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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166082
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】電子部品及び電子部品内蔵基板
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20241121BHJP
   H01G 2/06 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H01G4/30 201G
H01G4/30 201F
H01G2/06 501
H01G4/30 513
H01G4/30 516
【審査請求】未請求
【請求項の数】43
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024042369
(22)【出願日】2024-03-18
(31)【優先権主張番号】10-2023-0064260
(32)【優先日】2023-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ホ イン
(72)【発明者】
【氏名】ノー、エオン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】セオ、ミュン ドゥク
(72)【発明者】
【氏名】キム、キョン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、キョ シク
(72)【発明者】
【氏名】リー、ダ ジョン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC09
5E001AE02
5E001AE03
5E001AF06
5E001AH03
5E001AJ03
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE04
5E082EE23
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082GG10
5E082GG11
5E082JJ03
5E082JJ12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】回路基板に内蔵する際に、回路パターンとの連結性を向上する電子部品及び電子部品内蔵基板を提供する。
【解決手段】電子部品は、誘電体層111及び内部電極121、122を含む本体110及び本体に配置されて内部電極と連結され、低反射層131、141を含む外部電極130、140を含み、低反射層の表面の明度は、本体の表面の明度よりも低い。低反射層の表面のイメージで測定されたHSVの明度値は45%以下であり、該低反射層の表面の明度と本体の表面の明度は、同じ光源から照射された白色光が反射した光の強度を測定することで得られる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層及び内部電極を含む本体と、
前記本体に配置されて前記内部電極と連結され、低反射層を含む外部電極と、を含み、
前記低反射層の表面の明度は前記本体の表面の明度よりも低い、電子部品。
【請求項2】
前記低反射層の表面のイメージで測定されたHSVの明度値が45%以下である、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記低反射層の表面の明度と前記本体の表面の明度は、同じ光源から照射された白色光が反射された光の強度を測定して得られた、請求項1に記載の電子部品。
【請求項4】
前記誘電体層及び内部電極が積層される方向を第1方向とするとき、前記本体は前記第1方向に対向する第1面及び第2面を含み、
前記外部電極の一部は前記本体の第1面をカバーする、請求項3に記載の電子部品。
【請求項5】
前記本体の表面の明度は前記本体の第1面で測定され、前記低反射層の表面の明度は前記本体の第1面をカバーする領域の表面で測定された、請求項4に記載の電子部品。
【請求項6】
前記低反射層における前記本体の第1面をカバーする領域の厚さは5μm以上である、請求項4に記載の電子部品。
【請求項7】
前記低反射層はNiを含むめっき層を含む、請求項1に記載の電子部品。
【請求項8】
前記低反射層はNi-Zn系物質を含む、請求項7に記載の電子部品。
【請求項9】
前記Ni-Zn系物質はSをさらに含む、請求項8に記載の電子部品。
【請求項10】
前記めっき層は針状粒子を含む、請求項7に記載の電子部品。
【請求項11】
前記針状粒子は、Na及びClのうち少なくとも一つを含む、請求項10に記載の電子部品。
【請求項12】
前記低反射層は、金属粒子及び前記金属粒子の表面に形成された酸化膜を含む、請求項1に記載の電子部品。
【請求項13】
前記金属粒子はNiを含み、前記酸化膜はNiを含む、請求項12に記載の電子部品。
【請求項14】
前記低反射層は、前記金属粒子が分散された絶縁体をさらに含む、請求項12に記載の電子部品。
【請求項15】
前記低反射層のうち少なくとも一部の領域で前記酸化膜の一部が除去されて前記金属粒子が露出した、請求項12に記載の電子部品。
【請求項16】
前記低反射層はNiスパッタリング層を含む、請求項1に記載の電子部品。
【請求項17】
前記低反射層はNi-Zn合金を含む、請求項16に記載の電子部品。
【請求項18】
前記低反射層は前記外部電極の最外側に配置された、請求項1に記載の電子部品。
【請求項19】
前記低反射層は前記内部電極と直接連結された、請求項1に記載の電子部品。
【請求項20】
前記外部電極は、前記本体と前記低反射層との間に配置されたベース層をさらに含む、請求項1に記載の電子部品。
【請求項21】
前記ベース層はPd及びCuのうち少なくとも一つを含む、請求項20に記載の電子部品。
【請求項22】
前記誘電体層及び内部電極が積層される方向を第1方向とするとき、前記本体は、前記第1方向に対向する第1面及び第2面と、前記第1面及び第2面の間に位置して第2方向に対向する第3面及び第4面と、前記第1面及び第2面の間に位置して第3方向に対向する第5面及び第6面とを含み、
