(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166132
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】反復変数正確度を用いた低密度パリティ検査(LDPC)データ復号
(51)【国際特許分類】
H03M 13/19 20060101AFI20241121BHJP
H03M 13/45 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H03M13/19
H03M13/45
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024078525
(22)【出願日】2024-05-14
(31)【優先権主張番号】63/502,417
(32)【優先日】2023-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/418,348
(32)【優先日】2024-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520043615
【氏名又は名称】EDGECORTIX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】家富邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ネズ ニコライ
(72)【発明者】
【氏名】ハビン オレグ
(72)【発明者】
【氏名】ダスグプタ サキャシンガ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】反復変数正確度を用いた低密度パリティ検査(LDPC)データ復号方法を提供する。
【解決手段】方法は、LDPC符号化されたデータブロックを複数のデータ確率値セグメント及び複数のパリティ確率値セグメントに分割することで、2進値間の尤度を表すLDPC符号化された確率値のデータブロックをセグメント化し、正確度及び計算効率の間のトレードオフを表す反復変数正確度パラメータに従い、パリティ検査行列に基づき、LDPC符号化されたデータブロックの確率値を調整することで、LDPC符号化されたデータブロックを復号し、パリティ検査行列に基づき、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの間の対応を定義し、かつ、各データ確率値セグメントの確率値に関連付けられたパリティ検査行列を満たす尤もらしい2進値を連結して、復号されたデータブロックを形成する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低密度パリティ検査(LDPC)符号化されたデータブロックを複数のデータ確率値セグメント及び複数のパリティ確率値セグメントに分割することにより、LDPC符号化された確率値のデータブロックをセグメント化する段階、前記LDPC符号化されたデータブロックの各確率値は、2進値間の尤度を表す;
反復変数正確度パラメータに従い、パリティ検査行列に基づき、前記LDPC符号化されたデータブロックの前記確率値を調整することにより、前記LDPC符号化されたデータブロックを復号する段階、前記パリティ検査行列は、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの間の対応を定義する;及び
各データ確率値セグメントの前記確率値に関連付けられた前記パリティ検査行列を満たす尤もらしい2進値を連結して、復号されたデータブロックを形成する段階;
ここで、前記反復変数正確度パラメータは、正確度及び計算効率の間のトレードオフを表す
を備える方法。
【請求項2】
前記復号する段階は、
確率値のサブセットを比較する段階、各サブセットは、前記パリティ検査行列に従い関連する確率値を有し、各サブセットの前記関連する確率値は、対応するデータ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントからのものである、
ここで、各サブセットの前記確率値は、元の2進値に対応し、その総和は偶数であり、
ここで、各確率値は、1つよりも多くのサブセットに含まれる;及び
前記サブセット内の他の確率値のうちの1つ又は複数の最小信頼確率値に基づき、各サブセット内の各確率値を調整する段階、
ここで、各確率値は、前記サブセット内の尤もらしい2進値の総和が偶数であると判定したことに応答して、前記尤もらしい2進値内の信頼度を増加させるように調整され、
ここで、各確率値は、前記サブセット内の前記尤もらしい2進値の前記総和が偶数でないと判定したことに応答して、前記尤もらしい2進値内の信頼度を減少させるように調整される
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記復号する段階は、
各サブセットについて、調整基礎数量を判定する段階、前記調整基礎数量は、前記調整の基礎となる前記サブセット内の前記他の確率値のうちの最小信頼確率値の数量を表す;
ここで、前記1つ又は複数の最小信頼確率値の数量は、前記調整基礎数量であり;
ここで、前記調整基礎数量は、前記サブセット内の前記他の確率値の数量未満である、又はそれに等しい
を更に有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記復号する段階は、
各サブセット内の各確率値の調整の反復を実行する段階;
調整の各後続の反復について、少なくとも前の反復の反復値及び誤り率に基づき、前記反復変数正確度パラメータを判定する段階;及び
各サブセットについて、前記反復変数正確度パラメータ、及び前記サブセット内の確率値の数量よりも1つ少ない数量の間でより少ない方の前記調整基礎数量を適用する段階
を更に有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記誤り率は、前記サブセット内の前記尤もらしい2進値の前記総和が前記サブセットの全てに対して偶数であるサブセットの割合である
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記誤り率は、前記サブセット内の前記尤もらしい2進値の前記総和が前記確率値の全てに対して偶数であるサブセット内の確率値の割合である
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記反復変数正確度パラメータを前記判定する段階は、
信号対雑音比に更に基づき、前記反復変数正確度パラメータを判定する段階
を更に有する、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
調整の前記反復は、前記確率値に関連付けられた尤もらしい2進値が前記パリティ検査行列を満たすまで、又は、予め定められた回数の反復が実行されるまで、実行される
請求項4に記載の方法。
【請求項9】
プロセッサに:
低密度パリティ検査(LDPC)符号化されたデータブロックを複数のデータ確率値セグメント及び複数のパリティ確率値セグメントに分割することにより、LDPC符号化された確率値のデータブロックをセグメント化する手順、前記LDPC符号化されたデータブロックの各確率値は、2進値間の尤度を表す;
反復変数正確度パラメータに従い、パリティ検査行列に基づき、前記LDPC符号化されたデータブロックの前記確率値を調整することにより、前記LDPC符号化されたデータブロックを復号する手順、前記パリティ検査行列は、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの間の対応を定義する;及び
各データ確率値セグメントの前記確率値に関連付けられた前記パリティ検査行列を満たす尤もらしい2進値を連結して、復号されたデータブロックを形成する手順;
を実行させ、
ここで、前記反復変数正確度パラメータは、正確度及び計算効率の間のトレードオフを表す
コンピュータプログラム。
【請求項10】
前記復号する手順は、
確率値のサブセットを比較する手順、各サブセットは、前記パリティ検査行列に従い関連する確率値を有し、各サブセットの前記関連する確率値は、対応するデータ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントからのものである、
ここで、各サブセットの前記確率値は、元の2進値に対応し、その総和は偶数であり、
ここで、各確率値は、1つよりも多くのサブセットに含まれる;及び
前記サブセット内の他の確率値のうちの1つ又は複数の最小信頼確率値に基づき、各サブセット内の各確率値を調整する手順、
ここで、各確率値は、前記サブセット内の尤もらしい2進値の総和が偶数であると判定したことに応答して、前記尤もらしい2進値内の信頼度を増加させるように調整され、
ここで、各確率値は、前記サブセット内の前記尤もらしい2進値の前記総和が偶数でないと判定したことに応答して、前記尤もらしい2進値内の信頼度を減少させるように調整される
を有する、請求項9に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記復号する手順は、
各サブセットについて、調整基礎数量を判定する手順、前記調整基礎数量は、前記調整の基礎となる前記サブセット内の前記他の確率値のうちの最小信頼確率値の数量を表す;
ここで、前記1つ又は複数の最小信頼確率値の数量は、前記調整基礎数量であり;
ここで、前記調整基礎数量は、前記サブセット内の前記他の確率値の数量未満である、又はそれに等しい
を更に有する、請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記復号する手順は、
各サブセット内の各確率値の調整の反復を実行する手順;
調整の各後続の反復について、少なくとも前の反復の反復値及び誤り率に基づき、前記反復変数正確度パラメータを判定する手順;及び
各サブセットについて、前記反復変数正確度パラメータ、及び前記サブセット内の確率値の数量よりも1つ少ない数量の間でより少ない方の前記調整基礎数量を適用する手順
を更に有する、請求項11に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記誤り率は、前記サブセット内の前記尤もらしい2進値の前記総和が前記サブセットの全てに対して偶数であるサブセットの割合である
請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記誤り率は、前記サブセット内の前記尤もらしい2進値の前記総和が前記確率値の全てに対して偶数であるサブセット内の確率値の割合である
請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記反復変数正確度パラメータを前記判定する手順は、
信号対雑音比に更に基づき、前記反復変数正確度パラメータを判定する手順
を更に有する、請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
調整の前記反復は、前記確率値に関連付けられた尤もらしい2進値が前記パリティ検査行列を満たすまで、又は、予め定められた回数の反復が実行されるまで、実行される
請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
LDPC符号化された確率値のデータブロックを複数のデータ確率値セグメント及び複数のパリティ確率値セグメントに分割するように構成されたセグメンテーションプロセッサ、前記LDPC符号化されたデータブロックの各確率値は、2進値間の尤度を表す;
反復変数正確度パラメータに従い、パリティ検査行列に基づき、前記LDPC符号化されたデータブロックの前記確率値を調整するように構成された復号プロセッサ、前記パリティ検査行列は、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの間の対応を定義する;及び
各データ確率値セグメントの前記確率値に関連付けられた前記パリティ検査行列を満たす尤もらしい2進値を連結して、復号されたデータブロックを形成するように構成された連結プロセッサ;
ここで、前記反復変数正確度パラメータは、正確度及び計算効率の間のトレードオフを表す
を備えるデバイス。
【請求項18】
前記復号プロセッサは、
確率値のサブセットを比較する、各サブセットは、前記パリティ検査行列に従い関連する確率値を有し、各サブセットの前記関連する確率値は、対応するデータ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントからのものである、
ここで、各サブセットの前記確率値は、元の2進値に対応し、その総和は偶数であり、
