(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166186
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】ロールミルのロール間隔設定方法及びロール間隔設定装置並びに同装置を備えたロールミル
(51)【国際特許分類】
B02C 4/32 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
B02C4/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024081138
(22)【出願日】2024-05-17
(31)【優先権主張番号】P 2023081210
(32)【優先日】2023-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000166557
【氏名又は名称】アイメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092761
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 邦廣
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 章裕
【テーマコード(参考)】
4D063
【Fターム(参考)】
4D063CC01
4D063CC02
4D063CC06
4D063GC29
(57)【要約】
【課題】ロールミルの固定ロールと移動ロールの間のロール間隔を正確に設定することができる、ロールミルのロール間隔設定方法を提供すること。
【解決手段】互いに係合して回転運動を行う機械要素5、6によって、駆動装置12の回転力をロールミル1のロール間隔Gを変更する方向の力に変換し、前記ロール間隔Gを変更する方向の力によって前記ロールミル1の移動ロール2、4を変位させる、ロールミルのロール間隔設定方法において、前記機械要素を一方向に回転させることによって、前記移動ロール2、4を少なくとも前記機械要素のバックラッシュの寸法だけ移動させ、次いで、前記機械要素を他方向に回転させることによって、前記移動ロール2、4を目的座標まで移動させることを特徴とする、ロールミルのロール間隔設定方法である。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに係合して回転運動を行う機械要素によって、駆動装置の回転力をロールミルのロール間隔を変更する方向の力に変換し、前記ロール間隔を変更する方向の力によって前記ロールミルの移動ロールを変位させる、ロールミルのロール間隔設定方法において、前記機械要素を一方向に回転させることによって、前記移動ロールを少なくとも前記機械要素のバックラッシュの寸法だけ移動させ、次いで、前記機械要素を他方向に回転させることによって、前記移動ロールを目的座標まで移動させることを特徴とする、ロールミルのロール間隔設定方法。
【請求項2】
互いに係合して回転運動を行う機械要素によって、駆動装置の回転力をロールミルのロール間隔を変更する方向の力に変換し、前記ロール間隔を変更する方向の力によって前記ロールミルの移動ロールを変位させる、ロールミルのロール間隔設定装置において、前記機械要素を一方向に回転させることによって、前記移動ロールを少なくとも前記機械要素のバックラッシュの寸法だけ移動させ、次いで、前記機械要素を他方向に回転させることによって、前記移動ロールを目的座標まで移動させることを特徴とする、ロールミルのロール間隔設定装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたロールミルのロール間隔設定装置を備えたロールミル。
【請求項4】
請求項3に記載されたロールミルにおいて、前記駆動装置は電気モータであり、前記機械要素は、前記電気モータの回転軸に従動して正転及び逆転する減速用の歯車列と、前記歯車列の正転及び逆転に従動して正転及び逆転する送りねじと、前記送りねじに螺合し、かつ、前記移動ロールの支持部材に固定された、ナットとを含むことを特徴とする、ロールミル。
【請求項5】
請求項3又は4に記載されたロールミルにおいて、前記ロールミルは、固定位置で回転する固定ロールと、前記固定ロールの上流側に配置された上流側の移動ロールと、前記固定ロールの下流側に配置された下流側の移動ロールとを有する、三本ロールミルであることを特徴とする、ロールミル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールミルのロール間隔を容易にかつ正確に設定することができるロールミルのロール間隔設定方法及びロール間隔設定装置並びに同装置を備えたロールミルに関する。
【0002】
本発明は、また、ロールミルの固定ロールと移動ロールの間のロール間隔を容易にかつ正確に設定することができる、三本ロールミルに関するものである。
【背景技術】
【0003】
特開2009-274012は、ロール間の距離を自動的に制御できるようにした全自動電子制御のロールミルを提供する。
【0004】
