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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166070
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】積層型電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
H01G4/30 201N
H01G4/30 201K
H01G4/30 512
H01G4/30 515
H01G4/30 201L
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024022794
(22)【出願日】2024-02-19
(31)【優先権主張番号】10-2023-0063829
(32)【優先日】2023-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0144805
(32)【優先日】2023-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セオ、チャン ホ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョン ホ
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ヨン ミン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジュン タエ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン ウー
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、スン ミ
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC04
5E001AC10
5E001AD04
5E001AE01
5E001AE02
5E001AE03
5E001AE04
5E001AF06
5E001AG02
5E001AH01
5E001AH05
5E001AH06
5E001AH07
5E001AH09
5E001AJ02
5E082AB03
5E082BC35
5E082EE04
5E082EE05
5E082EE23
5E082EE35
5E082FG03
5E082FG26
5E082FG46
5E082GG10
5E082KK01
5E082PP09
(57)【要約】
【課題】本体とサイドマージン部の界面構造を補完して、外部からの水分浸透を防止することにより耐湿信頼性が向上し、気孔の数を減少させて絶縁破壊電圧及び耐湿信頼性が向上した積層型電子部品を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、誘電体層、及び上記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極を含み、上記第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3及び第4面、上記第1から第4面と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5及び第6面を含む本体と、上記第3及び第4面に配置される外部電極と、上記第5及び第6面にそれぞれ配置される第1及び第2サイドマージン部と、を含み、上記第1及び第2サイドマージン部は、上記第1及び第2面の一部に延びて配置される第1延長部を含むことができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層、及び前記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極を含み、前記第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3及び第4面、前記第1から第4面と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5及び第6面を含む本体と、
前記第3及び第4面に配置される外部電極と、
前記第5及び第6面にそれぞれ配置される第1及び第2サイドマージン部と、を含み、
前記第1及び第2サイドマージン部は、前記第1及び第2面の一部に延びて配置される第1延長部を含む、積層型電子部品。
【請求項2】
前記第1サイドマージン部の第1延長部は、前記第1面の一部に延びて配置される第1-1延長部、及び前記第2面の一部に延びて配置される第1-2延長部を含み、
前記第2サイドマージン部の第1延長部は、前記第1面の一部に延びて配置される第1-1延長部、及び前記第2面の一部に延びて配置される第1-2延長部を含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記本体の一面と接する、前記第1サイドマージン部の第1-1延長部、第1-2延長部、前記第2サイドマージン部の第1-1延長部、及び第1-2延長部のそれぞれの第3方向の平均大きさは、前記本体の第3方向の平均大きさの0%超過50%未満である、請求項2に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記第1サイドマージン部の第1-1延長部、及び第1-2延長部のそれぞれの第1方向の平均大きさは、前記第5面に配置された第1サイドマージン部の第3方向の平均大きさの0%超過110%以下であり、
前記第2サイドマージン部の第1-1延長部、及び第1-2延長部のそれぞれの第1方向の平均大きさは、前記第6面に配置された第2サイドマージン部の第3方向の平均大きさの0%超過110%以下である、請求項2に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記第1及び第2サイドマージン部は、前記第3及び第4面の一部に延びて配置される第2延長部をさらに含み、
前記第1サイドマージン部の第2延長部は、前記第3面の一部に延びて配置される第2-1延長部、及び前記第4面の一部に延びて配置される第2-2延長部を含み、
前記第2サイドマージン部の第2延長部は、前記第3面の一部に延びて配置される第2-1延長部、及び前記第4面の一部に延びて配置される第2-2延長部を含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記本体の一面と接する、前記第1サイドマージン部の第2-1延長部、第2-2延長部、前記第2サイドマージン部の第2-1延長部、及び第2-2延長部のそれぞれの第3方向の平均大きさは、前記本体の第3方向の平均大きさの0%超過50%未満である、請求項5に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記第1サイドマージン部の第2-1延長部、及び第2-2延長部のそれぞれの第2方向の平均大きさは、前記第5面に配置された第1サイドマージン部の第3方向の平均大きさの0%超過110%以下であり、
前記第2サイドマージン部の第2-1延長部、及び第2-2延長部のそれぞれの第2方向の平均大きさは、前記第6面に配置された第2サイドマージン部の第3方向の平均大きさの0%超過110%以下である、請求項5に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記第1延長部の少なくとも一部は、前記第2延長部と接するように配置される、請求項5に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記第5及び第6面にそれぞれ配置された前記第1及び第2サイドマージン部のそれぞれの第3方向の平均大きさは30μm以下であり、
前記第1サイドマージン部の第1-1延長部、第1-2延長部、前記第2サイドマージン部の第1-1延長部、及び第1-2延長部のそれぞれの第1方向の平均大きさは30μm以下である、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記第1及び第2サイドマージン部は、スズ(Sn)及びガリウム(Ga)の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記積層型電子部品の第2方向の平均大きさは1.0mm以下であり、第3方向の平均大きさは0.5mm以下である、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
