(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166097
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】光学部材、面光源装置、及び表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20241121BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20241121BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241121BHJP
【FI】
F21S2/00 438
F21S2/00 435
F21S2/00 437
G02F1/13357
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024071929
(22)【出願日】2024-04-25
(31)【優先権主張番号】P 2023080942
(32)【優先日】2023-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】辻 篤樹
(72)【発明者】
【氏名】小溝 紘平
(72)【発明者】
【氏名】相良 歩
(72)【発明者】
【氏名】市来 尭記
(72)【発明者】
【氏名】白石 和裕
(72)【発明者】
【氏名】井上 益
【テーマコード(参考)】
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H391AA15
2H391AB02
2H391AB03
2H391AB04
2H391AC23
2H391AC53
2H391AD37
3K244AA01
3K244BA15
3K244BA48
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA12
3K244ED02
3K244ED08
3K244ED13
3K244ED25
3K244EE03
3K244EE07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】面光源装置を用いた表示装置における視野角を効率的に拡大させる。
【解決手段】面光源装置20の光学部材28は、出光面31と出光面31に対面する裏面32とを含む導光板30と、裏面32に対面する反射シート70を含む。裏面32は、第1方向D1に交互に配置された複数の傾斜面37及び傾斜面37と非平行な複数の接続面39を含む。傾斜面37は、第1方向D1において出光面31に接近するように傾斜している。反射シート70の拡散反射率は、50%以上である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートは、前記導光板からの順で、表面層、内部拡散層、及び金属層を含み、
前記内部拡散層は、ベース層と、前記ベース層内に保持された光拡散成分と、を含む、面光源装置の光学部材。
【請求項2】
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度は、200以下であり、
前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度は、75以上である、請求項1に記載の光学部材。
【請求項3】
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度は、200以下であり、
前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度は、75以上である、面光源装置の光学部材。
【請求項4】
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度G(20)、前記反射シートの入射角60°での鏡面光沢度G(60)、及び、前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たす、請求項1又は3に記載の光学部材。
|G(60)-G(85)|<|G(20)-G(60)|
【請求項5】
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度G(20)、前記反射シートの入射角60°での鏡面光沢度G(60)、及び、前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たす、面光源装置の光学部材。
|G(60)-G(85)|<|G(20)-G(60)|
【請求項6】
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度G(20)、前記反射シートの入射角60°での鏡面光沢度G(60)、及び、前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たす、請求項1、3、又は5に記載の光学部材。
|G(60)-G(85)|/((G(60)+G(85))/2)<|G(20)-G(60)|/((G(20)+G(60))/2)
【請求項7】
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度G(20)、前記反射シートの入射角60°での鏡面光沢度G(60)、及び、前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たす、面光源装置の光学部材。
|G(60)-G(85)|/((G(60)+G(85))/2)<|G(20)-G(60)|/((G(20)+G(60))/2)
【請求項8】
前記反射シートの拡散反射率は、65%以上90%以下である、請求項1、3、5、又は7に記載の光学部材。
【請求項9】
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの拡散反射率は、65%以上90%以下である、面光源装置の光学部材。
【請求項10】
前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度は、75以上である、請求項1、3、5、7、又は9に記載の光学部材。
【請求項11】
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度は、75以上110以下である、面光源装置の光学部材。
【請求項12】
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度に対する前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度の比の値は、0.85以上である、請求項1、3、5、7、9又は11に記載の光学部材。
【請求項13】
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度に対する前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度の比の値は、0.85以上である、面光源装置の光学部材。
【請求項14】
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度G(20)、及び前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たす、請求項1、3、5、7、9、11又は13に記載の光学部材。
G(20)-G(85)≦0
【請求項15】
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度G(20)、及び前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たす、面光源装置の光学部材。
G(20)-G(85)≦0
【請求項16】
前記接続面の前記第1方向への配列ピッチは、前記面光源装置に対面して配置される表示パネルの前記第1方向への画素の配列ピッチより大きい、請求項1、3、5、7、9、11、13又は15に記載の面光源装置の光学部材。
【請求項17】
前記接続面の前記第1方向への配列ピッチは、0.060mm以上である、請求項1、3、5、7、9、11、13又は15に記載の面光源装置の光学部材。
【請求項18】
前記接続面の前記第1方向への配列ピッチの、前記面光源装置に対面して配置される表示パネルの前記第1方向への画素の配列ピッチに対する比の値は、1.0以上2.2以下である、請求項1、3、5、7、9、11、13又は15に記載の光学部材。
【請求項19】
前記反射シートの入射角60°での鏡面光沢度に対する前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度の比の値は、0.55以上2.0以下である、請求項1、3、5、7、9、11、13又は15に記載の光学部材。
【請求項20】
前記反射シートの入射角60°での鏡面光沢度G(60)、及び前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たす、請求項1、3、5、7、9、11、13又は15に記載の光学部材。
15≦G(60)-G(85)≦22
【請求項21】
前記導光板は、前記出光面及び前記裏面の間に位置する入光面及び反対面を含み、
前記入光面及び前記反対面は、前記第1方向に対向し、
前記反対面に重ねられた反射層を更に備える、請求項1、2、3、5、7、9、11、13又は15に記載の光学部材。
【請求項22】
請求項1、3、5、7、9、11、13又は15に記載の光学部材と、
前記導光板に入射する光を放出する光源と、さらに備える、面光源装置。
【請求項23】
前記導光板は、前記出光面及び前記裏面の間に位置する入光面及び反対面を含み、
前記入光面及び前記反対面は、前記第1方向に対向し、
前記反対面に重ねられた反射層を更に備える、請求項22に記載の面光源装置。
【請求項24】
請求項21に記載の面光源装置と、
前記面光源装置に対面する表示パネルと、を備える表示装置。
【請求項25】
前記導光板は、前記出光面及び前記裏面の間に位置する入光面及び反対面を含み、
前記入光面及び前記反対面は、前記第1方向に対向し、
前記反対面に重ねられた反射層を更に備える、請求項24に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学部材、面光源装置、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、発光面を含む面光源装置が知られている。特許文献1に開示された従来の面光源装置は、エッジライト型として、反射シート、導光板、及び光学シートを含んでいる。特許文献1の面光源装置において、導光板は、出光面と、出光面に対向する裏面と、を含む。従来の裏面は、出光面に対して傾斜した傾斜面を含む。導光板内を進む光の出光面への入射角は、傾斜面で反射される度に、傾斜面の角度の2倍の角度だけ小さくなる。傾斜面での反射を繰り返すことによって、光の出光面への入射角が全反射臨界角未満となり、光は導光板から出光可能となる。この面光源装置において、導光板の出光面から出光する光の出光方向は、導光板及び光学シートの積層方向に対して大きく傾斜した非常に狭い角度範囲内に偏る。
【0003】
特許文献1の面光源装置において、光学シートは、導光板の出光面に対面するプリズム面を含む。プリズム面は、第1プリズム面及び第2プリズム面を繰り返し含む。第2プリズム面は、導光板からの光の入光面となる。第1プリズム面は、第2プリズム面を通過した光を反射する。第2プリズムでの反射によって、導光板及び光学シートの積層方向と光の進行方向との間の角度は小さくなる。このような導光板及び光学シートを用いた面光源装置では、正面方向等の特定方向への輝度を高くできる。
【0004】
第1プリズム面のうちの導光板に近い先端側となる部分には、積層方向に対して大きく傾斜した方向に進む光が入射し得る。第1プリズム面のうちの導光板から離れた基端側となる部分には、積層方向に対して比較的に小さな角度をなす方向に進む光が入射する。特許文献1に開示された面光源装置では、第1プリズム面は、折れ面となっている。導光板に近い先端側において、第1プリズム面の積層方向に対する角度は比較的に大きい。導光板から離れた基端側において、第1プリズム面の積層方向に対する角度は比較的に小さい。第1プリズム面を折れ面とすることにより、正面方向等の特定方向への輝度を更に高くできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のように、従来の面光源装置では、導光板及び光学シートを含む光学部材が優れた集光機能を発揮する。これにより、正面方向等の特定方向への輝度を高くできる。その一方で、特定方向以外への光量が少ないので、視野角が狭くなる。本開示は、面光源装置を用いた表示装置における視野角を効率的に拡大させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施の形態による第1の面光源装置の光学部材は、
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートは、前記導光板からの順で、表面層、内部拡散層、及び金属層を含み、
前記内部拡散層は、ベース層と、前記ベース層内に保持された光拡散成分と、を含む。
【0008】
本開示の一実施の形態による第2の面光源装置の光学部材は、
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度は、200以下であり、
前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度は、75以上である。
【0009】
本開示の一実施の形態による第3の面光源装置の光学部材は、
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度G(20)、前記反射シートの入射角60°での鏡面光沢度G(60)、及び、前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たす。
|G(60)-G(85)|<|G(20)-G(60)|
【0010】
本開示の一実施の形態による第4の面光源装置の光学部材は、
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度G(20)、前記反射シートの入射角60°での鏡面光沢度G(60)、及び、前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たす。
|G(60)-G(85)|/((G(60)+G(85))/2)<|G(20)-G(60)|/((G(20)+G(60))/2)
【0011】
本開示の一実施の形態による第5の面光源装置の光学部材は、