このロールミルは、処理材料中の微粉体・ナノ粒子等の物質を練肉・分散処理するロールミルの架台上に、中ロール1に対しサーボモーターとボールスクリューにより該ロールの直角方向に微小移動可能に前ロール2と後ロール3を設け、中ロールと前ロール間及び中ロールと後ロール間にロール間距離を測定するレーザーセンサー18を設けると共に、上記ロール間押し圧を測定するロードセンサー10を設け、各センサーからの検知信号をフィードバックして、一定距離及び一定押し圧に管理する電子的自動制御機構を備え、上記サーボモーターを駆動して移動ロールの位置を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ロールミルのロール間隔を正確に設定することができる、ロールミルのロール間隔設定方法を提供することにある。
本発明の目的は、また、ロールミルのロール間隔の設定を自動化することができるロールミルのロール間隔設定方法を提供することにある。
本発明の目的は、更に、ロールミルのロール間隔の設定を手動で行う場合にも適用可能なロールミルのロール間隔設定方法を提供することにある。
本発明の目的は、更に、ロールミルのロール間隔を正確に設定することができる、ロールミルのロール間隔設定装置を提供することにある。
本発明の目的は、更に、ロールミルのロール間隔を正確に設定することができるロールミルのロール間隔設定装置を備えたロールミルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のロールミルのロール間隔設定方法は、互いに係合して回転運動を行う機械要素によって、駆動装置の回転力をロールミルのロール間隔を変更する方向の力に変換し、前記ロール間隔を変更する方向の力によって前記ロールミルの移動ロールを変位させる、ロールミルのロール間隔設定方法において、前記機械要素を一方向に回転させることによって、前記移動ロールを少なくとも前記機械要素のバックラッシュの寸法だけ移動させ、次いで、前記機械要素を他方向に回転させることによって、前記移動ロールを目的座標まで移動させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のロールミルのロール間隔設定装置は、互いに係合して回転運動を行う機械要素によって、駆動装置の回転力をロールミルのロール間隔を変更する方向の力に変換し、前記ロール間隔を変更する方向の力によって前記ロールミルの移動ロールを変位させる、ロールミルのロール間隔設定装置において、前記機械要素を一方向に回転させることによって、前記移動ロールを少なくとも前記機械要素のバックラッシュの寸法だけ移動させ、次いで、前記機械要素を他方向に回転させることによって、前記移動ロールを目的座標まで移動させることを特徴とする。
【0009】
そして、本発明のロールミルは、上記ロール間隔設定装置を備えたロールミルである。このロールミルは、固定位置で回転する固定ロールと、前記固定ロールの上流側に配置された上流側の移動ロールと、前記固定ロールの下流側に配置された下流側の移動ロールとを有する、三本ロールミルであることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のロールミルのロール間隔設定方法によれば、移動ロールを目的座標に移動させる際に、移動ロールと駆動装置との間に介装された減速歯車列や送りねじ機構等の、互いに係合して回転運動を行う機械要素に内在するバックラッシュの寸法を、移動ロールの移動距離に含ませることができるから、ロールミルの固定ロールと移動ロールの間のロール間隔を正確に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明のロールミルのロール間隔設定装置を備えた三本ロールミルの概略構成を示す平面図である。
【
図2】
図2は、本発明のロール間隔設定装置を備えたロールミルのロール移動装置の要部拡大図である。
【
図3】
図3は、送りねじのバックラッシュを示す模式図である。
【
図4】
図4は、歯車のバックラッシュを示す模式図である。
【
図5】
図5は、ロールミルの移動ロールの原点座標X
0に対応させる固定ロールと移動ロールのロール面間距離D
0を設定する作業を説明する模式図である。
【
図6】
図6は、移動ロールの原点座標X
0に対応するロール面間隙間D
0を100μmに設定し、座標単位量を5μmに設定したときの、座標と座標単位量の対応関係を示す表である。
【
図7】
図7は、本発明のロールミルのロール間隔設定方法をプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)で電気制御するためのフローチャートの第一の実施例のフローチャートの前半部分を示す図である。
【
図8】
図8は、
図7のフローチャートの後半部分を構成するA以下のフローチャートを示す図である。
【
図9】
図9は、
図7のフローチャートの後半部分のB以下のフローチャートを示す図である。
【
図10】
図10は、本発明のロール間隔設定装置を備えたロールミルの設定隙間に対する実際の隙間を変位センサーによって測定した結果を示す表である。
【
図12】
図12は、本発明のロールミルのロール間隔設定方法をプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)で電気制御するためのフローチャートの第二の実施例のフローチャートである。
【
図13】
図13は、本発明のロールミルのロール間隔設定方法をプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)で電気制御するためのフローチャートの第三の実施例のフローチャートの前半部分を示す図である。
