(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166252
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】端末、基地局装置、及びビーム故障リカバリ方法
(51)【国際特許分類】
H04W 24/04 20090101AFI20241121BHJP
H04W 16/26 20090101ALI20241121BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20241121BHJP
H04B 17/24 20150101ALI20241121BHJP
H04B 17/309 20150101ALI20241121BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W16/26
H04W24/10
H04B17/24
H04B17/309
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024153232
(22)【出願日】2024-09-05
(62)【分割の表示】P 2022541094の分割
【原出願日】2020-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】芝池 尚哉
(72)【発明者】
【氏名】松村 祐輝
(72)【発明者】
【氏名】原田 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】岡野 真由子
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジン
(57)【要約】
【課題】無線通信システムにおいて、端末が高周波数帯での通信の故障検出及びリカバリを適切に行うことを可能とする技術を提供する。
【解決手段】端末において、ビームの品質を監視する受信部と、タイマを開始してから、当該タイマが満了する前に、ある集合における全てのビームの品質劣化を検知した回数が閾値以上になった場合に、ビーム故障リカバリ手順を開始する制御部と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビームの品質を監視する受信部と、
タイマを開始してから、当該タイマが満了する前に、ある集合における全てのビームの品質劣化を検知した回数が閾値以上になった場合に、ビーム故障リカバリ手順を開始する制御部と、
を備える端末。
【請求項2】
前記制御部は、前記タイマの時間長を、2msecよりも小さい時間長に基づいて決定する
請求項1に記載の端末。
【請求項3】
監視対象のセルがLBTを必要とするセルである場合において、前記受信部は、基地局装置から非周期的に送信される参照信号を測定することにより、ビームの品質を監視する
請求項1又は2に記載の端末。
【請求項4】
タイマを開始してから、当該タイマが満了する前に、ある集合における全てのビームの品質劣化を検知した回数が閾値以上になった場合に、ビーム故障リカバリ手順を開始する端末に、参照信号を送信する送信部
を備える基地局装置。
【請求項5】
ビームの品質を監視するステップと、
タイマを開始してから、当該タイマが満了する前に、ある集合における全てのビームの品質劣化を検知した回数が閾値以上になった場合に、ビーム故障リカバリ手順を開始するステップと、を備える、
端末が実行するビーム故障リカバリ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおける端末及び基地局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)の後継システムであるNR(New Radio)(「5G」ともいう。)においては、要求条件として、大容量のシステム、高速なデータ伝送速度、低遅延、多数の端末の同時接続、低コスト、省電力等を満たす技術が検討されている(例えば非特許文献1)。また、NRでは、52.6~114.25GH等の高周波数帯を利用することが検討されている。
【0003】
また、NRシステムでは、周波数帯域を拡張するため、通信事業者(オペレータ)に免許された周波数帯域(ライセンスバンド(licensed band)とは異なる周波数帯域(アンライセンスバンド(unlicensed band)、アンライセンスキャリア(unlicensed carrier)、アンライセンスCC(unlicensed CC)ともいう)の利用がサポートされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP TS 38.300 V15.9.0 (2020-03)
【非特許文献2】3GPP TS 38.331 V15.9.0 (2020-03)
【非特許文献3】3GPP TS 38.213 V15.9.0 (2020-03)
【非特許文献4】3GPP TS 38.321 V15.9.0 (2020-07)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
NRにおいて、無線リンクの故障検出及びそのリカバリについての種々の機能が規定されている(例えば非特許文献2~4)。また、NRにおいて、ビームの故障検出及びそのリカバリについての種々の機能も規定されている(例えば非特許文献2~4)。
【0006】
しかし、52.6GHzまでの周波数帯を想定した既存のNRの規定に従った端末は、52.6~114.25GH等の高周波数帯での無線リンク/ビームの故障検出及びリカバリを適切に実行できない可能性がある。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、無線通信システムにおいて、端末が高周波数帯での通信の故障検出及びリカバリを適切に行うことを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の技術によれば、ビームの品質を監視する受信部と、
タイマを開始してから、当該タイマが満了する前に、ある集合における全てのビームの品質劣化を検知した回数が閾値以上になった場合に、ビーム故障リカバリ手順を開始する制御部と、
を備える端末が提供される。
【発明の効果】
【0009】
開示の技術によれば、無線通信システムにおいて、端末が高周波数帯での通信の故障検出及びリカバリを適切に行うことを可能とする技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態における無線通信システムを説明するための図である。
【
図2】本発明の実施の形態における無線通信システムを説明するための図である。
【
図4】SCSとシンボル長との関係を示す図である。
【
図5】本発明の実施の形態における基本的な手順例を示す図である。
【
図8】Rel-15 BFRを説明するための図である。
【
図9】Rel-16 BFRを説明するための図である。
【
図10】LBTを行う場合のCSI-RS/SSBの送信状況を説明するための図である。
【
図11】BFR時におけるPDCCHモニタのタイミングを説明するための図である。
【
図12】QCLアップデートのタイミングを説明するための図である。
【
図13】Multi-CC BFRを説明するための図である。
【
図14】ビーム報告を行うMAC CEの例を示す図である。
【
図15】ビーム報告を行うPRACHシーケンスの例を示す図である。
【
図17】本発明の実施の形態における基地局装置10の機能構成の一例を示す図である。
【
図18】本発明の実施の形態における端末20の機能構成の一例を示す図である。
【
図19】本発明の実施の形態における基地局装置10又は端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例であり、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られない。
【0012】
本発明の実施の形態の無線通信システムの動作にあたっては、適宜、既存技術が使用される。当該既存技術は、例えば既存のNRである。本実施の形態における無線通信システム(基地局装置10と端末20)は基本的に既存の規定(例:非特許文献1~4、及びR-16の仕様書)に従った動作を行う。ただし、高周波数帯の利用を想定した場合における課題を解決するために、基地局装置10と端末20は、既存の規定にはない動作も実行する。後述する実施例の説明では、既存の規定にはない動作を主に説明している。なお、以下で説明する数値はいずれも例である。
【0013】
また、本発明の実施の形態において、複信(Duplex)方式は、TDD(Time Division Duplex)方式でもよいし、FDD(Frequency Division Duplex)方式でもよいし、又はそれ以外(例えば、Flexible Duplex等)の方式でもよい。
【0014】
また、本発明の実施の形態において、無線パラメータ等が「設定される(Configure)」とは、所定の値が予め設定(Pre-configure)されることであってもよいし、基地局装置10又は端末20から通知される無線パラメータが設定されることであってもよい。
【0015】
(システム構成)
【0016】
図1は、本発明の実施の形態における無線通信システムを説明するための図である。本発明の実施の形態における無線通信システムは、
図1に示されるように、基地局装置10及び端末20を含む。
図1には、基地局装置10及び端末20が1つずつ示されているが、これは例であり、それぞれ複数であってもよい。
【0017】
基地局装置10は、1つ以上のセルを提供し、端末20と無線通信を行う通信装置である。無線信号の物理リソースは、時間領域及び周波数領域で定義される。
【0018】
無線アクセス方式としてOFDMが使用される。周波数領域において、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier Spacing)は、少なくとも15kHz、30kHz、120kHz、240kHzがサポートされる。また、SCSに関わらず、所定数個(例えば12個)の連続するサブキャリアによりリソースブロックが構成される。
【0019】
端末20は、初期アクセスを行うときに、SSB(SS/PBCH block)を検出し、SSBに含まれるPBCHに基づいて、PDCCH及びPDSCHにおけるSCSを識別する。
【0020】
また、時間領域において、複数のOFDMシンボル(例えば、サブキャリア間隔に関わらずに14個)によりスロットが構成される。以降、OFDMシンボルを「シンボル」と呼ぶ。スロットはスケジューリング単位である。また、1ms区間のサブフレームが定義され、サブフレーム10個からなるフレームが定義される。なお、スロットあたりのシンボル数は14個に限られるわけではない。
【0021】
図1に示されるように、基地局装置10は、DL(Downlink)で制御情報又はデータを端末20に送信し、UL(Uplink)で制御情報又はデータを端末20から受信する。基地局装置10及び端末20はいずれも、ビームフォーミングを行って信号の送受信を行うことが可能である。また、基地局装置10及び端末20はいずれも、MIMO(Multiple Input Multiple Output)による通信をDL又はULに適用することが可能である。また、基地局装置10及び端末20はいずれも、CA(Carrier Aggregation)によるSCell(Secondary Cell)及びPCell(Primary Cell)を介して通信を行ってもよい。
【0022】
端末20は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット、ウェアラブル端末、M2M(Machine-to-Machine)用通信モジュール等の無線通信機能を備えた通信装置である。
図1に示されるように、端末20は、DLで制御情報又はデータを基地局装置10から受信し、ULで制御情報又はデータを基地局装置10に送信することで、無線通信システムにより提供される各種通信サービスを利用する。
【0023】
端末20は、複数のセル(複数のCC(コンポーネントキャリア))を束ねて基地局装置10と通信を行うキャリアアグリゲーションを行うことが可能である。キャリアアグリゲーションでは、1つのPCell(プライマリセル)と1以上のSCell(セカンダリセル)が使用される。また、PUCCHを有するPUCCH-SCellが使用されてもい。
【0024】
図2は、NR-DC(NR-Dual connectivity)が実行される場合における無線通信システムの構成例を示す。
図2に示すとおり、MN(Master Node)となる基地局装置10Aと、SN(Secondary Node)となる基地局装置10Bが備えられる。基地局装置10Aと基地局装置10Bはそれぞれコアネットワークに接続される。端末20は基地局装置10Aと基地局装置10Bの両方と通信を行う。
【0025】
MNである基地局装置10Aにより提供されるセルグループをMCG(Master Cell Group)と呼び、SNである基地局装置10Bにより提供されるセルグループをSCG(Secondary Cell Group)と呼ぶ。また、DCにおいて、MCGは1つのPCellと1以上のSCellから構成され、SCGは1つのPSCell(Primary SCell)と1以上のSCellから構成される。なお、本明細書において、CC(コンポーネントキャリア)とセルを同義に使用してもよい。また、PCell、PSCellをSPCellと呼んでもよい。
【0026】
本実施の形態における無線通信システムにおいて、アンライセンスバンドを使用する場合には、LBT(Listen Before Talk)が実行される。基地局装置10あるいは端末20は、LBT結果がアイドルである場合に送信を行い、LBT結果がビジーである場合には、送信を行わない。
【0027】
(周波数帯について)
図3は、既存のNRにおいて使用される周波数帯、及び本実施の形態に係る無線通信システムにおいて使用される周波数帯の例を示す。既存のNRにおける周波数帯(周波数レンジと呼んでもよい)として、FR1(0.41GHz~7.125)とFR2(24.25GHz~52.6GHz)の2つの周波数帯がある。
図3に示すように、FR1では、SCSとして15kHz、30kHz、60kHzがサポートされ、帯域幅(BW)として5~100MHzがサポートされる。FR2では、SCSとして60kHz、120kHz、240kHz(SSBのみ)がサポートされ、帯域幅(BW)として50~400MHzがサポートされる。