誘電体層、及び前記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極を含み、前記第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3及び第4面、前記第1から第4面と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5及び第6面を含む本体と、
前記第3及び第4面に配置される外部電極と、
前記第5及び第6面にそれぞれ配置される第1及び第2サイドマージン部と、を含み、
前記第1及び第2サイドマージン部は、前記第1及び第2面の一部に延びて配置される第1延長部、及び前記第3及び第4面の一部に延びて配置される第2延長部を含み、
前記第1サイドマージン部の第1延長部は、前記第1面の一部に延びて配置される第1-1延長部、及び前記第2面の一部に延びて配置される第1-2延長部を含み、
前記第2サイドマージン部の第1延長部は、前記第1面の一部に延びて配置される第1-1延長部、及び前記第2面の一部に延びて配置される第1-2延長部を含み、
前記本体の一面と接する、前記第1サイドマージン部の第1-1延長部、第1-2延長部、前記第2サイドマージン部の第1-1延長部、及び第1-2延長部のそれぞれの第3方向の平均大きさは、前記本体の第3方向の平均大きさの0%超過50%未満である、積層型電子部品。
【請求項13】
前記第1サイドマージン部の第2延長部は、前記第3面の一部に延びて配置される第2-1延長部、及び前記第4面の一部に延びて配置される第2-2延長部を含み、
前記第2サイドマージン部の第2延長部は、前記第3面の一部に延びて配置される第2-1延長部、及び前記第4面の一部に延びて配置される第2-2延長部を含み、
前記本体の一面と接する、前記第1サイドマージン部の第2-1延長部、第2-2延長部、前記第2サイドマージン部の第2-1延長部、及び第2-2延長部のそれぞれの第3方向の平均大きさは、前記本体の第3方向の平均大きさの0%超過50%未満である、請求項12に記載の積層型電子部品。
【請求項14】
前記第1サイドマージン部の第1-1延長部、及び第1-2延長部のそれぞれの第1方向の平均大きさと、前記第1サイドマージン部の第2-1延長部、及び第2-2延長部のそれぞれの第2方向の平均大きさは、前記第5面に配置された第1サイドマージン部の第3方向の平均大きさの0%超過110%以下であり、
前記第2サイドマージン部の第1-1延長部、及び第1-2延長部のそれぞれの第1方向の平均大きさと、前記第2サイドマージン部の第2-1延長部、及び第2-2延長部のそれぞれの第2方向の平均大きさは、前記第6面に配置された第2サイドマージン部の第3方向の平均大きさの0%超過110%以下である、請求項12に記載の積層型電子部品。
【請求項15】
前記第5及び第6面にそれぞれ配置された前記第1及び第2サイドマージン部のそれぞれの第3方向の平均大きさは30μm以下であり、
前記第1サイドマージン部の第1-1延長部、第1-2延長部、前記第2サイドマージン部の第1-1延長部、及び第1-2延長部のそれぞれの第1方向の平均大きさは30μm以下であり、
前記第1サイドマージン部の第2-1延長部、第2-2延長部、前記第2サイドマージン部の第2-1延長部、及び第2-2延長部のそれぞれの第2方向の平均大きさは30μm以下である、請求項12に記載の積層型電子部品。
【請求項16】
前記第1延長部の少なくとも一部は、前記第2延長部と接するように配置される、請求項12に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話などの様々な電子製品のプリント回路基板に装着されて電気を充電または放電させる役割を果たすチップ形態のコンデンサである。
【0003】
かかる積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという利点により、様々な電子装置の部品として用いられることができる。コンピュータ、モバイル機器などの各種電子機器が小型化、高出力化されながら、積層セラミックキャパシタに対する小型化及び高容量化の要求が増大している。
【0004】
積層セラミックキャパシタの小型及び高容量化のためには、電極有効面積の最大化(容量実現に必要な有効体積分率を増加)が求められる。上記のように小型及び高容量の積層セラミックキャパシタを実現するために、積層セラミックキャパシタを製造する際に、内部電極が本体の幅方向に露出するようにすることで、マージンのない設計を介して内部電極の幅方向の面積を最大化するが、このような本体製作後の焼成前段階で本体の幅方向の電極露出面にサイドマージン部用セラミックグリーンシートを別途付着した後に焼結する方法が適用されている。
【0005】
サイドマージン部用セラミックグリーンシートを別途付着する方法によりサイドマージン部を形成することで、キャパシタの単位体積当たりの容量は向上させることができるが、本体とサイドマージン部の界面接合部を介して外部からの水分浸透やめっき工程中のめっき液の浸透などにより、チップの寿命が短縮したり、不良が発生するなどの問題点が生じることがある。
【0006】
また、本体とサイドマージン部が接触する界面に生成された気孔(pore)により集計集中が発生するようになり、これにより絶縁破壊電圧(Breakdown Voltage、BDV)が低くなるという問題が発生することがあり、上記気孔により焼結緻密度の低下に伴う耐湿信頼性の低下が引き起こることがあり、本体とサイドマージン部の境界に界面接合部が発生するにつれて接合力の低下及びこれによる耐湿信頼性の低下が引き起こることがある。
【0007】
そこで、超小型及び高容量製品において、絶縁破壊電圧(BDV)の低下及び耐湿信頼性の低下を防ぐことができる研究が活発に進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10-2021-0081668号
【特許文献2】韓国公開特許公報第10-2022-0056457号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする様々な課題の一つは、本体とサイドマージン部の界面構造を補完して、外部からの水分浸透を防止することにより耐湿信頼性が向上した積層型電子部品を提供することである。
【0010】
本発明が解決しようとする様々な課題の一つは、気孔の数を減少させて絶縁破壊電圧及び耐湿信頼性が向上した積層型電子部品を提供することである。
【0011】
但し、本発明が解決しようとする様々な課題は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、誘電体層、及び上記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極を含み、上記第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3及び第4面、上記第1から第4面と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5及び第6面を含む本体と、上記第3及び第4面に配置される外部電極と、上記第5及び第6面にそれぞれ配置される第1及び第2サイドマージン部と、を含み、上記第1及び第2サイドマージン部は、上記第1及び第2面の一部に延びて配置される第1延長部を含むことができる。
【0013】
本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品は、誘電体層、及び上記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極を含み、上記第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3及び第4面、上記第1から第4面と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5及び第6面を含む本体と、上記第3及び第4面に配置される外部電極と、上記第5及び第6面にそれぞれ配置される第1及び第2サイドマージン部と、を含み、上記第1及び第2サイドマージン部は、上記第1及び第2面の一部に延びて配置される第1延長部、及び上記第3及び第4面の一部に延びて配置される第2延長部を含み、上記第1サイドマージン部の第1延長部は、上記第1面の一部に延びて配置される第1―1延長部、及び上記第2面の一部に延びて配置される第1-2延長部を含み、上記第2サイドマージン部の第1延長部は、上記第1面の一部に延びて配置される第1-1延長部、及び上記第2面の一部に延びて配置される第1-2延長部を含み、上記本体の一面と接する、上記第1サイドマージン部の第1-1延長部、第1-2延長部、上記第2サイドマージン部の第1-1延長部、及び第1-2延長部のそれぞれの第3方向の平均大きさは、上記本体の第3方向の平均大きさの0%超過50%未満であることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のいくつかの効果の一つは、本体とサイドマージン部の界面構造を補完して、外部からの水分浸透を防止することにより積層型電子部品の耐湿信頼性を向上させることである。
