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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166286
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】口腔内装着器具洗浄剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/46 20060101AFI20241121BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
A61K8/46
A61Q11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024154504
(22)【出願日】2024-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002240
【氏名又は名称】弁理士法人英明国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 彩人
(57)【要約】
【課題】泡立ちが良く、その泡の持続性が高い口腔内装着器具洗浄剤を提供する。
【解決手段】アルキル硫酸塩を含有する口腔内装着器具洗浄剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルキル硫酸塩を含有する口腔内装着器具洗浄剤。
【請求項2】
固体である、請求項1記載の口腔内装着器具洗浄剤。
【請求項3】
さらに、炭酸塩を含有する、請求項1又は2記載の口腔内装着器具洗浄剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔内装着器具洗浄剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
義歯、マウスピース等の口腔内装着器具は、これらの器具と口腔粘膜との間に食べかすが溜り易く、口腔内が不潔になり易い。器具に付着する汚れには、細菌、バイオフィルム、プラーク、食物残渣、ステイン(着色沈着物)、歯石等があり、これらは口臭の原因になるだけでなく、歯周病等の口腔内疾患を誘発する一因になることがある。口腔内装着器具に付着した細菌や汚れは、ブラシによる清掃では十分に除去できないため、洗浄剤による洗浄が重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-157419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
洗浄剤による洗浄をする場合、化学的洗浄力と発泡作用による物理的洗浄力を発揮させ、洗浄効果が高まる。特に、泡立ちが良く、その泡の持続性が高いと、細かい口腔内装着器具に泡がいきわたるために、より洗浄力が高められる。以上のことから、本発明は、泡立ちが良く、その泡の持続性が高い口腔内装着器具洗浄剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、アルキル硫酸塩を含有する口腔内装着器具洗浄剤とすることで、上記課題が解決できることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0006】
従って、本発明は下記口腔内装着器具洗浄剤を提供する。
1.アルキル硫酸塩を含有する口腔内装着器具洗浄剤。
2.固体である、1記載の口腔内装着器具洗浄剤。
3.さらに、炭酸塩を含有する、1又は2記載の口腔内装着器具洗浄剤。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、泡立ちが良く、その泡の持続性が高い口腔内装着器具洗浄剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
[アルキル硫酸塩]
アルキル硫酸塩は1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。アルキル硫酸塩のアルキル基としては、炭素数8~20のものが好ましく、炭素数10~18のものがより好ましく、12~18のものがさらに好ましい。アルキル分布としては、炭素数12以外にもC10、C14が0~20質量%含まれる場合がある。アルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、直鎖状がより好ましい。前記アルキル硫酸塩を構成する塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。アルキル硫酸塩としては、ラウリル硫酸塩が好ましく、ラウリル硫酸アルカリ金属塩がより好ましく、ラウリル硫酸ナトリウムがさらに好ましい。