前記内部電極は、互いに交互に配置された第1及び第2内部電極を含み、
前記外部電極は、前記第1及び第2内部電極とそれぞれ連結された第1及び第2外部電極を含む、請求項1に記載の電子部品。
【請求項23】
前記第1及び第2内部電極は前記本体の第3及び第4面にそれぞれ延長され、
前記第1及び第2外部電極は前記本体の第3面及び第4面をそれぞれカバーする、請求項22に記載の電子部品。
【請求項24】
前記第1及び第2内部電極は前記本体の第5及び第6面にそれぞれ延長され、
前記第1及び第2外部電極は前記本体の第5面及び第6面をそれぞれカバーし、
前記本体の第2方向の長さは前記第3方向の長さよりも長い、請求項22に記載の電子部品。
【請求項25】
前記第1内部電極は前記本体の第3面及び第4面に延長され、前記第2内部電極は前記本体の第3面及び第4面に延長され、
前記第1及び第2外部電極は、前記本体の第3面及び第4面に前記第3方向に沿って交互に配置された、請求項22に記載の電子部品。
【請求項26】
前記第1内部電極は前記本体の第1面に延長され、前記第2内部電極は前記本体の第1面に延長され、
前記第1及び第2外部電極は前記本体の第1面をカバーする、請求項22に記載の電子部品。
【請求項27】
前記第1外部電極は複数個備えられ、前記第3方向を基準として、前記第2外部電極は前記複数の第1外部電極の間に配置された、請求項26に記載の電子部品。
【請求項28】
前記第1及び第2外部電極は、前記本体の第2面には形成されない、請求項26に記載の電子部品。
【請求項29】
前記第1及び第2外部電極は、前記本体の第5面及び第6面には形成されない、請求項28に記載の電子部品。
【請求項30】
前記第1内部電極は前記本体の第5面及び第6面に延長され、前記第2内部電極は前記本体の第3面及び第4面に延長され、
前記第1外部電極は前記本体の第5面及び第6面をカバーし、前記第2外部電極は前記本体の第3面及び第4面をカバーする、請求項22に記載の電子部品。
【請求項31】
誘電体層及び内部電極を含む本体と、
前記本体に配置されて前記内部電極と連結され、低反射層を含む外部電極と、を含み、
前記低反射層の表面のイメージで測定されたHSVの明度値は45%以下である、電子部品。
【請求項32】
前記低反射層はNiを含むめっき層を含む、請求項31に記載の電子部品。
【請求項33】
前記低反射層はNi-Zn系物質を含む、請求項32に記載の電子部品。
【請求項34】
前記Ni-Zn系物質はSをさらに含む、請求項33に記載の電子部品。
【請求項35】
前記めっき層は針状粒子を含む、請求項32に記載の電子部品。
【請求項36】
前記針状粒子は、Na及びClのうち少なくとも一つを含む、請求項35に記載の電子部品。
【請求項37】
前記低反射層は、金属粒子及び前記金属粒子の表面に形成された酸化膜を含む、請求項31に記載の電子部品。
【請求項38】
前記金属粒子はNiを含み、前記酸化膜はNiを含む、請求項37に記載の電子部品。
【請求項39】
前記低反射層は、前記金属粒子が分散された絶縁体をさらに含む、請求項37に記載の電子部品。
【請求項40】
前記低反射層のうち少なくとも一部の領域で前記酸化膜の一部が除去されて前記金属粒子が露出した、請求項37に記載の電子部品。
【請求項41】
前記低反射層はNiスパッタリング層を含む、請求項31に記載の電子部品。
【請求項42】
前記低反射層はNi-Zn合金を含む、請求項41に記載の電子部品。
【請求項43】
絶縁層と、
回路層と、
前記回路層と連結された電子部品と、を含み、
前記電子部品は、誘電体層及び内部電極を含む本体、並びに前記本体に配置されて前記内部電極と連結され、低反射層を含む外部電極を含み、前記低反射層の表面の明度は、前記本体の表面の明度よりも低い、電子部品内蔵基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品及び電子部品内蔵基板に関する。
【背景技術】
【0002】
キャパシタは受動電子部品の一種であり、電気を蓄えることができる素子に該当する。キャパシタの場合、基本的に2つの電極を対向させ、電圧を印加すると、各電極に電気を蓄積することができる。直流電圧を印加した場合には、電気が蓄積しつつキャパシタの内部に電流が流れるが、蓄積が完了すると、電流は流れなくなる。一方、交流電圧を印加した場合、電極の極性が交番しながら交流電流が流れるようになる。
【0003】
このようなキャパシタは、電極間に備えられる絶縁体の種類に応じて、アルミニウムで電極を構成し、上記アルミニウム電極の間に薄い酸化膜を備えるアルミニウム電解キャパシタ、電極材料としてタンタルを使用するタンタルキャパシタ、電極の間にチタンバリウムのような高誘電率の誘電体を使用するセラミックキャパシタ、電極の間に備えられる誘電体として高誘電率系セラミックを多層構造にして使用する積層セラミックキャパシタ(Multi-Layer Ceramic Capacitor、MLCC)、電極の間の誘電体としてポリスチレンフィルムを使用するフィルムキャパシタなど、様々な種類に区分することができる。
【0004】
一方、キャパシタなどの電子部品が回路基板に内蔵される場合、電子部品と回路パターンとは導電性ビアを介して連結されることができる。導電性ビアを形成するために、回路基板の絶縁層を貫通するビアホールを形成する場合、ビアホールを精密に形成しないと、回路パターンと電子部品との連結性が低下することがある。例えば、ビアホールが意図した規格に合わないように形成された場合、めっきのシーム(seam)不良やめっきのディンプル(dimple)不良などの問題が発生することがあり、これは電子部品内蔵基板の性能低下につながる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の一つは、回路基板に内蔵する際に、回路パターンとの連結性を向上することができる電子部品を実現することである。
【0006】
本発明の目的の他の一つは、信頼性が向上した電子部品内蔵基板を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するための方法として、本発明は、一例を通じて電子部品の新規な構造を提案しようとし、具体的には、誘電体層及び内部電極を含む本体及び上記本体に配置されて上記内部電極と連結され、低反射層を含む外部電極を含み、上記低反射層の表面の明度は、上記本体の表面の明度よりも低い形態である。
