(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166216
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】シート体験システム
(51)【国際特許分類】
G09B 9/04 20060101AFI20241121BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20241121BHJP
A47C 9/00 20060101ALI20241121BHJP
G01L 5/00 20060101ALI20241121BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G09B9/04 Z
B60N2/90
A47C9/00 Z
G01L5/00 101Z
G09B19/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024151865
(22)【出願日】2024-09-04
(62)【分割の表示】P 2020155404の分割
【原出願日】2020-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】郭 裕之
(72)【発明者】
【氏名】澤田 智洋
(57)【要約】
【課題】ユーザによって操作される操作対象の速度を変更することができるシート体験システムを提供することを目的とする。
【解決手段】シート体験システム1は、シート本体S10と、シート本体S10上のユーザの動作を検出するための情報を取得する複数のセンサ(圧力センサ21~26)を有するシートSと、センサから情報を取得する制御部と、を備える。制御部は、センサから取得した情報に基づいて、ユーザの姿勢が維持されていると判定した場合には、ユーザの姿勢が維持されていないと判定した場合よりも、ユーザによって操作される仮想または実在の操作対象の速度を大きくする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート本体と、前記シート本体上のユーザの動作を検出するための情報を取得する複数のセンサを有するシートと、
前記センサから前記情報を取得する制御部と、を備えたシート体験システムであって、
前記センサは、ユーザからの圧力値を取得する圧力センサであり、前記シート本体の左に配置される左センサと、前記シート本体の右に配置される右センサと、を備え、
前記制御部は、
前記センサから取得した情報に基づいて、前記ユーザの姿勢が維持されていると判定した場合には、前記ユーザの姿勢が維持されていないと判定した場合よりも、前記ユーザによって操作される仮想または実在の操作対象の速度を大きくし、
前記圧力値の変動が所定範囲内であるという第1条件を満たしたか否かと、前記圧力値が所定値以上となる時間が、所定時間以上維持されたという第2条件を満たしたか否かを判定し、
前記操作対象を左に旋回させる左カーブ走行時において、前記左センサの圧力値が前記第1条件および前記第2条件を満たし、かつ、前記右センサの圧力値が前記第2条件を満たさないという左カーブ走行条件が満たされた場合に、前記操作対象を第2速度で移動させ、
前記左カーブ走行時において、前記左カーブ走行条件が満たされていない場合には、前記操作対象を前記第2速度よりも小さい速度で移動させることを特徴とするシート体験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサを有するシートを備えたシート体験システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗員の着座姿勢を検出するために、シート上に複数の圧力センサを配置した車両用シートが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の車両用シートは、運転者の着座姿勢を評価して提示するだけであるので、あまり有効に利用できないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、シートの新たな価値を提案するべく、ユーザによって操作される操作対象の速度を変更することができるシート体験システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決するため、本発明に係るシート体験システムは、シート本体と、前記シート本体上のユーザの動作を検出するための情報を取得する複数のセンサを有するシートと、前記センサから前記情報を取得する制御部と、を備える。
前記制御部は、前記センサから取得した情報に基づいて、前記ユーザの姿勢が維持されていると判定した場合には、前記ユーザの姿勢が維持されていないと判定した場合よりも、前記ユーザによって操作される仮想または実在の操作対象の速度を大きくする。
【0007】
この構成によれば、シート上のユーザの姿勢が維持されているかに応じて、制御部が操作対象の速度を変更するので、ユーザによって操作される操作対象の速度を変更することができる。
【0008】
また、前記センサは、ユーザからの圧力値を取得する圧力センサであり、前記制御部は、前記圧力値の変動が所定範囲内であるという第1条件を満たした場合に、前記ユーザの姿勢が維持されたと判定してもよい。
【0009】
また、前記制御部は、前記圧力値が所定値以上となる時間が、所定時間以上維持されたという第2条件を満たした場合に、前記ユーザの姿勢が維持されたと判定してもよい。
【0010】
また、前記センサは、前記シート本体の左に配置される左センサと、前記シート本体の右に配置される右センサと、を備えていてもよい。
【0011】
また、前記制御部は、前記操作対象を直線的に移動させる直線走行時において、前記左センサおよび前記右センサの各圧力値が、前記第1条件および前記第2条件を満たしたという直線走行条件が満たされた場合には、前記操作対象を第1速度で移動させ、前記直線走行時において、前記直線走行条件が満たされていない場合には、前記操作対象を前記第1速度よりも小さい速度で移動させてもよい。
【0012】
これによれば、ユーザからの荷重が左センサと右センサにバランスよく加わった状態でユーザの姿勢が維持されている場合に、直線走行条件が満たされて操作対象の速度が大きくなる。
【0013】
また、前記制御部は、前記操作対象を左に旋回させる左カーブ走行時において、前記左センサの圧力値が前記第1条件および前記第2条件を満たし、かつ、前記右センサの圧力値が前記第2条件を満たさないという左カーブ走行条件が満たされた場合に、前記操作対象を第2速度で移動させ、前記左カーブ走行時において、前記左カーブ走行条件が満たされていない場合には、前記操作対象を前記第2速度よりも小さい速度で移動させてもよい。
【0014】
これによれば、ユーザからの荷重が右センサよりも左センサに大きく加わった状態でユーザの姿勢が維持されている場合に、左カーブ走行条件が満たされて操作対象の速度が大きくなる。
【0015】
また、前記制御部は、前記操作対象を右に旋回させる右カーブ走行時において、前記右センサの圧力値が前記第1条件および前記第2条件を満たし、かつ、前記左センサの圧力値が前記第2条件を満たさないという右カーブ走行条件が満たされた場合に、前記操作対象を第3速度で移動させ、前記右カーブ走行時において、前記右カーブ走行条件が満たされていない場合には、前記操作対象を前記第3速度よりも小さい速度で移動させてもよい。
【0016】
