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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016610
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】超音波発生装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 21/02 20060101AFI20240131BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
A61M21/02 J
A47C7/62 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118856
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(71)【出願人】
【識別番号】522298749
【氏名又は名称】株式会社ハイパーソニック研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 博道
(72)【発明者】
【氏名】大竹 伸幸
(72)【発明者】
【氏名】河合 徳枝
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084JA01
3B084JA02
(57)【要約】
【課題】ハイパーソニック効果にて得たい効果を選択できる超音波発生装置を提供する。
【解決手段】超音波発生装置20は、可聴音をヒトに照射する可聴用スピーカ30と、ヒトの副交感神経の活性を増大させる部位に超音波を照射する第1スピーカ51と、ヒトの交感神経の活性を増大させる部位に超音波を照射する第2スピーカ52と、第1スピーカ51からの超音波の音圧および第2スピーカ52からの超音波の音圧が互いに異なるように、第1スピーカ51からの超音波の音圧および第2スピーカ52からの超音波の音圧を変更する分配設定部48と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可聴音をヒトに照射する可聴音照射部(30)と、
前記ヒトの副交感神経の活性を増大させる部位に超音波を照射する第1照射部(51)と、
前記ヒトの交感神経の活性を増大させる部位に超音波を照射する第2照射部(52)と、
前記第1照射部からの超音波の音圧および前記第2照射部からの超音波の音圧が互いに異なるように前記第1照射部からの超音波の音圧および前記第2照射部からの超音波の音圧を変更する制御部(48)と、
を備える超音波発生装置。
【請求項2】
前記副交感神経の活性を増大させる部位は、前記ヒトの顔面である請求項1に記載の超音波発生装置。
【請求項3】
前記副交感神経の活性を増大させる部位は、前記ヒトの前頭部である請求項1に記載の超音波発生装置。
【請求項4】
前記交感神経の活性を増大させる部位は、前記ヒトの後頸部である請求項1に記載の超音波発生装置。
【請求項5】
前記超音波の周波数は、20kHz以上である請求項1ないし4のいずれか1つに記載の超音波発生装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ヒトの心拍数に関する値に基づいて、前記第1照射部からの超音波の音圧および前記第2照射部からの超音波の音圧を変更する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の超音波発生装置。
【請求項7】
前記ヒトの血流に基づいて、前記心拍数を推定する推定部(40)をさらに備える請求項6に記載の超音波発生装置。
【請求項8】
前記ヒトの皮膚の振動に基づいて、前記心拍数を推定する推定部(40)をさらに備える請求項6に記載の超音波発生装置。
【請求項9】
前記制御部は、車両(5)の状態に基づいて、前記第1照射部からの超音波の音圧および前記第2照射部からの超音波の音圧を変更する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の超音波発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、超音波発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、可聴音とともにヒトの全身に照射する超音波の周波数を変更することにより、ハイパーソニック効果を発生させることでヒトのストレスを低減させる音発生装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3933565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された音発生装置は、ヒトの全身に照射する超音波の周波数を変更するに過ぎず、ハイパーソニック効果にて得たい効果を選択することができない。
