(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166098
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】等ピッチ矩形押えばねの螺旋角度測定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G01B 21/22 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
G01B21/22
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024071954
(22)【出願日】2024-04-25
(31)【優先権主張番号】202310553903.1
(32)【優先日】2023-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524104789
【氏名又は名称】杭州電子科技大学
【氏名又は名称原語表記】Hangzhou Dianzi University
【住所又は居所原語表記】No.1158, 2nd Street, Baiyang Street, Qiantang District, Hangzhou City, Zhejiang Province,310018 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】何 利華
(72)【発明者】
【氏名】倪 敬
(72)【発明者】
【氏名】張 志鵬
【テーマコード(参考)】
2F069
【Fターム(参考)】
2F069AA39
2F069AA42
2F069AA90
2F069BB40
2F069CC10
2F069GG04
2F069GG07
2F069GG52
2F069GG59
2F069HH09
2F069JJ01
2F069MM02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】等ピッチ矩形押えばねの螺旋角度測定装置及び方法を開示する。
【解決手段】中径測定機構101と、コイル数測定機構102と、高さ測定機構103とを備えた等ピッチ矩形押えばねの螺旋角度測定装置であって、被検出ばねの外径、内径、総コイル数、自由長さ、圧縮長さの検出を、中径測定機構101、コイル数測定機構102、高さ測定機構103により実現し、ばねの螺旋角度の算出にデータを提供し、さらに、ばねの螺旋角度の大きさの良否を判断するための根拠を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
等ピッチ矩形押えばねの螺旋角度測定装置であって、
ラックと、中径測定機構と、コイル数測定機構と、高さ測定機構とを備えており、
前記中径測定機構は、光カーテンマイクロメータと、第1直線スライド台モジュールと、支持爪群とを含み、前記第1直線スライド台モジュールは、前記ラック上に配置され、間隔をあけて配置された逆八の字形をした2つの支持爪を含む支持爪群を並進駆動させ、前記光カーテンマイクロメータの出射端と受信端はいずれも前記ラックに固定され、それぞれ前記第1直線スライド台モジュールの両側に位置しており、初期状態では、支持爪群は前記第1直線スライド台モジュールの前記光カーテンマイクロメータ側に近い端部に位置し、支持爪群の2つの支持爪は、前記出射端から出射される垂直光カーテンに対して対称に配置されており、
前記コイル数測定機構は、レーザ走査アセンブリと、内支持クランプと、電動伸縮フレームと、水平移動機構とを含んでおり、上記レーザ走査アセンブリは、第2直線スライド台モジュールと、環状フレームと、レーザスキャナとを含み、前記第2直線スライド台モジュールは前記ラックに配置され、前記環状フレームの並進移動を駆動し、前記環状フレームには、円周方向に等間隔に配置された3つの前記レーザスキャナが固定され、前記内支持クランプは、固定円盤、円形外蓋、支持棒及び駆動部材を含み、前記円形外蓋は、前記固定円盤に取り外し可能に固定され、前記円形外蓋に円周方向に等間隔に配置されたm本の第1シュートが設けられ、m≧2であり、前記各第1シュートの向きが前記円形外蓋の径方向に沿って、前記支持棒は、水平かつ円周方向に等間隔に配置されたm本を備え、前記各支持棒は、1つの前記第1シュートと共にスライド対を構成し、前記円形外蓋内の前記駆動部材は、