(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166190
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】接触片構造及び磁気保持リレー
(51)【国際特許分類】
H01H 1/26 20060101AFI20241121BHJP
H01H 50/56 20060101ALI20241121BHJP
H01H 11/04 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H01H1/26 B
H01H50/56 C
H01H11/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024081279
(22)【出願日】2024-05-17
(31)【優先権主張番号】202310565273.X
(32)【優先日】2023-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518215954
【氏名又は名称】シァメン ホンファ エレクトリック パワー コントロールズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Xiamen Hongfa Electric Power Controls Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.93 Yinong Road, Haicang District, Xiamen, Fujian 361027,China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】グォジン リャオ
(72)【発明者】
【氏名】ウェングアン ダイ
(72)【発明者】
【氏名】シュミン ジョォン
(72)【発明者】
【氏名】ファンノン リ
【テーマコード(参考)】
5G023
5G051
【Fターム(参考)】
5G023BA23
5G051HA07
5G051HA13
(57)【要約】
【課題】本発明は、接触片構造及び磁気保持リレーを提供する。
【解決手段】接触片構造は、接触片本体を含み、スロットを有し、スロットは、対向する第1の側壁と第2の側壁とを有し、第1の側壁は、第1の平面部と第1の平面部から第2の側壁に向かって突出する突起とを有し、第2の側壁は、第2の平面部と第2の平面部から陥没し、突起に対応する陥没部とを有する。ここで、第1の側壁の突起の頂端から第2の平面部が位置する平面までの第1の距離は、接触片本体の厚さより小さい。本発明の実施例に係る接触片構造は、接触片構造の変形を回避することができ、生産効率を向上させることができる。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触片本体を有する接触片構造であって、
前記接触片本体は、スロットを有し、前記スロットは、対向する第1の側壁と第2の側壁とを有し、前記第1の側壁は、第1の平面部と前記第1の平面部から前記第2の側壁に向かって突出する突起とを有し、前記第2の側壁は、第2の平面部と前記第2の平面部から陥没し、前記突起に対応する陥没部とを含み、
前記第1の側壁の前記突起の頂端から前記第2の平面部が位置する平面までの第1の距離は、前記接触片本体の厚さより小さい
ことを特徴とする接触片構造。
【請求項2】
前記第1の側壁と前記第2の側壁との間の第2の距離は、前記接触片本体の厚さより大きい又は等しい
ことを特徴とする請求項1に記載の接触片構造。
【請求項3】
前記第1の平面部と前記第2の平面部との間の距離は、前記第1の側壁の前記突起と前記第2の側壁の前記陥没部との間の距離より小さい又は等しい、又は
前記第1の平面部と前記第2の平面部との間の距離は、前記第1の側壁の前記突起と前記第2の側壁の前記陥没部との間の距離より大きい
ことを特徴とする請求項1に記載の接触片構造。
【請求項4】
前記突起と前記陥没部の形状は、それぞれ三角形、アーチ形、正方形、長方形、台形、U字形および六角形の少なくとも一つである
ことを特徴とする請求項1に記載の接触片構造。
【請求項5】
前記突起と前記陥没部の形状が同一である
ことを特徴とする請求項1に記載の接触片構造。
【請求項6】
前記接触片構造は、圧縮バネを含み、前記圧縮バネは、前記接触片本体を含み、且つ前記圧縮バネの前記接触片本体は、第1の接触片本体であり、前記第1の接触片本体は、可動接点を接続するための2つの接続孔を有し、
前記スロットは、第1のスロットを含み、前記第1のスロットは、前記圧縮バネの前記接続孔を有する一端に設けられ、且つ前記第1のスロットは、2つの前記接続孔の間に位置している
ことを特徴とする請求項1に記載の接触片構造。
【請求項7】