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの拡散反射率は、65%以上90%以下である。
【0012】
本開示の一実施の形態による第6の面光源装置の光学部材は、
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度は、75以上110以下である。
【0013】
本開示の一実施の形態による第7の面光源装置の光学部材は、
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度は、75以上110以下である。
【0014】
本開示の一実施の形態による第8の面光源装置の光学部材は、
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度に対する前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度の比の値は、0.85以上である。
【0015】
本開示の一実施の形態による第9の面光源装置の光学部材は、
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度G(20)、及び前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たす。
G(20)-G(85)≦0
【0016】
本開示の一実施の形態による面光源装置は、
本開示の一実施の形態によるいずれかの光学部材と、
前記導光板に入射する光を放出する光源と、を備える。
【0017】
本開示の一実施の形態による表示装置は、
本開示の一実施の形態によるいずれかの面光源装置と、
前記面光源装置に対面する表示パネルと、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、面光源装置を用いた表示装置における視野角を効率的に拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本開示による一実施の形態を説明するための図であって、表示装置、面光源装置、及び光学部材の一例の概略構成を示す縦断面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された表示装置における画素配列の一例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示された面光源装置及び光学部材の縦断面図である。作用を説明するための図である。
【
図4】
図4は、
図3に示された面光源装置及び光学部材の平面図である。
【
図5】
図5は、
図3に示された面光源装置及び光学部材に含まれ得る導光板の一例を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5に示された導光板を示す部分拡大断面図である。
【
図7】
図7は、
図3に示された面光源装置及び光学部材に含まれ得る光学シートの一例を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、
図7に示された光学シートを示す部分拡大断面図である。
【
図9】
図9は、
図3に示された面光源装置及び光学部材に含まれ得る反射シートの一例を示す縦断面図である。
【
図10】
図10は、導光板の出光面上での輝度角度分布を示すグラフである。
【
図11】
図11は、光学シートの第1面上での輝度角度分布を示すグラフである。
【
図12】
図12は、
図3に対応する断面図であって、導光板の一変形例を示す図である。
【
図13】
図13は、
図12に示された面光源装置における光学シートの第1面上での輝度角度分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の一実施の形態は、次の<1>~<23>に関する。
【0021】
<1>
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートは、前記導光板からの順で、表面層、内部拡散層、及び金属層を含み、
前記内部拡散層は、ベース層と、前記ベース層内に保持された光拡散成分と、を含む、面光源装置の光学部材。
【0022】
<2>
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度は、200以下であり、
前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度は、75以上である、<1>に記載の光学部材。
【0023】
<3>
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度は、200以下であり、
前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度は、75以上である、面光源装置の光学部材。
【0024】
<4>
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度G(20)、前記反射シートの入射角60°での鏡面光沢度G(60)、及び、前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たす、<1>~<3>のいずれか一項に記載の光学部材。
|G(60)-G(85)|<|G(20)-G(60)|
【0025】
<5>
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度G(20)、前記反射シートの入射角60°での鏡面光沢度G(60)、及び、前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たす、面光源装置の光学部材。
|G(60)-G(85)|<|G(20)-G(60)|
【0026】
<6>
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度G(20)、前記反射シートの入射角60°での鏡面光沢度G(60)、及び、前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たす、<1>~<5>のいずれか一項に記載の光学部材。
|G(60)-G(85)|/((G(60)+G(85))/2)<|G(20)-G(60)|/((G(20)+G(60))/2)
【0027】
<7>
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度G(20)、前記反射シートの入射角60°での鏡面光沢度G(60)、及び、前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たす、面光源装置の光学部材。
|G(60)-G(85)|/((G(60)+G(85))/2)<|G(20)-G(60)|/((G(20)+G(60))/2)
【0028】
<8>
前記反射シートの拡散反射率は、65%以上90%以下である、<1>~<7>のいずれか一項に記載の光学部材。
【0029】
<9>
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの拡散反射率は、65%以上90%以下である、面光源装置の光学部材。
【0030】
<10>
前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度は、75以上である、<1>~<9>のいずれか一項に記載の光学部材。
【0031】
<11>
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度は、75以上110以下である、面光源装置の光学部材。
【0032】
<12>
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度に対する前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度の比の値は、0.85以上である、<1>~<11>のいずれか一項に記載の光学部材。
【0033】
<13>
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度に対する前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度の比の値は、0.85以上である、面光源装置の光学部材。
【0034】
<14>
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度G(20)、及び前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たす、<1>~<13>のいずれか一項に記載の光学部材。
G(20)-G(85)≦0
【0035】
<15>
出光面と、出光面に対面する裏面と、を含む導光板と、
前記裏面に対面する反射シートと、を備え、
前記裏面は、第1方向に交互に配置された複数の傾斜面及び前記傾斜面と非平行な複数の接続面を含み、
前記傾斜面は、前記第1方向における第1側において前記出光面に接近するように前記第1方向に対して傾斜し、
前記反射シートの入射角20°での鏡面光沢度G(20)、及び前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たす、面光源装置の光学部材。
G(20)-G(85)≦0
【0036】
<16>
前記接続面の前記第1方向への配列ピッチは、前記面光源装置に対面して配置される表示パネルの前記第1方向への画素の配列ピッチより大きい、<1>~<15>のいずれか一項に記載の面光源装置の光学部材。
【0037】
<17>
前記接続面の前記第1方向への配列ピッチは、0.060mm以上である、<1>~<16>のいずれか一項に記載の面光源装置の光学部材。
【0038】
<18>
前記接続面の前記第1方向への配列ピッチの、前記面光源装置に対面して配置される表示パネルの前記第1方向への画素の配列ピッチに対する比の値は、1.0以上2.2以下である、<1>~<17>のいずれか一項に記載の光学部材。
【0039】
<19>
前記反射シートの入射角60°での鏡面光沢度に対する前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度の比の値は、0.55以上2.0以下である、<1>~<18>のいずれか一項に記載の光学部材。
【0040】
<20>
前記反射シートの入射角60°での鏡面光沢度G(60)、及び前記反射シートの入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たす、<1>~<19>のいずれか一項に記載の光学部材。
15≦G(60)-G(85)≦22
【0041】
<21>
前記導光板は、前記出光面及び前記裏面の間に位置する入光面及び反対面を含み、
前記入光面及び前記反対面は、前記第1方向に対向し、
前記反対面に重ねられた反射層を更に備える、<1>~<20>に記載の光学部材。
【0042】
<22>
<1>~<21>のいずれか一項に記載の光学部材と、
前記導光板に入射する光を放出する光源と、さらに備える、面光源装置。
【0043】
<23>
<22>に記載の面光源装置と、
前記面光源装置に対面する表示パネルと、を備える表示装置。
【0044】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。一部の図において示された構成等は、他の図において省略され得る。
【0045】
本明細書において、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に限定されることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈する。
【0046】
本明細書において、「シート」、「フィルム」および「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて互いから区別されない。例えば、「光学シート」は、光学フィルム又は光学板と呼ばれる部材等と呼称の違いのみにおいて区別され得ない。「反射シート」は、反射フィルム又は反射板と呼ばれる部材等と呼称の違いのみにおいて区別され得ない。「導光板」は、導光シート又は導光フィルムと呼ばれる部材等と呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
【0047】
本明細書において、シート状(シート状、板状)の部材の法線方向とは、対象となるシート状(フィルム状、板状)の部材のシート面への法線または垂線と平行な方向のことを指す。「シート面(フィルム面、板面)」とは、対象となるシート状(フィルム状、板状)の部材を全体的且つ大局的に見た場合において対象となるシート状部材(フィルム状部材、板状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
【0048】
本明細書において、あるパラメータに関して複数の上限値の候補及び複数の下限値の候補が挙げられている場合、そのパラメータの数値範囲は、任意の1つの上限値の候補と任意の1つの下限値の候補とを組み合わせることによって構成されてもよい。一例として、「パラメータBは、A1以上でもよく、A2以上でもよく、A3以上でもよい。パラメータBは、A4以下でもよく、A5以下でもよく、A6以下でもよい。」との記載について検討する。この例において、パラメータBの数値範囲は、A1以上A4以下でもよく、A1以上A5以下でもよく、A1以上A6以下でもよく、A2以上A4以下でもよく、A2以上A5以下でもよく、A2以上A6以下でもよく、A3以上A4以下でもよく、A3以上A5以下でもよく、A3以上A6以下でもよい。
【0049】
方向の関係を図面間で明確にするため、いくつかの図面は、共通する符号を付した矢印により第1方向D1、第2方向D2および第3方向D3を共通する方向として示す。矢印の先端側が各方向の第1側である。矢印の先端とは逆側が各方向の第2側である。例えば
図1に示すように、円の中に点を設けた記号は、図面の紙面に直交する方向に沿って紙面から手前に向かう矢印を示す。
【0050】
「抑制」とは、実現や発生等をおさえとどめることや、実現や発生等を妨げることを意味する。「抑制」とは、実現や発生等を完全に防止することだけでなく、実現や発生等の可能性を低減することや実現や発生等を起こりにくくすること等も意味する。
【0051】
図1~
図13は、一実施の形態を説明するための図である。面光源装置20は、光学部材28及び光源24を含んでもよい。光学部材28は、光源24から放出された光の光路を調節する。面光源装置20は、発光面21を含む。発光面21から光が放出される。
図1は、面光源装置20及び光学部材28の一適用例としての表示装置10を概略的に示している。
