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▶ シァメン ホンファ エレクトリック パワー コントロールズ カンパニー リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166189
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】リレー
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/18 20060101AFI20241121BHJP
   H01H 50/54 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H01H50/18 Z
H01H50/54 D
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024081263
(22)【出願日】2024-05-17
(31)【優先権主張番号】202310565158.2
(32)【優先日】2023-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518215954
【氏名又は名称】シァメン ホンファ エレクトリック パワー コントロールズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Xiamen Hongfa Electric Power Controls Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.93 Yinong Road, Haicang District, Xiamen, Fujian 361027,China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ウェングアン ダイ
(72)【発明者】
【氏名】ゼングァン ジォン
(72)【発明者】
【氏名】ファンノン リ
(72)【発明者】
【氏名】シュミン ジョォン
(57)【要約】
【課題】ベース、接触部分、プッシュロッドアセンブリおよび磁気回路部分を含むリレーを提供する。
【解決手段】接触部分は、ベースに設けられており、2組の可動接触子部分を含み、各組の可動接触子部分は、可動接触片、可動接点ユニットおよび固定接点ユニットを含み、可動接点ユニットは、可動接触片に設けられており、接触部分の2つの可動接点ユニットは、それぞれ2つの固定接点ユニットに対応され、プッシュロッドアセンブリは2つの可動接触片に接続され、磁気回路部分は、ベースに設けられており、プッシュロッドアセンブリを移動するように駆動して、2つの可動接触片を互いに接近させるか、または離間させることにより、接触部分がオン状態とオフ状態との間に切り替え、接触部分がオン状態にある場合、一方の可動接触片はプッシュロッドアセンブリの作用により変形されて弾性力を有し、弾性力により可動接触片は接点オフ状態に移動しようとする傾向を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース、接触部分、プッシュロッドアセンブリおよび磁気回路部分を含むリレーであって、
前記接触部分は、前記ベースに設けられており、2組の可動接触子部分を含み、各組の前記可動接触子部分は、可動接触片、可動接点ユニットおよび固定接点ユニットを含み、前記可動接点ユニットは、前記可動接触片に設けられており、前記接触部分の2つの前記可動接点ユニットは、それぞれ2つの前記固定接点ユニットに対応され、
前記プッシュロッドアセンブリは2つの前記可動接触片に接続され、
前記磁気回路部分は、前記ベースに設けられており、前記プッシュロッドアセンブリを移動するように駆動して、2つの前記可動接触片を互いに接近させるか、または離間させることにより、前記接触部分がオン状態とオフ状態との間に切り替え、
前記接触部分がオン状態にある場合、一方の前記可動接触片は前記プッシュロッドアセンブリの作用により変形されて弾性力を有し、前記弾性力により前記可動接触片は接点オフ状態に移動しようとする傾向がある
ことを特徴とするリレー。
【請求項2】
前記接触部分がオフ状態にある場合、一方の1組の対応する前記可動接点ユニットと前記固定接点ユニットとの間の接点ギャップは、他方の組の対応する前記可動接点ユニットと前記固定接点ユニットとの間の接点ギャップよりも小さく、
接点ギャップが小さい1組の前記可動接点ユニットおよび前記固定接点ユニットを耐アーク端接点として定義し、接点ギャップが大きい他方の1組の前記可動接点ユニットおよび前記固定接点ユニットをキャリア端接点として定義し、
前記キャリア端接点に対応する前記可動接点ユニットの前記可動接触片を第1の可動接触片として定義し、前記耐アーク端接点に対応する前記可動接点ユニットの前記可動接触片を第2の可動接触片として定義し、
前記第1の可動接触片が、前記プッシュロッドアセンブリにより変形されて前記弾性力を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項3】
前記可動接点ユニットは1つ以上の可動接点を含み、前記固定接点ユニットは1つ以上の固定接点を含み、対応する前記可動接点と前記固定接点は接点組を形成し、前記耐アーク端接点は1つ以上の前記接点組を含み、前記キャリア端接点は1つ以上の前記接点組を含み、
前記耐アーク端接点の前記接点組の数は、前記キャリア端接点の前記接点組の数以下である
ことを特徴とする請求項2に記載のリレー。
【請求項4】
前記耐アーク端接点は、1組または2組の前記接点組を含み、
前記キャリア端接点は、2組または3組の前記接点組を含む
ことを特徴とする請求項3に記載のリレー。
【請求項5】
前記耐アーク端接点は、2組の前記接点組を含み、2組の前記接点組は、前記可動接触子部分の幅方向に沿って並べて配置され、
前記キャリア端接点は、2組または3組の前記接点組を含み、2組または3組の前記接点組は、前記可動接触子部分の幅方向に沿って並べて配置されている
ことを特徴とする請求項3に記載のリレー。
【請求項6】
