(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166001
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】電気掃除機の吸込口
(51)【国際特許分類】
A47L 9/02 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
A47L9/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108422
(22)【出願日】2023-06-30
(31)【優先権主張番号】P 2023082071
(32)【優先日】2023-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(72)【発明者】
【氏名】町田 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】横山 広
(72)【発明者】
【氏名】高井 勉
(72)【発明者】
【氏名】吉田 知弘
(72)【発明者】
【氏名】中川 和紀
【テーマコード(参考)】
3B061
【Fターム(参考)】
3B061AA04
3B061AA06
3B061AA51
(57)【要約】
【課題】 清掃シートへの着脱が容易であり、作業性を向上させることができると共に、大きな塵埃のみならず、被清掃面に付着した小さな塵埃も除去することができる電気掃除機の吸込口を提供する。
【解決手段】 電気掃除機の吸込口10は、被清掃面上の塵埃を吸引する吸入ノズル1と、被清掃面上の拭き清掃をするワイパープレート2と、を有しており、吸入ノズル1は、底面に形成される略矩形状の開口1aと、該開口1aを囲う内壁面1bにより形成される略箱形状の吸引室1cと、該吸引室1cの上部に形成され、開口1aと電気掃除機本体とを連通させる吸引口1dとを有している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被清掃面上の塵埃を吸引する吸入ノズルと、被清掃面上の拭き清掃をするワイパープレートと、を有する電気掃除機の吸込口において
前記吸入ノズルは、底面に形成される略矩形状の開口と、該開口を囲う複数の内壁面により形成される吸引室と、該吸引室の上部に形成され、前記開口と電気掃除機本体とを連通させる吸引口とを有し、
前記ワイパープレートは、着脱手段を介して該ワイパープレートの底面に清掃シートを固定できると共に、該底面は前記吸引ノズルの開口の近傍に配置されているものであって
前記吸引ノズルは、前記開口の長手方向の略中央部近傍において、前記吸引室の対向する内壁面の距離が狭まる絞り部が形成されている電気掃除機の吸込口
【請求項2】
吸引室は、開口面から上面までの高さが、開口の長手方向の略中央部よりも端部の方が低いことを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機の吸込口
【請求項3】
吸引室は、開口の短手方向を面とする断面において、開口の長手方向の略中央部よりも端部の断面積が小であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気掃除機の吸込口
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被清掃面上の拭き清掃を行うワイパープレートを備えたに電気掃除機の吸込口に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から柄棒の先端に連結された拭布取付部材に、紙や布帛等からなる拭布を交換可能に取り付けたモップの発明が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載のモップは、払掃用の拭布と、該拭布を交換可能に装着するための扁平で細長い拭布取付部材と、該拭布取付部材に連結された操作用の柄棒とからなっていて、 上記拭布取付部材は、合成ゴムや合成樹脂のような柔軟性を持った弾性部材によって長方形をなす薄肉の平板状に形成され、四隅に近い位置に、巻き付けた拭布の端部を係止させるための係止手段が係止され、上面の中央部に、連結手段を介して上記柄棒が連結される構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記特許文献1に記載のモップの拭布は、四隅に近い位置に形成された係止手段に係止させる手間を必要とするものであると共に、係止手段が切り込み孔で形成されている場合には、拭布がちぎれて係止手段に残存する場合があるため、取り除く作業を必要としていた。