(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016627
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】ベッド装置
(51)【国際特許分類】
A47C 19/00 20060101AFI20240131BHJP
A47C 19/04 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
A47C19/00 B
A47C19/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118892
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000010032
【氏名又は名称】フランスベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石橋 俊一
(57)【要約】
【課題】 組み立て作業または解体作業が容易なベッド装置を提供する。
【解決手段】 ベッド装置は、第1,第2フレーム、第1,第2フレームに連結されるリンク部材、リンク部材を第1フレームに取り付ける第1取付機構を備える。第1取付機構は、リンク部材に設けられた第1ローラ、第1フレームに設けられ壁部材と、鉛直方向において壁部材の出入口と重なる位置に設けられ、収容スペースに突出した閉塞状態と、収容スペースから退避した開放状態との間で動作可能な可動部材、可動部材を閉塞状態に向けて付勢する弾性体を備える。第1ローラが壁部材の収容スペースに収容され、かつ可動部材が閉塞状態にあるとき、第1ローラが可動部材と長手方向に対向して出入口に向けた第1ローラの移動が規制される。可動部材が開放状態にあるとき、出入口を通じて収容スペースへの第1ローラの出し入れが可能となる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に並ぶとともに長手方向に長尺な第1フレームおよび第2フレームと、
前記第1フレームおよび前記第2フレームに連結されるリンク部材と、
前記リンク部材を前記第1フレームに取り付ける第1取付機構と、
前記リンク部材を前記第2フレームに取り付ける第2取付機構と、
を備え、
前記第1取付機構は、
前記リンク部材に設けられた第1ローラと、
前記第1フレームに設けられ、前記第1ローラの収容スペースを形成するとともに前記鉛直方向に開口した出入口を有する壁部材と、
前記鉛直方向において前記出入口と重なる位置に設けられ、前記収容スペースに突出した閉塞状態と、前記収容スペースから退避した開放状態との間で動作可能な可動部材と、
前記可動部材を前記閉塞状態に向けて付勢する弾性体と、
を備え、
前記第1ローラが前記収容スペースに収容され、かつ前記可動部材が前記閉塞状態にあるとき、前記第1ローラが前記可動部材と前記長手方向に対向して前記出入口に向けた前記第1ローラの移動が規制され、
前記可動部材が前記開放状態にあるとき、前記出入口を通じて前記収容スペースへの前記第1ローラの出し入れが可能となる、
ベッド装置。
【請求項2】
前記第2取付機構は、
前記リンク部材に設けられた第2ローラと、
前記第2フレームに設けられ、前記第2ローラを前記長手方向に移動可能に保持するレールと、
を備える、
請求項1に記載のベッド装置。
【請求項3】
前記リンク部材を前記第1フレームおよび前記第2フレームの幅方向と平行な軸を中心に回動させ、前記第1フレームおよび前記第2フレームの間の前記鉛直方向における距離を変化させる駆動源をさらに備える、
請求項1または2に記載のベッド装置。
【請求項4】
鉛直方向に並ぶとともに長手方向に長尺な第1フレームおよび第2フレームと、
前記第1フレームおよび前記第2フレームに連結されるリンク部材と、
前記リンク部材を前記第1フレームおよび前記第2フレームの幅方向と平行な軸を中心に回動させ、前記第1フレームおよび前記第2フレームの間の前記鉛直方向における距離を変化させる駆動源と、
前記駆動源を前記第1フレームに対して回動可能に連結する第1連結機構と、
前記駆動源を前記リンク部材に対して回動可能に連結する第2連結機構と、
を備え、
前記第1連結機構は、
前記第1フレームに設けられ、前記鉛直方向に窪んだ凹部をそれぞれ有するとともに前記幅方向に並ぶ一対の側壁を含むブラケットと、
前記一対の側壁の外面にそれぞれ設けられ、前記凹部と前記幅方向に重なる開口をそれぞれ有する一対の係止片と、
前記駆動源に設けられ、前記一対の側壁の前記凹部および前記一対の係止片の前記開口に通されたピンと、
を備え、
前記一対の係止片は、これらの前記開口の前記幅方向における間隔が前記ピンの長さよりも大きくなるように撓ませることが可能な可撓性を有している、
ベッド装置。
【請求項5】
前記一対の係止片は、前記幅方向における互いの間隔が先端に近づくに連れて大きくなるように前記鉛直方向に対して傾斜したテーパ部をそれぞれ有している、
請求項4に記載のベッド装置。
【請求項6】
脚部材と、
前記脚部材が装着される被装着部を有するベッドフレームと、
前記脚部材を前記ベッドフレームに固定する固定ピンと、
を備え、
前記固定ピンは、
持ち手部と、
前記持ち手部から延びる軸部と、
前記軸部の先端に設けられた係合部と、
を有し、
前記被装着部は、前記軸部を挿入可能な第1取付孔を有し、
前記脚部材は、
前記被装着部を収容可能な収容部と、
前記収容部に連通し、前記収容部に前記被装着部が収容された状態において前記第1取付孔と重なる第2取付孔と、
を有し、
前記軸部を前記第1取付孔および前記第2取付孔に挿入し、かつ前記持ち手部を固定位置に回動させることにより、前記係合部が前記被装着部に係合し、
前記固定位置から解除位置に前記持ち手部を回動させることにより、前記係合部と前記被装着部の係合が解除される、
ベッド装置。
【請求項7】
前記係合部は、前記軸部の先端から前記軸部の延出方向と交差する突出方向に延びる突起であり、
前記第1取付孔は、前記被装着部の壁部の内面と外面の間を貫通し、かつ第1方向に長尺な形状を有し、
前記突出方向と前記第1方向を合わせることにより、前記軸部および前記係合部を前記第1取付孔および前記第2取付孔に対して挿脱可能であり、
