(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166144
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】ファブリー・ペローセンサアセンブリ、およびファブリー・ペロー光キャビティを作成する方法
(51)【国際特許分類】
G01L 9/00 20060101AFI20241121BHJP
G01K 11/12 20210101ALN20241121BHJP
【FI】
G01L9/00 B
G01K11/12 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024079066
(22)【出願日】2024-05-15
(31)【優先権主張番号】18/199,230
(32)【優先日】2023-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516344443
【氏名又は名称】シモンズ・プレシジョン・プロダクツ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100140361
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 幸二
(72)【発明者】
【氏名】クリステン ブロスナン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ジェイ.カリーニ
【テーマコード(参考)】
2F055
2F056
【Fターム(参考)】
2F055AA40
2F055BB20
2F055CC02
2F055DD19
2F055EE31
2F055FF11
2F056VF16
(57)【要約】
【課題】 ファブリー・ペローキャビティ光センサのための改良されたシステムと方法を提供する。
【解決手段】 ファブリー・ペローセンサアセンブリは、ファブリー・ペロー光キャビティを内部に画定する光学素子を含む。フェルールは光学素子に取り付けられている。フェルールは光ファイバに物理的に接続するように構成され、光ファイバをキャビティと光学的に位置合わせする。光学素子は、MgAl
2O
4スピネルまたは酸窒化アルミニウムAl
23N
27O
5を含む。ファブリー・ペロー光キャビティを作製する方法は、セラミック加工エッチングプロセスを使用して、第1の光学部材から材料を除去し、その中にキャビティを形成し、キャビティの周囲を取り囲む光学部材の縁部を残すことを含む。この方法は、第2の光学部材を縁部に取り付け、キャビティを囲むことを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファブリー・ペローセンサアセンブリであって、
ファブリー・ペロー光キャビティを内部に画定する光学素子と、
前記光学素子に取り付けられたセンサフェルールと、を含み、
前記センサフェルールは光ファイバに物理的に接続するように構成され、前記光ファイバを前記光キャビティに対して光学的に位置合わせして間隔をあけて配置し、前記光学素子はMgAl2O4スピネルまたは酸窒化アルミニウムAl23N27O5を含む、
前記ファブリー・ペローセンサアセンブリ。
【請求項2】
軸に沿って前記光キャビティと光学的に位置合わせされている、前記センサフェルール内に取り付けられた前記光ファイバをさらに含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記光ファイバに光学的に接続されたインタロゲータをさらに含み、前記インタロゲータは、前記光ファイバを通して前記キャビティを照射し、前記キャビティからの反射スペクトルを受信し、前記反射スペクトルに基づいて前記キャビティの温度及び圧力のうち少なくとも一方を測定するように構成される、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記センサフェルールが、前記光ファイバを受け入れるためのボアを画定し、前記ボアが、前記光学素子まで延びる長手方向軸に沿って延び、前記光キャビティが、前記長手方向軸に沿って第1の光学部材と前記第1の光学部材から間隔をあけて配置された第3の光学部材との間に画定された第2の光学部材である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