【0052】
以下において、面光源装置20及び光学部材28を表示装置10に適用する例を用いて、本実施の形態を説明する。本実施の形態では、面光源装置20及び光学部材28を用いた表示装置10における視野角を効率的に拡大させる工夫がなされている。ただし、面光源装置20及び光学部材28は、表示装置10への適用に限定されない。面光源装置20及び光学部材28は、照明装置等の種々の用途に適用され得る。
【0053】
図1に示すように、表示装置10は、表示パネル15及び面光源装置20を含んでもよい。図示された例において、表示パネル15及び面光源装置20は、第3方向D3に重ねられてもよい。表示パネル15及び面光源装置20は、積層方向である第3方向D3に直交する方向に広がってもよい。
【0054】
図示された例において、液晶表示パネル15及び面光源装置20は、第1方向D1及び第2方向D2に広がっている。図示された液晶表示パネル15及び面光源装置20は、平板状である。第1方向D1及び第2方向D2は、直交している。第3方向D3は、第1方向D1と直交している。第3方向D3は、第2方向D2と直交している。図示された液晶表示パネル15及び面光源装置20は、第3方向D3からの観察において、矩形形状を有する。図示された液晶表示パネル15及び面光源装置20は、第3方向D3からの観察において、第1方向D1及び第2方向D2にそれぞれ延びる一対の端縁を有する。
【0055】
図示された例において、第1方向D1は鉛直方向でもよい。図示された例において、第1方向D1における第1側は鉛直方向における上側でもよい。図示された例において、第2方向D2及び第3方向D3は、それぞれ、水平方向に沿ってもよい。図示された例において、表示パネル15の法線方向は第3方向D3と平行であり、面光源装置20の法線方向は第3方向D3と平行である。図示された例において、表示面11は第3方向D3に直交し、面光源装置20の後述する発光面21は第3方向D3に直交している。図示された例において、面光源装置20及び光学部材28に含まれる、反射シート70、導光板30、光学シート50は、第3方向D3に直交している。
【0056】
表示パネル15は、表示面11を構成してもよい。表示面11の法線方向は、第3方向D3と平行でもよい。表示面11に画像が表示されてもよい。
図1に示された例において、面光源装置20は、バックライトとして、表示パネル15を背面から照明する。表示パネル15は透過型の表示パネルでもよい。表示パネル15は液晶表示パネルでもよい。液晶表示パネルの型式は、特に限定されない。表示パネル15は、TN型の液晶表示パネルでもよいし、VA型の液晶表示パネルでもよいし、IPS型の液晶表示パネルでもよい。表示パネル15は、複数の画素16を含んでもよい。表示パネル15は、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御するシャッターとして機能する。画素は、画像を構成する最小単位となる。
【0057】
図2は、表示パネル15における画素配列の一具体例を示している。図示された表示パネル15は、第1画素16A、第2画素16B及び第3画素16Cを含んでいる。
【0058】
図2に示された例において、第1画素16A、第2画素16B及び第3画素16Cは、この順で繰り返すようにして、第2方向D2に配置されている。
図2に示された例において、第1画素16Aは、連続して、第1方向D1に配列されている。
図2に示された例において、第2画素16Bは、連続して、第1方向D1に配列されている。
図2に示された例において、第3画素16Cは、連続して、第1方向D1に配列されている。
図2に示された例において、各画素16A,16B,16Cは、第1方向D1に第1画素ピッチPP1で配列されている。各画素16A,16B,16Cは、第2方向D2に第2画素ピッチPP2で配列されている。
【0059】
第1画素16A、第2画素16B及び第3画素16Cは、互いに異なる色の画像光を放出してもよい。第1画素16Aは、青色の画像光を放出してもよい。第2画素16Bは、緑色の画像光を放出してもよい。第3画素16Cは、赤色の画像光を放出してもよい。第2方向D2に連続して配列された一つの第1画素16A、一つの第2画素16B及び一つの第3画素16Cによって、単位画素が形成されてもよい。
図2は、点線で囲むことによって一つの単位画素を例示している。
【0060】
図3に示すように、面光源装置20は、光源24及び光学部材28を含む。光学部材28は、光源24から放出された光の光路を調整する。光学部材28は、発光面21を構成してもよい。本実施の形態において、面光源装置20は、エッジライト型として構成されてもよい。光源24から放出された光、すなわち光源光は、光学部材28に側方から入射してもよい。すなわち、光は、第3方向D3と非平行な方向、例えば第3方向D3に直交する方向から、光学部材28に入射してもよい。
【0061】
図3に示すように、光学部材28は、反射シート70、導光板30及び光学シート50を含んでもよい。反射シート70、導光板30及び光学シート50は、第3方向D3にこの順で重ねられてもよい。すなわち、導光板30は、第3方向D3において、反射シート70及び光学シート50の間に位置してもよい。
【0062】
図示された例において、反射シート70、導光板30及び光学シート50は、第1方向D1及び第2方向D2に広がっている。図示された反射シート70、導光板30及び光学シート50は、平板状である。
図4に示された反射シート70、導光板30及び光学シート50は、第3方向D3からの観察において、矩形形状を有する。反射シート70、導光板30及び光学シート50は、第3方向D3からの観察において、第1方向D1及び第2方向D2にそれぞれ延びる一対の端縁を有する。
図4に示された例において、光源24から放出された光源光は、第1方向D1における第2側から光学部材28に入射する。
【0063】
光源24は、特に限定されない。光源24は、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯や、点状のLED(発光ダイオード)や白熱電球等の発光体を含んでもよい。
図4に示すように、光源24は、第2方向D2に配列された複数の点状発光体25を含んでもよい。発光体25は、発光ダイオード(LED)でもよい。発光体25は、光学部材28に側方から対面してもよい。発光体25は、導光板30に対面して配置されてもよい。あるいは、発光体25から放出された光は、反射部材等により、光学部材28に誘導されてもよい。
【0064】
図5に示すように、導光板30は板状である。導光板30は、一対の主面として、出光面31及び裏面32を含んでもよい。出光面31は、第1方向D1における第1側を向いてもよい。出光面31は、光学シート50に対面してもよい。裏面32は、第1方向D1における第2側を向いてもよい。裏面32は、反射シート70に対面してもよい。導光板30は、出光面31及び裏面32の間に位置する側面を含んでもよい。導光板30の側面は、第3方向D3と直交する方向を向いてもよい。
【0065】
導光板30は、側面として、第1方向D1における第2側を向く入光面33を含んでもよい。光源光は、入光面33を通過して導光板30に入射してもよい。発光体25は、入光面33に対面して配置されてもよい。
図5に示された入光面33には、光源24をなす発光体25と対面する位置が示されている。入光面33から導光板30内に入射した光源光は、導光方向である第1方向D1に入光面33と対面する反対面34に向けて、導光板30内を進む。図示された例において、導光板30は、出光面31及び裏面32の間に位置する側面として、入光面33及び反対面34の間を延びる第1側面35a及び第2側面35bを更に含んでいる。
【0066】
導光板30は、入光面33から入射した光源光を主として第1方向D1に導光する。導光板30を構成する材料は、透明な材料、例えば透明な樹脂材料でもよい。「透明」とは、全光線透過率が、50%以上であることを意味し、80%以上でもよく、90%以上でもよい。全光線透過率は、JIS K 7361-1:1997に従って測定された値とする。全光線透過率を測定する際における入射角は0°とする。入射角は、光が入射するシート状等の部材の法線方向に対して入射光の進行方向がなす角度(°)を意味する。入射角は、0°以上90°以下の角度となる。全光線透過率を測定する際の測定環境は、温度23℃±2℃、相対湿度50%±5%とする。測定対象となる試料は、試験開始前に、測定環境に16時間配置する。全光線透過率の測定前、測定装置の光源を15分間点灯し、光源の出力を安定させる。
【0067】
図5及び
図6に示すように、裏面32は凹凸面として構成されてもよい。裏面32は、複数の傾斜面37及び複数の接続面39を含んでもよい。
図5及び
図6に示すように、傾斜面37及び接続面39は、交互に、第1方向D1に配列されてもよい。
【0068】
図示された例において、傾斜面37は、第1方向D1における第1側において出光面31に接近するように、第1方向D1に対して傾斜している。すなわち、出光面31と一つの傾斜面37との間の第3方向D3に沿った距離は、第1方向D1における第1側に向けて、しだいに短くなる。導光板30内での導光は、導光板30の一対の主面である出光面31及び裏面32での全反射作用による。ただし、傾斜面37で反射することにより、一対の主面31,32に入射する際の入射角度は小さくなる。傾斜面37で反射することにより、一対の主面31,32への入射角度が全反射臨界角度未満になると、当該光は、導光板30から出射できる。傾斜面37は、導光板30から光を取り出すための光取出要素として機能する。
【0069】
接続面39は、第3方向D3を中心として傾斜面37と逆側に傾斜してもよいし、第3方向D3に沿って延びてもよい。隣り合う二つの傾斜面37の間に接続面39を配置することにより、第1方向D1における各位置での導光板30の厚み変動を低減できる。
【0070】
裏面32は、傾斜面37及び接続面39に加えて、平坦面38を更に含んでもよい。第1方向D1と平坦面38との間の角度の大きさは、第1方向D1と傾斜面37との間の角度の大きさより小さくてもよい。第1方向D1と平坦面38との間の角度の大きさは、第1方向D1と接続面39との間の角度の大きさより小さくてもよい。
図3及び
図6に示すように、平坦面38は、第1方向D1と平行でもよい。平坦面38を設けることによって、導光方向である第1方向D1に沿った傾斜面37の分布を調節できる。傾斜面37の分布を調節することにより、導光板30からの出射光量の第1方向D1に沿った分布を調節できる。
【0071】
第1方向D1と傾斜面37との間の角度とは、第1方向及び第3方向D3に沿った断面における第1方向D1と傾斜面37との間の角度を意味する。第1方向D1と平坦面38との間の角度とは、第1方向及び第3方向D3に沿った断面における第1方向D1と平坦面38との間の角度を意味する。第1方向D1と接続面39との間の角度とは、第1方向及び第3方向D3に沿った断面における第1方向D1と接続面39との間の角度を意味する。これらの角度は、0°以上90°以下の角度とする。
図6には、第1方向D1と傾斜面37との間の角度θyが示されている。
【0072】
第1方向D1と傾斜面37との間の角度θy、すなわち傾斜面37の第1方向D1に対する傾斜面角度θyは、0.10°以上でもよく、1.0°以上でもよく、1.5°以上でもよい。傾斜面角度θyに下限を設定することにより、導光板30からの光の取出効率を改善できる。傾斜面37の第1方向D1に対する傾斜面角度θyは、5.0°以下でもよく、3.0°以下でもよく、2.0°以下でもよい。傾斜面角度θyに上限を設定することにより、導光板30の出光面31から出射する光の進行方向を狭い角度範囲に制限できる。傾斜面37は平坦面でもよい。各傾斜面37の傾斜面角度θyは、当該傾斜面37内において、一定でもよい。傾斜面37は曲面を含んでもよい。傾斜面37は折れ面を含んでもよい。曲面や折れ面を含む傾斜面37の傾斜面角度θyは、第1方向D1における中心位置にて、測定された傾斜面角度とする。
【0073】
図3に示された例では、導光方向D1に沿って入光面33から反対面34に向かうにつれて、つまり第1方向D1における第2側から第1側に向けて、裏面32における傾斜面37が占める割合が高くなる。この構成によれば、導光方向に沿って入光面33から離間した領域での導光板30からの光の出射を促進できる。これにより、入光面33から離間するにつれて出射光量が低下してしまうことを抑制できる。出光面31での第1方向D1に沿った照度分布を均一化できる。
【0074】
図5に示すように、傾斜面37は、第2方向D2に延びてもよい。傾斜面37と第1方向D1との角度θyは、第2方向D2における各位置において、一定でもよい。接続面39は、第2方向D2に延びてもよい。接続面39と第1方向D1との角度は、第2方向D2における各位置において、一定でもよい。平坦面38は、第2方向D2に延びてもよい。平坦面38と第1方向D1との角度θyは、第2方向D2における各位置において、一定でもよい。
【0075】
平坦面38は、傾斜面37に隣接している。
図3及び
図6に示すように、平坦面38は、第1方向D1における第2側から傾斜面37に接続してもよい。平坦面38は、第1方向D1における第1側から傾斜面37に接続してもよい。平坦面38は、第1方向D1における両側から傾斜面37に接続してもよい。平坦面38は、第1方向D1における一定の側から傾斜面37に接続してもよいし、平坦面38は、第1方向D1における一定の側から傾斜面37に接続しなくてもよい。
図3及び
図6に示すように、傾斜面37の第1方向D1における第1側の端部は、第1方向D1に一定の周期で現れてもよい。
図3及び
図6に示すように、接続面39の第1方向D1における第1側の端部は、第1方向D1に一定の周期で現れてもよい。
【0076】
接続面39の第1方向D1への配列ピッチPCは、従来と比較して、長くてもよい。接続面39の第1方向D1への配列ピッチPCに下限を設定することにより、迷光等の発生を抑制して、光源光の利用効率を改善できる。接続面39の第1方向D1への配列ピッチPCは、0.060mm以上でもよく、0.070mm以上でもよく、0.080mm以上でもよく、0.20mm以上でもよい。接続面39の第1方向D1への配列ピッチPCは、0.37mm以下でもよく、0.32mm以下でもよく、0.28mm以下でもよい。接続面39の第1方向D1への配列ピッチPCに上限を設定することにより、裏面32の凹凸が観察されることを抑制できる。
【0077】
接続面39の第1方向D1への配列ピッチPC(mm)は、画素16の第1方向D1への配列ピッチPP1(mm)よりも大きくてもよい。このように接続面39の第1方向D1への配列ピッチPCを長くすることにより、迷光等の発生を抑制して、光源光の利用効率を改善できる。
【0078】