【
図15】
図15は、本発明のロールミルのロール間隔設定方法をプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)で電気制御するためのフローチャートの第四の実施例のフローチャートの前半部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1及び2に示した三本ロールミル1を例にとって、本発明のロール間隔設定方法及びロール間隔設定装置並びに同装置を備えたロールミルを説明する。三本ロールミル1は、図示の位置で回転する固定ロール3と、固定ロール3の上流側に配置された移動ロール2と、固定ロール3の下流側に配置された移動ロール4を有する。移動ロール2及び4の両端部には、それぞれ、高精度の棒ねじからなるロール位置変更スクリュー乃至ロールコントロールスクリュー(送りねじ)5が配置され、ロール位置変更スクリュー5は、それぞれ、ナット6と螺合している。ナット6は、それぞれ、移動ロール2、4の両端部に配置された軸受ハウジング7に固定され、移動ロール2、4は、軸受ハウジング7に内蔵された自動調芯ころ軸受8によって、回転自在に支持されている。軸受ハウジング7はレール部材9に支持されて、固定ロール3に向かって往復動可能である。参照番号10、11は、移動ロール2、4と固定ロール3との間に回転力を伝達する平歯車を示す。
【実施例0013】
本発明は、移動ロール2、4を電気制御による精密回転機構によって正確に位置決めし、移動ロール2、4と固定ロール3の間のロール面間間隔Gを容易に設定することができるようにする。ここにいう電気制御による精密回転機構とは、電気モータ12と制御器13とを組み合わせ、タッチパネル14によってプログラマブル・ロジック・コントローラ(以下、PLCという。)15に所望のロール隙間(ロール面間距離)Gに対応した目標座標を入力すると、制御器13によって制御された電気モータ12が回転してロール位置変更スクリュー(送りねじ)5を回転させ、移動ロール2、4が所望の位置に移動するようにした機構である。電気モータとしては、例えば、DCモータとロータリーエンコーダの組み合わせや、サーボモータ、ステッピングモータ等を使用することができる。すなわち、ここにいう電気制御による精密回転機構とは、これらのモータが、送りねじや減速ギア等の互いに係合して回転運動を行う機械要素によって、精密にロール位置変更スクリュー(送りねじ)5に連結され、モータへの入力信号に応じて、再現性のあるロール位置変更スクリュー(送りねじ)5の回転駆動ができる機構である。
【0014】
三本ロールミル1には組付け精度や部品精度に個体差があるので、各三本ロールミル1には個々に初期設定を行う。初期設定のうちの一つがネジリード設定である。ネジリード設定は、4つの制御器13において、座標間隔ΔXあたりのロール面間距離ΔDが、一定になるように設定する。すなわち、ΔD/ΔX=const.となるように設定する。
【0015】
次に、バックラッシュ測定を行う。バックラッシュは、
図3に示すように、ロール位置変更スクリュー5とナット6の間に存在する。また、電気モータとロール位置変更スクリュー5の間に減速歯車列が存在する場合には、
図4にしめすように、歯と歯の間にバックラッシュが存在する。ここで測定するのは、移動ロール2、4が移動するときの最大バックラッシュの寸法である。
【0016】
初期設定の三つ目は、原点設定である。ここにいう原点設定とは、原点座標X
0に対応させるロール面間距離D
0の設定である。そのためには、移動ロール2、4と固定ロール3の基準位置を定める必要がある。この基準位置を定めるには、
図1のA点、B点、C点及びD点において、
図5に示すように、ロール隙間(ロール面間距離)Gを挟んでその上下にレーザセンサを配置し、ロール2、3、4を回転させた状態で、一定時間、ロール隙間(ロール面間距離)Gの寸法をロギングし、その平均値を基準値として原点位置に対応させる。このとき、ロール2とロール3の間のA点とB点で計測を行うので、ロール2とロール3の平行度の設定も行う。ロール3とロール4の場合も、C点とD点で計測を行うので、ロール3とロール4の平行度の設定も行われる。ロール隙間Gをロール2、3、4が静止している状態で測定しない理由は、回転中のロール2、3、4のロール間隙Gは、ロール単体の加工精度、軸受8のがたつき、計測時の温度によってロール2、3、4が膨張収縮すること、そして、三本ロールミル1の各部品の組付け精度によって、変動するから、静止状態で測定したロール間隙Gに基づいて原点位置を対応させると、基準位置がばらつくからである。このばらつきを平滑化するため、ロール2、3、4を回転させた状態で計測したロール間隙Gの平均値を使用する。この計測にあたっては、ロール2、3、4の温度を調節し、一定温度で行うことが望ましい。
【0017】
移動ロール2、4の移動量(移動距離)は、ナット6に対するロール位置変更スクリュー5の回転量によって定まるが、これらの部品のネジ部の加工精度によって移動量(移動距離)にばらつきを生じる。例えば、100μm移動させる回転量を与えても、116μm移動する等である。これは、ネジ部のリードが個体毎に異なるためである。したがって、個体毎に正確なネジリードを取得し、そのリードに応じた回転量を付与することによって、移動ロール2、4の正確な移動量(移動距離)を得ることができる。ロール位置変更スクリュー5の回転量の応じた移動ロール2、4の移動量(移動距離)は、