前記可動接触片の幅方向に沿って、隣り合う2つの前記可動接点の間に位置する前記可動接触片の部分には、スリットが設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載のリレー。
【請求項7】
前記可動接触片の長さ方向に沿って、前記スリットは、一端が前記可動接触片の端面を貫通し、他端が前記可動接触片の前記固定接点まで延びている
ことを特徴とする請求項6に記載のリレー。
【請求項8】
各組の前記可動接触子部分は、可動接触子引出片をさらに含み、前記可動接触子引出片は、前記可動接触片に接続され、
前記固定接点ユニットは、前記可動接触片と前記可動接触子引出片との接続箇所に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項9】
前記可動接触片は、その長さ方向において対向する第1の端と第2の端とを有し、
前記可動接点ユニットは前記第1の端に設けられ、前記第2の端は前記可動接触子引出片に接続され、
前記プッシュロッドアセンブリは、2つの前記可動接触片のそれぞれの前記第1の端に接続される
ことを特徴とする請求項8に記載のリレー。
【請求項10】
前記磁気回路部分は、コイルアセンブリとアーマチュアアセンブリとを含み、
前記アーマチュアアセンブリは、前記ベースに揺動可能に接続され、前記アーマチュアアセンブリは、前記プッシュロッドアセンブリに接続され、前記コイルアセンブリは、前記アーマチュアアセンブリを揺動するように駆動するために用いられる
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項11】
前記可動接触片は、積層された複数のサブ接触片を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項12】
前記プッシュロッドアセンブリは、第1のプッシュロッドと第2のプッシュロッドとを含み、前記第1のプッシュロッドと前記第2のプッシュロッドは、2つの前記可動接触片にそれぞれ接続される
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子制御デバイスの技術分野に関し、特にリレーに関する。
【背景技術】
【0002】
リレーは、電子制御デバイスであり、制御システム(入力回路とも呼ばれる)と被制御システム(出力回路とも呼ばれる)を有し、通常は自動制御回路に応用される。リレーは、実際には小さな電流で大きな電流を制御する「自動スイッチ」である。そのため、回路では自動調整、安全保護、変換回路などの役割を果たしている。
【0003】
リレーは、磁気回路部分、プッシュロッドアセンブリおよび接触部分を含み、磁気回路部分は、コイルアセンブリおよびアーマチュアアセンブリを含み、コイルアセンブリは、アーマチュアアセンブリを駆動して移動させ、さらに、アーマチュアアセンブリは、プッシュロッドアセンブリを介して接触部分の接点をオンまたはオフするように駆動する。
【0004】
しかしながら、従来技術におけるコイルアセンブリが通電された後に発生する磁気駆動力の利用率は高くなく、接点状況に応じて差別化することはできない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施例は、コイルアセンブリの磁気駆動力の利用率が高くない従来技術に存在する問題を解決するためのリレーを提供する。
【0006】
本発明の実施例に係るリレーは、ベース、接触部分、プッシュロッドアセンブリおよび磁気回路部分を含み、接触部分は、前記ベースに設けられており、2組の可動接触子部分を含み、各組の前記可動接触子部分は、可動接触片、可動接点ユニットおよび固定接点ユニットを含み、前記可動接点ユニットは、前記可動接触片に設けられており、前記接触部分の2つの前記可動接点ユニットは、それぞれ2つの前記固定接点ユニットに対応され、前記プッシュロッドアセンブリは2つの前記可動接触片に接続され、前記磁気回路部分は、前記ベースに設けられており、前記プッシュロッドアセンブリを移動するように駆動して、2つの前記可動接触片を互いに接近させるか、または離間させることにより、前記接触部分がオン状態とオフ状態との間に切り替え、前記接触部分がオン状態にある場合、一方の前記可動接触片は前記プッシュロッドアセンブリの作用により変形されて弾性力を有し、前記弾性力により前記可動接触片は接点オフ状態に移動しようとする傾向がある。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記接触部分がオフ状態にある場合、一方の1組の対応する前記可動接点ユニットと前記固定接点ユニットとの間の接点ギャップは、他方の組の対応する前記可動接点ユニットと前記固定接点ユニットとの間の接点ギャップよりも小さく、
接点ギャップが小さい1組の前記可動接点ユニットおよび前記固定接点ユニットを耐アーク端接点として定義し、接点ギャップが大きい他方の1組の前記可動接点ユニットおよび前記固定接点ユニットをキャリア端接点として定義し、
前記キャリア端接点に対応する前記可動接点ユニットの前記可動接触片を第1の可動接触片として定義し、前記耐アーク端接点に対応する前記可動接点ユニットの前記可動接触片を第2の可動接触片として定義し、
前記第1の可動接触片が、前記プッシュロッドアセンブリにより変形されて前記弾性力を有する。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記可動接点ユニットは1つ以上の可動接点を含み、前記固定接点ユニットは1つ以上の固定接点を含み、対応する前記可動接点と前記固定接点は接点組を形成し、前記耐アーク端接点は1つ以上の前記接点組を含み、前記キャリア端接点は1つ以上の前記接点組を含み、
前記耐アーク端接点の接点組の数は、前記キャリア端接点の接点組の数以下である。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記耐アーク端接点は、1組または2組の前記接点組を含み、前記キャリア端接点は、2組または3組の前記接点組を含む。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記耐アーク端接点は、2組の前記接点組を含み、2組の前記接点組は、前記可動接触子部分の幅方向に沿って並べて配置され、
