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特開2024-166110画像生成装置、画像生成方法、情報処理方法、情報処理装置、画像出力装置、画像出力方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166110
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】画像生成装置、画像生成方法、情報処理方法、情報処理装置、画像出力装置、画像出力方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 13/80 20110101AFI20241121BHJP
   G10K 15/04 20060101ALI20241121BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20241121BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20241121BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G06T13/80 A
G06T13/80 B
G10K15/04 302Z
G06F3/0481
G06F3/01 510
G06F3/16 620
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024075986
(22)【出願日】2024-05-08
(31)【優先権主張番号】P 2023082553
(32)【優先日】2023-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】薮崎 智穂
(72)【発明者】
【氏名】多久和 望
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
【Fターム(参考)】
5B050AA10
5B050BA13
5B050BA20
5B050CA07
5B050CA08
5B050EA09
5B050EA24
5B050FA02
5B050FA05
5B050FA10
5B050FA12
5B050FA13
5B050FA14
5E555AA25
5E555AA28
5E555BA02
5E555BA06
5E555BA20
5E555BA45
5E555BB02
5E555BB06
5E555BB20
5E555BD01
5E555CA24
5E555CA41
5E555CB42
5E555CB45
5E555CC05
5E555DA23
5E555DB53
5E555DB57
5E555DC13
5E555DC18
5E555DC53
5E555DC63
5E555DD06
5E555EA05
5E555EA08
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】化粧品の使用感覚を視覚的に表現することを可能とする動画像生成装置等を提供する。
【解決手段】動画像生成装置(3)は、ユーザが化粧品の塗布を開始してからの所定期間におけるユーザの感覚の変化を表す感覚データを取得する取得部(331)と、感覚データに基づいて動画像を生成する生成部(332)と、動画像を出力する出力部(333)と、を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが化粧品を使用している所定期間における前記ユーザの感覚を表す感覚データを取得する取得部と、
前記感覚データに基づいて画像を生成する生成部と、
前記画像を出力する出力部と、
を有することを特徴とする画像生成装置。
【請求項2】
前記生成部は、
前記所定期間を複数の生成期間に分割し、
各生成期間について、当該生成期間における前記ユーザの感覚に基づいて複数の部分画像を生成し、
前記複数の部分画像を連結して前記画像を生成する、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記複数の部分画像がシームレスに接続するように前記複数の部分画像を連結する、
請求項2に記載の画像生成装置。
【請求項4】
前記生成部は、
各生成期間について、あらかじめ設定された複数の感覚のうちユーザに優位に感じられた感覚を特定し、
各生成期間において特定された感覚に基づいて当該生成期間に対応する部分画像を生成する、
請求項2に記載の画像生成装置。
【請求項5】
前記生成部は、各生成期間について、前記複数の感覚のうち、ユーザに最も優位に感じられた一つの感覚を特定する、
請求項4に記載の画像生成装置。
【請求項6】
前記感覚データは、TI(Time Intensity)法、TDS(Temporal Dominance of Sensations)法またはTCATA(Temporal Check All That Apply)法に基づいて生成される、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項7】
前記生成部は、前記感覚データに基づいてさらに音声を生成し、
前記出力部は、前記音声をさらに出力する、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項8】
前記感覚データは、複数の化粧品を所定の順序で使用するユーザの感覚の変化を表し、
前記生成部は、前記複数の化粧品についての感覚データに基づいて一つの動画像を生成する、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項9】
前記取得部は、前記ユーザが化粧品を使用している所定期間のセンサデータをさらに取得し、
前記生成部は、前記センサデータにさらに基づいて前記画像を生成する、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項10】
前記生成部は、前記感覚データに基づいて、前記画像として動画像を生成する、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項11】
ユーザが化粧品を使用している所定期間における前記ユーザの感覚を表す感覚データを取得し、
前記感覚データに基づいて画像を生成し、
前記画像を出力する、
ことを含むことを特徴とする画像生成方法。
【請求項12】
化粧品が使用されている所定期間において前記化粧品の使用者が感じる感覚を表現するための用語を示す感覚用語情報を取得する取得段階と、
前記感覚用語情報に基づいて画像を生成する生成段階と、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータに、請求項11又は請求項12に記載の方法を実行させるための、プログラム。
【請求項14】
化粧品が使用されている所定期間において前記化粧品の使用者が感じる感覚を表現するための用語を示す感覚用語情報を取得する取得部と、
前記感覚用語情報に基づいて画像を生成する生成部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項15】
前記生成部は、
複数の用語と、複数の動画像とが対応付けられた記憶装置を参照して、前記取得部が取得した前記感覚用語情報により示される用語に対応付けられた動画像を抽出し、
前記抽出された動画像に基づいて、前記画像を生成する、
請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
ユーザが化粧品を使用している所定期間における前記ユーザの感覚を表す感覚データに基づいて生成された画像を記憶する記憶部と、
所定のタイミングで、前記画像を出力する出力部と、
を有することを特徴とする画像出力装置。
【請求項17】
ユーザが化粧品を使用している所定期間における前記ユーザの感覚を表す感覚データに基づいて生成された画像を記憶し、
所定のタイミングで、前記画像を出力する、
ことを含むことを特徴とする画像出力方法。
【請求項18】
化粧品が使用されている所定期間において前記化粧品の使用者が感じる感覚を表現するための用語を示す感覚用語情報に基づいて生成された画像を記憶する記憶段階と、
所定のタイミングで、前記画像を出力する出力段階と、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項19】
コンピュータに、請求項17又は請求項18に記載の方法を実行させるための、プログラム。
【請求項20】
化粧品が使用されている所定期間において前記化粧品の使用者が感じる感覚を表現するための用語を示す感覚用語情報に基づいて生成された画像を記憶する記憶部と、
所定のタイミングで、前記画像を出力する出力部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像生成装置、画像生成方法、情報処理方法、情報処理装置、画像出力装置、画像出力方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品の使用感覚は、しばしば「なめらか」、「しっとり」といった感覚的な表現を用いて伝えられる。しかしながら、これらの表現から各人が受ける印象は異なる。そこで、化粧品の使用感覚を伝えるための、このような感覚的な表現とは異なる方法が求められている。
