(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166154
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】金銭処理装置
(51)【国際特許分類】
G07D 11/14 20190101AFI20241121BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G07D11/14
G07G1/00 331A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024079497
(22)【出願日】2024-05-15
(31)【優先権主張番号】P 2023081540
(32)【優先日】2023-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福島 慶之
(72)【発明者】
【氏名】町田 和俊
【テーマコード(参考)】
3E141
3E142
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA08
3E141BA06
3E141CA04
3E141CA05
3E141FA01
3E141FF01
3E141FL01
3E142GA24
(57)【要約】
【課題】金銭の補充作業や回収作業の利便性の向上を図ること。
【解決手段】金銭を投入するための硬貨入金口11及び紙幣入金口41と、金銭を払い出すための硬貨出金口12及び紙幣出金口42とが装置本体(硬貨処理機本体10a及び紙幣処理機本体40a)の一方側である接客側に設けられ、かつ硬貨入金口11及び紙幣入金口41より投入された金銭を該当する収納庫(硬貨収納庫24、千円紙幣収納庫56及び混合庫57)に収納する入金動作を行うとともに、該当する収納庫に収納する金銭を硬貨出金口12及び紙幣出金口42より払い出す出金動作を行う金銭処理装置1であって、収納庫に対する補充用の金銭を投入するための硬貨補充口15及び紙幣補充口43と、収納庫に収納された金銭を回収するための回収部(回収トレイ18及び紙幣回収庫55)とが、装置本体の接客側の反対側に設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金銭を投入するための入金口と、金銭を払い出すための出金口とが装置本体の一方側である接客側に設けられ、かつ前記入金口より投入された金銭を該当する収納庫に収納する入金動作を行うとともに、該当する収納庫に収納する金銭を前記出金口より払い出す出金動作を行う金銭処理装置であって、
前記収納庫に対する補充用の金銭を投入するための補充口と、前記収納庫に収納された金銭を回収するための回収部とが、前記装置本体の前記接客側の反対側に設けられたことを特徴とする金銭処理装置。
【請求項2】
補充指令が与えられた場合に、前記補充口より投入された金銭を該当する収納庫に補充する補充動作を行う一方、回収指令が与えられた場合に、前記収納庫に収納された金銭を前記回収部に搬送する回収動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の金銭処理装置。
【請求項3】
前記補充指令が与えられた場合に、前記補充口より投入された金銭の真贋を判別して正貨と判別された金銭を該当する収納庫に補充する補充動作を行うことを特徴とする請求項2に記載の金銭処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動釣銭機等の金銭処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗には、客さばきや現金管理の厳正化のため、自動釣銭機等の金銭処理装置が用いられている。金銭処理装置は、有人レジであるが、近年では、有人レジに替わってお客自身に商品の登録と金銭の授受とを行わせるセルフレジや金銭の授受のみをお客自身が実施するセミセルフレジも普及しつつある。そして、金銭処理装置は、装置本体の一方側である接客側に入金口や出金口、回収庫が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に提案されている金銭処理装置では、入金口、出金口及び回収庫が装置本体の一方側である接客側に設けられているので、次のような問題があった。
