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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166159
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】バッテリパック用のバスバー配線
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/507 20210101AFI20241121BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20241121BHJP
   H01M 50/519 20210101ALI20241121BHJP
   H01M 50/516 20210101ALI20241121BHJP
【FI】
H01M50/507
H01M50/569
H01M50/519
H01M50/516
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024079831
(22)【出願日】2024-05-16
(31)【優先権主張番号】63/466805
(32)【優先日】2023-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/663209
(32)【優先日】2024-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エヴァン ドーリー
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA19
5H043FA04
5H043HA11F
5H043HA23F
(57)【要約】      (修正有)
【課題】費用対効果が高く確実な手段で電気自動車用などのバッテリパックを組み立てるためのバスバー配線を提供する。
【解決手段】バッテリパックにおけるバッテリセル20のセル端子24,26同士を電気的に接続するためのバスバー配線100は、バスバー200を行と列に並べた行列を備える。各バスバーは、対応する隣接するバッテリセルの対応する第1および第2のセル端子と嵌合するための第1および第2の嵌合端部を備える。バスバー配線は、バスバーの相対位置を保持するフレーム部材を備えるバスバーキャリア110を備える。バスバー配線は、バスバーキャリアに結合された検知ハーネス300であって、検知点320の複数の行および複数の列を有する行列状に検知点を保持する検知キャリアを備える検知ハーネスを備える。検知点は、対応するセル端子に電気的に接続して、バッテリセルの特性を監視するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリパック(10)におけるバッテリセル(20)のセル端子(24、26)同士を電気的に接続するためのバスバー配線(100)であって、前記バスバー配線は、
行列(202)状に配置された複数のバスバー(200)であって、前記行列(202)は、前記バスバーの複数の行(204)および複数の列(206)を有し、各バスバーは、対応する前記バッテリセルの対応する前記セル端子と嵌合するための第1の嵌合端部(215)と、隣接した対応する前記バッテリセルの隣接した前記セル端子と嵌合するための第2の嵌合端部(217)とを備え、前記バスバーは、前記バッテリパックにおける前記バッテリセル同士を電気的に接続する、複数のバスバー(200)と、
前記行列における前記バスバーの各々を保持するバスバーキャリア(110)であって、前記バスバーキャリアは、前記バスバーの相対位置を保持するフレーム部材(122)を備え、前記フレーム部材は、ストラクチュラルフォーム要素(150)である、バスバーキャリア(110)と、
前記バスバーキャリアに結合された検知ハーネス(300)であって、前記検知ハーネスは、行列状に検知点(320)を保持する検知キャリア(310)を備え、前記行列は前記検知点の複数の行および複数の列を有し、前記検知点は、対応する前記セル端子に電気的に接続して、前記バッテリセルの特性を監視するように構成されている、検知ハーネス(300)と、
を備える、バスバー配線(100)。
【請求項2】
前記検知ハーネス(300)は、前記バッテリパック(10)の前記セル端子(24、26)の各々に電気的に接続するように構成されている、請求項1に記載のバスバー配線(100)。
【請求項3】
前記検知ハーネス(300)の前記検知点(320)は、前記バスバー(200)の各々に電気的に接続される、請求項1に記載のバスバー配線(100)。
【請求項4】
前記検知ハーネス(300)の前記検知点(320)は、対を成して配置され、各バスバー(200)は、前記対の両センサに接続されている、請求項1に記載のバスバー配線(100)。
【請求項5】
前記検知点(320)は、前記バスバー(200)と対応する前記セル端子(24、26)との間に位置決めされるように構成されている、請求項1に記載のバスバー配線(100)。
【請求項6】
前記検知点(320)は、前記バスバー(200)および対応する前記セル端子(24、26)に溶接されるように構成されている、請求項1に記載のバスバー配線(100)。
【請求項7】
前記センサハーネス(300)は、フレキシブルプリント回路である、請求項1に記載のバスバー配線(100)。
【請求項8】
前記センサハーネス(300)は、制御モジュールに電気的に接続するように構成されたコネクタ(302)を備える、請求項1に記載のバスバー配線(100)。
【請求項9】
前記検知点(320)は、ニッケルめっき加工されている、請求項1に記載のバスバー配線(100)。
【請求項10】
前記検知キャリア(310)は、前記バスバーキャリア(110)の内面に固定されて、前記検知点(320)を前記バスバー(200)に対して位置決めする、請求項1に記載のバスバー配線(100)。
【請求項11】
前記検知キャリア(310)は、開口部(322)を備え、前記バスバー(200)は、前記検知点(320)の回路に対する前記キャリアの前記開口部を通して前記セル端子(24、26)に溶接されるように構成されている、請求項1に記載のバスバー配線(100)。
【請求項12】
前記バスバーキャリア(110)は、前記バスバー(200)の一部にオーバーモールドされて、対応する前記フレーム部材(122)において前記バスバーの前記一部を収容する成形体(160)を備える、請求項1に記載のバスバー配線(100)。
【請求項13】
前記フレーム部材(122)は、ハニカム状の多孔内部コア(152)構造を有する、請求項1に記載のバスバー配線(100)。
【請求項14】
各フレーム部材(122)は、フォームコア(152)と、前記フォームコアを取り囲む中実の外皮(154)とを備え、前記外皮は、前記フォームコアよりも高い密度を有する、請求項1に記載のバスバー配線(100)。