【0003】
特許文献1には、人が食品を喫食したときに感じる風味を表す風味データに基づいて視覚的要素データを生成し、ディスプレイに表示する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6725123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
動画像を用いて化粧品の使用感覚を視覚的に表現することにより、化粧品を使用している間の使用感覚をユーザに伝達することが可能となる。
【0006】
本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、化粧品の使用感覚を視覚的に表現することを可能とする画像生成装置、画像生成方法、情報処理方法、情報処理装置、画像出力装置、画像出力方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る画像生成装置は、ユーザが化粧品を使用している所定期間におけるユーザの感覚を表す感覚データを取得する取得部と、感覚データに基づいて画像を生成する生成部と、画像を出力する出力部と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、生成部は、所定期間を複数の生成期間に分割し、各生成期間について、当該生成期間におけるユーザの感覚に基づいて部分画像を生成し、複数の部分画像を連結して画像を生成することが好ましい。
【0009】
また、生成部は、複数の部分画像がシームレスに接続するように複数の部分画像を連結することが好ましい。
【0010】
また、生成部は、各生成期間について、あらかじめ設定された複数の感覚のうちユーザに優位に感じられた感覚を特定し、各生成期間において特定された感覚に基づいて生成期間に対応する部分画像を生成することが好ましい。
【0011】
また、生成部は、各生成期間について、複数の感覚のうち、ユーザに最も優位に感じられた一つの感覚を特定することが好ましい。
【0012】
また、感覚データは、TI(Time Intensity)法、TDS(Temporal Dominance of Sensations)法またはTCATA(Temporal Check All That Apply)法に基づいて生成されることが好ましい。
【0013】
また、生成部は、感覚データに基づいてさらに音声を生成し、出力部は、音声をさらに出力することが好ましい。
【0014】
また、感覚データは、複数の化粧品を所定の順序で使用するユーザの感覚の変化を表し、生成部は、複数の化粧品についての感覚データに基づいて一つの画像を生成することが好ましい。
【0015】
また、取得部は、ユーザが化粧品を使用している所定期間のセンサデータをさらに取得し、生成部は、センサデータにさらに基づいて画像を生成することが好ましい。
【0016】
また、生成部は、感覚データに基づいて、画像として動画像を生成することが好ましい。
【0017】
本発明の実施形態に係る画像生成方法は、ユーザが化粧品を使用している所定期間におけるユーザの感覚を表す感覚データを取得し、感覚データに基づいて画像を生成し、画像を出力する、ことを含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の実施形態に係る情報処理方法は、化粧品が使用されている所定期間において化粧品の使用者が感じる感覚を表現するための用語を示す感覚用語情報を取得する取得段階と、感覚用語情報に基づいて画像を生成する生成段階と、を有することを特徴とする。
【0019】
本発明の実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、請求項11又は請求項12に記載の方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
本発明の実施形態に係る情報処理装置は、化粧品が使用されている所定期間において化粧品の使用者が感じる感覚を表現するための用語を示す感覚用語情報を取得する取得部と、感覚用語情報に基づいて画像を生成する生成部と、を有することを特徴とする。
【0021】
また、生成部は、複数の用語と、複数の動画像とが対応付けられた記憶装置を参照して、取得部が取得した感覚用語情報により示される用語に対応付けられた動画像を抽出し、抽出された動画像に基づいて、画像を生成することが好ましい。
【0022】
本発明の実施形態に係る画像出力装置は、ユーザが化粧品を使用している所定期間におけるユーザの感覚を表す感覚データに基づいて生成された画像を記憶する記憶部と、所定のタイミングで、画像を出力する出力部と、を有することを特徴とする。
【0023】
本発明の実施形態に係る画像出力方法は、ユーザが化粧品を使用している所定期間におけるユーザの感覚を表す感覚データに基づいて生成された画像を記憶し、所定のタイミングで、画像を出力する、ことを特徴とする。
【0024】
本発明の実施形態に係る情報処理方法は、化粧品が使用されている所定期間において化粧品の使用者が感じる感覚を表現するための用語を示す感覚用語情報に基づいて生成された画像を記憶する記憶段階と、所定のタイミングで、画像を出力する出力段階と、を有することを特徴とする。
【0025】
本発明の実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、上記の方法を実行させることを特徴とする。
【0026】
本発明の実施形態に係る情報処理装置は、化粧品が使用されている所定期間において化粧品の使用者が感じる感覚を表現するための用語を示す感覚用語情報に基づいて生成された画像を記憶する記憶部と、所定のタイミングで、画像を出力する出力部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一実施形態に係る画像生成装置、画像生成方法、情報処理方法、情報処理装置、画像出力装置、画像出力方法およびプログラムは、化粧品の使用感覚を視覚的に表現することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】動画像生成システム1の概略構成の例を示す図である。
図2】動画像生成装置3の例示的な機能ブロック図である。
図3】動画像選択画面G1の例を示す図である。
図4】化粧品テーブルT1のデータ構造の例を示す図である。
図5】感覚データT2のデータ構造の例を示す図である。
図6】複数の感覚のそれぞれに対応する動画像の例を示す図である。
図7】動画像生成処理の流れの例を示すフロー図である。
図8】動画像送信処理の流れの例を示すフロー図である。
図9】(A)は動画像選択画面G2の例を示す図であり、(B)は化粧品提示画面G3の例を示す図である。
図10】化粧品提示処理の流れの例を示すフロー図である。
図11】(A)は感覚データ入力画面G4の例を示す図であり、(B)は動画像提示画面G5の例を示す図である。
図12】動画像提示処理の流れの例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明及びその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0030】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る動画像生成システム1の概略構成の例を示す図である。動画像生成システム1は、ユーザが化粧品の塗布を開始してからの経過時間に応じたユーザの感覚の変化に基づく動画像を表示する。動画像生成システム1は、インターネット等のネットワークNを介して通信する表示端末2および動画像生成装置3を有する。動画像生成装置3は、画像生成装置および画像出力装置の一例である。
【0031】
動画像生成装置3は、情報処理装置の一例であってよい。動画像生成装置3により実行される画像生成方法は、情報処理方法の一例であってよい。動画像生成装置3により実行される画像出力方法は、情報処理方法の一例であってよい。上記の情報処理方法を構成する1以上の段階の少なくとも一部は、例えば、コンピュータにより実行される。
【0032】
化粧品を塗布しているユーザは、化粧品の使用者の一例であってよい。第1実施形態において、上記のユーザは、化粧品の使用者であってよい。他の実施形態において、上記のユーザは、動画像生成システム1の利用者、管理者、運用者又は所有者(利用者等と称される場合がある。)であってもよい。さらに他の実施形態において、上記のユーザは、表示端末2の利用者等であってもよい。さらに他の実施形態において、上記のユーザは、動画像生成装置3の利用者等であってもよい。上記のユーザは、化粧品を使用する被験者等であってもよい。
【0033】
第1実施形態において、化粧品の使用者、動画像生成システム1の利用者等、表示端末2の利用者等、及び、動画像生成装置3の利用者等が、互いに異なってよい。他の実施形態において、化粧品の使用者、動画像生成システム1の利用者等、表示端末2の利用者等、及び、動画像生成装置3の利用者等の少なくとも2つが、同一であってよい。
【0034】
表示端末2は、ユーザが所持するPC(Personal Computer)、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、携帯ゲーム機等のコンピュータである。表示端末2は、動画像生成装置3から動画像を受信して表示する。