これによれば、ユーザからの荷重が左センサよりも右センサに大きく加わった状態でユーザの姿勢が維持されている場合に、右カーブ走行条件が満たされて操作対象の速度が大きくなる。
【0017】
また、前記シート本体は、シートクッションと、シートバックとを備え、前記左センサおよび前記右センサは、前記シートクッションと前記シートバックにそれぞれ設けられていてもよい。
【0018】
また、前記制御部は、前記左センサの圧力値が前記右センサの圧力値より大きい場合には、前記操作対象を左に移動させ、前記右センサの圧力値が前記左センサの圧力値より大きい場合には、前記操作対象を右に移動させてもよい。
【0019】
また、前記シート体験システムは、前記シート本体の左右方向の中央よりも左に位置する左スピーカと、前記シート本体の左右方向の中央よりも右に位置する右スピーカと、をさらに備え、前記制御部は、前記操作対象がコースの左端に寄った場合には、前記左スピーカの音量を前記右スピーカよりも大きくし、前記操作対象がコースの右端に寄った場合には、前記右スピーカの音量を前記左スピーカよりも大きくしてもよい。
【0020】
また、前記制御部は、前記操作対象を登坂させる登坂走行時において、前記ユーザの姿勢が第1姿勢に維持されていると判定した場合には、前記ユーザの姿勢が前記第1姿勢に維持されていないと判定した場合よりも、前記操作対象の速度を大きくしてもよい。
【0021】
また、前記制御部は、前記操作対象を降坂させる降坂走行時において、前記ユーザの姿勢が第2姿勢に維持されていると判定した場合には、前記ユーザの姿勢が前記第2姿勢に維持されていないと判定した場合よりも、前記操作対象の速度を大きくしてもよい。
【0022】
また、前記操作対象は、画面に表示されない仮想の操作対象であり、画面上の背景を構成する構成物が移動することで前記構成物に対して相対的に移動する
【0023】
また、前記シート本体は、前記ユーザの下半身を支える第1支持部と、前記ユーザの上半身を支える第2支持部と、を有し、前記第1支持部と前記第2支持部が、ベッド状に一体に形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ユーザによって操作される操作対象の速度を変更することができる。
【0025】
また、直線走行時において、ユーザからの荷重が左センサと右センサにバランスよく加わった状態でユーザの姿勢が維持されている場合に、操作対象の速度を大きくすることができる。
【0026】
また、左カーブ走行時において、ユーザからの荷重が右センサよりも左センサに大きく加わった状態でユーザの姿勢が維持されている場合に、操作対象の速度を大きくすることができる。
【0027】
また、右カーブ走行時において、ユーザからの荷重が左センサよりも右センサに大きく加わった状態でユーザの姿勢が維持されている場合に、操作対象の速度を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】一実施形態に係るシート体験システムを示す図である。
【
図2】ボブスレーゲームを行う際のユーザの姿勢を示す図(a),(b)である。
【
図4】ボブスレーゲーム時の処理を示すフローチャートである。
【
図5】直線走行処理を示すフローチャート(a)と、直線走行時にシートに加わる荷重の分布を示す図(b)である。
【
図6】右カーブ走行処理を示すフローチャート(a)と、右カーブ走行時にシートに加わる荷重の分布を示す図(b)である。
【
図7】左カーブ走行処理を示すフローチャート(a)と、左カーブ走行時にシートに加わる荷重の分布を示す図(b)である。
【
図8】スタート画面を示す図(a)と、標準姿勢を設定する画面を示す図(b)である。
【
図9】ボブスレーゲームの開始時の画面を示す図(a)と、直線走行画面を示す図(b)である。
【
図10】右カーブ走行画面を示す図(a)と、左カーブ走行画面を示す図(b)である。
【
図11】カーレースゲームを実行する端末を示す図である。
【
図12】自動車を左右に移動させる処理を示すフローチャートである。
【
図13】登坂走行処理を示すフローチャート(a)と、登坂走行時にシートに加わる荷重の分布を示す図(b)である。
【
図14】降坂走行処理を示すフローチャート(a)と、降坂走行時にシートに加わる荷重の分布を示す図(b)である。
【
図15】シートをベッド状に構成した形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のシート体験システム1は、シートSと、シート体験装置10とを含んでなる。
シートSは、シート本体S10と、圧力センサ21~26とを備えてなる。シート本体S10は、シートクッションS1、シートバックS2およびヘッドレストS3を有する。シートクッションS1とシートバックS2には、表皮の下に複数の圧力センサ21~26が設けられている。圧力センサ21~26は、シート本体S10上のユーザの動作を検出するためのセンサである。
【0030】
圧力センサ21~26は、シート本体S10に着座するユーザに対向する座面の状態を検知可能に配置され、シート本体S10に座っているユーザからの圧力値を取得する。
【0031】
各圧力センサ21~26は、シートSの左右の中心に対して左右対称に1対ずつ設けられている。なお、以下の説明や図面においては、左側に配置される圧力センサ21~26については、符号の末尾に「L」を付し、右側に配置される圧力センサ21~26については、符号の末尾に「R」を付して区別することもある。また、左側に配置される圧力センサ21~26は、左センサの一例であり、以下、「左センサ」とも称する。右側に配置される圧力センサ21~26は、右センサの一例であり、以下、「右センサ」とも称する。
【0032】
シートクッションS1には、圧力センサ21~23が設けられている。
圧力センサ21は、ユーザの大腿の下に位置し、ユーザの大腿からの圧力値を測定可能である。
【0033】
圧力センサ22および圧力センサ23は、ユーザの臀部からの圧力を測定するためのものである。なお、圧力センサ22および圧力センサ23は、いずれも、ユーザの臀部からの圧力を測定するためのものであるため、いずれか一方のみが設けられていてもよい。
【0034】
圧力センサ22および圧力センサ23は、圧力センサ21から後方に大きく離れて配置されている。詳しくは、圧力センサ23は、ユーザの坐骨の最下部に対応する位置に設けられている。この位置では、ユーザの荷重が最も大きくかかる。圧力センサ22は、圧力センサ23の少し前に配置されている。
【0035】
シートバックS2には、圧力センサ24~26が設けられている。圧力センサ24は、ユーザの腰の後ろに対応する位置に設けられている。
【0036】
圧力センサ25は、圧力センサ24の少し上に配置されている。
【0037】
圧力センサ24および圧力センサ25は、いずれも、ユーザの腰からの圧力を測定するためのものであり、いずれか一方のみが設けられていてもよい。
【0038】
圧力センサ26は、圧力センサ24および圧力センサ25から上方に大きく離れて配置されている。圧力センサ26は、ユーザの肩に対応して位置し、ユーザの肩からの圧力値を測定可能である。
【0039】
本実施形態においては、シート体験システム1は、各圧力センサ21~26を使用したボブスレーゲームを提供するものとする。本実施形態においては、各圧力センサ21~26は、シート本体S10に座っているユーザの動作を検出するための測定値を取得する複数のセンサの一例である。ボブスレーゲームは、実際のボブスレーを疑似体験することができる、いわゆるシミュレーションゲームであり、ボブスレー用のそりに乗り込んだ人の後方から俯瞰した視線で進行される。ボブスレーゲームでは、ユーザが操作する仮想的なそりの操作によって、端末30の画面上に表示されたコース(