前記軸部を前記第1取付孔および前記第2取付孔に挿入し、かつ前記突出方向が前記第1方向と交差する第2方向に一致するように前記固定ピンを回動させることにより、前記係合部が前記被装着部の前記内面に係合する、
請求項6に記載のベッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベッド装置の一例として、床に置かれる脚部を有した下フレームと、下フレームによって支持される上フレームと、上フレームを下フレームに対して昇降させる昇降機構とを備えたものが知られている。
【0003】
例えば、昇降機構は、下フレームと上フレームを連結するリンク部材と、このリンク部材を駆動する昇降モータとを備えている(例えば特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3639725号公報
【特許文献2】特開2022-13893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したようなベッド装置は、例えばリンク部材と下フレームの連結、リンク部材と上フレームの連結、昇降モータと下フレームまたは上フレームの連結、脚部材と下フレームの連結などの多くの作業工程を経て組み立てられる。また、ベッド装置の解体時にも各要素の連結を解除する作業が必要となる。そのため、ベッド装置の組み立て作業や解体作業に多くの労力と時間が必要であった。
【0006】
本発明は、組み立て作業または解体作業が容易なベッド装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係るベッド装置は、鉛直方向に並ぶとともに長手方向に長尺な第1フレームおよび第2フレームと、前記第1フレームおよび前記第2フレームに連結されるリンク部材と、前記リンク部材を前記第1フレームに取り付ける第1取付機構と、前記リンク部材を前記第2フレームに取り付ける第2取付機構と、を備えている。前記第1取付機構は、前記リンク部材に設けられた第1ローラと、前記第1フレームに設けられ、前記第1ローラの収容スペースを形成するとともに前記鉛直方向に開口した出入口を有する壁部材と、前記鉛直方向において前記出入口と重なる位置に設けられ、前記収容スペースに突出した閉塞状態と、前記収容スペースから退避した開放状態との間で動作可能な可動部材と、前記可動部材を前記閉塞状態に向けて付勢する弾性体と、を備えている。前記第1ローラが前記収容スペースに収容され、かつ前記可動部材が前記閉塞状態にあるとき、前記第1ローラが前記可動部材と前記長手方向に対向して前記出入口に向けた前記第1ローラの移動が規制される。前記可動部材が前記開放状態にあるとき、前記出入口を通じて前記収容スペースへの前記第1ローラの出し入れが可能となる。
【0008】
前記第2取付機構は、前記リンク部材に設けられた第2ローラと、前記第2フレームに設けられ、前記第2ローラを前記長手方向に移動可能に保持するレールと、を備えてもよい。
【0009】
前記ベッド装置は、前記リンク部材を前記第1フレームおよび前記第2フレームの幅方向と平行な軸を中心に回動させ、前記第1フレームおよび前記第2フレームの間の前記鉛直方向における距離を変化させる駆動源をさらに備えてもよい。
【0010】
一実施形態の他の観点によれば、ベッド装置は、鉛直方向に並ぶとともに長手方向に長尺な第1フレームおよび第2フレームと、前記第1フレームおよび前記第2フレームに連結されるリンク部材と、前記リンク部材を前記第1フレームおよび前記第2フレームの幅方向と平行な軸を中心に回動させ、前記第1フレームおよび前記第2フレームの間の前記鉛直方向における距離を変化させる駆動源と、前記駆動源を前記第1フレームに対して回動可能に連結する第1連結機構と、前記駆動源を前記リンク部材に対して回動可能に連結する第2連結機構と、を備えている。前記第1連結機構は、前記第1フレームに設けられ、前記鉛直方向に窪んだ凹部をそれぞれ有するとともに前記幅方向に並ぶ一対の側壁を含むブラケットと、前記一対の側壁の外面にそれぞれ設けられ、前記凹部と前記幅方向に重なる開口をそれぞれ有する一対の係止片と、前記駆動源に設けられ、前記一対の側壁の前記凹部および前記一対の係止片の前記開口に通されたピンと、を備えている。前記一対の係止片は、これらの前記開口の前記幅方向における間隔が前記ピンの長さよりも大きくなるように撓ませることが可能な可撓性を有している。
【0011】
前記一対の係止片は、前記幅方向における互いの間隔が先端に近づくに連れて大きくなるように前記鉛直方向に対して傾斜したテーパ部をそれぞれ有してもよい。
【0012】
一実施形態のさらに他の観点によれば、ベッド装置は、脚部材と、前記脚部材が装着される被装着部を有するベッドフレームと、前記脚部材を前記ベッドフレームに固定する固定ピンと、を備えている。前記固定ピンは、持ち手部と、前記持ち手部から延びる軸部と、前記軸部の先端に設けられた係合部と、を有している。前記被装着部は、前記軸部を挿入可能な第1取付孔を有している。前記脚部材は、前記被装着部を収容可能な収容部と、前記収容部に連通し、前記収容部に前記被装着部が収容された状態において前記第1取付孔と重なる第2取付孔と、を有している。前記軸部を前記第1取付孔および前記第2取付孔に挿入し、かつ前記持ち手部を固定位置に回動させることにより、前記係合部が前記被装着部に係合する。前記固定位置から解除位置に前記持ち手部を回動させることにより、前記係合部と前記被装着部の係合が解除される。
【0013】
例えば、前記係合部は、前記軸部の先端から前記軸部の延出方向と交差する突出方向に延びる突起である。前記第1取付孔は、前記被装着部の壁部の内面と外面の間を貫通し、かつ第1方向に長尺な形状を有してもよい。この場合において、前記突出方向と前記第1方向を合わせることにより、前記軸部および前記係合部を前記第1取付孔および前記第2取付孔に対して挿脱可能である。また、前記軸部を前記第1取付孔および前記第2取付孔に挿入し、かつ前記突出方向が前記第1方向と交差する第2方向に一致するように前記固定ピンを回動させることにより、前記係合部が前記被装着部の前記内面に係合する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、組み立て作業または解体作業が容易なベッド装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るベッド装置の概略的な斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係るベッドフレームおよび昇降機構の概略的な斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係るベッドフレームおよび昇降機構の概略的な平面図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る昇降機構の一部を示す概略的な斜視図である。
