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特開2024-166075動力システムの制御システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166075
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】動力システムの制御システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 3/00 20190101AFI20241121BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20241121BHJP
   B60L 50/70 20190101ALI20241121BHJP
   B60L 58/18 20190101ALI20241121BHJP
【FI】
B60L3/00 H
B60L50/60
B60L50/70
B60L58/18
B60L3/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024030445
(22)【出願日】2024-02-29
(31)【優先権主張番号】63/502,510
(32)【優先日】2023-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/437,374
(32)【優先日】2024-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519447732
【氏名又は名称】トランスポーテーション アイピー ホールディングス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100232275
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 宣喜
(72)【発明者】
【氏名】クマル,アジス クッタネール
【テーマコード(参考)】
5H125
【Fターム(参考)】
5H125AA05
5H125AC07
5H125AC08
5H125AC12
5H125BC28
5H125CC01
5H125DD08
5H125EE27
5H125EE52
5H125EE53
5H125EE55
5H125EE62
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両システムの動作状態を監視し、現在利用可能なものとは異なる方法でイベントの発生を特定するシステムを提供する。
【解決手段】システムおよび方法は、1つ以上のセンサ130A、130B、130C、130D、130E、130Fから受信したデータに少なくとも部分的に基づいて、車両の1つ以上の動作状態を特定することと、車両の1つ以上の動作状態の変化が車両に関わるイベントを示すか否かを判定することとを含む。イベントの発生を判定することに応じて、車両の1つ以上の車載電源に関わる応答アクションを開始する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって
1つ以上のセンサから受信したデータに少なくとも部分的に基づいて、車両の1つ以上の動作状態を特定することと、
前記車両の前記1つ以上の動作状態の変化が、前記車両に関わるイベントを示すか否かを判定することと、
前記イベントの発生を判定することに応じて、前記車両の1つ以上の車載電源に関わる応答アクションを開始することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記イベントは、衝突イベント、脱線イベント、または浸水イベントのうちの1つ以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記応答アクションを開始することは、前記車両に搭載された前記1つ以上の車載電源を無効にすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の車載電源は、互いに異なる2つ以上の車載電源を含み、
前記2つ以上の車載電源のそれぞれに関連する異なる応答アクションを開始することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記異なる応答アクションは、前記2つ以上の車載電源のうちの1つ以上の他のものに対する、前記2つ以上の車載電源のそれぞれの位置、または前記2つ以上の車載電源の種類、または前記2つ以上の車載電源の1つもしくは両方の充電状態に少なくとも部分的に基づく、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記イベントの大きさに少なくとも部分的に基づいて、複数の異なる応答アクションの中から前記応答アクションを選択することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記応答アクションを開始することは、前記1つ以上の車載電源を前記車両に結合する1つ以上の取付部品の検査または修理を開始することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上のセンサは、加速度センサ、傾斜計、ジャイロセンサ、速度センサ、全地球測位センサ、衝撃センサ、カメラ、または圧力センサのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上のセンサから受信したデータに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の異なる種類のイベントから前記イベントの種類を特定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記イベントの種類に基づいて、開始する前記応答アクションを選択することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記車両の1つ以上の異なる位置における前記1つ以上の動作状態を特定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記イベントが決められた閾値を超えたと判定することに応じて、前記車両の移動を停止させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
複数のイベント中の前記車両の前記1つ以上の動作状態を分析することと、決められたイベントの閾値数を超える前記複数のイベントの数に基づいて、前記応答アクションを決定することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記車両が移動するように構成された経路の一部の状態に関連するデータを受信することと、
前記経路の一部の状態に少なくとも部分的に基づいて、前記1つ以上の動作状態の変化が前記イベントを示すか否かを判定することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記経路の一部の状態に少なくとも部分的に基づいて前記1つ以上の動作状態の変化が前記イベントを示すか否かを判定することは、前記車両が前記経路の一部に沿って移動する前に行われる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記車両の運転者が前記車両から降りている間に、前記車両の前記1つ以上の動作状態の変化が前記イベントを示すか否かを判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
システムであって、
車両の動作を制御するように構成された1つ以上のプロセッサを含むコントローラを備え、
前記コントローラは、1つ以上のセンサから受信したデータに少なくとも部分的に基づいて、前記車両の1つ以上の動作状態を特定するように構成され、
前記コントローラは、前記車両の前記1つ以上の動作状態の変化が、前記車両に関わるイベントを示すか否かを判定するように構成され、
前記コントローラは、前記イベントの発生を判定することに応じて、前記車両の1つ以上の車載電源に関わる応答アクションを開始するように構成されている、