【請求項15】
各バスバー(200)は、本体部(212)と、前記本体部から前記第1の嵌合端部(215)まで延びる第1の嵌合パッド(214)と、前記本体部から前記第2の嵌合端部(217)まで延びる第2の嵌合パッド(216)とを備え、前記フレーム部材(122)は、前記バスバーの前記本体部に取り付けられ、前記第1の嵌合パッドは、対応する前記セル端子(24)に溶接されるように構成され、前記第2の嵌合パッドは、対応する前記セル端子(26)に溶接されるように構成され、前記検知ハーネス(300)の前記検知点(320)は、対応する前記第1の嵌合パッドおよび前記第2の嵌合パッドに溶接される、請求項1に記載のバスバー配線(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2023年5月16日に出願された米国出願第63/466,805号の利益を主張し、その主題の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書の主題は、一般に、電気自動車用のバッテリパックなど、バッテリパックに関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車は、多数のバッテリセルを有するバッテリパックを含むバッテリシステムを備える。典型的なバッテリシステムは、バッテリセルのグループ間で電力を伝送/分配するとともに、電圧や温度のようなバッテリパラメータを検知するための装備を有する接続ソリューションを必要とする。電力を伝送するために、バスバー(アルミニウム製または銅製)は、通常、直列および/または並列電気構成でセル端子に溶接される。電気自動車の用途が拡大するにつれて、部品の間接費(ドル/kWh)が精査されるようになり、部品点数を最小限に抑えるなどして、費用を最小限に抑える要望が出てきている。電気自動車のバッテリシステムでは、バッテリセルのスタックサイズが、非常に大きい。典型的には、バッテリシステムの組立ては、多くの部品を必要とし、これらの部品は、対応するセル端子に個々に組み付けられる。これは、非常に時間がかかり、組立て工程に費用が加算される。
一部のバッテリシステムは、バッテリセル同士を接続するバスバーのための射出成形キャリアを備えている。しかし、バッテリパックのサイズが増大するにつれて、成形工程の限界により、射出成形キャリアのサイズにも制限が生じている。例えば、従属部品のサイズは、従来の射出成形工程には大きすぎる。また、より大きな製造ボリュームを満たすために、サイクルタイム要件(すなわち、タクトタイム)を短縮する必要がある。資本費、工具費、部品費、および加工費を軽減するために、可能な限りの工程の合理化が切実に求められている。また、持続可能である工程やサプライチェーンも求められる。さらに、バッテリ部品は、しばしば、車両内で点検-修理を行うことが不可能であることが多く、保証費やリコールを抑えるために、信頼性の高い接続を有することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
費用効果が高く確実な手段で電気自動車用などのバッテリパックを組み立てる方法が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、バッテリパックにおけるバッテリセルのセル端子同士を電気的に接続するためのバスバー配線(バスバー相互接続、バスバー相互接続具、busbar interconnect)が提供される。バスバー配線は、行列(マトリクス、matrix)状に配置された複数のバスバーを備え、行列は、バスバーの複数の行および複数の列を有する。各バスバーは、対応するバッテリセルの対応するセル端子と嵌合するための第1の嵌合端部と、隣接した対応するバッテリセルの隣接したセル端子と嵌合するための第2の嵌合端部とを備える。バスバーは、バッテリパックにおけるバッテリセル同士を電気的に接続する。バスバー配線は、行列におけるバスバーの各々を保持するバスバーキャリアを備える。バスバーキャリアは、バスバーの相対位置を保持するフレーム部材を備える。
フレーム部材は、ストラクチュラルフォーム要素(構造用発泡要素、構造発泡要素、structural foam elements)である。バスバー配線は、バスバーキャリアに結合された検知ハーネスを備える。検知ハーネスは、検知トレースまたは検知回路と、複数の行および複数の列から成る行列状の検知点を備える。検知点は、対応するセル端子に電気的に接続して、バッテリセルの特性を監視するように構成されている。
【0006】
ここで、本発明について例示として添付図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例示的な実施形態によるバスバー配線を備えるバッテリパックの斜視図である。
図2】例示的な実施形態によるバスバー配線を示す図である。
図3】(図2に示す)検知ハーネスなしの例示的な実施形態によるバスバー配線を示す図である。
図4】線A-Aに沿って取られた、例示的な実施形態によるバスバー配線の一部の断面図である。
図5】線B-Bに沿って取られた、例示的な実施形態によるバスバー配線の一部の断面図である。
図6】線C-Cに沿って取られた、例示的な実施形態によるバスバー配線の一部の断面図である。
図7】例示的な実施形態によるスタック状に配置された複数のバスバー配線を示す図である。
図8】例示的な実施形態による検知ハーネスの斜視図である。
図9】例示的な実施形態による検知ハーネスの一部の断面図である。
図10】例示的な実施形態によるバスバー配線の分解図である。
図11】例示的な実施形態による、バッテリセルのうちの1つへの接続のために準備されたバスバー配線および検知ハーネスを示すシステムの一部の分解図である。
図12】例示的な実施形態による、バッテリセルのうちの1つへの接続のために準備されたバスバー配線および検知ハーネスを示すシステムの一部の分解図である。
図13】例示的な実施形態による、第1の向きでバッテリパックに結合されたバスバー配線を示す図である。
図14】例示的な実施形態による、第2の向きでバッテリパックに結合されたバスバー配線を示す図である。
図15】例示的な実施形態によるバッテリパックの組立て方法を示すフローチャートである。
図16】例示的な実施形態によるバッテリパックの組立て方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、例示的な実施形態によるバスバー配線100を備えるバッテリパック10の斜視図である。バッテリパック10は、電気自動車などの車両用のバッテリパックであってもよい。但し、バッテリパック10は、代替実施形態では、他の用途で使用してもよい。例示的な実施形態では、バッテリパック10は、高電圧バッテリパックである。例えば、バッテリパック10は、400Vまたは800Vのバッテリパックである。バスバー配線100は、バッテリパック10のバッテリセル20の行列を電気的に接続するために使用される。例えば、バスバー配線100は、バッテリセル20同士を直列および/または並列に接続してもよい。
