IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特開-発光表示装置 図1
  • 特開-発光表示装置 図2
  • 特開-発光表示装置 図3
  • 特開-発光表示装置 図4
  • 特開-発光表示装置 図5
  • 特開-発光表示装置 図6
  • 特開-発光表示装置 図7
  • 特開-発光表示装置 図8
  • 特開-発光表示装置 図9A
  • 特開-発光表示装置 図9B
  • 特開-発光表示装置 図9C
  • 特開-発光表示装置 図9D
  • 特開-発光表示装置 図9E
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166184
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】発光表示装置
(51)【国際特許分類】
   H10K 59/35 20230101AFI20241121BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241121BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20241121BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20241121BHJP
   H10K 59/38 20230101ALI20241121BHJP
   H10K 50/86 20230101ALI20241121BHJP
   H10K 50/842 20230101ALI20241121BHJP
【FI】
H10K59/35 351
G09F9/30 365
G09F9/30 349B
G09F9/30 349C
G09F9/30 349Z
G09F9/30 309
H10K50/844
H10K59/122
H10K59/38
H10K50/86 865
H10K50/842 141
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024081025
(22)【出願日】2024-05-17
(31)【優先権主張番号】10-2023-0063685
(32)【優先日】2023-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, デヒ
(72)【発明者】
【氏名】キム, ムンス
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107DD89
3K107EE07
3K107EE22
3K107EE27
3K107EE42
3K107EE46
3K107FF15
5C094AA25
5C094BA27
5C094DA07
5C094EA07
5C094ED01
5C094ED03
5C094ED15
5C094HA03
5C094HA05
5C094HA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】隣接しているピクセル間の漏れ電流が増加を低減する。
【解決手段】ホワイトピクセルの外郭がフッ素系保護層で包まれている発光表示装置を提供し、発光表示装置は、表示領域と非表示領域を含む基板、前記表示領域に具備されるホワイトピクセルおよびカラーピクセル、およびホワイトピクセルの外郭を包んでいるフッ素系保護層を含むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と非表示領域を含む基板、
前記表示領域に具備されるホワイトピクセル及びカラーピクセル、並びに
前記ホワイトピクセルの外郭を包んでいるフッ素系保護層
を含む発光表示装置。
【請求項2】
前記フッ素系保護層が、前記ホワイトピクセルの外郭を包んでいるバンクの上端に具備される、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項3】
ホワイトピクセル及びカラーピクセルに発光層が設けられ、前記フッ素系保護層によって包まれた発光層と前記フッ素系保護層の外部に具備される発光層が、前記フッ素系保護層によって分離している、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項4】
前記発光層に具備されるカソードが、前記フッ素系保護層で分離していない、請求項3に記載の発光表示装置。
【請求項5】
前記フッ素系保護層の上端の幅が、前記フッ素系保護層の下端の幅より大きい、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項6】
前記カラーピクセルの上部に具備されるカラーフィルタをさらに含む、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項7】
前記ホワイトピクセルにはカラーフィルタが具備されていない、請求項6に記載の発光表示装置。
【請求項8】
前記フッ素系保護層の上端に具備されるブラックマトリックスをさらに含む、請求項6に記載の発光表示装置。
【請求項9】
前記カラーフィルタが、封止基板に具備され、
前記カラーピクセルと前記カラーフィルタの間には封止層が具備され、
前記ホワイトピクセルと前記封止基板の間には前記封止層が具備される、請求項6に記載の発光表示装置。
【請求項10】
前記ホワイトピクセルの外郭のうちの少なくとも1つの外郭には、光が透過する透過領域が具備される、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項11】
前記基板に具備された第nデータラインに沿って単位ピクセルが具備され、nは自然数であり、
前記単位ピクセルのそれぞれが、3つのカラーピクセル及びホワイトピクセルを含み、
前記3つのカラーピクセルのうちの第1カラーピクセルと第2カラーピクセルは、第nデータラインを間に挟んで配置され、
前記3つのカラーピクセルのうち、第3カラーピクセルと前記ホワイトピクセルは、前記第nデータラインを間に挟んで配置される、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項12】
前記単位ピクセルに具備される前記3つのカラーピクセル及び前記ホワイトピクセルのうち、前記ホワイトピクセルの外郭のみに前記フッ素系保護層が具備される、請求項11に記載の発光表示装置。
【請求項13】
前記第nデータラインの左側に具備されたピクセルの左側には、光が透過する第1透過領域が具備され、
前記第nデータラインの右側に具備されたピクセルの右側には、光が透過する第2透過領域が具備される、請求項11に記載の発光表示装置。
【請求項14】
前記単位ピクセルのうちの第1単位ピクセルに具備されたホワイトピクセルが、前記第nデータラインの右側に具備され、
前記単位ピクセルのうちの第2単位ピクセルに具備されたホワイトピクセルは、前記第nデータラインの左側に具備され、
前記単位ピクセルのうちの第3単位ピクセルに具備されたホワイトピクセルは、前記第nデータラインの右側に具備される、請求項13に記載の発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、発光表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光表示装置は、テレビ、モニタ、ノートパソコン、スマートフォン、タブレットコンピュータ、電子パッド、ウェアラブル機器、ウォッチフォン、携帯用情報機器、ナビゲーション、又は車両制御表示機器等の電子製品に搭載され、映像を表示する機能を行う。
【0003】
発光表示パネルの解像度がますます増加するにつれて、隣接しているピクセル間の漏れ電流が増加しており、これにより、好ましくない点灯が発生している。
【0004】
また、発光表示パネルのピクセルに具備された発光素子は、外部から流入した水分の影響を受け得る。しかし、発光表示パネルの解像度がますます増加するにつれて、ピクセル間の水分浸透を防止することは、ますます困難になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書が解決しようとする課題は、ホワイトピクセルの外郭がフッ素系保護層で包まれている、発光表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置は、表示領域と非表示領域を含む基板、前記表示領域に具備されるホワイトピクセル及びカラーピクセル、及び前記ホワイトピクセルの外郭を包んでいるフッ素系保護層を含むことができる。
【0007】
上述した課題の解決手段以外の本明細書の様々な例による具体的な事項は、以下の記載内容および図に含まれている。
【0008】
本明細書の一実施例によれば、カラーフィルタを具備したピクセルとホワイトピクセルの間の漏れ電流を防止または低減することができる。
【0009】
本明細書の一実施例によれば、カラーフィルタを具備したピクセルとホワイトピクセルの間の水分伝達を防止または低減することができる。
【0010】
したがって、本明細書の一実施例によれば、発光表示装置の信頼性を向上させることができ、これにより、発光表示装置の品質を向上させることができる。
【0011】
また、本明細書の一実施例によれば、カラーフィルタを具備したピクセルとホワイトピクセルの間の水分の伝達を防止または低減することができ、これにより、発光表示装置の寿命を延ばすことができ、低電力発光表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本明細書に係る発光表示装置の構成を示す例示図である。
図2】本明細書に係る発光表示装置に適用されるピクセルの構造を示す例示図である。
図3】本明細書に係る発光表示装置に適用される制御ドライバの構造を示す例示図である。
図4図1のA領域に配置されたピクセルを示す平面図である。
図5図1のA領域に配置されたピクセルを示すまた他の平面図である。
図6図4に示したK-K’線に沿って切断した断面を示す例示図である。
図7図4に示したL-L’線に沿って切断した断面を示す例示図である。
図8図4に示したK-K’線に沿って切断した断面を示すまた他の例示図である。
図9A】本明細書による発光表示パネルを製造する方法を示す例示図である。
図9B】本明細書による発光表示パネルを製造する方法を示す例示図である。
図9C】本明細書による発光表示パネルを製造する方法を示す例示図である。
図9D】本明細書による発光表示パネルを製造する方法を示す例示図である。
図9E】本明細書による発光表示パネルを製造する方法を示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書の利点および特徴、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図と共に詳細に後述される実施例を参照することによって明らかになるであろう。しかし、本明細書は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で構成され、単に本明細書の実施例は、本明細書の開示を完全にし、本明細書が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。