【
図5】
図5は、一実施形態に係る取付機構(第2取付機構)の概略的な斜視図である。
【
図6】
図6は、一実施形態に係る取付機構(第1取付機構)の概略的な斜視図である。
【
図7】
図7は、一実施形態に係る取付機構の動作を示す図である。
【
図8】
図8は、一実施形態に係る駆動源の一部を示す概略的な斜視図である。
【
図9】
図9は、一実施形態に係る連結機構の一部を示す概略的な斜視図である。
【
図10】
図10は、一実施形態に係る連結機構の一部を示す概略的な正面図である。
【
図11】
図11は、一実施形態に係る下フレームのフレーム材に装着された脚部材の概略的な斜視図である。
【
図12】
図12は、一実施形態に係る脚部材の概略的な断面斜視図である。
【
図13】
図13は、一実施形態に係る被装着部および固定ピンの概略的な斜視図である。
【
図14】
図14は、一実施形態に係る被装着部の概略的な側面図である。
【
図15】
図15は、一実施形態に係る固定ピンおよび閉塞ピンの概略的な斜視図である。
【
図16】
図16は、一実施形態に係る脚部材、被装着部、固定ピンおよび閉塞ピンの概略的な断面図である。
【
図17】
図17は、一実施形態に係るキャスタが装着された下フレームの概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
一実施形態につき図面を参照しながら説明する。
本実施形態においては、ベッド装置の一例として、床板体(ベッドプラットフォーム)の昇降と変形が可能な電動ベッドを開示する。ただし、本実施形態において開示する構成、特に各種の部材同士の連結に関する構造は、例えば電気的な制御要素を備えないベッド装置など、他種のベッド装置にも適用し得る。
【0017】
図1は、本実施形態に係るベッド装置1の概略的な斜視図である。以下の説明においては、図示したように長手方向X、幅方向Yおよび鉛直方向Zを定義する。本実施形態においては、これら方向X,Y,Zが互いに直交する。
【0018】
ベッド装置1は、ベッドフレーム2と、ベッドフレーム2の上に配置された床板体10と、ベッドフレーム2に装着された複数の脚部材3とを備えている。ベッドフレーム2および床板体10は、いずれも長手方向Xに長尺な形状を有している。
【0019】
床板体10は、背部床板10Aと、腰部床板10Bと、大腿部床板10Cと、足部床板10Dとを含む。これら床板10A,10B,10C,10Dは、長手方向Xに順に並んでいる。床板10A,10B,10C,10Dのうちの隣り合う2つは、幅方向Yと平行な軸を中心として回動可能に連結されている。ベッド装置1の使用時には、床板10A,10B,10C,10Dの上にマットレスが置かれる。
【0020】
ベッド装置1は、床板体10の下方に配置された駆動機構をさらに備えている。例えば、この駆動機構は、床板体10を上昇および下降させる後述の昇降機構6を含む。さらに、駆動機構は、床板体10を
図1に示すように平坦な状態から所定の形状に変形させる。所定の形状としては、例えば、背部床板10Aが起き上がった背上げ状態、大腿部床板10Cおよび足部床板10Dの少なくとも一方が起き上がった脚上げ状態などが挙げられる。
【0021】
ベッド装置1は、
図1に示すヘッドボード11およびフットボード12を備えてもよい。ヘッドボード11は、ベッドフレーム2の頭側の端部に配置される。フットボード12は、ベッドフレーム2の脚側の端部に配置される。
【0022】
図2は、ベッドフレーム2および昇降機構6の概略的な斜視図である。
図3は、ベッドフレーム2および昇降機構6の概略的な平面図である。
図4は、昇降機構6の一部を示す概略的な斜視図である。
【0023】
図2および
図3に示すように、ベッドフレーム2は、鉛直方向Zに並ぶ下フレーム4および上フレーム5を備えている。下フレーム4および上フレーム5は、いずれも長手方向Xに長尺な形状を有している。
【0024】
下フレーム4は、フレーム材40L,40Rと、横桟41,42とを備えている。フレーム材40L,40Rは、長手方向Xに延びるとともに、幅方向Yに並んでいる。横桟41,42は、長手方向Xに間隔を空けて配置され、フレーム材40L,40Rを連結している。
図2および
図3の例において、横桟41は幅方向Yに直線状に延びている。一方、横桟42は幅方向Yにおける中央部が長手方向X(足側)に突出するように屈曲している。
【0025】
脚部材3は、フレーム材40Lの長手方向Xにおける両端部およびフレーム材40Rの長手方向Xにおける両端部にそれぞれ装着されている。
【0026】
上フレーム5は、フレーム材50L,50Rと、横桟51,52とを備えている。フレーム材50L,50Rは、長手方向Xに延びるとともに、幅方向Yに並んでいる。横桟51,52は、長手方向Xに間隔を空けて配置され、フレーム材50L,50Rを連結している。
図2および
図3の例において、横桟51,52は、いずれも幅方向Yに直線状に延びている。
【0027】
上フレーム5は、昇降機構6によって駆動され、鉛直方向Zに沿って移動可能である。すなわち、昇降機構6は、下フレーム4と上フレーム5の間の鉛直方向Zにおける距離を変化させる。
【0028】
図2乃至
図4に示すように、昇降機構6は、下フレーム4と上フレーム5を連結するリンク部材7,8を備えている。これらリンク部材7,8は、いわゆるXリンクを構成する。
【0029】
リンク部材7は、リンクアーム70L,70Rと、横桟71,72と、ブラケット73RL,73Rと、シャフト74L,74Rと、シャフト75L,75Rとを含む。リンクアーム70L,70Rは、幅方向Yに間隔を空けて平行に並んでいる。
【0030】
横桟71,72は、幅方向Yに延びるとともに、リンクアーム70L,70Rを連結している。具体的には、リンクアーム70Lの一端がブラケット73Lを介して横桟71に連結されている。また、リンクアーム70Rの一端がブラケット73Rを介して横桟71に連結されている。
