特開 2024-166030 電池モジュール及び電池パック

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024166030

(43)【公開日】2024-11-28

(54)【発明の名称】電池モジュール及び電池パック

(51)【国際特許分類】

   H01M 50/204 20210101AFI20241121BHJP

   H01M 50/262 20210101ALI20241121BHJP

   H01M 10/658 20140101ALI20241121BHJP

   H01M 10/647 20140101ALI20241121BHJP

   H01M 10/613 20140101ALI20241121BHJP

【ＦＩ】

H01M50/204 401F

H01M50/262 Z

H01M10/658

H01M10/647

H01M10/613

【審査請求】有

【請求項の数】10

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023179435

(22)【出願日】2023-10-18

(31)【優先権主張番号】202321238497.1

(32)【優先日】2023-05-18

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

(71)【出願人】

【識別番号】523359401

【氏名又は名称】晶科▲儲▼能科技有限公司

(74)【代理人】

【識別番号】100124039

【弁理士】

【氏名又は名称】立花 顕治

(74)【代理人】

【識別番号】100210251

【弁理士】

【氏名又は名称】大古場 ゆう子

(72)【発明者】

【氏名】王 沁云

(72)【発明者】

【氏名】高 云▲輝▼

(72)【発明者】

【氏名】▲陳▼ 科

(72)【発明者】

【氏名】▲陳▼ ▲勝▼意

(72)【発明者】

【氏名】左 超

【テーマコード（参考）】

5H031

5H040

【Ｆターム（参考）】

5H031AA09

5H031BB03

5H031EE03

5H031KK02

5H040AA37

5H040AT02

5H040AT06

5H040AY05

5H040AY10

5H040CC34

5H040CC38

5H040JJ03

5H040LL04

5H040NN03

(57)【要約】

【課題】本願は、電池モジュール及び電池パックを提供する。
【解決手段】前記電池モジュールは、複数の電池セル及び第１防火層を含み、各前記電池セルは、順に配列され、前記第１防火層は、前記電池セルの頂部に設けられ、前記第１防火層は、各前記電池セルの頂面と貼り合わせられる。本願によれば、電池モジュールの防火性能を向上させ、電池モジュールの使用安全性を向上させることができる。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

電池モジュールであって、
前記電池モジュールは、複数の電池セルと、第１防火層とを含み、
各前記電池セルは、順に配列され、
前記第１防火層は、前記電池セルの頂部に設けられ、前記第１防火層は、各前記電池セルの頂面と貼り合わせられる、ことを特徴とする電池モジュール。

【請求項2】

前記第１防火層には、貫通孔が設けられ、前記電池セルの極柱は、前記貫通孔内に穿設されるとともに、前記第１防火層の表面に突出する、ことを特徴とする請求項１に記載の電池モジュール。

【請求項3】

前記電池モジュールは、２つの端板をさらに含み、前記端板は、前記電池セルの配列方向に沿って前記電池セルの両端に設けられ、前記電池セルと前記端板との間に第２防火層が設けられている、ことを特徴とする請求項１に記載の電池モジュール。

【請求項4】

前記第２防火層の両側はそれぞれ、前記端板と前記電池セルに接着される、ことを特徴とする請求項３に記載の電池モジュール。

【請求項5】

隣接する前記電池セルの間には第３防火層が設けられている、ことを特徴とする請求項１に記載の電池モジュール。

【請求項6】

前記第３防火層の上端は、前記第１防火層の下表面に接触する、ことを特徴とする請求項５に記載の電池モジュール。

【請求項7】

前記第３防火層の下端は、前記電池セルの下端を超えない、ことを特徴とする請求項５に記載の電池モジュール。

【請求項8】

前記第３防火層の両側はそれぞれ、隣接する前記電池セルの表面に接着される、ことを特徴とする請求項５に記載の電池モジュール。

【請求項9】

前記第１防火層、前記第２防火層又は前記第３防火層は、マイカシートを含む、ことを特徴とする請求項１～８のいずれか１項に記載の電池モジュール。

【請求項10】

電池パックであって、
請求項１～８のいずれか１項に記載の電池モジュールを含み、前記電池モジュールの数は、少なくとも２つであり、複数の前記電池モジュールは、鉛直方向に重ねて配置される、ことを特徴とする電池パック。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本願は、電池技術分野に関し、特に電池モジュール及び電池パックに関する。