【0014】
本明細書の実施例を説明するための図に開示された形状、大きさ、比率、角度、数などは例示的なものであり、本明細書が図に示された事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって、同じ参照番号は同じ構成要素を指称する。なお、本明細書の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が、本明細書の要旨を不必要に曖昧にし得ると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本明細書上で言及する「含む」、「有する」、「からなる」などが使用される場合、「~のみ」が使用されていない限り、他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0015】
構成要素を解釈するにおいて、誤差範囲に対する別途の明示的な記載がなくても、誤差範囲を含むものと解釈する。
【0016】
位置関係に関する説明の場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~横に」などで2つの部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」という表現が使用されていない限り、2つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0017】
時間関係に対する説明の場合、例えば、「~後に」、「~に続き」、「~次に」、「~前に」などで時間的先後関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」という表現が使用されていない限り、連続的でない場合も含むことができる。
【0018】
第1、第2などは、様々な構成要素を説明するために使用されるが、これらの構成要素は、これらの用語によって限定されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本明細書の技術的思想内で第2構成要素であることもあり得る。
【0019】
本明細書の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、a、bなどの用語を用いることができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであるだけで、その用語によってその構成要素の本質、順番、順序、または数などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」「結合」または「接続」すると記載されている場合、その構成要素は他の構成要素に直接に連結または接続することができるが、特に明示的な記載がない場合、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」した状態で間接的に連結または接続することもできると理解されなければならない。
【0020】
「少なくとも1つ」という用語は、関連した構成要素の1つ以上のすべての組み合わせを含むものと理解されなければならない。例えば、「第1、第2、および第3構成要素の少なくとも1つ」の意味は、第1、第2、または第3構成要素のみならず、第1、第2、および第3構成要素の2つ以上のすべての構成要素の組み合わせを含むとすることができる。
【0021】
本明細書のいくつかの実施例の各々の特徴は、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に様々な連動および駆動が可能であり、各実施例は互いに対して独立して実施することもでき、連関関係で一緒に実施することもできる。
【0022】
以下、添付の図及び実施例を通じて本明細書の実施例を詳しく説明する。図に示された構成要素のスケールは、説明の便宜のために実際とは異なるスケールを有するので、図に示されるスケールに限定されない。
【0023】
図1は、本明細書に係る発光表示装置の構成を示す例示図であり、図2は、本明細書に係る発光表示装置に適用されるピクセルの構造を示す例示図であり、図3は、本明細書に係る発光表示装置に適用される制御ドライバの構造を示す例示図である。
【0024】
本明細書による発光表示装置は、各種電子装置であり得、または各種電子装置に含むこともできる。例えば、電子機器は、スマートフォン、タブレットPC、テレビ、モニタなどであり得、スマートフォン、タブレットPC、テレビ、モニタなどを構成することもできる。
【0025】
本明細書による発光表示装置は、図1に示すように、映像が出力される表示領域(DA)と表示領域(DA)の外郭に具備された非表示領域(NDA)を含む発光表示パネル100、発光表示パネル100の表示領域(DA)に具備されたゲートライン(GL1~GLg)にゲート信号を供給するゲートドライバ200、発光表示パネル100に具備されたデータライン(DL1~DLd)にデータ電圧を供給するデータドライバ300、ゲートドライバ200とデータドライバ300の駆動を制御する制御ドライバ400、および制御ドライバ400とゲートドライバ200とデータドライバ300と発光表示パネル100に電源を供給する電源供給部500を含む。
【0026】
まず、発光表示パネル100は、表示領域(DA)及び非表示領域(NDA)を含む。表示領域(DA)には、ゲートライン(GL1~GLg)、データライン(DL1~DLd)、およびピクセル(P)を具備することができる。したがって、表示領域(DA)では、映像を出力することができる。gおよびdは、自然数である。非表示領域(NDA)は、表示領域(DA)の外郭を囲むように具備することができ、表示領域(DA)の内部にも具備することもできる。非表示領域(NDA)には、映像が出力されない。
【0027】
例えば、表示領域(DA)にカメラホールを具備する場合、カメラホール周辺には、映像が出力されない非表示領域(NDA)を具備することができる。
【0028】
発光表示パネル100に具備されるピクセル(P)は、図2に示すように、スイッチングトランジスタ(Tsw1)、ストレージキャパシタ(Cst)、駆動トランジスタ(Tdr)及びセンシングトランジスタ(Tsw2)を含むピクセル駆動回路(PDC)および発光素子(ED)を含むことができる。
【0029】
駆動トランジスタ(Tdr)の第1端子は、第1電圧(EVDD)が供給される第1電圧供給ライン(PLA)と連結していて、駆動トランジスタ(Tdr)の第2端子は、発光素子(ED)と連結している。
【0030】
スイッチングトランジスタ(Tsw1)の第1端子は、データライン(DL)と連結していて、スイッチングトランジスタ(Tsw1)の第2端子は、駆動トランジスタ(Tdr)のゲートと連結していて、スイッチングトランジスタ(Tsw1)のゲートは、ゲートライン(GL)と連結している。
【0031】
データライン(DL)には、データ電圧(Vdata)が供給され、ゲートライン(GL)には、ゲート信号(GS)が供給される。
【0032】
駆動トランジスタ(Tdr)のしきい値電圧または移動度を測定するために、センシングトランジスタ(Tsw2)を具備することができる。センシングトランジスタ(Tsw2)の第1端子は、駆動トランジスタ(Tdr)の第2端子と発光素子(ED)に連結することができ、センシングトランジスタ(Tsw2)の第2端子は、基準電圧(Vref)が供給されるセンシングライン(SL)と連結することができ、センシングトランジスタ(Tsw2)のゲートは、センシング制御信号(SS)が供給されるセンシング制御ライン(SCL)と連結することができる。
【0033】
センシングライン(SL)は、データドライバ300に連結することができ、データドライバ300を介して電源供給部500と連結することもできる。すなわち、電源供給部500から供給された基準電圧(Vref)は、センシングライン(SL)を介してピクセル(P)に供給することができ、ピクセル(P)から伝送されたセンシング信号は、データドライバ300で処理することができる。
【0034】
発光素子(ED)は、駆動トランジスタ(Tdr)を介して第1電圧(EVDD)の供給を受ける第1電極、第2電圧(EVSS)が供給される第2電圧供給ライン(PLB)と連結した第2電極、および第1電極と第2電極の間に具備される発光層を含むことができる。第1電極はアノードとすることができ、第2電極はカソードとすることができる。
【0035】
本明細書に適用されるピクセル(P)の構造は、図2に示す構造に限定されるものではない。したがって、ピクセル(P)の構造は様々な形態に変更することができる。
【0036】
次に、ゲートドライバ200は、集積回路(Integrated Circuit)に構成した後、非表示領域(NDA)に装着することができる。また、ゲートドライバ200は、非表示領域(NDA)にゲートインパネル(GIP:Gate In Panel)方式を用いて直接内蔵することもできる。ゲートインパネル方式を用いる場合、ゲートドライバ200を構成するトランジスタは、表示領域(DA)の各ピクセル(P)に具備されるトランジスタと同じ工程を通じて非表示領域(NDA)に具備することもできる。また、ゲートドライバ200は、発光素子(ED)が具備される表示領域(DA)に具備することもできる。
【0037】
ゲートドライバ200は、ゲートライン(GL1~GLg)にゲートパルスを供給することができる。
【0038】
ゲートドライバ200で生成されたゲートパルスが、ピクセル(P)に具備されたスイッチングトランジスタ(Tsw1)のゲートに供給されるとき、スイッチングトランジスタ(Tsw1)はターンオンすることができる。スイッチングトランジスタ(Tsw1)がターンオンすると、データライン(DL)を介して供給されたデータ電圧(Vdata)をピクセル(P)に供給することができる。
【0039】
ゲートドライバ200で生成されたゲートオフ信号がスイッチングトランジスタ(Tsw1)に供給されるとき、スイッチングトランジスタ(Tsw1)はターンオフされ得る。スイッチングトランジスタ(Tsw1)がターンオフすると、データ電圧(Vdata)はそれ以上ピクセル(P)に供給されない。
【0040】
ゲートライン(GL)に供給されるゲート信号(GS)は、ゲートパルス及びゲートオフ信号を含む。
【0041】
次に、電源供給部500は様々な電源を生成し、生成した電源を制御ドライバ400、ゲートドライバ200、データドライバ300及び発光表示パネル100に供給することができる。
【0042】
