリブレーションを行う。また、ひとつの例においては、周囲の影響を減衰させるようミラー前面周囲に配置された、所定の複数カ所のLED照明群により常に一定の光量で顔を照射し撮影することで測定条件の一定化を図る。
【0010】
あるいは本発明の実施例のひとつとして、同時に各方向からの照明を順次、オンオフし、かつ数カ所に配置されたカメラで撮影をすることで肌の立体構造をより明確にデータ化する。(照明の角度と撮影の角度が相乗して明暗のコントラストが強調され、これをAIで画像処理することで対象物(顔)の立体構造が明示される。)
全照明を照射して素肌の色味等の測定を実施することや、その他、顔認証の手法により肌改善に有益な諸データの取得を試みることも可能である。
【0011】
本発明は、有意的に相乗するシステムの一連の流れによって構成されている。「美」に関わる基礎データを収集し活用することは枢要な構成要素であり、当該データはスマートフォンなど(任意の通信端末)、センターとの間で送受信する機能を備えた任意の端末によって前記(データ)センターへ転送される。送受信する機能は前記通信端末と前記測定器機や保管機器が個別に、あるいは分担して備える例もある。センターに送信されたデータは(当該時点で得ることができる最高度の学術的知見によって改善される)専用のロジックで解析し、ユーザー固有の肌の状態に合わせた処方がAIで演算され提供される。当該処方に基づいて調合されたスキンケアアイテム(バルク)はデータセンターで管理される顧客情報によって定期的に、または時宜に応じて配送システムに(所定のフローに則って)移管される。ひとつの例として、各月の定期配送の場合であれば月の前半のデータによって求められる「解」を平均し、次回(当該回)の処方を定め、当月内にバルクを製造、充填し当月末にリフィルをユーザーに配送する。
【0012】
また実施例のひとつとして、前記測定器機による測定値が不測の数値や異常値を示し、ユーザーによってセンターに通知された場合、または端末などの異常値に基づく自動通知があった時は、別途の当該システムが発動し(所定の)当該数値に適応する(予め準備された即効性を有する)いくつかのケアアイテムの中から選択された当該アイテムが処方される。処方は(例外的に派遣されるスタッフによってなされるか)ユーザーの端末を介してなされるセンターからの指示によるかは任意であるが、望ましくはユーザーの使用する機器のいずれか、あるいは分担される機能と手段によって実施されることを基本とする。(飲み過ぎなど日常的に生じる事象や原因が特定されない病理学的な因子によるものであるかは知見の蓄積と並行して処方を改良するのが望ましい。集中的で即効性の必要な例については、適切な処方に基づいてブリスターパックなどの使い切りパッケージに充填したものを事前に配布しておくことも望ましく、これらの例においては、オートクチュールコスメと同様の手法を用いてスキンケアの補完アイテムとして、それぞれのユーザーに合ったサプリメント類の提供もあり得る。)
フィードバックによる処方改善も本発明を実施するシステムのフローを構成する要素のひとつの機能として実施される。提供したバルクによる素肌の変化を評価し、これをセンターにおいて解析することによって知見が蓄積され、より効果的な処方や成分に関わる研究、開発が促進される。(本システムの波及的効果として、新規原料の開発についても原料メーカーとのコラボやデータの取得と治験結果を共有した新たな原料の開発に寄与することなどが期待できる。
【0013】
心理学的知見の適用も重要であるとされ、本発明の実施例として「肌診断による素肌データの応用」もシステムのフローを構成する要素となっている。前記の各種の測定値はユーザーが使用する端末などとセンターが双方向的に(自動的に)送受信し、センターにおいてはユーザーの個別データが適宜に分析されているが、絶対的な高評価の数値(ハイスコア)、相対的な(固有の)改善率に対する評価などに基づいて適切なタイミングでシステムによって顕彰することで、他のユーザーの目標とし、また個人のモチベーションを高めることなどが期待できる。(本発明のシステムとは別にコンテストなどのイベントを開催し、表彰や記念品贈呈などを行うことは一般に効果的であるとされている。)
【0014】
本発明の技術思想として中心にあるのは、心身ともに女性が人生を充実させることにおいても貢献することであり、そうした趣旨に鑑みて「性」と「子」に関連する技術やサービスについても、本発明を実施するシステムフローの要素として当該機能や手段によって効果を得ることができるように構成されている。実施例のひとつとして、顔、身体の外面表層及び外皮内層とともに膣外皮(内壁層、筋肉などを含む)を対象として測定や検出などを実施する。当該測定器(フェミスキャナー)は各種のセンサー(将来における生理医学的知見と科学技術的知見に基づく有意的測定項目と科学技術的知見によって有用である測定機器であれば任意である。)により当該対象(フェミゾーン)を測定し合目的的である有益なデータを取得する手段をシステムは備える。測定項目は例として、現時点での科学技術的知見によれば、ph、温度、菌分布(現時点ではルミテスター、Smart ATPふき取り検査システムなどであり任意である。)、潤い度、その他、筋力などを挙げることができる。