接続面39の第1方向D1への配列ピッチPC(mm)の、画素16の第1方向D1への配列ピッチPP1(mm)に対する比の値は、0.60以上でもよく、1.0以上でもよく、1.2以上でもよく、1.4以上でもよい。この比の値に下限を設けることにより、迷光等の発生を抑制して、光源光の利用効率を改善できる。接続面39の第1方向D1への配列ピッチPC(mm)の、画素16の第1方向D1への配列ピッチPP1(mm)に対する比の値は、2.2以下でもよく、2.0以下でもよく、1.9以下でもよく、1.8以下でもよい。この比の値に上限を設定することにより、裏面32の凹凸が観察されることを抑制できる。この比の値に上限を設定することにより、裏面32における構成の規則性と画素の規則性との干渉に起因したモアレを目立たなくできる。
【0079】
導光板30のその他の寸法は、一例として、次のように設定されてもよい。導光板30の第3方向D3への長さ、すなわち、導光板30の厚みは、0.10mm以上でもよく、0.20mm以上でもよく、0.30mm以上でもよい。導光板30の第3方向D3への長さは、1.0mm以下でもよく、0.9mm以上でもよく、0.7mm以下でもよい。導光板30の第1方向D1への長さや、導光板30の第2方向D2への長さは、特に限定されない。導光板30の第1方向D1への長さや、導光板30の第2方向D2への長さは、例えば、表示装置のサイズに依存して決定されてもよい。
【0080】
導光板30は、押出成形、UV賦型、射出成形等を用いて製造され得る。導光板30の材料として、種々の材料が使用され得る。導光板30の材料は、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等の一以上を主成分とする透明樹脂でもよい。導光板30は、樹脂材料の母材部と、母材部中に分散した光拡散成分と、を含んでもよい。光拡散成分は、シリカ(二酸化珪素)やアルミナ(酸化アルミニウム)等の無機粒子でもよい。光拡散成分は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂等の有機粒子でもよい。
【0081】
図7に示すように、光学シート50は板状である。光学シート50は、一対の主面として、第1面51及び第2面52を含んでもよい。第1面51は、第3方向D3における第1側を向いてもよい。第2面52は、第3方向D3における第2側を向いてもよい。第2面52は、導光板30に対面してもよい。第2面52は、プリズム面53として構成されている。
【0082】
光学シート50は、本体部55及び単位プリズム60を含んでもよい。本体部55はシート状でもよい。本体部55は、出光側面55a及び入光側面55bを含んでもよい。図示された例のように、本体部55の出光側面55aは、光学シート50の第1面51を構成してもよい。第1面51は、第3方向D3に直交する面でもよい。
【0083】
第1面51は、平坦面でもよい。第1面51は、マット面でもよい。第1面51は、凹凸面でもよい。第2方向における光量調節や輝度調節を目的として、第1方向に延びる線状の凸部や線状の凹部によって、第1面51が構成されてもよい。第1方向に延びる線状の凸部や線状の凹部は、第2方向D2に配列されてもよい。
【0084】
本体部55の入光側面55bに、複数の単位プリズム60が設けられてもよい。本体部55の入光側面55bに、複数の単位プリズム60が隙間無く設けられてもよい。複数の単位プリズム60は、光学シート50の第2面52を構成してもよい。プリズム面53は、複数の単位プリズム60によって構成されてもよい。
【0085】
「単位プリズム」は、屈折や反射等の光学的作用を光に及ぼして、当該光の進行方向を変化させる機能を有した要素である。「単位プリズム」は、「単位形状要素」、「単位光学要素」および「単位レンズ」と、呼称の違いのみに基づいて区別されない。
【0086】
複数の単位プリズム60は、第1方向D1に配列されてもよい。各単位プリズム60は、線状に延びてもよい。
図7に示された例のように、各単位プリズム60は、直線状に延びてもよい。
図7に示された例のように、各単位プリズム60は、配列方向である第1方向D1に直交する第2方向D2に、直線状に延びてもよい。
図7に示された例のように、複数の単位プリズム60は、リニアアレイプリズムを構成してもよい。各単位プリズム60は、柱状でもよい。
【0087】
複数の単位プリズム60の配列は、
図7に示された例に限られない。複数の単位プリズム60は、第1方向D1と、第1方向D1に非平行な方向と、を含む二以上の方向に配列されてもよい。複数の単位プリズム60は、二次元配列されたマイクロレンズアレイを構成してもよい。
【0088】
各単位プリズム60は、第1プリズム面61及び第2プリズム面62を含んでもよい。第1プリズム面61及び第2プリズム面62は、第1方向D1に対面してもよい。第1プリズム面61は、第1方向D1における第1側に位置してもよい。第2プリズム面62は、第1方向D1における第2側に位置してもよい。プリズム面53は、第1プリズム面61及び第2プリズム面62を含んでもよい。プリズム面53は、第1プリズム面61及び第2プリズム面62のみによって構成されてもよい。後述するように、第2プリズム面62は、導光板30から出射した光が入射する入射面として機能し得る。第1プリズム面61は、第2プリズム面62を通過して単位プリズム60内を進む光を反射する反射面として機能し得る。
【0089】
図8に示された例のように、第1プリズム面61及び第2プリズム面62は、それぞれ本体部55から延び出てもよい。第1プリズム面61及び第2プリズム面62は、一方の端部において、本体部55に接続してもよい。
図8に示された例のように、第1プリズム面61及び第2プリズム面62は、他方の端部において、互いに接続してもよい。第1プリズム面61及び第2プリズム面62は、他方の端部において、本体部55から第3方向D3に最も離れた単位プリズム60の頂部63を構成してもよい。
【0090】
図示された例において、第1方向D1及び第3方向D3の両方に平行な光学シート50の主切断面において、第1プリズム面61及び第2プリズム面62は、本体部55から離れるにつれて接近している。
図8に示された光学シート50の主切断面において、単位プリズム60は、先細りする断面形状を有する。
図7に示された例において、光学シート50の主切断面における断面形状は、第2方向D2における各位置において、一定となっている。図示された単位プリズム60は、一定の断面形状で、第2方向D2に延びている。図示された光学シート50において、複数の単位プリズム60は、同一の構成を有している。図示された例に限られず、複数の単位プリズム60は、異なる構成を有してもよい。図示された例に限られず、各単位プリズム60の断面形状は、第2方向D2における各位置で異なってもよい。
【0091】
図8に示すように、第1プリズム面61は、折れ面でもよい。第1プリズム面61は、第1要素面66、第2要素面67及び第3要素面68を含んでもよい。第1プリズム面61は、第1要素面66、第2要素面67、及び第3要素面68を含んでもよい。第1要素面66、第2要素面67、及び第3要素面68は、順に接続してもよい。第1要素面66、第2要素面67、及び第3要素面68は、単位プリズム60の頂部63から基端部に向けてこの順で、配列されてもよい。第2要素面67は、第1要素面66及び第3要素面68の間に位置してもよい。第1要素面66は、一方の端部において、頂部63を構成してもよい。第1要素面66は、他方の端部において、第2要素面67の一方の端部と接続してもよい。第2要素面67は、他方の端部において、第3要素面68の一方の端部と接続してもよい。第3要素面68は、他方の端部において、本体部55に接続してもよい。
図8に示された例に限られず、第1プリズム面61は、四以上の要素面を含んでもよい。
【0092】
プリズム面又は要素面と、光学部材28の構成要素の積層方向である第3方向D3と、の間の角度を、傾斜角度θx(°)とする。傾斜角度θx(°)は0°以上90°以下の間の角度とする。曲面を含むプリズム面又は曲面を含む要素面の傾斜角度は、当該プリズム面又は要素面の第1方向D1における中心位置にて、測定された角度とする。第1プリズム面61に含まれる要素面の傾斜角度は、要素面の位置が頂部63から本体部55に接近するにつれて、小さくなってもよい。図示された例において、第1要素面66の第1要素面傾斜角度θxe1は、第2要素面67の第2要素面傾斜角度θxe2より大きくてもよい。第2要素面67の第2要素面傾斜角度θxe2は、第3要素面68の第3要素面傾斜角度θxe3より大きくてもよい。この構成によれば、第1プリズム面61の全域を有効に活用して、光路調整を実施できる。
【0093】
第1要素面66と第3要素面68との傾斜角度差(°)に下限を設けてもよい。すなわち、第1要素面傾斜角度θxe1及び第3要素面傾斜角度θxe3との傾斜角度差(°)に下限を設けてもよい。傾斜角度差(°)に下限を設けることにより、導光板30から光学シート50に入射した光を第1プリズム面61での反射によって拡散できる。これにより、表示装置10の視野角を有効に広げることができる。第1要素面66と第3要素面68との傾斜角度差(°)に上限を設けてもよい。傾斜角度差(°)に上限を設けることにより、拡散し過ぎることを抑制できる。これにより、表示装置10での画像形成に光源光を高効率で利用できる。第1要素面66と第3要素面68との傾斜角度差(°)は、5°以上でもよく、8°以上でもよく、10°以上でもよく、12°以上でもよい。第1要素面66と第3要素面68との傾斜角度差(°)は、20°以下でもよく、18°以下でもよく、15°以下でもよい。
【0094】
第1要素面66と第3要素面68との傾斜角度差(°)は、傾斜面37の第1方向D1に対する傾斜面角度θyの2倍より大きくてもよく、2.5倍より大きくてもよく、3倍より大きくてもよく、4倍より大きくてもよく、6倍より大きくてもよい。この例によれば、導光板30から出射する光の進行方向のバラツキに対して、傾斜角度差(°)を十分に大きくできる。したがって、導光板30から光学シート50に入射した光を第1プリズム面61での反射によって拡散できる。これにより、表示装置10の視野角を有効に広げることができる。
【0095】
第1要素面66と第3要素面68との傾斜角度差(°)は、導光板30の出光面31での輝度の角度分布における半値半幅(°)以上でもよい。この例によれば、導光板30から出射する光の進行方向のバラツキに対し、傾斜角度差(°)が十分に大きい。したがって、導光板30から光学シート50に入射した光を、第1プリズム面61での反射によって拡散できる。これにより、表示装置10の視野角を有効に広げることができる。
【0096】
ここで、導光板30の出光面31での輝度の角度分布は、導光板30及び光学シート50の積層方向である第3方向D3と第1方向D1とを含む面内の各方向への輝度(cd/m2)に関する分布である。一例として、
図10に示すように、輝度と、当該輝度が得られる方向及び第3方向D3の間の角度(°)と、の関係を示す。輝度が得られる方向が、第3方向D3に対して、第1方向D1における第1側へ傾斜している場合、当該方向及び第3方向D3の間の角度(°)は正の値とする。すなわち、第3方向D3から第1方向D1における第1側へ傾斜した方向へ出光面31から出射する方向への輝度は、横軸の角度として正の値を取る。出光面31での輝度角度分布は、面光源装置20よりも発光面21側となる構成要素を取り除いた状態での測定値とする。
図3に示された面光源装置20では、光源24、導光板30及び反射シート70を含む装置での測定値とする。半値半幅HW(°)は、輝度最大値BMAXが得られる方向と第3方向D3との間となる方向であって輝度最大値BMAXの半分の輝度BFが得られる方向と、輝度最大値BMAXが得られる方向との間の角度(°)を意味する。
【0097】
輝度角度分布における輝度(cd/m2)は、ELDIM社製のEZ Contrast XL80を用いて測定され得る。
図10に示された輝度の角度分布は、ELDIM社製のEZ Contrast XL80を用いて測定された。
【0098】
第1要素面傾斜角度θxe1は、25°以上でもよく、30°以上でもよく、35°以上でもよい。第1要素面傾斜角度θxe1は、55°以下でもよく、50°以下でもよく、45°以下でもよい。第2要素面傾斜角度θxe2は、19°以上でもよく、24°以上でもよく、29°以上でもよい。第2要素面傾斜角度θxe2は、49°以下でもよく、44°以下でもよく、39°以下でもよい。第3要素面傾斜角度θxe3は、12°以上でもよく、17°以上でもよく、22°以上でもよい。第3要素面傾斜角度θxe3は、42°以下でもよく、37°以下でもよく、32°以下でもよい。第2プリズム面62の傾斜角度θx2は、20°以上でもよく、25°以上でもよく、30°以上でもよい。第2プリズム面62の傾斜角度θx2は、50°以下でもよく、45°以下でもよく、40°以下でもよい。
【0099】
単位プリズム60の第1方向D1への長さWx、すなわち、単位プリズム60の幅Wxは、12μm以上でもよく、14μm以上でもよく、16μm以上でもよい。単位プリズム60の第1方向D1への長さWxは、32μm以下でもよく、30μm以下でもよく、28μm以下でもよい。単位プリズム60の第1方向D1への長さWxに対する第1プリズム面61の第1方向D1への長さWx1の比の値(Wx1/Wx)は、0.32以上でもよく、0.37以上でもよく、0.42以上でもよい。単位プリズム60の第1方向D1への長さWxに対する第1プリズム面61の第1方向D1への長さWx1の比の値(Wx1/Wx)は、0.62以下でもよく、0.57以下でもよく、0.52以下でもよい。
【0100】
単位プリズム60の第1方向D1への長さWxに対する第1要素面66の第1方向D1への長さWxe1の比の値(Wxe1/Wx)は、0.050以上でもよく、0.070以上でもよく、0.090以上でもよい。単位プリズム60の第1方向D1への長さWxに対する第1要素面66の第1方向D1への長さWxe1の比の値(Wxe1/Wx)は、0.17以下でもよく、0.15以下でもよく、0.13以下でもよい。単位プリズム60の第1方向D1への長さWxに対する第2要素面67の第1方向D1への長さWxe2の比の値(Wxe2/Wx)は、0.080以上でもよく、0.10以上でもよく、0.12以上でもよい。単位プリズム60の第1方向D1への長さWxに対する第2要素面67の第1方向D1への長さWxe2の比の値(Wxe2/Wx)は、0.20以下でもよく、0.18以下でもよく、0.16以下でもよい。単位プリズム60の第1方向D1への長さWxに対する第3要素面68の第1方向D1への長さWxe3の比の値(Wxe3/Wx)は、0.16以上でもよく、0.18以上でもよく、0.20以上でもよい。単位プリズム60の第1方向D1への長さWxに対する第3要素面68の第1方向D1への長さWxe3の比の値(Wxe3/Wx)は、0.28以下でもよく、0.26以下でもよく、0.24以下でもよい。
