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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166129
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】駆動装置及び電気機器
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/619 20150101AFI20241121BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20241121BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
E05F15/619
E05B65/00 N
E05B47/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024078442
(22)【出願日】2024-05-14
(31)【優先権主張番号】2023105480288
(32)【優先日】2023-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】リウ ユイクン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ヤン
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA01
2E052CA06
2E052DA05
2E052DA08
2E052DB05
2E052DB08
2E052EA01
2E052EB01
2E052EC01
2E052KA15
2E052KA25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】駆動装置及び電気装置の提供。
【解決手段】駆動装置102は、駆動ギヤと駆動ラック128とを備え、ギヤ歯駆動部分及び歯なし部分が駆動ギヤの周囲に配設され、駆動ギヤは一方向に回転可能であり、駆動ラック128は、第1の直線方向及び第2の直線方向に往復運動するとともにドアロックスライダ112を駆動して第1の直線方向に移動させることができ、ドアロックスライダ112を第1の直線方向に移動させるために、駆動ラック128がドアロックスライダ112を駆動して第1の直線方向に移動させるとき、駆動ラック128がギヤ歯駆動部分と係合し、ドアロックスライダ112が第2の直線方向に移動するときに生じる抵抗を低減するために、ドアロックスライダ112が第2の直線方向に移動するとき、駆動ラック128の移動経路が歯なし部分に対応する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアロックスライダ(112)を備えるドアロックアセンブリ(100)を駆動するための駆動装置(102)であって、前記ドアロックアセンブリ(100)は、電気機器(600)のドア(606)を作動させるために使用され、前記駆動装置(102)は、
一方向に回転するように構成された駆動ギヤ(120)であって、前記駆動ギヤ(120)の周囲にギヤ歯駆動部分(414)及び歯なし部分(432)が設けられた駆動ギヤ(120)と、
前記第1の直線方向(E)及び前記第2の直線方向(F)に沿って往復運動することが可能な駆動ラック(128)であって、前記ドアロックスライダ(112)を駆動して前記第1の直線方向(E)に沿いつつ移動させるために使用される駆動ラック(128)と、
を備え、
前記駆動ギヤ(120)及び前記駆動ラック(128)は、
(1)前記駆動ラック(128)が前記ドアロックスライダ(112)を駆動して前記第1の直線方向(E)に沿いつつ移動させるときに、前記駆動ラック(128)が前記ギヤ歯駆動部分(414)と係合し、それにより、前記ドアロックスライダ(112)を駆動して前記第1の直線方向(E)に沿いつつ移動させるように、又は、
(2)前記ドアロックスライダ(112)が前記第2の直線方向(F)に沿って移動するときに前記駆動ラック(128)の移動経路が前記歯なし部分(432)に対応し、それにより、前記ドアロックスライダ(112)が前記第2の直線方向(F)に沿って移動するときに生じる抵抗を低減するように、
構成される駆動装置(102)。
【請求項2】
前記駆動ギヤ(120)及び前記駆動ラック(128)は、
前記駆動ギヤ(120)が第1の角度範囲内において回転するときに前記駆動ラック(128)が前記ギヤ歯駆動部分(414)と係合するように、又は
前記駆動ギヤ(120)が第2の角度範囲内において回転するときに前記駆動ラック(128)の移動経路が前記駆動ギヤ(120)の前記歯なし部分(432)に対応するように、
構成される、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記駆動ギヤ(120)及び前記駆動ラック(128)は、
前記駆動ギヤ(120)が前記第1の角度範囲内において回転するときに前記駆動ラック(128)が前記第1の直線方向(E)に沿って移動し、それにより、前記ドアロックスライダ(112)を駆動して前記第1の直線方向(E)に沿いつつ移動させるように、又は
前記駆動ラック(128)の移動経路が前記駆動ギヤ(120)の前記歯なし部分(432)に対応するときに、前記ドアロックスライダ(112)が前記第2の直線方向(F)に沿って移動するとともに前記駆動ラック(128)を駆動して前記第2の直線方向(F)に沿って移動させるように、
構成される、請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記駆動ギヤ(120)及び前記駆動ラック(128)は、
前記駆動ギヤ(120)が前記第1の角度範囲内において回転するときに、前記駆動ギヤ(120)が前記駆動ラック(128)を駆動して開始位置から終了位置まで移動させるように、又は
前記駆動ギヤ(120)が前記第2の角度範囲内において回転するときに、前記ドアロックスライダ(112)が前記駆動ラック(128)を駆動して前記終了位置から前記開始位置に移動させるように、
構成される、請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
更に、
前記駆動ギヤ(120)をタイムシェアリング駆動ベースで駆動して前記第1の角度範囲内及び前記第2の角度範囲内において回転させるための駆動モータ(126)
を備え、
前記駆動ギヤ(120)が前記終了位置にあるときに、前記駆動モータ(126)は前記駆動ギヤ(120)を、前記歯なし部分(432)が前記駆動ラック(128)に対面する位置まで回転させることが可能である、
請求項4に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記ドアロックスライダ(112)に、前記ドアロックスライダ(112)の一端にドアフック(108)を収容するためのドアフック穴(110)が設けられる、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記駆動装置(102)は、引張り紐(106)を介して前記ドアロックスライダ(112)に接続され、かつ、前記引張り紐(106)によって前記ドアロックスライダ(112)を前記第1の直線方向(E)に沿って引っ張り、前記引張り紐(106)は、前記駆動ラック(128)の一端と、前記ドアフック穴(110)とは反対側の前記ドアロックスライダ(112)の他端との間に接続される、請求項6に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記ドアロックアセンブリ(100)は更に、前記引張り紐(106)の前記移動経路を変更するように構成された少なくとも1つの固定滑車(151、152、153)を備える、請求項7に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記ドアロックスライダ(112)は、前記ドアロックスライダ(112)の長さに沿って第1の直線方向(E)又は第2の直線方向(F)に往復運動するように構成され、
前記第2の直線方向(F)に沿った前記ドアロックスライダ(112)の移動は、前記ドアロックアセンブリ(100)の内部に配設された付勢装置(132)により提供される付勢力によって駆動される、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記ドア(606)は、開位置と、閉位置と、1つ以上の中間位置と、を備え、
前記ドアロックスライダ(112)の前記第1の直線方向(E)は、前記1つ以上の中間位置から前記閉位置への前記ドア(606)の移動方向に対応し、
前記ドアロックスライダ(112)の前記第2の直線方向(F)は、前記閉位置から前記1つ以上の中間位置への前記ドア(606)の移動方向に対応し、
前記1つ以上の中間位置は、前記開位置と前記閉位置との間に配設される、
請求項9に記載の駆動装置。
【請求項11】
