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特開2024-166149電気コネクタの端子ロック構造体および電気コネクタ
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  • 特開-電気コネクタの端子ロック構造体および電気コネクタ 図1
  • 特開-電気コネクタの端子ロック構造体および電気コネクタ 図2
  • 特開-電気コネクタの端子ロック構造体および電気コネクタ 図3
  • 特開-電気コネクタの端子ロック構造体および電気コネクタ 図4
  • 特開-電気コネクタの端子ロック構造体および電気コネクタ 図5
  • 特開-電気コネクタの端子ロック構造体および電気コネクタ 図6
  • 特開-電気コネクタの端子ロック構造体および電気コネクタ 図7
  • 特開-電気コネクタの端子ロック構造体および電気コネクタ 図8
  • 特開-電気コネクタの端子ロック構造体および電気コネクタ 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166149
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】電気コネクタの端子ロック構造体および電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/42 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
H01R13/42 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024079280
(22)【出願日】2024-05-15
(31)【優先権主張番号】202321212513.X
(32)【優先日】2023-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】516193944
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス テクノロジー (エスアイピー) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レェイレェイ シィア
(72)【発明者】
【氏名】ファンユエ ジェイソン ヂゥー
(72)【発明者】
【氏名】ヂュアンルゥー フゥー
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE07
5E087FF04
5E087GG14
5E087JJ06
5E087QQ04
5E087RR25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コストが削減され、製造業者において別個の端子ロックデバイスを組み立てるステップが回避され、製造業者の組立効率が向上し、同時に顧客における端子ロックデバイスによるロックの動作も回避され、したがって、組立時間が節約され、顧客の組立効率が向上する電気コネクタを提供する。
【解決手段】電気コネクタの端子ロック構造体および電気コネクタが提供される。コネクタは、ハウジングと、ハウジングを覆う背面カバー10とを含み、ハウジングは、接続端子を収容するキャビティを備え、背面カバー10は、ベース11と、ベース11の周りに設けられた側壁とを含み、端子ロック構造体は、背面カバー10のベースに一体化され、ハウジングに対するキャビティ内の接続端子の移動を防ぐように構成されている。端子ロック構造体を電気コネクタの背面カバーに直接一体化することによって、別個の端子ロック構造体が省かれる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタ(100)の端子ロック構造体であって、
前記電気コネクタ(100)は、ハウジング(20)と、前記ハウジング(20)を覆う背面カバー(10)とを含み、
前記ハウジング(20)は、接続端子(30、40、50)を収容するキャビティを備え、前記背面カバー(10)はベース(11)を含み、
前記端子ロック構造体は、前記背面カバー(10)の前記ベース(11)に一体化され、前記ハウジング(20)に対する前記キャビティ内の前記接続端子(30、40、50)の移動を防ぐように構成されている、端子ロック構造体。
【請求項2】
前記ベース(11)に、第1の接続端子(30)をそこに通すための第1の接続口(12)が形成されており、
前記端子ロック構造体は、前記第1の接続口(12)の内面に形成されて半径方向内方に延びる第1の止め部(16)を含み、