ここで、各確率値は、1つよりも多くのサブセットに含まれる;及び
前記サブセット内の他の確率値のうちの1つ又は複数の最小信頼確率値に基づき、各サブセット内の各確率値を調整する、
ここで、各確率値は、前記サブセット内の尤もらしい2進値の総和が偶数であると判定したことに応答して、前記尤もらしい2進値内の信頼度を増加させるように調整され、
ここで、各確率値は、前記サブセット内の前記尤もらしい2進値の前記総和が偶数でないと判定したことに応答して、前記尤もらしい2進値内の信頼度を減少させるように調整される
ように更に構成されている、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記復号プロセッサは、
各サブセットについて、調整基礎数量を判定する、前記調整基礎数量は、前記調整の基礎となる前記サブセット内の前記他の確率値のうちの最小信頼確率値の数量を表す;
ここで、前記1つ又は複数の最小信頼確率値の数量は、前記調整基礎数量であり;
ここで、前記調整基礎数量は、前記サブセット内の前記他の確率値の数量未満である、又はそれに等しい
ように更に構成されている、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記デバイスは、回路のうち、
前記セグメンテーションプロセッサ、前記復号プロセッサ、及び前記連結プロセッサの各々に複数のパラメータを送信するように構成されたパラメータプロセッサ
ここで、前記複数のパラメータは、前記符号化されたデータブロックに対応する
を更に備える、請求項17に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
無線データ通信は、現代社会において遍在化している。デジタルデータ送信がより普及するにつれ、ノイズの多い無線チャネル上で、信頼性が高く誤りのない通信の有用性が明らかになった。これにより、前方誤り訂正(FEC)符号が作成されるに至った。FEC符号は、送信されたデータに冗長な情報を付加するために使用される数学的アルゴリズムであり、送信中に生じ得る誤りを受信側が訂正することを可能にする。FEC符号は、無線通信システムが拡大するにつれ、特に、移動電話及びデータ集約型アプリケーションの出現に伴い、不可欠なものとなった。FECがなければ、無線データ送信はより高い誤り率を被ることになり、データ破損及びコストのかかる再送信に繋がる。低密度パリティ検査(Low-Density Parity-Check:LDPC)符号などのFEC符号は、現代の無線技術の不可欠な構成要素であり、データの完全性を向上させ、チャネル障害の影響を軽減することで、無線通信を信頼性が高く効率的なものにしている。
【図面の簡単な説明】
【0002】
添付の図と共に読まれるときに、本開示の態様が以下の詳細な説明から最も良く理解される。産業における標準的な慣行に従って、様々な特徴は一定の縮尺で描かれていないことが留意される。実際には、様々な特徴の寸法は、論述の明確さのために、任意に増加又は減少し得る。
【0003】
【
図1】本発明の少なくとも1つの実施形態による、低密度パリティ検査(LDPC)データ送信のためのシステムの概略図である。
【0004】
【
図2】本発明の少なくとも1つの実施形態による、LDPCデータ符号化のための集積回路符号化器の概略図である。
【0005】
【
図3】本発明の少なくとも1つの実施形態による、LDPCデータ復号のための集積回路復号器の概略図である。
【0006】
【
図4】本発明の少なくとも1つの実施形態による、反復変数正確度を用いたLDPCデータ復号のための動作フローである。
【0007】
【
図5】本発明の少なくとも1つの実施形態による、データ確率値セグメント復号のための動作フローである。
【0008】
【
図6】本発明の少なくとも1つの実施形態による、調整基礎数量(adjustment basis quantity)判定のための動作フローである。
【0009】
【
図7】本発明の少なくとも1つの実施形態による、サブセット確率値調整のための動作フローである。
【0010】
【
図8】本発明の少なくとも幾つかの実施形態による、反復変数正確度を用いたLDPCデータ復号のためのハードウェア構成のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の開示は、提供される主題の異なる特徴を実装するための、多くの異なる実施形態又は例を提供する。構成要素、値、動作、材料又は配置等の具体例が、本開示を簡略化するために以下で説明される。当然ながら、これらは単なる例であって、限定を意図するものではない。他の構成要素、値、動作、材料又は配置等が企図される。加えて、本開示は、様々な例において参照番号及び/又は文字を繰り返し得る。この繰り返しは、簡潔さ及び明確さを目的としており、それ自体が、論述される様々な実施形態及び/又は構成間の関係を規定するものではない。
【0012】
FEC符号で符号化されたデータの効率的な復号は、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)デバイスなど、その多くが限定された電力及び処理能力を有する膨大かつ多種多様なコネクテッドデバイスへの無線通信の普及において重要な役割を果たす。
【0013】
図1は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、低密度パリティ検査(LDPC)データ送信のためのシステムの概略図である。本システムは、符号化器101、送信器103、受信器106、及び復号器108を備える。少なくとも幾つかの実施形態において、符号化器101及び送信器103は、無線アクセスネットワークの送信タワーなどの単一のデバイスの一部である。少なくとも幾つかの実施形態において、受信器106及び復号器108は、無線アクセスネットワークと通信する、スマートフォンなどの単一のデバイスの一部である。少なくとも幾つかの実施形態において、そのような単一のデバイスは、符号化器、送信器、受信器、及び復号器を有し、双方向通信を可能にする。
図1において、送信器103は受信器106と直接通信しているため、符号化器101及び送信器103は、受信器106及び復号器108と同じデバイスの一部にはならない。
【0014】
符号化器101は、元のデータ100を受信し、符号化されたデータ102を送信器103に送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、符号化器101は、1つ又は複数の予め定められた長さのブロック内で、元のデータ100を受信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、符号化器101は、元のデータ100にFEC符号化を適用して、符号化されたデータ102を生成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、符号化器101は、元のデータ100にLDPC符号化を適用して、符号化されたデータ102を生成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、符号化器101は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array:FPGA)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等のような集積回路である。少なくとも幾つかの実施形態において、符号化器101は、プロセッサ、及び当該プロセッサによる実行のための命令を記憶するメモリ、を有するコンピュータである。
【0015】
送信器103は、無線通信を通じて、符号化器101から符号化されたデータ102を受信し、符号化されたデータ102の2進値104を受信器106に送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、送信器103は、1つ又は複数の予め定められた長さのブロック内で、符号化されたデータ102を送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、送信器103は、5G、BLUETOOTH(登録商標)、BLE、WiFi(登録商標)、3G GPRS、3G EVDO、3G HSPA、4G WiMAX(登録商標)、4G E-UTRAN(LTE)等のような規格無線プロトコルに従って2進値104を送信するように構成されている。3G及び4Gなど、前述の規格の全てが現在LDPCを利用しているわけではないが、少なくとも幾つかの実施形態において、送信器103は、複数の規格無線プロトコル用の構成を含む。少なくとも幾つかの実施形態において、送信器103は、規格無線プロトコルに従った周波数及びタイミング方式で送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、送信器103は、データチャネルを通じて2進値104を送信し、制御チャネルを通じて、パリティ検査行列を表す情報など、符号化されたデータ102を復号するための他の情報を送信するように構成されている。
【0016】
受信器106は、無線受信を通じて確率値105を受信し、符号化された確率値107を復号器108に送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、受信器106は、2進値104の受信を試みる際に確率値105を記録するように構成されており、確率値105は、送信器103によって送信されるような2進値104の送信から受信された2進値が1を表すか又は0を表すかの1つ又は複数の確率を表す。少なくとも幾つかの実施形態において、受信器106は、受信中に、信号対雑音比に比例する信頼度を有する確率値を記録する。少なくとも幾つかの実施形態において、受信器106は、より高い信号対雑音比のインスタンス中に、より信頼度の高い確率値を記録し、より低い信号対雑音比のインスタンス中に、より信頼度の低い確率値を記録するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、受信された値は以下のように表される:
z
i=y
i+n
i 式1
ここで、z
iは受信された値を表し、y
iは送信された値を表し、n
iは加算性白色ガウス雑音(Additive White Gaussian Noise:AWGN)を表し、iは1~Nであり、ここで、Nは、受信された符号化された確率値の数量である。少なくとも幾つかの実施形態において、受信器106は、受信された値を、以下の通り、対数尤度比(Log-Likelihood Ratio:LLR)ドメインに変換する:
【数1】
ここで、p(z
i|y
i=0)は、受信された値が0である確率であり、p(z
i|y
i=1)は、受信された値が1である確率である。少なくとも幾つかの実施形態において、LLR値の使用は、確率値が追加されることを可能にし、LLRの絶対値は、確率の信頼度を示す。
【0017】
少なくとも幾つかの実施形態において、受信器106は、複数ビットのデータを使用して、2進値104のうちの1つの2進値に対応する確率値105のうちの1つ又は複数の確率値を記録するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、確率値105のうちの各確率値を記録するために使用されるデータのビット数は、受信器106又は復号器108のハードウェア能力に依存する。少なくとも幾つかの実施形態において、受信器106は、6ビットのデータを使用して、2進値104のうちの1つの2進値に対応する確率値105のうちの1つ又は複数の確率値を記録するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、受信器106は、1つ又は複数の予め定められた長さのブロック内で、確率値105を受信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、受信器106は、符号化された確率値107のうちの確率値及び符号化されたデータ102のうちの2進値の間の対応を明確にするフォーマットを用いて、確率値105を符号化された確率値107にアセンブルするように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、受信器106は、データチャネルを通じて確率値105を受信し、制御チャネルを通じて、パリティ検査行列を表す情報など、符号化されたデータ102を復号するための他の情報を受信するように構成されている。
【0018】