電気装置(600)であって、請求項1から10のいずれか一項に記載の前記駆動装置(102)と、前記ドアロックアセンブリ(100)と、前記ドア(606)と、を備え、
前記駆動装置(102)は、前記ドアロックアセンブリ(100)を駆動するために使用され、前記ドアロックアセンブリ(100)は、前記ドア(606)を作動させるために使用される、
電気装置(600)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、ドアロックアセンブリを駆動する駆動装置及び電気機器、特に、ドアを自動的に開閉することが可能なドアロックアセンブリを駆動する駆動装置及び駆動装置を備えた電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
食器洗浄機等の電気機器は、そのドアにドアロックが取り付けられていることが多い。従来のドアロックは、物理的に引くことによってロック解除することができるか、又は物理的に押すことによってロックすることができ、すなわち、ドア上のラッチを手動で引くことによってドアをロック解除することができ、ドア上のドアフックをドアフック穴と手動で衝突させることによってドアをロックすることができる。
【発明の概要】
【0003】
開示の概要
本発明者らは、食器洗浄機が洗浄プロセスを完了した後、乾燥プロセスが必要であり、その場合、操作者は、高温蒸気が食器洗浄機の内部空洞から排出されるように、ドアを部分的に開いた状態に保ち、例えば、十分な通気を可能にする小さな間隙を空けておき、その結果、より速い乾燥プロセスが促され得るのを期待していることに気付いた。本発明者らはまた、乾燥プロセス中、操作者は通常は食器洗浄機のそばで待機して乾燥プロセスが完了するのを待つことはないことにも気付いた。
【0004】
したがって、食器洗浄機のドアフックとは反対側にドアロックアセンブリを配置することができ、ドアロックアセンブリにはスライダが設けられる。スライダには、ドアフックと協働するドアフック穴が設けられる。制御装置は、スライダを制御して或る特定の距離だけ伸長及び後退させることにより、ドアの開閉を或る特定の開度範囲内に制御し、ドアを放熱位置へ自動的に開くこと又はドアを自動的に閉じることを実現する。具体的には、付勢装置とスライダとの間の協働的な配置を通じて、スライダを伸長位置に保つことができる。ドア間隙が閉じられるとき、モータが駆動して付勢装置の付勢力に打ち勝つとともにスライダを駆動して伸長位置から後退位置へ移動させる。ドアが再びドア間隙を伴って開かれるとき、モータは駆動を停止し、スライダの付勢装置は、付勢力の作用下でスライダを後退位置から伸長位置へ戻すことができ、ドアを或る特定の距離だけ押し開く。
【0005】
いくつかの既存の設計において、付勢装置が付勢力をドアロックスライダに加える力作用点は、スライダの外側(単一の側)に位置し、その結果、付勢装置は、スライダを駆動して移動させるために大きな付勢力を生成する必要があり、スライダは、移動中、付勢装置によってスライダの外側に加えられる不要なトルクを平衡させるために更なる作用力に打ち勝つ必要がある。加えて、いくつかの既存の設計において、駆動装置はスライダと固く接続しており、その結果、駆動装置がドアロックボックスに対して固定され、これは、空間を十分に利用するためのコンパクトなドアロックボックスに対する要件を満たすことにつながらない。
【0006】
したがって、本開示の第1の態様によれば、ドアロックスライダと、スライダギヤと、付勢装置とを備えるドアロックアセンブリが提供され、ドアロックスライダは、ドアロックスライダの長さに沿って第1の直線方向及び第2の直線方向に往復運動するように構成され、ドアロックスライダは、スライダ本体を備え、ドアロックスライダ本体には、ドアロックスライダ本体の長さ方向にスライダ溝が設けられ、ドアロックスライダ溝には、少なくとも一方の側部にスライダラックが設けられ、スライダギヤは、ドアロックスライダ溝内に取り付けられ、スライダギヤは、回転シャフトを中心として(回りに)回転するように構成され、スライダギヤはドアロックスライダラックと係合し、スライダギヤ及びドアロックスライダラックは、スライダギヤが回転シャフトを中心として第1の回転方向又は第2の回転方向に回転するときに、ドアロックスライダが第1の直線方向又は第2の直線方向に往復運動するように構成され、付勢装置は、スライダギヤがドアロックスライダを第2の直線方向に駆動するように、スライダギヤを駆動するように構成される。
【0007】
本開示の第1の態様によれば、スライダギヤがドアロックスライダを駆動する力作用点は、ドアロックスライダの移動経路と一致又は実質的に一致する。
【0008】
本開示の第1の態様によれば、ドアロックスライダ溝には、両側部にスライダラックが設けられる。
【0009】
本開示の第1の態様によれば、ドアロックアセンブリは、電気機器のドアをロックするように構成され、ドアは、開位置と、閉位置と、1つ以上(1又は複数)の中間位置とを有し、ドアロックスライダの第1の直線方向は、1つ以上の中間位置から閉位置へのドアの移動方向に対応し、ドアロックスライダの第2の直線方向は、閉位置から1つ以上の中間位置へのドアの移動方向に対応し、1つ以上の中間位置は、開位置と閉位置との間に位置する。
【0010】
本開示の第1の態様によれば、ドアロックスライダ溝は、ドアロックスライダの長さ方向に配設される。
【0011】
本開示の第1の態様によれば、付勢装置、スライダギヤ、及びドアロックスライダラックは、ドアロックスライダが第1の直線方向に移動するときに、スライダギヤの第1の回転方向への回転が、付勢装置に付勢力を蓄積させる、及び付勢装置に蓄積された付勢力は、スライダギヤを駆動させて第2の回転方向に回転させ、これにより、ドアロックスライダを駆動して第2の直線方向に移動させることができるように構成される。
【0012】
本開示の第1の態様によれば、回転シャフトは、ドアロックスライダのスライダ溝内に延在する。
【0013】
本開示の第1の態様によれば、付勢装置は、回転付勢装置であり、付勢力は、ねじり力である。
【0014】
本開示の第1の態様によれば、付勢装置は、コイルばねであり、スライダギヤは、コイルばねに同軸に固定され、スライダギヤの回転がコイルばねを駆動してねじり、ねじり力を蓄積することを可能にする。
【0015】
本開示の第1の態様によれば、ドアロックスライダには、ドアロックスライダの一端にドアフック穴が設けられ、ドアフック穴は、ドアフックを収容するように構成される。
【0016】
本開示の第1の態様によれば、ドアロックアセンブリは、ロックピンを更に備え、ロックピンは、ロックピンがドアロックスライダに挿入されると、ドアロックスライダが移動不能にロックされるか、又はロックピンがドアロックスライダから係合解除すると、ドアロックスライダが解放されて往復運動することが可能になるように構成される。
【0017】
本開示の第1の態様によれば、ドアロックアセンブリは、ロックピンを駆動して移動させるアクチュエータを更に備える。
【0018】
本開示の第1の態様によれば、ドアロックスライダにはピンスロットが設けられ、ロックピン及びピンスロットは、ロックピンがピンスロットに挿入されると、ドアロックスライダが移動不能にロックされるか、又はロックピンがピンスロットから係合解除すると、ドアロックスライダが解放されて往復運動することが可能になるように構成される。
【0019】
本開示の第1の態様によれば、ドアロックアセンブリは、ドアが1つ以上の中間位置にあることを示すように構成された第1のマイクロスイッチと、ドアが閉位置にあることを示すように構成された第2のマイクロスイッチとを更に備え、ドアロックスライダには、ドアフック穴の反対側のドアロックスライダの他端にスイッチ作動部が設けられ、ドアロックスライダの往復運動プロセス中、第1のマイクロスイッチ、第2のマイクロスイッチ、及びスイッチ作動部は、スイッチ作動部が、ドアが1つ以上の中間位置にあるときに第1のマイクロスイッチを作動させるか、又はスイッチ作動部が、ドアが閉位置にあるときに第2のマイクロスイッチを作動させるように構成される。
【0020】
本開示の第1の態様によれば、ドアロックアセンブリは、ドアロックボックスであって、ドアロックスライダ、スライダギヤ、及び付勢装置がドアロックボックス内に配置される、ドアロックボックスを更に備える。
【0021】
本開示の第1の態様によれば、ドアロックアセンブリは、食器洗浄機に使用される。
【0022】
本開示の第1の態様によれば、ドアロックアセンブリは、駆動装置を更に備え、駆動装置は、ドアロックスライダを第1の直線方向に引っ張るように構成される。
【0023】
本開示の第1の態様によれば、駆動装置は、可撓性構成要素を介してドアロックスライダと接続され、可撓性構成要素を介してドアロックスライダを第1の直線方向に引っ張る。
【0024】
本開示の第1の態様によれば、可撓性構成要素は、スライダと直線的に接続される。
【0025】
本開示の第1の態様によれば、ドアロックアセンブリは、少なくとも1つの定滑車を更に備え、少なくとも1つの定滑車は、可撓性構成要素の移動経路を変更するように構成される。