【0015】
本発明のいくつかの効果の一つは、気孔の数を減少させて積層型電子部品の絶縁破壊電圧及び耐湿信頼性を向上させることである。
【0016】
但し、本発明の多様でありながらも有意義な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものである。
図2図1の積層型電子部品における外部電極を除いた斜視図を概略的に示したものである。
図3図1の積層型電子部品における外部電極及びサイドマージン部を除いた斜視図を概略的に示したものである。
図4】内部電極の積層構造を示した分離斜視図を概略的に示したものである。
図5図1のI-I'線に沿った断面図を概略的に示したものである。
図6図1のII-II'線に沿った断面図を概略的に示したものである。
図7図1のIII-III'線に沿った断面図を概略的に示したものである。
図8a】様々な形態の図7のP領域の拡大図を概略的に示したものである。
図8b】様々な形態の図7のP領域の拡大図を概略的に示したものである。
図8c】様々な形態の図7のP領域の拡大図を概略的に示したものである。
図9a図2のサイドマージン部の製造工程を概略的に示したものである。
図9b図2のサイドマージン部の製造工程を概略的に示したものである。
図9c図2のサイドマージン部の製造工程を概略的に示したものである。
図10】本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものである。
図11図10の積層型電子部品における外部電極を除いた斜視図を概略的に示したものである。
図12図11の本体及びサイドマージン部を第2方向から見た側面図を概略的に示したものである。
図13a図11のサイドマージン部の製造工程を概略的に示したものである。
図13b図11のサイドマージン部の製造工程を概略的に示したものである。
図13c図11のサイドマージン部の製造工程を概略的に示したものである。
図14図13のM領域の拡大図を概略的に示したものであり、サイドマージン部の形状を多様に形成する方法を概略的に示したものである。
図15】本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものである。
図16図15の積層型電子部品における外部電極を除いた斜視図を概略的に示したものである。
図17図15のIV-IV'線に沿った断面図を概略的に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上に同一符号で示される要素は同一要素である。
【0019】
尚、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、図示した各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で示したものであるため、本発明は必ずしも図示により限定されない。また、同一の思想の範囲内の機能が同一である構成要素は、同一の参照符号を用いて説明することができる。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0020】
図面において、第1方向は積層方向または厚さ(T)方向、第2方向は長さ(L)方向、第3方向は幅(W)方向と定義することができる。
【0021】
積層型電子部品
図1は、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものであり、図2は、図1の積層型電子部品における外部電極を除いた斜視図を概略的に示したものであり、図3は、図1の積層型電子部品における外部電極及びサイドマージン部を除いた斜視図を概略的に示したものであり、図4は、内部電極の積層構造を示した分離斜視図を概略的に示したものであり、図5は、図1のI-I'線に沿った断面図を概略的に示したものであり、図6は、図1のII-II'線に沿った断面図を概略的に示したものであり、図7は、図1のIII-III'線に沿った断面図を概略的に示したものであり、図8の(a)~(c)は、様々な形態の図7のP領域の拡大図を概略的に示したものであり、図9の(a)~(c)は、図2のサイドマージン部の製造工程を概略的に示したものであり、図10は、本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものであり、図11は、図10の積層型電子部品における外部電極を除いた斜視図を概略的に示したものであり、図12は、図11の本体及びサイドマージン部を第2方向から見た側面図を概略的に示したものであり、図13は、図11のサイドマージン部の製造工程を概略的に示したものであり、図14は、図13のM領域の拡大図を概略的に示したものであり、サイドマージン部の形状を多様に形成する方法を概略的に示したものであり、図15は、本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものであり、図16は、図15の積層型電子部品における外部電極を除いた斜視図を概略的に示したものであり、図17は、図15のIV-IV'線に沿った断面図を概略的に示したものである。
【0022】
以下、図1図17を参照して、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品について詳細に説明する。但し、積層型電子部品の一例として積層セラミックキャパシタについて説明するが、本発明は誘電体組成物を利用する様々な電子製品、例えば、インダクタ、圧電体素子、バリスタ、またはサーミスタなどにも適用されることができる。
【0023】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100は、誘電体層111、及び上記誘電体層111と第1方向に交互に配置される内部電極121、122を含み、上記第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面1、2と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3及び第4面3、4、上記第1から第4面1、2、3、4と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5及び第6面5、6を含む本体110と、上記第3及び第4面3、4に配置される外部電極131、132と、上記第5及び第6面5、6にそれぞれ配置される第1及び第2サイドマージン部114、115と、を含み、上記第1及び第2サイドマージン部114、115は、上記第1及び第2面1、2の一部に延びて配置される第1延長部114-2、115-2を含むことができる。
【0024】
本体110は、誘電体層111及び内部電極121、122が交互に積層されていてもよい。
【0025】
より具体的には、本体110は、本体110の内部に配置され、誘電体層111を挟んで互いに向かい合うように交互に配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含んで容量を形成する容量形成部Acを含むことができる。
【0026】
本体110の具体的な形状に特に制限はないが、図示したように本体110は六面体状やこれと類似した形状からなることができる。焼成過程において本体110に含まれたセラミック粒子の収縮により、本体110は完全な直線を有する六面体状ではないが、実質的に六面体状を有することができる。
【0027】
本体110は、第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面1、2、第1及び第2面1、2と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3及び第4面3、4、第1から第4面1、2、3、4と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5及び第6面5、6を有することができる。
【0028】
本体110を形成する複数の誘電体層111は、焼成された状態であり、隣接する誘電体層111間の境界は、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0029】
誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量が得られる限り制限されない。一般的に、ペロブスカイト(ABO)系材料を用いることができ、例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料またはチタン酸ストロンチウム系材料などを用いることができる。チタン酸バリウム系材料は、BaTiO系セラミック粒子を含むことができ、セラミック粒子の例示として、BaTiO、BaTiOにCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCa)TiO(0<x<1)、Ba(Ti1-yCa)O(0<y<1)、(Ba1-xCa)(Ti1-yZr)O(0<x<1、0<y<1)またはBa(Ti1-yZr)O(0<y<1)等が挙げられる。
【0030】
また、誘電体層111を形成する原料は、チタン酸バリウム(BaTiO)などの粒子に本発明の目的に応じて様々なセラミック添加剤、有機溶剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0031】
誘電体層111の厚さtdは特に限定する必要はない。
【0032】
但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために誘電体層111の厚さは0.6μm以下であることができ、より好ましくは0.4μm以下であることができる。
【0033】
ここで、誘電体層111の厚さtdは、第1及び第2内部電極121、122の間に配置される誘電体層111の厚さtdを意味することができる。
【0034】
一方、誘電体層111の厚さtdは、誘電体層111の第1方向の大きさを意味することができる。また、誘電体層111の厚さtdは、誘電体層111の平均厚さtdを意味することができ、誘電体層111の第1方向の平均大きさを意味することができる。
【0035】
誘電体層111の第1方向の平均大きさは、本体110の第1及び第2方向の断面(cross-section)を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)でイメージをスキャンして測定することができる。より具体的には、1つの誘電体層111の第1方向の平均大きさは、スキャンされたイメージから1つの誘電体層111を第2方向に等間隔の30つの地点で第1方向の大きさを測定して計算した平均値を意味することができる。上記等間隔の30つの地点は容量形成部Acで指定されることができる。また、このような平均値測定を10つの誘電体層111に拡張して平均値を測定すると、誘電体層111の第1方向の平均大きさをさらに一般化することができる。
【0036】
内部電極121、122は誘電体層111と交互に積層されてもよい。
【0037】
内部電極121、122は第1内部電極121及び第2内部電極122を含むことができ、第1及び第2内部電極121、122は本体110を構成する誘電体層111を挟んで互いに向かい合うように交互に配置され、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ露出することができる。
【0038】
より具体的には、第1内部電極121は第4面4と離隔し、第3面3と接しながら第3面3を介して露出することができ、第2内部電極122は第3面3と離隔し、第4面4と接しながら第4面4を介して露出することができる。本体110の第3面3には第1外部電極131が配置されて第1内部電極121と連結され、本体110の第4面4には第2外部電極132が配置されて第2内部電極122と連結されることができる。
【0039】
すなわち、第1内部電極121は第2外部電極132とは連結されず、第1外部電極131と連結され、第2内部電極122は第1外部電極131とは連結されずに第2外部電極132と連結されることができる。このとき、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に分離されることができる。
【0040】
一方、本体110は、第1内部電極121が印刷されたセラミックグリーンシートと第2内部電極122が印刷されたセラミックグリーンシートを交互に積層した後、焼成して形成されることができる。
【0041】
内部電極121、122を形成する材料は特に制限されず、電気導電性に優れた材料を用いることができる。例えば、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち1つ以上を含み得る。
【0042】
また、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち1つ以上を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷して形成することができる。上記内部電極用導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0043】
一方、内部電極121、122の厚さteは特に限定する必要はない。
【0044】
但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、内部電極121、122の厚さは0.6μm以下であることができ、より好ましくは0.4μm以下であることができる。
【0045】
ここで、内部電極121、122の厚さteは、内部電極121、122の第1方向の大きさを意味することができる。また、内部電極121、122の厚さteは、内部電極121、122の平均厚さteを意味することができ、内部電極121、122の第1方向の平均大きさを意味することができる。
【0046】
内部電極121、122の第1方向の平均大きさは、本体110の第1及び第2方向の断面(cross-section)を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)でイメージをスキャンして測定することができる。より具体的には、1つの内部電極の第1方向の平均大きさは、スキャンされたイメージから1つの内部電極を第2方向に等間隔の30つの地点で第1方向の大きさを測定して計算した平均値であることができる。上記等間隔の30つの地点は容量形成部Acで指定されることができる。また、このような平均値測定を10つの内部電極121、122に拡張して平均値を測定すると、内部電極121、122の第1方向の平均大きさをさらに一般化することができる。
【0047】
一方、本体110は、容量形成部Acの第1方向の両端面(end-surface)上に配置されたカバー部112、113を含むことができる。
【0048】
より具体的には、容量形成部Acの第1方向の上部に配置される上部カバー部112及び容量形成部Acの第1方向の下部に配置される下部カバー部113を含むことができる。
【0049】
上部カバー部112及び下部カバー部113は、単一誘電体層111又は2つ以上の誘電体層111を容量形成部Acの上下面にそれぞれ第1方向に積層して形成することができ、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極121、122の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0050】
上部カバー部112及び下部カバー部113は、内部電極121、122を含まず、誘電体層111と同じ材料を含むことができる。すなわち、上部カバー部112及び下部カバー部113はセラミック材料を含むことができ、例えばチタン酸バリウム(BaTiO)系セラミック材料を含むことができる。
【0051】
一方、カバー部112、113の厚さtcは特に限定する必要はない。
【0052】
但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、カバー部112、113の厚さtcは100μm以下であることができ、好ましくは30μm以下であることができ、超小型製品ではより好ましく20μm以下であることができる。
【0053】
ここで、カバー部112、113の厚さtcは、カバー部112、113の第1方向の大きさを意味することができる。また、カバー部112、113の厚さtcは、カバー部112、113の平均厚さtcを意味することができ、カバー部112、113の第1方向の平均大きさを意味することができる。
【0054】
カバー部112、113の第1方向の平均大きさは、本体110の第1及び第2方向の断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)でイメージをスキャンして測定することができる。より具体的には、1つのカバー部をスキャンしたイメージから第2方向に等間隔の30つの地点で第1方向の大きさを測定して計算した平均値であることができる。