【0101】
単位プリズム60の第3方向D3への長さHx、すなわち、単位プリズム60の高さHxは、8.0μm以上でもよく、10μm以上でもよく、12μm以上でもよい。単位プリズム60の第3方向D3への長さHxは、20μm以下でもよく、18μm以下でもよく、16μm以下でもよい。光学シート50の第3方向D3への長さ、すなわち、光学シート50の厚みは、115μm以上でもよく、125μm以上でもよく、135μm以上でもよい。光学シート50の第3方向D3への長さは、175μm以下でもよく、165μm以下でもよく、155μm以下でもよい。
【0102】
光学シート50は、押出成形、UV賦型、射出成形等を用いて製造され得る。光学シート50の材料として、種々の材料が使用され得る。光学シート50の材料は、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等の一以上を主成分とする透明樹脂を含んでもよい。光学シート50の材料は、エポキシアクリレート樹脂やウレタンアクリレート樹脂系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を含んでもよい。
【0103】
図3及び
図4に示すように、反射シート70はシート状である。反射シート70は、導光板30の裏面32から出射した光を反射して、導光板30に戻す。反射シート70での反射は、拡散反射でもよく、異方性拡散反射でもよい。拡散反射機能を有した反射シート70は、酸化チタンや酸化ケイ素等の無機粒子を含むシートでもよい。異方性拡散反射機能を有した反射シート70は、長手方向を有する光拡散成分を配向した状態で含むシートでもよいし、長手方向を有する凸部や凹部を配向した状態で含むシートでもよい。
【0104】
反射シート70の全光線反射率は、75%以上でもよく、80%以上でもよく、85%以上でもよい。全光線反射率に下限を設けることによって、光源光の利用効率を向上できる。反射シート70の全光線反射率の上限は特に設定されない。反射シート70の全光線反射率は100%以下でもよく、100%未満でもよい。
【0105】
拡散反射機能を有した反射シート70によれば、面光源装置20を用いた表示装置10における視野角を効率的に拡大できる。反射シート70の拡散反射率に下限を設定してもよい。反射シート70の拡散反射率に下限を設定することにより、視野角を効率的に拡大できる。反射シート70の拡散反射率は、65%以上でもよく、70%以上でもよく、75%以上でもよい。
【0106】
反射シート70の拡散反射率に上限を設定してもよい。反射シート70の拡散反射率に上限を設定することにより、輝度最大値の低下を抑制できる。反射シート70の拡散反射率は90%以下でもよく、87%以下でもよく、85%以下でもよい。拡散反射率(%)は、全光線反射率から鏡面反射光分の光線反射率を除外した全方位拡散反射率である。
【0107】
全光線反射率(%)は、分光全光線反射率の測定値を用いて、特定される。全光線反射率の特定には、380nm以上780nm以下の可視光波長域で1nm毎の各波長についての分光全光線反射率の測定値が用いられる。分光全光線反射率の測定には、D65光源を用いる。試料の表面に対する入射角は8°とする。分光全光線反射率を測定する際の測定環境は、温度23℃±2℃、相対湿度50%±5%とする。測定対象となる試料は、試験開始前に、測定環境に16時間配置する。分光全光線反射率の測定前、測定装置の光源を15分間点灯し、光源の出力を安定させる。
【0108】
分光全光線反射率を測定する際、測定対象となる試料の入射面に対向する裏面に、光学透明粘着シートを介し、黒色板を貼り合わせる。光学透明粘着シートは、パナック社製の「パナクリーンPD-S1」とする。黒色板は、クラレ社製の「コモグラス DFA2CG 502K(黒)系」とする。
【0109】
分光全光線反射率の測定に、株式会社日立ハイテクサイエンス社製の紫外可視近赤外分光光度計UH4150を用いてもよい。反射率の検出器として直径60mm標準積分球(穴数4)を使用してもよい。
【0110】
全光線反射率の特定は、JIS R 3106:2019の「7.2 基礎式」の欄における式(18)で規定された可視光反射率と同等の次の式(X)を用いる。式(X)によれば、全光線反射率は、光源のCIE昼光D65スペクトル分布及びCIE明順応標準比視感度を考慮して算出される。光源のCIE昼光D65スペクトル分布及びCIE明順応標準比視感度を重価係数として用いた分光全光線反射率の加重平均値として、全光線反射率は特定される。式(X)における「A(λ)」はD65光源のスペクトル分布である。式(X)における「B(λ)」はCIE明順応標準比視感度である。式(X)における「C(λ)」は分光全光線反射率(%)である。
【0111】
【0112】
全光線拡散反射率は、全光線反射率と鏡面反射率との差として特定される。鏡面反射率は、分光鏡面反射率の測定値を用いて、特定される。鏡面反射率の特定には、380nm以上780nm以下の可視光波長域で1nm毎の各波長についての分光鏡面反射率の測定値が用いられる。分光鏡面反射率の測定には、D65光源を用いる。試料の表面に対する入射角は8°とする。分光鏡面反射率を測定する際の測定環境は、温度23℃±2℃、相対湿度50%±5%とする。測定対象となる試料は、試験開始前に、測定環境に16時間配置する。分光鏡面反射率の測定前、測定装置の光源を15分間点灯し、光源の出力を安定させる。分光鏡面反射率は、分光全光線反射率の測定に使用される測定装置を用いて測定されてもよい。
【0113】
分光鏡面反射率を測定する際、測定対象となる試料の入射面に対向する裏面に、光学透明粘着シートを介し、黒色板を貼り合わせる。光学透明粘着シートは、パナック社製の「パナクリーンPD-S1」とする。黒色板は、クラレ社製の「コモグラス DFA2CG 502K(黒)系」とする。
【0114】
鏡面反射率の特定は、JIS R 3106:2019の「7.2 基礎式」の欄における式(18)で規定された可視光反射率と同等の次の式(Y)を用いる。式(Y)によれば、鏡面反射率は、光源のCIE昼光D65スペクトル分布及びCIE明順応標準比視感度を考慮して算出される。光源のCIE昼光D65スペクトル分布及びCIE明順応標準比視感度を重価係数として用いた分光鏡面反射率の加重平均値として、鏡面反射率は特定される。式(Y)における「A(λ)」はD65光源のスペクトル分布である。式(Y)における「B(λ)」はCIE明順応標準比視感度である。式(Y)における「D(λ)」は分光鏡面反射率(%)である。
【0115】
【0116】
反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度G(20)に上限を設定してもよい。反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度G(20)は、有効数字二桁として、200以下でもよく、150以下でもよく、100以下でもよい。反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度G(20)に上限を設定することにより、反射シート70に拡散反射機能を付与できる。特に、小さな入射角で反射シート70に入射する光を拡散できる。これにより、面光源装置20を用いた表示装置10における視野角を効率的に拡大できる。
【0117】
反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度G(20)に下限を設定してもよい。反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度G(20)に下限を設定することにより、輝度最大値の低下を抑制できる。反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度G(20)は、65以上でもよく、75以上でもよく、85以上でもよい。
【0118】
反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)に下限を設定してもよい。反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、75以上でもよく、85以上でもよく、90以上でもよい。反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)に下限を設定することにより、大きな入射角で反射シート70に入射する光の拡散を抑制できる。これにより、輝度最大値の低下を抑制できる。
【0119】
反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)に上限を設定してもよい。反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)に上限を設定することにより、視野角を拡大できる。反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、有効数字二桁として、110以下でもよく、105以下でもよく、100以下でもよい。
【0120】
反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度G(20)に上述の上限を設定し、かつ、反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)に上述の下限を設定してもよい。反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度は200以下であり、かつ反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度は75以上でもよい。この例によれば、輝度最大値の低下を十分に抑制しながら、視野角を効率的に拡大できる。
【0121】
反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度G(20)に対する反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)の比の値(G(85)/G(20))は、0.85以上でもよく、0.90以上でもよく、0.95以上でもよい。比の値(G(85)/G(20))に下限を設けることにより、大きな入射角で入射する光の拡散を抑制しながら、小さな入射角で入射する光を拡散できる。これにより、輝度最大値の低下を抑制しながら、面光源装置20を用いた表示装置10における視野角を効率的に拡大できる。比の値(G(85)/G(20))の上限は、特に設定されない。比の値(G(85)/G(20))は、2.2以下でもよく、1.6以下でもよく、1.2以下でもよい。
【0122】
反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度G(20)と反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)との差(G(20)-G(85))は、有効数字二桁として、0以下でもよく、-2以下でもよく、-4.5以下でもよく、-5以下でもよい。鏡面光沢度の差(G(20)-G(85))に上限を設けることにより、大きな入射角で入射する光の拡散を抑制しながら、小さな入射角で入射する光を拡散できる。これにより、輝度最大値の低下を抑制しながら、面光源装置20を用いた表示装置10における視野角を効率的に拡大できる。鏡面光沢度の差(G(20)-G(85))の下限は、特に設定されない。鏡面光沢度の差(G(20)-G(85))は、-75以上でもよく、-45以上でもよく、-15以上でもよい。
【0123】
導光板30の出光面31での輝度分布における輝度最大値BMAXが得られる角度θMAXは、60°から大きくずれていない。したがって、導光板30の出光面31又は裏面32から約60°の出射角θkで出射する光は、高い効率で、面光源装置20において有効に利用され得る。このため、反射シート70の入射角60°での鏡面光沢度G(60)は、反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度G(20)よりも、反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)に近い数値となってもよい。
【0124】
この点から、反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度G(20)、反射シート70の入射角60°での鏡面光沢度G(60)、及び、反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たしてもよい。
|G(60)-G(85)|<|G(20)-G(60)|
この例によれば、大きな入射角で入射する光の拡散を抑制しながら、小さな入射角で入射する光を拡散できる。これにより、輝度最大値の低下を抑制しながら、面光源装置20を用いた表示装置10における視野角を効率的に拡大できる。
【0125】
同様に、反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度G(20)、反射シート70の入射角60°での鏡面光沢度G(60)、及び、反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係を満たしてもよい。
|G(60)-G(85)|/((G(60)+G(85))/2)<|G(20)-G(60)|/((G(20)+G(60))/2)
この例によれば、大きな入射角で入射する光の拡散を抑制しながら、小さな入射角で入射する光を拡散できる。これにより、輝度最大値の低下を抑制しながら、面光源装置20を用いた表示装置10における視野角を効率的に拡大できる。
【0126】
「|G(60)-G(85)|」は、反射シート70の入射角60°での鏡面光沢度G(60)と反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)との差の絶対値を意味している。「|G(20)-G(60)|」は、反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度G(20)と反射シート70の入射角60°での鏡面光沢度G(60)との差の絶対値を意味している。
【0127】
反射シート70の入射角60°での鏡面光沢度G(60)に下限を設定してもよい。反射シート70の入射角60°での鏡面光沢度G(60)は、有効数字二桁として、85以上でもよく、95以上でもよく、105以上でもよい。反射シート70の入射角60°での鏡面光沢度G(85)に下限を設定することにより、大きな入射角で反射シート70に入射する光の拡散を抑制できる。これにより、輝度最大値の低下を抑制できる。
【0128】