図5に示したレーザセンサによって行う。そして、タッチパネル14で指定したロール隙間(ロール面間距離)Gの値を制御器13が移動ロール2、4の移動量に換算し、この移動量からロール位置変更スクリュー5の回転量、すなわち、モータ12の回転量を求める。
【0018】
図3及び
図4に示すように、移動ロール2、4を移動させるため、モータ12と軸受ハウジング7の間に介装されたナット6、ロール位置変更スクリュー5、減速歯車列のような歯車等の互いに係合して回転運動を行う機械要素には、
図3及び
図4に示したように、バックラッシュが存在する。その寸法はおおよそ3乃至8μmである。移動ロール2、4の移動距離にバックラッシュが含まれる場合と含まれない場合では、移動ロール2、4の移動距離が異なることになる。このような事態を回避するため、本発明では、移動ロール2、4の移動距離には、常に、バックラッシュを含めることにした。具体的には、移動ロール2、4を移動させるに際し、前記機械要素を一方向に回転させることによって、移動ロール2、4を少なくとも前記機械要素のバックラッシュの寸法だけ移動させ、次いで、前記機械要素を他方向に回転させることによって、前記移動ロール2、4を目的座標Xまで移動させるのである。移動ロール2、4が目的座標Xに移動する距離に常にバックラッシュを含めるための動作として、先ず、ロール間隙Gを広げる方向に移動ロール2、4を移動させ、続いて、その位置から目的座標Xまで移動ロール2、4を移動させる方法と、先ず、ロール間隙Gを狭める方向に移動ロール2、4を移動させ、続いて、その位置から目的座標Xまで移動ロール2、4を移動させる方法がある。これにより、移動ロール2、4が目的座標Xまで移動する距離に前記機械要素のバックラッシュの寸法が常に含まれることになるから、ロール間隙(ロール面間距離)Gを正確に設定することができる。
【0019】
図6は、移動ロールの原点座標X
0に対応するロール面間隙間D
0を100μmに設定し、座標単位量を5μmに設定したときの、座標と座標単位量の対応関係を示す表である。[2]は実際のロール間隙である。[3]は座標単位量を示す。図示の座標単位量は5μmであるが、この値は任意の数に設定可能である。
【0020】
図7は、本発明のロールミルのロール間隔設定方法をプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)で電気制御するためのフローチャートの一実施例の一部である。
図7のYES側のチャートは、ロールミルの校正や再調整のためのチャートである。通常は、NO側のチャートに沿って動作する。
図7の参照不幸Aは、
図8の参照符号Aに連続する。また、
図7の参照符号Bは、
図9の参照符号Bに連続する。すなわち、
図8は、
図7のフローチャートのA以下のフローチャートの一実施例である。
図9は、
図7のフローチャートのB以下のフローチャートの一実施例である。
【0021】
図10は、本発明のロール間隔設定装置を備えたロールミルの設定隙間に対する実際の隙間を変位センサーによって測定した結果を示す表である。設定隙間は、タッチパネル14によってPLCに付与されたデータである。A点とB点の間の誤差は1μm以内であり、C点とD点の誤差も1μm以内であるから、移動ロール2、4と固定ロール3の平行度は極めて高く維持されている。
【0022】
図11は、
図10の設定隙間と実際の隙間との関係を示す線図である。プロットされた点を最小二乗法によって結んだ線図を示している。
【0023】
図12は、ロール間の現在の隙間間隔を検出することができるセンサーを備えたロールミルによって、ロール間隔を設定する場合のフローチャートを示す。このフローチャートは、ロール間の現在の隙間間隔を検出するセンサーの測定可能範囲に制限がない場合を示しているが、現実にはこのセンサーは測定可能範囲が存在する。
【0024】
図13及び
図14は、ロール間の隙間間隔を検出するためのセンサーに測定可能範囲が存在し、かつ、ロール隙間を狭める方向へのバックラッシュをゼロにする場合のフローチャートを示す。
図13の参照符号C、D、Eは、
図14の参照符号C、D、Eに連続する。
【0025】
図15及び
図16は、ロール間の隙間間隔を検出するためのセンサーに測定可能範囲が存在し、かつ、ロール隙間を広げる方向へのバックラッシュをゼロにする場合のフローチャートを示す。
図15の参照符号F、G、Hは、
図16の参照符号F、G、Hに連続する。
【0026】
図13及び14のフローチャートと
図15及び16のフローチャートは、ロールミルのロール間隔の設定を自動化するために使用することができるばかりでなく、ロールミルのロール間隔の設定を手動で行う場合にも適用することができる。すなわち、これらのフローチャート中の「START」直後の「ロール位置変更スクリューの回転量に応じた移動距離を設定し、記憶する。」という工程は、ロール位置変更スクリューのリードに応じたデジタル表示器又はアナログ表示器を選定し、設置することに対応し、また、これらのフローチャート中の「ロール面間距離(測定隙間)D
0を設定し、記憶する。」という工程は、上記デジタル表示器又はアナログ表示器の原点出し(原点値の設定)に対応するからである。
本発明によれば、ロールミルの固定ロールと移動ロールの間の正確なロール間隔を極めて容易に設定することができるから、粉砕等の作業を極めて効率良く行うことができる。