光路は、前記ボアから前記第1の光学部材を通り、前記光キャビティを通り、前記第3の光学部材で反射し、前記光キャビティを通り、前記第1の光学部材を通って前記ボアに戻り、さらに前記ファイバに戻る、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第3の光学部材は、前記光キャビティ内と前記光ファイバ内へ戻る信号反射を増加させるために、少なくとも部分的に鏡面を有するエンドプレートである、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の光学部材はセンサ本体であり、前記フェルールは前記センサ本体に取り付けられている、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記第1及び第3の光学部材の少なくとも一方がMgAl2O4スピネルである、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記第1及び第3の光学部材の少なくとも一方が酸窒化アルミニウムAl23N27O5である、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記光キャビティが前記第1の光学部材に画定され、前記第1の光学部材が前記キャビティの周囲を取り囲むキャビティ縁部を含み、前記エンドプレートが前記キャビティ縁部に取り付けられる、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記キャビティが前記第2の光学部材に画定され、前記第2の光学部材が前記キャビティの周囲を取り囲むキャビティ縁部を含み、前記第1の光学部材が前記キャビティ縁部に取り付けられる、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記光学素子の少なくとも1つの表面上に反射防止コーティングをさらに含む、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記第1及び第3の光学部材の間に取り付けられたキャビティリングをさらに含み、前記キャビティが前記キャビティリングと前記第1及び第3の光学部材によって境界が定められている、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項14】
ファブリー・ペロー光キャビティを作製する方法であって、
セラミックエッチングプロセスを使用して、第1の光学部材から材料を除去し、その中に前記光キャビティを形成し、前記キャビティの周囲を取り囲む前記光学部材のキャビティ縁部を残すことと、
第3の光学部材を前記キャビティ縁部に取り付け、前記キャビティを囲むことと、を含む、前記方法。
【請求項15】
前記第1の光学部材がMgAl2O4スピネルを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の光学部材が酸窒化アルミニウムAl23N27O5を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の光学部材がMgAl2O4スピネルである、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の光学部材が酸窒化アルミニウムAl23N27O5である、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記第3の光学部材が、外部圧力変化下で前記第1の光学部材よりもたわむように構成されるダイアフラムである、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧力及び温度用センサに関し、より詳細には、圧力及び温度用ファブリー・ペローキャビティ光センサに関する。
【背景技術】
【0002】
ファブリー・ペローキャビティセンサは、圧力、温度、またはその両方を測定することができる。センサは、温度または圧力の変化に応答するダイアフラム、ダイアフラムに接続されたベース、光キャビティ、ダイアフラムの表面から反射された光を伝導し得る光ファイバを含む。ダイアフラムの撓みを検出するためにインタロゲータを設けてもよい。キャビティの大きさが変わると、インタロゲータでの反射光の干渉が変化し、温度または圧力、あるいはその両方を推測するように校正することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術は、その意図した目的を満たすと考えられてきた。しかしながら、ファブリー・ペローキャビティ光センサのための改良されたシステムと方法に対する必要性が常に存在している。本開示は、この必要性に対する解決策を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ファブリー・ペローセンサアセンブリは、ファブリー・ペロー光キャビティを内部に画定する光学素子を含む。センサフェルールは光学素子に取り付けられている。センサフェルールは光ファイバに物理的に接続するように構成され、光ファイバをキャビティと光学的に位置合わせする。光学素子はMgAl2O4スピネルを含む。
【0005】
光ファイバは、キャビティと光学的に位置合わせされたセンサフェルール内に取り付けることができる。センサフェルールは、センサフェルールをハウジングに機械的に取り付けるように構成される外部特徴を含むことができる。インタロゲータを光ファイバに光学的に接続することができる。インタロゲータは、光ファイバを通してキャビティを照射し、キャビティからの反射スペクトルを受信し、反射スペクトルに基づいてキャビティの温度及び/または圧力を測定するように構成することができる。