【0031】
シャフト74Lは、ブラケット73Lを介してリンクアーム70Lに連結され、フレーム材40Lに向けて幅方向Yと平行に延びている。シャフト74Rは、ブラケット73Rを介してリンクアーム70Rに連結され、フレーム材40Rに向けて幅方向Yと平行に延びている。シャフト75Lは、リンクアーム70Lに直接連結され、フレーム材50Lに向けて幅方向Yと平行に延びている。シャフト75Rは、リンクアーム70Rに直接連結され、フレーム材50Rに向けて幅方向Yと平行に延びている。
【0032】
シャフト74Lは、取付機構76Lによってフレーム材40Lに取り付けられている。シャフト74Rは、取付機構76Rによってフレーム材40Rに取り付けられている。シャフト75Lは、取付機構77Lによってフレーム材50Lに取り付けられている。シャフト75Rは、取付機構77Rによってフレーム材50Rに取り付けられている。
【0033】
リンク部材8は、リンクアーム80L,80Rと、シャフト81,82とを含む。リンクアーム80L,80Rは、幅方向Yに間隔を空けて平行に並んでいる。
【0034】
シャフト81は、幅方向Yに延びるとともに、リンクアーム80L,80Rを連結している。シャフト81の一端は、リンクアーム80Lよりもフレーム材40L側に突出し、取付機構83Lによってフレーム材40Lに取り付けられている。シャフト81の他端は、リンクアーム80Rよりもフレーム材40R側に突出し、取付機構83Rによってフレーム材40Rに取り付けられている。
【0035】
シャフト82は、幅方向Yに延びるとともに、リンクアーム80L,80Rを連結している。シャフト82の一端は、リンクアーム80Lよりもフレーム材50L側に突出し、取付機構84Lによってフレーム材50Lに取り付けられている。シャフト82の他端は、リンクアーム80Rよりもフレーム材50R側に突出し、取付機構84Rによってフレーム材50Rに取り付けられている。
【0036】
リンクアーム70L,80Lの中腹部は、回動ピン60Lによって回動可能に連結されている。リンクアーム70R,80Rの中腹部は、回動ピン60Rによって回動可能に連結されている。回動ピン60L,60Rの回動軸は、いずれも幅方向Yと平行である。
【0037】
図4に示すように、シャフト74L,74Rにはそれぞれローラ78L,78Rが設けられている。シャフト75L,75Rにはそれぞれローラ79L,79Rが設けられている。
【0038】
また、シャフト81の一端にはローラ85Lが設けられ、他端にはローラ85Rが設けられている。さらに、シャフト82の一端にはローラ86Lが設けられ、他端にはローラ86Rが設けられている。
【0039】
図2および
図3に示すように、昇降機構6は、駆動源9をさらに備えている。駆動源9は、モータ90と、モータ90に連結されたシリンダ91と、シリンダ91に収容されたロッド92とを含む。
【0040】
モータ90は、下フレーム4の横桟42に対し、連結機構93によって回動可能に連結されている。ロッド92の先端部は、リンク部材7の横桟72に対し、連結機構94によって回動可能に連結されている。連結機構93,94の回動軸は、いずれも幅方向Yと平行である。
【0041】
例えば、連結機構94は、
図4に示すように、横桟72に設けられたブラケット96と、ブラケット96によって回動可能に支持された回動ピン95とを含む。回動ピン95は、ロッド92の先端部に設けられた取付孔に通されている。連結機構93に適用し得る構成については後述する。
【0042】
モータ90の駆動に伴い、シリンダ91からのロッド92の突出量が変化する。この突出量の変化に伴い、回動ピン60L,60Rを中心にリンク部材7,8が回動する。ロッド92の突出量が増加すると、リンク部材7,8の高さが増加し、上フレーム5が上昇する。ロッド92の突出量が減少すると、リンク部材7,8の高さが減少し、上フレーム5が下降する。
【0043】
図5は、取付機構77Lの概略的な斜視図である。取付機構77Lは、
図4にも示したローラ79Lと、ローラ79Lを保持するレール53とを含む。レール53は、フレーム材50Lの側面に設けられている。
【0044】
レール53は、底壁531および上壁532を有している。底壁531および上壁532は、長手方向Xに長尺な形状を有し、鉛直方向Zに間隔を空けて対向している。ローラ79Lは、底壁531および上壁532の間に配置されており、長手方向Xに沿って移動可能である。
【0045】
図5の例は、上フレーム5を最大限に上昇させた状態に相当する。上フレーム5を下降させる際には、ローラ79Lが横桟52の方向に向けて移動する。
【0046】
なお、取付機構77R,83L,83Rは、
図5に示した取付機構77Lと同様の構成を有している。すなわち、取付機構77R,83L,83Rは、いずれもレール53を含み、これらレール53によってローラ79R,85L,85Rが保持されている。取付機構77Rのレール53はフレーム材50Rに設けられ、取付機構83Lのレール53はフレーム材40Lに設けられ、取付機構83Rのレール53はフレーム材40Rに設けられている。
【0047】
図6は、取付機構76Lの概略的な斜視図である。取付機構76Lは、
図4にも示したローラ78Lと、壁部材43と、可動部材44と、回動ピン45と、弾性体46とを含む。
【0048】
壁部材43は、フレーム材40Lの側面に設けられており、ローラ78Lの収容スペースSを形成する。具体的には、壁部材43は、底壁431と、側壁432,433と、上壁434とを有しており、これらで囲われた領域が収容スペースSに相当する。
【0049】
底壁431は、長手方向Xと平行に延びている。側壁432,433は、底壁431の長手方向Xにおける両端部から鉛直方向Zに延びている。上壁434は、側壁432から長手方向Xと平行に延び、鉛直方向Zにおいて底壁431と対向している。
【0050】
長手方向Xにおいて、上壁434は底壁431よりも短い。これにより、上壁434と側壁433の間に、鉛直方向Zに開口した出入口ENが形成されている。出入口ENは、ローラ78Lの直径よりも大きい幅を有している。
【0051】