反射シート70の入射角60°での鏡面光沢度G(60)に上限を設定してもよい。反射シート70の入射角60°での鏡面光沢度G(60)に上限を設定することにより、視野角を拡大できる。反射シート70の入射角60°での鏡面光沢度G(60)は、有効数字二桁として、140以下でもよく、130以下でもよく、120以下でもよい。
【0129】
反射シート70の入射角60°での鏡面光沢度G(60)に対する反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)の比の値(G(85)/G(60))は、0.55以上でもよく、0.65以上でもよく、0.75以上でもよい。比の値(G(85)/G(60))は、2.0以下でもよく、1.5以下でもよく、1.0以下でもよい。比の値(G(85)/G(60))に上限及び下限を設けることにより、大きな入射角で入射する光の拡散を抑制しながら、小さな入射角で入射する光を拡散できる。これにより、輝度最大値の低下を抑制しながら、面光源装置20を用いた表示装置10における視野角を効率的に拡大できる。
【0130】
反射シート70の入射角60°での鏡面光沢度G(60)と反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)との差(G(60)-G(85))は、有効数字二桁として、22以下でもよく、21以下でもよく、20以下でもよい。鏡面光沢度の差(G(60)-G(85))は、有効数字二桁として、10以上でもよく、15以上でもよく、18以上でもよい。鏡面光沢度の差(G(60)-G(85))に上限及び下限を設けることにより、大きな入射角で入射する光の拡散を抑制しながら、小さな入射角で入射する光を拡散できる。これにより、輝度最大値の低下を抑制しながら、面光源装置20を用いた表示装置10における視野角を効率的に拡大できる。
【0131】
鏡面光沢度は、20°、60°及び85°に入射角を設定することを除き、JIS Z 8741:1997に準拠して測定された値とする。鏡面光沢度を測定する際の測定環境は、温度23℃±2℃、相対湿度50%±5%とする。測定対象となる試料は、測定開始前に、測定環境に16時間配置する。鏡面光沢度の測定前、測定装置の光源を15分間点灯し、光源の出力を安定させる。
【0132】
鏡面光沢度を測定する際、測定対象となる試料の入射面に対向する裏面に、光学透明粘着シートを介し、黒色板を貼り合わせる。光学透明粘着シートは、パナック社製の「パナクリーンPD-S1」とする。黒色板は、クラレ社製の「コモグラス DFA2CG 502K(黒)系」とする。
【0133】
図9に示すように、反射シート70は、複数の層を含んでもよい。
図9に示すように、反射シート70は、導光板30からの順で、表面層75、内部拡散層74、及び金属層72を含んでもよい。このような構成の反射シート70によれば、上述した反射シートの特性、具体的には以下の光学特性の一以上を実現できる。
・ 反射シートの全光線反射率は、75%以上100%以下である
・ 反射シートの拡散反射率は、65%以上90%以下である
・ G(20)≦200 かつ 75≦G(85)
・ |G(60)-G(85)|<|G(20)-G(60)|
・ G(60)-G(85)|/((G(60)+G(85))/2)<|G(20)-G(60)|/((G(20)+G(60))/2)
・ 75≦G(85)≦110
・ 0.85≦G(85)/G(20)
・ G(20)-G(85)≦0
ここで、G(20)は、反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度である。G(60)は、反射シート70の入射角60°での鏡面光沢度である。G(85)は、反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度である。例えば、内部拡散層74での内部拡散性を強化することにより、G(60)及びG(85)の増大を抑制しながら、G(20)を効果的に増大できる。例えば、表面層75での表面拡散性を強化することにより、G(20)の増大を抑制しながら、G(60)及びG(85)を効果的に増大できる。
【0134】
表面層75は、密着防止層として機能する。表面層75は、反射シート70が導光板30に面接触することを抑制し、反射シート70が導光板30に貼り付くことを抑制する。表面層75は、表面に凹凸を有する層としてもよい。表面層75は、エンボス加工によって形成され凹凸を有してもよい。表面層75は、粒子とバインダー樹脂とを含み、粒子に起因した凹凸を有してもよい。
【0135】
内部拡散層74は、入射光を拡散させる。内部拡散層74を設けることによって、反射シート70の拡散反射率を大きくできる。表面層75と内部拡散層74との組合せによれば、表面層75は、大きな入射角の光を反射する。内部拡散層74は、表面層75を透過する小さな入射角の光を拡散する。表面層75での拡散反射率を低減することにより、内部拡散層74及び表面層75を有する反射シート70では、入射角に依存して拡散反射率が変化する。
【0136】
図9に示すように、内部拡散層74は、ベース層74aと、ベース層74aに保持された光拡散成分74bと、を含んでもよい。内部拡散層74は、光拡散成分74bとして、金属化合物、気体を含有した多孔質物質、金属化合物を周囲に保持した樹脂ビーズ、白色微粒子、及び単なる気泡の一以上を含んでもよい。ベース層74aは、透明な樹脂でもよい。ベース層74aの材料は、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等の一以上を主成分とする透明樹脂でもよい。
【0137】
金属層72は、表面層75及び内部拡散層74を透過した光を反射する。金属層72を設けることによって、反射シート70の全光線反射率を大きくできる。金属層72は、高い反射率を有する金属の膜でもよい。金属層72は、銀の蒸着膜でもよい。
【0138】
図9に示すように、反射シート70は、支持体71及びアンカー層73を更に含んでもよい。図示された例のように、反射シート70は、導光板30からの順で、表面層75、内部拡散層74、アンカー層73、金属層72、及び支持体71を含んでもよい。支持体71は、反射シート70に含まれる他の層を支持する。支持体71は、樹脂、金属、紙等の板でもよい。アンカー層73は、金属層72と内部拡散層74との密着性を改善する層でもよい。
【0139】
表1は、サンプル1-3に係る反射シートの反射特性を示している。サンプル1に係る反射シート70は、
図9に示された構成を有していた。すなわち、サンプル1に係る反射シートは、支持体71、銀の蒸着層としての金属層72、アンカー層73、内部拡散層74、及び表面層75を含んでいた。サンプル2に係る反射シートは、支持体71、銀の蒸着層としての金属層72、アンカー層73、及び内部拡散層74を含んでいた。サンプル1及びサンプル2において、内部拡散層74は、シリカ粒子を含有したポリエチレンテレフタレートシートであった。サンプル3に係る反射シートは、支持体71、及び銀の蒸着層としての金属層72を含んでいた。サンプル1~3に係る反射シートにおいて、共通する層71,72,73,74については、互いに同一の層を用いた。サンプル1~3に係る反射シートについて、全光線反射率、正反射率(鏡面反射率)、拡散反射率、及び鏡面光沢度を測定した。全光線反射率、正反射率(鏡面反射率)、及び拡散反射率の測定には、株式会社日立ハイテクサイエンス社製の紫外可視近赤外分光光度計UH4150を用いた。鏡面光沢度について、BYK Gardner社製の光沢度計(Model14563)を用いて、入射角20°の鏡面光沢度G(20)、入射角60°の鏡面光沢度G(60)、及び入射角85°の鏡面光沢度G(85)を測定した。
【0140】
表1の結果から、サンプル1の反射特性は、入射角20°の光に対しては、拡散反射特性を有したサンプル2の反射特性に類似している。その一方で、サンプル1の反射特性は、入射角85°の光に対して、鏡面反射特性を有したサンプル3の反射特性に類似している。
【0141】
【0142】
次に、図示された表示装置10、面光源装置20、及び光学部材28の作用について説明する。
【0143】
図3に示すように、発光体25から光が放出される。光L31,L32は、入光面33を通過して、導光板30に入射する。
図3に示すように、光L31,L32は、導光板30内において、出光面31及び裏面32にて反射する。出光面31及び裏面32での反射は、導光板30をなす材料と空気との屈折率差に起因した全反射となる。光L31,L32は、出光面31及び裏面32での反射を繰り返し、導光板30内を第1方向(導光方向)D1に進む。
【0144】
図示された例において、裏面32は、傾斜面37を含む。傾斜面37は、入光面33から反対面34に向かうにつれて、出光面31に接近するように傾斜している。傾斜面37は、接続面39及び平坦面38とともに、裏面32を形成している。図示された例において、接続面39は、第3方向D3に延びている。したがって、導光板30内を第1方向D1における第1側へ進む光L31,L32の殆どは、裏面32のうち、接続面39に入射することなく、傾斜面37又は平坦面38に入射する。
図6に示すように、光L61が傾斜面37に入射する際の入射角θa2は、当該光L61が直前に出光面31に入射する際の入射角θa1よりも、傾斜面37の傾斜面角度θyだけ小さくなる。次に、光L61が出光面31に再入射する際の入射角θa3は、当該光L61が直前に傾斜面37に入射する際の入射角θa2よりも、傾斜面37の傾斜面角度θyだけ小さくなる。すなわち、傾斜面37で反射することにより、当該光の入射角は、出光面31及び裏面32で反射する度に、傾斜面37の傾斜面角度θyだけ小さくなる。これにより、導光板30内を進む光L31,L32,L61の出光面31への入射角は、傾斜面37で反射される度に、傾斜面の角度θyの2倍の角度だけ小さくなる。
【0145】
以上のようにして、出光面31及び裏面32への光の入射角は、傾斜面37での反射によって次第に小さくなっていき、全反射臨界角未満となる。全反射臨界角未満の入射角で出光面31又は裏面32へ入射した光は、導光板30から出射し得る。出光面31から出射した光L31,L32は、導光板30の出光側に配置された光学シート50へと向かう。一方、裏面32から出射した光L32は、導光板30の背面に配置された反射シート70で反射し、導光板30内に入射して導光板30内を進むことになる。
【0146】
図示された例において、導光方向に沿って入光面33から反対面34に接近するにつれて、裏面32うちの傾斜面37が占める割合が高くなる。この構成により、出射光量が多くなる傾向がある導光板30の入光面33に近い領域において、導光板30の出光面31からの出射光量を多くなり過ぎることを抑制できる。出射光量が少なくなる傾向がある導光板30の入光面33から離れた領域において、導光板30の出光面31からの出射光量を十分に確保できる。これにより、導光方向である第1方向D1に沿った出射光量の均一化できる。
【0147】
導光板30から出射する光の出射角θkは、それまで、導光板30内を主として第1方向D1に進んでいたことに起因して、
図6に示すように大きくなる。出射角は、光が出射するシート状等の部材の法線方向に対して出射光の進行方向がなす角度(°)を意味する。出射角は0°以上90°以下の角度となる。出射角θkは、比較的大きな角度となる狭い角度範囲内に偏る。導光板30から出射する光は、第3方向D3に対して大きく傾斜した狭い角度範囲内の方向となる。
【0148】
図10は、導光板30の出光面31で測定された輝度の角度分布の一例を示している。この輝度角度分布は、導光板30よりも発光面21側となる構成を取り除いた面光源装置20について測定された輝度角度分布である。
図10に示された輝度分布は、第1方向D1及び第3方向D3の両方向に平行な面内の各方向への出光面31上での輝度について実際に調べた結果である。
図10に示されたグラフにおいて、横軸に記載されている輝度が測定された方向の角度は、第3方向D3から第1方向D1における第1側に傾斜した角度を正の値としている。
【0149】
上述してきた形状および寸法の範囲を採用した面光源装置20について、
図10に示された輝度角度分布を調査した。輝度角度分布は、導光板30の第3方向D3及び第1方向D1の両方に平行な面内における各方向への導光板30の出光面31上での輝度の分布である。輝度角度分布における角度θMAXは、式(1)を満たすことができる。各構成要素の形状や寸法の調節により、輝度角度分布における角度θMAXは、更に式(2)を満たしてもよい。角度θMAXは、輝度角度分布における輝度最大値BMAXが得られる方向が、導光板30の第3方向D3から第1方向D1における第1側へ傾斜した角度である。
60° ≦ θMAX ≦ 85° ・・・(1)
70° ≦ θMAX ≦ 80° ・・・(2)
【0150】
輝度角度分布における半値半幅HWは、式(3)を満たすことができる。各構成要素の形状や寸法の調節により、式(4)を満たしてもよい。半値半幅HWは、導光板30の第3方向D3と輝度最大値BMAXが得られる方向との間に位置する輝度最大値の半分の輝度BFが得られる方向が、輝度最大値が得られる方向から第1方向D1における他側へ傾斜した角度の大きさである。
5°≦ HW ≦ 25° ・・・(3)
5°≦ HW ≦ 15° ・・・(4)
【0151】
導光板30から出射した光は、その後、光学シート50へ入射する。上述したように、この光学シート50は、導光板30の側へ向けて頂部63が突出する単位プリズム60を含む。単位プリズム60の長手方向は、導光板30による導光方向D1と交差する。
図3に示された例において、単位プリズム60の長手方向は、導光方向D1と直交する。
【0152】
図3及び
図6に示すように、光学シート50へ向かう光L31,L32,L61は、単位プリズム60の第2プリズム面62を通過して、単位プリズム60へ入射する。
図3及び
図6に示すように、光L31,L32,L61は、第2プリズム面62と第1方向D1に対面する第1プリズム面61で反射して、その進行方向を変化させる。第1プリズム面61での反射は、全反射でもよい。
【0153】
図3及び
図6に示された第3方向D3及び第1方向D1の両方と平行な断面、すなわち光学シートの主切断面において第3方向D3から大きく傾斜した狭い角度範囲内の方向に進む光L31,L32,L61は、第1プリズム面61での全反射により、その進行方向が第3方向D3に対してなす角度が小さくなるように、曲げられる。光学シート50は、単位プリズム60での反射によって、第3方向D3に大きく傾斜した方向に進む光の進行方向を、第3方向D3に沿うように立ち上げる。上述した条件(1)及び(3)を満たす導光板30との組み合わせにおいて、光学シート50は優れた光路調節機能を発揮できる。更に上述した条件(2)及び(4)を満たす導光板30との組み合わせにおいて、光学シート50はより優れた光路調節機能を発揮できる。
【0154】