図9(a)参照)や周りの背景が変化する。
【0040】
また、
図2(a)に示すように、ボブスレーゲームを行う場合には、シートバックS2を倒した状態で行うものとする。ここで、ボブスレーは、選手がそりを押しながら走ることで、そりを加速させた後、選手がそりに乗り込んで仰向けの姿勢になり、その後、コースに合わせて選手が身体を真っ直ぐの状態に維持したり、カーブに合わせて身体を傾けることで、そりを走行させる競技である。そのため、ボブスレーゲームでは、仮想的なそりを加速させる加速モードと、仮想的なそりをコースに合わせて減速させずに走行させる走行モードとが実行される。
【0041】
加速モードにおいては、
図2(a)に示すように、ユーザは、シートクッションS1に座った状態で、両脚を交互に上下動させたり、左右の脚を左右の手で交互に叩いたりすることで、仮想的なそりを加速させる。走行モードにおいては、シート本体S10にユーザが仰向けになって、コースに合わせて姿勢を調整することで、仮想的なそりを走行させる。
【0042】
図1に戻って、シート体験装置10は、ECU100(電子制御ユニット)と、端末30とを有してなる。端末30は、制御部31を有している。
ECU100には、ブルートゥース(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信を可能にする近距離通信機3Aが接続されている。また、ECU100は、圧力センサ21~26と接続されている。本実施形態では、ECU100と近距離通信機3Aは、シート本体S10に設けられている。
【0043】
ECU100および制御部31は、図示しないCPU、ROM、RAM、書換可能な不揮発性メモリ等からなる制御部を有し、予め記憶されたプログラムを実行する。ECU100は、各圧力センサ21~26から取得した測定値を、近距離通信機3Aを介して制御部31に送信する機能を有している。
【0044】
端末30は、画面としてのディスプレイDSP(
図2参照)をさらに備えている。ここで、ディスプレイDSPは、タッチパネルであり、ユーザは、ディスプレイDSP上に表示されたボタンを操作することで、ボブスレーゲームを開始するなどの操作を行うことが可能となっている。端末30の制御部31は、プログラムに従って動作することで、ボブスレーゲームを実行するための各手段として機能する。なお、以下の説明では、「端末30の制御部31」の機能や動作を、単に端末30の機能・動作として説明する。
【0045】
端末30は、ディスプレイDSP(
図2参照)をシート本体S10に向けた状態で、シート本体S10の前に配置されている。端末30は、各圧力センサ21~26からECU100等を介して測定値を取得し、測定値に基づいて、ディスプレイDSP上の可動体を動作させる機能を有している。詳しくは、端末30は、各圧力センサ21~26から取得した情報に基づいて、ユーザの姿勢が維持されているか否かを判定し、維持されていると判定した場合には、ユーザの姿勢が維持されていないと判定した場合よりも、ディスプレイDSP上で動く可動体の速度を大きくする機能を有している。ここで、本実施形態における可動体は、
図9(a)に示すコースCSや樹木Wなどの背景を構成する構成物とする。
【0046】
端末30は、圧力値の変動が所定範囲内であるという第1条件と、圧力値が所定値以上となる時間が所定時間以上維持されたという第2条件と、を満たした場合に、ユーザの姿勢が維持されたと判定する。また、端末30は、ユーザによって操作される操作対象を直線的に移動させる直線走行画面(
図9(b)参照)をディスプレイDSPに表示可能となっている。
【0047】
ここで、本実施形態における操作対象は、仮想的なそりであり、画面には表示されていない。この仮想的な操作対象は、画面上の背景を構成する構成物が移動することで、構成物に対して相対的に移動する。端末30は、直線走行画面を表示している際に、左センサ21L~26Lの少なくとも1つおよび右センサ21R~26Lの少なくとも1つの各圧力値が、第1条件および第2条件を満たしたという直線走行条件が満たされた場合には、操作対象を第1速度で移動させ、直線走行画面を表示している際に、直線走行条件が満たされていない場合には、操作対象を第1速度よりも小さい速度で移動させる機能を有している。ここで、本実施形態では、第1速度は、現在の速度よりも僅かに高い速度とする。本実施形態では、直線走行条件として、
図6(b)に示すように、ユーザの臀部と腰に対応した左右の圧力センサ22~25の各圧力値が、第1条件および第2条件を満たしたこととする。なお、
図6(b)の圧力センサ21~26のうちハッチングを施したセンサは、ユーザが真っ直ぐ仰向けの姿勢になっているときに、ユーザから強く荷重がかかるセンサを示している。本実施形態では、荷重が強くかかるセンサからの圧力値をすべて制御に利用しているが、本発明はこれに限定されず、これらのセンサの中から左右で少なくとも1つずつ選んで制御に利用すればよい。
【0048】
また、端末30は、操作対象を右に旋回させる右カーブ走行画面(
図10(a)参照)をディスプレイDSPに表示可能となっている。端末30は、右カーブ走行画面を表示している際に、右センサ21R~26Lの少なくとも1つの圧力値が第1条件および第2条件を満たし、かつ、左センサ21L~26Lの少なくとも1つの圧力値が第2条件を満たさないという右カーブ走行条件が満たされた場合に、操作対象を第3速度で移動させ、右カーブ走行画面を表示している際に、右カーブ走行条件が満たされていない場合には、操作対象を第3速度よりも小さい速度で移動させる機能を有している。ここで、本実施形態では、第3速度は、現在の速度よりも僅かに高い速度とする。
【0049】
本実施形態では、右カーブ走行条件として、
図6(b)に示すように、ユーザの臀部と腰に対応した右センサ22R~25Rの各圧力値が第1条件および第2条件を満たし、ユーザの腰の左上部に対応した左センサ25Lの圧力値が第2条件を満たさないこととする。なお、
図6(b)の圧力センサ21~26のうちハッチングを施したセンサは、ユーザが身体を所定角度で右に傾けた場合に、ユーザから強く荷重がかかるセンサを示している。本実施形態では、荷重が強くかかるセンサのうち右側のセンサのすべてを制御に利用し、左側のセンサについては、直線走行時において荷重が強くかかり(
図5(b)参照)、右カーブ時において荷重が強くかからない左センサ25Lを制御に利用している。
【0050】
また、端末30は、操作対象を左に旋回させる左カーブ走行画面(
図10(b)参照)をディスプレイDSPに表示可能となっている。端末30は、左カーブ走行画面を表示している際に、左センサ21L~26Lの少なくとも1つの圧力値が第1条件および第2条件を満たし、かつ、右センサ21R~26Lの少なくとも1つの圧力値が第2条件を満たさないという左カーブ走行条件が満たされた場合に、操作対象を第2速度で移動させ、左カーブ走行画面を表示している際に、左カーブ走行条件が満たされていない場合には、操作対象を第2速度よりも小さい速度で移動させる機能を有している。ここで、本実施形態では、第2速度は、現在の速度よりも僅かに高い速度とする。
【0051】
本実施形態では、左カーブ走行条件として、
図7(b)に示すように、ユーザの臀部と腰に対応した左センサ22L~25Lの各圧力値が第1条件および第2条件を満たし、ユーザの腰の右上部に対応した右センサ25Rの圧力値が第2条件を満たさないこととする。なお、