復号器108は、符号化された確率値107を受信器106から受信し、復号されたデータ109を出力するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、復号器108は、符号化された確率値107を復号されたデータ109に復号するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、復号器108は、符号化された確率値107にFEC復号を適用して、復号されたデータ109を生成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、復号器108は、符号化された確率値107にLDPC復号を適用して、復号されたデータ109を生成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、復号器108は、FPGA、ASIC等のような集積回路である。少なくとも幾つかの実施形態において、復号器108は、プロセッサ、及び当該プロセッサによる実行のための命令を記憶するメモリ、を有するコンピュータである。
【0019】
図2は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、LDPCデータ符号化のための集積回路符号化器201の概略図である。集積回路符号化器201は、セグメンテーションプロセッサ210、符号化プロセッサ213、連結プロセッサ216、及びパラメータプロセッサ219を含む。
【0020】
セグメンテーションプロセッサ210は、元のデータブロック200を受信し、データセグメント211を符号化プロセッサ213及び連結プロセッサ216に送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメンテーションプロセッサ210は、元のデータブロックを複数のデータセグメントに分割するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメンテーションプロセッサ210は、元のデータブロック200を1つ又は複数の予め定められた長さのセグメントに分割するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメンテーションプロセッサ210は、元のデータブロック200を、元のデータブロック200の長さに従った長さを有するセグメントに分割するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメンテーションプロセッサ210は、元のデータブロックを、LDPCベースグラフの列に従った複数のデータセグメントに分割するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、元のデータブロック200は、5G規格における「情報ブロック」に対応し、当該情報ブロックは、セグメンテーションプロセッサ210によって実行されない、トランスポートブロックの、前のセグメンテーションの結果である。
【0021】
符号化プロセッサ213は、データセグメント211を受信し、パリティセグメント214を連結プロセッサ216に送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、符号化プロセッサ213は、データセグメント211にパリティ検査行列を適用して、パリティセグメント214を生成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、符号化プロセッサ213は、データセグメント211にLDPCパリティ検査行列を適用して、パリティセグメント214を生成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、符号化プロセッサ213は、パリティ検査行列に従って各データセグメント211に1つ又は複数の循環シフトを適用して、パリティセグメント214を生成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、符号化プロセッサ213は、パリティ検査行列に従ったパリティセグメント214のうちの「コア」パリティセグメントなどの幾つかのパリティセグメントに1つ又は複数の循環シフトを適用して、パリティセグメント214の中に他のパリティセグメントを生成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、符号化プロセッサ213は、各パリティセグメントの各ビットに、当該ビットに対応する1つ又は複数のデータセグメント及び他のパリティセグメントの値のサブセット内のビット値及び2進値の総和が偶数になるような値を入力するように構成されている。
【0022】
連結プロセッサ216は、データセグメント211及びパリティセグメント214を受信し、符号化されたデータブロック202を出力するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、連結プロセッサ216は、データセグメント211をパリティセグメント214と連結して、符号化されたデータブロック202を生成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、連結プロセッサ216は、データセグメント211をパリティセグメント214と連結して、データセグメント211及びパリティセグメント214の値のサブセット間の対応を明確にするフォーマットにするように構成されている。
【0023】
パラメータプロセッサ219は、パラメータストリーム218を受信して、セグメンテーションプロセッサ210、符号化プロセッサ213、及び連結プロセッサ216に情報を送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、パラメータプロセッサ219は、制御チャネルを通じてパラメータストリーム218を受信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、パラメータプロセッサ219は、パラメータストリーム218内の元のデータブロック200に対応するパリティ検査行列を表す情報を受信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、パラメータプロセッサ219は、セグメンテーションプロセッサ210、符号化プロセッサ213、及び連結プロセッサ216の各々に、関連するパラメータを送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、パラメータプロセッサ219は、セグメントサイズを表す情報をセグメンテーションプロセッサ210に送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、パラメータプロセッサ219は、元のデータブロック200に対応するパリティ検査行列を表す情報を符号化プロセッサ213に送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、パラメータプロセッサ219は、元のデータブロック200に対応するパリティ検査行列を表す情報を連結プロセッサ216に送信するように構成されている。
【0024】
図3は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、LDPCデータ復号のための集積回路復号器308の概略図である。集積回路復号器308は、セグメンテーションプロセッサ320、1つ又は複数の復号プロセッサ323、連結プロセッサ326、及びパラメータプロセッサ329を含む。
【0025】
セグメンテーションプロセッサ320は、符号化された確率値のデータブロック307を受信して、確率値セグメント321を復号プロセッサ323に送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、確率値セグメント321は、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントを含む。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメンテーションプロセッサ320は、符号化された確率値のデータブロックを複数のデータ確率値セグメント及び複数のパリティ確率値セグメントに分割するように構成され、符号化されたデータブロックの各確率値は2進値間の尤度を表す。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメンテーションプロセッサ320は、符号化された確率値のデータブロック307を、1つ又は複数の予め定められた長さのセグメントに分割するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメンテーションプロセッサ320は、符号化された確率値のデータブロック307を、符号化された確率値のデータブロック307の長さに従った長さを有するセグメントに分割するように構成されている。
【0026】
復号プロセッサ323は、それぞれ、確率値セグメント321を受信し、復号された2進値セグメント324を連結プロセッサ326に送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、各復号プロセッサ323は、反復変数正確度パラメータに従い、パリティ検査行列に基づき、符号化されたデータブロックの確率値を調整するように構成されており、パリティ検査行列は、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの間の対応を定義し、ここで、反復変数正確度パラメータは、正確度及び計算効率の間のトレードオフを表す。少なくとも幾つかの実施形態において、復号プロセッサ323はそれぞれ、確率値セグメント321にパリティ検査行列を適用して、復号された2進値セグメント324を生成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、復号プロセッサ323は、それぞれ、確率値セグメント321にLDPCパリティ検査行列を適用して、復号された2進値セグメント324を生成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、復号プロセッサ323はそれぞれ、パリティ検査行列に従って確率値セグメント321のうちの各データ確率値セグメント及び各パリティ確率値セグメントに1つ又は複数の循環シフトを適用して、復号された2進値セグメント324を生成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、復号プロセッサ323はそれぞれ、対応するデータ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの値のサブセット内の2進値を比較して、当該値の総和が偶数になることを確実にするように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、復号プロセッサ323の各々は、確率値をセグメントにソートして最小値を求めるためのソータ、最小値から更新値を計算するための計算器、最小値に基づき調整量を判定するための正確な関数を選択するための関数セレクタ、及び、反復変数正確度パラメータを選択するための正確度パラメータセレクタ、を含む。
【0027】
連結プロセッサ326は、復号された2進値セグメント324を受信し、復号されたデータブロック309を出力するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、連結プロセッサ326は、各データ確率値セグメントの確率値に関連付けられたパリティ検査行列を満たす尤もらしい2進値を連結して、復号されたデータブロックを形成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、連結プロセッサ326は、復号された2進値セグメント324を連結して、復号されたデータブロック309を生成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、連結プロセッサ326は、復号された2進値セグメント324を連結して、元のデータブロックと同一のフォーマットにするように構成されている。
【0028】