【0005】
かかる金銭処理装置がレジカウンタに設置される場合、装置本体の接客側がレジカウンタの顧客側に配置される。そのため、店舗の従業員等のレジ担当者が金銭処理装置に対して金銭の補充や回収を行う場合、レジカウンタの顧客側に移動する必要があり、金銭の補充や回収の作業が煩雑なものとなり、不便であるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、金銭の補充作業や回収作業の利便性の向上を図ることができる金銭処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る金銭処理装置は、金銭を投入するための入金口と、金銭を払い出すための出金口とが装置本体の一方側である接客側に設けられ、かつ前記入金口より投入された金銭を該当する収納庫に収納する入金動作を行うとともに、該当する収納庫に収納する金銭を前記出金口より払い出す出金動作を行う金銭処理装置であって、前記収納庫に対する補充用の金銭を投入するための補充口と、前記収納庫に収納された金銭を回収するための回収部とが、前記装置本体の前記接客側の反対側に設けられたことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記金銭処理装置において、補充指令が与えられた場合に、前記補充口より投入された金銭を該当する収納庫に補充する補充動作を行う一方、回収指令が与えられた場合に、前記収納庫に収納された金銭を前記回収部に搬送する回収動作を行うことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記金銭処理装置において、前記補充指令が与えられた場合に、前記補充口より投入された金銭の真贋を判別して正貨と判別された金銭を該当する収納庫に補充する補充動作を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、収納庫に対する補充用の金銭を投入するための補充口と、収納庫に収納された金銭を回収するための回収部とが、装置本体の接客側の反対側に設けられているので、作業者が、金銭の補充作業や回収作業を行う際に、接客側に移動する必要がなく、金銭の補充作業や回収作業の利便性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態である金銭処理装置の外観構成を示す平面図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態である金銭処理装置の特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1及び
図2に示した硬貨処理機の内部構造を模式的に示す模式図である。
【
図4】
図4は、
図1及び
図2に示した紙幣処理機の内部構成を模式的に示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る金銭処理装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1及び
図2は、それぞれ本発明の実施の形態である金銭処理装置を示すものであり、
図1は、金銭処理装置の外観構成を示す平面図であり、
図2は、金銭処理装置の特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。
【0014】
ここで例示する金銭処理装置1は、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗においてPOS(Point Of Sales)レジスタ装置100を上位機器として接続される自動釣銭機として適用されるものであり、硬貨処理機10、紙幣処理機40及び金銭制御部70を備えて構成されている。
【0015】
図3は、
図1及び
図2に示した硬貨処理機10の内部構造を模式的に示す模式図である。この
図3にも示すように、硬貨処理機10は、略直方状を成す筐体である硬貨処理機本体10aを有しており、該硬貨処理機本体10aに硬貨入金口11、硬貨出金口12、硬貨返却口13、操作表示部14、硬貨補充口15及び硬貨回収口16を備えている。
【0016】
硬貨入金口11は、硬貨処理機本体10aの前端上面の右側に設けられており、投入された硬貨を硬貨処理機本体10aの内部に入金するための開口である。この硬貨入金口11は、例えば顧客等の利用者からの預り金を一時保持する一時保持部として機能する。