【0028】
本実施の形態に係る無線通信システムでは、既存のNRでは利用されていない52.6GHzよりも高いの周波数帯(例えば52.6GHz~114.25GHz)も利用することを想定している。この周波数帯をFR4と称してもよい。
【0029】
また、本実施の形態では、上記のように周波数帯が拡張されることに伴って、既存のSCSよりも広いSCSが使用されることが想定される。例えば、SSB及びPDCCH/PDSCHのSCSとして480kHz、あるいは480kHzよりも広いSCSが使用される。
【0030】
(課題について)
高周波数帯では、大きな伝搬ロスを補償するために、多数の狭いビームを使用することが想定される。また、SCSとして、既存のFR2のSCSよりも広いSCS(例えば480kHz、960kHz)が使用される。
【0031】
図4は、SCSとシンボル長(シンボルの時間長)との関係を表す図である。
図4に示すようにSCSが広くなるとシンボル長(シンボルの時間長)が短くなる。また、1スロット当たりのシンボル数が一定(つまり14シンボル)であるとすると、SCSが広くなるとスロット長が短くなる。
【0032】
このように、ビームが狭く多数になり、また、SCSが広くなると、端末20と基地局装置10が従来の規定に従って動作した場合、無線リンク/ビームの故障検出及びリカバリを適切に行えない可能性がある。
【0033】
以下、上記の課題を解決して、端末20と基地局装置10が、高周波数帯での無線リンク/ビームの故障検出及びリカバリを適切に行うための技術について説明する。
【0034】
(基本的な動作)
まず、本実施の形態の無線通信システムにおける基本的な動作例について
図5を参照して説明する。
【0035】
S101において、端末20は、RRCメッセージにより設定情報を基地局装置10から受信する。当該設定情報は、例えば、後述するようなRLM/RLFあるいはBFD/BFRに使用するタイマ、閾値等である。
【0036】
S102において、端末20は、S101で受信した設定情報を用いて、RLM/RLF、BFD/BFR等に係る処理を実行する。なお、設定情報を用いないで処理を実行する場合もある。
【0037】
以下、本実施の形態の無線通信システムにおける具体的な処理動作の例として実施例1~実施例8を説明する。実施例1~実施例8において、矛盾が生じない限り、いずれの複数の実施例でも組み合わせて実施することが可能である。
【0038】
(実施例1)
<実施例1の基本動作例>
実施例1における無線通信システムにおいて、端末20(及び基地局装置10)は、RLM(Radio Link Monitoring)を行って、RLF(Radio Link Failure)を検知すると、RRC接続再確立(RRC connection re-establishment)等が実行される。
【0039】
RLMにおいては、回数の閾値であるカウンタ値N310、N311、及びタイマT310、T311等が使用される。これらのパラメータは、端末20が基地局装置20からRRCシグナリングにより受信したものである。
【0040】
N310は、連続するout-of-sync indicationの数の閾値であり、連続するout-of-sync indicationの数がN310に達すると、T310のタイマを開始する。
【0041】
T310は、上記のトリガで開始し、N311回の連続するin-sync indicationが通知されると停止する。T310が満了すると、例えば、RRC connection re-establishmentを実行する。T311は、セル再選択におけるRRC connection re-establishment手順の開始時に開始し、セル再選択に成功すると停止する。T311が満了した場合、端末20はRRCアイドル状態になる。
【0042】
端末20におけるRLMの手順例を、
図6を参照して説明する。端末20において、下位レイヤ(例えば物理レイヤの機能部)がout-of-sync(無線リンク品質劣化)を検知するとout-of-sync indicationを上位レイヤ(例えば、RRCの機能部)に通知する。
【0043】
端末20は、N310回の連続するout-of-sync indicationが下位レイヤから上位レイヤに通知されたことを検知すると、タイマT310を開始する。端末20は、タイマT310が動作中にN311回の連続するin-sync indication(無線リンク正常通知)が下位レイヤから上位レイヤに通知されたことを検知するとT310を停止する。もしもT310が満了した場合、RLFが発生したと判断し、RRC connection re-establishment手順を実行する。
【0044】
上記のin-sync indicationは、例えば、下記のように定義される情報である。
【0045】
「Upon request from higher layers, the UE provides to higher layers the periodic CSI-RS configuration indexes and/or SS/PBCH block indexes from the set q1~ and the corresponding radio link quality measurements that are larger than or equal to Qin」
つまり、in-sync indicationは、ある閾値Qin以上の無線品質測定値が得られたP-CSI-RSのインデックス、又は(及びでもよい)、SS/PBCH block(以降、SSBと記載する場合がある)のインデックスである。また、対象のP-CSI-RSのインデックス、SSBのインデックスは、「q1~」の集合内のものである。q1~は、例えば、無線リンク品質測定用のcandidateBeamRSListにより、基地局装置20から端末10にRRCシグナリングにより通知されるパラメータである。なお、無線リンク品質はRSRPであってもよいし、RSRQであってもよい。
【0046】
上記のout-of-sync indicationは、例えば下記により定義される。
【0047】
「PHY in the UE provides an indication to higher layers when the radio link quality for all corresponding resource configurations in the set q0~ that the UE uses to assess the radio link quality is worse than the threshold Qout」
つまり、out-of-sync indicationは、端末20が無線リンク品質評価のために使用している集合「q0~」における全てのリソースの無線リンク品質がある閾値Qoutよりも悪い場合に通知される情報である。q0~は、例えば、failureDetectionResourcesにより、基地局装置20から端末10にRRCシグナリングにより通知される、P-CSI-RSのインデックスの集合である。
【0048】
<実施例1の課題について>
本実施の形態の無線通信システムにおいて使用することが想定される高周波数帯では、既存技術よりも多数の狭いビームが使用されることが想定される。その場合、連続するout-of-sync indication、及び、連続するin-sync indicationがほとんど発生しないこと、あるいは、連続するout-of-sync indication、及び、連続するin-sync indicationが過度に頻繁に発生することが想定される。
【0049】
そうすると、既存の回数のカウンタ値(N310、N311等)、既存のタイマ(T310、T311等)を用いた場合には、RLFを適切に検出できないことが想定される。逆に、RLFを過度に頻繁に検出してしまうことも想定される。この課題を解決するための実施例1の内容を、実施例1-1、実施例1-2として以下に詳細に説明する。
【0050】
<実施例1-1>
実施例1-1では、無線リンク品質を決定するために使用するカウンタ値(定数)として、既存の仕様書には記載のない新たな値を使用する。具体例として、下記の実施例1-1-1、実施例1-1-2を説明する。
【0051】
<実施例1-1-1>
実施例1-1-1では、N310の値として、既存の仕様書(例:非特許文献2)に記載の値よりも大きな値を使用できるようにする。これに加えて、又は、これに代えて、N311の値として、既存の仕様書(例:非特許文献2)に記載の値よりも大きな値を使用できるようにすることとしてもよい。
【0052】
例えば、RRCメッセージ(RLF-TimersAndConstants)の中に、N310の候補値として{1,2,3,4,6,8,10,20,30,40,50}が含まれ、当該{1,2,3,4,6,8,10,20,30,40,50}を含むRRCメッセージが基地局装置10から端末20に通知される。
【0053】
端末20は、例えば、サービングセルの周波数帯が高周波数帯(予め定められた値よりも大きな周波数)であるので、{1,2,3,4,6,8,10,20,30,40,50}の中から大きなN310の値として40を選択し、N310=40として、例えば、
図6に示した手順を実行する。
【0054】
また、例えば、基地局装置10が、RRCメッセージ(RLF-TimersAndConstants)で送信可能なN310の値の候補の集合として{1,2,3,4,6,8,10,20,30,40,50}を保持し、この中から例えば40を選択し、RRCメッセージ(RLF-TimersAndConstants)で、40を端末20に通知してもよい。N310=40を受信した端末20は、N310=40を用いて、例えば、
図6に示した手順を実行する。
【0055】
N310の値として、従来の値よりも大きな値を使用することで、過度に頻繁に「連続するout-of-sync indication」が発生することを回避できる。
【0056】
また、例えば、RRCメッセージ(RLF-TimersAndConstants)の中に、N311の候補値として{1,2,3,4,5,6,8,10,15,20,30}が含まれ、当該{1,2,3,4,5,6,8,10,15,20,30}を含むRRCメッセージが基地局装置10から端末20に通知される。
【0057】
端末20は、例えば、サービングセルの周波数帯が高周波数帯であるので、{1,2,3,4,5,6,8,10,15,20,30}の中から大きなN311の値として20を選択し、N311=20として、例えば、
図6に示した手順を実行する。
【0058】
また、例えば、基地局装置10が、RRCメッセージ(例:RLF-TimersAndConstants)で送信可能なN311の値の候補の集合として{1,2,3,4,5,6,8,10,15,20,30}を保持し、この中から例えば20を選択し、RRCメッセージ(RLF-TimersAndConstants)で、20を端末20に通知してもよい。N311=20を受信した端末20は、N311=20を用いて、例えば、
図6に示した手順を実行する。
【0059】
N311の値として、従来の値よりも大きな値を使用することで、過度に頻繁に「連続するin-sync indication」が発生することを回避できる。
【0060】
<実施例1-1-2>
実施例1-1-2では、新たなRRCメッセージ(ここではRLF-TimersAndConstants-r17)を導入し、RLF-TimersAndConstants-r17により基地局装置20から端末10にN310の値として、既存の仕様書(例:非特許文献2)に記載の値よりも大きな値を使用できるようにする。これに加えて、又は、これに代えて、RLF-TimersAndConstants-r17により基地局装置20から端末10にN311の値として、既存の仕様書(例:非特許文献2)に記載の値よりも大きな値を使用できるすることとしてもよい。
【0061】
例えば、RLF-TimersAndConstants‐r17の中に、N310の候補値として{30,40,50}が含まれ、当該{30,40,50}を含むRLF-TimersAndConstants‐r17が基地局装置10から端末20に通知される。
【0062】
端末20は、例えば、{30,40,50}の中から大きなN310の値として40を選択し、N310=40として、例えば、
図6に示した手順を実行する。
【0063】
また、例えば、基地局装置10が、RLF-TimersAndConstants‐r17で送信可能なN310の値の候補の集合として{30,40,50}を保持し、この中から例えば40を選択し、RLF-TimersAndConstants‐17で、40を端末20に通知してもよい。N310=40を受信した端末20は、N310=40を用いて、例えば、
図6に示した手順を実行する。
【0064】
N310の値として、従来の値よりも大きな値を使用することで、過度に頻繁に「連続するout-of-sync indication」が発生することを回避できる。
【0065】
また、例えば、RLF-TimersAndConstants‐r17の中に、N311の候補値として{15,20,30}が含まれ、当該{15,20,30}を含むRLF-TimersAndConstants‐r17が基地局装置10から端末20に通知される。
【0066】
端末20は、例えば、{15,20,30}の中から大きなN311の値として20を選択し、N310=20として、例えば、
図6に示した手順を実行する。
【0067】
また、例えば、基地局装置10が、RLF-TimersAndConstants‐r17で送信可能なN311の値の候補の集合として{15,20,30}を保持し、この中から例えば20を選択し、RLF-TimersAndConstants‐17で、20を端末20に通知してもよい。N311=20を受信した端末20は、N311=20を用いて、例えば、
図6に示した手順を実行する。
【0068】
N311の値として、従来の値よりも大きな値を使用することで、過度に頻繁に「連続するin-sync indication」が発生することを回避できる。
【0069】
上記のような新たなRRCメッセージ(新たなフィールド)を端末20が使用するか否かについては、基地局装置10から端末20に対してRRC configurationにより設定されてもよい。あるいは、上記のような新たなRRCメッセージ(新たなフィールド)を端末20が使用するか否かについては、端末20が在圏するセルのキャリア周波数あるいはSCSにより決められてもよい。例えば、キャリア周波数(あるいはSCS)が閾値よりも大きい場合に、上記のような新たなRRCメッセージを使用する。