パラメータプロセッサ329は、パラメータストリーム328を受信し、セグメンテーションプロセッサ320、復号プロセッサ323、及び連結プロセッサ326に情報を送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、パラメータプロセッサ329は、セグメンテーションプロセッサ、復号プロセッサ、及び連結プロセッサの各々に複数のパラメータを送信するように構成され、ここで、当該複数のパラメータは、符号化されたデータブロックに対応する。少なくとも幾つかの実施形態において、パラメータプロセッサ329は、制御チャネルを通じてパラメータストリーム328を受信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、パラメータプロセッサ329は、パラメータストリーム328内の符号化された確率値のデータブロック307に対応するパリティ検査行列を表す情報を受信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、パラメータプロセッサ329は、セグメンテーションプロセッサ320、復号プロセッサ323、及び連結プロセッサ326の各々に、関連するパラメータを送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、パラメータプロセッサ329は、セグメントサイズを表す情報をセグメンテーションプロセッサ320に送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、パラメータプロセッサ329は、符号化された確率値のデータブロック307に対応するパリティ検査行列を表す情報を復号プロセッサ323に送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、パラメータプロセッサ329は、符号化された確率値のデータブロック307に対応するパリティ検査行列を表す情報を連結プロセッサ326に送信するように構成されている。
【0029】
図4は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、反復変数正確度を用いたLDPCデータ復号のための動作フローである。本動作フローは、反復変数正確度を用いたLDPCデータ復号の方法を提供する。少なくとも幾つかの実施形態において、本方法は、
図3において示される復号プロセッサ323などの、集積回路の1つ又は複数の復号プロセッサ、又は、
図8において示されるコントローラ及び復号器などの、特定の動作を実行するためのセクションを含む復号器のコントローラによって実行され、これについては以下で説明される。
【0030】
S430で、コントローラのセグメント化セクションは、LDPC符号化されたデータブロックをセグメント化する。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメント化セクションは、符号化されたデータブロックを複数のデータ確率値セグメント及び複数のパリティ確率値セグメントに分割することにより、低密度パリティ検査(LDPC)符号化された確率値のデータブロックをセグメント化し、当該符号化されたデータブロックの各確率値は、2進値間の尤度を表す。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメント化セクションは、符号化されたデータブロックを1つ又は複数の予め定められた長さのセグメントに分割する。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメント化セクションは、符号化されたデータブロックを、当該符号化されたデータブロックの長さに従った長さを有するセグメントに分割する。
【0031】
S433で、コントローラの復号セクションは、データ確率値セグメントを復号する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントにパリティ検査行列を適用して、復号された2進値セグメントを生成する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントにLDPCパリティ検査行列を適用して、復号された2進値セグメントを生成する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、パリティ検査行列に従いデータ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントに1つ又は複数の循環シフトを適用して、復号された2進値セグメントを生成する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、対応するデータ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの値のサブセット内の2進値を比較して、当該値の総和が偶数になることを確実にする。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、反復変数正確度パラメータに従い、パリティ検査行列に基づき、符号化されたデータブロックの確率値を調整することにより、符号化されたデータブロックを復号し、パリティ検査行列は、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの間の対応を定義し、ここで、反復変数正確度パラメータは、正確度及び計算効率の間のトレードオフを表す。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、
図5において示される動作フローを実行し、これについては以下で説明される。
【0032】
S439で、連結セクションは、尤もらしい2進値を連結する。少なくとも幾つかの実施形態において、連結セクションは、各データ確率値セグメントの確率値に関連付けられたパリティ検査行列を満たす尤もらしい2進値を連結して、復号されたデータブロックを形成する。少なくとも幾つかの実施形態において、連結セクションは、尤もらしい2進値セグメントを連結して、復号されたデータブロックを生成する。少なくとも幾つかの実施形態において、連結セクションは、尤もらしい2進値セグメントを連結して、元のデータブロックと同一のフォーマットにする。
【0033】
図5は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、データ確率値セグメント復号のための動作フローである。本動作フローは、データ確率値セグメントを復号する方法を提供する。少なくとも幾つかの実施形態において、本方法は、
図3において示される復号プロセッサ323などの、集積回路の1つ又は複数の復号プロセッサ、
図8において示される復号セクションなどの、復号器の復号セクションによって実行され、これについては以下で説明される。
【0034】
S540で、復号セクション又はそのサブセクションは、サブセット内の確率値を比較する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、1つ又は複数のデータ確率値セグメントからの確率値のサブセット及び対応するパリティ確率値セグメントを比較する。少なくとも幾つかの実施形態において、反復の進行に伴い、復号セクションは確率値のサブセットを比較し、各サブセットは、パリティ検査行列に従い関連する確率値を有し、各サブセットの関連する確率値は対応するデータ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントからのものである。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、パリティ検査行列を参照して、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントのどの値が各サブセットに属するかを判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、パリティ検査行列の各行は、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの値のサブセットを定義する。少なくとも幾つかの実施形態において、各サブセットの確率値は、元の2進値に対応し、その総和は偶数である。少なくとも幾つかの実施形態において、各確率値は、1つよりも多くのサブセットに含まれる。
【0035】
S542で、復号セクション又はそのサブセクションは、調整基礎数量を判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、調整の基礎となるサブセット内の他の確率値のうちの最小信頼確率値の数量を表す調整基礎数量を判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、反復の進行に伴い、復号セクションは、各サブセットについて調整基礎数量を判定し、当該調整基礎数量は、調整の基礎となるサブセット内の他の確率値のうちの最小信頼確率値の数量を表す。少なくとも幾つかの実施形態において、1つ又は複数の最小信頼確率値の数量は、調整基礎数量である。少なくとも幾つかの実施形態において、調整基礎数量は、サブセット内の他の確率値の数量未満である、又はそれに等しい。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、各サブセットの第1の反復について固定された調整基礎数量を判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、各サブセットの各後続の反復について、
図6において示される動作フローを実行し、これについては以下で説明される。
【0036】
S544で、復号セクション又はそのサブセクションは、サブセットの確率値を調整する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、サブセット内の他の確率値のうちの1つ又は複数の最小信頼確率値に基づき、サブセット内の各確率値を調整する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、各サブセット内の各確率値の調整の反復を実行する。少なくとも幾つかの実施形態において、反復の進行に伴い、復号セクションは、サブセット内の他の確率値のうちの1つ又は複数の最小信頼確率値に基づき、各サブセット内の各確率値を調整する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、
図7において示される動作フローを実行し、これについては以下で説明される。
【0037】
S546で、復号セクション又はそのサブセクションは、終了条件が満たされたかどうかを判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、パリティ検査行列が満たされたことに応答して、又は、予め定められた回数の反復を実行したことに応答して、終了条件が満たされたと判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、調整の反復は、確率値に関連付けられた尤もらしい2進値がパリティ検査行列を満たすまで、又は、予め定められた回数の反復が実行されるまで、実行される。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、各サブセット内の尤もらしい2進値の総和が偶数であると判定したことに応答して、パリティ検査行列が満たされたと判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、各サブセット内の尤もらしい2進値の総和が連続する反復において偶数であると判定したことに応答して、パリティ検査行列が満たされたと判定する。終了条件がまだ満たされていないと復号セクションが判定したことに応答して、本動作フローは、次のサブセットを選択した(S547)後に、S540における確率値比較に戻る。終了条件が満たされたと復号セクションが判定したことに応答して、本動作フローは、S549における復号された2進値セグメント出力に進む。
【0038】
S549で、復号セクション又はそのサブセクションは、復号された2進値セグメントを出力する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号された2進値セグメントは、データ確率値セグメントの最終的に調整された確率値に従った尤もらしい2進値を含む。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、復号された2進値セグメントの連結のために、復号された2進値セグメントを連結セクションに送信する。少なくとも幾つかの実施形態において、サブセット間に相互依存がない場合、サブセットは並列に処理され得る。少なくとも幾つかの実施形態において、パリティ検査行列に従い対応するデータ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントは、並列に処理される。
【0039】
図6は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、調整基礎数量判定のための動作フローである。本動作フローは、調整基礎数量を判定する方法を提供する。少なくとも幾つかの実施形態において、本方法は、