【0055】
また、上述した方法で測定したカバー部の第1方向の平均大きさは、本体110の第1及び第3方向の断面(cross-section)において、カバー部の第1方向の平均大きさと実質的に同じ大きさを有することができる。
【0056】
一方、本体110の第3方向の両端面(end-surface)上にはサイドマージン部114、115が配置されることができる。
【0057】
より具体的には、サイドマージン部114、115は、本体110の第5面5に配置された第1サイドマージン部114及び第6面6に配置された第2サイドマージン部115を含むことができる。すなわち、サイドマージン部114、115は、本体110の第3方向の両端面(end-surface)に配置されることができる。
【0058】
サイドマージン部114、115は、図示のように、本体110の第1及び第3方向の断面(cross-section)を基準として、第1及び第2内部電極121、122の第3方向の両端と本体110の境界面との間の領域を意味することができる。
【0059】
サイドマージン部114、115は、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極121、122の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0060】
サイドマージン部114、115は、セラミックグリーンシート上にサイドマージン部114、115が形成されるところを除いて導電性ペーストを塗布して内部電極121、122を形成し、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後の内部電極121、122が本体110の第5及び第6面5、6に露出するように切断した後、単一誘電体層111又は2つ以上の誘電体層111を容量形成部Acの第3方向の両端面(end-surface)に第3方向に積層して形成することもできる。
【0061】
第1サイドマージン部114及び第2サイドマージン部115は、内部電極121、122を含まず、誘電体層111と同じ材料を含むことができる。すなわち、第1サイドマージン部114及び第2サイドマージン部115はセラミック材料を含むことができ、例えばチタン酸バリウム(BaTiO)系セラミック材料を含むことができる。また、サイドマージン部114、115を形成する原料は、チタン酸バリウム(BaTiO)などの粒子に本発明の目的に応じて様々なセラミック添加剤、有機溶剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0062】
例えば、第1及び第2サイドマージン部114、115は、スズ(Sn)及びガリウム(Ga)の少なくとも1つを含むことができる。
【0063】
スズ(Sn)は、誘電体結晶粒の粒成長を制御することができるものであり、適正含有量で添加する場合、誘電体結晶粒の平均大きさが小さく、大きさの散布を狭くすることができ、耐湿信頼性が向上し、絶縁破壊電圧(BDV)などを含む電気的特性、または耐衝撃性、耐クラック性などを含む機械的特性などを向上させることができる。
【0064】
スズ(Sn)の好ましい添加含有量は、母材主成分100モルに対して0.1モル以上5.0モル以下であることができる。
【0065】
ガリウム(Ga)は低温焼結助剤として、焼結完了温度を下げて工程時間を短縮することができて経済的であり、誘電体結晶粒の三重点等に配置される気孔(pore)生成を抑制して耐湿信頼性、電気的特性及び機械的特性等を向上させることができる。
【0066】
ガリウム(Ga)の好ましい添加含有量は、母材主成分100モルに対して0.1モル以上3.0モル以下であることができる。
【0067】
一方、第1及び第2サイドマージン部114、115の幅wmは特に限定する必要はない。
【0068】
但し、積層型電子部品100の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、第1及び第2サイドマージン部114、115の幅wmは100μm以下であることができ、好ましくは30μm以下であることができ、超小型製品では、より好ましくは20μm以下であることができる。
【0069】
ここで、サイドマージン部114、115の幅wmは、サイドマージン部114、115のそれぞれの第3方向の大きさを意味することができる。また、サイドマージン部114、115の幅wmは、サイドマージン部114、115のそれぞれの平均幅wmを意味することができ、サイドマージン部114、115のそれぞれの第3方向の平均大きさを意味することができる。
【0070】
サイドマージン部114、115の第3方向の平均大きさは、本体110の第1及び第3方向の断面(cross-section)を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)でイメージをスキャンして測定することができる。より具体的には、1つのサイドマージン部をスキャンしたイメージから第1方向に等間隔の10つの地点で第3方向の大きさを測定して計算した平均値を意味することができる。
【0071】
一方、積層セラミックキャパシタの小型及び高容量化のためには、電極有効面積の最大化(容量実現に必要な有効体積分率を増加)が要求される。上記のように小型及び高容量の積層セラミックキャパシタを実現するために、積層セラミックキャパシタを製造することにおいて、内部電極が本体の幅方向に露出するようにすることで、マージンのない設計により内部電極の幅方向の面積を最大化するが、このような本体製作後の焼成前段階で本体の幅方向の電極露出面にサイドマージン部用セラミックグリーンシートを別途付着した後に焼結する方法が適用されている。
【0072】
サイドマージン部用セラミックグリーンシートを別途付着する方法によりサイドマージン部を形成することによってキャパシタの単位体積当たりの容量は増大されることができるが、本体とサイドマージン部の界面接合部を介して外部からの水分浸透やめっき工程中のめっき液の浸透などにより、チップの寿命が短縮したり、不良が発生するなどの問題点が発生することがある。
【0073】
また、本体とサイドマージン部が接触する界面に生成された気孔(pore)により集計集中が発生するようになり、これにより絶縁破壊電圧(Breakdown Voltage、BDV)が低くなる問題が発生することがあり、上記気孔により焼結緻密度の低下に伴う耐湿信頼性の低下が引き起こることがあり、本体とサイドマージン部の境界に界面接合部が発生するにつれて接合力の低下及びこれによる耐湿信頼性の低下が引き起こることがある。
【0074】
本発明は、本体を覆うことができるように従来のサイドマージン部よりも延長形成して本体に配置することで、本体とサイドマージン部の境界に形成される界面接合部を介して浸透され得る外部からの水分やめっき液の浸透経路を遮断したり、離れるようにして上述した問題点を改善することができる。また、サイドマージン部に含まれる成分を制御することで、気孔(pore)の生成を抑制して微細構造の緻密度を向上させ、耐湿信頼性をより向上させることができる。
【0075】
本発明の一実施形態に係る第1及び第2サイドマージン部114、115は、それぞれ第1及び第2面の一部に延びて配置される第1延長部114-2、115-2を含むことができる。
【0076】
より具体的には、第1サイドマージン部114は、本体の第5面5に配置されるメイン部114-1、及びメイン部114-1から本体の第1面1の一部と第2面2の一部にそれぞれ延びて配置される第1延長部114-2を含むことができ、第1サイドマージン部の第1延長部114-2は第1面1の一部に延びて配置される第1-1延長部114-2aと第2面2の一部に延びて配置される第1-2延長部114-2bを含むことができる。
【0077】
第2サイドマージン部115は、本体の第6面6に配置されるメイン部115-1、及びメイン部115-1から本体の第1面1の一部と第2面2の一部にそれぞれ延びて配置される第1延長部115-2を含むことができ、第2サイドマージン部の第1延長部115-2は第1面1の一部に延びて配置される第1-1延長部115-2aと第2面2の一部に延びて配置される第1-2延長部115-2bを含むことができる。
【0078】
第1延長部114-2、115-2は、本体の第1及び第2面1、2と接しない角領域及び本体の第1及び第2面1、2と接する領域を含むことができる。
【0079】