【0009】
バッテリセル20は、バッテリパックハウジング12において保持されてもよい。バッテリパック10は、正極バッテリ配線端子14と、負極バッテリ配線端子16とを備える。バッテリ配線端子14、16は、充電システム、および/または電気モータなどの負荷への接続のために、コンタクタやヒューズなどのバッテリパック10の他の電力分配部品とのインターフェースになってもよい。
【0010】
各バッテリセル20は、セルハウジング22、第1のセル端子24、および第2のセル端子26を備える。様々な実施形態において、バッテリセル20は、角形バッテリセルであってもよい。第1のセル端子24および第2のセル端子26は、カソード端子およびアノード端子であってもよい。例示的な実施形態では、バッテリセル20は、矩形状であり、積層構成で配置される。例えば、バッテリセル20は、バッテリセル20の行および列を成すように行列状に積み重ねてもよい。セル行列は、2平方メートル超(2m以上)など、大きい表面積を有してもよい。例えば、行列は、約1.0m~2.0mの長さ、および約1.0m~1.5mの幅を有してもよい。
行における隣接するバッテリセル20同士は、バスバー配線100によって相互接続される。バッテリセル20の隣接する行同士は、バスバー配線100によって相互接続される。例えば、端にあるバッテリセル20同士が、行間接続されてもよい。
【0011】
バスバー配線100は、複数のバスバー200を保持するバスバーキャリア110を備える。バスバーキャリア110は、対応するバッテリセル20のセル端子24、26と嵌合するために相対位置でバスバー200を保持する。バスバー200は、直列および/または並列などで、隣接するバッテリセル20同士を電気的に接続する。バスバーキャリア110は、バスバー200のすべてをバッテリセル20の行列に取り付けるための単一のユニットまたは構造に統合する。例示的な実施形態では、バスバーキャリア110は、バスバー200を保持するストラクチュラルフォーム(構造用発泡体、構造発泡体、structural foam)のフレームである。バスバーキャリア110は、ストラクチュラルフォーム成形工程(発泡射出成形工程、structural foam molding process)によって製造される。バスバーキャリア110は、バスバー行列にその場で成形または形成され得る。
例えば、バスバーキャリア110は、バスバー200の一部にオーバーモールドされて、バスバー配線100を形成してもよい。例示的な実施形態では、ストラクチュラルフォーム材料は、単一の一体構造を形成して、バスバー200のすべてを保持する。バスバーキャリア110は、互いに対して、かつバッテリセル20のセル端子24、26に対してバスバー200を保持するように、バスバー200の一部の周りに形成される。他の様々な実施形態では、バスバーキャリア110は、その間にバスバー200を捕捉するように互いに結合する上部フレームおよび下部フレームなど、複数の部品から製造されてもよい。例えば、上部フレームおよび下部フレームは、別々に形成された(例えば、別々に成形されるかまたは2つの金型キャビティで成形された)後で、その間にバスバー200を捕捉するように互いに結合されてもよい。
【0012】
例示的な実施形態では、ストラクチュラルフォームは、微細セル状構造などのセル状構造である。例示的な実施形態では、ストラクチュラルフォームは、低密度の微細セル状コアと高密度の外皮とを有する。ストラクチュラルフォームは、硬質であり、バッテリセル20に取り付けるために相対位置でバスバー200を保持するようにその形状を維持する。バスバーキャリア110は、低圧力のストラクチュラルフォーム成形工程によって形成される。バスバーキャリア110は、形成工程中に金型に注入される、窒素ガスなどの不活性ガスを用いて熱硬化性樹脂または熱可塑性プラスチックなどのポリマー材料から製造される。
ガスは、金型に樹脂材料とともに注入されて、プラスチックの内部を発泡させる。環境持続性のために、格子骨格が、最大100%粉砕再生材料/リサイクル材料で形成されてもよい。化学的発泡剤がストラクチュラルフォームを形成するために使用されてもよい。ストラクチュラルフォームは、射出成形部品と比較してより高い強度重量比など、高い強度重量比を有する。
【0013】
例示的な実施形態では、バスバーキャリア110は、ストラクチュラルフォームの骨格または格子120から形成される。例示的な実施形態では、格子120は、相対位置にバスバー200を保持するようにバスバー200の一部の周りに形成される。代替として、バスバー200が格子120に挿入されるか、または格子120がバスバー200の側部に結合されてもよい。格子120は、アルミニウム製の金型などの金型から形成される。ストラクチュラルフォーム材料は、バスバー200の周りなどで、金型に射出成形されてもよい。例示的な実施形態では、バスバーキャリア110は、バッテリパック10のバスバー200のすべてを保持して、バッテリパック10に最終的に組み付ける部品点数を削減する。
例えば、単一のバスバー配線100が、バッテリパック10に組み付けられる。バスバーキャリア110は、バッテリセル20のセル端子24、26への電気接続のためにバスバー200のすべてを位置決めするために使用される。ストラクチュラルフォームのバスバーキャリア110は、優れた重量剛性比を有する。例示的な実施形態では、ストラクチュラルフォームのバスバーキャリア110は、バッテリパック10における構造部材として機能し、バッテリパックの部品のねじれおよびz方向変位に耐える。これにより、他の機械部品の必要性をなくしつつ、安全性および耐久性を向上させる。
【0014】
例示的な実施形態では、バスバー配線100は、バスバー200および/またはセル端子24、26を監視するために使用する複数の検知点320を有する検知ハーネス300を備える。検知点320は、個別のセンサ、検知回路、または他のタイプの検知部品であってもよい。検知点320は、バスバー200および/またはセル端子24、26の電流、電圧、温度、充電状態または他の動作特性を監視してもよい。検知ハーネス300は、バッテリ制御モジュールなど、制御モジュールに電気的に接続するように構成される。検知ハーネス300は、センサ320から制御モジュールに検知データを送信し、これらのデータを使用して、車両の動作および/または車両の充電動作を制御することができる。
【0015】
図2は、例示的な実施形態によるバスバー配線100を示す。バスバー配線100は、例示的な実施形態によるバスバー200の行列202を備える。バスバー200は、行204および列206を成すように行列202状に配置される。バスバー200の配置構成は、対応するセル端子24、26に接続するために、バッテリセル20の配置構成に対応している。バスバー200は、バスバーキャリア110によって保持されており、これについては、図3図6により詳細に示している。例示的な実施形態では、検知ハーネス300の検知点320は、バスバー200に電気的に接続するように構成されている。検知点320からのセンサ信号は、例えば、コネクタ302を介して検知回路トレースを通って制御モジュールに送信するように構成される。