図3において示される復号プロセッサ323などの、集積回路の1つ又は複数の復号プロセッサ、
図8において示される復号セクションなどの、復号器の復号セクションによって実行され、これについては以下で説明される。
【0040】
S650で、復号セクション又はそのサブセクションは、反復変数正確度パラメータを取得する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、前の反復の反復値及び誤り率に基づき、反復変数正確度パラメータを判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、調整の各後続の反復について、少なくとも前の反復の反復値及び誤り率に基づき、反復変数正確度パラメータを判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、反復変数正確度パラメータは、以下のように表される:
J'k=f(k,Ek-1) 式3
ここで、J'kは現在の反復の反復変数正確度パラメータを表し、kは反復を表し、Ek-1は前の反復の誤り率を表す。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、反復の回数が増加するのに伴い、かつ、高い誤り率に応答して、反復変数正確度パラメータが増加するように反復変数正確度パラメータを判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、誤り率は、サブセット内の尤もらしい2進値の総和がサブセットの全てに対して偶数であるサブセットの割合である。少なくとも幾つかの実施形態において、誤り率は、サブセット内の尤もらしい2進値の総和が確率値の全てに対して偶数でないサブセット内の確率値の割合である。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、他の復号器パラメータのみに基づき、又は、少なくとも前の反復の反復値及び誤り率に加えて他の復号器パラメータに基づき、反復変数正確度パラメータを判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、信号対雑音比のみに更に基づき、又は、少なくとも前の反復の反復値、誤り率、又はその両方に加えて信号対雑音比に更に基づき、反復変数正確度パラメータを判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクション又は復号プロセッサは、反復変数正確度パラメータ値が対応する反復値及び誤り率値に関連付けられているルックアップテーブル(Look-Up Table:LUT)を含む。
【0041】
S653で、復号セクションは、反復変数正確度パラメータがサブセット内の確率値の数量未満であるかどうかを判定する。反復変数正確度パラメータがサブセット内の確率値の数量未満であると復号セクションが判定したことに応答して、本動作フローは、S656における正確度パラメータ適用に進む。反復変数正確度パラメータがサブセット内の確率値の数量未満でないと復号セクションが判定したことに応答して、本動作フローは、S658における、サブセット数量よりも1つ少ない数量に等しい調整数量の適用に進む。
【0042】
S656で、復号セクション又はそのサブセクションは、正確度パラメータを調整数量として適用する。S658で、復号セクション又はそのサブセクションは、調整数量として、サブセット内の確率値の数量よりも1つ少ない数量を適用する。換言すれば、復号セクションは、反復変数正確度パラメータ、及びサブセット内の確率値の数量よりも1つ少ない数量の間でより少ない方の調整基礎数量を適用する。少なくとも幾つかの実施形態において、S653、S656、及びS658の動作は以下のように表される:
J=min(J',(I-1)) 式4
ここで、Jは調整基礎数量を表し、Iはサブセット内の確率値の数量を表す。
【0043】
図7は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、サブセット確率値調整のための動作フローである。本動作フローは、サブセット確率値を調整する方法を提供する。少なくとも幾つかの実施形態において、本方法は、
図3において示される復号プロセッサ323などの、集積回路の1つ又は複数の復号プロセッサ、
図8において示される復号セクションなどの、復号器の復号セクションによって実行され、これについては以下で説明される。
【0044】
S760で、復号セクション又はそのサブセクションは、1つ又は複数の最小信頼値を判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、選択された値以外の、サブセット内の1つ又は複数の最小信頼値を判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、サブセット内のどの他の確率値が最低信頼値を有するかを判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、各確率値は、LLRによって表される。少なくとも幾つかの実施形態において、LLR値は、0である確率が1である確率よりも高い場合は正であり、1である確率が0である確率よりも高い場合は負であり、式2と一致する。少なくとも幾つかの実施形態において、LLR値の絶対値は信頼度を示す。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、LLR値の絶対値に基づき、サブセット内のどの確率値が最低信頼値を有するかを判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、各LLR値のβ値の絶対値に基づき、サブセット内のどの確率値が最低信頼値を有するかを判定し、ここで、復号セクションは、ベータ値を以下のように判定する:
β
mn=LLR
n-α
mn 式5
ここで、LLR
nはパリティ検査行列の列nにおけるLLR値を表し、α
mnは行mのサブセットについての確率値調整の直接先行する反復からのLLR
nの調整値を表し、β
mnは行mのサブセットについてのLLR
nのβ値を表す。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、サブセット内のどの確率値が最低信頼値を有するかを以下のように判定する:
【数2】
ここで、min
mnはサブセットA(m)内でk番目に低い信頼値を有する確率値を表し、|β
mn'|は選択された値以外のサブセットA(m)内のLLR値のβ値の信頼度を表し、n'はパリティ検査行列の行mに関連付けられたLLR値を表す。
【0045】
S762で、復号セクション又はそのサブセクションは、調整量を判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、調整基礎数量に等しい最小信頼値の数に基づき、調整量を判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、調整基礎数量が1であることに応答して、最小信頼値に等しい調整量を判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、調整基礎数量が1よりも大きいことに応答して、最小信頼値の平均に等しい調整量を判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、調整量を以下のように判定する:
【数3】
ここで、fmin
mnは調整量を表す。
【0046】
S764で、復号セクションは、サブセット内の2進値の和が偶数であるかどうかを判定する。対応する2進値の和が偶数でないと判定したことに応答して、本動作フローは、S765における信頼度減少に進む。対応する2進値の和が偶数であると判定したことに応答して、本動作フローは、S766における信頼度増加に進む。
【0047】
S765で、復号セクション又はそのサブセクションは、選択された確率値の信頼値を調整量だけ減少させる。少なくとも幾つかの実施形態において、確率値は、サブセット内の尤もらしい2進値の総和が偶数でないと判定したことに応答して、尤もらしい2進値内の信頼度を減少させるように調整される。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、選択された確率値のLLR値の絶対値を減少させる。少なくとも幾つかの実施形態において、LLR値の絶対値は当該減少に起因して負になり、LLR値が尤もらしい値として反対の2進値を表すようにさせる。
【0048】
S766で、復号セクション又はそのサブセクションは、選択された確率値の信頼値を調整量だけ増加させる。少なくとも幾つかの実施形態において、確率値は、サブセット内の尤もらしい2進値の総和が偶数であると判定したことに応答して、尤もらしい2進値内の信頼度を増加させるように調整される。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、選択された確率値のLLR値の絶対値を増加させる。
【0049】
少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、S764、S765及びS766の動作を以下のように実行する:
【数4】
ここで、α
mnは、行mのサブセットについての確率値調整の現在の反復のためのLLR
mnの調整値を表し、
【数5】
は、選択された値以外のサブセットA(m)内のLLR値に対応するβ値の符号ビットの積を表す。換言すれば、
【数6】
は、対応する2進値の和が偶数でない場合は負の1に等しく、対応する2進値の和が偶数である場合は正の1に等しい。結果として得られるα
mnの符号ビットは、サブセット内の尤もらしい2進値の和が偶数になるようにする尤もらしい2進値にβ
mnが偏るようなものになる。
【0050】
S768で、復号セクションは、サブセット内の全ての確率値が調整されているかどうかを判定する。未調整の確率値が残っていると復号セクションが判定したことに応答して、本動作フローは、次の確率値を選択した(S769)後に、S760における最小信頼値判定に戻る。サブセット内の全ての確率値が調整されていると復号セクションが判定したことに応答して、本動作フローは終了する。少なくとも幾つかの実施形態において、確率値への調整は、サブセット内の全ての確率値の調整量が判定されるまで行われず、その後、サブセット内の全ての確率値に対する調整が一度に行われる。
【0051】
図8は、本発明の少なくとも幾つかの実施形態による、反復変数正確度を用いたLDPCデータ復号のためのハードウェア構成のブロック図である。
【0052】
例示的なハードウェア構成は、入力デバイス878と直接又はネットワーク877を通じて相互作用する復号器808を含む。少なくとも幾つかの実施形態において、復号器808は、入力デバイス878から入力又はコマンドを受信するコンピュータ又は他のコンピューティングデバイスである。少なくとも幾つかの実施形態において、復号器808は、入力デバイス878と統合されている。少なくとも幾つかの実施形態において、復号器808は、コンピュータ可読命令を実行して、反復変数正確度を用いたLDPCデータ復号のための動作を実行するコンピュータシステムである。
【0053】
復号器808は、コントローラ872、ストレージユニット874、入力/出力インタフェース876、及び通信インタフェース879を含む。少なくとも幾つかの実施形態において、コントローラ872は、プロセッサ又はプログラマブル回路に命令に従って動作を実行させる命令を実行するプロセッサ又はプログラマブル回路を含む。少なくとも幾つかの実施形態において、コントローラ872は、アナログ又はデジタルプログラマブル回路、又はその任意の組み合わせを含む。少なくとも幾つかの実施形態において、コントローラ872は、通信を通じて相互作用する、物理的に分離されたストレージ又は回路を含む。少なくとも幾つかの実施形態において、ストレージユニット874は、命令の実行中のコントローラ872によるアクセスのために、実行可能及び実行不能データを記憶することができる不揮発性コンピュータ可読媒体を含む。通信インタフェース879は、ネットワーク877からのデータを送信及び受信する。入力/出力インタフェース876は、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート、及びモニタポート等を介して、様々な入力及び出力ユニット、例えば、入力デバイス878に接続して、コマンドを受け入れ、情報を提示する。幾つかの実施形態において、ストレージユニット874は、復号器808の外部にある。
【0054】