前記各支持棒を駆動して、対応する前記第1シュートに沿って同時に移動させ、前記水平移動機構は前記ラックに設けられ、且つ前記電動伸縮フレームを駆動して並進させ、前記電動伸縮フレームは前記固定円盤を駆動して並進させ、ここで、前記電動伸縮フレームが前記固定円盤を駆動して並進する方向は、前記第2直線スライド台モジュールが前記環状フレームを駆動して並進する方向に平行し、且つ前記水平移動機構が前記電動伸縮フレームを駆動して並進する方向に垂直し、初期状態で、前記電動伸縮フレームは前記水平移動機構の前記レーザ走査アセンブリに近い端部に位置し、前記固定円盤の中心軸線は前記環状フレームの中心軸線と共線に設けられ、前記環状フレームは前記第2直線スライド台モジュールの前記水平移動機構から離れた端部に位置し、前記各支持棒は前記環状フレームを貫通しなく、
前記高さ測定機構は、第3直線スライド台モジュールと、環状プラテンと、レーザ距離計とを備え、前記レーザ距離計は、第1固定枠を介して前記ラックに固定され、前記第3直線スライド台モジュールのベースは第2固定枠を介して前記ラックに固定され、前記第3直線スライド台モジュールのスライダは、圧力センサが固定された前記環状プラテンに一体成形されたL型リンクに着脱可能に固定されており、ここで、前記第3直線スライド台モジュールが前記環状プラテンを駆動して並進する方向は、前記電動伸縮フレームが前記固定円盤を駆動して並進する方向に平行し、且つ前記水平移動機構が前記電動伸縮フレームを駆動して並進する方向に垂直し、前記電動伸縮フレームが前記水平移動機構の前記レーザ走査アセンブリから離れた端部に位置するとき、前記環状プラテンは前記内支持クランプと前記レーザ距離計との間に位置し、前記環状プラテンの中心軸線は前記固定円盤の中心軸線と共線に設けられる、ことを特徴とする等ピッチ矩形押えばねの螺旋角度測定装置。
【請求項2】
前記出射端及び前記受信端は、それぞれ2つの固定座に固定され、前記2つの固定座はいずれも前記ラックに固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の等ピッチ矩形押えばねの螺旋角度測定装置。
【請求項3】
前記駆動部材は、円盤内蓋、ねじ棒、歯車、及び駆動アセンブリを含み、前記円盤内蓋は前記固定円盤に取り外し可能なように取り付けられ、前記円盤内蓋には円周方向に等間隔に配置されたm個の第2シュートが設けられ、各前記第2シュートは1個の前記第1シュートに整列されており、前記歯車は前記固定円盤と回転対を構成し、前記駆動アセンブリは、前記歯車周方向に沿って配置されたm個を備え、前記駆動アセンブリは、くさびブロックと移動ブロックとを含み、前記くさびブロックと前記固定円盤は歯車接線方向の摺動対を構成し、且つ開設された歯溝を介して前記歯車と歯車対を構成し、前記移動ブロックに一体成形された凸条は、前記くさびブロックに開設された斜めの溝と摺動対を構成し、対応する1つの前記第2シュートと摺動対を構成し、1つの前記駆動アセンブリの前記くさびブロックは、開いたねじ穴を介して前記ねじ棒に接続され、前記ねじ棒は駆動モータによって駆動され、前記各支持棒は一つの前記移動ブロックに固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の等ピッチ矩形押えばねの螺旋角度測定装置。
【請求項4】
前記環状プラテンは複数種類のサイズ仕様を備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の等ピッチ矩形押えばねの螺旋角度測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の等ピッチ矩形押えばねの螺旋角度測定装置を用いた測定方法であって、
被検出ばねを2つの支持爪の上に置き、次に前記出射端を開き、前記出射端が垂直光カーテンを出射し、前記受信端が垂直光カーテンを受信し、前記被検出ばねが光カーテンの一部を遮蔽し、コントローラは遮蔽された光カーテンに基づいて前記被検出ばねの外径D
1と内径D
2を測定し、前記被検出ばねの中径Dを計算し、前記被検出ばねの中径Dは、下記数1である、ステップ1と、