【0070】
<実施例1-2>
次に、実施例1-2について説明する。実施例1-2では、T310のタイマを開始させるためのトリガとする条件を、前述した
図6で説明した条件(連続out-of-sync indicationの回数がN310回になること)から変更するものである。
【0071】
また、実施例1-2では、T310のタイマを停止させるためのトリガとする条件を、前述した
図6で説明した条件(連続in-sync indicationの回数がN310回になること)から変更するものである。具体例として、下記の実施例1-2-1~1-2-4を説明する。
【0072】
<実施例1-2-1>
実施例1-2-1では、端末20が、Yの中で、X回のout-of-sync indicationを検知した場合に、T310を開始する。Yは例えば検知したin-sync indicationの回数である。また、Yは時間長(例えばmsec単位の時間長)であってもよい。Yが時間長である場合、Yの値としてt304が使用されてもよい。
【0073】
例えば、端末20は、Y回のin-sync indicationを検知したときに、その中で、X回のout-of-sync indicationを検知していたらT310を開始する。また、例えば、端末20は、Ymsecの時間の中で、X回のout-of-sync indicationを検知していたらT310を開始する。
【0074】
また、XがYに対する確率(%)であってもよい。この場合、例えば、ある期間において、端末20が、Y回のin-sync indicationを検知し、Z回のout-of-sync indicationを検知した場合において、Z×100/Y>X%であれば、端末20はT310を開始する。
【0075】
上記のいずれの種類のX、Yにおいても、XとYの値は、仕様書等により規定されていて、これらの値を端末20(及び基地局装置10)が予め保持していてもよいし、XとYの候補値(又は端末20が使用するべきXとY)が、基地局装置10から端末20に対して、RRCシグナリングあるいはMACシグナリングにより設定されてもよい。
【0076】
XとYの候補値を基地局装置10から端末20に対して設定する場合において、例えば、X(例:out-of-sync indicationの回数)として{1,2,3,4,5}が設定され、Y(例:in-sync indicationの回数)として{5,10,20,30}が設定される。
【0077】
また、XとYの候補値を基地局装置10から端末20に対して設定される場合において、端末20は候補値の中から自身が使用する値を選択することとしてもよいし、使用すべき値を指定したMACシグナリング又はDCIが基地局装置10から端末20に対して通知されることとしてもよい。
【0078】
上記のようにXとYを用いた条件をT310の開始のトリガとして使用することで、誤って(無線リンク品質の劣化がT310を開始するほどでもないのに)T310を起動することを回避できる。
【0079】
上記のようなXとYを用いた新たな判定方法を端末20が使用するか否かについては、基地局装置10から端末20に対してRRC configurationにより設定されてもよい。あるいは、上記のようなXとYを用いた新たな判定方法を端末20が使用するか否かについて、端末20が在圏するセルのキャリア周波数あるいはSCSにより決められてもよい。例えば、キャリア周波数(あるいはSCS)が閾値よりも大きい場合に、上記のようなXとYを用いた新たな判定方法を端末20が使用する。
【0080】
<実施例1-2-2>
実施例1-2-2では、T310のタイマを開始させるためのトリガとする条件について、前述した
図6で説明した条件(連続out-of-sync indicationの回数がN310回になること)の中のout-of-sync indicationのカウント方法を変更するものである。変更後のカウント方法は、前述した
図6で説明した条件(連続out-of-sync indicationの回数がN310回になること)の中で使用してもよいし、実施例1-2-1の中で使用してもよい。
【0081】
実施例1-2-2を、
図7を参照して説明する。
図7に示すように、端末20は、out-of-sync indicationを検知した場合に、その検知時刻からZ(msec)後までの時区間ではout-of-sync indicationを検知してもそれをカウントせず、Z(msec)以降のout-of-sync indicationをカウントする。
【0082】
これにより、過度に頻繁に連続out-of-sync indicationを検知することを回避できる。
【0083】
Zの値は、仕様書等により規定されていて、これらの値を端末20(及び基地局装置10)が予め保持していてもよいし、Zの候補値(又は端末20が使用するべきZ)が、基地局装置10から端末20に対して、RRCシグナリングあるいはMACシグナリングにより設定されてもよい。
【0084】
また、Zの候補値が基地局装置10から端末20に対して設定される場合において、端末20は候補値の中から自身が使用する値を選択することとしてもよいし、使用すべき値を指定したMACシグナリング又はDCIが基地局装置10から端末20に対して通知されることとしてもよい。
【0085】
<実施例1-2-3>
実施例1-2-3では、T310のタイマを停止させるためのトリガとする条件を、前述した
図6で説明した条件(連続in-sync indicationの回数がN310回になること)から変更する。
【0086】
具体的には、端末20が、Yの中で、X回のin-sync indicationを検知した場合に、T311を停止する。Yは例えば検知したout-of-sync indicationの回数である。また、Yは時間長(例えばmsec単位の時間長)であってもよい。
【0087】
例えば、端末20は、Y回のout-of-sync indicationを検知したときに、その中で、X回のin-sync indicationを検知していたらT311を停止する。また、例えば、端末20は、Ymsecの時間の中で、X回のin-sync indicationを検知していたらT311を停止する。
【0088】
また、XがYに対する確率(%)であってもよい。この場合、例えば、ある期間において、端末20が、Y回のout-of-sync indicationを検知し、Z回のin-sync indicationを検知した場合において、Z×100/Y>X%であれば、端末20はT311を停止する。
【0089】
上記のいずれの種類のX、Yにおいても、XとYの値は、仕様書等により規定されていて、これらの値を端末20(及び基地局装置10)が予め保持していてもよいし、XとYの候補値(又は端末20が使用するべきXとY)が、基地局装置10から端末20に対して、RRCシグナリングあるいはMACシグナリングにより設定されてもよい。
【0090】
また、XとYの候補値を基地局装置10から端末20に対して設定される場合において、端末20は候補値の中から自身が使用する値を選択することとしてもよいし、使用すべき値を指定したMACシグナリング又はDCIが基地局装置10から端末20に対して通知されることとしてもよい。
【0091】
上記のようにXとYを用いた条件をT311の停止のトリガとして使用することで、誤って(無線リンク品質の回復がT311を停止するほどでもないのに)T311を停止することを回避できる。
【0092】
上記のようなXとYを用いた新たな判定方法を端末20が使用するか否かについては、基地局装置10から端末20に対してRRC configurationにより設定されてもよい。あるいは、上記のようなXとYを用いた新たな判定方法を端末20が使用するか否かについて、端末20が在圏するセルのキャリア周波数あるいはSCSにより決められてもよい。例えば、キャリア周波数(あるいはSCS)が閾値よりも大きい場合に、上記のようなXとYを用いた新たな判定方法を端末20が使用する。
【0093】
<実施例1-2-4>
実施例1-2-4では、T311のタイマを停止させるためのトリガとする条件について、前述した
図6で説明した条件(連続in-sync indicationの回数がN311回になること)の中のin-sync indicationのカウント方法を変更するものである。変更後のカウント方法は、前述した
図6で説明した条件の中で使用してもよいし、実施例1-2-3の中で使用してもよい。
【0094】
実施例1-2-4を、
図7を参照して説明する。
図7において、out-of-sync indicationがin-sync indicationに置き換えられたものとして説明する。
【0095】
端末20は、in-sync indicationを検知した場合に、その検知時刻からZ(msec)後までの時区間ではin-sync indicationを検知してもそれをカウントせず、Z(msec)以降のin-sync indicationをカウントする。
【0096】
これにより、過度に頻繁に連続in-sync indicationを検知することを回避できる。
【0097】
Zの値は、仕様書等により規定されていて、これらの値を端末20(及び基地局装置10)が予め保持していてもよいし、Zの候補値(又は端末20が使用するべきZ)が、基地局装置10から端末20に対して、RRCシグナリングあるいはMACシグナリングにより設定されてもよい。
【0098】
また、Zの候補値が基地局装置10から端末20に対して設定される場合において、端末20は候補値の中から自身が使用する値を選択することとしてもよいし、使用すべき値を指定したMACシグナリング又はDCIが基地局装置10から端末20に対して通知されることとしてもよい。
【0099】
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。実施例2は、ビームの故障を検出して(BFD)、ビームのリカバリ(BFR)を行う技術についての実施例である。まず、本実施の形態のBFD/BFRにおける基本的な動作例を
図8、
図9を参照して説明する。なお、
図8、
図9は、BFRに関する全実施例で共通の基本動作例である。
【0100】
まず、
図8を参照して、PCell/PSCellにおけるBFD/BFRの動作例(R-15のBFR)を説明する。
【0101】
S10において、端末20は、基地局装置10からビーム毎に送信される参照信号(CSI-RS、SSB、又はCSI-RSとSSBの両方)を受信し、その品質(RSRP、RSRQ等)を測定する。ここで端末20は、全ての参照信号(つまりビーム)の品質が悪くなったと判断した回数が所定回数に達したら、S11の新たなビームのサーチを行う。
【0102】
S10における全ての参照信号とは、beam failurの検出のために測定を行う、基地局装置10から端末20に設定される参照信号(のインデックス)の集合(failure Detection resources)であり、これをq0と呼ぶ。これには、例えば、8が設定される。
【0103】
S11において、端末20は、候補となる参照信号(基地局装置10から設定されるcandidateBeamRSListでありq1と呼ぶ)のL1-RSRPを測定し、L1-RSRPが最大となる参照信号(ビーム)を新たなビームとして選択する。
【0104】
S12において、端末12は、選択した新たなビームに対応するPRACH occasionでPRACH(プリアンブル)を送信する。端末20は、4スロット後から開始するBFR response windowでBFR response(PDCCH)を監視する。
【0105】
端末20は、S13でBFR response(のPDCCH)を受信してから28シンボル後に、CORESET#0でモニタするPDCCHは、新たなビーム(参照信号)とQCL関係にあると想定して、CORESET#0でPDCCHをモニタする。
【0106】
次に、
図9を参照して、SCellに対するBFD/BFRの動作例(R-16で導入されたBFR)を説明する。
図9では、基地局装置30によりSCellが提供されているとする。
【0107】
S21において、端末20は、基地局装置30からビーム毎に送信される参照信号(CSI-RS、SSB、又はCSI-RSとSSBの両方)を受信し、その品質(RSRP、RSRQ等)を測定する。ここで端末20は、全ての参照信号(つまりビーム)の品質が悪くなったと判断した回数が所定閾値に達したら、S21でSR(スケジューリングリクエスト)を送信する。また、S23において、新たなビームのサーチを行う。
【0108】
S20における全ての参照信号とは、beam failureの検出のために測定を行う、基地局装置10から端末20に設定される参照信号(のインデックス)の集合(failure Detection resources)であり、これをq0と呼ぶ。これには、例えば、8が設定される。
【0109】
S23において、端末20は、候補となる参照信号(基地局装置10から設定されるcandidateBeamRSListでありq1と呼ぶ)のL1-RSRPを測定し、L1-RSRPが最大となる参照信号(ビーム)を新たなビームとして選択する。
【0110】
S22において、端末20はUL-grantを受信しており、そこで割り当てられたリソースを用いて、S24において、MAC CEを送信する。MAC CEには、beam故障のあったCCのインデックスと、CC毎の新たな参照信号のインデックス(つまりビームのインデックス)が含まれる。端末20は、S25でBFR response(PDCCH)を受信する。
【0111】
端末20は、PUSCHをスケジューリングするPDCCH(S25のPDCCH)を受信してから28シンボル後に、以降SCellでモニタするPDCCHは、新たなビーム(参照信号)とQCL関係にあると想定して、PDCCHをモニタする。また、端末20は、上記28シンボル後に、以降SCellで送信するPUSCHは、新たなビーム(参照信号)の空間ドメインフィルタに対応する空間ドメインフィルタを使用して送信する。つまり、PUSCHについてもQCLを更新する。
【0112】
<実施例2の課題について>
本実施の形態の無線通信システムにおいて使用することが想定される高周波数帯では、既存技術よりも多数の狭いビームが使用されることが想定される。その場合、既存技術(例えばRel-15/-16の仕様書に記載の技術))におけるBFRをトリガする条件は効率的でない可能性がある。