【0008】
一実施例において、上記低反射層の表面のイメージで測定されたHSVの明度値は45%以下であることができる。
【0009】
一実施例において、上記低反射層の表面の明度と上記本体の表面の明度は、同じ光源から照射された白色光が反射された光の強度を測定することで得られることができる。
【0010】
一実施例において、上記誘電体層及び内部電極が積層される方向を第1方向とするとき、上記本体は上記第1方向に対向する第1面及び第2面を含み、上記外部電極の一部は上記本体の第1面をカバーすることができる。
【0011】
一実施例において、上記本体の表面の明度は上記本体の第1面で測定され、上記低反射層の表面の明度は上記本体の第1面をカバーする領域の表面で測定されることができる。
【0012】
一実施例において、上記低反射層における上記本体の第1面をカバーする領域の厚さは5μm以上であることができる。
【0013】
一実施例において、上記低反射層はNiを含むめっき層を含むことができる。
【0014】
一実施例において、上記低反射層はNi-Zn系物質を含むことができる。
【0015】
一実施例において、上記Ni-Zn系物質はSをさらに含むことができる。
【0016】
一実施例において、上記めっき層は針状粒子を含むことができる。
【0017】
一実施例において、上記針状粒子はNa及びClのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0018】
一実施例において、上記低反射層は金属粒子及び上記金属粒子の表面に形成された酸化膜を含むことができる。
【0019】
一実施例において、上記金属粒子はNiを含み、上記酸化膜はNiを含むことができる。
【0020】
一実施例において、上記低反射層は上記金属粒子が分散された絶縁体をさらに含むことができる。
【0021】
一実施例において、上記低反射層のうち少なくとも一部の領域で上記酸化膜の一部が除去されて上記金属粒子が露出することができる。
【0022】
一実施例において、上記低反射層はNiスパッタリング層を含むことができる。
【0023】
一実施例において、上記低反射層はNi-Zn合金を含むことができる。
【0024】
一実施例において、上記低反射層は上記外部電極の最外側に配置されることができる。
【0025】
一実施例において、上記低反射層は上記内部電極と直接連結されることができる。
【0026】
一実施例において、上記外部電極は、上記本体と上記低反射層との間に配置されたベース層をさらに含むことができる。
【0027】
一実施例において、上記ベース層はPd及びCuのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0028】
一実施例において、上記誘電体層及び内部電極が積層される方向を第1方向とするとき、上記本体は、上記第1方向に対向する第1面及び第2面と、上記第1面及び第2面の間に位置し、第2方向に対向する第3面及び第4面と、上記第1面及び第2面の間に位置し、第3方向に対向する第5面及び第6面と、を含み、上記内部電極は、互いに交互に配置された第1及び第2内部電極を含み、上記外部電極は、上記第1及び第2内部電極とそれぞれ連結された第1及び第2外部電極を含むことができる。
【0029】
一実施例において、上記第1及び第2内部電極は、上記本体の第3及び第4面にそれぞれ延長され、上記第1及び第2外部電極は、上記本体の第3面及び第4面をそれぞれカバーすることができる。
【0030】
一実施例において、上記第1及び第2内部電極は、上記本体の第5及び第6面にそれぞれ延長され、上記第1及び第2外部電極は、上記本体の第5及び第6面をそれぞれカバーし、上記本体の第2方向の長さは、上記第3方向の長さよりも長くてもよい。
【0031】
一実施例において、上記第1内部電極は、上記本体の第3面及び第4面に延長され、上記第2内部電極は、上記本体の第3面及び第4面に延長され、上記第1及び第2外部電極は、上記本体の第3面及び第4面に上記第3方向に沿って交互に配置されることができる。
【0032】
一実施例において、上記第1内部電極は、上記本体の第1面に延長され、上記第2内部電極は、上記本体の第1面に延長され、上記第1及び第2外部電極は、上記本体の第1面をカバーすることができる。
【0033】
一実施例において、上記第1外部電極は複数個備えられ、上記第3方向を基準として、上記第2外部電極は上記複数の第1外部電極の間に配置されることができる。
【0034】
一実施例において、上記第1及び第2外部電極は、上記本体の第2面には形成されなくてもよい。
【0035】
一実施例において、上記第1及び第2外部電極は上記本体の第5及び第6面に形成されなくてもよい。
【0036】
一実施例において、上記第1内部電極は、上記本体の第5面及び第6面に延長され、上記第2内部電極は、上記本体の第3面及び第4面に延長され、上記第1外部電極は、上記本体の第5面及び第6面をカバーし、上記第2外部電極は、上記本体の第3面及び第4面をカバーすることができる。
【0037】
本発明の他の実施形態に係る電子部品の場合、誘電体層及び内部電極を含む本体、並びに上記本体に配置されて上記内部電極と連結され、低反射層を含む外部電極を含み、上記低反射層の表面のイメージで測定されたHSVの明度値は45%以下である。
【0038】
一方、本発明の他の側面は、絶縁層と、回路層、及び上記回路層と連結された電子部品を含み、上記電子部品は、誘電体層及び内部電極を含む本体、並びに上記本体に配置されて上記内部電極と連結され、低反射層を含む外部電極を含み、上記低反射層の表面の明度は、上記本体の表面の明度よりも低い電子部品内蔵基板を提供する。
【発明の効果】
【0039】
本発明の一例に係る電子部品は、回路基板に内蔵するときの回路パターンとの連結性に優れることができ、このような電子部品を有する電子部品内蔵基板の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の一実施形態に係る電子部品の外観を概略的に示した斜視図である。
図2図1のI-I'線に沿った断面図である。
図3図1のII-II'線に沿った断面図である。