前記出射端を閉じて、前記コントローラは、支持爪群を駆動するように前記第1直線スライド台モジュールを制御して、前記被検出ばねを前記第1直線スライド台モジュールの前記端部とは反対側の端部に移動させ、次に前記コントローラは、前記固定円盤が3本の前記支持棒を前記環状フレームに通させ且つ前記被検出ばねの内輪に通させるまで、前記固定円盤を前記水平移動機構から離れる方向に並進移動させるように前記電動伸縮フレームを制御し、その後、前記駆動部材は3本の前記支持棒を駆動して対応する前記第1シュートに沿って同期して外側に拡張し、3本の前記支持棒が前記被検出ばね内輪と接触するまで、前記コントローラは前記電動伸縮フレームを制御して前記固定円盤を駆動して初期位置に戻る、ステップ2と、
前記コントローラは前記第2直線スライド台モジュールを制御して前記環状フレームを駆動して前記固定円盤に近い方向に並進させ、同時に前記各レーザスキャナはスキャンを開始し、前記被検出ばねと前記各支持棒はすべて前記環状フレームを通過し、前記環状フレームは前記被検出ばねを越え、そして前記第2直線スライド台モジュールの前記水平移動機構に近い端部に移動し、前記各レーザスキャナはそれぞれスキャンして得られた突然変異点の個数λ
1、λ
2、λ
3を前記コントローラに転送し、前記コントローラは前記被検出ばねの総コイル数N
1と有効コイル数Nを計算し、前記被検出ばねの総コイル数N
1は、下記数2であり、
前記被検出ばねの有効コイル数Nは、下記数3であり、
下記数2のΛは、下記数4である、ステップ3と、
前記コントローラは、前記環状フレームを駆動して元の位置に戻すように前記第2直線スライド台モジュールを制御し、前記水平移動機構は、前記電動伸縮フレームを駆動して前記被検出ばねを前記水平移動機構の前記レーザ走査アセンブリから離れた端部まで移動させ、次に、前記被検出ばねの外径よりも小さく、かつ、前記被検出ばねの内径よりも大きい内径を有する環状の固定板を、前記第3直線スライド台モジュールの前記スライダに固定し、前記コントローラは、前記第3直線スライド台モジュールを制御して前記環状プラテンを前記水平移動機構に近づく方向に移動させるように駆動し、前記各支持棒を前記環状プラテンに貫通させ、前記環状プラテンを前記被検出ばねに接触させ、前記被検出ばねを前記円形外蓋に接触させるように押し、前記環状プラテンは、前記被検出ばねが完全に圧縮されるまで、前記被検出ばねへの圧縮を開始し、前記レーザ距離計は、このときの前記レーザ距離計と前記環状プラテンとの距離X
1を測定し、前記コントローラにデータを送信し、そして、前記コントローラは、前記第3直線スライド台モジュールを制御して、前記環状プラテンを前記第2直線スライド台モジュールから離れる方向に移動させるように駆動し、前記圧力センサが検出した圧力値が予め設定された閾値よりも小さい場合、前記レーザ距離計は、このときの前記レーザ距離計と前記環状プラテンとの距離X
2を測定し、データを前記コントローラに送信し、前記コントローラは、前記被検出ばねの自由長さL
0、完全圧縮後の長さL
1、ピッチt、ばねの螺旋角度を計算し、前記被検出ばねの自由長さL
0は、下記数5であり、
完全圧縮後の長さL
1は、下記数6であり、
前記被検出ばねのピッチtは、下記数7であり、
前記被検出ばねの螺旋角度αは、下記数8である、ステップ4と、
前記コントローラは前記第3直線スライド台モジュールを制御して前記環状プラテンを元の位置に戻すように駆動し、次に前記駆動部材は前記各支持棒を駆動して対応する前記第1シュートに沿って同期して内側に移動して元の位置にし、それから検出を完了したばねを取り外し、前記水平移動機構は前記電動伸縮フレームを元の位置に移動するように駆動し、前記第1直線スライド台モジュールは支持爪群を元の位置に移動するように駆動する、ステップ5とを含む、ことを特徴とする測定方法。
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【数5】
ただし、Sは前記レーザ距離計と前記円形外蓋との距離、dは前記環状プラテンの厚さである。
【数6】
【数7】
【数8】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジニアリングプラスチックの自動加工の分野のものであり、特に、等ピッチ矩形押えばねの螺旋角度測定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