さらに、壁部材43は、スリット435と、連結部436と、支持部437とを有している。スリット435は、底壁431と側壁433の双方に及んでいる。連結部436は、側壁433から側壁432に向けて突出している。支持部437は、側壁433の外面から長手方向Xに突出したU字型を成している。
【0052】
可動部材44は、回動ピン45によって連結部436に対し回動可能に連結されている。この回動の軸は、幅方向Yと平行である。可動部材44の一部は、スリット435の内側に位置している。
【0053】
可動部材44は、鉛直方向Zにおいて出入口ENと重なる位置に設けられている。
図6の例において、可動部材44は、上面441と、側面442と、係止部443とを有している。上面441は、概ね鉛直方向Zを向いており、出入口ENに面している。側面442は、側壁432と対向している。係止部443は、底壁431の下方に位置している。
【0054】
弾性体46は、例えば螺旋部から一対のアームが突出したトーションばねである。螺旋部には、回動ピン45が通されている。一方のアームは支持部437によって支持されている。他方のアームは可動部材44に固定されている。
【0055】
回動ピン45を中心に可動部材44を回動させることにより、収容スペースSへの可動部材44の突出量を調整可能である。弾性体46は、可動部材44の収容スペースSへの突出量が最大となるように可動部材44を付勢している。
【0056】
係止部443は、当該突出量が最大となった状態において底壁431の下面に接触し、可動部材44のそれ以上の回動を規制する。係止部443は、幅方向Yにおいて底壁431よりも突出している。このように突出した係止部443を下方に押すことにより、可動部材44を回動させることができる。
【0057】
図7は、取付機構76Lの動作を示す図である。この図においては、収容スペースSに最大限突出した状態の可動部材44を実線で示し、収容スペースSからある程度退避した状態の可動部材44を鎖線で示している。
【0058】
実線で示す可動部材44と上壁434の間には、ローラ78Lが通過できるほどの隙間が形成されていない。また、可動部材44の側面442がローラ78Lの大部分と対向している。以下、このような可動部材44の状態を閉塞状態と呼ぶ。
【0059】
一方で、鎖線で示す可動部材44と上壁434の間には、ローラ78Lの直径よりも大きい隙間が形成されている。また、可動部材44の側面442がローラ78Lと対向していない。以下、このような可動部材44の状態を開放状態と呼ぶ。
【0060】
弾性体46は、可動部材44を閉塞状態に向けて付勢している。閉塞状態から開放状態に移行させるためには、係止部443を押し下げるなどの操作が必要となる。
【0061】
閉塞状態においては、ローラ78Lの長手方向Xへの移動が可動部材44によって規制される。したがって、可動部材44が閉塞状態にあるときには、収容スペースSに位置するローラ78Lを出入口ENに向けて移動させることができない。
【0062】
一方、開放状態においては、ローラ78Lを出入口ENに向けて移動可能である。したがって、ローラ78Lを出入口ENから出すことができる。
【0063】
なお、収容スペースSの外にあるローラ78Lを収容スペースSに移動させる際には、矢印Rで示すようにローラ78Lを移動させればよい。すなわち、先ず破線で示すローラ78Lのように、ローラ78Lを閉塞状態の可動部材44の上面441に押し付ける。これにより、可動部材44が下方に回動し、開放状態に移行する。その後、ローラ78Lを側壁432に当たる位置まで押し込めば、可動部材44がローラ78Lと接触しなくなり、弾性体46に付勢されて閉塞状態へと移行する。
【0064】
図7の例においては、開放状態の可動部材44の上面441が側壁432に向けて傾斜している。これにより、ローラ78Lを側壁432に向けて円滑に移動させることが可能である。
【0065】
なお、取付機構76R,84L,84Rは、
図6および
図7に示した取付機構76Lと同様の構成を有している。すなわち、取付機構76R,84L,84Rは、いずれも壁部材43、可動部材44、回動ピン45および弾性体46を含み、これらによってローラ78R,86L,86Rが保持されている。取付機構76Rの壁部材43等はフレーム材40Rに設けられ、取付機構84Lの壁部材43等はフレーム材50Lに設けられ、取付機構84Rの壁部材43等はフレーム材50Rに設けられている。取付機構84L,84Rにおいては、出入口ENが下方を向いている。
【0066】
図8は、駆動源9の一部を示す概略的な斜視図である。上述の通り、駆動源9は、モータ90と、モータ90に連結されたシリンダ91と、シリンダ91に収容されたロッド92とを含む。
【0067】
ロッド92の先端には、キャップ97が取り付けられている。キャップ97は、幅方向Yに貫通する取付孔97aを有している。取付孔97aには、
図4に示した回動ピン95が通される。キャップ97および回動ピン95は、上述の連結機構94の一部を成す。
【0068】
モータ90には、幅方向Yに並ぶ一対の凸部98が設けられている。これら凸部98は、幅方向Yに貫通する取付孔98aを有している。取付孔98aには、回動ピン99が通されている。回動ピン99の両端部は、各取付孔98aから突出している。一対の凸部98および回動ピン99は、上述の連結機構93の一部を成す。
【0069】
図9は、連結機構93の一部を示す概略的な斜視図である。
図10は、連結機構93の一部を示す概略的な正面図である。
図9においては、回動ピン99を省略している。
図9および
図10に示すように、連結機構93は、ブラケット100と、一対の係止片110と、一対の固定部材120とを含む。
【0070】
ブラケット100は、下フレーム4の横桟42に設けられている。ブラケット100は、幅方向Yに並ぶ一対の側壁101と、これら側壁101の下端を繋ぐ底壁102とを有している。各側壁101は、鉛直方向Zに沿って窪んだ凹部103(溝)を有している。
【0071】
一対の係止片110は、一対の側壁101の外面にそれぞれ設けられている。すなわち、一対の側壁101は、幅方向Yにおいて一対の係止片110の間に位置している。各係止片110は、例えば金属製または合成樹脂製の板材であり、鉛直方向Zに長尺に延びている。
【0072】
各係止片110は、円形の開口112を有している。これら開口112は、凹部103と幅方向Yに重なっている。
【0073】