前記キャリア端接点は、2組または3組の前記接点組を含み、2組または3組の前記接点組は、前記可動接触子部分の幅方向に沿って並べて配置されている。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記可動接触片の幅方向に沿って、隣り合う2つの前記可動接点の間に位置する前記可動接触片の部分には、スリットが設けられている。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記可動接触片の長さ方向に沿って、前記スリットは、一端が前記可動接触片の端面を貫通し、他端が前記可動接触片の前記固定接点まで延びている。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、各組の前記可動接触子部分は、可動接触子引出片をさらに含み、前記可動接触子引出片は、前記可動接触片に接続され、
前記固定接点ユニットは、前記可動接触片と前記可動接触子引出片との接続箇所に設けられている。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記可動接触片は、その長さ方向において対向する第1の端と第2の端とを有し、
前記可動接点ユニットは前記第1の端に設けられ、前記第2の端は前記可動接触子引出片に接続され、
前記プッシュロッドアセンブリは、2つの前記可動接触片のそれぞれの前記第1の端に接続される。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記磁気回路部分は、コイルアセンブリとアーマチュアアセンブリとを含み、前記アーマチュアアセンブリは、前記ベースに揺動可能に接続され、前記アーマチュアアセンブリは、前記プッシュロッドアセンブリに接続され、前記コイルアセンブリは、前記アーマチュアアセンブリを揺動するように駆動するために用いられる。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記可動接触片は、積層された複数のサブ接触片を含む。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記プッシュロッドアセンブリは、第1のプッシュロッドと第2のプッシュロッドとを含み、前記第1のプッシュロッドと前記第2のプッシュロッドは、2つの前記可動接触片にそれぞれ接続される。
【0018】
上記発明の一実施例は、少なくとも以下の利点または有益な効果を有する。
【0019】
本発明の実施例に係るリレーでは、一方の可動接触片はプッシュロッドアセンブリの作用により変形されて弾性力を有し、この弾性力によりこの可動接触片は接点オフ状態に移動しようとする傾向があるため、この可動接触片が必要とする分断力は、他方の可動接触片が必要とする分断力よりも小さく、プッシュロッドアセンブリが提供する総分断力が変わらないという前提の下で、プッシュロッドアセンブリによって他方の可動接触片に提供される分断力はより大きくなる。このことから、本発明の実施例に係るリレーは、異なる接点状況に応じて、プッシュロッドアセンブリの分断力を差別化することができ、不必要なエネルギー損失を低減し、全体のコイル駆動力の利用率を向上させることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例に係るリレーの上カバーを省略した概略上面図である。
図2図1からベースを省略した模式図であり、接触部分はオフ状態にある。
図3】磁気回路部分の断面図を示す。
図4図1のそのなかの1つの接触部分の概略図を示す。
図5】本発明の第1の実施例に係る接触部分の斜視模式図を示す。
図6】本発明の第1の実施例に係る接触部分の可動接触子部分の1つの概略上面図を示す。
図7】本発明の第1の実施例に係る接触部分の可動接触子部分の1つの分解概略図を示しており、可動接触片にはスリットが設けられていない。
図8】本発明の第2の実施例に係る接触部分の斜視模式図を示す。
図9】本発明の第2の実施例に係る接触部分の可動接触子部分の1つの概略上面図を示す。
図10】本発明の第2の実施例に係る接触部分の可動接触子部分の1つの分解概略図を示しており、可動接触片にはスリットが設けられている。
図11】本発明の第3の実施例に係る接触部分の可動接触子部分の1つの概略上面図を示す。
図12】本発明の第4の実施例に係る接触部分の可動接触子部分の1つの概略上面図を示す。
【符号の説明】
【0021】
10 ベース
20 接触部分
20a 可動接触子部分
210 可動接触片
211 サブ接触片
212 キャリア流体
213 端面
214 スリット
210a 第1の端
210b 第2の端
210c 第1の可動接触片
210d 第2の可動接触片
210e 第3の可動接触片
210f 第4の可動接触片
220 可動接点ユニット
221 可動接点
230 固定接点ユニット
231 固定接点
240 可動接触子引出片
250 耐アーク端接点
260 キャリア端接点
30 磁気回路部分
310 コイルアセンブリ
320 アーマチュアアセンブリ
321永久磁石
322 アーマチュア
323 スイングアーム
40 プッシュロッドアセンブリ
410 第1のプッシュロッド
420 第2のプッシュロッド
D1 長さ方向
D2 幅方向
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、図面を参照して、例示的な実施形態についてより詳細に説明する。しかしながら、例示的な実施形態は様々な形態で実施することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されると理解されるべきではない。対照的に、これらの実施形態は、本発明を包括的かつ完全にし、例示的な実施形態の構想を当業者に全面的に伝達するように提供される。図中の同一の符号は同一または類似の構成を示しており、その詳細な説明は省略する。
【0023】