螺旋角度はばねの重要なパラメータであり、螺旋角度の大きさはばねの性能に影響する。ばねの螺旋角度が大きすぎると、螺旋角度の増加に伴ってばね応力が増加し、さらに荷重偏心量が増加し、ばねの外径や横方向の変形が大きくなるとともに、ばねの疲労源がばねコイルの内側から外側に移行し、ばね寿命が短くなる。螺旋角度が小さい場合、ばねの弾性が不足する。加工後のばねは、その螺旋角度が適正であるか否かを正確に検出することができないため、人為的に計算され、切断装置に入力されたばね加工パラメータが正しいか否かを正確に判断することができない。そのため、ばねの螺旋角度を検出するために使用できる検出装置を設計し、加工終了後のばねの螺旋角度の良否を判断する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術の欠点を克服するために、等ピッチ矩形押えばねの螺旋角度測定装置及び方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決手段を採用する。
本発明は、ラックと、中径測定機構と、コイル数測定機構と、高さ測定機構とを備えた等ピッチ矩形押えばねの螺旋角度測定装置を提供する。
【0005】
中心径測定機構は、光カーテンマイクロメータと、第1直線スライド台モジュールと、支持爪群とを含む。上記第1直線スライド台モジュールは、ラック上に配置され、間隔をあけて配置された逆八の字形をした2つの支持爪を含む支持爪群を並進駆動する。上記光カーテンマイクロメータの出射端と受信端はいずれもラックに固定されており、それぞれ第1直線スライド台モジュールの両側に位置している。初期状態では、支持爪群は第1直線スライド台モジュールの端部A1(光カーテンマイクロメータ側に近い端部)に位置し、支持爪群の2つの支持爪は、出射端から出射される垂直光カーテンに対して対称に配置されている。
【0006】
上記コイル数測定機構は、レーザ走査アセンブリと、内支持クランプと、電動伸縮フレームと、水平移動機構とを含む。上記レーザ走査アセンブリは、第2直線スライド台モジュールと、環状フレームと、レーザスキャナとを含む。第2直線スライド台モジュールはラックに配置され、環状フレームの並進移動を駆動する。環状フレームには、円周方向に等間隔に配置された3つのレーザスキャナが固定されている。上記内支持クランプは、固定円盤、円形外蓋、支持棒及び駆動部材を含む。上記円形外蓋は、固定円盤に取り外し可能に固定されている。円形外蓋に円周方向に等間隔に配置されたm本の第1シュートが設けられ、m≧2であり、各第1シュートの向きが円形外蓋の径方向に沿っている。支持棒は、水平かつ円周方向に等間隔に配置されたm本を備え、各支持棒は、1つの第1シュートと共にスライド対を構成する。円形外蓋内の駆動部材は、各支持棒を駆動して対応する第1シュートに沿って同時に移動させる。上記水平移動機構はラックに設けられ、且つ電動伸縮フレームを駆動して並進させ、電動伸縮フレームは固定円盤を駆動して並進させる。ここで、電動伸縮フレームが固定円盤を駆動して並進する方向は、第2直線スライド台モジュールが環状フレームを駆動して並進する方向に平行し、且つ水平移動機構が電動伸縮フレームを駆動して並進する方向に垂直する。初期状態で、電動伸縮フレームは水平移動機構の端部B1(水平移動機構のレーザ走査アセンブリに近い端部)に位置し、固定円盤の中心軸線は環状フレームの中心軸線と共線に設けられ、環状フレームは第2直線スライド台モジュールの端部C1(水平移動機構から離れた端部)に位置し、各支持棒は環状フレームを貫通しない。
【0007】
上記高さ測定機構は、第3直線スライド台モジュールと、環状プラテンと、レーザ距離計とを備える。上記レーザ距離計は、第1固定枠を介してラックに固定され、第3直線スライド台モジュールのベースは第2固定枠を介してラックに固定され、第3直線スライド台モジュールのスライダは、圧力センサが固定された環状プラテンに一体成形されたL型リンクに着脱可能に固定されている。ここで、第3直線スライド台モジュールが環状プラテンを駆動して並進する方向は、電動伸縮フレームが固定円盤を駆動して並進する方向に平行し、且つ水平移動機構が電動伸縮フレームを駆動して並進する方向に垂直する。電動伸縮フレームが水平移動機構の端部B2(水平移動機構のレーザ走査アセンブリから離れた端部)に位置するとき、環状プラテンは内支持クランプとレーザ距離計との間に位置し、環状プラテンの中心軸線は固定円盤の中心軸線と共線に設けられる。
【0008】
好ましくは、上記出射端及び受信端は、それぞれ2つの固定座に固定され、両固定座はラックに固定される。
【0009】