【0035】
上述されたとおり、表示端末2のユーザは、化粧品の使用者と同一人物であってもよく、化粧品の使用者とは異なる人物であってもよい。同様に、表示端末2のユーザは、動画像生成装置3の利用者等と同一人物であってもよく、動画像生成装置3の利用者等とは異なる人物であってもよい。
【0036】
図2は、動画像生成装置3の例示的な機能ブロック図である。動画像生成装置3は、サーバ、PC、スマートフォン、携帯電話機、携帯ゲーム機等のコンピュータである。動画像生成装置3は、ユーザが化粧品の塗布を開始してからの経過時間に応じたユーザの感覚の変化に基づく動画像を生成する。動画像生成装置3は、記憶部31、通信部32および処理部33を有する。
【0037】
記憶部31は、プログラムおよびデータを記憶するための構成であり、例えば半導体メモリを備える。記憶部31が記憶するプログラムは、処理部33による処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラムおよびアプリケーションプログラムを含む。プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)またはDVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能かつ非一時的な可搬型記憶媒体から記憶部31にインストールされる。
【0038】
通信部32は、動画像生成装置3を他の装置と通信可能にするための構成であり、通信インタフェース回路を備える。通信部32が備える通信インタフェース回路は、無線LAN(Local Area Network)または有線LAN等の通信インタフェース回路である。通信部32は、処理部33から供給されたデータを他の装置に送信するとともに、他の装置から受信したデータを処理部33に供給する。
【0039】
処理部33は、動画像生成装置3の動作を統括的に制御するための構成であり、一つまたは複数のプロセッサおよびその周辺回路を備える。例えば、処理部33は、CPU(Central Processing Unit)を備える。処理部33は、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を備えてもよい。処理部33は、記憶部31に記憶されているプログラムおよび通信部32から供給されたデータに基づいて各種の処理を実行する。
【0040】
処理部33は、取得部331、生成部332、出力部333、受付部334および送信部335を有する。これらの各部は、処理部33によって実行されるプログラムに基づいて実現される機能モジュールである。これらの各部は、専用の処理回路として動画像生成装置3に実装されてもよい。
【0041】
図3は、動画像生成装置3から送信される表示データに基づいて表示端末2に表示される動画像選択画面G1の例を示す図である。動画像選択画面G1は、例えば、ウェブブラウザアプリケーションプログラムを実行する表示端末2が動画像生成装置3に動画像選択画面G1の表示データを要求したことに応じて表示される。動画像選択画面G1は、複数の化粧品の情報G11と、各化粧品に対応する複数の動画像オブジェクトG12とを含む。
【0042】
化粧品の情報G11は、一つの化粧品を特定する情報である。図3に示す例では、化粧品の情報G11は化粧品の画像である。このような例に限られず、化粧品の情報G11は、製品名等でもよい。
【0043】
動画像オブジェクトG12は、各化粧品に対応する動画像を表示するためのオブジェクトである。複数の動画像オブジェクトG12のうちのいずれかが選択されると、選択された動画像オブジェクトG12に対応する動画像が再生される。
【0044】
処理部33は、情報処理装置の一例であってよい。処理部33により実行される画像生成方法は、情報処理方法の一例であってよい。処理部33により実行される画像出力方法は、情報処理方法の一例であってよい。
【0045】
図4は、記憶部31に記憶される化粧品テーブルT1のデータ構造の例を示す図である。化粧品テーブルT1は、複数の種類の化粧品のそれぞれについて、感覚データを記憶する。感覚データは、ユーザが各化粧品の塗布を開始してからの所定期間におけるユーザの感覚の変化を表すデータである。
【0046】
感覚データは、例えばTDS(Temporal Dominance of Sensations)法に基づいて生成される。この場合、複数の被験者は、化粧品の塗布を開始してからの所定期間において、あらかじめ設定された複数の感覚のうち最も優位に感じられた感覚の変化を回答する。その後、所定期間内の各時間において、各感覚がどの程度多くの被験者に優位に感じられたかを示す時系列データであるDR(Dominance Rate)が算出される。図4に示す例では、化粧品テーブルT1は、各経過時間における各感覚のDRを感覚データとして記憶している。また、図4に示す例では、複数の感覚は、「こくがある」、「みずみずしい」、「なめらか」、「しみこんでいく」、「しっとり」、「もちもち」の6種類の感覚である。なお、感覚は、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、及び、味覚のいずれを含んでいても良く、例えば、化粧品基剤の見た目や肌の見た目に関する感覚、化粧品基剤の温冷感や肌表面の凹凸感、塗布時の運動や振動に関する感覚、及び、化粧品基剤の香りに関する感覚を含んでいても良い。また、感覚を表す表現は、ユーザが感覚を感じた際の言葉であれば特に限定されず、多様な表現が含まれる。
【0047】
感覚データは、例えば、物品又はサービスが使用又は利用されている(単に、物品が使用されていると称される場合がある。)所定期間において当該物品の使用者又は当該サービスの利用者(単に、使用者と称される場合がある。)が感じる感覚を表現するための用語を示す情報(感覚用語情報と称される場合がある。)を含む。感覚データは、感覚用語情報の一例であってよい。化粧品は、物品の一例であってよい。
【0048】
感覚を表現するための用語は特に限定されるものではないが、当該用語としては、官能検査用語が例示される。感覚を表現するための用語は、例えば、TDS(Temporal Dominance of Sensations)法、TI(Time Intensity)法、TCATA(Temporal Check All That Apply)法、JIS Z 8144:2004に規定される官能検査方法、及び、これらに準拠する方法により決定される。
【0049】
使用者が感じる感覚としては、味覚、嗅覚、触覚、視覚及び聴覚の少なくとも1つが例示される。上記の感覚は、嗅覚、触覚及び聴覚の少なくとも1つであってよい。触覚は、皮膚又は粘膜を刺激することによって引き起こされる感覚であればよく、筋感覚、温覚、冷覚及び痛覚を含む概念であってよい。触覚を表現するための用語は、物体の材質、表面構造などにより生じる当該物体の表面に関する触覚(テクスチャーと称される場合がある。)を示す用語を含んでもよい。
【0050】
感覚データは、感覚の種類を識別するための情報と、当該感覚の強さの度合い(強度と称される場合がある。)を示す情報と、を含んでよい。感覚データは、時刻又は期間を示す情報と、当該時刻において使用者が感じる1以上の感覚のそれぞれの種類を識別するための情報と、当該時刻における当該1以上の感覚のそれぞれの強度を示す情報とが対応付けられた情報であってもよい。
【0051】
(化粧品テーブルT1の生成処理)
動画像生成システム1、動画像生成装置3又は処理部33は、物品又はサービスを識別するための識別情報と、当該識別情報により識別される当該物品又は当該サービスが使用又は利用されている所定期間において当該物品の使用者又は当該サービスの利用者が感じる感覚を表現するための用語を示す情報とを対応づけて格納するデータベースを管理する情報処理装置(データベース管理装置と称される場合がある。)の一例であってよい。化粧品テーブルT1は、上記のデータベースの一例であってよい。
【0052】
上記のデータベース管理装置は、例えば、物品又はサービスを識別するための識別情報を取得する第1情報取得部を備える。上記のデータベース管理装置は、例えば、上記の識別情報により識別される物品又はサービスが使用又は利用されている所定期間において当該物品の使用者又は当該サービスの利用者が感じる感覚を表現するための用語を示す情報(上述された感覚用語情報である。)を取得する第2情報取得部を備える。上記のデータベース管理装置は、例えば、第1情報取得部が取得した識別情報と、第2情報取得部が取得した感覚用語情報とを対応付けて、任意の記憶装置に格納する用語情報管理部とを備える。
【0053】