システム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記イベントの発生を判定することに応じて、前記1つ以上の車載電源を無効にするように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記コントローラは、前記イベントの大きさに少なくとも部分的に基づいて、複数の異なる応答アクションの中から前記応答アクションを選択するように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
方法であって、
経路に沿って移動するように構成された車両に対するイベントの発生を特定することであって、前記車両は、1つ以上の車載電源を含み、前記イベントは、衝突イベント、脱線イベント、または浸水イベントのうちの1つ以上である、イベントの発生を特定することと、
前記イベントの発生を特定することに応じて応答アクションを決定することであって、前記応答アクションは、前記1つ以上の車載電源に対する検査または保守のうちの1つ以上を含む、応答アクションを決定することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2023年5月16日に出願された米国仮出願第63/502,510号の優先権を主張する。この出願の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載される主題は、動力システムの制御システムおよび動力システムの動作を制御する方法に関する。
【0003】
電気自動車システムなどの電動システムは、電気自動車システムの車載に蓄積された電流によって電力が供給され得る。例えば、電気自動車システムは、バッテリパックおよび/または他の電力貯蔵デバイスなどの複数の電源を含み得る。バッテリパックは、車載電源(例えば、オルタネータまたは発電機)および/または車外電源(例えば、バッテリパックと電気的に結合された充電ステーション、懸垂線、電化された第3軌条など)から電流を受け取り得る。電源は、電流を受け取って蓄積し、推進システム、補助システム、ブレーキシステムなど、車両システムの1つ以上のシステムに電流を供給し得る。
【0004】
車両システムの動作中に、電源(または車両システムの熱管理システムの構成要素など、車両システムの他の構成要素)を危険にさらす可能性のあるイベントが発生する場合がある。例えば、2つの車両間の連結イベント中に、一方の車両が他方の車両(または他の物体)と閾値を超える速度で衝突し、1つ以上の電源の取付け構造が故障または破損する場合がある。イベント発生時にオペレータが車両システムに搭乗している場合、オペレータは、車両システムが、電源の破損を引き起こした可能性のある付加的な力を受けていたことを認識することができる。しかし、オペレータが車両に搭乗しておらず、イベントを目撃しておらず、および/または搭載されている様々な機器への影響を認識していない場合、電源の危険な状態を認識できない可能性がある。イベント中に電源が危険にさらされたにもかかわらず、検査および/または修理が行われない場合、電源の寿命が短くなったり、電源が正しくまたは効率的に動作しなくなったりするなどの可能性がある。
【0005】
車両システムの動作状態を監視し、現在利用可能なものとは異なる方法でイベントの発生を特定するシステムを有することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0006】
一例または一態様に従って、方法は、1つ以上のセンサから受信したデータに少なくとも部分的に基づいて、車両の1つ以上の動作状態を特定することと、車両の1つ以上の動作状態の変化が車両に関わるイベントを示すか否かを判定することとを含む。イベントの発生の判定に応じて、車両の1つ以上の車載電源を含む応答アクションを開始する。
【0007】
別の実施例または別の態様に従って、システムは、車両の動作を制御するための1つ以上のプロセッサを有するコントローラを含む。コントローラは、1つ以上のセンサから受信したデータに少なくとも部分的に基づいて、車両の1つ以上の動作状態を特定する。コントローラは、車両の1つ以上の動作状態の変化が、車両に関わるイベントを示すか否かを判定する。コントローラは、イベントの発生の判定に応じて、車両の1つ以上の車載電源に関する応答アクションを開始する。
【0008】
別の実施例または別の態様に従って、方法は、経路に沿って移動するように構成された車両に対するイベントの発生を特定することを含む。車両は、1つ以上の車載電源を含む。イベントは、衝突イベント、脱線イベント、および/または浸水イベントであってもよい。イベントの発生の特定に応じて、応答アクションを決定する。応答アクションは、1つ以上の車載電源に対する検査または保守のうちの1つ以上を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本主題は、添付の図面を参照して、以下の非限定的な実施形態の説明を読むことにより理解され得る。
【0010】
図1】一実施形態に従う、動力システムの概略図を示す。
図2】一実施形態に従う、車両の第1の側断面図を示す。
図3】一実施形態に従う、図2に示す車両の第2の側断面図を示す。
図4】一実施形態に従う、車両の電源に関連する回路の概略図を示す。
図5】一実施形態に従う、図4に示す車両の一連のバッテリの拡大図を示す。
図6】一実施形態に従う、車両の動作を監視および制御するための方法の一例のフローチャートを示す。
図7】一実施形態に従う、イベントが発生していないことを示す車両の動作速度を表すグラフを示す。
図8】一実施形態に従う、1つ以上のイベントが発生したことを示す車両の動作速度を表すグラフを示す。
図9】一実施形態に従う、車両のイベントに関連する応力レベルの棒グラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で説明する主題の実施形態は、動力システム、ならびにイベントの発生の特定に応じて動力システムの動作の監視および/または制御に関する。好適な動力システムは、車両システムであってよく、イベントは、衝突イベント(例えば、車両が他の車両または他の物体と衝突するイベント)、脱線イベント(例えば、車両システムが移動する線路から車両が脱線する、または線路から外れるイベント)、浸水イベント(例えば、動力システムが大量の水もしくは他の流体を受ける、および/または大量の水もしくは他の流体に曝されるイベント)などであってよい。イベントの発生、またはイベントの大きさは、動力システムの1つ以上の構成要素および/またはシステムを危険にさらす場合がある。例えば、衝突イベントは、動力システムに搭載された電源の取付け構造、電気的な結合(例えば、2つ以上の電源間、電源とトラクションモータ間など)、冷却材接続(例えば、動力システムの熱管理システムの構成要素間)などを危険にさらす、および/または故障させる場合がある。別の例として、浸水イベントにより、動力システムの1つ以上の電源および/または他の電気的な構成要素が短絡する場合がある。
【0012】
動力システムのコントローラは、動力システムに搭載されたおよび/または搭載されていない1つ以上のセンサから検知データを受信し、検知データに少なくとも部分的に基づいて、動力システムの動作状態または動作状態の変化を監視する。センサは、動力システムの動作状態を監視するために既に確立されていてもよい(例えば、加速度センサ、全地球測位システムセンサ、速度センサ、温度センサ、衝撃センサなど)。
【0013】
コントローラは、検知データを監視し、動力システムの動作状態、および/または動力システムの動作状態の変化に基づいて、1つのイベントまたは一連のイベントが発生したか否かを判定する。イベントが発生したとコントローラが判定すると、コントローラは、行う応答アクションを選択および/または開始する。発生したイベントの種類、イベントの大きさ、発生した以前のイベントの数などに基づいて、1つ以上の異なる応答アクションを選択および/または開始することができる。
【0014】
図1は、一実施形態による動力システム100を示す。動力システムは、鉄道車両、自動車、トラック(トレーラー付きまたはトレーラー無し)、バス、船舶、航空機、採掘車両、農業車両、または他のオフハイウェイ車両などの車両であってもよい。任意選択で、動力システムは、風力タービン、製造機械、発電システムなどの非車両動力システムおよび/または定置動力システムであってもよい。
【0015】