好ましくは、上記駆動部材は、円盤内蓋、ねじ棒、歯車、及び駆動アセンブリを含む。円盤内蓋は固定円盤に取り外し可能なように取り付けられている。円盤内蓋には円周方向に等間隔に配置されたm個の第2シュートが設けられ、各第2シュートは1個の第1シュートに整列されている。歯車は固定円盤と回転対を構成する。駆動アセンブリは、歯車周方向に沿って配置されたm個を備え、駆動アセンブリは、くさびブロックと移動ブロックとを含む。くさびブロックと固定円盤は歯車接線方向の摺動対を構成し、開設された歯溝を介して歯車と歯車対を構成する。移動ブロックに一体成形された凸条は、くさびブロックに開設された斜めの溝と摺動対を構成し、対応する1つの第2シュートと摺動対を構成する。1つの駆動アセンブリのくさびブロックは、開いたねじ穴を介してねじ棒に接続され、ねじ棒は駆動モータによって駆動される。各支持棒は一つの移動ブロックに固定される。
【0010】
好ましくは、上記環状プラテンは複数種類のサイズ仕様を備えている。
【0011】
等ピッチ矩形押えばねの螺旋角度測定装置の測定方法であって、以下のとおりである。
ステップ1であって、被検出ばねを2つの支持爪の上に置き、次に出射端を開き、出射端が垂直光カーテンを出射し、受信端が垂直光カーテンを受信し、被検出ばねが光カーテンの一部を遮蔽し、コントローラは遮蔽された光カーテンに基づいて被検出ばねの外径D
1と内径D
2を測定し、被検出ばねの中径Dを計算し、被検出ばねの中径Dは、下記数9である。
【数9】
ステップ2であって、出射端を閉じて、コントローラは、支持爪群を駆動するように第1直線スライド台モジュールを制御して、被検出ばねを第1直線スライド台モジュールの端部A
2(A
1とは反対側の端部)に移動させる。次にコントローラは、固定円盤が3本の支持棒を環状フレームに通させ且つ被検出ばねの内輪に通させるまで、固定円盤を水平移動機構から離れる方向に並進移動させるように電動伸縮フレームを制御する。その後、駆動部材は3本の支持棒を駆動して対応する第1シュートに沿って同期して外側に拡張し、3本の支持棒が被検出スプリング内輪と接触するまで、コントローラは電動伸縮フレームを制御して固定円盤を駆動して初期位置に戻る。
ステップ3であって、コントローラは第2直線スライド台モジュールを制御して環状フレームを駆動して固定円盤に近い方向に並進し、同時に各レーザスキャナはスキャンを開始し、被検出ばねと各支持棒はすべて環状フレームを通過し、環状フレームは被検出ばねを越え、そして第2直線スライド台モジュールの端部C
2(水平移動機構に近い端部)に移動し、各レーザスキャナはそれぞれスキャンして得られた突然変異点の個数λ
1、λ
2、λ
3をコントローラに転送し、コントローラは被検出ばねの総コイル数N
1と有効コイル数Nを計算し、被検出ばねの総コイル数N
1は、下記数10である。
【数10】
被検出ばねの有効コイル数Nは、下記数11である。
【数11】
ここで、数10のΛは、下記数12である。
【数12】
ステップ4であって、コントローラは、環状フレームを駆動して元の位置に戻すように第2直線スライド台モジュールを制御し、水平移動機構は、電動伸縮フレームを駆動して被検出ばねを水平移動機構の端部B
2まで移動させる。次に、被検出ばねの外径よりも小さく、かつ、被検出ばねの内径よりも大きい内径を有する環状の固定板を、第3直線スライド台モジュールのスライダに固定する。コントローラは、第3直線スライド台モジュールを制御して環状プラテンを水平移動機構に近づく方向に移動させるように駆動し、各支持棒を環状プラテンに貫通させ、環状プラテンを被検出ばねに接触させ、被検出ばねを円形外蓋に接触させるように押す。環状プラテンは、被検出ばねが完全に圧縮されるまで、被検出ばねへの圧縮を開始し、レーザ距離計は、このときのレーザ距離計と環状プラテンとの距離X
1を測定し、コントローラにデータを送信する。そして、コントローラは、第3直線スライド台モジュールを制御して、環状プラテンを第2直線スライド台モジュールから離れる方向に移動させるように駆動し、圧力センサが検出した圧力値が予め設定された閾値よりも小さい場合、レーザ距離計は、このときのレーザ距離計と環状プラテンとの距離X
2を測定し、且つデータをコントローラに送信し、コントローラは、被検出ばねの自由長さL
0、完全圧縮後の長さL
1、ピッチt、ばねの螺旋角度を計算し、被検出ばねの自由長さL
0は、下記数13である。
【数13】
完全圧縮後の長さL
1は、下記数14である。
【数14】