図1及び図2に示すように、本発明の実施例に係るリレーは、ベース10と、一対の接触部分20と、磁気回路部分30と、プッシュロッドアセンブリ40とを備えている。一対の接触部分20と磁気回路部分30はベース10に設けられており、磁気回路部分30はプッシュロッドアセンブリ40を介して一対の接触部分20の接点をオンまたはオフするように駆動することができる。
【0024】
本発明の実施例における「含む」および「有する」という用語、及びそれらの任意の変形は、排他的ではない包含をカバーすることを意図していることが理解される。例えば、一連のステップまたはユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、またはデバイスは、リストされたステップまたはユニットに限定されず、オプションとして、リストされていないステップまたはユニットも含むか、またはオプションとして、これらのプロセス、方法、製品またはデバイスに固有の他のステップまたはコンポーネントも含む。
【0025】
一実施形態において、ベース10は、ほぼ正方体の形状を有してもよいが、これに限定されるものではない。
【0026】
一対の接触部分20は、磁気回路部分30の2つの対向する側面にそれぞれ設けられてもよい。もちろん、一対の接触部分20は、磁気回路部分30の同じ側に設けられてもよい。
【0027】
各接触部分20は、2組の可動接触子部分20aを含み、各組の可動接触子部分20aは、可動接触片210、可動接点ユニット220、固定接点ユニット230および可動接触子引出片240を含み、可動接触片210は、可動接触子引出片240に接続され、可動接点ユニット220は、可動接触片210に設けられており、固定接点ユニット230は、可動接触片210及び/又は可動接触子引出片240に設けられており、各接触部分20の2つの可動接点ユニット220は、2つの固定接点ユニット230にそれぞれ対応する。可動接触子引出片240はベース10に固定的に設置される。
【0028】
磁気回路部分30は、ベース10上に設けられ、プッシュロッドアセンブリ40を介して一対の接触部分20の4つの可動接触片210の移動を駆動することにより、可動接点ユニット220と固定接点ユニット230のオンまたはオフを実現する。
【0029】
本発明の実施例におけるリレーは一対の接触部分20を含み、各接触部分20は1つの回路を制御することができるため、本発明の実施例におけるリレーは少なくとも2つの回路を制御することができることが分かる。
【0030】
もちろん、他の実施例では、リレーは1つの接触部分20のみを含むこともでき、この接触部分20は1つの回路を制御することができるため、このリレーは1つの回路を制御することができる。
【0031】
接触部分20がオフ状態にある場合、一方の1組の対応する可動接点ユニット220と固定接点ユニット230との間の接点ギャップは、他方の組の対応する可動接点ユニット220と固定接点ユニット230との間の接点ギャップよりも小さい。
【0032】
図2に示すように、磁気回路部分30の上方に位置する接触部分20において、左側の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230との接点ギャップはH1であり、右側の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230との接点ギャップはH2であり、H1<H2である。
【0033】
同様に、磁気回路部分30の下方に位置する接触部分20において、右側の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230との接点ギャップはH3であり、左側の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230との接点ギャップはH4であり、H3<H4である。
【0034】
なお、2組の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230との間の接点ギャップの異なる設計は、接点高さを低減することによって達成できる。具体的には、図2に示すように、磁気回路部分30の上方に位置する接触部分20を例に挙げて説明する。右側の可動接点ユニット220および固定接点ユニット230の接点厚さは、左側の可動接点ユニット220および固定接点ユニット230の接点厚さよりも小さい。接触部分20がオフ状態にある場合、右側の接点厚さが左側の接点厚さよりも小さいため、右側の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230との間の接点ギャップがより大きくなり、左側の接点ギャップよりも大きくなる。
【0035】
もちろん、他の方法を使用して接点ギャップが異なるように設計することもできるが、ここでは一つ一つ列挙することない。接触部分20がオフ状態にある場合、2組の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230との間の接点ギャップが異なることを実現できる限り、それらはすべて本発明の保護範囲内にある。
【0036】
本発明の実施例の接触部分20は、オフ状態にある場合、2組の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230との間の接点ギャップが異なるため、接触部分20がオン状態からオフ状態に切り替わる過程において、接点ギャップが大きい組の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230は、接点ギャップが小さい組の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230よりも優先的にオフされ、また、接点ギャップが大きい組の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230がオフされたばかりのとき、接点ギャップが小さい組の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230はまだ完全にはオフされていない。したがって、接点ギャップが大きい組の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230はキャリアの役割を果たし、接点ギャップが小さい組の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230は耐アークの役割を果たす。接点ギャップの大きい組の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230は、オフされるときにアークが発生しないため、接触部分20全体の接点パラメータは、接点ギャップが大きい組を考慮せずに、接点ギャップの小さい組の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230のみを制御すればよい。従来技術の多接点設計に比べて、本発明の実施例に係る接触部分20の接点パラメータは制御が容易であり、加工が簡単であり、生産効率の向上に有利である。