【0026】
本開示の第1の態様によれば、駆動装置は、駆動ギヤであって、駆動ギヤの周囲にギヤ歯駆動部分及び歯なし部分が形成され、駆動装置が一方向に回転可能であるように構成される、駆動ギヤと、駆動ラックであって、駆動ラックは第1の直線方向又は第2の直線方向に往復運動することが可能であり、駆動ラックはドアロックスライダを駆動して第1の直線方向に移動させるように構成される、駆動ラックとを備え、駆動ギヤ及び駆動ラックは、ドアロックスライダを駆動して第1の直線方向に移動させるために、駆動ラックがドアロックスライダを駆動して第1の直線方向に移動させるとき、駆動ラックがギヤ歯駆動部と係合するか、又は、ドアロックスライダが第2の直線方向に移動するときに生じる抵抗を低減するために、ドアロックスライダが第2の直線方向に移動するとき、駆動ラックの移動経路が歯なし部分に対応するように構成される。
【0027】
本開示の第1の態様によれば、駆動ギヤ及び駆動ラックは、駆動ギヤが第1の角度範囲内で回転するときに駆動ラックがギヤ歯駆動部分と係合するか、又は駆動ギヤが第2の角度範囲内で回転するときに駆動ラックの位置が駆動ギヤの歯なし部分に対応するように構成される。
【0028】
本開示の第1の態様によれば、駆動ギヤ及び駆動ラックは、ドアロックスライダを駆動して第1の直線方向に移動させるために、駆動ギヤが第1の角度範囲内で回転するときに駆動ラックが第1の直線方向に移動するか、又は駆動ラックの位置が駆動ギヤの歯なし部分に対応するときにドアロックスライダが第2の直線方向に移動するとともに駆動ラックを駆動して第2の直線方向に移動させるように構成される。
【0029】
本開示の第1の態様によれば、駆動ギヤ及び駆動ラックは、駆動ギヤが第1の角度範囲内で回転するときに駆動ギヤが駆動ラックを駆動して開始位置から閉位置まで移動させるか、又は駆動ギヤが第2の角度範囲内にあるときにドアロックスライダが駆動ラックを駆動して閉位置から開始位置に移動させるように構成される。
【0030】
本開示の第1の態様によれば、駆動装置は、駆動ギヤをタイムシェアリング駆動ベース(時分割)で駆動して第1の角度範囲及び第2の角度範囲内で回転させるように構成された駆動モータを更に備える。
【0031】
本開示の第2の態様によれば、本開示の第1の態様によるドアロックアセンブリとドアとを有する電気機器が提供され、ドアは、1つ以上の中間位置及び閉位置を有し、ドアロックアセンブリは、ドアを駆動して1つ以上の中間位置と閉位置との間で移動させるように構成される。
【0032】
本開示の第3の態様によれば、駆動装置が提供され、駆動装置は、ドアロックアセンブリを駆動するように構成され、ドアロックアセンブリは、電気機器のドアを作動させるように構成され、ドアロックアセンブリは、ドアロックスライダを備え、駆動装置は、駆動ギヤ及び駆動ラックを備え、ギヤ歯駆動部分及び歯なし部分が、駆動ギヤの周囲に形成され、駆動ギヤは、一方向に回転可能であるように構成され、駆動ラックは、第1の直線方向及び第2の直線方向に往復運動することができ、駆動ラックは、ドアロックスライダを駆動して第1の直線方向に移動させるように構成され、駆動ギヤ及び駆動ラックは、ドアロックスライダを駆動して第1の直線方向に移動させるために、駆動ラックがドアロックスライダを駆動して第1の直線方向に移動させるとき、駆動ラックがギヤ歯駆動部と係合するか、又は、ドアロックスライダが第2の直線方向に沿って移動するときに生じる抵抗を低減するために、ドアロックスライダが第2の直線方向に移動するとき、駆動ラックの移動経路が歯なし部分に対応するように構成される。
【0033】
本開示の第3の態様によれば、駆動ギヤ及び駆動ラックは、駆動ギヤが第1の角度範囲内で回転するときに駆動ラックがギヤ歯駆動部分と係合するか、又は駆動ギヤが第2の角度範囲内で回転するときに駆動ラックの位置が駆動ギヤの歯なし部分に対応するように構成される。
【0034】
本開示の第3の態様によれば、駆動ギヤ及び駆動ラックは、ドアロックスライダを駆動して第1の直線方向に移動させるために、駆動ギヤが第1の角度範囲内で回転するときに駆動ラックが第1の直線方向に移動し、ドアロックスライダは、第2の直線方向に移動し、駆動ラックの位置が駆動ギヤの歯なし部分に対応するときに駆動ラックを駆動して第2の直線方向に移動させるように構成される。
【0035】
本開示の第3の態様によれば、駆動ギヤ及び駆動ラックは、駆動ギヤが第1の角度範囲内で回転するときに駆動ギヤが駆動ラックを駆動して開始位置から閉位置に移動させるか、又は駆動ギヤが第2の角度範囲内にあるときにドアロックスライダが駆動ラックを駆動して閉位置から開始位置に移動させるように構成される。
【0036】
本開示の第3の態様によれば、駆動装置は、駆動ギヤを時分割で駆動して第1の角度範囲及び第2の角度範囲内で回転させるように構成された駆動モータを更に備え、駆動ギヤが閉位置にあるとき、駆動モータは、駆動ギヤを歯なし部分まで回転させることができる。
【0037】
本開示の第3の態様によれば、ドアロックスライダには、ドアロックスライダの一端にドアフック穴が設けられ、ドアフック穴は、ドアフックを収容するように構成される。
【0038】
本開示の第3の態様によれば、駆動装置は、可撓性構成要素を介してドアロックスライダに接続され、可撓性構成要素によってドアロックスライダを第1の直線方向に引っ張り、可撓性構成要素は、駆動ラックの一端とドアフック穴の反対側のドアロックスライダの他端との間に接続される。
【0039】
本開示の第3の態様によれば、ドアロックアセンブリは、少なくとも1つの定滑車を更に備え、少なくとも1つの定滑車は、可撓性構成要素の移動経路を変更するように構成される。
【0040】
本開示の第3の態様によれば、ドアロックスライダは、ドアロックスライダの長さ方向において第1の直線方向又は第2の直線方向に往復運動するように構成され、第2の直線方向におけるドアロックスライダの移動は、付勢装置によって提供される付勢力によって駆動され、付勢装置は、ドアロックアセンブリの内部に配置される。
【0041】
本開示の第3の態様によれば、ドアは、開位置と、閉位置と、1つ以上の中間位置とを有し、ドアロックスライダの第1の直線方向は、1つ以上の中間位置から閉位置へのドアの移動方向に対応し、ドアロックスライダの第2の直線方向は、閉位置から1つ以上の中間位置へのドアの移動方向に対応し、1つ以上の中間位置は、開位置と閉位置との間に位置する。
【0042】
本開示の第4の態様によれば、本開示の第3の態様による駆動装置と、ドアロックアセンブリと、ドアとを有する電気機器が提供され、駆動装置は、ドアロックアセンブリを駆動するように構成され、ドアロックアセンブリは、ドアを作動させるように構成される。
【0043】
本開示の追加の態様及び利点の一部は、以下の説明において記載され、一部は以下の説明から明らかになるか、又は本開示の実施によって学ばれるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1A】本開示によるドアロックアセンブリの第1の実施形態100の斜視図である。
図1B】本開示によるドアロックアセンブリの第2の実施形態100’の斜視図である。
図1C】本開示によるドアロックアセンブリの第3の実施形態100’’の斜視図である。
図1D図1Aに示されているドアロックアセンブリ100の分解図である。
図2A-2B】図2Aは、後退位置にあるドアロックボックス104内のドアロックスライダ112の頂面図であり、ドアロックボックス104の内部の構成要素をより多く示すために、ドアロックボックス104のドアロックボックス上部カバー114が不図示とされている。図2Bは、伸長位置にあるドアロックボックス104内のドアロックスライダ112の頂面図であり、ドアロックボックス104の内部の構成要素をより多く示すために、ドアロックボックス104のドアロックボックス上部カバー114が不図示とされている。
図3A図1Dに示されているドアロックボックス104の内部斜視図であり、ドアロックスライダ112の内側の特徴部をより多く示すために、ドアロックボックス104のドアロックボックス上部カバー114が不図示とされている。
図3B図3Aに示されているドアロックスライダ112の部分拡大図である。
図3C図3Aに示されているドアロックボックス104の取付け分解図である。
図4A】駆動装置102の斜視図であり、駆動装置102の内部の構成要素をより多く示すために、駆動装置102の駆動装置上部カバー122が不図示とされている。
図4B図4Aに示されている駆動装置102の分解図である。
図5A】本開示によるドアロックアセンブリ100の伸長位置と後退位置との間の移動を示す概略図である。
図5B】本開示によるドアロックアセンブリ100の伸長位置と後退位置との間の移動を示す概略図である。
図5C】本開示によるドアロックアセンブリ100の伸長位置と後退位置との間の移動を示す概略図である。
図5D】本開示によるドアロックアセンブリ100の伸長位置と後退位置との間の移動を示す概略図である。