図9の例においては、左側の側壁101にスリット104および雌ねじ105が設けられている。また、左側の係止片110に爪部111が設けられている。爪部111は、スリット104に通され、側壁101の内側に突出している。固定部材120は、例えば雄ねじであり、係止片110に設けられた貫通孔を通り、雌ねじ105に捻じ込まれている。雌ねじ105および係止片110の貫通孔は、当該係止片110の開口112や凹部103の下方に位置している。右側の係止片110も同様の構造によって右側の側壁101に固定されている。
【0074】
さらに、各係止片110は、テーパ部113を有している。これらテーパ部113は、幅方向Yにおける互いの間隔が先端に近づくに連れて大きくなるように鉛直方向Zに対して傾斜している。テーパ部113の少なくとも一部は、凹部103の上方に位置している。
【0075】
一対の係止片110は可撓性を有しており、
図10において鎖線で示すように固定部材120による固定位置を支点として撓ませることが可能である。
【0076】
回動ピン99を取り付ける際には、
図10において矢印で示すように、回動ピン99を上方から凹部103(
図9参照)に向けて下降させる。回動ピン99の長さは、一対の側壁101の間隔よりも大きい。したがって、回動ピン99が凹部103に入る前に、回動ピン99の両端部が一対のテーパ部113に接触する。この状態からさらに回動ピン99を下降させると、一対の係止片110が幅方向Yに押し広げられる。回動ピン99が凹部103に達すると、一対の係止片110の開口112の幅方向Yにおける間隔が回動ピン99の長さよりも大きくなり、回動ピン99の両端部が開口112に挿入される。このとき、係止片110が幅方向Yに押し広げる力から解放され、
図9に示した形状に戻る。
【0077】
このように、本実施形態においては、回動ピン99を凹部103に向けて下降させることで、特段の操作を要さずに回動ピン99をブラケット100に連結することができる。回動ピン99が連結された状態においては、係止片110および凹部103によって回動ピン99の移動が規制される。なお、回動ピン99は、開口112の通された状態で回動可能である。係止片110の爪部111が側壁101のスリット104に通されているため、固定部材120を中心とした係止片110の回動が抑制される。
【0078】
回動ピン99をブラケット100から取り外す際、作業者は、例えば一対の係止片110のテーパ部113を押し広げ、モータ90を上方に持ち上げる。これにより、回動ピン99が開口112から外れる。
【0079】
図11は、下フレーム4のフレーム材40Lに装着された脚部材3の概略的な斜視図である。脚部材3は、ベッド装置1を床面に固定的に配置するためのものであり、例えば合成樹脂によって形成されている。
【0080】
脚部材3は、固定ピン200によってフレーム材40Lの端部に固定されている。以下の説明においては、フレーム材40Lの当該端部を被装着部400と呼ぶ。固定ピン200は、長尺な形状の持ち手部201を有している。
【0081】
脚部材3は、固定ピン200を取り付けるための取付部30Rを有している。取付部30Rには、固定ピン200の固定位置P1を示すマークMが設けられている。持ち手部201を固定位置P1に回動させることにより、固定ピン200が脚部材3および被装着部400に係合する。一方、持ち手部201を解除位置P2に回動させることにより、当該係合が解除される。解除位置P2は、固定ピン200の回動方向において、例えば固定位置P1と90°を成す位置である。
【0082】
図12は、脚部材3の概略的な断面斜視図である。脚部材3は、被装着部400を収容可能な収容部31を有している。収容部31は、上下左右が壁面で囲われ、かつ長手方向Xにおける一端が開口した形状を有している。長手方向Xにおける収容部31の端には、被装着部400を受けるストッパ32が設けられている。
【0083】
収容部31は、幅方向Yにおいて一対の側壁33L,33Rの間に位置している。側壁33Rには、
図11にも示した取付部30Rが設けられている。側壁33Lには、取付部30Lが設けられている。
【0084】
取付部30Rは、側壁33Rを貫通する取付孔300と、側壁33Rの外面側に設けられた座ぐり部301と、側壁33Rの内面側に設けられた溝部302とを有している。取付孔300は、収容部31に連通している。座ぐり部301は、取付孔300の周囲に設けられ、略円形の平面形状を有している。溝部302は、取付孔300の軸周りの全周に設けられているのではなく、一部にのみ設けられている。
【0085】
本実施形態において、脚部材3は、長手方向Xおよび鉛直方向Zで規定されるX-Z平面に関して面対称の形状を有している。したがって、側壁33Lおよび取付部30Lの構造は、側壁33Rおよび取付部30Rと同様である。
【0086】
図12において破線で示すように、取付孔300は、基本形状が円形である。さらに、取付孔300は、第1方向D1に並ぶ一対の拡大部300aを有している。取付孔300は、第1方向D1に長尺な形状を有しているともいえる。第1方向D1は、例えば鉛直方向Zと平行であるが、この例に限られない。
【0087】
図13は、被装着部400および固定ピン200の概略的な斜視図である。
図14は、被装着部400の概略的な側面図である。
図13においては、取付部30Lに取り付けられる閉塞ピン210も示している。
【0088】
図13に示すように、被装着部400は、壁部によって囲われた中空構造を有している。具体的には、被装着部400の壁部は、幅方向Yに並ぶ一対の側壁450,460と、側壁450,460の下端を接続する底壁470と、側壁450,460の上端を接続する頂壁480とを有している。
【0089】
側壁450は、固定ピン200が挿入される取付孔451を有している。取付孔451は、側壁450の内面と外面の間を貫通している。
図14に示すように、取付孔451は、基本形状が円形である。さらに、取付孔451は、第1方向D1に並ぶ一対の拡大部451aを有している。取付孔451は、第1方向D1に長尺な形状、あるいは第1方向D1における幅が第1方向D1と直交する第2方向D2における幅よりも大きい形状を有しているともいえる。第2方向D2は、例えば長手方向Xと平行であるが、この例に限られない。
【0090】