前記第1の止め部(16)は、前記第1の接続端子(30)に設けられた第1の段部(32)に係合して、前記第1の接続端子(30)がロック位置にあるときに、前記ハウジング(20)に対する前記第1の接続端子(30)のその中心軸に沿った移動を、前記第1の止め部(16)と前記第1の段部(32)との係合によって防ぐように構成されている、
請求項1に記載の端子ロック構造体。
【請求項3】
前記第1の止め部(16)に第1の切欠き(17)が形成されており、
前記第1の切欠き(17)は、前記第1の接続端子(30)に設けられた第1の半径方向突出部(33)に係合して、前記第1の接続端子(30)が前記ロック位置にあるときに、前記第1の接続端子(30)の前記中心軸周りの回転を、前記第1の切欠き(17)と前記第1の半径方向突出部(33)との係合によって防ぐように構成されている、
請求項2に記載の端子ロック構造体。
【請求項4】
前記ベース(11)に、第2の接続端子(40)をそこに通すための第2の接続口(13)が形成されており、
前記端子ロック構造体は、前記第2の接続口(13)の内面に形成されて半径方向内方に延びる第2の止め部(18)を含み、
前記第2の止め部(18)は、前記第2の接続端子(40)に設けられた第2の段部(42)に係合して、前記第2の接続端子(40)がロック位置にあるときに、前記ハウジング(20)に対する前記第2の接続端子(40)のその中心軸に沿った移動を、前記第2の止め部(18)と前記第2の段部(42)との係合によって防ぐように構成されている、
請求項1に記載の端子ロック構造体。
【請求項5】
前記第2の止め部(18)に第2の切欠き(15)が形成されており、
前記第2の切欠き(15)は、前記第2の接続端子(40)に設けられた第2の半径方向突出部(43)に係合して、前記第2の接続端子(40)が前記ロック位置にあるときに、前記第2の接続端子(40)の前記中心軸周りの回転を、前記第2の切欠き(15)と前記第2の半径方向突出部(43)との係合によって防ぐように構成されている、請求項4に記載の端子ロック構造体。
【請求項6】
前記第2の接続口(13)に対応する前記背面カバー(10)の位置に凹部(19)が形成されており、前記ハウジング(20)から離れる側の前記第2の接続口(13)の端部が、前記凹部(19)の底部と面一になっている、
請求項5に記載の端子ロック構造体。
【請求項7】
前記端子ロック構造体は、前記ベース(11)から前記ハウジング(20)に向かって延びる止めリブ(14)を含み、
前記止めリブ(14)は、第3の接続端子(50)が前記ロック位置にあるときに、前記止めリブ(14)が前記第3の接続端子(50)の自由端部に接して、前記ハウジング(20)に対する前記第3の接続端子(50)のその中心軸に沿った移動を防ぐように構成されている、
請求項1に記載の端子ロック構造体。
【請求項8】
前記止めリブ(14)はまた、前記第3の接続端子(50)の前記自由端部に形成された止め突起(53)に干渉して、前記第3の接続端子(50)が前記ロック位置にあるときに、前記第3の接続端子(50)の前記中心軸周りの回転を、前記止めリブ(14)と前記止め突起(53)との係合によって防ぐように構成されている、
請求項7に記載の端子ロック構造体。
【請求項9】
それぞれの第3の接続端子(50)に係合するための前記止めリブ(14)は、T字形または十字形の断面を有する、
請求項8に記載の端子ロック構造体。
【請求項10】
前記端子ロック構造体は、前記背面カバー(10)に一体に形成されている、
請求項1から9のいずれか一項に記載の端子ロック構造体。
【請求項11】
電気コネクタ(100)であって、
- キャビティを備えるハウジング(20)と、
- 前記ハウジング(20)を覆い、前記ハウジング(20)に固定して接続される背面カバー(10)であり、前記背面カバー(10)はベース(11)を含む、背面カバー(10)と、
- 前記キャビティに収容される接続端子(30、40、50)と、
- 前記背面カバー(10)の前記ベースに(11)一体化され、前記ハウジング(20)に対する前記キャビティ内の前記接続端子(30、40、50)の移動を防ぐように構成された端子ロック構造体と
を備える、
電気コネクタ(100)。
【請求項12】
前記ベース(11)に、第1の接続端子(30)をそこに通すための第1の接続口(12)が形成されており、
前記端子ロック構造体は、前記第1の接続口(12)の内面に形成されて半径方向内方に延びる第1の止め部(16)を含み、
前記第1の止め部(16)は、前記第1の接続端子(30)に設けられた第1の段部(32)に係合して、前記第1の接続端子(30)がロック位置にあるときに、前記ハウジング(20)に対する前記第1の接続端子(30)のその中心軸に沿った移動を、前記第1の止め部(16)と前記第1の段部(32)との係合によって防ぐように構成されている、
