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特開2024-166014変数設定方法及びその変数設定デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166014
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】変数設定方法及びその変数設定デバイス
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/04 20090101AFI20241121BHJP
   H04W 28/10 20090101ALI20241121BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W28/10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023136145
(22)【出願日】2023-08-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-11-13
(31)【優先権主張番号】112118440
(32)【優先日】2023-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504429600
【氏名又は名称】緯創資通股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】WISTRON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 志明
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】効率及びユーザー体験を改善するために、変数設定方法及びその変数設定デバイスを提供する。
【解決手段】変数設定デバイスのための変数設定方法は、第1の時点においてネットワークからインシデント予測通知を受信するステップと、インシデント予測通知に応答して、第2の時点において少なくとも1つの変数を決定するステップと、第3の時点において少なくとも1つの変数を出力するステップと、を含む。インシデント予測通知は、第4の時点より遅い第5の時点におけるサービス品質(QoS)違反予測に応答して少なくとも1つの変数を決定することを、変数設定デバイスに指示するために使用される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変数設定デバイスのための変数設定方法であって:
第1の時点においてネットワークからインシデント予測通知を受信するステップ;
前記インシデント予測通知に応答して、第2の時点において少なくとも1つの変数を決定するステップ;及び
第3の時点において前記少なくとも1つの変数を出力するステップ;
を含み、前記インシデント予測通知は、第4の時点におけるサービス品質(QoS)違反予測に応答して前記少なくとも1つの変数を決定することを、前記変数設定デバイスに指示するために使用され、前記第3の時点は前記第4の時点より早い、変数設定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の変数設定方法において、前記ネットワークは、前記インシデント予測通知を出力する連続時間構造方程式モデリングに従って、前記第4の時点において少なくとも1つのQoS要件を充足できないことを予測するように構成されている、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の変数設定方法において、
少なくとも1つの時間因果変数は、最低フロー・ビット・レート、最高フロー・ビット・レート、パケット損失レート、セッション・アグリゲート・ビット・レート、ユーザー装置アグリゲート・ビット・レート、パケット遅延時間、パケット・エラー・レート、又はデータ・バースト量を含み;及び
前記少なくとも1つの変数は、保証フロー・ビット・レート、最大フロー・ビット・レート、最大フロー・ビット・レート、最大パケット損失レート、セッション・アグリゲート最大ビット・レート、ユーザー装置アグリゲート最大ビット・レート、パケット遅延バジェット、最大パケット・エラー・レート、又は最大データ・バースト量を含む、変数設定方法。
【請求項4】
請求項1に記載の変数設定方法において、前記ネットワークは、前記第4の時点より早い第5の時点において前記少なくとも1つの変数に従って少なくとも1つのQoSパラメータ又は少なくとも1つのQoS特徴を修正するように構成されており、前記少なくとも1つの変数は前記第5の時点における損失関数の最小値にマッピングされる、変数設定方法。
【請求項5】
プログラム・コードを記憶するように構成された記憶回路と、前記記憶回路に結合された処理回路とを含む変数設定デバイスであって、前記プログラム・コードは:
第1の時点においてネットワークからインシデント予測通知を受信すること;
前記インシデント予測通知に応答して、第2の時点において少なくとも1つの変数を決定すること;及び
第3の時点において前記少なくとも1つの変数を出力すること;
を含み、前記インシデント予測通知は、第4の時点におけるサービス品質(QoS)違反予測に応答して前記少なくとも1つの変数を決定することを、前記変数設定デバイスに指示するために使用され、前記第3の時点は前記第4の時点より早く;
前記処理回路は、前記記憶回路に記憶された前記プログラム・コードを実行するように構成されている、変数設定デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野
本件発明は、変数設定方法及びその変数設定デバイスに関連し、より詳細には、効率及びユーザー体験を向上させることが可能な変数設定方法及び変数設定デバイスに関連する。
【背景技術】
【0002】
2.先行技術の説明
3GPP(登録商標)の現在の仕様によれば、サービス品質要件を達成できないことをRAGが見出した後に、RANは、PDUセッション修正の通知を、(AMF及びSMFを介して)PCFに発行し、また、PCFに、PDUセッションを修正するポリシーを決定させる。これは遅すぎるものであり、途絶でもすれば否定的なユーザー体験につながる。
【発明の概要】
【0003】
従って、本件発明の目的は、効率及びユーザー体験を改善するために、変数設定方法及びその変数設定デバイスを提供することである。
【0004】
本件発明の実施形態は、変数設定デバイスのための変数設定方法を開示しており、本方法は、第1の時点においてネットワークからインシデント予測通知を受信するステップ;インシデント予測通知に応答して、第2の時点において少なくとも1つの変数を決定するステップ;及び第3の時点における少なくとも1つの変数を出力するステップを含み、インシデント予測通知は、第4の時点におけるサービス品質の違反予測に応答して少なくとも1つの変数を決定することを、変数設定デバイスに指示するために使用され、第3の時点は第4の時点より早い。
【0005】
本件発明の実施形態は変数設定デバイスを開示し、本デバイスは、プログラム・コードを記憶するように構成された記憶回路と、記憶回路に結合された処理回路とを含み、プログラム・コードは:第1の時点においてネットワークからインシデント予測通知を受信すること;インシデント予測通知に応答して、第2の時点において少なくとも1つの変数を決定すること;及び第3の時点における少なくとも1つの変数を出力することを含み、インシデント予測通知は、第4の時点におけるサービス品質の違反予測に応答して少なくとも1つの変数を決定することを、変数設定デバイスに指示するために使用され、第3の時点は前記第4の時点より早く;及び、処理回路は、記憶回路に記憶されたプログラム・コードを実行するように構成されている。
【0006】
本件発明の実施形態は、ネットワークが、第4の時点における少なくとも1つの時間的因果変数を、第4の時点における少なくとも1つの変数と比較して、QoS違反予測を実行するように構成され、少なくとも1つの時間的因果変数は、次式を満たすベクトルηh(t)を構成する、ということを開示する:
