(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165994
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】杖に取り付ける足乗せ歩行補助装置
(51)【国際特許分類】
A61H 3/00 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
A61H3/00 A
A61H3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023091972
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】516224466
【氏名又は名称】高司 努
(72)【発明者】
【氏名】高司 努
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA23
4C046AA42
4C046BB08
4C046BB09
4C046CC01
4C046DD08
4C046DD39
(57)【要約】 (修正有)
【課題】歩けるが足上げ困難者や、健常者に、体を支え容易な移動と、階段の段差昇降の自力補助が出来る歩行補助装置を提供する。
【解決手段】歩行補助装置は、任意に用意した歩行用の杖7に着脱する杖挟みA1と、杖挟みB2と、足乗せ部A3と、足乗せ支え部4を有する。杖挟みAと杖挟みBとの間にネジやボルト等6を使って歩行用の杖を挟み込み装置の位置を固定する。杖挟みAと杖挟みBの杖を挟み込む側には、ゴム等滑り止めがある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行用の杖へ装着する、単数または複数の杖挟みAと、単数または複数の杖挟みBと、単数または複数の足乗せ部Aと、単数または複数の足乗せ支え部と、単数または複数のゴム等滑り止めと、単数または複数のねじやボルト等を有する事を特徴とする移動補助装置。
【請求項2】
歩行用の杖へ装着する、単数または複数の杖挟みAと、単数または複数の杖挟みBと、単数または複数の足梁部と、単数または複数の足吊り下げ部と、単数または複数の足乗せ部Bと、単数または複数のゴム等滑り止めと、単数または複数のねじやボルト等を有する事を特徴とする移動補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行用の杖に足を乗せる為の取り付け装置に関し、特に歩行用の杖に設置する事で搭乗者の腕力を利用して、足上げ歩行と階段の段差を上がる事の出来る歩行補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から歩行困難者が移動する際、使用する道具として歩行用の杖が使われて来た。
【0003】
しかし、従来の杖では体を支えるだけで、階段の段差で足を上げる動作を補助する事は難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこのような点を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、下肢機能が低下している者や健常者が、歩行の際の足上げや階段の段差を上がる負担を軽減する事を特徴とする、歩行用の杖に取り付ける歩行補助装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1態様に係る歩行補助装置は、歩行用の杖の地面接地部付近に装着し、杖挟みが一対あり、杖挟みの内側に滑り止めを有し、杖挟みの外側に足乗せ部と足乗せ支え部を有し、歩行用の杖やトレッキングポールにネジやボルト等で装着し、足乗せ部Aへ搭乗者の足を乗せ立位状態で搭乗するものである。
【0006】
本発明の第2態様に係る歩行補助装置は、上記第1態様に係る移動装置において、足乗せ支え部と足乗せ部Aを無くし、代わりに足梁部を有し、足梁部から繋がる足吊り下げ部と、足吊り下げ部から繋がる足乗せ部Bを有したものである。
【0007】
本発明によれば下肢機能が低下した者や健常者が、足上げ歩行や階段の昇降の自力補助を容易に行うことができる歩行補助装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1の歩行補助装置Aの斜視図である。
【
図2】実施の形態2の歩行補助装置Bの斜視図である。
【
図3】実施の形態1の歩行補助装置Aの歩行と階段昇降時の説明をする側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1
本発明の実施の形態1に係る歩行補助装置Aの構成について、
図1と
図3を参照して説明する。
図1と
図3は本実施の形態に係る歩行補助装置Aの構成を示す図である。
図1は歩行補助装置Aの斜視図であり、
図3は搭乗時の歩行と階段昇降時を説明する側面図である。本実施の形態に係る歩行補助装置Aは、基本的に左手足か右手足の片側で使用するが、左右の手足同時に使用しても良く。歩行補助装置Aを歩行用の杖に取り付け、足乗せ部Aに足を乗せ、歩行時の足上げと階段昇降時を自らの腕の力で助ける歩行補助装置である。
【0010】