【0017】
硬貨出金口12は、硬貨処理機本体10aの前面左側に設けられている。この硬貨出金口12は、硬貨処理機本体10aの内部に収納された硬貨を払い出すための開口であり、硬貨処理機本体10aに取り付けられた出金トレイ17に硬貨を払い出すものである。硬貨返却口13は、硬貨処理機本体10aの前面右側に設けられている。この硬貨返却口13は、硬貨を返却するための開口である。
【0018】
操作表示部14は、硬貨処理機本体10aの後端上面の左側に設けられており、表示部14a及び操作部14bを有している。表示部14aは各種情報を表示するものであり、操作部14bは例えばテンキー等で構成されて各種の操作入力を行う入力手段である。
【0019】
硬貨補充口15は、硬貨処理機本体10aの後端上面の右側に設けられており、投入された硬貨を硬貨処理機本体10aの内部に入金するための開口である。この硬貨補充口15は、例えば店舗従業員等からの補充用の硬貨を一時保持する一時保持部として機能するものであり、上記硬貨入金口11よりも大量の硬貨を受け入れることが可能である。
【0020】
硬貨回収口16は、硬貨処理機本体10aの後面左側に設けられている。この硬貨回収口16は、硬貨処理機本体10aの内部に収納された硬貨を回収するための開口であり、硬貨処理機本体10aに取り付けられた回収トレイ(回収部)18に硬貨を払い出すものである。
【0021】
硬貨処理機本体10aの内部には、硬貨搬送機構20が設けられている。この硬貨搬送機構20は、入金搬送部21、一時保留部22、硬貨振分部23、硬貨収納庫24、硬貨搬送部25、補充搬送部26及び切換ゲート群27を有している。
【0022】
入金搬送部21は、硬貨入金口11より投入されるとともに図示せぬ投入硬貨検出センサによって検出された硬貨を搬送するものであり、検銭部28が設けられている。検銭部28は、硬貨の真贋及び金種を判別するものである。
【0023】
一時保留部22は、検銭部28で正貨と判定された硬貨を一時的に保留するものである。硬貨振分部23は、一時保留部22で保留されてから搬送された硬貨を金種毎に振り分けるものである。
【0024】
硬貨収納庫24は、金種毎に設けられており、硬貨振分部23により振り分けられた硬貨を収納するものである。各硬貨収納庫24は、投入された硬貨を金種別に個別に収納するようにしている。また各硬貨収納庫24は、収納する商品を繰り出す機能を有している。
【0025】
硬貨搬送部25は、硬貨収納庫24から繰り出された硬貨を前方又は後方に向けて搬送するものである。つまり、硬貨搬送部25は、前方に向けて搬送駆動する場合には、硬貨収納庫24から繰り出された硬貨を、硬貨出金口12に連通する出金シュート29に向けて前方に搬送する一方、後方に向けて搬送駆動する場合には、硬貨収納庫24から繰り出された硬貨を、硬貨回収口16に連通する回収シュート30に向けて後方に搬送するものである。
【0026】
補充搬送部26は、硬貨補充口15より投入されるとともに図示せぬ補充硬貨検出センサによって検出された硬貨を搬送するものであり、検銭部31が設けられている。検銭部31は、硬貨の真贋及び金種を判別するものである。
【0027】
切換ゲート群27は、第1切換ゲート27a、第2切換ゲート27b、第3切換ゲート27c及び第4切換ゲート27dを備えている。
【0028】
第1切換ゲート27aは、入金搬送部21の搬送方向下流側に設けられている。この第1切換ゲート27aは、入金搬送部21で搬送された硬貨を一時保留部22に搬送させる状態と、該硬貨を硬貨出金口12に搬送させる状態との間で択一的に切換可能なものである。
【0029】
第2切換ゲート27bは、一時保留部22の搬送方向下流側に設けられている。この第2切換ゲート27bは、一時保留部22で保留された硬貨を硬貨振分部23に送出させる状態と、該硬貨を硬貨返却口13に送出させる状態との間で択一的に切換可能なものである。かかる第2切換ゲート27bは、常態においては、一時保留部22で保留された硬貨を硬貨振分部23に送出させる状態となっている。
【0030】