図1の図示される実施形態において、動力システムは、推進力発生車両などの車両である。推進力発生車両は、単一の車両または複数の車両によって形成される車両システムの一部であってもよく、任意選択で、動作システムは、複数の車両のうちの2台以上の間で拡張することができる。複数車両システムに関して、車両は、(例えば、カプラーによって)互いに機械的に連結され得るか、または、機械的には連結されないが論理的に連結され得る。例えば、車両がグループとして一緒に走行するように車両の動きを互いに調整するために、別々の車両が互いに通信する場合、車両は論理的に連結されるが機械的には連結されないことがある。車両のグループは、車列、隊列、群れ、艦隊、小隊、一行と呼ばれることがある。
【0016】
動力システムは、1つ以上のマイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、集積回路などの1つ以上のプロセッサを有する、および/または上記1つ以上のプロセッサと接続されたハードウェア回路を表すコントローラ112を含む。一実施形態では、コントローラは、エンジン制御ユニットを表し得る。コントローラは、単一のプロセッサまたは複数のプロセッサを含む場合がある。全ての動作は、各プロセッサによって実行することができ、または各プロセッサは、1つ以上(または全て)の他のプロセッサとは少なくとも1つの異なる動作を実行する場合がある。
【0017】
コントローラは、推進システム116およびブレーキシステム110によって提供される牽引力ならびに/または制動力を制御するなどによって、動力システムの動作を制御する。コントローラは、タッチスクリーン、ジョイスティック、キーボード、スイッチ、ホイール、マイクロフォン、ディスプレイ、モニタ、スピーカ、ライトなどを表すことができる入力/出力デバイス114(図1では「I/Oデバイス」として示されている)から命令信号を受信することによって手動で操作することができる。
【0018】
動力システムは、無線で信号を通信するか、または有線接続を介して本明細書に記載の信号を通信する、送受信ハードウェア(例えば、アンテナ、ワイヤ、ケーブル、モデム、コーデックなど)を表す通信システム106を含む。通信システムは、車両システムの他の車両と通信してもよいし、動力システムとは別の他の車両システムと通信してもよいし、車外コントローラ(図示せず)と通信してもよいし、沿線装置と通信してもよいし、それらの任意の組み合わせと通信してもよい。
【0019】
一実施形態では、コントローラは、機械学習を使用して導出ベースの学習結果を可能にするローカルデータ収集システムを配備する場合がある。コントローラは、データ駆動予測を行い、データの集合に従って適応することによって、データの集合(様々なセンサによって提供されるデータを含む)から学習し、データの集合に対する決定を行う場合がある。実施形態において、機械学習は、教師あり学習、教師なし学習、および強化学習などの機械学習システムによる複数の機械学習タスクの実行を含む場合がある。教師あり学習は、機械学習システムに例示的な入力と所望の出力のセットを提示することを含む場合がある。教師なし学習は、パターン検出および/または特徴学習などの方法によって、その入力を構造化する学習アルゴリズムを含む場合がある。強化学習は、動的環境で実行し、その後、正しい決定と誤った決定に関するフィードバックを提供する機械学習システムを含む場合がある。例では、機械学習は、機械学習システムの出力に基づく複数の他のタスクを含む場合がある。例では、タスクは、分類、回帰、クラスタリング、密度推定、次元削減、異常検出などの機械学習問題であってもよい。例では、機械学習は、複数の数学的および統計的技法を含む場合がある。例では、多くの種類の機械学習アルゴリズムは、決定木ベースの学習、相関ルール学習、深層学習、人工ニューラルネットワーク、遺伝的学習アルゴリズム、帰納論理プログラミング、サポートベクターマシン(SVM)、ベイジアンネットワーク、強化学習、表現学習、ルールベースの機械学習、スパース辞書学習、類似性およびメトリック学習、学習分類器システム(LCS)、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、K平均、勾配ブースト、K最近傍(KNN)、アプリオリアルゴリズムなどを含む場合がある。実施形態では、(例えば、自然選択に基づき得る制約付き最適化問題および制約無し最適化問題の両方を解くために)特定の機械学習アルゴリズムが使用される場合がある。一例では、アルゴリズムは、整数値であることに制限された構成要素が存在する混合整数計画法の問題に対処するために使用される場合がある。アルゴリズムおよび機械学習の技術やシステムは、計算知能システム、コンピュータビジョン、自然言語処理(NLP)、レコメンダシステム、強化学習、グラフィカルモデルの構築などに使用される場合がある。一例では、機械学習は、車両性能および挙動分析などに使用される場合がある。
【0020】
一実施形態では、コントローラは、1つ以上のポリシーを適用し得るポリシーエンジンを含む場合がある。これらのポリシーは、機器または環境の所与のアイテムの特性に少なくとも部分的に基づく場合がある。制御ポリシーに関して、ニューラルネットワークは、多数の環境パラメータおよびタスク関連パラメータの入力を受信することができる。これらのパラメータは、車両グループに対する決められた移動計画の特定、様々なセンサからのデータ、ならびに位置データおよび/または場所データを含む場合がある。ニューラルネットワークは、これらの入力に基づいて出力を生成するように訓練することができ、出力は、車両グループが移動計画を達成するために取るべきアクションまたは一連のアクションを表す。一実施形態の動作中、決定は、そのアクションを所望のアクションとして指定する値を出力ノードで生成するために、ニューラルネットワークのパラメータを通じて入力を処理することによって、行うことができる。このアクションは、車両を動作させる信号に変換する場合がある。これは、バックプロパゲーション、フィードフォワード処理、閉ループフィードバック、または開ループフィードバックを通じて達成される場合がある。あるいは、バックプロパゲーションを使用するのではなく、コントローラの機械学習システムは、人工ニューラルネットワークの様々なパラメータを調整するために、進化戦略技術を使用する場合がある。コントローラは、バックプロパゲーションを使用して常に解けるとは限らない可能性がある関数、例えば非凸関数を有するニューラルネットワークアーキテクチャを使用する場合がある。一実施形態では、ニューラルネットワークは、そのノード接続の重みを表すパラメータのセットを有する。このネットワークの多数のコピーが生成され、次いでパラメータに対する様々な調整が行われ、シミュレーションが行われる。様々なモデルからの出力が得られると、決められた成功指標を使用して、それらのパフォーマンスを評価する場合がある。最良のモデルが選択され、動力システムは、予測された最良の結果シナリオを反映するため、所望の入力データを得るためにその計画を実行する。さらに、成功指標は、互いに対して重み付けされ得る最適化された結果の組み合わせである場合がある。
【0021】
コントローラは、この人工知能または機械学習を使用して、入力(例えば、位置または位置の変化)を受信することができる。コントローラは、機械が選択した動作モードが望ましい結果をもたらしたか否かを示す、通信信号のノイズまたは干渉(またはその欠如)の分析、オペレータの入力など、選択された動作モードの変更の追加入力を受信する場合がある。この追加入力に基づいて、コントローラは、例えば、次の時間または反復時に、類似または同一の位置または位置の変化を受信した場合に、どの動作モードが選択されるかを変更することによって、モデルを変更することができる。その後、コントローラは、変更または更新されたモデルを再度使用して動作モードを選択し、選択した動作モードに関するフィードバックを受信し、モデルを再度変更または更新するなど、追加の反復で、人工知能または機械学習を使用してモデルを繰り返し改善または変更することができる。
【0022】
1つ以上の実施形態では、コントローラは、動力システムの動作を自律的に制御するように自動的に操作される場合がある。例えば、制御設定(例えば、目的地位置への動力システムの移動のための経路に沿った時間または距離の関数として、電力設定のための指定の動作設定を提供する移動計画に関連する制御設定)は、エネルギー管理システム108によってコントローラに提供される場合があり、および/またはメモリ(図示せず)などの有形かつ非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶される場合がある。1つ以上の実施形態において、コントローラおよびエネルギー管理システムは、2つ以上の制御モジュールを表す場合がある。任意選択で、コントローラは、車外制御システム(図示せず)から指定の動作設定の少なくとも一部を受信してもよく、動力システムの動作を手動で制御するオペレータなどから動作設定の少なくとも一部を受信してもよい。エネルギー管理システムは、本明細書に記載の1つ以上の動作を実行するための、1つ以上のプロセッサ、マイクロコントローラ、または他のロジックデバイス、および/または関連するソフトウェアまたは命令を含む場合がある。