【0009】
アルカリ硫酸塩は、粉末状でもよく、顆粒状でもよい。アルカリ硫酸塩としては、エマール10PT、10G(花王(株)製)、アルスコープLN-90PW、LC30(東邦化学(株)製)、サンノールLM-1130(ライオンスペシャリティーケミカルズ(株))、TEXAPON OC-P、K12GPH (BASF社製)、NIKKOL SLS(日光ケミカルズ(株)製)等が挙げられる。
【0010】
アルキル硫酸塩の量は特に限定されないが、泡立ち及び泡の持続性の点から、口腔内装着器具洗浄剤中0.1質量%以上が好ましく、洗浄後に義歯のヌルつき抑制の点から、10質量%以下が好ましい。0.2~8質量%がより好ましく、0.3~5質量%がさらに好ましい。
【0011】
[任意成分]
本発明の口腔内装着器具洗浄剤には、上記アルキル硫酸塩の他に、本発明の効果を妨げない範囲で、口腔内装着器具洗浄剤に用いられる任意成分を適量用いることができる。
【0012】
[発泡剤]
発泡剤としては、水中で二酸化炭素を発生できるものが好ましく、炭酸塩、炭酸水素塩及びこれらの混合物から選ばれる1種以上(炭酸塩類)、炭酸塩以外の酸、炭酸塩と炭酸以外の酸との併用が挙げられる。炭酸塩類は1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸アンモニウム、炭酸リチウムが挙げられる。炭酸水素塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素リチウムが挙げられる。炭酸塩と炭酸水素塩の混合物としては、セスキ炭酸ナトリウム、セスキ炭酸カリウム、セスキ炭酸アンモニウムが挙げられる。中でも、炭酸塩、炭酸水素塩が好ましい。
【0013】
上記炭酸塩類を配合する場合の量は、口腔内装着器具洗浄剤中10~90質量%が好ましく、15~90質量%がより好ましい。
【0014】
酸としては、炭酸以外の有機酸、無機酸を用いることができ、これらのナトリウム塩等のアルカリ金属塩を用いることもできる。具体的には下記の物質を挙げることができ、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。有機酸としては、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、アジピン酸が挙げられる。ホウ酸、リン酸、リン酸二水素ナトリウム,リン酸二水素カリウム等のリン酸二水素塩等が挙げられる。これらの中でも、有機酸が好ましく、クエン酸がより好ましい。
【0015】
上記酸を配合する場合の量は、口腔内装着器具洗浄剤中10~90質量%が好ましく、20~80質量%がより好ましい。上記炭酸塩類と酸とを併用して配合する場合、炭酸塩類の好ましい量は、口腔内装着器具洗浄剤中10~80質量%であり、酸の好ましい量は、口腔内装着器具洗浄剤中10~80質量%である。
【0016】
[漂白成分]
口腔内装着器具洗浄剤は、漂白成分を含有してもよい。漂白成分を含むことにより、洗浄力を向上させることができる。漂白成分としては、塩素化イソシアヌル酸、塩素化イソシアヌル酸塩、次亜塩素酸塩、過炭酸塩、過ホウ酸塩、モノ過硫酸水素塩等の過硫酸塩、過リン酸塩等が挙げられる。中でも、過ホウ酸塩が好ましい。これらは1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0017】
過炭酸塩としては、具体的には、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム等の過炭酸のアルカリ金属塩、過炭酸アンモニウム、これらの水和物等が挙げられる。過ホウ酸塩としては、具体的には、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム等の過ホウ酸のアルカリ金属塩、過ホウ酸アンモニウム、これらの水和物等が挙げられる。過硫酸塩としては、具体的には、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸のアルカリ金属塩、過硫酸アンモニウム、これらの水和物等が挙げられる。モノ過硫酸水素塩としては、具体的には、モノ過硫酸水素ナトリウム、モノ過硫酸水素カリウム(ペルオキシ硫酸-水素カリウム混合物)等のモノ過硫酸水素のアルカリ金属塩、モノ過硫酸水素アンモニウム、これらの水和物等が挙げられる。
【0018】
上記漂白成分を配合する場合の量は、口腔内装着器具洗浄剤中1~75質量%が好ましい。
【0019】
[漂白活性化剤]