第3切換ゲート27cは、硬貨搬送部25の前方側に設けられている。この第3切換ゲート27cは、硬貨搬送部25で前方に搬送された硬貨を、出金シュート29を経由して硬貨出金口12に搬送させる搬送状態と、該硬貨を一時保留部22に搬送させる循環状態との間で択一的に切換可能なものである。かかる第3切換ゲート27cは、常態においては、搬送状態となっている。
【0031】
第4切換ゲート27dは、補充搬送部26の搬送方向下流側に設けられている。この第4切換ゲート27dは、補充搬送部26で搬送された硬貨を硬貨搬送部25に搬送させる状態と、該硬貨を硬貨回収口16に搬送させる状態との間で択一的に切換可能なものである。
【0032】
図4は、
図1及び
図2に示した紙幣処理機40の内部構成を模式的に示した模式図である。ここで例示する紙幣処理機40は、硬貨処理機10に併設されており、略直方状を成す筐体である紙幣処理機本体40aの前面に、紙幣を投入するための紙幣入金口41と、収納された紙幣を釣銭として払い出す紙幣出金口42とが形成されている。
【0033】
また紙幣処理機本体40aの後面に、補充用の紙幣を投入するための紙幣補充口43が形成されるとともに、紙幣処理機本体40aの後面下部には、該紙幣処理機本体40aに着脱可能な状態で設けられた判別不能庫54及び紙幣回収庫(回収部)55の後面部が露出している。
【0034】
そのような紙幣処理機本体40aの内部には、紙幣搬送機構50、鑑別部61及び判別部62が設けられている。紙幣搬送機構50は、紙幣入金部51、紙幣出金部52、紙幣補充部53、判別不能庫54、紙幣回収庫55、千円紙幣収納庫56、混合庫57及び精査庫58を有しており、これらを搬送経路で接続して構成されている。
【0035】
紙幣入金部51は、紙幣入金口41から投入された紙幣を装置内に導入するためのものである。紙幣出金部52は、紙幣を紙幣出金口42に繰り出すためのものである。紙幣補充部53は、紙幣補充口43から投入された紙幣を装置内に導入するためのものである。
【0036】
判別不能庫54は、紙幣補充口43から投入された紙幣のうち判別不能であった紙幣を収容するものである。紙幣回収庫55は、紙幣処理機本体40aの内部に収納された紙幣を回収する際に該紙幣を収容するものである。
【0037】
千円紙幣収納庫56は、使用頻度の高い千円紙幣を収納するものである。混合庫57は、千円紙幣以外の紙幣、すなわち二千円紙幣、五千円紙幣及び一万円紙幣を混合して収納するものである。精査庫58は、精査動作時や回収動作時に一時保留庫として用いられるものである。
【0038】
鑑別部61は、紙幣入金部51の後方側の搬送経路に配設されている。この鑑別部61は、通過する紙幣の真贋及び金種を鑑別するものである。判別部62は、精査庫58と千円紙幣収納庫56との間の搬送経路に配設されている。この判別部62は、紙幣の金種を判別するものである。
【0039】
金銭制御部70は、記憶部71に記憶されたプログラムやデータにしたがって硬貨処理機10の各部及び紙幣処理機40の各部の動作を統括的に制御する制御手段である。尚、金銭制御部70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
【0040】
以上のような構成を有する金銭処理装置1の動作について説明する。まず硬貨処理機10の動作について説明する。
【0041】
POSレジスタ装置100から入金指令が与えられた場合、金銭制御部70は、次のようにして入金動作を行う。
【0042】
金銭制御部70は、硬貨入金口11に入金された硬貨を投入硬貨検出センサによって検出させた後、入金搬送部21にて搬送させ、検銭部31にて真贋及び金種を判定させる。正貨である硬貨については一時保留部22に保留させる。一方、正貨でない硬貨については、第1切換ゲート27aを介して硬貨出金口12に搬送させ、出金トレイ17に払い出させる。
【0043】
金銭制御部70は、一時保留部22に保留させた硬貨を硬貨振分部23に搬送させ、後方に向けて搬送させながら金種毎に振り分ける。そして、金銭制御部70は、硬貨振分部23によって振り分けた硬貨を金種に応じて硬貨収納庫24に収納させる。
【0044】
POSレジスタ装置100から出金指令が与えられた場合、金銭制御部70は、次のようにして出金動作を行う。
【0045】
金銭制御部70は、上記出金指令に応じた金種の硬貨を該当する硬貨収納庫24から繰り出させ、硬貨搬送部25によって前方に向けて搬送させ、第3切換ゲート27c及び出金シュート29を介して硬貨出金口12から出金トレイ17に払い出させる。