【0023】
コントローラは、動力システムのエンジン118と通信することができる。エンジンは、ディーゼルエンジンなどの燃料消費型エンジンとすることができる。しかし、本発明の主題の全ての実施形態がディーゼルエンジンに限定されるわけではない。エンジンは、ディーゼル燃料、水素、プロパンなど以外の燃料を消費するエンジンなど、ディーゼル燃料以外の燃料を消費する別の種類のエンジンを表し得る。
【0024】
1つ以上の実施形態では、エンジンは、発電機またはオルタネータ(図示せず)に接合されたシャフトを回転させるなどの作業も実行することができ、これにより、発電機またはオルタネータは、推進システム116および/または補助システム120などの動力システムの1つ以上の動力要素に蓄積および/または供給され得る電流を出力する。推進システムは、車両(および車両システム)を推進する1つ以上のエンジン、オルタネータ、発電機、モータなどを表すことができる。推進システムは、推進システムによって制御されて車両を経路に沿って移動させる複数の車輪104A、104Bを含むことができる。図1に示す車両の図示された側面図では、2つの車輪が示されており、車両の反対側に配置された2つの対応する車輪(図示せず)と動作可能に結合されている。車両は、動力システムの動きを減速または停止させるために、動力システムの動きを制御するように制御され得るブレーキシステム110を含むことができる。ブレーキシステムは、エアブレーキ、摩擦ブレーキ、(例えば、ダイナミックブレーキおよび/または回生ブレーキに使用される)モータなどを含むことができる。
【0025】
補助システムは、発電機またはオルタネータによって出力される電流の少なくとも一部を消費するが、動力システムの推進のためではない、1つ以上の他の負荷を表すことができる。例えば、補助システムは、モータ(例えば、車両フレームシステムの動きを制御する油圧モータおよび/またはリニアモータ)、ファン(例えば、推進システムの部品を冷却する送風機、制動抵抗器を冷却する送風機、エンジンまたは他の構成部品を冷却するために冷却水を強制的に送るポンプなど)、車両システムの運転室を加熱または冷却する加熱および/または冷却システムなどを表すことができる。
【0026】
1つ以上の実施形態では、推進システム、補助システム、および/またはブレーキシステムは、電気エネルギー(例えば、発電機またはオルタネータによって生成される電流などの電流)によって電力が供給される場合がある。電流は、1つ以上の電源150および/または車載エネルギー貯蔵デバイス(図示せず)において、動力システム上に貯蔵される場合がある。電源(複数可)は、1つ以上の燃料電池、バッテリなどを表すことができる。車載エネルギー源は、発電機および/または代替品、1つ以上の太陽電池、風力タービンなどを含む場合がある。別の例では、車載エネルギー源(複数可)は、動力システムの減速中にトラクションモータによって電気エネルギーが生成されるダイナミックブレーキモードでトラクションモータが動作する場合、推進システムのトラクションモータ(複数可)を含むことができる。ダイナミックブレーキによって生成される少なくとも一部の電気エネルギーは、貯蔵のために車載エネルギー貯蔵デバイスまたは電源に供給することができる。
【0027】
電源(例えば、エネルギー貯蔵デバイス)は、動力システム上に配置されるものとして示されているが、代替的に、電源は、動力システム100と連結される車両システム内の別の車両などの別の動力システム上に配置されてもよい。例えば、電源は、1つ以上の機械的接続によって車両100と接続されるエネルギー炭水車(図示せず)上に配置され、車両の移動によってエネルギー炭水車も移動させてもよい。このような電源は、1つ以上の導電体(例えば、バス、ケーブル、ワイヤなど)によって車両の推進システムと接続することができる。
【0028】
動力システムの1つ以上のセンサ130A-130Fは、動力システムの動作特性および/または動力システムが動作している環境を検知する場合がある。センサは、信号(例えば、ワイヤレス信号および/またはワイヤ、ケーブル、バスなどの1つ以上の導電経路を介して伝導される信号)を出力することができる。任意選択で、1つ以上のセンサは、動力システムの様々なシステムおよび/または構成要素の特性を検知する場合がある。例えば、センサ(複数可)130Aは、動力システムおよび/または動力システムが動作する環境に関連する特性を検出することができ、センサ130Bは、ブレーキシステムに関連する特性を検出することができ、センサ130C、130Dは、推進システムに関連する特性を検出することができ、センサ130Eは、第1の車輪104Aおよび/または第1の車輪が結合される車軸に関連する特性を検出することができ、センサ130Fは、第2の車輪104Bおよび/または第2の車輪が結合される車軸に関連する特性を検出することができる。センサは、全地球測位システム(GPS)センサ、温度センサおよび/または湿度センサ(例えば、動力システムのシステムおよび/または構成要素の動作温度を検出するもの、環境の周囲温度を検出するものなど)、加速度センサ(例えば、1軸加速度センサ、2軸加速度センサ、および/または3軸加速度センサ)、速度センサ、傾斜計、衝撃センサ(例えば、エアバッグ検出センサ)、ジャイロセンサ、カメラ(例えば、静止画像および/または動画像を撮像するカメラ)などを表すことができる。センサは、補助システムの油圧モータおよび/またはリニアモータの位置、動力システムが移動する経路の特性および/または特性の変化など、動力システムの様々なシステムおよび/または構成要素の特性を検知することができる。
【0029】
1つ以上の実施形態では、動力システムに搭載されていない、または動力システムとは別の1つ以上のセンサが、動力システムに搭載されているコントローラに、車両に関連する検知データを送信する場合がある。例えば、動力システムは、経路に沿って移動し、センサを含む可能性のある沿線装置、経路方向制御装置、他の経路の交差点などを通過する可能性がある。車外センサは、衝撃センサおよび/または圧力センサであってもよく、経路に沿って移動する動力システムによって生じる衝撃のレベルおよび/または頻度を検知してもよく、検知データを車載コントローラに送信してもよい。別の実施形態では、車外センサは、速度センサであってよく、動力システムに搭載されていない速度センサを動力システムが通過して移動している速度を検知してもよい。
【0030】
本明細書で説明するように、コントローラは、(車載センサおよび/または車外センサから)検知された特性信号を受信し、動力システムの動作および/または環境を監視する場合がある。この情報を使用して、コントローラは、これらに限定されることはないが、エンジンの動作速度、ブレーキ設定など、動力システムの1つ以上の動作を自動的に変更することができる。
【0031】
図1に示す各構成要素の数は、一例として用いられる。例えば、複数のエンジン、コントローラ、センサ(複数可)、発電機、オルタネータ、および/または推進システムが設けられてもよい。
【0032】
図2は、一実施形態による車両202の第1の側断面図を示す。図3は、車両の第2の側断面図を示す。図2および図3は、本明細書において一緒に説明される。図示の実施形態では、車両は、推進力発生鉄道車両であるが、代替の実施形態では、別のタイプの車両であってもよい。
【0033】
車両は、その間に延びる車体とともに第1の端部208と第2の端部210とを含む。車体は、複数組の車輪204A-204Fおよび対応する車軸と動作可能に結合されたフレームを含む。車両はまた、複数の列206A-206Hに配置された複数の電源250を含む。電源は、推進システム、補助システム、ブレーキシステムなどに電流を供給する場合がある。図示された実施形態では、列206A-206Dの各々は、互いに積み重ねられた5つの電源を含み、列206E-206Hのそれぞれは、互いに積み重ねられた10個の電源を含む。例えば、図示された実施形態では、図2および図3に示す断面図は、車両の本体またはフレームに搭載された列および行に積み重ねられた60個の電源を示している。任意選択で、車両は、車両の左側と右側(図示せず)との間(例えば、車両の左側と右側との間の車両の移動方向)などに、電源の追加の列を含んでもよい。