【0005】
本開示は、ハイパーソニック効果にて得たい効果を選択できる超音波発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、可聴音をヒトに照射する可聴音照射部(30)と、ヒトの副交感神経の活性を増大させる部位に超音波を照射する第1照射部(51)と、ヒトの交感神経の活性を増大させる部位に超音波を照射する第2照射部(52)と、第1照射部からの超音波の音圧および第2照射部からの超音波の音圧が互いに異なるように第1照射部からの超音波の音圧および第2照射部からの超音波の音圧を変更する制御部(48)と、を備える超音波発生装置である。
【0007】
これにより、ヒトの副交感神経の活性を増大させる部位に照射される超音波の音圧と、ヒトの交感神経の活性を増大させる部位に照射される超音波の音圧とが異なる。このため、ハイパーソニック効果にて得たい効果を選択することができる。
【0008】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の超音波発生装置が用いられる車両の模式図。
図2】超音波発生装置の構成図。
図3】ヒトの機械受容器の周波数特性を示す図。
図4】可聴音を照射しながら超音波をヒトの後頸部等、顔面等および全身にそれぞれ照射したときの副交感神経の活性度を示す図。
図5】可聴音を照射しながら超音波をヒトの後頸部等、顔面等および全身にそれぞれ照射したときの交感神経の活性度を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0011】
本実施形態の超音波発生装置20は、例えば、図1に示すハンドル2、ヘッドレスト4および座席6を備える車両10に用いられる。具体的には、超音波発生装置20は、図2に示すように、可聴用記録媒体22、可聴用信号発生装置24、可聴用再生回路26、可聴用増幅回路28および可聴用スピーカ30を備える。また、超音波発生装置20は、超音波用記録媒体32、超音波用信号発生装置34、超音波用再生回路36および超音波用増幅回路38を備える。さらに、超音波発生装置20は、生体情報推定部40、解析部42、車両状態検出部44、状況推定部46、分配設定部48および分配部50を備える。また、超音波発生装置20は、第1スピーカ51および第2スピーカ52を備える。
【0012】
可聴用記録媒体22は、例えば、ROMやフラッシュメモリであって、可聴音に関するデジタル情報を記憶している。可聴用信号発生装置24は、例えば、光学ドライブやカードリーダー等であって、可聴用記録媒体22にて記憶された可聴音に関するデジタル情報を読み出す。可聴用再生回路26は、DACであって、可聴用信号発生装置24によって読み出された可聴音のデジタル情報をアナログ情報に変換する。可聴用増幅回路28は、アンプであって、可聴用再生回路26によって変換された可聴音に関するアナログ情報に応じた信号を増幅する。なお、DACは、Digital-to-Analog Converterの略である。また、可聴音は、周波数が20Hz以上、20kHz未満の音である。
【0013】
可聴用スピーカ30は、可聴音照射部に対応しており、可聴用増幅回路28によって増幅された可聴音を発生させる。これにより、可聴用スピーカ30は、可聴音を、図1に示す車両10の運転者8の聴覚系に照射する。なお、運転者8は、ヒトに対応する。
【0014】
超音波用記録媒体32は、例えば、ROMやフラッシュメモリであって、超音波に関するデジタル情報を記憶している。超音波用信号発生装置34は、例えば、光学ドライブやカードリーダー等であって、超音波用記録媒体32にて記憶された超音波に関するデジタル情報を読み出す。超音波用再生回路36は、DACであって、超音波用信号発生装置34によって読み出された超音波に関するデジタル情報をアナログ情報に変換する。超音波用増幅回路38は、アンプであって、超音波用増幅回路38によって変換された超音波に関するアナログ情報に応じた信号を増幅する。なお、超音波は、周波数が20kHz以上の音である。
【0015】