【背景技術】

【0002】

電池モジュールは、複数の電池セルを含み、複数の電池セルの間に直列又は並列の形態で互いに接続される。電池モジュールの内部における電池セルの配列がコンパクトであるため、電池セルに熱暴走が発生すると、熱を他の電池セルに伝導して、他の電池セルの熱暴走を引き起こし、連鎖的な熱暴走を招き、最終的に電池モジュール全体に発火、ひいては爆発を引き起こし、電池モジュールの使用安全性に深刻な影響を及ぼす。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0003】

本願は、電池モジュールの防火性能を向上させ、電池モジュールの使用安全性を向上させることができる電池モジュール及び電池パックを提供する。

【課題を解決するための手段】

【0004】

本願の第１態様では、電池モジュールを提供し、前記電池モジュールは、複数の電池セルと、第１防火層とを含み、各前記電池セルは、順に配列され、前記第１防火層は、前記電池セルの頂部に設けられ、前記第１防火層は、各前記電池セルの頂面と貼り合わせられる。

【0005】

好ましくは、前記第１防火層には、貫通孔が設けられ、前記電池セルの極柱は、前記貫通孔内に穿設されるとともに、前記第１防火層の表面に突出する。

【0006】

好ましくは、前記電池モジュールは、２つの端板をさらに含み、前記端板は、前記電池セルの配列方向に沿って前記電池セルの両端に設けられ、前記電池セルと前記端板との間に第２防火層が設けられる。

【0007】

好ましくは、前記第２防火層の両側はそれぞれ、前記端板と前記電池セルの表面に接着される。

【0008】

好ましくは、隣接する前記電池セルの間には第３防火層が設けられる。

【0009】

好ましくは、前記第３防火層の上端は、前記第１防火層の下表面に接触する。

【0010】

好ましくは、前記第３防火層の下端は、前記電池セルの下端を超えない。

【0011】

好ましくは、前記第３防火層の両側はそれぞれ、隣接する前記電池セルの表面に接着される。

【0012】

好ましくは、前記第１防火層、前記第２防火層又は前記第３防火層は、マイカシートを含む。

【0013】

本願の第２態様では、電池パックを提供し、当該電池パックは、本願によって提供されるいずれかの電池モジュールを含み、前記電池モジュールの数は、少なくとも２つであり、複数の前記電池モジュールは、鉛直方向に重ねて配置される。

【発明の効果】

【0014】

本願による技術案は、以下の有益な効果を奏することができる。
本願による電池モジュールは、複数の電池セル及び第１防火層を含み、各前記電池セルは、順に配列され、前記第１防火層は、前記電池セルの頂部に設けられ、前記第１防火層は、各前記電池セルの頂面と貼り合わせられる。電池セルの頂部に第１防火層を設け、第１防火層を電池セルの頂面に貼り合わせることにより、第１防火層が電池セルの頂部に防火断熱の作用を果たし、火炎が電池セル以外の領域に蔓延することを効果的に防止できるだけでなく、火炎の電池セル間での蔓延を遅延することができ、これによって電池モジュール全体に熱暴走が生じることを回避することができる。

【0015】

以上の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的なものにすぎず、本願を制限するものではないと理解されるべきである。

【図面の簡単な説明】

【0016】

【図1】本願の実施例による電池モジュールの構成模式図である。

【図2】図１に示す電池モジュールの分解構成模式図である。

【図3】図１に示す電池モジュールの部分構成模式図である。

【図4】図３における第１防火層の構成模式図である。

【図5】図３の断面構成模式図である。

【図6】図５中のＡ箇所における部分拡大図である。

【図7】図５中のＢ箇所における部分拡大図である。

【0017】

ここでの図面は明細書に合併され、その一部を構成し、本願に合致する実施例を示し、明細書と共に本願の原理を解釈するために用いられる。

【発明を実施するための形態】

【0018】

本願の目的、技術案および利点をさらに明確にするために、以下に図面および実施例に合わせて、本願に対してさらに詳しく説明する。ここで述べた具体的な実施例は、単に本願を解釈するために利用するものに過ぎず、本願を限定するためのものではないと理解されるべきである。