前記接触片構造は、可動接触片を含み、前記可動接触片は、前記接触片本体を含み、且つ前記可動接触片の前記接触片本体は、第2の接触片本体であり、前記第2の接触片本体の一端には、2つの第1の装着孔が設けられ、前記第1の装着孔は、可動接点を装着するのに用いられ、前記スロットは、第2のスロットを含み、前記第2のスロットは、2つの前記第1の装着孔の間に設けられている
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の接触片構造。
【請求項8】
前記可動接触片の前記第2の接触片本体の他端には、2つの第2の装着孔が設けられ、前記第2の装着孔は、固定接点を装着するのに用いられ、前記第2のスロットは、前記第2の接触片本体の前記第1の装着孔が設けられている一端から前記第2の装着孔に接近する方向に伸び、且つ前記第2の装着孔に達してない
ことを特徴とする請求項7に記載の接触片構造。
【請求項9】
前記接触片構造は、積層された複数の可動接触片を含み、各前記可動接触片には、前記第2のスロットが設けられ、且つ各前記可動接触片の前記第2のスロットの前記第1の側壁の突起の形状は同一又は異なり、各前記可動接触片の前記第2のスロットの前記第2の側壁の陥没部の形状が同一又は異なっている
ことを特徴とする請求項7に記載の接触片構造。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかの1項に記載の接触片構造を含んでいる
ことを特徴とする磁気保持リレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リレーの技術分野に関し、特に、接触片構造及び磁気保持リレーに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気保持リレーは、回路を閉鎖したり切断したりする役割を果たす自動スイッチである。磁気保持リレーは、可動接触子部とコイルを含み、可動接触子部は少なくとも2つの接触片を有し、一方の接触片には可動接点が設けられ、他方の接触片には固定接点が設けられている。コイルに順方向パルス電圧が供給されると、可動接点と固定接点が接触され、回路が導通し、そしてコイルに逆方向パルス電圧が供給されると、可動接点と固定接点が遮断され、回路が遮断される。
【0003】
ここで、可動接触子部の部品は、可動接触片と圧縮バネを含み、電気特性の安定性を確保するために、可動接触片と圧縮バネにはスロットが設けられ、スロットの大きさは可動接触片又は圧縮バネ自体の厚さよりも大きくなっている。このようにすると、可動接触子部を組み立てる前に、輸送過程において、可動接触片又は圧縮バネが他の可動接触片又は圧縮バネのスロットに挿入されることになり、これらの部品が変形しやすく、且つ組み立てる前に分解する必要があり、生産効率が低下する。
【0004】
背景技術部分に開示されている前記情報は、単に本発明の背景の理解を補強するためのものであり、したがって、背景部分には、当業者が既に知っているような関連技術を構成しない情報が含まれている可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施例は、接触片構造及び磁気保持リレーを提供し、接触片構造の変形を回避することができ、生産効率を向上させることができる。
【0006】
本発明の実施例は、接触片本体を有する接触片構造を提供し、前記接触片本体は、スロットを有し、前記スロットは、対向する第1の側壁と第2の側壁とを有し、前記第1の側壁は、第1の平面部と前記第1の平面部から前記第2の側壁に向かって突出する突起とを有し、前記第2の側壁は、第2の平面部と前記第2の平面部から陥没し、前記突起に対応する陥没部とを含み、ここで、前記第1の側壁の前記突起の頂端から前記第2の平面部が位置する平面までの第1の距離は、前記接触片本体の厚さより小さい。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間の第2の距離は、前記接触片本体の厚さより大きい又は等しい。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1の平面部と前記第2の平面部との間の距離は、前記第1の側壁の前記突起と前記第2の側壁の前記陥没部との間の距離より小さい又は等しい、又は
前記第1の平面部と前記第2の平面部との間の距離は、前記第1の側壁の前記突起と前記第2の側壁の前記陥没部との間の距離より大きい。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記突起と前記陥没部の形状は、それぞれ三角形、アーチ形、正方形、長方形、台形、U字形および六角形の少なくとも一種である。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記突起と前記陥没部の形状が同一である。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記接触片構造は、圧縮バネを含み、前記圧縮バネは、前記接触片本体を含み、且つ前記圧縮バネの前記接触片本体は、第1の接触片本体であり、前記第1の接触片本体は、可動接点を接続するための2つの接続孔を有し、