生体情報推定部40は、ウェアラブルセンサやビデオカメラ等であって、光電脈波や映像脈波を用いて、車両10の運転者8の生体情報、例えば、血流を推定する。また、生体情報推定部40は、この推定した血流とマップとから、車両10の運転者8の心拍数を推定する。さらに、生体情報推定部40は、この推定した心拍数に応じた信号を後述の解析部42に出力する。なお、血流は、ヒトの血管を流れている血液の流速または流量である。また、心拍数を推定するためのマップは、例えば、実験やシミュレーション、機械学習等により設定される。さらに、生体情報推定部40は、血流から心拍数を推定するところ、これに限定されないで、生体情報推定部40は、例えば、車両10の運転者8の皮膚の振動に基づいて、心拍数を推定してもよい。
【0016】
解析部42は、マイコン等を主体として構成されており、CPU、ROM、フラッシュメモリ、RAM、I/Oおよびこれらの構成を接続するバスライン等を備えている。また、解析部42は、解析部42のROMに記憶されたプログラムを実行することにより、生体情報推定部40から出力された心拍数に基づいて、心拍間隔を算出する。さらに、解析部42は、この算出した心拍間隔の周波数解析を行うことにより、運転者8のLF/HFおよびHFを算出する。そして、解析部42は、これらの算出したLF/HFおよびHFに応じた信号を後述の分配設定部48に出力する。なお、LF/HFは、ヒトの交感神経の活性度の指標である。また、HFは、ヒトの副交感神経の活性度の指標である。
【0017】
車両状態検出部44は、例えば、車速センサやイグニッションセンサ等であって、車速および車両10のイグニッションのオンオフを検出する。これにより、車両状態検出部44は、車両10の状態を検出する。また、車両状態検出部44は、この検出した車両10の状態に応じた信号を後述の状況推定部46に出力する。なお、車速は、車両10の速さである。
【0018】
状況推定部46は、マイコン等を主体として構成されており、CPU、ROM、フラッシュメモリ、RAM、I/Oおよびこれらの構成を接続するバスライン等を備えている。また、状況推定部46は、状況推定部46のROMに記憶されたプログラムを実行することにより、車両状態検出部44からの信号に基づいて、運転者8の状況を推定する。さらに、状況推定部46は、この推定した運転者8の状況に応じた信号を後述の分配設定部48に出力する。
【0019】
分配設定部48は、制御部に対応しており、マイコン等を主体として構成されており、CPU、ROM、フラッシュメモリ、RAM、I/Oおよびこれらの構成を接続するバスライン等を備えている。また、分配設定部48は、分配設定部48のROMに記憶されたプログラムを実行する。これにより、分配設定部48は、解析部42および状況推定部46からの信号に基づいて、後述の第1スピーカ51および第2スピーカ52から照射される超音波の音圧を、互いに異なる音圧となるように算出する。さらに、分配設定部48は、これらの算出した第1スピーカ51および第2スピーカ52から照射される超音波の音圧に応じた信号を後述の分配部50に出力する。なお、分配設定部48は、解析部42および状況推定部46からの信号に基づいて、後述の第1スピーカ51および第2スピーカ52から照射される超音波の音圧を、算出する。これに対して、これに限定されないで、分配設定部48は、車両10の運転者8や乗員のボタン操作等により設定された音圧に基づいて、後述の第1スピーカ51および第2スピーカ52から照射される超音波の音圧を、算出してもよい。
【0020】
分配部50は、マイコン等を主体として構成されており、CPU、ROM、フラッシュメモリ、RAM、I/Oおよびこれらの構成を接続するバスライン等を備えている。また、分配部50は、分配部50のROMに記憶されたプログラムを実行することにより、第1スピーカ51および第2スピーカ52に超音波を発生させる。具体的には、分配部50は、超音波用増幅回路38からの信号および分配設定部48によって算出された音圧に応じた信号に基づいて、第1スピーカ51に超音波を発生させるための信号を第1スピーカ51に出力する。また、分配部50は、超音波用増幅回路38からの信号および分配設定部48によって算出された音圧に応じた信号に基づいて、第2スピーカ52に超音波を発生させるための信号を第2スピーカ52に出力する。
【0021】
第1スピーカ51は、第1照射部に対応しており、図1に示すように、例えば、ハンドル2よりも車両10上側に配置されている。また、第1スピーカ51は、分配部50からの信号により、分配設定部48によって算出された音圧の超音波を、ヒトの副交感神経の活性を増大させる部位に照射する。なお、ヒトの副交感神経の活性を増大させる部位は、例えば、ヒトの顔面および前頭部である。
【0022】