次に、データドライバ300は、データライン(DL1~DLd)とセンシングライン(SL)に連結することができる。センシングラインの各々は、例えば、1つのゲートラインに連結したピクセルのうち、白を表示することができる単位ピクセルに共通に連結することができるが、単位ピクセルを構成するピクセルのそれぞれと連結することもできる。
【0043】
データドライバ300は、制御ドライバ400から伝送されたデータ制御信号(DCS)及び映像データ(Data)を用いてデータ電圧(Vdata)を出力することができる。
【0044】
最後に、制御ドライバ400は、外部システムから伝送されてきたタイミング同期信号(TSS)を用いて、外部システムから伝送されてきた入力映像データ(Ri、Gi、Bi)を再整列することができ、データドライバ300およびゲートドライバ200に供給される制御信号(GCS、DCS)を生成することができる。
【0045】
このために、制御ドライバ400は、図3に示すように、入力映像データ(Ri、Gi、Bi)を再整列して映像データ(Data)を生成し、映像データ(Data)をデータドライバ300に供給するためのデータ整列部430、タイミング同期信号(TSS)を用いてゲート制御信号(GCS)とデータ制御信号(DCS)を生成するための制御信号生成部420、外部システムからタイミング同期信号(TSS)と入力映像データ(Ri、Gi、Bi)を受信して制御信号生成部420とデータ整列部430に伝送するための制御部410、及びデータ整列部430で生成された映像データ(Data)と制御信号生成部(420)で生成されたデータ制御信号(DCS)をデータドライバ300に供給し、制御信号生成部420で生成されたゲート制御信号(GCS)をゲートドライバ200に出力するための出力部440を含むことができる。
【0046】
制御信号生成部420は、電源供給部500に供給される電源制御信号を生成することもできる。
【0047】
制御ドライバ400は、様々な情報を貯蔵する貯蔵部450をさらに含むことができる。貯蔵部450は、図3に示すように、制御ドライバ400に含むこともできるが、制御ドライバ400から分離して独立して具備することもできる。
【0048】
外部システムは、制御ドライバ400及び電子装置を駆動する機能を実行する。例えば、電子機器がテレビ(TV)の場合、外部システムは通信網を介して各種の音声情報、映像情報、および文字情報などを受信することができ、受信した映像情報を制御ドライバ400に伝送することができる。この場合、映像情報は、入力映像データ(Ri、Gi、Bi)とすることができる。
【0049】
図4は、図1のA領域に配置されたピクセルを示す平面図であり、図5は、図1のA領域に配置されたピクセルを示すまた他の平面図である。
【0050】
本明細書は、透過領域(TA)を含む発光表示パネル100に適用することができ、透過領域(TA)を含まない発光表示パネル100にも適用することができる。透過領域(TA)は光を通す領域である。
【0051】
以下では、説明の便宜のために、透過領域(TA)を含む発光表示パネル100を、本明細書に係る発光表示パネルの一例として説明する。
【0052】
表示領域(DA)は、透過領域(TA)(または透明領域)および非透過領域(NTA)を含むことができる。透過領域(TA)は、外部から入射する光の大部分を通過させる領域であり得る。非透過領域(NTA)は、外部から入射する光の大部分を透過させない領域であり得る。なお、非透過領域(NTA)は、ピクセル(P)が具備される領域を意味することもできる。
【0053】
透過領域(TA)により、発光表示パネル100の背面(または後面)に位置する物体または背景を発光表示パネル100の正面から見ることができる。
【0054】
非透過領域(NTA)は、隣接する透過領域(TA)の間に配置され、非透過領域(NTA)にはピクセル(P)及び信号ラインを配置することができる。
【0055】
特に、非透過領域(NTA)は、光が放出される発光領域(EA)、および光が放出されない非発光領域(NEA)を含むことができる。
【0056】
非透過領域(NTA)の発光領域(EA)では、発光素子(ED)によって光を放出することができ、非透過領域(NTA)の非発光領域(NEA)には、ピクセル(P)を構成するピクセル駆動回路およびピクセル(P)に連結した信号ラインを具備することができる。
【0057】
また、非発光領域(NEA)には、発光領域(EA)を包んでいるバンクを具備することができる。
【0058】
信号ラインは、非透過領域(NTA)において第1方向(またはXYZ座標系でY軸方向)に延びる第1信号ラインおよび第1方向とは異なる第2方向(またはXYZ座標系でX軸方向)に延びる第2信号ラインを含むことができる。例えば、第1信号ラインはデータライン(DL)およびセンシングライン(SL)を含み、第2信号ラインはゲートライン(GL)を含むことができる。
【0059】
非透過領域(NTA)には、4つのピクセル(P)を含む単位ピクセル(UP)を具備することができる。単位ピクセル(UP)を介して白色光を放出することができる。
【0060】
単位ピクセル(UP)は、第1ピクセル(P1)、第2ピクセル(P2)、第3ピクセル(P3)及びホワイトピクセル(PW)を含むことができる。第1ピクセル(P1)は第1色の光を放出する第1発光領域(EA1)を含み、第2ピクセル(P2)は第2色の光を放出する第2発光領域(EA2)を含み、第3ピクセル(P3)は第3色の光を放出する第3発光領域(EA3)を含み、ホワイトピクセル(PW)は白色光を放出する白色発光領域(EAW)を含むことができる。
【0061】
例えば、第1発光領域(EA1)は青色光を放出することができ、第2発光領域(EA2)は赤色光を放出することができ、第3の光領域(EA3)は緑色光を放出することができ、白色発光領域(EAW)は白色光を放出することができる。
【0062】
すなわち、本明細書に適用される単位ピクセル(UP)には、白色光を放出する白色発光領域(EAW)が必ず具備される。
【0063】
透過領域(TA)は、隣接する非透過領域(NTA)の間に配置することができ、透過領域(TA)には、ピクセル(P1、P2、P3、PW)を構成する発光素子及びピクセル駆動回路(PDC)を具備しないことがあり得る。
【0064】
すなわち、透過領域(TA)には、非透過要素または不透明な要素を配置しなくてもよく、これにより、透過領域(TA)は光透過率が高い領域であり得る。
【0065】
例えば、透過領域(TA)は、ピクセル(P1、P2、P3、PW)を構成するピクセル駆動回路と重畳しないことがあり得る。また、透過領域(TA)は、ピクセル(P1、P2、P3、PW)を構成する発光素子と重畳しないことがあり得る。
【0066】
例えば、透過領域(TA)は、図4及び図5に示すように、第1方向(又はY軸方向)に沿って非透過領域(NTA)と交互に配置することができ、第2方向(またはX軸方向)に沿って非透過領域(NTA)と交互に配置することができる。
【0067】
また他の例として、透過領域(TA)は非透過領域(NTA)を囲むように配置することができ、または非透過領域(NTA)は透過領域(TA)を囲むように配置することができる。
【0068】
以下では、説明の便宜のため、単位ピクセル(UP)を構成する4つのピクセル(P1、P2、P3、PW)のうち、ホワイトピクセル(PW)を除いた残りのピクセル(P1、P2、P3)それぞれをカラーピクセルと呼ぶ。特に、カラーピクセルを区別する必要がない場合、カラーピクセルの図面符号にはピクセルと同じPを付与することができる。
【0069】
すなわち、発光表示パネル100の表示領域(DA)には単位ピクセル(UP)が具備され、単位ピクセル(UP)の各々は、1つのホワイトピクセル(PW)及び3つのカラーピクセル(P1、P2、P3)を含むことができる。
【0070】
カラーピクセル(P1、P2、P3)は、上述したように、青色光、赤色光および緑色光を放出することができるが、本明細書はこれに限定されない。したがって、カラーピクセル(P1、P2、P3)は、また他の組み合わせのカラー光を放出することができる。
【0071】
カラーピクセル(P1、P2、P3)のそれぞれには、カラーフィルタが具備される。すなわち、カラーフィルタの色によって、カラーピクセル(P1、P2、P3)のそれぞれから放出される光の色を決定することができる。
【0072】
ホワイトピクセル(PW)では白色光が放出されるため、ホワイトピクセル(PW)にはカラーフィルタを具備しない。
【0073】
ホワイトピクセル(PW)の外郭には、図4及び図5に示すように、ホワイトピクセル(PW)の外郭を包んでいるフッ素系保護層(FSL)を具備することができる。
【0074】
特に、フッ素系保護層(FSL)は、ホワイトピクセル(PW)の外郭を包んでいるバンクの上端に具備することができる。バンクは、上述したように、発光領域(EA)を包んでいる非発光領域(NEA)に具備することができる。
【0075】
この場合、フッ素系保護層(FSL)の内部に具備された発光層とフッ素系保護層(FSL)の外部に具備された発光層は、フッ素系保護層(FSL)によって分離することができる。
【0076】
フッ素系保護層(FSL)の内部に具備された発光層とフッ素系保護層(FSL)の外部に具備された発光層がフッ素系保護層(FSL)によって完全に分離されていなくても、フッ素系保護層(FSL)の内部に具備された発光層とフッ素系保護層(FSL)の外部に具備された発光層との間の長さは、フッ素系保護層(FSL)によって長くなり得る。
【0077】
これにより、発光層を通る透湿経路が遮断されたり、長くなったりすることができる。
【0078】
したがって、カラーピクセル(P1、P2、P3)からホワイトピクセル(PW)への水分浸透を防止することができ、ホワイトピクセル(PW)からカラーピクセル(P1、P2、P3)への水分浸透が防止することができる。
【0079】
フッ素系保護層(FSL)は、発光表示パネル100の製造工程で用いられるフッ素系物質を含むことができる。例えば、フッ素系物質は、発光表示パネル100の有機層をパターニングする工程で有機層のエッチングストッパーの機能を果たすか、またはパターンマスクの機能をすることができる物質であり得る。
【0080】
より具体的には、フッ素系物質はフッ素重合体(Floropolymer)であり得る。フッ素重合体では、炭素-炭素の結合が鎖構造で連続的になされ、フッ素重合体の作用基(または官能基)には大量のフッ素(F)が含まれる。
【0081】
フッ素系物質は、多量のフッ素(F)を含有しており、したがって、直交性(orthogonality)を有することができる。直交性は、ある2つの事物が相互間に関係なく独立して存在する特性を意味することができる。これにより、フッ素系物質は、水との親和力が小さい疎水性と油との親和力が小さい疎油性の両方を有することができる。このような直交性により、フッ素系物質は、水分と分離することができ、または水分を排斥させることができる。フッ素系物質の適用の有無は、TOF-SIMS(Time of flight secondary ion mass spectrometer)分析によって確認することができる。