【0113】
既存技術においては、
図8のS10、及び、
図8のS20において、端末20は、beamFailureDetectionTimerが満了する前に、BFI_COUNTER≧beamFailureInstanceMaxCountを検知したときに、BFRをトリガする(新ビームのサーチを開始する)。beamFailureDetectionTimer、beamFailureInstanceMaxCountはいずれも基地局装置10から端末10にRRCで設定されるパラメータである。
【0114】
BFI_COUNTERは、q0における全ての参照信号(ビーム)の無線リンク品質が閾値(Qout,LR)よりも悪くなった場合にインクリメント(1だけ増加)されるカウンタである。
【0115】
既存技術では、beamFailureInstanceMaxCountの候補値は{1,2,3,4,5,6,8,10}であり、いずれかの値がRRCで端末20に設定される。また、既存技術では、beamFailureDetectionTimerのRRCシグナリングでの候補値は{1,2,3,4,5,6,8,10}である。この値を例えば、kとすると、beamFailureDetectionTimer(タイマとしての時間長)は、「k×({shortest periodicity of the P-CSI-RS configurations and/or SSB,2[mseq]}の最大値)」である。つまり、{1,2,3,4,5,6,8,10} times (RRC configurable) of the max. of {shortest periodicity of the P-CSI-RS configurations and/or SSB, 2 [mseq]}である。
【0116】
既存技術では、beamFailureInstanceMaxCountの値が小さすぎる可能性があり、BFRを過度に頻繁にトリガしてしまう可能性がある。これを課題1とする。
【0117】
また、P-CSI-RS/SSBの周期はスロットベースなので、広いSCSを考慮すると、2msecよりも短くなることが想定される。そのため、beamFailureDetectionTimer(タイマとしての時間長)として、k×2が使用される可能性が高く、その場合、beamFailureDetectionTimer(タイマとしての時間長)は長すぎる可能性がある。これを課題2とする。
【0118】
以下、課題1を解決する技術を説明した実施例を実施例2-1として説明し、課題2を解決する技術を実施例2-2として説明する。
【0119】
<実施例2-1>
実施例2-1では、RRCメッセージ(beamFailureInstanceMaxCount)により基地局装置20から端末10に設定される値として、既存の仕様書(例:非特許文献2)に記載の値よりも大きな値を使用できるようにする。以下、実施例2-1-1、2-1-2を説明する。
【0120】
<実施例2-1-1>
例えば、RRCメッセージ(beamFailureInstanceMaxCount)の中に、候補値として{1,2,3,4,5,6,8,10,20,25,30}が含まれ、当該{1,2,3,4,5,6,8,10,20,25,30}を含むRRCメッセージが基地局装置10から端末20に通知される。
【0121】
端末20は、例えば、サービングセルの周波数帯が高周波数帯であるので、{1,2,3,4,5,6,8,10,20,25,30}の中から大きなbeamFailureInstanceMaxCountの値として30を選択し、beamFailureInstanceMaxCount=30として、例えば、
図8のS10、
図9のS20の手順を実行する。
【0122】
上記のように複数の候補値が設定される場合において、基地局装置10から端末20に対して、端末20が使用するべき1つの値がMACシグナリング又はDCIで指定されることとしてもよい。
【0123】
また、例えば、基地局装置10が、RRCメッセージ(beamFailureInstanceMaxCount)で送信可能な値の候補の集合として{1,2,3,4,5,6,8,10,20,25,30}を保持し、この中から例えば30を選択し、RRCメッセージ(beamFailureInstanceMaxCount)で、30を端末20に通知してもよい。端末20は、beamFailureInstanceMaxCount=30を用いて、例えば、
図8のS10、
図9のS20の手順を実行する。
【0124】
<実施例2-1-2>
実施例2-1-2では、新たなRRCメッセージ(ここではbeamFailureInstanceMaxCount-r17)を導入し、beamFailureInstanceMaxCount-r17により基地局装置20から端末10にbeamFailureInstanceMaxCountの値として、既存の仕様書(例:非特許文献2)に記載の値よりも大きな値を使用できるようにする。
【0125】
例えば、beamFailureInstanceMaxCount-r17の中に、候補値として{20,25,30}が含まれ、当該{20,25,30}を含むbeamFailureInstanceMaxCount-r17が基地局装置10から端末20に通知される。
【0126】
端末20は、例えば、{20,25,30}の中から30を選択し、beamFailureInstanceMaxCount=30として、例えば、
図8のS10、
図9のS20を実行する。
【0127】
また、例えば、基地局装置10が、beamFailureInstanceMaxCount-r17で送信可能なN310の値の候補の集合として{20,25,30}を保持し、この中から例えば30を選択し、beamFailureInstanceMaxCount-r17で、30を端末20に通知してもよい。端末20は、beamFailureInstanceMaxCount=30として、例えば、
図8のS10、
図9のS20を実行する。
【0128】
大きなカウント値を使用することで、少ないビーム劣化事象で誤ってBFRをトリガしてしまうことを回避できる。
【0129】
上記のような大きな値、あるいは、新たなRRCメッセージ(新たなフィールド)を端末20が使用するか否かについては、基地局装置10から端末20に対してRRC configurationにより設定されてもよい。あるいは、上記のような大きな値、新たなRRCメッセージ(新たなフィールド)を端末20が使用するか否かについては、端末20が在圏するセルのキャリア周波数あるいはSCSにより決められてもよい。例えば、キャリア周波数(あるいはSCS)が閾値よりも大きい場合に、上記のような大きな値、あるいは、新たなRRCメッセージを使用する。
【0130】
<実施例2-2>
実施例2-2では、beamFailureDetectionTimer(タイマとしての時間長)を決定する「k×({shortest periodicity of the P-CSI-RS configurations and/or SSB, 2 [msec]}の最大値)」における2[msec]に代えて、2[msec]よりも小さい値を使用できるようにする。以下、実施例2-2-1、2-1-2を説明する。
【0131】
<実施例2-2-1>
端末20は、「k×({shortest periodicity of the P-CSI-RS configurations and/or SSB, 2[msec]}の最大値)」における2に代えて、2よりも小さい数を使用する。例えば、0.1,0.5,1.0,又は、1.5等を使用することができる。2よりも小さい数としてどの値を使用するかについては、仕様書に規定されていて、端末20は予めその値を保持することとしてもよいし、基地局装置10から端末20に対してRRCシグナリング、MACシグナリング、又はDCIにより通知されてもよい。
【0132】
端末20は、「k×({shortest periodicity of the P-CSI-RS configurations and/or SSB, 2[msec]}の最大値)」における2に代えて、2よりも小さい数を使用して決定したbeamFailureDetectionTimer(タイマとしての時間長)を用いて、
図8のS10、
図9のS20を実行する。
【0133】
<実施例2-2-2>
実施例2-2-2では、新たなRRCメッセージ(新たなフィールド)を導入し、「k×({shortest periodicity of the P-CSI-RS configurations and/or SSB, 2[msec]}の最大値)」における2に代えて、2よりも小さい数を使用できるようにする。
【0134】
例えば、新RRCメッセージの中に、候補値として{0.1,0.5,1.0,1.5}が含まれ、当該{0.1,0.5,1.0,1.5}を含む新RRCメッセージが基地局装置10から端末20に通知される。
【0135】
端末20は、例えば、{0.1,0.5,1.0,1.5}の中から0.5を選択し、「k×({shortest periodicity of the P-CSI-RS configurations and/or SSB, 2[msec]}の最大値)」における2に代えて、0.5を使用して、beamFailureDetectionTimer(タイマとしての時間長)を決定し、
図8のS10、
図9のS20を実行する。
【0136】
また、例えば、基地局装置10が、新たなRRCメッセージで送信可能な値の候補の集合として{0.1,0.5,1.0,1.5}を保持し、この中から例えば0.5を選択し、新しいRRCメッセージで、0.5を端末20に通知してもよい。端末20は、0.5を使用して、beamFailureDetectionTimer(タイマとしての時間長)を決定し、
図8のS10、
図9のS20を実行する。
【0137】
なお、新しいRRCメッセージで基地局装置10から端末20に通知する情報が、beamFailureDetectionTimer(タイマとしての時間長)そのものであってもよい。実施例2-2-2により、より迅速なBFRトリガを実行できる。
【0138】
上記のような小さな値、あるいは、新たなRRCメッセージ(新たなフィールド)を端末20が使用するか否かについては、基地局装置10から端末20に対してRRC configurationにより設定されてもよい。あるいは、上記のような小さな値、新たなRRCメッセージ(新たなフィールド)を端末20が使用するか否かについては、端末20が在圏するセルのキャリア周波数あるいはSCSにより決められてもよい。例えば、キャリア周波数(あるいはSCS)が閾値よりも大きい場合に、上記のような小さな値、あるいは、新たなRRCメッセージを使用する。
【0139】
(実施例3)
実施例3は、実施例1又は実施例2と組み合わせて実施される。実施例3は、実施例1と実施例2の両方と組み合わせて実施されることとしてもよい。
【0140】
本実施の形態の無線通信システムにおいて使用することが想定されている52.6~71GHzの周波数帯にはアンライセンススペクトラム(アンライセンスバンド)が含まれるため、本実施の形態の無線通信システムでは、LBTが必要になる場合がある。
【0141】
実施例1、2におけるRLM、BFRにおいては、端末20は、基地局装置10から周期的に送信される参照信号(CSI-RS、SSB、又はCSI-RSとSSB)を受信して、品質の測定を行う。
【0142】
しかし、基地局装置10においてLBTが行われる場合、例えば、
図10に示すように、参照信号の各送信タイミングにおいて、LBTが成功する場合と成功しない場合がある。そのため、基地局装置10から周期的に参照信号を送信することができなくなり、端末20において、参照信号を受信できる頻度が低くなることが想定される。そのため、RLM、BFRを適切に実行できない可能性がある。特に、実施例1、2で説明した大きなカウント値を使用する場合にRLM、BFRを適切に実行できない可能性がある。
【0143】
そこで、実施例3では、実施例1(RLM/RLF)と実施例2(BFD/BFR)において、端末20及び基地局10は、LBTに関する判断基準を用いて、実施例1(RLM/RLF)と実施例2(BFD/BFR)で説明した新たなパラメータ等を用いた処理を行うか否かを判断する。基本的にLBTを実施しない場合に実施例1(RLM/RLF)と実施例2(BFD/BFR)で説明した新たなパラメータ等を用いた処理を行う。判断基準は例えば下記のとおりである。
【0144】
(1)LBTを実施することが必要か否か。
【0145】
(2)LBTが成功したか否かの最新の結果。
【0146】
(3)スロット(RLM/RLF、BFD/BFRの処理を行うスロット)がCOT(channel occupancy)内か否か。
【0147】
例えば、(1)LBTを実施することが必要か否かについては、端末20及び基地局10はそれぞれ、使用する周波数バンドがアンライセンスバンドかライセンスバンドかに基づいて判断する。また、端末20及び基地局10はそれぞれ、使用する周波数バンドがLBTを必須とするバンドか否かに基づいて、LBTが必要か否かを判断することもできる。
【0148】
(2)LBTが成功したか否かの最新の結果に関しては、端末20及び基地局10はそれぞれ、自身がLBTを実行した際の結果として得ることができる。
【0149】
(3)スロットがCOT(channel occupancy time)内か否かに関しては、端末20及び基地局装置10は自身のLBT結果からCOTを設定するので判断できる。また、端末20は、例えば、基地局装置10から受信するDCIの情報から判断することができる。以下、判断基準を用いる具体例として、実施例3-1~3-3を説明する。
【0150】
<実施例3-1:RLM/RLF>
実施例3-1は、実施例3-1-1と実施例3-1-2からなる。
【0151】
<実施例3-1-1>
実施例3-1-1は、一例として、実施例1-1-2を前提とするものである。端末20及び基地局装置10はそれぞれ、LBTを実行することが必要であるか否かを判断し、LBTが必要無いと判断した場合に、実施例1-1-2で説明した新たなRRCメッセージ(ここではRLF-TimersAndConstants-r17)を使用して、大きなカウンタ値(N310又はN311、又は、N310又はN311の両方)を基地局装置10から端末20に通知して、端末20は当該カウンタ値を用いてRLM/RLFを実行する。もしも、LBTを実行する場合には、例えば、既存のRLF-TimersAndConstantsを使用する。実施例3-1-1により、LBT実行時でも適切にRLM/RLFを実行できる。