酸素系漂白剤を含有する場合、漂白活性化剤を含有してもよい。漂白活性化剤は1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。漂白活性化剤は、水中で酸素系漂白剤から発生したHO2-と反応し、より漂白効果の高い有機過酸を発生させる。漂白活性化剤としては、公知のものを特に制限なく使用でき、例えば、テトラアセチルエチレンジアミン;炭素数1~18、好ましくは炭素数8~12のアルカノイル基を有するアルカノイルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩;炭素数1~18、好ましくは炭素数8~12のアルカノイル基を有するアルカノイルオキシ安息香酸又はその塩等が挙げられる。塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
【0020】
上記漂白活性化剤を配合する場合の量は、口腔内装着器具洗浄剤中0.01~5質量%が好ましく、1~3質量%がより好ましく、0.5~2質量%がさらに好ましい。
【0021】
その他、以下のような任意成分が挙げられる。これらはそれぞれ1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
[安定化剤]
安定化剤としては、ホウ素化合物(酸化ホウ素等)、ケイ酸塩(ケイ酸ナトリウム等)、硫酸塩(硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム等)、リン酸塩(リン酸二水素ナトリウム等)等が挙げられる。
【0022】
[界面活性剤]
前記アルキル硫酸塩以外の界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は、化学的洗浄作用を発揮させる成分等としての役割を果たす。界面活性剤としては、洗浄剤の成分として使用可能なものであることを限度として特に制限されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤のいずれを使用してもよい。これらの界面活性剤の中でも、アニオン性界面活性剤が好ましい。
【0023】
アニオン性界面活性剤としては、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤の塩の形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、及び塩酸塩等が挙げられる。中でも、油汚れ洗浄力が高いアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホ酢酸ナトリウム等が好ましく、これらを配合すると洗浄力をより高めることができる。
【0024】
上記アルキル硫酸塩以外のアニオン性界面活性剤を配合する場合の量は、口腔内装着器具洗浄剤中0.1~15質量%が好ましい。
【0025】
[洗浄力向上剤]
洗浄力向上剤としては、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸二水素ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等の縮合リン酸塩が挙げられる。上記洗浄力向上剤を配合する場合の量は、口腔内装着器具洗浄剤中1~30質量%が好ましい。
【0026】
[粘度調整剤]
粘度調整剤としては、グアガム等の多糖類、メチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール等の合成高分子化合物、ヘクトライト等の粘土状鉱物が挙げられる。上記粘度調整剤を配合する場合の量は、口腔内装着器具洗浄剤中、0.1~5質量%が好ましい。
【0027】
[結合剤]
結合剤としては、糖アルコール、ポリアルキレングリコール等が挙げられる。糖アルコールとしては、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール等が挙げられる。上記糖アルコールを配合する場合の量は、口腔内装着器具洗浄剤中1~30質量%が好ましく、3~20質量%がより好ましく、4~15質量%がさらに好ましい。 ポリアルキレングリコールとして、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等が挙げられる。上記ポリアルキレングリコールを配合する場合の量は、口腔内装着器具洗浄剤中0.1~5質量%が好ましく、0.5~2質量%がより好ましく、0.5~1.5質量%がさらに好ましい。
【0028】
[滑沢剤]
錠剤状への成型工程を容易に行うために、滑沢剤が含まれていてもよい。滑沢剤の種類については、特に制限されないが、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等が挙げられる。