単位プリズム60によって光路を調整された光は、光学シート50の第1面51に向かう。第1面51は、面光源装置20の発光面21を構成する。光は、発光面21を通過して、光学部材28及び光学シート50から放出される。発光面21から放出された光は、表示パネル15を背面から照明する。表示パネル15は、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させることにより、表示面11の画像を形成する。観察者は、表示面11に画像を観察できる。
【0155】
ところで、傾斜面を含む導光板と導光板に対面するプリズム面を含む光学シートとを含んだ従来の光学部材及び従来の光学シートによれば、強い集光機能が発揮される。これにより、従来の光学部材及び従来の光学シートでは、正面方向等の特定方向への輝度を高くできる。ただし、特定方向以外への光量が少ない。面光源装置を適用した表示装置では、視野角が狭くなる。これに対して、本実施の形態によれば、以下に説明するように、面光源装置を用いた表示装置における視野角を効率的に拡大できる。
【0156】
本実施の形態によれば、導光板30内を進む光の出光面31への入射角は、傾斜面37で反射される度に、傾斜面37の傾斜面角度θyの2倍の角度だけ小さくなる。導光板30内を進む光L31,L32は、出光面31への入射角が全反射臨界角未満となったところで、出光面31から出射し得る。傾斜面角度θyを上述した範囲内の小さい値とすることにより、導光板30から出射する光は、第3方向D3に対して大きく傾斜した狭い角度範囲内の方向に進む。すなわち、導光板は、第3方向D3に対して大きく傾斜した狭い角度範囲内に出光面31からの光の出射方向を制限できる。導光板30から出射した光は、第2プリズム面62を通過して光学シート50に入射する。第2プリズム面62を通過した光は、第1プリズム面61で反射する。第1プリズム面61での反射によって、光の進行方向を大きく変化させ得る。第1プリズム面61で反射した光は、第1プリズム面61での反射後においても、狭い角度範囲内の方向に進み得る。
【0157】
上述したように、第1プリズム面61の第1要素面66及び第3要素面68の傾斜角度差(dθ=第1要素面傾斜角度θxe1-第3要素面傾斜角度θxe3)は、5°以上でもよい。第1要素面66及び第3要素面68の傾斜角度差dθは、傾斜面37の第1方向D1に対する傾斜面角度の2倍より大きくてもよい。第1要素面66及び第3要素面68の傾斜角度差dθ(°)を、出光面31での輝度の角度分布における半値半幅HW(°)以上としてもよい。このような第1プリズム面61の傾斜角度差dθは、通常、第2プリズム面62を通過して光学シート50内に入射した光の進行方向のばらつき角度よりも大きくなる。したがって、第1プリズム面61の傾斜角度差dθをこれらのように設定することによれば、狭い角度範囲内の方向に進んで第1プリズム面61に入射する光を有効に拡散できる。これにより、この面光源装置20を用いた表示装置10における視野角を拡大できる。
【0158】
とりわけ、本実施の形態では、光学シート50の第1プリズム面61に入射する光は、導光板30での光路調節機能によって、狭い角度範囲内の方向に進む。集光された光は、第1プリズム面61を用いて、所望の程度に拡散する。したがって、第1プリズム面61での過度な光拡散を回避できる。迷光の発生や光の損失を抑制することにより、光源光を高効率で利用できる。これにより、面光源装置20を用いた表示装置10において、輝度最大値の低下を十分に抑制しながら、視野角を効率的に拡大できる。
【0159】
なお、従来技術として説明した特許文献1(特開2016-95347号公報)にも、単位プリズムに折れ面を付与することが提案されている。この従来技術でも、単位プリズムに含まれる要素面の第3方向D3に対する傾斜面角度は、単位プリズムの先端から基端に向けて、小さくなる。特許文献1では、比較的に傾斜した光が入射し易くなる先端側に、第3方向D3に対する角度が大きい要素面を配置し、比較的に立ち上がった光が入射し易くなる基端側に、第3方向D3に対する角度が小さい要素面を配置することによって、優れた集光機能を確保することが提案されている。この従来技術では、第1プリズム面に含まれる要素面の傾斜角度差についての検討がなされておらず、傾斜角度差の下限を設定していないことから、プリズム面が拡散機能とは逆の集光機能を発揮している。この点から、第1プリズム面61の第1要素面66及び第3要素面68の傾斜角度差dθに下限を設定することによって、第1プリズム面61に拡散機能を付与するといった作用効果は、技術水準から予測される範囲を超えた顕著なものと言える。
【0160】
また、上述したように、導光板の出光面からの出射光は、正面方向に対して大きく傾斜した狭い角度範囲内の方向に進む。このような導光板との組合せにおいて、従来、反射シートでの反射は鏡面反射とされてきた。鏡面反射によれば、裏面から出射する前における導光板内での光の進行方向と、反射シートで反射して導光板内に再入射した光の進行方向とが大きく異なることを、抑制できる。これにより、再入射光に対しても導光板及び反射シートの光路調節機能が有効に働く。すなわち、反射シートの反射を正反射とすることにより、導光板の出光面からの出射光の進行方向を、正面方向に対して大きく傾斜した狭い角度範囲内にできる。
【0161】
これに対して、本実施の形態では、反射シート70の拡散反射率を65%以上としてもよい。すなわち、反射シートでの反射を、主として拡散反射としてもよい。
【0162】
接続面39や傾斜面37を有した導光板30は、上述したように、押出成形、UV賦型、射出成形等によって製造され得る。しかしながら、傾斜面37の端部や、裏面32の接続面39に隣接する部分、例えば傾斜面37の端部や平坦面38の端部には、所定の形状を十分に精度良く付与できないことも想定される。裏面32から出射する光には、十分高精度に加工できていない裏面32の非有効領域で拡散された光も含まれる。また、反射シートで反射した後に、接続面に入射して拡散される光も存在する。すなわち、裏面から出した光は、拡散光として導光板から出射した光を含んでいる。
【0163】
反射シート70での反射を拡散反射とすることによれば、裏面32から出射した光のみを反射シート70で適度に拡散できる。裏面32から出射することなく出光面31から出射した光は、導光板30による光路調節機能を高精度に及ぼされ、反射シート70で拡散されることもない。したがって、導光板30の出光面31からの出射方向に強い指向性を維持しながら、その他の光を均一に拡散できる。これにより、面光源装置20用いた表示装置10において、輝度最大値の低下を十分に抑制しながら、視野角を効率的に拡大できる。
【0164】
反射シート70の拡散反射率は90%以下でもよい。拡散反射率に上限を設定することにより、鏡面反射成分を確保することができる。これにより、輝度最大値の低下を抑制できる。
【0165】
また、反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)を75以上とし、反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度G(20)を200以下としてもよい。反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)を75以上110以下でもよい。反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度G(20)に対する反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)の比の値(G(85)/G(20))を0.85以上としてもよい。反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度G(20)から反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)との差(G(20)-G(85))を、0以下としてもよい。すなわち、反射シート70に入射角85°で入射する光についての反射は、正反射成分(つまり、鏡面反射成分)を多く含んでもよい。これらのうちの一以上の構成によれば、85°を含む大きな入射角で反射シート70に入射する光の鏡面反射率を大きくしながら、20°を含む小さな入射角で反射シート70に入射する光の拡散反射率を大きくできる。
【0166】
導光板30から光路調節機能を適切に及ぼされて裏面32から出射する光、すなわち、導光板30の裏面32から第3方向D3に対して大きく傾斜した方向に進む光について、入射角は大きくなる。このような光は、大きな入射角で反射シート70へ入射し、上述のように鏡面光沢度を調節された反射シート70によって正反射され易くなる。したがって、導光板30から光路調節機能を適切に及ぼされて裏面32から出射する光を、反射シート70により選択的に正反射し、その進行方向を維持しながら導光板30に戻すことができる。このような光は、その後に、導光板30の出光面31から第3方向D3に対して大きく傾斜した方向に出射し得る。導光板30の出光面31から第3方向D3に対して大きく傾斜した方向に出射した光は、輝度最大値が得られる方向に進み得る。したがって、上述のように鏡面光沢度を調節された反射シート70は、輝度最大値に寄与し易い光の進行方向を維持できる。
【0167】
導光板30の裏面32から出射する光は、導光板30の傾斜面37に起因した光路調節機能を及ぼされていない光もある。この光は、輝度最大値が得られる方向には出射しない。このような光の導光板30からの出射角は、導光板30の傾斜面37に起因した光路調節機能を及ぼされた光の出射角より小さくなる。反射シート70は、小さな入射角で反射シート70に入射する光を、高い拡散反射率にて拡散反射する。したがって、反射シート70は、輝度最大値に寄与しにくい光を選択的に拡散反射できる。
【0168】
以上により、導光板30の出光面31からの出射方向に強い指向性を維持しながら、その他の光を均一に拡散できる。これにより、面光源装置20を用いた表示装置10において、輝度最大値の低下を十分に抑制しながら、視野角を効率的に拡大できる。
【0169】
また、
図9に示すように、反射シート70は、導光板30からの順で、表面層75、内部拡散層74、及び金属層72を含んでもよい。このような反射シート70によれば、第3方向D3に対して大きく傾斜した方向に進む光L91を、表面層75において高反射率で反射できる。すなわち、大きな入射角の光L91を、主として、表面層75で反射できる。第3方向D3に対して大きく傾斜しない方向に進む光L92,L93を、内部拡散層74や金属層72で反射できる。すなわち、小さな入射角の光L92,L93を、主として、内部拡散層74や金属層72で反射できる。この反射シート70によれば、反射シート70への入射角に応じて、拡散反射率を調節できる。例えば、表面層75の表面粗さRa,Rzを低減し且つ内部拡散層74の内部拡散を強めることにより、第3方向D3に大きく傾斜した方向に進む光L91を、主として、表面層75の表面で正反射できる。第3方向D3に大きく傾斜しない方向に進む光L92,L93を、主として、内部拡散層74の内部で拡散反射できる。この例によれば、反射シート70は、輝度最大値に寄与し易い光L91の進行方向を維持し、輝度最大値に寄与しにくい光L92,L93を選択的に拡散反射する。すなわち、導光板30の出光面31からの出射方向に強い指向性を維持しながら、その他の光を均一に拡散できる。これにより、面光源装置20を用いた表示装置10において、輝度最大値の低下を十分に抑制しながら、視野角を効率的に拡大できる。
【0170】
図11は、光学シート50の第1面51での輝度の角度分布を示す。光学シート50の第1面51での輝度の角度分布は、導光板30及び光学シート50の積層方向である第3方向D3と第1方向D1とを含む面内の各方向への輝度(cd/m2)に関する分布である。
図11に示すように、輝度と、当該輝度が得られる方向及び第3方向D3の間の角度(°)と、の関係を示す。輝度が得られる方向が、第3方向D3に対して、第1方向D1における第1側へ傾斜している場合、当該方向及び第3方向D3の間の角度(°)は正の値とする。すなわち、第3方向D3から第1方向D1における第1側へ傾斜した方向へ第1面51から出射する方向への輝度は、横軸の角度として正の値を取る。第1面51での輝度角度分布は、面光源装置20よりも発光面21側となる構成要素を取り除いた状態での測定値とする。
【0171】
図11に示されたグラフにおいて、実線は、サンプル1の反射シート70を含む面光源装置についての輝度角度分布を表す。サンプル1の反射シート70は、表1に示された特性を有する。破線は、サンプル3の反射シートを使用した面光源装置についての輝度角度分布を表す。サンプル3の反射シートは、表1に示された特性を有する。グラフの縦軸に示された輝度比は、各例の面光源装置において、光学シート50からの出射角が0°の輝度を100%として規格化されている。
【0172】
実線で示された輝度角度分布で測定対象とした面光源装置及び破線で示された輝度角度分布で測定対象とした面光源装置の間で、反射シート以外の構成は互いに同一とした。面光源装置に組み込まれた導光板について、配列ピッチPCは0.115mmであり、傾斜面角度θyは0.5°とした。面光源装置に組み込まれた光学シートの寸法は以下の通りとした。
・第1要素面傾斜角度θxe1:40°
・第2要素面傾斜角度θxe2:34°
・第3要素面傾斜角度θxe3:27°
・傾斜角度θx2:35°
・第1要素面長さWxe1:2.0μm
・第2要素面長さWxe2:2.5μm
・第3要素面長さWxe3:3.9μm
【0173】
図10に示された輝度角度分布の輝度は、ELDIM社製のEZ Contrast XL80を用いて測定した。
図10に示された輝度角度分布の輝度は、光学シート50の第1面51のうちの第1方向D1及び第2方向D2の両方向における中心となる位置での測定値である。
【0174】
図11に実線で示すように、サンプル1の反射シート70を使用した面光源装置についての測定結果において、正面方向である第3方向D3に輝度のピークが生じた。
図11に破線で示すように、サンプル3の反射シートを使用した面光源装置についての測定結果において、正面方向である第3方向D3に輝度のピークが生じた。実線で示されたサンプル1を用いた面光源装置の輝度は、第3方向D3に対して20°以上傾斜した方向において、破線で示されたサンプル3を用いた面光源装置の輝度よりも高くなった。すなわち、導光板30からの順で、表面層75、内部拡散層74及び金属層72を含む反射シート70によって、輝度の指向性を維持したまま視野角を拡大できる。導光板30からの順で、表面層75、内部拡散層74及び金属層72を含む反射シート70によって、光源光の利用効率を改善して、正面輝度を維持しながら、視野角を有効に拡大できる。
【0175】