【0006】
センサフェルールは、ファイバフェルールを含み得る光ファイバを受け入れるためのボアを画定することができる。ボアは、キャビティを通って延びる長手方向軸に沿って延びることができる。キャビティは、第1の光学部材と、第1の光学部材から間隔をあけて配置された第3の光学部材との間に画定され、これにより長手方向軸に沿って第2の光学部材を形成することができる。光路は、ボアから第1の光学部材を通り、第2の光学部材を構成するキャビティを通って形成され、光が第3の光学部材で反射し、キャビティを通り、第1の光学部材を通ってボアに戻り、さらにファイバに戻ることを可能にする。
【0007】
第3の光学部材は、キャビティを通る信号反射を増加させるために少なくとも部分的に鏡面を有するエンドプレートとすることができる。第1の光学部材はセンサ本体の一部とすることができ、フェルールはセンサ本体に取り付けられる。第1及び第3の光学部材は互いに直接取り付けることができ、第1及び第3の光学部材の少なくとも一方はMgAl2O4スピネルである。第1及び第3の光学部材の少なくとも一方は、酸窒化アルミニウム(公称Al23N27O5)とすることができる。光学素子の少なくとも一方の表面に反射防止コーティングを含めることができる。
【0008】
キャビティは、第1の光学部材に画定することができる。第1の光学部材は、キャビティの周囲を取り囲む縁部を含むことができる。エンドプレートをキャビティ縁部に取り付けることができる。
【0009】
キャビティは、第3の光学部材に画定することができる。第3の光学部材は、キャビティの周囲を取り囲む縁部を含むことができる。第1の光学部材をキャビティ縁部に取り付けることができる。
【0010】
リングを第1及び第3の光学部材の間に取り付けることができる。キャビティは、キャビティリングと、第1及び第3の光学部材とによって境界が定められる。
【0011】
ファブリー・ペロー光キャビティを形成する方法は、セラミック加工エッチングプロセスを使用して、第1の光学部材から材料を除去してその中にキャビティを形成し、キャビティの周囲を取り囲む光学部材の縁部を残すことを含む。この方法は、第3の光学部材を縁部に取り付けてキャビティを囲むことを含む。
【0012】
第1の光学部材は、MgAl2O4スピネルまたはAl23N27O5酸窒化アルミニウムとすることができる。第2の光学部材は、MgAl2O4スピネルまたはAl23N27O5酸窒化アルミニウムとすることができる。第3の光学部材は、外部圧力変化下で第1の光学部材よりもたわむように構成されるダイアフラムとすることができる。
【0013】
本開示のシステム及び方法のこれら及びその他の特徴は、図面と併せて好ましい実施形態の以下の詳細な説明から、当業者にはより容易に明らかになるであろう。
【0014】
本開示が属する技術分野の当業者が、過度の実験を行うことなく、本開示の装置及び方法をどのように作製し、使用するかを容易に理解できるように、その好ましい実施形態を、いくつかの図を参照して本明細書で以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示に従って構成されるセンサアセンブリの一実施形態の概略斜視図であり、光ファイバ、インタロゲータ、及びセンサフェルール付きファブリー・ペロー光学素子を示す。
【
図2】
図1の光学素子とフェルールの概略断面立面図である。
【
図3】
図2の光学素子とセンサフェルールの概略軸方向端面図である。
【
図4】
図2の光学素子及びセンサフェルールの実施形態の概略断面立面図であり、第1の光学部材に形成された光キャビティを示し、第2の光学部材は光キャビティ自体であり、第3の光学部材はダイアフラムである。
【
図5】
図2の光学素子及びセンサフェルールの実施形態の概略断面立面図であり、ダイアフラムである第3の光学部材によって形成された光キャビティを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで、同様の参照数字が本開示の同様の構造的特徴または態様を表す図面を参照する。限定ではなく説明及び例示の目的で、本開示に係るセンサアセンブリの一実施形態の部分図を
図1に示し、概して参照符号100で示す。本開示に係るシステムの他の実施形態、またはその態様は、
図2~
図5に提供され説明される。本明細書に記載のシステム及び方法は、光学ベースの温度及び圧力測定用のファブリー・ペローセンサの製造を容易にするために使用することができる。
【0017】
ファブリー・ペローセンサ、すなわちエタロンアセンブリ100は、その中にファブリー・ペロー光キャビティ104を画定する光学素子102を含む。センサフェルール106が光学素子102に取り付けられる。センサフェルール106は、それ自体のファイバフェルールを持ち得る光ファイバ108に物理的に接続され、それにより光ファイバ108をキャビティ104に光学的に位置合わせし、光学素子102との光学的位置合わせを保証する。光学素子102はMgAl