【0019】

本願の説明において、明確な規定と限定がない限り、用語「第１」、「第２」は説明の目的にのみ用いられ、相対的な重要性を指示または暗示するものではないと考えられるべきである。明確な規定または説明がない限り、用語「複数」は、２つまたは２つ以上を指すものである。用語「接続」、「固定」などはいずれも広義に理解されるべきであり、例えば、「接続」は固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、或いは一体的に接続されてもよく、電気的に接続されてもよく、直接的に接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよい。当業者であれば、具体的な状況に基づいて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。

【0020】

本明細書の説明において、本願の実施例に記述された「上」、「下」などの方位語は、図面に示された角度で記述されたものであり、本願の実施例を限定するものと解されるべきものではないことを理解する必要がある。また、文脈上、ある素子が他の素子「上」または「下」に接続されているとした場合、それは、他の素子「上」または「下」に直接的に接続することができるだけでなく、中間素子を介して他の素子「上」または「下」に間接的に接続することもできることを理解する必要がある。

【0021】

図１～図２に示すように、本願の実施例は、電池モジュールを提供し、当該電池モジュールは、複数の電池セル１と、２つの端板５と、２つの側板６、バスバー部材７と、トップカバー８とを含む。複数の電池セル１は、順に配列され、例えば、複数の電池セル１は、自身の厚さ方向に沿って順に配列されてもよい。端板５は、電池セル１の配列方向に沿って電池セル１の両端に設けられ、側板６は、２つの端板５を接続し、これにより、端板５と側板６は共に電池セル１を囲む固定フレームを形成し、バスバー部材は、電池セル１の頂部に設けられ、且つ各電池セル１の極柱１１に接続され、これにより、各電池セル１間の直並列接続を実現する。トップカバー８は、バスバー部材の頂部に蓋設されて、電池モジュールの頂部を形成する。電池モジュールの底部には、温度が低い環境で電池モジュールを加熱するために、加熱シート９がさらに設けられてもよい。

【0022】

図２～図７に示すように、さらに、本願の実施例による電池モジュールは、第１防火層２をさらに含み、第１防火層２は、電池セル１の頂部に設けられ、第１防火層２は、各電池セル１の頂面に貼り合わせられ、つまり、第１防火層２は、電池セル１の頂面に直接接触し、第１防火層２と電池セル１の頂面との間に他の部材がなく、バスバー部材７とトップカバー８などは、いずれも第１防火層２の外部に設けられる。電池セル１の頂部に第１防火層２を設け、且つ第１防火層２を電池セル１の頂面に貼り合わせることにより、第１防火層２は、電池セル１の頂部に防火断熱の作用を果たし、火炎が電池セル１以外の領域まで蔓延することを効果的に防止できるだけでなく、火炎が電池セル１間に蔓延することを遅延することもでき、電池モジュール全体に熱暴走が生じることが回避される。つまり、第１防火層２は、火炎の縦方向における伝達を遮断することができ、火炎は、第１防火層２を通過して頂部のバスバー部材７及びトップカバー８までに蔓延することができないため、電池モジュールの損壊程度を減少させることができ、第１防火層２は、火炎の横方向伝達を遅延することができ、そのうちの１つの電池セル１に熱暴走が生じると、熱が電池セル１の頂部に横方向へ伝達しにくくなるため、火炎が他の電池セル１まで蔓延することを回避することができ、電池モジュール全体に熱暴走が生じることを回避することができる。

【0023】

図２～図５に示すように、具体的には、第１防火層２の表面は、平面構造として設けられ、第１防火層２の構成を簡略化して、生産コストを低減させることができるだけでなく、第１防火層２と電池モジュールの既存部品（例えば、バスバー部材７など）との干渉を回避することができ、第１防火層２の汎用性を向上させる。