さらに、反射シート70の入射角60°での鏡面光沢度G(60)、及び、反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係のいずれかを満たしてもよい。
・0.55≦G(85)/G(60)≦2.0
・15≦G(60)-G(85)≦22
導光板30の出光面31又は裏面32から出射角θkが60°で出射する光も、高い効率で、面光源装置20において有効に利用され得る。したがって、これらの関係が満たされる反射シート70によれば、輝度最大値を効率的に向上できる。或いは、輝度最大値が得られる方向に対して大きく傾斜しない方向における輝度を向上できる。
【0176】
加えて、反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度G(20)、反射シート70の入射角60°での鏡面光沢度G(60)、及び、反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度G(85)は、次の関係のいずれかを満たしてもよい。
・|G(60)-G(85)|<|G(20)-G(60)|
・|G(60)-G(85)|/((G(60)+G(85))/2)<|G(20)-G(60)|/((G(20)+G(60))/2)
これらの関係が満たされる反射シート70によれば、輝度最大値が得られる方向および当該方向に対する傾斜角度が小さい方向に出射する光を、高い反射率にて、鏡面反射できる。したがって、大きな入射角で入射する光の拡散を抑制しながら、小さな入射角で入射する光を拡散できる。これにより、輝度最大値の低下を抑制しながら、面光源装置20を用いた表示装置10における視野角を効率的に拡大できる。
【0177】
上述したように、接続面39の第1方向D1への配列ピッチPCは、表示パネル15の第1方向D1への画素16の配列ピッチPP1より大きくてもよい。接続面39の第1方向D1への配列ピッチPCは、0.060mm以上でもよい。このように接続面39の配列ピッチPCを長くすることにより、接続面39の数や傾斜面37の数を低減できる。接続面39や傾斜面37を有した導光板30は、上述したように、押出成形、UV賦型、射出成形等によって製造され得る。しかしながら、傾斜面37の端部や、裏面32の接続面39に隣接する部分、例えば傾斜面37の端部や平坦面38の端部には、所定の形状を十分に精度良く付与できないことも想定される。十分高精度に加工できていない裏面32の非有効領域へ入射した光は、期待された方向に進まない。これらの光は、迷光となり得る。これらの光は、出光面31から出射したとしても、表示パネル15において画像を形成し得ない光等となり得る。すなわち、裏面32の非有効領域へ入射した光は、有効に利用できない光となり得る。これに対し、接続面39の配列ピッチPCが長くなると、接続面39の数や傾斜面37の数が低減され、裏面32における非有効領域の割合を低減できる。したがって、導光板30での光路調節機能がより有効に働く。これにより、光源光の利用効率が改善されて、視野角の拡大および輝度の向上の両方を実現できる。例えば、面光源装置20を用いた表示装置10において、輝度最大値の低下を十分に抑制しながら、視野角を効率的に拡大できる。
【0178】
なお、接続面の第1方向への配列ピッチを、表示パネルの第1方向に沿った画素の配列ピッチより長くすると、モアレが生じ易くなる。このため、従来の面光源装置では、接続面の第1方向への配列ピッチは、表示パネルの第1方向に沿った画素の配列ピッチより短かった。
【0179】
この点について検討した結果、表示パネル15の第1方向D1に沿った画素16の配列ピッチPP1より長くても、モアレを目立たなくできる接続面39の第1方向D1への配列ピッチPCは存在した。そして、従来選択されている範囲内で加工条件を調節することにより、接続面39の第1方向D1への配列ピッチPCのバラツキを低減できる。これらにより、接続面の第1方向への配列ピッチPCを従来の長さより長くしてもモアレ発生の問題に対処できることが確認された。
【0180】
加えて、接続面の第1方向への配列ピッチを長くすると、接続面や傾斜面の配列に起因した明るさのむらが生じ得る。このため、従来の面光源装置では、接続面の第1方向への配列ピッチは、短く設定され、表示パネルの第1方向に沿った画素の配列ピッチより短かった。
【0181】
この点について検討したところ、接続面39の第1方向D1への配列ピッチPCを0.37mm以下とすることにより、或いは、接続面39の第1方向D1への配列ピッチPCの、表示パネル15の画素16の第1方向D1への配列ピッチPP1に対する比の値を2.2以下とすることにより、接続面39や傾斜面37の配置に起因した明るさのむらを目立たなくできた。
【0182】
加えて、反射シート70に拡散反射機能を付与することにより、接続面39や傾斜面37の配置に起因した明るさのむらを効果的に目立たなくできた。接続面39や傾斜面37の配置に起因した明るさのむらは、導光板30の裏面32から出射した光にも起因して、形成されていたと考えられる。明るさのむらを形成する光を反射シート70によって直接拡散させることにより、過度な拡散を回避して、効率的に明るさのむらを目立たなくできる。
【0183】
以上に説明してきたように、本実施の形態において、光学部材28は、出光面31と出光面31に対面する裏面32とを含む導光板30と、出光面31に対面するプリズム面53を含む光学シート50と、を含む。裏面32は、第1方向D1に交互に配置された複数の傾斜面37及び接続面39を含む。傾斜面37は、第1方向D1における第1側において出光面31に接近するように第1方向D1に対して傾斜している。光学シート50は、第1方向D1に配列された複数の単位プリズム60を含む。各単位プリズム60は、第1方向D1における第1側に位置する第1プリズム面61と、第1プリズム面61に第1方向D1から対面する第2プリズム面62と、を含む。プリズム面53は、第1プリズム面61及び第2プリズム面62を含む。第1プリズム面61は、第1要素面66、第2要素面67、及び第3要素面68を含む。第2要素面67は、第1要素面66及び第3要素面68の間に位置する。第1プリズム面61の第1要素面66及び第3要素面68の傾斜角度差dθは、5°以上でもよい。第1要素面66及び第3要素面68の傾斜角度差dθは、傾斜面37の第1方向D1に対する傾斜面角度の2倍より大きくてもよい。第1要素面66及び第3要素面68の傾斜角度差dθ(°)は、出光面31での輝度の角度分布における半値半幅HW(°)以上でもよい。本実施の形態によれば、第1プリズム面61の傾斜角度差dθを、第2プリズム面62を通過して光学シート50内に入射した光の進行方向のばらつき角度よりも大きくできる。したがって、面光源装置20を用いた表示装置10における視野角を効率的に拡大できる。
【0184】
本実施の形態において、光学部材28は、出光面31と出光面31に対面する裏面32とを含む導光板30と、裏面32に対面する反射シート70と、を含む。裏面32は、第1方向D1に交互に配置された複数の傾斜面37及び接続面39を含む。傾斜面37は、第1方向D1における第1側において出光面31に接近するように第1方向D1に対して傾斜している。反射シート70の拡散反射率は、50%以上でもよい。裏面32から出射した光は、拡散光として導光板30から出射した光を含んでいる。反射シート70での9反射を拡散反射とすることによれば、裏面32から出射した光を反射シート70で適度に拡散することにより、導光板30の出光面31からの出射方向に強い指向性を維持しながら、その他の光を均一に拡散できる。これにより、面光源装置20を用いた表示装置10において、輝度最大値の低下を十分に抑制しながら、視野角を効率的に拡大できる。
【0185】
本実施の形態において、光学部材28は、出光面31と出光面31に対面する裏面32とを含む導光板30と、裏面32に対面する反射シート70と、を含む。裏面32は、第1方向D1に交互に配置された複数の傾斜面37及び接続面39を含む。傾斜面37は、第1方向D1における第1側において出光面31に接近するように第1方向D1に対して傾斜している。反射シート70は、次のいずれか一以上を満たすように構成されてもよい。なお、G(20)は、反射シート70の入射角20°での鏡面光沢度である。G(60)は、反射シート70の入射角60°での鏡面光沢度である。G(85)は、反射シート70の入射角85°での鏡面光沢度である。
【0186】
・ 反射シート70は、導光板30からの順で、表面層75、内部拡散層74、及び金属層72を含み、内部拡散層74は、ベース層74aと、ベース層74a内に保持された光
拡散成分74bと、を含む
・ G(20)≦200 かつ 75≦G(85)
・ |G(60)-G(85)|<|G(20)-G(60)|
・ G(60)-G(85)|/((G(60)+G(85))/2)<|G(20)-G(60)|/((G(20)+G(60))/2)
・ 反射シート70の拡散反射率は、65%以上90%以下である
・ 75≦G(85)≦110
・ 0.85≦G(85)/G(20)
・ G(20)-G(85)≦0
【0187】
いずれかの条件を満たす反射シート70によれば、輝度最大値に寄与し易い光の進行方向を維持し、輝度最大値に寄与しにくい光を選択的に拡散反射できる。すなわち、導光板30の出光面31からの出射方向に強い指向性を維持しながら、その他の光を均一に拡散できる。これにより、面光源装置20を用いた表示装置10において、輝度最大値の低下を十分に抑制しながら、視野角を効率的に拡大できる。
【0188】
本実施の形態において、光学部材28は、出光面31と出光面31に対面する裏面32とを含む導光板30と、出光面31に対面するプリズム面53を含む光学シート50と、を含む。裏面32は、第1方向D1に交互に配置された複数の傾斜面37及び傾斜面37と非平行な複数の接続面39を含む。傾斜面37は、第1方向D1における第1側において出光面31に接近するように第1方向D1に対して傾斜している。接続面39の第1方向D1への配列ピッチPCは、表示パネル15の第1方向D1への画素16の配列ピッチPP1より大きくてもよい。接続面39の第1方向D1への配列ピッチPCは、0.060mm以上でもよい。接続面39の配列ピッチPCが長くすることにより、接続面39の数や傾斜面37の数が低減され、十分に高精度の加工されていない非有効領域の裏面32における割合を低減できる。したがって、導光板30での光路調節機能がより有効に働く。これにより、光源光の利用効率が改善されて、視野角の拡大および輝度の向上の両方を実現できる。例えば、面光源装置20を用いた表示装置10において、輝度最大値の低下を十分に抑制しながら、視野角を効率的に拡大できる。
【0189】
具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、上述の具体例が一実施の形態を限定しない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施でき、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。
【0190】
以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用い、重複する説明を省略する。
【0191】
また、上述した導光板30、光学シート50、反射シート70に対して種々の変更が可能である。例えば、光学シート50の第2プリズム面62が複数の要素面を含む折れ面でもよい。第2プリズム面62は、第3方向D3及び第1方向D1の両方に沿った断面において、第3方向D3と平行な軸線を中心として第1プリズム面61と線対称でもよい。
【0192】
図12に示すように、導光板30の反対面34に反射層46が重ねられてもよい。反射層46によれば、導光板30の反対面34から出射する光を反射できる。これにより、光源光の利用効率を改善できる。
【0193】
図13は、光学シート50の第1面51上での輝度の角度分布示す。
図13に実線で示された輝度の角度分布は、反射層46を含む導光板30を用いた面光源装置についての輝度角度分布である。
図13に破線で示された輝度の角度分布は、反射層46を含まない導光板30を用いた面光源装置についての輝度角度分布である。
図13に示された輝度角度分布は、
図11に示された輝度角度分布と同様にして測定された。
【0194】
図13に示された輝度角度分布で測定対象とした面光源装置は、
図12に示された構成を有していた。
図13に示された輝度角度分布で測定対象とした面光源装置は、
図11に破線で示された輝度角度分布で測定対象とした面光源装置と、導光板の反対面に反射層を設けた点のみにおいて異なっていた。
図13に示された輝度角度分布で測定対象とした面光源装置は、
図11に破線で示された輝度角度分布で測定対象とした面光源装置と、反射層以外において、同一の構成を有していた。
【0195】
図13に示された輝度角度分布の輝度は、ELDIM社製のEZ Contrast XL80を用いて測定した。
図13に示された輝度角度分布の輝度は、光学シート50の第1面51のうちの第1方向D1及び第2方向D2の両方向における中心となる位置での測定値である。
【0196】
図13に示すように、導光板30が反射層46を含む面光源装置での輝度は、反射層46を含まない面光源装置での輝度より、第3方向D3に対して第1方向D1における第2側(光源側)に傾斜した方向で高くなっていた。導光板30に反射層46を設けることによって、第3方向に対して第1方向D1における第2側に傾斜した方向での視野角を拡大できる。すなわち、導光板30の反対面34に反射層46を重ねることによって、光源光の利用効率を向上して、視野角を拡大できる。
【0197】
さらに、上述した面光源装置20及び表示装置10の全体構成も種々の変更が可能である。例えば、面光源装置20が、反射型偏光分離シートを更に含むようにしてもよい。
【符号の説明】
【0198】
10:表示装置、11:表示面、15:表示パネル、16:画素、16A:第1画素、16B:第2画素、16C:第3画素、20:面光源装置、21:発光面、24:光源、25:発光体、28:光学部材、30:導光板、31:出光面、32:裏面、33:入光面、34:反対面、35a:第1側面、35b:第2側面、37:傾斜面、38:平坦面、39:接続面、46:反射層、50:光学シート、51:第1面、52:第2面、53:プリズム面、55:本体部、55a:出光側面、55b:入光側面、60:単位プリズム、61:第1プリズム面、62:第2プリズム面、63:頂部、66:第1要素面、67:第2要素面、68:第3要素面、70:反射シート、71:支持体、72:金属層、73:アンカー層、74:内部拡散層、74a:ベース層、74b:光拡散成分、75:表面層、D1:第1方向、D2:第2方向、D3:第3方向、θxe1:第1要素面傾斜角度、θxe2:第2要素面傾斜角度、θxe3:第3要素面傾斜角度、θy:傾斜面角度