図7(b)の圧力センサ21~26のうちハッチングを施したセンサは、ユーザが身体を所定角度で左に傾けた場合に、ユーザから強く荷重がかかるセンサを示している。本実施形態では、荷重が強くかかるセンサのうち左側のセンサのすべてを制御に利用し、右側のセンサについては、直線走行時において荷重が強くかかり(
図5(b)参照)、左カーブ時において荷重が強くかからない右センサ25Rを制御に利用している。
【0052】
なお、本実施形態では、端末30で判定するカーブ時の姿勢を1パターン(所定角度)とするが、本発明はこれに限定されず、カーブ時の姿勢を、カーブの曲率半径に応じて複数パターンとしてもよい。ここで、ユーザのカーブ時の姿勢の角度が大きくなるほど、ユーザの上半身がシートバックS2から離れる傾向にある。これにより、カーブの曲率半径に応じて、シートSに加わる荷重分布も変わるので、荷重分布の変化に応じて適宜、制御に使用するセンサを決めればよい。
【0053】
一例を挙げると、例えば、左カーブ時においてユーザの左への傾きを大きくすると、複数の圧力センサ21~26に対して荷重がかかる範囲が、
図7(b)に示す範囲よりも小さくなる傾向にある。詳しくは、
図7(b)に示した範囲で荷重がかかっている状態(ユーザの傾きが所定角度である状態)においてユーザの左への傾きをさらに大きくすると、左センサ25Lと右センサ24Rに荷重が強くかからなくなり、荷重が強くかかるセンサは、左センサ22L~24Lと右センサ22R,23Rとなる。そのため、この場合、所定角度よりも大きな角度で傾いているかの判定においては、左センサ22L~24Lの少なくとも1つと、所定角度の際に荷重が強くかかり、かつ、大きな角度の際に荷重が強くかからない右センサ24Rとを利用すればよい。
【0054】
つまり、左カーブ時において、第1角度で傾く第1姿勢を判定する場合には、直進時の姿勢において第2条件を満たしていた右センサの圧力値が、第2条件を満たさなくなったかを判定することで、第1姿勢であるかを判定することができる。また、左カーブ時において、第1角度よりも大きな第2角度で傾く第2姿勢を判定する場合には、第1姿勢において第2条件を満たしていた右センサの圧力値が、第2条件を満たさなくなったかを判定することで、第2姿勢であるかを判定することができる。なお、右カーブ時でも同様にして判定することができる。
【0055】
次に、端末30の動作について詳細に説明する。
端末30は、ユーザがボブスレーゲームを行うためのアプリケーションを立ち上げると、
図3に示す処理を開始する(START)。この処理において、端末30は、まず、シートSと通信可能な状態であるか否かを判断する(S41)。
【0056】
ステップS41において通信可能な状態でないと判断した場合には(No)、端末30は、本処理を終了する。ステップS41において通信可能な状態であると判断した場合には(Yes)、端末30は、ボブスレーゲームのスタート画面(
図8(a)参照)をディスプレイDSP上に表示する(S42)。
【0057】
なお、
図8(a)に示すスタート画面では、ボブスレーゲームを開始するためのスタートボタンB1と、ボブスレーゲームを終了するためのボタンB2とが表示されている。
【0058】
ステップS42の後、端末30は、スタートボタンB1が選択されたか否かを判断する(S43)。ステップS43においてスタートボタンB1が選択されたと判断した場合には(Yes)、端末30は、ボブスレーゲームにおける標準姿勢設定モードが過去に既に実行されているかを示すフラグFが0であるか否かを判断する(S44)。
【0059】
ここで、標準姿勢設定モードとは、ユーザの通常時の着座姿勢を標準姿勢として設定するモードである。端末30は、標準姿勢設定モードにおいて、ユーザの標準姿勢における各圧力値を取得し、各圧力値から、ボブスレーゲームにおける姿勢の判定や速度を設定するための基準となる各標準圧力値を設定する。
【0060】
ステップS44においてF=0でないと判定した場合(No)、つまり標準姿勢設定モードが過去に実行されている場合には、端末30は、標準姿勢設定モード(S45~S47)を飛ばして、ボブスレーゲームを開始する(S48)。ステップS44においてF=0と判定した場合(Yes)、つまり標準姿勢設定モードが過去に一度も実行されていない場合には、端末30は、標準姿勢設定モードを開始する(S45)。
【0061】
端末30は、標準姿勢設定モードを開始すると、
図8(b)に示す画面を、ディスプレイDSP上に表示する。
図8(b)の画面では、「シートに深く座りましょう。腿、尻、腰、背中、肩をシートにくっつけましょう」というメッセージと、各センサ21~26から圧力値を取得するための時間を表示するカウントダウン表示とが、表示されている。本実施形態では、16拍のカウントダウンを示す「16」という数字が、標準姿勢設定モード開始時のカウントダウン表示として表示される。
【0062】
端末30は、16拍のカウントダウンの実行中において、各センサ21~26から圧力値を取得する。詳しくは、端末30は、最初の8拍においては圧力値を取得せず、残りの8拍をカウントダウンする間に圧力値を取得する。つまり、端末30は、標準姿勢設定モードを開始してから所定時間の間、圧力値を取得せず、所定時間の経過後に圧力値を取得する。このように、端末30が、標準姿勢設定モードの開始から所定時間の間、圧力値を取得しないことで、例えばユーザがシートSに座り直している際の不安定な圧力値を排除することができ、より正確な圧力値を取得することが可能となっている。
【0063】
詳しくは、端末30は、8拍をカウントダウンする間に、各センサ21~26から所定の周期で圧力値を取得する。ここで、例えば、端末30が圧力値を取得する周期が20Hzであり、1拍が1秒である場合には、1つの圧力センサから取得される圧力値の数は、161個となる。
【0064】
図3に示すように、端末30は、各センサ21~26で取得した各圧力値の平均値に対してプラス側とマイナス側とにマージンをとった数値範囲を、各センサ21~26での各標準圧力値として設定する(S46)。
【0065】
端末30は、ステップS46の後、フラグFを1にして(S47)、ボブスレーゲームを開始する(S48)。ボブスレーゲームにおいては、端末30は、まず、
図9(a)に示すゲーム画面を表示する。ゲーム画面においては、ボブスレーのコースCSや樹木Wなどを表示する。ここで、コースCSや樹木Wは、背景を構成する構成物であり、仮想的なそりが走行している雰囲気がでるように、ゲームの進行に応じて、ユーザに近づくように移動する。ゲーム画面において、端末30は、各センサ21~26から出力されてくる圧力値に基づいて、樹木Wの移動速度を変化させることで、仮想的なそりを走行させる。端末30は、樹木WやコースCSなどのコースデータを記憶しており、コースデータに応じて画面上に表示する構成物を変化させる。なお、ボブスレーゲームでの処理については、後で詳述する。
【0066】
ボブスレーゲームが終了すると、端末30は、
図8(a)に示すスタート画面を表示する。
図3に戻って、ステップS48の後、または、ステップS43においてNoと判断した場合には、端末30は、ボブスレーゲームを終了するためのボタンB2が選択されたか否かを判断する(S49)。ステップS49においてボタンB2が選択されていないと判断した場合には(No)、端末30は、ステップS42の処理に戻る。ステップS49においてボタンB2が選択されたと判断した場合には(Yes)、端末30は、本処理を終了する。