【0007】
【数1】
【0008】
ここで、Aは定性行列(qualitative matrix)を表し、t0は初期時点を表し、Iは恒等行列を表し、ξhはランダム・ベクトルを表し、Bは変換行列を表し、zhは時間非依存予測子ベクトル(time-independent predictor vector)を表し、Mは係数行列を表し、xh,uは時間依存予測子ベクトル(time-dependent predictor vector)を表し、uはパルス時点を表し、Wh(s)はランダム・ウォーク・ベクトルを表し、Gは下三角行列(lower triangular matrix)を表す。
【0009】
本件発明の実施形態は、第2の時点において少なくとも1つの変数を決定するステップは、因果グラフを生成するために、グラウンディング・データ(grounding data)の複数のサブデータを、複数の観測関数及び因果構造に割り当てる複数の事後確率を最大化するステップを含む、ということを開示しており、ここで、複数の事後確率のうちの1つは、
【0010】
【数2】
に比例するものであり、
【0011】
ここで、st-1は時点t-1における複数の因果変数の複数の状態を表し、Tは第4の時点よりも早い第5の時点を表し、Cは因果構造を表し、fiは複数の観測関数のうちの1つであって複数の因果変数のうちのi番目の因果変数に対応するものを表し、wi,tは時点tにおける複数のサブデータのうちの1つであってi番目の因果変数に対応するものを表す。
【0012】
本件発明の実施形態は、損失関数と複数の因果変数との間の因果グラフの因果構造を開示し、因果グラフの複数の因果変数は一緒に決定され、少なくとも1つの変数を含む複数の因果変数は、複数の独立変数から選択される。
【0013】
本件発明の実施形態は、第5の時点における損失関数が、第5の時点における複数の因果変数、第5の時点よりも早い少なくとも1つの時点(例えば、第6の時点)における複数の因果変数、又は少なくとも1つの時点(例えば、第6の時点)における損失関数、の関数である、ということを開示している。
本件発明のこれら及びその他の目的は、様々な図及び図面に示される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を理解した後に当業者には疑いなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本件発明の実施形態による変数設定デバイスの概略図である。
図2図2は、本件発明の実施形態による変数設定方法の概略図である。
図3図3は、本件発明の実施形態による変数設定方法のシーケンス図である。
図4図4は、本件発明の実施形態による、ある特定の時点におけるポリシー時間因果変数によって形成/構成されるベクトルと損失関数との間の関係の概略図である。
図5図5は、本件発明の実施形態による1次元問題に対するBOの概略図である。
図6図6は、本件発明の実施形態による因果グラフの一部の概略図である。
図7図7は、本件発明の実施形態によるグラウンディング・データと一部の因果グラフの概略図である。
図8図8は、本件発明の実施形態による因果変数とサブデータの概略図である。
図9図9は、BO,CBO,及びDCBOの概略図である。
図10図10は、本件発明の実施形態による通信システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本件発明の実施形態による変数設定デバイス10の概略図である。変数設定デバイス10は、ネットワーク要素(例えば、ポリシー要求機能(Policy Charging Function,PCF))であってもよいが、これに限定されない。変数設定デバイス10は、処理回路100と記憶回路110を含むことが可能である。記憶回路110は、プログラム・コード114を記憶するように構成され、処理ユニット100は、記憶回路110を用いてプログラム・コード114を読み込んで実行することが可能である。
【0016】
図2は、本件発明の実施形態による変数設定方法20の概略図である。変数設定方法20は、変数設定デバイス10のためのプログラム・コード114にコンパイルされることが可能であり、以下のステップを含む可能性がある:
【0017】
ステップS200:開始
【0018】
ステップS202:第1の時点においてネットワーク(例えば、無線アクセス・ネットワーク(radio access network,RAN))からインシデント予測通知(incident prediction notification)(例えば、サービス品質(quality of service,QoS)違反予測のための障害予測通知)を受信する。
【0019】
ステップS204:インシデント予測通知に応答して、第1の時点より後の第2の時点における少なくとも1つの変数を決定する。
【0020】
ステップS206:第2の時点より後の第3の時点において、決定された少なくとも1つの変数(例えば、ポリシー時間因果変数)を出力する。インシデント予測通知は、第3の時点より後の第4の時点に生じるQoS違反予測に応答するように、少なくとも1つの変数を判定/決定することを(変数設定デバイス10に)指示するように構成される。
【0021】
ステップS208:終了
【0022】
言い換えれば、QoS要件を充足できないことをネットワークが発見するまで(及びPDUセッション修正の通知を送信するまで)待つ代わりに、ネットワークは、ステップS202において、先ず予測し(例えば、QoS違反予測を行い)、インシデント予測通知(PDUセッション修正の通知とは異なるもの)を、変数設定デバイス10に発行して、変数設定デバイス10に、プロトコル・データ・ユニット(PDU)セッションの修正を行うようことを指示することが可能である。ステップS204において、変数設定デバイス10は、PDUセッションのためのポリシー(即ち、少なくとも1つの変数又はポリシー時間因果変数)をどのように設定/構成するかを決定することが可能である。ステップS206において、変数設定デバイス10は、(判定/決定された)ポリシーを送信し、その結果、ネットワークは、関連するPDUセッションのQoSフローのQoSパラメータ又はQoS特徴を修正して、QoS違反予測においてネットワークによって予測されたQoS違反を回避することができる。例えば、ビデオ・コールがQoSパラメータ又はQoS特徴のQoS要件を充足することに失敗した場合、直接的な低速化(例えば、ビデオ又はオーディオの帯域幅を低減すること)は、ユーザー体験に影響を及ぼす可能性がある。従って、本件発明では、ネットワークは、ビデオ・コールのQoS要件を充足することに対する失敗が実際に発生する前に、QoS違反予測においてビデオ・コールがQoS要件を充足できるかどうか/何時できなくなるかを予測することができ、それに応じて、変数設定デバイス10は、PDUセッションを修正するためのポリシーを事前に定めておく/事前に決定しておくことができ、それにより、ビデオ・コールがQoSパラメータ又はQoS特徴のQoS要件を充足できない事象の発生を回避する。
【0023】
図3は、本件発明の実施形態による変数設定方法30のシーケンス図である。変数設定方法30は、以下のステップを含むことが可能である:
【0024】
ステップS301:無線アクセス・ネットワーク3RANは、時点t0において、QoS違反予測を実行し、また、時点t5(例えば、第4の時点)においてQoS違反(例えば、QoS要件を満たすことができないビデオ・コール)が発生する可能性があることを予測することができる。
【0025】
一実施形態において、RAN 3RANは、時間因果変数の予測分析を実行するために、モデル(例えば、リカレント・ニューラル・ネットワーク(RNN)、長期短期記憶(LSTM)、トランスフォーマー(Transformer)、RNN類似モデル、又はその他の同様な離散時間モデル)をステップS301において利用することができる。しかしながら、この種のモデルは、時間量とは異なり、特定の時間ステップ(例えば、時間ステップt,t+Δt,t+2×Δt)のみを扱うことが可能な離散時間モデルである:例えば、離散時間モデルは、特定の時点を取り扱うことはできない:
【0026】
(e.g.,時点t, limrt→0 t+rt, or limrt→0 t+2×rt)
【0027】
離散時間モデルは、将来的に起こる可能性が最も高いものを予測するものであり、いつ起こるかを予測するものではなく----それが起こることになる時を正確に予測することはできない(これは、QoS要件が達成できない場合に、PDUセッションの修正を困難にする)。また、離散時間モデルの時間スケール(例えば、時間ステップの長さΔt)は、モデル化されるダイナミック・ランダム・プロセスの時間スケールに一致すべきであることを考慮すると、離散時間モデルのために適切な時間スケールを選択することは困難である。
【0028】
別の実施形態では、RAN 3RANは、ステップS301において連続時間構造方程式モデリング(continuous time structural equation modeling,CTSEM)を利用して、時間因果変数の予防分析を実行し、QoS要件を充足できなくなる(正確な)時点(例えば、t5)を予測することができ、これは離散時間モデルで使用される時間ステップとは対照的である。(このように、本件発明は、時点を予測し、事前にPDUセッションを修正してQoS要件を達成することができる。CTSEMは、(ランダム/確率的)微分方程式を含む可能性があるので、連続時間演算に属し、時間的因果関係を捕捉/抽出して、PDUセッション修正のより良い洞察及び決定のための正確な予測を行う。
【0029】
CTSEMにおいては、時間因果変数はベクトルηh(t)を構成し、このベクトルは時間の関数であって、次式を充足することが可能である:
【0030】
【数3】
【0031】
行列Aは、対角に関するオート・エフェクト(auto effects)及び非対角に関するクロス・エフェクト(cross effects)を使用して、ベクトルηh(t)の時間的関係を定性的に特徴付ける/捕捉することが可能である。行列Iは、恒等行列である。ランダム・ベクトルξhは、ベクトルηh(t)の長期傾向/レベルを決定することが可能であり、分布ξh~N(κ,φξ)に従う/満足することが可能であり、ここで、ベクトルκは、連続時間インターセプト(continuous time intercept)を表し、行列φξは共分散(covariance)(例えば、QoSフローに対する共分散)を表すことが可能である。行列Bは、ベクトルηh(t)に関する(固定された)時間非依存予測子ベクトルzhの効果を表すことが可能であり、行列Bの行数は、行列Bの列数と相違していてもよい。時間非依存予測子ベクトルzhは、通常、異なるQoSフローの間で相違する変数である可能性があるが、問題の時間範囲について、異なるQoSフロー内で一定であってもよい。時間依存予測子ベクトルxh,uは、時点uにおいて観測されることが可能であり、時点uにおいてのみ、ベクトルηh(t)に影響を及ぼすように取り扱われることが可能であり、各々がxh,uδ(t-u)によって形成/記述される、ベクトルηh(t)に対するインパルスの影響は、行列Mによって表現されることが可能である。ベクトルWh(s)は、連続時間における独立したランダム・ウォーク(例えば、ウィーナー・プロセス(Wiener processes))であってもよく、dWh(s)は確率的誤差項であるとすることが可能である。下三角行列Gは、ベクトルηh(t)における変化の影響を表すことが可能である。Q=GGTを満たす行列Qは、連続時間における拡散過程の分散-共分散行列を表すことが可能である。行列A,B,M,G,ベクトルξh,zh,xh,u,Wh(s),時点u、又は初期時点t0は、RAN 3RANによって受信、送信、又は記憶されたデータに、式1又は式2を当てはめることによって、取得/決定/演算することが可能である。一実施形態ではベクトルηh(t)のtは、代入法を用いる際の時点t5であってもよい。
【0032】
CTSEMは、時系列及びパネル・データの両方について、連続時間多変数自己回帰モデル(ランダム・インターセプトを有する)の完全情報最尤推定のために、アクセス可能なワーク・フローを提供することに焦点を当てている。一実施形態では、モデル化されるダイナミック・ランダム・プロセスは、複数のプロセス(即ち、パネル・データ及び複数のデバイス)とは対照的に、1つのプロセス(即ち、時系列及び単一のデバイス)である;これに対応して、ベクトルηh(t)のhは1に等しくてもよく、唯1つのベクトルη1(t)が存在する。別の実施形態では、1ないしnの範囲内にあるhを有するベクトルηh(t)は、異なるQoSフローに対応することが可能であり、従って、n個のQoSフローはそれぞれベクトルη1(t)ないしηn(t)に対応することが可能であり、ここで、h及びnは正の整数である。
【0033】
実施形態では、時間因果変数は、例えば、
保証ビット・レート(guaranteed bit rate,GBR)QoSフローの場合におけるアップリンク(UL)及び/又はダウンリンク(DL)のための最低フロー・ビット・レート(lowest flow bit rate,LFBR),
GBR QoSフローの場合におけるUL及び/又はDLのための最高フロー・ビット・レート(highest flow bit rate,HFBR),
GBR QoSフローの場合におけるUL及び/又はDLのためのパケット損失レート(packet loss rate,PLR)、
非保証ビット・レート(non-GBR)QoSフローの場合における(PDUセッション・レベルにおける)セッション・アグリゲート・ビット・レート(session-aggregate bit rate,Session-ABR)、
非GBR QoSフローの場合におけるユーザー装置アグリゲート・ビット・レート(user equipment-aggregate bit rate,UE-ABR)、
パケット遅延時間(packet delay time,PDT)、
パケット・エラー・レート(packet error rate,PER)、又は
(遅延クリティカルGBRリソース・タイプだけに関する)データ・バースト量 であってもよい。
PDUセッションのh番目のQoSフローについて、ベクトルηh(t)は、LFBR,HFBR,PLR,Session-ABR,UE-ABR,PDT,又はPERにより構成される多次元ベクトルであってもよく、時間因果変数のベクトルηh(t)(QoS違反を監視するためのもの)は、(LFBRh,HFBRh,PLRh,Session-ABR,UE-ABR,PDTh,PERh)として表現されてもよい。
【0034】
一実施形態では、ステップS301において、RAN 3RANは、QoS違反を監視するか、又はQoS違反予測を実行するために、ある特定の時点(例えば、t5)における時間因果変数と、その/それらの対応する事前に設定された/所定の閾値(例えば、ポリシー時間因果変数)との間の関係(例えば、時間因果変数が、その対応するポリシー時間因果変数よりも大きいか又は小さいか)を比較することができる。例えば、
時点t5におけるLFBRが保証フロー・ビット・レート(GFBR)よりも小さい場合、
時点t5におけるHFBRが最大フロー・ビット・レート(MFBR)よりも大きい場合、
時点t5におけるPLRが最大パケット損失率(Maximum-PLR)よりも大きい場合、
時点t5におけるUE-ABRがUEアグリゲート最大ビット・レート(UE-AMBR)よりも大きい場合、
時点t5におけるPDTがパケット遅延バジェット(PDB)よりも大きい場合、又は
時点t5におけるPERが最大パケット・エラー・レート(Maximum-PER)よりも大きい場合、RAN 3RANは、QoS違反予測において、QoS違反が時点t5において発生すると判定してもよい。即ち、時間経過とともに、式1又は式2で与えられる時間因果変数のベクトルηh(t)が、“LFBR<GFBR”,“HFBR>MFBR”,“PLR>Maximum-PLR”,“Session-ABR>Session-AMBR”,“UE-ABR>UE-AMBR”,“PDT>PDB”,及び“PER>Maximum-PER”が真(true)であることのうちの1つ以上の条件を有する場合、QoS違反予測においてQoS違反が監視/検出される。