【0034】
図4は、一実施形態による、(図2および図3に示す車両202などの)動力システムの1つ以上の電源450または電源に関連する回路の概略図400を示す。動力システムは、第1の電力バス402Aと第2の電力バス402Bとを含む。第1の電力バスの電気的構成要素のみが図示されているが、第2の電力バス(および/または動力システムの任意の追加のバス)は、同様の電気的構成要素を含み得る。動力システムは、電源450の複数のセット406A-406Cを含む。図示の実施形態では、各セットは、互いに直列に結合された4つの電源を含む。あるいは、電源は、代替の配置で配置されてもよく、電源の1つ以上のセットは、4つ未満または4つより多くの電源を含んでもよく、動力システムは、各電力バスに対応する電源の3つ未満のセットを含んでもよく、動力システムは、第1の電力バスおよび第2の電力バスと電気的に結合される単一の電源を含んでもよい、などである。
【0035】
電源は、動力システムの1つ以上の補助負荷414および1つ以上のトラクションモータ412と電気的に結合される。例えば、電源は、電流を受け取り、貯蔵し、動力システムの1つ以上のシステムまたは構成要素に電流を供給するバッテリまたは他の電気貯蔵デバイスであってもよい。電源のうちの2つ以上は、実質的に同じであってもよく(例えば、類似の貯蔵容量、類似の定格電力、類似の寿命、類似の外装ケーシングなどを有する)、各異なるセットに関連する電源のそれぞれは、実質的に同じであってもよく、第1のセット406Aの電源は、第2のセット406Bの電源と実質的に同じであってもよく、あるいは代替的に、第1のセットの電源は、第2のセットの電源と異なっていてもよい。任意選択で、動力システムは、共通および/または固有の電源(複数可)の代替配置を有してもよい。
【0036】
図5は、電源450の第3のセット406Cの拡大図を示す。第3のセットは、直列に配置された電源450A-450Dを含むが、代替的に、並列に配置された、部分的に並列および部分的に直列に配置された、またはそれらの任意の組み合わせの4つ未満または4つより多い電源を含んでもよい。
【0037】
図6は、一実施形態による、車両の動作を監視および制御する方法の一例のフローチャート600を示す。ステップ602において、車両の動作中、センサ(図1に示す)は、車両の特性を検出または検知することができる。コントローラ(および/または、図示しない車外コントローラ)は、車両の検知された特性に対応するデータを受信し、1つ以上のセンサから受信したデータを監視することができる。1つ以上の実施形態において、コントローラは、受信した検知データの一部分を、検知データの別の部分と組み合わせるか、または他の分析を行ってもよい。例えば、コントローラは、センサがデータを取得した時間に基づいて、対応するセンサ(例えば、速度センサとGPSセンサ)の異なるグループに基づいて、など、異なるセンサからの検知データの一部をグループ化することができる。
【0038】
ステップ604において 、コントローラは、車両の1つ以上の動作状態を自動的に特定することができる。動作状態には、車輪速度の変化、位置の変化、傾斜の変化(例えば、車両の第1の端部と第2の端部との間など)、加速度の変化、車両の1つ以上の車軸の回転の変化などが含まれるが、これらに限定されない。
【0039】
1つ以上の実施形態において、コントローラは、車両の異なる位置における車両の1つ以上の異なる動作状態を特定することができる。例えば、センサは、車両の第2の端部210の垂直方向の動きとは異なる、車両の第1の端部208の垂直方向の動きを検知することができる(例えば、車両が脱線したことを示す可能性がある)。別の実施形態では、コントローラは、第1の車軸(例えば、第1の車輪204Aが動作可能に結合される車軸)からの加速度計データを特定し、データを分析して、電源の列206A-206Hのうちの1つ以上に近接する位置の対応する加速度計データを決定することができる。
【0040】
ステップ606において、コントローラは、車両の1つ以上の動作状態の変化が、車両に関わるイベントが発生したことを示すか否かを判定することができる。例えば、コントローラは、センサからのデータを受信して分析し、動作状態の変化が、車両に作用する1つ以上の力(例えば、計画されていないおよび/または予期しない力、決められた閾値を超える力など)によって引き起こされる可能性があるか否かを判定することができる。加えてまたは代替的に、コントローラは、1つ以上のセンサから受信するデータに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の異なる種類のイベントからイベントの種類を特定することができる。1つ以上の実施形態において、コントローラは、車両のオペレータが車両に搭乗していない間(例えば、オペレータがイベント中に車両に搭乗していない、オペレータがイベントの発生を見ていない、オペレータがイベントによって引き起こされる力を感じていないなど)に、動作状態の変化がイベントを示しているか否かを判定することができる。
【0041】
一例として、イベントは、車両が他の物体によって衝突された、または他の物体(例えば、他の車両、定置の構造物、地表面など)に衝突したような衝突イベントであってもよい。別の例として、イベントは、脱線イベントであってもよい。例えば、車両は、鉄道車両であり、鉄道車両が移動する線路から脱線した可能性がある。別の例として、イベントは、動力システムの一部が、電源および/または熱管理システムの構成要素を危険にさらす可能性のある量の流体(例えば、水など)を受けるような、浸水イベントであってもよい。別の例として、イベントは、コントローラによって観察される1つ以上の動作状態に起因する1つ以上の力(例えば、車両に作用する力、決められた閾値を超える力など)に対応する可能性がある。
【0042】
1つ以上の実施形態において、イベントは、車両上に配置された1つ以上の電源に損傷を与える可能性がある。例えば、1つ以上の衝突イベントは、1つ以上の電源、車両の1つ以上の熱管理要素などを危険にさらす可能性がある。衝突イベントは、1つ以上の電源の外装構造、すなわちケーシング、電源(複数可)と他の構成要素との間の電気的結合、電源の取り付け構造(例えば、溶接接合、ボルト、亀裂など)、熱管理システムの冷却材接続部、ヒートシンクの取り付け構造などに損傷を与える可能性がある。
【0043】
例えば、図7は、イベントが発生していないと判定されたグラフ700を示す。グラフは、時間を表す横軸702と、速度(例えば、機械的に連結された2つ以上の車両を含む車両システムの移動速度)を表す縦軸704とを含む。第1のデータ線706は、車両システムの走行イベントに関連する。時間の経過とともに、車両システムが移動する速度は低下する。また、第1のデータ線は、車両システムが減速するにつれて、車両システムの集群化およびその後の伸張に関連する速度増加716を含む。例えば、車両システムの後端に向かう車両(複数可)は、車両システムの移動方向において、車両システムの前端に向かう車両(複数可)と集群化し、前端の車両(複数可)および車両システムの速度のわずかな増加を引き起こす可能性がある。コントローラは、車両システムの動作状態および/または動作状態の変化に少なくとも部分的に基づいて、イベントが発生していないと判定することができる。
【0044】
グラフはまた、2つ以上の車両間の連結イベントに関連する第2のデータ線708を含む。第1の車両は、所定の時間(例えば、第1の車両が連結される第2の車両に第1の車両が接近する間)、低速度で移動することができる。第1の車両が第2の車両に到達し、第2の車両と動作可能に連結された後、第1の(および第2の)車両の移動は、停止する。第2のデータ線は、決められた許容閾値範囲内にある第1の車両の第1の速度低下率728を含む。コントローラは、車両システムの動作状態および/または動作状態の変化に少なくとも部分的に基づいて、イベントが発生していないと判定することができる。
【0045】