図4図1の電子部品において採用可能な本体を分解して示した分解斜視図である。
図5図1の電子部品に白色光が照射される場合の例を示したものである。
図6図1の電子部品を一方向から見た平面図である。
図7】本発明の一実施例及び比較例に係る電子部品に白色光を照射した後の明度を比較したものである。
図8図1の電子部品において採用可能な低反射層の一領域を拡大して示したものである。
図9図1の電子部品において採用可能な低反射層の一領域を拡大して示したものである。
図10図1の電子部品において採用可能な低反射層の一領域を拡大して示したものである。
図11】変形された形態の外部電極を有する電子部品の断面図である。
図12】第2形態に係る電子部品の外観を概略的に示した斜視図である。
図13図12の電子部品において採用可能な本体を分解して示した分解斜視図である。
図14】第3形態に係る電子部品の外観を概略的に示した斜視図である。
図15図14の電子部品において採用可能な本体を分解して示した分解斜視図である。
図16】第4形態に係る電子部品の外観を概略的に示した斜視図である。
図17図16の電子部品において採用可能な本体を分解して示した分解斜視図である。
図18】第5形態に係る電子部品の外観を概略的に示した斜視図である。
図19図18の電子部品において採用可能な本体を分解して示した分解斜視図である。
図20】本発明の一実施形態に係る電子部品内蔵基板を概略的に示した断面図である。
図21】電子部品内蔵基板においてビアホールを形成する工程例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して本発明の実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下で説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張することができ、図面上の同じ符号で示される要素は同じ要素である。
【0042】
そして、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、複数の層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示しており、同じ思想の範囲内の機能が同一である構成要素については、同じ参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」と言うとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0043】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子部品の外観を概略的に示した斜視図である。図2及び図3は、それぞれ図1のI-I'線に沿った断面図及びII-II'線に沿った断面図である。そして、図4は、図1の電子部品において採用可能な本体を分解して示した分解斜視図である。
【0044】
図1図4を参照すると、本発明の一実施形態に係る電子部品100は、本体110と低反射層131、141とを含む外部電極130、140を主要構成として含み、ここで、低反射層131、141の表面の明度は本体110の表面の明度よりも低い。このような明度の相対的な比較条件に加えて、低反射層131、141の表面のイメージで測定されたHSV(Hue Saturation Value)の明度値は45%以下であるものと定義することもできる。本実施形態のように、外部電極130に低反射層131、141を採用することにより、外部電極130における光エネルギー反射が減少できる。このような電子部品100を回路基板等に内蔵する場合、電子部品100と連結されるビアホールを形成するためのレーザ加工の際、電子部品100の光エネルギー反射によりホール加工の精度が低下するという問題を低減することができ、これにより、電子部品100と導電性ビア(図20の205)との連結性を向上することができる。低反射層131、141に関する詳細内容については後述する。一方、本実施形態では、電子部品100として積層型キャパシタ、特に、積層型セラミックキャパシタを例に挙げているが、他にも異なる形態の部品、例えば、薄型キャパシタ、コイル部品、抵抗部品など回路基板に内蔵可能な様々な部品が使用されることができる。
【0045】
本体110は、誘電体層111及び誘電体層111と交互に配置される内部電極121、122を含み、ここで、内部電極121、122は、第1内部電極121と第2内部電極122とを含むことができる。本体110の具体的な形状に特に制限はないが、図示のように、本体110は六面体形状又はこれと類似の形状からなることができる。焼成過程で本体110に含まれたセラミック粉末の収縮により、本体110は完全な直線を有する六面体形状ではないが、実質的に六面体形状を有することができる。誘電体層111及び内部電極121、122が積層される方向を第1方向D1とするとき、本体110は、第1方向D1に互いに対向する第1面及び第2面S1、S2を含むことができる。また、本体110は、第1面S1及び第2面S2の間に位置し、第2方向D2に対向する第3面S3及び第4面S4と、第1面S1及び第2面S2の間に位置し、第3方向D3に対向する第5面S5及び第6面S6とを含むことができる。
【0046】
本体110を形成する複数の誘電体層111は焼成された状態であって、隣接する誘電体層111間の境界は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量が得られる限り特に限定されない。例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料、又はチタン酸ストロンチウム系材料などを使用することができる。上記チタン酸バリウム系材料は、BaTiO系セラミック粉末を含むことができ、上記セラミック粉末の例示として、BaTiO、BaTiOにCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)等が一部固溶した(Ba1-xCa)TiO(0<x<1)、Ba(Ti1-yCa)O(0<y<1)、(Ba1-xCa)(Ti1-yZr)O(0<x<1、0<y<1)又はBa(Ti1-yZr)O(0<y<1)等が挙げられる。また、誘電体層111を形成する原料は、チタン酸バリウム(BaTiO)などのパウダーに、本発明の目的に応じて様々なセラミック添加剤、有機溶剤、結合剤、分散剤などを添加することができる。