【0016】
各バスバー200は、本体部212を有する金属プレート210と、第1の嵌合端部215における第1の嵌合パッド214と、第2の嵌合端部217における第2の嵌合パッド216とを備える。第1の嵌合パッド214は、バッテリセル20のうちの1つのセル端子24に接続するように構成される。第2の嵌合パッド216は、隣接するバッテリセル20のセル端子26に接続するように構成される。バスバー200は、隣接するバッテリセル20同士を電気的に接続する。嵌合パッド214、216は、セル端子24、26に対するバスバー200の配置などのために、それらを貫通する開口部218を備えてもよい。開口部218は、ピックアンドプレース動作のために使用され得る。バスバーキャリア110を形成するオーバーモールド工程の際などに、バスバーキャリア110への接続のために開口部218を使用してバスバー200の位置を保持してもよい。
【0017】
例示的な実施形態では、各バスバー200は、全体的に矩形状である。例えば、バスバー200は、第1の端部220、第2の端部222、第1の側部224、および第2の側部226を備える。バスバー200は、端部220、222が側部224、226よりも長いなど、長手形状であってもよい。例示的な実施形態では、バスバー200は、全体的に平面状である。例えば、第1の嵌合パッド214および第2の嵌合パッド216は、セル端子24、26への取り付けのために同一平面上にあってもよい。任意選択で、本体部212は、第1の嵌合パッド214および第2の嵌合パッド216の平面より上方または下方に位置するなど、第1の嵌合パッド214および第2の嵌合パッド216に対してオフセットされるかまたは面外にあってもよい。バスバー200は、バスバー200をバスバーキャリア110に取り付けるための取付け用のタブ、支柱、ブラケット、クリップ、ノッチ、開口部等の取付け機構を備えてもよい。
【0018】
例示的な実施形態では、バスバー200は、バスバーストリップ230を成すように配置されている。例えば、複数のバスバー200が、共通のシート材料から打ち抜かれ、ストリップの形態で配置されている。図2に示す実施形態では、7本のバスバーストリップ230が設けられている。代替実施形態では、より多くのまたはより少ない数のバスバーストリップ230が設けられてもよい。様々な実施形態において、バスバーストリップ230には、20本のバスバー200が設けられている。代替実施形態では、各バスバーストリップ230により多くのまたはより少ない数のバスバー200が設けられてもよい。バスバーストリップ230が異なると、バスバー200の数も異なり得る。行列202は、行および列の両方を成すように配置されたバスバーストリップを含み得る。
任意選択で、バスバーストリップ230を成すようにバスバー200を接続するためにバスバー200とともに接続リンクが打ち抜かれてもよい。接続リンクは、バスバー200間の間隔を制御するなどして、バスバー200を互いに対して機械的に固定する。接続リンクは、薄いストリップである。接続リンクは、犠牲的であり、バスバーキャリア110のバスバー200への取付け後にバスバー200を個別化して互いに電気的に隔離するために、スタンピング、パンチング、または切断工程などによって除去されるように構成されている。
【0019】
例示的な実施形態では、バスバー200は、外側バスバー240および内側バスバー242を含む。外側バスバー240は、バスバー行列202の互いに反対側の辺(例えば、右辺および左辺)に沿って配置されている。外側バスバー240は、バッテリセル20の2つの異なる行間を接続するために使用される。内側バスバー242は、外側バスバー240の間に延びる。内側バスバー242は、同じ行内の隣接するバッテリセル20同士を接続するために使用される。外側バスバー240は、内側バスバー242に対して垂直を向くように配される。例えば、内側バスバー242は、縦向きに配され、外側バスバー240は、横向きに配される。代替実施形態では、他の向きも可能である。図2に示す実施形態では、外側バスバーストリップ240の間に5本の内側バスバーストリップ242が配置されている。代替実施形態では、より多くのまたはより少ない数の内側バスバー242が設けられてもよい。
【0020】
図3は、(図2に示す)検知ハーネス300なしの例示的な実施形態によるバスバー配線100を示す。図4は、線A-Aに沿って取られた、例示的な実施形態によるバスバー配線100の一部の断面図である。図5は、線B-Bに沿って取られた、例示的な実施形態によるバスバー配線100の一部の断面図である。図6は、線C-Cに沿って取られた、例示的な実施形態によるバスバー配線100の一部の断面図である。
【0021】
格子120は、バスバー200に結合してバスバー200を相対位置に保持するように構成されたフレーム部材122を備える。フレーム部材122は、ストラクチュラルフォーム要素150である。フレーム部材122は、格子120の周囲を取り囲む外側フレーム部材130と、バスバー200とのインターフェースになるように格子120の内側を横切って延びる内側フレーム部材140とを備える。図3に示す実施形態では、外側フレーム部材130は、周囲を完全に取り囲んでいる。外側フレーム部材130は、第1の端部材132、第2の端部材134、第1の側方部材136、および第2の側方部材138を備える。側方部材136、138は、端部材132と端部材134との間に延びる。
任意選択で、格子120は、側方部材136、138が、端部材132、134よりも縦方向に長くなる長手形状である。端部材132、134は、側方部材136、138に対して横方向に垂直であってもよい。代替実施形態では、格子120の外周の辺の形状および数を変更するために、より多くのまたはより少ない部材が設けられてもよい。
【0022】
内側フレーム部材140は、外側フレーム部材130の間に延びる。例えば、内側フレーム部材140は、縦要素142および横要素144を備える。縦要素142は、互いに反対側にある端部材132と端部材134との間を格子120を横切って縦方向に延びる。縦要素142および/または横要素144は、バスバー200の一部を支持するために使用されてもよい。縦要素142は、側方部材136、138に対して概ね平行に向くように配されてもよい。横要素144は、互いに反対側にある側方部材136と側方部材138との間を格子120を横切って横方向に延びる。