【0082】
したがって、上述したように、フッ素系保護層(FSL)により、ピクセル間の水分浸透および水分伝達を防止または低減することができる。
【0083】
また、フッ素系保護層(FSL)の内部に具備された発光層とフッ素系保護層(FSL)の外部に具備された発光層が、フッ素系保護層(FSL)によって完全にまたは部分的に分離され得、フッ素系保護層(FSL)の内部に具備された発光層とフッ素系保護層(FSL)の外部に具備された発光層の間の長さが、フッ素系保護層(FSL)によって長くなり得る。
【0084】
これにより、発光層を通る漏れ電流を低減することができる。
【0085】
例えば、フッ素系保護層(FSL)は、逆テーパ(Taper)構造を有することができ、これにより、有機物で形成された発光層は、フッ素系保護層(FSL)で切断され得、したがって、カラーピクセルからホワイトピクセル(PW)への漏れ電流およびホワイトピクセル(PW)からカラーピクセルへの漏れ電流を低減または除去することができる。
【0086】
また、フッ素系保護層(FSL)は、発光層より大きな抵抗成分を有しているため、発光層が切れていない場合、フッ素系保護層(FSL)よりむしろ発光層を介して漏れ電流が流れ得る。しかし、カラーピクセルとホワイトピクセル(PW)の間に具備された発光層の長さがフッ素系保護層(FSL)によって長くなるため、カラーピクセルとホワイトピクセル(PW)の間の漏れ電流を低減することができる。
【0087】
この場合、発光層上端に具備されるカソードは、高いステップカバレッジ(Step Coverage)を有するスパッタ(Sputter)工程により発光表示パネルに具備することができるため、逆テーパ形態のフッ素系保護層(FSL)を連続して形成することができる。
【0088】
したがって、全てのピクセルには、カソードを介して同じ電圧を供給することができる。
【0089】
ホワイトピクセル(PW)は、図4に示すような形態で具備することもでき、図5に示すような形態で具備することができる。特に、ホワイトピクセル(PW)の外郭のうちの少なくとも1つの外郭には、光が透過する透過領域(TA)を具備することができる。
【0090】
例えば、ホワイトピクセル(PW)は、図4に示すように、データライン(DL)に沿って具備され、データライン(DL)の一側にのみ具備することができる。具体的に説明すると、第nデータライン(DLn)に沿って具備されたホワイトピクセル(PW)は、第nデータライン(DLn)の右側にのみ具備することができる。nは、自然数である。
【0091】
この場合、ホワイトピクセル(PW)の間には、カラーピクセルのうちのいずれか1つを具備することができ、ホワイトピクセル(PW)の右側には、透過領域(TA)を具備することができる。
【0092】
具体的に説明すると、基板101に具備された第nデータライン(DLn)に沿って単位ピクセル(UP)が具備され、単位ピクセル(UP)のそれぞれは、3つのカラーピクセル(P1、P2、P3)及びホワイトピクセル(PW)を含み、3つのカラーピクセル(P1、P2、P3)のうち、第1カラーピクセル(P1)と第2カラーピクセル(P2)は、第nデータライン(DLn)を境界に配置することができ、3つのカラーピクセルのうち、第3カラーピクセル(P3)とホワイトピクセル(PW)は、第nデータライン(DLn)を境界に配置することができる。例えば、第3カラーピクセル(P3)は、第nデータライン(DLn)の左側に具備することができ、ホワイトピクセル(PW)は、第nデータライン(DLn)の右側に具備することができる。
【0093】
単位ピクセル(UP)に具備される3つのカラーピクセル(P1、P2、P3)及びホワイトピクセル(PW)のうち、ホワイトピクセル(PW)の外郭のみにフッ素系保護層(FSL)を具備することができる。
【0094】
この場合、第nデータライン(DLn)を境界に左側に具備された第1ピクセル(P1)及び第3ピクセル(P3)の左側には光が透過する透過領域(TA)(例えば、第1透過領域)を具備することができ、第nデータライン(DLn)を境界に右側に具備された第2ピクセル(P2)及びホワイトピクセル(PW)の右側には、光が透過する透過領域(TA)(例えば、第2透過領域)を具備することができる。
【0095】
上で説明したように、ホワイトピクセル(PW)に隣接した透過領域(TA)を介して流入した水分は、ホワイトピクセル(PW)を包んでいるフッ素系保護層(FSL)により、ホワイトピクセル(PW)に隣接するカラーピクセルには伝達されず、カラーピクセルに流入した水分も、ホワイトピクセル(PW)を包んでいるフッ素系保護層(FSL)によってホワイトピクセル(PW)に伝達されない。
【0096】
また、ホワイトピクセル(PW)に隣接するカラーピクセルとホワイトピクセル(PW)との間では、フッ素系保護層(FSL)によって、漏れ電流が伝達されないか減少させることができる。
【0097】
また他の例として、ホワイトピクセル(PW)は、図5に示すように、データライン(DL)の左側および右側に交互に具備することができる。特に、ホワイトピクセル(PW)の外郭のうちの少なくとも1つの外郭には、光が透過する透過領域(TA)を具備することができる。
【0098】
具体的に説明すると、第nデータライン(DLn)に沿って単位ピクセル(UP)が具備され、単位ピクセル(UP)のうちの第1単位ピクセル(UP1)に具備された前記ホワイトピクセル(PW)は、第nデータライン(DLn)の右側に具備され、単位ピクセル(UP)のうちの第2単位ピクセル(UP2)に具備されたホワイトピクセル(PW)は、第nデータライン(DLn)の左側に具備され、単位ピクセル(UP)のうちの第3単位ピクセル(UP3)に具備されたホワイトピクセル(PW)は、第nデータライン(DLn)の右側に具備することができる。
【0099】
この場合、ホワイトピクセル(PW)は、単位ピクセルの左側および右側に具備された透過領域(TA)に交互に隣接することができる。例えば、第1単位ピクセル(UP1)に具備されたホワイトピクセル(PW)は、第1単位ピクセル(UP1)の右側に具備された透過領域(TA)に隣接することができ、第2単位ピクセル(UP2)に具備されたホワイトピクセル(PW)は、第2単位ピクセル(UP2)の左側に具備された透過領域(TA)に隣接することができ、第3単位ピクセル(UP3)に具備されたホワイトピクセル(PW)は、第3単位ピクセル(UP3)の右側に具備された透過領域(TA)に隣接することができる。
【0100】
したがって、単位ピクセル(UP)の左側に具備された透過領域(TA)からホワイトピクセル(PW)に流入した水分は、ホワイトピクセル(PW)を包んでいるフッ素系保護層(FSL)により、ホワイトピクセル(PW)に隣接するカラーピクセルに伝達されず、単位ピクセル(UP)の右側に具備された透過領域(TA)からカラーピクセルに流入した水分も、ホワイトピクセル(PW)を包んでいるフッ素系保護層(FSL)によってホワイトピクセル(PW)に伝達されない。
【0101】
また、単位ピクセル(UP)の右側に具備された透過領域(TA)からホワイトピクセル(PW)に流入した水分は、ホワイトピクセル(PW)を包んでいるフッ素系保護層(FSL)により、ホワイトピクセル(PW)に隣接するカラーピクセルに伝達されず、単位ピクセル(UP)の左側に具備された透過領域(TA)からカラーピクセルに流入した水分も、ホワイトピクセル(PW)を包んでいるフッ素系保護層(FSL)によってホワイトピクセル(PW)に伝達されない。
【0102】
また、ホワイトピクセル(PW)に隣接するカラーピクセルとホワイトピクセル(PW)の間では、フッ素系保護層(FSL)により、漏れ電流が伝達されないか減少することができる。
【0103】
したがって、本明細書による発光表示装置によれば、ホワイトピクセル(PW)とカラーピクセル(P1、P2、P3)の間の水分伝達を防止または低減することができ、カラーピクセル(P1、P2、P3)間の漏れ電流を低減または防止することができる。これにより、発光表示装置の品質を向上させることができる。
【0104】
図6は、図4に示したK-K’線に沿って切断した断面を示す例示図であり、図7は、図4に示したL-L’線に沿って切断した断面を示す例示図である。図8は、図4に示したK-K'線に沿って切断した断面を示すまた他の例示図である。特に、図6は隣接するカラーピクセル(例えば、第3ピクセル(P3))とホワイトピクセル(PW)の断面を示す例示図であり、図7は隣接する2つのカラーピクセル(例えば、第1カラーピクセル(P1)および第2カラーピクセル(P2))の断面を示す例示図であり、図8は、ホワイトピクセル(PW)に異物が含まれている断面を示す例示図である。
【0105】
上で説明したように、本明細書による発光表示装置は、表示領域(DA)と非表示領域(NDA)を含む基板101、表示領域(DA)に具備されるホワイトピクセル(PW)およびカラーピクセル(P)およびホワイトピクセル(PW)の外郭を包むフッ素系保護層(FSL)を含むことができる。
【0106】
例えば、図6及び図7を参照すると、基板101上にはピクセル駆動回路層102が具備され、ピクセル駆動回路層102は平坦層103によってカバーされ、平坦層103の上端にはアノード(AN)が具備され、アノード(AN)の外郭はバンク(BK)によってカバーされ、アノード(AN)とバンク(BK)は発光層(EL)によってカバーされ、発光層はカソード(CA)でカバーされ、カソード(CA)は封止層104によってカバーされる。封止層104の上端のうち、カラーピクセル(P1、P2、P3)に対応する領域にはカラーフィルタ(CF)が具備され、カラーフィルタ(CF)の間にはブラックマトリックス(BM)が具備され、カラーフィルタ(CF)とブラックマトリックス(BM)は封止基板105に具備することができる。
【0107】
まず、基板101は、透明ガラス基板または透明プラスチック基板であり得る。
【0108】
基板101上には、ピクセル駆動回路層102を具備することができる。ピクセル駆動回路層102は、少なくとも2つの絶縁層および少なくとも2つの金属層を含み、ピクセル駆動回路層102には、図2を参照して説明したトランジスタ(Tsw1、Tsw2、Tdr)を具備することができる。図6及び図7には、図2に示したトランジスタ(Tsw1、Tsw2、Tdr)のうちの駆動トランジスタ(Tdr)が示されている。図6及び図7に示す発光表示パネル100には、カソード(CA)の上端にカラーフィルタ(CF)が具備されている。したがって、発光素子(ED)で生成された光は、カソード(CA)およびカラーフィルタ(CF)を介して外部に放出され得る。これにより、発光領域(EA)には、ピクセル駆動回路(PDC)に含まれるトランジスタ(Tsw1、Tsw2、Tdr)のうちの少なくとも一つを具備することができ、例えば図6及び図7に示すように、駆動トランジスタ(Tdr)を具備することができる。したがって、以下の説明では、特に駆動トランジスタ(Tdr)に言及する必要がない場合には、図6および図7に示す駆動トランジスタ(Tdr)をトランジスタとして参照できる。