請求項11に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項13】
前記第1の止め部(16)に第1の切欠き(17)が形成されており、
前記第1の切欠き(17)は、前記第1の接続端子(30)に設けられた第1の半径方向突出部(33)に係合して、前記第1の接続端子(30)が前記ロック位置にあるときに、前記第1の接続端子(30)の前記中心軸周りの回転を、前記第1の切欠き(17)と前記第1の半径方向突出部(33)との係合によって防ぐように構成されている、
請求項12に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項14】
前記ベース(11)に、第2の接続端子(40)をそこに通すための第2の接続口(13)が形成されており、
前記端子ロック構造体は、前記第2の接続口(13)の内面に形成されて半径方向内方に延びる第2の止め部(18)を含み、
前記第2の止め部(18)は、前記第2の接続端子(40)に設けられた第2の段部(42)に係合して、前記第2の接続端子(40)がロック位置にあるときに、前記ハウジング(20)に対する前記第2の接続端子(40)のその中心軸に沿った移動を、前記第2の止め部(18)と前記第2の段部(42)との係合によって防ぐように構成されている、
請求項11に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項15】
前記第2の止め部(18)に第2の切欠き(15)が形成されており、
前記第2の切欠き(15)は、前記第2の接続端子(40)に設けられた第2の半径方向突出部(43)に係合して、前記第2の接続端子(40)が前記ロック位置にあるときに、前記第2の接続端子(40)の前記中心軸周りの回転を、前記第2の切欠き(15)と前記第2の半径方向突出部(43)との係合によって防ぐように構成されている、
請求項14に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項16】
前記第2の接続口(13)に対応する前記背面カバー(10)の位置に凹部(19)が形成されており、
前記ハウジング(20)から離れる側の前記第2の接続口(13)の端部が、前記凹部(19)の底部と面一になっている、
請求項15に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項17】
前記端子ロック構造体は、前記ベース(11)から前記ハウジング(20)に向かって延びる止めリブ(14)を含み、
前記止めリブ(14)は、第3の接続端子(50)が前記ロック位置にあるときに、前記止めリブ(14)が前記第3の接続端子(50)の自由端部に接して、前記ハウジング(20)に対する前記第3の接続端子(50)のその中心軸に沿った移動を防ぐように構成されている、
請求項11に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項18】
前記止めリブ(14)はまた、前記第3の接続端子(50)の前記自由端部に形成された止め突起(53)に干渉して、前記第3の接続端子(50)が前記ロック位置にあるときに、前記第3の接続端子(50)の前記中心軸周りの回転を、前記止めリブ(14)と前記止め突起(53)との係合によって防ぐように構成されている、
請求項17に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項19】
それぞれの第3の接続端子(50)に係合するための前記止めリブ(14)は、T字形または十字形の断面を有する、
請求項17に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項20】
前記端子ロック構造体は、前記背面カバー(10)に一体に形成されている、
請求項11から19のいずれか一項に記載の電気コネクタ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、2023年5月18日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第CN202321212513.X号の利益を主張する。
【0002】
本開示の実施形態は、電気コネクタの端子ロック構造体、および前記端子ロック構造体を備える電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