あるいは、図8は、イベントが発生したと判定されたグラフ800を示す。グラフは、時間を表す横軸702と、速度を表す縦軸704とを含む。グラフは、2つのイベントの表示を含む。第3のデータ線806は、非常ブレーキ作動または激しい振れあるいは衝突に関連し、非常ブレーキ作動に関連する第1の衝突イベントを示す。第3のデータ線は、図7に示す第1のデータ線706よりも大きい速度で始まる。車両システムの速度は、速度低下816において、適用された緊急ブレーキまたは衝突によって、決められた閾値を超える。本グラフ例では、車両の速度はまた、および/または代替的に方向を変えてもよい。
【0046】
コントローラは、1つ以上のセンサから、第1の時間長における車両システムの速度を示す検知データと、決められた時間長よりも短い時間長における速度の低下、速度の上昇、および/または速度の変化を示す検知データとを受信する場合がある。コントローラは、車両システムの動作状態および/または動作状態の変化に部分的に基づいて、ランインイベント(run-in event)が車両システムに衝突イベントをもたらしたと判定する場合がある。例えば、車両システムの後端側に位置する車両が、車両システムの前端側に位置する1つ以上の車両と衝突し、その衝突によって1つ以上の電源が損傷した可能性がある。別の例では、ブレーキ制御を有する1つ以上の車両(例えば、推進力発生車両)が、決められた閾値を超えるレベルでブレーキをかけることがあり、ブレーキをかけた車両にかかる付加的な力が、車両システムの1つ以上の電源または他の構成要素あるいはシステムに損傷を与えた可能性がある。
【0047】
第4のデータ線808は、2つの車両の連結イベントに関連し、連結イベントに関連する第2の衝突イベントを示す。第4のデータ線は、図7に示す第2のデータ線708の速度よりも大きい速度で始まる。第1の車両が速い速度で移動するため(例えば、第1の車両が連結する第2の車両に第1の車両が接近する間)、第1の車両の速度は、速い速度で減少または低下する必要がある。例えば、第1の車両が第2の車両に近づくのが早すぎて、第1の車両の第2の速度低下率828が、決められた許容閾値範囲外になる場合がある。コントローラは、第1の車両の速度、および第1の車両の速度低下率を示す検知データを受信し、車両システムの動作状態(および/または動作状態の変化)に基づいて、連結イベントが車両システムに衝突イベントをもたらしたと判定することができる。例えば、第1の車両は、連結イベント中に第2の車両と衝突した可能性がある。
【0048】
図6に戻り、イベントが発生したとコントローラ(または車外コントローラ)が判定した場合、本方法のフローは、ステップ608に進む。あるいは、イベントが発生していないとコントローラが判定した場合、本方法のフローは、ステップ610に進む。
【0049】
ステップ608では、イベントが決められた閾値を超えたか否かを判定する。例えば、コントローラは、イベントが衝突イベント、脱線イベント、浸水イベントなどであるか否かを判定し、電源や熱管理システム要素などに損傷を与えることなく車両が耐えることができる閾値力を決定した可能性がある。1つ以上の実施形態では、決められた閾値を超えるイベントの場合、1つ以上の電源および/または1つ以上の熱管理システムの構成要素が、イベントの結果として損傷している可能性がある。
【0050】
1つ以上の実施形態では、コントローラは、異なるイベントに対応する決められた閾値のリストを有する場合がある。一実施形態では、イベントは、車両が他の車両と機械的に連結され、連結イベントに関連する決められた閾値を超える速度および/または力で車両が衝突したことに関連する場合がある。別の実施形態では、イベントは、車両の脱線、車両にさらなる応力およびひずみを与える車両システムの別の車両の脱線などに関連する場合がある。別の実施形態では、イベントは、車両システムのランインまたはランアウトに関連する場合がある。例えば、複数の車両が互いに機械的に連結されて車両構成を形成している場合、車両が互いに離れて伸びたり、圧縮されたり、集まったりして、車両構成に決められた閾値を超える可能性がある付加的な応力およびひずみを引き起こす可能性がある。
【0051】
イベントが、(例えば、発生した対応するイベントに対する)決められた閾値を超えたとコントローラが判定した場合、本方法のフローは、ステップ612に進む。1つ以上の実施形態において、コントローラは、イベントが決められたイベントの閾値を超えたと判定したことに応じて、車両の動きを減速および/または停止させる場合がある。任意選択で、コントローラは、車両の動作を減速および/または停止させるためのコマンドを車両のオペレータに伝達してもよい。あるいは、イベントが決められた閾値を超えなかった場合、本方法のフローは、ステップ610に進む。
【0052】
ステップ612で、コントローラは、開始する応答アクションを決定する。例えば、コントローラは、イベントが、1つ以上の電源、1つ以上の熱管理システムの構成要素などに損傷を与えたか、または与えた可能性が高いと判定し、開始する応答アクションを決定する場合がある。一実施形態では、応答アクションは、1つ以上の電源を無効にすること、警告または表示すること、動作状態を変更すること、切り替えることまたは交換すること、放電すること、切断すること、および/または検査することを含む場合がある。
【0053】
一実施形態では、コントローラは、衝突イベントの大きさに少なくとも部分的に基づいて、複数の異なる応答アクションの中から応答アクションを選択する場合がある。例えば、コントローラは、車両に1桁の大きさの力をもたらしたイベントに基づいて、電源の検査のみが必要であると判定する場合がある。あるいは、コントローラは、車両に2桁のより大きな力をもたらしたイベントに基づいて、電源の無効化および交換が必要であると判定する場合がある。
【0054】
1つ以上の実施形態において、応答アクションを開始することは、1つ以上の車載電源を車両に結合する1つ以上の取付部品の検査または修理を開始することを含む場合がある。別の実施形態では、応答アクションは、1つの電源と別の電源(例えば、列内で1つをもう一方に積み重ねた2つの電源)を結合する1つ以上の取付部品の検査または修理を開始することを含む場合がある。別の実施形態において、応答アクションは、電源、熱管理システムの構成要素などの電気的結合部、冷却材接続部、溶接接合部、ボルト、亀裂などの検査を開始することを含む場合がある。
【0055】
1つ以上の実施形態において、コントローラは、2つ以上の異なる電源に関連する2つ以上の異なる応答アクションを決定する場合がある。例えば、応答アクションは、イベントの位置、イベント中に異なる力が観察された位置などに対する電源の位置に基づく場合がある。一実施形態では、イベントは、車両の第2の端部210(図2および図3に示す)または第2の端部210に近接した位置で発生した衝突イベントであってもよい。コントローラは、第1の列206Aに配置された1つ以上の電源に対して第1の応答アクションを決定よび/または開始することができ、第9の列206Hに配置された1つ以上の電源に対して異なる第2の応答アクションを決定および/または開始する場合がある。別の実施形態では、コントローラは、2つ以上の電源のそれぞれの互いに対する位置に少なくとも部分的に基づいて、異なる電源の種類に基づいて、電源のそれぞれの充電状態などに基づいて、異なる電源に関連する異なる応答アクションを決定および/または開始する場合がある。
【0056】
1つ以上の実施形態では、コントローラは、発生したイベントの種類に部分的に基づいて、応答アクションを決定および/または開始することができる。例えば、2つの車両の連結中に車両が他の車両に衝突されたような衝突イベントであるとコントローラが判定した場合、コントローラは、開始する第1の応答アクションを選択する場合がある。あるいは、イベントが、車両が移動する線路から車両が離れた脱線イベントであるとコントローラが判定した場合、コントローラは、開始する異なる第2の応答アクションを選択する場合がある。
【0057】
ステップ606に戻り、動作状態の変化がイベントの発生を示さない場合、および、ステップ608でイベントが決められた閾値を超えなかった場合、本方法のフローは、ステップ610に進む。
【0058】