上記のデータベース管理装置において、第2情報取得部は、TDS(Temporal Dominance of Sensations)法、TI(Time Intensity)法、TCATA(Temporal Check All That Apply)法、JIS Z 8144:2004に規定される官能検査方法、及び、これらに準拠する方法の少なくとも1つに基づいて、上述された感覚用語情報を取得してよい。上記のデータベース管理装置において、第2情報取得部は、例えば、まず、物品又はサービスが使用又は利用されている所定期間に含まれる複数の時点のそれぞれにおいて、当該物品の使用者又は当該サービスの利用者に対して、当該使用者又は当該利用者が感じている感覚の回答を促すための情報を出力する。第2情報取得部は、次に、上記の使用者若しくは利用者からの回答を受け付ける。第2情報取得部は、次に、例えば回答がTDS法で受け付けられた場合、物品又はサービスが使用または利用されている所定の期間に含まれる複数の時点のそれぞれにおいて、複数のユーザの回答に基づいて感覚ごとに回答した人数の全体人数に対する割合(上述されたDR)を算出する。第2情報取得部は、例えば、感覚ごとのDRに基づいて、最も回答した人数の多い(最もDRが高い)感覚を感覚用語情報として選定することができる。なお、第2情報取得部は、算出したDRに対して既知の方法(多項式補間やスプライン補間等)によりデータ補間を行い、データ補間後の割合をDRとして用いるようにしてもよい。
【0054】
図5は、記憶部31に記憶される感覚テーブルT2のデータ構造の例を示す図である。感覚テーブルT2は、複数の感覚のそれぞれに対応する一つまたは複数の動画像および色を記憶する。図5に示す例では、6種類の感覚のそれぞれについて、一つの動画像および複数の色が記憶されている。動画像および色は、各感覚のイメージに沿うようにあらかじめ設定される。後述するように、感覚テーブルT2に記憶された動画像および色に基づいて、化粧品に対応する動画像が生成される。
【0055】
第1実施形態においては、感覚テーブルT2が、複数の感覚のそれぞれに対応する一つまたは複数(1以上と称される場合がある。)の動画像と、色とを記憶する場合を例として、動画像生成システム1の詳細が説明された。しかしながら、動画像生成システム1は第1実施形態に限定されない。
【0056】
他の実施形態において、感覚テーブルT2は、1以上の感覚のそれぞれについて、(a)当該感覚の種類を識別するための識別情報と、(b)当該感覚に対応する1以上の動画像を示す情報とを対応付けて格納する。さらに他の実施形態において、感覚テーブルT2は、1以上の感覚のそれぞれについて、(a)当該感覚の種類を識別するための識別情報と、(b)当該感覚に対応する1以上の動画像を示す情報と、(c)当該1以上の動画像の少なくとも1つに施される編集に関する情報(画像編集情報と称される場合がある。)と、を対応付けて格納する。
【0057】
上記の動画像を示す情報としては、当該動画像のデータ、当該動画像を識別するための各種の識別情報、当該動画像のURI(Uniform Resource Identifier)などが例示される。上記の画像編集情報としては、(a)動画像に施されるエフェクト又はフィルタの種類、(b)当該エフェクト又はフィルタの強度、(c)当該動画像を構成するフレームにおける当該エフェクトが施される領域の位置、大きさ、及び範囲又は形状の少なくとも1つ、(d)動画像の再生速度、並びに、(e)動画像に付与される音の種類及び/又は大きさ及び/又はピッチ、(f)動画像に付与される音の再生速度からなる群から選択される少なくとも1つを示す情報が例示される。エフェクト又はフィルタとしては、色相及び/又は彩度及び/又は明度の調整、文字又は図形の追加、透明度及び又はコントラストの変更、動画の重ね合わせ(同サイズ、サイズ違い)、フェードイン・フェードアウトなどが例示される。
【0058】
これにより、感覚の種類が特定されれば、感覚テーブルT2に記憶された情報により示される動画像と、画像編集情報とに基づいて、当該感覚の種類に適した動画像が生成され得る。例えば、動画像生成システム1は、(a)物品又はサービスを識別するための情報と、1以上の感覚の種類とが対応付けられた情報と、(b)感覚テーブルT2に記憶された情報とに基づいて、当該物品又はサービスに対応する動画像を生成する。上述されたとおり、化粧品テーブルT1は、物品又はサービスを識別するための情報と、1以上の感覚の種類とが対応付けられた情報の一例であってよい。
【0059】
より具体的には、動画像生成システム1は、まず、動画像の生成処理の対象となる物品を決定する。例えば、動画像生成システム1は、動画像生成システム1の利用者等からの指示又は操作に基づいて、上記の物品の種類を特定する。物品の種類を示す情報は、物品を識別するための情報の一例であってよい。次に、動画像生成システム1は、物品を識別するための情報と、1以上の感覚の種類とが対応付けられた情報を格納する記憶装置を参照して、上記の特定された物品に対応付けられた1以上の感覚の種類を示す情報を抽出する。
【0060】
単一の種類の感覚が抽出された場合、動画像生成システム1は、例えば、感覚テーブルT2を参照して、当該抽出された感覚に対応づけられた1以上の動画像を示す情報を抽出する。複数の種類の感覚が抽出された場合、動画像生成システム1は、例えば、抽出された複数の感覚のそれぞれについて、感覚テーブルT2を参照して、当該感覚に対応づけられた1以上の動画像を示す情報を抽出する。
【0061】
複数の種類の感覚が抽出された場合、動画像生成システム1は、抽出された複数の感覚のうちの少なくとも1つについて、感覚テーブルT2を参照して、当該感覚に対応づけられた1以上の動画像を示す情報を抽出してもよい。この場合、動画像生成システム1は、例えば、抽出された複数の感覚のDRに基づいて、抽出された複数の感覚のうち、動画像を抽出する処理の対象となる少なくとも1つの感覚を決定する。
【0062】
動画像生成システム1は、感覚テーブルT2に記憶された情報と、特定された感覚の強度を示す情報に基づいて、当該物品又はサービスに対応する動画像を生成してもよい。例えば、特定された感覚の強度に基づいて動画像の再生速度が決定されたり、当該強度に基づいて動画像のサイズが決定されたり、当該強度に基づいて動画像を編集する強度が決定されたりする。
【0063】
感覚テーブルT2は、複数の用語と、複数の動画像とが対応付けられた情報の一例であってよい。動画像生成システム1、動画像生成装置3又は記憶部31は、記憶装置の一例であってよい。
【0064】
動画像生成システム1、動画像生成装置3又は処理部33は、1以上の感覚のそれぞれの種類を識別するための識別情報と、当該識別情報により識別される感覚の種類に対応する1以上の動画像を示す情報とを対応付けて格納するデータベースを管理する情報処理装置(データベース管理装置と称される場合がある。)の一例であってよい。感覚テーブルT2は、上記のデータベースの一例であってよい。
【0065】
(感覚テーブルT2の生成処理)
上記のデータベース管理装置は、例えば、1以上の感覚のそれぞれについて、複数の動画像の中から、当該感覚に適した1以上の動画像を決定する画像決定部を備える。画像決定部は、1以上の感覚のそれぞれを識別するための識別情報と、各感覚に適していることが決定された1以上の動画像のそれぞれを示す情報を対応付けて、任意の記憶装置に格納してよい。
【0066】
上記のデータベース管理装置は、例えば、1以上の感覚のそれぞれについて、当該感覚に適した1以上の動画像の少なくとも1つに施される編集の内容を決定する編集内容決定部を備える。編集内容決定部は、1以上の感覚のそれぞれを識別するための識別情報と、各感覚に対応する1以上の動画像を示す情報と、当該1以上の動画像の少なくとも1つに施される編集の内容に関する情報とを対応付けて、任意の記憶装置に格納してよい。例えば、「こくがある」という感覚に適している動画像は、予め、複数の動画像に対して、複数の評価者から得られた「こくがある」という印象を受けた感覚に関する回答の程度に応じて重みづけされて平均された点数が最も高い動画像(例えば、はちみつのような粘度がある液体が垂れている様子を示す動画像)として決定される。
【0067】
図6は、複数の感覚のそれぞれに対応する動画像の例を示す図である。図6では、上述の6種類の感覚のそれぞれに対応する動画像の例が示されている。
【0068】
図6(A)は、「こくがある」の感覚に対応する動画像の例を示す図である。図6(A)に示すように、「こくがある」の感覚に対応する動画像は、はちみつのような粘度がある液体が垂れている様子を示す動画像である。
【0069】
図6(B)は、「みずみずしい」の感覚に対応する動画像の例を示す図である。図6(B)に示すように、「みずみずしい」の感覚に対応する動画像は、水面に水滴が落ちて波紋が広がっている様子を示す動画像である。
【0070】
図6(C)は、「なめらか」の感覚に対応する動画像の例を示す図である。図6(C)に示すように、「なめらか」の感覚に対応する動画像は、液体が横方向に流れている様子を示す動画像である。
【0071】
図6(D)は、「しみこんでいく」の感覚に対応する動画像の例を示す図である。図6(D)に示すように、「しみこんでいく」の感覚に対応する動画像は、水中で泡が動いている様子を示す動画像である。
【0072】
図6(E)は、「しっとり」の感覚に対応する動画像の例を示す図である。図6(E)に示すように、「しっとり」の感覚に対応する動画像は、液体が上から垂れている様子を示す動画像である。
【0073】
図6(F)は、「もちもち」の感覚に対応する動画像の例を示す図である。図6(F)に示すように、「もちもち」の感覚に対応する動画像は、弾性を有する球体がぶつかっている様子を示す動画像である。
【0074】