【0035】
一実施形態では、RAN 3RANのセントラル・ユニット(CU)(例えば、図10に示されるようなもの)又はCUのリソース管理ユニットは、CTSEM予測又はQoS違反予測を実行し、QoS違反の可能性を予測し、QoS違反が発生する可能性があるかどうかを予測し、又は、QoS違反が発声する可能性のある時点をステップS301において決定することができる。
【0036】
ステップS302a:RAN 3RANは、アクセス及びモビリティ管理機能(AMF)3AMFを介して、PDUセッション修正に関する通知(例えば、インシデント予測通知)を、セッション管理機能3SMF(SMF)へ送信することができる。
【0037】
ステップS302b:SMF 3SMFは、時点t1(例えば、第1の時点)において、(RAN 3RANから通知を受信した後に)(インシデント予測通知を使用して)PDUセッションを修正するためのポリシー(例えば、少なくとも1つの変数、ポリシー時間因果変数、QoSプロファイル、代替プロファイル、又はSession-AMBR)を決定するように、PCF 3PCFに通知することができる。
【0038】
言い換えれば、RAN 3RANがQoS要件を達成できないことを発見するまで待つ代わりに、RAN 3RANは、PDUセッション修正に関するインシデント予測通知をPCF 3PCFに対して発行し、PCF 3PCFに、PDUセッションを修正するポリシーを決定させ、PDUセッション修正のより良い洞察及び決定のための新たな予防的分析ツールが提案される。具体的には、RAN 3RANは、ステップS302a及びS302b(ステップS202に対応するもの)においてインシデント予測通知を送信して、PDUセッションを修正するポリシーを判定/決定することを、(AMF 3AMF又はSMF 3SMFを介して)PCF 3PCFに知らせる/伝える/命令することができ、ポリシーは、少なくとも、(来たる)時点t5におけるQoS違反予測の(来たる)QoS違反の予測のためのものである。即ち、RAN 3RANは、少なくとも時点t5におけるQoS要件の充足を保証するために、(予測された)時点t5の前に、PDUセッションを修正するためのポリシー/戦略が再決定/再評価されるべきであることを示すことができる。
【0039】
実施形態では、ポリシー(例えば、少なくとも1つの変数、又は少なくとも1つの変数の少なくとも1つのポリシー時間因果変数)は、例えば、QoSプロファイル、代替プロファイル、又はSession-AMBRを含む可能性がある。QoSプロファイルは、
第5世代モバイル・ネットワーク(5G)QoS識別子(5QI)、
割り当て及び保持優先度(allocation and retention priority,ARP)、
GBR QoSフローの場合におけるUL及び/又はDLのためのGFBR、
GBR QoSフローの場合におけるUL及び/又はDLのためのMFBR、
GBR QoSフローの場合におけるUL及び/又はDLのための最大PLR、
GBR QoSフローの場合における遅延クリティカル・リソースタイプ、
GBR QoSフローの場合における通知制御、
Non-GBR QoSフローの場合におけるリフレクティブQoS属性(reflective QoS attribute,RQA)、
Non-GBR QoSフローの場合におけるSession-AMBR(PDUセッション・レベルにおけるもの)、
Non-GBR QoSフローの場合におけるUE-AMBR(UEレベルにおけるもの)、又はその他のQoSパラメータを含む可能性がある。QoSパラメータの中で5QIから導出されるQoS特性は、リソース・タイプ(GBR,遅延クリティカルGBR又はnon-GBR)、優先度レベル、PDB、Maximum-PER、平均化ウィンドウ(GBR及び遅延クリティカルGBRリソース・タイプのみの場合)、又は最大データ・バースト量(遅延クリティカルGBRリソース・タイプのみの場合)を含む可能性がある。PDUセッションは、第1のQoSフローないし第nのQoSフローを含む可能性があり、従って、ポリシーは、(TCV1,TCV2,...,TCVn)として表現することができる。PDUセッションのh番目のQoSフローに関し、ベクトルTCVnは、m個のポリシー時間因果変数(例えば、Session-AMBR)を含むことが可能であり、ここで、mは正の整数である。h番目のQoSフローのポリシー時間因果変数は、ベクトルTCVnを構成し、それは、(QPh),(QPh,Session-AMBR),又は(GFBRh,MFBRh,Maximum-PLRh,UE-AMBR,PDBh,Maximum-PERh,Session-AMBR)として表現することが可能であり、ここで、QPhはh番目のQoSフローのQoSプロファイルを表現することが可能である。
【0040】
ステップS303:PCF 3PCFは、時点t2(例えば、第2の時点)において、(インシデント予測通知に応答して)ポリシーを決定することが可能である。一実施形態では、PCF 3PCFは、それが受信する入力を考慮し、アルゴリズムを利用してポリシーを決定することができる。
【0041】
例えば、一実施形態では、PCF 3PCFは、ネットワーク・データ解析機能(network data analytics function,NWDAF)(例えば、様々なネットワーク・データ解析)からの入力、統合データ・リポジトリ(unified data repository,UDR)機能の入力(例えば、加入に関する情報(例えば、使用制限)、Nudr_DM_Notify、又はアプリケーション固有情報)、アプリケーション機能の入力(例えば、Application/Service Info)、アプリケーション・サーバーの入力、又は、ビデオ・ストリーミング・サーバーの入力、をステップS303の前又は間に受信して、その入力に従ってポリシーを決定することができる。一実施形態では、使用制限は、例えば、無制限であってもよいし、或いは特定のデータ制限(例えば、1GBの制限)を有していてもよい。
【0042】
一実施形態では、ステップS303においてPCF 3PCFによって使用されるアルゴリズムは、例えば、ベイズ最適化(Bayesian optimization,BO)、因果ベイズ最適化(causal Bayesian optimization,CBO)、又は動的因果ベイズ最適化(dynamic causal Bayesian optimization,DCBO)であってもよい。(時点t2において)PCF 3PCFは、任意の所与の時点(例えば、t4)における損失関数の最小値を達成するように、ステップS303において、BO,CBO,又はDCBOを利用することによって(又は、BO,CBO,又はDCBOを、少なくとも1つのデータ(例えば、PCF 3PCFによって送信、受信、又は記憶された信号から抽出されたデータ)に適用することによって)、ポリシー(例えば、独立変数として働く少なくとも1つのポリシー時間因果変数)の最適な値/結果を決定/計算/選択することができる。即ち、PCF 3PCFは、ステップS303(ステップS204に対応する)において、1つの特定の時点(例えば、t4)対する最適なポリシー時間因果変数(例えば、ベクトルTCVh)を決定することができる。損失関数L()(目的関数として機能することが可能である)は、ある特定の時点(例えば、t4)における時間因果変数とポリシー時間因果変数との間の差に関連付けられることが可能である;例えば、損失関数L()は、次式を満たすことが可能である:
【0043】
【数4】
【0044】
BOを例として使用する。BOは、関数の極値問題を解くためのブラック・ボックス最適化アルゴリズムであり、関数の表現は未知である。例えば、
L(TCV1,・・・,TCVn) = uef(TCV1,・・・,TCVn)
