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特開2024-166088ゲートドライバデバイスのための安全回路、対応するゲートドライバデバイス及びドライバシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166088
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】ゲートドライバデバイスのための安全回路、対応するゲートドライバデバイス及びドライバシステム
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/08 20060101AFI20241121BHJP
   H03K 17/687 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H02M1/08 A
H03K17/687 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024063855
(22)【出願日】2024-04-11
(31)【優先権主張番号】102023000007197
(32)【優先日】2023-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】18/627,197
(32)【優先日】2024-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】312014443
【氏名又は名称】エスティーマイクロエレクトロニクス インターナショナル エヌ.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ポリ,エンリコ
(72)【発明者】
【氏名】マラーノ,ヴィンチェンツォ
(72)【発明者】
【氏名】フェハー,アンドリヤ
(72)【発明者】
【氏名】アラサーリ,ペッカ サカリ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】集積回路内にセーフトルクオフ(STO)安全機能を実装する安全回路及びゲートドライバデバイスを提供する。
【解決手段】ゲートドライバデバイス14のために、単一のハイサイドPWM駆動信号INH及び単一のローサイドPWM駆動信号INL、システム供給電圧VDD並びに第1の安全信号STO1及び第2の安全信号STO2を受信する安全回路13は、第1の安全信号がデアサートされた場合、PWM駆動信号を伝搬してゲート駆動信号INHg、INLgを生成し、かつ、PWM駆動信号の伝搬を無効にし、ゲート駆動信号をデアサートする第1の論理回路202、213と、第2の安全信号がデアサートされた場合、電力供給出力ノードをシステム供給電圧に結合して、ドライバ供給電圧VSUPPLYを生成し、第2の安全信号がアサートされた場合、電力供給出力ノードをシステム供給電圧から切り離す第2の論理回路216と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのPWM駆動信号を受信するように構成された少なくとも1つのPWM入力ピンと、
システム供給電圧を受け取るように構成された電力供給入力ピンと、
第1の安全信号を受信するように構成された第1の安全入力ピン及び第2の安全信号を受信するように構成された第2の安全入力ピンと、
ハイサイドゲート駆動信号を生成するように構成されたハイサイド駆動出力ノード及びローサイドゲート駆動信号を生成するように構成されたローサイド駆動出力ノードと、
ドライバ供給電圧を生成するように構成された電力供給出力ノードと、
第1の論理回路であって、
前記第1の安全信号がデアサートされることに応答して、前記少なくとも1つのPWM駆動信号を伝搬して、前記ハイサイドゲート駆動信号及び前記ローサイドゲート駆動信号を生成し、
前記第1の安全信号がアサートされることに応答して、前記少なくとも1つのPWM駆動信号の伝搬を無効にし、前記ハイサイドゲート駆動信号及び前記ローサイドゲート駆動信号をデアサートするように構成された、第1の論理回路と、
第2の論理回路であって、
前記第2の安全信号がデアサートされることに応答して、前記電力供給出力ノードを前記電力供給入力ピンに結合して、前記システム供給電圧を前記ドライバ供給電圧として伝搬し、
前記第2の安全信号がアサートされることに応答して、前記電力供給出力ノードを前記電力供給入力ピンから切り離して、前記システム供給電圧の伝搬を無効にするように構成された、第2の論理回路と
を備える安全回路。
【請求項2】
前記少なくとも1つのPWM入力ピンは、ハイサイドPWM駆動信号を受信するように構成されたハイサイドPWM入力ピンと、ローサイドPWM駆動信号を受信するように構成されたローサイドPWM入力ピンとを備え、
前記第1の論理回路は、
前記第1の安全信号がデアサートされることに応答して、前記ハイサイドPWM駆動信号を前記ハイサイド駆動出力ノードに伝搬して、前記ハイサイドゲート駆動信号を生成し、前記ローサイドPWM駆動信号を前記ローサイド駆動出力ノードに伝搬して、前記ローサイドゲート駆動信号を生成し、
前記第1の安全信号がアサートされることに応答して、前記ハイサイド駆動出力ノードへの前記ハイサイドPWM駆動信号の伝搬を無効にし、前記ローサイド駆動出力ノードへの前記ローサイドPWM駆動信号の伝搬を無効にし、前記ハイサイドゲート駆動信号及び前記ローサイドゲート駆動信号をデアサートするように構成される、請求項1に記載の安全回路。
【請求項3】
前記第1の論理回路は、前記第1の論理回路の動作において故障が検出されたことに応答して、第1の複合された故障信号をアサートするように構成され、
前記第2の論理回路は、前記第2の論理回路の動作において故障が検出されたことに応答して、第2の複合された故障信号をアサートするように構成され、
前記安全回路は、
前記第1の複合された故障信号がアサートされることに応答して、前記第2の安全信号をアサート状態に強制するように構成された第1のバックアップ起動回路と、
前記第2の複合された故障信号がアサートされることに応答して、前記第1の安全信号をアサート状態に強制するように構成された第2のバックアップ起動回路と
を更に備える、請求項1に記載の安全回路。
【請求項4】
前記第1の論理回路は、
前記少なくとも1つのPWM駆動信号及び前記第1の安全信号にAND論理処理を適用して、前記ハイサイドゲート駆動信号を生成するように構成された第1のAND論理ゲートと、
前記少なくとも1つのPWM駆動信号及び前記第1の安全信号にAND論理処理を適用して、前記ローサイドゲート駆動信号を生成するように構成された第2のAND論理ゲートと
を備える、請求項1に記載の安全回路。
【請求項5】
前記第1の論理回路は、
前記少なくとも1つのPWM駆動信号及び前記第1の安全信号にAND論理処理を適用して、ハイサイドチェック信号を生成するように構成された第3のAND論理ゲートと、
前記少なくとも1つのPWM駆動信号及び前記第1の安全信号にAND論理処理を適用して、ローサイドチェック信号を生成するように構成された第4のAND論理ゲートと、
前記ハイサイドゲート駆動信号及び前記ハイサイドチェック信号にXOR論理処理を適用して、ハイサイド故障信号を生成するように構成された第1のXOR論理ゲートと、
前記ローサイドゲート駆動信号及び前記ローサイドチェック信号にXOR論理処理を適用してローサイド故障信号を生成するように構成された第2のXOR論理ゲートと、
前記ハイサイド故障信号及び前記ローサイド故障信号にOR論理処理を適用して、第1の複合された故障信号を生成するように構成されたOR論理ゲートと
を備え、
前記安全回路は、前記第1の複合された故障信号がアサートされることに応答して、前記第2の安全信号をアサート状態に強制するように構成された第1のバックアップ起動回路を更に備える、請求項4に記載の安全回路。
【請求項6】
前記第1のバックアップ起動回路は、
それぞれのセット端子において前記第1の複合された故障信号を受信し、それぞれのリセット端子においてパワーオンリセット信号の前記補数を受信し、それぞれのデータ出力端子において第1の起動信号を生成するように構成されたラッチ要素と、
前記ラッチ要素に結合され、前記第1の起動信号がアサートされることに応答して、前記第2の安全信号をプルダウンするように構成されたプルダウンスイッチと
を備える、請求項5に記載の安全回路。
【請求項7】
前記第2の論理回路は、方形波セルフテスト信号を受信するように構成され、
前記第2の論理回路は、
前記電力供給入力ピンと前記電力供給出力ノードとの間に直列に配置された第1のスイッチ及び第2のスイッチであって、前記第1のスイッチは、前記第2の安全信号及び前記セルフテスト信号にAND論理処理を適用するように構成されたAND論理ゲートの出力によって制御され、前記第2のスイッチは、前記セルフテスト信号によって制御される、第1のスイッチ及び第2のスイッチと、
前記電力供給入力ピンと前記電力供給出力ノードとの間に直列に配置された第3のスイッチ及び第4のスイッチであって、前記第3のスイッチは、AND論理処理を前記第2の安全信号及び前記セルフテスト信号の補数にAND論理処理を適用するように構成されたAND論理ゲートの出力によって制御され、前記第4のスイッチは、前記セルフテスト信号の前記補数によって制御される、第3のスイッチ及び第4のスイッチと
を備える、請求項1に記載の安全回路。
【請求項8】