【0029】
上記滑沢剤を配合する場合の量は、口腔内装着器具洗浄剤中0.01~1質量%が好ましく、0.015~0.5質量%がより好ましく、0.02~0.3質量%がさらに好ましい。
【0030】
本発明の口腔内装着器具洗浄剤に配合可能な他の添加剤としては、基材(硫酸ナトリウム等)、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸ナトリウム香料、色素、消臭剤、歯石防止剤、防錆剤、キレート剤、pH調整剤、酵素(プロテアーゼ等)、甘味料、清涼剤、発泡安定化剤、保存剤、抗菌剤、殺菌剤、防腐剤、増量剤、賦形剤、崩壊剤、流動化剤等が挙げられる。これらの成分は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。それぞれ本発明の効果を損なわない範囲で、適宜選定することができる。
【0031】
なお、香料としては、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料や、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3-l-メントキシプロパン-1,2-ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N-置換-パラメンタン-3-カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料が挙げられ、口腔用組成物用として公知の香料素材を組み合わせて使用することができる。香料成分はシクロデキストリンに包接させてもよい。
【0032】
上記香料を配合する場合の口腔内装着器具洗浄剤中の量は、上記の香料素材の量は、0.000001~1質量%が好ましい。上記香料素材を使用した賦香用香料の量は、0.05~3質量%が好ましい。
【0033】
[剤型]
本発明の口腔内装着器具洗浄剤の剤型は特に限定されず、固体でも液体でもよいが、固体が好ましく、固体としては、粉末状、粒状、錠剤がより好ましい。粒状剤は、非造粒物でも造粒物でもよく、それらの混合物でもよい。また、平均粒子径は特に制限されず、0.1μm~5mmが好ましい。なお、平均粒径は、ふるい分け試験方法通則(JIS8815-1994)に記載される、手動ふるい分けにより規定される粒径をいう。錠剤1個当たりの重量は特に限定されず、使用方法に応じて適宜選定される。
【0034】
[製造方法]
製造方法は特に限定されないが、例えば、アルキル硫酸塩及び任意成分を混合する方法、又は混合後に造粒する方法もしくは打錠等により得ることができる。なお、原料の一部又は全部を造粒してもよく、混合後に造粒することもでき、公知の造粒方法を採用することができる。さらに、コーティング等をすることもできる。
【0035】
[口腔内装着器具]
口腔内装着器具としては、口腔内に装着するものであれば特に限定されないが、義歯(入れ歯)、矯正用リテーナー、マウスピース等が挙げられる。特に義歯洗浄剤として好適に用いられる。
【0036】
[使用方法]
本発明の口腔内装着器具洗浄剤の使用方法としては、容器に口腔内器具洗浄剤、口腔内装着器具、水を投入し使用するが、これらの投入する順番は特に限定されない。投入する水は必要により加熱して適当な温度に調製し使用することができる。洗浄液中の口腔内装着器具洗浄剤の割合は、水100質量部に対して1~10質量部が好ましく、1~5質量部が好ましい。口腔内装着器具は、どの段階で入れてもよいが、上記水を投入した後が好ましい。口腔内装着器具を、洗浄に適当な時間、例えば1分~24時間で浸漬時間を適宜選択し浸漬する。浸漬・洗浄後の口腔内装着器具を洗浄液から取り出し、水で洗浄する。必要に応じて、水で洗浄する前、洗浄中にブラシ等で洗浄してもよい。
【実施例0037】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%を示す。
【0038】
[実施例]
下記組成の口腔内装着器具洗浄剤を、下記方法で調製した。得られた洗浄剤について、下記評価を行った。
<製法>
顆粒剤:実施例に記載の成分を秤量し、混合器(V型又はナウター)で混合した。
錠剤:実施例に記載の成分を秤量し、打錠機にて40MPaで打錠成型して錠剤を得た。錠剤の1錠あたりの質量2g、径2cmであった。
【0039】
<評価方法(使用方法)>
顆粒剤(2g)、錠剤(1錠:2g)を、200mLビーカー入れ、これに水を約150mL投入して溶解させた。投入直後(10秒後の泡量:泡のスピード)、及び1時間後の泡量(泡の持続性)を観察し、下記評価基準で評価した。
【0040】
〈泡立ちのスピード〉
5点:10秒後に上から見て3/4を超え液面全体が泡で覆われる