図5E】本開示によるドアロックアセンブリ100の伸長位置と後退位置との間の移動を示す概略図である。
図5F】本開示によるドアロックアセンブリ100の伸長位置と後退位置との間の移動を示す概略図である。
図5G】本開示によるドアロックアセンブリ100の伸長位置と後退位置との間の移動を示す概略図である。
図6A】本開示によるドアロックアセンブリ100が開位置にある食器洗浄機600の概略図である。
図6B】閉位置にある図6Aに示されている食器洗浄機600の概略図である。
図6C】放熱位置にある図6Aに示されている食器洗浄機600の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
実施形態の詳細な説明
本開示の様々な特定の実施態様を、本開示の一部を構成する添付図面を参照して以下に説明するが、本開示の範囲を限定するものではない。本開示において、方向を示す「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、及び「後」等の用語が、本開示において本開示の様々な構造部品及び要素の向きを説明するために使用されるが、これらの用語は、単に説明を容易にするために使用され、添付図面に示される例示的な向きに基づいて決定されることを理解されたい。本開示の実施形態は、異なる方向で配置することができるため、方向を示す用語は、単なる例示であり、限定とみなされるべきではない。
【0046】
本開示において使用される「第1の」、「第2の」、「第3の」等の用語は、これらの対象間に特定の順序関係があることを示すのではなく、単に異なる対象を区別するために使用される。用語「備える/含む」及びその派生語は、制限なく含めることを意味する。別段の指定及び限定がない限り、「取り付ける」、「接続する」及び「接続」という用語は、広義に理解されるべきである。例えば、機械的若しくは電気的な接続、2つの要素間の内部の連通、又は直接的な接続若しくは中間媒体を介した間接的な接続等であり得る。当業者にとって、上記の用語の具体的な意味は、特定の場合に応じて理解することができる。可能であれば、本開示において使用される同一又は類似の参照符号は、同一の構成要素を指す。
【0047】
本開示の説明を理解しやすくするために、本開示による電気機器のドア(とりわけ食器洗浄機のドア)は、少なくとも3つの位置、すなわち、開位置(全開位置、図6Aのドア606の位置を参照)、閉位置(図6Bのドア606の位置を参照)、及び放熱位置等の1つ以上の中間位置(部分開位置、図6Cのドア606の位置を参照)を有し、放熱位置は、開位置と閉位置との間に位置する。ドアが閉位置から放熱位置へ移動するとき、ドアフックはドアロックスライダのドアフック穴内に保たれるので、ドアが放熱位置から閉位置へ戻るとき、ドアフックは依然としてドアロックスライダのドアフック穴内に保たれる。しかしながら、ドアが開位置にある場合、ドアフックは、ドアロックスライダのドアフック穴から係合解除される。ドアの外側のドアボルトを引いてドアフックをドアフック穴から係合解除することにより、ドアを閉位置から開位置へ移動させることができ、ドアの外側からドアを押してドアフックをドアフック穴に衝突させて係合させることにより、ドアを開位置から閉位置へ移動させることができる。放熱位置と閉位置との間のドアの移動は、ドアフック穴に取り付けられたプッシュロッド(又はスライダ)の伸長位置と後退位置との間の移動によって実現することができ、具体的な実施態様については、以下に詳細に説明する。
【0048】
図1Aから図1Cは、本開示によるドアロックアセンブリの3つの実施形態100、100’、及び100’’の斜視図である。引張り紐106、106’、106’’等の図示の可撓性構成要素は、3つの異なる経路を介してドアロックスライダ112をドアロックアセンブリ内の駆動ラック128に接続する。ドアロックアセンブリの第2の実施形態100’及び第3の実施形態100’’における引張り紐106、106’、及び106’’以外の構成要素は、第1の実施形態100における構成要素と同様に構成され、これらの同じ構成要素についての説明は繰り返さない。しかしながら、当業者にとって、本開示によるドアロックアセンブリにおける引張り紐106、106’、及び106’’は、図1Aから図1Cに示されている3つの実施形態に限定されず、引張り紐は、引張り紐滑車の合理的な配置によって異なる移動経路を有することができる。したがって、本開示によるドアロックアセンブリの様々な他の実施態様が存在する。
【0049】
図1Aは、本開示によるドアロックアセンブリの第1の実施形態100の斜視図であり、本開示によるドアロックアセンブリの主要な構成要素を示している。
【0050】
図1Aに示されているように、ドアロックアセンブリ100は、ドアロックボックス104と、駆動装置102と、引張り紐106とを備える。ドアロックボックス104は、ドアロックボックス上部カバー114とドアロックボックスハウジング116とを備え、長尺のドアロックスライダ112がドアロックボックス内に配置される。ドアロックスライダ112は、ドアロックスライダの長さ方向にドアロックボックス104に対して直線的に往復運動することができる。ドアロックスライダ112の一端(図に示されている左端)には、ドアフック穴110が設けられ、ドア上に取り付けられたドアフック108を受けてドアフック108との係合を保つために使用され、ドアロックスライダ112の他端(図に示されている右端)には、スライダ引張り紐受け穴142(図1D参照)が設けられ、引張り紐106を接続するために使用される。
【0051】
駆動装置102は、駆動装置上部カバー122と駆動装置ハウジング124とを備え、駆動ラック128が駆動装置内に配置される。駆動ラック128は、駆動装置102に対して直線的に往復運動することができる。駆動ラック128の一端(図に示されている左端)には、ラック引張り紐受け穴144(図1Dを参照)が設けられ、引張り紐106を接続するために使用される。駆動モータ126、好ましくはサーボモータが、駆動装置102の外部に更に配置され、駆動ラック128を駆動して右向き(図5Aから図5Gにおける第1の直線方向Eを参照)に移動させるように構成される。ドアロックスライダ112と駆動ラック128とは、引張り紐106によって互いに接続され得ることが分かる。ドアロックボックス104に対するドアロックスライダ112の左向きの移動(詳細については図5Aから図5Gの第2の直線方向Fを参照)は、駆動ラック128を駆動して駆動装置102に対して左向きに移動させることができ、駆動装置102に対する駆動ラック128の右向きの移動は、ドアロックスライダ112を駆動してドアロックボックス104に対して右向きに移動させることができる。ドアロックスライダ112の左向きの移動は、付勢装置(コイルばね)132(図1Dを参照)によって駆動される。
【0052】
図1Bは、本開示によるドアロックアセンブリの第2の実施形態100’の斜視図であり、定滑車151が引張り紐の移動経路上に設けられていることを示しており、引張り紐は、ドアロックスライダ112を駆動ラック128に接続するために使用される。
【0053】
図1Bに示されているように、ドアロックアセンブリの第2の実施形態100’は、引張り紐の移動経路の配置のみが第1の実施形態100と異なる。第2の実施形態100’において、定滑車151が引張り紐106’の移動経路上に配置され、定滑車151は、引張り紐106’の移動方向を変える効果を実現する。定滑車151の位置を適切に設定することによって、引張り紐106’の部分106.1及び106.2の延在方向がそれぞれドアロックスライダ112及び駆動ラック128の延在(移動)方向と一致するように保たれる限り、移動方向と一致しない分力がドアロックスライダ112及び駆動ラック128に発生することはなく、そうでない場合にはそれらの移動に影響を及ぼす。
【0054】
図1Cは、本開示によるドアロックアセンブリの第3の実施形態100’’の斜視図であり、2つの定滑車152及び153が引張り紐の移動経路上に配置されていることを示しており、引張り紐は、ドアロックスライダ112を駆動ラック128に接続するために使用される。
【0055】
図1Cに示されているように、ドアロックアセンブリの第3の実施形態100’’は、引張り紐の移動経路の配置のみが先の2つの実施形態と異なる。第3の実施形態100’’においては、引張り紐106’’の移動経路上に定滑車152及び153が配置されているので、引張り紐106’’の移動経路は2回方向が変わり、最終的に、駆動装置102に近い引張り紐106’’の部分106.4が、ドアロックボックス104に近い引張り紐106の部分106.3に対して距離Lだけずれる。第2の実施形態100’と同様に、定滑車152、153の位置を適切に設定することによって、引張り紐106’’の部分106.3及び106.4の延在方向が、それぞれドアロックスライダ112及び駆動ラック128の延在(移動)方向と一致するように保たれる限り、移動方向と一致しない分力がドアロックスライダ112及び駆動ラック128に発生することはなく、そうでない場合にはそれらの移動に影響を及ぼす。