被検出ばねのピッチtは、下記数15である。
【数15】
被検出ばねの螺旋角度αは、下記数16である。
【数16】
ここで、Sはレーザ距離計と円形外蓋との距離、dは環状プラテンの厚さである。
ステップ5であって、コントローラは第3直線スライド台モジュールを制御して環状プラテンを元の位置に戻すように駆動し、次に駆動部材は各支持棒を駆動して対応する第1シュートに沿って同期して内側に移動して元の位置にし、それから検出を完了したばねを取り外し、水平移動機構は電動伸縮フレームを元の位置に移動するように駆動し、第1直線スライド台モジュールは支持爪群を元の位置に移動するように駆動する。
【0012】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
1、本発明の中径測定機構の支持爪群は被検出ばねを支持し、光カーテンマイクロメータにより被検出ばねの外径と内径を測定し、更に被検出ばねの中径の大きさを得る。本発明のコイル数測定機構の内支持クランプにおいて各支持棒が被検出ばねの内輪を支え、第2直線スライド台モジュールは環状フレームを駆動して各レーザスキャナにより被検出ばねを走査し、走査により得られた突然変異点数から被検出ばねの総コイル数を算出し、更に被検出ばねの有効コイル数を得る。本発明では、第3直線スライド台モジュールは、環状プラテンを駆動して被検出ばねを圧縮し、レーザ距離計によって被検出ばねの自由状態及び圧縮状態時のレーザ距離計と環状プラテンとの距離を測定し、さらに被検出ばねの自由長さと圧縮長さを求めることにより、被検出ばねのピッチの大きさを得る。本発明は被検出ばねの外径、内径、総コイル数、自由長さ及び圧縮長さ等のパラメータの検出を実現し、ばねの螺旋角度の算出にデータを提供し、さらに加工を完了した後のばねの螺旋角度の大きさが要求に合致するか否かを判断するために根拠を提供する。
2、本発明において間隔を置いて設けられ且つ逆八字状を呈する二つの支持爪は被検出ばねを支持し、被検出ばねの中心軸線を支持爪群の二つの支持爪の真ん中に位置させ、さらに被検出ばねの中心軸線と出射端から送信された垂直光カーテンとの整列を実現し、測定された被検出ばねの外径値と内径値の正確性を保証する。
3、本発明においてレーザスキャナは周方向に沿って等距離に分布する複数が設けられ、異なる角度に位置するレーザスキャナによって被検出ばねを走査し、ねじ線端部と支持リング遷移部分に存在する干渉による誤差を回避する。
4、本発明において駆動部材によって各支持棒の同期拡張を実現し、さらに被検出ばねに対する挟持を実現し、被検出ばねを安定状態にさせ、後続のレーザスキャナが被検出ばねの変異点数に対する走査、及び環状プラテンが被検出ばねに対する圧縮に有利である。
5、本発明における第3直線スライド台モジュールのスライダは異なるサイズ仕様の環状プラテンを固定することができ、さらに異なるサイズの被検出ばねに対する検出を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】本発明における中径測定機構の構造概略図である。
【
図3】本発明におけるコイル数測定機構の円形外蓋を除去した後の構造概略図である。
【
図4】本発明における高さ測定機構の構造概略図である。
【
図5】本発明における内支持クランプの円形外蓋と円形内蓋を除去した後の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面に関連して本発明をさらに説明する。
図1に示すように、本発明は、ラックと、中径測定機構101と、コイル数測定機構102と、高さ測定機構103とを備えた等ピッチ矩形押えばねの螺旋角度測定装置を提供する。
【0015】
図2に示すように、中径測定機構101は、光カーテンマイクロメータと、第1直線スライド台モジュール203と、支持爪群204とを含む。第1直線スライド台モジュール203は、ラック上に配置され、間隔をあけて配置された逆八の字形をした2つの支持爪を含む支持爪群204を並進駆動する。上記光カーテンマイクロメータの出射端201と受信端202はいずれもラックに固定されており、それぞれ第1直線スライド台モジュール203の両側に位置している。初期状態では、支持爪群204は第1直線スライド台モジュール203の端部A
1に位置し、支持爪群204の2つの支持爪は、出射端201から出射される垂直光カーテンに対して対称に配置されている。
【0016】