【0067】
図4に示すように、ボブスレーゲームにおいて、端末30は、まず、各センサ21~26から圧力値を取得する(S61)。なお、端末30は、ステップS61において、コースデータに基づいてコースCS等を画面に表示させる。ステップS61の後、端末30は、シートクッションS1に前側に配置された左右の圧力センサ21からの信号のリズム周期に応じて樹木W等の構成物の加速度を設定することで、加速モードを実行する(S62)。具体的に、ステップS62において、右センサ21Rから標準圧力値よりも大きな圧力値を取得してから、左センサ21Lから標準圧力値よりも大きな圧力値を取得するまでの時間であるリズム周期を、目標値と比較し、リズム周期が目標値に近いほど、大きな加速度を設定する。
【0068】
例えば、端末30は、目標値を0.2秒とし、目標値からプラス・マイナス0.1秒の範囲内(0.1~0.3秒の範囲内)に、リズム周期が収まる場合に、リズム周期が目標値に近い程加速度を大きな値に設定し、リズム周期が範囲内に収まらない場合には、加速度を0に設定することができる。また、端末30は、直近のリズム周期を取得してもよいし、過去5回分のリズム周期の平均値をリズム周期として取得してもよい。また、端末30は、加速モードにおいて、リズム周期の目標値に合わせたリズム音を流すように構成されていてもよい。
【0069】
また、端末30は、加速モードにおいて、ユーザの姿勢が座った姿勢であることを条件、具体的には、シートバックS2の圧力センサ24~26から圧力値が出力されていないことを条件として、加速度の設定を行ってもよい。例えば、圧力センサ24~26から圧力値が出力されていない場合には、リズム周期に応じて加速度を設定し、圧力センサ24~26から圧力値が出力されている場合には、リズム周期に関わらず加速度を0に設定してもよい。
【0070】
ステップS62の後、端末30は、ステップS62で設定した加速度で、樹木W等の構成物を加速させる(S63)。ステップS63の後、端末30は、加速エリアが終了したか否かを判定する(S64)。ここで、加速エリアは、
図9(a)に示すスタートラインL1から加速終了ラインL2までのエリアである。端末30は、加速エリアの終了を、スタートからの経過時間によって判定する。
【0071】
ステップS64において加速エリアが終了していないと判定した場合には(No)、端末30は、ステップS62の処理に戻る。このように、ステップS61~64の処理を所定時間の間繰り返すことで、樹木W等の構成物の速度が徐々に上がっていき、仮想的なそりの走行速度が徐々に上がる。
【0072】
ステップS64において加速エリアが終了したと判定した場合には(Yes)、端末30は、走行モードを実行する。詳しくは、走行モードにおいて、端末30は、コースデータに基づいて、仮想的なそりを直線走行させる直線走行エリアであるか否かを判定する(S65)。ステップS65において直線走行エリアであると判定した場合には(Yes)、端末30は、
図9(b)に示す直線走行画面を表示する(S66)。
【0073】
ステップS66の後、端末30は、後述する直線走行処理を実行する(S67)。ステップS67の後、または、ステップS65でNoと判定した場合には、端末30は、コースデータに基づいて、仮想的なそりを右にカーブさせる右カーブエリアであるか否かを判定する(S68)。
【0074】
ステップS68において右カーブエリアであると判定した場合には(Yes)、端末30は、
図10(a)に示す右カーブ走行画面を表示する(S69)。ステップS69の後、端末30は、後述する右カーブ走行処理を実行する(S70)。ステップS70の後、または、ステップS68でNoと判定した場合には、端末30は、コースデータに基づいて、仮想的なそりを左にカーブさせる左カーブエリアであるか否かを判定する(S71)。
【0075】
ステップS71において左カーブエリアであると判定した場合には(Yes)、端末30は、
図10(b)に示す左カーブ走行画面を表示する(S72)。ステップS72の後、端末30は、後述する左カーブ走行処理を実行する(S73)。ステップS73の後、または、ステップS71でNoと判定した場合には、端末30は、仮想的なそりがゴールに到達したか否かを判定する(S74)。
【0076】
ステップS74においてゴールに到達していないと判定した場合には(No)、端末30は、ステップS65の処理に戻る。ステップS74においてゴールに到達したと判定した場合には(Yes)、端末30は、本処理を終了する。
【0077】
図5(a)に示すように、直線走行処理において、端末30は、過去の所定時間内における圧力センサ22~25の圧力値の変動が所定範囲内であるか否かを判定する(S91)。ステップS91において所定範囲内であると判定した場合には(Yes)、端末30は、過去の所定時間内における圧力センサ22~25の圧力値が所定値以上であるか否かを判定する(S92)。ここで、直線走行時における所定値は、標準圧力値であってもよいし、標準圧力値よりも若干小さな値であってもよい。
【0078】
ステップS92において所定値以上であると判定した場合には(Yes)、端末30は、樹木W等の構成物を加速させて(S93)、本処理を終了する。ステップS91またはステップS92においてNoと判定した場合には、端末30は、樹木W等の構成物を減速させて(S94)、本処理を終了する。
【0079】
図6(a)に示すように、右カーブ走行処理において、端末30は、過去の所定時間内における右センサ22R~25Rの圧力値の変動が所定範囲内か否かを判定する(S111)。ステップS111において所定範囲内であると判定した場合には(Yes)、端末30は、過去の所定時間内における右センサ22R~25Rの圧力値が所定値以上であるか否かを判定する(S112)。ここで、右カーブ走行時または後述する左カーブ走行時における所定値は、標準圧力値であってもよいし、標準圧力値よりも若干小さな値であってもよいし、標準圧力値よりも若干大きな値であってもよい。
【0080】
ステップS112において所定値以上であると判定した場合には(Yes)、端末30は、過去の所定時間内における左センサ25Lの圧力値が所定値未満であるか否かを判定する(S113)。ステップS113において所定値未満であると判定した場合には(Yes)、端末30は、樹木W等の構成物を加速させて(S114)、本処理を終了する。ステップS111~S113のいずれかにおいてNoと判定した場合には、端末30は、端末30は、樹木W等の構成物を減速させて(S115)、本処理を終了する。
【0081】
図7(a)に示すように、左カーブ走行処理において、端末30は、過去の所定時間内における左センサ22L~25Lの圧力値の変動が所定範囲内か否かを判定する(S131)。ステップS131において所定範囲内であると判定した場合には(Yes)、端末30は、過去の所定時間内における左センサ22L~25Lの圧力値が所定値以上であるか否かを判定する(S132)。
【0082】
ステップS132において所定値以上であると判定した場合には(Yes)、端末30は、過去の所定時間内における右センサ25Rの圧力値が所定値未満であるか否かを判定する(S133)。ステップS133において所定値未満であると判定した場合には(Yes)、端末30は、樹木W等の構成物を加速させて(S134)、本処理を終了する。ステップS131~S133のいずれかにおいてNoと判定した場合には、端末30は、端末30は、樹木W等の構成物を減速させて(S135)、本処理を終了する。
【0083】