前記第2の論理回路は、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの中間のノードにおける電圧が閾値よりも低いことに応答して、それぞれの出力信号をアサートするように構成された第1の不足電圧検出器と、
前記第3のスイッチと前記第4のスイッチとの中間のノードにおける電圧が閾値よりも低いことに応答して、それぞれの出力信号をアサートするように構成された第2の不足電圧検出器と、
前記セルフテスト信号及び前記第1の不足電圧検出器からの前記出力信号がデアサートされることに応答して、第1の供給故障信号をアサートするように構成された第1の論理ゲートと、
前記セルフテスト信号がアサートされ、前記第2の不足電圧検出器からの前記出力信号がデアサートされることに応答して、第2の供給故障信号をアサートするように構成された第2の論理ゲートと、
前記第1の供給故障信号及び前記第2の供給故障信号にOR論理処理を適用して、第2の複合された故障信号を生成するように構成されたOR論理ゲートと
を備え、
前記安全回路は、前記第2の複合された故障信号がアサートされることに応答して、前記第1の安全信号をアサート状態に強制するように構成された第2のバックアップ起動回路を更に備える、請求項7に記載の安全回路。
【請求項9】
前記第1の複合された故障信号及び前記第2の複合された故障信号のうちのいずれか1つがアサートされることに応答して、診断出力ピンにおいてフォルト信号をアサートするように更に構成される、請求項3に記載の安全回路。
【請求項10】
前記第2のバックアップ起動回路は、前記セルフテスト信号の周波数が予想範囲外であることに応答して、ウォッチドッグ信号をアサートするように構成されたウォッチドッグ回路を備え、前記第2のバックアップ起動回路は、前記ウォッチドッグ信号がアサートされることに応答して、前記第1の安全信号をアサート状態に強制するように構成される、請求項8に記載の安全回路。
【請求項11】
前記第2のバックアップ起動回路は、
前記第2の複合された故障信号と前記ウォッチドッグ信号とにOR論理処理を適用するように構成されたOR論理ゲートと、
それぞれのセット端子において前記OR論理ゲートから前記出力信号を受信し、それぞれのリセット端子においてパワーオンリセット信号の補数を受信し、それぞれのデータ出力端子において第2の起動信号を生成するように構成されたラッチ要素と、
前記ラッチ要素に結合され、前記第2の起動信号がアサートされることに応答して、前記第1の安全信号をプルダウンするように構成されたプルダウンスイッチと
を備える、請求項10に記載の安全回路。
【請求項12】
前記第1の論理回路は、前記第1の安全信号がアサートされている間に前記ハイサイドゲート駆動信号及び前記ローサイドゲート駆動信号がデアサートされることに応答して、第1の内部フィードバック信号をアサートするように構成され、
前記第2の論理回路は、前記電力供給出力ノードにおける電圧が閾値よりも低いことに応答して、第2の内部フィードバック信号をアサートするように構成され、
前記安全回路は、前記第1の内部フィードバック信号及び前記第2の内部フィードバック信号のうちのいずれか1つがアサートされることに応答して、フィードバック出力ピンにおいてフィードバック信号をアサートするように更に構成される、請求項1に記載の安全回路。
【請求項13】
ゲートドライバデバイスであって、
安全回路であって、
少なくとも1つのPWM入力ピンと、
電力供給入力ピンと、
第1安全入力ピン及び第2安全入力ピンと、
ハイサイド駆動出力ノードと、
ローサイド駆動出力ノードと、
電力供給出力ノードと、
第1論理回路と、
第2の論理回路と
を含む安全回路と、
レベルシフタ回路及び出力ハイサイドドライバ回路であって、前記レベルシフタ回路は、前記ハイサイド駆動出力からハイサイドゲート駆動信号を受信し、前記出力ハイサイドドライバ回路を駆動するように構成される、レベルシフタ回路及び出力ハイサイドドライバ回路と、
プリドライバ回路及び出力ローサイドドライバ回路であって、前記プリドライバ回路は、前記ローサイド駆動出力からローサイドゲート駆動信号を受信し、前記出力ローサイドドライバ回路を駆動するように構成される、プリドライバ回路及び出力ローサイドドライバ回路と
を備える、ゲートドライバデバイス。
【請求項14】
前記レベルシフタ回路は、ドライバ供給電圧によってバイアスされるように前記電力供給出力ノードに結合される、請求項13に記載のゲートドライバデバイス。
【請求項15】
前記レベルシフタ回路は、ドライバ供給電圧によってバイアスされるように前記プリドライバ回路に結合される、請求項13に記載のゲートドライバデバイス。
【請求項16】
前記レベルシフタ回路は、ドライバ供給電圧によってバイアスされるように前記出力ローサイドドライバ回路に結合される、請求項13に記載のゲートドライバデバイス。
【請求項17】
前記第1論理回路は、
第1の安全信号がデアサートされることに応答して、少なくとも1つのPWM駆動信号を伝搬してハイサイドゲート駆動信号及びローサイドゲート駆動信号を生成し、
前記第1の安全信号がアサートされることに応答して、前記少なくとも1つのPWM駆動信号の伝搬を無効にし、前記ハイサイドゲート駆動信号及び前記ローサイドゲート駆動信号をデアサートするように構成され、
前記第2の論理回路は、
第2の安全信号がデアサートされることに応答して、前記電力供給出力ノードを前記電力供給入力ピンに結合して、システム供給電圧をドライバ供給電圧として伝搬し、
前記第2の安全信号がアサートされることに応答して、前記電力供給出力ノードを前記電力供給入力ピンから切り離して、前記システム供給電圧の伝搬を無効にするように構成される、請求項13に記載のゲートドライバデバイス。
【請求項18】
前記出力ハイサイドドライバ回路はブートストラップ電圧によってバイアスされ、前記出力ローサイドドライバ回路はローサイド供給電圧によってバイアスされ、前記ゲートドライバデバイスは、
前記ブートストラップ電圧を感知し、前記ブートストラップ電圧が閾値よりも低いことに応答して前記出力ハイサイドドライバ回路の駆動信号をデアサートするように構成された第1の不足電圧保護回路と、
前記ローサイド供給電圧を感知し、前記ローサイド供給電圧が閾値よりも低いことに応答して、前記出力ハイサイドドライバ回路の駆動信号及び前記出力ローサイドドライバ回路の駆動信号をデアサートするように構成された第2の不足電圧保護回路と、
前記電力供給入力ピンにおいて前記システム供給電圧を感知し、前記システム供給電圧が予想範囲外であることに応答して、前記出力ハイサイドドライバ回路の駆動信号及び前記出力ローサイドドライバ回路の駆動信号をデアサートするように構成された不足電圧及び過電圧保護回路と
を備える、請求項17に記載のゲートドライバデバイス。
【請求項19】
制御ユニットと、
安全回路であって、
少なくとも1つのPWM入力ピンと
電力供給入力ピンと、
第1安全入力ピン及び第2安全入力ピンと、
ハイサイド駆動出力ノードと、
ローサイド駆動出力ノードと、
電力供給出力ノードと、
第1の論理回路と、
第2の論理回路とを含む安全回路と、
前記安全回路に結合されたゲートドライバデバイスと、電力段とを備え、
前記制御ユニットは、前記電力段の動作を制御するための少なくとも1つのPWM駆動信号を生成するように構成され、
前記安全回路は、前記少なくとも1つのPWM駆動信号、第1の安全信号、及び第2の安全信号を受信し、ハイサイドゲート駆動信号、ローサイドゲート駆動信号、及びドライバ供給電圧を生成するように構成され、
前記ゲートドライバデバイスは、前記ハイサイドゲート駆動信号、前記ローサイドゲート駆動信号及び前記ドライバ供給電圧を受信し、前記電力段のそれぞれのスイッチを駆動するためのシフトされたPWM駆動信号を生成するように構成される、ドライバシステム。
【請求項20】
前記第1の論理回路は
前記第1の安全信号がデアサートされることに応答して、前記少なくとも1つのPWM駆動信号を伝搬して、前記ハイサイドゲート駆動信号及び前記ローサイドゲート駆動信号を生成し、
前記第1の安全信号がアサートされることに応答して、前記少なくとも1つのPWM駆動信号の伝搬を無効にし、前記ハイサイドゲート駆動信号及び前記ローサイドゲート駆動信号をデアサートするように構成され、
前記第2の論理回路は、
前記第2の安全信号がデアサートされることに応答して、前記電力供給出力ノードを前記電力供給入力ピンに結合して、システム供給電圧を前記ドライバ供給電圧として伝搬し、
前記第2の安全信号がアサートされることに応答して、前記電力供給出力ノードを前記電力供給入力ピンから切り離して、前記システム供給電圧の伝搬を無効にするように構成される、請求項19に記載のドライバシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2023年4月14日付けで出願された「ゲートドライバデバイスのための安全回路、対応するゲートドライバデバイス及びドライバシステム」という名称のイタリア特許出願第102023000007197号の優先権利益を主張するものであり、これは、法律によって許容される最大範囲に関して参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本記載は、特にモータ制御用途のために、ゲートドライバデバイス(例えば、ゲートドライバ集積回路、ゲートドライバIC)と共に使用することができる(例えば結合された、又は統合された)安全回路に関連してよい。
【0003】
そのようなゲートドライバデバイスは、例えば、産業用ドライバに適用されてよい。
【背景技術】