横要素144は、端部材132、134に対して概ね平行を向くように配されてもよい。横要素144は、縦要素142への支持などを行うために、縦要素142同士を相互接続し、逆も同様である。例示的な実施形態では、内側フレーム部材140は、外側フレーム部材130と一体に形成される。例えば、内側フレーム部材140は、ストラクチュラルフォーム成形工程時に外側フレーム部材130とともに形成される。格子120は、ストラクチュラルフォームの単一の一体構造を形成する。
【0023】
各フレーム部材122は、ストラクチュラルフォーム要素150を備える。ストラクチュラルフォーム要素150は、ストラクチュラルフォーム成形工程によって製造される。フレーム部材122のストラクチュラルフォーム要素150は、ハニカム状の微多孔内部コア構造を有する。例えば、各フレーム部材122は、フォームコア152(図5および図6)と、フォームコア152を取り囲む外皮154(図5および図6)とを備える。外皮154は、フォームコア152よりも高い密度を有する。フォームコア152は、ポケットまたはセルを備え、これらには、空気が充填されてもよい。外皮154は、エアポケットがないものなど、中実であってもよい。外皮154は、フォームコア152と比較して薄いものであってもよい。
【0024】
例示的な実施形態では、格子120は、バッテリパック10においてバッテリセル20に対して格子120を位置合わせするために使用する位置合わせ機構124を備える。位置合わせ機構124は、検知ハーネス300を格子120に位置合わせするために使用され得る。位置合わせ機構124は、タブ、支柱、突起、溝、スロット、開口部、または他のタイプの位置合わせ機構を含み得る。位置合わせ機構124は、配送や運搬のために格子120と他の格子120とを位置合わせするために使用され得る。例えば、位置合わせ機構124は、バスバー配線100を互いに入れ子にするかまたは積み重ねるために、相補的な位置合わせ機構126とのインターフェースになってもよい。例えば、位置合わせ機構124は、底面から延びる突起であってもよく、位置合わせ機構126は、上面に形成されたポケットであってもよい。
【0025】
例示的な実施形態では、フレーム部材122は、ストラクチュラルフォーム成形工程によって製造される。フレーム部材122は、バスバー200にその場で成形または形成されてもよい。例えば、バスバー200の行列を金型に配置し、フレーム部材122をバスバー200の支持部分にオーバーモールドして格子120を形成することができる。例示的な実施形態では、フレーム部材122は、各々、成形体160を備える。成形体160は、射出成形工程などの成形工程によって形成される。成形体160は、バスバー200の所定位置に形成される。成形体160のストラクチュラルフォーム成形材料は、凝固または硬化してフレーム部材122を形成する。例示的な実施形態では、ストラクチュラルフォーム材料は、単一の一体構造を形成して、バスバー200のすべてを保持する。バスバーキャリア110は、互いに対して、かつバッテリセル20のセル端子24、26に対してバスバー200を保持するように、バスバー200の支持部の周りに形成される。
ストラクチュラルフォームは、微細セル状構造などのセル状構造である。フレーム部材122は、硬質であり、バッテリセル20に取り付けるために相対位置でバスバー200を保持するようにそれらの形状を維持する。フレーム部材122は、低圧力のストラクチュラルフォーム成形工程によって形成される。フレーム部材122は、形成工程中に金型に注入される、窒素ガスなどの不活性ガスを用いて熱硬化性樹脂または熱可塑性プラスチックなどのポリマー材料から製造される。ガスは、金型に樹脂材料とともに注入されて、プラスチックの内部を発泡させる。環境持続性のために、フレーム部材122は、最大100%粉砕再生材料/リサイクル材料で形成されてもよい。化学的発泡剤が、ストラクチュラルフォームを形成するために使用されてもよい。フレーム部材122は、プラスチックの射出成形部品と比較してより高い強度重量比など、高い強度重量比を有する。
【0026】
例示的な実施形態では、バスバー200は、フレーム部材122によって支持された支持部250を備える。フレーム部材122は、バスバー200の支持部250に取り付けられる。例えば、各種フレーム部材122の成形体160が、バスバー200の支持部250にオーバーモールドされる。成形体160は、対応するフレーム部材122においてバスバー200の対応する支持部250を収容するかまたは取り囲む。例えば、成形体160は、支持部250において、バスバー200の上面252、下面254、および側縁部256に沿って延びてもよい。フォームコア152は、面252、254、および縁部256とのインターフェースになり得る。例示的な実施形態では、支持部250は、本体部212に、例えば、本体部212の中央部に沿って設けられている。
フレーム部材122は、支持部250においてバスバー200の本体部212に取り付けられるが、第1の嵌合パッド214および第2の嵌合パッド216は、フレーム部材122から離れた位置にある。第1の嵌合パッド214および第2の嵌合パッド216は、セル端子24、26への接続などのためにフレーム部材122に対して移動自在である。嵌合パッド214および嵌合パッド216は、セル端子24、26へのレーザ溶接(または超音波溶接などの他のタイプの溶接工程)のために、それぞれセル端子24およびセル端子26に対して押し込まれ得る。
【0027】
例示的な実施形態では、横要素144は、バスバー200の列を横切って、例えば、各種バスバー200の本体部212に沿って延びる。横要素144は、バスバー200と係合してバスバー200を支持する。例えば、横要素144は、バスバー200の支持部250を収容してバスバー200の各々を保持する。横要素144は、対応する列においてバスバー200の各々を支持する。例示的な実施形態では、縦要素142は、バスバー200の行間の間隙に位置している。図3および図4に示す実施形態では、縦要素142は、バスバー200を支持するために使用されていない。但し、代替実施形態では、縦要素142は、追加または代替として、バスバー200の一部またはすべてを支持するために使用されてもよい。
【0028】
図7は、スタック102状に配置された複数のバスバー配線100を示す。バスバー配線100は、配送や運搬のために積み重ねてもよい。例示的な実施形態では、バスバー配線100は、バスバー配線100の間に他の梱包材料を必要とせずに、セルフスタッキング式(すなわち、入れ子状)であってもよい。例えば、バスバーキャリア110は、バスバー200を保持する。バスバーキャリア110は硬質かつ自立式である。位置合わせ機構124は、スタック102における他のバスバーキャリア110の位置合わせ機構126と相互作用して、バスバー配線同士の位置合わせおよび位置決めを行ってもよい。積み重ねた後に、バンドなどの保持機構をスタック102に巻きつけて、バスバー配線100をスタック102の状態で保持してもよい。
【0029】