コントローラ872は、セグメント化セクション880、復号セクション882及び連結セクション884を含む。ストレージユニット874は、LDPC符号化されたデータブロック890、パリティ検査行列892及び正確度パラメータ894を含む。
【0055】
セグメント化セクション880は、確率値の符号化されたデータブロックをセグメントに分割するように構成されたコントローラ872の回路又は命令である。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメント化セクション880は、符号化された確率値のデータブロックを複数のデータ確率値セグメント及び複数のパリティ確率値セグメントに分割するように構成されており、符号化されたデータブロックの各確率値は、2進値間の尤度を表す。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメント化セクション880は、LDPC符号化されたデータブロック890及びパリティ検査行列892などの、ストレージユニット874内の情報を利用する。少なくとも幾つかの実施形態において、セグメント化セクション880は、前述のフローチャートにおいて説明されているように、追加の機能を実行するためのサブセクションを含む。少なくとも幾つかの実施形態において、そのようなサブセクションは、対応する機能に関連付けられた名称によって言及される。
【0056】
復号セクション882は、確率値セグメントを復号するように構成されたコントローラ872の回路又は命令である。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクション882は、反復変数正確度パラメータに従い、パリティ検査行列に基づき、符号化されたデータブロックの確率値を調整するように構成されており、パリティ検査行列は、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの間の対応を定義し、ここで、反復変数正確度パラメータは、正確度及び計算効率の間のトレードオフを表す。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクション882は、パリティ検査行列892及び正確度パラメータ894などの、ストレージユニット874内の情報を利用する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクション882は、前述のフローチャートにおいて説明されているように、追加の機能を実行するためのサブセクションを含む。少なくとも幾つかの実施形態において、そのようなサブセクションは、対応する機能に関連付けられた名称によって言及される。
【0057】
連結セクション884は、復号された2進値セグメントを連結するように構成されたコントローラ872の回路又は命令である。少なくとも幾つかの実施形態において、連結セクション884は、各データ確率値セグメントの確率値に関連付けられたパリティ検査行列を満たす尤もらしい2進値を連結して、復号されたデータブロックを形成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、連結セクション884は、前述のフローチャートにおいて説明されているように、追加の機能を実行するためのサブセクションを含む。少なくとも幾つかの実施形態において、そのようなサブセクションは、対応する機能に関連付けられた名称によって言及される。
【0058】
少なくとも幾つかの実施形態において、装置は、本明細書の動作を実行するために論理的な機能を処理することができる別のデバイスである。少なくとも幾つかの実施形態において、コントローラ及びストレージユニットは、完全に別個のデバイスである必要はなく、幾つかの実施形態において、回路又は1つ又は複数のコンピュータ可読媒体を共有する。少なくとも幾つかの実施形態において、ストレージユニットは、コントローラによってアクセスされるコンピュータ実行可能命令及びデータの両方を記憶するハードドライブを含み、コントローラは、中央処理装置(CPU)及びRAMの組み合わせを含み、その中に、コンピュータ実行可能命令が本明細書の動作の実行の最中にCPUによる実行のために全体が又は一部がコピーされることが可能である。
【0059】
装置がコンピュータである少なくとも幾つかの実施形態において、コンピュータ内にインストールされているプログラムは、コンピュータを、本明細書で説明された実施形態の装置として機能させるか又は本明細書で説明された実施形態の装置に関連付けられた動作を実行させることができる。少なくとも幾つかの実施形態において、そのようなプログラムは、本明細書で説明されたフローチャート及びブロック図のブロックの幾つか又は全てに関連付けられた特定の動作をコンピュータに実行させるように、プロセッサによって実行可能である。
【0060】
少なくとも幾つかの実施形態は、そのブロックが(1)動作が実行される処理のステップ、又は(2)動作を実行することを担うコントローラのセクション、を表すフローチャート及びブロック図を参照して説明されている。少なくとも幾つかの実施形態において、特定のステップ及びセクションは、専用回路、コンピュータ可読媒体上に記憶されたコンピュータ可読命令を供給されているプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読媒体上に記憶されたコンピュータ可読命令を供給されているプロセッサによって実装される。少なくとも幾つかの実施形態において、専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含み、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含む。少なくとも幾つかの実施形態において、プログラマブル回路は、論理AND、OR、XOR、NAND、NOR及び他の論理動作、フリップフロップ、レジスタ、メモリ要素等を含む再構成可能ハードウェア回路、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等を含む。
【0061】
少なくとも幾つかの実施形態において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のために命令を維持及び記憶できる有形デバイスを含む。幾つかの実施形態において、コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定されないが、電子ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、光学ストレージデバイス、電磁ストレージデバイス、半導体ストレージデバイス、又は前述のものの任意の好適な組み合わせを含む。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非包括的リストは以下:ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM:read-only memory)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM:erasable programmable read-only memory又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:static random access memory)、ポータブルコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM:compact disc read-only memory)、デジタルバーサタイルディスク(DVD:digital versatile disk)、メモリスティック、フロッピディスク、命令が記録されているパンチカード又は溝内の隆起構造などの機械的に符号化されるデバイス、及び前述のものの任意の好適な組み合わせ、を含む。本明細書で使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体は、電波又は自由伝搬する他の電磁波、導波路又は他の送信媒体を通って伝搬する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又は、ワイヤを通って送信される電気信号などの一時的な信号それ自体であるとして解釈されるべきではない。
【0062】
少なくとも幾つかの実施形態において、本明細書で説明されたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスへ、又は、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク及び/又は無線ネットワークなどのネットワークを介して外部コンピュータ又は外部ストレージデバイスへ、ダウンロード可能である。少なくとも幾つかの実施形態において、ネットワークは、銅送信ケーブル、光送信ファイバ、無線送信、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ及び/又はエッジサーバを含む。少なくとも幾つかの実施形態において、各コンピューティング/処理デバイス内のネットワークアダプタカード又はネットワークインタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するために当該コンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0063】
少なくとも幾つかの実施形態において、上記で説明された動作を実行するコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又は、オブジェクト指向プログラミング言語、例えば、Smalltalk(登録商標)、又はC++等、及び従来の手続き型プログラミング言語、例えば、"C"プログラミング言語又は同様のプログラミング言語を含む、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかである。少なくとも幾つかの実施形態において、コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザのコンピュータ上で全体が実行されるか、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして部分的にユーザのコンピュータ上で実行されるか、部分的にユーザのコンピュータ上で且つ部分的にリモートコンピュータ上で実行されるか、又は、リモートコンピュータ又はサーバ上で全体が実行される。少なくとも幾つかの実施形態において、後者のシナリオにおいては、リモートコンピュータはユーザのコンピュータへ、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じて接続されるか、又は接続が(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いるインターネットを通じて)外部コンピュータに対して行われる。少なくとも幾つかの実施形態において、例えば、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又はプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路を個別化することにより、コンピュータ可読プログラム命令を実行する。
【0064】
本発明の実施形態が説明されたが、特許請求の範囲に記載のいかなる主題の技術的範囲も、上記で説明された実施形態に限定されない。当業者であれば、上記で説明された実施形態に対する様々な改変及び改良が可能であることを理解するであろう。当業者であれば、特許請求の範囲の範囲から、そのような改変又は改良が加えられた実施形態が、本発明の技術的範囲に含まれることをも理解するであろう。
【0065】
特許請求の範囲、実施形態、又は図において示される装置、システム、プログラム、及び方法によって実行される各プロセスの動作、手順、ステップ、及びステージは、その順序が「に先立ち」又は「より前に」等によって示されていない限り、及び、前のプロセスからの出力が後のプロセスにおいて使用されない限り、任意の順序で実行されることが可能である。特許請求の範囲、実施形態、又は図において、プロセスフローが「最初に」又は「次に」などの語句を用いて説明される場合でも、そのような説明は、説明された順序でプロセスが実行されなければならないことを必ずしも意味するものではない。
【0066】