前記スロットは、第1のスロットを含み、前記第1のスロットは、前記圧縮バネの前記接続孔を有する一端に設けられ、且つ前記第1のスロットは、2つの前記接続孔の間に位置している。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記接触片構造は、可動接触片を含み、前記可動接触片は、前記接触片本体を含み、且つ前記可動接触片の前記接触片本体は、第2の接触片本体であり、前記第2の接触片本体の一端には、2つの第1の装着孔が設けられ、前記第1の装着孔は、可動接点を装着するのに用いられ、前記スロットは、第2のスロットを含み、前記第2のスロットは、2つの前記第1の装着孔の間に設けられている。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記可動接触片の前記第2の接触片本体の他端には、2つの第2の装着孔が設けられ、前記第2の装着孔は、固定接点を装着するのに用いられ、前記第2のスロットは、前記第2の接触片本体の前記第1の装着孔が設けられている一端から前記第2の装着孔に接近する方向に伸び、且つ前記第2の装着孔に達してない。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記接触片構造は、積層された複数の可動接触片を含み、各前記可動接触片には、前記第2のスロットが設けられ、且つ各前記可動接触片の前記第2のスロットの前記第1の側壁の突起の形状は同一又は異なり、各前記可動接触片の前記第2のスロットの前記第2の側壁の陥没部の形状が同一又は異なっている。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記いずれの実施例に記載の接触片構造を含んでいる磁気保持リレーをさらに提供している。
【0016】
前記技術的解決手段から、本発明は以下の利点または有益な効果の少なくとも一つを有することが分かる:
本発明の実施例では、スロットの第1の側壁は、第1の平面部と突起とを有し、第2の側壁は、第2の平面部と陥没部とを含み、第1の側壁の突起の頂端から第2の平面部が位置する平面までの第1の距離は、接触片本体の厚さより小さく、輸送過程において、他の接触片本体が該スロットに挿入されるのを回避することができるので、接触片構造が変形するのを回避し、且つ組み立てる前に分解する必要もなく、生産効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の上述の特徴および他の特徴および利点は、添付図面を参照した例示的な実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【
図1】本発明のいくつかの実施形態で示す接触片構造の概略図であり、ここで、突起と陥没部の形状は、いずれも三角形である。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態で示す接触片構造の概略図であり、ここで、突起の形状は、三角形であり、陥没部は突起に対応し、突起と陥没部は、単一である。
【
図3】本発明の他のいくつかの実施形態で示す接触片構造の概略図であり、ここで、突起と陥没部の形状は、いずれもアーチ形である。
【
図4】本発明の他のいくつかの実施形態で示す接触片構造の概略図であり、ここで、突起と陥没部の形状は、いずれも正方形である。
【
図5】本発明の他のいくつかの実施形態で示す接触片構造の概略図であり、ここで、突起と陥没部の形状は、いずれも長方形である。
【
図6】本発明の他のいくつかの実施形態で示す接触片構造の概略図であり、ここで、突起と陥没部の形状は、いずれも長方形である。
【
図7】本発明の他のいくつかの実施形態で示す接触片構造の概略図であり、ここで、突起と陥没部の形状は、いずれも台形である。
【
図8】本発明の他のいくつかの実施形態で示す接触片構造の概略図であり、ここで、突起と陥没部の形状は、いずれもU字形である。
【
図9】本発明の他のいくつかの実施形態で示す接触片構造の概略図であり、ここで、突起と陥没部の形状は、いずれも正六角形である。
【
図10】本発明の他のいくつかの実施形態で示す接触片構造の概略図である。
【
図11】本発明のいくつかの実施形態で示す接触片構造が圧縮バネと可動接触片とを含む概略図である。
【
図12】本発明のいくつかの実施形態で示す接触片構造が圧縮バネと可動接触片とを含む概略図である。
【
図13】本発明の他のいくつかの実施形態で示す接触片構造が可動接触片である概略図である。
【
図14】本発明のいくつかの実施形態で示す接触片構造が圧縮バネと可動接触片である概略図である。
【
図15】本発明のいくつかの実施形態で示す接触片構造が圧縮バネと可動接触片である概略図である。
【