【0037】
一例として、各組の可動接触子部分20aにおいて、固定接点ユニット230は、可動接触片210と可動接触子引出片240との接続箇所に設けられている。
【0038】
図1および図2に示すように、可動接触片210は、その長さ方向D1において対向して配置された第1の端210aおよび第2の端210bを有しており、可動接点ユニット220は第1の端210aに設けられ、固定接点ユニット230は第2の端210bに設けられる。また、可動接触片210の第2の端210bは可動接触子引出片240に接続されて、固定接点ユニット230は、可動接触片210の第2の端210bと可動接触子引出片240との接続箇所に設けられている。
【0039】
接触部分20において、2つの対の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230が接触して並列回路構造を形成するように、2つの可動接触片210は平行に設けられ、一方の可動接触片210の第1の端210aに位置する可動接点ユニット220と、他方の可動接触片210の第2の端210bに位置する固定接点ユニット230とは対応する。接触部分20は並列回路構造として設計されており、温度上昇を効果的に低減する。
【0040】
図1及び図2に示すように、プッシュロッドアセンブリ40は、第1のプッシュロッド410及び第2のプッシュロッド420を含み、第1のプッシュロッド410及び第2のプッシュロッド420は、それぞれ磁気回路部分30の対向する他の2つの側に配置される。第1のプッシュロッド410及び第2のプッシュロッド420が往復の押し引き運動を行うように、磁気回路部分30は、第1のプッシュロッド410及び第2のプッシュロッド420にそれぞれ駆動接続される。
【0041】
第1のプッシュロッド410の一端は、一方の接触部分20の一方の可動接触片210の第1の端210aに接続され、第1のプッシュロッド410の他端は、他方の接触部分20の一方の可動接触片210の第1の端210aに接続されている。第2のプッシュロッド420の一端は、一方の接触部分20の他方の可動接触片210の第1の端210aに接続され、第2のプッシュロッド420の他端は、他方の接触部分20の他方の可動接触片210の第1の端210aに接続されている。
【0042】
本実施例では、プッシュロッドアセンブリ40は、第1のプッシュロッド410と第2のプッシュロッド420のダブルプッシュロッド構造を採用しており、ダブルプッシュロッド構造の押し引き動作により接点のオンまたはオフを実現する。
【0043】
具体的には、図2に示すように、第1のプッシュロッド410と第2のプッシュロッド420の移動方向は逆であり、第1のプッシュロッド410が下方に移動すると、第2のプッシュロッド420は上方に移動する。第1のプッシュロッド410が下方に移動することにより、第1のプッシュロッド410に接続された2つの可動接触片210は、ともにそれぞれの第2の端210bを中心として下方に揺動する。第2のプッシュロッド420が上方に移動することにより、第2のプッシュロッド420に接続された2つの可動接触片210は、ともにそれぞれの第2の端210bを中心として上方に揺動する。1つの接触部分20において、2つの可動接触片210の揺動方向が逆方向であり、且つ互いに離れることにより、可動接点ユニット220と固定接点ユニット230のオフが実現される。
【0044】
逆に、第1のプッシュロッド410が上方に移動すると、第2のプッシュロッド420は下方に移動する。第1のプッシュロッド410に接続された2つの可動接触片210は、ともにそれぞれの第2の端210bを中心として上方に揺動し、第2のプッシュロッド420に接続された2つの可動接触片210は、ともにそれぞれの第2の端210bを中心として下方に揺動する。1つの接触部分20において、2つの可動接触片210の揺動方向が逆方向であり、且つ互いに近接することにより、可動接点ユニット220と固定接点ユニット230のオンが実現される。
【0045】
図3に示すように、磁気回路部分30は、コイルアセンブリ310及びアーマチュアアセンブリ320を含み、アーマチュアアセンブリ320は、ベース10に揺動可能に接続される。コイルアセンブリ310は、アーマチュアアセンブリ320を駆動してベース10に対して揺動させる。アーマチュアアセンブリ320は、永久磁石321、アーマチュア322およびスイングアーム323を含む。アーマチュア322の数は2つであり、2つのアーマチュア322の間に永久磁石321が挟まれている。スイングアーム323はプラスチックなどの絶縁材料で形成され、永久磁石321、アーマチュア322およびスイングアーム323は一体射出成形により一体の部品として接続される。スイングアーム323の両端は、それぞれ第1のプッシュロッド410および第2のプッシュロッド420に接続されている。
【0046】
コイルアセンブリ310の磁場の方向を変えることによって、アーマチュアアセンブリ320は、ベース10に対して揺動するように駆動される。アーマチュアアセンブリ320のスイングアーム323は、第1のプッシュロッド410および第2のプッシュロッド420をそれぞれ駆動して往復移動させ、可動接点ユニット220と固定接点ユニット230のオン又はオフを実現する。
【0047】
