(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165995
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】イカの内蔵掃除洗浄装置
(51)【国際特許分類】
A22C 25/14 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
A22C25/14
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023091973
(22)【出願日】2023-05-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】598154752
【氏名又は名称】山川 裕朗
(72)【発明者】
【氏名】山川 裕朗
【テーマコード(参考)】
4B011
【Fターム(参考)】
4B011KA04
4B011KE03
4B011KE09
4B011KE24
4B011KK03
(57)【要約】
【課題】ヒイカの内臓除去は、足をゆっくり引っ張り、内臓ごと引き抜き、胴の内側にある軟骨も引っ張り出し取り除き、次に、ヒイカの足を目の下の位置で切り落とし、くちばしを取り除き、水で洗った後中に残った内臓を手で取り除いていた。
しかし、小さなイカの内臓までは人の指先が入らず、内臓の除去作業がしづらく時間が掛かるとともに完全に除去できないという問題点があった。
【解決手段】本発明は、把持部と、前記把持部に設けられた操作レバーと、前記操作レバーへの操作により洗浄水が噴射口から噴射される噴射装置と、イカの外套膜と前記イカの軟骨との間に挿入されて前記外套膜から前記軟骨を剥離する剥離手段を備えることで、上記課題を解決している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部と、前記把持部に設けられた操作レバーと、前記操作レバーへの操作により洗浄水が噴射口から噴射されてイカの外套膜内部を洗浄する噴射装置と、イカの外套膜と前記イカの軟骨との間に挿入されて前記外套膜から前記軟骨を剥離する剥離手段とが備えられていることを特徴とするイカの内臓掃除洗浄装置。
【請求項2】
前記剥離手段は、長さが可変に形成されている請求項1に記載のイカの内臓掃除洗浄装置。
【請求項3】
前記剥離手段は、先端がV字状に形成されるとともに、刃部が形成されている請求項1に記載のイカの内臓掃除洗浄装置。
【請求項4】
前記イカの内臓掃除洗浄装置には、イカの貝殻を保持する保持手段が設けられている請求項1に記載のイカの内臓掃除洗浄装置。
【請求項5】
前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持する請求項4に記載のイカの内臓掃除洗浄装置。
【請求項6】
前記噴射装置には筒状のノズルが設けられており、前記ノズルの先端に前記噴射口が形成されている請求項1に記載のイカの内臓掃除洗浄装置。
【請求項7】
前記噴射装置には筒状のノズルが設けられており、前記ノズルの先端部周胴には噴射口が形成されている請求項1に記載のイカの内臓掃除洗浄装置。
【請求項8】
前記噴射装置には筒状のノズルが設けられており、前記ノズルの先端及び先端部周胴には噴射口が形成されている請求項1に記載のイカの内臓掃除洗浄装置。
【請求項9】
前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持するものであり、前記保持手段の先端部に突出量が可変な突起部を設けた請求項4に記載のイカの内臓掃除洗浄装置。
【請求項10】
前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持する第1の保持手段を備えているとともに、第1の保持手段の横ブレを防止するガイドを設けた請求項5に記載のイカの内臓掃除洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イカの内蔵掃除洗浄装置に関するものであり、更に詳しくは、ヒイカ(ジンドウイカ)のような小さなイカに適したイカの内蔵掃除洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヒイカ(ジンドウイカ)は、全国各地で大量に水揚げされ、100以上のレシピがあり、美味しく安価なイカであることは知られているが、水揚げ量が多いとともに安価であるため内臓を除去されることなく販売されている。
しかし、内臓を除去しないと鮮度が落ちやすく鮮度が落ちてしまうと廃棄処分されてしまいフードロス面で好ましくないという問題点があった。
