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特開2024-166071混合デバイスおよびそれを備える飲料混合装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166071
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】混合デバイスおよびそれを備える飲料混合装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20241121BHJP
   G07F 13/06 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
G07F13/06 101
G07F13/06 102
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024023337
(22)【出願日】2024-02-20
(31)【優先権主張番号】112118271
(32)【優先日】2023-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504429600
【氏名又は名称】緯創資通股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】WISTRON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 育儒
【テーマコード(参考)】
3E047
3E082
【Fターム(参考)】
3E047AA01
3E047AA02
3E047AA03
3E047DC08
3E082AA02
3E082BB01
3E082CC03
3E082DD20
3E082FF09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】大きい吐出範囲および流体圧により生じる、カップまたは調合ボトルのずれや飛び散りを効果的に避けることができる混合デバイスおよびそれを備える飲料混合装置を提供する。
【解決手段】混合デバイスは、本体と、複数の第1材料入口部21と、第2材料入口部22と、を備える。本体は、調合チャンバと、調合チャンバと流体連通する排出部122と、を備える。第1材料入口部21は、本体に接続される。第2材料入口部22は、本体に接続され、互いに離間する。第1材料入口部および第2材料入口部は、調合チャンバと流体連通し、第1材料入口部の内の少なくとも1つの第1入口方向は、第2材料入口部の第2入口方向と異なる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調合チャンバと、前記調合チャンバと流体連通する排出部と、を備える本体と、
前記本体に接続されている複数の第1材料入口部と、
前記本体に接続されている第2材料入口部と、
を備える混合デバイスであって、
前記複数の第1材料入口部および前記第2材料入口部は、前記調合チャンバと流体連通し、前記複数の第1材料入口部の内の少なくとも1つの第1入口方向は、前記第2材料入口部の第2入口方向と異なる、混合デバイス。
【請求項2】
第3材料入口部をさらに備え、前記第3材料入口部は、前記本体を通じて配置され、前記第3材料入口部は、出口端を有し、前記出口端は、前記排出部と流体連通し、前記出口端は、前記調合チャンバと流体連通せず、前記複数の第1材料入口部および前記第3材料入口部は、垂直に延在し、前記第2材料入口部は、水平に延在する、請求項1に記載の混合デバイス。
【請求項3】
前記複数の第1材料入口部の内の前記少なくとも1つの前記第1入口方向は、前記第2材料入口部の前記第2入口方向に垂直であり、前記調合チャンバは、リング形状であり、前記第2材料入口部は、前記調合チャンバに正接し、または、前記第2材料入口部は、前記調合チャンバを形成する前記本体の内面に垂直である、請求項1に記載の混合デバイス。
【請求項4】
前記調合チャンバは、リング形状であり、前記複数の第1材料入口部はそれぞれ、前記調合チャンバに連通する第1開口を有し、前記第2材料入口部は、前記調合チャンバに連通する第2開口を有し、前記第2材料入口部の前記第2開口は、前記複数の第1材料入口部の2つの近接した第1開口の間に配置される、請求項1に記載の混合デバイス。
【請求項5】
供給部を備える筐体と、
前記筐体内に収容された混合デバイスであって、
