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特開2024-166148バスケットカテーテルのための電極及び電極構成
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166148
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】バスケットカテーテルのための電極及び電極構成
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024079272
(22)【出願日】2024-05-15
(31)【優先権主張番号】63/502,543
(32)【優先日】2023-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/639,061
(32)【優先日】2024-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】グオ・シュ
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・ロリック
(72)【発明者】
【氏名】ホセ・ヒメネス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK17
4C160KK39
4C160KL03
4C160MM38
4C160NN01
(57)【要約】
【課題】医療用プローブのための電極を提供すること。
【解決手段】本開示の技術は、第1の端部と第2の端部とを含む本体を備える電極を含む。本体は、第1の端部から第2の端部まで長手方向軸に沿って延在し得る。本体は、拡張可能バスケットアセンブリが拡張構成にあるとき、第1の端部が、組織に接触するように配向されるように、拡張可能バスケットアセンブリのスパインに取り付けられるように構成され得る。第1の端部は、略三角形の形状と、第2の端部よりも大きい面積とを形成する導電性表面を備え得る。本体は、長手方向軸に沿って第1の端部から第2の端部へと収束し得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用プローブのための電極であって、前記電極が、
第1の端部と第2の端部とを含む本体を備え、前記本体が、前記第1の端部から前記第2の端部まで長手方向軸に沿って延在しており、前記本体は、拡張可能バスケットアセンブリが拡張構成にあるときに、前記第1の端部が、組織に接触するように配向されるように、前記拡張可能バスケットアセンブリのスパインに取り付けられるように構成されており、
前記第1の端部が、略三角形の形状と、前記第2の端部よりも大きい面積とを形成する導電性表面を備え、
前記本体が、前記長手方向軸に沿って前記第1の端部から前記第2の端部へと収束する、電極。
【請求項2】
前記本体が、四面体を含む、請求項1に記載の電極。
【請求項3】
前記第2の端部は、前記第1の端部の中心の第1の点から前記導電性表面に垂直に延在する第1の線が、前記第1の線に平行で、前記第2の端部の中心の第2の点を通って延在する第2の線からある距離だけ離隔されているように、前記第1の端部と整列していない、請求項2に記載の電極。
【請求項4】
前記本体は、前記略三角形の形状の第1の縁部が、前記スパインに対して垂直に配向されるように、前記スパインに取り付けられるように構成されている、請求項1に記載の電極。
【請求項5】
前記電極が、前記組織のアブレーションのために構成されている、請求項1に記載の電極。
【請求項6】
前記略三角形の形状を形成する前記導電性表面が、前記長手方向軸に対して丸みを帯びた外形を呈する複合曲面を含む、請求項1に記載の電極。
【請求項7】
前記電極が、前記組織の電気生理学的特性をマッピングするように構成されている、請求項1に記載の電極。
【請求項8】
医療用プローブであって、
近位端と遠位端とを含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、前記拡張可能バスケットアセンブリは、
前記拡張可能バスケットアセンブリが拡張構成にあるときに前記長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成された複数のスパインと、
前記複数のスパインに取り付けられた複数の電極と、を備え、前記複数の電極のうちの各電極が、
第1の端部と第2の端部とを含む本体を備え、前記本体は、前記拡張可能バスケットアセンブリが前記拡張構成にあるときに、前記第1の端部が、組織に接触するように配向されるように、前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに取り付けられており、
前記第1の端部が、略三角形の形状と、前記第2の端部よりも大きい面積とを形成する導電性表面を備え、
前記本体が、前記第1の端部から前記第2の端部に収束する、医療用プローブ。
【請求項9】
前記本体が、四面体を含む、請求項8に記載の医療用プローブ。
【請求項10】
前記第2の端部は、前記第1の端部の中心の第1の点から前記導電性表面に垂直に延在する第1の線が、前記第1の線に平行であり、前記第2の端部の中心の第2の点を通って延在する第2の線からある距離だけ離隔されているように、前記第1の端部と整列していない、請求項9に記載の医療用プローブ。
【請求項11】
前記複数の電極は、各隣接するスパインが電極を備えるように、前記スパインの各々に取り付けられており、前記複数の電極が、前記長手方向軸に対して垂直な方向に整列している、請求項8に記載の医療用プローブ。
【請求項12】
前記複数の電極のうちの各電極の前記本体は、前記略三角形の形状の第1の縁部が前記スパインに対して垂直に配向されているように、前記それぞれのスパインに取り付けられている、請求項11に記載の医療用プローブ。
【請求項13】
前記複数の電極のうちの第1の電極は、前記第1の縁部が前記本体の遠位端にあるように、第1の配向で前記それぞれのスパインに取り付けられており、
前記複数の電極のうちの第2の電極は、前記第1の縁部が前記本体の近位端にあるように、第2の配向で前記複数のスパインのうちの隣接するスパインに取り付けられている、請求項12に記載の医療用プローブ。
【請求項14】
前記複数の電極は、前記複数の電極が、交互になる第1の配向及び第2の配向で、隣接するスパインに取り付けられているように、前記複数のスパインに取り付けられている、請求項13に記載の医療用プローブ。
【請求項15】
医療用プローブであって、
近位端と遠位端とを含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、前記拡張可能バスケットアセンブリは、
前記拡張可能バスケットアセンブリが拡張構成にあるときに前記長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成された複数のスパインと、
前記複数のスパインに取り付けられた複数の電極と、を備え、前記複数の電極のうちの各電極が、四面体の形状を含む本体を含み、前記四面体の形状が、外向きの端部と内向きの端部とを備え、前記外向きの端部が、前記内向きの端部の面積よりも大きい面積を備える導電性表面を含み、前記拡張可能バスケットアセンブリが前記拡張構成にあるときに組織に接触するように構成されており、前記本体が、前記外向きの端部から前記内向きの端部に収束する、医療用プローブ。
【請求項16】
前記内向きの端部は、前記第1の端部の中心の第1の点から前記導電性表面に垂直に延在する第1の線が、前記第1の線に平行であり、前記第2の端部の中心の第2の点を通って延在する第2の線からある距離だけ離隔されているように、前記外向きの端部と整列していない、請求項15に記載の医療用プローブ。
【請求項17】
前記複数の電極は、各隣接するスパインが電極を備えるように、前記スパインの各々に取り付けられており、前記複数の電極が、前記長手方向軸に対して垂直な方向に整列している、請求項15に記載の医療用プローブ。
【請求項18】
前記複数の電極のうちの各電極の前記本体は、前記導電性表面の第1の縁部が前記スパインに対して垂直に配向されているように、前記それぞれのスパインに取り付けられている、請求項17に記載の医療用プローブ。
【請求項19】
前記複数の電極のうちの第1の電極は、前記導電性表面の第1の縁部が前記本体の遠位端にあるように、第1の配向で前記それぞれのスパインに取り付けられており、
前記複数の電極のうちの第2の電極は、前記導電性表面の第1の縁部が前記本体の近位端にあるように、第2の配向で前記複数のスパインのうちの隣接するスパインに取り付けられている、請求項15に記載の医療用プローブ。