図7は、動画像生成装置3によって実行される動画像生成処理の流れの例を示すフロー図である。動画像生成処理は、複数の化粧品のそれぞれに対応する複数の動画像を生成するために、あらかじめ実行される。動画像生成処理は、記憶部31に記憶されたプログラムに基づいて、処理部33が動画像生成装置3の他の構成と協働することにより実現される。
【0075】
最初に、取得部331は、動画像が生成される化粧品の感覚データを取得する(ステップS11)。例えば、取得部331は、動画像が生成される化粧品の感覚データを感覚データテーブルT1から取得する。取得部331は、通信部32を介して感覚データを他の装置から受信することにより取得してもよい。
【0076】
次に、生成部332は、感覚データが示す期間を複数の生成期間に分割する(ステップS12)。後述するように、複数の生成期間のそれぞれについて部分動画像が生成され、部分動画像が連結されることにより化粧品の動画像が生成される。例えば、生成部332は、それぞれの生成期間の長さが等しくなるように期間を所定数の生成期間に分割する。所定数は、例えば3である。この場合、生成部332は、感覚データが示す期間を塗布開始直後の期間、塗布中の期間、塗布後の期間の3つの生成期間に分割する。
【0077】
次に、生成部332は、複数の生成期間のうちから、部分動画像を生成する一つの生成期間を選択する(ステップS13)。生成部332は、既定の順序に従って一つの生成期間を選択する。例えば、生成部332は、複数の生成期間のうち、最も前の期間を選択する。ただし、これに限るものではなく、生成部332は、例えば、最も長い期間や最も短い期間等を選択するようにしてもよい。
【0078】
次に、生成部332は、選択された生成期間においてユーザに最も優位に感じられた感覚を特定する(ステップS14)。例えば、生成部332は、選択された生成期間におけるDRが最大である感覚を、ユーザに最も優位に感じられた感覚として特定する。生成期間において複数の感覚のDRが最大となった場合には、生成部332は、DRが最大であった時間が最も長い感覚をユーザに最も優位に感じられた感覚として特定してもよく、DRを時間で積分した値が最大である感覚をユーザに最も優位に感じられた感覚として特定してもよい。
【0079】
次に、生成部332は、特定された感覚に基づいて、選択された生成期間についての部分動画像を生成する(ステップS15)。例えば、生成部332は、感覚テーブルT2において、特定された感覚に対応付けられた動画像を取得する。生成部332は、取得した動画像の再生時間の長さが生成期間の長さと同一になるように、取得した動画像の再生時間を伸縮することにより、選択された生成期間についての部分動画像を生成する。
【0080】
生成部332は、感覚データに基づいて部分動画像を編集してもよい。例えば、生成部332は、感覚データに基づいて部分動画像の色を変更してもよい。この場合、生成部332は、感覚テーブルT2において、生成期間においてユーザに最も優位に感じられた感覚に対応付けられた色を取得する。生成部332は、部分動画像の色の色相を取得した色の色相に変更する。生成部332は、感覚データが示す各感覚のDRに基づいて、各感覚に対応する色を重み付けした色を取得してもよい。色としては、色相、彩度及び明度の少なくとも1つが例示され、色相は色を構成する要素の1つである。
【0081】
次に、生成部332は、全ての生成期間について部分動画像が生成されたか否かを判定する(ステップS16)。
【0082】
全ての生成期間について部分動画像が生成されていない場合(ステップS16-No)、動画像生成処理はステップS12に戻り、生成部332はまだ部分動画像が生成されていない生成期間のうちから、部分動画像を生成する一つの生成期間を選択する。
【0083】
全ての生成期間について部分動画像が生成された場合(ステップS16-Yes)、生成部332は、複数の生成期間のそれぞれについて生成された部分動画像を連結して一つの動画像を生成する(ステップS17)。例えば、生成部332は、複数の部分動画像を、各部分動画像が対応する生成期間の順番と同じ順番で連結する。
【0084】
生成部332は、複数の動画像がシームレスに接続するように複数の動画像を連結してもよい。動画像をシームレスに接続するとは、二つの動画像の切替時点において所定の特殊効果を加えることをいう。所定の特殊効果は、例えば切替時点の前後において前の動画像の透明度を徐々に増加させ、かつ後の動画像の透明度を徐々に減少させる効果をいう。
【0085】
次に、出力部333は、生成された動画像を出力する(ステップS18)。例えば、出力部333は、生成された動画像を記憶部31に出力し、化粧品に関連付けて記憶する。以上で、動画像生成処理は終了する。
【0086】
図8は、動画像送信処理の流れの例を示すフロー図である。動画像送信処理は、例えば、表示端末2が動画像生成装置3に動画像選択画面G1の表示データを要求したことに応じて実行される。動画像送信処理は、記憶部31に記憶されたプログラムに基づいて、処理部33が動画像生成装置3の他の構成と協働することにより実現される。
【0087】
最初に、受付部334は、ユーザによる動画像の選択を受け付ける(ステップS21)。受付部334は、通信部32を介して、動画像選択画面G1の表示データを表示端末2に送信する。表示端末2は、動画像選択画面G1を表示し、複数の動画像オブジェクトG12のうちのいずれかを選択する操作を受け付ける。受付部334は、通信部32を介して、選択された動画像オブジェクトG12を特定する情報を受信することにより、動画像の選択を受け付ける。
【0088】
次に、送信部335は、選択された動画像を記憶部31から取得して、通信部32を介して表示端末2に送信する(ステップS22)。表示端末2は、動画像を受信して表示する。以上で、動画像送信処理が終了する。
【0089】
以上のとおり、動画像生成装置3において、取得部331はユーザが化粧品の塗布を開始してからの経過時間に応じたユーザの感覚の変化を表す感覚データを取得し、生成部332は感覚データに基づいて動画像を生成する。これにより、動画像生成装置3は、化粧品の使用感覚の時系列的な変化を視覚的に表現することを可能とする。
【0090】
また、生成部332は、感覚データが示す所定期間を複数の生成期間に分割し、各生成期間について部分動画像を生成し、各生成期間に対応する複数の部分動画像を連結して動画像を生成する。これにより、動画像生成装置3は、生成期間ごとの化粧品の使用感覚を視覚的に表現することを可能とする。
【0091】
また、生成部332は、複数の部分動画像がシームレスに接続するように複数の部分動画像を連結する。これにより、動画像生成装置3は、化粧品の使用感覚が徐々に変化する様子を視覚的に表現することを可能とする。
【0092】
また、生成部332は、各生成期間においてユーザに最も優位に感じられた感覚を特定し、特定された感覚に基づいて部分動画像を生成する。これにより、動画像生成装置3は、ユーザに優位に感じた使用感覚を視覚的に表現することを可能とする。
【0093】
(第1実施形態の変形例1)
上述した第1実施形態では、動画像生成装置3は化粧品の情報G11と動画像オブジェクトG12とを含む動画像選択画面G1を表示端末2に表示させるものとした。このような例に限られず、動画像生成装置3は、化粧品の情報を含まない動画像選択画面を表示端末2に表示させてもよい。この場合、動画像生成装置3は、ユーザによる動画像の選択を受け付け、選択された動画像に対応する化粧品をユーザに提示する。
【0094】
図9(A)は、表示端末2に表示される、化粧品の情報を含まない動画像選択画面G2の例を示す図である。動画像選択画面G3は、複数の動画像オブジェクトG21および各動画像オブジェクトG21に対応する複数の選択オブジェクトG22を含む。
【0095】
動画像オブジェクトG21は、複数の化粧品のそれぞれに対応する複数の動画像のうちのいずれかを表示するためのオブジェクトである。複数の動画像オブジェクトG21のうちのいずれかが選択されると、選択された動画像オブジェクトG21に対応する動画像が再生される。
【0096】
選択オブジェクトG22は、複数の動画像のうちのいずれかを選択するためのオブジェクトである。ユーザは、複数の動画像オブジェクトG21を選択して各動画像オブジェクトG21に対応する動画像を表示端末2に再生させる。その後、ユーザは、再生された動画像のうち自身の好みに合致した一つの動画像に対応する選択オブジェクトG22を選択する。
【0097】
図9(B)は、表示端末2に表示される化粧品提示画面G3の例を示す図である。化粧品提示画面G3は、化粧品の情報をユーザに提示するための画面である。図9(B)に示す例では、化粧品の情報は化粧品の画像である。このような例に限られず、化粧品の情報は、製品名等でもよい。
【0098】
図10は、動画像生成装置3によって実行される化粧品提示処理の流れの例を示す図である。化粧品提示処理は、ユーザによって選択された動画像に対応する化粧品の情報を提示するための処理である。化粧品提示処理は、例えば、表示端末2が動画像生成装置3に動画像選択画面G2の表示データを要求したことに応じて実行される。化粧品提示処理は、記憶部31に記憶されたプログラムに基づいて、処理部33が動画像生成装置3の他の構成と協働することにより実現される。
【0099】