また、大きな塵埃は拭布では拭き取れないため、電気掃除機で同じ個所の清掃を再度行わなければならないという課題を有するものであった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、清掃シートへの着脱が容易であり、作業性を向上させることができると共に、大きな塵埃のみならず、被清掃面に付着した小さな塵埃も除去することができる電気掃除機の吸込口を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、請求項1の発明は、被清掃面上の塵埃を吸引する吸入ノズルと、被清掃面上の拭き清掃をするワイパープレートと、を有する電気掃除機の吸込口において、前記吸入ノズルは、底面に形成される略矩形状の開口と、該開口を囲う複数の内壁面により形成される吸引室と、該吸引室の上部に形成され、前記開口と電気掃除機本体とを連通させる吸引口とを有し、前記ワイパープレートは、着脱手段を介して該ワイパープレートの底面に清掃シートを固定できると共に、該底面は前記吸引ノズルの開口の近傍に配置されているものであって、前記吸引ノズルは、前記開口の長手方向の略中央部近傍において、前記吸引室の対向する内壁面の距離が狭まる絞り部が形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明では、ワイパープレートが着脱手段を介して底面に清掃シートを固定できるので、作業性を向上させることができる。また、開口の長手方向の略中央部近傍において、吸引室の対向する内壁面の距離が狭まる絞り部が形成された吸引ノズルを使用することによって、最も塵埃が集中する開口の略中央部における吸引力を向上させると共に、全体として所望の吸引力を維持しつつ、コンパクトな形状にすることができ、大きな塵埃のみならず、被清掃面に付着した小さな塵埃も除去することができる電気掃除機の吸込口とすることができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、吸引室は、開口面から上面までの高さが、開口の長手方向の略中央部よりも端部の方が低いことを特徴としている。これにより、吸引ノズルは、開口の端部側においても所定の吸引力を維持することができるため、清掃効率を向上させることができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、吸引室は、開口の短手方向を面とする断面において、開口の長手方向の略中央部よりも端部の断面積が小であることを特徴としている。これにより、吸引ノズルは、開口の端部側においても所定の吸引力を維持することができるため、清掃効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明は、ワイパープレートに清掃シートを固定する作業性を向上させることができると共に、最も塵埃が集中する開口の略中央部における吸引力を向上させ、全体として所望の吸引力を維持しつつ、コンパクトな形状にすることができる。また、請求項2及び3の発明は、吸引ノズルの開口の端部側においても所定の吸引力を維持することができるため、清掃効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】(a)第1実施形態の吸込口を示す斜視図(b)第1実施形態の吸込口であって、清掃シートを固定した状態の斜視図
【
図2】(a)第1実施形態の吸込口を示す側面図(b)第1実施形態の吸込口であって、清掃シートを固定した状態の側面図(c)第1実施形態の吸込口を示す断面図
【
図3】(a)第1実施形態の吸込口を示す底面図(b)第1実施形態の吸込口であって、清掃シートを固定した状態の底面図
【
図5】(a)第1実施形態の吸込口を示す断面図(b)第1実施形態の吸込口を示す断面図
【
図6】(a)第2実施形態の吸込口に使用する第2緩衝部材を示す斜視図(b)第2実施形態の吸込口を示す断面図
【
図8】(a)~(c)第3実施形態の吸込口の使用状態を示す側面図
【
図9】(a)第4実施形態の吸込口を示す底面図(b)第4実施形態の吸込口を示す側面図(c)第4実施形態の吸込口を示す斜視図
【
図10】(a)第5実施形態の吸込口を示す斜視図(b)第5実施形態の吸込口においてワイパープレートを取り外した状態を示す斜視図(c)第5実施形態の吸込口に使用するワイパープレートを示す斜視図
【
図11】(a)第5実施形態のワイパープレートに使用する操作用の柄を示す斜視図(b)第5実施形態のワイパープレートに操作用の柄を取り付けた状態を示す斜視図
【
図12】(a)~(c)第6実施形態の吸込口の使用状態を示す側面図