【0004】
現代の産業用デバイス、特にモータドライバは、いくつかの安全要件を満たすように設計されている。モータ駆動(モータ制御)を伴う用途において望ましい安全機能は、いわゆるセーフトルクオフ(STO)、すなわち、モータがトルクを生成するのを防止するためにドライバ出力における電力をオフにし、それによって特定の安全要件(例えば規格EN 61800-5-2「調整可能な速度電力駆動システムパート5-2:安全要件」によって定義されるように)を満たす安全機能である。
【0005】
従来、モータドライバの製造業者は、個別の構成要素及び安全ファームウェアに基づいて、それらの製品又は解決策を設計及び認証している。そうすることによって、認証された製品又は解決策に対して行われる任意の後続の変更は、新しい認証プロセスを有し、それは、認証コスト及び時間の増加、統合の可能性の制限(離散構成要素アプローチによる)、革新の遅延(変更に対するコスト駆動抵抗による)、ならびに以前に取得された認証を失うリスクさえもたらす。
【0006】
したがって、本開示は、集積回路内にSTO安全機能を実装する(例えば、組み込む、統合する)安全回路を提供することを対象とする。そのような安全回路は、その後、例えばゲートドライバICなどのより複雑なデバイスに更に統合されてもよく、又は最終用途においてそれに結合されてもよい。
【発明の概要】
【0007】
1つ又は複数の実施形態の目的は、集積回路内に安全STO機能を実装するそのような安全回路を提供することに寄与することである。
【0008】
1つ又は複数の実施形態によれば、そのような目的は、添付の特許請求の範囲に記載の特徴を有する安全回路によって達成することができる。
【0009】
1つ又は複数の実施形態は、対応するゲートドライバデバイスに関連してよい。
【0010】
1つ又は複数の実施形態は、対応するドライバシステムに関連してよい。
【0011】
特許請求の範囲は、実施形態に関して本明細書で提供される技術的教示の不可欠な部分である。
【0012】
本記載の一態様によれば、STO安全回路(例えば集積回路)は、少なくとも1つのPWM駆動信号を受信するように構成された少なくとも1つのPWM入力ピンと、システム供給電圧を受信するように構成された電力供給入力ピンと、第1の安全信号を受信するように構成された第1の安全入力ピン及び第2の安全信号を受信するように構成された第2の安全入力ピンとを含む。安全回路は、ハイサイドゲート駆動信号を生成するように構成されたハイサイド駆動出力ノード及びローサイドゲート駆動信号を生成するように構成されたローサイド駆動出力ノードと、ドライバ供給電圧を生成するように構成された電力供給出力ノードとを含む。安全回路は、第1の安全信号がデアサートされるのに応答して、少なくとも1つのPWM駆動信号を伝搬して、それに応じてハイサイドゲート駆動信号及びローサイドゲート駆動信号を生成し、第1の安全信号がデアサートされるのに応答して、少なくとも1つのPWM駆動信号の伝搬を無効にし、ハイサイドゲート駆動信号及びローサイドゲート駆動信号をデアサートする(例えば、結果として外部電力段のハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチがオフになる)ように構成された第1の論理回路を含む。安全回路は、第2の安全信号がデアサートされるのに応答して、電力供給出力ノードを電力供給入力ピンに結合してシステム供給電圧をドライバ供給電圧として伝播し、第2の安全信号がアサートされるのに応答して、電力供給出力ノードを電力供給入力ピンから切り離してシステム供給電圧の伝播を無効にするように構成された第2の論理回路を含む。
【0013】
したがって、1つ又は複数の実施形態は、半導体レベルで安全STO機能を組み込み、STOについて認定される安全回路を提供してよい。これは、(スタンドアロンICデバイスとして、又はゲートドライバもしくは完全集積インバータなどの他の機能を提供する別のICデバイスに統合されたものいずれかとして)異なるモータドライバ製品又は解決策における安全ICの再使用を容易にし、それによって認証フローを単純化し、予期しない認証問題のリスクを低減する。
【0014】
本記載書の別の態様によれば、ゲートドライバデバイスは、本記載の1つ又は複数の実施形態による安全回路と、レベルシフタ回路と、出力ハイサイドドライバ回路と、プリドライバ回路と、出力ローサイドドライバ回路とを含む。レベルシフタ回路は、ハイサイドゲート駆動信号を受信し、それに応じて出力ハイサイドドライバ回路を駆動するように構成される。プリドライバ回路は、ローサイドゲート駆動信号を受信し、それに応じて出力ローサイドドライバ回路を駆動するように構成される。レベルシフタ回路、プリドライバ回路、出力ローサイドドライバ回路は、ドライバ供給電圧によってバイアスされるように安全回路の電力供給出力ノードに結合される。
【0015】
本記載の別の態様によれば、ドライバシステムは、制御ユニットと、本記載の1つ又は複数の実施形態によるゲートドライバデバイスに結合された安全回路、あるいは本記載の1つ又は複数の実施形態によるゲートドライバデバイスと、電力段とを含む。制御ユニットは、電力段の動作を制御するための少なくとも1つのPWM駆動信号を生成するように構成される。安全回路は、少なくとも1つのPWM駆動信号、第1の安全信号、及び第2の安全信号を受信し、ハイサイドゲート駆動信号、ローサイドゲート駆動信号、及びドライバ供給電圧を生成するように構成される。ゲートドライバデバイスは、ハイサイドゲート駆動信号、ローサイドゲート駆動信号及びドライバ供給電圧を受信し、電力段のそれぞれのスイッチを駆動するためのシフトされたPWM駆動信号を生成するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
次に、添付の図面を参照して、1つ又は複数の実施形態を単なる例として説明する。
図1】本記載の実施形態によるドライバシステムの例示的な回路ブロック図である。
図2】本記載の実施形態によるドライバシステムの例示的な回路ブロック図である。
図3】例えば、図1及び図2のドライバシステムにおいて使用するためのゲートドライバデバイスと共に使用するための本説明の実施形態による安全回路の例示的な回路ブロック図である。
図4】例えば、図1及び図2のドライバシステムにおいて使用するためのゲートドライバデバイスと共に使用するための本説明の実施形態による安全回路の例示的な回路ブロック図である。
図5】本記載の1つ又は複数の実施形態による、STO安全回路の第1のチャネルの例示的な回路ブロック図である。
図6】本記載の1つ又は複数の実施形態による、STO安全回路の第2のチャネルを起動するように構成されるバックアップ起動回路の例示的な回路ブロック図である。
図7】本記載の1つ又は複数の実施形態による、STO安全回路の第2のチャネルの例示的な回路ブロック図である。
図8】本記載の1つ又は複数の実施形態による、STO安全回路の第1のチャネルを起動するように構成されるバックアップ起動回路の例示的な回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の説明では、この説明の実施形態の例の詳細な理解を提供することを目的として、1つ又は複数の具体的な詳細が示されている。実施形態は、特定の詳細のうちの1つ又は複数を用いずに、又は他の方法、構成要素、材料などを用いて獲得されてよい。他の場合には、既知の構造、材料、又は動作は、実施形態の特定の態様が不明瞭にならないように詳細に図示又は説明されない。
【0018】
本明細書の枠組みにおける「実施形態」又は「一実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明された特定の構成、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを示すことを意図している。したがって、本記載の1つ又は複数の点に存在し得る「一実施形態では」又は「一実施形態では」などの語句は、必ずしも1つの同じ実施形態を指すとは限らない。更に、特定の構成、構造、又は特性は、1つ又は複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わされてもよい。
【0019】
本明細書で使用される見出し及び参考文献は、単に便宜上提供されており、したがって保護の程度又は実施形態の範囲は定義していない。
【0020】
本明細書に添付された図面を通して、文脈がそうでないことを示さない限り、同様の部分又は要素は同様の参照及び数字で示され、対応する説明は簡潔にするために繰り返されない。
【0021】
予想されるように、1つ又は複数の実施形態は、ゲートドライバデバイスのためのSTO安全機能を実装する安全回路に関する。ゲートドライバデバイスは、産業用ドライバ(例えば、モータドライバ)において使用され得る。
【0022】