図2および図4に示すように、接触部分20がオン状態にある場合、一方の可動接触片210はプッシュロッドアセンブリ40の作用により変形されて弾性力Fを有し、弾性力Fにより可動接触片210は接点オフ状態に移動しようとする傾向がある。
【0048】
説明の便宜上、図2における磁気回路部分30の下方の2つの可動接触片210を、それぞれ第1の可動接触片210cおよび第2の可動接触片210dとして定義し、図2における磁気回路部分30の上方の2つの可動接触片210を、それぞれ第3の可動接触片210eと第4の可動接触片210fとして定義する。
【0049】
図2及び図4に示すように、第1のプッシュロッド410の一端は、第1の可動接触片210cの第1の端210aに接続され、第1のプッシュロッド410の他端は、第4の可動接触片210fの第1の端210aに接続されている。第2のプッシュロッド420の一端は、第2の可動接触片210dの第1の端210aに接続され、第2のプッシュロッド420の他端は、第3の可動接触片210eの第1の端210aに接続される。第1のプッシュロッド410は、第1の可動接触片210cおよび第4の可動接触片210fを、それぞれ自分の第2の端210bを中心として揺動するように駆動し、第2のプッシュロッド420は、第2の可動接触片210dおよび第3の可動接触片210eを、それぞれ自分の第2の端210bを中心として揺動するように駆動する。
【0050】
コイルアセンブリ310は、通電された後、ベース10に対して揺動するようにアーマチュアアセンブリ320を駆動できることが理解される。例えば、コイルアセンブリ310に正の電流が流れる場合、アーマチュアアセンブリ320は時計回りに揺動し、コイルアセンブリ310に負の電流が流れる場合、アーマチュアアセンブリ320は反時計回りに揺動する。
【0051】
コイルアセンブリ310への通電により発生するコイル駆動力は、永久磁石321により発生する磁気保持力、及び第1のプッシュロッド410および第2のプッシュロッド420にそれぞれ接続される4つの可動接触片210自体の弾性力を克服する必要がある。コイル駆動力が、磁気保持力と弾性力との和よりも大きい場合にのみ、アーマチュアアセンブリ320はベース10に対して揺動することができる。
【0052】
本発明の実施例において、接触部分20がオン状態にある場合、第1の可動接触片210cは、第1のプッシュロッド410の作用により変形されて弾性力Fを有し、この弾性力Fにより第1の可動接触片210cは接点オフ状態に移動しようとする傾向がある。接触部分20がオン状態にある場合、第3の可動接触片210eは、第2のプッシュロッド420の作用により変形されて弾性力Fを有し、この弾性力Fにより、第3の可動接触片210eは接点オフ状態に移動しようとする傾向がある。
【0053】
接触部分20がオン状態からオフ状態に切り替わると、第1のプッシュロッド410は第1の可動接触片210cを押して下方に揺動し、第2のプッシュロッド420は第3の可動接触片210eを押して上方に揺動する。同時に、第1のプッシュロッド410は第4の可動接触片210fを引っ張って下方に揺動し、第2のプッシュロッド420は第2の可動接触片210dを引っ張って上方に揺動する。第1の可動接触片210cは、第1のプッシュロッド410の作用により変形されて弾性力Fを有し、第3の可動接触片210eは、第2のプッシュロッド420の作用により変形されて弾性力Fを有するので、全体として、H4に対応する接点が必要とする分断力+H2に対応する接点が必要とする分断力は、H1に対応する接点が必要とする分断力+H3に対応する接点が必要とする分断力よりも小さくなければならなく、即ち、第1の可動接触片210c及び第3の可動接触片210eに作用する第1のプッシュロッド410及び第2のプッシュロッド420の分断力と、第2の可動接触片210d及び第4の可動接触片210fに作用する第1のプッシュロッド410及び第2のプッシュロッド420の分断力とは異なる。したがって、本発明の実施例に係るリレーは、異なる接点状況に応じて、2つのプッシュロッドの分断力を差別化することができ、不必要なエネルギー損失を低減し、全体のコイル駆動力の利用率を向上させる。
【0054】
接点ギャップが小さい1組の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230を耐アーク端接点250として定義し、接点ギャップが大きい他の1組の可動接点ユニット220と固定接点ユニット230をキャリア端接点260として定義する。
【0055】
磁気回路部分30の下方に位置する接触部分20において、キャリア端接点260に対応する可動接点ユニットの可動接触片210を第1の可動接触片210cとして定義し、耐アーク端接点250に対応する可動接点ユニットの可動接触片210を第2の可動接触片210dとして定義する。
【0056】
磁気回路部分30の上方に位置する接触部分において、キャリア端接点260に対応する可動接点ユニットの可動接触片210を第3の可動接触片210eとして定義し、耐アーク端接点250に対応する可動接点ユニットの可動接触片210を第4の可動接触片210fとして定義する。
【0057】
なお、耐アーク端接点250は接点ギャップが小さいため、接点切断時に粘着力が発生しやすく、リレーが確実に分断されない。したがって、耐アーク端接点250は、キャリア端接点260に比べて、確実に分断するために大きな分断駆動力を必要とする。
【0058】
本発明の実施例では、H4およびH2に対応する接点はキャリア端接点260であり、H1およびH3に対応する接点は耐アーク端接点250である。
【0059】
本実施例において、接触部分20がオン状態にある場合、第1の可動接触片210cは、第1のプッシュロッド410の作用により変形されて弾性力Fを有し、この弾性力Fにより第1の可動接触片210cは接点オフ状態に移動しようとする傾向があるため、接触部分20がオン状態からオフ状態に切り替わるとき、H4に対応するキャリア端接点260は、分断するために、第1のプッシュロッド410によって提供される小さな分断力のみを必要とする。また、接触部分20がオン状態にある場合、第3の可動接触片210eは、第2のプッシュロッド420の作用により変形されて弾性力Fを有し、この弾性力Fにより、第3の可動接触片210eは接点オフ状態に移動しようとする傾向があるため、接触部分20がオン状態からオフ状態に切り替わるとき、H2に対応するキャリア端接点260は、分断するために、第2のプッシュロッド420によって提供される小さな分断力のみを必要とする。