図16】本発明のいくつかの実施形態で示す磁気保持リレーの斜視概略図である。
【
図17】本発明のいくつかの実施形態で示す磁気保持リレーからカバー体が取り外された斜視概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、図面を参照して、例示的な実施形態についてより詳細に説明する。しかしながら、例示的な実施形態は様々な形態で実施することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されると理解されるべきではない。対照的に、これらの実施形態は、本発明を包括的かつ完全にし、例示的な実施形態の構想を当業者に全面的に伝えるように提供される。図中の同一の符号は同一又は類似の構成を示しており、その詳細な説明は省略する。
【0019】
図1~
図15に示すように、本発明の実施例は、接触片本体1を含む接触片構造を提供している。接触片本体1は、スロット2を有し、スロット2は、対向する第1の側壁21と第2の側壁22とを有し、第1の側壁21は、第1の平面部211と第1の平面部211から第2の側壁22に向かって突出する突起212とを有し、第2の側壁22は、第2の平面部221と第2の平面部221から陥没し、突起212に対応する陥没部222とを含み、ここで、第1の側壁21の突起212の頂端から第2の平面部221が位置する平面までの第1の距離d1は、接触片本体1の厚さd3より小さい。
【0020】
本発明の実施例において、スロット2の第1の側壁21は、第1の平面部211と突起212と有し、第2の側壁22は、第2の平面部221と陥没部222とを有し、第1の側壁21の突起212の頂端から第2の平面部221が位置する平面までの第1の距離d1は、接触片本体1の厚さd3より小さく、輸送過程において、他の接触片本体1が該スロット2に挿入されるのを回避することができるので、接触片構造が変形するのを回避し、且つ組み立てる前に分解する必要もなく、生産効率が向上する。
【0021】
以下、本発明の実施例の接触片構造について詳細に説明する。
【0022】
図14に示すように、接触片本体1の厚さd3は、接触片本体1に垂直な方向における接触片本体1の寸法である。
図1に示すように、第1の平面部211と第2の平面部221はいずれも平面である。
【0023】
いくつかの実施例では、第1の側壁21と第2の側壁22との間の第2の距離d2は、接触片本体1の厚さd3より大きい又は等しい。ここで、第1の側壁21と第2の側壁22との間の第2の距離d2は、第1の平面部211と第2の平面部221との間の距離であってもよく、突起212の頂端と陥没部222の底端との間の距離であってもよく、すなわち、第1の平面部211と第2の平面部221との間の距離であっても、突起212の頂端と陥没部222の底端との間の距離であっても、いずれも接触片本体1の厚さd3より大きい又は等しい。
【0024】
すなわち、第1の側壁21と第2の側壁22との間には、1本の非直線の隙間が形成されており、該当隙間の幅は、接触片本体1の厚さd3より大きい又は等しく、第1の側壁21と第2の側壁22との間の第2の距離d2は、接触片本体1の厚さd3より大きい又は等しく、プレス金型で成形する際の接触片本体1の強度を確保することができ、すなわち、接触片本体1がプレス加工されて第1の側壁21と第2の側壁22との間の隙間を形成する際に、該当隙間の第2のピッチd2を小さく、特に、接触片本体1の厚さd3よりも小さくするほど、接触片本体1がプレス加工される際の強度が小さくなり、接触片本体1の破断が生じやすくなる。本発明の実施例では、接触片本体1の前記隙間の第2のピッチd2を接触片本体1の厚さd3よりも大きいまたは等しく設けることで、接触片本体1がプレス加工される際の強度を高めることができるので、接触片本体1が破断しにくく、大量産に適している。ここで、隙間の幅は、第1の平面部211及び第2の平面部221に垂直な方向に沿った隙間の寸法として理解することができる。
【0025】
いくつかの実施例では、第1の平面部211と第2の平面部221との間の距離は、第1の側壁21の突起212と第2の側壁22の陥没部222との間の距離より小さい又は等しい。
【0026】
いくつかの実施例では、第1の平面部211と第2の平面部221との間の距離は、第1の側壁21の突起212と第2の側壁22の陥没部222との間の距離より大きい。
【0027】
具体的には、第1の平面部211と第2の平面部221との距離と、第1の側壁21の突起212と第2の側壁22の陥没部222との間の距離のサイズを調整することができる。すなわち、第1の側壁21と第2の側壁22とで形成される隙間の幅寸法の分布は同じでも異なっていてもよいが、第1の側壁21の突起212から第2の側壁22の第2の平面部221が位置する平面までの第1の距離d1は、いずれも接触片本体1の厚さd3より小さくすることにより、突起212が他の接触片本体に対する障壁として機能し、他の接触片本体の挿入を阻止することができる。