コネクタは、電気接続部の重要な構成部品である。新エネルギー車において、電力使用の理由により、電気接続部で使用されるコネクタの数が多くなり、性能要件が高くなっている。従来技術において、自動車の充電に使用されるコネクタは、ハウジングと、ハウジングに固定して接続される背面カバーと、ハウジング内の接続端子、接地端子、および信号端子とを含む。しかしながら、このような従来のコネクタは、通常、端子の二次ロック機能を実現するために、別個の端子ロックデバイスを追加する必要もある。この端子ロックデバイスを、製造業者においてコネクタに組み立て、その後、顧客において、すべての端子の挿入後に、この端子ロックデバイスを手動で押して端子をロックする。このようにして、1つのさらなる部品が追加されるだけでなく、1つの組立てステップも追加され、顧客はさらに、端子ロックデバイスを手動でロックする必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、関連技術の上記その他の問題および欠点のうちの少なくとも1つを克服するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の例示的な実施形態によれば、電気コネクタの端子ロック構造体が提供される。電気コネクタは、ハウジングと、ハウジングを覆う背面カバーとを含み、ハウジングは、接続端子を収容するキャビティを備え、背面カバーはベースを含み、端子ロック構造体は、背面カバーのベースに一体化され、ハウジングに対するキャビティ内の接続端子の移動を防ぐように構成されている。
【0006】
例示的な実施形態において、ベースに、第1の接続端子をそこに通すための第1の接続口が形成されており、端子ロック構造体は、第1の接続口の内面に形成されて半径方向内方に延びる第1の止め部を含み、第1の止め部は、第1の接続端子に設けられた第1の段部に係合して、第1の接続端子がロック位置にあるときに、ハウジングに対する第1の接続端子のその中心軸に沿った移動を、第1の止め部と第1の段部との係合によって防ぐように構成されている。
【0007】
例示的な実施形態において、第1の止め部に第1の切欠きが形成されており、第1の切欠きは、第1の接続端子に設けられた第1の半径方向突出部に係合して、第1の接続端子がロック位置にあるときに、第1の接続端子のその中心軸周りの回転を、第1の切欠きと第1の半径方向突出部との係合によって防ぐように構成されている。
【0008】
例示的な実施形態において、ベースに、第2の接続端子をそこに通すための第2の接続口が形成されており、端子ロック構造体は、第2の接続口の内面に形成されて半径方向内方に延びる第2の止め部を含み、第2の止め部は、第2の接続端子に設けられた第2の段部に係合して、第2の接続端子がロック位置にあるときに、ハウジングに対する第2の接続端子のその中心軸に沿った移動を、第2の止め部と第2の段部との係合によって防ぐように構成されている。
【0009】
例示的な実施形態において、第2の止め部に第2の切欠きが形成されており、第2の切欠きは、第2の接続端子に設けられた第2の半径方向突出部に係合して、第2の接続端子がロック位置にあるときに、第2の接続端子のその中心軸周りの回転を、第2の切欠きと第2の半径方向突出部との係合によって防ぐように構成されている。
【0010】
例示的な実施形態において、第2の接続口に対応する背面カバーの位置に凹部が形成されており、ハウジングから離れる側の第2の接続口の端部が、凹部の底部と面一になっている。
【0011】
例示的な実施形態において、端子ロック構造体は、ベースからハウジングに向かって延びる止めリブを含み、止めリブは、第3の接続端子がロック位置にあるときに、止めリブが第3の接続端子の自由端部に接して、ハウジングに対する第3の接続端子のその中心軸に沿った移動を防ぐように構成されている。
【0012】
例示的な実施形態において、止めリブはまた、第3の接続端子の自由端部に形成された止め突起に干渉して、第3の接続端子がロック位置にあるときに、第3の接続端子のその中心軸周りの回転を、止めリブと止め突起との係合によって防ぐように構成されている。
【0013】
例示的な実施形態において、それぞれの第3の接続端子に係合するための止めリブは、T字形または十字形の断面を有する。
【0014】
例示的な実施形態において、端子ロック構造体は、背面カバーに一体に形成されている。
【0015】
本開示の別の態様の例示的な実施形態によれば、電気コネクタが提供される。電気コネクタは、キャビティを備えるハウジングと、ハウジングを覆い、ハウジングに固定して接続される背面カバーであり、背面カバーはベースを含む、背面カバーと、キャビティに収容される接続端子と、背面カバーのベースに一体化され、ハウジングに対するキャビティ内の接続端子の移動を防ぐように構成された端子ロック構造体とを備える。
【0016】