【請求項20】
前記複数の電極は、前記複数の電極が、交互になる第1の配向及び第2の配向で、隣接するスパインに取り付けられているように、前記複数のスパインに取り付けられている、請求項19に記載の医療用プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下での、2023年5月16日に出願された米国特許仮出願第63/502,543号(代理人整理番号:BIO6847USPSP1-253757.000369)の優先権及び利益を主張するものであり、その全容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療用デバイス、特に、電極を有する医療用プローブに関し、排他的ではないが、心臓組織のマッピング及びアブレーションに好適な医療用プローブに更に関する。
【背景技術】
【0003】
心房細動(atrial fibrillation、AF)などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が隣接組織に電気信号を異常に伝導するときに生じる。これは、正常な心周期を混乱させ、非同期的な律動を引き起こす。不整脈を治療するための存在するある特定の処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に破壊すること、及びそのような信号の伝導経路を破壊することが挙げられる。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は変更することが時に可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
心臓組織の領域は、異常な電気信号を識別するために医療用プローブによってマッピングすることができる。同じ又は異なる医療用プローブを使用してアブレーションを実行することができる。いくつかの例示的なプローブは、上に電極が位置付けられた多数のスパインを含む。電極は、概して、スパインに取り付けられており、スパインは、シースから展開されると、半径方向外向きに曲がるように構成されている。次いで、電極は、組織のマッピング又はアブレーションのために組織と接触させられる。電極は、概して、隣接するスパイン上の電極が互いにオフセットされているように、スパイン上に配列されていなければならない。これは、シース内の空間が限られているためであり、かつ隣接するスパイン上の電極が互いに整列している場合、電極がシース内に一緒に収まることができないためである。しかしながら、電極のオフセット整列は、より少ない電極がスパインに取り付けられることをもたらし、これは、マッピング及びアブレーションをより不正確にし得る。したがって、当技術分野では、電極を隣接するスパイン上に整列させることを可能にし、より多くの電極をスパインに取り付けることを許容する一方で、依然としてシース内に収めることができる電極設計に対する必要性が存在する。これら及び他の問題は、本明細書に開示された技術によって対処することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示される技術によれば、第1の端部と第2の端部とを含む本体を備える電極が提供される。本体は、第1の端部から第2の端部まで長手方向軸に沿って延在し得る。本体は、拡張可能バスケットアセンブリが拡張構成にあるとき、第1の端部が、組織に接触するように配向されるように、拡張可能バスケットアセンブリのスパインに取り付けられるように構成され得る。第1の端部は、略三角形の形状と、第2の端部よりも大きい面積とを形成する導電性表面を備え得る。本体は、長手方向軸に沿って第1の端部から第2の端部へと収束し得る。
【0006】
近位端と遠位端とを含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備える、医療用プローブ。拡張可能バスケットアセンブリは、拡張可能バスケットアセンブリが拡張構成にあるときに、長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成された複数のスパインと、複数のスパインに取り付けられた複数の電極と、を備え、複数の電極のうちの各電極は、第1の端部と第2の端部とを含む本体を備え、本体は、拡張可能バスケットアセンブリが拡張構成にあるときに、第1の端部が、組織に接触するように配向されるように、複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに取り付けられている。第1の端部は、略三角形の形状と、第2の端部よりも大きい面積とを形成する導電性表面を備えることができ、本体は、第1の端部から第2の端部に収束することができる。
【0007】
本開示の技術は、近位端と遠位端とを含むチューブ状シャフトを備える、医療用プローブを含むことができる。チューブ状シャフトは、長手方向軸に沿って延在することができる。医療用プローブは、チューブ状シャフトの遠位端に結合された拡張可能なバスケットアセンブリを更に備えることができる。拡張可能バスケットアセンブリは、拡張可能バスケットアセンブリが拡張構成にあるときに、長手方向軸から半径方向外側に曲がるように構成された複数のスパインを備えることができる。拡張可能バスケットは、複数のスパインに取り付けられた複数の電極を備えることができる。
【0008】
複数の電極のうちの各電極は、四面体の形状を備える本体を含むことができる。四面体の形状は、外向きの端部と内向きの端部とを備えることができる。外向きの端部は、内向きの端部の面積よりも大きい面積を含み、拡張可能バスケットアセンブリが拡張構成にあるときに組織に接触するように構成された導電性表面を備えることができる。本体は、外向きの端部から内向きの端部に収束することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示は、以下の本開示の実施例の詳細な説明を図面と併せて読むことで、より完全に理解されるであろう。
図1】本開示の技術による、電極を備える、遠位端を有する医療用プローブを含む医療用システムの概略描画図である。
図2】本開示の技術による、電極を備える、バスケットカテーテルの概略描画図である。
図3A】本開示の技術による、電極の斜視図である。
図3B】本開示の技術による、電極の前面図である。
図3C】本開示の技術による、A-A線に沿った図3Bの電極の断面図である。
図3D】本開示の技術による、電極の上面図である。
図3E】本開示の技術による、B-B線に沿った図3Dの電極の断面図である。
図4A】本開示の技術による、医療用プローブの概略描画図である。
図4B】本開示の技術による、シース内の医療用プローブの概略描画図である。
図5】本開示の技術による、医療用プローブの複数のスパイン及び電極の斜視図である。
図6A】本開示の技術による、電極の群の側面図である。
図6B】本開示の技術による、電極の群の上面図である。
図6C】本開示の技術の別の実施例による、電極の別の群の上面図である。
図7】本開示の技術による、図6BのC-C線に沿ったスパイン及び電極の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を描画しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく、例として、本発明の原理を例解する。本明細書は、当業者が本発明を作製及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替物、及び使用を説明する。
【0011】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に説明される意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「ほぼ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば、「約90%」は、71%~110%の値の範囲を指し得る。
【0012】
加えて、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「対象」という用語は、任意のヒト又は動物対象を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。同様に、「近位」という用語は、オペレータ又は医師により近い方の位置を示す一方、「遠位」は、オペレータ又は医師からより遠い位置を示す。
【0013】