特に、いくつかの実施形態は、安全回路がスタンドアロン集積回路として実装される、図1の回路ブロック図に例示されるようなアーキテクチャで使用するための安全回路に関する。図1は、制御ユニット12(例えば、マイクロコントローラユニット、MCU)、安全STO機能を実装する安全回路13、2チャネルゲートドライバデバイス14、電力段16(例えば、三相インバータ)及びモータ18(例えば、永久磁石同期モータ、PMSM、又はブラシレスDCモータ、BLDC)を含む産業用ドライバ10を示す。マイクロコントローラ12は、パルス幅変調された(PWM)駆動信号(例えば、低電圧領域における論理信号)、例えば、三相インバータ16の6つのスイッチを制御するための6つのPWM駆動信号を生成する。安全回路13は、マイクロコントローラ12からPWM駆動信号を受信し、システム供給電圧VDDを受信し、第1のチャネル及び第2のチャネルの統合されたSTO機能をそれぞれ制御するための第1の安全信号STO1及び第2の安全信号STO2を(例えば、産業用ドライバ10の外部から)受信する。特に、信号STO1及びSTO2はアクティブローであってもよく、これは、ロー論理値(「0」)がそれぞれのSTO機能が要求されていること(アサート状態)に対応し、ハイ論理値(「1」)がそれぞれのSTO機能が要求されていないこと(デアサート状態)に対応することを意味する。安全回路13は、ゲートドライバデバイス14に渡される出力PWM駆動信号(例えば、依然として低電圧領域にある)6つのPWM信号を生成し、ゲートドライバデバイス14のための供給電圧VSUPPLYを生成する。以下で更に考察するように、第1の安全信号STO1は、(例えば、信号STO1がアサートされるときに出力PWM駆動信号を安全値に設定することによって)マイクロコントローラ12からゲートドライバデバイス14へのPWM駆動信号の伝搬に実質的に影響を及ぼし、その一方で、第2の安全信号STO2は、(例えば、信号STO2がアサートされたときに供給電圧VSUPPLYを切断することによって)ゲートドライバデバイス14のバイアスに実質的に影響を及ぼす。更に、安全回路13は、マイクロコントローラ12及び産業用ドライバ10の外部に伝搬されるSTOフィードバック信号STOFBKと、マイクロコントローラ12に伝搬される診断信号nFAULTとを生成する。ゲートドライバデバイス14は、安全回路13からPWM駆動信号及び供給電圧VSUPPLYを受信し、(例えば、高電圧領域において)PWM駆動信号を駆動電圧にシフトし、シフトされたPWM駆動信号を電力段16に渡し、結果として、電力段16はそれぞれのPWMモータ駆動信号を生成する。したがって、モータ18は、電力段16によって駆動される。
【0023】
いくつかの実施形態は、安全回路が別のICに統合され、特にゲートドライバデバイスに統合される、図2の回路ブロック図に例示されるようなアーキテクチャで使用するための安全回路に関する。ここで、図1のアーキテクチャとは異なり、ゲートドライバデバイス14’は、マイクロコントローラ12からPWM駆動信号を受信し、システム供給電圧VDDを受信し、(例えば、産業用ドライバ10の外部から)第1の安全信号STO1及び第2の安全信号STO2を受信する。ゲートドライバデバイス14’は、安全回路13のハードウェアを組み込み、同じSTO安全機能を実装し、したがって、それは、電力段16に渡されるシフトされたPWM駆動信号、ならびにSTOフィードバック信号STOFBK及び診断信号nFAULTを直接生成する。
【0024】
図3は、図1を参照して考察したゲートドライバデバイス14に結合されるように構成された安全回路13の可能なアーキテクチャの例示的な回路ブロック図である。安全回路13は、2チャネルアーキテクチャに基づいてもよく、それは、外部からの介入なしの完全自己診断を含むことができ(すなわち、STO機能自体が故障の存在を内部で検証することができる)、過電圧(OV)事象及び不足電圧(UV)事象に対する電力供給監視を含むことができる。特に、統合STO機能に関して、安全回路13には2つのチャネルが設けられている。信号STO1は、特に、ロジック202によって(ゲートドライバデバイス14のレベルシフタ206及びプリドライバ208をそれぞれ介して)ゲートドライバデバイス14のドライバ回路204HS、204LSに提供されるゲート駆動信号INHg、INLgを、結果として外部電力段16がオフになる値に強制することによって、安全回路13の制御ロジック202に作用する。信号STO2は、特に制御ロジック202(例えば、レベルシフタ206、プリドライバ208、及びローサイドドライバ回路204LSの電力供給部)の下流に配置された電力セクションの電力供給部を作動停止にする(例えば、オフにする、切断する)ことによって、ゲートドライバデバイス14の電力供給セクションに作用し、その結果、ドライバ回路204HS、204LSは、電力段16のターンオフを意味するそのデフォルト状態に戻ることができる。
【0025】
図3の回路図では、例示を容易にするために、単一のハーフブリッジのドライバ回路を見ることができ(例えば、三相インバータ16の単相)、また同様に、単一のハイサイドPWM駆動信号INH及び単一のローサイドPWM駆動信号INLを見ることができることに留意されたい。様々な用途において、ドライバ回路(例えば、204HS、204LS、206、208)及び関連する制御ロジック(例えば、202)は、安全回路13及びゲートドライバデバイス14において、それによって駆動されるハーフブリッジの数と同じ数だけ(例えば、本明細書で考慮されるような三相インバータの場合には3回)実装されてもよい。
【0026】
したがって、安全回路13は、以下の入力パッドを含んでもよく、すなわち、信号STO1(アクティブーロー)を受信するためのパッド、信号STO2(アクティブーロー)を受信するためのパッド、PWM駆動信号INH及びINLを受信するためのパッド(例えば、6つのパッド)、ならびにシステム供給電圧VDDを受信するためのパッドを含み得る。安全回路13はまた、以下の出力パッドを含んでもよく、すなわち、フィードバック信号STOFBK(アクティブーハイ)を提供するためのパッド、診断信号nFAULT(アクティブーロー)を提供するためのパッド、供給電圧VSUPPLYを提供するためのパッド、ならびにハイサイドゲート駆動信号INHg及びローサイドゲート駆動信号INLg(例えば、6つのパッド)を提供するためのパッドを含み得る。PWM駆動信号INH、INLは、ゲートドライバデバイス14のレベルシフタ206に渡されるハイサイドゲート駆動信号INHg、及びゲートドライバデバイス14のプリドライバ208に渡されるローサイド駆動信号INLgを生成するために、以下でより詳細に考察するように、論理回路202において信号STO1と組み合わされる。ここでもまた、説明を容易にするために、図3は、ハイサイドPWM駆動信号INH及びローサイドPWM駆動信号INL、ならびにハイサイドゲート駆動信号INHg及びローサイドゲート駆動信号INLgのみを示していることに留意されたい。また、特定の実施形態では、PWM駆動信号INH及びINLは、それ自体知られている方法で、ハイサイドドライバ又はローサイドドライバがハイに駆動されるときにゲート駆動回路に示す単一のPWM駆動信号を提供する第1の入力と、ハイサイドドライバ及びローサイドドライバの両方をローに駆動する必要があるかどうかを示すイネーブル信号ENABLEを提供する第2の入力とによって置き換えられてもよい。
【0027】
レベルシフタ206は、(以下でより詳細に考察するように、信号STO2を使用して)安全回路13を介してシステム供給電圧VDDに選択的に接続可能な供給電圧VSUPPLYによってバイアスされ(供給され)、ハイサイドゲート駆動信号INHgをハイサイドドライバ回路204HSに渡す。ハイサイドドライバ回路204HSは、ゲートドライバデバイス14のフローティングセクション22に実装され、ブートストラップ電圧VBOOTによってバイアス(供給)され、(例えば、パッドGHSがハーフブリッジのハイサイド電力スイッチのゲート端子に結合するように構成され、パッドSHSが同じハイサイド電力スイッチのソース端子に結合するように構成された状態で)ハイサイドゲート出力パッドGHSとハイサイドソース出力パッドSHSとの間でハイサイド出力信号を生成する。フローティングセクション22はまた、ブートストラップ供給ノードVBOOTに結合され、ノードVBOOTにおいて不足電圧状態が検出されたときにハイサイドドライバ204HSの駆動信号をロー値に強制する不足電圧検出信号を生成するように構成された不足電圧保護回路210を含んでもよい。例えば、回路210は、不足電圧が検出されたことに応答して、その出力信号をアサート(ローに)してもよく、レベルシフタ206からの出力信号は、ハイサイドドライバ回路204HSに渡される前に、AND論理ゲート211によって回路210からの出力信号と組み合わされてよい。
【0028】
プリドライバ208は、(以下でより詳細に考察するように信号STO2を使用して)安全回路13を介してシステム供給電圧VDDに選択的に接続可能な供給電圧VSUPPLYによって選択的にバイアス(供給)され、ローサイドゲート駆動信号INLgをローサイドドライバ回路204LSに渡す。ローサイドドライバ回路204HSは、ローサイド供給電圧VCCによってバイアスされ(供給され)、(例えば、パッドGLSが、ハーフブリッジのローサイド電力スイッチのゲート端子に結合するように構成され、パッドGNDが、同じローサイド電力スイッチのソース端子に結合するように構成された状態で)ローサイドゲート出力パッドGLSと接地パッドGNDとの間にローサイド出力信号を生成する。ローサイド供給電圧ノードVCCに結合される不足電圧保護回路212は、保護論理回路(図3では見ることができない)に渡される不足電圧検出信号を生成するように構成され、ノードVCCにおいて不足電圧状態が検出されると、全てのハイサイドドライバ204HS及び全てのローサイドドライバ204LSの駆動信号をロー値に強制する。
【0029】