側壁450は、取付孔452をさらに有している。取付孔452は、例えば円形の貫通孔であり、取付孔451よりも被装着部400の端部寄りに位置している。側壁460は、幅方向Yにおいて取付孔452と向かい合う位置に、取付孔462を有している。取付孔462の形状は、取付孔452と同様である。
【0091】
底壁470は、取付孔471を有している。取付孔471は、例えば取付孔451,452,462よりも開口面積が大きい円形である。
【0092】
図15は、固定ピン200および閉塞ピン210の概略的な斜視図である。固定ピン200は、上述の持ち手部201と、持ち手部201から延びる軸部202と、一対の係合部203と、フランジ部204とを有している。
【0093】
各係合部203は、軸部202の先端に設けられ、軸部202の延出方向と交差する突出方向D3に延びる突起である。持ち手部201は、突出方向D3に長尺な形状を有している。フランジ部204は、軸部202の根本に設けられ、軸部202の延出方向と交差する方向に環状に突出している。
【0094】
閉塞ピン210は、頭部211と、頭部211から延びる軸部212と、一対の係合部213とを有している。頭部211は、円盤状である。各係合部213は、軸部212の先端に設けられ、軸部212の延出方向と交差する突出方向D4に延びる突起である。
【0095】
図16は、脚部材3、被装着部400、固定ピン200および閉塞ピン210の概略的な断面図である。この図においては、脚部材3の収容部31に被装着部400が挿入され、固定ピン200が取付部30Rに取り付けられ、閉塞ピン210が取付部30Lに取り付けられた状態を示している。
【0096】
収容部31の奥まで被装着部400が収容された状態においては、取付部30Rの取付孔300と被装着部400の取付孔451が幅方向Yに重なる。このとき、
図12に示した一対の拡大部300aと、
図14に示した一対の拡大部451aも幅方向Yにそれぞれ重なる。
【0097】
固定ピン200の軸部202と各係合部203は、係合部203の突出方向D3を取付孔300,451の長手方向である第1方向D1に合わせることにより、取付孔300,451に挿脱可能である。すなわち、突出方向D3が第1方向D1と一致した状態においては、取付孔300の拡大部300aと取付孔451の拡大部451aを各係合部203が通過可能である。突出方向D3が第1方向D1と所定の角度ずれた状態においては、各係合部203が取付孔300の周縁部に当たり、取付孔300に挿入することができない。
【0098】
軸部202を取付孔300および取付孔451に挿入し、かつ突出方向D3が第2方向D2に一致するように固定ピン200を回動させることにより、
図16に示すように各係合部203が側壁450の内面に係合する。
図11に示した固定位置P1は、このように各係合部203が側壁450の内面と係合する持ち手部201の位置を示している。固定ピン200が取付孔300,451に挿入されると、フランジ部204が座ぐり部311に収容される。
【0099】
固定ピン200を取付部30Rから外す際には、持ち手部201を
図11に示した解除位置P2に回動させる。このとき、突出方向D3が第1方向D1と一致し、各係合部203と側壁450の内面の係合が解除される。この状態においては、軸部202および各係合部203を取付孔300,451から抜き出すことができる。
【0100】
閉塞ピン210は、取付部30Lの取付孔300を閉塞するためのものであり、脚部材3と被装着部400の固定には寄与しない。閉塞ピン210の軸部212と各係合部213は、係合部213の突出方向D4を取付孔300の長手方向である第1方向D1に合わせることにより、取付孔300に挿脱可能である。すなわち、突出方向D4が第1方向D1と一致した状態においては、取付孔300の拡大部300aを各係合部213が通過可能である。突出方向D4が第1方向D1と所定の角度ずれた状態においては、各係合部213が取付孔300の周縁部に当たり、取付孔300に挿入することができない。
【0101】
軸部212を取付孔300に挿入し、かつ突出方向D4が第2方向D2に一致するように閉塞ピン210を回動させることにより、
図16に示すように各係合部213が側壁33Lの内面に係合する。このとき、各係合部213は、溝部302に位置している。
【0102】
閉塞ピン210を取付部30Lから外す際には、突出方向D4が第1方向D1と一致するように閉塞ピン210を回動させる。これにより、各係合部213と側壁33Lの内面の係合が解除される。この状態においては、軸部212および各係合部213を取付孔300から抜き出すことができる。
【0103】
このように、本実施形態に係る脚部材3は、ねじやボルトなどを用いることなく被装着部400に装着することが可能である。したがって、脚部材3の着脱のための工具が不要である。
【0104】
図11乃至
図16においては、フレーム材40Lの一端に脚部材3を装着するための構造を例示した。フレーム材40Lの他端に脚部材3を装着するための構造や、フレーム材40Rの両端に脚部材3を装着するための構造も、
図11乃至
図16の例と同様である。
【0105】
脚部材3は、上述したようにX-Z平面に関して面対称の形状を有している。したがって、
図2に示した4つの脚部材3は、同一形状のものを用いることができる。取付部30L,30Rには、固定ピン200および閉塞ピン210が選択的に嵌められる。
【0106】
脚部材3は、ベッド装置1の用途に応じてキャスタに付け替えることもできる。
図17は、キャスタ500が装着された下フレーム4の概略的な斜視図である。キャスタ500の一部は、例えば
図13に示した取付孔471から被装着部400に挿入される。この状態において、取付孔452,462を通じてねじなどの固定部材510を当該一部に連結することにより、キャスタ500が被装着部400に固定される。他の例として、キャスタ500は、上述の固定ピン200によって被装着部400に固定されてもよい。
【0107】
以上の本実施形態においては、
図2乃至
図7を用いて説明したように、取付機構76L,76Rによってリンク部材7の端部を容易に下フレーム4に取り付けることができる。また、取付機構84L,84Rによってリンク部材8の端部を容易に上フレーム5に取り付けることができる。また、
図8乃至
図10を用いて説明したように、連結機構93によって駆動源9を容易に下フレーム4に取り付けることができる。また、