調合チャンバと、前記調合チャンバと流体連通する排出部と、を備え、前記排出部は、前記供給部に位置する、本体と、
前記本体に接続されている複数の第1材料入口部と、
前記本体に接続されている第2材料入口部と、を備える混合デバイスと、
を備える飲料混合装置であって、
前記複数の第1材料入口部および前記第2材料入口部は、前記調合チャンバと流体連通し、前記複数の第1材料入口部の内の少なくとも1つの第1入口方向は、前記第2材料入口部の第2入口方向と異なる、飲料混合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は混合デバイス、特に調合処理を実行するのに流体を送り込む混合デバイス、およびそれを備える飲料混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料業界は、各国において、重要な生活経済事業の一つである。生活水準が上がるにつれて、消費者は新鮮さと目新しさを求めるという心理的ニーズを満たすため、出来立ての飲料を好んで選ぶようになる。そのような需要に対して、多くの企業が、出来立て飲料の市場に投資を始めている。
【0003】
同時に、人件費が高騰する傾向が進んでいることを考慮して、一部のメーカーは、自動で飲料を供給できる機器の導入または開発を始めている。この種の機器の大きさは、一部の日常生活の場面により浸透するように、公共の場における一般的な冷水機と同様とすることができる。さらに、競争力を上げる目的で、一般的な自動飲料販売機はユーザが選択できるように、様々な飲料の選択肢を提供する。これにより、ユーザは迅速に出来立ての飲料を得るのに、自動飲料販売機の画面に表示されたメニューから選択するだけでよい。しかし、現状出回っている自動飲料販売機には、未だ改善すべき問題点がある。例えば、自動飲料販売機は、設定に応じて多孔ノズルを使用して混合用カップ内に各種飲料材料を注入する。その後、ユーザは混合用カップ内の材料を撹拌するのに、自動飲料販売機の電気ミキサーを使用する必要がある。カップ内の混合が済むと、ユーザは自身の持つカップ内にそれを注ぐ必要があり、その後、混合用カップを自動飲料販売機の洗浄機構を使用して洗浄する。この種の自動飲料販売機には以下の問題がある。各種飲料材料を提供するために、多孔ノズルは、過剰な吐出範囲と流体圧により、ずれや飛び散りなどの問題を伴うおそれがある。また、内蔵された電気ミキサー、洗浄機構、およびその他デバイスの使用は、電力消費を増やすだけでなく、ユーザ自身に煩わしい操作を実施することを要するため、ユーザ体験に悪影響を及ぼし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本開示は、従来の自動飲料販売機の問題を解決できる、混合デバイスおよびそれを備える飲料混合装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態は、混合デバイスを提供する。混合デバイスは、本体と、複数の第1材料入口部と、第2材料入口部と、を備える。本体は、調合チャンバと、調合チャンバと流体連通する排出部と、を備える。第1材料入口部は、本体に接続され、互いに離間する。第2材料入口部は、本体に接続される。第1材料入口部および第2材料入口部は、調合チャンバと流体連通し、第1材料入口部の内の少なくとも1つの第1入口方向は、第2材料入口部の第2入口方向と異なる。
【0006】
本開示の別の実施形態は、飲料混合装置を提供する。飲料混合装置は、筐体と、混合デバイスと、を備える。筐体は、供給部を備える。混合デバイスは、筐体内に収容され、本体と、複数の第1材料入口部と、第2材料入口部と、を備える。本体は、調合チャンバと、調合チャンバと流体連通する排出部と、を備え、排出部は、供給部に位置する。第1材料入口部は、本体に接続される。第2材料入口部は、本体に接続される。第1材料入口部および第2材料入口部は、調合チャンバと流体連通し、第1材料入口部の内の少なくとも1つの第1入口方向は、第2材料入口部の第2入口方向と異なる。
【発明の効果】
【0007】
上述の実施形態に記載の、混合デバイスおよびそれを備える飲料混合装置によると、混合デバイスの本体の調合チャンバの異なる側が、第1材料入口部および第2材料入口部と流体連通する。混合デバイスが、材料入口部の内の1つ(例えば、第2材料入口部)における材料の注入圧力を上げることで全材料の調合を促進するように調合チャンバ内に渦または乱流を生成でき、調合された材料を単一の出口(本体の排出部)を通じて均一に供給できるように、本体は排出部が調合チャンバと流体連通している。