図1に示すように、歩行補助装置Aは、杖挟みAと、杖挟みBと、ゴム等滑り止めと、ネジやボルト等と、足乗せ支え部と、足乗せ部Aを備えている。なお以下の図において紙面に向かって左側が搭乗者から見た右側に当たる。以下の説明において搭乗者から見た方向で表している。
【0011】
本発明に係る歩行補助装置Aには、杖挟みAがある。杖挟みBとの間にネジやボルト等を使って歩行用の杖を挟み込み装置の位置を固定する為にある。ねじ穴が複数箇所空いており、杖を挟み込む側にはゴム等の滑り止めで覆われ、杖を挟み込む側の反対側には足乗せ部Aと足乗せ支え部が連結している。
【0012】
杖挟みAの対面には杖挟みBがある。形状や大きさは足乗せ部Aと足乗せ支え部のついて無い杖挟みAと同じで、杖挟みAとの間にネジやボルト等を使って杖を挟み込み装置の位置を固定する為にある。ねじ穴が複数箇所空いており、杖を挟み込む側にはゴム等の滑り止めで覆われている。
【0013】
杖挟みAの杖を挟み込む側とは反対の側面には、足乗せ部Aがついている。ここに足を乗せ、自らの腕力で足を持ち上げる為にある。
【0014】
杖挟みAの杖を挟み込む側とは反対の側面と足乗せ部Aに繋がり足乗せ支え部がついている。足乗せ部Aが折れないよう支える為にある。
【0015】
杖挟みAと杖挟みBの杖を挟み込む側には、ゴム等滑り止めがある。歩行用の杖に設置した杖挟みAと杖挟みBの位置が変わらないようにする為にある。
【0016】
杖挟みAと杖挟みBを繋ぐものとして、ネジやボルト等がある。歩行用の杖に設置した杖挟みAと杖挟みBを連結する為にある。
【0017】
ここで歩行補助装置Aの実施例を説明する。まずは杖への設置の仕方。任意で用意した歩行用の杖を壁等へと立て掛け、その杖に対し杖挟みAのゴム等滑り止めが当たるように軽く押し当てる。その杖挟みAの足乗せ部が地面から任意の高さへと来るように杖挟みAの高さを上下させ調整し、杖挟みAのねじ穴が杖挟みBのねじ穴に合うように杖挟みBをその杖を挟み込むように当てる。その際は杖挟みBのゴム等滑り止めが杖に当たるように当て、杖挟みAのねじ穴と杖挟みBのねじ穴をネジやボルト等で繋げて杖に固定すれば設置完了である。
【0018】
次に搭乗の仕方。歩行補助装置Aを装着した杖の持ち手を、足乗せ部Aへ足を乗せる側と同じ側の手で握る。握った手と同じ側の足を、足乗せ支え部と足乗せ部Aの間へと入れ、足乗せ部Aへ足を乗せる。次に立位状態となれば搭乗完了である。
【0019】
次に歩行時と階段昇降時の使い方だが、
図3に示すように歩行補助装置Aに搭乗時に、足を出したい側や足を高く上げたい側の杖の持ち手を強く握り、自らの腕力で任意の高さへと杖の持ち手を持ち上げる。杖の持ち手と足乗せ部Aは、杖と歩行補助装置Aで繋がっているので足乗せ部Aへ乗せた足も持ち上がる。杖の持ち手を手足の届く任意の所で下げおろせば、左手と左足や右手と右足の様に、手足を同時に出す形の一歩となる。この動作を繰り返せば、歩行と階段昇降が出来る。
【0020】
なお、上述の実施の形態において、長さや大きさや数や形状を調節変更出来る部分は変更出来るようにしても構わない。杖挟みAと杖挟みBを洗濯バサミのように一体化しても構わない。足乗せ支え部と足乗せ部Aの長さと高さを変更しても良い。足挟みAと足挟みBと足乗せ支え部と足乗せ部Aの数を単数または複数へと変更しても良い。足乗せ部Aと足乗せ支え部を折り畳めるように細工しても構わない。
【0021】
実施の形態2
本発明の歩行補助装置Bの構成について説明する。なお、本実施の形態に係る歩行補助装置Bは基本的な構成は実施の形態1と略同様である。変更されている部分を記す。
【0022】
本発明の実施の形態2には、足挟みAについている足乗せ部Aと足乗せ支え部を無くし、代わりに足梁部が横に細長い口の字型についている。足梁部の口の字型の中間の隙間に足吊り下げ部9Lと9Rを通し足乗せ部Bに繋がり、足乗せ部Bに乗せた足を、ブランコの梁のように支え振り子状に水平に持ち上げる為にある。
【0023】
足梁部の口の字型の中間の隙間には、足吊り下げ部9Lと9Rが紐状や綱状や鎖状や針金状やワイヤー状やカラビナ状になって通っている。足梁部と足乗せ部Bを繋げ、移動時には足乗せ部Bをブランコの紐のように振り子状に足を持ち上げる為にある。
【0024】
足吊り下げ部9Lと9Rには、足乗せ部Bが棒状やロープ状や板状や布状や鎖状のようについている。ここに足を乗せ、移動と足上げ時にはブランコの腰掛けのように振り子状に持ち上げる為にある。
【0025】
以上が変更点である。歩行補助装置Bは歩行補助装置Aに比べて、足乗せ部Bが足挟みAに固定されていない分、装置の取り付けられた杖の地面に着く先端部が動かし易くなったのが特徴である。
【0026】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更する事が可能である。例えば、足梁部の足挟みA側とは逆の突端に地面に着く程の棒を設置しても構わない。足乗せ部Bの地面と接地する部分に滑り止めを設置しても構わない。
【符号の説明】
【0027】
1 杖挟みA
2 杖挟みB
3 足乗せ部A
4 足乗せ支え部
5 ゴム等滑り止め
6 ネジやボルト等
7 歩行用杖
8 足梁部
9Lと9R 足吊り下げ部
10 足乗せ部B