例示的な実施形態において、ベースに、第1の接続端子をそこに通すための第1の接続口が形成されており、端子ロック構造体は、第1の接続口の内面に形成されて半径方向内方に延びる第1の止め部を含み、第1の止め部は、第1の接続端子に設けられた第1の段部に係合して、第1の接続端子がロック位置にあるときに、ハウジングに対する第1の接続端子のその中心軸に沿った移動を、第1の止め部と第1の段部との係合によって防ぐように構成されている。
【0017】
例示的な実施形態において、第1の止め部に第1の切欠きが形成されており、第1の切欠きは、第1の接続端子に設けられた第1の半径方向突出部に係合して、第1の接続端子がロック位置にあるときに、第1の接続端子のその中心軸周りの回転を、第1の切欠きと第1の半径方向突出部との係合によって防ぐように構成されている。
【0018】
例示的な実施形態において、ベースに、第2の接続端子をそこに通すための第2の接続口が形成されており、端子ロック構造体は、第2の接続口の内面に形成されて半径方向内方に延びる第2の止め部を含み、第2の止め部は、第2の接続端子に設けられた第2の段部に係合して、第2の接続端子がロック位置にあるときに、ハウジングに対する第2の接続端子のその中心軸に沿った移動を、第2の止め部と第2の段部との係合によって防ぐように構成されている。
【0019】
例示的な実施形態において、第2の止め部に第2の切欠きが形成されており、第2の切欠きは、第2の接続端子に設けられた第2の半径方向突出部に係合して、第2の接続端子がロック位置にあるときに、第2の接続端子のその中心軸周りの回転を、第2の切欠きと第2の半径方向突出部との係合によって防ぐように構成されている。
【0020】
例示的な実施形態において、第2の接続口に対応する背面カバーの位置に凹部が形成されており、ハウジングから離れる側の第2の接続口の端部が、凹部の底部と面一になっている。
【0021】
例示的な実施形態において、端子ロック構造体は、ベースからハウジングに向かって延びる止めリブを含み、止めリブは、第3の接続端子がロック位置にあるときに、止めリブが第3の接続端子の自由端部に接して、ハウジングに対する第3の接続端子のその中心軸に沿った移動を防ぐように構成されている。
【0022】
例示的な実施形態において、止めリブはまた、第3の接続端子の自由端部に形成された止め突起に干渉して、第3の接続端子がロック位置にあるときに、第3の接続端子のその中心軸周りの回転を、止めリブと止め突起との係合によって防ぐように構成されている。
【0023】
例示的な実施形態において、それぞれの第3の接続端子に係合するための止めリブは、T字形または十字形の断面を有する。
【0024】
例示的な実施形態において、端子ロック構造体は、背面カバーに一体に形成されている。
【0025】
本開示のこれら上記の実施形態による端子ロック構造体および電気コネクタにおいて、端子ロック構造体は、電気コネクタの背面カバーに直接一体化され、別個の端子ロック構造体が省かれ、したがって、コストが削減され、製造業者において別個の端子ロックデバイスを組み立てるステップが回避され、製造業者の組立効率が向上する。同時に、顧客における端子ロックデバイスによるロックの動作も回避され、したがって、組立時間が節約され、顧客の組立効率が向上する。
【0026】
本開示の他の目的および利点が、添付図面を参照しながら以下で説明するように明らかになり、本開示の包括的な理解に役立ち得る。
【0027】
本開示の他の目的および利点が、添付図面を参照しながら以下で説明するように明らかになり、本開示の包括的な理解に役立ち得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本開示の例示的な実施形態による電気コネクタを示す概略斜視図である。
図2】本開示の例示的な実施形態による電気コネクタを示す概略上面図である。
図3】本開示の例示的な実施形態による電気コネクタの背面カバーを示す概略斜視図である。
図4図2の線A-Aに沿って取った電気コネクタの断面図である。
図5図2の線B-Bに沿って取った電気コネクタの断面図である。
図6】本開示の例示的な実施形態による電気コネクタの背面カバーと第3の端子との接続を示す概略図である。
図7】本開示の例示的な実施形態による電気コネクタの第1の端子を示す概略斜視図である。
図8】本開示の例示的な実施形態による電気コネクタの第2の端子を示す概略斜視図である。
図9】本開示の例示的な実施形態による電気コネクタの第3の端子を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の好ましい実施形態を含む図面を参照しながら、本開示を十分に説明するが、当業者は、本明細書に記載される本開示を修正し、本開示の技術的効果を得ることができることを理解すべきである。したがって、上記の説明は、当業者に対する広範な開示であり、本開示に記載される例示的な実施形態を限定するものではないことを理解する必要がある。