【
図13】(a)第7実施形態の吸込口であって、清掃シートを固定した状態の斜視図(b)第7実施形態の吸込口を底面側から視た斜視図(c)第7実施形態の吸込口を示す底面図
【
図15】(a)第8実施形態の吸込口を示す斜視図(b)第8実施形態の吸込口を示す底面図(c)第8実施形態の吸込口であって、清掃シートを固定した状態の側面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
図1(a)は、第1実施形態の吸込口を示す斜視図であり、
図1(b)は、第1実施形態の吸込口であって、清掃シートを固定した状態の斜視図である。
図2(a)は、第1実施形態の吸込口を示す側面図であり、
図2(b)は、第1実施形態の吸込口であって、清掃シートを固定した状態の側面図である。また、
図2(c)は、第1実施形態の吸込口を示す断面図である。
図3(a)は、第1実施形態の吸込口を示す底面図であり、
図3(b)は、第1実施形態の吸込口であって、清掃シートを固定した状態の底面図である。
図4は、
図1(a)のA-A断面図である。
図5(a)は、第1実施形態の吸込口を示す断面図であり、
図5(b)は、第1実施形態の吸込口を示す断面図である。これらの図を用いて本発明に係る電気掃除機の吸込口の第1実施形態について以下に説明する。
【0014】
本発明に係る第1実施形態の電気掃除機の吸込口10は、被清掃面上の塵埃を吸引する吸入ノズル1と、被清掃面上の拭き清掃をするワイパープレート2と、を有しており、吸入ノズル1は、底面に形成される略矩形状の開口1aと、該開口1aを囲う複数の内壁面1bにより形成される吸引室1cと、該吸引室1cの上部に形成され、開口1aと電気掃除機本体とを連通させる吸引口1dとを有している。
【0015】
ワイパープレート2は、着脱手段2aを介して該ワイパープレート2の底面2bに清掃シート3を固定できると共に、底面2bは吸引ノズル1の開口1aの近傍に配置されているものであって、吸引ノズル1は、開口1aの長手方向の略中央部近傍において、吸引室1cの対向する内壁面1b、1bの距離が狭まる絞り部1eが形成されている。
【0016】
第1実施形態の吸込口10は、着脱手段2aとしてブラシを採用しており、ブラシ2aがワイパープレート2の上面の長手方向に沿って直線状に形成されている。また、ワイパープレート2の下面の2か所にも長手方向に沿ってブラシ2aが形成されている。このブラシ2aが主に不織布で形成された清掃シート3に絡みつくことによって、ワイパープレート2に清掃シート3が固定される構成としている。
【0017】
また、ワイパープレート2は、ワイパープレート本体2cと、異なる軟質部材で形成された第1緩衝部材2d(例えば、スポンジ)と、第2緩衝部材2e(例えば、エラストマー樹脂)とで構成されている。
【0018】
第1実施形態の吸込口10は、
図5(a)及び(b)に示すように、回動管7の下部には後方に突出する板状の基台が設けられており、基台の上面にはバネ5(
図5参照)及びバネ5の先端に緩衝片4が設けれている。緩衝片4は、バネ5の付勢力を受けて接続管6と当接するものであり、接続管6との間に摩擦抵抗が生じることから、吸引ノズル1及びワイパープレート2が反転するのを防ぐことができる。尚、バネ5をワイパープレートの上面に形成し、緩衝片4を接続管6に当接させても同様の効果を生じさせるものである。また、緩衝片4を接続管6に変えて回動管7に当接させた場合は、回動管7が回動する時に摩擦抵抗が生じるため、使用者のスムーズな回動をアシストすることができる。
【0019】
第1実施形態の吸込口10は、
図1(a)及び(b)に示すように、吸引ノズル1とワイパープレート2との間に、清掃シート3を設置する時の位置確認用の切欠き8aと、位置合わせ用の突起8bが、吸込口10の両側部に各々形成されている。
【0020】
清掃シート3は、ワイパープレート2の横幅と略同じ幅で形成されており、清掃シート3の上から吸込口10を載せると、両側部の切欠き8a、8aから清掃シート3の横位置が正確に貼り合わされているかを確認することができる。また、清掃シート3の縦位置については、清掃シート3の前方端部と位置合わせ用の突起8b、8bとが合うように貼り合わせることで、清掃シート3を適切な位置に固定することができる。
【0021】
これにより、清掃シート3を被清掃面に置き、使用者が立った状態で、吸込口10を載せるだけで清掃シート3を吸込口10の適切な位置に貼り合わせることができる。したがって、吸込口10を上方から見た際に、清掃シート3の位置が把握できると共に、吸込口10や清掃シート3を触らずに位置の微調整を図ることができる。
【0022】