本明細書で考察されるように、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「対象」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であり得る。動物は、哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むが、これらに限定されない、様々な任意の適用可能なタイプのものであり得ることを理解するべきである。一例として、動物は、ヒトに類似したある特定の性質を有するように特に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サルなど)であり得る。対象は、例えば、任意の適用可能なヒト患者であり得ることを理解するべきである。
【0014】
本明細書で考察されるように、「医師」は、医師、外科医、技術者、科学者、オペレータ、又は対象への薬物難治性心房細動の治療のための多電極カテーテルの送達に関連する任意の他の個人若しくは送達器具類を含むことができる。
【0015】
本明細書で考察されるように、「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語は、本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、本開示全体を通して、パルス電界(pulsed electric field、PEF)及びパルス場アブレーション(pulsed field ablation、PFA)と互換的に称される、不可逆エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)などの非熱エネルギーを利用することによって、細胞内の不規則心臓信号の生成を低減又は防止するように構成されている、構成要素及び構造的特徴を指す。本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、アブレーションすること又はアブレーションは、不整脈、心房粗動アブレーション、肺静脈隔離、上室頻脈アブレーション、及び心室性頻脈アブレーションを含むが、これらに限定されない、特定の状態の心臓組織の非熱アブレーションを参照して、本開示全体を通して使用される。「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語はまた、当業者によって理解されるように、様々な形態の身体組織アブレーションを達成するための既知の方法、デバイス、及びシステムを含む。
【0016】
本明細書で考察されるように、「双極」及び「単極」という用語は、アブレーションスキームを指すために使用される場合、電流経路及び電界分布に関して異なるアブレーションスキームを説明する。「双極」とは、両方とも治療部位に位置付けされた2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指す。電流密度及び電束密度は、典型的には、2つの電極の各々でほぼ等しい。「単極」とは、2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指し、ここで、高電流密度及び高電束密度を有する1つの電極が治療部位に位置付けられ、比較的低い電流密度及びより低い電束密度を有する第2の電極が、治療部位から遠隔に位置付けられる。
【0017】
本明細書で考察されるように、「二相性パルス」及び「単相性パルス」という用語は、それぞれの電気信号を指す。「二相性パルス」とは、正電圧相パルス(本明細書では「正相」と称される)及び負電圧相パルス(本明細書では「負相」と称される)を有する電気信号を指す。「単相性パルス」は、正相のみ又は負相のみを有する電気信号を指す。好ましくは、二相性パルスを提供するシステムは、直流電圧(direct current voltage、DC)の患者への印加を防止するように構成されている。例えば、二相性パルスの平均電圧は、地面又は他の共通基準電圧に対してゼロボルトであり得る。追加的又は代替的に、システムは、コンデンサ又は他の保護構成要素を含むことができる。二相性パルス及び/又は単相性パルスの電圧振幅が本明細書に説明されている場合、発現された電圧振幅は、正電圧相及び/又は負電圧相の各々の近似ピーク振幅の絶対値であることが理解される。二相性パルス及び単相性パルスの各相は、好ましくは、相持続時間の大部分中に本質的に一定の電圧振幅を有する正方形形状を有する。二相性パルスの相は、相間遅延によって時間的に分離される。相間遅延持続時間は、好ましくは、二相性パルスの相の持続時間未満であるか、又はその持続時間にほぼ等しい。相間遅延持続時間は、より好ましくは、二相性パルスの相の持続時間の約25%である。
【0018】
本明細書で考察されるように、「管状」及び「管」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、管状構造は、概して、実質的な直円柱構造として例解される。しかしながら、管状構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、先細状又は湾曲した外面を有し得る。
【0019】
本開示は、心臓不整脈を治療するための心臓組織のIREアブレーションのために使用され得るシステム、方法、又は使用及びデバイスに関する。アブレーションエネルギーは、通常、アブレーションするべき組織に沿ってアブレーションエネルギーを送達することができるカテーテルの先端部分によって心臓組織に提供される。いくつかの例示的カテーテルは、先端部分に三次元構造を含み、三次元構造上に位置付けられた様々な電極からアブレーションエネルギーを管理するように構成されている。このような例示的なカテーテルを組み込むアブレーション処置は、X線透視法を使用して可視化することができる。
【0020】
機能不全の心臓を改善するために、高周波(radio frequency、RF)エネルギー及び冷凍アブレーションなどの熱的技術の適用を使用する心臓組織のアブレーションは、周知の処置である。典型的には、熱的技術を使用して首尾よくアブレーションするために、心筋の様々な位置で心電位を測定する必要がある。加えて、アブレーション中の温度測定により、アブレーションの有効性を可能にするデータを提供する。通常、熱的技術を使用したアブレーション処置では、実際のアブレーション前、アブレーション中、及びアブレーション後に、電極電位及び温度が測定される。RFアプローチは、組織の炭化、燃焼、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻につながり得るリスクを有し得る。冷凍アブレーションは、RFアブレーションと関連するいくらかの熱リスクを低減することができるRFアブレーションへの代替アプローチである。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難であり、したがって、冷凍アブレーションは、電気アブレーションデバイスによって到達され得る特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0021】
本開示は、RFアブレーション、冷凍アブレーション、及び/又は不可逆エレクトロポレーション(IRE)のために構成された電極を含むことができる。IREは、本開示全体を通して、パルス電場(PEF)アブレーション及びパルスフィールドアブレーション(PFA)と交換可能に称され得る。本開示で考察されるIREは、心房性不整脈のアブレーションに使用することができる非熱的細胞死技術である。IRE/PEFを使用してアブレーションするために、二相性電圧パルスを印加して心筋の細胞構造を破壊する。二相性パルスは非正弦波形であり、細胞の電気生理学に基づいて標的細胞に調整することができる。対照的に、RFを使用してアブレーションするために、正弦波電圧波形が適用されて、治療エリアにおいて熱を生成し、治療エリア内の全ての細胞を無差別に加熱する。したがって、IREは、アブレーションモダリティ又は隔離モダリティで既知である起こり得る合併症の低減において有益であろう、隣接する感熱性構造又は組織を救う能力を有する。追加的又は代替的に、単相性パルスを利用することができる。
【0022】