【0008】
材料が調合チャンバ内で渦または乱流により調合され、その後排出部に集約されるため、調合された材料は、単一の出口を通じて混合デバイスから流出することができ、調合された材料の圧力は、排出部に流れる際に大幅に低減される。したがって、様々な材料をカップまたは調合ボトルに、複数の出口を通じて同時に注入し、その後材料を調合する従来の飲料機器と比較して、本開示の混合デバイスは、大きい吐出範囲および流体圧により生じる、カップまたは調合ボトルのずれや飛び散りの問題などの問題を効果的に避けることができる。
【0009】
さらに、上述の構成によると、材料入口部の内の1つ(例えば、第2材料入口部)からの材料の速度または流量を調整することで、混合デバイスは所望の渦または乱流を生成可能である。これにより、材料入口部(例えば、第1材料入口部)から調合チャンバに入る材料の調合と希釈が促進される。すなわち、混合デバイスは、材料を所望のとおりに調合可能である。したがって、電気撹拌システムを設ける必要がないため、混合デバイスのコストが低減される。
【0010】
さらに、混合デバイスにより生成された渦または乱流は同時に、調合チャンバ内に材料が残ることを防止するように、調合チャンバの内面を洗浄可能である。この結果、混合デバイスを分解して洗浄する必要がない。あるいは、分解および洗浄処理の頻度が低減され得る。さらに、追加の洗浄機構を配置する必要がないため、手間や製造コストが抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下に提供される詳細な説明、および添付の図面から本開示がよりよく理解される。図面は以下のとおりであり、あくまで例示として提供されるものであるため、本開示を限定する意図はない。
図1】本開示の一実施形態に係る飲料混合装置の斜視図である。
図2図1における飲料混合装置の供給部を示す部分拡大図である。
図3図1における飲料混合装置の混合デバイスの斜視図である。
図4図1における飲料混合装置の混合デバイスの斜視図である。
図5図4における混合デバイスの展開図である。
図6図4における混合デバイスの斜視底面図である。
図7図4における混合デバイスの部分断面斜視図である。
図8図4における混合デバイスの動作時における上面図である。
図9】本開示の別の実施形態に係る混合デバイスの動作時における上面図である。
図10】本開示の別の実施形態に係る混合デバイスの部分断面斜視図である。
図11】本開示の別の実施形態に係る混合デバイスの動作時における上面図である。
図12】本開示の別の実施形態に係る混合デバイスの斜視底面図である。
図13】本開示の別の実施形態に係る混合デバイスの簡易的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を伴う以下の詳細な説明から、本開示の態様および利点が明らかになる。このような詳細を含めることで、当業者が記載の実施形態を十分に実施できるように、本開示が完全に理解されるが、あくまで例示目的であり、本開示を限定するものと解されるべきではない。一方で、添付の請求項で定義された記載の実施形態の要旨および範囲に含まれ得る代替、変形、および均等物を網羅することが意図される。このために、該当技術の当業者は、本開示の利点を損なうことなく、本明細書に記載の本開示の各種態様に多数の変更が行われ得ることを理解および認識するであろう。本開示の所望の効果の一部は、本開示の一部の特徴を選択し、その他特徴を利用することなく実現され得ることが理解されよう。
【0013】
「端」、「部」、「部位」、「領域」、および「箇所」などの用語が以下に、特定の要素および構造、あるいはその上または間の特定の技術的特徴を表現するのに使用され得る。ただし、これら要素および構造はこれら用語により限定されない。さらに「実質的」、「約」、および「略」などの用語が以下の説明において、期待される結果を損ねることなく、変更された状態またはイベントで生じ得る、妥当または許容範囲内のずれ量を表現するのに使用され得る。さらに以下では、「少なくとも1つ」が、言及される要素の数を表し得るが、明確に記載されない限り、その数が「1つのみ」である場合に限定されないことを示すのに使用され得る。「および/または」という用語が、本明細書において記載の2つの可能性の一方または両方を示すのに使用され得る。さらに以下で、「流体連通」という用語が、2つの物体により画定された空間が、その間に流体が流れられるようにするように連通する状態を表すのに使用され得る。