第1実施形態の吸込口10は、
図2(c)に示すように、収納時はワイパープレート2の上面と、回動管7又は接続管6の下面との間に僅かな隙間(数ミリ程度)が形成されている。使用時は、吸込口10を動かす際、に回動管7又は接続管6が僅かに下方に撓む又は、回動できる構造としている。これにより、回動管7又は接続管6がワイパープレート2を上方から押さえることとなり、ワイパープレート2の略中央をしっかり押圧することができる。
【0023】
回動管7又は接続管6の撓み又は回動は、撓みやすい材質にする場合と、軸を設けて回動させる場合の両方を採用することができる。また、回動管7又は接続管6と当接するワイパープレート2の上面は少し窪みを設けることで、回動管7や接続管6と点接触するのではなく、面接触させて抑える力を十分に且つ安全に伝える構造とすることができる。
【0024】
使用者が吸込口10を動かす際の力は、接続管6及び回動管7を通じて吸引ノズル1に伝わるため、吸引ノズル1の後方に位置するワイパープレート2には伝わりづらく清掃効果を十分に発揮できない。そこで上記構成とすることで、ワイパープレート2の略中央部をしっかり押圧することができ清掃効果を向上させることができる。
【0025】
第1実施形態の吸込口10は、
図2(a)~(c)に示すように、ブラシ2aの毛材2fの長手方向がワイパープレート2に対して傾斜して植毛されている。これにより、吸込口10を前後に動かす清掃動作によって、毛材2fを主に不織布で形成された清掃シート3の内部奥深くまで侵入させると共に強固に固定することができる。
【0026】
ブラシ2aの傾斜方向は、ワイパープレート2の前方側のブラシ2aは後方に向かい傾斜させ、ワイパープレート2の後方側のブラシ2aは前方に向かい傾斜させる構成としている。これにより、互いに抜け止めとなり清掃シート3の固定が強固になる。尚、ワイパープレート2の前方側のブラシ2aを前方に向かい傾斜させ、ワイパープレート2の後方側のブラシ2aを後方に傾斜させた場合も抜け止めになるので、これも本発明に含まれる。
【0027】
また、ワイパープレート2の前方側のブラシ2aと後方側のブラシ2aの傾斜方向をそれぞれ左右方向とした場合も、吸込口10の前後方向への移動時の力では外れにくい構造となるので、これも本発明に含まれる。また、ブラシ2aの内部で毛材2fの方向を様々に傾斜させた場合(様々な方向に毛材2fの先端が向いている場合)については、毛材2fが清掃シート3内部に入りやすいと共に抜け止めの効果があるのでこれも本発明に含まれる。さらに、ワイパープレート2の上面に形成されたブラシ2aについては、毛材2fを前方側に傾斜させることで、清掃シート3を後方側から巻きまわして底面2bに固定する際の抜け止めとなるので、これも本発明に含まれる。
【0028】
第1実施形態の吸込口10は、
図3(a)に示すように、ブラシ2aを、ワイパープレート2の幅方向に、間欠部2gを有するようにして配置している。これにより、毛材2fの先端の自由度を向上させて、毛材2fを清掃シート3の奥まで挿入させることができる。尚、ワイパープレート2の底面2bに幅方向の溝を設けて、この溝に複数の直線ブラシを順次挿入して、ブラシ自体が溝方向に自由度を持って揺動する構成とすることも可能であり、これも本発明に含まれる。
【0029】
第1実施形態の吸込口10は、
図5(a)に示すように、使用時に、ワイパープレート本体2cの下面と第1緩衝部材2dの上面との間に空間部2hが形成される構成としている。これは、エラストマー樹脂で形成された第2緩衝部材2eがバネ性を有していることからであり、
図5(b)に示すように、清掃シート3の固定時には、第1緩衝部材2dと第2緩衝部材2eが内方に凹むことによって空間部2hは消滅する。これにより、使用時には、第2緩衝部材2eが外方に突出することから、清掃シート3を被清掃面に押し当てることができ、清掃ムラを減少させることができる。尚、第1緩衝部材2dと第2緩衝部材2eとは異なる軟質部材で形成されており、同様の発明の効果を奏するものであれば、スポンジやエラストマー樹脂に限定されることなく本発明に含まれる。
【0030】
図6(a)は、第2実施形態の吸込口に使用する第2緩衝部材を示す斜視図であり、
図6(b)は、第2実施形態の吸込口を示す断面図である。これらの図を用いて本発明に係る電気掃除機の吸込口の第2実施形態について以下に説明する。第2実施形態の吸込口20に使用する第2緩衝部材22eは、中央にすり鉢状の突部22iが形成されており、突部22iの外周面には径方向に対して角度を有する方向に延出する複数のリブ22jが形成されている。
【0031】