【0152】
<実施例3-1-2>
実施例3-1-2は、一例として実施例1-2-1を前提とするものである。実施例1-2-1では、端末20が、Yの中で、X回のout-of-sync indicationを検知した場合に、T310を開始することとしている。
【0153】
LBTを考慮した実施例3-1-2において、使用している周波数バンドがアンライセンスバンドである場合、端末20は、基地局装置10がLBTに失敗したことを検知すると、端末20は、Xの値として、閾値(X_unlic)よりも大きな値を使用する。例えば、基地局装置10から設定されたXの候補値の中から閾値(X_unlic)よりも大きな値を使用する。端末20は、基地局装置10がLBTに失敗したことを検知しない場合には、実施例1-2-1で説明したとおりの動作を行うこととしてよい。
【0154】
なお、端末20は、基地局装置10がLBTに失敗したことを、基地局装置10からの通知で把握してもよいし、基地局装置10から送信されるべき信号を受信しないことで検知してもよいし、その他の方法で検知してもよい。
【0155】
また、基地局装置10がLBTに失敗した場合に、端末20に対して、閾値(X_unlic)よりも大きなXの値を通知して、端末20がそのXの値を使用することとしてもよい。
【0156】
閾値(X_unlic)については、仕様書に規定され、端末20と基地局装置10が予め保持しておくこととしてもよいし、RRCシグナリング、MACシグナリング、又はDCIにより、基地局装置10から端末20に通知されてもよい。実施例3-1-2により、LBT失敗がある状況でも適切にRLM/RLFを実行できる。
【0157】
<実施例3-2:BFD/BFR>
実施例3-2は、一例として、実施例2-1-2を前提とするものである。端末20及び基地局装置10はそれぞれ、LBTを実行することが必要あるか否かを判断し、LBTが必要無いと判断した場合に、実施例2-1-2で説明した新たなRRCメッセージ(ここではbeamFailureInstanceMaxCount-r17)を使用して、大きなカウンタ値を基地局装置10から端末20に通知して、端末20は当該カウンタ値を用いてRFR/BFDを実行する。もしも、LBTを実行することが必要である場合には、例えば、beamFailureInstanceMaxCountを使用する。
【0158】
実施例3-1-2により、LBTが必要なときに、大きな値を使用することを回避できる。
【0159】
<実施例3-3:RLM、BFR>
実施例3-3は実施例1(RLM)と実施例2(BFR)のどちらを前提としてもよい。また、実施例3-3は、実施例1(RLM)と実施例2(BFR)とは独立に、既存のRLM、BFRに対して適用されるものであってもよい。
【0160】
実施例3-3では、LBTが必要な場合(つまり、アンライセンスバンドを使用するとき)において、端末20が、RLMあるいはBFRにおいてビーム監視/選択に使用する参照信号として、周期的な参照信号ではなく、非周期的な参照信号が使用される。非周期的な参照信号は、例えば、A-CSI-RS、SP-CSI-RS、PDCCH等である。
【0161】
例えば、端末20と基地局装置10がアンライセンスバンドを使用する場合において、基地局装置10は端末10に対して、非周期的な参照信号を送信する。例えば、基地局装置10は、LBTが成功したタイミングで参照信号を送信する。
【0162】
端末10は、非周期的に受信する参照信号を測定することにより、例えば、
図6、
図8、
図9等で説明したカウント処理等を行うことで、RLM、BFRを実行する。実施例3により、LBTが必要とされる場合に、LBT失敗の影響を受けずに、RLF、BFRを適切に実行できる。
【0163】
(実施例4)
次に、実施例4を説明する。
図8を参照して説明したPCell/PSCellにおけるBFD/BFRに関して、既存技術(例:非特許文献3)では、端末20は、新ビーム(新参照信号)を通知するPRACHをスロットnで送信すると、スロットn+4から、recoverySearchSpaceIdで指定されたサーチスペースでPDCCH(CORESET#0のPDCCH)のモニタを開始する。このPDCCHと、対応するPDSCHは、新たなビーム(参照信号)とQCL関係にある。
【0164】
本実施の形態で想定している高周波数帯では、広いSCSが使用されることが想定されるため、4スロットの時間長が非常に短くなる。そのため、基地局装置10が、recoverySearchSpaceIdで指定されたサーチスペースで送信するPDCCHを準備・送信できない可能性がある。
【0165】
そこで、実施例4では、PCell/PSCellに対するBFRにおいて、周波数バンドとして、高周波数帯(例えば、52.6GHzよりも高い周波数)のバンドを使用する場合に、PRACH送信からPDCCHのモニタを開始するまでのスロット数を4スロットよりも大きな数が使用できるようにする。
【0166】
すなわち、
図11に示すように、端末20がS201でPRACHを送信してから、S202のPDCCHのモニタを開始するまでのスロット数であるXの値として4よりも大きな値を使用する。基地局装置観点では、基地局装置10は、端末20からPRACHを受信してから、4よりも大きなスロット数だけ後以降にPDCCHを送信する。具体的には、下記の実施例4-1、実施例4-2、実施例4-3がある。
【0167】
<実施例4-1>
実施例4-1では、Xとして、4よりも大きな値が仕様書等に規定されていて、端末20と基地局装置10はそれぞれ当該Xの値を保持している。端末20と基地局装置10はそれぞれ、例えば、52.6GHzよりも高い周波数帯のバンドを使用する場合において、Xとして、当該保持している値を用いてBFRを実行する。Xとして使用する4よりも大きな値は、例えば、8、16、32等である。
【0168】
<実施例4-2>
実施例4-2では、条件に応じて、Xとして4とは異なる値を使用する。実施例4-2には、下記のバリエーション(実施例4-2-1~実施例4-2-4)がある。
【0169】
<実施例4-2-1>
実施例4-2-1では、SCSに応じて、使用するXの値が決定される。例えば、端末20と基地局装置10はそれぞれ、BFRの対象のセルのSCSが15kHz、30kHz、又は、60kHzである場合に、Xとして4を使用し、SCSが60kHzよりも大きい場合(つまり、120/240/480/960kHz等の場合)に、Xとして、4よりも大きな値を使用する。
【0170】
<実施例4-2-2>
実施例4-2-12では、周波数範囲(FR)に応じて、使用するXの値が決定される。例えば、端末20と基地局装置10はそれぞれ、BFRの対象のセルのFRがFR1又はFR2であれば、Xとして4を使用し、FRがFR4であればXとして、4よりも大きな値を使用する。
【0171】
<実施例4-2-3>
実施例4-2-3では、端末20の能力(UE capability)に応じて、使用するXの値が決定される。例えば、端末20と基地局装置10はそれぞれ、端末20の能力がXとして4しか使用できない能力であることを検知すると、Xとして4を使用し、端末20の能力がXとして4以外も使用できる能力であることを検知すると、Xとして4以外の値を(必要に応じて)使用する。ここでの必要に応じての判断は、実施例4-2-1あるいは実施例4-2-2を使用できる。
【0172】
<実施例4-2-4>
実施例4-2-4では、端末20と基地局装置10はそれぞれ、基地局装置10から端末20に対して、RRCシグナリング(又はMACシグナリング、又はDCI)で通知したXの値を使用する。
【0173】
なお、実施例4-2-1~4-2-3において、各条件に応じてXとして使用される値が、RRCシグナリング(又はMACシグナリング、又はDCI)で基地局装置10から端末20に対して通知されてもよいし、SIMにより端末20に設定されてもよいし、仕様書で規定されていてもよい。
【0174】
<実施例4-3>
実施例4-3では、Xの値として、「4+オフセット」を使用する。オフセットの値は、負の値の場合もあるし、0の場合もあるし、正の値の場合もある。
【0175】
オフセットの値(例えば、1つ以上の候補値)が、仕様書等で規定され、端末20と基地局装置10はそれぞれ当該値を予め保持する。あるいは、オフセットの値(例えば、1つ以上の候補値)が、基地局装置10から端末20に、RRC等により設定(又は事前設定)される。
【0176】
そして、例えば、端末20が使用すべきオフセットの値を指示する情報が、RRCシグナリング、MACシグナリング、又はDCIにより基地局装置10から端末20に通知された場合に、端末20は、Xの値として、「4+オフセット」を使用して、BFRを実行する。
【0177】
なお、実施例4-1、実施例4-2、実施例4-3のいずれにおいても、基地局装置10から端末20に対して、実施例4-1/実施例4-2/実施例4-3の動作を行うことの設定がRRCによりなされた場合に、基地局装置10と端末20は、実施例4-1/実施例4-2/実施例4-3の動作を行うこととしてもよい。また、実施例4-1/実施例4-2/実施例4-3の動作を行うことの決定は、端末20の能力(UE capability)に応じてなされることとしてもよい。
【0178】
(実施例5)
次に、実施例5を説明する。
図8を参照して説明したPCell/PSCellにおけるBFD/BFRに関して、既存技術では、端末20は、新ビーム(新参照信)を通知するPRACHをスロットnで送信すると、スロットn+4から、recoverySearchSpaceIdで指定されたサーチスペースでPDCCHのモニタを開始し、BFR response(最初のPDCCH)を受信してから28シンボル後に、CORESET#0でモニタするPDCCHは、新たなビーム(参照信号)とQCL関係にあると想定して、CORESET#0でPDCCHをモニタする。つまり、BFR response(最初のPDCCH)を受信してから28シンボル後に、CORESET#0のPDCCHのQCLを、新ビームとQCL関係を持つように更新する。
【0179】
また、
図9を参照して説明したSCellにおけるBFD/BFRにおいて、既存技術では、端末20は、新ビームを通知するMAC CEをPUSCHで送信した後に、BFR response(PDCCH)を受信してから28シンボル後に、全てのCORESEにおいてモニタするSCellのPDCCHは、新たなビーム(参照信号)とQCL関係にあると想定して、PDCCHをモニタする。
【0180】
また、上記28シンボル後は、PUCCH-SCellで送信するPUSCHは、新たなビーム(参照信号)の空間ドメインフィルタに対応する空間ドメインフィルタを使用して送信する。
【0181】
すなわち、BFR response(PDCCH)を受信してから28シンボル後に、PDCCHとPUSCHのQCLを、新ビームとQCL関係を持つように更新する。
【0182】
図12は、上記の28シンボルをYシンボルとして記載した図である。S301において、端末20は、PRACH(SCellにおけるBFD/BFRではPUSCHでのMAC CE)を送信する。S302において、端末20は、BFR responseを受信し、そこからYシンボル後にQCLを更新する。
【0183】
上記のとおり、既存技術では、Yは28である。しかし、高周波数帯で使用される広いSCS、つまり、短いシンボル長においては、BFR responseを受信してから28シンボル後までの時間長は、QCL更新のためには短すぎる可能性がある。
【0184】
逆に、高周波数帯で使用することが想定される多数の狭いビームを考慮すると、BFRは頻繁に行うことが想定され、その想定によると、BFR responseを受信してから28シンボル後までの時間長は長すぎて、迅速なビーム変更ができなくなる可能性がある。
【0185】
そこで、実施例5では、下記の実施例5-1~5-3で説明するように、Yとして28以外の値を使用できるようにしている。
【0186】
<実施例5-1>
実施例5-1では、Yの値として、28よりも大きな値(1つ以上の候補値)が、仕様書等で規定され、端末20と基地局装置10はそれぞれ当該値を予め保持する。あるいは、Yの値として、28よりも大きな値(1つ以上の値)が、基地局装置10から端末20に、RRC等により設定(又は事前設定)される。また、Yの値として、28よりも大きな値(1つ以上の値)が、基地局装置10から端末20に、MACシグナリング、DCI等により通知されてもよい。
【0187】
候補値の中から実際に使用するYを決定する方法の例として、実施例5-1-1~実施例5-1-3を説明する。
【0188】
<実施例5-1-1>
基地局装置10と端末20はそれぞれ、BFRの対象のセルのSCSが、閾値(例えば120kHz)よりも大きい場合に、Yとして特定の値(例えば56)を使用する。
【0189】
<実施例5-1-2>
基地局装置10と端末20はそれぞれ、BFRの対象のセルのキャリア周波数が、閾値(例えば52.6GHz)よりも大きい場合に、Yとして特定の値(例えば56)を使用する。
【0190】
<実施例5-1-3>
基地局装置10と端末20はそれぞれ、端末20の能力(UE capability)が、Yとして28しか使用できない能力であることを検知した場合には、Yとして28を使用し、Yとして28以外の値を使用できる能力であることを検知した場合には、必要に応じてYとして28以外の値(例えば56)を使用する。必要に応じての判断は、実施例5-1-1、実施例5-1-2を使用することができる。
【0191】
<実施例5-2>
実施例5-2では、Yの値として、28よりも小さな値(1つ以上の候補値)が、仕様書等で規定され、端末20と基地局装置10はそれぞれ当該値を予め保持する。あるいは、Yの値として、28よりも小さな値(1つ以上の値)が、基地局装置10から端末20に、RRC等により設定(又は事前設定)される。また、Yの値として、28よりも小さな値(1つ以上の値)が、基地局装置10から端末20に、MACシグナリング、DCI等により通知されてもよい。
【0192】
候補値の中から実際に使用するYを決定する方法の例として、実施例5-2-1~実施例5-2-4を説明する。
【0193】
<実施例5-2-1>
基地局装置10と端末20はそれぞれ、BFRの対象のセルのSCSが、閾値(例えば120kHz)よりも大きい場合に、Yとして特定の値(例えば0又は14)を使用する。
【0194】
<実施例5-2-2>