最初に、受付部334は、ユーザによる動画像の選択を受け付ける(ステップS31)。受付部334は、通信部32を介して、動画像選択画面G2の表示データを表示端末2に送信する。表示端末2は、動画像選択画面G2を表示し、複数の選択オブジェクトG22のうちのいずれかを選択する操作を受け付ける。受付部334は、通信部32を介して、ユーザによって選択された選択オブジェクトG22を特定する情報を受信することにより、動画像の選択を受け付ける。
【0100】
次に、送信部335は、選択された動画像に対応する化粧品の情報を提示する(ステップS32)。選択された動画像に対応する化粧品は、選択された動画像を生成するために用いられた感覚データに対応する化粧品である。送信部335は、選択された動画像に対応する化粧品の情報を含む化粧品提示画面G3の表示データを生成する。送信部335は、通信部32を介して表示データを表示端末2に送信することにより、化粧品の情報を提示する。以上で、化粧品提示処理は終了する。
【0101】
このように、動画像生成装置3は、複数の動画像のうち、ユーザによって選択された動画像に対応する化粧品の情報を提示する。これにより、動画像生成装置3は、ユーザの好みに合致した使用感覚の化粧品を提示することを可能とする。
【0102】
(第1実施形態の変形例2)
上述した第1実施形態では、感覚データは各経過時間において各感覚がどの程度多くの被験者に優位に感じられたかを示すDRを含むものとした。このような例に限られず、感覚データは、特定のユーザが化粧品の塗布を開始してからの各経過時間において最も優位に感じた感覚を示すデータでもよい。この場合、動画像生成装置3は、表示端末2のユーザが優位に感じた感覚を示す感覚データの入力を受け付ける。動画像生成装置3は、入力された感覚データに基づいて、動画像を生成する。
【0103】
図11(A)は、表示端末2に表示される感覚データ入力画面G4の例を示す図である。感覚データ入力画面G4は、表示端末2のユーザが優位に感じた感覚を示す感覚データの入力を受け付けるための画面である。感覚データ入力画面G4は、複数の生成期間のそれぞれに対応する入力オブジェクトG41を含む。図11(A)に示す例では、複数の生成期間は、化粧品の塗布を開始した直後の期間、化粧品を塗布している間の期間、化粧品の塗布後の期間である。
【0104】
入力オブジェクトG41は、複数の生成期間のそれぞれについて、ユーザが優位に感じた感覚の入力を受け付けるためのオブジェクトである。ユーザは、化粧品を使用した後、複数の生成期間のそれぞれについて、入力オブジェクトG41が示す複数の感覚のうち、最も優位に感じたものを入力する。
【0105】
図11(B)は、表示端末2に表示される動画像提示画面G5の例を示す図である。動画像提示画面G5は、感覚データ入力画面G4において複数の生成期間のそれぞれについて入力オブジェクトG41に対する入力がされた場合に表示される。動画像提示画面G5は、感覚データ入力画面G4において入力を受け付けた感覚データに基づく動画像を表示する。
【0106】
図12は、動画像生成装置3によって実行される動画像提示処理の流れの例を示す図である。動画像提示処理は、ユーザによって入力された感覚データに基づく動画像を提示するための処理である。動画像提示処理は、記憶部31に記憶されたプログラムに基づいて、処理部33が動画像生成装置3の他の構成と協働することにより実現される。
【0107】
最初に、受付部334は、ユーザによる感覚データの入力を受け付ける(ステップS41)。受付部334は、通信部32を介して、感覚データ入力画面G4の表示データを表示端末2に送信する。表示端末2は、感覚データ入力画面G4を表示し、複数の生成期間のそれぞれについて、ユーザが最も優位に感じた感覚の入力を受け付ける。受付部334は、通信部32を介して、ユーザによって入力された感覚データを受信することにより、感覚データの入力を受け付ける。
【0108】
次に、生成部332は、入力された感覚データに基づいて動画像を生成する動画像生成処理を実行する(ステップS42)。動画像生成処理の詳細は上述したとおりである。
【0109】
次に、送信部335は、生成された動画像を提示する(ステップS43)。送信部335は、生成された動画像を提示するための動画像提示画面G5の表示データを生成する。送信部335は、通信部32を介して表示データを送信することにより、動画像を提示する。以上で、動画像提示処理を終了する。
【0110】
このように、動画像生成装置3は、ユーザによって入力された感覚データに基づいて動画像を生成し、生成された動画像を提示する。これにより、動画像生成装置3は、特定のユーザが感じた使用感覚を視覚的に表現することを可能とする。
【0111】
(第1実施形態の変形例3)
上述した第1実施形態において、動画像生成装置3の機能は、複数の装置によって実現されてもよい。例えば、動画像送信処理は、動画像生成装置3とは異なるウェブサーバによって実行されてもよい。この場合、動画像生成処理のステップS18において、出力部333は、生成された動画像をウェブサーバに送信することにより出力する。ウェブサーバは、動画像を受信して化粧品と対応付けて記憶する。逆に、上述した表示端末2および動画像生成装置3の機能は、一つの装置によって実現されてもよい。
【0112】
(第1実施形態のその他の変形例)
上述した第1実施形態では、生成部332は感覚データが示す期間を複数の生成期間に分割し、複数の期間のそれぞれについて生成された複数の部分動画像を連結して動画像を生成するものとした。このような例に限られず、生成部332は感覚データが示す期間を分割することなく、感覚データに基づいて一つの動画像を生成してもよい。この場合も、動画像生成装置3は、化粧品の使用感覚の時系列的な変化を視覚的に表現することを可能とする。さらに、生成部332は、感覚データが示す期間を複数の生成期間に分割する場合、複数の期間が等間隔となるようにしても良いし、複数の期間が感覚データに基づいて定められ、等間隔とならないようしても良い。
【0113】
生成部332は、例えば、TDS(Temporal Dominance of Sensations)法によって得られた感覚データが示す期間を、1以上の感覚のうち最も高いDRを示す感覚が切り替わった数に1を足した数の生成期間に分割する。即ち、生成部332は、感覚データが示す期間を、最も高いDRを示す感覚が切り替わる各タイミングで分割する。この場合、それぞれの生成期間の長さは、それぞれの生成期間において最も高いDRを示した感覚が最も高いDRを継続した時間となる。また、生成部332は、感覚データの強度に基づいて感覚データが示す期間を複数の生成期間に分割してもよい。生成部332は、感覚データが示す期間を、1以上の感覚のうち最も高い強度を示す感覚が切り替わった数に1を足した数の生成期間に分割する。例えば、生成部332は、感覚データが示す期間を、最も強度の大きな種類の感覚に関するn回目の変動が発生してから、n+1回目の変動が発生するまでの生成期間(nは1以上の整数)毎に分割してもよい。
【0114】
このように生成部332は、感覚データが示す期間を、1以上の感覚のうち、最も高い強度又はDRを示した感覚が切り替わった数に1を足した数を、複数の化粧品について平均し、小数点以下を切り捨てた数の生成期間に分割してもよい。この場合、生成部332は、各製品の期間において、最も高い強度又はDRを示した感覚が切り替わる数が生成期間の数から1を減じた数に等しい場合について、各期間において最も高い強度又はDRを示す感覚が継続した時間を用いて平均を算出しそれぞれの生成期間の長さとすることができる。
【0115】
上記の本変形例では感覚テーブルT2は、複数の感覚の種類の組合せごとに対応する動画像を格納する点で、上述された第1実施形態において用いられる感覚テーブルT2と相違する。一実施形態において、複数の感覚の種類の組合せは、組合せを構成する複数の感覚の構成比率によらず、当該組合せを構成する複数の感覚の種類により識別される。例えば、感覚Aが70%であり感覚Bが30%である場合も、感覚Aが30%であり感覚Bが70%である場合も、組合せXとして識別される。他の実施形態において、複数の感覚の種類の組合せは、組合せを構成する複数の感覚の種類と、当該複数の感覚の構成比率とにより識別される。例えば、感覚Aが70%であり感覚Bが30%である場合は組合せXとして識別され、感覚Aが30%であり感覚Bが70%である場合は組合せYとして識別される。
【0116】
本変形例の感覚テーブルT2は、例えば、1以上の組合せのそれぞれについて、(a)当該組合せを識別するための識別情報と、(b)当該組合せに対応する1以上の動画像を示す情報とを対応付けて格納する。上記の感覚テーブルT2は、1以上の組合せのそれぞれについて、(c)当該1以上の動画像の少なくとも1つに施される編集に関する情報(画像編集情報と称される場合がある。)、(d)当該1以上の動画像の少なくとも1つに付与される音声に関する情報(音声情報と称される場合がある。)、及び、(e)上記の音声に施される編集の内容を示す情報(音声編集情報と称される場合がある。)の少なくとも1つをさらに対応付けて格納してもよい。
【0117】
上述した第1実施形態では、生成部332は複数の部分動画像がシームレスに接続するように前記複数の部分動画像を連結するものとした。このような例に限られず、生成部332は、複数の部分動画像が瞬時に切り替わるように複数の部分動画像を連結してもよい。
【0118】