【0028】
いくつかの実施例では、第1の側壁21と第2の側壁22との間の第2の距離d2は、第1の側壁21の突起212から第2の側壁22の第2の平面部221が位置する平面までの第1の距離d1の1.5倍~4倍であってもよく、具体的には、上記2つの端値に加えて、2倍、2.5、3、3.5倍等であってもよく、ここでは特に限定されない。いくつかの実施例では、第1の側壁21の突起212から第2の側壁22の第2の平面部221が位置する平面までの第1の距離d1は、接触片本体1の厚さd3の1/4、1/3、1/2であってもよく、ここでは特に限定されない。例えば、第2の距離d2は、0.5mmであってもよく、第1の距離d1は、0.125mmであってもよく、接触片本体1の厚さd3は、0.25mmであってもよい。
【0029】
第1の平面部211と第2の平面部221との間の距離と、第1の側壁21の突起212から第2の側壁22の陥没部222との間の距離については、特に限定されず、当業者が実情に応じて調整すればよい。ここで、突起212と陥没部222との間の距離は、突起212の頂端と陥没部222の底端との間の距離として理解され得る。
【0030】
いくつかの実施例では、
図1から
図10に示すように、突起212と陥没部222の形状は、それぞれ三角形、アーチ形、正方形、長方形、台形および六角形の少なくとも一種である。
【0031】
いくつかの実施例では、
図1から
図9に示すように、突起212と陥没部222の形状は同一である。
【0032】
図1と
図2に示すように、突起212と陥没部222の形状は、いずれも三角形である。ここで、突起212と陥没部222の形状は、突起212と陥没部222のエッジ輪郭線によって形成される図形の形状と理解することができる。
図1に示す突起212と陥没部222の数は、いずれも複数であってもよく、
図2は、突起212と陥没部222の数がいずれも単一(1つ)であり、且つ突起212と陥没部222は、スロット2のエッジに配置されていることを示している。
図3に示すように、突起212と陥没部222の形状は、いずれもアーチ形である。
図4に示すように、突起212と陥没部222の形状は、いずれも正方形である。
図5と
図6に示すように、突起212と陥没部222の形状は、いずれも長方形であり、
図6中の突起212の寸法は、陥没部222の寸法より小さい。
図7に示すように、突起212と陥没部222の形状は、いずれも台形である。
図8に示すように、突起212と陥没部222の形状は、いずれもU字形である。
図9に示すように、突起212と陥没部222の形状は、いずれも正六角形であり、勿論、突起212と陥没部222の形状は、五角形、八角形等であってもよく、ここでは特に限定されない。突起212と陥没部222は同一の形状を有することにより、突起212と陥没部222との間の距離の調整が容易になり、加工が容易になり、加工効率が向上する。
【0033】
他のいくつかの実施形態では、突起212と陥没部222の形状が異なっていてもよい。例えば、突起212の形状は、三角形であり、それと対応する陥没部222の形状はアーチ形であり、突起212の形状は、台形であり、それと対応する陥没部222の形状は長方形であってもよく、当業者が実際の状況に応じて調整することができ、ここでは特に限定されない。
【0034】
他のいくつかの実施形態では、
図10に示すように、第1の側壁21の複数の突起212の形状も異なっていてもよく、第2の側壁22の複数の陥没部222の形状も異なっていてもよい。例えば第1の側壁21の1番目の突起212の形状は、アーチ形であり、2番目の突起212の形状は、長方形であり、1番目の突起212に対応する陥没部222の形状は、アーチ形又は台形又は長方形であってもよく、2番目の突起212に対応する陥没部222の形状は、長方形、三角形又は正方形であってもよく、すなわち、複数の突起212において、突起212と他の突起212の形状は異なってもよく、突起212に対応する陥没部222の形状が同一又は異なってもよく、当業者が実際の状況に応じて設置することができ、ここでは特に限定されない。
【0035】
いくつかの実施例では、
図1から
図12に示すように、接触片構造は、圧縮バネを含み、圧縮バネは、前記実施例における接触片本体1を含み、区別を容易にするために、該当接触片本体1は、第1の接触片本体1’とし、第1の接触片本体1’は、可動接点を装着するための2つの接続孔3’を有する。ここで、スロット2は、第1のスロット2’を含み、第1のスロット2’は、圧縮バネの第1の接触片本体1’の接続孔3’を有する一端に設けられ、且つ第1のスロット2’は、2つの接続孔3’の間に位置している。
【0036】