特定の実施形態(本明細書に添付される図では見ることはできない)では、回路206及び208の「選択的」バイアスに加えて、又はその代わりに、ローサイドドライバ回路204LSの供給電圧は、(以下でより詳細に考察するように信号STO2を使用して)安全回路13を介してシステム供給電圧VDDに選択的に接続可能であってもよい。言い換えれば、STO安全機能の第2のチャネル(STO2)は、回路206、208、及び204LSの供給電圧のいずれにも適用することができる。
【0030】
外部から受信された信号STO1は、内部信号STO1_INTとして安全回路13の第1のSTO介入回路213(例えば、論理回路202)に渡され、信号INH、INLの伝搬を信号INHg、INLgとして制御する。任意選択で、介入回路213、特に論理回路202は、以下でより詳細に考察するように、STO1機能が正しく起動されたことを示すためにアサート(ハイに)されるフィードバック信号STO1_FBKを生成する。任意選択で、自己診断回路が、STO介入回路213内に設けられ、第1のSTOチャネル(STO1)内の故障を検出するように構成される。第1のSTOチャネル(STO1)における故障が検出された場合、それぞれのフォルト信号STO1_FAILがアサート(ハイに)される。任意選択で、フォルト信号STO1_FAILはまた、以下でより詳細に考察するように、第2のSTOチャネルの起動信号(すなわち、信号STO2_INT)をアサートされた(ロー)状態に強制するように構成されたバックアップ起動回路40を制御する。
【0031】
外部から受信した信号STO2は、内部信号STO2_INTとして安全回路13の第2のSTO介入回路216に渡され、システム供給電圧VDDのレベルシフタ206、プリドライバ208、及びローサイドドライバ回路204LSへの伝搬を制御する。任意選択で、介入回路216は、以下でより詳細に考察するように、STO2機能が正しく起動されたことを示すためにアサート(ハイに)されるフィードバック信号STO2_FBKを生成する。任意選択で、自己診断回路がSTO介入回路216に設けられ、第2のSTOチャネル(STO2)の故障を検出するように構成される。第2のSTOチャネル(STO2)における故障が検出された場合、それぞれのフォルト信号STO2_FAILがアサート(ハイに)される。任意選択で、フォルト信号STO2_FAILはまた、以下でより詳細に考察するように、第1のSTOチャネルの起動信号(すなわち、信号STO1_INT)をアサートされた(ロー)状態に強制するように構成されたバックアップ起動回路60を制御する。
【0032】
加えて、システム供給電圧ノードVDDに結合された不足電圧又は過電圧保護回路219は、保護論理回路(図2では見ることができない)に渡され、ノードVDDにおいて不足電圧状態又は過電圧状態が検出されたときに全てのハイサイドドライバ204HS及び全てのローサイドドライバ204LSの駆動信号をロー値に強制する不足電圧又は過電圧検出信号を生成するように構成される。
【0033】
フィードバック信号STO1_FBK及びSTO2_FBKは、論理ゲート220(例えば、OR論理ゲート)によって組み合わされて、STO1チャネル及びSTO2チャネルのうちのいずれか1つが正しく起動されたとき(例えば信号STO1_FBK、STO2_FBKのいずれか1つがアサートされるとき)にアサート(ハイに)される全体的なフィードバック信号STOFBKを生成してよい。回路213及び216によって生成されたフォルト信号STO1_FAIL及びSTO2_FAILは、論理ゲート222(例えば、OR論理ゲート)によって第3のフォルト信号と組み合わされて、パッドnFAULTと接地GNDとの間に結合されたプルダウン(オープンドレイン)トランジスタ224のためのゲート制御信号を生成してよい。第3のフォルト信号は、他の故障状態(例えば、不足電圧、過電圧、サーマルシャットダウンなど)が検出されたときアサート(ハイに)されてもよい。したがって、3つのフォルト信号のいずれかがアサートされる(ハイになる)ことに応答して、プルダウントランジスタ224が起動され、全体的なフォルト信号nFAULTがアサート(ロー)にされる。
【0034】
図4は、図2を参照して考察したように、ゲートドライバデバイス14’に統合されるように構成された安全回路13の可能なアーキテクチャの例示的な回路ブロック図である。図4に示される安全回路のアーキテクチャは、図3に示されるアーキテクチャと実質的に同じであり、同じ原理に従って動作するが、ゲート駆動信号INHg、INLg及び供給電圧VSUPPLYが同じ集積回路内で内部で渡されるという違いがあることに留意されたい。したがって、以下の詳細な説明は、全ての実施形態に等しく適用される。
【0035】
図5は、第1のSTO介入回路213の可能な実装形態の例示的な回路ブロック図である。予期されるように、信号STO1_INTがアサート(ローに)されて、(レベルシフタ206を介して渡された)ハイサイドドライバ204HSについてのゲート駆動信号INHg及び(プリドライバ208を介して渡された)ローサイドドライバ204LSについてのゲート駆動信号INLgをロー論理値に強制する。言い換えれば、信号STO1_INTはイネーブル信号として作用し、信号STO1_INTがハイであるとき、ドライバ204HS及び204LSの動作は、マイクロコントローラ12によって発行されるPWM信号によって指示されるように行われ、信号STO1_INTがローであるとき、ドライバ204HS及び204LSは強制的にオフ状態になる。例えば、STO介入回路213は、信号INHとSTO1_INTとを組み合わせて、レベルシフタ206に渡されるハイサイドゲート駆動信号INHgを生成する第1のAND論理ゲート302と、信号INLとSTO1_INTとを組み合わせて、プリドライバ208に渡されるローサイドゲート駆動信号INLgを生成する第2のAND論理ゲート304とを含む。
【0036】
更に、第1のSTO介入回路213は、特に、安全信号STO1がアサート(ローに)され、ゲート駆動信号INHg、INLgの両方がローであるときに信号STO1_FBKをアサート(ハイに)することによって、STO1機能が正しく起動されたことを示すためにフィードバック信号STO1_FBKをアサート(ハイに)するように構成されたフィードバック論理回路を含んでもよい。したがって、STO介入回路213は、信号INHg及びINLgを組み合わせるNOR論理ゲート306と、ゲート306からの出力を信号STO1_INTの補数と組み合わせてフィードバック信号STO1_FBKを生成する第3のAND論理ゲート308とを含んでもよい。あるいは、信号STO1_FBKは、信号INHg、INLg、及びSTO1_INTを組み合わせる3入力NOR論理ゲートの出力において生成されてもよい。
【0037】
加えて、第1のSTO介入回路213には、第1のSTOチャネルのフォルト信号STO1_FAILを生成するための自己診断回路が備わっていてもよい。したがって、STO介入回路213は、ゲート302(すなわち、信号INH及びSTO1_INTを組み合わせる冗長制御経路)の動作を複製してハイサイドチェック信号INHcを生成する第4のAND論理ゲート310と、ゲート304(すなわち、信号INL及びSTO1_INTを組み合わせる冗長制御経路)の動作を複製してローサイドチェック信号INLcを生成する第5のAND論理ゲート312とを含んでもよい。STO介入回路213は、信号INHg及びINHcが、故障を示す2つの異なる論理値を有する場合にアサート(ハイに)される第1のフェイル信号STO1_FAIL_Hを生成するために、信号INHg及びINHcを組み合わせる第1のXOR論理ゲート314を含んでもよい。STO介入回路213は、信号INLg及びINLcが、故障を示す2つの異なる論理値を有する場合にアサート(ハイに)される第2のフェイル信号STO1_FAIL_Lを生成するために、信号INLg及びINLcを組み合わせる第2のXOR論理ゲート316を含んでもよい。STO介入回路213は、信号STO1_FAIL_H及びSTO1_FAIL_Lを組み合わせて第1のフォルト信号STO1_FAILを生成するOR論理ゲート318を含んでもよく、第1のフォルト信号STO1_FAILは、信号STO1_FAIL_H及びSTO1_FAIL_Lのいずれかがアサートされるときにアサート(ハイに)される。
【0038】
信号STO1_FAIL_H及びSTO1_FAIL_Lのいずれかがアサート(ハイに)されることによって故障状態が検出されると、すなわち、STO1経路がもはや信頼できない場合、フォルト信号STO1_FAILがアサート(ハイ)にされ、信号STO2_INTが結果としてアサートされて(例えば、ロー論理値に強制され)、更なるPOR信号(パワーオンリセット)が提供されるまで、(供給電圧VDDを切断するために)STO機能の第2のチャネルを独立して起動してよい。したがって、図3及び図4を参照して予想されるように、安全回路13は、信号STO2_INTをアサート(ロー)状態に強制するように構成された、図6の回路図に例示されるようなバックアップ起動回路40を更に含んでもよい。特に、バックアップ起動回路40は、パワーオンリセット信号PORの補数を生成するインバータゲート404と、そのセット入力端子Sにおいてフォルト信号STO1_FAILを受信し、そのリセット入力端子Rにおいてインバータ404からの出力を受信し、そのデータ出力端子Qにおいて出力信号を生成するラッチ要素406(例えば、セットリセットフリップフロップ)とを含んでもよい。バックアップ起動回路40は、信号STO2_INTの伝搬ラインと接地GNDとの間に接続されたプルダウンスイッチ408を更に含んでもよく、スイッチ408は、ラッチ406からの出力信号がアサート(ハイに)されるときに導通状態になり、ラッチ406からの出力信号がデアサート(ローに)されるときに非導通状態になるように制御される。例えば、スイッチ408は、ラッチ406のデータ出力端子Qに結合されたゲート端子を有するオープンドレインMOSトランジスタを含んでもよい。したがって、フォルト信号STO1_FAILがアサート(ハイに)されると、次のパワーアップ(POR=0)までラッチ要素406がセット(Q=1)され、内部安全信号STO2_INTがアサート(ローに)される。