【0056】
上記の図1B及び図1Cに示されているように、1つ又は2つの定滑車を配置することによって、ドアロックアセンブリ内の引張り紐の移動方向が合理的に変えられるので、ドアロックボックス104及び駆動装置102の位置配置がより柔軟となり、異なる電気機器構造及び空間に対する取付け要件を満たすことができる。ドアロックアセンブリの第1の実施形態100を例として、ドアロックアセンブリの詳細な構造及び機能について更に説明する。
【0057】
図1Aの実施形態においては、引張り紐106は、ドアロックスライダ112を直線的に引っ張り、ドアロックボックス104と駆動装置102とは同一直線上にあることに留意されたい。図1B及び図1Cの実施形態においては、電気機器内の組立て空間を柔軟に利用することができるように、引張り紐106は、方向を変えるようにドアロックスライダ112を引っ張り、ドアロックボックス104と駆動装置102とは同一直線上にない。
【0058】
図1Dは、図1Aに示されているドアロックアセンブリ100の分解図である。図1Dにおいて、ドアロックボックス104及び駆動装置102の内部の構成要素をより多く示すことができるように、図1Aのドアロックボックス104のドアロックボックス上部カバー114及び駆動装置102の駆動装置上部カバー122が取り外されている。
【0059】
図1Dに示されているように、ドアロックスライダ112は、ドアロックボックス104の内部に配置される。頂部から見ると、ドアロックスライダ112は、ドアロックボックス104の上部に配置され、ドアロックスライダ112に協働して接続される付勢装置132、好ましくはコイルばねが、ドアロックスライダ112の下方に更に配置される。コイルばね132は、ドアロックスライダ112が、後退位置から伸長位置へ移動する傾向を有するように、それ自体のねじれによってドアロックスライダ112に対して左向きの付勢力を生成することができる。ドアロックスライダ112に対して垂直に配置されたロックピンアセンブリ118が、ドアロックボックス104内に更に配置され、ドアロックスライダ112を図1Aに示されている後退位置(ドアの閉位置に対応する)にロックするように構成される。駆動ギヤ120が駆動装置102の内部に更に配置され、駆動ギヤの歯は駆動ラック128と係合することができる。駆動モータ126は、駆動ギヤ120を作動させて回転させ、駆動ギヤ120と駆動ラック128との間の係合伝達によって駆動ラック128を駆動して直線的に移動させることができる。
【0060】
当業者であれば、いくつかの他の実施形態において、例えば、電気機器の内部にドアロックアセンブリ100を配置するのに十分な空間がある場合、引張り紐106を配置することなく、ドアロックスライダ112と駆動ラック128とを同じ移動方向に固い接続によって直接配置することが可能である。
【0061】
図2A及び図2Bは、ドアロックボックス104内のドアロックスライダ112がそれぞれ後退位置及び伸長位置にある状態を示す頂面図である。図2A及び図2Bにおいて、ドアロックボックス104のドアロックボックス上部カバー114は、頂面視でドアロックボックス104の内部の様々な構成要素間の協働関係を示すように、また、後退位置及び伸長位置におけるドアロックスライダ112の移動距離を示して、電気機器のドアを開くことができる間隙距離を示すように、不図示とされている。
【0062】
図2A及び図2Bに示されているように、ドアロックスライダ112の位置を検出するように構成された第1のマイクロスイッチ202及び第2のマイクロスイッチ204が、ドアロックボックス104の内部に配置される。これに対応して、下向きに突出するスイッチ作動部212がドアロックスライダ112の右端に配置され、ドアロックスライダ112は、ドアロックボックス104の対応するスライダ溝内で直線的に往復運動することができ、その結果、ドアロックスライダ112のスイッチ作動部212もまた、ドアロックスライダ112の移動と共に往復運動する。
【0063】
図2Aに示されているように、ドアロックスライダ112の位置を検出する装置が本開示によるドアロックアセンブリ100内に配置される。一実施形態として、本開示においては、第1のマイクロスイッチ202及び第2のマイクロスイッチ204は、ドアロックスライダ112の位置を検出するために使用される。具体的には、ドアロックスライダ112が後退位置へ移動すると、ドアロックスライダ112のスイッチ作動部212が第2のマイクロスイッチ204と接触する。この場合、第2のマイクロスイッチ204は、次の動作のための制御プログラムを実行するために、ドアロックスライダ112が後退位置にあるという信号を電気機器の制御装置(図示せず)に送信することができる。同様に、図2Bに示されているように、ドアロックスライダ112が伸長位置へ移動すると、ドアロックスライダ112のスイッチ作動部212が第1のマイクロスイッチ202と接触する。この場合、第1のマイクロスイッチ202は、次の動作のための制御プログラムを実行するために、ドアロックスライダ112が伸長位置にあるという信号を電気機器の制御装置に送信することができる。当業者であれば、第1のマイクロスイッチ202及び第2のマイクロスイッチ204をドアロックボックス104内に配置しないことが可能である。例えば、ドアロックスライダ112の移動は、ドアロックボックス104内に対応する機械的制限構造を設けることによって制限してもよく、スライダの移動距離は、サーボモータの回転速度及び回転持続時間を制御することによって制御してもよい。
【0064】
更に図2A及び図2Bを参照すると、ドアロックスライダ112が後退位置から伸長位置へ移動すると、ドアロックスライダ112は距離Dだけ左向きに移動する。ドアロックスライダ112が後退位置から伸長位置へ移動する間、ドアフック108は常にドアロックスライダ112のドアフック穴110と係合した状態に保たれるので、ドアフック108及び電気機器のドアもこれに対応してドアの枢動軸Xを中心として閉位置から放熱位置へ移動し(詳細は図6Cを参照)、ドアも距離Dだけ押し出される、すなわち、ドア間隙の開度はDである(図6Cのドアの開度Dを参照)。
【0065】
更に図2A及び図2Bを参照すると、ドアロックボックス104の内部のロックピンアセンブリ118は、ロックピン208と、ロックピンばね207と、アクチュエータ209、好ましくはロックピンコイル209とを備え、ロックピンばね207は、ロックピン208とロックピンコイル209との間に配置され、ロックピンコイル209から離れるようにロックピン207を移動させる弾性力(復元力)を提供することができる。ロックピンコイル209は、制御装置(図示せず)からパルス信号を受信することができ、これにより、ロックピンコイル209へ近づくようにロックピン207を移動させる電磁力を提供する。ドアロックスライダ112の後退位置には、ピンスロット206が、ドアロックスライダ112の下方のロックピン208に対応する位置に設けられ、挿入されたロックピン208を受けるように構成される。具体的には、ドアロックスライダ112が引き戻された後退位置において、パルス信号が提供されなければ、ロックピンばね207の作用下でロックピン208がドアロックスライダ112の下方のピンスロット206に挿入(排出)され、これにより、ドアロックスライダ112のロックが完了する。図2Bに示されているように、ドアロックスライダ112の後退位置以外の位置において、ロックピン208はピンスロット206と位置合わせすることができないため、ロックピン208はピンスロット206に挿入することができず、退出位置に保たれる。ロックピン208がピンスロット206に挿入されていないとき、本開示の構造は、ドアロックスライダ112の移動が受ける抵抗を非常に低くし、ドアロックスライダ112が自由状態となって容易に摺動することができる。
【0066】
図3Aは、図1Dに示されているドアロックボックス104の拡大内部斜視図であり、ドアロックボックス104のドアロックボックス上部カバー114は、ドアロックスライダ112の内部の特徴部をより多く示すために不図示とされている。図3Bは、図3Aに示されているドアロックスライダ112の部分拡大図であり、この図の円A内に詳細に示されており、ドアロックスライダ112とコイルばね132との間の協働関係をより明確に示している。図3Cは、図3Aに示されているドアロックボックス104の取付け分解図であり、ドアロックボックス104の内部の様々な構成要素間の取付け関係を示している。
【0067】
図3A及び図3Bに示されているように、ドアロックスライダ112には、スライダ本体301が設けられ、スライダ溝308がスライダ本体301の長さ方向に設けられ、スライダラック304がスライダ溝308の側部に配置され、スライダラック歯305が設けられる。当業者であれば、スライダ溝308の2つの対向する側部にスライダラックを設けることができる。
【0068】