ここで、圧縮バネは、可動接点とリレーのプッシュカードを接続するのに用いられ、プッシュカードが移動する際、圧縮バネの第1の接触片本体1’も一緒に移動し、可動接点の移動を駆動することで、可動接点と固定接点の閉鎖又は切断を実現する、このため、圧縮バネの第1の接触片本体1’の2つの接続孔3’は、可動接点を接続するのに用いられる。第1のスロット2’は、2つの接続孔3’の間に設けられ、第1の接触片本体1’の応力を減少させ、圧縮バネの使用寿命を向上させることができる。また、圧縮バネの第1の接触片本体1’の第1のスロット2’には、第1の側壁21に第2の側壁22に向かって突出する突起212を有し、第2の側壁22には、該当突起212に対応する陥没部222を有し、圧縮バネの放熱面積を増加させることができ、圧縮バネの放熱効率を向上させることができる。
【0037】
いくつかの実施例では、
図13に示すように、接触片構造は、可動接触片を含み、可動接触片は、前記実施例における接触片本体1を含み、該当接触片本体1は、第2の接触片本体1”であり、可動接触片の第2の接触片本体1”の一端には、可動接点を装着するための2つの第1の装着孔3”が設けられ、スロット2は、第2のスロット2”を含み、第2のスロット2”は、2つの第1の装着孔3”の間に設けられている。
【0038】
いくつかの実施例では、
図13に示すように、可動接触片の第2の接触片本体1”の他端には、固定接点を装着するための2つの第2の装着孔4”が設けられ、第2のスロット2”は、可動接触片の第2の接触片本体1”の第1の装着孔3”が設けられている一端から第2の装着孔4”に接近する方向に伸び、且つ第2の装着孔4”に達してない。
【0039】
具体的には、
図13と
図14に示すように、可動接触片の第2の接触片本体1”の対向する両端には、それぞれ可動接点と固定接点を装着するための第1の装着孔3”と第2の装着孔4”とが設けられている。第2のスロット2”は、2つの装着孔の間に設けられ、可動接触片の応力を減少させ、圧縮バネの使用寿命を向上させることができる。同時に、第2のスロット2”の第1の側壁21は、突起212を有し、第2の側壁22は、陥没部222を有することにより、可動接触片の第2の接触片本体1”の有效長さが増加し、可動接触片と可動接点、固定接点とが組み立てられて通電された後、増加する有效長さにより可動接触片が受けるアンペア力(可動接触片が組み立てられて通電された後、他の可動接点片と並列回路構造を形成することができ、2つの並列可動接点片は、アンペア力で互いに吸引することができる)を増加させることができ、したがって、可動接点と固定接点との間の接触圧力を増加させ、可動接点と固定接点の閉鎖の安定性を向上させることができる。
【0040】
いくつかの実施例では、
図14に示すように、接触片構造は、積層された複数の可動接触片を含み、各可動接触片の第2の接触片本体1”には、いずれも第2のスロット2”が設けられ、且つ各可動接触片の第2の接触片本体1”の第2のスロット2”の第1の側壁21の突起212の形状は、同一又は異なり、各可動接触片の第2の接触片本体1”の第2のスロット2”の第2の側壁22の陥没部222の形状は、同一又は異なっている。
【0041】
いくつかの実施例では、
図14に示すように、接触片構造は、3つの可動接触片を含み、3つの可動接触片の第2の接触片本体1”の突起212と陥没部222の形状は同一であり、例えばいずれもアーチ形である。3つの可動接触片の第2の接触片本体1”は、それぞれ第1の可動接触片本体11”、第2の可動接触片本体12”、第3の可動接触片本体13”である。他のいくつかの実施形態では、第1の可動接触片本体11”の第2のスロット2”の第1の側壁21の突起212は、三角形であってもよく、陥没部222は、三角形であってもよく、第2の可動接触片本体12”の第2のスロット2”の第1の側壁21の突起212は、アーチ形であってもよく、陥没部222は、アーチ形であってもよく、第3の可動接触片本体13”の第2のスロット2”の第1の側壁21の突起212は、台形であってもよく、陥没部222であってもよい。勿論、各可動接触片の突起212は、異なる形状を有してもよく、陥没部222は、異なる形状を有してもよく、ここでは特に限定されない。
【0042】
いくつかの実施例では、
図14と
図15に示すように、接触片構造は、圧縮バネと可動接触片とを含む。圧縮バネの第1の接触片本体1’の第1のスロット2’の設置と可動接触片の第2の接触片本体1”の第2のスロット2”の設置は、上記実施例で説明したものと同じであり、ここでは繰り返さない。
【0043】
他のいくつかの実施形態では、
図11と
図12に示すように、可動接触片の第2の接触片本体1”の第2のスロット2”の第1の側壁21には、突起212が設けられておらず、且つ第2の側壁22にも、陥没部222が設けられておらず、第1の側壁21と第2の側壁22はいずれも平面である。該当可動接触片と前記実施例の圧縮バネと組み合わされることにより、上記実施例における接触片構造を形成する。
【0044】