本発明における第1延長部114-2、115-2に対する説明は、特に断りのない限り、第1サイドマージン部の第1-1延長部114-2a、第1-2延長部114-2b、第2サイドマージン部の第1-1延長部115-2a、及び第1-2延長部115-2bのそれぞれに対する説明に該当することができる。
【0080】
第1及び第2サイドマージン部114、115が第1延長部114-2、115-2を含んで本体の第1及び第2面1、2の一部に配置されることで、外部からの水分やめっき液の浸透を効果的に防止して、耐湿信頼性が向上することができる。
【0081】
例えば、第1及び第2サイドマージン部の第1延長部114-2a、114-2b、115-2a、115-2bが本体の第1及び第2面1、2の一部を覆うように配置されることで、耐湿信頼性が向上することができる。具体的には、メイン部114-1、115-1と本体の第5及び第6面5、6が接する接合界面部を介して外部からの水分やめっき液が浸透することで内部電極の劣化等の問題点を発生させることがあるが、第1延長部114-2a、114-2b、115-2a、115-2bが接合界面部を覆うように配置されることにより、外部からの水分やめっき液の浸透を抑制して耐湿信頼性を向上させることができる。
【0082】
このとき、本体の一面と接する第1及び第2サイドマージン部の第1延長部のそれぞれの第3方向の平均大きさは、本体110の第3方向の平均大きさの0%超過50%未満であることができ、好ましい下限値は5%以上、10%以上、または15%以上であることができる。
【0083】
ここで、本体の一面と接する1つの第1延長部の第3方向の平均大きさが本体の第3方向の平均大きさの50%未満であるという意味は、図5を参照して説明したとき、本体の第3方向の中心で第1及び第2方向の断面(cross-section)を観察したとき、第1及び第2サイドマージン部の第1延長部が観察されないことを意味することができる。そして、本体の一面と接する1つの第1延長部の第3方向の平均大きさが本体の第3方向の平均大きさの0%超過であるという意味は、図6を参照して説明したとき、本体の第5面5から第3方向を基準に本体の中心に向かって一定間隔離隔した位置での第1及び第2断面(cross-section)を観察したとき、第1サイドマージン部の第1延長部114-2a、114-2bが観察されることを意味することができる。ここで、「本体の一面と接する第1延長部」とは、本体の第1及び第2面1、2と接する第1延長部の領域のみを意味することができ、第5及び第6面の延長線を基準として第3方向の外側方向を越えない第1延長部の領域を意味することができる。例えば、図7に示された本体の第1面と接する第1サイドマージン部の第1-1延長部114-2aのうちW1大きさを有する領域を意味することができる。
【0084】
本体の一面と接する第1延長部のそれぞれの第3方向の平均大きさW1は、例えば、1つの第1延長部の第2方向の中心部から第2方向に等間隔の5つの地点での本体の一面と接する第1延長部の第3方向の大きさ値の平均値を意味することができ、本体の一面と接する第1延長部の第3方向の大きさ値の誤差は5%以下であることができ、実質的に直線であることができる。すなわち、本体の一面と接する第1延長部は、第2方向に直線状であることができる。
【0085】
第1延長部114-2a、114-2b、115-2a、115-2bが本体の第1及び第2面1、2と接しない場合(W1=0)、本体の第5及び第6面5、6に配置される第1メイン部114-1、115-1から第1方向に延びた形状のみを有することがあり、外部からの水分浸透経路が従来と変わらないことがあり、耐湿信頼性が従来よりも向上しないことがある。
【0086】
本体の第1及び第2面1、2と接する第1延長部114-2a、114-2b、115-2a、115-2bの第3方向の大きさが50%以上であっても、耐湿信頼性には優れるが、第3方向の大きさが大きくなるにつれて耐湿信頼性がさらに向上しないことがあり、または同じ面に配置された他の第1延長部と同時に50%以上を満たす場合、第1延長部間に覆う領域が形成されることがあり、積層型電子部品のサイズが厚くなるおそれがある。
【0087】
一方、第1サイドマージン部の第1-1延長部114-2a及び第1-2延長部114-2bのそれぞれの第1方向の平均大きさは、第5面5に配置された第1サイドマージン部の第3方向の平均大きさの0%超過110%以下であり、上記第2サイドマージン部の第1-1延長部115-2a、及び第1-2延長部115-2bのそれぞれの第1方向の平均大きさは、上記第6面6に配置された第2サイドマージン部の第3方向の平均大きさの0%超過110%以下であることができる。
【0088】
ここで、第5及び第6面5、6に配置された第1及び第2サイドマージン部のそれぞれの第3方向の平均大きさは、第1及び第2サイドマージン部のメイン部114-1、115-1のそれぞれの第3方向の平均大きさを意味することができる。
【0089】
図7を参照して、例えば、第1サイドマージン部の第1-1延長部114-2aの第1方向の平均大きさはwm1を意味することができ、第5面に配置された第1サイドマージン部のメイン部114-1の第3方向の平均大きさはwmを意味することができ、0<wm1/wm≦110%を満たすことができる。第1サイドマージン部の第1-1延長部114-2aを一例として説明したが、第1サイドマージン部の第1-2延長部114-2b、第2サイドマージン部の第1-1延長部115-2a、及び第1-2延長部115-2bにも同様に適用されることができる。
【0090】
図9(a)~(c)を参照して説明すると、これは、焼成前のサイドマージン部用ギャップシートを本体に付着する際に、同じ厚さのサイドマージン部用ギャップシートをそれぞれ本体の第5及び第6面の大きさよりもさらに大きくして、熱圧着を介して本体の第1及び第2面の一部に付着した結果であることができる。
【0091】
サイドマージン部用ギャップシートを熱圧着により本体の第3及び第4面に付着した後、研磨工程を進行して角領域を摩耗することができる。
【0092】
これにより、1つのサイドマージン部用ギャップシートの厚さは実質的に一定であることができ、焼成後、サイドマージン部の厚さも実質的に一定であることができる。第1サイドマージン部114を例として説明すると、第1サイドマージン部のメイン部114-1の第3方向の平均大きさwmに対する第1サイドマージン部の第1-1延長部114-2aの第1方向の平均大きさwm1の割合(wm1/wm)は、5%≦wm1/wm≦105%を満たすことができ、より好ましくは10%≦wm1/wm≦100%を満たすことができる。このような説明は、第1サイドマージン部の第1-2延長部114-2b、第2サイドマージン部の第1-1延長部115-2a及び第1-2延長部115-2bにも同様に適用されることができる。
【0093】
一方、図8(a)~(c)を参照して第1延長部の第3方向の位置に応じた第1方向の大きさについて説明すると、図8(a)のようにwm1a=wm1b=wm1cを満たすことができ(実質的に同一、誤差値が5%以下であることを意味する)、図8(b)のようにwm1c'<wm1b'<wm1a'を満たすことができ、図8(c)のようにwm1c''<wm1a''<wm1b''を満たすことができ、これらの平均値を本体の一面と接する1つの第1延長部の第1方向の平均大きさwm1といえる。
【0094】
また、サイドマージン部114、115のうちメイン部114-1、115-1のそれぞれの第3方向の平均大きさは30μm以下であることができ、第1延長部114-2、115-2のそれぞれの第1方向の大きさは30μm以下であることができる。
【0095】
本発明の一実施形態では、積層型電子部品100が2つの外部電極131、132を有する構造を説明しているが、外部電極131、132の個数や形状などは内部電極121、122の形態やその他の目的に応じて変わることができる。
【0096】
外部電極131、132は本体110上に配置されて内部電極121、122と連結されることができる。
【0097】
より具体的には、外部電極131、132は、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ配置され、第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極131、132を含むことができる。すなわち、第1外部電極131は本体の第3面3に配置されて第1内部電極121と連結されることができ、第2外部電極132は本体の第4面4に配置されて第2内部電極122と連結されることができる。
【0098】