であり、ここで、L()はモデルの損失関数を表し、uef()は、その表現が未知である関数を表す。例えば、図4は、本件発明の一実施形態による、ある特定の時点(例えば、t4)におけるポリシー時間因果変数によって形成/構成されるベクトルTCV1-TCVnと損失関数L()との間の関係の概略図である。しかしながら、図4は、損失関数L()とベクトルTCV1-TCVnとの間に関係があることを示すための例示に過ぎず、ポリシー時間因果変数によって形成/構成される、損失関数L()とベクトルTCV1-TCVnとの間の関係関数(relationship function)uef()の表現式は、ほとんどの場合未知である。図4の水平軸上の1つの単独の点の座標は、多次元空間内の点に対応する可能性があり、その多次元空間はベクトルTCV1-TCVnのポリシー時間因果変数によって形成/構成される。
【0045】
関係関数uef()の表現式は未知であるので、BOは、部分/有限サンプリング点及び以前のサンプリング点のレバレッジ情報(leverage information)を使用して、極値点を見出すように次のサンプリング点を決定することにより、関係関数uef()を大まかにフィッティングすることができる。例えば、図5は、本件発明の実施形態による1次元問題に対するBOの概略図であり、ここで、太い実線は損失関数L()の推定された関数値を示し、黒塗りの点P1ないしP5それぞれは発見されたサンプリング点を表し、2つの点線で囲まれるエリアは、各地点における損失関数L()の揺らぐ範囲(平均値を中心とし、標準偏差に比例する)を表し、細い実線は取得関数(acquisition function)を表す。BOの概念は、先ず、初期候補解の集合(例えば、ベクトルTCV1-TCVnのポリシー時間因果変数、及び、黒塗りの点P1に対応する損失関数L())を生成し、次いで、初期候補解の集合に基づいて(例えば、発見されたサンプリング点の関数(例えば、黒塗りの点P1に対応する損失関数)の関数値に基づいて、真の損失関数の平均値及び分散を推定することによって)、極値を有し得る次のサンプリング点(例えば、黒塗りの点P2)を決定/探索し、反復が終了するまで、極値を有し得る次のサンプリング点(例えば、黒塗りの点P3-P5)を反復的に探索し、全ての探索されたサンプリング点(例えば、黒塗りの点P1-P5)を候補解の集合に追加することである。最終的に、損失関数L()の極値として機能するように、(開始以来発見された)候補解の集合のサンプリング点から、(グローバルな)極値が発見/選択され、次いで、(例えば、最適ポリシー時間因果変数Session-AMBR又はQP1-QPnに応じた最小損失関数のような)損失関数L()を最小にする最適ポリシー時間因果変数Session-AMBR又はQP1-QPn(例えば、ベクトルTCVhのポリシー時間因果変数GFBRh、MFBRh、Maximum-PLRh、PDBh、又はMaximum-PERhを含むもの)が、問題の解(例えば、ベクトルTCV1-TCVnのポリシー時間因果変数及び黒塗りの点P5に対応する損失関数L())として返され、それによって、ステップS303において、特定の時点(例えば、t4)に対するポリシーを発見/決定する。
【0046】
ガウス過程回帰の結果に従って、(損失関数のそれぞれの点が調査に価する程度を測るために使用される)取得関数は、損失関数の次のサンプリング点を決定するために、取得関数の(相対的な)極値を発見するように構築されてもよい。図5の細い実線によって表現される取得関数は、平均値及び分散に従って構築されてもよく;即ち、取得関数は、平均値及び分散の関数であるとすることが可能である。ある点(例えば、黒塗りの点P1-P5のうちの1つ)が、損失関数の極値点である可能性の見積もりは、その点が探索する価値がある度合いを反映している。取得関数の相対的な極値点は、損失関数の次のサンプリング点に対応する可能性がある:例えば、図5の四角形のボックスによって表される点P*5は、取得関数の最大点であり、(対応するベクトルTCV1-TCVnに従って)損失関数の次のサンプリング点(即ち、黒塗りの点P5)に対応する可能性がある。取得関数は、例えば、知識勾配(knowledge gradient,KG)、エントロピー探索(entropy search,ES)、又は予測エントロピー探索(predictive entropy search,PES)であってもよい。
【0047】
本件発明のアルゴリズムは、ガウス過程回帰を使用して、任意の点における損失関数L()の関数値の確率分布を、サンプリング点のセットにおける損失関数L()の関数値に基づいて予測することができる。ガウス過程回帰は、既知の分散の独立した正規分布ノイズを有する観測(observations)に拡張することができる。分散は未知である可能性があるので、ノイズは共通の分散によるものであること、及び、ノイズはハイパーパラメータとして分散を含むことを仮定することが可能である。本件発明は、信号対干渉雑音比(SINR)の雑音ではなく、ドリフト値である雑音を含むガウス過程の事後平均(posterior mean)を使用する。一実施形態では、温度及び湿気又は測定誤差(例えば、LFBRの測定誤差)のような環境要因は、あるポリシー時間因果変数に関して損失関数のドリフト値を引き起こす可能性がある。言い換えれば、選択されたサンプリング点(例えば、黒塗りの点P5)は、関数関係uef()の所望の/期待される極値を選択/対応しない可能性があり、関数関係uef()の所望の/期待される極値(即ち、ノイズによって乱された関数関係uef()の極値)に近い相対的に最適化された極値を選択/対応している可能性がある。
【0048】
一実施形態では、(ポリシー時間因果変数QP1-QPn,Session-AMBR,及び独立変数01-Oqに加えて)本件発明のアルゴリズムによって考慮される多くの独立変数があり得る。空間次元が大きくなると、BOのパフォーマンスは指数関数的に劣化する可能性がある。従って、ステップS303において、本件発明のアルゴリズムはCBOに拡張することが可能である。換言すれば、本件発明は、損失関数L()がベクトルTCV1-TCVn及び/又はその他の独立変数に関連する場合に、損失関数L()、ベクトルTCV1-TCVn及び/又はその他の独立変数の間の因果関係を見出すことが可能である。CBOは、損失関数L()に直接的に関連する因果変数に対してのみ最適化を実行することができる。
【0049】
例えば、図6は、本件発明の実施形態による因果グラフCG1の一部の概略図である。図6において、(a)及び(b)はそれぞれ因果グラフCG1の2つの可能性を示している。因果変数として機能するベクトルTCV1-TCVnのポリシー時間因果変数、独立変数O1-Oq(オプションであり、省略されてもよい)、損失関数L()は、因果モデルにより使用される因果グラフCG1を構成し、ここで、qは正の整数である。図6に示すように、因果グラフCG1は、因果変数の間の因果関係を示す。因果グラフCG1のベクトルTCV1-TCVnの独立変数01-0q及びポリシー時間因果変数は、損失関数L()を直接的に指し示すか又は影響を及ぼしているので、CBOによって見出される因果固有次元は、n×m+q(又はn×m)であってもよく、最適化のために選択/検索され且つCBOの損失関数L()に供給されるn×m+q個の独立変数(又はn×m個の独立変数)が存在する。従って、損失関数L()を最小化することが可能なn×m+q個の因果変数(又はn×m個の因果変数)の値/結果が計算/発見される。言い換えれば、因果グラフCG1は、最適な意思決定戦略について推論する能力を大幅に改善し、それによって最適化コストを低減し、準最適解を回避することができる。更に、CBOの因果固有次元は、損失関数L()の原因/親である独立変数01-Oq及びベクトルTCV1-TCVnのポリシー時間因果変数の数(例えば、n×m又はn×m+q)によって与えられ、これは、独立変数01-Oq及びベクトルTCV1-TCVnの原因である因果変数(図示せず)の数ではなく、それによって、最適な意思決定戦略について推論する能力を改善する。
【0050】