エレクトロポレーションは、細胞膜内の細孔の可逆的(reversable)(一時的)又は不可逆的(永久的)生成を引き起こすために、生物学的細胞にパルス電界を印加することによって誘発することができる。細胞は、パルス電界の印加時に静止電位を超えて増加する膜貫通静電位を有する。膜貫通静電位は閾値電位未満のままであるが、エレクトロポレーションは可逆的であり、これは、印加されたパルス電界が除去されると細孔が閉じることができ、細胞は自己修復して生存することができることを意味する。膜貫通静電位が閾値電位を超えて増加する場合、エレクトロポレーションは不可逆的であり、細胞は永久的に透過性になる。結果として、細胞は、ホメオスタシスの喪失に起因して死滅し、典型的にはアポトーシスによって死滅する。一般に、異なるタイプの細胞は、異なる閾値電位を有する。例えば、心臓細胞はほぼ500V/cmの閾値電位を有するが、骨は3000V/cmの閾値電位を有する。閾値電位のこれらの差は、IREが閾値電位に基づいて組織を選択的に標的とすることを可能にする。
【0023】
本開示の解決策は、心筋組織をアブレーションするためのアブレーションエネルギーを生成するために、心筋組織の近傍に位置付けられたカテーテル電極から電気信号を印加するためのシステム及び方法を含む。いくつかの例では、システム及び方法は、不可逆エレクトロポレーションを誘導することによって標的組織をアブレーションするのに有効であり得る。いくつかの例では、本システム及び方法は、診断処置の一部として可逆エレクトロポレーションを誘発するのに有効であり得る。可逆エレクトロポレーションは、細胞が修復することを可能にする、電極で印加された電気が標的組織の電界閾値を下回るときに行われる。可逆エレクトロポレーションは細胞を死滅させないが、医師が、標的位置の近傍で電気活性化信号に対する可逆エレクトロポレーションの効果を見ることを可能にする。可逆エレクトロポレーションのための例示的なシステム及び方法は、米国特許出願公開第2021/0162210号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の付録に添付されている。
【0024】
パルス電界、並びに可逆エレクトロポレーション及び/又は不可逆エレクトロポレーションを誘発するパルス電界の有効性は、システムの物理パラメータ及び電気信号の二相性パルスパラメータによって影響を受け得る。物理的パラメータは、電極接触面積、電極間隔、電極形状などを含むことができる。本明細書に提示される実施例は、概して、可逆及び/又は不可逆エレクトロポレーションを効果的に誘発するように適合された物理的パラメータを含む。電気信号の二相性パルスパラメータは、電圧振幅、パルス持続時間、パルス相間遅延、パルス間遅延、総印加時間、送達エネルギーなどを含み得る。いくつかの例では、電気信号のパラメータは、同じ物理パラメータが与えられると、可逆エレクトロポレーション及び不可逆エレクトロポレーションの両方を誘発するように調整することができる。IREを含むアブレーションの様々なシステム及び方法の例は、米国特許出願公開第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号、及び同第2021/0186604(A1)号に提示されており、これらの各々の全体は、参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の付録に添付されている。
【0025】
例示的なカテーテルベースの電気生理学マッピング及びアブレーションシステム10を示す図1を参照する。システム10は、患者23の血管系を通って、心臓12の腔又は血管構造内に医師24によって経皮的に挿入される複数のカテーテルを含む。典型的には、送達シースカテーテルは、心臓12の所望の位置の近くの左心房又は右心房内に挿入される。その後、複数のカテーテルを送達シースカテーテルに挿入して、所望の位置に到達させることができる。複数のカテーテルは、心内電位図(Intracardiac Electrogram、IEGM)信号の感知専用のカテーテル、アブレーション専用のカテーテル、及び/又は感知及びアブレーションの両方に専用のカテーテルを含み得る。感知及びアブレーション用に構成された例示的なカテーテル14が本明細書に例解されている。医師24は、心臓12の標的部位を感知するために、カテーテル14の遠位先端部28(本明細書でバスケットカテーテル28又は拡張可能バスケットアセンブリと称される場合がある)を心臓壁と接触させる。アブレーションのために、医師24は、同様に、アブレーションカテーテルの遠位端をアブレーションのための標的部位に運ぶ。
【0026】
カテーテル14は、遠位先端部28において複数のスパイン22にわたって任意選択で分布し、IEGM信号を検知するように構成された1つ、好ましくは複数の電極26を含む例示的なカテーテルである。カテーテル14は、遠位先端部28の位置及び配向を追跡するために、遠位先端部28内又はその近くに埋め込まれた位置センサ29を更に含むことができる。任意選択的にかつ好ましくは、位置センサ29は、三次元(three-dimensional、3D)位置及び配向を感知するための3つの磁気コイルを含む磁気ベースの位置センサである。
【0027】
磁気ベースの位置センサ29は、所定の作業体積内に磁場を生成するように構成された複数の磁気コイル32を含む位置パッド25とともに動作し得る。カテーテル14の遠位先端部28のリアルタイム位置は、位置パッド25によって生成され、磁気ベースの位置センサ29によって感知される磁場に基づいて追跡され得る。磁気ベースの位置感知技術の詳細は、米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,239,724号、同第6,332,089号、同第6,484,118号、同第6,618,612号、同第6,690,963号、同第6,788,967号、同第6,892,091号に記載されており、これらの各々の全体は、参照によって本明細書に組み込まれ、本明細書の付録に添付されている。
【0028】
システム10は、位置パッド25の位置基準及び電極26のインピーダンスベースの追跡を確立するために、患者23上の皮膚接触のために配置された1つ又は2つ以上の電極パッチ38を含む。インピーダンスベースの追跡のために、電流が電極26に方向付けられ、電極皮膚パッチ38において感知され、それにより、各電極の位置を、電極パッチ38を介して三角測量することができる。インピーダンスベースの位置追跡技術の詳細は、米国特許第7,536,218号、同第7,756,576号、同第7,848,787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号に記載されており、これらの各々の全体は、参照によって本明細書に組み込まれ、本明細書の付録に添付されている。
【0029】
レコーダ11は、体表面ECG電極18で捕捉された電位図21と、カテーテル14の電極26で捕捉された心内電位図(IEGM)と、を表示する。レコーダ11は、心臓の律動をペーシングするためのペーシング能力を含み得、及び/又は独立型ペーサに電気的に接続され得る。
【0030】
システム10は、アブレーションするように構成されたカテーテルの遠位先端部にある電極のうちの1つ又は2つ以上にアブレーションエネルギーを伝達するように適合されるアブレーションエネルギー発生器50を含み得る。アブレーションエネルギー発生器50によって生じたエネルギーは、不可逆エレクトロポレーション(IRE)をもたらすために使用され得るような単極性若しくは双極性高電圧直流パルスを含む、高周波(RF)エネルギー若しくはパルス場アブレーション(PFA)エネルギー、又はそれらの組み合わせを含み得るが、それらに限定されない。
【0031】
患者インターフェースユニット(patient interface unit、PIU)30は、カテーテルと、電気生理学的機器と、電源と、システム10の動作を制御するワークステーション55との間の電気通信を確立するように構成されたインターフェースである。システム10の電気生理学的機器は、例えば、複数のカテーテル、位置パッド25、体表面ECG電極18、電極パッチ38、アブレーションエネルギー発生器50、及びレコーダ11を含み得る。任意選択的に、かつ好ましくは、PIU30は、カテーテルの位置のリアルタイム計算を実装し、ECG計算を実行するための処理能力を追加的に含む。
【0032】