また、ヒイカのような小さなイカであっても内臓が無い方が美味しいものであり、食する際にも、内臓を除去するのが望ましく、内臓を除去する下処理をすることで口に残る食感も良くなるとともに臭みも取れることから牛しゃぶ・豚しゃぶと同様に鍋を沸騰させ、一つまみの塩を入れヒイカのような小いかは、三・四秒湯通しして食するイカしゃぶが好まれている。又、そのままの状態で他の食材として和え物等でも使えるので、百数十種類のレシピ料理が知られている。
【0003】
ヒイカの内臓除去は、足をゆっくり引っ張り、内臓ごと引き抜き、胴の内側にある軟骨も引っ張り出し取り除き、次に、ヒイカの足を目の下の位置で切り落とし、くちばしを取り除き、水で洗った後、イカの内部に残った内臓を手で取り除いていた。
しかし、小さなイカの内臓までは人の指先が入らないとともに内臟は軟骨により外套膜に強固にくっついており、内臓の除去作業がやりずらく時間が掛かるとともに完全に除去できないという問題点があった。
また、足をゆっくり引っ張り、内臓ごと引き抜く際、途中で内臓が切れてイカの内部に内臓を残してしまった場合、抜き取り用のヘラと水を使用して内臓を除去しようとしても墨袋Sが残っていると真っ黒になり、大変時間が掛かるという問題点があった。
又、特許文献1に示すイカの胴内製造装置及び製造方法に開示された掻き出し治具部はイカの胴部内腔に挿入可能であって傘骨状に結合された複数の掻き出し棒からなるものであるが、大きなイカ用に発明されたものであるとともに、イカの内臓を完全に除去するようには考えられておらず、綺麗に内臓を除去できないという問題点があり小さなイカにおいては更に綺麗に内臓を除去できないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、イカの内臓を綺麗に除去することができるイカの内蔵掃除洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置は、把持部と、前記把持部に設けられた操作レバーと、前記操作レバーへの操作により洗浄水が噴射口から噴射されてイカの外套膜内部を洗浄する噴射装置と、イカの外套膜と前記イカの軟骨との間に挿入されて前記外套膜から前記軟骨を剥離する剥離手段とが備えられていることを特徴とする。
又、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置は、前記剥離手段は、長さが可変に形成されているのが望ましい。
又、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置は、前記剥離手段は、先端がV字状に形成されるとともに、刃部が形成されているのが望ましい。
又、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置は、前記イカの内臓掃除洗浄装置には、イカの貝殻を保持する保持手段が設けられているのが望ましい。
又、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置は、前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持するのが望ましい。
又、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置は、前記噴射装置には筒状のノズルが設けられており、前記ノズルの先端に前記噴射口が形成されているのが望ましい。
又、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置は、前記噴射装置には筒状のノズルが設けられており、前記ノズルの先端部周胴には噴射口が形成されているのが望ましい。
又、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置は、前記噴射装置には筒状のノズルが設けられており、前記ノズルの先端及び先端部周胴には噴射口が形成されているのが望ましい。
又、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置は、前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持するものであり、前記保持手段の先端部に突出量が可変な突起部を設けているのが望ましい。
又、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置は、前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持する第1の保持手段を備えているとともに、第1の保持手段の横ブレを防止するガイドを設けているのが望ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るイカの内蔵洗浄装置は、把持部と、前記把持部に設けられた操作レバーと、前記操作レバーへの操作により洗浄水が噴射口から噴射されてイカの外套膜内部を洗浄する噴射装置と、イカの外套膜と前記イカの軟骨との間に挿入されて前記外套膜から前記軟骨を剥離する剥離手段とが備えられていることを特徴とするものであるから、剥離具により外套膜から軟骨を剥離することができ、内臓を容易に除去することが出来るとともに、外套膜の内部を綺麗に洗浄することが出来るという効果がある。更に、短時間でイカの内蔵を綺麗に除去できるので洗浄水の使用量の減少が期待できるという効果がある。