また、外部電極131、132は、本体110の第1及び第2面1、2上の一部に延びて配置されることができ、または本体110の第5及び第6面5、6上の一部に延びて配置されることができる。すなわち、第1外部電極131は、本体110の第1、第2、第5、第6面1、2、5、6上の一部、及び本体110の第3面3上に配置されることができ、第2外部電極132は、本体110の第1、第2、第5、第6面1、2、5、6上の一部、及び本体110の第3面3上に配置されることができる。
【0099】
外部電極131、132がサイドマージン部上に配置される場合、サイドマージン部の厚さだけ外部電極が厚く配置されることができ、図1のようにサイドマージン部が配置された領域は、外部電極が凸状に比較的厚く配置され、サイドマージン部が配置されていない領域は、外部電極が凹状に比較的薄く配置されることができる。
【0100】
外部電極131、132は、金属などのように電気導電性を有するものであれば、どのような物質を用いても形成されることができ、電気的特性、構造的安定性などを考慮して、具体的な物質が決定されることができ、さらに多層構造を有することができる。
【0101】
例えば、外部電極131、132は、本体110に配置される電極層131a、132a及び電極層131a、132a上に配置されるめっき層131b、132bを含むことができる。
【0102】
電極層131a、132aに対するより具体的な例を挙げると、電極層131a、132aは、導電性金属及びガラスを含む焼成電極であるか、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であることができる。
【0103】
また、電極層131a、132aは、本体110上に焼成電極及び樹脂系電極が順次形成された形態であることができる。
【0104】
また、電極層131a、132aは、本体110上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されるか、焼成電極上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されたものであることができる。
【0105】
電極層131a、132aに用いられる導電性金属は、静電容量形成のために上記内部電極121、122と電気的に連結されることができる材質であれば、特に制限されず、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金からなる群から選択された1つ以上を含むことができる。電極層131a、132aは、上記導電性金属粒子にガラスフリットを添加して設けられた導電性ペーストを塗布した後、焼成することで形成されることができる。
【0106】
めっき層131b、132bは、実装特性を向上させる役割を果たすことができる。
【0107】
めっき層131b、132bの種類は特に限定されず、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)及びこれらの合金のうち1つ以上を含む単一層のめっき層131b、132bであることができ、複数の層で形成されることができる。
【0108】
めっき層131b、132bに対するより具体的な例を挙げると、めっき層131b、132bは、Niめっき層またはSnめっき層であることができ、電極層131a、132a上にNiめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であることができ、Snめっき層、Niめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であることができる。また、めっき層131b、132bは、複数のNiめっき層及び/または複数のSnめっき層を含むこともできる。
【0109】
積層型電子部品100のサイズは特に限定する必要はない。
【0110】
但し、小型化及び高容量化を同時に達成するためには誘電体層及び内部電極の厚さを薄くして積層数を増加させなければならないため、1005(長さ×幅:1.0mm×0.5mm)以下のサイズを有する積層型電子部品100で本発明による効果がより顕著になり得る。
【0111】
本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品200において、第1及び第2サイドマージン部214、215は、第3及び第4面3、4の一部に延びて配置される第2延長部214-3、215-3をさらに含むことができる。
【0112】
以下で説明する積層型電子部品200に関する説明のうち、上述した積層型電子部品100と同様の内容については説明を省略する。
【0113】
より具体的には、第1サイドマージン部214は、メイン部214-1から本体の第3面3の一部と第4面4の一部にそれぞれ延びて配置される第2延長部214-3を含むことができ、第1サイドマージン部の第2延長部214-3は、第3面3の一部に延びて配置される第2-1延長部214-3aと第4面4の一部に延びて配置される第2-2延長部214-3b(図示せず)を含むことができる。第1サイドマージン部の第2-2延長部は図面には示されていないが、本発明の理解を助けるために図面符号214-3bを併記して説明し、通常の技術者であれば容易に理解することができる。
【0114】
第2サイドマージン部215は、メイン部215-1から本体の第3面3の一部と第4面4の一部にそれぞれ延びて配置される第2延長部215-3を含むことができ、第2サイドマージン部の第2延長部215-3は、第3面3の一部に延びて配置される第2-1延長部215-3aと第4面4の一部に延びて配置される第2-2延長部215-3b(図示せず)を含むことができる。第2サイドマージン部の第2-2延長部215-3bは図面には示されていないが、本発明の理解を助けるために図面符号215-3bを併記して説明し、通常の技術者であれば容易に理解することができる。
【0115】
第2延長部214-3、215-3は、本体の第3及び第4面3、4と接しない角領域及び本体の第3及び第4面3、4と接する領域を含むことができる。
【0116】
本発明における第2延長部214-3、215-3に対する説明は、特に断りのない限り、第1サイドマージン部の第2-1延長部214-3a、第2-2延長部214-3b、第2サイドマージン部の第2-1延長部215-3a、及び第2-2延長部215-3bに対する説明に該当することができる。
【0117】
第1及び第2サイドマージン部214、215は、第2延長部214-3、215-3をさらに含んで本体の第3及び第4面3、4の一部に配置されることで、外部からの水分やめっき液の浸透を効果的に防止して、耐湿信頼性が向上することができる。
【0118】
例えば、第1及び第2サイドマージン部の第2延長部214-3a、214-3b、215-3a、215-3bが本体の第3及び第4面3、4の一部を覆うように配置されることで、耐湿信頼性が向上することができる。具体的には、メイン部214-1、215-1と本体の第5及び第6面5、6が接する接合界面部を介して外部からの水分やめっき液が浸透することで内部電極の劣化等の問題点を発生させることができるが、第2延長部214-3a、214-3b、215-3a、215-3bが接合界面部を覆うように配置されることで、外部からの水分やめっき液の浸透を抑制して耐湿信頼性を向上させることができる。
【0119】
このとき、本体の一面と接する第1及び第2サイドマージン部の第2延長部214-3a、214-3b、215-3a、215-3bのそれぞれの第3方向の平均大きさは本体110の第3方向の平均大きさの0%超過50%未満であることができ、好ましい下限値は5%以上、10%以上、または15%以上であることができる。
【0120】
ここで、「本体の一面と接する第2延長部」とは、本体の第3及び第4面3、4と接する第2延長部の領域のみを意味することができ、第3方向の外側方向に第5及び第6面の延長線を超えない第2延長部の領域を意味することができる。例えば、図12に示された本体の第3面と接する第1サイドマージン部の第2-1延長部214-3aのW2大きさを有する領域を意味することができる。
【0121】
本体の一面と接する第2延長部のそれぞれの第3方向の平均大きさW2は、例えば、第2延長部を含む積層型電子部品の第1及び第3方向の断面(cross-section)、または外部電極を除去した後、第2延長部を含む積層型電子部品を第2方向の外側から第3面に向かって見る方向を基準としたとき、各第2延長部の第1方向の中心部を基準に第1方向に等間隔の5つの地点での本体の一面と接する第2延長部の第3方向の大きさ値の平均値を意味することができ、本体の一面と接する第2延長部の第3方向の大きさ値の誤差は5%以下であることができ、実質的に直線であることができる。すなわち、本体の一面と接する第2延長部は、第1方向に直線状であることができる。