【0024】

なお、第１防火層２は、複数の電池セル１を同時に覆う連続的な防火領域として設けられてもよく、互いに独立する複数の防火領域として設けられてもよく、例えば、それぞれの電池セル１に対応して、それぞれ単独の第１防火層２が設けられる。第１防火層２は、電池セル１の頂面の一部のみを覆ってもよく、電池セル１の頂面を完全に覆ってもよく、電池セル１の頂面に断熱作用を果たすことができれば、電池モジュールの熱暴走のリスクを改善することができる。

【0025】

好ましくは、第１防火層２は、電池セル１の配列方向に沿って電池セル１の縁部まで延在し、且つ第１防火層２は、電池セル１の長さ方向に沿って電池セル１の縁部まで延在し、これにより、電池セル１の頂部に連続的な防火領域を形成し、防火断熱効果を効果的に向上させ、電池モジュールに熱暴走のリスクを低下させることができる。第１防火層２の縁部が電池セル１の縁部を超えないことにより、第１防火層２の縁部に懸架箇所が生じることによって第１防火層２の縁部に破損しやすく、防火断熱効果に影響を与えることが回避される。

【0026】

さらに、第１防火層２には、貫通孔２１が設けられ、電池セル１の極柱１１は、貫通孔２１内に穿設され、且つ第１防火層２の表面に突出し、これにより、各電池セル１が第１防火層２の外部に互いに接続されるようになり、火炎が電池セル１以外の部品に影響をもたらすことを減少させることができ、電池モジュールに熱暴走が生じるリスクを低下させることができる。また、第１防火層２には、貫通孔２１が設けられ、当該貫通孔２１は、圧抜き作用を果たすことができ、熱暴走による電池セル１の爆発を防止することができる。

【0027】

さらに、第１防火層２が電池セル１の頂面に接着されることにより、第１防火層２と電池セル１の頂面との間に緊密な接続が形成され、第１防火層２と電池セル１との相対的な移動又は大きな隙間の発生によって防火効果が影響されることを回避することができる。

【0028】

具体的には、第１防火層２は、断熱材料で製造された層シート状構造を含むことができ、例えば、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ベーマイト（ＡｌＯＯＨ）、ギブサイト（Ａｌ（ＯＨ）３）、酸化ケイ素、酸化マグネシウム（マグネシア）、酸化カルシウム、チタニア（Ｔｉｔａｎｉａ）、チタン酸バリウム、アルミナ？シリカ複合酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、シリコン、ダイヤモンド、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、カオリン、モンモリロナイト、ベントナイト又は長石のうちのいずれか１種又は複数種を含むことができる。第１防火層２は、単層構造として設けられてもよいし、多層複合構造として設けられてもよい。

【0029】

好ましくは、第１防火層２は、マイカシートを含み、原材料は、天然鉱製品であり、生産コストが低く、且つ生産過程に汚染が生じず、また、マイカシートは、良好な電気性能を有し、耐熱性が良く、化学性質が安定であり、機械性能がよく、熱暴走の場合に破損しないことができる。

【0030】

図２～図５に示すように、さらに、電池セル１と端板５との間に第２防火層３が設けられ、第２防火層３により、電池セル１の端部に防火断熱の作用を果たし、火炎が電池セル１以外の領域まで蔓延することを回避でき、電池モジュールの損壊程度を減少させることができる。

【0031】

さらに、第２防火層３の両側は、それぞれ端板５と電池セル１の表面に接着され、端板５と電池セル１を一体に形成することにより、電池モジュールの全体寸法を制御し、電池モジュールのエネルギー密度を向上させることができる。

【0032】

具体的には、第２防火層３は、断熱材料で製造された層シート状構造を含むことができ、例えば、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ベーマイト（ＡｌＯＯＨ）、ギブサイト（Ａｌ（ＯＨ）３）、酸化ケイ素、酸化マグネシウム（マグネシア）、酸化カルシウム、チタニア（Ｔｉｔａｎｉａ）、チタン酸バリウム、アルミナ？シリカ複合酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、シリコン、ダイヤモンド、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、カオリン、モンモリロナイト、ベントナイト又は長石のうちのいずれか１種又は複数種を含むことができる。第２防火層３は、単層構造として設けられてもよいし、多層複合構造に設けられてもよい。第３防火層４は、単層構造として設けられてもよいし、多層複合構造として設けられてもよい。