図11乃至
図16を用いて説明したように、脚部材3を容易に下フレーム4に取り付けることができる。さらに、本実施形態の構成によれば、これらの取付作業に特段の工具を用いる必要がない。したがって、ベッド装置1の組み立てや解体の作業が極めて容易になる。
【0108】
本実施形態から得られるベッド装置を以下に例示する。
[1]
鉛直方向に並ぶとともに長手方向に長尺な第1フレームおよび第2フレームと、
前記第1フレームおよび前記第2フレームに連結されるリンク部材と、
前記リンク部材を前記第1フレームに取り付ける第1取付機構と、
前記リンク部材を前記第2フレームに取り付ける第2取付機構と、
を備え、
前記第1取付機構は、
前記リンク部材に設けられた第1ローラと、
前記第1フレームに設けられ、前記第1ローラの収容スペースを形成するとともに前記鉛直方向に開口した出入口を有する壁部材と、
前記鉛直方向において前記出入口と重なる位置に設けられ、前記収容スペースに突出した閉塞状態と、前記収容スペースから退避した開放状態との間で動作可能な可動部材と、
前記可動部材を前記閉塞状態に向けて付勢する弾性体と、
を備え、
前記第1ローラが前記収容スペースに収容され、かつ前記可動部材が前記閉塞状態にあるとき、前記第1ローラが前記可動部材と前記長手方向に対向して前記出入口に向けた前記第1ローラの移動が規制され、
前記可動部材が前記開放状態にあるとき、前記出入口を通じて前記収容スペースへの前記第1ローラの出し入れが可能となる、
ベッド装置。
[2]
前記第2取付機構は、
前記リンク部材に設けられた第2ローラと、
前記第2フレームに設けられ、前記第2ローラを前記長手方向に移動可能に保持するレールと、
を備える、
上記[1]に記載のベッド装置。
[3]
前記リンク部材を前記第1フレームおよび前記第2フレームの幅方向と平行な軸を中心に回動させ、前記第1フレームおよび前記第2フレームの間の前記鉛直方向における距離を変化させる駆動源をさらに備える、
上記[1]または[2]に記載のベッド装置。
[4]
鉛直方向に並ぶとともに長手方向に長尺な第1フレームおよび第2フレームと、
前記第1フレームおよび前記第2フレームに連結されるリンク部材と、
前記リンク部材を前記第1フレームおよび前記第2フレームの幅方向と平行な軸を中心に回動させ、前記第1フレームおよび前記第2フレームの間の前記鉛直方向における距離を変化させる駆動源と、
前記駆動源を前記第1フレームに対して回動可能に連結する第1連結機構と、
前記駆動源を前記リンク部材に対して回動可能に連結する第2連結機構と、
を備え、
前記第1連結機構は、
前記第1フレームに設けられ、前記鉛直方向に窪んだ凹部をそれぞれ有するとともに前記幅方向に並ぶ一対の側壁を含むブラケットと、
前記一対の側壁の外面にそれぞれ設けられ、前記凹部と前記幅方向に重なる開口をそれぞれ有する一対の係止片と、
前記駆動源に設けられ、前記一対の側壁の前記凹部および前記一対の係止片の前記開口に通されたピンと、
を備え、
前記一対の係止片は、これらの前記開口の前記幅方向における間隔が前記ピンの長さよりも大きくなるように撓ませることが可能な可撓性を有している、
ベッド装置。
[5]
前記一対の係止片は、前記幅方向における互いの間隔が先端に近づくに連れて大きくなるように前記鉛直方向に対して傾斜したテーパ部をそれぞれ有している、
上記[4]に記載のベッド装置。
[6]
脚部材と、
前記脚部材が装着される被装着部を有するベッドフレームと、
前記脚部材を前記ベッドフレームに固定する固定ピンと、
を備え、
前記固定ピンは、
持ち手部と、
前記持ち手部から延びる軸部と、
前記軸部の先端に設けられた係合部と、
を有し、
前記被装着部は、前記軸部を挿入可能な第1取付孔を有し、
前記脚部材は、
前記被装着部を収容可能な収容部と、
前記収容部に連通し、前記収容部に前記被装着部が収容された状態において前記第1取付孔と重なる第2取付孔と、
を有し、
前記軸部を前記第1取付孔および前記第2取付孔に挿入し、かつ前記持ち手部を固定位置に回動させることにより、前記係合部が前記被装着部に係合し、
前記固定位置から解除位置に前記持ち手部を回動させることにより、前記係合部と前記被装着部の係合が解除される、
ベッド装置。
[7]
前記係合部は、前記軸部の先端から前記軸部の延出方向と交差する突出方向に延びる突起であり、
前記第1取付孔は、前記被装着部の壁部の内面と外面の間を貫通し、かつ第1方向に長尺な形状を有し、
前記突出方向と前記第1方向を合わせることにより、前記軸部および前記係合部を前記第1取付孔および前記第2取付孔に対して挿脱可能であり、
前記軸部を前記第1取付孔および前記第2取付孔に挿入し、かつ前記突出方向が前記第1方向と交差する第2方向に一致するように前記固定ピンを回動させることにより、前記係合部が前記被装着部の前記内面に係合する、
上記[6]に記載のベッド装置。
【0109】
ここで、下フレーム4および上フレーム5の一方は第1フレームの一例であり、他方は第2フレームの一例である。取付機構76L,76R,84L,84Rは、第1取付機構の一例である。取付機構77L,77R,83L,83Rは、第2取付機構の一例である。ローラ78L,78R,86L,86Rは、第1ローラの一例である。ローラ79L,79R,85L,85Rは、第2ローラの一例である。連結機構93は、第1連結機構の一例である。連結機構94は、第2連結機構の一例である。取付孔451は、第1取付孔の一例である。取付孔300は、第2取付孔の一例である。
【0110】
本実施形態は、本発明の範囲を当該実施形態にて開示した構成に限定するものではない。本発明は、当該実施形態にて開示した構成を種々の態様に変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0111】
1…ベッド装置、2…ベッドフレーム、3…脚部材、4…下フレーム、5…上フレーム、6…昇降機構、7,8…リンク部材、9…駆動源、10…床板体、43…壁部材、44…可動部材、45…回動ピン、46…弾性体、76L,76R,77L,77R,83L,83R,84L,84R…取付機構、93,94…連結機構、110…係止片、200…固定ピン、210…閉塞ピン、P1…固定位置、P2…解除位置、S…収容スペース、X…長手方向、Y…幅方向、Z…鉛直方向。