【0046】
ところで、一時保留部22に硬貨を保留させた状態でPOSレジスタ装置100から返却指令が与えられた場合、金銭制御部70は、当該硬貨を、第2切換ゲート27bを介して硬貨返却口13に送出して払い出させる。
【0047】
POSレジスタ装置100から補充指令が与えられた場合、金銭制御部70は、次のようにして補充動作を行う。
【0048】
硬貨補充口15に投入された硬貨を補充硬貨検出センサによって検出させた後、補充搬送部26にて搬送させ、検銭部31にて真贋及び金種を判定させる。金銭制御部70は、正貨である硬貨については第4切換ゲート27dを介して硬貨搬送部25に送出させ、硬貨搬送部25によって前方に向けて搬送させ、第3切換ゲート27cを介して一時保留部22に保留させる。そして、金銭制御部70は、一時保留部22に保留させた硬貨を硬貨振分部23に搬送させ、後方に向けて搬送しながら金種毎に振り分け、金種に応じて硬貨収納庫24に収納させて補充する。
【0049】
ところで、金銭制御部70は、検銭部31での判定の結果、正貨でない硬貨については、第4切換ゲート27dを介して硬貨回収口16に搬送させ、回収トレイ18に払い出させる。
【0050】
POSレジスタ装置100から回収指令が与えられた場合、金銭制御部70は、次のようにして回収動作を行う。
【0051】
金銭制御部70は、各硬貨収納庫24に収納されている硬貨を金種毎に繰り出させ、硬貨搬送部25によって後方に向けて搬送させ、回収シュート30を介して硬貨回収口16から回収トレイ18に払い出させる。
【0052】
次に、紙幣処理機40の動作について説明する。POSレジスタ装置100から入金指令が与えられた場合、金銭制御部70は、次のようにして入金動作を行う。
【0053】
金銭制御部70は、紙幣入金口41に入金された紙幣を、紙幣入金部51の図示しない投入紙幣検出センサによって検出させた後、紙幣搬送機構50によって鑑別部61に搬送させる。ここで、紙幣搬送機構50は、その搬送途中で紙幣が詰まった場合には、紙幣入金部51を経由して該紙幣を紙幣入金口41に一旦戻すようにしている。
【0054】
また金銭制御部70は、鑑別部61によって紙幣が正貨でないと判別された場合には、該紙幣を紙幣出金部52に搬送させ、紙幣出金口42より払い出させる。一方、金銭制御部70は、鑑別部61によって紙幣が正貨であると判別された場合、この紙幣を金種に応じて千円紙幣収納庫56又は混合庫57に収納させる。
【0055】
POSレジスタ装置100から出金指令が与えられた場合、金銭制御部70は、次のようにして出金動作を行う。
【0056】
金銭制御部70は、紙幣搬送機構50を駆動させることにより、上記出金指令に応じた金種の紙幣を該当する千円紙幣収納庫56又は混合庫57から繰り出させ、紙幣出金部52に搬送させて紙幣出金口42より出金する。
【0057】
POSレジスタ装置100から精査指令が与えられた場合、金銭制御部70は、次のようにして精査動作を行う。尚、ここでは千円紙幣収納庫56に収納されている千円紙幣について精査動作する場合について説明する。
【0058】
金銭制御部70は、紙幣搬送機構50を駆動させることにより、千円紙幣収納庫56に収納された千円紙幣を搬送経路に繰り出させて前方に向けて搬送させ、その搬送途中で判別部62により千円紙幣の金種及び枚数を判別させ、判別させた千円紙幣を精査庫58に収納させる。これにより、千円紙幣の枚数を計測してその枚数を確定させることができる。
【0059】
千円紙幣を精査庫58に収納させた後、金銭制御部70は、紙幣搬送機構50により、精査庫58から搬送経路に千円紙幣を繰り出させて後方に向けて搬送させ、元の千円紙幣収納庫56に収納させる。
【0060】
POSレジスタ装置100から補充指令が与えられた場合、金銭制御部70は、次のようにして補充動作を行う。
【0061】
金銭制御部70は、紙幣補充口43に投入された紙幣を図示せぬ補充紙幣検出センサによって検出した後、紙幣搬送機構50を駆動させ、紙幣補充部53より紙幣を前方に向けて搬送させて判別部62により通過する紙幣の金種等を判別する。
【0062】
かかる判別部62により判別不能であった紙幣については、金銭制御部70は、紙幣搬送機構50により判別不能庫54に搬送させる。一方、判別部62にて金種等を判別した紙幣については、精査庫58に一旦収納させる。
【0063】