4点:10秒後に上から見て液面の半分を超え3/4が泡で覆われる
3点:10秒後に上から見て液面の1/4を超え半分が泡で覆われる
2点:10秒後に上から見て液面の1/4のみ泡で覆われる
1点:10秒後に上から見て液面の1/4よりも少ない部分のみ泡で覆われる
3点以上を合格とする。
【0041】
〈泡の持続性〉
5点:1時間後に上から見て3/4を超え液面全体が泡で覆われる
4点:1時間後に上から見て液面の半分を超え3/4が泡で覆われる
3点:1時間後に上から見て液面の1/4を超え半分が泡で覆われる
2点:1時間後に上から見て液面の1/4のみ泡で覆われる
1点:1時間後に上から見て液面の1/4よりも少ない部分のみ泡で覆われる
3点以上を合格とする。
【0042】
[実施例1]
顆粒製剤
組成 %
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
酸化マグネシウム 2.0
ペルオキシ硫酸-水素カリウム混合物 16.0
過ホウ酸ナトリウム 43.0
ポリリン酸ナトリウム 19.0
青色1号 0.01
酵素(プロテアーゼ) 0.8
香料 1.3
炭酸ナトリウム 残部
合計 100.0
評価結果
泡立ちのスピード:5点
泡の持続性:4点
【0043】
[実施例2]
顆粒製剤
組成 %
ラウリル硫酸ナトリウム 0.5
ペルオキシ硫酸-水素カリウム混合物 15.0
過ホウ酸ナトリウム 40.0
ポリリン酸ナトリウム 16.0
青色1号 0.01
黄色4号 0.005
酵素 (プロテアーゼ) 0.5
香料 1.5
炭酸ナトリウム 残部
合計 100.0
評価結果:
泡立ちのスピード:5点
泡の持続性:3点
【0044】
[実施例3]
顆粒製剤
組成 %
ラウリル硫酸ナトリウム 0.2
ペルオキシ硫酸-水素カリウム混合物 25.0
過ホウ酸ナトリウム 20.0
ポリリン酸ナトリウム 18.0
青色1号 0.01
酵素 (プロテアーゼ) 0.2
香料 0.9
炭酸ナトリウム 残部
合計 100.0
評価結果:
泡立ちのスピード: 4点
泡の持続性: 3点
【0045】
[実施例4]
顆粒製剤
組成 %
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
ペルオキシ硫酸-水素カリウム混合物 30.0
過ホウ酸ナトリウム 18.0
ポリリン酸ナトリウム 15.0
青色1号 0.01
酵素 (プロテアーゼ) 0.1
香料 0.6
炭酸ナトリウム 残部
合計 100.0
評価結果:
泡立ちのスピード: 5点
泡の持続性: 5点
【0046】
[実施例5]
顆粒製剤
組成 %
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
ミリスチン酸ナトリウム 0.2
ペルオキシ硫酸-水素カリウム混合物 9.0
過ホウ酸ナトリウム 30.0
過炭酸ナトリウム 15.0
ピロリン酸ナトリウム 20.0
青色1号 0.01
酵素 (プロテアーゼ) 0.8
香料 0.8
炭酸ナトリウム 残部
合計 100.0
評価結果:
泡立ちのスピード: 5点
泡の持続性: 4点
【0047】
[実施例6]
錠剤
組成 %
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
炭酸ナトリウム 20.0
無水クエン酸 10.0
過ホウ酸ナトリウム 10.0
ペルオキシ硫酸-水素カリウム混合物 5.0
ピロリン酸ナトリウム 5.0
酵素 (プロテアーゼ) 0.8
香料 0.8
硫酸ナトリウム 残部
合計 100.0
評価結果:
泡立ちのスピード: 3点
泡の持続性: 3点
【0048】
[実施例7]
錠剤
組成 %
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
ペルオキシ硫酸-水素カリウム混合物 11.0
過ホウ酸ナトリウム 5.0
無水クエン酸 25.0
炭酸水素ナトリウム 30.0
ケイ酸アルミニウム 3.0
ピロリン酸二水素ナトリウム 4.0
ポリエチレングリコール4000 1.0
ソルビトール 3.0
メタケイ酸ナトリウム 1.0
香料 0.5
炭酸ナトリウム 残部
合計 100.0
評価結果:
泡立ちのスピード:5点
泡の持続性:4点
【0049】
[実施例8]
錠剤
組成 %
ラウリル硫酸ナトリウム 1.8
ペルオキシ硫酸-水素カリウム混合物 15.0
過ホウ酸ナトリウム 8.0
DL-リンゴ酸 15.0
炭酸水素ナトリウム 25.0
α-オレフィンスルホン酸ナトリウム 0.5
ケイ酸マグネシウム 3.0
ピロリン酸ナトリウム 2.0
エバラーゼ(酵素)16L 1.0
キシリトール 2.5
二酸化ケイ素 1.0
赤色206号 0.0005