2O
4スピネルを含み、センサフェルール106は任意にMgAl
2O
4スピネルを含む。光ファイバ108は、キャビティ104と光学的に位置合わせされたフェルール106に形成されたボア110内に取り付けられている。さらに、ボア110は、光ファイバのコアと光学素子102との光学的な位置合わせと間隔をあけた配置を容易にするために、光ファイバ108のセンサ端にファイバフェルールを収容してもよい(
図4は、フェルール付きファイバを収容できるセンサフェルール内のキャビティを示す)。
図5は、ファイバフェルールのないファイバ用の構成を示す。インタロゲータ112は光ファイバ108に光学的に接続されており、すなわちセンサフェルール106に接続された光ファイバ108の端部とは反対側の光ファイバ108の端部に接続されている。したがって、インタロゲータ112は、光ファイバ108を通して光キャビティ104を照射し、キャビティ104からの反射スペクトルを受信し、反射スペクトルに基づいて光学素子102に示される温度及び/または圧力を測定するように構成される。
【0018】
ここで
図2を参照すると、センサフェルール106は、光ファイバ108を受け入れるためのボア110を画定している。ボア110は、キャビティ104を通って延びる長手方向軸Aに沿って延びている。キャビティ104は、長手方向軸Aに沿って互いに間隔をあけて配置された第1の光学部材114と第3の光学部材116との間に軸方向に画定される。光路は、軸Aに沿ってボア110とファイバ108から構成され、第1の光学部材114を通り、第2の光学部材であるキャビティ104を通り、その後第3の光学部材116で反射し、最終的にキャビティ104を通って戻り、第1の光学部材114を通ってボア110とファイバ108に戻る。なお、ファイバーコアと第1の光学部材114を直接結合することも可能である。
図3は、キャビティ104、ボア110、及びセンサフェルール106と光学素子102の組み合わせを、
図2の長手方向軸に見た図である。反射防止コーティングは、光学素子102の少なくとも1つの表面に含めることができる。光学素子102の少なくとも1つの表面は、ボア110の端部までの第1の光学部材114の露出面(最も望ましい)、第2の光学部材を構成するキャビティ104の内部、またはエンドプレートの外側の軸方向の面を含む。特定の用途では、信号対雑音応答を改善するために、第3の光学部材116に反射コーティング118を用いることが望ましい場合がある。同様に、第1の光学部材114の表面上の鏡面リング117を、第2の光学部材であるキャビティ104と接合して含むことができると考えられる。ただし、リングの鏡面が第1の光学部材114と接するボア110の端部の軸Aに沿った光の伝搬を妨げないことを条件とする。
【0019】
引き続き
図2を参照すると、第3の光学部材116は、エンドプレート、すなわち圧力変化下でたわむことができるダイアフラムであり、キャビティ104を通る信号反射を増加させるために、キャビティ104の内部に少なくとも部分的に鏡面118を有する。第1の光学部材114は、ダイアフラムほど圧力変化下でたわまないように、光学部材116のダイアフラムよりも厚い/硬いセンサ本体を構成する。センサフェルール106はセンサ本体114に取り付けられる。キャビティリング120は、第1及び第3の光学部材114、116の間に取り付けられ、これにより第2の光学部材である光キャビティ104の感圧深さを生成する。光キャビティ104は、キャビティリング120と、第1及び第3の光学部材114、116によって境界が定められる。キャビティリング120、第1の光学部材114、及び第3の光学部材116の少なくとも1つは、透明セラミック、例えばスピネル(アルミン酸マグネシウム、公称MgAl
2O
4)または酸窒化アルミニウム(公称Al
23N
27O
5)である。例えば、キャビティリング120は、MgAl
2O
4スピネルであり得る。センサフェルール106は、外部嵌合及び係止特徴、すなわち、
図5に示すように、半径方向内方に延びる特徴122、または半径方向外方に延びる特徴124を含み、センサフェルール106をハウジングまたはアセンブリに機械的に取り付けるように構成される。
【0020】
ここで
図4を参照すると、第1の光学部材114が負荷のない光キャビティ104を画定しているので、キャビティリング120を省略することができる。第1及び第3の光学部材114、116は、互いに直接取り付けることができ、第1及び第3の光学部材114、116の少なくとも一方は、透明セラミック、例えばスピネル(アルミン酸マグネシウム、公称MgAl
2O
4)または酸窒化アルミニウム(公称Al
23N
27O
5)の単一片である。
図4において、第2の光学部材である光キャビティ104は、第1の光学部材114内に画定されており、第1の光学部材114の残りの部分と同じ透明セラミックで形成されたキャビティ縁部126を含み、