次に、シート体験システム1の具体的な動作の一例を詳細に説明する。
図1に示すように、シート体験システム1を構成する各機器(S,30)が通信可能な状態において、ユーザが端末30を操作してボブスレーゲームを立ち上げると、
図3に示す処理において、ステップS41:Yes→ステップS42の処理が順次実行される。これにより、
図8(a)に示すスタート画面が、ディスプレイDSP上に表示される。
【0084】
ユーザがスタートボタンB1を選択すると、ステップS43でYesと判断されて、ステップS44の処理に移行する。ここで、ユーザが標準姿勢設定モード等を過去に一度も行っていない場合には、ステップS44でYesと判断されて、標準姿勢設定モードが実行される(S45~S47)。
【0085】
標準姿勢設定モードにおいては、
図8(b)に示す画面がディスプレイDSP上に表示される。ユーザは、画面の指示に従って、身体全体をシートSに密着させるように座り直す。そして、画面中のカウントダウン表示が16から0までカウントダウンされる間、ユーザが姿勢を保つことで、各センサ22~26から圧力値が端末30で取得される。
【0086】
端末30は、標準姿勢設定モードにおいて取得した圧力値に基づいて、ボブスレーゲームにおける姿勢判定や加速度設定を行うための各標準圧力値を設定する。端末30は、各標準圧力値を設定した後、
図9(a)に示すゲーム画面をディスプレイDSPに表示する。ゲーム画面においてボブスレーゲームが開始されると、端末30は加速モードを実行する。加速モードでは、ユーザは、
図2(a)に示すように、シートクッションS1に着座して、例えば両脚を左右の手で交互に叩く。これにより、端末30は、樹木Wなどの構成物をユーザに近づくように加速させ、仮想的なそりを加速させる。
【0087】
仮想的なそりが加速終了ラインL2に到達すると、端末30は、走行モードを実行する。走行モードにおいて、コースSが直線である場合には、ユーザは、
図2(b)に示すように、姿勢を、仰向けの姿勢にして、シートSの荷重分布が
図5(b)に示すような荷重分布になるように、真っ直ぐな姿勢に保つ。端末30は、直線走行処理において、ユーザの姿勢が真っ直ぐな姿勢に保たれていると判定すると、仮想的なそりを加速させる。
【0088】
図10(a)に示すように、コースCSが右カーブになると、端末30は、右カーブ走行処理を実行する。右カーブ走行時には、ユーザは、シートSの荷重分布が
図6(b)に示すような荷重分布になるように、身体を右に傾け、その姿勢を保つ。端末30は、右カーブ走行処理において、ユーザの姿勢が右に傾いた姿勢に保たれていると判定すると、仮想的なそりを加速させる。
【0089】
図10(b)に示すように、コースCSが左カーブになると、端末30は、左カーブ走行処理を実行する。左カーブ走行時には、ユーザは、シートSの荷重分布が
図7(b)に示すような荷重分布になるように、身体を左に傾け、その姿勢を保つ。端末30は、左カーブ走行処理において、ユーザの姿勢が左に傾いた姿勢に保たれていると判定すると、仮想的なそりを加速させる。
【0090】
このようにして、ユーザは、姿勢を、真っ直ぐな姿勢、左右に傾いた姿勢に維持することで、仮想的なそりを加速させることができるので、実際のボブスレーを疑似体験することができる。
【0091】
以上のような本実施形態のシート体験システム1において、次の各効果を奏することができる。
シートS上のユーザの姿勢が維持されているかに応じて、端末30が画面上の構成物(樹木W等)の速度を変更するので、ボブスレーゲームにおいて、画面上の構成物をユーザの意図に沿った速度で動かして、仮想的なそりをユーザの意図に沿った速度で動かすことができる。
【0092】
直線走行画面において、ユーザからの荷重が左右の圧力センサ22~25にバランスよく加わった状態でユーザの姿勢が維持されている場合に、構成物の速度が大きくなるので、ボブスレーゲームにおいて、構成物をユーザの意図に沿った速度で動かして、仮想的なそりをユーザの意図に沿った速度で直進させることができる。
【0093】
右カーブ走行画面において、ユーザからの荷重が左センサ25Lよりも右センサ22R~25Rに大きく加わった状態でユーザの姿勢が維持されている場合に、右カーブ走行条件が満たされて構成物の速度が大きくなるので、ボブスレーゲームにおいて、構成物をユーザの意図に沿った速度で動かして、仮想的なそりをユーザの意図に沿った速度で右旋回させることができる。
【0094】
左カーブ走行画面において、ユーザからの荷重が右センサ25Rよりも左センサ22L~25Lに大きく加わった状態でユーザの姿勢が維持されている場合に、左カーブ走行条件が満たされて構成物の速度が大きくなるので、ボブスレーゲームにおいて、構成物をユーザの意図に沿った速度で動かして、仮想的なそりを着座者の意図に沿った速度で左旋回させることができる。
【0095】
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以下の他の形態に示すように、適宜変形して実施することが可能である。
【0096】
前記実施形態では、加速モードにおいて、ユーザの姿勢が座った姿勢であることを判定してもよいこととしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ユーザが仰向けの姿勢で左右の脚を交互に上下動させて仮想的なそりを加速させるような仕様にした場合には、端末は、加速モードにおいて、ユーザの姿勢が仰向けの姿勢であることを判定してもよい。具体的には、例えば、シートバックS2の少なくとも1つの圧力センサの圧力値が所定値以上である場合に、端末が、ユーザの姿勢が仰向けの姿勢であると判定してもよい。
【0097】
また、加速モードの仕様を、ユーザが両脚を同時に上下動させることで仮想的なそりを加速させるような仕様にしてもよい。この場合、例えば、右センサ21Rから出力される圧力値の波形のピーク値間の時間を右側リズム周期とし、左センサ21Lから出力される圧力値の波形のピーク値間の時間を左側リズム周期とし、右側リズム周期および左側リズム周期を、目標値と比較し、リズム周期が目標値に近いほど、大きな加速度を設定すればよい。
【0098】
例えば、端末は、目標値を1秒とし、目標値からプラス・マイナス0.5秒の範囲内(0.5~1.5秒の範囲内)に、左側リズム周期および右側リズム周期が収まる場合に、各リズム周期が目標値に近い程加速度を大きな値に設定し、リズム周期が範囲内に収まらない場合には、加速度を0に設定することができる。なお、左側リズム周期および右側リズム周期の取得については、直近のリズム周期を取得してもよいし、過去5回分のリズム周期の平均値をリズム周期として取得してもよい。
【0099】
また、加速モードの仕様としては、以下の動作に応じて仮想的なそりを加速させる仕様とすることもできる。
1.ユーザが仰向けの姿勢で身体を左右に交互に傾ける。
2.ユーザが上半身を起こした姿勢で腿・膝をシートクッションS1に押し付ける
3.ユーザが上半身を起こした姿勢で腿・膝を前後に擦る。
4.ユーザが上半身を起こした姿勢で膝を円を描くように擦る。
なお、前述した1~4の動作を採用する場合には、前述した1~4の動作に伴う圧力センサ21~26の変化を予め把握しておき、その変化に基づいて、前述した1~4の動作の判定方法を決めればよい。
【0100】
なお、前述した1の動作に基づいて加速モードを実行する場合には、シートベルトが締められたことを条件として、ボブスレーゲームを開始するように構成してもよい。
【0101】