【0033】

好ましくは、第２防火層３は、マイカシートを含み、原材料は、天然鉱製品であり、生産コストが低く、且つ生産過程に汚染が生じず、また、マイカシートは、良好な電気性能を有し、耐熱性が良く、化学性質が安定であり、機械性能がよく、熱暴走の場合に破損しないことができる。

【0034】

さらに、第２防火層３は、絶縁層をさらに含み、絶縁層の材料は、ＰＣ、セラミックス、ＰＰ又はナイロンなどを含むが、それらに限定されない。絶縁層は、マイカシートの表面に粘着されており、電池セル１間の絶縁効果を向上させ、電池モジュールの安全性能を向上させることができる。

【0035】

さらに、隣接する電池セル１の間に第３防火層４が設けられ、第３防火層４により、隣接する２つの電池セル１を互いに隔てることにより、火炎が隣接する電池セル１まで蔓延することを効果的に阻止し、熱暴走を単一の電池セル１の範囲内に制限し、これにより、電池モジュール全体に熱暴走が生じることを回避できる。

【0036】

図６に示すように、さらに、第３防火層４の上端が第１防火層２の下表面に接触することにより、第３防火層４と第１防火層２が共に複数の単独の防火断熱空間を形成し、それぞれの防火断熱空間に１つの電池セル１が収納され、隣接する防火断熱空間が互いに連通しないことにより、電池セル１の熱暴走を当該防火断熱空間内に制限し、電池モジュール全体に熱暴走が生じることを回避できる。

【0037】

図７に示すように、さらに、第３防火層４の下端が電池セル１の下端を超えず、つまり、第３防火層４の下端が電池セル１の下端と位置合わせされ、または第３防火層４の下端と電池セル１の下端との間に隙間が残される。一方、火炎によって生成された高温煙気が一般的に上へ流れるため、火炎が速く上へ蔓延することを引き起こし、火炎が下へ蔓延する可能性が小さく、電池セル１の下端に少しの隙間が残されることで、全体の防火効果に影響を与えず、重量削減及びコスト節約の効果を奏することもできる。他方、第３防火層４の下端と電池セル１の底端との間に隙間が残されることにより、第３防火層４が底部の支持平面に接触することを回避することができ、これによって第３防火層４が電池モジュールの搬送又は使用中に荷重を受けないように確保し、第３防火層４に破損が生じることを防止することができる。

【0038】

さらに、第３防火層４の両側は、それぞれ隣接する電池セル１の表面に接着され、各電池セル１を互いに接続して一体化することにより、隣接する電池セル１の間の間隔を制御し、さらに電池モジュールの全体寸法を制御し、電池モジュールのエネルギー密度を向上させることができる。

【0039】

また、第３防火層４の材質及び構成について、第２防火層３を参照すればよく、第３防火層４と第２防火層３は、同じ材質と構造を採用してもよく、異なる材質と構造を採用してもよい。

【0040】

また、本願の実施例は、電池パックをさらに提供し、当該電池パックは、本願の実施例によって提供されるいずれかの電池モジュールを含み、電池モジュールの数は、少なくとも２つであり、複数の電池モジュールは、鉛直方向に重ねて配置される。電池パック内における１つの電池モジュールに熱暴走が生じる場合、電池モジュール内における第１防火層２は、火炎が上へ伝達することを効果的に防止することができ、火炎が他の電池モジュールまで蔓延することを回避することができる。

【0041】

以上の説明は本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を制限することに用いられず、当業者にとって、本願は各種の変更と変化を有することができる。本願の精神と原則の範囲内において、いかなる修正、同等の置換、改善等も本願の保護範囲内に含まなければならない。

【符号の説明】

【0042】

１－電池セル
１１－極柱
２－第１防火層
２１－貫通孔
３－第２防火層
４－第３防火層
５－端板
６－側板
７－バスバー部材
８－トップカバー
９－加熱シート

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】