ワークステーション55は、メモリと、適切なオペレーティングソフトウェアがロードされたメモリ又は記憶装置を有するプロセッサユニットと、ユーザインターフェース機能と、を含む。ワークステーション55は、任意選択的に、(1)心内膜解剖学的構造を三次元(3D)でモデルリングし、モデル又は解剖学的マップ20をディスプレイデバイス27上に表示するためにレンダリングすることと、(2)記録された電位図21からコンパイルされた活性化シーケンス(又は他のデータ)を、レンダリングされた解剖学的マップ20上に重ね合わされた代表的な視覚的指標又は画像でディスプレイデバイス27上に表示することと、(3)心腔内の複数のカテーテルのリアルタイム位置及び配向を表示することと、(4)アブレーションエネルギーが印加された位置などの関心部位をディスプレイデバイス27上に表示することと、を含む、複数の機能を提供し得る。システム10の要素を具現化する1つの市販製品は、Biosense Webster,Inc.,31 Technology Drive,Suite 200,Irvine,CA 92618,USAから市販されている、CARTO(商標)3システムとして入手可能である。
【0033】
図2は、本開示の技術による、シース80(図4Bに示される)から前進させられること等によって、拡張形態にある電極26を伴うバスケットカテーテル28の斜視図を例解する、概略描画図である。図2に示すように、バスケットカテーテル28は、拡張形態にあるときに長手方向軸86から半径方向外向きに曲がることができる複数のスパイン22を含むことができる。スパイン22は、スパイン22が拡張形態へと外向きに拡張するように自然に付勢されるように、ニチノールなどの生体適合性弾性材料から形成することができる。
【0034】
各スパイン22は、それに取り付けられた1つ又は2つ以上の電極26を含むことができる。本明細書でより詳細に説明するように、電極26は、図2に示すように、隣接するスパイン22上に整列してスパイン22上に電極26を配置することができるように構成することができる。したがって、本開示の技術のバスケットカテーテル28は、以前のカテーテル設計よりも多数の電極26を含むように構成することができる。電極26は、図4A図7に示されるように、電極が緊密な構成で一緒に折り畳まれ得るように構成することができる。本明細書に記載の電極26は、組織のマッピング及び/又はアブレーションのために構成することができる。
【0035】
図3Aは、本開示の技術による、電極26の斜視図である。図示されるように、電極26は各々、略四面体の形状を有することができる。このようにして、電極26は、電極26の外向きの表面302(本明細書では「第1の端部」及び「第1の面」とも称される)が、電極26の内向きの端部328(本明細書では「第2の端部」又は「第4の角部」とも称される)よりも大きい表面積を有することができるように、スパイン22に取り付けることができる。略四面体の形状であるため、電極26は、スパイン22に取り付けられ、バスケットカテーテル28上に配列されると、オレンジ色のくさびのような緊密な構成で一緒に折り畳まれるように構成することができる。したがって、電極26は、バスケットカテーテル28がより多数の電極26を備えることを可能にする一方で、依然としてシース80内に折り畳んで収めることができる。
【0036】
電極26の全部又は一部は、導電性材料を備えることができる。例えば、電極26の全ては、金、銀、白金、パラジウム、ステンレス鋼(及びそれらのそれぞれの合金)から完全に作製され得る。代替的に、電極26の一部のみ(例えば、第1の面302)を上記の材料から作製することができる。これらの材料はまた、高い熱伝導率を有し、これにより、組織上で生成された(すなわち、組織に送達されたアブレーションエネルギーによる)最小限の熱が、電極を通って電極の裏側(すなわち、スパインの内側にある電極の部分)に、次に心臓12内の血液プールに伝導されることが可能になる。電極は、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成され得る。
【0037】
外向きの表面302は、組織に接触するように構成され得、したがって、内向きの端部328よりも大きい表面積を有することによって、外向きの表面302は、電気生理学的信号を検出するように、及び/又は組織にアブレーションエネルギーを提供するように、より良好に構成され得る。更に、電極26は、略四面体の形状を形成する複数の面を有することができる。例えば、電極26は、少なくとも第1の面302(外向きの側面)、第2の面304、第3の面306、及び第4の面308(図3Aに示される図では見えない)を有することができる。更に、電極26は、複数の面の間に複数の縁部を有することができる。例えば、電極26は、第1の縁部310、第2の縁部312、第3の縁部314、第4の縁部316、第5の縁部318、及び第6の縁部320(図3Aでは完全には見えない)を有することができる。第1の縁部310、第2の縁部312、第3の縁部314、第4の縁部316、第5の縁部318、及び第6の縁部320の各々は、組織及び医療用プローブの他の構成要素(例えば、シース80)への損傷を防止するように丸みを帯びることができる。複数の縁部は、複数の角部で互いに収束することができる。複数の角部は、第1の角部322、第2の角部324、第3の角部326、及び第4の角部328(本明細書では「第2の端部」又は「内向きの端部」とも称される)を含むことができる。今説明し、図3Aに示した面、縁部、及び角部の各々は、図3B図3Eに示した同様の面、縁部、及び角部に対応する。
【0038】
ここで図3B図3Eを参照すると、本開示の技術による、図3Bは電極26の正面図であり、図3C図3Bの電極の断面図であり、図3Dは電極の上面図であり、図3E図3Dの電極の断面図である。図3B図3Eに示す図は、例示的な電極の一般的な角度及び比率を含む、電極26の様々な特徴を例解する。当業者であれば、図3B図3Eに関連して示され説明された電極の図は、例解目的で提供されており、限定するものとして解釈されるべきではないことを理解するであろう。様々な形状、角度、比率などを有する他の電極26も同様に、本開示の範囲内であると解釈することができる。
【0039】
図3Bに示すように、電極26は、組織に接触するように構成された第1の面302(外向きの側面)を有することができる。第1の面302は、概して三角形の形状に形成することができる。この非限定的な例では、第1の面302は、第2の縁部312及び第3の縁部314が第1の縁部310の長さL2とは異なる第1の長さL1を有する二等辺三角形を形成するものとして示されている。第1の面302が二等辺三角形を形成するので、第2の縁部312と第3の縁部314との間の第1の角度θ1は、第1の縁部310と第3の縁部312との間の角度θ2に等しい第1の縁部310と第2の縁部312との間の第2の角度θ2とは異なり得る。しかしながら、理解されるように、面の様々な角度及び長さは、様々な他の例に従って構成することができる。例えば、第1の面302は、鋭角三角形、鈍角三角形、正三角形、不等辺三角形、直角三角形などを形成することができる。更に、電極26は、三角形を形成する第1の面302(及び他の面304、306、308)を有するものとして示されているが、三角形の1つ又は2つ以上の面は、三角形以外の形状を形成することができることが理解されよう。したがって、本開示の技術の様々な他の置換は、電極26が、シース80内に収まることが可能な電極26の緊密な群を形成するように一緒に折り畳まれ得るように、外向きの側面が内向きの側面よりも大きい表面積を有するように構成され得る。
【0040】
図3Cは、図3BのA-A線に沿った電極26の断面図である。線A-Aは、第4の角部328(内向きの端部)から第1の面302の中央を通って第1の縁部310の中央に配置された点330まで延在する。図3Cに示されるように、電極26は、第4の角部328(内向きの端部)が、第1の面302によって形成される三角形の中心にある点P1から垂直に延在する中心線C1から距離D1だけオフセットされ得るように構成され得る。すなわち、第1の面302の中心の第1点P1から第1の面302に垂直に延在する中心線C1は、第1の線に平行で第4の角部328の中心の第2点(「内向きの端部」又は「第2の端部」)を通る線PL1から距離D1だけ離れている。換言すれば、電極26は、正四面体ではない四面体を形成することができる。このようにして、電極26の第4の角部328は、図5図7に関連してより詳細に説明されるように、電極26が一緒に群をなしているときに、より良好に一緒に収まるように構成することができる。
【0041】
図3Dに示すように、電極26の第2の面304は、正三角形を形成することができる。すなわち、第2の縁部312、第4の縁部316、及び第5の縁部318は各々、同じ長さL3を有することができ、第2の縁部312、第4の縁部316、及び第5の縁部318の各々の間に、全て互いに等しい第3の角度θ3を形成することができる。前述のように、図3Dに示される第2の面304の構成は、例解目的のために提供され、第2の面304は、様々な他の置換に従って構成されることができる。
【0042】