【0014】
最初に、図1および2を参照すると、本開示の一実施形態は、飲料混合装置9を提供する。飲料混合装置9は、筐体90を備え得る。筐体90は、飲料混合装置9の外観を呈し、所望のデバイス、構成要素、アセンブリ、または要素を支持または収容する、飲料混合装置9の部分と称され得る。例えば筐体90は、供給部91を有し得、供給部91は飲料混合装置9から最終調合製品(不図示)が流出する筐体90の部位と称される。本開示に記載の、当該最終調合製品は、ジュース、茶、コーヒー、またはカクテルなどの飲料であり得るが、飲料混合装置9により提供される最終調合製品の種類は本開示で限定されない。例えば、実際の要件に応じて、飲料混合装置9は、その供給部91を通じて、食用ペクチンおよび/または果肉などの固形材料を含む最終調合製品を提供し得る。あるいは、飲料混合装置9は、その供給部91を通じて、飲用または食用ではない液体、または固体と液体の混合物を含む最終調合製品を提供し得る。
【0015】
任意で筐体90は、容器8を置くための支持台92を有し得る。支持台92は、適切な距離だけ供給部91から離間し、供給部91に対向配置され得る。支持台92は筐体90の、容器8を支持または位置決めする部分となるが、本開示はそれに限定されない。容器8は、フラスコ、紙コップ、ガラスボトル、またはマグカップであり得るが、容器8の種類は本開示において限定されない。図示のように、容器8が支持台92上に配置されると、容器8は、供給部91から流出する最終調合製品を受けるように、供給部91の下に位置し得る。
【0016】
さらに、飲料混合装置9はさらに混合デバイス1を備え得る。混合デバイス1は、筐体90内に収容され得、最終調合製品を供給部91に供給するように、筐体90の供給部91に対応する。さらに、混合デバイス1は、最終調合製品が供給部91に提供される前に、最終調合製品を構成する各種材料を、所定の方法で調合し得る。すなわち、混合デバイス1は、最終調合製品の製法に応じて、筐体90内で各種材料を迅速、かつ均一に調合および混合し得る。本明細書に記載の材料は、所望の最終調合製品に応じて選択され得る。材料は、濃縮ジュース、茶、コーヒー粉または豆、ミルク、ベースアルコール、果実、食用ペクチンなどの液体および/または粉末であり得るが、本開示はそれに限定されない。さらに、各材料の濃度、割合、および実際の成分は、最終調合製品の製法に応じて調整され得るが、本開示はそれに限定されない。なお、材料は具体的に図示されないが、一部の図では、これら材料の流れる方向が矢印で示され得る。
【0017】
次に、図3から7を参照して、以下に混合デバイス1をさらに紹介する。この実施形態において、混合デバイス1は、本体10、1または複数の第1材料入口部21、第2材料入口部22、および第3材料入口部23を有し得る。一般的に、本体10は、排出部122を有し得る。排出部122は、筐体90の供給部91から露出し得る。排出部122は、完全に調合された材料を含む最終調合製品を排出するための、混合デバイス1の経路、流路、またはパイプとなる。ここで、排出部122は、中心軸Cを有するように画定される。第1材料入口部21は、例えば、濃縮飲料が流れる入口部である。第1材料入口部21は、例えば互いに同一の外径となるが、それに限定されない。第2材料入口部22は、例えば、加圧水が流れる入口部である。第1材料入口部21および第2材料入口部22は、本体10と流体連通する。すなわち、第1材料入口部21および第2材料入口部22は、本体10の経路、流路、開口、またはパイプ内に材料を導入するように、材料を受ける、混合デバイス1の経路、流路、開口、またはパイプである。第3材料入口部23は、本体10上に配置されるが、本体10に囲まれたチャンバ(例えば、後述する調合チャンバS)と直接流体連通しない。
【0018】
より具体的には、この実施形態において、本体10は、第1部分11と、第2部分12とを有し得る。第1部分11は、例えば、ねじを介して第2部分12に固定され得る。しかし、本開示はそれに限定されない。第1部分11と、第2部分12との間の接触部が液密に保たれ、漏れが生じない限り、第1部分11と、第2部分12とは、ボルト、接着剤、スナップフィット方式などその他手段で互いに固定され得ることが理解されたい。
【0019】