又、請求項2のように、イカの内蔵掃除洗浄装置は、前記剥離手段は、長さが可変に形成されているものは、剥離手段の長さを外套膜から軟骨を剥離するのに最も適した長さにして使用することが可能となり、作業の効率が上がるという効果がある。
又、請求項3のように、前記剥離手段は、先端がV字状に形成されるとともに、刃部が形成されているものは、外套膜と前記イカの軟骨との間に挿入されるとともに、外套膜と前記イカの軟骨との接合部を確実に保持及び切断することができるという効果がある。
又、請求項4のように、前記イカの内臓掃除洗浄装置には、イカの貝殻を保持する保持手段が設けられているものは、イカの貝殻を保持手段で保持した状態で外套膜を引っ張るだけで貝殻を除去することが出来、貝殻の除去が簡単にできるという効果がある。
又、請求項5のように、前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持するものは操作レバーと保持手段とを兼用しているので、一連の操作である操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持することができ、貝殻の除去が効率よくできるとともに構造が簡単になるという効果がある。
又、請求項6のように、前記噴射装置には筒状のノズルが設けられており、前記ノズルの先端に前記噴射口が形成されているものは、筒状のノズルの長さをイカの内蔵掃除洗浄装置を使用するイカの大きさに対応して最適な長さのものを使用することが可能であるとともに、イカの内部まで先導具を導入することが可能であり、効率よくイカの内蔵を掃除洗浄できるという効果がある。
又、請求項7のように、前記噴射装置には筒状のノズルが設けられており、前記ノズルの先端部周胴には噴射口が形成されているものは、ノズルの最先端部に噴射口を開けることが可能となり、イカの内蔵を綺麗に掃除洗浄できるという効果がある。
又、請求項8のように、前記噴射装置には筒状のノズルが設けられており、前記ノズルの先端及び先端部周胴には噴射口が形成されているものは、噴射口及び先端部周胴の噴射口により、イカの内面及び内臓を効率よく洗浄除去できるという効果がある。
又、請求項9のように、前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持するものであり、前記保持手段の先端部に突出量が可変な突起部を設けたものは、イカの貝殻を適切な荷重で保持することができるという効果がある。
又、請求項10のように、前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持する第1の保持手段を備えているとともに、第1の保持手段の横ブレを防止するガイドを設けたものは、第1の保持手段で確実にイカの貝殻を安定して保持することができるので、効率よくイカの内蔵を綺麗に掃除洗浄できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置の実施例における正面図。
【
図2】
図2は、同上のイカの内蔵掃除洗浄装置の実施例における平面図。
【
図3】
図3は、同上のイカの内蔵掃除洗浄装置の分解斜視図。
【
図4】
図4は、同上のイカの内蔵掃除洗浄装置における使用方法を説明する正面図(1)
【
図5】
図5は、同上のイカの内蔵掃除洗浄装置における使用方法を説明する正面図(2)
【
図6】
図6は、同上のイカの内蔵掃除洗浄装置における使用方法を説明する正面図(3)
【
図7】
図7は、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置の第2の実施例における正面図。
【
図8】
図8は、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置の第3の実施例における正面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための第1の実施例の形態について
図1乃至
図3を参照して説明する。
【実施例0010】
イカの内蔵洗浄装置1は、把持部2と、把持部2に設けられた操作レバー3と、操作レバー3への操作により洗浄水が噴射口4から噴射される噴射装置5と、イカの外套膜Gとイカの軟骨Nとの間に挿入されて外套膜Gから軟骨Nを剥離する剥離手段6が備えられている。
【0011】
把持部2は、金属材、合成樹脂材で形成されており、把持部2の上方に操作レバー3が設けられている。
【0012】