少なくとも幾つかの実施形態において、反復変数正確度を用いた低密度パリティ検査(LDPC)データ復号は、LDPC符号化されたデータブロックを複数のデータ確率値セグメント及び複数のパリティ確率値セグメントに分割することにより、LDPC符号化された確率値のデータブロックをセグメント化すること、LDPC符号化されたデータブロックの各確率値は2進値間の尤度を表す、反復変数正確度パラメータに従い、パリティ検査行列に基づき、LDPC符号化されたデータブロックの確率値を調整することにより、LDPC符号化されたデータブロックを復号すること、パリティ検査行列は、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの間の対応を定義する、及び、各データ確率値セグメントの確率値に関連付けられたパリティ検査行列を満たす尤もらしい2進値を連結して、復号されたデータブロックを形成すること、によって実行される。反復変数正確度パラメータは、正確度及び計算効率の間のトレードオフを表す。
【0067】
前述の事柄は、当業者が本開示の態様をより良く理解するように、複数の実施形態の特徴を概説したものである。当業者であれば、本開示が、本明細書で導入された実施形態と同じ目的を実行する、及び/又は同じ利点を実現するための他のプロセス及び構造を設計又は修正するための基礎として容易に使用可能であることを理解すべきである。当業者はまた、そのような均等な構成が本開示の趣旨及び範囲から逸脱しないこと、及び、本明細書の様々な変更、置換、及び改変が本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく可能であることを認識すべきである。
【誤訳訂正書】
【提出日】2024-11-01
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】全文
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低密度パリティ検査(LDPC)符号化されたデータブロックを複数のデータ確率値セグメント及び複数のパリティ確率値セグメントに分割することにより、LDPC符号化された確率値のデータブロックをセグメント化する段階、前記LDPC符号化されたデータブロックの各確率値は、2進値間の尤度を表す;
反復可変正確度パラメータに従い、パリティ検査行列に基づき、前記LDPC符号化されたデータブロックの前記確率値を調整することにより、前記LDPC符号化されたデータブロックを復号する段階、前記パリティ検査行列は、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの間の対応を定義する;及び
各データ確率値セグメントの前記確率値に関連付けられた前記パリティ検査行列を満たす尤もらしい2進値を連結して、復号されたデータブロックを形成する段階;
ここで、前記反復可変正確度パラメータは、正確度及び計算効率の間のトレードオフを表す
を備える方法。
【請求項2】
前記復号する段階は、
確率値のサブセットを比較する段階、各サブセットは、前記パリティ検査行列に従い関連する確率値を有し、各サブセットの前記関連する確率値は、対応するデータ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントからのものである、
ここで、各サブセットの前記確率値は、元の2進値に対応し、その総和は偶数であり、
ここで、各確率値は、1つよりも多くのサブセットに含まれる;及び
前記サブセット内の他の確率値のうちの1つ又は複数の最小信頼確率値に基づき、各サブセット内の各確率値を調整する段階、
ここで、各確率値は、前記サブセット内の尤もらしい2進値の総和が偶数であると判定したことに応答して、前記尤もらしい2進値内の信頼度を増加させるように調整され、
ここで、各確率値は、前記サブセット内の前記尤もらしい2進値の前記総和が偶数でないと判定したことに応答して、前記尤もらしい2進値内の信頼度を減少させるように調整される
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記復号する段階は、
各サブセットについて、調整基礎数量を判定する段階、前記調整基礎数量は、前記調整の基礎となる前記サブセット内の前記他の確率値のうちの最小信頼確率値の数量を表す;
ここで、前記1つ又は複数の最小信頼確率値の数量は、前記調整基礎数量であり;
ここで、前記調整基礎数量は、前記サブセット内の前記他の確率値の数量未満である、又はそれに等しい
を更に有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記復号する段階は、
各サブセット内の各確率値の調整の反復を実行する段階;
調整の各後続の反復について、少なくとも前の反復の反復値及び誤り率に基づき、前記反復可変正確度パラメータを判定する段階;及び
各サブセットについて、前記反復可変正確度パラメータ、及び前記サブセット内の確率値の数量よりも1つ少ない数量の間でより少ない方の前記調整基礎数量を適用する段階
を更に有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記誤り率は、前記サブセット内の前記尤もらしい2進値の前記総和が前記サブセットの全てに対して偶数であるサブセットの割合である
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記誤り率は、前記サブセット内の前記尤もらしい2進値の前記総和が前記確率値の全てに対して偶数であるサブセット内の確率値の割合である
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記反復可変正確度パラメータを前記判定する段階は、
信号対雑音比に更に基づき、前記反復可変正確度パラメータを判定する段階
を更に有する、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
調整の前記反復は、前記確率値に関連付けられた尤もらしい2進値が前記パリティ検査行列を満たすまで、又は、予め定められた回数の反復が実行されるまで、実行される
請求項4に記載の方法。
【請求項9】
プロセッサに:
低密度パリティ検査(LDPC)符号化されたデータブロックを複数のデータ確率値セグメント及び複数のパリティ確率値セグメントに分割することにより、LDPC符号化された確率値のデータブロックをセグメント化する手順、前記LDPC符号化されたデータブロックの各確率値は、2進値間の尤度を表す;
反復可変正確度パラメータに従い、パリティ検査行列に基づき、前記LDPC符号化されたデータブロックの前記確率値を調整することにより、前記LDPC符号化されたデータブロックを復号する手順、前記パリティ検査行列は、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの間の対応を定義する;及び
各データ確率値セグメントの前記確率値に関連付けられた前記パリティ検査行列を満たす尤もらしい2進値を連結して、復号されたデータブロックを形成する手順;
を実行させ、
ここで、前記反復可変正確度パラメータは、正確度及び計算効率の間のトレードオフを表す
コンピュータプログラム。
【請求項10】
前記復号する手順は、
確率値のサブセットを比較する手順、各サブセットは、前記パリティ検査行列に従い関連する確率値を有し、各サブセットの前記関連する確率値は、対応するデータ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントからのものである、
ここで、各サブセットの前記確率値は、元の2進値に対応し、その総和は偶数であり、
ここで、各確率値は、1つよりも多くのサブセットに含まれる;及び
前記サブセット内の他の確率値のうちの1つ又は複数の最小信頼確率値に基づき、各サブセット内の各確率値を調整する手順、
ここで、各確率値は、前記サブセット内の尤もらしい2進値の総和が偶数であると判定したことに応答して、前記尤もらしい2進値内の信頼度を増加させるように調整され、
ここで、各確率値は、前記サブセット内の前記尤もらしい2進値の前記総和が偶数でないと判定したことに応答して、前記尤もらしい2進値内の信頼度を減少させるように調整される
を有する、請求項9に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記復号する手順は、
各サブセットについて、調整基礎数量を判定する手順、前記調整基礎数量は、前記調整の基礎となる前記サブセット内の前記他の確率値のうちの最小信頼確率値の数量を表す;
ここで、前記1つ又は複数の最小信頼確率値の数量は、前記調整基礎数量であり;
ここで、前記調整基礎数量は、前記サブセット内の前記他の確率値の数量未満である、又はそれに等しい
を更に有する、請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記復号する手順は、
各サブセット内の各確率値の調整の反復を実行する手順;
調整の各後続の反復について、少なくとも前の反復の反復値及び誤り率に基づき、前記反復可変正確度パラメータを判定する手順;及び
各サブセットについて、前記反復可変正確度パラメータ、及び前記サブセット内の確率値の数量よりも1つ少ない数量の間でより少ない方の前記調整基礎数量を適用する手順
を更に有する、請求項11に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記誤り率は、前記サブセット内の前記尤もらしい2進値の前記総和が前記サブセットの全てに対して偶数であるサブセットの割合である
請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記誤り率は、前記サブセット内の前記尤もらしい2進値の前記総和が前記確率値の全てに対して偶数であるサブセット内の確率値の割合である
請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記反復可変正確度パラメータを前記判定する手順は、
信号対雑音比に更に基づき、前記反復可変正確度パラメータを判定する手順
を更に有する、請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
調整の前記反復は、前記確率値に関連付けられた尤もらしい2進値が前記パリティ検査行列を満たすまで、又は、予め定められた回数の反復が実行されるまで、実行される
請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
LDPC符号化された確率値のデータブロックを複数のデータ確率値セグメント及び複数のパリティ確率値セグメントに分割するように構成されたセグメンテーションプロセッサ、前記LDPC符号化されたデータブロックの各確率値は、2進値間の尤度を表す;
反復可変正確度パラメータに従い、パリティ検査行列に基づき、前記LDPC符号化されたデータブロックの前記確率値を調整するように構成された復号プロセッサ、前記パリティ検査行列は、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの間の対応を定義する;及び
各データ確率値セグメントの前記確率値に関連付けられた前記パリティ検査行列を満たす尤もらしい2進値を連結して、復号されたデータブロックを形成するように構成された連結プロセッサ;
ここで、前記反復可変正確度パラメータは、正確度及び計算効率の間のトレードオフを表す
を備えるデバイス。
【請求項18】
前記復号プロセッサは、
確率値のサブセットを比較する、各サブセットは、前記パリティ検査行列に従い関連する確率値を有し、各サブセットの前記関連する確率値は、対応するデータ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントからのものである、
ここで、各サブセットの前記確率値は、元の2進値に対応し、その総和は偶数であり、
ここで、各確率値は、1つよりも多くのサブセットに含まれる;及び
前記サブセット内の他の確率値のうちの1つ又は複数の最小信頼確率値に基づき、各サブセット内の各確率値を調整する、
ここで、各確率値は、前記サブセット内の尤もらしい2進値の総和が偶数であると判定したことに応答して、前記尤もらしい2進値内の信頼度を増加させるように調整され、
ここで、各確率値は、前記サブセット内の前記尤もらしい2進値の前記総和が偶数でないと判定したことに応答して、前記尤もらしい2進値内の信頼度を減少させるように調整される
ように更に構成されている、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記復号プロセッサは、
各サブセットについて、調整基礎数量を判定する、前記調整基礎数量は、前記調整の基礎となる前記サブセット内の前記他の確率値のうちの最小信頼確率値の数量を表す;