第1部分11は、突出構造111を有し得る。突出構造111は、例えば、第2部分12に面する、第1部分11の片側から突出し得る。第2部分12は、第1部分11の突出構造111を収容する収容空間121を有し得る。第1部分11が第2部分12に接続されると、第1部分11の突出構造111は第2部分12の収容空間121内に位置する。このとき、突出構造111の外面と、第2部分12の内面が共に調合チャンバSを囲い、画定する。調合チャンバSは、排出部122と流体連通し、材料が混合物へと調合されるようにその内部を流れることを可能とする、本体10の内部空間である。図示のように、排出部122は、調合チャンバSの片側と流体連通し得る。
【0020】
上述の第1材料入口部21および第2材料入口部22は、本体10の第1部分11に接続され、本体10の調合チャンバSと流体連通し得る。任意で、第1材料入口部21および第2材料入口部22は、複数のスリーブパイプ7を通じて、材料供給源(不図示)に接続され得る。材料供給源は、筐体90内に収容された容器であり得るが、これに限定されない。材料供給源は、実際の要件に応じて、濃縮ジュース、飲料水、炭酸水などの、最終調合製品に調合されるのに適した流体を収容し得る。任意で、第1材料入口部21は、例えば排出部122の中心軸Cを囲うように配置され得、第1材料入口部21は互いに離間し得、第1材料入口部21は互いに等しい外径を有する。任意で、第2材料入口部22は、例えば、排出部122の中心軸Cからずれて配置され得る。言い換えると、調合チャンバSが円、またはリング形状である場合、第2材料入口部22は、調合チャンバSに正接し得、または調合チャンバSを形成する本体10の内面に垂直であり得る。
【0021】
したがって、混合デバイス1は、第1材料入口部21および第2材料入口部22を通じて1または複数の所要材料を受け得、材料は調合チャンバS内に注がれて調合される。さらに、ポンプ(不図示)が、第1材料入口部21および第2材料入口部22に接続されたスリーブパイプ7と、材料供給源との間の通路の少なくとも1つに、選択的に設けられ得る。ポンプは、材料入口部の内の少なくとも1つ(例えば第2材料入口部22)における材料を、所定の、速度、流量、および圧力で調合チャンバSに流入することを可能とする。しかし、本開示は、材料をポンプまたはその他具体的な方法で、調合チャンバS内に送り込むことに限定されない。
【0022】
前述の排出部122は、第1部分11に対向する第2部分12の片側上に配置され、またはそこから突出し、本体10の調合チャンバSと流体連通し得る。したがって、混合デバイス1の排出部122は、排出部122が供給部91から露出する位置に配置されるように、筐体90の供給部91を通じて配置され得る。さらに、混合デバイス1は、調合チャンバS内で調合された混合物を、排出部122に集約して、混合物を外部に排出可能である。
【0023】
上述の第3材料入口部23は、本体10の第1部分11上に配置され得るが、本体10の外周において、調合チャンバSに直接流体連通しない。具体的に、第3材料入口部23は、第1部分11を貫通し、第2部分12の排出部122に向かって延在する経路、流路、開口、またはパイプであり得る。任意で、第3材料入口部23は、排出部122の中心軸C上に配置され得る。任意で、第3材料入口部23は、排出部122内に配置され、排出部122から露出した出口端231を有し得る。任意で、第3材料入口部23は、スリーブパイプ7の1つを通じて、材料供給源(不図示)に接続され得る。第3材料入口部23は調合チャンバSに直接流体連通せず、第3材料入口部23が排出部122と直接流体連通するように、出口端231が排出部122内に部分的に配置されることが理解されよう。したがって、混合デバイス1内では、第3材料入口部23から得られた材料は、調合チャンバSにおいて、第1材料入口部21および第2材料入口部22から得られた材料(複数可)と調合されない。
【0024】
より具体的には、この実施形態において、第1材料入口部21および第2材料入口部22は、それぞれ本体10の第1部分11の異なる側に接続され得、これにより調合チャンバSの異なる側と流体連通する。例えば、材料が、第1方向D1に沿って、排出部122からより離れた、調合チャンバSの片側から、調合チャンバSに材料が流入し得るように、第1材料入口部21は全て、第2部分12からより離れた、第1部分11の片側(例えば、本体10の上側)に接続され得る。一方、第2方向D2に沿って、調合チャンバSの横側から調合チャンバS内へと材料が流入し得、材料が調合チャンバSの内壁に沿って下方に流れ得るように、第2材料入口部22は、水平に延在するように、第1部分11の側面(例えば、本体10の横側)に接続され得る。