【0047】
一方、誘電体層111の平均厚さtdは特に限定する必要はない。例えば、誘電体層111の平均厚さtdは0.2μm以上2μm以下であってもよく、電子部品100の高容量化及び小型化をより容易に達成するために、誘電体層111の平均厚さtdは0.35μm以下であってもよい。誘電体層111の平均厚さtdは、上記第1及び第2内部電極121、122の間に配置される誘電体層111の平均厚さtdを意味することができる。誘電体層111の平均厚さtdは、本体110の第1方向D1-第2方向D2の断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージをスキャンして測定することができる。より具体的に、スキャンされたイメージにおいて、一つの誘電体層を長さ方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定して平均値を測定することができる。上記等間隔である30個の地点は容量形成部Cで指定することができる。また、このような平均値の測定を10個の誘電体層に拡張して平均値を測定すると、誘電体層の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0048】
図2を参照すると、本体110は本体110の内部に配置され、誘電体層111を挟んで交互に配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含んで容量が形成される容量形成部Cと、容量形成部Cの第1方向D1の一面及び他面に配置されたカバー部112、113とを含むことができる。また、容量形成部Cは、キャパシタの容量形成に寄与する部分であって、誘電体層111を挟んで複数の第1及び第2内部電極121、122を繰り返し積層して形成することができる。カバー部112、113は、単一のグリーンシート又は2つ以上のグリーンシートを容量形成部Cの第1方向D1の一面及び他面にそれぞれ第1方向に積層して形成することができ、物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。また、カバー部112、113は内部電極を含まず、誘電体層111と同じ材料を含むことができる。一方、カバー部112、113の平均厚さは特に限定する必要はない。但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、カバー部112、113の平均厚さtcは15μm以下であってもよい。カバー部112、113の平均厚さtcは、第1方向D1の長さを意味することができ、容量形成部Cの上部又は下部において等間隔の5個の地点で測定したカバー部112、113の第1方向D1の長さを平均した値であることができる。
【0049】
図3を参照すると、容量形成部Cの第3方向D3の一面及び他面にはマージン部114、115が配置されることができる。マージン部114、115は、図示のように、第1及び第2内部電極121、122の両端と本体110の境界面との間の領域を意味することができる。マージン部114、115は、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。マージン部114、115は、セラミックグリーンシート上にマージン部が形成される箇所を除き、導電性ペーストを塗布して内部電極を形成することにより形成されたものであってもよい。マージン部114、115の幅は特に限定する必要はない。但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、マージン部114、115の平均幅は15μm以下であってもよい。マージン部114、115の平均幅は、マージン部114、115の第3方向D3の長さの平均値を意味することができ、容量形成部Cの側面において等間隔の5個の地点で測定したマージン部114、115の第3方向の長さを平均した値であることができる。
【0050】
内部電極121、122は、誘電体層111と第1方向D1に交互に配置される。内部電極121、122は、第1及び第2内部電極121、122を含むことができる。第1及び第2内部電極121、122は、本体110を構成する誘電体層111を挟んで互いに対向するように交互に配置され、本体110の第3面及び第4面S3、S4にそれぞれ延長されることができる。具体的に、図2に示すように、第1内部電極121は第4面S4と離隔して第3面S3を介して露出し、第2内部電極122は第3面S3と離隔して第4面S4を介して露出することができる。そして、本体110の第3面S3には、第1外部電極130が配置されて第1内部電極121と連結され、本体の第4面S4には、第2外部電極140が配置されて第2内部電極122と連結されることができる。すなわち、第1内部電極121は第2外部電極140とは連結されずに第1外部電極130と連結され、第2内部電極122は第1外部電極130とは連結されずに第2外部電極140と連結される。したがって、第1内部電極121は第4面S4において一定距離離隔して形成され、第2内部電極122は第3面S3において一定距離離隔して形成されることができる。このとき、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に分離されてもよい。
【0051】
内部電極121、122を形成する材料は特に限定されず、電気伝導性に優れた材料を使用することができる。例えば、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、錫(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びそれらの合金のうち一つ以上を含むことができる。また、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、錫(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びそれらの合金のうち一つ以上を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷して形成することができる。上記内部電極用導電性ペーストの印刷方法としては、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを使用することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0052】