【0109】
ピクセル駆動回路層102は、遮光層(LS)、遮光層(LS)をカバーするバッファ層102a、バッファ層102a上端に具備されるアクティブ(ACT)、アクティブ(ACT)上端に具備されるゲート絶縁層(GI)、ゲート絶縁層(GI)の上端に具備されるゲート(G)、ゲート(G)をカバーする保護層102b、及び保護層102b上に具備されるソース/ドレイン(SD)を含むことができる。ピクセル駆動回路層102は、ソース/ドレイン(SD)をカバーするまた他の保護層をさらに含むことができる。また他の保護層は、平坦層103に含むこともできる。
【0110】
遮光層(LS)は、非透過領域(NTA)に配置することができる。遮光層(LS)は、ピクセル駆動回路層102に具備されるトランジスタと重畳するように配置することができ、特に駆動トランジスタ(Tdr)と重畳するように配置することができる。
【0111】
例えば、遮光層(LS)は、駆動トランジスタ(Tdr)のアクティブ(ACT)と重畳するように配置され、外部からアクティブ(ACT)に入射する外部光を遮断する役割を果たすことができる。遮光層(LS)は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のうちのいずれか1つで構成することができる。またはそれらの合金からなることができ、単一層または多重層で形成することもできる。
【0112】
基板101上には、遮光層(LS)と共に信号ラインを具備することができる。信号ラインは、例えばデータライン(DL)であり得る。
【0113】
バッファ層102a、ゲート絶縁層(GI)及び保護層102bは、絶縁層であり得、遮光層(LS)、ゲート(G)及びソース/ドレイン(SD)は、金属層であり得る。
【0114】
ピクセル駆動回路層102に具備されるトランジスタ(Tsw1、Tsw2、Tdr)のそれぞれは、アクティブ(ACT)、ゲート絶縁層(GI)及びゲート(G)によって形成することができる。
【0115】
バッファ層102aは、単一層で形成することができ、または少なくとも2つの無機層で形成することもできる。例えば、バッファ層102aは、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、およびシリコン酸化窒化物(SiOxNy)のうちのいずれか1つを用いて単一層で形成することができる。また、バッファ層102aは、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、及びシリコン酸化窒化物(SiOxNy)のうちの少なくとも2つの物質を用いて多重層に形成することもできる。
【0116】
バッファ層102aは、基板101から拡散するイオンや不純物を遮断し、基板101を介して薄膜トランジスタ(TFT)や発光素子に浸透する水分を遮断するために、基板101の上面全体に形成することができる。
【0117】
バッファ層102a上にはアクティブ(ACT)を配置することができる。アクティブ(ACT)は、シリコン系半導体物質または酸化物系半導体物質で形成することができる。アクティブ(ACT)は、ゲート(G)と重畳するチャネル領域、およびチャネル領域の両端に具備されるソース/ドレイン領域を含むことができる。
【0118】
アクティブ(ACT)上には、ゲート絶縁層(GI)を具備することができる。ゲート絶縁層(GI)は、アクティブ(ACT)とゲート(G)を絶縁する機能を実行することができる。ゲート絶縁層(GI)は、無機絶縁物質で形成することができる。例えば、ゲート絶縁層(GI)は、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、及びシリコン酸化窒化物(SiOxNy)のうちのいずれか1つを用いて単一層で形成することができる。また、ゲート絶縁層(GI)は、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、及びシリコン酸化窒化物(SiOxNy)のうちの少なくとも2つの物質を用いて多重層で形成することもできる。
【0119】
ゲート絶縁層(GI)は、図6に示すように、アクティブ(ACT)上端のうち、ゲート(G)に対応する領域のみに具備することができ、又はアクティブ(ACT)全体をカバーするように具備することもできる。
【0120】
したがって、ゲート絶縁層(GI)は、非透過領域(NTA)にのみ具備することができる。また、ゲート絶縁層(GI)が透過領域(TA)に具備されていても、透過領域(TA)の光透過率を向上させるために、ゲート絶縁層(GI)は透過領域(TA)の一部にのみ配置することもできる。
【0121】
ゲート絶縁層(GI)上には、ゲート(G)を具備することができる。ゲート(G)は、ゲート絶縁層(GI)を挟んでアクティブ(ACT)と重畳するように具備することができる。
【0122】
ゲート(G)は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のなかのいずれか1つで形成するか、またはそれらの合金で構成することができ、単一層または多重層で形成することができる。
【0123】
ゲート(G)及びバッファ層102a上には、保護層102bを具備することができる。保護層102bは、ゲート(G)をカバーするように具備することができる。保護層102bは、トランジスタを保護する機能を果たすことができる。保護層102bは、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)およびシリコン酸化窒化物(SiOxNy)のうちの少なくとも1つを用いて単一層で形成するか、多重層で形成することができる。
【0124】
保護層102bは、非透過領域(NTA)に配置することができる。また、保護層102bが透過領域(TA)に具備されていても、透過領域(TA)の光透過率を向上させるために、保護層102bは、透過領域(TA)の一部のみに具備することもできる。
【0125】
保護層102b上には、ソース/ドレイン(SD)を配置することができる。ソース/ドレイン(SD)は、保護層102bに形成されたトランジスタコンタクトホールを介してトランジスタの第1電極または第2電極に連結することができる。
【0126】
トランジスタの第1電極または第2電極は、アクティブ(ACT)のチャネル領域の両端に具備されるソース/ドレイン領域とすることができる。
【0127】
例えば、保護層102b上に具備されるいずれか1つのソース/ドレイン(SD)は、トランジスタの第1電極に連結することができ、第1保護層102b上に具備されるまた他のソース/ドレイン(SD)は、トランジスタの第2電極に連結することができる。
【0128】
ソース/ドレイン(SD)は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のうちのいずれか1つで形成するか、それらの合金で形成することができ、単一層または多重層で形成することができる。
【0129】
次に、ピクセル駆動回路層102の上端には、平坦層103を具備することができる。平坦層103は、トランジスタをカバーして保護する機能をすることができ、ピクセル駆動回路層102の上端を平坦にする機能をすることができる。
【0130】
平坦層103は、有機物及び無機物の少なくとも1つを用いて形成することができ、単一層又は多重層で形成することができる。
【0131】
例えば、平坦層103は、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)及びシリコン酸化窒化膜(SiOxNy)のうちの少なくとも1つを用いて単一層で形成するか、多重層で形成することができる。
【0132】
平坦層103のうち、非透過領域(NTA)と透過領域(TA)の境界部分には、段差が形成され得る。この場合、図6及び図7に示すように、透過領域(TA)に具備された平坦層103の高さ(A)は、非透過領域(NTA)に具備された平坦層103の高さ(B)より低いことがあり得る。平坦層103の高さが減少するにつれて、透過領域(TA)における光透過率を向上させることができる。
【0133】
透過領域(TA)及び非透過領域(NTA)の境界部分における平坦層103の段差は、透過領域(TA)に具備された平坦層103をエッチングすることによって形成され得、あるいは、透過領域(TA)のうちの平坦層103の下端には、バッファ層102aおよびゲート絶縁層(GI)などが具備されないので形成されることもあり得る。
【0134】
次に、平坦層103の上端にアノード(AN)を具備することができる。アノード(AN)は、非透過領域(NTA)に配置することができる。
【0135】
アノード(AN)は、平坦層103を貫通するトランジスタコンタクトホールを介して駆動トランジスタ(Tdr)の第1電極または第2電極に連結することができる。
【0136】
アノード(AN)は、金属、金属合金、または金属と酸化物の組み合わせで形成することができる。例えば、アノード(AN)は、透明導電物質からなる透明電極層および反射効率の高い不透明導電物質からなる反射電極層を含む多層構造で形成することができる。
【0137】
アノード(AN)の透明電極層は、インジウム-チン-オキシド(Indium Tin Oxide;ITO)またはインジウム-ジンク-オキシド(Indium Zinc Oxide;IZO)などの仕事関数値が比較的大きい材質で形成することができる。アノード(AN)の反射電極層は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、タングステン(W)のうちのいずれか1つ、またはこれらの合金で形成することができる。
【0138】
具体的には、アノード(AN)は、透明電極層、反射電極層及び透明電極層が順に積層された構造で形成するか、透明電極層及び反射電極層が順に積層された構造で形成することができ、その他にも、様々な組み合わせで形成することができる。
【0139】
次に、アノード(AN)の外郭には、バンク(BK)を具備することができる。特に、バンク(BK)は、非透過領域(NTA)に具備することができる。
【0140】
例えば、バンク(BK)は、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、及びシリコン酸化窒化物(SiOxNy)などの無機物からなることができる。また、バンク(BK)は、ポリイミド(polyimide)、アクリレート(acrylate)、及びベンゾシクロブテン系樹脂(benzocyclobutene series resin)などの有機物からなることができる。
【0141】