上記第1方向D1は、排出部122の中心軸Cに略平行であり得るがこれに限定されない。上記第2方向D2は、第1方向D1に対して傾斜し得る(例えば、90°)が、これに限定されない。すなわち、第1材料入口部21の第1入口方向D1は、第2材料入口部22の第2入口方向D2と異なる。この実施形態において、第1材料入口部21の第1入口方向D1は互いに平行であるが、本開示はそれに限定されない。いくつかのその他実施形態において、第1材料入口部の内の少なくとも1つの第1入口方向が、第2材料入口部の第2入口方向と異なる限り、第1材料入口部の第1入口方向は互いに平行でなくてもよい。すなわち、第1材料入口部の第1入口方向は一部異なり得る。
【0025】
図6に示すように、第1材料入口部21はそれぞれ、調合チャンバSに連通する第1開口211を有し、第2材料入口部22は、調合チャンバSに連通する第2開口221を有する。第2材料入口部22の第2開口221は、例えば、第1材料入口部21の2つの近接した第1開口211の間に配置されるが、これに限定されない。
【0026】
さらに、この実施形態において、第3材料入口部23は実質的に、排出部122の中心軸C上に配置され得る。第3材料入口部23は、排出部122の近くに第3材料入口部23の出口端231が配置されるように、調合チャンバSを通じて貫通するように延在し得る。したがって、第3材料入口部23は、材料が中心軸C(または第1方向D1)に沿って、排出部122に配置された出口端231に流れることができるように、例えば垂直に延在し得る。
【0027】
混合デバイス1の動作を明確に示すように、図1から3および7から8を共に参照する。以下では、例として、飲料混合装置9を、飲料機器とする。状況によっては、第1材料入口部21の少なくとも1つ、または一部は、スリーブパイプ7を介して、事前に1種類または様々な種類の濃縮ジュースを収容した、筐体90内の材料供給源に、それぞれ接続され得る。第2材料入口部22は、スリーブパイプ7の内の1つを通じて、事前に飲料水を収容した、筐体90内の材料供給源に接続され得る。第3材料入口部23は、スリーブパイプ7の1つを通じて、事前に炭酸水を収容した、筐体90内の材料供給源に接続され得る。このような構成において、飲料混合装置9は、特定の種類の濃縮ジュース、飲料水、および炭酸水を、ユーザが選択した飲料の製法に応じて、所望の流速および流量で、第1材料入口部21、第2材料入口部22、および第3材料入口部23に供給し得る。
【0028】
具体的には、図7および8の矢印で示すように、本体10の上側から、第1材料入口部21を通じて、調合チャンバS内に、濃縮ジュースなどの材料が流入し得る。第1材料入口部21の誘導、または重力に基づいて、濃縮ジュースは、第1方向D1に沿って、調合チャンバS内に流入し得る。同時に、飲料水などの材料が、本体10の横側から、第2材料入口部22を通じて、調合チャンバS内に流入し得る。第2材料入口部22の誘導と、飲料水を送り込む圧力とに基づいて、飲料水が、第2方向D2に沿って、調合チャンバS内に流入し得る。これにより、調合チャンバSの内面に沿って、または第3方向D3に沿って突出構造111(または排出部122の中心軸C)周りに流れる渦または乱流が、調合チャンバS内に形成される。この渦または乱流は、第1材料入口部21から調合チャンバS内に流入する濃縮ジュースに直接接触し得る。これにより、濃縮ジュースが渦または乱流内へと合流する。飲料水および濃縮ジュースは、渦または乱流内で均一および完全に調合され、重力により、調合チャンバSの下に配置された排出部122に向かって徐々に集約され、その後、排出部122から流出し得る。さらに、飲料水と、濃縮ジュースとの混合物が、排出部122から流出すると、炭酸水などの材料が、排出部122のより近くに配置された、本体10の領域に直接流れ得る。したがって、炭酸水と、飲料水と、濃縮ジュースとが、最終調合製品へと調合可能である。この結果、図1および2に示すように、最終調合製品は筐体90の供給部91から流出し、支持台92上の容器8内へと注がれ得る。これにより、飲料の供給処理が完了する。
【0029】