【0030】
加えて、以下の詳細な説明において、本開示の実施形態の十分な理解をもたらすために、説明を簡単にするよう多数の具体的詳細を記載する。しかしながら、これらの具体的詳細なしで1つまたは複数の実施形態を実施することもできることが明らかである。他の場合、添付図面を簡略化するために、周知の構造およびデバイスは図式的に示す。
【0031】
本開示の一般的な発明概念によれば、電気コネクタの端子ロック構造体が提供される。電気コネクタは、ハウジングと、ハウジングを覆う背面カバーとを含み、ハウジングは、接続端子を収容するキャビティを備え、背面カバーはベースを含む。端子ロック構造体は、背面カバーのベースに一体化され、ハウジングに対するキャビティ内の接続端子の移動を防ぐように構成されている。
【0032】
本開示の別の一般的な発明概念によれば、電気コネクタが提供される。電気コネクタは、キャビティを備えるハウジングと、ハウジングを覆い、ハウジングに固定して接続される背面カバーであり、背面カバーはベースを含む、背面カバーと、キャビティに収容される接続端子と、背面カバーのベースに一体化され、ハウジングに対するキャビティ内の接続端子の移動を防ぐように構成された端子ロック構造体とを備える。
【0033】
図1図6に示すように、本開示による電気コネクタ100は、ハウジング20と、背面カバー10とを含む。ハウジング20は、接続端子30、40、50を収容するキャビティを備え、背面カバー10は、ハウジング20を覆い、ハウジング20に固定して接続され、背面カバー10は、ベース11と、ベース11の周りに設けられた側壁とを含む。電気コネクタ100は、背面カバー10のベース11に一体化された端子ロック構造体をさらに含み、ハウジング20に対するキャビティ内の接続端子30、40、50の移動を防ぐように構成されている。
【0034】
例示的な実施形態において、図1図3図4および図7に示すように、背面カバー10のベース11に、第1の接続端子30をそこに通すための第1の接続口12が形成されており、第1の接続口12はキャビティに連通している。端子ロック構造体は、第1の接続口12の内面に形成されて半径方向内方に延びる第1の止め部16を含む。第1の止め部16は、第1の接続端子30に設けられた第1の段部32に係合して、第1の接続端子30がロック位置にあるときに、ハウジング20に対する第1の接続端子30のその中心軸に沿った移動を、第1の止め部16と第1の段部32との係合によって防ぐことにより、第1の接続端子30をキャビティにおいて安定して保持するように構成されている。
【0035】
例示的な実施形態において、図3および図7に示すように、第1の止め部16に第1の切欠き17が形成されており、第1の切欠き17は、第1の接続端子30に設けられた第1の半径方向突出部33に係合して、第1の接続端子30がロック位置にあるときに、第1の接続端子30のその中心軸周りの回転を、第1の切欠き17と第1の半径方向突出部33との係合によって防ぐことにより、第1の接続端子30をキャビティにおいて安定して保持するように構成されている。本実施形態において、第1の切欠き17の数は2つであり、2つの第1の切欠き17は、第1の接続口12の中心軸に対して半径方向に対称である。第1の接続口12の中心軸は、第1の接続端子30の中心軸に略一致する。本開示の他の実施形態において、第1の切欠き17の数は、1つまたは3つ以上であってもよいことに留意すべきである。
【0036】
例示的な実施形態において、図1図3に示すように、第1の接続口12の数は2つであり、2つの第1の接続口12は、DC+端子およびDC-端子などの充電端子をそれぞれ収容するように設けられている。この例示的な実施形態において、第1の接続口12は、管状で、第1の接続端子30の軸方向に沿って延び、背面カバー10のベース11の両側に突出する。第1の接続口12の数および形状は、本開示の例示的な実施形態に示すものに限定されず、特定の状況に合わせることができることに留意すべきである。
【0037】
例示的な実施形態において、図1図3図5および図8に示すように、背面カバーのベース11に、第2の接続端子40をそこに通すための第2の接続口13が形成されており、端子ロック構造体は、第2の接続口13の内面に形成されて半径方向内方に延びる第2の止め部18を含み、第2の止め部18は、第2の接続端子40に設けられた第2の段部42に係合して、第2の接続端子40がロック位置にあるときに、ハウジング20に対する第2の接続端子40のその中心軸に沿った移動を、第2の止め部18と第2の段部42との係合によって防ぐことにより、第2の接続端子40をキャビティにおいて安定して保持するように構成されている。
【0038】