一実施形態では、最適化のための因果モデルは、最大事後確率(maximum a posterior,MAP)及び点推定に基づいて選択され、損失関数の因果グラフ、ベクトルTCV1-TCVnのポリシー時間因果変数、及び/又はその他の独立変数を取得/導出することが可能である。従って、因果モデルの因果グラフの因果変数(例えば、cv(i-1),cvi,cv(j-1),cvj)(例えば、どの因果変数が選択されるか、因果変数の数、因果変数がどの属性を有するか、又は因果変数の属性の数)と、因果グラフの因果構造(例えば、C)(例えば、因果変数又はそれらの属性が互いにどのように結びつくか)とが、一緒に(同時に、一度に、又は1回で)取得/決定/発見されるので(即ち、因果変数が因果構造を用いて/一緒に学習されるので)、因果変数及び因果構造は、互いに相互作用/影響/制約する可能性がある。因果変数及び因果構造を同時/並列的に決定することは、先ず因果変数を決定し、次いで因果構造を決定することによって引き起こされる問題を回避することができる(例えば、因果モデルは、図7の(a)と(b)とを区別することが可能であり、その逆も同様であり、それによって、区別不可能性(indistinguishability)の問題を回避することができる)。
【0051】
例えば、図7は、本件発明の実施形態によるグラウンディング・データgD及び因果グラフCG2の一部の概略図である。図7において、(a)及び(b)はそれぞれグラウンディング・データgD及び因果グラフCG2の2つの可能性を示す。因果グラフCG2は因果グラフCG1として機能してもよい。図7において、因果グラフCG2の因果構造は、因果変数(例えば、cv(i-1),cvi,cv(j-1),cvj)の間の関係を提示することが可能である。観測関数f(i-1),fi,f(j-1),fjを用いて、グラウンディング・データgDのサブデータw(i-1),wi,w(j-1),wjを、因果変数cv(i-1),cvi,cv(j-1),cvjにマッピングして、因果変数cv(i-1),cvi,cv(j-1),cvjとグラウンディング・データgDのサブデータw(i-1),wi,w(j-1),wjとの間の関係を示すようにすることができる。ここで、i,jは正の整数である。ここでのマッピングは、(全体の)グラウンディング・データgDの代わりに、対応するサブデータ(例えば、w(i-1),wi,w(j-1),wj)(例えば、図7の枠で囲まれたエリア)に基づいている。例えば、因果変数cv(i-1)がベクトルTCV1のポリシー時間因果変数に対応する場合、サブデータw(i-1)は、因果変数cv(i-1)(の属性)に関連付けられる(例えば、サブデータw(i-1)は、ベクトルTCV1のポリシー時間因果変数に関する全てのデータに関連付けられる)。言い換えれば、ベイジアン・ネットワークを用いるベイジアン確率メカニズムは、因果変数の数(即ち、因果グラフCG2を作成するために、ベクトルTCV1-TCVnのどのポリシー時間因果変数、又は独立変数01-0qのうちのどれが選択/探索されるか)、因果変数の状態(例えば、因果変数cv(i-1)、cvi、cv(j-1)、及びcvjを含む)、因果変数の因果構造、又は、因果変数のための観測関数(例えば、観測関数f(i-1)、fi、f(j-1)、及びfjを含む)を組み合わせて、グラウンディング・データgDを説明/解釈するための関連する同時推論(joint inferences)を引き出し、それによって因果グラフCG2を作成することができる。
【0052】
一実施形態において、グラウンディング・データgDのサブデータwiを、観測関数fi及び因果グラフCGの因果構造Cに割り当てる事後確率P(fi,C|wi)は、グラウンディング・データgDのサブデータwiに基づいて(即ち、ベクトルTCV1-TCVnのポリシー因果変数、損失関数L()、独立変数O1-Oqの、ポリシー時間因果変数を、グラウンディング・データgDから抽出することによって)、対応する因果構造C及び対応する因果変数cviを決定/導出/選択するように最大化されることが可能である。
【0053】
一実施形態では、事後確率P(fi,C|wi,Int)は、ベイズの定理に従って次式を満たすことが可能であり、
【0054】
【数5】
【0055】
ここで、fiは対応する観測関数を示し、Cは対応する因果構造を示し、wiはグラウンディング・データgDの一部(例えば、サブデータ)を示し、Intは介入(intervention)(省略されてもよい)を示す。一実施形態では、事後確率P(fi,C|wi)は、
【0056】
【数6】
【0057】
に比例することが可能であり、ここで、wi,tは時点tにおける因果変数cviに対応するサブデータを表し、Cは因果構造を表し、st-1は(全ての因果変数のうちの)時点t-1における状態を表し、Tは現在の/今の時点を表し、γは0又は0.5のような実数であってもよいが、これらに限定されない。一実施形態では、P(wi|fi,C)は、次式のように表現されてもよい:
【0058】
【数7】
【0059】
一実施形態では、P(wi,t|st-1,C,fi)は、次式のように表現されてもよい:
【0060】
【数8】
【0061】
ここで、si,tは、時点tにおける因果変数cviの状態(例えば、対応する値)を示し、stは、(全ての因果変数のうちの)時点tにおける状態を示し、Ncvは、全ての因果変数(例えば、因果変数cv(i-1),cvi,cv(j-1),cvjを含む)の総数を示し、Ncvは正の整数であり、Rstは、グラウンディング・データgD内の因果変数cviの状態siに適合するサブデータwiのデータ量である。一実施形態では、本件発明は、データ量Rstを最小化する因果変数cviを選択/発見することが可能であり、その結果、グラウンディング・データgD内の中で頻繁に使用されるデータ(例えば、サブデータwi)を、希にしか使用されないものよりも、細かく切り込むことができる。
【0062】
一実施形態では、グラウンディング・データgDは、全ての観測可能なサンプルの空間から取得又は導出されることが可能であり、従って、観測データと呼ばれてもよい。一実施形態では、グラウンディング・データgDは、任意の時間に任意の方法で、PCF 3PCFによって送信又は受信された信号(例えば、NWDAFからの入力)から抽出されたデータを含むか、又はそれに関連することが可能である。
【0063】
図7に示されるように、各々の因果変数(例えば、cvi)は、観測関数(例えば、fi)に対応することが可能である。一実施形態では、高次元の環境変数(例えば、グラウンディング・データgD)から、低次元の状態属性(例えば、因果変数cviの状態又はその属性)を予測するために、因果意味生成モデル(causal semantic generative(CSG)model)を使用して、観測関数(例えば、fi)を計算/導出することができる。因果変数(例えば、因果変数として機能する独立変数01-Oq,因果変数として機能するベクトルTCV1-TCVnのポリシー時間因果変数、又は、因果変数cv(i-1),cvi,cv(j-1),cvj)が手作業で定義される場合、各々の因果変数(例えば、cvi)は、因果変数を、対応するサブデータ(例えば、wi)に当てはめるための専用のCSG観測関数を有する可能性がある(例えば、図7の枠で囲まれたエリア)。(例えば、因果変数は、ドメイン・エキスパートによって(非自動的に及び個々に)手作業で定義され;あるいは、因果変数は、ドメイン・エキスパートによって手作業で記述されたルールを用いるプログラムを使用して自動的に定義される。)これは、ドメイン・エキスパートからの特定の因果変数の定義に基づいて、サブデータ(例えば、図7の枠で囲まれたエリアに対応するサブデータw(i-1),wi,w(j-1),wj)が決定されることを意味する。更に、CSGモデルは、変動要因(variation factor)を因果変数(例えば、cvi)の原因とみなすことを回避することができ、意味的要因(semantic factor)を因果変数(例えば、cvi)の原因であると正確に決定することができる。一実施形態では、変動要因及び意味的要因は、観測データを構成する/観測データに帰属する可能性がある。一実施形態では、CSGモデルは、主に、因果的不変原理(causal invariance principle)に基づいており、変分ベイズに関わる。