そして、金銭制御部70は、紙幣搬送機構50を駆動させ、精査庫58に一旦収納させた紙幣(補充用の紙幣)を搬送経路に繰り出させて後方に向けて搬送させ、判別部62により判別させる。この判別部62による金種の判別結果に応じて、金銭制御部70は、千円紙幣を千円紙幣収納庫56に収納させて補充するとともに、千円紙幣以外の紙幣(主に二千円紙幣及び五千円紙幣)を混合庫57に収納させて補充する。
【0064】
POSレジスタ装置100から回収指令が与えられた場合、金銭制御部70は、次のようにして回収動作を行う。尚、回収動作の一例として紙幣の種類毎に回収する順序回収について説明する。
【0065】
金銭制御部70は、紙幣搬送機構50を駆動させることにより、混合庫57から紙幣を繰り出させて精査庫58に向けて搬送させる。その搬送途中の判別部62にて一万円紙幣と判別された紙幣については、後方に向けて搬送させ、紙幣回収庫55に収納させる。これにより紙幣回収庫55に一万円紙幣を回収することができる。
【0066】
このようにして回収された一万円紙幣については、紙幣回収庫55を紙幣処理機本体40aから取り外すことにより、取り出すことができる。一万円紙幣を取り出した後、紙幣回収庫55を再び紙幣処理機本体40aに装着する。
【0067】
このようにして一万円紙幣以外の紙幣を精査庫58に搬送させた後、精査庫58から紙幣を繰り出させて混合庫57に向けて搬送する。その搬送途中の判別部62にて五千円紙幣と判別された紙幣については、紙幣回収庫55に収納させ、それ以外の紙幣(二千円紙幣)は混合庫57に収納させる。
【0068】
これにより紙幣回収庫55に五千円紙幣を回収することができる。このようにして回収された五千円紙幣については、紙幣回収庫55を紙幣処理機本体40aから取り外すことにより、取り出すことができる。五千円紙幣を取り出した後、紙幣回収庫55を再び紙幣処理機本体40aに装着する。
【0069】
そして、混合庫57から紙幣を再び繰り出させて精査庫58に向けて搬送する。その搬送途中の判別部62にて二千円紙幣と判別された紙幣については、後方に向けて搬送させ、紙幣回収庫55に収納させる。これにより紙幣回収庫55に二千円紙幣を回収することができる。
【0070】
このようにして回収された二千円紙幣については、紙幣回収庫55を紙幣処理機本体40aから取り外すことにより、取り出すことができる。二千円紙幣を取り出した後、紙幣回収庫55を再び紙幣処理機本体40aに装着する。
【0071】
次に、金銭制御部70は、紙幣搬送機構50を駆動させ、千円紙幣収納庫56から紙幣を繰り出させて精査庫58に向けて搬送させる。その後、精査庫58から紙幣を繰り出させて後方に向けて搬送し、その搬送途中の判別部62にて千円紙幣と判別された紙幣については、紙幣回収庫55に収納させる。これにより紙幣回収庫55に千円紙幣を回収することができる。
【0072】
このようにして回収された千円紙幣については、紙幣回収庫55を紙幣処理機本体40aから取り外すことにより、取り出すことができる。千円紙幣を取り出した後、紙幣回収庫55を再び紙幣処理機本体40aに装着する。
【0073】
以上説明したように、本発明の実施の形態である金銭処理装置1によれば、硬貨収納庫24に対する補充用の硬貨を投入するための硬貨補充口15と、硬貨収納庫24に収納された硬貨を回収するための回収トレイ18とが硬貨処理機本体10aの接客側の反対側となる後方側に設けられ、千円紙幣収納庫56及び混合庫57に対する補充用の紙幣を投入するための紙幣補充口43と、千円紙幣収納庫56及び混合庫57に収納された紙幣を回収するための紙幣回収庫55とが紙幣処理機本体40aの接客側の反対側となる後方側に設けられているので、店舗の従業員等の作業者が、金銭の補充作業や回収作業を行う際に、接客側に移動する必要がなく、金銭の補充作業や回収作業の利便性の向上を図ることができる。
【0074】
また、紙幣処理機40によれば、補充動作を行う際に、補充された紙幣を判別部62にて判別してから精査庫58に一旦収納させ、精査庫58に一旦収納させて紙幣(補充用の紙幣)を搬送経路に繰り出させて後方に向けて搬送し、判別部62により再度判別させているので、補充紙幣の金種の誤りの発生を抑制することができ、補充精度の向上を図ることができる。
【0075】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0076】