操作レバー3は、把持部2を把持した時に親指で操作できるように親指が位置する位置に設けられているが、人差し指で操作できるように人差し指が位置する位置に設けられていても構わないものである。操作レバー3は、把持部2内に設けられた噴射装置5の開閉弁(図示せず)を操作するものであり、通常は開閉弁が閉じた状態になっており、操作レバー3の操作量により開閉弁の開口面積を調整することが可能であり、全開することで開口面積を最大にすることができるものである。噴射装置5は新たに設計することもできるが、液体用のノズルとしてペンキ噴霧ノズルなどが市販されており、噴射量や大きさを検討してこれらを使用することができるものである。
【0013】
剥離手段6は、ステンレス鋼の板材、合成樹脂材で形成されており、外套膜Gとイカの軟骨Nとの間に挿入されるとともに、外套膜Gとイカの軟骨Nとの接合部Sを確実に保持及び切断することができるよう先端がV字状に形成されるとともに、刃部7が形成されている。接合部Sは、外套膜Gと下足部分の接合部である。刃部7は剥離手段6の底面に鋭利に形成されていても構わないが、外套膜Gとイカの軟骨Nとの接合部Sを確実に保持及び切断することができるのであれば、鋭利に形成されていなくても構わないものである。剥離手段6は外套膜Gとイカの軟骨Nとの接合部Sを確実に保持及び切断することができるのであれば先端がV字状に形成されていなくてもコ字状に形成されていても構わないものである。刃部7は、V字状部、コ字状部の全体に形成されている必要はないものであり、又、底面に形成されている必要はないものであり、上方に向かうに従って幅広に傾斜して形成されている。剥離手段6は、長さが可変に形成されている。剥離手段6は、幅が2.5ミリメートルで長さが18ミリメートルの刃部7と、刃部7の後端部に形成された保持部8と、保持部8を摺動自在に保持する摺動保持部9と、摺動保持部9に保持部8を固定するねじ10とで構成されており、ねじ10を緩めて刃部7を位置を最適な位置にすることができるようになっている。
剥離手段6の上面は、円筒状のイカの外套膜Gに対応させて円弧状に形成されるとともに、後端は把持部2に取り付けられるように開口部11が形成されており、ねじ12により固定されている。
【0014】
保持手段13は、操作レバー3の操作によりイカの貝殻の外側を保持できるように、操作レバー3の先端に設けられている。保持手段13は外套膜Gを切断して貝殻Kを保持する必要があり、ねじで外套膜Gを切断して貝殻Kを保持している。保持手段13は貝殻Kを押す力が一定となるようにアクリル樹脂のような合成樹脂やステンレス板のような金属材において可撓性を有する材料で形成されており、保持手段13の厚みや幅は材料に応じて適切な寸法を設定すれば良いものである。保持手段13は、操作レバー3の操作によりイカの貝殻を保持するものであり、保持手段13の先端部に突出量が可変なねじでできた突起部14を設けているが、ねじで無くても構わないものである。
剥離具6の保持手段13と対応する箇所は、表面に貝殻Kの形状に対応した凹状の受け部15が形成されており、貝殻Kの位置決めができるとともに貝殻Kの保持を確実にすることが可能となり、表面に貝殻Kに食い込む突起を形成することも有効である。
【0015】
保持手段13は、アクリル樹脂や他の代用であっても、ある程度可撓性を持たせなければ貝殻Kを壊したりする怖れがあるものである。ヒイカの貝殻Kは厚さが1ミリにも満たない0.5ミリ程であり長さが5センチメートル位であり、切刃部14の寸法もこれらを考慮して設定する必要があるものである。保持手段13は、操作レバー3の操作によりイカの貝殻を保持するものであり、保持手段13の横ブレを防止するガイド16が設けられている。
【0016】
操作レバー3の操作は、先導具17の先端の噴射口4から洗浄水Wが噴射させる第1段階とイカの貝殻Kの外側を保持する第2段階とを備えており、第1段階は押し量に応じて洗浄水Wの噴射量の調整ができるものである。
【0017】
噴射装置5には筒状で中空のノズル18が把持部2の先端にねじ19により固定されており、ノズル18の先端及び先端部周胴には噴射口4、4aが形成されている。
ノズル18は、中空で内部に水路が形成された合成樹脂材、ステンレス鋼のように錆びない材質でできており、ノズル18は内臓を洗浄するイカの大きさに応じて内径及び長さを変えるのが望ましいが、伸縮自在にして長さを変えたり先端に内径調整装置を設けて内径を変えるようにしても構わないものである。ノズル18は、内径が8ミリメートル、長さがイカの長さに対応させて150ミリメートルに形成されている。
【0018】
ノズル18は、先端に形成されたドーム状の先導具16の先端には噴射口4が形成されている。ノズル18の先端部の周胴には複数個の側方噴射口4aが形成されている。ノズル18の先端部には円筒形のゴムでできたイカ内蔵掃除具19が接着により固定されている。
【0019】
イカ内蔵掃除具19は、