外部電極130、140は本体110に配置され、内部電極121、122とそれぞれ連結された第1及び第2外部電極130、140を含むことができる。この場合、図示の形態のように、第1及び第2内部電極121、122は、本体110の第3面S3及び第4面S4にそれぞれ延長され、第1及び第2 外部電極130、140は、本体110の第3面S3及び第4面S4にそれぞれ配置され、本体110の第1面S1及び第2面S2に延長される形態であってもよい。本実施形態の場合、外部電極130、140は、従来よりも低いレベルの表面明度を有する低反射層131、141を含み、ここで、低反射層131、141は外部電極130、140の最外側に配置されることができる。従来は、レーザ等を用いて回路基板の絶縁層にビアホールを形成する場合、外部電極の光エネルギー反射により、これに隣接する絶縁層領域においてレーザエネルギーの吸収が妨げられる現象が発生し、これによりビアホールの形状 やサイズを精密に加工することが困難であった。
【0053】
本実施形態では、光反射度の低い低反射層131、141を有する外部電極130、140を使用することにより、回路基板の絶縁層にビアホールを加工する場合、ビアホールの加工精度を向上可能にした。このようにビアホールの加工時、光エネルギー反射を低減すべく低反射層131、141は相対的に暗い色を有するように、つまり、明度が低く形成され、具体的に、低反射層131、141の表面の明度は、本体110の表面の明度よりも低い。低反射層131、141と本体110との表面明度の差は、一般的な室内や室外環境で目視で見たときに区分可能な程度であり得る。但し、より具体的に明度を比較できる基準を提示すると、低反射層131、141の表面の明度及び本体110の表面の明度は、表面に白色光を照射して反射される光の強度を基準とすることができ、より具体的には、同じ光源から照射された白色光を照射して反射される光の強度を測定することによって得られることができる。この場合、図5及び図6に示す形態のように、本体110の表面の明度は、本体110の第1面S1で測定され、低反射層131、141の表面の明度は、これと同じ方向の面、すなわち、本体110の第1面S1に配置された領域の表面で測定されることができる。図5は、白色光を電子部品100に向かって照射したときに本体110及び低反射層131、141によって反射される形態を模式的に示しているが、低反射層131、141における光エネルギーの反射が相対的に低く起こる。
【0054】
低反射層131、141と本体110の表面明度は、同じ光源から照射された白色光を照射して反射される光の強度を測定することで得られ、例えば、反射される光をイメージセンサで収容した後、これにより得られたイメージからHSVの明度値を得ることができる。ここで、イメージのHSVの明度値を得ることは、当技術分野で知られているイメージ処理又はイメージビューアプログラム、例えば、オープンソースイメージエディタであるGNU Image Manipulation Program(GIMP)などを使用することができる。そして、低反射層131、141と本体110の表面明度は、スキャン装置を介して得られることができ、例えば、電子部品100をイメージスキャナに配置して電子部品100から光源に向かう面、例えば、本体110の第1面S1と低反射層131、141で本体110の第1面S1に配置された領域の表面明度を測定することができる。この場合、一例として、表面明度値を補正するために、上述したGIMPにおいて、色>レベル>A4白紙の背景を白色点として指定することができる。低反射層131、141と本体110の表面のうち外郭領域は、周辺の影響等により明度値が変わることがあるため、明度測定の対象領域を中心領域として特定することができる。すなわち、図6に示す形態のように、低反射層131、141の表面の明度は、低反射層131、141の表面の中心を含み、低反射層131、141の表面の横及び縦の長さのそれぞれ30%~60%の横及び縦の長さを有する矩形領域Eの平均明度であることができる。例えば、低反射層131、141の表面の明度は、低反射層131、141の表面の中心を含み、低反射層131、141の表面の横及び縦の長さのそれぞれ半分である横及び縦の長さを有する矩形領域Eの平均明度であることができる。同様に、本体110の表面の明度は、本体110の表面の中心を含み、本体110の表面の横及び縦の長さのそれぞれ半分である横及び縦の長さを有する矩形領域Bの平均明度であることができる。この場合、スキャナによって得られた本体110と低反射層131、141の表面イメージのうち、明度測定の対象となる領域をイメージエディタの選択ツールを用いて指定することができ、当該領域のヒストグラムで明度レベルを確認することができる。
【0055】
一方、低反射層131、141の低反射機能が効果的に行われるように、低反射層131、141の厚さTを調節することができる。具体的に、低反射層131、141において本体110の第1面S1に配置された領域の厚さTは5μm以上であることができ、ここで、低反射層131、141の厚さTは最大厚さであることができる。
【0056】
低反射層131、141と本体110の表面明度値に関する具体的な例として、まず、低反射層131、141の表面のイメージで測定されたHSVの明度値は45%以下、より低い場合には40%以下、さらには35%以下であることができる。ここで、HSVの明度値が0%の場合は黒色、100%の場合は白色を意味する。本体110の表面の明度はこれより高くてもよく、具体的に、本体100の表面のイメージで測定されたHSVの明度値は45%より大きくてもよい。本発明の発明者らの研究によれば、低反射層131、141の表面の明度がHSVの明度値を基準として45%以下のレベルに低い場合に、電子部品100を内蔵した回路基板のレーザ加工時の精度が従来よりも向上できた。
【0057】