【0060】
このように、コイルアセンブリ310による駆動力が変わらないことを前提として、H4に対応するキャリア端接点260、およびH2に対応するキャリア端接点260に必要な分断力が小さいため、第2のプッシュロッド420の下端がH3に対応する耐アーク端接点250に作用する分断駆動力、および第1のプッシュロッド410の上端がH1に対応する耐アーク端接点250に作用する分断駆動力が大きくなる。これにより、2つの耐アーク端接点250の分断用の分断力を大きくすることができ、より大きな分断力の作用により、耐アーク端接点250は確実に分断することができる。このように、キャリア端接点260の分断力を低減しつつ、耐アーク端接点250の分断力を増大させることができ、不要なエネルギー損失を低減することができる。本発明の実施例のリレーは、キャリア端接点260のパラメータを考慮することなく、耐アーク端接点250のパラメータの制御を容易にするだけでなく、耐アーク端接点250の分断信頼性を向上させる利点も有する。
【0061】
もちろん、接触部分20が1つ、3つまたはその他の数である実施例においても、キャリア端接点の分断力を低減しつつ、耐アーク端接点の分断力を増大させるという上述の利点があり、ここでは説明を省略する。
【0062】
図2に示すように、磁気回路部分30の上方に位置する接触部分20において、左側の可動接点ユニット220および固定接点ユニット230を耐アーク端接点250として定義し、右側の可動接点ユニット220および固定接点ユニット230をキャリア端接点260として定義する。磁気回路部分30の下方に位置する接触部分20において、右側の可動接点ユニット220および固定接点ユニット230を耐アーク端接点250として定義し、左側の可動接点ユニット220および固定接点ユニット230をキャリア端接点260として定義する。
【0063】
すなわち、本発明の実施例では、2つの耐アーク端接点250はベース10の一方の対角線上に位置し、2つのキャリア端接点260はベース10の他方の対角線上に位置している。第1のプッシュロッド410の両端は、それぞれ、キャリア端接点260および耐アーク端接点250に対応し、第2のプッシュロッド420の両端は、それぞれ、耐アーク端接点250および耐アーク端接点250に対応する。
【0064】
また、図7に示すように、可動接触片210は、積層された複数のサブ接触片211を含む。複数の積層されたサブ接触片211を含むように可動接触片210を設計することにより、一方では、サブ接触片211の厚さが薄く、可動接触片210を薄い帯状な材料で作製することができ、その結果、材料コストが低減される。もう一方では、サブ接触片211の数を増減することにより、可動接触片210の厚みを変えることができ、操作が容易になる。
【0065】
図5および図6に示すように、可動接点ユニット220は1つ以上の可動接点221を含み、固定接点ユニット230は1つ以上の固定接点231を含み、対応する可動接点221および固定接点231により接点組が形成され、耐アーク端接点250は1つ以上の接点組を含み、キャリア端接点260は1つ以上の接点組を含む。耐アーク端接点250の接点組の数は、キャリア端接点260の接点組の数以下である。
【0066】
この実施例では、耐アーク端接点250およびキャリア端接点260の両方を複数の接点組を含むように構成することができ、複数の接点組によって形成される並列構造によりリレーの温度上昇をさらに低減することができる。また、キャリア端接点260がキャリアの役割を果たし、耐アーク端接点250が耐アークの役割を果たすため、耐アーク端接点250の接点組の数がキャリア端接点260の接点組の数以下になるように設計することにより、キャリア端接点260の接点組の数を増やして温度上昇を抑えるだけでなく、耐アーク端接点250の接点組の数も制御して接点パラメータの制御を容易にし、最終的に、接点パラメータの制御に影響を与えることなく、接点組を追加できるようになる。
【0067】
図5および図6に示すように、本発明の実施例では、接触部分20は、3つの接点組を含み、そのなか、耐アーク端接点250の接点組の数が1つであり、キャリア端接点260の接点組の数が2つである。キャリア端接点260の2つの接点組は、可動接触片210の幅方向D2に沿って並べて配置されている。
【0068】
引き続き図6を参照して、可動接触片210の幅方向D2に沿って、可動接触片210の隣接する2つの可動接点221の間の部分には、スリット214が設けられている。また、可動接触片210の長さ方向D1に沿って、スリット214は、一端が可動接触片210の端面213を貫通し、他端が可動接触片210の固定接点231まで延びている。
【0069】
本実施例では、可動接触片210にスリット214を配置することにより、可動接触片210はスリット214によって複数のキャリア流体212に分割され、可動接触片210上の複数の可動接点221は複数のキャリア流体212に1対1に対応して配置されている。これにより、可動接触片210上の複数の可動接点221は相対的に独立して運動することができるので、複数の可動接点221は固定接点231に確実に接触し、可動接触片210の可動接点221の一部はもう固定接点231に接触しているが、可動接点221の他の部分はまだ固定接点231に接触していない事態を回避することができ、接点接触の信頼性が向上する。
【0070】
もちろん、他の実施例では、可動接触片210にスリット214を設けなくてもよい。
【0071】
可動接点221および固定接点231は、可動接触片210に設けられている。当然のことながら、可動接点221は可動接触片210に一体的または別体で接続することができ、また、静的接点231も可動接触片210に一体的または別体で接続することができる。
【0072】
可動接点221および固定接点231が可動接触片210に別体で接続する場合、その接続方法はカシメであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0073】