基地局装置10と端末20はそれぞれ、BFRの対象のセルのキャリア周波数が、閾値(例えば52.6GHz)よりも大きい場合に、Yとして特定の値(例えば0又は14)を使用する。
【0195】
<実施例5-2-3>
基地局装置10と端末20はそれぞれ、端末20の能力(UE capability)が、Yとして28しか使用できない能力であることを検知した場合には、Yとして28を使用し、Yとして28以外の値を使用できる能力であることを検知した場合には、必要に応じてYとして28以外の値(例えば0又は14)を使用する。必要に応じての判断は、実施例5-2-1、実施例5-2-2、実施例5-2-4を使用することができる。
【0196】
<実施例5-2-4>
基地局装置10と端末20はそれぞれ、BFRの対象のセルのSSB、CSI-RS、又はSRSのビーム数が、閾値(例えば32又は64)よりも大きい場合に、Yとして特定の値(例えば0又は14)を使用する。
【0197】
<実施例5-3>
実施例5-3では、Yの値として、「28+オフセット」を使用する。オフセットの値は、負の値の場合もあるし、0の場合もあるし、正の値の場合もある。
【0198】
オフセットの値(例えば、1つ以上の候補値)が、仕様書等で規定され、端末20と基地局装置10はそれぞれ当該値を予め保持する。あるいは、オフセットの値(例えば、1つ以上の候補値)が、基地局装置10から端末20に、RRC等により設定(又は事前設定)される。
【0199】
そして、例えば、端末20が使用すべきオフセットの値を指示する情報が、RRCシグナリング、MACシグナリング、又はDCIにより基地局装置10から端末20に通知された場合に、端末20は、Yの値として、「28+オフセット」を使用して、BFR(
図12)を実行する。また、オフセットに加えて、ビーム切替ギャップ(beam switching gap)が28シンボルに追加されてもよい。
【0200】
なお、実施例5全体において、QCLの更新(新ビームとQCL関係を持つように更新)は、PDCCH、PUCCH、PDSCH、PUSCHのいずれか複数(全部でもよい)に対してなされることとしてもよい。
【0201】
なお、実施例5-1、実施例5-2、実施例5-3のいずれにおいても、基地局装置10から端末20に対して、実施例5-1/実施例5-2/実施例5-3の動作を行うことの設定がRRCによりなされた場合に、基地局装置10と端末20は、実施例5-1/実施例5-2/実施例5-3の動作を行うこととしてもよい。また、実施例5-1/実施例5-2/実施例5-3の動作を行うことの決定は、端末20の能力(UE capability)に応じてなされることとしてもよい。
【0202】
(実施例6)
実施例6は、他のどの実施例とも組み合わせて実施可能である。
図8のS11、及び、
図9のS23で説明したとおり、端末20は、BFを検知すると、candidateBeamRSListに含まれる候補となるビーム(具体的には、参照信号のインデクス)の集合(q1と呼ぶ)から最良のビームをサーチする。しかし、従来技術では、q1に含まれる候補のビーム(参照信号)の数は、最大で64である。
【0203】
本実施の形態で想定する高周波数帯では、より多くのビームが使用されることが想定されるため、q1が最大でも64であることは、BFRの際に適切なビームを検知するためには不足である可能性がある。
【0204】
そこで、実施例6では、高周波数帯(例:52.6GHz以上)のセルでは、q1により多くの候補ビームを含めることができるようにする。
【0205】
q1に含める候補のビームに関しては、仕様書等に規定されていて、端末20と基地局装置10が予め保持していてもよいし、RRCシグナリンで基地局装置10から端末20に設定されてもよいし、MACシグナリングあるいはDCIにより、基地局装置10から端末20に指示がされてもよい。また、q1に含める候補のビームの数は、CSI-RSビームの数に合わせてもよいし、CSI-RSビームとSSBビームの数に合わせてもよい。
【0206】
q1に、64よりも大きい数の候補ビームを含めることで、BFR時に、端末20は、より適切な狭いビームを選択することができる。
【0207】
なお、q1がRRCにより端末に設定されない場合、端末20は、q1をある規則に基づいて生成してもよい。例えば、端末20は、端末20に設定されている全てのCSI-RSリソースID(つまり、CSI-RSビーム)をq1に含めるようにしてもよい。
【0208】
また、q0に関しても数を増やしてもよい。具体的には下記のとおりである。
【0209】
図8のS10、及び、
図9のS20で説明したとおり、端末20は、BFを検知するための、failureDetectionResourcesに含まれるビーム(具体的には、参照信号のインデクス)の集合(q0と呼ぶ)の全ての品質が劣化したか否かを判断する。しかし、従来技術では、q0に含まれるビーム(参照信号)の数は、最大で8である。
【0210】
本実施の形態で想定する高周波数帯では、より多くのビームが使用されることが想定されるため、q0が最大でも8であることは、BFRの際に適切にBFを検知するためには不足である可能性がある。
【0211】
そこで、本実施の形態では、高周波数帯(例:52.6GHz以上)のセルでは、q0により多くのビームを含めることができるようにする。
【0212】
q0に含める候補のビームに関しては、仕様書等に規定されていて、端末20と基地局装置10が予め保持していてもよいし、RRCシグナリンで基地局装置10から端末20に設定されてもよいし、MACシグナリングあるいはDCIにより、基地局装置10から端末20に指示がされてもよい。
【0213】
また、q0に含めるビームの数は、BWP毎に設定されるCORSETの数と関連付けられていてもよい。例えば、q0に含めるビームの数は、PDCCHとQCL関係にある参照信号の数と関連付けられていてもよい。
【0214】
q0に、8よりも大きい数のビームを含めることで、過度に頻繁にBFを検知することを回避できる。
【0215】
なお、基地局装置10から端末20に対して、実施例6を適用することの設定がRRCによりなされた場合に、基地局装置10と端末20は、実施例6を適用することとしてもよい。また、実施例6の適用は、端末20の能力(UE capability)に応じてなされることとしてもよい。
【0216】
(実施例7)
次に、実施例7を説明する。実施例7は、他のいずれの実施例とも組み合わせて実施することが可能である。
【0217】
本実施の形態における基地局装置10と端末20は、複数CCでキャリアアグリゲーションを行う際に、1以上のビームを複数CCで同時に使用する場合がある。つまり、端末20と基地局装置20は、複数CC間で同じビームを同時に使用して信号送受信を行う場合がある。その場合、あるCCでのBF(beam failure)は、他の1以上のCCにおいてもBF(beam failure)が生じたことを意味する。
【0218】
そこで、実施例7では、あるセル(CC)に対する
図8あるいは
図9で説明したBFRの手順において、端末20は、基地局装置10からBFR responseを受信した後に、当該CC(BFR手順の対象のCC)における選択されたビームを、他の1以上のCCの集合にも適用する。つまり、端末20は、当該CC(BFR手順の対象のCC)において、PDCCH(SCellのPDCCHとPUCCH)のQCL関係を更新するとともに、キャリアアグリゲーションを行っている他の1以上のCCに対しても、当該CC(BFR手順の対象のCC)でのQCL更新と同じく、新ビームに基づくQCL更新を行う。
【0219】
基地局装置10の観点では、基地局装置10は、端末20から報告された新ビームと同じビームで、当該CC(BFR手順の対象のCC)においてPDCCHを送信するとともに、他の1以上のCCにおいても、端末20から報告された新ビームと同じビームで、PDCCHを送信し、PUCCHを受信する。
【0220】
より具体的には、例えば、
図13に示すように、端末20(及び基地局装置10)は、
図13に示すCC#A~#Cを使用しているとする。このとき、端末20が、CC#AでBFRを行って、ビーム#1を選択したとすると、そのビーム#1は、CC#Aに加えて、CC#BとCC#Cにも適用される。つまり、例えば、基地局装置10は、CC#Aのみならず、CC#BとCC#Cでビーム#1でPDCCHを送信し、端末20は、CC#Aのみならず、CC#BとCC#Cでビーム#1に基づくQCL更新を行う。
【0221】
BFR手順の対象のあるCCで選択されたビームを適用する1以上のCCの集合(BFR手順の対象のCCを含む)は、例えば、端末20に設定されている全CCであってもよい(
図13の例)。BFR手順の対象のあるCCで選択されたビームを適用する1以上のCCの集合が、端末20に対してRRCシグナリングで設定されてもよい。
【0222】
BFR手順の対象のあるCCで選択されたビームを適用する1以上のCCの集合(BFR手順の対象のCCを含む)が、特定のキャリア周波数のCCの集合であってもよい。特定のキャリア周波数とは、例えば、30GHzよりも大きなキャリア周波数、又は、FR1に含まれないキャリア周波数、又は、52.6GHzよりも大きなキャリア周波数である。また、BFR手順の対象のあるCCで選択されたビームを適用する1以上のCCの集合(BFR手順の対象のCCを含む)は、applicable-CC-Listに含まれるCCの集合であってもよい。
【0223】
また、実施例7では、
図8のS11、
図9のS23で説明したビーム選択において、端末20は、端末20に設定されている全てのCCの候補ビームのL1-RSRPを測定することで、ベストのビームを選択してもよいし、端末20に対してRRCシグナリングで設定された特定の1以上のセル(例:special cell)のCCの候補ビームのL1-RSRPを測定することで、ベストのビームを選択してもよい。
【0224】
また、端末20は、特定のキャリア周波数の1以上のCCの候補ビームのL1-RSRPを測定することで、ベストのビームを選択してもよい。特定のキャリア周波数とは、例えば、30GHzよりも大きなキャリア周波数、又は、FR1に含まれないキャリア周波数、又は、52.6GHzよりも大きなキャリア周波数である。
【0225】
なお、基地局装置10から端末20に対して、実施例7を適用することの設定がRRCによりなされた場合に、基地局装置10と端末20は、実施例7を適用することとしてもよい。また、実施例7の適用は、端末20の能力(UE capability)に応じてなされることとしてもよい。
【0226】
(実施例8)
次に、実施例8を説明する。実施例8は、他のいずれの実施例とも組み合わせて実施することが可能である。
【0227】
図8、
図9のいずれのBFRにおいても、従来技術では、端末20が選択して基地局装置10に報告する新ビームの数は、1つのみである。しかし、基地局装置10側で、端末20が受信するビームの状況を把握する観点からは、端末20から基地局装置10に対して、サーチの結果得られた複数のビームを報告することが望ましい。
【0228】
そこで、実施例8では、例えば、
図8のS12あるいは
図9のS24において、端末20がビームサーチ(
図8のS11あるいは
図9のS23)で検出した複数のビーム(例えば2個のビーム、具体的には2個の参照信号のインデックス)を、端末20は基地局装置10に報告する。
【0229】
端末20が基地局装置10に報告するビームの数については、例えば、基地局装置10から端末20にRRCシグナリングで設定される数を使用することとしてよい。あるいは、端末20が基地局装置10に報告するビームの数について、端末20が決定してもよい。具体例には下記のとおりである。
【0230】
端末20は、計測したL1-RSRPに基づき、品質が良い上位X個のビームを選択し、当該X個のビーム間でのL1-RSRPの差がY以内であれば、1つのベストのビームを基地局装置10に報告する。当該X個のビーム間でのL1-RSRPの差がY以内でなければ、端末20は、X個の全ビームを報告する。
【0231】
XとYについては、仕様書等で規定されていてもよいし、基地局装置10から端末20にRRCで設定されてもよいし、端末20の能力に応じて決められることとしてもよい。
【0232】
<送信方法について>
例えば、端末20は、
図9に示したBFR手順において、S24で報告するMAC CEに複数のビームを含めて送信する。
【0233】
図14は、MAC CEの一例である。1つのみのビームを報告する場合、端末20は、Oct2のB(MSB)に、1つのみのビームを報告することを示すビットを入れる。この場合、Oct3以降は存在しなくてもよい。
【0234】
複数のビームを報告する場合、端末20は、Oct2のB(MSB)に、次のビット列(Oct3)で、次のビームが報告されることを示すビットを入れ、Oct2のビット例にビームID(参照信号のID)を入れる。以降、同様である。
【0235】
図8に示すPCell/PSCellのBFRの場合、例えば、2-step RACHを使用して、MsgA送信のステップで、PRACHとともに報告データ(上記MAC CE)を送信する。
【0236】
あるいは、
図8に示すPCell/PSCellのBFRの場合、PRACHのシーケンスに、複数のビームの情報を含めて送信することとしてもよい。
【0237】
例えば、
図15に示すように、PRACHシーケンスと、ビームID(1つ又は複数)とが対応付けられる。
図15の対応付け情報は、仕様書等で規定され、端末20と基地局装置10が予め保持してもよいし、基地局装置10から端末20に対してRRCシグナリングで設定されることとしてもよい。
【0238】
端末20は、
図15のテーブルの情報に基づいて、報告するビームに対応するPRACHシーケンスを生成し、送信する。
【0239】
また、PRACHシーケンスの数を減らすために。
図15の情報の組み合わせが基地局装置10から端末20に対してRRCシグナリングで設定されることとしてもよい。組み合わせとは、例えば、「P-CSI-RS#1、#2、#3、#4」をPRACHシーケンス#1に対応付けするようなことである。このような組み合わせを適用することを、基地局装置10から端末20に対してRRCシグナリングで設定されることとしてもよい。
【0240】
<2ステップRACHの適用>
図8で示したPCell/PSCellのBFRの場合において、複数のビームを報告するために、2ステップRACHを使用してもよい。
【0241】
2ステップRACHの例を
図16に示す。