図8は、例示的な実施形態による検知ハーネス300の斜視図である。図9は、例示的な実施形態による検知ハーネス300の一部の断面図である。例示的な実施形態では、検知ハーネス300は、複数の検知点320および回路/トレースを担持するように構成されたキャリア310と、検知点320に接続されたコネクタ302のうちの1つまたは複数とを備える。例示的な実施形態では、検知点320のすべてを担持するように単一のキャリア310が設けられている。代替として、検知ハーネス300は、検知ハーネスの個別のストリップなど、対応する検知点320を有する複数のキャリア310を備えてもよい。
【0030】
検知ハーネスキャリア310は、検知点320を保持する基板312を備える。基板312は、絶縁体である。例示的な実施形態では、キャリア310は、フレキシブルである。キャリア310は、フレキシブルフィルムなどのフィルムであってもよい。キャリア310は、ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)製フィルム、ポリイミド製フィルム、または別のポリマーベースのフィルム材料であってもよい。様々な実施形態において、キャリア310は、フレキシブルプリント回路である。他の様々な実施形態において、検知ハーネス300は、各種検知点320から延びる複数のワイヤを有するワイヤハーネスであってもよい。
【0031】
検知キャリア310は、上面314および下面316を備える。キャリア310は、キャリア310の周囲の面314と面316との間に縁部318を備える。コネクタ302は、縁部318のうちの1つまたは複数に設けられてもよい。キャリア310は、大きな表面積を有してもよい。様々な実施形態において、キャリア310は、バスバーキャリア110の表面積とほぼ同等の表面積を有し得る。
【0032】
例示的な実施形態では、キャリア310は、開口部322を備える。開口部322は、検知点320を画定する。検知点320は、バスバー200および/またはセル端子24、26への接続などのために、開口部322で露出し得る。開口部322は、上面314および/または下面316で開口し得る。
【0033】
検知点320は、検知キャリア310内で保持される。例示的な実施形態では、検知点320および関連する検知トレース/回路は、銅導体やアルミニウム導体などの金属導体である。様々な実施形態において、金属導体は、ニッケルめっき層などの1つまたは複数のめっき層を備える。めっき層は、バスバー200および/またはセル端子24、26への接続を強化し得る。例えば、めっき層は、バスバー200および/またはセル端子24、26への溶接を強化し得る。めっき層は、バスバー200とセル端子24、26とが異なる材料から製造される場合など、溶接時の金属間化合物の形成に抗し得る。検知点320は、フレキシブルプリント回路の回路または導体によって画定され得る。検知点320は、フレキシブルプリント回路の1つまたは複数の層に配置されてもよい。検知点320は、フレキシブルプリント回路のトレースなどによって、コネクタ302に電気的に接続されてもよい。
【0034】
検知ハーネス300は、制御モジュールに接続するように構成されたコネクタ302を備える。コネクタ302は、検知ハーネス300の複数の辺のうちの一辺に設けられてもよい。図10に示す実施形態では、コネクタ302のすべてが同じ辺に設けられている。他の様々な実施形態において、検知ハーネス300は、複数のコネクタ302ではなく、単一のコネクタ302を備えてもよい。
【0035】
図10は、例示的な実施形態による、バスバー配線100の分解図である。検知ハーネス300は、ユニットとしてのバッテリパック20への取付けなどのために、バスバーキャリア110に結合してバスバー配線100を形成するように構成される。
【0036】
バスバー配線100は、バスバーキャリア110と、バスバーキャリア110によって保持されたバスバー200の行列とを備える。バスバー配線100は、検知ハーネス300を備える。検知ハーネス300の検知点320は、バッテリセル20の特性を監視するために、バスバー200および/またはセル端子24、26に電気的に接続するように構成される。例えば、検知点320は、バスバー200および/またはセル端子24、26の電流、電圧、温度、充電状態、または他の動作特性の監視を容易にし得る。検知ハーネス300は、コネクタ302を介してバッテリ制御モジュールなどの制御モジュールに電気的に接続するように構成される。検知ハーネス300は、検知点320から制御モジュールに検知信号を送信し、これらの検知信号を使用して、車両の動作および/または車両の充電動作を制御することができる。
【0037】
例示的な実施形態では、バスバー200ごとに単一の検知点320が設けられる。他の様々な実施形態において、各バスバー200の第1の嵌合パッド214および第2の嵌合パッド216の両方への接続などのために、バスバー200ごとに1対の検知点320が設けられる。したがって、各バッテリセル20は、システム冗長性のために、複数の検知点320によって監視され得る。
【0038】
検知ハーネス300は、バスバーキャリア110に結合するように構成される。例えば、検知キャリア310は、接着剤、締結具、クリップ、または他の固定手段を用いるなどして、バスバーキャリア110に固定され得る。検知点320は、はんだ、溶接、導電性接着剤、または他の手段による接続などによってバスバー200に接続することで、バスバー200に機械的かつ/または電気的に接続してもよい。他の様々な実施形態において、検知点320は、バスバー200への接続に対する追加または代替として、セル端子24、26に直接接続されてもよい。
【0039】
バスバー配線100は、単一ユニットとしてバッテリパック10(例えば、バッテリセル20の各々)に取り付けるように構成された大判バッテリセル配線を実現する。バスバーキャリア110は、バッテリパック10のバッテリセル20の各々のセル端子24、26への終端のために適切な位置でバスバー200のすべてを保持する。バッテリパック10のバッテリセル20のすべてに対する組付けのためにバスバー200のすべてを保持することによって、複数の組立てステップでバスバーの各々を個別にまたは複数のストライプでバッテリセルに組み付ける、従来のバッテリシステムに伴うような組立て工程を省略することができる。バスバー配線100は、全体的な部品点数を削減するとともに、バッテリパック10の組立ての際に取り扱う部品の数を削減する。
バスバーキャリア110は、大判で、大きな表面積を有してもよい。例えば、バスバーキャリア110用の格子骨格を製造するストラクチュラルフォーム工程により、特に射出成形部品と比較してバスバーキャリア110の大きな設置面積が可能となる。バスバーキャリア110は、同等の射出成形部品と比較して高い強度重量比を有する。バスバーキャリア110を支持する格子骨格は、低圧力のストラクチュラルフォーム成形工程によって製造することができ、これにより、低コストの金型(例えば、高強度の鋼製の金型と比較してアルミニウム製の金型)を使用することが可能となる。バスバーキャリア110の格子骨格のストラクチュラルフォーム材料は、寸法安定性があり、曲がりやすくなく、組立ておよびバッテリセルへの終端を従来の組立て工程と比較してより単純かつ迅速で、低コストにする。