上述した実施の形態では、紙幣の回収動作の一例として順序回収について説明したが、本発明においては、各金種の所定枚数を回収する枚数回収を行ってもよいし、千円紙幣収納庫56及び混合庫57に収納される紙幣を一括で回収する一括回収を行ってもよい。
【0077】
上述した実施の形態では、硬貨補充口15や硬貨回収口16が硬貨処理機本体10aに設けられ、紙幣補充口43や紙幣回収庫55が紙幣処理機本体40aに設けられていたが、本発明においては、硬貨補充口や硬貨回収口が設けられたユニットが硬貨処理機本体に着脱可能に設けられていてもよいし、紙幣補充口や紙幣回収庫を有するユニットが紙幣処理機本体に着脱可能に設けられていてもよい。これによれば、補充作業や回収作業を行う場合にだけ、ユニットを硬貨処理機本体や紙幣処理機本体に装着すればよく、金銭処理装置の設置スペースの大型化を招来するおそれがなく、補充作業や回収作業の利便性の向上を図ることができる。
【0078】
上述した実施の形態では特に言及していないが、本発明においては、硬貨処理機本体や紙幣処理機本体が設置対象であるレジカウンタ等に対して、接客側とは反対側である後方側(店員側)に引出可能であってもよい。これにより、硬貨処理機本体等のメンテナンス作業を良好に行うことができる。
【0079】
上述した実施の形態では、POSレジスタ装置100から補充指令が与えられた場合、金銭制御部70は、硬貨補充口15に投入された硬貨を補充硬貨検出センサによって検出させた後、補充搬送部26にて搬送させ、検銭部31にて真贋及び金種を判定させていたが、本発明は次のようにしてもよい。
【0080】
すなわち、補充指令が与えられた場合、金銭制御部が、硬貨補充口に投入された硬貨を補充硬貨検出センサによって検出させた後、硬貨搬送部によって前方に向けて搬送させて一時保留部に保留させ、その後に一時保留部に保留させた硬貨を硬貨振分部に搬送させ、後方に向けて搬送しながら金種毎に振り分け、金種に応じて硬貨収納庫に収納させて補充してもよい。
【0081】
上述した実施の形態では、POSレジスタ装置100から補充指令が与えられた場合、金銭制御部70は、紙幣補充口43に投入された紙幣を図示せぬ補充紙幣検出センサによって検出した後、紙幣搬送機構50を駆動させ、紙幣補充部53より紙幣を前方に向けて搬送させて判別部62により通過する紙幣の金種等を判別していたが、本発明は次のようにしてもよい。
【0082】
すなわち、補充指令が与えられた場合、金銭制御部が、紙幣補充口に投入された紙幣を図示せぬ補充紙幣検出センサによって検出した後、紙幣搬送機構を駆動させ、紙幣補充部より紙幣を前方に向けて搬送させ、精査庫に一旦収納させる。そして、金銭制御部は、紙幣搬送機構を駆動させ、精査庫に一旦収納させた紙幣(補充用の紙幣)を搬送経路に繰り出させて後方に向けて搬送させ、判別部により判別させる。この判別部による金種の判別結果に応じて、金銭制御部は、千円紙幣を千円紙幣収納庫に収納させて補充するとともに、千円紙幣以外の紙幣(主に二千円紙幣及び五千円紙幣)を混合庫に収納させて補充してもよい。
【0083】
上述した実施の形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置及び構成要素の分散×統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散×統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0084】
1…金銭処理装置、10…硬貨処理機、10a…硬貨処理機本体、11…硬貨入金口、12…硬貨出金口、13…硬貨返却口、14…操作表示部、14a…表示部、14b…操作部、15…硬貨補充口、16…硬貨回収口、17…出金トレイ、18…回収トレイ、20…硬貨搬送機構、21…入金搬送部、22…一時保留部、23…硬貨振分部、24…硬貨収納庫、25…硬貨搬送部、26…補充搬送部、27…切換ゲート群、28,31…検銭部、40…紙幣処理機、40a…紙幣処理機本体、41…紙幣入金口、42…紙幣出金口、43…紙幣補充口、50…紙幣搬送機構、51…紙幣入金部、52…紙幣出金部、53…紙幣補充部、54…判別不能庫、55…紙幣回収庫、56…千円紙幣収納庫、57…混合庫、58…精査庫、61…鑑別部、62…判別部、70…金銭制御部、100…POSレジスタ装置。