更に図3A及び図3Bを参照すると、スライダギヤ302がドアロックボックス104の内部に更に配置され、スライダ溝308に取り付けられる。スライダギヤ歯306がスライダギヤ302の上部に配置され、スライダギヤ302の下部がコイルばね132の中心に固定される。スライダギヤ302は、コイルばね132と同じコイルばね回転シャフト314を有し、コイルばね回転シャフト314は、スライダギヤ302をスライダ溝308内に収容することができるように、スライダ溝308内に延在する。したがって、時計回りに回転すると、スライダギヤ302は、コイルばね132が弾性位置エネルギを蓄積することができるように、コイルばねの中心から徐々に外向きにねじれるようにコイルばね132を駆動する。スライダギヤ302は、スライダギヤ歯306によってスライダラック304のスライダラック歯305と係合して、ラックアンドギヤ伝達構造を構成することができる。したがって、コイルばね回転シャフト314を中心としたスライダギヤ302の回転は、スライダラック304を駆動して直線的に移動させることができ、スライダラック304の直線的な移動は、スライダギヤ302を駆動してコイルばね回転シャフト314回りに(を中心として)回転させることができる。
【0069】
更に図3A及び図3Bを参照すると、コイルばね132は、連続的なシート金属材料をカールさせることによって形成される。スライダギヤ保持部322(詳細は図3Cを参照)は、コイルばね132のカール始端部、すなわち中心に配置され、スライダギヤ302の下部を保持するように構成され、コイルばね132のカール終端部316は、ドアロックボックスハウジング116上のコイルばね保持部318に固定される。スライダギヤ302が回転すると、スライダギヤ302の下部とスライダギヤ保持部322との接続を介して、コイルばね132の始端部がカールし始める。コイルばね132のカール終端部316がドアロックボックスハウジング116のコイルばね保持部318に固定されていることから、コイルばね132は全体として回転せず、コイルばね132の内部のみがねじり変形を受けて弾性位置エネルギを蓄積する。
【0070】
図3Cに示されているように、コイルばね132は、コイルばね132が、コイルばね取付け溝324によって画定された空間内でねじれることができるように、ドアロックボックスハウジング116のコイルばね取付け溝324内に配設される。ドアロックスライダ112は、ドアロックスライダ112が、摺動溝312内に収容され、摺動溝の長さ方向に沿って直線的に左向き又は右向きに移動することができるように、ドアロックボックスハウジング116の摺動溝312内に配設される。具体的には、ドアロックスライダ112、スライダギヤ302、コイルばね132、及びドアロックボックスハウジング116は、鉛直方向に順に配置されており、これら4つの部品の鉛直方向の取付け関係が示されている。同様に、ロックピン208、ロックピンばね207、及びロックピンコイル209は、前後方向に順に配置されており、これら3つの構成要素の前後方向の取付け関係が示されている。
【0071】
コイルばね回転シャフト314は、スライダギヤ302がドアロックスライダ112を駆動する作用点がドアロックスライダ112の移動経路と一致又は実質的に一致するように、すなわち、スライダギヤ302の回転シャフト(すなわち、コイルばね回転シャフト314)がドアロックスライダ112の長さ方向における中間に近い位置に配置されるように、スライダ溝308内に延在することに留意されたい。具体的には、スライダギヤ302のスライダギヤ歯306がドアロックスライダ112のスライダラック歯305と係合する作用点は、ドアロックスライダ112のスライダ本体301の内部に位置する。この配置は、スライダギヤ302がドアロックスライダ112を駆動して最小限の力又はトルクで移動させることを可能にする。
【0072】
図3Aから図3Cを参照して、ドアロックスライダ112の移動動作プロセスについて以下に説明する。
【0073】
ドアロックスライダ112が後退位置から伸長位置へ移動する間、制御装置は、パルス信号をロックピンコイル209に送信して、ロックピン208がロックピンばね207の弾性に打ち勝ってドアロックスライダ112のピンスロット206から出て、ドアロックスライダ112をロック解除するように、ロックピン208に対する電磁作動力を発生させる。コイルばね132は、それによって蓄積された弾性位置エネルギを解放して、スライダギヤ302を駆動して反時計回りに回転させる。スライダギヤ302の反時計回りの回転は、スライダギヤと係合するスライダラック304によって、ドアロックスライダ112を摺動溝312内で直線的に左向きに移動させる。逆に、ドアロックスライダ112が伸長位置から後退位置へ移動する間、ドアロックスライダ112は、摺動溝312内を直線的に右向きに移動し、スライダラックと係合するスライダギヤ302を駆動して、スライダラック304によって時計回りに回転させる。スライダギヤ302の時計回りの回転は、コイルばね132を駆動してねじり、弾性位置エネルギを蓄積させることができる。ドアロックスライダ112が後退位置へ移動すると、ピンスロット206は、ロックピン208をロックピンばね207の作用下でピンスロット206内に出し、これにより、ドアロックスライダ112をロックすることができるように、ロックピン208と位置的に位置合わせされる。
【0074】
図4Aは、図1Dに示されている駆動装置102の拡大図であり、駆動装置102の内部の構成要素をより多く示すために、駆動装置102の駆動装置上部カバー122が不図示とされている。図4Bは、図4Aに示されている駆動装置102の分解図であり、駆動装置102の内部の様々な構成要素間の取付け関係を示している。
【0075】
図4A及び図4Bに示されているように、駆動装置102は、駆動ギヤ120と、駆動ラック128と、トランスミッションギヤ406と、駆動モータ126とを備え、駆動ギヤ120、駆動ラック128、及びトランスミッションギヤ406は、駆動装置102の駆動装置ハウジング124の内部に配置され、駆動モータ126は、駆動装置ハウジング124の外部に配置される。図4Bにおいて、駆動ラック128、駆動ギヤ120、トランスミッションギヤ406、駆動装置ハウジング124、及び駆動モータ126は、鉛直方向に配置され、これらの構成要素の間の鉛直方向の組立て関係を示す。
【0076】
具体的には、駆動装置ハウジング124は、駆動ギヤチャンバ422を有し、駆動ギヤ120が駆動ギヤチャンバ422の内部で回転するように制限されるように、駆動ギヤ120の回転中心を規定するために駆動ギヤチャンバ422の中心に底部突起402が設けられる。駆動装置ハウジング124には、駆動ラック摺動溝424が更に設けられ、その結果、駆動ラック128は、駆動ラック摺動溝424内に収容され、駆動ラック摺動溝の長さ方向において直線的に左向き又は右向きに移動することができる。
【0077】
更に図4A及び図4Bを参照すると、駆動ギヤ120は、段付き形態の円形テーブル構造であり、円形テーブル構造は、異なる半径を有する上部及び下部を有する。第1の組の歯414は、円形テーブル構造の周囲の上部に設けられ、第2の組の歯416は、円形テーブル構造の周囲の下部に配置される。穴411が円形テーブル構造の中心に設けられており、円錐台形の穴411を通して駆動ギヤ120を駆動ギヤチャンバ422の底部突起402に取り付けることができ、したがって、駆動ギヤ120は底部突起402を中心として回転することができる。歯412が駆動ラック128の上側に配置され、駆動ギヤ120の第1の組の歯414と係合することができる。駆動ギヤ120には、第1の組の歯414に中立部分432が設けられる、すなわち、第1の組の歯414は、円周方向の或る特定の角度範囲内に歯のない平滑部を有する。中立部分432が駆動ラック128と位置合わせされる位置まで駆動ギヤ120が回転すると、駆動ギヤ120の第1の組の歯414は、駆動ラック128の歯412から係合解除される、すなわち、駆動ギヤ120及び駆動ラック128は、移動時に互いに干渉しない。
【0078】
図4Bに示されているように、トランスミッションギヤ406には、トランスミッションギヤ歯部410及び半円形中央穴部408が設けられ、トランスミッションギヤ歯部410は、駆動ギヤ120の第2の組の歯416と係合することができる。半円形中央穴部408は、駆動モータ126と協働して駆動モータ126のトルクを伝達するように構成される。駆動モータ126には、モータ出力シャフト404及びプラグ434が設けられる。半円形突出構造がモータ出力シャフト404の先端部に設けられ、駆動モータ126のモータ出力シャフト404の回転がトランスミッションギヤ406を駆動して回転させることができるように、トランスミッションギヤ406の半円形中央穴部408と協働することができる。駆動モータ126が駆動装置ハウジング124の外部に配置されることから、モータ出力シャフト404は、トランスミッションギヤ406と協働するためには、駆動装置ハウジング124の底部の駆動シャフト穴426を通過して、駆動装置ハウジング124内に延在する必要がある。駆動モータ126のプラグ434は、外部電源と電気的に接続することができ、これにより、駆動モータ126の回転のための電力が提供される。駆動モータ126の制御回路は図面に示されていないが、少なくとも当業者にとって、駆動モータ126は、制御装置に接続されたサーボモータであってもよく、駆動ギヤ120を時分割で駆動して異なる角度範囲で回転させることができ、駆動モータの回転角度、回転速度、及び回転持続時間は、制御装置によって制御することができる。