図7は、本発明の一実施例(左側)と比較例(右側)に係る電子部品に白色光を照射した後の明度を比較したものである。実施例の場合、Ni-Zn-S系めっき層で低反射層131、141を形成した。比較例1の場合、Ni/Snめっき層を最外層にして外部電極30、40を形成し、比較例2の場合、従来の基板内蔵キャパシタの電極として使用されるCu電極層を最外側にして外部電極30、40を形成した。このような電子部品をスキャナに投入して隣接配置した後、300dpiで表面スキャンを行い、イメージ処理ソフトウェアであるGIMPを用いて表面イメージを得た。この場合、低反射層131、141の表面の明度は、低反射層131、141の表面の中心を含み、低反射層131、141の表面の横長の36%、縦長の60%を有する矩形領域Aで測定しており、本体110の表面の明度は、本体110の表面の中心を含み、本体110の表面の横及び縦の長さのそれぞれ半分である横及び縦の長さを有する矩形領域Bで測定した。上述のように、各領域の表面明度はHSVの明度値を基準とする。実施例の場合、低反射層131、141の表面イメージにおけるHSVの明度値は平均して約30.8%のレベルであり、標準偏差は1.9%であった。比較例1の場合、外部電極30、40の表面イメージにおけるHSVの明度値は平均して約73%のレベルであり、標準偏差は3.8%であった。比較例2の場合、外部電極30、40の表面イメージにおけるHSVの明度値は平均して約80.8%のレベルと最も高く、標準偏差は1.6%であった。実施例と比較例において、本体110、10の表面明度には特別な差がなく、HSVの明度値は平均48.2%~51.5%のレベルであった。
【0058】
図8図10を参照して、構造的な観点から低反射層の具体的な例について説明する。図8図10は、図1の電子部品において採用可能な低反射層の一領域を拡大して示したものである。白色光に対して相対的に低い反射度を有するために、低反射層131、141はNiを含むめっき層を含むことができ、より具体的な例として、低反射層131、141はNi-Zn系物質を含むことができる。また、上記Ni-Zn系物質はS(Sulfur)をさらに含むことができる。Ni、Zn、Sの成分等を含むめっき液を用いてめっきする場合、低反射層131、141は硫化ニッケル(Nickel Sulfide)、Ni金属、Zn金属などを含むことができ、相対的に暗い色、例えば、黒色又は黒色に近い色を呈することができる。他の例として、図8に示す形態のように、低反射層131、141に含まれた上記めっき層は針状粒子150を含むことができる。ここで、針状とは、粒子の短軸の長さよりも長軸の長さがより長い形態であり、例えば、長軸の長さが短軸の長さの2倍以上である形状を意味することができる。低反射層131、141が針状粒子150を含む場合、一側から入射した光は光源方向に反射されるのではなく、ランダムな方向に広がり、これによって低反射層131、141の表面明度が低くなり得る。本発明者らの研究によれば、針状粒子150は、Niめっき時に構造的な変化を起こすことにより得られることができ、例えば、NiClめっき液にNaClを添加した後、めっきを実行すると、針状粒子150が得られることができる。これにより、めっき液成分中にNa及びClなどが微量でも残存することがあるが、この場合、針状粒子150はNa及びClのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0059】
他の例として、図9に示す形態のように、低反射層131、141は、金属粒子160及び金属粒子160の表面に形成された酸化膜161を含むことができる。金属粒子160の表面に形成された酸化膜161は、高い表面粗さを有し、相対的に光反射度が低いため、暗い色を呈することができる。この場合、金属粒子160はNiを含み、酸化膜161はNiを含むことができる。また、金属粒子160の他にも、低反射層131、141は、金属粒子160が分散された絶縁体162をさらに含むことができ、ここで、絶縁体162は樹脂成分を含むことができる。この場合、低反射層131、141は、酸化膜161を有する金属粒子160をエポキシ樹脂等の絶縁体162に分散してペースト状にした後、これを乾燥及び硬化する方法により形成することができる。その他にも、金属粒子160をめっき等の方法により形成した後、その表面を酸化処理して酸化膜161を実現することもできる。図示の形態のように、金属粒子160のサイズに比べて酸化膜161は薄い厚さに形成されるため、低反射層131、141の電気伝導性に大きな影響を与えない可能性がある。但し、実施形態に応じて、図10に示す形態のように、低反射層131、141のうち少なくとも一部の領域で酸化膜161の一部が除去されて金属粒子160が露出することができ、これにより低反射層131、141の電気伝導性が向上することができる。この場合、酸化膜161は、上述したビアホール加工工程(図21参照)中にレーザ等の照射により発生する熱によって除去されることができる。
【0060】
上述の構造や方法の他にも、低反射層131、141はスパッタリング工程によって実現することもできる。具体的な例として、低反射層131、141はNiスパッタリング層を含むことができ、ここで、上記Niスパッタリング層はNi-Zn合金を含むことができる。スパッタリング工程で得られた低反射層131、141は、高い表面粗さを有し、相対的に光反射度が低いため、暗い色を呈することができる。
【0061】
一方、低反射層131、141は、図2に示す形態のように内部電極121、122と直接連結されることができる。すなわち、本体110と低反射層131、141との間に他の電極層が存在しなくてもよい。これとは異なり、図11の変形例のように、外部電極130、140は、本体110と低反射層131、141との間に配置されたベース層132、142をさらに含むことができる。この場合、ベース層132、142は、Pd及びCuのうち少なくとも一つを含むことができる。ベース層132、142は、低反射層131、141を形成するためのシード層として機能することができ、特に、Pdを用いてベース層132、142を形成する場合、ベース層132、142は薄いながらも高い電気伝導性を有することができる。図11の変形例は、以下の実施形態においても採用することができる。
【0062】