ステップ610において、(例えば、車両の寿命にわたって、1日、1ヶ月、1年、10年などの決められた制限時間内に)発生した衝突イベントの数が、イベントの決められた閾値数を超えたか否かの判定が行われる。例えば、単一のイベントは、応答アクションを必要とする可能性のある決められた閾値を超えていない可能性があるが、発生すると判定された複数のイベントは、イベントの決められた閾値数を超える可能性があり、応答アクションが必要とされる可能性がある。例えば、図9は、一実施形態による、車両の1つ以上のイベントに関連する応力レベルの棒グラフ900を示す。このグラフは、応力レベル(例えば、車両上、車両の異なる構成要素上などにおいて1つ以上のセンサによって検出された応力)を表す横軸902と、インシデントすなわちイベントの数を表す縦軸904とを含む。これらの応力レベルは、横方向、縦方向、および/もしくは垂直方向の並進、ならびに/またはロー回転、ピッチ回転、および/もしくはヨー回転、あるいはそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み得る。応力レベルはまた、車両の定常状態の向き(複数可)であり得る(例えば、車両がゆっくりと40度の角度または勾配に移行する)。
【0059】
グラフは、発生したと検出または判定されたインシデントの数を示す第1のデータセット906と、設計限界を示す第2のデータセット908とを含む。設計限界は、電源(複数可)の1つ以上の構成要素(例えば、取付け構造、電気的接続など)の疲労解析に基づく場合がある。例えば、第1の応力レベル912において、電源は、第1の設計限界908Aを有する場合がある。コントローラは、第1の数のインシデント906A(例えば、車両の寿命、電源(複数可)の寿命、1ヶ月、1年、10年などの所定の時間枠内で)が発生したことを示す履歴情報を決定および/または有する場合がある。図9に示されるように、第1のインシデント906Aの数は、第1の設計限界908A未満であるため、ステップ610において、コントローラは、以前のイベントすなわちインシデントの数がイベントの決められた閾値数を超えていないと判定し、本方法のフローは、ステップ602に戻ることができる。
【0060】
あるいは、別の例では、第2の応力レベル922において、電源は、第2の設計限界908Bを有することができる。コントローラは、第2の数のインシデント906Bが発生したという以前のインシデントすなわちイベントの履歴情報を決定および/または有する場合がある。第2のインシデント906Bの数は、第2の設計限界908Bよりも多いので、コントローラは、以前のイベントの数がイベントの決められた閾値数を超えると判定し、本方法のフローは、ステップ612に進み、応答アクションを選択および/または開始する。1つ以上の実施形態では、応答アクションは、発生したインシデントの数(例えば、イベントの総数、設計限界を超えるイベントの数など)に少なくとも部分的に基づく場合がある。
【0061】
別の例として、第3の応力レベル924および第4の応力レベル926において、電源(および/または車両の1つ以上の他の構成要素)は、ゼロの設計限界を有する場合がある。例えば、任意のイベントの発生は、そのイベントに関連する大きさまたは力に関係なく、第3および第4の応力レベルに関連する設計限界を超える。例えば、第3の応力レベル924における第3のインシデント906Cの数(例えば、単一のイベント)は、イベントの決められた閾値数(例えば、ゼロイベントの設計限界)を超え、コントローラは、応答アクションを選択および/または開始する場合がある。別の例として、第4の応力レベル926における第4のインシデント906Dの数(例えば、単一のイベント)は、イベントの決められた閾値数(例えば、ゼロイベントの設計限界)を超え、コントローラは、応答アクションを選択および/または開始することができる。
【0062】
1つ以上の実施形態では、応答アクションは、イベントの種類および/または大きさに少なくとも部分的に基づく場合がある。例えば、コントローラは、脱線の大きさに関係なく、脱線が発生したと判定したことに応じて、応答アクションを開始する場合がある。第1の脱線イベントでは、コントローラは、鉄道車両が、移動する線路から外れたが、地表に衝突していないと判定する場合がある。第2の脱線イベントでは、コントローラは、鉄道車両が線路から外れ、地表面に衝突したと判定する場合がある。第1の脱線イベントおよび第2の脱線イベントの両方において、コントローラは、イベントが脱線イベントであることに基づいて、応答アクションを選択し、開始する場合がある。任意選択で、第1の脱線イベントに対する応答アクションは、第2の脱線イベントに対する応答アクションとは異なる場合がある。例えば、第1の脱線イベントに対する応答アクションは、電源を検査するためにオペレータを派遣することであってもよい。あるいは、第2の脱線イベントに対する応答アクションは、電源の1つ以上を車両の電気回路から切り離し、電源の1つ以上を新しい電源と交換することであってもよい。
【0063】
別の実施形態では、コントローラは、イベントの力の大きさが決定された後にのみ、応答アクションを開始することができる。例えば、連結イベントに関連する第1の衝突イベントでは、コントローラは、車両の1つが第1の速度で移動している間に車両が衝突したと判定する場合がある。第2の衝突イベントにおいて、コントローラは、車両の1つが第1の速度よりも遅いかまたはそれ未満の第2の速度で移動している間に車両が衝突したと判定する場合がある。コントローラは、第1の衝突イベントが応答アクションを必要としないと判定する場合があるが、代替的に第2の衝突イベントが応答アクションを必要とすると判定する場合もある。
【0064】
1つ以上の実施形態では、コントローラは、車両システムが移動する経路の一部の状態に関連するデータを受信する場合がある。例えば、コントローラは、他の車両(例えば、以前に経路の一部を走行した車両)に搭載されたセンサ、沿線装置のセンサなどからデータを受信する場合がある。例えば、コントローラは、車両が経路の一部に沿って移動する前に、経路の一部に関連する検知データを受信する場合がある。
【0065】
コントローラは、経路の状態に関連するデータを、車両の動作状態の1つ以上の変化に関連するデータに照らして分析する場合がある。例えば、コントローラは、経路の一部に損傷区間、凹凸のある経路すなわち平坦でない経路(例えば、経路の一部に、スピードバンプ、複数の穴などがある)が含まれていると判定する場合がある。さらに、コントローラは、車両の動作状態の変化が経路の状態に関連するものであり、イベント(例えば、衝突イベントなど)を示すものではないと判定する場合がある。あるいは、コントローラは、動作状態の変化が、経路の状態に照らして、決められた閾値を超えていると判定し、応答アクションが必要であると判定する場合がある。
【0066】
本明細書で説明する主題の1つ以上の実施形態では、方法は、1つ以上のセンサから受信したデータに少なくとも部分的に基づいて、車両の1つ以上の動作状態を特定することと、車両の1つ以上の動作状態の変化が車両に関わるイベントを示しているか否かを判定することとを含む。イベントの発生を判定することに応じて、車両の1つ以上の車載電源に関わる応答アクションが開始される。
【0067】
任意選択で、イベントは、衝突イベント、脱線イベント、および/または浸水イベントであってもよい。任意選択で、応答アクションを開始することは、車両に搭載された1つ以上の車載電源を無効にすることを含む場合がある。任意選択で、1つ以上の車載電源は、互いに異なる2つ以上の車載電源を含む場合がある。2つ以上の車載電源のそれぞれに関連する異なる応答アクションが開始されてもよい。任意選択で、異なる応答アクションは、2つ以上の車載電源のそれぞれの、2つ以上の車載電源の1つ以上の他のものに対する位置、あるいは2つ以上の車載電源の種類、または2つ以上の車載電源の一方もしくは両方の充電状態に少なくとも部分的に基づいてもよい。任意選択で、本方法は、イベントの大きさに少なくとも部分的に基づいて、複数の異なる応答アクションの中から応答アクションを選択することを含む場合がある。
【0068】