シートに設けた振動デバイスや、ユーザが持っているスマートフォンなどを振動させて、走行感を出してもよい。また、走行感を出すために、送風機から出した風をユーザに当てるようにしてもよい。
【0102】
コースが直線、右カーブ、または、左カーブであることを、音声によってユーザに知らせてもよい。なお、音声は、例えば、ユーザの首にかけて使用するネックスピーカから出力してもよい。
【0103】
なお、前記実施形態のボブスレーゲームは、盲目の人も楽しむことができる。具体的には、例えば、シートSに着座した盲目の人に対して、端末の画面を見ながら指示を出す人(以下、「コーラー」とも称する。)をつければよい。これによれば、コーラーの指示に従って、盲目の人が、両脚を交互に叩いたり、姿勢を仰向けの姿勢、右傾、左傾の姿勢に維持したりすることで、ボブスレーゲームを楽しむことができる。
【0104】
前記実施形態では、操作対象として、画面に表示されない仮想的な操作対象としたが、本発明はこれに限定されず、操作対象は、例えば、ボブスレーゲームにおいてそりの先端が画面上に表示されている場合には、そりであってもよい。また、操作対象は、実在の操作対象であってもよい。実在の操作対象としては、例えば、ゴルフ場などを走行するカートなどであってもよい。
【0105】
前記実施形態では、ボブスレーゲームに本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、例えば、スキーゲーム、スノーボードゲーム、カーレースゲームなど、どのようなゲームに適用してもよい。例えば
図11に示すようなカーレースゲームに本発明を適用してもよい。
【0106】
このカーレースゲームでは、ディスプレイDSPに表示された自動車CRが、ユーザの操作対象となっている。自動車CRは、ディスプレイDSPに表示された背景が動くことで、移動する。自動車CRは、コースとしての道路RD上を走行可能であり、道路RD上を左右に移動可能となっている。また、道路RDには、直線道路(平坦路)、左カーブ、右カーブ、登り坂、下り坂などが設定されている。道路RDの左右の端には、路肩RSが設けられている。
【0107】
また、このカーレースゲームを実行する端末30は、左スピーカSLおよび右スピーカSRを有している。左スピーカSLは、図示せぬシート本体S10の左右方向の中央よりも左に位置する。右スピーカSRは、図示せぬシート本体S10の左右方向の中央よりも右に位置する。
【0108】
端末30は、自動車CRが平坦路、登り坂、下り坂を直線走行する場合には、直線走行処理を実行する。詳しくは、自動車CRが平坦路を直線走行する場合には、前記実施形態と同じ直線走行処理(
図5参照)を実行し、登り坂または下り坂を直線走行する場合には、前記実施形態とは参照する圧力センサが異なる直線走行処理を実行する。以下の説明では、平坦路に対応した直線走行処理を「平坦路走行処理」、登り坂に対応した直線走行処理を「登坂走行処理」、下り坂に対応した直線走行処理を「降坂走行処理」とも称する。
【0109】
端末30は、自動車CRが左カーブまたは右カーブを走行する場合には、前記実施形態と同じ左カーブ走行処理または右カーブ走行処理(
図6,7参照)を実行する。また、端末30は、カーレースゲーム中において、
図12に示すような、自動車CRを左右に移動させる処理も実行する。
【0110】
図12の処理において、端末30は、まず、左センサの圧力値が右センサの圧力値よりも所定値以上大きいか否かを判定する(S211)。ここで、左センサおよび右センサは、それぞれ、1つであってもよいし、複数であってもよい。なお、複数の場合には、例えば、複数の左センサから得られる複数の圧力値の平均値と、複数の右センサから得られる複数の圧力値の平均値を比較してもよい。
【0111】
ステップS211において左センサの圧力値が右センサの圧力値よりも所定値以上大きいと判定した場合には(Yes)、端末30は、自動車CRを現在の位置から左に所定量移動させる(S212)。ステップS211においてNoと判定した場合には、端末30は、右センサの圧力値が左センサの圧力値よりも所定値以上大きいか否かを判定する(S213)。
【0112】
ステップS213において右センサの圧力値が左センサの圧力値よりも所定値以上大きいと判定した場合には(Yes)、端末30は、自動車CRを現在の位置から右に所定量移動させる(S214)。ステップS213においてNoと判定した場合には、端末30は、本処理を終了する。
【0113】
ステップS212またはステップS214の後、端末30は、自動車CRが道路RDの左端に寄ったか否か、詳しくは左端の路肩RSと接触したか否かを判定する(S215)。ステップS215において自動車CRが道路RDの左端に寄ったと判定した場合には(Yes)、端末30は、左スピーカSLの音量を右スピーカSRよりも大きくして(S216)、本処理を終了する。具体的には、例えば、自動車CRが道路RD上を走行している際に左スピーカSLおよび右スピーカSRからBGMを所定の音量で流している際に、自動車CRが道路RDの左端に寄ったと判定されると、自動車CRのタイヤが路肩RSと接触する接触音を左スピーカSLから所定の音量よりも大きな音量で出力する。なお、大きくされた音量は、自動車CRと左端の路肩RSとの接触が解消されると、元の音量(BGM)に戻る。
【0114】
ステップS215において自動車CRが道路RDの左端に寄っていないと判定した場合には(No)、端末30は、自動車CRが道路RDの右端に寄ったか否か、詳しくは右端の路肩RSと接触したか否かを判定する(S217)。ステップS217において自動車CRが道路RDの右端に寄ったと判定した場合には(Yes)、端末30は、右スピーカSRの音量を左スピーカSLよりも大きくして(S218)、本処理を終了する。
【0115】
なお、大きくされた音量は、自動車CRと右端の路肩RSとの接触が解消されると、元の音量(BGM)に戻る。ステップS217において自動車CRが道路RDの右端に寄っていないと判定した場合には(No)、端末30は、本処理を終了する。
【0116】
端末30は、ディスプレイDSPに表示した登り坂を自動車CRが走行する登坂走行時においては、
図13(a)に示す登坂走行処理を実行する。登坂走行処理において、端末30は、ユーザの姿勢が第1姿勢に維持されていると判定した場合には、ユーザの姿勢が第1姿勢に維持されていないと判定した場合よりも、自動車CRの速度を大きくする。本実施形態において、第1姿勢は、ユーザが両膝を上げてシートSから離す姿勢とする。
【0117】
ユーザが両膝を上げる場合には、ユーザの身体が後ろに大きく傾くので、
図13(b)に示すように、圧力センサ22~26に荷重が強くかかる。そのため、本実施形態では、端末30は、圧力センサ22~26の圧力値に基づいて、第1姿勢が維持されているかを判定している。なお、第1姿勢は、本実施形態に限らず、どのような姿勢であってもよい。
【0118】
登坂走行処理において、端末30は、平坦路走行処理(
図5(a)参照)における各処理S91~S94と略同様の処理S231~S234を実行する。詳しくは、登坂走行処理では、平坦路走行処理と比べて参照する圧力センサが異なるだけである。具体的に、端末30は、登坂走行処理において、平坦路走行処理で参照していた圧力センサ22~25に加え、ユーザの肩に対応した圧力センサ26も参照している。端末30は、ステップS231,S232の処理を実行することで、ユーザが第1姿勢を維持しているかを判定し、維持していると判定すると(Yes)、自動車CRを加速させ(S233)、維持していないと判定すると(No)、自動車CRを減速させる(S234)。