第2スピーカ52は、第2照射部に対応しており、例えば、ヘッドレスト4および座席6の間に配置されている。さらに、第2スピーカ52は、分配部50からの信号により、分配設定部48によって算出された音圧の超音波をヒトの交感神経の活性を増大させる部位に照射する。ヒトの交感神経の活性を増大させる部位は、例えば、後頸部である。
【0023】
以上のように、本実施形態の超音波発生装置20は、構成されている。この超音波発生装置20では、可聴用スピーカ30からの可聴音が運転者8の聴覚系に照射されるとともに、第1スピーカ51および第2スピーカ52からの超音波が運転者8の身体に照射される。これにより、運転者8に対してハイパーソニック効果が得られる。また、この超音波発生装置20は、ハイパーソニック効果にて得たい効果を選択することができる。次に、超音波発生装置20により、ハイパーソニック効果にて得たい効果の選択可能について説明する。
【0024】
ここで、図3に示すように、1000Hzを越える振動刺激を感じ取るヒトの機械受容器は、これまでに報告されていない。しかし、発明者等の検討により、超音波をヒトの顔面および前頭部等に照射するときと、超音波をヒトの顔面および前頭部以外、例えば、ヒトの後頸部に照射するときとで人体に及ぼす効果が異なることがわかった。具体的には、図4に示すように、超音波をヒトの顔面および前頭部等に照射すると、ヒトの副交感神経の活性が増大する。また、図5に示すように、超音波をヒトの後頸部に照射すると、ヒトの交感神経の活性が増大する。
【0025】
また、ここで、例えば、解析部42によって算出されたLF/HFがHFよりも小さい、すなわち、LF/HF<HFとする。このとき、運転者8の副交感神経の活性度が交感神経の活性度よりも大きいため、運転者8がリラックスした状態である。さらに、車両状態検出部44によって検出された車速がゼロより大きいとする。このとき、車両10が走行中であるため、状況推定部46は、運転者8の集中力や緊張状態を高めるべき状況であると推定する。したがって、LF/HF<HFかつ車両10が走行中であるとき、リラックス状態の運転者8に対して、集中力や緊張状態を高める必要がある。
【0026】
このため、このとき、分配設定部48は、第2スピーカ52からの超音波の音圧を第1スピーカ51からの超音波の音圧よりも高い値に算出する。これによって、分配部50は、第2スピーカ52の超音波の音圧を第1スピーカ51の超音波の音圧よりも高くさせた状態で第1スピーカ51および第2スピーカ52に超音波を発生させる。これにより、ヒトの交感神経の活性を増大させる部位であるヒトの後頸部に照射される超音波の音圧が、ヒトの顔面および前頭部に照射される超音波の音圧よりも高くなる。よって、ヒトの交感神経の活性が増大する。したがって、LF/HFがHFよりも大きくなるとともに、運転者8の集中力や緊張状態が高まる。
【0027】
また、例えば、解析部42によって算出されたLF/HFがHFよりも大きい、すなわち、LF/HF>HFとする。このとき、運転者8の交感神経の活性度が副交感神経の活性度よりも大きいため、運転者8が集中または緊張した状態である。さらに、車両状態検出部44によって検出された車両10のイグニッションがオフであるとする。このとき、車両10が停止中かつ運転者8が休憩中であるため、状況推定部46は、運転者8のリラックス状態を高めるべき状況であると推定する。したがって、LF/HF>HFかつ車両10のイグニッションがオフであるとき、集中または緊張した状態の運転者8に対して、リラックス状態を高める必要がある。
【0028】
このため、このとき、分配設定部48は、第1スピーカ51からの超音波の音圧を第2スピーカ52からの超音波の音圧よりも高い値に算出する。これによって、分配部50は、第1スピーカ51の超音波の音圧を第2スピーカ52の超音波の音圧よりも高くさせた状態で第1スピーカ51および第2スピーカ52に超音波を発生させる。これにより、ヒトの副交感神経の活性を増大させる部位であるヒトの顔面および前頭部に照射される超音波の音圧が、ヒトの後頸部に照射される超音波の音圧よりも高くなる。よって、ヒトの副交感神経の活性が増大する。したがって、LF/HFがHFよりも小さくなるとともに、運転者8のリラックス状態が高まる。
【0029】
このように、超音波発生装置20では、第1スピーカ51からの超音波の音圧および第2スピーカ52からの超音波の音圧が互いに異なるように変更される。これにより、ヒトの副交感神経の活性を増大させる部位に照射される超音波の音圧と、ヒトの交感神経の活性を増大させる部位に照射される超音波の音圧とが異なる。このため、ハイパーソニック効果にて得たい効果が選択される。また、本実施形態の超音波発生装置20では、以下に記載する効果も奏する。