バンク(BK)は、アノード(AN)の端部をカバーする。アノード(AN)のうち、バンク(BK)によってカバーされていない領域(以下、単に開口部という)では、光を出力することができる。したがって、バンク(BK)によって露出したアノード(AN)の開口部が発光領域(EA)になり得、バンク(BK)が形成された部分は非発光領域(NEA)になり得る。
【0142】
また、バンク(BK)によって、カラーピクセル(P1、P2、P3)及びホワイトピクセル(PW)のそれぞれを区分することができ、バンク(BK)によって透過領域(TA)と非透過領域(NTA)を区別することができる。
【0143】
この場合、透過領域(TA)に隣接しているバンク(BK)は、図6及び図7に示すように、平坦層103の傾斜面に対応する傾斜面を含むことができる。
【0144】
例えば、バンク(BK)の傾斜面は、平坦層103の傾斜面と同一または類似の傾斜角を有することができ、この場合、バンク(BK)の傾斜面と平坦層103の傾斜面は、連続するようにつながることができる。または、バンク(BK)の傾斜面は、平坦層103の傾斜面よりも低い傾斜角を有することができ、この場合、バンク(BK)の傾斜面と平坦層103の傾斜面は、連続するようにつながることができる。または、バンク(BK)の傾斜面は、平坦層103の傾斜面と互い違いなることができ、この場合、バンク(BK)と平坦層103の間に階段形態の構造が形成され得る。
【0145】
次に、バンク(BK)のうちのホワイトピクセル(PW)の外郭を包んでいるバンク(BK)の上端には、フッ素系保護層(FSL)を具備することができる。
【0146】
例えば、図4図6に示すように、ホワイトピクセル(PW)を包んでいるバンク(BK)の上端には、フッ素系保護層(FSL)を具備することができる。したがって、ホワイトピクセルの開口部は、フッ素系保護層(FSL)によって包まれ得る。
【0147】
しかし、図4図7に示すように、カラーピクセル(P1、P2、P3)を包んでいるバンク(BK)の上端には、フッ素系保護層(FSL)が具備されない。
【0148】
この場合、カラーピクセル(P1、P2、P3)を包んでいるバンク(BK)のうち、ホワイトピクセル(PW)に隣接しているバンク(BK)には、フッ素系保護層(FSL)を具備することができる。しかし、カラーピクセル(P1、P2、P3)を包んでいるバンク(BK)のうち、ホワイトピクセル(PW)に隣接しているバンク(BK)に具備されたフッ素系保護層(FSL)は、カラーピクセル(P1、P2、P3)それぞれの 外郭を包んでいる。
【0149】
例えば、図4及び図6に示すように、第3カラーピクセル(P3)とホワイトピクセル(PW)の間に具備されたバンク(BK)の上端には、フッ素系保護層(FSL)を具備することができる。しかし、第3カラーピクセル(P3)とホワイトピクセル(PW)の間のバンク(BK)の上端に具備されたフッ素系保護層(FSL)は、ホワイトピクセル(PW)の4つの外郭全体を包み込んでおり、第3カラーピクセル(P3)の4つの輪郭のうちの1つだけを包んでいる。
【0150】
フッ素系保護層(FSL)は、下端部の幅が上端部の幅より小さい逆テーパ(Taper)構造で形成することができる。フッ素系保護層(FSL)の逆テーパ構造により、有機物で形成された発光層(EL)は、フッ素系保護層(FSL)に連続的に形成することができない。
【0151】
フッ素系保護層(FSL)は、発光表示パネル100の製造工程で用いられる様々な物質のうちの1つで形成することができる。
【0152】
例えば、フッ素系保護層(FSL)は、フッ素重合体(floropolymer)で形成することができる。フッ素重合体では、炭素-炭素の結合が鎖構造で連続的になされ、フッ素重合体の作用基(または官能基)には、大量のフッ素(F)が含まれる。
【0153】
上述したように、フッ素系保護層(FSL)は、多量のフッ素(F)を含有しており、したがって、直交性(orthogonality)を有することができる。直交性は、ある2つの事物が相互間に関係なく独立して存在する特性として理解することができる。これにより、フッ素系保護層(FSL)は、水との親和力が小さい疎水性(hydrophobic)と油との親和力が小さい疎油性(oleophobic)の両方を有することができる。この直交性により、フッ素系保護層(FSL)は、水分から分離することができ、または水分を排斥することができる。
【0154】
したがって、上述したように、フッ素系保護層(FSL)により、ホワイトピクセル(PW)とカラーピクセルの間の水分浸透および水分伝達を防止することができる。
【0155】
次に、アノード(AN)及びバンク(BK)の上端には、発光層(EL)が具備される。
【0156】
したがって、発光層(EL)は、非透過領域(NTA)に具備することができる。しかし、発光層(EL)は、透過領域(TA)にも具備することができる。図6及び図7には、非透過領域(NTA)のみに発光層(EL)を具備した発光表示パネル100が示されている。
【0157】
上述したように、フッ素系保護層(FSL)は、下端部の幅が上端部の幅より小さい逆テーパ構造で形成することができる。すなわち、フッ素系保護層(FSL)の上端の幅は、フッ素系保護層(FSL)の下端の幅より大きいことがあり得る。
【0158】
これにより、有機物で形成された発光層(EL)をフッ素系保護層(FSL)で連続的に形成することができない。
【0159】
特に、フッ素系保護層(FSL)によって包まれた発光層(EL)とフッ素系保護層(FSL)の外部に具備された発光層(EL)は、フッ素系保護層(FSL)によって分離され得る。
【0160】
フッ素系保護層(FSL)によって包まれた発光層(EL)は、ホワイトピクセル(PW)に具備されたアノード(AN)をカバーする発光層(EL)を意味することができる。フッ素系保護層(FSL)の外部に具備された発光層(EL)は、カラーピクセル(P1、P2、P3)に具備されたアノード(AN)をカバーする発光層(EL)を意味することができる。
【0161】
さらに説明すると、ホワイトピクセル(PW)に具備されたアノード(AN)をカバーする発光層(EL)と、カラーピクセル(P1、P2、P3)のアノード(AN)をカバーする発光層(EL)は、フッ素系保護層(FSL)によって分離され得る。
【0162】
以下では、説明の便宜のため、フッ素系保護層(FSL)によって包まれた発光層(EL)は、白色発光層(ELW)とし、フッ素系保護層(FSL)の外部に具備された発光層(EL)は、カラー発光層(ELC)とする。
【0163】
白色発光層(ELW)とカラー発光層(ELC)がフッ素系保護層(FSL)によって分離されているため、白色発光層(ELW)に流入した水分がカラー発光層(ELC)に伝達することができず、カラー発光層(ELC)に流入した水分が白色発光層(ELW)に流入することができない。
【0164】
したがって、水分浸透による発光素子(ED)の品質低下および寿命短縮を防止することができる。
【0165】
また、白色発光層(ELW)とカラー発光層(ELC)が連結した部分が発生しても、フッ素系物質で形成されたフッ素系保護層(FSL)には水分が伝達できないため、水分は白色発光層(ELW)とカラー発光層(ELC)を介して伝達される。しかし、フッ素系保護層(FSL)により、白色発光層(ELW)とカラー発光層(ELC)の間の間隔が長くなるため、水分浸透経路が長くなり得る。したがって、白色発光層(ELW)とカラー発光層(ELC)を介して水分が伝達され難く、白色発光層(ELW)とカラー発光層(ELC)を介して水分が伝達される期間も長くなり得る。これにより、水分浸透による発光素子(ED)の品質低下および寿命短縮を防止することができる。
【0166】
また、白色発光層(ELW)とカラー発光層(ELC)がフッ素系保護層(FSL)によって分離されているため、ホワイトピクセル(PW)とカラーピクセル(P1、P2、P3)の間での漏れ電流を防ぐことができる。
【0167】
例えば、ピクセル間の漏れ電流は、発光層を介して伝達される。しかし、上述したように、白色発光層(ELW)とカラー発光層(ELC)がフッ素系保護層(FSL)によって分離されているため、ホワイトピクセル(PW)で発生した漏れ電流はカラーピクセル(P1、P2、P3)に伝達され難く、カラーピクセル(P1、P2、P3)で発生した漏れ電流もホワイトピクセル(PW)に伝達され難い。
【0168】
これにより、漏れ電流による映像の品質低下を防止することができる。
【0169】
次に、発光層(EL)の上端には、カソード(CA)が具備される。カソード(CA)は、フッ素系保護層(FSL)で分離されていない。
【0170】
カソード(CA)は、非透過領域(NTA)のみに具備することができるが、透過領域(TA)全体または透過領域(TA)の一部のみに具備することができる。図6及び図7には、非透過領域(NTA)のみにカソード(CA)が具備された発光表示パネル100が示されている。
【0171】
上述したように、カソード(CA)は、高いステップカバレッジ(Step Coverage)を有するスパッタ(Sputter)工程により発光表示パネルに具備することができるため、逆テーパ形態のフッ素系保護層(FSL)に沿って連続的に形成することができる。
【0172】
したがって、全てのピクセル(P)にカソード(CA)を介して同じ電圧を供給することができる。
【0173】
次に、基板101の全面には、封止層104を具備することができる。封止層104は、透過領域(TA)および非透過領域(NTA)の両方に具備することができる。
【0174】
封止層104は、例えば、フッ化リチウム(LiF)を含むことができ、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)及びシリコン酸化窒化物(SiOxNy)などの無機物を含むこともできる。また、封止層104は、有機物と無機物とを含む多重層で構成することもできる。
【0175】
封止層104は、カラーフィルタ(CF)とブラックマトリックス(BM)を具備した封止基板105と基板101を合着させるための接着物質であることもできる。
【0176】
次に、封止層104の上端のうち、カラーピクセル(P1、P2、P3)に対応する領域には、カラーフィルタ(CF)を具備することができる。すなわち、カラーピクセル(P1、P2、P3)の上端には、カラーフィルタ(CF)を具備することができる。特に、カラーフィルタ(CF)は、カラーピクセル(P1、P2、P3)に具備されたアノード(AN)に対応するように具備することができる。
【0177】
例えば、第1ピクセル(P1)には青色のカラーフィルタ(CF)を具備することができ、第2ピクセル(P2)には赤色のカラーフィルタ(CF)を具備することができ、第3ピクセル(P3)には緑色のカラーフィルタ(CF)を具備することができる。これにより、第1ピクセル(P1)では青色光を出力することができ、第2ピクセル(P2)では赤色光を出力することができ、第3ピクセル(P3)では緑色光を出力することができる。
【0178】