そして、第2緩衝部材22eを被清掃面に押し当てた際は、複数のリブ22jが付勢力を発生させることから、中央にすり鉢状の突部22iがワイパープレート本体を押し返し、清掃シート3を被清掃面に強く押し当てることができ、清掃ムラを減少させることができる。
【0032】
図7は、第3実施形態の吸込口を示す斜視図であり、
図8(a)~(c)は、第3実施形態の吸込口の使用状態を示す側面図である。これらの図を用いて本発明に係る電気掃除機の吸込口の第3実施形態について以下に説明する。第3実施形態の吸込口30は、ワイパープレート32の後方側面に着脱手段であるブラシ32aが形成されており、当該側面のブラシ32aを、被清掃面に置いた清掃シート33の後方端部に合わせるように貼り合わせて(
図8(a)の状態)、そのまま清掃シート33の上にワイパープレート32の底面を置くことで(
図8(b)の状態)、清掃シート33がずれることなくワイパープレート32の適切な位置に、清掃シート33を固定させることができる。尚、後方側面だけでなく前方側面にも着脱手段であるブラシを設けて、前方側から清掃シートを装着する構成とすることもでき、これも本発明に含まれる。
【0033】
また、
図8(c)に示すように、接続管36はワイパープレート32の垂直上方から前後のどちらの方向にも傾斜させることが可能な構成としている。これにより、ワイパープレート32の後方側面に形成した清掃シート33で壁面の清掃を行うことができ、吸込口30使用時の性能を向上させることができる。
【0034】
図9(a)は、第4実施形態の吸込口を示す底面図であり、
図9(b)は、第4実施形態の吸込口を示す側面図
図9(c)は、第4実施形態の吸込口を示す斜視図である。これらの図を用いて本発明に係る電気掃除機の吸込口の第4実施形態について以下に説明する。第4実施形態の吸込口40は、吸引ノズル41の後方であって、ワイパープレート42の底面の前方側のブラシ42aとの間にブレード9を有する構成としている。このブレード9は、ゴミを堰き止める効果及び、ゴミを掃く効果を得るためのものであり、清掃シート43は、ブレード9の先端に引っ掛けるようにしてワイパープレート42に固定している。
【0035】
第4実施形態の吸込口40は、清掃シート43がブレード9との間に介在することで、被清掃面をブレード9により傷つけることなく、摩擦抵抗(摺動抵抗)を抑えることができる。また、ブレード9は吸込口40の下方に突出しており、ブレード9自体に腰があるため(折れ曲がりにくいため)、清掃シート43の一部を被清掃面に強く押し当てて清掃効果を向上させることができる。
【0036】
図10(a)は、第5実施形態の吸込口を示す斜視図であり、
図10(b)は、第5実施形態の吸込口においてワイパープレートを取り外した状態を示す斜視図であり、
図10(c)は、第5実施形態の吸込口に使用するワイパープレートを示す斜視図である。また、
図11(a)は、第5実施形態のワイパープレートに使用する操作用の柄を示す斜視図であり、
図11(b)は、第5実施形態のワイパープレートに操作用の柄を取り付けた状態を示す斜視図である。これらの図を用いて本発明に係る電気掃除機の吸込口の第5実施形態について以下に説明する。
【0037】
第5実施形態の吸込口50は、前方の吸引ノズル51と後方のワイパープレート52とを取付手段11を用いて分離可能な構成としている。これにより、
図10(b)に示すように、吸引ノズル51のみの電気掃除機として使用することができる。また、取付手段11を用いて
図11(a)に示す操作用の柄12を取り付けることができ、
図11(b)に示すように、フローリングワイパー13として使用することができる。
【0038】
第5実施形態の吸込口50は、ワイパープレート52の左右の一方又は両方に切欠き部14が形成された構成としている。これにより、清掃シート53は、切欠き部14から外側にはみ出るようにワイパープレート52の底面に固定することができるので、清掃シート53を取り外す際は、切欠き部14からはみ出た部分の清掃シート53を足で踏みつけることによって、清掃シート53を容易に取り外すことができる。
【0039】
図12(a)~(c)は、第6実施形態の吸込口の使用状態を示す側面図である。これらの図を用いて本発明に係る電気掃除機の吸込口の第6実施形態について以下に説明する。第6実施形態の吸込口60は、ワイパープレート62の下面と緩衝部材15の上面との間にバネ部材16a、16bを有するノックカム機構16(ボールペンの芯の出し入れと同様の機構)が設けられており、緩衝部材15がワイパープレート62の底面から大きく突出した状態(
図12(b)の状態)と、多少突出した状態(
図12(a)の状態)とに変形することができ、清掃シート63の着脱手段とすることができる。