図16は、一例として、CBRA(Contention based Random Access、衝突型ランダムアクセス)を示しているが、CFRA(Contention Free Random Access、非衝突型ランダムアクセス)にも2ステップRACHを適用可能である。実施例8は、CBRAとCFRAのどちらに適用してもよい。
【0242】
S110において、端末20は、preamble(PRACH)とデータ(PUSCH)を有するMessageA(MsgA)を基地局装置10に送信する。なお、ここでのpreambleとデータは、例えば、4ステップRACHでのMsg1とMsg3に相当する。
【0243】
S120において、基地局装置10は、MessageB(MsgB)をユーザ端末20に送信する。MsgBのコンテンツは、例えば、4ステップRACHでのMsg2とMsg4に相当する。
【0244】
上記のS120は、
図8のS12のPRACH送信に対応し、S120は、
図8のS13のBFR responseの受信に対応する。
【0245】
実施例8では、端末20は、MsgAに1以上のビームのIDを含める。ビームのIDに加えて、ビーム毎の測定結果(L1-RSRP)を含めてもよい。
【0246】
また、端末20は、ベストビームをMsgAのPRACHで報告し、2番目のベストビーム(及びそれ以降のビーム)をMsgAのPUSCHによりMAC CEで報告してもよい。また、端末20は、ベストビームと2番目のベストビームとの間のL1-RSRPの差が閾値Xよりも大きい場合に、2番目のベストビームを報告しないこととしてもよい。また、端末20は、2番目のベストビームのL1-RSRPが閾値Yよりも低い場合に、2番目のベストビームを報告しないこととしてもよい。
【0247】
端末20は、2番目のビームを報告しない場合に、MAC CEにビームを報告するフィールドを設けないこととしてもよいし、フィールドを設けるが内容を空としてもよい。
【0248】
XとYについては、仕様書等で規定されていてもよいし、基地局装置10から端末20にRRCで設定されてもよいし、端末20の能力に応じて決められることとしてもよい。また、YがQin,LRであってもよい。Qin,LRは、ビームがin-syncかどうか(正常であるかどうか)を判断する閾値である。
【0249】
実施例8により、BFRにおいて、必要なときにのみ、ビームサーチで得られた複数のビームを端末20から基地局装置20に報告することができる。
【0250】
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理及び動作を実行する基地局装置10及び端末20の機能構成例を説明する。
【0251】
<基地局装置10>
図17は、基地局装置10の機能構成の一例を示す図である。
図17に示されるように、基地局装置10は、送信部110と、受信部120と、設定部130と、制御部140とを有する。
図17に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。また、送信部110と、受信部120とをまとめて通信部と称してもよい。
【0252】
送信部110は、端末20側に送信する信号を生成し、当該信号を無線で送信する機能を含む。受信部120は、端末20から送信された各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。また、送信部110は、端末20へNR-PSS、NR-SSS、NR-PBCH、DL/UL制御信号、PDCCHによるDCI、PDSCHによるデータ等を送信する機能を有する。
【0253】
設定部130は、予め設定される設定情報、及び、端末20に送信する各種の設定情報を設定部130が備える記憶装置に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。
【0254】
制御部140は、送信部110を介して端末20のDL受信あるいはUL送信のスケジューリングを行う。また、制御部140は、LBTを行う機能を含む。制御部140における信号送信に関する機能部を送信部110に含め、制御部140における信号受信に関する機能部を受信部120に含めてもよい。また、送信部110を送信機と呼び、受信部120を受信機と呼んでもよい。
【0255】
<端末20>
図18は、端末20の機能構成の一例を示す図である。
図18に示されるように、端末20は、送信部210と、受信部220と、設定部230と、制御部240とを有する。
図12に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。送信部210と、受信部220をまとめて通信部と称してもよい。
【0256】
送信部210は、送信データから送信信号を作成し、当該送信信号を無線で送信する。受信部220は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する。また、受信部220は、基地局装置10から送信されるNR-PSS、NR-SSS、NR-PBCH、DL/UL/SL制御信号、PDCCHによるDCI、PDSCHによるデータ等を受信する機能を有する。また、例えば、送信部210は、D2D通信として、他の端末20に、PSCCH(Physical Sidelink Control Channel)、PSSCH(Physical Sidelink Shared Channel)、PSDCH(Physical Sidelink Discovery Channel)、PSBCH(Physical Sidelink Broadcast Channel)等を送信し、受信部120は、他の端末20から、PSCCH、PSSCH、PSDCH又はPSBCH等を受信することとしてもよい。
【0257】
設定部230は、受信部220により基地局装置10又は他の端末から受信した各種の設定情報を設定部230が備える記憶装置に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。また、設定部230は、予め設定される設定情報も格納する。制御部240は、端末20の制御を行う。また、制御部240はLBTを行う機能を含む。
【0258】
<まとめ>
本実施の形態により、少なくとも、下記の各項に示す端末、基地局装置、及びビーム故障リカバリ方法が提供される。
【0259】
<実施例1、3に関する構成>
(第1項)
無線リンクの品質測定を行う受信部と、
無線リンク品質劣化通知を連続して検出した回数が第1閾値に達した場合に、タイマを開始し、当該タイマが満了するまでに、無線リンク品質正常通知が連続して発生した回数が第2閾値に達したか否かを判断する制御部と、を備え、
前記第1閾値、又は、前記第2閾値は、予め定められた値よりも大きな値である
端末。
(第2項)
監視対象のセルにおけるキャリア周波数又はSCSが予め定められた値よりも大きい場合に、前記制御部は、前記第1閾値、又は、前記第2閾値として、前記予め定められた値よりも大きな値を使用する
第1項に記載の端末。
(第3項)
無線リンクの品質測定を行う受信部と、
無線リンク品質正常通知を検出した回数の中で、又は、ある時間長の中で、無線リンク品質劣化通知を検出した回数が閾値に達した場合に、無線リンク故障が発生したか否かを判断するためのタイマを開始する制御部と
を備える端末。
(第4項)
監視対象のセルがLBTを必要とするセルである場合において、前記制御部は、LBTに失敗したことを検知した場合に、前記閾値として、予め定められた値よりも大きな値を使用する
第3項に記載の端末。
(第5項)
無線リンク品質劣化通知を連続して検出した回数が第1閾値に達した場合に、タイマを開始し、当該タイマが満了するまでに、無線リンク品質正常通知が連続して発生した回数が第2閾値に達したか否かを判断する端末に、参照信号を送信する送信部と、
前記第1閾値、又は、前記第2閾値は、予め定められた値よりも大きな値であり、前記送信部は、前記第1閾値、又は、前記第2閾値を前記端末に送信する
基地局装置。
(第6項)
無線リンク品質正常通知を検出したある回数の中で、又は、ある時間長の中で、無線リンク品質劣化通知を検出した回数が閾値に達した場合に、無線リンク故障が発生したか否かを判断するためのタイマを開始する端末に、参照信号を送信する送信部と、
前記送信部は、前記閾値、前記ある回数、又は前記時間長を前記端末に送信する
基地局。
【0260】
<実施例2、3に関する構成>
(第1項)
ビームの品質を監視する受信部と、
タイマを開始してから、当該タイマが満了する前に、ある集合における全てのビームの品質劣化を検知した回数が閾値以上になった場合に、ビーム故障リカバリ手順を開始する制御部と、を備え、
前記閾値は、予め定められた値よりも大きな値である
端末。
(第2項)
前記制御部は、前記タイマの時間長を、2msecよりも小さい時間長に基づいて決定する
第1項に記載の端末。
(第3項)
監視対象のセルにおけるキャリア周波数又はSCSが予め定められた値よりも大きい場合に、前記制御部は、前記閾値として、前記予め定められた値よりも大きな値を使用する
第1項又は第2項に記載の端末。
(第4項)
監視対象のセルがLBTを必要とするセルである場合において、前記受信部は、基地局装置から非周期的に送信される参照信号を測定することにより、ビームの品質を監視する
第1項ないし第3項のうちいずれか1項に記載の端末。
(第5項)
タイマを開始してから、当該タイマが満了する前に、ある集合における全てのビームの品質劣化を検知した回数が閾値以上になった場合に、ビーム故障リカバリ手順を開始する端末に、参照信号を送信する送信部を備え、
前記閾値は、予め定められた値よりも大きな値であり、前記送信部は、前記閾値を前記端末に送信する
基地局装置。
(第6項)
ビームの品質を監視するステップと、
タイマを開始してから、当該タイマが満了する前に、ある集合における全てのビームの品質劣化を検知した回数が閾値以上になった場合に、ビーム故障リカバリ手順を開始するステップと、を備え、
前記閾値は、予め定められた値よりも大きな値である
端末が実行するビーム故障リカバリ方法。
【0261】
<実施例4、5、6に関する構成>
(第1項)
ビーム故障リカバリ手順において、PRACHを送信する送信部と、
前記PRACHを送信してから、あるスロット数の時間が経過したときにPDCCHのモニタを開始する受信部と、を備え、
前記スロット数は、予め定められた値よりも大きな値である
端末。
(第2項)
前記受信部は、前記スロット数として、前記予め定められた値にオフセットを加えた値を使用する
第1項に記載の端末。
(第3項)
ビーム故障リカバリ手順において、ビームサーチにより検出した新たなビームを基地局装置に報告する送信部と、
前記新たなビームの報告後に、ビーム故障リカバリ応答を受信する受信部と、
前記ビーム故障リカバリ応答を受信してから、あるシンボル数の時間が経過した後に、前記新たなビームに基づくQCL更新を行う制御部と、を備え、
前記シンボル数は、予め定められた値よりも大きな値、又は、予め定められた値よりも小さな値である、
端末。
(第4項)
前記制御部は、前記シンボル数として、前記予め定められた値にオフセットを加えた値を使用する
第3項に記載の端末。
(第5項)
前記ビームリカバリ手順におけるビームサーチによるサーチの対象となる候補ビームの数は、予め定められた値よりも大きい、又は、
前記ビーム故障リカバリ手順のトリガを検知するための監視対象のビームの数は、予め定められた値よりも大きい
第1項ないし第4項のうちいずれか1項に記載の端末。
(第6項)
ビーム故障リカバリ手順において、PRACHを受信する受信部と、
前記PRACHを受信してから、あるスロット数の時間が経過した後に、PDCCHを送信する送信部と、を備え、
前記スロット数は、予め定められた値よりも大きな値である
基地局装置。
(第7項)
ビーム故障リカバリ手順において、PRACHを送信するステップと、
前記PRACHを送信してから、あるスロット数の時間が経過したときにPDCCHのモニタを開始するステップと、を備え、
前記スロット数は、予め定められた値よりも大きな値である
端末が実行するビーム故障リカバリ方法。
【0262】
<実施例7、8に関する構成>
(第1項)
複数のコンポーネントキャリアにおいて同一のビームにより信号受信を行う受信部と、
前記複数のコンポーネントキャリアの中のあるコンポーネントキャリアにおけるビーム故障リカバリ手順により選択された新たなビームに基づいて、前記複数のコンポーネントキャリアにおけるQCLを更新する制御部と
を備える端末。
(第2項)
前記複数のコンポーネントキャリアは、基地局装置から設定されたコンポーネントキャリア、又は、キャリア周波数がある値よりも大きなコンポーネントキャリアである
第1項に記載の端末。
(第3項)
前記制御部は、前記ビーム故障リカバリ手順のビームサーチにおいて、前記複数のコンポーネントキャリアにおける候補ビームの測定を行う
第1項又は第2項に記載の端末。
(第4項)
ビーム故障リカバリ手順において、ビームサーチを行うことにより、複数のビームを選択する受信部と、
選択した前記複数のビームを、PRACH又はMAC CEにより基地局装置に報告する送信部と、
を備える端末。
(第5項)
複数のコンポーネントキャリアにおいて同一のビームにより信号送信を行う送信部と、
前記複数のコンポーネントキャリアの中のあるコンポーネントキャリアにおけるビーム故障リカバリ手順により選択された新たなビームに基づいて、前記複数のコンポーネントキャリアにおけるビームを更新する制御部と
を備える基地局装置。
(第6項)
複数のコンポーネントキャリアにおいて同一のビームにより信号受信を行うステップと、
前記複数のコンポーネントキャリアの中のあるコンポーネントキャリアにおけるビーム故障リカバリ手順により選択された新たなビームに基づいて、前記複数のコンポーネントキャリアにおけるQCLを更新するステップと
を備える、端末が実行するビーム故障リカバリ方法。
【0263】
上記構成のいずれによっても、無線通信システムにおいて、端末が高周波数帯での通信の故障検出及びリカバリを適切に行うことを可能とする技術が提供される。
【0264】
(ハードウェア構成)
上記実施形態の説明に用いたブロック図(
図17及び
図18)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0265】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0266】