【0079】
駆動ラック128の移動動作プロセスについて、図4A及び図4Bを参照して以下に説明する。
【0080】
制御装置(図示せず)の制御下において、駆動モータ128は、モータ出力シャフト404によって時計回りのトルクを出力し、モータ出力シャフト404は、トランスミッションギヤ406がモータ出力シャフト404と共に時計回りに回転するように、モータ出力シャフトと協働するトランスミッションギヤ406に時計回りのトルクを伝達するために、駆動装置ハウジング124の底部にある駆動シャフト穴426を通過する。トランスミッションギヤ406と駆動ギヤ120の第2の組の歯416とは、駆動ギヤ120が底部突起402を中心として反時計回りに回転するように互いに係合(外部係合)し、駆動ギヤ120の反時計回りの回転は、第1の組の歯414と駆動ラック128との間の係合を通じて、駆動ラック128を駆動装置ハウジング124の駆動ラック摺動溝424内で直線的に移動させる。駆動ギヤ120が、駆動ギヤの中立部分432が駆動ラック128と位置合わせされる位置まで回転すると、駆動ギヤ120の第1の組の歯414は、駆動ラック128の歯412から係合解除される。この場合、駆動ギヤ120と駆動ラック128とは移動時に互いに干渉しないことから、駆動ラック128はそれ以上移動するように駆動されない。
【0081】
図5Aから図5Gは、駆動装置102内の駆動モータ128及びドアロックボックス104内のコイルばね132の駆動下での図1A並びに図2A及び図2Bのドアロックスライダ112の伸長位置と後退位置との間の移動を示す概略図であり、図1A並びに図2A及び図2Bの様々な構成要素の間の協働関係及び位置関係を示している。具体的には、(1)図5Aは、伸長位置にあるドアロックアセンブリ100の概略図であり、(2)図5Bから図5Eは、伸長位置から後退位置へのドアロックアセンブリ100の移動を示す概略図であり、(3)図5F及び図5Gは、後退位置から伸長位置へのドアロックアセンブリ100の移動を示す概略図である。ドアロックアセンブリ100の伸長位置は、電気機器のドアの放熱位置に対応し、ドアロックアセンブリ100の後退位置は、電気機器のドアの閉位置に対応する。より簡潔に表すために、ドアフック108とドアロックスライダ112との間の協働関係は、図5Aから図5Gでは不図示とされている。しかしながら、少なくとも当業者にとって、図5Aから図5Gに示されているドアロックアセンブリ100の制御中、ドアフック108は常にドアロックスライダ112のドアフック穴110と係合した状態に保たれる。
【0082】
上述のように、図5Aは、伸長位置にあるドアロックアセンブリ100の概略図である。図5Aに示されているように、ドアが放熱位置にあるとき(図6C参照)、ドアロックスライダ112は、伸長位置、すなわち、ドアロックスライダ112が移動する最も左側の位置にある。ドアロックスライダ112のスイッチ作動部212は、第1のマイクロスイッチ202をトリガーして、ドアが放熱位置にあるという信号を制御装置(図示せず)に送信する。第1の組の歯414が駆動ラック128の歯412と係合しないように、駆動ラック128も最も左の位置にあり、駆動ギヤ120の第1の組の歯414は中立位置にある。ロックピン208はドアロックスライダ112のピンスロット206と位置合わせされていないことから、ロックピンはピンスロット206に挿入することができず、退出位置にある。
【0083】
上述のように、図5Bから図5Eは、伸長位置から後退位置へのドアロックアセンブリ100の移動を示す概略図である。
【0084】
図5B及び図5Cに示されているように、操作者が食器洗浄機のコントロールパネルにドアを閉じる命令を入力した場合、又は食器洗浄機の制御プログラムがドアを閉じる段階に移行した場合、制御装置(図示せず)は、駆動モータ126を制御して駆動ギヤ120を反時計回りに回転させることができる。具体的には、駆動ギヤ120が図5Aに示されている位置から図5Bに示されている位置へ回転する前に、駆動ギヤは、まず、駆動ギヤ120の第1の組の歯414が中立位置を越えて回転するように角度θだけ反時計回りに空回りし、したがって、駆動ギヤ120の第1の組の歯414は、駆動ラック128の歯412と接触(又は係合)する準備ができている状態となる。そして、駆動ギヤ120は、図5Bに示されている位置から図5C及び図5Dに示されている位置へ移動する。駆動ギヤ120の第1の組の歯414は、駆動ラック128の歯412と係合し、したがって、駆動ギヤ120の反時計回りの回転は、駆動ラック128を駆動して第1の直線方向Eに移動させることができる。駆動ラック128の移動は、引張り紐106によってドアロックスライダ112を引っ張って第1の直線方向Eに移動させることができ、ドアロックスライダ112の移動は、コイルばね132が、ねじりプロセス中に弾性位置エネルギを蓄積するように、スライダラック304とスライダギヤ306(図3A及び図3B参照)との間の係合を介してコイルばね132を駆動してねじることができる。
【0085】
図5D及び図5Eに示されているように、ドアロックスライダ112が図5Dに示されているドアロックアセンブリの後退位置へ移動すると、ドアロックスライダ112のスイッチ作動部212が第2のマイクロスイッチ204をトリガーして、ドア閉信号を制御装置(図示せず)に送信する。この場合、ドアロックスライダ112は、後退位置、すなわち、ドアロックスライダ112が移動する最も右側の位置にあり、駆動ラック128も最も右側の位置にある。図5Eに示されているように、ドアロックスライダ112のピンスロット206は、ロックピン208を、ばね(図面には示されていない)の作用下で第3の直線方向Mにピンスロット206に挿入し、したがって、ドアロックスライダ112のロックを完了することができるように、ドアロックスライダ112が後退位置にあるときにロックピン208と位置合わせされる。この場合、駆動ギヤ120の第1の組の歯414は、駆動ラック128の歯412と係合した状態に保たれる。
【0086】
放熱動作持続時間は予め定められている(例えば、30秒)ことに留意すべきである。所定の放熱動作持続時間が経過した後、コントローラが、ドアロックスライダ112を放熱位置から閉位置へ引き戻すためにドア閉制御信号を送出する(すなわち、電動ドアが放熱位置から閉位置へ移動される)。また、ロックピン208がピンスロット206に挿入される。
【0087】
上述のように、図5F及び図5Gは、後退位置から伸長位置へのドアロックアセンブリ100の移動を示す概略図である。
【0088】
図5Fに示されているように、操作者が食器洗浄機のコントロールパネルに放熱命令を入力した場合、又は食器洗浄機の制御プログラムが放熱段階に移行した場合、制御装置は、駆動ギヤ120の第1組の歯414が中立位置まで回転し、駆動ラック128の歯412から係合解除されるように、駆動モータ126を制御して駆動ギヤ120を駆動して反時計回りに回転角θ’だけ回転させ、したがって、駆動ギヤ120の第1の組の歯414が後続の動作における駆動ラック128の移動と干渉しないようにすることができる。
【0089】
駆動ギヤ120の第1の組の歯414が中立位置まで回転した後、制御装置は、パルス信号、例えば、20ミリ秒の持続時間を有するパルス信号をロックピンコイル209に送信する。パルス信号の作用下で、ロックピンコイル209は、ロックピン208がピンスロット206から第4の直線方向Nに出て、したがって、ドアロックスライダ112のロックを解除するように、ロックピン208を第4の直線方向Nに引く電磁力を生成する。図5Gに示されているように、ドアロックスライダ112は、ロックピン208のロックを失った後、コイルばね132のねじり力に対してそれ以上抵抗しなくなる。ねじられた状態のコイルばね132は、ねじり力によって弾性位置エネルギを解放し、スライダギヤ306とスライダラック304との間の係合は、ドアロックスライダ112を駆動して第2の直線方向Fに移動させる。パルス信号が消失すると、ピンスロット206は、ドアロックスライダ112と共に第2の直線方向Fに或る距離だけ移動しており、ロックピン208はピンスロット206と位置合わせすることができず、その結果、ロックピン208は退出位置に保たれる。ドアロックスライダ112の移動は、引張り紐106によってドアロックスライダ112を引っ張って第2の直線方向Fに移動させる。
【0090】
コイルばね132が弾性位置エネルギを完全に解放すると、ドアロックスライダ112は、第2の直線方向Fにおいて図5Aに示されている伸長位置、すなわち、ドアロックスライダ112が移動する最も左の位置に移動し、駆動ラック128も最も左の位置にある。ドアロックスライダ112のスイッチ作動部212は、第1のマイクロスイッチ202をトリガーして、ドアが放熱位置にあるという信号を制御装置(図示せず)に送信する。ドアロックアセンブリ100は、伸長位置と後退位置との間の1つの移動サイクルを完了する。