【0015】
本発明を実施するシステムを構成する前記測定器(フェミスキャナー)は当該時点の技術水準において可能な機能を有し、当該測定目的を果たす十分な精度を充たす各種のセンサーを備え、当該対象器官に前記測定器を挿入すると前記測定項目の測定、検出を実行する手段を備え、ユーザーのID及び当該測定値を前記センターに送信する手段を備え、センターはユーザーの基礎データと当該測定値を解析する手段を備え、解析に基づいて既に充填されている常用の調合液を注入する手段を備え、あるいは当該測定値に基づいて、測定器(もしくは収容器や別途に備えられる専用機器)に調合される原材料とされる資料を備え、準備された当該資料をセンターからの指示による適切な比率によって配合する手段を当該機器は備え、当該調合液(剤)を注入する手段を備える。
【0016】
調合液(剤)はカートリッジ化されてユーザーに供給され利便性を向上させることが望ましい。本システムは前記測定値とユーザーの固有情報から対象ゾーンの解析を総合的にデータ処理する手段を備え、各ユーザーに対して最適な処方を構成する手段を備え、ユーザーに常にアップデートされ最適化された処方による調合液(剤)を定期的(自動的)に配送システムに移管する手段を備える。
調合液(剤)は、例として一般的に、ヒト幹細胞培養上清液、NMN、エクソソームなどであるが、これは経皮吸収されにくいとされ実施例のひとつとして、吸収効果の高い(美容の観点から)有効な成分をメインで配合する手段を備え、併せて当該器官内(膣内)の環境を整える成分を補完的に配合する手段を備える。これらはセンターに備える処理部によって実行される。当該器官内(膣内)の粘膜吸収は通常の肌吸収の42倍もあるといわれているので効果が期待できる。望ましくはカートリッジは1回の使い切りとし清潔・安心が保持される。
【0017】
本発明の技術思想として、心身ともに女性が人生を充実させることにおいても貢献するとのことがあり、それに鑑みて「性」と「子」に関連する技術やサービスについても本発明は実施される。充実した性生活を送ることは人として自然なことであり、これが心理的にも生理的にも健康や「美」に関わることは一般に認知されている。前記測定器(フェミスキャナー)は低周波電気を前記対象部に波及させる手段を備え、低周波電気の刺激によって当該部の内層筋肉の強制運動(律動)を促進する手段を備え、結果として内層筋肉の筋力を強化することが期待される。
付随的効果として使用時の快感による日常のストレス解消があり、また当該内層筋肉の筋力強化による性生活の充実などが想定される。当該機器は当該器官(膣)内環境改善、当該内壁面及び内層筋肉の強化を一連のプログラムによって実行する手段を備え(着床に最適な環境を整える手段を備え)、精子をパッケージして収容する収容器であって注入する手段を備える(アドバンスドザーメン)カートリッジが適正か否かを判断する手段を備え、適正であると判断したときに注入を作動させる指示を発する手段をセンターまたはユーザーが携帯する端末は備えている。当該の一連のプログラムの進行はスマホによって管理する手段を備え、当該器官(膣)内環境改善、当該内壁面及び内層筋肉の強化を含むプログラムにより、着床に最適な環境であるか否かを判断する手段を備え、適正であると判断したときに精子をパッケージした(アドバンスドザーメン)カートリッジに指示をする手段を備え、当該指示を受けて精子を注入する手段をカートリッジは備えている。
【0018】
本システムは機器をを格納し滅菌、充電、携帯する手段を備えるケースを備え、充電機器を備え、紫外線によって滅菌する手段を備え、洗浄&美容液カートリッジを装着する手段を備え、当該機器は膣内に挿入可能な形状に成型され、膣内環境(ph・微生物・潤い・温度など)を測定し記憶する手段を備え、カートリッジ内の内容物を射出口(E)より膣内に放出する手段を備え、一連のプログラム(行程)の終了時に何らかの任意の合図によりユーザーが行程の終了を認知する手段を備え、使用後は(付属のもしくは別に用意した)除菌シートにより清浄にし、これを格納する収容機器を備え、スマホ等のデバイスまたはセンターに各種データを送信する手段を備える。
スマホに格納した処理手段によって当該データを処理する手段を備え、これをユーザーが確認可能な表示とする手段を備え、当該処理や関連するデータをデータセンターに送信する手段を備え、データセンターに備える処理手段は関連する他のデータを合わせて当該課題に沿って処理する手段を備え、必要の都度、ユーザーに最適な処方、ケア製品を提示する手段を備える。
本発明は女性の健康や美容、心理学的要素などに関連する諸問題への対処から改善までを主たるテーマとするが、これを一連のシステムにおいて女性の感性に添ったものとし、また心理的な異和感を与えることなく、究極においては「美」と「充実した人生」を追求する女性をサポートすることを効果的に実行する。