【0030】
[1-1]分配設定部48は、車両10の運転者8の心拍数に関する値に基づいて、第1スピーカ51からの超音波の音圧および第2スピーカ52からの超音波の音圧を変更する。これにより、運転者8の状態が考慮されて、第1スピーカ51からの超音波の音圧および第2スピーカ52からの超音波の音圧が変更される。このため、運転者8の状態に適したハイパーソニック効果にて得たい効果が選択されやすくなる。
【0031】
[1-2]分配設定部48は、車両10の状態、例えば、車速や車両10のイグニッションのオンオフに基づいて、第1スピーカ51からの超音波の音圧および第2スピーカ52からの超音波の音圧を変更する。これにより、運転者8の状況が考慮されて、第1スピーカ51からの超音波の音圧および第2スピーカ52からの超音波の音圧が変更される。このため、運転者8の状況に適したハイパーソニック効果にて得たい効果が選択されやすくなる。
【0032】
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0033】
本開示に記載の制御部およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部およびその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0034】
上記実施形態では、ヒトの交感神経の活性を増大させる部位として、後頸部が挙げられている。これに対して、ヒトの交感神経の活性を増大させる部位は、後頸部であることに限定されないで、例えば、手、胸部や背中が挙げられる。
【0035】
上記実施形態では、可聴用記録媒体22、可聴用信号発生装置24、可聴用再生回路26、可聴用増幅回路28、超音波用記録媒体32、超音波用信号発生装置34、超音波用再生回路36および超音波用増幅回路38は、それぞれ別体である。これに対して、これらは、それぞれ別体であることに限定されない。例えば、可聴用記録媒体22、可聴用信号発生装置24、可聴用再生回路26、超音波用記録媒体32、超音波用信号発生装置34、超音波用再生回路36が一体となった回路であってもよい。また、可聴用記録媒体22、可聴用信号発生装置24、可聴用再生回路26、可聴用増幅回路28、超音波用記録媒体32、超音波用信号発生装置34、超音波用再生回路36および超音波用増幅回路38が一体となった回路であってもよい。これらの場合は、周波数フィルタ等を介して、可聴音と超音波が分離される。
【0036】
(本発明の特徴)
[請求項1]
可聴音をヒトに照射する可聴音照射部(30)と、
前記ヒトの副交感神経の活性を増大させる部位に超音波を照射する第1照射部(51)と、
前記ヒトの交感神経の活性を増大させる部位に超音波を照射する第2照射部(52)と、
前記第1照射部からの超音波の音圧および前記第2照射部からの超音波の音圧が互いに異なるように前記第1照射部からの超音波の音圧および前記第2照射部からの超音波の音圧を変更する制御部(48)と、
を備える超音波発生装置。
[請求項2]
前記副交感神経の活性を増大させる部位は、前記ヒトの顔面である請求項1に記載の超音波発生装置。
[請求項3]
前記副交感神経の活性を増大させる部位は、前記ヒトの前頭部である請求項1または2に記載の超音波発生装置。
[請求項4]
前記交感神経の活性を増大させる部位は、前記ヒトの後頸部である請求項1ないし3のいずれか1つに記載の超音波発生装置。
[請求項5]
前記超音波の周波数は、20kHz以上である請求項1ないし4のいずれか1つに記載の超音波発生装置。
[請求項6]
前記制御部は、前記ヒトの心拍数に関する値に基づいて、前記第1照射部からの超音波の音圧および前記第2照射部からの超音波の音圧を変更する請求項1ないし5のいずれか1つに記載の超音波発生装置。
[請求項7]
前記ヒトの血流に基づいて、前記心拍数を推定する推定部(40)をさらに備える請求項6に記載の超音波発生装置。
[請求項8]
前記ヒトの皮膚の振動に基づいて、前記心拍数を推定する推定部(40)をさらに備える請求項6に記載の超音波発生装置。
[請求項9]
前記制御部は、車両(5)の状態に基づいて、前記第1照射部からの超音波の音圧および前記第2照射部からの超音波の音圧を変更する請求項1ないし8のいずれか1つに記載の超音波発生装置。
【符号の説明】
【0037】
20 超音波発生装置
30 可聴用スピーカ
40 生体情報推定部
42 解析部
44 車両状態検出部
46 状況推定部
48 分配設定部
50 分配部
51 第1スピーカ
52 第2スピーカ
図1
図2
図3
図4
図5