【0091】
上記の図5Aから図5Gに示されている動作プロセスは、伸長位置と後退位置との間のドアロックスライダ112の移動を通じて、放熱位置と閉位置との間で移動するように食器洗浄機ドアを駆動し、ドアフック108とドアフック穴110とは、移動中に常に係合した状態に保たれる。ドアの完全な開閉は、ドアの外側のドアボルトを引いてドアフック108をドアフック穴110から係合解除することによって直接的に実現することができる。図5Aから図5Gに示されている動作の間、駆動ギヤ120は常に反時計回りに回転し、したがって、駆動モータ126によって出力されるトルクは、単一の回転方向のみであり得ることが分かる。
【0092】
本実施形態においては、ドアフック108にもマイクロスイッチ(図示せず)が設けられていることに留意すべきである。ドアフック108上のマイクロスイッチが、ドアフック108がドアフック穴110から係合解除されること、すなわち、ドアが完全に開放される傾向にあることを検出すると、制御装置は、ドアロックスライダ112を制御して後退位置へ移動させる(すなわち、図5Bから図5Eの動作プロセス)。とりわけ、ドアロックスライダ112が伸長位置にあるとき、ドア開放動作が行われる(ドアフック108がドアフック穴110から係合解除される)場合、ドアロックスライダ112は、ドアの開放状態において或る距離だけ延出し、これにより、ユーザが動作中にドアロックスライダ112に不意に触れることを引き起こし、不必要な負傷のリスクを引き起こす可能性がある。したがって、ドアフック108がドアフック穴110から係合解除されると(ドア開放プロセス)、制御装置は、ドアロックスライダ112を後退位置に後退させるように制御し、これにより、上述の負傷のリスクを回避することができる。
【0093】
しかしながら、少なくとも当業者にとっては、ドアフックとドアフック穴との間の協働的な接続なしに、ドアロックアセンブリの合理的な位置を適切に設定することによって、ドアの完全な開閉を直接的に制御すること、又はスライダの伸長若しくは後退のみによってドアの開放を特定の開放範囲内に制御することも可能である。
【0094】
図6Aから図6Cは、本開示によるドアロックアセンブリ100を備えた食器洗浄機600の概略図であり、ドアロックアセンブリ100の適用シナリオ、及びドアロックアセンブリ100とドアフック108との間の協働関係を示している。図6Aから図6Cにおいて、図6Aは食器洗浄機600のドアが開いた状態を示しており、図6Bは、食器洗浄機600のドアが閉じた状態を示しており、図6Cは、食器洗浄機600の放熱状態を示している。
【0095】
図6A及び図6Bは、本開示によるドアロックアセンブリ100が開位置及び閉位置にある食器洗浄機600の概略図である。
【0096】
図6A及び図6Bに示されているように、食器洗浄機600には、食器洗浄機本体602と、食器を収容する空洞604と、空洞を閉じる食器洗浄機ドア606とが設けられる。食器洗浄機ドア606は、食器洗浄機ドア606が開閉されるように、枢動軸Xを中心として枢動することができる。ドアフック108及びドアボルト612が食器洗浄機ドア606上に配置される。ドアロックアセンブリ100が、ドアフック108に対応する位置で食器洗浄機本体602に取り付けられ、洗濯機ドア606上のドアフック108は、ドアロックスライダ112のドアフック穴110と協働することができる。ドアボルト612を引くことによって、ドアフック108は、回転するようにドアフック穴110から出ることができ、ドアボルト612に対する引張力が除去されると、ドアフック108は、直ちに初期位置に戻る。ドアフック108がドアフック穴110の縁部と衝突すると、ドアフック108はドアフック穴110内に回転し、したがってドアフック穴110との係合を維持する。
【0097】
ドアフック108がドアロックスライダ112のドアフック穴110と係合すると、ドアロックスライダ112は、図5Aから図5Gに示されるように伸長又は後退して、食器洗浄機ドア606を制御して放熱位置と閉位置との間で移動させることができるか、又はドアフック108がドアロックスライダ112のドアフック穴110から係合解除されると、ドアロックスライダ112は、制御装置の制御下で、図2Aに示すような後退位置に保たれる(移動される)。
【0098】
図6Cは、放熱位置にある、図6Aに示されている食器洗浄機600の模式図である。
【0099】
図6Cに示されているように、食器洗浄機600が放熱位置にあるとき、ドアフック108は、ドアロックスライダ112と係合した状態に保たれ、ドアロックスライダ112は、図2A及び図2Bに示されているドアロックスライダ112の移動距離Dに対応して、閉位置にある食器洗浄機600に対して距離Dだけ延出する、すなわち、食器洗浄機ドア606が放熱位置で開かれるドア間隙の幅はDである。
【0100】
図6Aから図6Cに示されている食器洗浄機600は一例に過ぎず、本発明によるドアロックアセンブリ100は、洗濯機、衣類乾燥機、電子レンジ等、空洞及び空洞を閉じるドアを有する様々なタイプの電気機器に取り付けてもよく、その他の非電気機器に取り付けてもよい。
【0101】
本開示の目的は、前述の技術的問題を少なくとも部分的に解決することである。
【0102】
従来技術と比較して、本開示によるドアロックアセンブリ100は、以下の有益な技術的効果を有する。
【0103】
第1に、本開示によるドアロックアセンブリでは、付勢装置の回転軸は、スライダの移動経路の中心を通過し、その結果、スライダに加えられる付勢装置の付勢力は、より均一になり、付勢力は、スライダに対して過度に余分なトルクを生成しない。したがって、本開示における付勢装置の位置配置はより合理的であり、スライダは、小さい付勢力を生成することによって移動するように駆動させることができ、その結果、機器ドアは、小さい力で往復するように駆動することができ、付勢装置(コイルばね等)によって提供される弾性力に対する要件はより低い。
【0104】
第2に、合理的な構造配置を通じて、ドアロックボックス及び駆動装置を電気機器の2つのハウジング内にそれぞれ取り付けることができる。
【0105】
第3に、ドアロックアセンブリのドアロックボックスは、可撓性引張り紐によって駆動装置に接続され、その結果、ドアロックアセンブリのドアロックボックス及び駆動装置の位置配置は、より柔軟であり、ドアロックボックス及び駆動装置の位置配置は、電気機器の狭い空間を十分に利用することができ、すなわち、駆動装置の位置配置は、ドアロックボックスの位置によって制限されない。
【0106】
第4に、本発明による食器洗浄機において、放熱動作が完了した後、ドアロックアセンブリは、制御構成要素によってドアを自動的に閉じることができる構造を提供し、その結果、作業者が必要な時にドアを開くことができる。このような動作により、食器洗浄機の操作性が向上する。
【0107】
第5に、本開示における駆動モータは、単一の方向に回転することのみによってスライダの往復移動を実現するように構成され、その結果、モータに対する要件は低く、モータに対する制御は単純であり、したがって、放熱位置と閉位置との間のドアの移動の制御をより単純にする。
【0108】
したがって、本開示は、より均一かつ合理的にスライダに応力をかけるドアロックを提供し、すなわち、付勢装置は、スライダに対して過剰な余分なトルクを生成せず、付勢装置は、小さい付勢力を生成することによってスライダを駆動して移動させることができる。
【0109】
さらに、本開示は、駆動装置の配置をより柔軟にする、すなわち、駆動装置の位置配置がドアロックボックスの位置によって制限されないドアロックを提供する。
【0110】
本開示は、上記で概説した実施形態の例と併せて説明されているが、既知であるか、又は存在しているか、又は間もなく予想される様々な代替案、変更例、変形例、改良例、及び/又は実質的な等価物は、少なくとも通常の当業者には明らかであろう。さらに、本開示に記載された技術的効果及び/又は技術的問題は、制限的ではなく例示的なものである。したがって、本開示における開示された記載は、他の技術的問題を解決するために使用されてもよく、他の技術的効果を有し、及び/又は他の技術的問題を解決してもよい。したがって、上述した本開示の実施形態の例は、限定的ではなく例示的であることを意図している。本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができる。したがって、本開示は、全ての既知又は先に開発された代替物、変更、変形、改良及び/又は基本的等価物を含むことを意図する。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A-2B】
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6A
図6B
図6C
【外国語明細書】