【0040】
第6実施形態の吸込口60における清掃シート63の着脱の手順は、以下のとおりである。第1に、緩衝部材15がワイパープレート62の底面から大きく突出した状態にする。次に、被清掃面に置いた清掃シート63の上から緩衝部材15を押し付けると、緩衝部材15がワイパープレート62の内部側に引っ込む状態になると共に、ワイパープレート62の底面の着脱手段であるブラシ62aと清掃シート63とを固定する。この状態で被清掃面の清掃を行い、清掃が終わり、清掃シート63を取り外す又は交換する際には、再び清掃シート63を被清掃面に設置した状態で、緩衝部材15を被清掃面側に押し付けると、ノックカム機構16により緩衝部材15が大きく突出した状態となるため、
図12(c)に示すように、ブラシ62aに固定されていた清掃シート63を引き剥がして取り外すことができる。
【0041】
尚、ノックカム機構15に替えて、ワイパープレートの上面に設けられたボタンを押した際に緩衝部材が突出し、該緩衝部材を被清掃面に押し付けることで緩衝部材が初期位置に戻る構成としてもよく、これも本発明に含まれる。
【0042】
図13(a)は、第7実施形態の吸込口であって、清掃シートを固定した状態の斜視図であり、
図13(b)は、第7実施形態の吸込口を底面側から視た斜視図であり、
図13(c)は、第7実施形態の吸込口を示す底面図である。また、
図14は、
図13(a)のB-B断面図である。これらの図を用いて本発明に係る電気掃除機の吸込口の第7実施形態について以下に説明する。第7実施形態の吸込口70は、吸引ノズル71の長手方向の両端部近傍からワイパープレート72の両端部近傍(左右の両辺)に向かい吸気通路17a、17bが形成されており、この吸気通路17a、17bの一部がワイパープレート72の底面に形成された吸気孔18a、18b、18c、18dと連通する構成としている。これにより、電気掃除機を稼動させると吸気孔18a、18b、18c、18dにも吸引力が発生することとなり清掃シート73を吸着させることができる。
【0043】
尚、吸気通路17a、17bの構成は、吸引ノズル71内のどの位置から形成していてもよく、吸気孔18a、18b、18c、18dは、清掃シート73の四隅に対向するワイパープレート72の所定の位置に形成されていればよいものである。また、他の実施形態で示した着脱手段であるブラシの構成を追加してもよく、その場合には、相乗効果でより強固にワイパープレート72に清掃シート73を固定することができる。
【0044】
図15(a)は、第8実施形態の吸込口を示す斜視図であり、
図15(b)は、第8実施形態の吸込口を示す底面図であり、
図15(c)は、第8実施形態の吸込口であって、清掃シートを固定した状態の側面図である。これらの図を用いて本発明に係る電気掃除機の吸込口の第8実施形態について以下に説明する。第8実施形態の吸込口80は、回転ブラシ19aを備えており、この回転ブラシ19aの後方に位置する吸込口本体19bに着脱手段であるブラシ82a、82aを配置した構成としている。
【0045】
これにより、清掃シート83は、
図15(c)に示すように、回転ブラシ19a後方の吸込口本体19bの底面全体を覆うように取り付けることができる。また、市販されている一般的な吸込口本体19bの底面に、一方の面に接着面が形成されているブラシ82a、82aを貼り付けることによって第8実施形態の吸込口80を構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係る電気掃除機の吸込口は、被清掃面上の拭き清掃を行うワイパープレートを備えた清掃道具として利用される。
【符号の説明】
【0047】
1、41、51、71 吸引ノズル
1a 開口
1b 内壁面
1c 吸引室
1d 吸引口
1e 絞り部
2、32、42、52、62、72 ワイパープレート
2a、32a、42a、62a、82a 着脱手段(ブラシ)
2b 底面
2c ワイパープレート本体
2d 第1緩衝部材
2e 第2緩衝部材
2f 毛材
2g 間欠部
2h 空間部
3、33、43、53、63、73、83 清掃シート
4 緩衝片
5 バネ
6、36 接続管
7 回動管
8a 切欠き
8b 突起
9 ブレード
10、20、30、40、50、60、70、80 電気掃除機の吸込口
11 取付手段
12 操作用の柄
13 フローリングワイパー
14 切欠き部
15 緩衝部材
16 ノックカム機構
16a、16b バネ部材
17a、17b 吸気通路
18a、18b、18c、18d 吸気孔
19a 回転ブラシ
19b 吸込口本体
22i 突部
22j リブ
22k 平面部