【0039】
図7は、第2のSTO介入回路216の可能な実装形態の例示的な回路ブロック図である。予想されるように、信号STO2_INTは、ゲートドライバデバイス14のドライバ部分から(特に、回路206、208、204LSから)システム供給ノードVDDを切断するためにアサート(ロー)にされる。例えば、STO介入回路216は、電圧VDDを回路206、208、及び204LSに伝搬するための第1のチャネル50A及び第2のチャネル50Bを含み、第2のチャネルは、第1のチャネルと並列に配置される。2つのチャネルは、回路206、208、及び204LSに供給するために独立して使用することができる。第1のチャネル50Aは、システム供給ノードVDDと、回路206、208、及び204LSがバイアスされる下流電力供給ノード502との間に直列に接続された第1のスイッチ52Aを含み、任意選択で第2のスイッチ54Aを含む。第2のチャネル50Bは、ノードVDDとノード502との間に直列に接続された第1のスイッチ52Bを含み、任意選択で第2のスイッチ54Bを含む。スイッチ52A及び52Bは、信号STO2_INTによって制御され(場合によっては、以下でより詳細に記載するように、自己診断の目的で論理ゲートによってゲート制御される)、その結果、信号STO2_INTがアサート(ローに)されると、(以下で考察するように、セルフテスト信号STO2_STの値とは無関係に)スイッチ52A及び52Bの両方が開放され、ノード502における電力供給が切断され、それによってSTO2機能を起動する。
【0040】
加えて、第2のSTO介入回路216は、特に、ノード502における電圧がローであるときに(ハイ)信号STO2_FBKをアサートすることによって、STO2機能が正しく起動されたことを示すためにフィードバック信号STO2_FBKをアサート(ハイに)するように構成されたフィードバック論理回路を含んでもよい。したがって、STO介入回路216は、ノード502における電圧VSUPPLYが閾値よりも低いときにフィードバック信号STO2_FBKをアサート(ハイに)するハイにするノード502に結合された不足電圧検出器(例えば比較器)504を含んでもよい。任意選択で、STO介入回路216は、不足電圧検出器504からの出力を信号STO2_INTの補数と組み合わせてフィードバック信号STO2_FBKを生成するAND論理ゲート505を追加で含んでもよく、その結果、フィードバック信号STO2_FBKは、第2の安全信号STO2_INTがアサートされている間にノード502における電圧が閾値よりも低いことに応答してアサートされる。
【0041】
加えて、第2のSTO介入回路216には、第2のSTOチャネルのフォルト信号STO2_FAILを生成するための自己診断回路が備わっていてもよい。したがって、STO介入回路216は、セルフテスト信号STO2_ST(例えば、発振器によって生成される方形波信号又はクロック信号)を受信するように構成されてもよく、信号STO2_INT及びSTO2_STを組み合わせる第1のAND論理ゲート506と、信号STO2_INT及び信号STO2_STの補数を組み合わせる第2のAND論理ゲート508と、信号STO2_STの補数を生成するインバータゲート510とを含んでもよい。スイッチ52Aは、ゲート506によって出力される信号によって制御され、スイッチ52Bは、ゲート508によって出力される信号によって制御され、スイッチ54Aは、セルフテスト信号STO2_STによって制御され、スイッチ54Bは、インバータ510によって生成されるセルフテスト信号STO2_STの補数によって制御される。4つのスイッチ全てについて、ロー制御信号はスイッチが開いていることを意味し、ハイ制御信号はスイッチが閉じていることを意味する。更に、自己診断回路は、ノード中間スイッチ52A及び54Aに結合され、そのノードの電圧が閾値よりも低いときにそれぞれの信号をアサート(ハイに)する不足電圧検出器(例えば、比較器)512と、ノード中間スイッチ52B及び54Bに結合され、そのノードの電圧が閾値よりも低いときにそれぞれの信号をアサート(ハイに)する不足電圧検出器(例えば、比較器)514とを含んでもよい。更に、自己診断回路は、検出器512によって出力された信号の補数とセルフテスト信号STO2_STの補数とを組み合わせて、信号STO2_STと検出器512からの出力との両方が、故障を示すロー論理値を有する場合にアサート(ハイに)され、そうでない場合にデアサート(ローに)され、チェックに合格したことを示す、第1のフェイル信号STO2_FAIL_Aを生成するAND論理ゲート516を含んでもよい。同じ論理信号STO2_FAIL_Aが、信号STO2_STと、検出器512によって出力された信号とを組み合わせるNOR論理ゲートの出力として生成され得ることに留意されたい。更に、自己診断回路は、検出器514によって出力された信号の補数とセルフテスト信号STO2_STの補数とを組み合わせて、信号STO2_STがハイ論理値を有し、検出器514からの出力が、故障を示すロー論理値を有する場合にアサート(ハイに)され、そうでない場合にデアサート(ローに)され、チェックに合格したことを示す、第2のフェイル信号STO2_FAIL_Bを生成するAND論理ゲート518を含んでもよい。STO介入回路216は、信号STO2_FAIL_A及びSTO2_FAIL_Bを組み合わせて、第2のフォルト信号STO2_FAILを生成するOR論理ゲート520を含んでもよく、第2のフォルト信号STO2_FAILは、信号STO2_FAIL_A及びSTO2_FAIL_Bのいずれかがアサートされるときにアサート(ハイに)される。
【0042】
したがって、故障が存在しない場合、以下のようになり、
STO2_INTがアサート(ローに)されるとき、セルフテスト信号STO2_STの値とは無関係に、スイッチ52A及び52Bが開放され、スイッチ52A及び52Bの下流の電圧はローであり、比較器512及び514はハイ信号を出力し、これがフォルト信号STO2_FAILをデアサート(ロー)状態に駆動し、比較器504がフィードバック信号STO2_FBKをアサート(ハイ)状態に駆動し、
STO2_INTがデアサート(ハイに)されるとき、セルフテスト信号STO2_STがロー(「0」)である場合、第1のチャネル50Aがテストされ、第2のチャネル50Bがドライバ回路に供給するために使用され、スイッチ52A及び54Aは開であると予想され、スイッチ52B及び54Bは閉であると予想され、フェイル信号STO2_FAIL_Aは、比較器512のハイ出力によってデアサート状態(ロー)に駆動され、
フェイル信号STO2_FAIL_Bは、セルフテスト信号STO2_STのロー値によってデアサート(ロー)状態に駆動され、フォルト信号STO2_FAILは、OR論理ゲート520によってデアサート(ロー)状態に駆動され、比較器504は、フィードバック信号STO2_FBKをデアサート(ロー)状態に駆動し、
STO2_INTがデアサート(ハイに)されるとき、セルフテスト信号STO2_STがハイ(「1」)である場合、第2のチャネル50Bがテストされ、第1のチャネル50Aがドライバ回路に供給するために使用され、スイッチ52B及び54Bは開であると予想され、スイッチ52A及び54Aは閉であると予想され、フェイル信号STO2_FAIL_Bは、比較器514のハイ出力によってデアサート状態(ロー)に駆動され、フェイル信号STO2_FAIL_Aは、セルフテスト信号STO2_STのハイ値によってデアサート(ロー)状態に駆動され、フォルト信号STO2_FAILは、OR論理ゲート520によってデアサート(ロー)状態に駆動され、比較器504は、フィードバック信号STO2_FBKをデアサート(ロー)状態に駆動する。
【0043】
故障の(例えば、スイッチ52A、54A、52B、54Bのいずれかが開くと予想されるときに閉じている)場合、故障は検出器512及び514のうちの1つによって検出され、対応するフェイル信号STO2_FAIL_A又はSTO2_FAIL_Bがアサート(ハイに)され、複合されたフォルト信号STO2_FAILがアサート(ハイに)される。
【0044】