【0122】
第2延長部214-3a、214-3b、215-3a、215-3bが本体の第3及び第4面3、4と接しない場合(W2=0)、本体の第5及び第6面5、6に配置される第1メイン部214-1、215-1から第2方向に延びた形状のみを有することがあり、外部からの水分浸透の経路が従来と変わらないことがあり、耐湿信頼性が従来より向上しないことがある。
【0123】
本体の第3及び第4面3、4と接する第2延長部214-3a、214-3b、215-3a、215-3bの第3方向の大きさが50%以上であっても、耐湿信頼性には優れるが、第3方向の大きさが大きくなるにつれて耐湿信頼性がさらに向上しないことがあり、または同じ面に配置された他の第2延長部と同時に50%以上を満たす場合、第2延長部間に覆う領域が形成されることがあるため、積層型電子部品のサイズが厚くなるおそれがある。
【0124】
一方、第1サイドマージン部の第2-1延長部214-3a及び第2-2延長部214-3bのそれぞれの第2方向の平均大きさwm2は、第5面5に配置された第1サイドマージン部の第3方向の平均大きさの0%超過110%以下であり、第2サイドマージン部の第2-1延長部215-3a、及び第2-2延長部215-3bのそれぞれの第2方向の平均大きさは、第6面6に配置された第2サイドマージン部の第3方向の平均大きさの0%超過110%以下であることができる。
【0125】
ここで、第5及び第6面5、6に配置された第1及び第2サイドマージン部のそれぞれの第3方向の平均大きさは、第1及び第2サイドマージン部のメイン部214-1、215-1のそれぞれの第3方向の平均大きさを意味することができる。
【0126】
図11及び図12を参照して、例を挙げると、第1サイドマージン部の第2-1延長部214-3aの第2方向の平均大きさはwm2を意味することができ、第5面5に配置された第1サイドマージン部の第3方向の平均大きさはwmを意味することができ、0<wm2/wm≦110%を満たすことができる。第1サイドマージン部の第2-1延長部214-3aを一例として挙げて説明したが、第1サイドマージン部の第2-2延長部214-3b、第2サイドマージン部の第2-1延長部215-3a、及び第2-2延長部215-3bにも同様に適用されることができる。
【0127】
図13(a)~(c)を参照して説明すると、これは、焼成前のサイドマージン部用ギャップシートを本体に付着する際に、同じ厚さのサイドマージン部用ギャップシートをそれぞれ本体の第5及び第6面の大きさよりもさらに大きくして、熱圧着によって本体の第1及び第2面の一部に付着した結果であることができる。
【0128】
サイドマージン部用ギャップシートを熱圧着により本体の第3及び第4面に付着した後、研磨工程を進行して角領域を摩耗することができる。
【0129】
これにより、1つのサイドマージン部用ギャップシートの厚さは実質的に一定であることができ、焼成後、サイドマージン部の厚さも実質的に一定であることができる。第1サイドマージン部214を例として説明すると、第1サイドマージン部のメイン部214-1の第3方向の平均大きさwmに対する第1サイドマージン部の第2-1延長部214-3aの第2方向の平均大きさwm2の割合(wm2/wm)は、5%≦wm2/wm≦105%を満たすことができ、より好ましくは10%≦wm2/wm≦100%を満たすことができる。このような説明は、第1サイドマージン部の第2-2延長部214-3b、第2サイドマージン部の第2-1延長部215-3a及び第2-2延長部215-3bにも同様に適用されることができる。
【0130】
また、サイドマージン部214、215のうちメイン部214-1、215-1のそれぞれの第3方向の平均大きさは30μm以下であることができ、第1延長部214-2、215-2のそれぞれの第1方向の大きさは30μm以下であることができ、第2延長部214-3、215-3のそれぞれの第2方向の大きさは30μm以下であることができる。
【0131】
本発明の一実施形態において、第1延長部214-2、215-2の少なくとも一部は、第2延長部214-3、215-3と接するように配置されることができる。
【0132】
より具体的には、第1延長部214-2、215-2の少なくとも一部は、第2延長部214-3、215-3と本体の角で接するように配置されることができ、これによって外部の水分やめっき液の浸透をより抑制して、耐湿信頼性が向上することができる。
【0133】
第1延長部214-2、215-2の少なくとも一部と第2延長部214-3、215-3が接する形状は特に制限されず、図14のように焼成前のサイドマージン部用ギャップシートを本体に付着する際に、本体の角領域に接するサイドマージン部用ギャップシートの領域の形状を
のように切断して様々な形状を製造することができる。切断する方法はパンチング、レーザなどの様々な方法を用いることができるが、特にこれに制限されるものではない。
【0134】
外部電極231、232がサイドマージン部上に配置される場合、サイドマージン部の厚さだけ外部電極が厚く配置されることができ、図10のようにサイドマージン部が配置された領域は、外部電極が凸状に比較的厚く配置され、サイドマージン部が配置されていない領域は、外部電極が凹状に比較的薄く配置されることができる。
【0135】
本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品300において、第1及び第2サイドマージン部314、315は、第1及び第2面1、2の一部に延びて配置される第1延長部314-2、315-2をさらに含むことができ、第1延長部314-2、315-2は、第3及び第4面3、4から第2方向に一定間隔離隔Lm1していることができる。
【0136】
以下で説明する積層型電子部品300に関する説明のうち、上述した積層型電子部品100、200と同様の内容については説明を省略する。
【0137】
より具体的には、図15図17を参照して説明すると、第1サイドマージン部の第1延長部314-2a、314-2bは、第3及び第4面3、4のそれぞれから第2方向に離隔していることがあり、第2サイドマージン部の第2延長部315-2a、315-2bは、第3及び第4面3、4のそれぞれから第2方向に離隔していることがある。すなわち、サイドマージン部のメイン部314-1、315-1と第1延長部314-2、315-2は、接しない領域を含むことができる。
【0138】
この後、外部電極331、332を第1及び第2面1、2に塗布する際に、第1延長部314-2、315-2が配置された領域にまで塗布することができ、外部電極331、332は、第1延長部314-2、315-2を覆わないことにより外部電極331、332が第1方向の外側に厚くなることを防止して、積層型電子部品300の厚さ及びサイズを減らすことができる。
【0139】
すなわち、本実施形態に係る積層型電子部品300の場合、他の一実施形態に係る積層型電子部品100、200と異なり、外部電極がサイドマージン部上に配置されないことによって、サイドマージン部の厚さだけ外部電極が厚く配置されないことができ、図15のようにサイドマージン部が配置されていない領域に外部電極が配置されることにより、凸状または凹状をほとんど有さないか、有さないことができる。
【0140】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形、及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【0141】
また、本明細書で用いられた「一実施形態」という表現は、互いに同一の実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態において説明された事項が他の一実施形態に説明されていなくても、他の一実施形態においてその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に関連する説明として理解することができる。
【0142】
本明細書で用いられた用語は、単に一実施形態を説明するために用いられたものであり、本開示を限定する意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0143】
100 積層型電子部品
110 本体
111 誘電体層
112、113 カバー部
114、115 サイドマージン部
121、122 内部電極
131、132 外部電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図9a
図9b
図9c
図10
図11
図12
図13a
図13b
図13c
図14
図15
図16
図17