この結果、混合デバイス1が筐体90内での飲料材料の調合を完了すると、混合デバイス1は、飲料を単一の出口(すなわち、排出部122)を通じて、ユーザの容器8に供給できる。さらに、混合デバイス1は主に、材料入口部の内の1つ(例えば、第2材料入口部22)を利用して、調合チャンバS内で調合される材料を送り込む、高圧駆動力を提供する。材料による最終調合製品形成圧力は、排出部122に流れる際に大幅に低減する。したがって、各種材料を同時にカップまたは調合ボトルに、複数の出口を通じて注入し、その後材料を調合する従来の飲料機器と比較して、この実施形態の混合デバイス1により、大きな吐出範囲と流体圧により生じる、ずれおよび飛び散りの問題などの問題を効果的に避けられる。
【0030】
さらに、混合デバイス1において、第1材料入口部21の第1入口方向は、第2材料入口部22の第2入口方向と異なる。これにより、混合デバイス1は、材料の流速および流量を単純に調整することで様々な種類の材料を調合可能である。したがって、電気撹拌システムを提供する必要が一切ないため、混合デバイス1のコスト減が図られる。
【0031】
さらに、混合デバイス1内で、第2材料入口部22は、調合チャンバS内で、飲料水の渦または乱流を生成する。これは、第1材料入口部21により提供される濃縮ジュースに調合され、それを希釈するものである。したがって、渦または乱流は同時に、濃縮ジュースが排出部122に集約されると、濃縮ジュースが調合チャンバS内に残ることを防止するように、調合チャンバSの内面を洗浄し得る。この結果、混合デバイス1を分解して洗浄する必要がない。あるいは、分解および洗浄処理の頻度が低減され得る。また、追加の洗浄機構を配置する必要がないため、手間および製造コストが抑えられる。
【0032】
なお、材料の種類、調合チャンバSに流入する材料の流速、流量、および圧力は、ユーザにより選択された飲料の製法に応じて変更され得、本開示で限定されない。
【0033】
さらに、材料の内の1つによる、別の材料と調合される渦または乱流の生成が促進される限り、本開示は上述の実施形態の混合デバイスの構造であることに限定されない。以下の段落は、上述の実施形態の混合デバイスと同様または同じ効果を実現し得る、本開示の別の実施形態を紹介する。簡潔な説明として、以下の段落は単に、上述の実施形態と、以下の実施形態との間の違いを紹介する。これら実施形態における同様または同じ部分は、すでに紹介した関連段落から理解され得るため、以下で繰り返し紹介することはない。
【0034】
図9を参照して、本開示の別の実施形態は、混合デバイス1aを提供する。第2材料入口部22は、例えば、排出部122中心軸Cに対応し得、第2材料入口部22の延在方向は、排出部122の中心軸Cを通過し得る。言い換えると、第2材料入口部22は、中心軸Cの径方向の内の1つに配置され得る。このような場合、図の矢印に示すように、第2材料入口部22から調合チャンバS内に入る材料は、例えば、異なる方向に流れるように分割され得る(たとえば、第3方向D3、および第4方向D4)。これにより、第1材料入口部21からの材料が、第2材料入口部22からの材料と調合されること、およびそれに希釈されることが促進される。
【0035】
図10を参照して、本開示の別の実施形態は、混合デバイス1bを提供する。本体10’の第1部分11’は、上述の実施形態における第3材料入口部が設けられてない。
【0036】
図11を参照して、本開示の別の実施形態は、混合デバイス1cを提供する。調合チャンバSを形成する本体10の内面は、適切な形状および大きさの突出構造40が設けられ得る。これは、調合チャンバS内に形成される渦または乱流の乱れを促進する。したがって、材料同士の調合に寄与する。任意で、突出構造40は、例えば、排出部122の中心軸Cの周りに配置され得るが、本開示はそれに限定されない。
【0037】
図12を参照して、本開示の別の実施形態は混合デバイス1c’を提供する。本体10の内面は、少なくとも1つの螺旋状突出構造40’が設けられ得る。これは、調合チャンバS内に形成される渦の誘導および巻き数増を促進する。したがって、材料同士の調合に寄与する。任意で、突出構造40は、排出部122の中心軸C周りの螺旋状構造であり得るが、本開示はそれに限定されない。
【0038】
図13を参照して、本開示の別の実施形態は、混合デバイス1dを提供する。本体10の排出部122は、付属品50が設けられ得る。付属品50は、例えばバルブ(手動バルブまたは電動バルブ)またはポンプであり得る。付属品50が手動バルブまたは電動バルブである場合、付属品50は、材料が完全に調合されると選択的に開かれ得る。これにより、排出部122から流出する混合物が、所定の調合度であることが保証される。付属品50がポンプである場合、付属品50は、材料が完全に調合された後のみに起動されるだけでなく、排出部122から流出する混合物の流速を制御し得る。