信号STO2_FAIL_A及びSTO2_FAIL_Bのいずれかがアサート(ハイに)されることによって故障状態が検出されると、すなわち、STO2経路がもはや信頼できない場合、フォルト信号STO2_FAILがアサート(ハイに)され、信号STO1_INTが結果としてアサートされ(例えば、ロー論理値に強制され)て、更なるPOR信号(パワーオンリセット)が提供されるまで、(駆動信号INHg、INLgを「ゲート制御する」ために)STO機能の第1のチャネルを独立して起動してよい。したがって、図3及び図4を参照して予想されるように、安全回路13は、信号STO1_INTをアサート(ロー)状態に強制するように構成される、図8の回路ブロック図に例示されるようなバックアップ起動回路60を更に含んでもよい。特に、バックアップ起動回路60は、パワーオンリセット信号PORの補数を生成するインバータゲート604と、そのセット入力端子Sにおいてフォルト信号STO2_FAILを受信し、そのリセット入力端子Rにおいてインバータ604からの出力を受信し、そのデータ出力端子Qにおいて出力信号を生成するラッチ要素606(例えば、セットリセットフリップフロップ)とを含んでもよい。バックアップ起動回路60は、信号STO1_INTの伝搬ラインと接地GNDとの間に接続されたプルダウンスイッチ608を更に含んでもよく、スイッチ608は、ラッチ606からの出力信号がアサート(ハイに)されるときに導通状態になり、ラッチ606からの出力信号がデアサート(ローに)されるときに非導通状態になるように制御される。例えば、スイッチ608は、ラッチ606のデータ出力端子Qに結合されたゲート端子を有するオープンドレインMOSトランジスタを含んでもよい。したがって、フォルト信号STO2_FAILがアサート(ハイに)されると、次のパワーアップ(POR=0)までラッチ要素606がセット(Q=1)され、内部安全信号STO1_INTがアサート(ローに)される。任意選択で、バックアップ起動回路60は、セルフテスト信号STO2_STを生成する発振器OSCに結合されたウィンドウウォッチドッグ回路610を含んでもよい。回路610は、発振器OSCの周波数を監視し、周波数が予想範囲外である(例えば、低すぎる、又は高すぎる)場合、それぞれのウォッチドッグ信号Wをアサート(ハイに)する。バックアップ起動回路60は、信号STO2_FAIL及びWを組み合わせて、発振器のセルフテスト不合格の場合に内部安全信号STO1_INTのアサートを強制するOR論理ゲート602を含んでもよい(すなわち、この場合、ラッチ要素606のセット入力端子Sに渡されるのは、OR論理ゲート602からの出力である)。
【0045】
したがって、本明細書で例示される1つ又は複数の実施形態は、認証されたSTO安全機能を統合し、場合によってはゲートドライバデバイスに統合される安全回路を提供してよく、以下の利点のうちの1つ又は複数をもたらす。
・最終用途における構成要素の数が減少し、小型化が改善され、コストが削減される(部品表(BOM)の削減)、
・最終アプリケーションの安全性証明のための時間及びコストの削減、及び
・低リスクでの高いIP再利用性である。
【0046】
基礎となる原理を損なうことなく、詳細及び実施形態は、保護の範囲から逸脱することなく、単なる例として説明されたものに関して、大幅に変更されてもよい。
【0047】
安全回路(13)は、少なくとも1つのPWM駆動信号(INH、INL)を受信するように構成された少なくとも1つのPWM入力ピンと、システム供給電圧(VDD)を受け取るように構成された電力供給入力ピンと、第1の安全信号(STO1、STO1_INT)を受信するように構成された第1の安全入力ピン及び第2の安全信号(STO2、STO2_INT)を受信するように構成された第2の安全入力ピンと、ハイサイドゲート駆動信号(INHg)を生成するように構成されたハイサイド駆動出力ノード及びローサイドゲート駆動信号(INLg)を生成するように構成されたローサイド駆動出力ノードと、ドライバ供給電圧(VSUPPLY)を生成するように構成された電力供給出力ノード(502)と、当該第1の安全信号(STO1_INT)がデアサートされることに応答して、当該少なくとも1つのPWM駆動信号(INH、INL)を伝搬して、それに応じて当該ハイサイドゲート駆動信号(INHg)及び当該ローサイドゲート駆動信号(INLg)を生成し、当該第1の安全信号(STO1_INT)がアサートされることに応答して、当該少なくとも1つのPWM駆動信号(INH、INL)の伝搬を無効にし、当該ハイサイドゲート駆動信号(INHg)及び当該ローサイドゲート駆動信号(INHg)をデアサートするように構成された第1の論理回路(202、213)と、当該第2の安全信号(STO2_INT)がデアサートされることに応答して、当該電力供給出力ノード(502)を当該電力供給入力ピンに結合して、当該システム供給電圧(VDD)を当該ドライバ供給電圧(VSUPPLY)として伝搬し、当該第2の安全信号(STO2_INT)がアサートされることに応答して、当該電力供給出力ノード(502)を当該電力供給入力ピンから切り離して、当該システム供給電圧(VDD)の伝搬を無効にするように構成された第2の論理回路(216)とを含むように要約されてよい。
【0048】
当該少なくとも1つのPWM入力ピンは、ハイサイドPWM駆動信号(INH)を受信するように構成されたハイサイドPWM入力ピンと、ローサイドPWM駆動信号(INL)を受信するように構成されたローサイドPWM入力ピンとを含んでよく、当該第1の論理回路(202、213)は、当該第1の安全信号(STO1_INT)がデアサートされることに応答して、当該ハイサイドPWM駆動信号(INH)を当該ハイサイド駆動出力ノードに伝搬して当該ハイサイドゲート駆動信号(INHg)を生成し、当該ローサイドPWM駆動信号(INL)を当該ローサイド駆動出力ノードに伝搬して当該ローサイドゲート駆動信号(INLg)を生成し、当該第1の安全信号(STO1_INT)がアサートされることに応答して、当該ハイサイドPWM駆動信号(INH)の当該ハイサイド駆動出力ノードへの伝搬を無効にし、当該ローサイドPWM駆動信号(INH)の当該ローサイド駆動出力ノードへの伝搬を無効にし、当該ハイサイドゲート駆動信号(INHg)及び当該ローサイドゲート駆動信号(INHg)をデアサートするように構成されてよい。
【0049】
当該第1の論理回路(202、213)は、当該第1の論理回路(202、213)の動作において故障が検出されたことに応答して、第1の複合された故障信号(STO1_FAIL)をアサートするように構成されてもよい。当該第2の論理回路(216)は、当該第2の論理回路(216)の動作において故障が検出されたことに応答して、第2の複合された故障信号(STO2_FAIL)をアサートするように構成されてもよく、当該安全回路(13)は、当該第1の複合された故障信号(STO1_FAIL)がアサートされることに応答して、当該第2の安全信号(STO2_INT)をアサート状態にするように構成された第1のバックアップ起動回路(40)と、当該第2の複合された故障信号(STO2_FAIL)がアサートされることに応答して、当該第1の安全信号(STO1_INT)をアサート状態にするように構成された第2のバックアップ起動回路(60)とを更に備えてもよい。
【0050】
当該第1の論理回路(213)は、当該ハイサイドゲート駆動信号(INHg)を生成するために、当該少なくとも1つのPWM駆動信号(INH)及び当該第1安全信号(STO1_INT)にAND論理処理を適用するように構成された第1のAND論理ゲート(302)と、当該ローサイドゲート駆動信号(INLg)を生成するために、当該少なくとも1つのPWM駆動信号(INL)及び当該第1の安全信号(STO1_INT)にAND論理処理を適用するように構成された第2のAND論理ゲート(304)とを含んでもよい。
【0051】
当該第1の論理回路(213)は、当該少なくとも1つのPWM駆動信号(INH)及び当該第1の安全信号(STO1_INT)にAND論理処理を適用して、ハイサイドチェック信号(INHc)を生成するように構成された第3のAND論理ゲート(310)と、当該少なくとも1つのPWM駆動信号(INL)及び当該第1の安全信号(STO1_INT)にAND論理処理を適用して、ローサイドチェック信号(INLc)を生成するように構成された第4のAND論理ゲート(312)と、当該ハイサイドゲート駆動信号(INHg)及び当該ハイサイドチェック信号(INHc)にXOR論理処理を適用して、ハイサイド故障信号(STO1_FAIL_H)を生成するように構成された第1のXOR論理ゲート(314)と、当該ローサイドゲート駆動信号(INLg)及び当該ローサイドチェック信号(INLc)にXOR論理処理を適用して、ローサイド故障信号(STO1_FAIL_L)を生成するように構成された第2のXOR論理ゲート(316)と、当該ハイサイド故障信号(STO1_FAIL_H)及び当該ローサイド故障信号(STO1_FAIL_L)にOR論理処理を適用して、第1の複合された故障信号(STO1_FAIL)を生成するように構成されたOR論理ゲート(318)とを備え、当該安全回路(13)は、当該第1の複合された故障信号(STO1_FAIL)がアサートされることに応答して、当該第2の安全信号(STO2_INT)をアサート状態に強制するように構成された第1のバックアップ起動回路(40)を更に含んでもよい。
【0052】
当該第1のバックアップ起動回路(40)は、それぞれのセット端子において当該第1の複合された故障信号(STO1_FAIL)を受信し、それぞれのリセット端子においてパワーオンリセット信号(POR)の補数(404)を受信し、それぞれのデータ出力端子において第1の起動信号を生成するように構成されたラッチ要素(406)と、当該ラッチ要素(406)に結合され、当該第1の起動信号がアサートされることに応答して、当該第2の安全信号(STO2_INT)をプルダウンするように構成されたプルダウンスイッチ(408)とを含んでもよい。
【0053】