任意選択で、応答アクションを開始することは、1つ以上の車載電源を車両に結合する1つ以上の取付部品の検査または修理を開始することを含む場合がある。任意選択で、1つ以上のセンサは、加速度計、傾斜計、ジャイロセンサ、速度センサ、全地球測位センサ、衝撃センサ、カメラ、または圧力センサのうちの1つ以上を含む場合がある。任意選択で、本方法は、1つ以上のセンサから受信したデータに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の異なる種類のイベントからイベントの種類を特定することを含む場合がある。任意選択で、本方法は、イベントの種類に基づいて、開始する応答アクションを選択することを含む場合がある。任意選択で、本方法は、車両の1つ以上の異なる位置における1つ以上の動作状態を特定することを含む場合がある。任意選択で、本方法は、イベントが決められた閾値を超えたと判定することに応じて、車両の移動を停止させることを含む場合がある。任意選択で、本方法は、複数のイベント中の車両の1つ以上の動作状態を分析することと、決められたイベントの閾値数を超える複数のイベントの数に基づいて、応答する動作を決定することとを含む場合がある。任意選択で、本方法は、車両が移動するように構成された経路の一部の状態に関連するデータを受信することと、経路の一部の状態に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の動作状態の変化がイベントを含むか否かを判定することとを含む場合がある。任意選択で、経路の一部の状態に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の動作状態の変化がイベントを示すか否かを判定することを、車両が経路の一部に沿って移動する前に行う。任意選択で、本方法は、車両の運転者が車両から降りている間に、車両の1つ以上の動作状態の変化がイベントを示すか否かを判定することを含む場合がある。
【0069】
本明細書で説明する主題の1つ以上の実施形態では、システムは、車両の動作を制御するための1つ以上のプロセッサを有するコントローラを含む。コントローラは、1つ以上のセンサから受信したデータに少なくとも部分的に基づいて、車両の1つ以上の動作状態を特定する。コントローラは、車両の1つ以上の動作状態の変化が、車両に関わるイベントを示すか否かを判定する。コントローラは、イベントの発生の判定に応じて、車両の1つ以上の車載電源に関わる応答アクションを開始する。
【0070】
任意選択で、コントローラは、イベントの発生を判定することに応じて、1つ以上の車載電源を無効にする場合がある。任意選択で、コントローラは、イベントの大きさに少なくとも部分的に基づいて、複数の異なる応答アクションの中から応答アクションを選択する場合がある。
【0071】
本明細書に記載される主題の1つ以上の実施形態において、本方法は、経路に沿って移動するように構成された車両に対するイベントの発生を特定することを含む。車両は、1つ以上の車載電源を含む。イベントは、衝突イベント、脱線イベント、および/または浸水イベントであってもよい。イベントの発生を特定することに応じて、応答アクションを決定する。応答アクションは、1つ以上の車載電源に対する検査または保守のうちの1つ以上を含む。
【0072】
「・・・のうちの1つ以上および」、「・・・のうちの1つ以上または」、「・・・のうちの少なくとも1つおよび」および「・・・のうちの少なくとも1つまたは」などの語句の使用は、その語句に関連して使用される項目のうちの単一のもののみを含むこと、その語句に関連して使用される項目それぞれのうちの少なくとも1つを含むこと、またはその語句に関連して使用される項目の任意またはそれぞれのうちの複数を含むことを意味する。例えば、「A、B、およびCのうちの1つ以上」、「A、B、またはCのうちの1つ以上」、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、ならびに「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」はそれぞれ、(1)少なくとも1つのA、(2)少なくとも1つのB、(3)少なくとも1つのC、(4)少なくとも1つのAと少なくとも1つのB、(5)少なくとも1つのAと少なくとも1つのBと少なくとも1つのC、(6)少なくとも1つのBと少なくとも1つのC、または(7)少なくとも1つのAと少なくとも1つのC、を意味し得る。
【0073】
本明細書で使用される場合、用語「プロセッサ」および「コンピュータ」、ならびに関連用語、例えば「処理装置」、「コンピューティング装置」、および「コントローラ」は、当該技術分野においてコンピュータと呼ばれる集積回路だけに限定されるものではなく、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ、および特定用途向け集積回路、ならびに他のプログラマブル回路を指す場合がある。好適なメモリは、例えば、コンピュータ読み取り可能媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能媒体は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリなどのコンピュータ読み取り可能不揮発性媒体であってもよい。用語「非一時的コンピュータ読み取り可能媒体」は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュールおよびサブモジュール、または別の装置における他のデータなどの情報を短期間および長期間記憶するために実装された有形のコンピュータベースの装置を表す。したがって、本明細書に記載される方法は、記憶装置および/またはメモリ装置を含むが、これらに限定されない、有形の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体で具現化される実行可能命令として符号化され得る。このような命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、本明細書に記載の方法の少なくとも一部を実行させる。このように、この用語は、これらに限定されることはないが、揮発性媒体および不揮発性媒体、ならびにファームウェア、物理的および仮想記憶装置、CD-ROM、DVD、およびネットワークまたはインターネットなどの他のデジタルソースなどの取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含む、非一時的コンピュータ記憶装置を含むが、これに限定されることはない有形のコンピュータ読み取り可能な媒体を含む。
【0074】
本明細書で使用される場合、単数形で記載され、「a」または「an」の単語が先行する要素またはステップは、そのような除外が明示的に記載されない限り、当該要素または動作の複数形を除外するものではない。さらに、本発明の「一実施形態」への言及は、記載れた特徴を組み込んだ追加の実施形態の存在を排除するものではない。さらに、反対のことが明示的に記載されない限り、特定の特性を有する1つの要素または複数の要素を「備える(comprising)」、「備える(comprises)」、「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、または「有する(has)」実施形態は、その特性を有さない追加のそのような要素を含み得る。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「おいて(in which)」の用語は、「含む(comprising)」および「おいて(wherein)」のそれぞれの用語の平易な英語における同等のものとして使用される。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」および「第3」等の用語は、単にラベルとして使用され、その対象に数値要件を課すものではない。さらに、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズプラスファンクション形式で記載されておらず、そのような特許請求の範囲の限定が明示的に「手段」の用語を使用し、その後にさらなる構造を伴わない機能の記載が続く場合を除いて、35U.S.C.§112(f)に基づいて解釈されることは意図されていない。
【0075】
本明細書は、最良の態様を含む主題のいくつかの実施形態を開示し、任意の装置またはシステムを製造および使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含む、主題の実施形態を当業者が実施できるようにするために、例を用いる。主題の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に着想される他の例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構成要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない同等の構成要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
図1
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図9
【外国語明細書】