【0039】
なお、上述の実施形態は例示的で、本開示で限定されない。本技術の当業者であれば、上述の実施形態を確認のうえで、実際の要件に応じて、本開示の混合デバイスを変更し得る。例えば、所望の最終調合製品の種類に応じて、第1材料入口部および第2材料入口部の数が変更され得る。さらに、混合デバイスの本体は、第1部分と第2部分とを組み付けて形成されることに限定されない。例えば、いくつかの別の実施形態において、混合デバイスの本体は、3D印刷技術により、単一部品で形成され得る。これは、本体の第1部分が、第2部分に一体的に接続されていると解され得る。さらに、第1材料入口部、第2材料入口部、および第3材料入口部は、3D印刷技術により、本体に一体的に接続され得る。これは、本体、第1材料入口部、第2材料入口部、および第3材料入口部が、単一で一体的な部品で形成されるものと解釈され得る。
【0040】
さらに、第1材料入口部から調合チャンバ内へと材料が入ることが可能である限り、いくつかの別の実施形態において、第1材料入口部は、本体の上部に配置されなくてもよく、第1材料入口部は、排出部の中心軸に対して鋭角に、本体上に配置され得る。あるいは、いくつかの別の実施形態において、混合物の排出部分への集約を促進するため、本体の、排出部を囲う部分は、スロープ付きの漏斗状であり得る。あるいは、いくつかの別の実施形態において、第3材料入口部の出口端は、本体の排出部の開口と面一であり得る。あるいは、実際の要件に応じて、排出部の開口から離間し、本体の調合チャンバ内に配置され得る。あるいは、いくつかの別の実施形態において、第2材料入口部から調合チャンバに入る材料が、調合チャンバ内の材料が完全に調合できるように渦または乱流を生成できる限り、本体の突出構造は省略され得る。
【0041】
上記実施形態に記載の混合デバイスとそれを備える飲料混合装置によると、混合デバイスが飲料の材料を筐体内で調合し終えると、混合デバイスは、単一の出口(すなわち、排出部)を通じて飲料をユーザの容器に供給できる。さらに、混合デバイスは主に、材料入口部の内の1つ(例えば第2材料入口部)を利用して、調合チャンバ内で調合する材料を送り込む、高圧駆動力を提供し、材料による最終調合製品形成の圧力は、排出部に流れる際に大幅に低減する。したがって、様々な材料をカップまたは調合ボトルに、複数の出口を通じて同時に注入し、その後材料を調合する従来の飲料機器と比較して、本開示の混合デバイスは、大きい吐出範囲および流体圧により生じる、カップまたは調合ボトルのずれや飛び散りの問題などの問題を効果的に避けることができる。
【0042】
さらに、混合デバイスにおいて、第1材料入口部の第1入口方向は、第2材料入口部の第2入口方向と異なる。これにより、混合デバイスは、材料の流速および流量を単純に調整することで様々な種類の材料を調合可能である。したがって、電気撹拌システムを提供する必要が一切ないため、混合デバイスのコスト減が図られる。
【0043】
さらに、混合デバイス内で、第2材料入口部は、調合チャンバ内で、飲料水の渦または乱流を生成する。これは、第1材料入口部により提供される濃縮ジュースに調合され、それを希釈するものである。したがって、渦または乱流は同時に、濃縮ジュースが排出部に集約されると、濃縮ジュースが調合チャンバ内に残ることを防止するように、調合チャンバの内面を洗浄し得る。この結果、混合デバイスを分解して洗浄する必要がない。あるいは、分解および洗浄処理の頻度が低減され得る。追加の洗浄機構を配置する必要がないため、手間および製造コストが抑えられる。
【0044】
当業者には、本開示が様々に変更および変形できることが理解されよう。詳細および例はあくまで例示的実施形態として捉えられることが意図され、本開示の範囲は以下の請求項およびその均等物により示される。
【符号の説明】
【0045】
1、1a、1b、1c 混合デバイス、7 スリーブパイプ、10、10’ 本体、11、11’ 第1部分、12 第2部分、21 第1材料入口部、22 第2材料入口部、23 第3材料入口部、40、40’ 突出構造、50 付属品、90 筐体、91 供給部、111 突出構造、121 収容空間、122 排出部、211 第1開口、221 第2開口、231 出口端、S 調合チャンバ、C 中心軸、D1 第1方向、D2 第2方向、D3 第3方向、D4 第4方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図13