しかし、ホワイトピクセル(PW)自体では、白色光が出力されるため、封止層104の上端のうちのホワイトピクセル(PW)に対応する領域には、カラーフィルタ(CF)が具備されない。すなわち、ホワイトピクセル(PW)の上端には、カラーフィルタが具備されない。
【0179】
次に、カラーフィルタ(CF)の間には、ブラックマトリックス(BM)を具備することができる。ブラックマトリックス(BM)によってカラーフィルタ(CF)を区分することができる。ブラックマトリックス(BM)は、ピクセル(P)を包んでいるバンク(BK)と対向するように具備することができる。
【0180】
ホワイトピクセル(PW)を包んでいるバンク(BK)に具備されたフッ素系保護層(FSL)の上端にも、ブラックマトリックス(BM)を具備することができる。したがって、ブラックマトリックス(BM)は、ホワイトピクセルを包むように具備することができる。
【0181】
最後に、ブラックマトリックス(BM)及びカラーフィルタ(CF)の上端には、封止基板105を具備することができる。
【0182】
例えば、ブラックマトリックス(BM)及びカラーフィルタ(CF)の上端に、封止基板105を合着することができる。
【0183】
しかし、カラーフィルタ(CF)及びブラックマトリックス(BM)は、封止基板105に具備することができ、カラーフィルタ(CF)及びブラックマトリックス(BM)を具備した封止基板105は、ピクセル(P)を具備した基板101と封止層104を介して合着することができる。
【0184】
または、カラーフィルタ(CF)及びブラックマトリックス(BM)を具備した封止基板105は、封止層104の上端に塗布された接着物質を介して、ピクセル(P)を具備した基板101と合着することもできる。
【0185】
この場合、封止基板105は、透明ガラス基板または透明プラスチック基板であり得る。
【0186】
したがって、カラーピクセル(P1、P2、P3)に具備されたアノード(AN)とカラーフィルタ(CF)の間には、封止層104を具備することができ、ホワイトピクセル(PW)に具備されたアノード(AN)と封止基板105の間には、封止層104を具備することができる。
【0187】
上述したように、フッ素系保護層(FSL)を逆テーパ(Taper)構造で形成することができるため、有機物で形成された発光層(EL)は、フッ素系保護層(FSL)に連続的に形成することができない。また、フッ素系保護層(FSL)は、発光層(EL)よりも大きな抵抗特性を有している。
【0188】
したがって、発光層(EL)を通じた水分の伝達を防止することができ、発光層(EL)を通じた漏れ電流も防止することができる。
【0189】
また、フッ素系保護層(FSL)の上端で発光層(EL)が連続的に形成されていても、フッ素系保護層(FSL)を通じては水分及び漏れ電流が伝達され得ない。この場合、フッ素系保護層(FSL)によって発光層(EL)の経路が長くなるため、水分及び漏れ電流の伝達速度が低下し得る。
【0190】
これにより、ピクセル(P)の性能低下を防止または低減することができる。
【0191】
また、図8に示すように、バンク(BK)の上端にはブラックマトリックス(BM)が具備され、特に、ホワイトピクセル(PW)を包んでいるバンク(BK)の上端にもブラックマトリックス(BM)を具備することができる。
【0192】
この場合、ホワイトピクセル(PW)を包んでいるバンク(BK)の上端にはフッ素系保護層(FSL)を具備することができ、フッ素系保護層(FSL)の上端にはブラックマトリックス(BM)を具備することができる。
【0193】
したがって、図8に示すように、フッ素系保護層(FSL)とブラックマトリックス(BM)の間の間隔(D)は、カラーピクセル(P1、P2、P3)を包んでいるバンク(BK)とブラックマトリックス(BM)の間の間隔(C)より小さい。
【0194】
したがって、透過領域(TA)の封止層104に流入した水分(W)が、フッ素系保護層(FSL)とブラックマトリックス(BM)の間の間隔(D)を介してホワイトピクセル(PW)内部に伝達され難い。また、カラーピクセル(P1、P2、P3)とホワイトピクセル(PW)の間には、フッ素系保護層(FSL)とブラックマトリックス(BM)が具備されているため、ホワイトピクセル(PW)内部の封止層104に水分が流入しても、ホワイトピクセル(PW)内部の封止層104に流入した水分が、フッ素系保護層(FSL)とブラックマトリックス(BM)の間の狭い間隔(D)を介して、カラーピクセル(P1、P2、P3)に伝達することは難しい。
【0195】
また、カラーピクセル(P1、P2、P3)とホワイトピクセル(PW)の間には、フッ素系保護層(FSL)とブラックマトリックス(BM)が具備されているため、カラーピクセル(P1、P2、P3)内部の封止層104に流入した水分が、フッ素系保護層(FSL)とブラックマトリックス(BM)の間の狭い間隔(D)を介して、ホワイトピクセル(PW)に伝達することは難しい。
【0196】
したがって、ピクセル(P)に具備された発光素子(ED)が水分によって毀損される問題を除去または防止することができる。
【0197】
また、上述したように、ホワイトピクセル(PW)にはカラーフィルタ(CF)が具備されておらず、カラーピクセル(P1、P2、P3)にはカラーフィルタ(CF)が具備されている。したがって、カラーピクセル(P1、P2、P3)に具備されたカソード(CA)の上端にはカラーフィルタ(CF)が具備され、ホワイトピクセル(PW)に具備されたカソード(CA)の上端には封止基板105が具備される。
【0198】
この場合、ホワイトピクセル(PW)に具備されたカソード(CA)の上端と封止基板105の間の間隔は、カラーピクセル(P1、P2、P3)に具備されたカソード(CA)の上端とカラーフィルタ(CF)の間の間隔よりも大きい。
【0199】
したがって、発光表示パネル100の製造工程のうち、図8に示すように、ホワイトピクセル(PW)に具備されたカソード(CA)と封止基板105の間に異物(M)が置かれても、異物(M)が封止基板105によって押さえつけられる確率を減少させることができる。
【0200】
異物(M)が封止基板105によって押さえつけられると、異物(M)によってカソード(CA)とアノード(AN)が接触する可能性が高くなる。これにより、異物(M)を具備したホワイトピクセル(PW)が不良ピクセルとなる可能性が高くなる。
【0201】
特に、ホワイトピクセル(PW)が不良ピクセルになると、輝度の減少が大きいため、ホワイトピクセル(PW)を含む単位ピクセル(UP)が正常に駆動できないことがあり得、これにより、発光表示パネルの歩留まりが減少し得る。
【0202】
しかし、本明細書に係る発光表示パネル100では、ホワイトピクセル(PW)に具備されたカソード(CA)の上端と封止基板105の間の間隔が、カラーピクセル(P1、P2、P3)に具備されたカソード(CA)の上端とカラーフィルタ(CF)の間の間隔よりも大きいため、ホワイトピクセル(PW)に具備されたカソード(CA)と封止基板105の間に異物(M)が置かれたとしても、ホワイトピクセル(PW)が異物によって不良ピクセルとなる確率が低い。したがって、発光表示パネル100の歩留まりおよび品質を向上させることができる。
【0203】
本明細書に係る発光表示パネル100では、上述したように、単位ピクセル(UP)が3つのカラーピクセル(P1、P2、P3)及びホワイトピクセル(PW)を含むとき、ホワイトピクセル(PW)を包んでいるバンク(BK)の上端のみにフッ素系保護層(FSL)が具備される。
【0204】
ホワイトピクセル(PW)を包んでいるバンク(BK)の上端のみにフッ素系保護層(FSL)を具備する理由を説明すると次の通りである。
【0205】
例えば、ホワイトピクセル(PW)は、単位ピクセル(UP)の輝度制御に大きな影響を及ぼすため、ホワイトピクセル(PW)の大きさは、カラーピクセル(P1、P2、P3)のそれぞれの大きさよりも大きく形成することができる。また、カラーピクセル(P1、P2、P3)には、カラーフィルタ(CF)を具備する必要があるが、ホワイトピクセル(PW)には、カラーフィルタ(CF)を具備する必要はない。
【0206】
したがって、ホワイトピクセル(PW)を包んでいるバンク(BK)に具備されるフッ素系保護層(FSL)の高さおよび厚さは、発光表示パネル100の解像度に関係なく自由に選択することができる。これにより、ホワイトピクセル(PW)を包んでいるバンク(BK)の上端に様々な高さおよび厚さを有するフッ素系保護層(FSL)を具備することができる。
【0207】
図9A図9Eは、本明細書による発光表示パネルを製造する方法を示す例示図である。以下の説明のうち、図1図8を参照して説明した内容と同一または類似の内容は省略または簡単に説明する。
【0208】
まず、図9Aを参照すると、基板101上には遮光層(LS)、バッファ層102a、アクティブ(ACT)、ゲート絶縁層(GI)、ゲート(G)及びソース/ドレイン(SD)を含むピクセル駆動回路層102を具備することができる。
【0209】
ピクセル駆動回路層102上には、平坦層103を具備することができる。
【0210】
平坦層103上には、アノード(AN)を具備することができる。
【0211】
アノード(AN)の外郭には、バンク(BK)を具備することができる。
【0212】
基板101は、ピクセル(P1、P2、P3、PW)が具備された非透過領域(NTA)及び透過領域(TA)を含むことができる。
【0213】
非透過領域(NTA)に具備されたピクセル駆動回路層102には、トランジスタ(Tsw1、Tsw2、Tdr)及び遮光層(LS)のような非透過要素又は不透明な要素を具備することができる。
【0214】
透過領域(TA)に具備されるピクセル駆動回路層102には、バッファ層102a、ゲート絶縁層(GI)及び保護層102bを配置することができ、非透過要素又は不透明な要素が配置されないことがあり得る。また、透過領域(TA)には、透過領域(TA)の光透過率向上のためにピクセル駆動回路層102を構成するバッファ層102a、ゲート絶縁層(GI)及び保護層102bの少なくとも1つを配置しないこともあり得る。
【0215】
基板101上に具備された平坦層103の透過領域(TA)と非透過領域(NTA)の間には、段差が形成され得、段差による傾斜面を形成することができる。
【0216】
アノード(AN)は、ピクセル(P1、P2、P3、PW)のそれぞれに対応する位置に具備することができる。
【0217】
アノード(AN)は、金属、金属合金、または金属と酸化物の組み合わせで形成することができる。例えば、アノード(AN)は、透明導電物質からなる透明電極層および反射効率の高い不透明導電物質からなる反射電極層を含む多層構造で形成することができる。
【0218】
アノード(AN)の透明電極層は、インジウム-チン-オキシド(Indium Tin Oxide;ITO)またはインジウム-ジンク-オキシド(Indium Zinc Oxide;IZO)などの仕事関数値が比較的大きい材質で形成することができる。アノード(AN)の反射電極層は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、タングステンのうちのいずれか1つ、またはこれらの合金で形成することができる。