ストラクチュラルフォーム材料は、従来の射出成形プラスチック部品と比較して環境に対してより持続可能性が高い。例えば、ストラクチュラルフォーム材料は、全体としてプラスチックの使用を少なくしてもよく、またリサイクル材料を使用することができる。
【0040】
図11は、バッテリセル20のうちの1つへの接続のために準備されたバスバー配線100および検知ハーネス300を示すシステムの一部の分解図である。図12は、組み付けられた状態にある/バッテリセル20のうちの1つに接合されたバスバー配線100および検知ハーネス300を示すシステムの一部の分解図である。例示的な実施形態では、検知ハーネス300は、バスバーキャリア110とバッテリセル20との間に位置決めされる。検知ハーネス300は、バッテリセル20への取付け前にバスバーキャリア110および/またはバスバー200に結合されてもよい。代替として、検知ハーネス300は、バスバーキャリア110およびバスバー200をバッテリセル20に結合する前にバッテリセル20に結合されてもよい。
【0041】
組立ての際、検知点320は、バスバー200と位置合わせされ、バスバー200に結合するように構成される。例示的な実施形態では、検知点320は、嵌合パッド214、216に結合される。代替実施形態では、検知点320は、本体部212に結合される。検知点320は、バスバー200へのレーザ溶接などで、バスバー200に溶接されてもよい。代替実施形態では、検知点320は、はんだ付け、超音波溶接、または導電性接着剤もしくはエポキシによる接続など、他の固定手段によってバスバー200に接続されてもよい。
【0042】
組立ての際、検知点320は、バッテリセル20のセル端子24、26と位置合わせされ、セル端子24、26に結合するように構成される。検知点320は、セル端子24、26へのレーザ溶接などで、セル端子24、26に溶接されてもよい。代替実施形態では、検知点320は、はんだ付け、または導電性接着剤もしくはエポキシによる接続など、他の固定手段によってセル端子24、26に接続されてもよい。
【0043】
例示的な実施形態では、検知点320は、バスバー200と同時にセル端子24、26に結合される。例えば、検知点は、嵌合パッド214とセル端子24との間、および嵌合パッド216とセル端子26との間に位置する。バスバー200は、セル端子24、26にレーザ溶接されるように構成される。検知点320は、レーザ溶接工程の際に嵌合パッド214、216およびセル端子24、26に電気的に接続される。例えば、3つすべての部品(嵌合パッド/検知点/セル端子)が、レーザ溶接工程によって電気的に接続され得る。
【0044】
図13は、第1の向きでバッテリパック10に結合されたバスバー配線100を示す。図14は、第2の向きでバッテリパック10に結合されたバスバー配線100を示す。バスバー配線100の第1の向き(図13)では、バスバー配線100は、バッテリパック10の上面に結合される。第2の向き(図14)では、バッテリパックが上下逆向きになり、バスバー配線100は、バッテリパック10の底面に結合される(注記:図13および図14のz方向の矢印は、従来の上向き方向、すなわち、地面の反対側を向く方向を示す)。
【0045】
第1の向き(図13)では、バッテリセル20は、セル端子24、26がバッテリパック10の上面に来るように配置される。バッテリパック10は、車両のトレイまたはスキッドレール400に載るように、車両に配置される。バスバー配線100は、バッテリパック10の上面に結合される。バスバーキャリア110は、対応するセル端子24、26と位置合わせするなど、バスバー200の位置を保持する。バスバー200は、セル端子24、26に電気的に接続するように構成される。例えば、バスバー200は、セル端子24、26にレーザ溶接されてもよい。検知ハーネス300は、バスバー配線100とともにバッテリパック10に結合される。検知点320は、セル端子24、26に結合してバッテリセル20を監視するように構成される。
例えば、検知点320は、セル端子24、26にレーザ溶接されてもよい。任意選択で、バスバー200をセル端子24、26にレーザ溶接するのと同じステップで検知点320をセル端子24、26にレーザ溶接し、組立て工程における余計な溶接ステップを省略することができる。例示的な実施形態では、パックカバーおよび/または車両フロア410が、バッテリパック10およびバッテリ配線100を覆っている。例えば、パックカバー/車両フロア410は、バスバー配線100の上面に結合されてもよい。パックカバー/車両フロア410は、バスバーキャリア110に接合、接着、または別法で固定されてもよい。バスバーキャリア110は、パックカバー/車両フロア410を支持するのに使用される構造など、車両および/またはバッテリパック10の構造部品を形成してもよい。
【0046】
第2の向き(図14)では、バッテリセル20は、セル端子24、26がバッテリパック10の底面に来るように配置される。バスバー配線100は、例えば、トレイ/スキッドレール400に沿ったスペースに配置される。次いで、バッテリパック10は、バスバー配線100の上となる位置に降ろされる(または逆であってもよく、図13のように組立てを行った後、上下逆にしてもよい)。バッテリパック10の底面は、バスバー配線100の上面に結合される。バスバーキャリア110は、対応するセル端子24、26と位置合わせするなど、バスバー200の位置を保持する。バスバー200は、セル端子24、26に電気的に接続するように構成される。例えば、バスバー200は、セル端子24、26にレーザ溶接されてもよい。
検知ハーネス300もバッテリパック10に結合される。検知点320は、セル端子24、26に結合してバッテリセル20を監視するように構成される。例えば、検知点320は、セル端子24、26にレーザ溶接されてもよい。任意選択で、バスバー200をセル端子24、26にレーザ溶接するのと同じステップで検知点320をセル端子24、26にレーザ溶接し、組立て工程における余計な溶接ステップを省略してもよい。例示的な実施形態では、パックカバーおよび/または車両フロア410が、バッテリパック10を覆っている。例えば、パックカバー/車両フロア410は、バッテリパック10の上面に結合されてもよい。バスバーキャリア110は、車両でバッテリセル20を支持するのに使用される構造など、車両および/またはバッテリパック10の構造部品を形成してもよい。
【0047】