図3Eは、図3DのB-B線に沿った電極26の断面図である。B-B線は、第4の角部328(内向きの端部)から第2の面304の中央を通って第2の縁部312の中央に配置された点340まで延在する。図3Cに示される電極26の断面と同様に、図3Eの断面図は、第2の端部328が、第2の面304の中心の点P2から垂直に延在する中心線C2から距離D2だけ整列してオフセットされるように配置され得ることを例解する。すなわち、第2の面304の中心にある第2の点P2から第2の面304に垂直に延在する中心線C2は、中心線C2に平行で第4の角部328(「内向きの端部」又は「第2の端部」)の中心にある点を通って延在する線PL2から距離D2だけ離隔している。このようにして、電極26の第4の角部328(内向きの端部)は、図5図7に関連してより詳細に説明されるように、電極26が一緒に群をなしているときに、より良好に一緒に収まるように構成することができる。理解されるように、距離D1及びD2は、特定の用途に好適な電極26の四面体の形状の構成に影響を与えるように変更することができる。
【0043】
図4Aに示すように、バスケットカテーテル28は、チューブ状シャフト84の端部に形成され、近位端でチューブ状シャフト84に、及び遠位端で遠位ハブ210に接続され、複数の可撓性スパイン22を含むことができる。医療処置中、医師34は、チューブ状シャフト84をシース80から延出させ、(図2に示すように)バスケットカテーテル28をシース80から出して拡張形態に移行させることによって、バスケットカテーテル28を展開することができる。図4A及び図4Bに示されるように、電極26は、本明細書に示され、説明される形状に従って構成されるため、電極26は、一緒に折り畳まれ、シースからの送達及びシース内への後退のための緊密な群を形成するように構成されることができる。
【0044】
スパイン22は、楕円形(例えば、円形)又は矩形(平坦に見える場合がある)の断面を有し得、本明細書でより詳細に説明されるように、支柱を形成する可撓性弾性材料(例えば、ニチノールとしても知られるニッケル-チタンなどの形状記憶合金、又はコバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、更にはポリマー材料などの他の材料)を含み得る。同様に、本開示の技術は、今述べたように、単一のスパイン22又は各スパイン22が両端に取り付けられた複数のスパイン22から形成されたバスケットカテーテル28に適用可能であり得る。
【0045】
スパイン22は、平面材料の単一シートから形成することができる。いくつかの実施例では、スパイン22は、スパイン22が中央交差部に向かって収束するように、平面材料の単一シートから形成することができる。他の実施例では、スパイン22は、個別に形成され、次いで、示され、今説明したように、両端で取り付けられることができる。
【0046】
理解されるように、スパイン22は、電極26からスパイン22へのアーク放電を防止するように、電極26から電気的に絶縁され得る。例えば、絶縁ジャケット(図示せず)をスパイン22と電極26との間に配置することができるが、当業者であれば、他の絶縁被覆が考えられることを理解するであろう。例えば、絶縁コーティングをスパイン22、電極26、又はその両方に適用することができる。絶縁ジャケットは、ポリアミド-ポリエーテル(polyamide-polyether、Pebax)コポリマー、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ウレタン、ポリイミド、パリレン、シリコーンなどの生体適合性電気絶縁材料から作製することができる。いくつかの例では、絶縁材料は、ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone、PEEK)、ポリグリコール酸(polyglycolic acid、PGA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)コポリマー(poly(lactic-co-glycolic acid) copolymer、PLGA)、ポリカプロラクトン(polycaprolactive、PCL)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(poly(3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyvalerate)、PHBV)、ポリ-L-ラクチド、ポリジオキサノン、ポリカーボネート、及びポリ無水物を含むがこれらに限定されない生体適合性ポリマーを含み得、特定のポリマーの比は、炎症反応の程度を制御するように選択される。絶縁ジャケットはまた、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化亜鉛などの1つ又は2つ以上の添加剤又は充填剤を含んでもよい。
【0047】
図5は、折り畳まれた形態でスパイン22に取り付けられた電極26の斜視図を例解する。図示のように、電極26は、電極26の大部分がスパイン22の外側に面する側に配置されるように、スパイン22に取り付けることができる。図6A及び図6Bにより良く示されるように、電極26は、交互の第1の向き26A及び第2の向き26Bに配列され得る。第2の配向26Bは、電極26が(図4A図7に示されるように)折り畳まれた形態にあるときにより良好に一緒に収まることができるように、第1の配向26Aから180度反転され得る。更に、図6Bに見られるように、第1の面302は外向きの配向に配列され得る一方で、第4の角部328(第2の端部)は内向きの配向に配列される。図6Bに示される実施例では、第4の角部328は、収束し、電極26の群を通って延在するルーメン610を画定することができる。ルーメン610は、例えば、電極26が整列のいくらかの変動を伴って互いに整列するために十分な余地が残ることを確実にするのに有用であり得る。更に、いくつかの実施例では、ルーメン610は、例えば、バスケットカテーテル28がシース80内に引き込まれているときであっても灌注流体がプローブを通って流れることが望ましい場合に、灌注流体がその中を流れることを許容するように構成することができる。
【0048】
図6Cは、折り畳まれた構成における電極26の別の例示的な配列を例解する。この例では、電極26は、電極26が医療用プローブの組織又は他の構成要素(例えば、シースの内部、止血弁など)を損傷することを防止するのに役立ち得る丸みを帯びた第1の面602を備える。すなわち、丸みを帯びた第1の面602は、長手方向軸86に対して丸みを帯びた外形を呈する複合曲面を備えることができる。示されるように、丸みを帯びた第1の面602は、外向きのものであってもよく、組織に接触するように構成され得る。更に、丸みを帯びた第1の面602は、バスケットカテーテル28をシース80内に引き込むことをより容易にすることができる。
【0049】
図7は、図6BのC-C線に沿ったスパイン22及び電極26の断面図である。図7に示され、図3Cに関連して前述されたように、電極26は、第4の角部328(内向きの端部)が、第1の面302によって形成される三角形の中心にある点P1から垂直に延在する中心線C1から距離D1だけオフセットされ得るように構成され得る。したがって、各電極26の第2の端部328は、第1の面302の中心からオフセットされた電極26群の中央の点に向かって収束することができる。更に、示されるように、第1の縁部310は、スパイン22に対して略垂直に配向され得る。しかしながら、理解されるように、電極26は、電極26がコンパクトな様態で一緒に折り畳まれることを可能にし、それによって、電極26が、隣接するスパイン22に取り付けられることを許容する一方で、依然としてシース80内にコンパクトに収まることができる、様々な他の構成で構成され得る。
【0050】
本明細書に説明される本開示の技術は、以下の条項に従って更に理解することができる。
【0051】
条項1:医療用プローブのための電極であって、第1の端部と第2の端部とを含む本体を備え、本体は、第1の端部から第2の端部まで長手方向軸に沿って延在しており、本体は、拡張可能バスケットアセンブリが拡張構成にあるときに、第1の端部が、組織に接触するように配向されるように、拡張可能バスケットアセンブリのスパインに取り付けられるように構成されており、第1の端部は、略三角形の形状と、第2の端部よりも大きい面積とを形成する導電性表面を備え、本体は、長手方向軸に沿って第1の端部から第2の端部へと収束する、電極。
【0052】
条項2:第1の端部の略三角形の形状が、鋭角三角形を含む、条項1に記載の電極。