図3に示すように、コイル数測定機構102は、レーザ走査アセンブリ301と、内支持クランプ302と、電動伸縮フレーム303と、水平移動機構(直線スライド台モジュールを用いることができる)とを含む。レーザ走査アセンブリ301は、第2直線スライド台モジュールと、環状フレームと、レーザスキャナとを含む。第2直線スライド台モジュールはラックに配置され、環状フレームの並進移動を駆動する。環状フレームには、円周方向に等間隔に配置された3つのレーザスキャナが固定されている。内支持クランプ302は、固定円盤、円形外蓋、支持棒及び駆動部材を含む。円形外蓋は、固定円盤に取り外し可能に固定されている。円形外蓋に円周方向に等間隔に配置された3つの第1シュートが設けられ、各第1シュートの向きが円形外蓋の径方向に沿っている。支持棒は、水平かつ円周方向に等間隔に配置された3本を備え、各支持棒は、1つの第1シュートと共にスライド対を構成する。円形外蓋内の駆動部材は、各支持棒を駆動して対応する第1シュートに沿って同時に移動させる。円形外蓋は駆動部材を保護するために用いられる。水平移動機構はラックに設けられ、且つ電動伸縮フレーム303を駆動して並進させ、電動伸縮フレーム303は固定円盤を駆動して並進させる。ここで、電動伸縮フレーム303が固定円盤を駆動して並進する方向は、第2直線スライド台モジュールが環状フレームを駆動して並進する方向に平行し、且つ水平移動機構が電動伸縮フレーム303を駆動して並進する方向に垂直する。初期状態で、電動伸縮フレーム303は水平移動機構の端部B
1に位置し、固定円盤の中心軸線は環状フレームの中心軸線と共線に設けられ、環状フレームは第2直線スライド台モジュールの端部C
1に位置し、各支持棒は環状フレームを貫通しない。
【0017】
図4に示すように、高さ測定機構103は、第3直線スライド台モジュールと、環状プラテンと、レーザ距離計402とを備える。レーザ距離計402は、第1固定枠を介してラックに固定され、第3直線スライド台モジュールのベースは第2固定枠を介してラックに固定され、第3直線スライド台モジュールのスライダは、圧力センサが固定された環状プラテンに一体成形されたL型リンク401に着脱可能に固定されている。ここで、第3直線スライド台モジュールが環状プラテンを駆動して並進する方向は、電動伸縮フレーム303が固定円盤を駆動して並進する方向に平行し、且つ水平移動機構が電動伸縮フレーム303を駆動して並進する方向に垂直する。電動伸縮フレーム303が水平移動機構の端部B
2に位置するとき、環状プラテンは内支持クランプとレーザ距離計との間に位置し、且つ環状プラテンの中心軸線は固定円盤の中心軸線と共線に設けられる。
【0018】
好ましい実施例として、出射端201及び受信端202は、それぞれ2つの固定座に固定され、両固定座はいずれもラックに固定される。
【0019】
好ましい実施例として、
図3と
図5に示すように、上記駆動部材は、円盤内蓋、ねじ棒501、歯車504、及び駆動アセンブリを含む。円盤内蓋は、固定円盤に取り外し可能なように取り付けられている。円盤内蓋には円周方向に等間隔に配置されたm個の第2シュートが設けられ、各第2シュートは1個の第1シュートに整列されている。歯車504は固定円盤と回転対を構成する。駆動アセンブリは、歯車504周方向に沿って配置された3個を備え、駆動アセンブリは、くさびブロック502と移動ブロック503とを含む。くさびブロック502と固定円盤は歯車504接線方向の摺動対を構成し、開設された歯溝を介して歯車504と歯車対を構成する。移動ブロック503に一体成形された凸条は、くさびブロック502に開設された斜めの溝と摺動対を構成し、対応する1つの第2シュートと摺動対を構成する。1つの駆動アセンブリのくさびブロック502は、開いたねじ穴を介してねじ棒501に接続され、ねじ棒501は駆動モータによって駆動される。各支持棒は一つの移動ブロック503に固定される。
【0020】
好ましい実施例として、上記環状プラテンは複数種類のサイズ仕様を備えている。異なる内径の環状プラテンを選択し、異なる内径の被検出ばねの検出に対応できるようにする。
【0021】
ここで、第1直線スライド台モジュール203、電動伸縮フレーム303、第2直線スライド台モジュール、水平移動機構、第3直線スライド台モジュール、及び駆動モータはすべてコントローラにより制御され、受信端202、レーザスキャナ、レーザ距離計402、及び圧力センサの信号出力端はすべてコントローラ104に接続される。