図15は、例示的な実施形態によるバッテリパックの組立て方法を示すフローチャート700である。702において、方法は、バスバーの行列を提供することを含む。バスバーは、スタンピング工程またはレーザ切断工程によって形成されてもよい。例示的な実施形態では、バスバーは、各種バスバー間に接続リンクを有するバスバーストリップとして形成され、接続リンクは、バスバーが行列状に位置決めされた後で除去されるように構成される。
【0048】
704において、方法は、バスバーキャリアのストラクチュラルフォーム成形を行うステップを含む。バスバーキャリアは、バスバーに結合される。例えば、バスバーキャリアは、バスバーの所定位置に形成されてもよい。バスバーキャリアは、バスバーの一部にオーバーモールドされて、バスバーの行列用の支持フレームを形成してもよい。バスバーキャリアは、フレーム部材から成る格子状に形成されてもよい。例えば、フレーム部材の格子は、縦フレーム要素および横フレーム要素を備えてもよい。フレーム部材の格子は、外周にある外側フレーム部材と、格子を形成するように外側フレーム部材の中ほどを横切って延びる内側フレーム部材とを備え得る。フォーム成形工程は、アルミニウム製の金型などの金型で形成され得る。
ストラクチュラルフォーム成形工程は、フォームコアを取り囲む外皮を形成することを含む。ストラクチュラルフォーム成形工程は、窒素などの不活性ガスを熱可塑性プラスチック材料または熱硬化性材料とともに金型に付加することを含む。ストラクチュラルフォーム成形工程は、化学的発泡剤を熱可塑性プラスチック材料または熱硬化性材料とともに金型に付加することを含んでもよい。
【0049】
706において、方法は、検知ハーネスを形成するステップを含む。検知ハーネスは、別個の温度センサ(例えば、NTCサーミスタもしくはPTCサーミスタ)または他のタイプのセンサ、ならびにバスバーに溶接する電圧検知点のための装備など、複数の検知部品を備える。電圧検知点、温度検知点、および任意のコネクタインターフェースが、回路(すなわち、トレース)によって接続される。回路は、フラットフレキシブル回路、フレキシブルプリント回路、またはワイヤハーネスであってもよい。708において、方法は、検知ハーネスとバスバーキャリアとを接合するステップを含む。
【0050】
710において、方法は、検知点/検知トレースをバスバーに接合することを含む。例えば、検知点は、バスバーに溶接されてもよい。他の実施形態では、センサは、導電性接着剤または導電性エポキシによってバスバーに結合され得る。代替実施形態では、接合ステップを省略し、バスバーのセル端子への接合と同時に行われる後の接合ステップに置き換えてもよい。
【0051】
712において、方法は、バスバー配線をバッテリパックに位置決めすることを含む。バスバー配線は、位置決め機構を使用するなどして、バッテリパックと位置合わせされ得る。バスバー配線のバスバーは、バッテリセルのセル端子と位置合わせされる。例えば、各バスバーの嵌合パッドは、隣接するバッテリセルのセル端子と位置合わせされ、バッテリセルを直列または並列に接続する。検知点は、バッテリセルと位置合わせされ得る。
【0052】
714において、方法は、バスバーをバッテリセルに接合することを含む。例示的な実施形態では、接合ステップは、バスバーをバッテリセルの対応するセル端子にレーザ溶接することを含む。接合ステップは、レーザ溶接、超音波溶接、はんだ付け、導電性接着剤の使用、または別法でセンサをセル端子に接続することなどによって、検知点をセル端子に接合することを含んでもよい。
【0053】
図16は、例示的な実施形態によるバッテリパックの組立て方法を示すフローチャート800である。802において、方法は、バスバーの行列を提供することを含む。バスバーは、スタンピング工程またはレーザ切断工程によって形成されてもよい。例示的な実施形態では、バスバーは、各種バスバー間に接続リンクを有するバスバーストリップとして形成され、接続リンクは、バスバーが行列状に位置決めされた後で除去されるように構成される。
【0054】
804において、方法は、バスバーキャリアのストラクチュラルフォーム成形を行うステップを含む。バスバーキャリアは、バスバーに結合される。例えば、バスバーキャリアは、バスバーの所定位置に形成されてもよい。バスバーキャリアは、バスバーの一部にオーバーモールドされ、バスバーの行列用の支持フレームを形成してもよい。バスバーキャリアは、フレーム部材から成る格子状に形成されてもよい。例えば、フレーム部材の格子は、縦フレーム要素および横フレーム要素を備えてもよい。フレーム部材の格子は、外周にある外側フレーム部材と、格子を形成するように外側フレーム部材の中ほどを横切って延びる内側フレーム部材とを備え得る。フォーム成形工程は、アルミニウム製の金型などの金型に形成され得る。
ストラクチュラルフォーム成形工程は、フォームコアを取り囲む外皮を形成することを含む。ストラクチュラルフォーム成形工程は、窒素などの不活性ガスを熱可塑性プラスチック材料または熱硬化性材料とともに金型に付加することを含む。ストラクチュラルフォーム成形工程は、化学的発泡剤を熱可塑性プラスチック材料または熱硬化性材料とともに金型に付加することを含んでもよい。
【0055】
806において、方法は、検知ハーネスを形成するステップを含む。検知ハーネスは、別個の温度センサ(例えば、NTCサーミスタもしくはPTCサーミスタ)または他のタイプのセンサ、ならびに電圧検知点のための装備など、複数の検知部品を備える。電圧検知点、温度検知点、および任意のコネクタインターフェースが、回路(すなわち、トレース)によって接続される。回路は、フラットフレキシブル回路、フレキシブルプリント回路、またはワイヤハーネスであってもよい。808において、方法は、検知ハーネスとバスバーキャリアとを接合するステップを含む。
【0056】
812において、方法は、バスバー配線をバッテリパックに位置決めすることを含む。バスバー配線は、位置決め機構を使用するなどして、バッテリパックと位置合わせされ得る。バスバー配線のバスバーは、バッテリセルのセル端子と位置合わせされる。例えば、各バスバーの嵌合パッドは、隣接するバッテリセルのセル端子と位置合わせされ、バッテリセルを直列または並列に接続する。検知点は、バッテリセルと位置合わせされ、セル端子とバスバー嵌合パッドとの間に挟まれてもよい。
【0057】
814において、方法は、バスバーおよび検知点をバッテリセルに接合することを含む。例示的な実施形態では、接合ステップは、バスバーをバッテリセルの対応するセル端子にレーザ溶接することを含む。接合ステップは、レーザ溶接、超音波溶接、はんだ付け、導電性接着剤の使用、または別法でセンサをセル端子に接続することなどによって、検知点をセル端子に接合することを含む。例示的な実施形態では、接合ステップは、バスバーと検知点とを同じレーザ溶接工程を用いてセル端子に同時に溶接することを含み、別個の接合工程によって検知点をバスバーおよび/またはセル端子に別個に接合することが省略される。
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【外国語明細書】