【0053】
条項3:第1の端部の略三角形の形状が、二等辺三角形を含む、条項2に記載の電極。
【0054】
条項4:第1の端部の略三角形の形状が、正三角形を含む、条項2に記載の電極。
【0055】
条項5:本体が四面体を含む、前述の条項のいずれかに記載の電極。
【0056】
条項6:第2の端部は、第1の端部の中心の第1の点から導電性表面に垂直に延在する第1の線が、第1の線に平行で、第2の端部の中心の第2の点を通って延在する第2の線からある距離だけ離隔されているように、第1の端部と整列していない、条項5に記載の電極。
【0057】
条項7:本体が、略三角形の形状の第1の縁部がスパインに対して垂直に配向されるように、スパインに取り付けられるように構成されている、前述の条項のいずれかに記載の電極。
【0058】
条項8:本体が、丸みを帯びた縁部を含む、前述の条項のいずれかに記載の電極。
【0059】
条項9:本体が、金、パラジウム、銀、白金、ステンレス鋼及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、前述の条項のいずれかに記載の電極。
【0060】
条項10:電極が、組織のアブレーションのために構成されている、前述の条項のいずれかに記載の電極。
【0061】
条項11:導電性表面が、長手方向軸に対して丸みを帯びた外形を呈する複合曲面を含む略三角形状を形成する、前述の条項のいずれかに記載の電極。
【0062】
条項12:電極が、組織の電気生理学的特性をマッピングするように構成されている、前述の条項のいずれかに記載の電極。
【0063】
条項13:近位端と遠位端とを含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、拡張可能バスケットアセンブリは、拡張可能バスケットアセンブリが拡張構成にあるときに、長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成された複数のスパインと、複数のスパインに取り付けられた複数の電極と、を備え、複数の電極のうちの各電極が、第1の端部と第2の端部とを含む本体を備え、本体は、拡張可能バスケットアセンブリが拡張構成にあるときに、第1の端部が、組織に接触するように配向されるように、複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに取り付けられており、第1の端部が、略三角形の形状と、第2の端部よりも大きい面積とを形成する導電性表面を備え、本体が、第1の端部から第2の端部に収束する、拡張可能バスケットアセンブリと、を備える、医療用プローブ。
【0064】
条項14:第1の端部の略三角形の形状が、鋭角三角形を含む、条項13に記載の医療用プローブ。
【0065】
条項15:第1の端部の略三角形の形状が、二等辺三角形を含む、条項14に記載の医療用プローブ。
【0066】
条項16:第1の端部の略三角形の形状が、正三角形を含む、条項14に記載の医療用プローブ。
【0067】
条項17:本体が四面体を含む、条項13~16のいずれかに記載の医療用プローブ。
【0068】
条項18:第2の端部は、第1の端部の中心の第1の点から導電性表面に垂直に延在する第1の線が、第1の線に平行で、第2の端部の中心の第2の点を通って延在する第2の線からある距離だけ離隔されているように、第1の端部と整列していない、条項17に記載の医療用プローブ。
【0069】
条項19:複数の電極は、各隣接するスパインが電極を備えるように、スパインの各々に取り付けられており、複数の電極が、長手方向軸に対して垂直な方向に整列している、条項13~18のいずれかに記載の医療用プローブ。
【0070】
条項20:複数の電極のうちの各電極の本体は、略三角形の形状の第1の縁部がスパインに対して垂直に配向されているように、それぞれのスパインに取り付けられている、条項19に記載の医療用プローブ。
【0071】
条項21:複数の電極のうちの第1の電極は、第1の縁部が本体の遠位端にあるように、第1の配向でそれぞれのスパインに取り付けられており、複数の電極のうちの第2の電極は、第1の縁部が本体の近位端にあるように、第2の配向で複数のスパインのうちの隣接するスパインに取り付けられている、条項20に記載の医療用プローブ。
【0072】
条項22:複数の電極が、交互になる第1の配向及び第2の配向で、隣接するスパインに取り付けられているように、複数の電極が複数のスパインに取り付けられている、条項21に記載の医療用プローブ。
【0073】
条項23:本体は、丸みを帯びた縁部を備える、条項13~22のいずれかに記載の医療用プローブ。
【0074】
条項24:本体が、金、パラジウム、銀、白金、ステンレス鋼、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、条項13~23のいずれかに記載の医療用プローブ。
【0075】
条項25:複数の電極が、組織をアブレーションするように構成されている、条項13~24のいずれかに記載の医療用プローブ。
【0076】
条項26:複数の電極が、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成されており、パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する、条項25に記載の医療用プローブ。
【0077】
条項27:複数の電極が、組織の電気生理学的特性をマッピングするように構成されている、条項13~26のいずれかに記載の医療用プローブ。
【0078】
条項28:複数のスパインのうちの各スパインが、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、条項13~27のいずれかに記載の医療用プローブ。
【0079】
条項29:スパインが、ポリマー材料を含む、条項13~28のいずれかに記載の医療用プローブ。
【0080】
条項30:近位端と遠位端とを含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、拡張可能バスケットアセンブリは、拡張可能バスケットアセンブリが拡張構成にあるときに、長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成された複数のスパインと、複数のスパインに取り付けられた複数の電極と、を備え、複数の電極のうちの各電極が、四面体の形状を含む本体を含み、四面体の形状が、外向きの端部と内向きの端部とを備え、外向きの端部が、内向きの端部の面積よりも大きい面積を備える導電性表面を含み、拡張可能バスケットアセンブリが拡張構成にあるときに組織に接触するように構成されており、本体が、外向きの端部から内向きの端部に収束する、医療用プローブ。
【0081】
条項31:外向きの端部は、略三角形の形状を備え、略三角形の形状は、鋭角三角形を備える、条項30に記載の医療用プローブ。
【0082】
条項32:略三角形の形状は、二等辺三角形を含む、条項31に記載の医療用プローブ。
【0083】
条項33:略三角形の形状は、正三角形を含む、条項32に記載の医療用プローブ。
【0084】
条項34:内向きの端部は、第1の端部の中心の第1の点から導電性表面に垂直に延在する第1の線が、第1の線に平行であり、第2の端部の中心の第2の点を通って延在する第2の線からある距離だけ離隔されているように、外向きの端部と整列していない、条項30~33のいずれかに記載の医療用プローブ。
【0085】
条項35:本体は、略三角形の形状の第1の縁がスパインに対して垂直に配向されるように、スパインに取り付けられるように構成されている、条項30~34のいずれかに記載の医療用プローブ。
【0086】
条項36:複数の電極は、各隣接するスパインが電極を備えるように、スパインの各々に取り付けられており、複数の電極が、長手方向軸に対して垂直な方向に整列している、条項31~35のいずれかに記載の医療用プローブ。
【0087】
条項37:複数の電極のうちの各電極の本体は、略三角形の形状の第1の縁部がスパインに対して垂直に配向されているように、それぞれのスパインに取り付けられている、条項36に記載の医療用プローブ。
【0088】
条項38:複数の電極のうちの第1の電極は、第1の縁部が本体の遠位端にあるように、第1の配向でそれぞれのスパインに取り付けられており、複数の電極のうちの第2の電極は、第1の縁部が本体の近位端にあるように、第2の配向で複数のスパインのうちの隣接するスパインに取り付けられている、条項37に記載の医療用プローブ。
【0089】