ここで、前記1つ又は複数の最小信頼確率値の数量は、前記調整基礎数量であり;
ここで、前記調整基礎数量は、前記サブセット内の前記他の確率値の数量未満である、又はそれに等しい
ように更に構成されている、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記デバイスは、回路のうち、
前記セグメンテーションプロセッサ、前記復号プロセッサ、及び前記連結プロセッサの各々に複数のパラメータを送信するように構成されたパラメータプロセッサ
ここで、前記複数のパラメータは、前記符号化されたデータブロックに対応する
を更に備える、請求項17に記載のデバイス。
【誤訳訂正2】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0026
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0026】
復号プロセッサ323は、それぞれ、確率値セグメント321を受信し、復号された2進値セグメント324を連結プロセッサ326に送信するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、各復号プロセッサ323は、反復可変正確度パラメータに従い、パリティ検査行列に基づき、符号化されたデータブロックの確率値を調整するように構成されており、パリティ検査行列は、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの間の対応を定義し、ここで、反復可変正確度パラメータは、正確度及び計算効率の間のトレードオフを表す。少なくとも幾つかの実施形態において、復号プロセッサ323はそれぞれ、確率値セグメント321にパリティ検査行列を適用して、復号された2進値セグメント324を生成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、復号プロセッサ323は、それぞれ、確率値セグメント321にLDPCパリティ検査行列を適用して、復号された2進値セグメント324を生成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、復号プロセッサ323はそれぞれ、パリティ検査行列に従って確率値セグメント321のうちの各データ確率値セグメント及び各パリティ確率値セグメントに1つ又は複数の循環シフトを適用して、復号された2進値セグメント324を生成するように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、復号プロセッサ323はそれぞれ、対応するデータ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの値のサブセット内の2進値を比較して、当該値の総和が偶数になることを確実にするように構成されている。少なくとも幾つかの実施形態において、復号プロセッサ323の各々は、確率値をセグメントにソートして最小値を求めるためのソータ、最小値から更新値を計算するための計算器、最小値に基づき調整量を判定するための正確な関数を選択するための関数セレクタ、及び、反復可変正確度パラメータを選択するための正確度パラメータセレクタ、を含む。
【誤訳訂正3】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0031
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0031】
S433で、コントローラの復号セクションは、データ確率値セグメントを復号する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントにパリティ検査行列を適用して、復号された2進値セグメントを生成する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントにLDPCパリティ検査行列を適用して、復号された2進値セグメントを生成する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、パリティ検査行列に従いデータ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントに1つ又は複数の循環シフトを適用して、復号された2進値セグメントを生成する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、対応するデータ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの値のサブセット内の2進値を比較して、当該値の総和が偶数になることを確実にする。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、反復
可変正確度パラメータに従い、パリティ検査行列に基づき、符号化されたデータブロックの確率値を調整することにより、符号化されたデータブロックを復号し、パリティ検査行列は、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの間の対応を定義し、ここで、反復
可変正確度パラメータは、正確度及び計算効率の間のトレードオフを表す。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、
図5において示される動作フローを実行し、これについては以下で説明される。
【誤訳訂正4】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0040
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0040】
S650で、復号セクション又はそのサブセクションは、反復可変正確度パラメータを取得する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、前の反復の反復値及び誤り率に基づき、反復可変正確度パラメータを判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、調整の各後続の反復について、少なくとも前の反復の反復値及び誤り率に基づき、反復可変正確度パラメータを判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、反復可変正確度パラメータは、以下のように表される:
J'k=f(k,Ek-1) 式3
ここで、J'kは現在の反復の反復可変正確度パラメータを表し、kは反復を表し、Ek-1は前の反復の誤り率を表す。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、反復の回数が増加するのに伴い、かつ、高い誤り率に応答して、反復可変正確度パラメータが増加するように反復可変正確度パラメータを判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、誤り率は、サブセット内の尤もらしい2進値の総和がサブセットの全てに対して偶数であるサブセットの割合である。少なくとも幾つかの実施形態において、誤り率は、サブセット内の尤もらしい2進値の総和が確率値の全てに対して偶数でないサブセット内の確率値の割合である。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、他の復号器パラメータのみに基づき、又は、少なくとも前の反復の反復値及び誤り率に加えて他の復号器パラメータに基づき、反復可変正確度パラメータを判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクションは、信号対雑音比のみに更に基づき、又は、少なくとも前の反復の反復値、誤り率、又はその両方に加えて信号対雑音比に更に基づき、反復可変正確度パラメータを判定する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクション又は復号プロセッサは、反復可変正確度パラメータ値が対応する反復値及び誤り率値に関連付けられているルックアップテーブル(Look-Up Table:LUT)を含む。
【誤訳訂正5】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0041
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0041】
S653で、復号セクションは、反復可変正確度パラメータがサブセット内の確率値の数量未満であるかどうかを判定する。反復可変正確度パラメータがサブセット内の確率値の数量未満であると復号セクションが判定したことに応答して、本動作フローは、S656における正確度パラメータ適用に進む。反復可変正確度パラメータがサブセット内の確率値の数量未満でないと復号セクションが判定したことに応答して、本動作フローは、S658における、サブセット数量よりも1つ少ない数量に等しい調整数量の適用に進む。
【誤訳訂正6】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0042
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0042】
S656で、復号セクション又はそのサブセクションは、正確度パラメータを調整数量として適用する。S658で、復号セクション又はそのサブセクションは、調整数量として、サブセット内の確率値の数量よりも1つ少ない数量を適用する。換言すれば、復号セクションは、反復可変正確度パラメータ、及びサブセット内の確率値の数量よりも1つ少ない数量の間でより少ない方の調整基礎数量を適用する。少なくとも幾つかの実施形態において、S653、S656、及びS658の動作は以下のように表される:
J=min(J',(I-1)) 式4
ここで、Jは調整基礎数量を表し、Iはサブセット内の確率値の数量を表す。
【誤訳訂正7】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0056
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0056】
復号セクション882は、確率値セグメントを復号するように構成されたコントローラ872の回路又は命令である。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクション882は、反復可変正確度パラメータに従い、パリティ検査行列に基づき、符号化されたデータブロックの確率値を調整するように構成されており、パリティ検査行列は、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの間の対応を定義し、ここで、反復可変正確度パラメータは、正確度及び計算効率の間のトレードオフを表す。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクション882は、パリティ検査行列892及び正確度パラメータ894などの、ストレージユニット874内の情報を利用する。少なくとも幾つかの実施形態において、復号セクション882は、前述のフローチャートにおいて説明されているように、追加の機能を実行するためのサブセクションを含む。少なくとも幾つかの実施形態において、そのようなサブセクションは、対応する機能に関連付けられた名称によって言及される。
【誤訳訂正8】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0066
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0066】
少なくとも幾つかの実施形態において、反復変数正確度を用いた低密度パリティ検査(LDPC)データ復号は、LDPC符号化されたデータブロックを複数のデータ確率値セグメント及び複数のパリティ確率値セグメントに分割することにより、LDPC符号化された確率値のデータブロックをセグメント化すること、LDPC符号化されたデータブロックの各確率値は2進値間の尤度を表す、反復可変正確度パラメータに従い、パリティ検査行列に基づき、LDPC符号化されたデータブロックの確率値を調整することにより、LDPC符号化されたデータブロックを復号すること、パリティ検査行列は、データ確率値セグメント及びパリティ確率値セグメントの間の対応を定義する、及び、各データ確率値セグメントの確率値に関連付けられたパリティ検査行列を満たす尤もらしい2進値を連結して、復号されたデータブロックを形成すること、によって実行される。反復可変正確度パラメータは、正確度及び計算効率の間のトレードオフを表す。
【外国語明細書】