例示的な実施形態において、図3および図8に示すように、第2の止め部18に第2の切欠き15が形成されており、第2の切欠き15は、第2の接続端子40に設けられた第2の半径方向突出部43に係合して、第2の接続端子40がロック位置にあるときに、第2の接続端子40のその中心軸周りの回転を、第2の切欠き15と第2の半径方向突出部43との係合によって防ぐことにより、第2の接続端子40をキャビティにおいて安定して保持するように構成されている。本実施形態において、第2の切欠き15の数は2つであり、2つの第2の切欠き15は、第2の接続口13の中心軸に対して半径方向に対称である。第2の接続口13の中心軸は、第2の接続端子40の中心軸に略一致する。本開示の他の実施形態において、第2の切欠き15の数は、1つまたは3つ以上であってもよいことに留意すべきである。
【0039】
例示的な実施形態において、図1図3に示すように、第2の接続口13の数は1つであり、第2の接続口13は、接地端子を収容するために設けられている。第2の接続口13は管状で、第2の接続口13の第1の端部が、ベース11からハウジング20に向かって第2の接続端子40の軸方向に沿って延びる。他の実施形態において、第2の接続口13の数および形状は、本開示の例示的な実施形態に示すものに限定されず、特定の状況に合わせることができることに留意すべきである。
【0040】
例示的な実施形態において、図1図3に示すように、第2の接続口13に対応する背面カバー10の位置に凹部19が形成されており、第2の接続口13の第1の端部とは反対側の第2の端部が、凹部19の底部と面一になっている。このようにして、第2の接続端子40の長さを短くすることができ、それにより、材料が節約され、製造コストが削減され、空間が節約される。
【0041】
例示的な実施形態において、図3図6、および図9に示すように、端子ロック構造体は、ベース11からハウジング20に向かって延びる止めリブ14を含み、止めリブ14は、第3の接続端子50がロック位置にあるときに、止めリブ14が第3の接続端子50の自由端部に接して、ハウジング20に対する第3の接続端子50のその中心軸に沿った移動を防ぐことにより、第3の接続端子50をキャビティにおいて安定して保持するように構成されている。本実施形態において、第3の接続端子50は信号端子である。図6に示す例示的な実施形態において5つの端子が示されているが、第3の接続端子50の数は、これに限定されず、特定の状況に合わせることができる。
【0042】
例示的な実施形態において、図6および図9に示すように、止めリブ14はまた、第3の接続端子50の自由端部に形成された止め突起53に干渉して、第3の接続端子50がロック位置にあるときに、第3の接続端子50のその中心軸周りの回転を、止めリブ14と止め突起53との係合によって防ぐことにより、第3の接続端子50をキャビティにおいて安定して保持するように構成されている。
【0043】
例示的な実施形態において、図6に示すように、それぞれの第3の接続端子50に係合するための止めリブ14は、T字形または十字形の断面を有する。
【0044】
例示的な実施形態において、図3に示すように、端子ロック構造体は、背面カバー10に一体に形成されている。
【0045】
図示の例示的な実施形態において、第1の接続端子30は電源端子として示され、第2の接続端子40は接地端子として示され、第3の接続端子50は信号端子として示されているが、本開示はこれに限定されず、これらの接続端子の使用を特定の状況に合わせることができることに留意すべきである。
【0046】
本開示の別の態様によれば、電気コネクタ10が提供される。電気コネクタ10は、ハウジング20と、背面カバー10と、接続端子30、40、50とを備える。ハウジング20はキャビティを備える。背面カバー10は、ハウジング20を覆い、ハウジング20に固定して接続されている。接続端子30、40、50は、キャビティに収容されている。電気コネクタ10は、上記の端子ロック構造体をさらに備え、端子ロック構造体は、背面カバー10のベース11に一体化され、ハウジング20に対するキャビティ内の接続端子30、40、50の移動を防ぐことにより、接続端子30、40、50をキャビティにおいて安定して保持するように構成されている。
【0047】
例示的な実施形態において、図1図3図4および図7に示すように、背面カバー10のベース11に、第1の接続端子30をそこに通すための第1の接続口12が形成されている。端子ロック構造体は、第1の接続口12の内面に形成されて半径方向内方に延びる第1の止め部16を含む。
【0048】