【0119】
端末30は、ディスプレイDSPに表示した下り坂を自動車CRが走行する降坂走行時においては、
図14(a)に示す降坂走行処理を実行する。降坂走行処理において、端末30は、ユーザの姿勢が第2姿勢に維持されていると判定した場合には、ユーザの姿勢が第2姿勢に維持されていないと判定した場合よりも、自動車CRの速度を大きくする。本実施形態において、第2姿勢は、ユーザが両膝をシートクッションS1に押し付ける姿勢とする。
【0120】
ユーザが両膝をシートクッションS1に押し付ける場合には、
図14(b)に示すように、平坦路走行処理時の姿勢で荷重が強くかかる圧力センサ22~25に加え、両膝の下に位置する圧力センサ21にも荷重が強くかかる。そのため、本実施形態では、端末30は、圧力センサ21~25の圧力値に基づいて、第2姿勢が維持されているかを判定している。なお、第2姿勢は、本実施形態に限らず、どのような姿勢であってもよい。
【0121】
降坂走行処理において、端末30は、平坦路走行処理における各処理S91~S94と略同様の処理S331~S334を実行する。詳しくは、降坂走行処理では、平坦路走行処理と比べて参照する圧力センサが異なるだけである。具体的に、端末30は、降坂走行処理において、平坦路走行処理で参照していた圧力センサ22~25に加え、ユーザの膝に対応した圧力センサ21も参照している。端末30は、ステップS331,S332の処理を実行することで、ユーザが第2姿勢を維持しているかを判定し、維持していると判定すると(Yes)、自動車CRを加速させ(S333)、維持していないと判定すると(No)、自動車CRを減速させる(S334)。
【0122】
前記実施形態では、ユーザの姿勢が維持されると操作対象を加速させたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ユーザの姿勢が維持された場合には、操作対象の速度を一定速度に保ち、ユーザの姿勢が維持されていない場合には、操作対象を減速させるように構成してもよい。
【0123】
前述したボブスレーゲームの結果は、クラウドにあげてもよい。この場合、クラウドを介して、世界ランキングなどを見ることができる。また、自分の記録をクラウドに蓄積し、後で振り返ることができる。さらに、他人の記録を見ることもできる。また、自分と他人の記録を比較することができる。
【0124】
前述したシート体験システムは、自動運転車にも適用することができる。この場合、自動運転時であることを条件に、シート体験システムを使用可能な設定にするとよい。また、シート体験システムの使用中においては、自動運転解除前に、シート体験システムの使用を制限するとよい。なお、この場合、突然に使用制限とならないように、事前案内手段を作動させて、音声案内や表示案内によって、所定時間後に使用制限となる旨を通知してもよい。
【0125】
また、車両の停車時のみに、シート体験システムを使用可能に設定してもよい。なお、停車の判定は、車速が0であるかや、シフトレバーがパーキングレンジに位置するかなどで、判定すればよい。
【0126】
シート体験システムの制御部は、外部環境やシート体験システム自体の異常を取得可能となっていてもよい。この場合、異常を取得したときに、シート体験システムの使用を制限するとよい。シート体験システム自体の異常としては、例えば、センサの異常、ハーネスの異常(断線)、ECU異常、通信異常(端末の異常を含む)、シートに設けたヒータやファンなどの温度調整装置の異常や、シートの一部または全部を動かすアクチュエータの異常や、シートウェイトセンサや温度センサなどの他のセンサの異常や、シートに用いられる芳香剤の容量が少ないなど、消耗品の残量や使用状況に関する異常や、シート制御部自体の異常等が含まれる。また、外部環境の異常としては、例えば、アプリを実行するのに望ましくない状況であり、他の車が接近しているとか、道路状況が悪い、車速が高い、地震が発生した、目的地が近い、目的地に着いた、目的地に着くまでゲームが終わらないことが予測される、残燃料が少ない、バッテリーの残容量が少ない、車内または車外の温度や湿度が高い、等が含まれる。
【0127】
使用を制限する方法は、一度の異常で制限する方法や、複数回の異常で制限する方法などが挙げられる。制限の仕方も何段階か設定可能である。例えば、第1段階では、使用を止めたほうが好ましいことを勧めることをメッセージや音声等で報知し、第2段階では、使用の禁止を強く提案することをメッセージや音声等で報知し、第3段階では、システムを強制終了する。
【0128】
また、所定箇所のセンサの異常を検出したときには、異常が検出されていないセンサを使ったゲームを推奨するように、シート体験システムを構成することもできる。例えば、シートクッションの座面のセンサが異常である場合には、シートクッションの座面の左右両側にある座面から盛り上がった側部のセンサを使ったゲームを推奨する。
【0129】
前記実施形態では、センサとして圧力センサ21~26を例示したが、本発明はこれに限定されず、センサは、例えば光センサ、静電容量センサ、音の大きさを検出するセンサなどであってもよい。例えば、光センサまたは静電容量センサを利用する場合には、センサとユーザの身体との距離が一定に維持されているかを判定することで、ユーザの姿勢が維持されているかを判定することができ、音の大きさを検出するセンサでは、例えば検出した音の大きさが一定に維持されているかを判定することで、ユーザの姿勢が維持されているかを判定することができる。
【0130】
前記実施形態では、第1条件または第2条件を満たすかの判定を、複数の圧力センサの圧力値で行ったが、本発明はこれに限定されず、1つの圧力センサの圧力値で判定を行ってもよい。
【0131】
また、センサは、シートクッションまたはシートバックの左右の側部(座面から突出した部分)、ヘッドレスト、アームレスト、または、シート周りの部品(インパネ、ドア、フロア)などに設けられていてもよい。
【0132】
シートは、自動車で使用される車両用シートであってもよいし、その他の乗物用シート、例えば、船舶や航空機などで使用されるシートであってもよい。また、シートは、乗物用シートに限らず、例えば、座椅子、家具やアウトドアの椅子、病院の待合椅子、公園のベンチ、ベッド、マットレスなどであってもよい。
【0133】
例えば、シートとしてベッドを採用する場合には、
図15に示すように、シートSHは、ベッド状のシート本体S20を有する。シート本体S20は、ユーザの下半身を支える第1支持部S21と、ユーザの上半身を支える第2支持部S22と、を有する。第1支持部S21と第2支持部S22は、ベッド状に一体に形成されている。そして、第1支持部S21は、複数の圧力センサ21~23を有し、第2支持部S22は、複数の圧力センサ24~26を有する。
【0134】
前記実施形態では、制御部を有する端末として、シートSの前方に設置される端末30を例示したが、本発明はこれに限定されず、端末は、例えばタブレットやスマートフォンなどの携帯端末であってもよい。また、端末は、シートに備え付けの端末であり、シートに一体に設けられていてもよい。また、端末は、カーナビゲーションシステムを構成する端末であってもよい。また、制御部は、シートに設けられていてもよい。
【0135】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0136】
1 シート体験システム
21~26 圧力センサ
30 端末
31 制御部
DSP ディスプレイ
S シート
S10 シート本体