【0064】
一実施形態では、観測関数fiは、si,t=fi(wi,t)を満たすことが可能である。一実施形態では、観測関数fiは、多変量ガウス分布を使用して実装されてもよい:例えば、観測関数fiは次式を満足することが可能である:
【0065】
【数9】
【0066】
代替的に、観測関数fiは、次式に関連付けられてもよい:
【0067】
【数10】
【0068】
ここで、zは、グラウンディング・データgD内のサブデータ(因果変数cviに寄与しないもの)を示し、μwi,μνは、0ベクトルとして固定された平均を示し、Σは、例えばΣ=LLTを満足するためにコレスキー分解(Cholesky decomposition)によってパラメータ化されてもよい。行列Lは、正の対角要素を有する下三角行列であってもよく、例えば、次式を満足するようにパラメータ化されてもよい:
【0069】
【数11】
【0070】
行列Lwiwi,Lzzは、より小さな下三角行列であるとすることが可能である。行列Mzwiは如何なる任意の行列であってもよい。各々の行列Lwiwi,Lzzは、正の対角要素(指数マップを介して保証される)と下三角行列(正の対角要素なし)との合計によってパラメータ化されることが可能である。
一実施形態では、因果変数(例えば、cvi)とサブデータ(例えば、wi)との間の関係は未知であるかもしれないが、因果変数は、CSGモデルを使用してサブデータから予測/推論されることが可能である。例えば、図8は、本件発明の一実施形態による因果変数cvy及びサブデータwxの概略図であり、ここで、(a),(b),(c),(d)はそれぞれCSGモデルの構造可能性を示し、scは意味的要因を表し、vは変動要因を表し、実線矢印は因果メカニズムp(wx|sc,v)及びp(cvy|vsc)を表し、破線矢印は学習のための推論モデルq(sc,v|wx)を表す。図8の(a)において、意味的要因scと変動要因vとの間の実線の無向線は、ドメイン固有の事前確率p(sc,v)を表す。図8の(a)における意味的要因scと変動要因vとの間の実線の無向線と比較して、図8の(b)は、独立した事前確率 p(sc,v):=p(sc)p(v) を導入して介入を反映し、分散外汎化パフォーマンス(out-of-distribution generalization performance)を改善するようにしている。図8の(a)における意味的要因scと変動要因vとの間の実線の無向線と比較して、図8の(c)は、意味的要因scと変動要因vとの間の点線によって示される事前確率 p(sc,v) を導入して因果的不変原理による介入を反映し、教師なしデータを活用するようにしている。一実施形態では、本件発明は、尤度を最大化することによって、CSGモデルp:=<p(sc,v),p(wx|sc,v),p(cvy|sc)>を、サブデータに当てはめ、変分推論及び変分下限(evidence lower bound,ELBO)を使用して計算を実行し、モンテカルロを使用し、期待値を推定することをリパラメトリゼーション・トリック(reparameterization tricks)を適用した後に行う。
【0071】
ベクトルTCV1-TCVnのポリシー時間因果変数は、時間の関数であってもよく(即ち、異なる時点における値は異なる)、CBOは、出力される因果変数(例えば、損失関数L())と入力される因果変数(例えば、ベクトルTCV1-TCVnのポリシー時間因果変数、及び/又は独立変数O1-Oq)とを不変独立変数として扱い、出力される因果変数及び入力される因果変数の両方における時間発展の存在を無視し(即ち、出力される因果変数及び入力される因果変数が時間とともに変化するかどうかを無視し)、従って、因果変数の間に存在する時間依存構造を破る。時間を無視することは、問題を大幅に簡略化するかもしれないが、それは、全ての時点で最適な介入の特定を妨げ、(特に、非定常シナリオにおいて)任意の時点で現在の最適解を提供する代わりに、準最適解をもたらす可能性がある。従って、本件発明は、ステップS303におけるDCBOに拡張することができ、これは、因果変数の間の因果関係を提供/説明するものであり、因果関係は経時的に進展/変化することが可能であり、従って、因果グラフ内の全ての因果効果が経時的に変化するシナリオを促進する。
【0072】
例えば、図9は、BO,CBO,及びDCBOの概略図である。図9(a)又は(b)において、X1ないしX3は、3つの異なる時点TT1,TT2,TT3における因果変数(例えば、X)を表す。Y1ないしY3は、時点TT1,TT2,TT3における別の因果変数(例えば、Y)を表す。Z1ないしZ3は、時点TT1,TT2,TT3における他の因果変数(例えば、Z)を表す。しかしながら、本件発明はこれらに限定されず、より多くの時点又はより多くの因果変数に拡張することができる。DCBOは、因果変数の間の因果関係を説明するためにBOとCBOとを組み合わせており、因果関係は時間とともに発展することができる。例えば、DCBOでは、図9に示すように、時点TT1における因果変数Y1は、時点TT1における因果変数Z1の関数であり;従って、因果変数Y1の極値(時点TT1における損失関数L()を表わす又は対応する可能性があるもの)は、因果変数Y1に直接関係する因果変数Z1のみを用いて発見することが可能であり、因果固有次元数は1である。同様に、時点TT2における因果変数Y2は、時点TT2における因果変数Z2と時点TT1における因果変数Y1との関数であり;従って、因果変数Y2の極値(時点TT2における損失関数L()を表す又は対応する可能性があるもの)は、因果変数Y2に直接関係する因果変数Y1及びZ2のみを用いて発見することが可能であり、因果固有次元数は2である。同様に、時点TT3(例えば、t4)における因果変数Y3は、時点TT3における因果変数Z3と時点TT2における因果変数Y2との関数であり;従って、因果変数Y3の極値(時点TT3における損失関数L()を表す又は対応する可能性のあるもの)は、因果変数Y3に直接関係する因果変数Y2及びZ3のみを用いて発見することが可能であり、因果固有次元数は2である。換言すれば、ある時点において従属変数として機能する因果変数は、前の時点における因果変数(従属変数又は独立変数の何れかとして機能する)の関数であるので、前者(ある時点において従属変数として機能する因果変数)の極値は、前者(即ち、前の時点において従属変数又は独立変数として機能する因果変数)に直接関係する後者のみを用いて発見することができる。
【0073】
ステップS303において、アルゴリズム(例えば、DCBO)によって計算/発見されるQoSパラメータ又はQoS特徴(例えば、GFBR,MFBR,Maximum-PLR,PDB,又はMaximum-PER)のための最適な/最良の代替物が、ポリシー時間因果変数QPhに対して利用可能であるか、又は使用される可能性がある。ステップS303は、QoS要件が達成され得ないことをネットワークが発見するまで待つことを回避することができ;その代わりに、ネットワークがQoS要件を満たすことができないことを実際に発見する前に、是正措置がとられ、即ち、代替プロファイルのために使用されるQoSパラメータ又はQoS特徴(例えば、GFBR,PDB,又はMaximum-PER)が考慮/使用/必要とされない可能性がある。
【0074】
ステップS304a:PCF 3PCFは、時点t3(例えば、第3の時点)において、決定されたポリシー(例えば、時点t4に関して決定されたポリシー)を、(例えば、Npcf_SMPolicyControl_UpdateNotifyリクエストを送信することによって)SMF 3SMFへ送信することができる。ステップS304aはステップS206に対応していてもよい。
【0075】
ステップS304b:SMF 3SMFは、それに応じて、メッセージ(e.g.,Namf_Communication_N1N2MessageTransfer)をAMF 3AMFへ送信することができる。