【0219】
具体的には、アノード(AN)は、透明電極層、反射電極層及び透明電極層が順に積層された構造で形成するか、透明電極層及び反射電極層が順に積層された構造で形成することができ、その他にも、種々の組み合わせで形成することができる。
【0220】
アノード(AN)の外郭には、バンク(BK)を具備することができる。特に、バンク(BK)は、非透過領域(NTA)に具備することができる。
【0221】
例えば、バンク(BK)は、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、及びシリコン酸化窒化物(SiOxNy)などの無機物からなることができる。また、バンク(BK)は、ポリイミド(polyimide)、アクリレート(acrylate)、及びベンゾシクロブテン系樹脂(benzocyclobutene series resin)などの有機物からなることができる。
【0222】
バンク(BK)は、アノード(AN)の端部をカバーする。アノード(AN)のうちのバンク(BK)によってカバーされていない領域(開口部)では、光を出力することができる。したがって、バンク(BK)によって露出したアノード(AN)の開口部は、発光領域(EA)とすることができ、バンク(BK)が形成された部分は、非発光領域(NEA)とすることができる。
【0223】
また、バンク(BK)によって、カラーピクセル(P1、P2、P3)及びホワイトピクセル(PW)のそれぞれを区分することができ、透過領域(TA)と非透過領域(NTA)を区分することができる。
【0224】
この場合、透過領域(TA)に隣接しているバンク(BK)は、図6及び図7に示すように、平坦層103の傾斜面に対応する傾斜面を含むことができる。
【0225】
例えば、バンク(BK)の傾斜面は、平坦層103の傾斜面と同一または類似の傾斜角を有することができ、この場合、バンク(BK)の傾斜面と平坦層103の傾斜面は、連続するようにつながることができる。または、バンク(BK)の傾斜面は、平坦層103の傾斜面よりも低い傾斜角を有することができ、この場合、バンク(BK)の傾斜面と平坦層103の傾斜面は、連続するようにつながることができる。または、バンク(BK)の傾斜面は、平坦層103の傾斜面とずれていてもよく、この場合、バンク(BK)と平坦層103の間に階段形態の構造を形成することができる。
【0226】
次に、図9Bに示すように、フッ素系物質(SL)によって平坦層103、バンク(BK)及びアノード(AN)をカバーする。フッ素系物質(SL)は、例えばフッ素重合体物質であり得る。フッ素重合体では、炭素-炭素の結合が連鎖構造で連続的になされ、フッ素重合体の作用基(または官能基)には大量のフッ素(F)が含まれる。
【0227】
フッ素系物質(SL)は、多量のフッ素(F)を含有しており、したがって、直交性を有することができる。直交性は、ある2つの事物が相互に関係なく独立して存在する特性として理解することができる。これにより、フッ素系物質(SL)は、水との親和力が少ない疎水性と油との親和力が少ない疎油性を両方有することができる。この直交性により、フッ素系物質(SL)を水分から分離することができ、または水分を排斥することができる。
【0228】
フッ素系物質(SL)は、スピンコーティング(spin coating)またはスリットコーティング(slit coating)技術などを用いて基板101上に具備することができる。
【0229】
フッ素系物質(SL)上には、フォトレジスト層(PR)を具備することができる。フォトレジスト層(PR)は、ポジ型またはネガ型のフォトレジスト物質のうちのいずれか1つを用いて具備することができる。また、フォトレジスト層(PR)を構成するフォトレジスト物質には、界面接着特性を強化するためにSi系の界面活性剤(surfactant)を添加することができる。
【0230】
次に、図9Cを参照すると、フッ素系物質(SL)及びフォトレジスト層(PR)を具備した後、フッ素系物質(SL)の表面一部を露出させるフォトレジストパターン(PRa)を形成するための露光工程を進行することができる。露光工程は、フォトレジスト層(PR)のうちの除去される部分を紫外線(UV)などの光に露光させることによって進行することができる。
【0231】
露光工程が進行した後、露光した部分を現像液を用いて除去し、これにより、フッ素系物質(SL)の表面一部を露出すさせるフォトレジストパターン(PRa)を形成することができる。例えば、フォトレジストパターン(PRa)の現像は、塩基性薬液(TMAH、Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)を用いて進行することができる。
【0232】
次に、図9Dを参照すると、フォトレジストパターン(PRa)を形成した後、フォトレジストパターン(PRa)をマスクパターンとして用いるマスクパターニング工程を進行し、これにより、フッ素系保護層(FSL)を形成することができる。特に、フッ素系保護層(FSL)は、フォトレジストパターン(PRa)の下にあるフッ素系物質(SL)の一部を除去するパターニング工程によって形成することができる。
【0233】
フッ素系保護層(FSL)に対するパターニング工程は、フッ素(F)系有機溶媒を用いて進行することができる。官能基に多量のフッ素(F)を含有するフッ素(F)系有機溶媒がフッ素系物質(SL)内に浸透してフッ素系物質(SL)の一部のみを選択的に除去することにより、フッ素系保護層(FSL)を形成することができる。
【0234】
この場合、フッ素(F)系有機溶媒、フッ素系物質(SL)及びフォトレジストパターン(PRa)の特性により、図9Dに示すように、下端部の幅が上端部の幅より小さい逆テーパ(Taper)構造を有するフッ素系保護層(FSL)を形成することができる。
【0235】
例えば、フォトレジスト層(PR)に含まれている界面活性剤(surfactant)の種類や含有量などに応じて、逆テーパ形態の角度を制御することができる。また、フォトレジスト層(PR)とフッ素系物質(SL)の間の接着特性によって、逆テーパ形態の角度および形態を制御することもできる。
【0236】
次に、図9Eに示すように、フォトレジストパターン(PRa)を洗浄工程によって除去すると、フッ素系保護層(FSL)のみが残る。
【0237】
次に、フッ素系保護層(FSL)の上端に発光層(EL)、カソード(CA)及び封止層104を順に具備する。
【0238】
最後に、封止層104の上部にカラーフィルタ(CF)、ブラックマトリックス(BM)及び封止基板105を順に具備するか、又は、カラーフィルタ(CF)及びブラックマトリックス(BM)を具備した封止基板105を封止層104に合着すると、発光表示パネル100の製造を完了することができる。
【0239】
本明細書の一実施例による発光表示装置の特徴を簡単にまとめると、以下の通りである。
【0240】
本明細書の一実施例による発光表示装置は、表示領域と非表示領域を含む基板、前記表示領域に具備されるホワイトピクセル及びカラーピクセル、及び前記ホワイトピクセルの外郭を包んでいるフッ素系保護層を含むことができる。
【0241】
前記フッ素系保護層は、前記ホワイトピクセルの外郭を包んでいるバンクの上端に具備することができる。
【0242】
ホワイトピクセル及びカラーピクセルには発光層が備えられ、前記フッ素系保護層によって包まれた発光層と前記フッ素系保護層の外部に具備された発光層は、前記フッ素系保護層によって分離することができる。
【0243】
前記発光層の上端に具備されるカソードは、前記フッ素系保護層で分離されていない。
【0244】
前記フッ素系保護層の上端の幅は、前記フッ素系保護層の下端の幅より大きいことがあり得る。
【0245】
本明細書の一実施例による発光表示装置は、前記カラーピクセルの上端に具備されるカラーフィルタをさらに含むことができる。
【0246】
前記ホワイトピクセルの上端には、カラーフィルタが具備されていない。
【0247】
前記フッ素系保護層の上端には、ブラックマトリックスを具備することができる。
【0248】
前記カラーフィルタは封止基板に具備され、前記カラーピクセルと前記カラーフィルタの間には、前記封止層が具備され、前記ホワイトピクセルと前記封止基板の間には、封止層を具備することができる。
【0249】
前記ホワイトピクセルの外郭のうち少なくとも1つの外郭には、光が透過する透過領域を具備することができる。
【0250】
前記基板に具備された第nデータラインに沿って単位ピクセルが具備され、前記単位ピクセルの各々は、3つのカラーピクセル及び前記ホワイトピクセルを含み、前記3つのカラーピクセルのうちの第1カラーピクセルと第2カラーピクセルは、前記第nデータラインを境界に配置され、前記3つのカラーピクセルのうちの第3カラーピクセルと前記ホワイトピクセルは、前記第nデータラインを境界に配置することができる。
【0251】
前記単位ピクセルに具備される3つのカラーピクセルおよびホワイトピクセルのうち、前記ホワイトピクセルの外郭にのみ前記フッ素系保護層を具備することができる。
【0252】
前記第nデータラインを境界として左側に具備されたピクセルの左側には、光が透過する第1透過領域が具備され、前記第nデータラインを境界として右側に具備されたピクセルの右側には、光が透過する第2透過領域を具備することができる。
【0253】
前記第nデータラインに沿って単位ピクセルが具備され、前記単位ピクセルのうちの第1単位ピクセルに具備されたホワイトピクセルは、前記第nデータラインの右側に具備され、前記単位ピクセルのうちの第2単位ピクセルに具備されたホワイトピクセルは、前記第nデータラインの左側に具備され、前記単位ピクセルのうちの第3単位ピクセルに具備されたホワイトピクセルは、前記第nデータラインの右側に具備することができる。
【0254】
本明細書が属する技術分野の当業者は、本明細書がその技術的思想や必須的な特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施され得ることを理解するであろう。したがって、上で記述した実施例はすべての点で例示的なものであり、限定的なものではないと理解されなければならない。本明細書の範囲は、上記の詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその等価概念から導出されるすべての変更または変形された形態が、本明細書の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0255】
100:発光表示パネル
200:ゲートドライバ
300:データドライバ
400:制御ドライバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E