香料 1.5
安息香酸ナトリウム 0.2
塩化ベンザルコニウム 0.05
炭酸ナトリウム 残部
合計 100.0
評価結果
泡立ちのスピード:5点
泡の持続性:5点
【0050】
[実施例9]
錠剤
組成 %
ラウリル硫酸ナトリウム 1.8
ペルオキシ硫酸-水素カリウム混合物 15.0
過炭酸ナトリウム 10.0
コハク酸 15.0
炭酸水素ナトリウム 30.0
ラウリルスルホ酢酸ナトリウム 0.8
ステアリン酸マグネシウム 4.0
テトラアセチルエチレンジアミン 1.0
ポリリン酸ナトリウム 3.0
サビナーゼ(酵素)16L 1.5
マルチトール 2.0
硫酸カルシウム 1.0
黄色202号 0.0008
香料 1.3
塩化ベンゼトニウム 0.08
硫酸ナトリウム 残部
合計 100.0
評価結果:
泡立ちのスピード: 5点
泡の持続性: 5点
【0051】
上記例で使用した原料を下記に示す。なお、特に明記がない限り、表中の各成分の量は純分換算量である。
ラウリル硫酸ナトリウム:ラウリル硫酸ナトリウム(関東化学(株)製)
ラウリルスルホ酢酸ナトリウム:NIKKOL LSA-F(日光ケミカルズ(株)製)
ミリスチン酸ナトリウム:(富士フイルム和光純薬(株)製)
α-オレフィンスルホン酸ナトリウム:テトラデセンスルホン酸ナトリウム(ライオンスペシャリティケミカルズ(株)製)
酸化マグネシウム:酸化マグネシウム(富士フイルム和光純薬(株)製)
ペルオキシ硫酸-水素カリウム混合物:オキソンPS-16(ランクセス社製)
過ホウ酸ナトリウム:過ホウ酸ナトリウム一水和物(EVONIC社製)
炭酸ナトリウム:炭酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬(株)製)
過炭酸ナトリウム:過炭酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬(株)製)
ピロリン酸ナトリウム:ピロリン酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬(株)製)
炭酸水素ナトリウム:炭酸水素ナトリウム(富士フイルム和光純薬(株)製)
ケイ酸マグネシウム:フロリジル(Sigma-Aldrich製)
無水クエン酸:くえん酸(富士フイルム和光純薬(株)製)
DL-リンゴ酸:DL-りんご酸(富士フイルム和光純薬(株)製)
コハク酸:こはく酸(富士フイルム和光純薬(株)製)
ステアリン酸マグネシウム:ステアリン酸マグネシウム(富士フイルム和光純薬(株)製)
ポリリン酸ナトリウム:ポリリン酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬(株)製)
ケイ酸アルミニウムケイ酸アルミニウム(富士フイルム和光純薬(株)製)
メタケイ酸ナトリウム:メタケイ酸ナトリウム九水和物(富士フイルム和光純薬(株)製)
ピロリン酸二水素ナトリウム:ピロリン酸二水素二ナトリウム(富士フイルム和光純薬(株)製)
ポリエチレングリコール4000:PEG4000S(三洋化成工業(株)製)
ソルビトール:D-ソルビトール(富士フイルム和光純薬(株)製)
キシリトール:シリトール(富士フイルム和光純薬(株)製)
マルチトール:マルチトール(三菱商事ライフサイエンス(株)製)
テトラアセチルエチレンジアミン:N,N-(Ethane-1,2-diyl)bis(N-acetylacetamide)(BLD Pharmatech Ltd.)
二酸化ケイ素:二酸化ケイ素(富士フイルム和光純薬(株)製)
青色1号:食用青色1号(東京化成工業(株)製)
黄色4号:Food Yellow No.4(東京化成工業(株)製)
黄色202号:食用黄色202号(東京化成工業(株)製)
赤色206号:食用赤色206号(東京化成工業(株)製)
酵素(プロテアーゼ):(ノボザイムス社製)
エバラーゼ(酵素)16L(ノボザイムス社製)
サビナーゼ(酵素)16L:(ノボザイムス社製)
硫酸カルシウム:硫酸カルシウム(富士フイルム和光純薬(株)製)
硫酸ナトリウム:硫酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬(株)製)
安息香酸ナトリウム:安息香酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬(株)製)
塩化ベンザルコニウム(Benzalkonium Chloride Toronto Research Chemicals Inc,製)
塩化ベンゼトニウム:塩化ベンゼトニウム(富士フイルム和光純薬(株)製)
香料:以下の成分を含む粉末香料(シクロデキストリンに包接)
・メントール
・ペパーミント油
・リモネン
・アネトール