図2のリング120と同様に光キャビティ104の周囲を取り囲んでいる。エンドプレート、すなわち光学部材116またはダイアフラムは、後述するように、光キャビティ104が第1の光学部材114に形成された後、キャビティ縁部126に取り付けられる。ここで
図5を参照すると、光キャビティ104は、代わりに第2の光学部材116によって画定することができる。
図5の第3の光学部材116は、ここにキャビティ縁部128、すなわち第2の光学部材116の残りの部分と同じ透明セラミックのキャビティ縁部128を含む。
図5のキャビティ縁部128は、
図4のキャビティ縁部126または
図2のキャビティリングと同様に、キャビティの周囲を取り囲んでいる。
図5において、キャビティ縁部128は、第3の光学部材116にキャビティ118が形成された後に、第1の光学部材114に取り付けられる。
【0021】
図4~
図5を参照して上述したようなファブリー・ペロー光キャビティを製造する方法は、セラミック加工エッチングプロセスを用いて光学部材114、116から材料を除去し、その光学部材と、その中に光キャビティ104を形成することを含み、光学部材114、116のキャビティ縁部126、128を残し、それによって光キャビティ104の周囲を取り囲む。この方法は、残りの光学部材114、116(キャビティ104が形成されなかったもの)をキャビティ縁部126、128に取り付けて光キャビティ104を囲むことを含む。また、本開示の範囲から逸脱することなく、光キャビティを両方の光学部材114、116から部分的に除去し得ることも考えられる。第1または第3の光学部材114、116、またはその両方が、光キャビティ104を形成するために材料が除去されているかどうかにかかわらず、第3の光学部材116の残りの構造は、上述のように、対象の測定のためにたわむのに十分薄いダイアフラムを有する必要がある。
【0022】
これは、単結晶酸化アルミニウム(またはサファイア、公称Al2O3)素子をすべて、または一切必要とせずに、ファブリー・ペローキャビティと光ファイバを用いて圧力と温度を測定するアプローチである。光キャビティ104を囲む光学素子102は、スピネルセラミックまたは単結晶(公称MgAl2O4)または酸窒化アルミニウムセラミックまたは単結晶(公称Al23N27O5)で作ることができる。MgAl2O4スピネル及び酸窒化アルミニウムは、異なる光ファイバ検査方法をサポートするために、対象の光の波長(およそ500nm~4ミクロン)にわたってサファイアと同様の光の透過率を有する。さらなる改善点として、MgAl2O4スピネルセラミック及び酸窒化アルミニウムセラミックは、その結晶構造(立方晶)により複屈折を示さないが、サファイアは入射光がc平面から外れると複屈折を示す三方晶構造を有する。そのため、MgAl2O4スピネル及び酸窒化アルミニウムは、サファイアの製造に伴うc平面の位置合わせと公差に悩まされることがなく、そうでなければ、デバイスを通過する光の伝搬が損なわれ、信号が減少する。さらに、MgAl2O4及び酸窒化アルミニウムは、サファイアの製造に使用されるチョクラルスキープロセスのバリエーションに対して、セラミック加工技術を使用して製造することができる。
【0023】
本明細書で開示されるシステム及び方法は、以下のような潜在的な利点を提供する。材料コストの低減、より費用対効果の高い製造、機械加工の容易さ、及びハウジングの取り付けの簡素化である。このアプローチは、ガラスと同様の接合アプローチを用いて、光学素子102をフェルール106に取り付けることを可能にする。光学構造は、二次機械加工を伴う、またはグリーンセラミック状態(未焼成)での機械加工に続いて焼結を伴う締焼き法を用いて、高い寸法公差で製造することができる。サファイアの加工温度(公称2070℃)よりも低い温度(<1650℃)の標準的な焼結プロセスを用いることもできる。また、熱間静水圧プレス(HIP)法をさまざまな方法で用いることも考えられる。一つの選択肢は、構造全体を一緒にHIP処理すること、あるいはアセンブリのある部分を別々にHIP処理し、その部分を一緒に焼結して接合を形成することである。さらに、セラミックと、MgAl2O4スピネルまたは酸窒化アルミニウムの単結晶を組み合わせて使用することもできる。これにより、サファイア製の部品に対して利用可能ではない多数の製造オプションが可能になる。
【0024】
サファイアベースのセンサに対する先に述べた潜在的な利点に加えて、本明細書に開示された光センサは、選択された測定対象に対して、微小電子機械システム(MEMS)センサよりも本質的に有利である。MEMSセンサとは異なり、前述の光センサには優先的な指向性がない(すなわち、センサの向きに関係なく測定が可能である)。
【0025】
本開示の方法及びシステムは、上述し、かつ図面に示すように、光学ベースの温度及び圧力測定用のファブリー・ペローセンサの製造を容易にすることを提供する。本開示の装置及び方法は、好ましい実施形態を参照して示され、説明されてきたが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、変更及び/または修正がなされ得ることを容易に理解するであろう。