図12図19を参照し、様々な形態の電子部品について、前述の実施形態とは異なる部分を中心にして説明する。以下の実施形態においても、外部電極130、140は、相対的に表面の明度が低い低反射層131、141を含み、これに関する重複説明は省略する。まず、図12及び図13を参照すると、第2実施形態に係る電子部品100Aの場合、第1及び第2内部電極121、122は、本体110の第5面S5及び第6面S6にそれぞれ延長され、第1及び第2外部電極130、140は、本体110の第5面S5及び第6面S6にそれぞれ配置される。ここで、前述の実施形態とは異なり、本体110の第2方向の長さL2は、第3方向の長さL3よりも長い。このような構造は、いわゆるLICC(Low Inductance Chip Capacitor)に該当する。
【0063】
次に、図14及び図15を参照すると、第3実施形態に係る電子部品100Bの場合、8端子構造に該当する。具体的に、第1内部電極121は、本体110の第3面S3及び第4面S4に延長され、第2内部電極122は、本体110の第3面S3及び第4面S4に延長され、第1及び第2外部電極130、140は、本体110の第3面S3及び第4面S4に第3方向D3に沿って交互に配置された形態である。この場合、第1内部電極121は、第1リードR1を介して第1外部電極130と連結され、第2内部電極122は、第2リードR2を介して第2外部電極140と連結されることができる。
【0064】
次に、図16及び図17を参照すると、第4実施形態に係る電子部品100Cの場合、外部電極130、140が配置された本体110の第3面S3及び第4面S4に対して内部電極121、122が垂直方向に配置された垂直積層型キャパシタ(Vertically Laminated Capacitor)に該当する。具体的に、第1内部電極121は、本体110の第3面S3に延長され、第2内部電極122は、本体110の第3面S3に延長され、ここで、第1及び第2外部電極130、140は、本体110の第3面S3に配置された形態である。そして、第1外部電極130は複数個備えられ、第3方向D3を基準として第2外部電極140は複数の第1外部電極130の間に配置されることができる。この場合、第1内部電極121は、第1リードR1を介して第1外部電極130と連結され、第2内部電極122は、第2リードR2を介して第2外部電極140と連結されることができる。また、図示の形態のように、第1及び第2外部電極130、140は、本体110の第4面S4には形成されなくてもよい。さらには、第1及び第2外部電極130、140は、本体110の第5面S5及び第6面S6には形成されなくてもよい。
【0065】
次に、図18及び図19を参照すると、第5実施形態に係る電子部品100Dの場合、第1内部電極121は、本体110の第5面S5及び第6面S6に延長され、第2内部電極122は、本体110の第3面S3及び第4面S4に延長される形態である。そして、第1外部電極130は、本体110の第5面S5及び第6面S6に配置され、第2外部電極140は、本体110の第3面S3及び第4面S4に配置される。電子部品100Dを回路基板に配置する場合、第1外部電極130は信号ラインと連結されることができ、これにより電子部品100Dは3端子キャパシタとして機能することができる。
【0066】
図20及び図21を参照して電子部品内蔵基板について説明する。図20は、本発明の一実施形態に係る電子部品内蔵基板を概略的に示した断面図であり、図21は、電子部品内蔵基板においてビアホールを形成する工程例を示す。図20を参照すると、電子部品内蔵基板200は、絶縁層201、回路層202、及び回路層202と連結された電子部品100を含む。ここで、電子部品100は、前述した実施形態に係る電子部品を採用することができ、図20では、図2の電子部品100を示している。電子部品100は、誘電体層111及び内部電極121、122を含む本体110及び本体110に配置されて内部電極121、122と連結され、低反射層131、141を含む外部電極130、140を含み、低反射層131、141の表面の明度は本体110の表面の明度よりも低い。また、電子部品内蔵基板200は、絶縁層201を少なくとも一部貫通して電子部品100と回路層202とを連結する導電性ビア205をさらに含むことができる。導電性ビア205の直径Dは50~80μmであることができ、ここで、直径Dは最大直径であることができる。具体的に、導電性ビア205の直径Dは、第2方向D2の最大長さであることができる。その他にも、電子部品100の上部及び下部に配置された回路層202を連結する貫通ビア203や、互いに異なるレベルに配置された回路層202を連結する導電性ビア204をさらに含むことができる。
【0067】
電子部品100の外部電極130、140は、表面の明度が相対的に低い低反射層131、141を含み、これにより導電性ビア205と電子部品100の連結性が向上できる。図21を参照すると、レーザ加工により絶縁層201にビアホールHを形成する場合、低反射層131、141は、絶縁層201がレーザエネルギーを吸収することを妨げないため、ビアホールHの加工精度が向上できる。一方、図20及び図21の実施形態では、回路層202と電子部品100とが一側でのみ連結されているが、連結経路は変わり得る。例えば、図20を基準として、電子部品100の下面を介して回路層202と連結されてもよく、そのために導電性ビア203をさらに備えてもよい。
【0068】
本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で様々な形態の置換、変形及び変更が可能であることは、当技術分野における通常の知識を有する者には自明であり、これも添付の特許請求の範囲に記載された技術的思想に属するといえる。
【符号の説明】
【0069】
100:電子部品
110:本体
111:誘電体層
112、113:カバー部
114、115:マージン部
121、122:内部電極
130、140:外部電極
131、141:低反射層
132、142:ベース層
200:電子部品内蔵基板
201:絶縁層
202:回路層
203:貫通ビア
204、205:導電性ビア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21