当該第2の論理回路(216)は、方形波セルフテスト信号(STO2_ST)を受信するように構成されてもよく、当該第2の論理回路(216)は、当該電力供給入力ピン(VDD)と当該電力供給出力ノード(502)との間に直列に配置された第1のスイッチ(52A)及び第2のスイッチ(54A)であって、当該第1のスイッチ(52A)は、当該第2の安全信号(STO2、STO2_INT)及び当該セルフテスト信号(STO2_ST)にAND論理処理を適用するように構成されたAND論理ゲート(506)の出力によって制御され、当該第2のスイッチ(54A)は、当該セルフテスト信号(STO2_ST)によって制御される、第1のスイッチ(52A)及び第2のスイッチ(54A)と、当該電力供給入力ピン(VDD)と当該電力供給出力ノード(502)との間に直列に配置された第3のスイッチ(52B)及び第4のスイッチ(54B)であって、当該第3のスイッチ(52B)は、AND論理処理を当該第2の安全信号(STO2、STO2_INT)及び当該セルフテスト信号(STO2_ST)の補数に適用するように構成されたAND論理ゲート(508)の出力によって制御され、当該第4のスイッチ(54B)は、当該セルフテスト信号(STO2_ST)の補数によって制御される、第3のスイッチ(52B)及び第4のスイッチ(54B)とを含んでよい。
【0054】
当該第2の論理回路(216)は、当該第1のスイッチ(52A)と当該第2のスイッチ(54A)との中間のノードにおける電圧が閾値よりも低いことに応答して、それぞれの出力信号をアサートするように構成された第1の不足電圧検出器(512)と、当該第3のスイッチ(52B)と当該第4のスイッチ(54B)との中間のノードにおける電圧が閾値よりも低いことに応答して、それぞれの出力信号をアサートするように構成された第2の不足電圧検出器(514)と、当該セルフテスト信号(STO2_ST)及び当該第1の不足電圧検出器(512)からの当該出力信号がデアサートされることに応答して、第1の供給故障信号(STO2_FAIL_A)をアサートするように構成された第1の論理ゲート(516)と、当該セルフテスト信号(STO2_ST)がアサートされ、当該第2の不足電圧検出器(514)からの当該出力信号がデアサートされることに応答して、第2の供給故障信号(STO2_FAIL_B)をアサートするように構成された第2の論理ゲート(518)と、当該第1の供給故障信号(STO2_FAIL_A)及び当該第2の供給故障信号(STO2_FAIL_B)にOR論理処理を適用して、第2の複合された故障信号(STO2_FAIL)を生成するように構成されたOR論理ゲート(520)とを含んでよく、当該安全回路(13)は、当該第2の複合された故障信号(STO2_FAIL)がアサートされることに応答して、当該第1の安全信号(STO1_INT)をアサート状態に強制するように構成された第2のバックアップ起動回路(60)を更に含んでもよい。
【0055】
安全回路(13)は、当該第1の複合された故障信号(STO1_FAIL)及び当該第2の複合された故障信号(STO2_FAIL)のいずれか1つがアサートされることに応答して、フォルト信号(nFAULT)を診断出力ピンにおいてアサートするように更に構成されてもよい(222、224)。
【0056】
当該第2のバックアップ起動回路(60)は、当該セルフテスト信号(STO2_ST)の周波数が予想範囲外であることに応答して、ウォッチドッグ信号(W)をアサートするように構成されたウォッチドッグ回路(610)を含んでもよく、当該第2のバックアップ起動回路(60)は、当該ウォッチドッグ信号(W)がアサートされることに応答して、当該第1の安全信号(STO1_INT)をアサート状態に強制するように構成されてもよい。
【0057】
当該第2のバックアップ起動回路(60)は、当該第2の複合された故障信号(STO2_FAIL)及び当該ウォッチドッグ信号(W)にOR論理処理を適用するように構成されたOR論理ゲート(602)と、それぞれのセット端子において当該OR論理ゲート(602)から当該出力信号を受信し、それぞれのリセット端子においてパワーオンリセット信号(POR)の補数(604)を受信し、それぞれのデータ出力端子において第2の起動信号を生成するように構成されたラッチ要素(606)と、当該ラッチ要素(606)に結合され、当該第2の起動信号がアサートされることに応答して、当該第1の安全信号(STO1_INT)をプルダウンするように構成されたプルダウンスイッチ(608)とを含んでもよい。
【0058】
当該第1の論理回路(202、213)は、当該第1の安全信号(STO1_INT)がアサートされている間に当該ハイサイドゲート駆動信号(INHg)及び当該ローサイドゲート駆動信号(INHg)がデアサートされることに応答して、第1の内部フィードバック信号(STO1_FBK)をアサートするように構成されてもよく(306、308)、当該第2の論理回路(216)は、当該電力供給出力ノード(502)における電圧が閾値よりも低いことに応答して、第2の内部フィードバック信号(STO2_FBK)をアサートするように構成されてもよく(504)、当該安全回路(13)は、当該第1の内部フィードバック信号(STO1_FBK)及び当該第2の内部フィードバック信号(STO2_FBK)のいずれか1つがアサートされることに応答して、フィードバック出力ピンにおいてフィードバック信号(STOFBK)をアサートするように更に構成されてもよい(220)。
【0059】
ゲートドライバデバイス(14’)は、安全回路(13)とレベルシフタ回路(206)及び出力ハイサイドドライバ回路(204HS)であって、レベルシフタ回路(206)は、当該ハイサイドゲート駆動信号(INHg)を受信し、それに応じて出力ハイサイドドライバ回路(204HS)を駆動するように構成された、レベルシフタ回路(206)及び出力ハイサイドドライバ回路(204HS)と、
プリドライバ回路(208)及び出力ローサイドドライバ回路(204LS)であって、プリドライバ回路(208)は、当該ローサイドゲート駆動信号(INLg)を受信し、それに応じて出力ローサイドドライバ回路(204LS)を駆動するように構成され、当該レベルシフタ回路(206)、当該プリドライバ回路(208)、及び当該出力ローサイドドライバ回路(204LS)は、当該ドライバ供給電圧(VSUPPLY)によってバイアスされるように、当該電力供給出力ノード(502)に結合されている、プリドライバ回路(208)及び出力ローサイドドライバ回路(204LS)とを含むように要約されてもよい。
【0060】
当該出力ハイサイドドライバ回路(204HS)は、ブートストラップ電圧(VBOOT)によってバイアスされてもよく、当該出力ローサイドドライバ回路(204LS)は、ローサイド供給電圧(VCC)によってバイアスされてもよく、ゲートドライバデバイス(14’)は、当該ブートストラップ電圧(VBOOT)を感知し、当該ブートストラップ電圧(VBOOT)が閾値より低いことに応答して、出力ハイサイドドライバ回路(204HS)の駆動信号をデアサートするように構成された第1の不足電圧保護回路(210、211)、及び/又は当該ローサイド供給電圧(VCC)を感知し、当該ローサイド供給電圧(VCC)が閾値より低いことに応答して、出力ハイサイドドライバ回路(204HS)の駆動信号及び出力ローサイドドライバ回路(204LS)の駆動信号をデアサートするように構成された第2の不足電圧保護回路(212)、及び/又は当該電力供給入力ピンにおいて当該システム供給電圧(VDD)を感知し、当該システム供給電圧(VDD)が予想範囲外であることに応答して、出力ハイサイドドライバ回路(204HS)の駆動信号及び出力ローサイドドライバ回路(204LS)の駆動信号をデアサートするように構成された不足電圧/過電圧保護回路(219)を含んでもよい。
【0061】
ドライバシステム(10)は、制御ユニット(12)と、ゲートドライバデバイス(14)又はゲートドライバデバイス(14’)に結合された安全回路(13)と、電力段(16)とを含み、当該制御ユニット(12)は、電力段(16)の動作を制御するために当該少なくとも1つのPWM駆動信号(INH、INL)を生成するように構成され、安全回路(13)は、当該少なくとも1つのPWM駆動信号(INH、INL)、当該第1の安全信号(STO1)、及び当該第2の安全信号(STO2)を受信し、当該ハイサイドゲート駆動信号(INHg)、当該ローサイドゲート駆動信号(INLg)、及び当該ドライバ供給電圧(VSUPPLY)を生成するように構成され、当該ゲートドライバデバイス(14、14’)は、当該ハイサイドゲート駆動信号(INHg)、当該ローサイドゲート駆動信号(INLg)、及び当該ドライバ供給電圧(VSUPPLY)を受信し、当該電力段(16)のそれぞれのスイッチを駆動するためのシフトされたPWM駆動信号を生成するように構成されるように要約されてよい。
【0062】
上で説明される様々な実施形態を組み合わせて、更なる実施形態を提供することができる。実施形態の態様は、必要に応じて、様々な特許、出願、及び刊行物の概念を採用するように変更して、更なる実施形態を提供することができる。
【0063】
これらの変更は、上記の詳細な説明に照らして実施形態に対して行うことができる。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を本明細書及び特許請求の範囲に開示された特定の実施形態に限定するように解釈されるべきではなく、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に全ての可能な実施形態を含むように解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は本開示によって限定されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】