条項39:複数の電極が、交互になる第1の配向及び第2の配向で、隣接するスパインに取り付けられているように、複数の電極が複数のスパインに取り付けられている、条項38に記載の医療用プローブ。
【0090】
条項40:本体が、丸みを帯びた縁部を備える、条項30~39のいずれかに記載の医療用プローブ。
【0091】
条項41:本体が、金、パラジウム、銀、白金、ステンレス鋼、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、条項30~40のいずれかに記載の医療用プローブ。
【0092】
条項42:複数の電極が、組織をアブレーションするように構成されている、条項30~41のいずれかに記載の医療用プローブ。
【0093】
条項43:複数の電極が、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成されており、パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する、条項42に記載の医療用プローブ。
【0094】
条項44:電極が、組織の電気生理学的特性をマッピングするように構成されている、条項30~41のいずれかに記載の医療用プローブ。
【0095】
上に記載される実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、本明細書にこれまで具体的に図示及び記載されているものに限られるものではない。むしろ、本発明の範囲は、本明細書でこれまでに記載される様々な特徴の組み合わせ及びその部分的組み合わせの両方、並びに上述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、先行技術において開示されていないそれらの変形例及び修正例を含むものである。
【0096】
〔実施の態様〕
(1) 医療用プローブのための電極であって、前記電極が、
第1の端部と第2の端部とを含む本体を備え、前記本体が、前記第1の端部から前記第2の端部まで長手方向軸に沿って延在しており、前記本体は、拡張可能バスケットアセンブリが拡張構成にあるときに、前記第1の端部が、組織に接触するように配向されるように、前記拡張可能バスケットアセンブリのスパインに取り付けられるように構成されており、
前記第1の端部が、略三角形の形状と、前記第2の端部よりも大きい面積とを形成する導電性表面を備え、
前記本体が、前記長手方向軸に沿って前記第1の端部から前記第2の端部へと収束する、電極。
(2) 前記本体が、四面体を含む、実施態様1に記載の電極。
(3) 前記第2の端部は、前記第1の端部の中心の第1の点から前記導電性表面に垂直に延在する第1の線が、前記第1の線に平行で、前記第2の端部の中心の第2の点を通って延在する第2の線からある距離だけ離隔されているように、前記第1の端部と整列していない、実施態様2に記載の電極。
(4) 前記本体は、前記略三角形の形状の第1の縁部が、前記スパインに対して垂直に配向されるように、前記スパインに取り付けられるように構成されている、実施態様1に記載の電極。
(5) 前記電極が、前記組織のアブレーションのために構成されている、実施態様1に記載の電極。
【0097】
(6) 前記略三角形の形状を形成する前記導電性表面が、前記長手方向軸に対して丸みを帯びた外形を呈する複合曲面を含む、実施態様1に記載の電極。
(7) 前記電極が、前記組織の電気生理学的特性をマッピングするように構成されている、実施態様1に記載の電極。
(8) 医療用プローブであって、
近位端と遠位端とを含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、前記拡張可能バスケットアセンブリは、
前記拡張可能バスケットアセンブリが拡張構成にあるときに前記長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成された複数のスパインと、
前記複数のスパインに取り付けられた複数の電極と、を備え、前記複数の電極のうちの各電極が、
第1の端部と第2の端部とを含む本体を備え、前記本体は、前記拡張可能バスケットアセンブリが前記拡張構成にあるときに、前記第1の端部が、組織に接触するように配向されるように、前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに取り付けられており、
前記第1の端部が、略三角形の形状と、前記第2の端部よりも大きい面積とを形成する導電性表面を備え、
前記本体が、前記第1の端部から前記第2の端部に収束する、医療用プローブ。
(9) 前記本体が、四面体を含む、実施態様8に記載の医療用プローブ。
(10) 前記第2の端部は、前記第1の端部の中心の第1の点から前記導電性表面に垂直に延在する第1の線が、前記第1の線に平行であり、前記第2の端部の中心の第2の点を通って延在する第2の線からある距離だけ離隔されているように、前記第1の端部と整列していない、実施態様9に記載の医療用プローブ。
【0098】
(11) 前記複数の電極は、各隣接するスパインが電極を備えるように、前記スパインの各々に取り付けられており、前記複数の電極が、前記長手方向軸に対して垂直な方向に整列している、実施態様8に記載の医療用プローブ。
(12) 前記複数の電極のうちの各電極の前記本体は、前記略三角形の形状の第1の縁部が前記スパインに対して垂直に配向されているように、前記それぞれのスパインに取り付けられている、実施態様11に記載の医療用プローブ。
(13) 前記複数の電極のうちの第1の電極は、前記第1の縁部が前記本体の遠位端にあるように、第1の配向で前記それぞれのスパインに取り付けられており、
前記複数の電極のうちの第2の電極は、前記第1の縁部が前記本体の近位端にあるように、第2の配向で前記複数のスパインのうちの隣接するスパインに取り付けられている、実施態様12に記載の医療用プローブ。
(14) 前記複数の電極は、前記複数の電極が、交互になる第1の配向及び第2の配向で、隣接するスパインに取り付けられているように、前記複数のスパインに取り付けられている、実施態様13に記載の医療用プローブ。
(15) 医療用プローブであって、
近位端と遠位端とを含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、前記拡張可能バスケットアセンブリは、
前記拡張可能バスケットアセンブリが拡張構成にあるときに前記長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成された複数のスパインと、
前記複数のスパインに取り付けられた複数の電極と、を備え、前記複数の電極のうちの各電極が、四面体の形状を含む本体を含み、前記四面体の形状が、外向きの端部と内向きの端部とを備え、前記外向きの端部が、前記内向きの端部の面積よりも大きい面積を備える導電性表面を含み、前記拡張可能バスケットアセンブリが前記拡張構成にあるときに組織に接触するように構成されており、前記本体が、前記外向きの端部から前記内向きの端部に収束する、医療用プローブ。
【0099】
(16) 前記内向きの端部は、前記第1の端部の中心の第1の点から前記導電性表面に垂直に延在する第1の線が、前記第1の線に平行であり、前記第2の端部の中心の第2の点を通って延在する第2の線からある距離だけ離隔されているように、前記外向きの端部と整列していない、実施態様15に記載の医療用プローブ。
(17) 前記複数の電極は、各隣接するスパインが電極を備えるように、前記スパインの各々に取り付けられており、前記複数の電極が、前記長手方向軸に対して垂直な方向に整列している、実施態様15に記載の医療用プローブ。
(18) 前記複数の電極のうちの各電極の前記本体は、前記導電性表面の第1の縁部が前記スパインに対して垂直に配向されているように、前記それぞれのスパインに取り付けられている、実施態様17に記載の医療用プローブ。
(19) 前記複数の電極のうちの第1の電極は、前記導電性表面の第1の縁部が前記本体の遠位端にあるように、第1の配向で前記それぞれのスパインに取り付けられており、
前記複数の電極のうちの第2の電極は、前記導電性表面の第1の縁部が前記本体の近位端にあるように、第2の配向で前記複数のスパインのうちの隣接するスパインに取り付けられている、実施態様15に記載の医療用プローブ。
(20) 前記複数の電極は、前記複数の電極が、交互になる第1の配向及び第2の配向で、隣接するスパインに取り付けられているように、前記複数のスパインに取り付けられている、実施態様19に記載の医療用プローブ。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7
【外国語明細書】