図3に示すように、後端から先端に向かって複数本のスリット20が形成されており、スリット20間に側方噴射口4aを位置させることで、側方噴射口4aからの洗浄水が外方に飛散するようになっているとともに、スリット20間のイカ内蔵掃除具19の舌片21に衝突した側方噴射口4aからの洗浄水は後方に飛散し、噴射口4及び側方噴射口4aにより、イカの内面及び内臓を効率よく洗浄除去できるようになっている。ノズル18にOリング22を挿入した後、イカ内蔵掃除具19を取り付けることで、掃除用の舌片21が形成される。
【0020】
次に、イカの内蔵掃除洗浄方法について、
図4乃至
図6を参照して説明する。食する部材であるイカの外套膜Gと廃棄するイカの内臓NA、貝殻Kとを本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置1を用いて分離するのであるが、
図4乃至
図6に示す様に、イカの内蔵掃除洗浄装置1を利き手に把持し、他方の手にイカを把持し、剥離手段6をイカの外套膜Gとイカの軟骨Nとの間に挿入し、外套膜Gから軟骨Nを剥離させてイカの外套膜Gからイカの内臓NA及び下足を除去するのであるが、先導具16の噴射口4から少しずつ洗浄水Wを出しながらイカの内部先端まで先導具16を移動させ、一気に洗浄水Wを吐出させるとイカの内臓NA及び下足が外套膜Gから吐き出されてくるのであり、イカの内臓NA及び下足を外套膜Gと分離すれば良い。
【0021】
次に、本発明の第2の実施例の形態について、
図7を参照して説明する。
先導具17は、先端に丸形で直径が3ミリメートルの噴射口4が形成され内部には空洞部が形成されている。先導具17は、合成樹脂材又はステンレス鋼で形成されており、後端には後端側が末広がりに傾斜した複数個の後方噴射口23が形成されている。後方噴射口23は空洞部と連通して形成されている。先導具17は、直径が14ミリメートル、長さが6ミリメートルで形成されており、絞り加工により有底のお椀状に形成されるとともに、先端に噴射口4が形成されている。
【0022】
把持部2の後端にはホース24が接続される給水接続ジョイント25が設けられており、水道のような給水手段にワンタッチで接続できるようになっているが、水中ポンプを使用することでポリタンクから水を供給しても構わないものである。
【0023】
又、第3の実施例を示す
図8に示す様に、剥離手段6はスプーン状に形成されるとともに、噴射口4は剥離手段6の凹曲面側に設けられているものは、イカの外套膜Gとイカの軟骨Nとの間に挿入し易く、外套膜Gから軟骨Nを剥離し易いものである。
【0024】
本発明により、イカの内蔵洗浄後真空パックをし、液体冷凍庫投入凍結、エアーブラスト冷凍庫により、アニサキス症寄生虫による健康被害の防止、新鮮な食材の提供が可能となるものである。
把持部と、前記把持部に設けられた操作レバーと、前記操作レバーへの操作により洗浄水が噴射口から噴射されてイカの外套膜内部を洗浄する噴射装置と、イカの外套膜と前記イカの軟骨との間に挿入されて前記外套膜から前記軟骨を剥離する剥離手段とが備えられているイカの内臓掃除洗浄装置であり、前記イカの内臓掃除洗浄装置には、イカの貝殻を保持する保持手段が設けられており、前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持することを特徴とするイカの内臓掃除洗浄装置。
前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持する第1の保持手段を備えているとともに、第1の保持手段の横ブレを防止するガイドを設けた請求項1に記載のイカの内臓掃除洗浄装置。
上記課題を解決するために、本発明のイカの内臓掃除洗浄装置は、把持部と、前記把持部に設けられた操作レバーと、前記操作レバーへの操作により洗浄水が噴射口から噴射されてイカの外套膜内部を洗浄する噴射装置と、イカの外套膜と前記イカの軟骨との間に挿入されて前記外套膜から前記軟骨を剥離する剥離手段とが備えられているイカの内臓掃除洗浄装置であり、前記イカの内臓掃除洗浄装置には、イカの貝殻を保持する保持手段が設けられており、前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持することを特徴とする。
又、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置は、前記剥離手段は、長さが可変に形成されているのが望ましい。
又、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置は、前記剥離手段は、先端がV字状に形成されるとともに、刃部が形成されているのが望ましい。
又、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置は、前記噴射装置には筒状のノズルが設けられており、前記ノズルの先端に前記噴射口が形成されているのが望ましい。