いくつかの実施例では、接触片構造は、可動接点と固定接点(図示せず)とをさらに含むことができ、圧縮バネの第1の接触片本体1’の接続孔3’、可動接触片の第2の接触片本体1”の第1の装着孔3”は、可動接点と組み立てられ、可動接触片の第2の接触片本体1”の第2の装着孔4”は、固定接点と組み立てられ、リレーにおける可動接触子アセンブリを形成することができる。
【0045】
上述したように、本発明の実施例のスロット2の第1の側壁21は、第1の平面部211と突起212と有し、第2の側壁22は、第2の平面部221と陥没部222とを有し、第1の側壁21の突起212の頂端から第2の平面部221が位置する平面までの第1の距離d1は、接触片本体1の厚さd3より小さく、輸送過程において、他の接触片本体1が該スロット2に挿入されるのを回避することができるので、接触片構造が変形するのを回避し、且つ組み立てる前に分解する必要もなく、生産効率が向上する。
【0046】
本発明の実施例は、磁気保持リレーをさらに提供し、
図16と
図17に示すように、該当磁気保持リレーは、ハウジングおよび上記いずれかの実施例に記載の接触片構造を含む。
【0047】
ここで、ハウジング5は、ベース51とカバー体52とを含む。接触片構造は、ベース51上に装着され、カバー体52を閉じると、接触片構造を当該ハウジング5内に収容することができる。接触片構造については、既に上記実施例で具体的に説明したので、ここでは繰り返さない。
【0048】
上述したように、本発明の実施例の磁気保持リレーは、前記いずれかの実施例で説明した接触片構造を含み、接触片構造が変形しにくく、磁気保持リレーの生産効率が向上する。
【0049】
なお、本発明が提供する様々な実施例/実施形態は、矛盾を生じることなく互いに組み合わされることができ、ここでは一一列挙して説明しない。
【0050】
発明の実施例では、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」は、説明の目的のためにのみ使用され、相対な重要性を示す、又は暗示するために理解されない。用語「複数」は、特に限定されない限り、2つ以上を意味する。「取り付け」、「接する」、「接続」、「固定」などの用語は広義に理解されなければならない。例えば、「接続」は固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的に接続してもよい。「接する」は、直接接続することも、中間媒体を介して間接的に接続することもできる。本発明の実施例における前記用語の具体的な意味は、当業者にとっては、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0051】
本発明の実施例の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に基づく方位又は位置関係であり、単に、本発明の実施例の説明及び説明の簡略化を容易にするためのものであって、指し示すデバイス又はユニットが特定の方位で構成及び動作するために特定の方向を有する必要があることを示す又は暗示するのではなく、発明の実施例に対する制限とは理解できない。
【0052】
本明細書の説明において、用語「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「特定の実施例」などの説明は、この実施例又は例に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、又は特徴が発明の実施例の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上述の用語の概略的な表現は必ずしも同じ実施例又は例を指すものではない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料、又は特徴は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な方法で結合することができる。
【0053】
以上は発明の実施例の好適な実施例にすぎず、発明の実施例を限定するためには使用されず、当業者にとっては、発明の実施例は種々の変更及び変更が可能である。発明の実施例の精神および原理内で行われるあらゆる修正、同等の置換、改良などは、発明の実施例の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0054】
1、接触片本体、
2、スロット、
21、第1の側壁、
211、第1の平面部、
212、突起、
22、第2の側壁、
221、第2の平面部、
222、陥没部、
1’、第1の接触片本体、
2’、第1のスロット、
3’、接続孔、
1”、第2の接触片本体、
11”、第1の可動接触片本体、
12”、第2の可動接触片本体、
13”、第3の可動接触片本体、
2”、第2のスロット、
3”、第1の装着孔、
4”、第2の装着孔、
5、ハウジング、
51、ベース、
52、カバー体、
d1、第1の距離、
d2、第2の距離、
d3、接触片本体の厚さ。