上述した第1実施形態では、生成部332は各生成期間についてユーザに最も優位に感じられた感覚を特定し、特定された感覚に基づいて部分動画像を生成するものとした。このような例に限られず、生成部332はユーザに最も優位に感じられた感覚を特定することなく部分動画像を生成してもよい。例えば、生成部332は、複数の感覚に対応する動画像を、感覚データが示すDRに応じた不透明度で重畳し、またはDRに応じた再生時間の長さで連結して部分動画像を生成してもよい。
【0119】
上述した第1実施形態では、感覚データはTDS法に基づいて生成されるものとした。このような例に限られず、感覚データは、TI(Time Intensity)法またはTCATA(Temporal Check All That Apply)法に基づいて生成されてもよい。感覚データがTI法に基づいて生成される場合、複数の感覚のそれぞれについてTI法が実行される。
【0120】
上述した第1実施形態では、生成部332は感覚データに基づいて動画像を生成するものとした。このような例に限られず、生成部332は、感覚データに基づいてさらに音声を生成してもよい。この場合、生成部332は、動画像とともに音声が再生されるように、生成された動画像に音声を合成する。これにより、動画像生成装置3は、化粧品の使用感覚を聴覚的にも表現することができる。
【0121】
生成部332は、例えば、感覚テーブルT2を参照して、動画像とともに音声が再生されるように、生成された動画像に音声を合成する。生成部332は、感覚テーブルT2に格納された情報と、感覚の強度とに基づいて、上記の音声及び/又は当該音声の合成態様を決定してもよい。
【0122】
例えば、上記の実施形態において、感覚テーブルT2は、1以上の感覚のそれぞれについて、(a)当該感覚の種類を識別するための識別情報と、(b)当該感覚に対応する1以上の動画像を示す情報と、(d)当該1以上の動画像の少なくとも1つに付与される音声に関する情報(音声情報と称される場合がある。)と、を対応付けて格納する。音声情報としては、音源の種類又は音色を示す情報、音の高さ又は音程を示す情報、音の大きさを示す情報、及び、音の長さ又は音が出力される感覚を示す情報の少なくとも1つが例示される。感覚テーブルT2において、上記の情報は、(e)上記の音声に施される編集の内容を示す情報(音声編集情報と称される場合がある。)とさらに対応付けられていてもよい。
【0123】
感覚テーブルT2は、1以上の感覚のそれぞれについて、(a)当該感覚の種類を識別するための識別情報と、(b)当該感覚に対応する1以上の動画像を示す情報と、(c)画像編集情報と、(d)音声情報とを対応付けて格納してもよい。感覚テーブルT2は、1以上の感覚のそれぞれについて、(a)当該感覚の種類を識別するための識別情報と、(b)当該感覚に対応する1以上の動画像を示す情報と、(c)画像編集情報と、(d)音声情報と、(e)音声編集情報とを対応付けて格納してもよい。
【0124】
さらに他の変形例において、生成部332は、感覚データに基づいて音声を生成してよい。本実施形態において、感覚テーブルT2は、1以上の感覚のそれぞれについて、(a)当該感覚の種類を識別するための識別情報と、(f)当該感覚に対応する1以上の音声に関する情報とを対応付けて格納してよい。感覚テーブルT2は、1以上の感覚のそれぞれについて、(a)当該感覚の種類を識別するための識別情報と、(f)当該感覚に対応する1以上の音声に関する情報と、(e)当該音声に関する音声編集情報とを対応付けて格納してもよい。
【0125】
上述した第1実施形態では、感覚データは、ユーザが一つの化粧品の塗布を開始してからの所定期間におけるユーザの感覚の変化を表すものとした。このような例に限られず、感覚データは、複数の化粧品を所定の順序で使用するユーザの感覚の変化を表すものとしてもよい。複数の化粧品の組合せは、一般的に続けて使用される化粧品の組合せであり、例えば、メイク落とし、洗顔料、化粧水、美容液および乳液等の組合せである。この場合、感覚データは、最初の化粧品であるメイク落としの塗布が開始されてから、最後の化粧品である乳液の塗布が終了するまでの期間のユーザの感覚の変化を表す。また、動画像生成装置3は、動画像生成処理において、複数の化粧品の組合せに対応する一つの動画像を生成する。
【0126】
上述した第1実施形態では、動画像選択画面G1において動画像オブジェクトG12が選択されたときに、送信部335は化粧品に対応する動画像を送信して表示端末2に表示するものとした。このとき、送信部335は、化粧品に関する情報をさらに送信して表示端末2に表示してもよい。化粧品に関する情報は、例えば化粧品の使用方法である。この場合、送信部335は、化粧品の使用方法を説明する動画像の背景に、化粧品に対応する動画像を合成する。送信部335は、通信部32を介して動画像を表示端末2に送信する。
【0127】
上述した第1実施形態では、動画像生成システム1は表示端末2および動画像生成装置3を含むものとした。このような例に限られず、動画像生成システム1は、さらにセンサを有してもよい。センサは、例えばユーザの指に装着され、化粧品を使用しているときに指に加わる力や指が感じる触覚を検出する。また、センサは、指を模した接触子に搭載され、化粧品を使用しているときの肌上を接触子が走査し、接触子にかかる接触力や加速度を検出してもよい。このときの化粧品を塗布する対象は実際の肌に限定されず、人工皮膚などで代替することも可能である。センサの数及び種類は、一つに限定されず複数でもよい。動画像生成装置3は、センサから取得した指に加わる力の情報および触覚の情報に基づいて動画像を生成する。動画像生成装置3は、センサにより検出された指に加わる力の強度(すなわち押し圧)、触覚(摩擦による音の周波数等)、及び/又は、強度もしくは触覚が変化したセンサもしくはその種類をセンサによる検出値として取得する。動画像生成装置3は、センサによる検出値に基づいて、表示する動画像、その彩度及び/もしくはコントラスト、二つの動画像の切替時点に加える特殊効果、並びに/又は、動画像に追加する音を決定する。動画像生成装置3は、センサによる検出値と、動画像、彩度及び/もしくはコントラスト、特殊効果、並びに/又は、音との対応関係を示すテーブルを予め記憶しておく。動画像生成装置3は、そのテーブルを参照して、センサによる検出値から、動画像、動画像の彩度及び/もしくはコントラスト、二つの動画像の切替時点に加える特殊効果、並びに/又は、動画像に追加する音を決定する。このようにすることで、動画像生成装置3は、化粧品を使用したときにユーザの指が感じる感覚を視覚的に表現することができる。動画像生成装置3は、感覚データおよびセンサの検出結果を同時に取得してもよい。その場合、動画像生成装置3は、感覚データに基づいて動画像を選択し、センサによる検出結果に基づいて、動画像の彩度及び/もしくはコントラスト、二つの動画像の切替時点に加える特殊効果、並びに/又は、動画像に追加する音を決定する。なお、動画像生成装置3は、センサにより検出される検出値の物理量が触覚に関連する物理量(押し圧や周波数等)に限定されるものではない。
【0128】
上述した第1実施形態では、図5に示すように感覚と動画像が1対1に対応するようにした。しかしながら、複数の感覚の組合せと1つの動画像が対応するようにしても良い。また、動画像と対応するのは、色だけでなく、動画像を再生する速度を対応させても良い。
【0129】
その他の変形例に係る感覚テーブルT2は、例えば、1以上の組合せのそれぞれについて、(a)当該組合せを識別するための識別情報と、(b)当該組合せに対応する1以上の動画像を示す情報とを対応付けて格納する。上記の感覚テーブルT2は、1以上の組合せのそれぞれについて、(c)当該1以上の動画像の少なくとも1つに施される編集に関する情報(画像編集情報と称される場合がある。)、(d)当該1以上の動画像の少なくとも1つに付与される音声に関する情報(音声情報と称される場合がある。)、及び、(e)上記の音声に施される編集の内容を示す情報(音声編集情報と称される場合がある。)の少なくとも1つをさらに対応付けて格納してもよい。
【0130】
例えば、動画像生成装置3は、動画像に対応した感覚の評価結果に基づいて、主成分分析やコレスポンデンス分析、多次元尺度構成法によって作成されたマップを基に、感覚Aと感覚Bの中点座標に最も近い動画像を対応する動画像として選定することができる。マップには、感覚および動画像が予め対応付けられている。また、動画像生成装置3は、例えば、前述の主成分分析やコレスポンデンス分析によるマップ化を編集処理にも適用し、編集処理に対応した感覚の評価結果に基づいて、主成分分析やコレスポンデンス分析、多次元尺度構成法によって作成されたマップを基に、感覚Aと感覚Bの中点座標に最も近い編集処理を対応する編集処理として選定することができる。この場合、マップには、感覚および動画像に加えて編集内容が予め対応付けられていてもよい。また、動画像生成装置3は、例えば、感覚Aによって動画像の種類を指定した後に、感覚Bによってその編集処理を指定することもできる。
【0131】
その他の変形例によれば、最も優位に感じられた感覚の種類が感覚Aであり、2番目に優位に感じられた感覚の種類が感覚Bであるという組合せに対応する編集処理として、例えば、単一の処理が割り当てられる。上記の処理を示す情報は、編集処理の種類を示す情報であってもよく、編集処理の種類及び編集が施される度合いを示す情報であってもよい。上記の情報は、例えば、最も優位に感じられた感覚及び2番目に優位に感じられた感覚の一方の種類により編集処理の種類が決定され、他方の種類により編集処理が施される度合いが決定されることを示す。