又、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置は、前記噴射装置には筒状のノズルが設けられており、前記ノズルの先端部周胴には噴射口が形成されているのが望ましい。
又、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置は、前記噴射装置には筒状のノズルが設けられており、前記ノズルの先端及び先端部周胴には噴射口が形成されているのが望ましい。
又、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置は、前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持するものであり、前記保持手段の先端部に突出量が可変な突起部を設けているのが望ましい。
又、本発明のイカの内蔵掃除洗浄装置は、前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持する第1の保持手段を備えているとともに、第1の保持手段の横ブレを防止するガイドを設けているのが望ましい。
本発明に係るイカの内蔵洗浄装置は、把持部と、前記把持部に設けられた操作レバーと、前記操作レバーへの操作により洗浄水が噴射口から噴射されてイカの外套膜内部を洗浄する噴射装置と、イカの外套膜と前記イカの軟骨との間に挿入されて前記外套膜から前記軟骨を剥離する剥離手段とが備えられているイカの内臓掃除洗浄装置であり、前記イカの内臓掃除洗浄装置には、イカの貝殻を保持する保持手段が設けられており、前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持することを特徴とするものであるから、剥離具により外套膜から軟骨を剥離することができ、内臓を容易に除去することが出来るとともに、外套膜の内部を綺麗に洗浄することが出来るという効果がある。更に、短時間でイカの内蔵を綺麗に除去できるので洗浄水の使用量の減少が期待できるという効果がある。前記イカの内臓掃除洗浄装置には、イカの貝殻を保持する保持手段が設けられているものは、イカの貝殻を保持手段で保持した状態で外套膜を引っ張るだけで貝殻を除去することが出来、貝殻の除去が簡単にできるという効果があり、前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持するものは操作レバーと保持手段とを兼用しているので、一連の操作である操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持することができ、貝殻の除去が効率よくできるとと
もに構造が簡単になるという効果がある。
又、請求項2のように、イカの内蔵掃除洗浄装置は、前記剥離手段は、長さが可変に形成されているものは、剥離手段の長さを外套膜から軟骨を剥離するのに最も適した長さにして使用することが可能となり、作業の効率が上がるという効果がある。
又、請求項3のように、前記剥離手段は、先端がV字状に形成されるとともに、刃部が形成されているものは、外套膜と前記イカの軟骨との間に挿入されるとともに、外套膜と前記イカの軟骨との接合部を確実に保持及び切断することができるという効果がある。
又、請求項4のように、前記噴射装置には筒状のノズルが設けられており、前記ノズルの先端に前記噴射口が形成されているものは、筒状のノズルの長さをイカの内蔵掃除洗浄装置を使用するイカの大きさに対応して最適な長さのものを使用することが可能であるとともに、イカの内部まで先導具を導入することが可能であり、効率よくイカの内蔵を掃除洗浄できるという効果がある。
又、請求項5のように、前記噴射装置には筒状のノズルが設けられており、前記ノズルの先端部周胴には噴射口が形成されているものは、ノズルの最先端部に噴射口を開けることが可能となり、イカの内蔵を綺麗に掃除洗浄できるという効果がある。
又、請求項6のように、前記噴射装置には筒状のノズルが設けられており、前記ノズルの先端及び先端部周胴には噴射口が形成されているものは、噴射口及び先端部周胴の噴射口により、イカの内面及び内臓を効率よく洗浄除去できるという効果がある。
又、請求項7のように、前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持するものであり、前記保持手段の先端部に突出量が可変な突起部を設けたものは、イカの貝殻を適切な荷重で保持することができるという効果がある。
又、請求項8のように、前記イカの貝殻を保持する保持手段は、前記操作レバーの操作によりイカの貝殻を保持する第1の保持手段を備えているとともに、第1の保持手段の横ブレを防止するガイドを設けたものは、第1の保持手段で確実にイカの貝殻を安定して保持することができるので、効率よくイカの内蔵を綺麗に掃除洗浄できるという効果がある。