第1の接続端子30は、本体31と、本体に設けられた第1の段部32とを含む。第1の段部32は、止め部16に係合して、第1の接続端子30がロック位置にあるときに、ハウジング20に対する第1の接続端子30のその中心軸に沿った移動を、第1の止め部16と第1の段部32との係合によって防ぐことにより、第1の接続端子30をキャビティにおいて安定して保持するようになっている。
【0049】
例示的な実施形態において、図3および図7に示すように、第1の止め部16に第1の切欠き17が形成されており、第1の接続端子30に、第1の段部32から軸方向に延びる第1の半径方向突出部33が形成されて、第1の接続端子30がロック位置にあるときに、第1の接続端子30のその中心軸周りの回転を、第1の切欠き17と第1の半径方向突出部33との係合によって防ぐことにより、第1の接続端子30をキャビティにおいて安定して保持するようになっている。
【0050】
例示的な実施形態において、図1図3図5および図8に示すように、ベース11に、第2の接続端子40をそこに通すための第2の接続口13が形成されており、端子ロック構造体は、第2の接続口13の内面に形成されて半径方向内方に延びる第2の止め部18を含み、第2の接続端子40は、本体41と、本体41に形成された第2の段部42とを含む。第2の段部42は、第2の止め部18に係合して、第2の接続端子40がロック位置にあるときに、ハウジング20に対する第2の接続端子40のその中心軸に沿った移動を、第2の止め部18と第2の段部42との係合によって防ぐことにより、第2の接続端子40をキャビティにおいて安定して保持するようになっている。
【0051】
例示的な実施形態において、図3および図8に示すように、第2の止め部18に第2の切欠き15が形成されており、第2の接続端子40に、第2の段部42から軸方向に延びる第2の半径方向突出部43が形成されて、第2の接続端子40がロック位置にあるときに、第2の接続端子40のその中心軸周りの回転を、第2の切欠き15と第2の半径方向突出部43との係合によって防ぐことにより、第2の接続端子40をキャビティにおいて安定して保持するようになっている。
【0052】
例示的な実施形態において、図3図6、および図9に示すように、端子ロック構造体は、ベース11からハウジング20に向かって延びる止めリブ14を含み、止めリブ14は、第3の接続端子50がロック位置にあるときに、止めリブ14が第3の接続端子50の自由端部に接して、ハウジング20に対する第3の接続端子50のその中心軸に沿った移動を防ぐことにより、第3の接続端子50をキャビティにおいて安定して保持するように構成されている。
【0053】
例示的な実施形態において、図3図6、および図9に示すように、止めリブ14はまた、第3の接続端子50の自由端部に形成された止め突起53に干渉して、第3の接続端子50がロック位置にあるときに、第3の接続端子50のその中心軸周りの回転を、止めリブ14と止め突起53との係合によって防ぐことにより、第3の接続端子50をキャビティにおいて安定して保持するように構成されている。
【0054】
例示的な実施形態において、電気コネクタ100は、充電ソケットであっても、他のタイプの電気コネクタであってもよい。
【0055】
本開示のこれら上記の実施形態による端子ロック構造体および電気コネクタにおいて、端子ロック構造体は、電気コネクタの背面カバーに直接一体化され、別個の端子ロック構造体が省かれ、したがって、コストが削減され、製造業者において別個の端子ロックデバイスを組み立てるステップが回避され、製造業者の組立効率が向上する。同時に、顧客における端子ロックデバイスによるロックの動作も回避され、したがって、組立時間が節約され、顧客の組立効率が向上する。
【0056】
上記の実施形態は例示的なものであり、当業者によって改良することができ、構成上または原理上矛盾することなく、様々な実施形態に記載された構造体を自由に組み合わせることができることが、当業者には理解される。
【0057】
本開示を添付図面と併せて説明したが、添付図面に開示された実施形態は、本開示の好ましい実施形態を例により示すものであり、本開示を限定するものと解釈することはできない。
【0058】
一般的な発明概念のいくつかの実施形態について図示し説明したが、一般的な発明概念の原理および趣旨から逸脱することなく、これらの実施形態に修正を加えることができ、本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物によって限定されることが、当業者には理解されよう。
【0059】
「備える」、「含む」という単語は、他の要素またはステップを除外せず、「a」、「an」、または「1つの」という単語は、複数を除外しないことに留意すべきである。加えて、請求項の構成要素名は、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】