【0132】
上記の組合せに対応する編集処理として、複数の処理が割り当てられてもよい。例えば、最も優位に感じられた感覚及び2番目に優位に感じられた感覚の一方の種類により第1の編集処理の種類が決定され、他方の感覚の種類の種類により第2の編集処理の種類が決定される。第1の編集処理の種類と、第2の編集処理の種類とは、互いに種類の異なる処理であってよい。この場合、第1の編集処理及び第2の編集処理の少なくとも一方が施される度合いは、対応する感覚の強度により決定されてもよい。
【0133】
上記の感覚の組合せに対して複数の編集処理が割り当てられる場合の具体例としては、最も優位に感じられた感覚の種類に応じて動画像の再生速度が決定され、2番目に優位に感じられた感覚の種類に応じて動画像の色相、色調又は色味が調整される。
【0134】
上述されたとおり、第1実施形態において、複数の感覚の種類の組合せは、組合せを構成する複数の感覚の構成比率によらず、当該組合せを構成する複数の感覚の種類により識別され得る。その他の変形例において、複数の感覚の種類の組合せは、組合せを構成する複数の感覚の種類と、当該複数の感覚の構成比率とにより識別され得る。
【0135】
さらに他の変形例において、単一の種類の感覚に基づいて1以上の動画像が決定され、複数の種類の感覚の組合せに基づいて当該1以上の動画像の少なくとも1つに施される編集処理の内容が決定されてもよい。上記の決定処理は、上述された生成期間ごとに実施されてよい。上記の単一の種類の感覚としては、特定の生成期間において物品の使用者又はサービスの利用者に最も優位に感じられた感覚が例示される。
【0136】
最も優位に感じられた感覚の種類が感覚Aであり、2番目に優位に感じられた感覚の種類が感覚Bであるという組合せに対応する編集処理の内容としては、(a)最も優位に感じられた感覚及び2番目に優位に感じられた感覚の一方の種類により編集処理の種類が決定され、他方の種類により編集処理が施される度合いが決定されること、(b)最も優位に感じられた感覚及び2番目に優位に感じられた感覚の一方の種類により第1の編集処理の種類が決定され、他方の感覚の種類の種類により第2の編集処理の種類が決定されることなどが例示される。第1の編集処理の種類と、第2の編集処理の種類とは、互いに種類の異なる処理であってよい。この場合、第1の編集処理及び第2の編集処理の少なくとも一方が施される度合いは、対応する感覚の強度により決定されてもよい。
【0137】
例えば、前述の主成分分析やコレスポンデンス分析によるマップ化を編集処理にも適用し、編集処理方法に対する感覚の評価結果に基づいて、主成分分析やコレスポンデンス分析、多次元尺度構成法によって作成されたマップを基に、感覚Aと感覚Bの中点座標に最も近い編集処理を対応する編集処理として選定することができる。
【0138】
上述した第1実施形態では、感覚データはユーザが化粧品の塗布を開始してからの所定期間におけるユーザの感覚の変化を表すものとした。このような例に限られず、感覚データは、「ユーザが化粧品の塗布を行う前後を含めた特定の時点」におけるユーザの感覚を示すものであっても良い。なお、化粧品の塗布を行う前の時点を含むのは、感覚データが、塗布前の基剤やパッケージ、香りの印象に影響を受けるためである。すなわち、感覚データは、「ユーザが化粧品の使用をしている所定期間」におけるユーザの感覚の変化を表すものであれば良い。
【0139】
上述した第1実施形態では、動画像生成処理のステップS14において、生成部332は、複数の感覚のうち、ユーザに最も優位に感じられた一つの感覚を特定するものとした。このような例に限られず、生成部332は、ユーザに優位に感じられた複数の感覚を特定してもよい。
【0140】
上述した第1実施形態では、生成部332は、記憶部31に予め記憶された学習済みモデル(AI)により動画像を生成するようにしても良い。また、適切な動画像が生成されるよう様々な感覚に対応するプロンプトを生成しても良い。なお、学習済モデルは、例えば、様々な感覚ワードをプロンプトとして動画を生成する既存の生成モデルでも良く、また同生成モデルに対して様々な感覚ワードと対応する動画像を用いてファインチューニングしたものでも良く、また、様々な感覚ワードと対応する動画像を教師データとして、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン等の教師あり学習により事前学習されたものでも良い。即ち、学習済モデルは、感覚ワードが入力された場合に、入力された感覚ワードに対応する動画像を出力するように事前学習される。
【0141】
生成部332は、感覚ワードから適切な動画像が生成されるよう様々な感覚に対応するプロンプトを生成し、学習済モデルに入力する。例えば、生成部332は、塗布開始から最初の10秒間は「こくがある」、その後の10秒間は「なめらか」、最後の10秒間は「うるおい」を感じる化粧水の感覚を示すイメージ動画を作成してください、というプロンプトを生成することができる。
【0142】
また、生成部332は、感覚ワードから動画像の内容や編集の内容を指定するための中間ワードを特定し、特定した中間ワードから動画像を生成してもよい。中間ワードは、例えば「ハチミツのような液体がゆっくりと落ちて広がっていく様子」、「液体がなめらかに横に流れる様子」、「画面全体に泡を含んだ液体が広がっていて揺らめく様子」等である。動画像生成装置3は、各感覚ワードと各感覚ワードに対応する中間ワードとが設定されたテーブルを予め記憶しておく。生成部332は、予め記憶されたテーブルを参照して各感覚ワードに対応する中間ワードを特定し、特定した中間ワードを含むプロンプトを生成する。例えば、生成部332は、入力されたプロンプトに基づいて画像を生成する生成モデルに対して動画像の生成を指示するためのプロンプトとして、上述された中間ワードを用いて、塗布開始から10秒間は「ハチミツのような液体がゆっくりと落ちて広がっていく様子」を映し出してください、次の10秒間は「液体がなめらかに横に流れる様子」を映し出してください、次の10秒間は「画面全体に泡を含んだ液体が広がっていて揺らめく様子」を映し出してください、その時の色はオレンジにしてください、と指示するプロンプトを生成する。または、生成部332は、中間ワードが入力された場合に、入力された中間ワードに対応する動画像を出力するように事前学習された学習済みモデルに中間ワードを入力することにより中間ワードに対応する動画像を取得してもよい。また、生成部332は、感覚ワードから中間ワードを生成するためのプロンプトを生成し、生成モデルを用いて感覚ワードに対応する中間ワードを生成してもよい。また、生成部332は、感覚ワードが入力された場合に、入力された感覚ワードに対応する中間ワードを出力するように事前学習された学習済みモデルに感覚ワードを入力することにより感覚ワードに対応する中間ワードを取得してもよい。これらの場合、動画像生成装置3は、各中間ワードと各中間ワードに対応する動画像とが設定されたテーブル予め記憶しておき、生成部332は、予め記憶されたテーブルを参照して各中間ワードに対応する動画像を取得してもよい。また、生成部332は、動画像に合わせた感覚をイメージする音をつけてください、のように、音の種類を指定するプロンプトを生成してもよい。例えば、動画像生成装置3は、音と動画像とが対応付けられたテーブルを記憶し、生成部332は、ハチミツのようなとろみが生じるような音をつけてください、と音の種類を指定するプロンプトを生成してもよい。
【0143】
上述した第1実施形態では、図8のステップS21のように、動画像の選択を受け付けた際に、選択された動画像を表示端末2へ送信する。このようなユーザの開始指示があった場合に限られずに、例えば、表示端末2において、所定のWEBページを開いた際、又は、WEBページを切り替えた際等に、自動的に動画像を表示端末2へ送信するようにしても良い。すなわち、所定のタイミングで、動画像が出力されるようにしても良い。
【0144】
上述した第1実施形態及びその他の各種変形例では、生成部332は感覚データに基づいて動画像を生成するものとした。このような例に限られず、生成部332は感覚データに基づいて静止画像を生成してもよい。この場合、生成部332は、複数の感覚のそれぞれに対応する静止画像をあらかじめ記憶する。また、生成部332は、動画像生成処理のステップS15において、特定された感覚に対応付けられた静止画像を取得することにより、各生成期間に対応する部分静止画像を生成する。また、生成部332は、ステップS17において複数の部分静止画像を連結して一つの動画像を生成してもよく、複数の部分静止画像を連結することなくそのまま出力してもよい。
【0145】
上述した実施形態および各種の変形例は、本発明の範囲において適宜に組み合わされて実施されてよい。上述した各種の処理は、本発明の範囲において適宜に異なる順序で実行されてもよい。
【符号の説明】
【0146】
3 動画像生成装置
331 取得部
332 生成部
333 出力部
図1
図2
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