【0076】
ステップS304c:AMF 3AMFは、それに応じて、メッセージ(例えば、N2メッセージ又はN2セッション・リクエスト)をRAN 3RANへ送信して、問題としているPDUセッション内のQoSフローのQoSパラメータ又はQoS特徴を修正することができる。
【0077】
ステップS305:RAN 3RANは、時点t4(例えば、第5の時点)において、問題としているPDUセッション内のQoSフローのQoSパラメータ(例えば、QoSプロファイルのQoSパラメータ)又はQoS特徴(例えば、PDB,Maximum-PER,又はその他のQoS特徴)を、(決定された)ポリシー(例えば、時点t4に対するポリシー時間因果変数QP1-QPn、又はSession-AMBR)に対応して/に従って修正又は設定/構成して、データ・フローのフロー・レート、トラフィック、又は速度を制御するようにし、時点t5におけるQoS違反予測による予測されたQoS違反を回避することができる。
【0078】
一実施形態では、画像データ又は命令を記憶するように構成された記憶回路は、リード・オンリー・メモリ(ROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ハード・ディスク、不揮発性ストレージ・デバイス、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体であってもよいが、これらに限定されない。一実施形態において、(ストレージ回路に記憶された)命令を実行するように構成された処理回路は、中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサ、又は特定用途向け集積回路(ASIC)であってもよいが、これらに限定されない。
【0079】
「第1」や「第2」のような序数用語の使用は、それ自体で、ある要素の別の要素に対する何らかの優先度、優先順位、若しくは順序;方法の動作が実行される時系列順序;又は全ての要素が同時に存在する必要性;を暗示するものではなく、これらの用語は、ある名称を有する1つの要素を、同じ名称を有する別の要素から区別するためのラベルとして単に使用されているにすぎない。以下の実施形態で説明される技術的特徴は、それらの間に矛盾がない限り、様々な方法で混合され又は組み合わされることが可能である。
【0080】
要約すると、ネットワークは、先ずQoS違反が生じることになるかどうかを予測し、予測されたQoS違反が発生する前に、インシデント予測通知を変数設定デバイスに対して発行して、ポリシー(即ち、QoSフローのQoSパラメータ又はQoS特徴をどのように設定/構成するか)を決定することを、変数設定デバイスに命令することができる。これは、ネットワークが、QoSフローのQoSパラメータ又はQoS特徴を、ポリシーに従って設定又は修正することを可能にする。
【0081】
当業者は、本件発明の教示を保ちながら、デバイス及び方法の多数の修正及び変更が施されてもよいことを容易に理解するであろう。従って、上記の開示は、添付のクレームの範囲又は境界によってのみ制限されるものとして解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変数設定デバイスのための変数設定方法であって:
第1の時点においてネットワークからインシデント予測通知を受信するステップ;
前記インシデント予測通知に応答して、第2の時点において少なくとも1つの変数を決定するステップ;及び
第3の時点において前記少なくとも1つの変数を出力するステップ;
を含み、前記インシデント予測通知は、第4の時点におけるサービス品質(QoS)違反予測に応答して前記少なくとも1つの変数を決定することを、前記変数設定デバイスに指示するために使用され、前記第3の時点は前記第4の時点より早く、
前記決定するステップは、前記第3の時点より遅く且つ前記第4の時点より早い第5の時点において、複数のQoSプロファイルに依存する損失関数が最小値をとるように、前記少なくとも1つの変数を決定する決定ステップを含み、
前記決定ステップは、サブデータ(w i )を、観測関数(f i )と因果変数(cv i )の因果構造(C)とに割り当てる事後確率P(f i ,C|w i )を最大化するために、事前確率P(f i ,C)と尤度P(w i |f i ,C)とを計算するステップを含み、
前記因果変数(cv i )は前記少なくとも1つの変数に対応し、前記サブデータ(w i )は前記因果変数(cv i )に関するデータに対応し、前記観測関数(f i )は前記サブデータ(w i )を前記因果変数(cv i )にマッピングする関数であり、iは前記複数のQoSプロファイルのうちi番目のQoSプロファイルに関連していることを示す、変数設定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の変数設定方法において、前記ネットワークは、前記インシデント予測通知を出力する連続時間構造方程式モデリングに従って、前記第4の時点において少なくとも1つのQoS要件を充足できないことを予測するように構成されている、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の変数設定方法において、
少なくとも1つの時間因果変数は、最低フロー・ビット・レート、最高フロー・ビット・レート、パケット損失レート、セッション・アグリゲート・ビット・レート、ユーザー装置アグリゲート・ビット・レート、パケット遅延時間、パケット・エラー・レート、又はデータ・バースト量を含み;及び
前記少なくとも1つの変数は、保証フロー・ビット・レート、最大フロー・ビット・レート、最大フロー・ビット・レート、最大パケット損失レート、セッション・アグリゲート最大ビット・レート、ユーザー装置アグリゲート最大ビット・レート、パケット遅延バジェット、最大パケット・エラー・レート、又は最大データ・バースト量を含む、変数設定方法。
【請求項4】
請求項1に記載の変数設定方法において、前記ネットワークは、前記第4の時点より早い第5の時点において前記少なくとも1つの変数に従って少なくとも1つのQoSパラメータ又は少なくとも1つのQoS特徴を修正するように構成されており、前記少なくとも1つの変数は前記第5の時点における損失関数の最小値にマッピングされる、変数設定方法。
【請求項5】
プログラム・コードを記憶するように構成された記憶回路と、前記記憶回路に結合された処理回路とを含む変数設定デバイスであって、前記プログラム・コードは:
第1の時点においてネットワークからインシデント予測通知を受信するステップ
前記インシデント予測通知に応答して、第2の時点において少なくとも1つの変数を決定するステップ;及び
第3の時点において前記少なくとも1つの変数を出力するステップ
前記処理回路に実行させることを含み、前記インシデント予測通知は、第4の時点におけるサービス品質(QoS)違反予測に応答して前記少なくとも1つの変数を決定することを、前記変数設定デバイスに指示するために使用され、前記第3の時点は前記第4の時点より早く;
前記決定するステップは、前記第3の時点より遅く且つ前記第4の時点より早い第5の時点において、複数のQoSプロファイルに依存する損失関数が最小値をとるように、前記少なくとも1つの変数を決定する決定ステップを含み、
前記決定ステップは、サブデータ(w i )を、観測関数(f i )と因果変数(cv i )の因果構造(C)とに割り当てる事後確率P(f i ,C|w i )を最大化するために、事前確率P(f i ,C)と尤度P(w i |f i ,C)とを計算するステップを含み、
前記因果変数(cv i )は前記少なくとも1つの変数に対応し、前記サブデータ(w i )は前記因果変数(cv i )に関するデータに対応し、前記観測関数(f i )は前記サブデータ(w i )を前記因果変数(cv i )にマッピングする関数であり、iは前記複数のQoSプロファイルのうちi番目のQoSプロファイルに関連していることを示す、変数設定デバイス。