例えば、本開示の一実施の形態における基地局装置10、端末20等は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図19は、本開示の一実施の形態に係る基地局装置10及び端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局装置10及び端末20は、物理的には、プロセッサ1001、記憶装置1002、補助記憶装置1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0267】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニット等に読み替えることができる。基地局装置10及び端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0268】
基地局装置10及び端末20における各機能は、プロセッサ1001、記憶装置1002等のハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、記憶装置1002及び補助記憶装置1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0269】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の制御部140、制御部240等は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0270】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータ等を、補助記憶装置1003及び通信装置1004の少なくとも一方から記憶装置1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、
図17に示した基地局装置10の制御部140は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。また、例えば、
図18に示した端末20の制御部240は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0271】
記憶装置1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。記憶装置1002は、本開示の一実施の形態に係る通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール等を保存することができる。
【0272】
補助記憶装置1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等の少なくとも1つによって構成されてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、記憶装置1002及び補助記憶装置1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0273】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インターフェース等は、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0274】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプ等)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0275】
また、プロセッサ1001及び記憶装置1002等の各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0276】
また、基地局装置10及び端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0277】
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、基地局装置10及び端末20は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って基地局装置10が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従って端末20が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD-ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0278】
また、情報の通知は、本開示で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージ等であってもよい。
【0279】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0280】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0281】
本明細書において基地局装置10によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局装置10を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末20との通信のために行われる様々な動作は、基地局装置10及び基地局装置10以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GW等が考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局装置10以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、他のネットワークノードは、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0282】
本開示において説明した情報又は信号等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0283】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0284】
本開示における判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0285】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0286】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0287】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0288】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0289】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0290】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0291】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0292】
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「基地局装置」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0293】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0294】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「端末(user terminal)」、「端末(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0295】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0296】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0297】
また、本開示における基地局は、端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及び端末間の通信を、複数の端末20間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局装置10が有する機能を端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0298】
同様に、本開示における端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述の端末が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
【0299】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0300】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0301】
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0302】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0303】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0304】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0305】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0306】
無線フレームは時間領域において1つ又は複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つ又は複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジ(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0307】
ニューメロロジは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジは、例えば、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier Spacing)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0308】
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジに基づく時間単位であってもよい。
【0309】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0310】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0311】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。また、1スロットが単位時間と呼ばれてもよい。単位時間は、ニューメロロジに応じてセル毎に異なっていてもよい。
【0312】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各端末20に対して、無線リソース(各端末20において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0313】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0314】
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0315】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0316】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0317】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジに基づいて決定されてもよい。
【0318】
また、RBの時間領域は、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。
【0319】
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0320】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0321】
帯域幅部分(BWP:Bandwidth Part)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジ用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0322】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
【0323】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0324】
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0325】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0326】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0327】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0328】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0329】
10 基地局装置
110 送信部
120 受信部
130 設定部
140 制御部
20 端末
210 送信部
220 受信部
230 設定部
240 制御部
1001 プロセッサ
1002 記憶装置
1003 補助記憶装置
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置