【0022】
本発明の等ピッチ矩形押えばねの螺旋角度測定装置の測定方法は、以下のとおりである。
ステップ1であって、被検出ばねを2つの支持爪の上に置き、次に出射端201を開き、出射端201が垂直光カーテンを出射し、受信端202が垂直光カーテンを受信し、被検出ばねが光カーテンの一部を遮蔽し、コントローラは遮蔽された光カーテンに基づいて被検出ばねの外径D
1と内径D
2を測定し、被検出ばねの中径Dを計算し、被検出ばねの中径Dは、下記数17である。
【数17】
ステップ2であって、出射端201を閉じて、コントローラは、支持爪群204を駆動するように第1直線スライド台モジュール203を制御して、被検出ばねを第1直線スライド台モジュール203の端部A
2に移動させる。次にコントローラは、固定円盤が3本の支持棒を環状フレームに通させ且つ被検出ばねの内輪に通させるまで、固定円盤を水平移動機構から離れる方向に並進移動させるように電動伸縮フレーム303を制御する。その後、駆動部材は3本の支持棒を駆動して対応する第1シュートに沿って同期して外側に拡張し、3本の支持棒がいずれも被検出ばね内輪と接触するまで、コントローラは電動伸縮フレーム303を制御して固定円盤を駆動して初期位置に戻る。
ステップ3であって、コントローラは第2直線スライド台モジュールを制御して環状フレームを駆動して固定円盤に近い方向に並進し、同時に各レーザスキャナはスキャンを開始して、被検出ばねと各支持棒はすべて環状フレームを通過し、環状フレームは被検出バネを越え、そして第2直線スライド台モジュールの端部C
2に移動し、各レーザスキャナはそれぞれスキャンして得られた突然変異点の個数λ
1、λ
2、λ
3(各コイルをスキャンすると2つの突然変異点が現れる)をコントローラに転送し、コントローラは被検出ばねの総コイル数N
1と有効コイル数Nを計算し、被検出ばねの総コイル数N
1は、下記数18である。
【数18】
被検出ばねの両端には支持コイルがあるので、被検出ばねの有効コイル数Nは、下記数19である。
【数19】
ここで、数18のΛは、下記数20であり、maxは最大値をとることを意味する。
【数20】
ステップ4であって、コントローラは、環状フレームを駆動して元の位置に戻すように第2直線スライド台モジュールを制御し、水平移動機構は、電動伸縮フレーム303を駆動して被検出ばねを水平移動機構の端部B
2まで移動させる。次に、被検出ばねの外径よりも小さく、かつ、被検出ばねの内径よりも大きい内径を有する環状の固定板を、第3直線スライド台モジュールのスライダに固定する。コントローラは、第3直線スライド台モジュールを制御して環状プラテン401を水平移動機構に近づく方向に移動させるように駆動し、各支持棒を環状プラテン401に貫通させ、環状プラテン401を被検出ばねに接触させ、被検出ばねを円形外蓋に接触させるように押す。環状プラテン401は、被検出ばねが完全に圧縮されるまで、被検出ばねへの圧縮を開始し、レーザ距離計402は、このときのレーザ距離計402と環状プラテン401との距離X
1を測定し、コントローラにデータを送信する。そして、コントローラは、第3直線スライド台モジュールを制御して、環状プラテン401を第2直線スライド台モジュールから離れる方向に移動させるように駆動し、圧力センサが検出した圧力値が予め設定された閾値(0に近い値)よりも小さい場合、レーザ距離計402は、このときのレーザ距離計402と環状プラテン401との距離X
2を測定し、データをコントローラに送信し、コントローラは、被検出ばねの自由長さL
0、完全圧縮後の長さL
1、ピッチt、ばねの螺旋角度を計算し、被検出ばねの自由長さL
0は、下記数21である。
【数21】
完全圧縮後の長さL
1は、下記数22である。
【数22】
被検出ばねのピッチtは、下記数23である。
【数23】
被検出ばねの螺旋角度αは、下記数24である。
【数24】
ここで、Sはレーザ距離計402と円形外蓋との距離、dは環状プラテンの厚さである。
ステップ5であって、コントローラは第3直線スライド台モジュールを制御して環状プラテンを元の位置に戻すように駆動し、次に駆動部材は各支持棒を駆動して対応する第1シュートに沿って同期して内側に移動して元の位置にし、それから検出を完了したばねを取り外し、水平移動機構は電動伸縮フレーム303を元の位置に移動するように駆動し、第1直線スライド台モジュール203は支持爪群204を元の位置に移動するように駆動する。