もちろん、他の実施形態では、可動接触片210は、複数の積層されたサブ接触片211を使用する代わりに、一体の部品であってもよい。
【0074】
耐アーク端接点は、接点組の数が少ないため、各接点の体積を大きく設計でき、接点に設けられた銀層が焼けにくくなり、接点の耐久性が向上する。さらに、耐アーク端接点は接点組が少ないため、接点パラメータの測定が容易になる。キャリア端接点は、接点組の数が多く、多接点並列構造となっており、温度上昇を低減する。
【0075】
図8図10に示すように、第2の実施形態の接触部分20は、第1の実施形態の接触部分20とほぼ同様の基本構造を有している。したがって、第2の実施形態の接触部分20の以下の説明では、第1の実施形態で既に説明した構造については繰り返さない。なお、第1の実施形態で説明した接触部分20と同一の構成には同一の符号を付す。したがって、本実施形態の以下の説明では、第1の実施形態の接触部分20との相違点を中心に説明する。
【0076】
本発明の実施例では、接触部分20は、4つの接点組を含み、そのなか、耐アーク端接点250の接点組の数が2つであり、キャリア端接点260の接点組の数が2つである。耐アーク端接点250の2つの接点組と、キャリア端接点260の2つの接点組とは、いずれも可動接触片210の幅方向D2に沿って配置されている。
【0077】
可動接触片210には、スリット214が設けられていてもよいし、スリット214が設けられていなくてもよい。
【0078】
図11に示すように、第3の実施形態の接触部分20は、第2の実施形態の接触部分20とほぼ同様の基本構造を有している。したがって、第3の実施形態の接触部分20の以下の説明では、第2の実施形態で既に説明した構造については繰り返さない。なお、第2の実施形態で説明した接触部分20と同一の構成には同一の符号を付す。したがって、本実施形態の以下の説明では、第2の実施形態の接触部分20との相違点を中心に説明する。
【0079】
本発明の実施例では、接触部分20は4つの接点組を含み、そのなか、耐アーク端接点250の接点組の数が1つであり、キャリア端接点260の接点組の数が3つである。キャリア端接点260の3つの接点組は、可動接触片210の幅方向D2に沿って並べて配置されている。
【0080】
可動接触片210には、スリット214が設けられていてもよいし、スリット214が設けられていなくてもよい。
【0081】
図12に示すように、第4の実施形態の接触部分20は、第1の実施形態の接触部分20とほぼ同様の基本構造を有している。したがって、第4の実施形態の接触部分20の以下の説明では、第1の実施形態で既に説明した構造については繰り返さない。なお、第1の実施形態で説明した接触部分20と同一の構成には同一の符号を付す。したがって、本実施形態の以下の説明では、第1の実施形態の接触部分20との相違点を中心に説明する。
【0082】
本発明の実施例では、接触部分20は5つの接点組を含み、そのなか、耐アーク端接点250の接点組の数が2つであり、キャリア端接点260の接点組の数が3つである。
【0083】
耐アーク端接点250は、2つの接点組が可動接触片210の幅方向D2に沿って並べて配置されている。キャリア端接点260は、3つの接点組が可動接触片210の幅方向D2に沿って並べて配置されている。
【0084】
なお、本発明が提供する様々な実施例/実施形態は、矛盾を生じることなく互いに組み合わされることができ、ここでは説明を省略する。
【0085】
発明の実施例では、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」は、説明の目的のためにのみ使用され、相対的な重要性を示す、又は暗示するために理解されない。用語「複数」は、特に限定されない限り、2つ以上を意味する。「取り付け」、「接する」、「接続」、「固定」などの用語は広義に理解されなければならない。例えば、「接続」は固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的に接続してもよい。「接する」は、直接接続することも、中間媒体を介して間接的に接続することもできる。本発明の実施例における上記用語の具体的な意味は、当業者にとっては、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0086】
本発明の実施例の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に基づく方位又は位置関係であり、単に、本発明の実施例の説明及び説明の簡略化を容易にするためのものであって、指し示すデバイス又はユニットが特定の方位で構成及び動作するために特定の方向を有する必要があることを示す又は暗示するのではなく、発明の実施例に対する限定と理解されることはない。
【0087】
本明細書の説明において、用語「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「特定の実施例」などの説明は、この実施例又は例に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、又は特徴が発明の実施例の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上述の用語の概略的な表現は必ずしも同じ実施例又は例を指すものではない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料、又は特徴は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な方法で結合することができる。
【0088】
以上は発明の実施例の好適な実施例にすぎず、発明の実施例を限定するためには使用されず、当業者にとっては、発明の実施例は種々の変更及び変更が可能である。発明の実施例の精神および原理内で行われるあらゆる修正、均等の置換、改良などは、発明の実施例の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11
図12